JP2004340585A - 高周波プローブ及びそれに用いる電気接触子 - Google Patents
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Abstract
【課題】同軸伝送線路と電気接触子の位置決めを容易に行え、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も確保可能な高周波プローブを提供する。
【解決手段】ばね性を有する板状部21a、21bと、被検査対象と電気的接触を得るための接触部22a、22bと、同軸伝送線路の外部導体に取付ける円筒状の取付部23とを有する電気接触子40を、中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに接合させることにより、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、電気接触子40を第2の電気接触子とするコプレーナ型の高周波プローブ50が簡便に製造できる。板状部23は、絶縁性の補強部61により補強したり、第1の電気接触子を支持する絶縁性のガイド部71、81を設けてインピーダンス調整することが可能である。
【選択図】 図4
【解決手段】ばね性を有する板状部21a、21bと、被検査対象と電気的接触を得るための接触部22a、22bと、同軸伝送線路の外部導体に取付ける円筒状の取付部23とを有する電気接触子40を、中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに接合させることにより、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、電気接触子40を第2の電気接触子とするコプレーナ型の高周波プローブ50が簡便に製造できる。板状部23は、絶縁性の補強部61により補強したり、第1の電気接触子を支持する絶縁性のガイド部71、81を設けてインピーダンス調整することが可能である。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば高周波の半導体デバイスやウェハー等の電気的特性を検査する際に好適な高周波プローブ及びそれに用いる電気接触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波プローブの代表的な構造を図11に示す。図のように、高周波プローブ10は、同軸伝送線路11と、同軸伝送線路11の先端に取付られ、検査時に被検査対象と接触させるための電気接触子12と、同軸伝送線路11の後端に設けられ、外部の検査回路を接続させるための同軸コネクタ13とから構成される。従来、このような高周波プローブ10は、同軸伝送線路11の先端部を一部切欠いて平坦部を設け、その平坦部の中心導体部分11aと外部導体部分11bとに、それぞれ弾性を有する微小な導電性の第1の電気接触子12aと第2の電気接触子12bとを位置決めし、半田等により接合することにより製造されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5506515号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の高周波プローブでは、同軸伝送線路の先端部を一部切欠いて平坦部を形成する必要があること、形成された平坦部の微小な中心導体部分と外部導体部分に、それぞれ微小な第1の電気接触子と第2の電気接触子とを精度良く位置決めして接合する必要があることなどから、接合不良が発生しやすく、また工程的にも多大な工数を要し、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
また、同軸伝送線路の中心導体に接合される第1の電気接触子と外部導体に接合される第2の電気接触子とはそれぞれ独立に位置決めして接合されるため、両者の間隔を調節してインピーダンスコントロールを行うことが困難であるという問題があった。
更に、同軸伝送線路と電気接触子とは、同軸伝送線路の先端部を切欠いて形成された平坦部の中心導体部分と外部導体部分の微小な面積で接合されるだけであるため、機械的強度が弱いという問題をも有していた。
【0005】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、同軸伝送線路と電気接触子の位置決めを容易に行え、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度の強い高周波プローブを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明の高周波プローブは、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、前記同軸伝送線路の外部導体に第2の電気接触子を接合してなる高周波プローブであって、前記第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得るための接触部を有する板状部と、前記板状部と一体として形成され、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面を有する取付部とを備えたものである。
同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とするので、余分な接合部を省略でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。また、第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得る接触部を有する板状部に一体として形成される取付部を有し、これにより同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めして接合するので、同軸伝送線路に対して電気接触子を精度良く位置決めでき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
尚、前記取付部の同軸線路外周位置決め面は、同軸伝送線路の外部導体を周方向の少なくとも2方向から位置決めできることが好ましい。これにより、第2の電気接触子は、外部に位置決め手段を設けることなく同軸伝送線路の周方向に対して一義的に位置を確定できる。
【0007】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面を有するものである。
これにより、第2の電気接触子は、同軸伝送線路の軸方向に対して一義的に位置を確定できるので、第1の電気接触子との位置合せが更に容易となり、更に工数が低減される。
【0008】
また本願発明の高周波プローブは、前記取付部が前記同軸伝送線路の外部導体の外周部に接合可能なように半円筒状に形成されているものである。
これにより、第2の電気接触子の取付部を同軸伝送線路の外部導体に直接被せることで同軸伝送線路の周方向に対して一義的に位置を確定でき、更に工数が低減されるとともに、機械的強度も増進される。
【0009】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が弾性材で形成され、被検査対象との接触時に所定の接触圧が得られるようにしたものである。
これにより、第2の電気接触子の板状部自体の弾性によって接触部が被検査対象に接触する際の接触圧が得られるので、外部に接触圧を調節する機構を設けることなく、簡便に検査が行える。
尚、第1の電気接触子についても、弾性材で形成された中心導体を用いた同軸伝送線路を使用してもよく、所定の弾性を備えるように形状加工や表面加工を施すようにしてもよい。
【0010】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成され、前記取付部が前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を前記第1の電気接触子に対して一定の位置に保持する機能を有するものである。
これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路に第2の電気接触子を接合させるだけで、コプレーナ型の電気接触子を簡単に精度良く形成することができ、製造コストを大幅に削減できる。
【0011】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を相互に係止する絶縁性の補強部を備えるものである。
これにより、両側に形成された板状部が補強部によって相互に係止されるので、第2電気接触子の機械的強度が更に増進される。
【0012】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子をガイドする絶縁性のガイド部を備えるものである。
これにより、第1の電気接触子の位置がガイド部によって第2電気接触子と所定の位置関係に保持されるので、第1の電気接触子の機械的強度が更に増進され、インピーダンスコントロールが更に容易となる。
尚、ガイド部は、第2の電気接触子の板状部に脱着可能なように取付けるようにしてもよい。これにより、高周波プローブの組立後に、板状部に材質や形状の異なるガイド部を付替えることで、微妙なインピーダンス調整を行うことが可能となり、更にインピーダンスコントロールが容易となる。
【0013】
本願発明の電気接触子は、高周波プローブに用いるものであって、被検査対象と電気的接触を得るための接触部を有する板状部と、前記板状部と一体として形成され、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面を有する取付部とを備えたものである。
これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路に本願発明の電気接触子を接合させることにより、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、本願発明の電気接触子を第2の電気接触子とする高周波プローブを簡便に製造でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
【0014】
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面を有するものである。これにより、第2の電気接触子は、同軸伝送線路の軸方向に対して一義的に位置を確定できるので、第1の電気接触子との位置合せが更に容易となり、更に工数が低減される。
また本願発明の電気接触子は、前記取付部が前記同軸伝送線路の外部導体の外周部に接合可能なように円筒状に形成されているものである。これにより、本願発明の電気接触子の取付部を同軸伝送線路の外部導体に直接被せることで同軸伝送線路の周方向に対して一義的に位置を確定でき、更に工数が低減されるとともに、機械的強度も増進される。
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が弾性材で形成され、被検査対象との接触時に所定の接触圧が得られるようにしたものである。これにより、第2の電気接触子の板状部自体の弾性によって各接触部が被検査対象に接触する際の接触圧が得られるので、外部に接触圧を調節する機構を設けることなく、簡便に検査が行える。
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成され、前記取付部が前記板状部を前記第1の電気接触子に対して一定の位置に保持する機能を有するものである。これにより、コプレーナ型の高周波プローブを簡単に精度良く形成でき、製造コストを大幅に削減できる。
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を相互に係止する絶縁性の補強部を備えるものである。これにより、両側の板状部が補強部によって相互に係止されるので、第2電気接触子の機械的強度が更に増進される。
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子をガイドする絶縁性のガイド部を備えるものである。これにより、第1の電気接触子の位置がガイド部によって第2電気接触子と所定の位置関係に保持されるので、第1の電気接触子の機械的強度が更に増進され、インピーダンスコントロールが更に容易となる。
【0015】
また本願発明の高周波プローブは、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、前記同軸伝送線路の外部導体に第2の電気接触子を接合してなる高周波プローブであって、前記第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得るための接触部と、前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面と、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面とを有するものである。
同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とするので、余分な接合部を省略でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
また、第2の電気接触子は、前記板状部が同軸伝送線路端部位置決め面と同軸伝送線路外周位置決め面とを有し、これにより同軸伝送線路を軸方向と周方向から位置決めして接合するので、同軸伝送線路に対して電気接触子を精度良く位置決めでき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
【0016】
本願発明の電気接触子は、高周波プローブに用いるものであって、被検査対象と電気的接触を得るための接触部と、前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面と、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面とを有するものである。これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路に本願発明の電気接触子を接合させることにより、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、本願発明の電気接触子を第2の電気接触子とする高周波プローブを簡便に製造でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も確保可能な高周波プローブが得られる。
【0017】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に本願発明の第1実施形態にかかる電気接触子の形状を示す。図のように、第1実施形態の電気接触子20は、板状部21と、接触部22と、取付部23とから構成される。この第1実施形態の電気接触子20を中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに接合することにより、図2に示すように、同軸伝送線路の中心導体11aを第1の電気接触子、第1実施形態の電気接触子20を第2の電気接触子とする高周波プローブ30が構成される。
【0019】
板状部21は、接触部22を被検査対象に接触させるときに所定の接触圧を得るためのばね性(弾性)を有する。板状部21は、同軸伝送線路の内部導体11aに沿う部分と外部導体11bに沿う部分に段差を有し、これにより同軸伝送線路の外部導体11bの端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面Aが形成される。
接触部22は、被検査対象に接触する部分であり、ここでは板状部21の先端部の所定位置に突起を設けた場合を例示しているが、これに限らず、被検査対象の形状に合せた特別な形状としてもよく、この部分を別部材で形成するようにしてもよい。例えば、球状の金合金等を板状部21の所定位置に溶着させるようにしてもよい。この場合に、予め板状部の先端部に所要の幅を持たせることにより、この範囲で接触部22の位置を任意に設置形成することができ、被検査対象の種々のパッド(電極)間隔に合せたピッチの高周波プローブを、多種の板状部を用意することなく作成することが可能になる。
取付部23は、同軸伝送線路の外部導体11bに接合させる部分であり、板状部21の同軸伝送線路の外部導体11bに沿う部分に、外部導体11bの外径に対応した内径を有する半円筒状の部材が一体形成されている。この取付部23の内面により、同軸伝送線路の外部導体11bを周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面Bが形成される。
【0020】
これにより、中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに本願発明の電気接触子30を被せ、同軸伝送線路端部位置決め面Aを同軸伝送線路の外部導体11bの端部に突き当てるとともに、同軸伝送線路外周位置決め面Bを同軸伝送線路の外部導体11bに密着させて接合することにより、同軸伝送線路の中心導体と電気接触子の相対的位置関係が精度良く保持され、機械的強度の高い高周波プローブを簡便に製造することができる。
【0021】
電気接触子の材質は、所定の導電性を有し、一定の弾性を持つものであれば良く、黄銅やベリリウム等のCu合金に金メッキをしたものや無垢の金合金等を用いることができる。また、本願発明の電気接触子は板状部と取付部が一体形成されており、打ち抜きやプレス加工により容易に製造することができる。
【0022】
一方、同軸伝送線路の中心導体も、一定の弾性を有することが望ましいが、形状加工や表面加工により所定の弾性を備えるようにしてもよい。また、被検査対象に接触する接触部は、同軸伝送線路の中心導体自体をそのまま用いてもよいが、先端を形状加工や表面加工するようにしてもよく、例えば球状の金合金を溶着させるようにしてもよい。
【0023】
尚、上記実施形態では、板状部の同軸伝送線路の中心導体に沿う部分は一定の幅を有するものとして説明したが、被検査対象の形状やインピーダンスに合せて、先端部が細くなるようにテーパを持たせてもよい。また、更に同軸伝送線路の中心導体も先端部を細く加工し、板状部をそれに合せて中心側に絞り込むようにしてもよい。
【0024】
また、上記実施形態では、電気接触子の板状部は同軸伝送線路の中心導体の同一線状に配置されるように記載したが、例えば被検査対象が接地部を先に接続してから信号部を接続することが好ましい場合には、検査時に電気接触子の板状部が同軸伝送線路の中心導体より被検査対象に近い側に配置されるようにしてもよい。
【0025】
上記実施形態では、電気接触子全体に一定の弾性を有する材料を用い、これにより検査時の接触圧を得るものとして説明したが、板状部の一部に弾性を有する材料を使用してもよく、高周波プローブの支持機構に弾性を持たせるようにしてもよい。
【0026】
上記実施形態では、取付部は同軸伝送線路の外部導体の外径に対応する内径を有する半円筒状に形成し、その内面を同軸伝送線路外周位置決め面とするものとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、例えば取付部の内面をコの字型、山型、L字型等に形成するようにしてもよい。電気接触子の取付部を、同軸伝送線路の外部導体に対して周方向の少なくとも2方向から位置決めできるようにすれば、同軸伝送線路の中心導体に対する周方向の位置が一義的に決まるので、インピーダンスコントロールを容易に行える。
【0027】
また、上記実施形態では、板状部の同軸伝送線路の中心導体に沿う部分と外部導体に沿う部分に段差を有し、その段差部分が同軸伝送線路端部位置決め面を構成するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、段差を設けないものでもよい。この場合には、板状部の同軸伝送線路外周位置決め面のみによって同軸伝送線路の中心導体と電気接触子の相対位置が定まるので、軸方向の位置は一義的には決まらないが、別の治具を用いて軸方向の位置決めを行うようにしてもよく、同軸伝送線路に電気接触子を接合後に、同軸伝送線路の中心導体をカットして軸方向の長さを調節するようにしてもよい。
【0028】
図3に本願発明の第2実施形態にかかる電気接触子の形状を示す。図のように、第2実施形態の電気接触子40は、第1実施形態の電気接触子20と同様に板状部21と、接触部22と、取付部23とから構成されるが、一対の板状部21a、21bを有し、それぞれに接触部22a、22bが備えられ、半円筒状の取付部23を介して一体形成されている。
これにより、中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに電気接触子40を接合することにより、図4に示すように、同軸伝送線路の中心導体11aを第1の電気接触子とし、その両側に一対の第2の電気接触子を有するコプレーナ型の高周波プローブ50を精度良く簡便に製造することができる。
【0029】
図5に本願発明の第3実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの構造を示す。図のように、第3実施形態の電気接触子は、第2実施形態の電気接触子40において、一対の板状部21a、21bを相互に係止する絶縁性の補強部61を備えたものである。これにより、板状部21a、21bが絶縁性の補強部61によって相互に係止されるので、電気的特性を損なうことなく第2電気接触子の機械的強度を更に増進させることができる。
【0030】
図6に本願発明の第4実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの構造を示す。図のように、第4実施形態の電気接触子は、第2実施形態の電気接触子40において、図8に示すような同軸伝送線路の中心導体をガイドする絶縁性のガイド部71を備え、板状部21a、21bをガイド部71によって裏打ちするとともに、同軸伝送線路の中心導体を支持する。
これにより、同軸伝送線路の中心導体が絶縁性のガイド部によって支持されるので、電気的特性を損なうことなく機械的強度を更に増進させることができる。また第1電気接触子の位置がガイド部によって第2電気接触子と所定の位置関係に保持されるので、インピーダンスコントロールが更に容易となる。
【0031】
図7に本願発明の第5実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの構造を示す。図のように、第5実施形態の電気接触子は、第2実施形態の電気接触子40において、図9に示すような同軸伝送線路の中心導体をガイドする絶縁性のガイド部81を備え、板状部21a、21bに対して同軸伝送線路の中心導体を支持する。ここで、板状部21a、21bにはガイド部81を脱着する脱着機構を有する(図示省略)。これにより、電気接触子を同軸伝送線路に接合した後に、ガイド部81を付替えることによりインピーダンス調整を行うことができる。このため、ガイド部81は、被検査対象に応じて誘電率や形状の異なる多数のガイド部をあらかじめ備えておく。尚、ガイド部81の一部に導電性部材を備え、第1の電気接触子と第2の電気接触子のいずれか一方またはその両方に対して個別に導電部材と接続させることによって、インピーダンス調整を行うようにしてもよい。このように、脱着式のガイド部を設けることにより、同一形状の電気接触子を用いてさまざまな特性を有する被検査対象に適用することが可能となる。
尚、上記実施形態では、コプレーナ型の高周波プローブに脱着式のガイド部を設けた場合について説明したが、第2の電気接触子を第1電気接触子の片側にのみ設ける高周波プローブについても、このような脱着式のガイド部を設けることが可能であり、同様の作用効果を奏する。
【0032】
図10に第6実施形態にかかる電気接触子の形状を示す。第6実施形態の電気接触子90は、板状部21と接触部22のみから構成され、取付部23を有しない。第6実施形態の電気接触子90の板状部21は同軸伝送線路の中心導体の沿う部分と外部導体に沿う部分に段差を有し、その段差部分が同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面Aを構成するとともに、同軸伝送線路の外部導体に沿う部分が同軸伝送線路を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面Bを構成する。
これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体の側面に電気接触子90の同軸伝送線路外周位置決め面Bを突き当てるとともに、同軸伝送線路の外部導体の端部に電気接触子90の同軸伝送線路端部位置決め面Aを突き当てて接合することにより、同軸伝送線路の中心導体と電気接触子の相対的位置関係が精度良く保持され、機械的強度の高い高周波プローブを簡便に製造することができる。
尚、このような電気接触子を同軸伝送線路の中心導体の両側に接合することにより、コプレーナ型の高周波プローブも容易に製造することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本願発明によれば、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、同軸伝送線路の外部導体に所定形状の電気接触子を接合させ、これを第2の電気接触子とする高周波プローブを形成するようにしたので、電気接触子の位置決めが容易に行え、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も確保可能な高周波プローブを提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態にかかる電気接触子の形状を示す図である。
【図2】本願発明の第1実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図3】本願発明の第2実施形態にかかる電気接触子の形状を示す図である。
【図4】本願発明の第2実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図5】本願発明の第3実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図6】本願発明の第4実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図7】本願発明の第5実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図8】本願発明の第4実施形態にかかる電気接触子のガイド部の詳細形状を示す図である。
【図9】本願発明の第5実施形態にかかる電気接触子のガイド部の詳細形状を示す図である。
【図10】本願発明の第6の実施形態にかかる電気接触子の形状を示す図である。
【図11】従来の高周波プローブの代表的な構成を示す図である。
【符号の説明】
10 従来の高周波プローブ
11a 同軸伝送線路の中心導体
11b 同軸伝送線路の外部導体
12a 電気接触子の信号片
12b 電気接触子の接地片
13 同軸コネクタ
20、40、90 本願発明の電気接触子
30、50、60、70、80 本願発明の高周波プローブ
21 板状部
22 接触部
23 取付部
61 補強部
71、81 ガイド部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば高周波の半導体デバイスやウェハー等の電気的特性を検査する際に好適な高周波プローブ及びそれに用いる電気接触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波プローブの代表的な構造を図11に示す。図のように、高周波プローブ10は、同軸伝送線路11と、同軸伝送線路11の先端に取付られ、検査時に被検査対象と接触させるための電気接触子12と、同軸伝送線路11の後端に設けられ、外部の検査回路を接続させるための同軸コネクタ13とから構成される。従来、このような高周波プローブ10は、同軸伝送線路11の先端部を一部切欠いて平坦部を設け、その平坦部の中心導体部分11aと外部導体部分11bとに、それぞれ弾性を有する微小な導電性の第1の電気接触子12aと第2の電気接触子12bとを位置決めし、半田等により接合することにより製造されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5506515号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の高周波プローブでは、同軸伝送線路の先端部を一部切欠いて平坦部を形成する必要があること、形成された平坦部の微小な中心導体部分と外部導体部分に、それぞれ微小な第1の電気接触子と第2の電気接触子とを精度良く位置決めして接合する必要があることなどから、接合不良が発生しやすく、また工程的にも多大な工数を要し、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
また、同軸伝送線路の中心導体に接合される第1の電気接触子と外部導体に接合される第2の電気接触子とはそれぞれ独立に位置決めして接合されるため、両者の間隔を調節してインピーダンスコントロールを行うことが困難であるという問題があった。
更に、同軸伝送線路と電気接触子とは、同軸伝送線路の先端部を切欠いて形成された平坦部の中心導体部分と外部導体部分の微小な面積で接合されるだけであるため、機械的強度が弱いという問題をも有していた。
【0005】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、同軸伝送線路と電気接触子の位置決めを容易に行え、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度の強い高周波プローブを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明の高周波プローブは、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、前記同軸伝送線路の外部導体に第2の電気接触子を接合してなる高周波プローブであって、前記第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得るための接触部を有する板状部と、前記板状部と一体として形成され、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面を有する取付部とを備えたものである。
同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とするので、余分な接合部を省略でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。また、第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得る接触部を有する板状部に一体として形成される取付部を有し、これにより同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めして接合するので、同軸伝送線路に対して電気接触子を精度良く位置決めでき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
尚、前記取付部の同軸線路外周位置決め面は、同軸伝送線路の外部導体を周方向の少なくとも2方向から位置決めできることが好ましい。これにより、第2の電気接触子は、外部に位置決め手段を設けることなく同軸伝送線路の周方向に対して一義的に位置を確定できる。
【0007】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面を有するものである。
これにより、第2の電気接触子は、同軸伝送線路の軸方向に対して一義的に位置を確定できるので、第1の電気接触子との位置合せが更に容易となり、更に工数が低減される。
【0008】
また本願発明の高周波プローブは、前記取付部が前記同軸伝送線路の外部導体の外周部に接合可能なように半円筒状に形成されているものである。
これにより、第2の電気接触子の取付部を同軸伝送線路の外部導体に直接被せることで同軸伝送線路の周方向に対して一義的に位置を確定でき、更に工数が低減されるとともに、機械的強度も増進される。
【0009】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が弾性材で形成され、被検査対象との接触時に所定の接触圧が得られるようにしたものである。
これにより、第2の電気接触子の板状部自体の弾性によって接触部が被検査対象に接触する際の接触圧が得られるので、外部に接触圧を調節する機構を設けることなく、簡便に検査が行える。
尚、第1の電気接触子についても、弾性材で形成された中心導体を用いた同軸伝送線路を使用してもよく、所定の弾性を備えるように形状加工や表面加工を施すようにしてもよい。
【0010】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成され、前記取付部が前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を前記第1の電気接触子に対して一定の位置に保持する機能を有するものである。
これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路に第2の電気接触子を接合させるだけで、コプレーナ型の電気接触子を簡単に精度良く形成することができ、製造コストを大幅に削減できる。
【0011】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を相互に係止する絶縁性の補強部を備えるものである。
これにより、両側に形成された板状部が補強部によって相互に係止されるので、第2電気接触子の機械的強度が更に増進される。
【0012】
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子をガイドする絶縁性のガイド部を備えるものである。
これにより、第1の電気接触子の位置がガイド部によって第2電気接触子と所定の位置関係に保持されるので、第1の電気接触子の機械的強度が更に増進され、インピーダンスコントロールが更に容易となる。
尚、ガイド部は、第2の電気接触子の板状部に脱着可能なように取付けるようにしてもよい。これにより、高周波プローブの組立後に、板状部に材質や形状の異なるガイド部を付替えることで、微妙なインピーダンス調整を行うことが可能となり、更にインピーダンスコントロールが容易となる。
【0013】
本願発明の電気接触子は、高周波プローブに用いるものであって、被検査対象と電気的接触を得るための接触部を有する板状部と、前記板状部と一体として形成され、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面を有する取付部とを備えたものである。
これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路に本願発明の電気接触子を接合させることにより、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、本願発明の電気接触子を第2の電気接触子とする高周波プローブを簡便に製造でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
【0014】
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面を有するものである。これにより、第2の電気接触子は、同軸伝送線路の軸方向に対して一義的に位置を確定できるので、第1の電気接触子との位置合せが更に容易となり、更に工数が低減される。
また本願発明の電気接触子は、前記取付部が前記同軸伝送線路の外部導体の外周部に接合可能なように円筒状に形成されているものである。これにより、本願発明の電気接触子の取付部を同軸伝送線路の外部導体に直接被せることで同軸伝送線路の周方向に対して一義的に位置を確定でき、更に工数が低減されるとともに、機械的強度も増進される。
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が弾性材で形成され、被検査対象との接触時に所定の接触圧が得られるようにしたものである。これにより、第2の電気接触子の板状部自体の弾性によって各接触部が被検査対象に接触する際の接触圧が得られるので、外部に接触圧を調節する機構を設けることなく、簡便に検査が行える。
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成され、前記取付部が前記板状部を前記第1の電気接触子に対して一定の位置に保持する機能を有するものである。これにより、コプレーナ型の高周波プローブを簡単に精度良く形成でき、製造コストを大幅に削減できる。
また本願発明の電気接触子は、前記板状部が前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を相互に係止する絶縁性の補強部を備えるものである。これにより、両側の板状部が補強部によって相互に係止されるので、第2電気接触子の機械的強度が更に増進される。
また本願発明の高周波プローブは、前記板状部が前記第1の電気接触子をガイドする絶縁性のガイド部を備えるものである。これにより、第1の電気接触子の位置がガイド部によって第2電気接触子と所定の位置関係に保持されるので、第1の電気接触子の機械的強度が更に増進され、インピーダンスコントロールが更に容易となる。
【0015】
また本願発明の高周波プローブは、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、前記同軸伝送線路の外部導体に第2の電気接触子を接合してなる高周波プローブであって、前記第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得るための接触部と、前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面と、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面とを有するものである。
同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とするので、余分な接合部を省略でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
また、第2の電気接触子は、前記板状部が同軸伝送線路端部位置決め面と同軸伝送線路外周位置決め面とを有し、これにより同軸伝送線路を軸方向と周方向から位置決めして接合するので、同軸伝送線路に対して電気接触子を精度良く位置決めでき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も強い高周波プローブが得られる。
【0016】
本願発明の電気接触子は、高周波プローブに用いるものであって、被検査対象と電気的接触を得るための接触部と、前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面と、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面とを有するものである。これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路に本願発明の電気接触子を接合させることにより、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、本願発明の電気接触子を第2の電気接触子とする高周波プローブを簡便に製造でき、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も確保可能な高周波プローブが得られる。
【0017】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に本願発明の第1実施形態にかかる電気接触子の形状を示す。図のように、第1実施形態の電気接触子20は、板状部21と、接触部22と、取付部23とから構成される。この第1実施形態の電気接触子20を中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに接合することにより、図2に示すように、同軸伝送線路の中心導体11aを第1の電気接触子、第1実施形態の電気接触子20を第2の電気接触子とする高周波プローブ30が構成される。
【0019】
板状部21は、接触部22を被検査対象に接触させるときに所定の接触圧を得るためのばね性(弾性)を有する。板状部21は、同軸伝送線路の内部導体11aに沿う部分と外部導体11bに沿う部分に段差を有し、これにより同軸伝送線路の外部導体11bの端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面Aが形成される。
接触部22は、被検査対象に接触する部分であり、ここでは板状部21の先端部の所定位置に突起を設けた場合を例示しているが、これに限らず、被検査対象の形状に合せた特別な形状としてもよく、この部分を別部材で形成するようにしてもよい。例えば、球状の金合金等を板状部21の所定位置に溶着させるようにしてもよい。この場合に、予め板状部の先端部に所要の幅を持たせることにより、この範囲で接触部22の位置を任意に設置形成することができ、被検査対象の種々のパッド(電極)間隔に合せたピッチの高周波プローブを、多種の板状部を用意することなく作成することが可能になる。
取付部23は、同軸伝送線路の外部導体11bに接合させる部分であり、板状部21の同軸伝送線路の外部導体11bに沿う部分に、外部導体11bの外径に対応した内径を有する半円筒状の部材が一体形成されている。この取付部23の内面により、同軸伝送線路の外部導体11bを周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面Bが形成される。
【0020】
これにより、中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに本願発明の電気接触子30を被せ、同軸伝送線路端部位置決め面Aを同軸伝送線路の外部導体11bの端部に突き当てるとともに、同軸伝送線路外周位置決め面Bを同軸伝送線路の外部導体11bに密着させて接合することにより、同軸伝送線路の中心導体と電気接触子の相対的位置関係が精度良く保持され、機械的強度の高い高周波プローブを簡便に製造することができる。
【0021】
電気接触子の材質は、所定の導電性を有し、一定の弾性を持つものであれば良く、黄銅やベリリウム等のCu合金に金メッキをしたものや無垢の金合金等を用いることができる。また、本願発明の電気接触子は板状部と取付部が一体形成されており、打ち抜きやプレス加工により容易に製造することができる。
【0022】
一方、同軸伝送線路の中心導体も、一定の弾性を有することが望ましいが、形状加工や表面加工により所定の弾性を備えるようにしてもよい。また、被検査対象に接触する接触部は、同軸伝送線路の中心導体自体をそのまま用いてもよいが、先端を形状加工や表面加工するようにしてもよく、例えば球状の金合金を溶着させるようにしてもよい。
【0023】
尚、上記実施形態では、板状部の同軸伝送線路の中心導体に沿う部分は一定の幅を有するものとして説明したが、被検査対象の形状やインピーダンスに合せて、先端部が細くなるようにテーパを持たせてもよい。また、更に同軸伝送線路の中心導体も先端部を細く加工し、板状部をそれに合せて中心側に絞り込むようにしてもよい。
【0024】
また、上記実施形態では、電気接触子の板状部は同軸伝送線路の中心導体の同一線状に配置されるように記載したが、例えば被検査対象が接地部を先に接続してから信号部を接続することが好ましい場合には、検査時に電気接触子の板状部が同軸伝送線路の中心導体より被検査対象に近い側に配置されるようにしてもよい。
【0025】
上記実施形態では、電気接触子全体に一定の弾性を有する材料を用い、これにより検査時の接触圧を得るものとして説明したが、板状部の一部に弾性を有する材料を使用してもよく、高周波プローブの支持機構に弾性を持たせるようにしてもよい。
【0026】
上記実施形態では、取付部は同軸伝送線路の外部導体の外径に対応する内径を有する半円筒状に形成し、その内面を同軸伝送線路外周位置決め面とするものとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、例えば取付部の内面をコの字型、山型、L字型等に形成するようにしてもよい。電気接触子の取付部を、同軸伝送線路の外部導体に対して周方向の少なくとも2方向から位置決めできるようにすれば、同軸伝送線路の中心導体に対する周方向の位置が一義的に決まるので、インピーダンスコントロールを容易に行える。
【0027】
また、上記実施形態では、板状部の同軸伝送線路の中心導体に沿う部分と外部導体に沿う部分に段差を有し、その段差部分が同軸伝送線路端部位置決め面を構成するとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、段差を設けないものでもよい。この場合には、板状部の同軸伝送線路外周位置決め面のみによって同軸伝送線路の中心導体と電気接触子の相対位置が定まるので、軸方向の位置は一義的には決まらないが、別の治具を用いて軸方向の位置決めを行うようにしてもよく、同軸伝送線路に電気接触子を接合後に、同軸伝送線路の中心導体をカットして軸方向の長さを調節するようにしてもよい。
【0028】
図3に本願発明の第2実施形態にかかる電気接触子の形状を示す。図のように、第2実施形態の電気接触子40は、第1実施形態の電気接触子20と同様に板状部21と、接触部22と、取付部23とから構成されるが、一対の板状部21a、21bを有し、それぞれに接触部22a、22bが備えられ、半円筒状の取付部23を介して一体形成されている。
これにより、中心導体11aを所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体11bに電気接触子40を接合することにより、図4に示すように、同軸伝送線路の中心導体11aを第1の電気接触子とし、その両側に一対の第2の電気接触子を有するコプレーナ型の高周波プローブ50を精度良く簡便に製造することができる。
【0029】
図5に本願発明の第3実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの構造を示す。図のように、第3実施形態の電気接触子は、第2実施形態の電気接触子40において、一対の板状部21a、21bを相互に係止する絶縁性の補強部61を備えたものである。これにより、板状部21a、21bが絶縁性の補強部61によって相互に係止されるので、電気的特性を損なうことなく第2電気接触子の機械的強度を更に増進させることができる。
【0030】
図6に本願発明の第4実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの構造を示す。図のように、第4実施形態の電気接触子は、第2実施形態の電気接触子40において、図8に示すような同軸伝送線路の中心導体をガイドする絶縁性のガイド部71を備え、板状部21a、21bをガイド部71によって裏打ちするとともに、同軸伝送線路の中心導体を支持する。
これにより、同軸伝送線路の中心導体が絶縁性のガイド部によって支持されるので、電気的特性を損なうことなく機械的強度を更に増進させることができる。また第1電気接触子の位置がガイド部によって第2電気接触子と所定の位置関係に保持されるので、インピーダンスコントロールが更に容易となる。
【0031】
図7に本願発明の第5実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの構造を示す。図のように、第5実施形態の電気接触子は、第2実施形態の電気接触子40において、図9に示すような同軸伝送線路の中心導体をガイドする絶縁性のガイド部81を備え、板状部21a、21bに対して同軸伝送線路の中心導体を支持する。ここで、板状部21a、21bにはガイド部81を脱着する脱着機構を有する(図示省略)。これにより、電気接触子を同軸伝送線路に接合した後に、ガイド部81を付替えることによりインピーダンス調整を行うことができる。このため、ガイド部81は、被検査対象に応じて誘電率や形状の異なる多数のガイド部をあらかじめ備えておく。尚、ガイド部81の一部に導電性部材を備え、第1の電気接触子と第2の電気接触子のいずれか一方またはその両方に対して個別に導電部材と接続させることによって、インピーダンス調整を行うようにしてもよい。このように、脱着式のガイド部を設けることにより、同一形状の電気接触子を用いてさまざまな特性を有する被検査対象に適用することが可能となる。
尚、上記実施形態では、コプレーナ型の高周波プローブに脱着式のガイド部を設けた場合について説明したが、第2の電気接触子を第1電気接触子の片側にのみ設ける高周波プローブについても、このような脱着式のガイド部を設けることが可能であり、同様の作用効果を奏する。
【0032】
図10に第6実施形態にかかる電気接触子の形状を示す。第6実施形態の電気接触子90は、板状部21と接触部22のみから構成され、取付部23を有しない。第6実施形態の電気接触子90の板状部21は同軸伝送線路の中心導体の沿う部分と外部導体に沿う部分に段差を有し、その段差部分が同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面Aを構成するとともに、同軸伝送線路の外部導体に沿う部分が同軸伝送線路を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面Bを構成する。
これにより、中心導体を所定長露出させた同軸伝送線路の外部導体の側面に電気接触子90の同軸伝送線路外周位置決め面Bを突き当てるとともに、同軸伝送線路の外部導体の端部に電気接触子90の同軸伝送線路端部位置決め面Aを突き当てて接合することにより、同軸伝送線路の中心導体と電気接触子の相対的位置関係が精度良く保持され、機械的強度の高い高周波プローブを簡便に製造することができる。
尚、このような電気接触子を同軸伝送線路の中心導体の両側に接合することにより、コプレーナ型の高周波プローブも容易に製造することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本願発明によれば、同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、同軸伝送線路の外部導体に所定形状の電気接触子を接合させ、これを第2の電気接触子とする高周波プローブを形成するようにしたので、電気接触子の位置決めが容易に行え、接合不良が発生しにくく、工数低減でき、インピーダンスコントロールが容易で、機械的強度も確保可能な高周波プローブを提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態にかかる電気接触子の形状を示す図である。
【図2】本願発明の第1実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図3】本願発明の第2実施形態にかかる電気接触子の形状を示す図である。
【図4】本願発明の第2実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図5】本願発明の第3実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図6】本願発明の第4実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図7】本願発明の第5実施形態にかかる電気接触子を用いた高周波プローブの組立図である。
【図8】本願発明の第4実施形態にかかる電気接触子のガイド部の詳細形状を示す図である。
【図9】本願発明の第5実施形態にかかる電気接触子のガイド部の詳細形状を示す図である。
【図10】本願発明の第6の実施形態にかかる電気接触子の形状を示す図である。
【図11】従来の高周波プローブの代表的な構成を示す図である。
【符号の説明】
10 従来の高周波プローブ
11a 同軸伝送線路の中心導体
11b 同軸伝送線路の外部導体
12a 電気接触子の信号片
12b 電気接触子の接地片
13 同軸コネクタ
20、40、90 本願発明の電気接触子
30、50、60、70、80 本願発明の高周波プローブ
21 板状部
22 接触部
23 取付部
61 補強部
71、81 ガイド部
Claims (9)
- 同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、前記同軸伝送線路の外部導体に第2の電気接触子を接合してなる高周波プローブであって、
前記第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得るための接触部を有する板状部と、前記板状部と一体として形成され、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路周方向位置決め面を有する取付部とを備えたことを特徴とする、高周波プローブ。 - 前記板状部は、前記同軸伝送線路の外部導体の端部を軸方向から位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面を有することを特徴とする、請求項1に記載の高周波プローブ。
- 前記取付部は、前記同軸伝送線路の外部導体の外周部に接合可能なように半円筒状に形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高周波プローブ。
- 前記板状部は、弾性材で形成され、被検査対象との接触時に所定の接触圧が得られるようにしたことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の高周波プローブ。
- 前記板状部は、前記第1の電気接触子の両側に形成され、前記取付部は、前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を前記第1の電気接触子に対して一定の位置に保持する機能を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の高周波プローブ。
- 前記板状部は、前記第1の電気接触子の両側に形成された板状部を相互に係止する絶縁性の補強部を備えることを特徴とする、請求項5に記載の高周波プローブ。
- 前記板状部は、前記第1の電気接触子をガイドする絶縁性のガイド部を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の高周波プローブ。
- 高周波プローブに用いる電気接触子であって、
被検査対象と電気的接触を得るための接触部を有する板状部と、前記板状部と一体として形成され、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面を有する取付部とを備えたことを特徴とする、電気接触子。 - 同軸伝送線路の中心導体を第1の電気接触子とし、前記同軸伝送線路の外部導体に第2の電気接触子を接合してなる高周波プローブであって、
前記第2の電気接触子は、被検査対象と電気的接触を得るための接触部と、前記同軸伝送線路の外部導体の端部を位置決めする同軸伝送線路端部位置決め面と、前記同軸伝送線路の外部導体を周方向から位置決めする同軸伝送線路外周位置決め面とを有することを特徴とする、高周波プローブ。
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