JP2004340646A - 大気圧レーザイオン化質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大気圧下で試料に対してレーザを照射しイオン化を行うイオン源と、当該イオン源によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、装置の測定条件等を設定し且つ測定結果を表示する表示部を有するデータ処理部を備えたレーザイオン化質量分析装置において、前記イオン源部は、測定対象試料を連続的に滴下するノズルと、前記滴下された試料が載せられる移動可能なサンプル台と、当該サンプル台を覆う形状であり電圧が印加されるカバー部材と、不活性ガスを噴霧する噴霧部を備え、レーザ照射位置に対して、前記サンプル台を移動させることで、連続的にイオン化を行う。
【効果】大気圧下においても複数の試料を連続的にレーザイオン化し、質量分析することが出来る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気圧下でレーザを用いてイオン化を行う質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりDNAやプロテオーム解析を行うための装置として、レーザイオン化質量分析装置、例えばMALDI(Matrix−assisted Laser desorption ionization)をイオン源とした質量分析装置(以下、MALDI/MS)がある。レーザイオン化質量分析装置は、感度や高分子量の蛋白質の分析を行える点で、エレクトロスプレイイオン化(ESI)イオン源を用いたMSよりも有利である。
【0003】
ただし、従来のレーザイオン化質量分析装置は、イオン源そのものが高真空中にあるため、試料のセッテイング等に時間がかかり、多くの試料を連続的に測定しづらいといった作業性の面では不利がある。例えば、MALDI/MS用の前処理の例としては、下記特許文献1に記載されている。
【0004】
また、多くの試料を連続的にイオン化するための構成としては、例えば下記特許文献2のような例が考えられる。しかしながら、大気圧下にある液体クロマトグラフ(LC)からの試料を高真空化のイオン化部に導くための構成は複雑であり、また、高真空中でイオン化を行うことは、生体試料を直接測定することには向いていない。よって、好ましくは大気圧下でイオン化することが望まれる。
【0005】
そこで近年、大気圧下でレーザを用いてイオン化を行う大気圧レーザイオン化質量分析装置が提案されている。この装置に関しては、例えば下記特許文献2,特許文献3,特許文献4,非特許文献1,非特許文献2などに紹介されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−365177号公報
【特許文献2】
特開昭64−65763号公報
【特許文献3】
特表2002−517886号公報
【特許文献4】
EP0964427A2
【非特許文献1】
Analytical Chemistry, Vol.72, No.4, 652−657(2000)
【非特許文献2】
Analytical Chemistry.2000, Vol.72, 5239−5243(2000)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記大気圧下でイオン化を行う装置は、何れも試料をサンプル台に固定し、そのサンプル台にレーザを照射することでイオン化するものであり、一つのサンプルのみを載せるサンプル台の構造となっている。よって複数の試料をサンプル台に載せて測定すること、および連続する資料のイオン化について配慮がなされていなかった。そのため多種,多量のサンプルがある場合、測定の効率,スループットが悪いと言う問題があった。
【0008】
本発明の目的は、多量のサンプルを効率良くハイスループットに測定する大気圧レーザイオン化質量分析装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、大気圧下で試料に対してレーザを照射しイオン化を行うイオン源と、当該イオン源によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、装置の測定条件等を設定し且つ測定結果を表示する表示部を有するデータ処理部を備えたレーザイオン化質量分析装置において、前記イオン源部は、測定対象試料を連続的に滴下するノズルと、前記滴下された試料が載せられる移動可能なサンプル台と、当該サンプル台を覆う形状であり電圧が印加されるカバー部材と、不活性ガスを噴霧する噴霧部を備え、レーザ照射位置に対して、前記サンプル台を移動させることで、連続的にイオン化を行うことである。
【0010】
上記構成により、大気圧下においても複数の試料を連続的にレーザイオン化し、質量分析することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1により説明する。
【0012】
まず、本発明の装置の構成を以下に説明する。質量分析計本体100のイオン導入口である第1細孔電極101にある第1細孔102の近傍に、円錐状のカバー310の出口301を配置する。カバー310と第1細孔電極101が図1では同一中心軸上に表しているが、必ずしもその必要は無い。カバー310の中心軸と第1細孔電極101の中心軸が交わる角度が斜めの角度であっても直角であっても構わない。それが、近傍に配置されて、イオン411,412を含んだ不揮発性ガスの流線420の流れた後の流線431,432が出来るだけ第1細孔102内に入る事がイオン411,412の大気中の拡散を低減し効率の良い質量分析計本体100へのイオンの導入に重要である。
【0013】
ここで、不揮発性ガス(例えば窒素,アルゴン等)は、不揮発性ガス用のガス配管421からサンプル402を噴霧する構成となっている。さらに、ガス配管421にはガスを加熱するためのヒータ422を備え、温度調整装置423にて不揮発性噴霧ガスの温度を制御調整する。また、不揮発性ガスの流量は、ガス流量調整装置424が制御調整する。温度調整装置423及びガス流量調整装置424は、それぞれガス温度制御信号ライン425,ガス流量制御ライン426を介して接続された計算機により制御される。
【0014】
カバー310には、イオン411,412が流れる付近にヒータ741が接続され、カバー310を、例えば50度から200度程度の範囲で加熱制御する。ヒータ741には、電源740が接続され、制御信号線742を介して計算機からの制御信号で制御調整される。
【0015】
イオン化するためのレーザは、レーザ源200で発生し、レーザを収束するレンズ201(例えば凸レンズ)を通し、さらにカバー310に取り付けたレーザ光を透過させる透明体202を通して、円盤型のサンプル台500上のサンプル402に照射され、サンプルのイオン化を行う。
【0016】
また、サンプルディスペンサー600は、サンプル保持用の割部分601にて保持している液体サンプルをサンプル台500上に滴下する。サンプルディスペンサー600は、液体クロマトグラフやキャピラリー電気泳動装置等に連結され、連続的にサンプルが供給される状態にある。さらに、円盤型のサンプル台500は、図で示す回転中心軸501を中心に回転する。よって、サンプルディスペンサー600から滴下したサンプル401は、円盤型のサンプル台500が回転することにより、サンプル402が示されたイオン化位置まで順次移動する構成としている。
【0017】
次に本実施例の動作を以下に説明する。
【0018】
サンプルディスペンサー600にて滴下したサンプル401は、円盤型サンプル台500が回転し順次イオン化位置まで移動され、イオン化が行われる。レーザは、レーザ光を通す透明体202を通すため、カバー310に穴は開いていない。よってイオンの拡散を助長する事はない。また、この時サンプル402には、大気中でサンプルがイオン化したり、または酸化などの化学反応が生じないように不揮発性ガスが噴霧される。噴霧されるガスの流量は、カバー310の形状に対応してイオンの拡散を低減し且つイオンを効率良くカバー出口端301より押し出す流量に制御する。例えば、カバー出口端301がより窄まっている場合には、イオンに対してより流体抵抗及び電界による押し戻す力が加わるため、ガス流量を増やした方が高感度でイオンの検出可能となる。また、イオン化時に生じる種種のイオンによるカバー310の内面の汚れを低減しコンタミネーションを防止する効果を持たせるため、ガスをヒータ422によって加温し、さらに、ヒータ741によってカバー310を加温する。これによって、コンタミによるノイズを低減する。不揮発性ガス線流420に大気中のイオンは押され、且つ、カバー310により拡散を低減して、質量分析計本体100の第1細孔102にイオン413の様に導入される。導入されたイオン413は、第1細孔102以降に印加された電界の力430によりイオン414の様に更に内部へ導入される。
【0019】
質量分析計は時間あたりに導入されるイオン数、すなわち第1細孔102に導入される大気中のイオン濃度により感度が決まる。よって、大気中のイオンの拡散低減は大変重要な問題であるが、カバー310が無い場合には三次元的にイオン412が拡散するため、大気中の測定目的イオンの濃度が低下する。また、サンプルの位置や不揮発性ガス流量の変化の影響を受けやすくなり、不安定になる可能性が高くなる。本実施例では、カバー310を設けることにより、上記の問題点を解消する。
【0020】
本発明の別の実施例を図2により説明する。
【0021】
本実施例の特徴は、カバー315が円筒状の電極で構成されている場合である。図2の様にイオン化するサンプル402の位置を電極の中心より質量分析計側に配置する。また、カバー315には高圧電源700にて導体701を介して電圧が印加される。印加電圧はその制御信号線702を介して計算機により制御する。
【0022】
本実施例の動作について説明する。カバー315に印加する電圧は、測定目的のイオンが正イオンなら正電圧を印加し、負イオンなら負電圧を印加する。イオン化するサンプル402の位置を電極の中心より質量分析計側に配置するため、カバー315内にはイオン411,412を質量分析計側に移動させる力が発生する電界が印加される。さらに、カバー315には、測定目的のイオンと同一の極性の電圧を印加するため、測定目的のイオンには、カバー315と反発する力が生じる。よって、測定目的のイオンがカバー315に吸着するなどして感度の低下を生じることを低減出来る。
【0023】
本発明の別の実施例を図3により説明する。
【0024】
本実施例は、既に説明した図1と図2を組み合わせて発展させた例である。
【0025】
まず、本実施例の構成を説明する。本例では、円錐形のカバー320を輪切りにする形で入口側カバー321と出口側カバー322に絶縁体323で電気的に2つに分割している。ここでは2つに分割した例を示すが、同様に3分割,4分割などと分割数を上げても良い。また、カバー320の入口側に、上側電極331,下側電極332を備えている。更に、高電圧を印加する電源710,720,730を備え、導体711,721,731を介してそれぞれのカバー,電極に高電圧を印加する。各電源は、信号線712,722,732を介して計算機に接続して制御される。ここで、電極331,332及び入口側カバー321は、出口側カバー322より絶対値の高い電圧を印加する。また、各電圧は、同期して同時に正または、負の電圧を印加する。
【0026】
次に本実施例の動作について説明する。
【0027】
レーザによってイオン化された測定目的イオン411が正イオンの場合、入口側及び出口側カバー321,322,電極331,332には数キロボルト(kV)程度の正の高電圧を印加する。この時、入口側カバー321には、より低い電圧を印加し、カバー320の出口端301が最も低い電界が発生するように高電圧を印加する。この電界の力によってイオン411,412をカバー出口端301に押し出す。さらに、不活性噴霧ガス流420によりイオンはカバー出口端301に押し出されるが、この時イオン411,412とカバー320は電気的に同じ極性にしているためイオンはカバー320から反発力を受ける。そのため、イオンは拡散が低減されて質量分析計へ効率良く導入される。
【0028】
さらに、カバー320に高電圧を印加するためカバー内には高電界が発生する。当然カバーに近いほど電界は高くなる。よって測定目的のイオンはカバー320から反発力を受けて、そのイオンがカバー320に吸着してイオン数が減少することは無く、また汚れなどのコンタミを大幅に低減することが出来る。
【0029】
また本実施例においても、サンプル台を回転させることは可能である。
【0030】
本発明の別の実施例を図4により説明する。
【0031】
まず、本実施例の構成を説明する。本実施例では、サンプル台に円盤型のサンプル台500を備えて回転し、その回転中心軸501が、例えばイオン流の進行方向と同じ方向に前後に移動する機構510を備えている。また、サンプル台をイオン流の進行方向に対して左右512、および上下513に微調整するための移動機構も備えている。
【0032】
次に、動作を説明する。レーザイオン化のためサンプルに通常のマトリックスを添加し乾燥させる場合などは、円盤型のサンプル台500上にサンプル配列ラインとして、中心431,外側432,内側433のように同心円状にサンプルを固定する。それぞれのサンプル配列ラインをイオン化する場合には、サンプル台の中心軸501を移動することで、例えば順次サンプル配列ライン432,431,433とイオン化を行う。これにより、サンプル台上に多くのサンプルを乗せることができ、効率良く、ハイスループットでレーザイオン化を行う事が出来る。図4では外側の配列のサンプル432のイオン化が済んだ状態を示している。
【0033】
また、サンプルの滴下とイオン化を同時に行うことも可能である。この場合、サンプルの滴下が外側432の配列ラインで行われている場合には、イオン化は内側433の配列ラインをイオン化し、サンプルの滴下が内側433の配列ラインで行われている場合には、イオン化は外側432の配列ラインをイオン化する。サンプルの滴下が中心431の配列ラインの場合には、イオン化も中心431の配列ラインとなる。これにより、より効率良くイオン化を行う事が出来る。
【0034】
本発明の別の実施例を図5により説明する。
【0035】
本実施例では、サンプル台500上のサンプル配列を同心円ではなく螺旋状に形成するものである。これは、円盤型のサンプル台500を回転しながらその中心軸を502から中心軸501から503と連続的に移動する事で行うことができる。この例も、前述と同様に効率良く、ハイスループットでサンプルの滴下とレーザイオン化を同時に行う事が出来る。
【0036】
さらに本実施例では、サンプルディスペンサー600に例えば、液体クロマトグラフのサンプル出口を接続することで連続的にサンプルの滴下も可能である。従って、通常の大気圧イオン化(エレクトロスプレイイオン化など)質量分析計と液体クロマトグラフの組み合わせの場合と同様に、レーザイオン化にてTIC(トータル・イオン・クロマトグラム)を得ることができる。
【0037】
本発明の別の実施例を図6により説明する。
【0038】
まず、本実施例の構成を説明する。本実施例では、四角形のサンプル台520を備え、このサンプル台を前後511,左右512に移動する機構を備えている。また、サンプル台の上下方向513の微調整用の移動機構も備えている。
【0039】
次に、本発明の動作を説明する。
【0040】
レーザイオン化のためサンプルに通常のマトリックスを添加し乾燥させる場合などは、四角形のサンプル台520上に図6で示す前後左右のサンプル台520の移動に対応したサンプル配列ラインにサンプルを滴下する。それぞれの配列ラインをイオン化する場合には、サンプル台520を順次サンプルスポットの位置に対応して前後に移動した後、順次左右に移動してサンプル402の様にイオン化する。これにより、効率良く、ハイスループットでレーザイオン化を行う事が出来る。
【0041】
また、大気圧レーザをイオン化に用いる場合で、前述と同様にカバー310の外側に、サンプルディスペンサー600を備えた場合は、四角形のサンプル台520を順次サンプルスポットの位置に対応して前後に移動してイオン化する。同時に、反対側でサンプルディスペンサー600にてサンプルを401の位置に滴下する。以上により、サンプルの滴下とイオン化を同時に行う事が出来て、効率良く、ハイスループットでサンプルの滴下とレーザイオン化を同時に行う事が出来る。
【0042】
本発明の別の実施例を図7により説明する。
【0043】
本実施例では、サンプル台520上のサンプル配列をサンプルスポットではなく、連続的にサンプルディスペンサー600により滴下する構成となっている。
【0044】
これは四角形のサンプル台520を図7で示すように一定の前後の位置から左右に順次連続的に移動する事で得ることができる。この例も、前述と同様に効率良く、ハイスループットでサンプルを405の位置に滴下しながら404の位置でレーザイオン化を行う事が出来る。
【0045】
さらに、本実施例では、サンプルディスペンサー600に例えば、液体クロマトグラフのサンプル出口を接続することで連続的にサンプルの滴下も可能である。従って、通常の大気圧イオン化(エレクトロスプレイイオン化など)質量分析計と液体クロマトグラフの組み合わせの場合と同様に、レーザイオン化にてTIC(トータル・イオン・クロマトグラム)を得ることができる。
【0046】
本発明の別の実施例を図8により説明する
まず、構成を図に基づいて説明する。前述の大気圧レーザイオン化において、データ処理装置900から制御する信号線530を介して移動可変なサンプル台520を備え、イオン拡散防止のカバー310を備え、さらに、サンプル台520上を観察するための手段、例えばCCD付き顕微鏡800を備えている。顕微鏡800は、カバー300を貫通するように設けられる。これは、光学顕微鏡,蛍光顕微鏡など大気圧下で使用出来る顕微鏡であれば良い。また顕微鏡800は、その信号線801によってデータ処理装置900に接続され、顕微鏡800から取り込んだデータはデータ処理装置900に転送し、画像処理を行う。図8の例では、顕微鏡800を真上に備えるため、レーザ源200の位置をずらして配置し、斜め方向からレーザを照射する。
【0047】
次に動作について説明する。
【0048】
サンプル台520上のレーザイオン化して測定したいサンプル402(もしくはレーザイオン化して測定したい領域)を顕微鏡800で測定し、データ処理装置900上に顕微鏡画像として表示し、この画像上からオペレータがイオン化領域を指定する。データ処理装置900は、信号線530を介してサンプル台520を制御し、指定した領域がレーザイオン化する位置となるように、サンプル台520を移動させる。その後、指定領域をレーザイオン化して、質量分析計にイオンを取り込み質量分析を行う。さらに、この時、顕微鏡画像に対応したサンプルの位置情報,イオン化の順番の情報,質量分析計での測定データ,測定条件の情報,レーザの強度,照射時間,照射回数,波長等の情報を関連付けてデータ処理装置900に保存する。また、データ処理装置900で保存した顕微鏡の画像情報にイオン化した領域の情報を図形などで保存し、その位置をポインティングデバイスで操作されるカーソルなどで指定し、質量分析計の測定データ,測定条件,位置情報,レーザの照射条件などの情報を表示する機能を有する。もちろん、この表示のデータが大きい時は別画面に自動的に飛ぶようにしても構わない。
【0049】
よって、オペレータは、顕微鏡画像から容易に測定したいサンプル,領域を指定可能で、操作効率が向上し、不要な領域のイオン化をしなくて済むためレーザ源204の有寿命品の寿命を延ばすことが可能である。さらに、データ処理装置900に保存した顕微鏡画像データから、測定した領域の位置情報とレーザ,質量分析計の測定条件,測定データを容易に入手出来、操作効率が大幅に向上する。
【0050】
以下、前述の実施例の構成を用いた応用例を図9により説明する。
【0051】
本例は二次元電気泳動で蛋白を分画した後のゲルを測定対象としたものである。本発明のイオン源の構成は、大気圧イオン化であるため、二次元電気泳動のゲルをそのままサンプル台上にセットし、イオン化することが可能である。
【0052】
図9の例は、データ処理装置900の表示画面上に表示される顕微鏡画像の例である。画像901は、二次元電気泳動のゲルの全体像(もしくは蛋白等を転写させた物)を示すものであり、分画された蛋白のスポットが451〜455である。また、同一画面上に顕微鏡800の拡大倍率に対応してスケール920、その寸法921を表示している。また、指定したレーザスポットのサイズ930,寸法931も表示している。レーザスポット径は、レーザビームをレンズ201で絞ることで最小約0.25μm 程度まで設定することが可能である。本例では、0.1mm の例を示す。当然レーザスポット径を小さくするほど精度良く測定領域をイオン化出来るが、レーザ照射する回数が増加して測定時間が必要となる。
【0053】
データ処理装置900では、オペレータが指定した蛋白スポットに対応したイオン化領域910に対して、レーザビームの照射位置を自動的に最適に配置する。図9中の拡大図では、蛋白のスポット451に対してレーザ照射位置を911〜915と配置した例を示す。データ処理装置900は、この配置に従ってサンプル台520を制御して移動しレーザイオン化を行う。
【0054】
本例では、オペレータは、サンプルのスポット451〜455の大きさと形状をスケール920の情報から、適切なレーザスポット径930を指定出来、操作効率を向上させることが出来る。また、通常の低真空下でのレーザイオン化では、二次元電気泳動のサンプルスポットを分画して取り出し、更にサンプル台上にその分画の中から蛋白のみを乾固してイオン化する。よって、このような面倒な時間の掛かる作業を無くすことができ、ハイスループットで分析が可能となる。
【0055】
また、前述のようにサンプルのイオン化領域であるスポット451を指定することで、既に測定して蓄積している指定スポットのデータ、例えばサンプルスポットの中心位置の座標,MSのスペクトルデータ,MSの測定条件,レーザの測定条件などを子画面902として自動的に表示することもできる。これにより、注目している測定スポットとのデータを容易に得ることができ、操作効率が大幅に向上する。
【0056】
次に、別の応用例を図10を用いて説明する。
【0057】
図10は、データ処理装置900上の画面に表示している動物の細胞460の顕微鏡画像の例である。通常の動物の細胞の大きさは、数十μmから数百μm程度である。例えば、位相差光学顕微鏡などを使うと、細胞を染色しなくても、ある程度細胞の構造を観察できる。染色する場合でも塩等を含まないレーザイオン化を阻害しない物質であれば染色剤として用いても構わない。
【0058】
この細胞460の顕微鏡画像には、細胞の核461,核小体462,ミトコンドリア463,464がある。例えば、核461の構成物質を調べる場合には、核461に対してレーザイオン化する領域916を指定する。また、例えば、ミトコンドリア463,464を構成している物質を調べたければ、レーザイオン化する領域を917,918のようにポインティングデバイス等を用いて画面上から指定する。その後は、前述のようにサンプルスポットサイズを例えば10μmと指定すれば、自動的にイオン化領域を指定のレーザスポットで配置し、サンプルテーブル520を移動制御してレーザイオン化を行う。サンプル台520は、0.5μm 程度の移動精度を持たせることが可能である。
【0059】
従来の低真空下のレーザイオン化では、サンプルが蒸発してしまい生のままサンプルをイオン化することは不可能であったが、本発明であれば、生きている蛋白を複数種類連続して測定することが出来る。細胞中の蛋白などは、熱,乾燥などで変性してしまうため、生のままの生きている蛋白を分析することの意義は頗る大きい。さらに、測定対象のサンプルのみ指定の領域でレーザイオン化するため、不要な夾雑物のノイズを減らし、測定対象のサンプルの感度を向上することが可能である。
【0060】
次に移動機構の実施例について図11を用いて説明する。
【0061】
まず、構成について説明する。移動台521上にサンプル台520があり、その上に、例えば細胞などを含んだサンプル溶液470を載せている。図示のようにサンプル台520を載せている部分は、イオン拡散防止のカバー310内を移動出来るような小さな形状としている。
【0062】
移動台521は、前後方向511,左右方向512に移動可能なボール軸受け505を介して台座504上に設置している。また、サンプル台を載せる移動台521には、ボールネジの軸541を有する突起板522を備える。ボールネジの軸541には、ボールネジのナット部540と、それに固定された歯車540を備え、パルスモータ550の軸に固定された歯車551と噛み合っている。また、パルスモータ550は、制御信号線552を介して、データ処理装置900に接続されている。これによりパルスモータ550を回転させることで移動台521を前後方向511に移動出来る。左右方向512の移動機構に関しても前述と全く同様である。
【0063】
上記の構成により、図11の構成によれば、データ処理装置900からの制御信号により前後方向511,左右方向512を独立して移動可能である。当然、さらに精密な位置確認のために、レーザ光により位置座標を検出して位置の微調整にフィードバックを行っても良い。また、サンプル台520上にマーキングを付けて、顕微鏡画像で精密な位置を検出してフィードバックをかけて位置の微調整を行っても良い。本例のように、ステッピングモータとボールネジ(もしくは、スクリューネジ)と歯車を用いた場合には、駆動ステップ0.1μm ,送り精度0.3μmを実現可能である。
【0064】
次に本発明における測定の例を図12〜図16を用いて説明する。
【0065】
ここでは、図12を用いて、蛋白を二次元電気泳動でスポットに分離した例で説明する。当然、サンプルは蛋白でなくても、試料台に載っていれば何でも構わない。本例では図9で示したように、蛋白のスポット451〜455に分離され、蛋白スポット451をイオン化領域910に指定するものとする。
【0066】
マニュアルでレーザイオン化の領域を指定して測定する場合は次のようになる。オペレータは、データ処置装置900から、イオン化する範囲450,レーザイオン化ラインの刻み幅903,レーザスポットの大きさ930,レーザイオン化する領域910などを指定する。これに対応して顕微鏡画像からデータ処理装置900が、レーザイオン化のライン904上に各レーザスポット911〜915を最適に配置,表示する。拡大図で示している通りである。
【0067】
前述のオペレーションを自動化する場合には次のような問題がある。
【0068】
実際に生体から抽出した蛋白には、不純物や種種の未知の蛋白があり二次元電気泳動でスポットに分離しても、バックグラウンドが汚い状態、すなわち不要な信号が存在する。そのため、不要な領域をイオン化してしまい測定効率を落としたり、スポットに対するイオン化領域を広く設定し過ぎてしまい、不要なノイズ成分を増加させてS/Nを低下させてしまったりする。
【0069】
そこで、イオン化領域を自動的に選別する場合には、顕微鏡画像の各画素ごとのデータに対して閾値(スレッシュホールド値)を設定し、閾値以上の領域をイオン化領域として設定するものとする。具体的には、各画素の色の濃度(濃淡情報)を指標とする。この場合の実施例を図13〜図15を用いて説明する。
【0070】
図13は、サンプルのスポット451,454,455を含むレーザイオン化ライン904上の顕微鏡画像から得られた信号値(縦軸は、色の濃度を示す。)を示している。それぞれ、サンプルのスポット451,454,455の信号プロファイルのピークは、456,457,458である。信号プロファイルのピークの間には、図示で示すベースライン905より高いノイズが存在する。よって、オペレータは目的サンプルが効率良くイオン化出来るように、イオン化領域を自動設定するスレッシュホールドの設定ライン906や907を設定する。設定ライン906では、サンプル領域の信号値が大きく得られるが、サンプルのスポット454,455の信号値の分離が悪くなる。設定ライン907では、サンプル領域の信号値が低くなるが、サンプルのスポット454と455の信号値の分離は良くなる。
【0071】
また、図14では、傾きを持った設定ライン908の例を示す。バックグラウンドの不純物の信号プロファイル465が図示のように左側或いは右側が盛り上がって高くなっている場合に好適である。
【0072】
図15は、途中でスレッシュホールド設定ラインの値を変更する例を示す。図15の下段は、蛋白の二次元電気泳動のスポットを示している。上段は下段のレーザイオン化ライン上905の信号プロファイルを示している。ここで、サンプルスポット459は、測定対象外であるが、サンプルスポット456,457,458は測定対象としたい場合、レーザイオン化を指定する信号値のスレシュホールドの設定ライン9091,9092,9093の様に設定する。以上の様に目的に応じてスレッシュホールドレベルを独立に設定する事で、効率良くレーザイオン化が可能でありスループットを向上出来る。
【0073】
また、図15下段では、レーザイオン化ライン上905でのスレッシュホールドの設定ラインを指定するのではなく、顕微鏡撮影画像上の面にてスレッシュホールドを指定するものである。この例では、スレッシュホールドレベルを各領域の表示濃度で表している。スレッシュホールドレベルが大きいほど濃い表示になるように設定している。もちろん逆の設定でも構わない。各領域の面積および表示濃度の指定は、オペレータがマウス等のポインティングデバイスを用いて任意に行うことができる。予め、閾値となる表示濃度を設定しておけば、各領域の表示濃度と閾値として設定された表示濃度を比較し、イオン化領域を自動的に認識することができる。各領域の濃淡の指定はオペレータにより任意に設定することができる。この例では、バックグランドの除去のスレッシュホールドレベルを線としてではなく、面として指定出来るため、二次元電気泳動のような面上に二次元的に複数のイオン化対象が形成されるサンプルにはイオン化領域のスレッシュホールドレベルを効率良く指定出来、操作効率を上げることができる。
【0074】
次に、図13〜図15の閾値を設定する際の動作を図16を用いて説明する。
【0075】
まず、サンプルの顕微鏡画像を測定しデータ処理装置900に取り込む。この画像にて測定対象領域及び寸法を確認する。次に、測定対象サンプルの存在位置を確認し、レーザイオン化の範囲を指定する。次に、画像中に表示している実寸法スケールからサンプル領域の大きさを判断してレーザ照射回数の効率の良いレーザスポットサイズを指定,表示する。次に、画像中に表示している実寸法スケールからサンプル領域の大きさを判断して効率の良いレーザラインの刻みを指定する。次に、レーザイオン化させる画像信号値のスレッシュホールドを指定する。また、前述のように信号プロファイルで指定する場合は、スレッシュホールドの設定ラインを任意に指定する。また、顕微鏡画像上で指定する場合は、画像上で表示濃度を利用したイオン化領域面の設定によって指定する。
【0076】
以上の指定,設定に基づき、データ処理装置900がイオン化領域を抽出し、画像上に表示する。ここで、不適切であれば、任意に前述の各設定項目に戻る。
【0077】
次に、レーザの照射時間,照射回数など、レーザイオン化の条件、及び質量分析の測定条件の設定する。測定時、指定した条件に従いデータ処理装置900はサンプル台を移動させて、自動抽出したレーザ照射領域をイオン化する。同時にサンプルスポット位置情報を保持し、サンプルスポットとレーザイオン化の条件、MS条件及び測定データの対応を取って保存する。
【0078】
最後に、測定したMSデータは、蛋白のデータベースなどに検索をかけて同定を行う。
【0079】
以上のように、簡便な指定を行うだけで、自動的に目的対象のサンプルのみをイオン化することができ、測定効率を向上させることができる。さらに、目的対象以外をイオン化しないため、信号値が向上しS/Nが向上する。また、無駄なレーザ照射を行わないため、有寿命品であるレーザを長持ちさせる効果もある。
【0080】
また、蛋白を液体クロマトグラムや二次元電気泳動などで分離していない試料を測定する場合の例について説明する。図17は、生体中の抽出したままの蛋白のサンプルを471,473にそれぞれ蛍光物質472(たとえば赤色),蛍光物質474(たとえば青色)を結合させて光らせた顕微鏡での観察画面の例である。この例では、測定対象は2種類の蛋白471,473が混合している。また、当然測定対象外の蛋白475,476や他の不純物も混合している。
【0081】
尚、測定対象の蛋白質分子に蛍光物質を結合させることについては、蛋白分子と特異的に結合するリガンドに蛍光色素を化学結合させた蛍光標識リガンドを調整し、これを蛋白質に結合させることで赤,青,黄色などに光らすことができることが知られている。また、蛋白ばかりでなく染色体,ヌクレオチド,mRNAなども蛍光で光らすことは可能である。(詳細「生命を拓く新しい光技術」日本光生物学協会編 船津高志著 頁47から頁92に詳述されている。)
次に、それぞれの蛋白471,473を分析するため、自動的にイオン化領域を設定する例を図18,図19を用いて説明する。図18は、顕微鏡から取り込んだ画像をデータ処理装置900内でデータ処理にて赤色のみをフィルターをかけて透過させた場合の画像例を示す。よって、蛋白471は、破線で示すように観測されないが、これと結合している蛍光物質472は観測される。また、測定対象外の他の物質は一切観測されない。よって、測定対象でないサンプルがイオン化領域として設定される事はない。
【0082】
イオン化領域の設定に関しては、前述のように図16で示した方法によって設定することができる。但し、図18のイオン化領域901は、蛍光している部分をスレッシュホールドで選択したのち、サンプルを含む大きさに指定の係数倍率で拡大している。このイオン化領域910をレーザのスポット911を複数回照射されることでカバーされるように自動設定される。
【0083】
図19は、同時に混合している別の蛋白473の分析例である。この顕微鏡画像では、蛋白473には、青い色の蛍光物質473を結合させて青色をデータ処理にて透過させている。また、自動設定の処理は、前述の通りである。よって、一つの試料から、異なる色の蛍光物質を使う事で同時に複数の蛋白を分析する事が可能である。
【0084】
以上より、液体クロマトグラムなどを使い精度良く分離しなくても、測定対象となる特有の成分(蛋白など)を特定の色の蛍光物質によって光らせることでその成分のみを自動選択し、イオン化することができるため、信号雑音比を改善出来、さらに効率が良く分析することが出来る。本例は、複数の蛋白が相互作用によって結合している場合でも有効であり、その中の一つの成分(蛋白)のみを蛍光物質と結合させることで、容易に狙った成分のみを測定することができる。一般的に蛋白は、細胞内で種種の蛋白と選択的に相互作用し結合して、生体内で特異的な働きをするため、このように蛋白の相互作用によって結合した複合蛋白を解析することは生理学上、創薬上大変重要である。
【0085】
【発明の効果】
本発明では、大気圧レーザイオン化質量分析計において、高感度に測定可能である。また、自動的に多量のサンプルを効率良くハイスループットに測定可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン源部の一実施例を示す図である。
【図2】本発明のイオン源部の一実施例を示す図である。
【図3】本発明のイオン源部の一実施例を示す図である。
【図4】本発明のイオン源部の一実施例を示す図である。
【図5】本発明のイオン源部の一実施例を示す図である。
【図6】本発明のイオン源部の一実施例を示す図である。
【図7】本発明のイオン源部の一実施例を示す図である。
【図8】サンプルとして二次元電気泳動装置のゲルを用いた実施例を示す図である。
【図9】サンプルとして動物細胞を用いた実施例を示す図である。
【図10】本発明で顕微鏡を組み合わせた別の撮像画像の実施例。
【図11】サンプル台の移動機構の実施例を示す図である。
【図12】本発明の測定時の設定例を説明するための図である。
【図13】本発明の測定時の設定例を説明するための図である。
【図14】本発明の測定時の設定例を説明するための図である。
【図15】本発明の測定時の設定例を説明するための図である。
【図16】本発明の測定時の動作を説明するフロチャートである。
【図17】生体試料中の2種類の蛋白を異なる蛍光で光らせた例を示す図である。
【図18】ある蛋白のみを蛍光で光らせた例を示す図である。
【図19】ある蛋白のみを蛍光で光らせた例を示す図である。
【符号の説明】
100…質量分析計本体、101…第1細孔電極、102…第1細孔、200…レーザ源、201…レンズ、202…透明体、310,320…カバー、421…ガス細管、422,741…ヒータ、423…温度調整装置、424…流量調整装置、451〜455…スポット、460…細胞、461…細胞の核、462…核小体、463,464…ミトコンドリア、500,520…サンプル台、521…移動台、522…突起板、550…パルスモータ、600…サンプルディスペンサー、700,710,720,730,740…電源、800…顕微鏡、900…データ処理装置。
Claims (6)
- 大気圧下で試料に対してレーザを照射しイオン化を行うイオン源と、当該イオン源によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、装置の測定条件等を設定し且つ測定結果を表示する表示部を有するデータ処理部を備えた大気圧レーザイオン化質量分析装置において、
前記イオン源部は、
測定対象試料を連続的に滴下するノズルと、前記滴下された試料が載せられる移動可能なサンプル台と、当該サンプル台を覆う形状であり電圧が印加されるカバー部材と、不活性ガスを噴霧する噴霧部を備え、
レーザ照射位置に対して、前記サンプル台を移動させることで、連続的にイオン化を行うことを特徴とする大気圧レーザイオン化質量分析装置。 - 請求項1において、
前記カバー部材に、レーザ光を透過する透明体を備えたことを特徴とする大気圧レーザイオン化質量分析装置。 - 請求項1において、
前記サンプル台は円盤状であり、且つ回転軸を有し、当該回転軸を中心に回転するように構成されることを特徴とする大気圧レーザイオン化質量分析装置。 - 請求項1において、
前記サンプル台は、イオン進行方向に対して、前後方向及び左右方向に移動可能な稼動部を備えることを特徴とする大気圧レーザイオン化質量分析装置。 - 請求項1において、
前記イオン源に、前記サンプル台表面を観察する顕微鏡を備え、当該顕微鏡によって得られる画像を前記表示部に表示することを特徴とする大気圧レーザイオン化質量分析装置。 - 請求項5において、
前記顕微鏡によって得られる色の濃度データに対して閾値を設定し、当該閾値以上の濃度を有するサンプル台上の領域をイオン化領域として設定することを特徴とする大気圧レーザイオン化質量分析装置。
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