JP2004340715A - ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来るゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置を提供する。
【解決手段】面内剪断試験装置1は、相対向する一対の支持プレート2a,2b間に、等間隔で平行な複数本の棒状の固定治具3a,3b,3cが配設してあり、両側の固定治具3a,3cは、相対向する支持プレート2a,2bにナット4を介して着脱可能に取付けられ、また中央の固定治具3bは、前記相対向する一方の支持プレート2aに形成されたネジ部5を貫通して、駆動手段6の駆動ロッド6aにナット7を介して位置調整可能に連結されている。両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの長手方向の略中央には、ゴム状弾性積層試験体Wの中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段8a,8b,8bがそれぞれを設けてある。
【選択図】 図1
【解決手段】面内剪断試験装置1は、相対向する一対の支持プレート2a,2b間に、等間隔で平行な複数本の棒状の固定治具3a,3b,3cが配設してあり、両側の固定治具3a,3cは、相対向する支持プレート2a,2bにナット4を介して着脱可能に取付けられ、また中央の固定治具3bは、前記相対向する一方の支持プレート2aに形成されたネジ部5を貫通して、駆動手段6の駆動ロッド6aにナット7を介して位置調整可能に連結されている。両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの長手方向の略中央には、ゴム状弾性積層試験体Wの中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段8a,8b,8bがそれぞれを設けてある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置にかかわり、更に詳しくは例えば、タイヤ構成部材等のゴム状弾性積層体に簡易な方法により部材レベルでの室内面内剪断試験で評価可能としたゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、使用時に繰返しの応力条件が厳しいタイヤ,べルト等のゴム製品の耐久性を評価する場合、最終的には製品を実際に使用したり、製品を実際の条件に近い環境の下で室内走行試験等を実施している。
【0003】
また、一方これらのゴム製品は、材料単体で積層されたもの、または異なる材料や物性を有するものが積層されたものであることが多いため、積層体としての材料レベルでの耐久性試験として、繰返し引張り試験等の試験方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−304250号公報(第8頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、例えば、タイヤサイド等の部材のように、駆動,走行,制動時にタイヤが回転する度に面内剪断変形を受ける面状のゴム状弾性積層体に対して、耐久性を実際の走行試験によらず、かつ簡便な部材レベルでの室内面内剪断試験を評価する方法は未だ提案されていない。
【0006】
この発明は、かかる従来の問題点に着目して案出されたもので、特に使用時に繰返しの応力条件が厳しいゴム状製品の耐久性を評価する場合、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来るゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するため、この発明のゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法は、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を、相対向する支持プレートに等間隔で平行に取付けられた3本の棒状の固定治具で固定し、前記ゴム状弾性積層試験体の両側縁部に取付けた固定治具と中央部に取付けた固定治具との少なくとも一方を軸方向に繰返し作動させて、前記ゴム状弾性積層試験体に面内剪断変形を繰返し付与することを要旨とするものである。
【0008】
ここで、前記ゴム状弾性積層試験体内に、固定治具と平行に剛性を有する複数本の線状材を所定の間隔で埋設したものを使用することで、試験中に剪断変形を確保することが出来、またゴム状弾性積層試験体としては、ゴム材料,樹脂材料の単体またはこれらの混合物を積層した試験体を用いることが可能である。
【0009】
このように、この発明の面内剪断試験方法では、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来るものである。
【0010】
また、個別の試験条件を変数とすることで、破壊や疲労等の状態観察や解析的アプローチも可能となるものである。
【0011】
また、この発明のゴム状弾性積層体の面内剪断試験装置は、相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行な複数本の棒状の固定治具を配設し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とは、前記相対向する一方の支持プレートに固定し、他方を貫通して、互いに反対向きに移動可能で、かつ位置調整可能に構成し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とに、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段を設け、前記一対の支持プレートから突出した両側の固定治具と中央の固定治具との少なくとも一方に、ゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与する駆動手段を連結したことを要旨とするものである。
【0012】
ここで、前記相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行に配設された複数本の固定治具のうち、両側の固定治具を固定し、中央の固定治具を駆動手段に連結してゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与するするようにしたものである。
【0013】
このように、面内剪断試験装置は、室内でも容易に実験できる比較的簡単で、安価な設備により、部材レベルでの剪断疲労耐久性を容易に行って、評価することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づきこの発明の一実施形態を説明する。
【0015】
図1は、ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法を実施するための面内剪断試験装置の一部概略正面図、図2は図1のA−A矢視平面図を示し、この面内剪断試験装置1は、相対向する一対の支持プレート2a,2b間に、等間隔で平行な複数本の棒状(この実施形態では、ボルトを使用しているが、特にボルトに限定されない)の固定治具3a,3b,3cが配設してある。
【0016】
なお、この実施形態では、一方の支持プレート2aはフリーであり、他方の支持プレート2bはベースプレート1xに固定されている。
【0017】
前記両側の固定治具3a,3cは、相対向する支持プレート2a,2bにナット4を介して着脱可能に取付けられ、また中央の固定治具3bは、前記相対向する一方の支持プレート2aに形成されたネジ部5を貫通して、油圧シリンダーや電気油圧サーボモータ等の駆動手段6の駆動ロッド6aにナット7を介して位置調整可能に連結されている。
【0018】
なお、この実施形態では、両側の固定治具3a,3cを支持プレート2a,2bに固定し、中央の固定治具3bを駆動手段6に連結してあるが、この実施形態に限定されず、中央の固定治具3bを支持プレート2a,2bに固定し、両側の固定治具3a,3cを支持プレート2a,2bの一方を貫通させて駆動手段に連結することも可能であり、更に両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとをそれぞれ相対向する支持プレート2a,2bを貫通させて互いに反対向きに移動可能で、かつ位置調整可能に構成し、それぞれに駆動手段を連結することも可能である。
【0019】
前記両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの長手方向の略中央には、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体Wの中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段8a,8b,8bがそれぞれを設けてあり、この固定手段8a,8b,8bとしては、ゴム状弾性積層試験体Wの側面を抑える板状部材9aと、この板状部材9aを両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとに固定する複数本のボルト9b等により構成され、また両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの長手方向の略中央には、複数本のボルト9bと螺嵌する複数のネジ穴(図示省略)が形成されている。
【0020】
前記ゴム状弾性積層試験体Wは、ゴム材料,樹脂材料の単体またはこれらの混合物を積層した試験体を用いることが可能であり、ゴム状弾性積層試験体W内には、両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとに平行に剛性を有する複数本のピアノ線や鋼棒等の線状材Wxが所定の間隔で埋設されている。
【0021】
これにより、ゴム状弾性積層試験体Wの試験中に剪断変形を確保することが出来るものである。
【0022】
このように、一対の支持プレート2a,2bから突出した両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの少なくとも一方に、ゴム状弾性積層試験体Wに繰返し面内剪断変形を付与する駆動手段6を連結することで、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、室内でも容易に部材レベルでの剪断疲労耐久性を容易に行って、評価することが出来るものである。
【0023】
次に、ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法について説明する。
【0024】
例えば、直径1.2mm のピアノ線から成る線状材Wxを片側 5mm間隔で配設した厚さ2.5mm 、外形140mm ×140mm の加硫ゴムシートから成る矩形状のゴム状弾性積層試験体Wの中央部と両側縁部を、相対向する支持プレート2a,2bに等間隔(60mm間隔) で平行に取付けられた3本の棒状の固定治具3a,3c及び3bに固定手段8a,8b,8bを介して固定する。
【0025】
なお、この実施形態では、両側の固定治具3a,3cを固定とし、中央の固定治具3bを駆動手段6に連結して軸方向に繰返し作動するものである。
【0026】
このようにして3本の棒状の固定治具3a,3c及び3bに固定手段8a,8b,8bを介して固定された矩形状のゴム状弾性積層試験体Wに対して、面内剪断変形を繰返し付与して試験を行う場合には、上述したように中央の固定治具3bを駆動手段6を介して軸方向に繰返し作動させて行うものである。
【0027】
また、ゴム状弾性積層試験体W内に複数本のピアノ線や鋼棒等の線状材Wxが所定の間隔で埋設することで、ゴム状弾性積層試験体Wの試験中に剪断変形を確保することが出来るものである。
【0028】
具体的には、ゴム状弾性積層試験体Wにもよるが、100万回単位の繰返し試験を行う場合には、10分間隔で120時間繰返し行い、その試験中に、ゴム状弾性積層試験体Wにクラックの発生以前の白化や、クラックの前触れとも見られるクレージング等を観察し、更にゴム状弾性積層試験体Wの破断とか、クラック発生に至までの状態を観察することが可能である。また、メスカットを起点とする破壊進展観察にも適用可能である。
【0029】
このような方法により、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来るものである。また、個別の試験条件を変数とすることで、破壊や疲労等の状態観察や解析的アプローチも可能となるものである。
【0030】
【発明の効果】
この発明は、上記のようにシート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を、相対向する支持プレートに等間隔で平行に取付けられた3本の棒状の固定治具で固定し、前記ゴム状弾性積層試験体の両側縁部に取付けた固定治具と中央部に取付けた固定治具との少なくとも一方を軸方向に繰返し作動させて、前記ゴム状弾性積層試験体に面内剪断変形を繰返し付与するので、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来、更に個別の試験条件を変数とすることで、破壊や疲労等の状態観察や解析的アプローチも可能となる。
【0031】
また、この発明のゴム状弾性積層体の面内剪断試験装置は、相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行な複数本の棒状の固定治具を配設し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とは、前記相対向する一方の支持プレートに固定し、他方を貫通して、互いに反対向きに移動可能で、かつ位置調整可能に構成し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とに、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段を設け、前記一対の支持プレートから突出した両側の固定治具と中央の固定治具との少なくとも一方に、ゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与する駆動手段を連結したので、室内でも容易に実験できる比較的簡単で、安価な設備により、部材レベルでの剪断疲労耐久性を容易に行って、評価することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法を実施するための面内剪断試験装置の一部概略正面図である。
【図2】図1のAーA矢視平面図である。
【符号の説明】
1 面内剪断試験装置 1x ベースプレート
2a,2b 支持プレート
3a,3c 両側の固定治具 3b 中央の固定治具
4 ナット 5 ネジ部
6 駆動手段 6a 駆動ロッド
7 ナット
8a〜8c 固定手段
9a 板状部材 9b ボルト
W ゴム状弾性積層試験体
Wx 線状材
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置にかかわり、更に詳しくは例えば、タイヤ構成部材等のゴム状弾性積層体に簡易な方法により部材レベルでの室内面内剪断試験で評価可能としたゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、使用時に繰返しの応力条件が厳しいタイヤ,べルト等のゴム製品の耐久性を評価する場合、最終的には製品を実際に使用したり、製品を実際の条件に近い環境の下で室内走行試験等を実施している。
【0003】
また、一方これらのゴム製品は、材料単体で積層されたもの、または異なる材料や物性を有するものが積層されたものであることが多いため、積層体としての材料レベルでの耐久性試験として、繰返し引張り試験等の試験方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−304250号公報(第8頁、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、例えば、タイヤサイド等の部材のように、駆動,走行,制動時にタイヤが回転する度に面内剪断変形を受ける面状のゴム状弾性積層体に対して、耐久性を実際の走行試験によらず、かつ簡便な部材レベルでの室内面内剪断試験を評価する方法は未だ提案されていない。
【0006】
この発明は、かかる従来の問題点に着目して案出されたもので、特に使用時に繰返しの応力条件が厳しいゴム状製品の耐久性を評価する場合、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来るゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するため、この発明のゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法は、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を、相対向する支持プレートに等間隔で平行に取付けられた3本の棒状の固定治具で固定し、前記ゴム状弾性積層試験体の両側縁部に取付けた固定治具と中央部に取付けた固定治具との少なくとも一方を軸方向に繰返し作動させて、前記ゴム状弾性積層試験体に面内剪断変形を繰返し付与することを要旨とするものである。
【0008】
ここで、前記ゴム状弾性積層試験体内に、固定治具と平行に剛性を有する複数本の線状材を所定の間隔で埋設したものを使用することで、試験中に剪断変形を確保することが出来、またゴム状弾性積層試験体としては、ゴム材料,樹脂材料の単体またはこれらの混合物を積層した試験体を用いることが可能である。
【0009】
このように、この発明の面内剪断試験方法では、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来るものである。
【0010】
また、個別の試験条件を変数とすることで、破壊や疲労等の状態観察や解析的アプローチも可能となるものである。
【0011】
また、この発明のゴム状弾性積層体の面内剪断試験装置は、相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行な複数本の棒状の固定治具を配設し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とは、前記相対向する一方の支持プレートに固定し、他方を貫通して、互いに反対向きに移動可能で、かつ位置調整可能に構成し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とに、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段を設け、前記一対の支持プレートから突出した両側の固定治具と中央の固定治具との少なくとも一方に、ゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与する駆動手段を連結したことを要旨とするものである。
【0012】
ここで、前記相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行に配設された複数本の固定治具のうち、両側の固定治具を固定し、中央の固定治具を駆動手段に連結してゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与するするようにしたものである。
【0013】
このように、面内剪断試験装置は、室内でも容易に実験できる比較的簡単で、安価な設備により、部材レベルでの剪断疲労耐久性を容易に行って、評価することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づきこの発明の一実施形態を説明する。
【0015】
図1は、ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法を実施するための面内剪断試験装置の一部概略正面図、図2は図1のA−A矢視平面図を示し、この面内剪断試験装置1は、相対向する一対の支持プレート2a,2b間に、等間隔で平行な複数本の棒状(この実施形態では、ボルトを使用しているが、特にボルトに限定されない)の固定治具3a,3b,3cが配設してある。
【0016】
なお、この実施形態では、一方の支持プレート2aはフリーであり、他方の支持プレート2bはベースプレート1xに固定されている。
【0017】
前記両側の固定治具3a,3cは、相対向する支持プレート2a,2bにナット4を介して着脱可能に取付けられ、また中央の固定治具3bは、前記相対向する一方の支持プレート2aに形成されたネジ部5を貫通して、油圧シリンダーや電気油圧サーボモータ等の駆動手段6の駆動ロッド6aにナット7を介して位置調整可能に連結されている。
【0018】
なお、この実施形態では、両側の固定治具3a,3cを支持プレート2a,2bに固定し、中央の固定治具3bを駆動手段6に連結してあるが、この実施形態に限定されず、中央の固定治具3bを支持プレート2a,2bに固定し、両側の固定治具3a,3cを支持プレート2a,2bの一方を貫通させて駆動手段に連結することも可能であり、更に両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとをそれぞれ相対向する支持プレート2a,2bを貫通させて互いに反対向きに移動可能で、かつ位置調整可能に構成し、それぞれに駆動手段を連結することも可能である。
【0019】
前記両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの長手方向の略中央には、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体Wの中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段8a,8b,8bがそれぞれを設けてあり、この固定手段8a,8b,8bとしては、ゴム状弾性積層試験体Wの側面を抑える板状部材9aと、この板状部材9aを両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとに固定する複数本のボルト9b等により構成され、また両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの長手方向の略中央には、複数本のボルト9bと螺嵌する複数のネジ穴(図示省略)が形成されている。
【0020】
前記ゴム状弾性積層試験体Wは、ゴム材料,樹脂材料の単体またはこれらの混合物を積層した試験体を用いることが可能であり、ゴム状弾性積層試験体W内には、両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとに平行に剛性を有する複数本のピアノ線や鋼棒等の線状材Wxが所定の間隔で埋設されている。
【0021】
これにより、ゴム状弾性積層試験体Wの試験中に剪断変形を確保することが出来るものである。
【0022】
このように、一対の支持プレート2a,2bから突出した両側の固定治具3a,3cと中央の固定治具3bとの少なくとも一方に、ゴム状弾性積層試験体Wに繰返し面内剪断変形を付与する駆動手段6を連結することで、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、室内でも容易に部材レベルでの剪断疲労耐久性を容易に行って、評価することが出来るものである。
【0023】
次に、ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法について説明する。
【0024】
例えば、直径1.2mm のピアノ線から成る線状材Wxを片側 5mm間隔で配設した厚さ2.5mm 、外形140mm ×140mm の加硫ゴムシートから成る矩形状のゴム状弾性積層試験体Wの中央部と両側縁部を、相対向する支持プレート2a,2bに等間隔(60mm間隔) で平行に取付けられた3本の棒状の固定治具3a,3c及び3bに固定手段8a,8b,8bを介して固定する。
【0025】
なお、この実施形態では、両側の固定治具3a,3cを固定とし、中央の固定治具3bを駆動手段6に連結して軸方向に繰返し作動するものである。
【0026】
このようにして3本の棒状の固定治具3a,3c及び3bに固定手段8a,8b,8bを介して固定された矩形状のゴム状弾性積層試験体Wに対して、面内剪断変形を繰返し付与して試験を行う場合には、上述したように中央の固定治具3bを駆動手段6を介して軸方向に繰返し作動させて行うものである。
【0027】
また、ゴム状弾性積層試験体W内に複数本のピアノ線や鋼棒等の線状材Wxが所定の間隔で埋設することで、ゴム状弾性積層試験体Wの試験中に剪断変形を確保することが出来るものである。
【0028】
具体的には、ゴム状弾性積層試験体Wにもよるが、100万回単位の繰返し試験を行う場合には、10分間隔で120時間繰返し行い、その試験中に、ゴム状弾性積層試験体Wにクラックの発生以前の白化や、クラックの前触れとも見られるクレージング等を観察し、更にゴム状弾性積層試験体Wの破断とか、クラック発生に至までの状態を観察することが可能である。また、メスカットを起点とする破壊進展観察にも適用可能である。
【0029】
このような方法により、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来るものである。また、個別の試験条件を変数とすることで、破壊や疲労等の状態観察や解析的アプローチも可能となるものである。
【0030】
【発明の効果】
この発明は、上記のようにシート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を、相対向する支持プレートに等間隔で平行に取付けられた3本の棒状の固定治具で固定し、前記ゴム状弾性積層試験体の両側縁部に取付けた固定治具と中央部に取付けた固定治具との少なくとも一方を軸方向に繰返し作動させて、前記ゴム状弾性積層試験体に面内剪断変形を繰返し付与するので、実際の製品の室内走行試験やフィールド走行等の試験を行うことなく、部材レベルでの剪断疲労耐久性を比較的簡単な試験装置により室内試験で容易に行うことが出来ると共に、その評価をすることが出来、更に個別の試験条件を変数とすることで、破壊や疲労等の状態観察や解析的アプローチも可能となる。
【0031】
また、この発明のゴム状弾性積層体の面内剪断試験装置は、相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行な複数本の棒状の固定治具を配設し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とは、前記相対向する一方の支持プレートに固定し、他方を貫通して、互いに反対向きに移動可能で、かつ位置調整可能に構成し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とに、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段を設け、前記一対の支持プレートから突出した両側の固定治具と中央の固定治具との少なくとも一方に、ゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与する駆動手段を連結したので、室内でも容易に実験できる比較的簡単で、安価な設備により、部材レベルでの剪断疲労耐久性を容易に行って、評価することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法を実施するための面内剪断試験装置の一部概略正面図である。
【図2】図1のAーA矢視平面図である。
【符号の説明】
1 面内剪断試験装置 1x ベースプレート
2a,2b 支持プレート
3a,3c 両側の固定治具 3b 中央の固定治具
4 ナット 5 ネジ部
6 駆動手段 6a 駆動ロッド
7 ナット
8a〜8c 固定手段
9a 板状部材 9b ボルト
W ゴム状弾性積層試験体
Wx 線状材
Claims (5)
- シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を、相対向する支持プレートに等間隔で平行に取付けられた3本の棒状の固定治具で固定し、前記ゴム状弾性積層試験体の両側縁部に取付けた固定治具と中央部に取付けた固定治具との少なくとも一方を軸方向に繰返し作動させて、前記ゴム状弾性積層試験体に面内剪断変形を繰返し付与することを特徴とするゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法。
- 前記ゴム状弾性積層試験体内に、固定治具と平行に剛性を有する複数本の線状材を所定の間隔で埋設した請求項1に記載のゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法。
- 前記ゴム状弾性積層試験体が、ゴム材料,樹脂材料の単体またはこれらの混合物を積層した試験体である請求項1または2に記載のゴム状弾性積層体の面内剪断試験方法。
- 相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行な複数本の棒状の固定治具を配設し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とは、前記相対向する一方の支持プレートに固定し、他方を貫通して、互いに反対向きに移動可能で、かつ位置調整可能に構成し、前記両側の固定治具と中央の固定治具とに、シート状またはフィルム状の矩形状に形成されたゴム状弾性積層試験体の中央部及び両側縁部を着脱可能に取付ける固定手段を設け、前記一対の支持プレートから突出した両側の固定治具と中央の固定治具との少なくとも一方に、ゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与する駆動手段を連結したことを特徴とするゴム状弾性積層体の面内剪断試験装置。
- 前記相対向する一対の支持プレート間に、等間隔で平行に配設された複数本の固定治具のうち、両側の固定治具を固定し、中央の固定治具を駆動手段に連結してゴム状弾性積層試験体に繰返し面内剪断変形を付与するするようにした請求項4に記載のゴム状弾性積層体の面内剪断試験装置。
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