JP2004339083A - ムコ多糖類製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】経口投与では十分な血中濃度が得られず、もっぱら注射剤としてのみ用いられていたムコ多糖類を、経口的に投与可能とした製剤を開発する。
【解決手段】炭素数6〜18の脂肪酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、ステロイドカルボン酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、脂肪族多塩基性酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、これらの混合物等のムコ多糖類吸収促進剤とムコ多糖類のいずれか一方を吸着剤と混合し、ついで他方と混合して腸溶製剤とする。特に、小腸または大腸において吸収良好な固形製剤を得る。
【解決手段】炭素数6〜18の脂肪酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、ステロイドカルボン酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、脂肪族多塩基性酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、これらの混合物等のムコ多糖類吸収促進剤とムコ多糖類のいずれか一方を吸着剤と混合し、ついで他方と混合して腸溶製剤とする。特に、小腸または大腸において吸収良好な固形製剤を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ムコ多糖類製剤、特に、経口投与ができないムコ多糖類を経口的に投与可能にした製剤、及びその製造法に関する。更に本発明は有効成分薬物の溶解性が低い、あるいは消化管吸収膜透過性が低いために、経口投与後の消化管からの吸収が低い薬物の吸収を改善してバイオアベイラビリティや薬効を高めるために用いる界面活性剤を含む固形製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ムコ多糖類、例えば、ヘパリンや低分子量ヘパリン(LMWH)は、それ自体に抗凝固作用はないが、血中のアンチトロンビンIIIと結合して抗トロンビン作用、抗Xa作用を飛躍的に増大させ、抗凝固作用を発揮する。これらヘパリン等は、静脈血栓、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症等の血栓塞栓症の予防及び治療、汎発性血管内血液凝固症候群の治療、血液透析、人工心肺その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止、血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止、輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止等に広く臨床利用されている。また、ヘパリン等は注射剤として、点滴静脈内注射、間欠静脈内注射、皮下注射もしくは筋肉内注射されているが、これらの投与法は患者に苦痛や侵襲を与える。従って、例えば整形外科領域等における股関節及び膝関節置換手術後には深部静脈血栓症の予防のためにヘパリンの皮下投与を数日間行い、引き続いてワルファリンが経口投与される。しかし、ワルファリンは作用の発現および消失に長期間を要するだけでなく、他の薬剤との相互作用、不安定な血中動態等のため使用しづらい。ワルファリンの代わりにヘパリンの継続皮下投与も考えられるが、注射部位の痛みや出血等のため患者にとって有益ではない。ヘパリン等の上記以外の投与法として、経皮投与によるヘパリン軟膏剤があるが、ワルファリンの代用にはなりにくい。また、経口及び経肺投与等が検討されているが、ヘパリン等はその分子量の大きさ(M.W.2000〜20000)と強い陰性荷電(硫化度が高い)のため、単独では特に経口投与による胃腸管からの吸収が困難であることが知られている。
【0003】ヘパリン等は、静脈血栓塞栓症、不安定狭心症や急性心筋梗塞等の虚血性心疾患にも有効と報告されているが、前述のような注射剤のみの使用では臨床利用は限られている。経口抗凝固剤として、広く利用されているワルファリンも、例えば、経口投与後の作用発現は非常に緩徐であるとか、投与開始後に有効な血中濃度に達するのに数日を要することや、逆に使用を中止したいときも血中からの消失にも数日を要するとか、患者−患者間の血中濃度差が大きいことや、同一患者においても投与時期による血中濃度差が大きいこと等の不都合があり、使用にあたっては厳重なモニタリングが必要である。また、ワルファリンは血中では大部分が血漿たんぱくと結合しているので薬物−薬物相互作用の多い薬剤として知られており、例えば、アスピリンやフェニルブタゾンなどの血漿たんぱく結合が強力な薬剤と併用すると、血漿たんぱくと結合していないワルファリンの遊離型が増加し、出血を招くことがある。このようなことから、ワルファリンに替わる優れた経口抗凝固薬の開発が期待されている。
【0004】ヘパリン等は、静脈内あるいは皮下投与により速やかに抗凝固活性が上昇し、また血中半減期が短く、ワルファリンに比べコントロールが容易なので、経口化することにより、ワルファリンに替わる経口抗凝固剤として有用と考えられ、これまでもヘパリン等の経口化が検討されている。例えば、アイルランド国エラン社によるベオダス(BEODAS、高生物分解性経口製剤)を輸送担体とした経口LMWH製剤、米国ファーマスューティカル・ディスカバリー社によるテクノスフェアー(Technosphere、デリバリービークル)を輸送担体とした経口へパリン製剤、米国エミスフェアー・テクノロジー社によるソディウム・エヌ−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カルプリレートやソディウム・エヌ−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]デカネートを輸送担体とした経口へパリン製剤の開発が行われている(例えば、非特許文献1、2参照)。これらはいずれも胃腸管からは吸収されにくいヘパリン等を輸送担体と同時投与することにより胃腸管からの吸収を可能にしようとする試みである。しかし、これらの輸送担体を用いた経口へパリン製剤等は、嘔気等の副作用、吸収の個体差等問題点が多く、いまだ実用化に至っていない。
【0005】ヘパリン等のその他の投与法による製剤化の試みとしては、米国インハール・テラポイテック・システム社によるネブライザーを使用した非侵襲的肺投与法や、独国ラティオファルマ社によるポリディスパースドリポソームコート(スプレイベン)を用いたスプレイゲルネブライザーでの経皮投与法がある。しかし前者はまだ非臨床試験段階であり、また後者は表層静脈炎等の極く限られた適用であり、かつ未だ上市はされていない。また安全性に富む吸収促進剤としてC6〜18脂肪酸のグリセロールエステルとC6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルとの混合物(例えばラブラゾール(Labrasol)、ガッテフォッセ社商品名)が開発されてきており、インスリン、カルシトニンなどへの経口吸収促進剤としての応用がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらの界面活性剤は常温で液体であるため、経口液剤としての適応はあるものの、特に固形剤としての適応には難しいものであった。そこで強力な吸収促進効果を維持しつつ、自己微少乳化型界面活性剤C6〜18脂肪酸のグリセロールエステルとC6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルとの混合物(ラブラゾールなど)などの有する吸収促進効果を維持しつつ、強力に固形化する技術が更に求められている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6200602号明細書
【特許文献2】
国際公開第02/062314号パンフレット
【非特許文献1】アメリカン・ジャーナル・オブ・サージェリー 176巻,2号,176〜178頁,1998; サーキュレーション 98巻,16号,1610〜1615頁,1998
【非特許文献2】アナルス・オブ・サージェリー 231巻,6号,789〜794頁,2000
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、ヘパリンやLMWHのようなムコ多糖類の良好、安定かつ安全な経口化技術を開発することにある。特に、ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を配合した、良好、安定かつ安全な吸収を示す、固形製剤を提供することにある。また本発明者らは、上記ラブラゾールを吸収促進剤として用い、良好、安定かつ安全な経口化技術を開発することを検討し、提案している(特許文献2)。これらの技術を基に、更にムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を配合した、良好、安定かつ安全な吸収を示す、固形製剤を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】種々の検討の結果、ムコ多糖類を上記輸送担体を含む種々のムコ多糖類の吸収促進剤と共に経口投与しても、治療に十分な血中濃度とするためには極めて大量のムコ多糖類と吸収促進剤を要し、実用的でないことがわかった。
【0009】本発明者らは、ムコ多糖類とその吸収促進剤のいずれか一方を吸着剤に混合吸着させた後、他方を混合して腸溶製剤としたところ、安定したムコ多糖類の吸収を得ることができることがわかった。この場合、ムコ多糖類の種類やムコ多糖類吸収促進剤の種類および吸着剤の組み合わせによって若干異なるが、ムコ多糖類は、ムコ多糖類吸収促進剤の存在下で小腸(十二指腸、空腸および回腸)または大腸から吸収させることができ、特に、空腸ないし回腸で大部分が吸収されることが判明した。従って、ムコ多糖類を効率的に吸収させるためには、十二指腸、空腸ないし回腸、大腸にムコ多糖類を胃その他の消化器官の影響を受けることなく安全に到達せしめ、かつ、長期間同部位に滞留させることが有利である。また、ムコ多糖類は水溶液又はその凍結乾燥品として用いるのが有利である。すなわち、本発明は、
(1) ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を腸溶製剤としてなるムコ多糖類を小腸または大腸から吸収させるムコ多糖類製剤において、ムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤のいずれか一方を吸着剤と混合し、ついで他方を混合することによって得られるムコ多糖類製剤。
(2) ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を混合し、ついでムコ多糖類を混合することを特徴とする(1)記載のムコ多糖類製剤。
(3) ムコ多糖類の平均分子量が3000〜20000である、(1)〜(2)に記載のムコ多糖類製剤。
(4) ムコ多糖類の平均分子量が5000〜9000である、(1)〜(3)に記載のムコ多糖類製剤。
【0010】(5) ムコ多糖類がヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケタラン硫酸、グルクロノ―2―アミノ―2―デオキシグリツグリカン サルフェートからなる群から選択される、(1)〜(4)に記載のムコ多糖類製剤。
(6) ムコ多糖類がヘパリンまたは低分子量ヘパリンである、(1)〜(5)に記載のムコ多糖類製剤。
(7) ムコ多糖類が水に溶解している状態で含有されている(1)〜(6)に記載のムコ多糖類製剤。
(8) ムコ多糖類が凍結乾燥された状態で含有されている(1)〜(7)に記載のムコ多糖類製剤。
(9) ムコ多糖類吸収促進剤が炭素数6〜18の脂肪酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、ステロイドカルボン酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、脂肪族多塩基性酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、あるいはこれらの混合物からなる群から選択される、(1)〜(8)に記載のムコ多糖類製剤。
(10) ムコ多糖類吸収促進剤がデオキシコール酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド、ラウロイルマクロゴール32グリセライドからなる群から選択される、(1)〜(9)に記載のムコ多糖類製剤。
(11) ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド及びラウロイルマクロゴール32グリセライドの混合物であることを特徴とする、(1)〜(10)に記載のムコ多糖類製剤。
(12) ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド及びクエン酸の混合物であることを特徴とする、(1)〜(11)に記載のムコ多糖類製剤。
(13) ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライドであることを特徴とする(1)〜(12)に記載のムコ多糖類製剤。
【0011】(14) 吸着剤が多孔性吸着剤であることを特徴とする、(1)〜(13)に記載のムコ多糖類製剤。
(15) 多孔性吸着剤が多孔性のケイ酸金属塩、多孔性のメタケイ酸金属塩および多孔性のリン酸金属塩から選ばれる1以上であることを特徴とする、(14)に記載のムコ多糖類製剤。
(16) 多孔性吸着剤が多孔性ケイ酸カルシウム、ヒュームドシリカ及び/又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれる1以上であることを特徴とする、(14)に記載のムコ多糖類製剤。
(17) 化学的処理により吸着力をコントロールした多孔性吸着剤を用いることを特徴とする、(14)に記載のムコ多糖類製剤。
(18) ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を粉末化して腸溶製剤とすることを特徴とする、(1)〜(17)に記載のムコ多糖類製剤。
(19) 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を打錠,あるいは一旦顆粒化した後打錠し,腸溶コーティングすることを特徴とする、(1)〜(18)に記載のムコ多糖類製剤。
(20) 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を顆粒化し,カプセルに封入し腸溶コーティングすること,あるいは顆粒化したムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤を腸溶コーティングしカプセルに封入することを特徴とする、(1)〜(19)に記載のムコ多糖類製剤。
(21) 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を顆粒化し,腸溶カプセルに封入あるいはカプセルに封入し腸溶コーティングすることを特徴とする(1)〜(20)に記載のムコ多糖類製剤。
である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるムコ多糖類は、通常の経口投与では胃などの消化器官で少なくとも部分的に不活性化され、あるいは消化管から吸収されないムコ多糖類を意味する。これらのムコ多糖類は、通常、約2000〜20000、望ましくは、約3000〜12000、更に望ましくは、約3000〜9000の平均分子量を有するものが用いられる。このようなムコ多糖類としては、例えばヘパリンに代表されるグリコサミノグリカン類をあげることができ、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ヘパリノイド、ケラタン硫酸、グルクロノ−2−アミノ−2−デオキシグリコグリカン硫酸、などを用いることができる。また、本発明では、更に分子量の小さい、例えば平均分子量約1500〜4000の低分子量ムコ多糖類等の薬剤を用いることもできる。これらは、動物臓器から抽出生成されたものでも良く、合成又は天然由来のオリゴヘテロポリサッカライド類に硫酸化、脱硫酸化、アセチル化、脱アセチル化、エピメリ化、アミノ化などの化学処理ないし酵素処理を行って製造されたものでも良い。また、これらを酵素処理または化学処理を行って低分子化させた、たとえばパルナパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム、エノキサパリンナトリウム、チンザパリンナトリウム、レバピリンナトリウム、ナドロパリンナトリウム、アルデパリンナトリウム等の低分子量ヘパリン類や低分子量ヘパリノイドを用いることもできる。さらに、ヒルジン誘導体、遺伝子組換えヒト活性型プロテインCや、トロンボモジュリン、合成トロンビン阻害剤,合成Xa因子阻害剤等の薬剤も同様に用いることができる。
【0013】本発明に用いられるムコ多糖類吸収促進剤としては、たとえば、炭素数6〜18の脂肪酸、たとえばカプロン酸またはその塩、カプリル酸またはその塩、カプリン酸またはその塩、ラウリン酸またはその塩、ラウリル硫酸またはその塩、硬化ヒマシ油、エステル、アミド、N−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カプリン酸ナトリウム、N−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]デカン酸ナトリウムなどの誘導体が用いられる。また、たとえばデオキシコール酸、デスオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロコール酸などのステロイドカルボン酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、たとえばクエン酸またはその塩、エデト酸二ナトリウムなどの脂肪族多塩基性酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、オルガノシロキサン化合物、ニコチン酸ベンジルエステル、ポリ−L−アルギニンなども、ムコ多糖類吸収促進剤として用いられる。これらのムコ多糖類吸収促進剤は、単独でも混合物としても用いられ、たとえばカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド(ヨーロッパ薬局方サプリメント2000)あるいはラブラゾールTM(Labrasol、ガッテフォッセ社商品名)、ラウロイルマクロゴール32グリセライド(lauroyl macrogol−32 glyceries:ヨーロッパ薬局方サプリメント)あるいはゲルシア44/14(GELUCIRE、ガッテフォッセ社商品名)、ソフチゲン767(Softigen 767、オレオケミカル(Oleochemicals)社商品名)、ステアロイルマクロゴールグリセライド(stearoyl macrogolglyceries:ヨーロッパ薬局方サプリメント)あるいはゲルシア50/13(ガッテフォッセ社商品名)も含まれる。また、これらカプリロカプロイルマクロゴールグリセライドやラブラゾールTMをクエン酸、硫酸、カプリン酸ナトリウム、ラウロイルマクロゴール32グリセライド、ラウリル硫酸ナトリウム、d−αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの有機酸と組み合わせて用いることもできる。
【0014】本発明では上述したムコ多糖類吸収促進剤として、以下のような界面活性剤を用いることもできる。使用できる界面活性剤は、経口投与後の消化管からの吸収が低い薬物の吸収を改善し、バイオアベイラビリティや薬効を高めるために使用され、所望の作用を発揮する限り、その種類には特に限定されないが、好ましくは自己微少乳化型界面活性剤である。本発明で用いることができる界面活性剤の具体例としては、C6〜18脂肪酸のグリセロールエステルとC6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルとのエステル混合物(ラブラゾールなど)、ポリソルベート80、モノオレイン酸、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、中鎖脂肪酸トリグリセライド、又はレシチンなどを挙げることができる。
【0015】C6〜18脂肪酸のグリセロールエステルはC6〜18脂肪酸のモノ、ジおよびトリグリセロールエステルの少なくとも1種を含むモノであれば通常はそれらの混合物の形で使用する。C6〜18脂肪酸は飽和または不飽和の炭素数6〜18の脂肪酸であればよいが、飽和脂肪酸、特に炭素数6〜12の飽和脂肪酸、すなわちカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびラウリル酸が好ましい。
C6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルにおけるマクロゴールとしては、通常分子量100〜800、好ましくは200〜600のポリエチレングリコールが挙げられ、そのエステルとしてはモノまたはジエステル、またはモノ・ジ混合エステルのいずれであってもよい。マクロゴールエステルを構成するC6〜18脂肪酸は前述のグリセロールエステルにおける場合と同様である。グリセロールエステルとマクロゴールエステルの混合物の重量混合比は、グリセロールエステル対マクロゴールエステルが通常1対0.1〜10,好ましくは1対0.2〜5である。このグリセロールエステルとマクロゴールエステルの混合エステルは自己微少乳化型基剤(Self−microemulsifying agent)として既知の製剤添加物である。
【0016】本発明では、更に、上記以外の液状、半固形または固形の界面活性剤をムコ多糖類吸収促進剤として用いることもできる。本発明で使用できる界面活性剤の具体例を以下に列挙する。
(a)非イオン性界面活性剤
アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルチオグルコシド、ラウリルマクロゴルグリセリド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセオ−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセオ−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリド、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレン水素化植物油、多価アルコールと脂肪酸、グリセリド、植物油、水素化植物油およびステロールからなる群の少なくとも1種との反応混合物、蔗糖エステル、蔗糖エーテル、スクログリセリド、又はそれらの混合物。
【0017】(b)親水性界面活性剤
PEG−10ラウリン酸エステル、PEG−12ラウリン酸エステル、PEG−20ラウリン酸エステル、PEG−32ラウリン酸エステル、PEG−32ジラウリン酸エステル、PEG−12オレイン酸エステル、PEG−15オレイン酸エステル、PEG−20オレイン酸エステル、PEG−20ジオレイン酸エステル、PEG−32オレイン酸エステル、PEG−200オレイン酸エステル、PEG−400オレイン酸エステル、PEG−15ステアリン酸エステル、PEG−32ジステアリン酸エステル、PEG−40ステアリン酸エステル、PEG−100ステアリン酸エステル、PEG−20ジラウリン酸エステル、PEG−25グリセリルトリオレイン酸エステル、PEG−32ジオレイン酸エステル、PEG−20グリセリルラウリン酸エステル、PEG−30グリセリルラウリン酸エステル、PEG−20グリセリルステアリン酸エステル、PEG−20グリセリルラウリン酸エステル、PEG−30グリセリルオレイン酸エステル、PEG−30グリセリルラウリン酸エステル、PEG−40グリセリルラウリン酸エステル、PEG−40パーム核油、PEG−50水素化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−60コーン油、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリグリセリル−10ラウリン酸エステル、PEG−30コレステロール、PEG−25フィトステロール、PEG−30大豆ステロール、PEG−20トリオレイン酸エステル、PEG−40ソルビタンオレイン酸エステル、PEG−80ソルビタンラウリン酸エステル、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100コハク酸エステル、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−10オレイン酸エステル、Tween40、Tween60スクロースモノステアリン酸エステル、スクロースモノラウリン酸エステル、スクロースモノパルミチン酸エステル、PEG10−100ノニルフェノール類、PEG15−100オクチルフェノール類、ポロキサマー、及びそれらの混合物。
【0018】(c)イオン性界面活性剤
アルキルアンモニウム塩、胆汁塩、フシジン酸、アミノ酸、オリゴペプチド及びポリペプチドの脂肪酸結合物;アミノ酸、オリゴペプチド及びポリペプチドのグリセリドエステル;アシルラクチレート;モノ及びジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセライド;モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル;アルギン酸塩;プロピレングリコールアルギン酸エステル;レシチン及び水素化レシチン;リゾレシチン及び水素化リゾレシチン;リゾリン脂質;カミチン脂肪酸エステル塩;リン脂質;アルキルサルフェートの塩;脂肪酸の塩;ドキュセートナトリウム;及びそれらの塩。
【0019】イオン性界面活性剤の具体例としては、更に、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEGホスファチジルエタノールアミン、PVPホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチル酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コール酸エステル、タウロコール酸エステル、グリココール酸エステル、デオキシコール酸エステル、グリコデオキシコール酸エステル、グリコケノデオキシコール酸エステル、タウロケノデオキシコール酸エステル、ウルソデオキシコール酸エステル、リトコール酸エステル、タウロウルソデオキシコール酸エステル、グリコウルソデオキシコール酸エステル、コリサルコシン、N−メチルタウロコール酸エステル、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレート、リノレート、リノレエート、ステアレート、ラウリルサルフェート、テトラアセチルサルフェート、ドキュセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、及びそれらの塩、並びにそれらの混合物。
【0020】(d)疎水性界面活性剤
アルコール;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;脂肪酸;胆汁酸;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;モノ/ジグリセリドの乳酸エステル;プロピレングリコールジグリセリド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;エステル交換された植物油;ステロール;砂糖エステル;砂糖エーテル;スクログリセリド;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン水素化植物油;ポリオールと脂肪酸、グリセリド、植物油、水素化植物油およびステロールからなる群の少なくとも1種との反応混合物;及びそれらの混合物。
【0021】疎水性界面活性剤の具体例としては更に、ミリスチン酸;オレイン酸;ラウリン酸;ステアリン酸;パルミチン酸;PEG1−4ステアリン酸エステル;PEG2−4オレイン酸エステル;PEG−4ジラルリン酸エステル;PEG−4ジオレイン酸エステル;PEG−4ジステアリン酸エステル;PEG−6ジオレイン酸エステル;PEG−6ジステアリン酸エステル;PEG−8ジオレイン酸エステル;PEG3−16ヒマシ油;PEG5−10水素化ヒマシ油;PEG6−20コーン油;PEG6−20アーモンド油;PEG−6オリーブ油;PEG−6ピーナッツ油;PEG−6パーム核油;PEG−6水素化パーム核油;植物油及びソルビトールのPEG−4カプリック/カプリリックグリセリドモノ,ジ,トリ,テトラエステル;ペンタエリスリチルジ,テトラステアリン酸エステル、イソステアリン酸エステル;オレイン酸エステル;カプリレン酸エステルまたはカプリン酸エステル;ポリグリセリル2−4オレイン酸エステル,ステアリン酸エステルまたはイソステアリン酸エステル;ポリグリセリル4−10ペンタオレイン酸エステル;ポリグリセリル−3ジオレイン酸エステル;ポリグリセリル−6ジオレイン酸エステル;ポリグリセリル−10トリオレイン酸エステル;ポリグリセリル−3ジステアリン酸エステル;C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のプロピレングリコールモノまたはジエステル;C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のモノグリセリド; C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のアセチル化モノグリセリド;C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のジグリセリド;モノグリセリドの乳酸エステル;ジグリセリドの乳酸エステル;コレステロール;フィトステロール;PEG5−20醤油ステロール;PEG−6ソルビタンテトラ,ヘキサステアリン酸エステル;PEG−6ソルビタンテトラオレイン酸エステル;ソルビタンモノラウリン酸エステル;ソルビタンモノパルミチン酸エステル;ソルビタンモノ,トリオレイン酸エステル;ソルビタンモノ,トリステアリン酸エステル;ソルビタンモノイソステアリン酸エステル;ソルビタンセスクオレイン酸エステル;ソルビタンセスクステアリン酸エステル;PEG2−5オレイルエーテル;POE2−4ラウリルエーテル;PEG−2セチルエーテル;PEG−2ステアリルエーテル;スクロースジステアリン酸エステル;スクロースジパルミチン酸エステル;オレイン酸エチル;ミリスチン酸イソプロピル;パルミチン酸イソプロピル;リノレイン酸エチル;リノレイン酸イソプロピル;ポロキサマー;コール酸;ウルソデオキシコール酸;グリココール酸;タウロコール酸;リゾコール酸;デオキシオール酸;ケノデオキシコール酸;およびそれらの混合物。
【0022】更に、本発明で用いることができる界面活性剤の更なる具体例として、以下のものを挙げることができる。
水不混和性トリグリセリド植物油(ベニバナ油、ゴマ油、コーン油、ひまし油、ココナッツ油、綿実油、大豆油、オリーブ油など);水不混和性精製および合成および半合成油(例えば、鉱油)、MIGLYOL.RTMとして既知のトリグリセリド(カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、カプリル酸/カプロン酸/リノール酸のトリグリセリド、トリオレイン等の長鎖トリグリセリド、室温で液体である他の混合鎖トリグリセリド、モノグリセリド、ジグリセリド、及びモノ,ジ,及びトリグリセリドの混合物を含む);脂肪酸およびエステル;水溶性アルコール、グリセリン及びプロピレングリコール;PEG−400などの常温で液体である水混和性ポリエチレングリコール。
【0023】更に市販品としては、コーン油、プロピレングリコール、CREMOPHOR RH−40(ポリオキシ−40水素化ひまし油)、LABRAFIL M2125(リノレオイルポリオキシ−6グリセリド)および1944(オレオイルポリオキシ−6グリセリド)、エタノール、PEG400、Polysorbate80、グリセリン、ペパーミント油、大豆油(長鎖トリグリセリド)、ごま油(長鎖トリグリセリド)、プロピレンカーボネート、及びトコフェロイルTPGS、MIGLYOL812(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、オレイン酸、オリーブ油(長鎖トリグリセリド)、CAPMUL MCM(中鎖モノグリセリド)、CAPMUL PG−8(プロピレングリコールカプリリルモノ及びジグリセリド)、CREMOPHOR EL(ポリオキシ35ひまし油)、LABRASOLTM(カプリロカプロイルポリオキシ−8グリセリド)、トリアセチン(アセチルトリグリセリド)、MAISINE 35−1(グリセリルモノリノレイン酸)、OLICINE(グリセリルモノオレイン酸エステル/リノール酸エステル)、PLUROL Oleique CC(ポリグリセリル−6ジオレイン酸エステル)、LAUROGLYCOL90(プロピレングリコールモノラウリン酸エステル)、CAPRYOL90(プロピレングリコールモノラウリン酸エステル)、MYVACETS(アセチル化モノグリセリド)、ARLACELS(ソルビタン脂肪酸エステル)、PLURONICS(プロピレン及びエチレンオキシドのコポリマー)、BRIJ30(ポリオキシエチレン4ラウリルエーテル)、GELUCIRE44/14(ラウロイルポリオキシル−32グリセリド)、及びGelcire33/01(脂肪酸のグリセロールエステル)などが挙げられる。
更に、塩化ベンゼタニウム(HYAMINE.RTM.1622,Lonza,Inc.,Fairlawn,N.J.)、DOCUSATE SODIUM(Mallinckrodt Spec.Chem.,St.Louis,Mo.)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween.RTM.,ICI Americas Inc.,Wilmington,Del.)、LIPOSORB.RTM.P−20(Lipochem Inc.,Patterson N.J.)、CAPMUL.RTM.POE−0(Abitec Corp.,Janesville,Wis.)なども挙げることができる。
【0024】また、これらのムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤と混合する吸着剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、hydroxypropyl methylcellulose)、セルロース、微小結晶セルロース、デキストリン、α−、β−シクロデキストリン(cyclodextrin)、クラスターシクロデキストリン、トーフスポンジ(Tofu sponge)、ウレタンスポンジ(Urethane sponge)、ろ紙、合成シリカ、沈降性シリカ(ホワイトカーボン)、フュームドシリカ(アエロジル)、コロイダルシリカ、モノステアリン酸テトラグリセリン(tetraglycerin monostearate)、軽質無水ケイ酸、多孔性のケイ酸金属塩、アルミノケイ酸塩、アルミノケイ酸マグネシウム、多孔性のメタケイ酸金属塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、多孔性のリン酸金属塩、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、無水リン酸水素カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイト等を用いることが出来る。また、活性炭、ゼオライト、セピオライト、球状リン酸カルシウム系多孔体、アパタイト多孔体、塩素アパタイトや、ポリ乳酸、多孔質ポリテトラフルオロエチレン、PVAの含水ゲル、等を用いることができる。特に好ましくは、フローライトRE(商品名、多孔性ケイ酸カルシウム)またはノイシリン(商品名、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムのタイプFH1、FH2、FL1、FL2、S1、S2、SG1、SG2、NFL2N、NS2N、UFL2N、US2)を挙げることができる。
【0025】また、このような多孔性吸着剤に、化学的処理を施し、吸収促進剤および有効成分薬物に対する吸着力をコントロールして用いることもできる。化学的処理としては、吸着させようとする薬物分子に存する官能期に類似した化合物を用いてあらかじめ吸着剤を処理し、薬物分子の吸着部位に他の化合物を結合させたり、化学物質を用いて、薬物分子の吸着部位を活性化したりすることができる。本発明において、吸着剤と界面活性剤との配合比は特に限定されるものではないが、一般的には1:1〜30であり、望ましくは1:1〜3である。
【0026】このようなムコ多糖類及びムコ多糖類吸収促進剤は、口腔、食道や胃で不活性化されないように、これらの消化管では溶解せず、小腸〜大腸で溶解する腸溶性物質により保護される。用いられる腸溶性物質としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(第13改正薬局方)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(信越化学製)、カルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業製)、セルロースアセテートフタレート(第13改正日本薬局方)、メタアクリル酸アクリル酸エチルコポリマー(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドL100―55)、メタアクリル酸メタアクリル酸メチルコポリマー(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドL100、S−100)、メタアクリル酸コポリマー−L(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドL)、メタアクリル酸コポリマー−LD(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドLD)、メタアクリル酸コポリマー−S(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドS)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドE)などがある。これらの腸溶性物質は、腸溶性物質の種類、組み合わせ、使用量、膜の厚み等を変えることにより、小腸〜大腸の任意の位置で溶解させるようにすることができる。また、例えばエチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、酢酸セルロース、キチン、キトサンなどの水不溶性製剤用ポリマーを用いて薬物の放出を制御することにより、あるいは上記腸溶性物質と組み合わせて用いることにより、所望の部位で薬物を放出させることもできる。
【0027】また本発明のムコ多糖製剤には必要に応じて慣用の医薬製剤に用いられる添加剤を含んでいても良く、たとえば結晶セルロース、コーンスターチ、澱粉、蔗糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどの結合剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどの崩壊剤、界面活性剤、制酸剤、粘膜保護材を用いてもよい。また、脂肪酸のグリセリンまたはポリグリセリンエステルなどを共存させて、消化管内の滞留時間を延長させ、あるいはムコ多糖類を徐放させて、吸収効率を向上させることもできる。
【0028】本発明の腸溶製剤に用いられるムコ多糖類は、たとえば0.2〜100mg/kg、望ましくは0.5〜10mg/kg程度でよい。また、ムコ多糖類吸収促進剤も、たとえば0.2〜100mg/kg、望ましくは0.5〜10mg/kg程度が用いられる。ムコ多糖類は水との共存下,カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド等の吸収促進剤により腸管粘膜を通して血液中に速やかに移行することがわかった。このため、製剤化に際しては、ムコ多糖類と吸収促進剤の何れか一方を吸着剤に混合せしめた後、他方を混合し、活性薬剤であるムコ多糖類を混合して製したり、ムコ多糖類と吸収促進剤を同時に吸着剤に担持させて製剤化することもできる。このように製した顆粒剤、細粒剤、およびこれらの粉末を打錠して錠剤等に成型し、要すれば更に粘膜付着性物質や腸溶性物質でコーティングする。顆粒剤や細粒剤の場合には通常のカプセルに封入して腸溶コーティングしたり、腸溶カプセルに封入しても良い。このためには、いわゆる腸溶性物質の製剤材料が用いられ、たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−55)、メタアクリル酸コポリマー−L(オイドラギッドL)、メタアクリル酸コポリマー−LD(オイドラギッドLD)、メタアクリル酸コポリマー−S(オイドラギッドS)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギッドE)などが用いられる。これらは、例えば、HP−55(信越化学製)225mg、クエン酸トリエチル25Lに塩化メチレン:メタノール=4:1混液5mLを加えて溶解し、テフロン(登録商標)板上にカーストして作製した、厚さ約30〜50ミクロンのフィルムとして、薬物収容室の開口部に接着する。また、例えば、オイドラギッドS100もしくはオイドラギッドL100の225gにクエン酸トリエチル150Lを加え、塩化メチレン:メタノール=1:1混液5mLを加えて溶解して、フィルム状としても良い。
このような三層マイクロカプセルは、そのまままたはカプセルないし腸溶性カプセルに封入して経口投与することにより、薬効成分たるムコ多糖類を小腸の吸収部位に長時間滞留させ、効率よく吸収させることができる。
【0029】本発明のムコ多糖類製剤の望ましい剤型を以下に示す。
ムコ多糖類吸収促進剤と吸着剤の混合物にムコ多糖類を混合し、混合物をカプセルに充填して腸溶コーティングを施すか、あるいは腸溶基剤で製造したカプセルに充填する。あるいは、細粒剤、顆粒剤、錠剤とした後、腸溶コーティングするか、細粒化、顆粒化、錠剤化するにあたって腸溶性物質を混入して製造してもよい。あるいは、上記顆粒を腸溶コーティングし、そのまま、またはカプセルに充填して服用する。この際、顆粒とカプセルの腸溶コーティングの種類や厚さを変えて、所望の部位で溶解するようにすることもできる。また、ムコ多糖類の水溶液又はその凍結乾燥品とムコ多糖類吸収促進剤との混合物を、適当な吸着粉末化剤に吸着粉末化したもの(粉体)あるいは顆粒化したものを打錠し、腸溶コーティングを施してもよい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例にそって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記(1)〜(18) の固形製剤を調製した.
(1)パルナパリンナトリウム75 mg,クエン酸2.5 mgを0.33 mLの精製水に溶解した.次にラブラゾールTM(Labrasol)0.67 mLを添加し,よく撹拌した.透明な溶液が得られた後,ゲルシアTM44/14(Gelucire44/14)100 mgを添加し,45℃で加温しながらよく撹拌した▲1▼。
(2)▲1▼の溶液1.5 mLを乳鉢上でHPMC[6 cps]、HPMC[15 cps]およびHPMC[6 cps:15 cps=1:1の混合物]の各0.5 gに吸着させ固形化した。
[試験例1]
(2)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが 2 mg/kgあるいは4 mg/kgとなるように体重300〜500 gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90,120及び240分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
HPMC[6 cps]を含有する製剤(パルナパリンナトリウム2 mg/kg)を投与した群は,投与後30分で約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示した。HPMC [15 cps]を含有する製剤(パルナパリンナトリウム2 mg/kg)を投与した群は,投与後240分で約0.6 aXa IU/mLの最高活性値を示した.HPMC[ 6 cps及び15 cpsの1:1混合物]を含有する製剤(パルナパリンナトリウム4 mg/kg)を投与した群は,投与後30分で約0.5 aXa IU/mLの最高活性値を示した。
【0031】(3)トーフスポンジ(Tofu sponge)を熱湯に入れた後,取り出し水分を完全に取り除き乾燥させた.これを断片化し▲1▼の溶液を吸着させた後,オイドラギットTMS(EudragitTMS)を用いて調製した腸溶性フィルムでラップした。
[試験例2]
(3)の製剤を体重12〜15 kgのビーグル犬にパルナパリンナトリウムが30 mg/dogとなるように経口投与した。投与前,投与後1,2,3,4,5,6,7及び8時間に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
投与後1時間において,約0.1 aXa IU/mLの活性値を示した。
(4)ウレタンスポンジ(Urethane sponge)を直方体(縦1.5 cm,横1 cm,高さ1 cm)に切り,00号のHPMCカプセルに入れ密封した.次にカプセル上部の穴から▲1▼の溶液を充填した.これにEudragitTMSフィルムでラップした。
[試験例3]
(4)の製剤を体重12〜15 kgのビーグル犬にパルナパリンナトリウムが30 mg/dogとなるように経口投与した。投与前,投与後1,2,3,4,5,6,7及び8時間に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
投与後3時間において,約0.2 aXa IU/mLの活性値を示した。
【0032】(5)ゼラチン水溶液(36.4 % w/w)を調製し,40℃で加温しながら,ダブルノズル−シリンジシステムを用いて▲1▼の溶液をゼラチンミニカプセルに充填した。
(6)パルナパリンナトリウム20 mgを精製水0.2 mLに溶解した.次にHCO−60を175 mg添加し,50℃に加温しながら溶解させた.最後にLabrasol 44 μLを添加し,よく撹拌した.これを真空条件下でエヴァポレーションを用いて除水し,ゲル様製剤を得た。
(7)パルナパリンナトリウム15 mgを精製水0.1 mLに溶解した.次にHCO−60の133 mgを添加し,50℃に加温しながら溶解した.最後にLabrasol TM67μLを添加し,よく撹拌した.これを真空条件下でエヴァポレーションを用いて除水し,ゲル様製剤を得た。
(8)モノステアリン酸テトラグリセリン(Tetraglycerin monostearate) 75 mgを70℃に加温し溶解し,▲1▼の溶液0.925 mLを添加し,撹拌しながら常温に戻しペースト状の製剤を得た。
【0033】(9)ノイシリンUFL2(Neusilin UFL2)は予めpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上で▲1▼の溶液150 μLをNeusilin UFL2 150 mgに吸着させ固形化し,840 μMのふるいにかけた。
[試験例4]
(9)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
投与後120分で約0.4 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
(10)Neusilin UFL2は予めpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上でLabrasol 100μLをNeusilin UFL2 100 mgに吸着させた.Labrasol吸着Neusilin UFL2 200 mgに対し,パルナパリンナトリウム 11.1 mgを添加し乳鉢上でよく混和し,840μMのふるいにかけた.
[試験例5]
(10)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
表1に結果を示した.
【0034】
【表1】
【0035】表1に示したように、回腸投与群は約0.6 aXa IU/mL,空腸投与群は約0.3 aXa IU/mL及び十二指腸投与群は約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示し,小腸の上部よりも下部で優れたパルナパリンナトリウムの吸収活性が認められた.
【0036】(11)ノイシリンUS2(Neusilin US2)は予め硫酸マグネシウムあるいはpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上で▲1▼の溶液150 μLをNeusilin UFL2 150 mgに吸着させ固形化し,840 μMのふるいにかけた.
[試験例6]
(11)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400 gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
硫酸マグネシウム処理群及びリン酸緩衝液処理群は投与後60分でいずれも約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
(12)Labrasol 2 mLを乳鉢上でNeusilin US2 1 gに吸着させた.乳鉢上でLabrasol吸着Neusilin US2 675 mgにパルナパリンナトリウム 50 mgを添加しよく混和し,840μMのふるいにかけた.
試験例7
上述の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400 gの雄性ラットの十二指腸,空腸あるいは回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
表2に結果を示した.
【0037】
【表2】
【0038】表2に示したように、回腸投与群は約0.6 aXa IU/mL,空腸投与群は約0.3 aXa IU/mL,十二指腸投与群は約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示し,小腸の上部よりも下部で高い吸収活性を示した.
【0039】(13)(12)で調製した製剤90 mgに更にクエン酸30 mgを添加して混和した.
[試験例8]
(13)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
投与後60分で約0.4 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
(14)NeusilinTM US2は予めMgSO4あるいはpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上でLabrasolTM 200μLを各Neusilin US2 200 mgに吸着させた.LabrasolTM吸着NeusilinTM US2 200 mgに,パルナパリンナトリウム11.1 mgを添加し乳鉢上でよく混和し,840μMのふるいにかけた.
[試験例9]
(14)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
硫酸マグネシウム処理群及びリン酸緩衝液処理群は,投与後30分でいずれも約0.5 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
【0040】(15)LabrasolTM 680μLを乳鉢上でNeusilinTM US2 270 mgに吸着させた.LabrasolTM吸着NeusilinTM US2 950 mgにパルナパリンナトリウム 75 mgを添加してよく混和し,#60のふるいにかけた.この製剤を1号のHPMCカプセルに充填し,EudragitTM Sフィルム(43μm厚)で包み,腸溶カプセル製剤とした.
[試験例10]
体重12〜13 kgのビーグル犬に,上述の製剤を1頭当り2カプセル(パルナパリンナトリウム75 mg/dog)経口投与した(n=2).投与から1,2,3,4,5,6及び8時間後に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定した.
表3に結果(2例の平均値)を示した.
【0041】
【表3】
【0042】表3に示したように、投与後3時間において約0.5 aXa IU/mLの最高活性値を示した。
【0043】(16)60℃に加温したLabrasolTM 2.7 mLにラウリル硫酸ナトリウム 160 mgを添加してよく混和し,完全に溶解した後室温に戻した.乳鉢上でラウリル硫酸ナトリウムを含有するLabrasolTMをNeusilinTM US2 1.1 gに吸着させ,#60のふるいにかけた後,パルナパリンナトリウム300 mgを添加し,再度ふるいにかけた.この製剤を0号のHPMCカプセルに充填し,Eudragit Lフィルム(60μm厚)で包み,腸溶カプセル製剤とした.
(17)60℃に加温したLabrasolTM 2.7 mLにGelucireTM 44/14の400 mgを添加してよく混和し,完全に溶解した後室温に戻した.乳鉢上でGelucireTM 44/14を含有するLabrasolTMをNeusilinTM US2 1.1 gに吸着させ,#60のふるいにかけた後,パルナパリンナトリウム300 mgを添加し,再度ふるいにかけた.この製剤を0号のHPMCカプセルに充填し,Eudragit Lフィルム(60μm厚)で包み,腸溶カプセル製剤とした.
(18)Labrasol 91 μLをフローライトRE 14 mgに吸着させた後,パルナパリンナトリウム 35 mgを添加し,Eudragit Sを用いて作製した腸溶性カプセルに充填した.
【0044】
【発明の効果】経口投与できないムコ多糖類をムコ多糖類吸収促進剤とともに用い、かつ、腸溶製剤とすることにより、経口投与可能な製剤とすることができる。特に固形剤として投与できる、小腸又は大腸において吸収良好な製剤を得ることができる経口投与可能なムコ多糖類製剤。
【発明の属する技術分野】この発明は、ムコ多糖類製剤、特に、経口投与ができないムコ多糖類を経口的に投与可能にした製剤、及びその製造法に関する。更に本発明は有効成分薬物の溶解性が低い、あるいは消化管吸収膜透過性が低いために、経口投与後の消化管からの吸収が低い薬物の吸収を改善してバイオアベイラビリティや薬効を高めるために用いる界面活性剤を含む固形製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ムコ多糖類、例えば、ヘパリンや低分子量ヘパリン(LMWH)は、それ自体に抗凝固作用はないが、血中のアンチトロンビンIIIと結合して抗トロンビン作用、抗Xa作用を飛躍的に増大させ、抗凝固作用を発揮する。これらヘパリン等は、静脈血栓、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓塞栓症、手術中・術後の血栓塞栓症等の血栓塞栓症の予防及び治療、汎発性血管内血液凝固症候群の治療、血液透析、人工心肺その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止、血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止、輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止等に広く臨床利用されている。また、ヘパリン等は注射剤として、点滴静脈内注射、間欠静脈内注射、皮下注射もしくは筋肉内注射されているが、これらの投与法は患者に苦痛や侵襲を与える。従って、例えば整形外科領域等における股関節及び膝関節置換手術後には深部静脈血栓症の予防のためにヘパリンの皮下投与を数日間行い、引き続いてワルファリンが経口投与される。しかし、ワルファリンは作用の発現および消失に長期間を要するだけでなく、他の薬剤との相互作用、不安定な血中動態等のため使用しづらい。ワルファリンの代わりにヘパリンの継続皮下投与も考えられるが、注射部位の痛みや出血等のため患者にとって有益ではない。ヘパリン等の上記以外の投与法として、経皮投与によるヘパリン軟膏剤があるが、ワルファリンの代用にはなりにくい。また、経口及び経肺投与等が検討されているが、ヘパリン等はその分子量の大きさ(M.W.2000〜20000)と強い陰性荷電(硫化度が高い)のため、単独では特に経口投与による胃腸管からの吸収が困難であることが知られている。
【0003】ヘパリン等は、静脈血栓塞栓症、不安定狭心症や急性心筋梗塞等の虚血性心疾患にも有効と報告されているが、前述のような注射剤のみの使用では臨床利用は限られている。経口抗凝固剤として、広く利用されているワルファリンも、例えば、経口投与後の作用発現は非常に緩徐であるとか、投与開始後に有効な血中濃度に達するのに数日を要することや、逆に使用を中止したいときも血中からの消失にも数日を要するとか、患者−患者間の血中濃度差が大きいことや、同一患者においても投与時期による血中濃度差が大きいこと等の不都合があり、使用にあたっては厳重なモニタリングが必要である。また、ワルファリンは血中では大部分が血漿たんぱくと結合しているので薬物−薬物相互作用の多い薬剤として知られており、例えば、アスピリンやフェニルブタゾンなどの血漿たんぱく結合が強力な薬剤と併用すると、血漿たんぱくと結合していないワルファリンの遊離型が増加し、出血を招くことがある。このようなことから、ワルファリンに替わる優れた経口抗凝固薬の開発が期待されている。
【0004】ヘパリン等は、静脈内あるいは皮下投与により速やかに抗凝固活性が上昇し、また血中半減期が短く、ワルファリンに比べコントロールが容易なので、経口化することにより、ワルファリンに替わる経口抗凝固剤として有用と考えられ、これまでもヘパリン等の経口化が検討されている。例えば、アイルランド国エラン社によるベオダス(BEODAS、高生物分解性経口製剤)を輸送担体とした経口LMWH製剤、米国ファーマスューティカル・ディスカバリー社によるテクノスフェアー(Technosphere、デリバリービークル)を輸送担体とした経口へパリン製剤、米国エミスフェアー・テクノロジー社によるソディウム・エヌ−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カルプリレートやソディウム・エヌ−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]デカネートを輸送担体とした経口へパリン製剤の開発が行われている(例えば、非特許文献1、2参照)。これらはいずれも胃腸管からは吸収されにくいヘパリン等を輸送担体と同時投与することにより胃腸管からの吸収を可能にしようとする試みである。しかし、これらの輸送担体を用いた経口へパリン製剤等は、嘔気等の副作用、吸収の個体差等問題点が多く、いまだ実用化に至っていない。
【0005】ヘパリン等のその他の投与法による製剤化の試みとしては、米国インハール・テラポイテック・システム社によるネブライザーを使用した非侵襲的肺投与法や、独国ラティオファルマ社によるポリディスパースドリポソームコート(スプレイベン)を用いたスプレイゲルネブライザーでの経皮投与法がある。しかし前者はまだ非臨床試験段階であり、また後者は表層静脈炎等の極く限られた適用であり、かつ未だ上市はされていない。また安全性に富む吸収促進剤としてC6〜18脂肪酸のグリセロールエステルとC6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルとの混合物(例えばラブラゾール(Labrasol)、ガッテフォッセ社商品名)が開発されてきており、インスリン、カルシトニンなどへの経口吸収促進剤としての応用がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらの界面活性剤は常温で液体であるため、経口液剤としての適応はあるものの、特に固形剤としての適応には難しいものであった。そこで強力な吸収促進効果を維持しつつ、自己微少乳化型界面活性剤C6〜18脂肪酸のグリセロールエステルとC6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルとの混合物(ラブラゾールなど)などの有する吸収促進効果を維持しつつ、強力に固形化する技術が更に求められている。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6200602号明細書
【特許文献2】
国際公開第02/062314号パンフレット
【非特許文献1】アメリカン・ジャーナル・オブ・サージェリー 176巻,2号,176〜178頁,1998; サーキュレーション 98巻,16号,1610〜1615頁,1998
【非特許文献2】アナルス・オブ・サージェリー 231巻,6号,789〜794頁,2000
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、ヘパリンやLMWHのようなムコ多糖類の良好、安定かつ安全な経口化技術を開発することにある。特に、ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を配合した、良好、安定かつ安全な吸収を示す、固形製剤を提供することにある。また本発明者らは、上記ラブラゾールを吸収促進剤として用い、良好、安定かつ安全な経口化技術を開発することを検討し、提案している(特許文献2)。これらの技術を基に、更にムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を配合した、良好、安定かつ安全な吸収を示す、固形製剤を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】種々の検討の結果、ムコ多糖類を上記輸送担体を含む種々のムコ多糖類の吸収促進剤と共に経口投与しても、治療に十分な血中濃度とするためには極めて大量のムコ多糖類と吸収促進剤を要し、実用的でないことがわかった。
【0009】本発明者らは、ムコ多糖類とその吸収促進剤のいずれか一方を吸着剤に混合吸着させた後、他方を混合して腸溶製剤としたところ、安定したムコ多糖類の吸収を得ることができることがわかった。この場合、ムコ多糖類の種類やムコ多糖類吸収促進剤の種類および吸着剤の組み合わせによって若干異なるが、ムコ多糖類は、ムコ多糖類吸収促進剤の存在下で小腸(十二指腸、空腸および回腸)または大腸から吸収させることができ、特に、空腸ないし回腸で大部分が吸収されることが判明した。従って、ムコ多糖類を効率的に吸収させるためには、十二指腸、空腸ないし回腸、大腸にムコ多糖類を胃その他の消化器官の影響を受けることなく安全に到達せしめ、かつ、長期間同部位に滞留させることが有利である。また、ムコ多糖類は水溶液又はその凍結乾燥品として用いるのが有利である。すなわち、本発明は、
(1) ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を腸溶製剤としてなるムコ多糖類を小腸または大腸から吸収させるムコ多糖類製剤において、ムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤のいずれか一方を吸着剤と混合し、ついで他方を混合することによって得られるムコ多糖類製剤。
(2) ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を混合し、ついでムコ多糖類を混合することを特徴とする(1)記載のムコ多糖類製剤。
(3) ムコ多糖類の平均分子量が3000〜20000である、(1)〜(2)に記載のムコ多糖類製剤。
(4) ムコ多糖類の平均分子量が5000〜9000である、(1)〜(3)に記載のムコ多糖類製剤。
【0010】(5) ムコ多糖類がヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケタラン硫酸、グルクロノ―2―アミノ―2―デオキシグリツグリカン サルフェートからなる群から選択される、(1)〜(4)に記載のムコ多糖類製剤。
(6) ムコ多糖類がヘパリンまたは低分子量ヘパリンである、(1)〜(5)に記載のムコ多糖類製剤。
(7) ムコ多糖類が水に溶解している状態で含有されている(1)〜(6)に記載のムコ多糖類製剤。
(8) ムコ多糖類が凍結乾燥された状態で含有されている(1)〜(7)に記載のムコ多糖類製剤。
(9) ムコ多糖類吸収促進剤が炭素数6〜18の脂肪酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、ステロイドカルボン酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、脂肪族多塩基性酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、あるいはこれらの混合物からなる群から選択される、(1)〜(8)に記載のムコ多糖類製剤。
(10) ムコ多糖類吸収促進剤がデオキシコール酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド、ラウロイルマクロゴール32グリセライドからなる群から選択される、(1)〜(9)に記載のムコ多糖類製剤。
(11) ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド及びラウロイルマクロゴール32グリセライドの混合物であることを特徴とする、(1)〜(10)に記載のムコ多糖類製剤。
(12) ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド及びクエン酸の混合物であることを特徴とする、(1)〜(11)に記載のムコ多糖類製剤。
(13) ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライドであることを特徴とする(1)〜(12)に記載のムコ多糖類製剤。
【0011】(14) 吸着剤が多孔性吸着剤であることを特徴とする、(1)〜(13)に記載のムコ多糖類製剤。
(15) 多孔性吸着剤が多孔性のケイ酸金属塩、多孔性のメタケイ酸金属塩および多孔性のリン酸金属塩から選ばれる1以上であることを特徴とする、(14)に記載のムコ多糖類製剤。
(16) 多孔性吸着剤が多孔性ケイ酸カルシウム、ヒュームドシリカ及び/又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれる1以上であることを特徴とする、(14)に記載のムコ多糖類製剤。
(17) 化学的処理により吸着力をコントロールした多孔性吸着剤を用いることを特徴とする、(14)に記載のムコ多糖類製剤。
(18) ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を粉末化して腸溶製剤とすることを特徴とする、(1)〜(17)に記載のムコ多糖類製剤。
(19) 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を打錠,あるいは一旦顆粒化した後打錠し,腸溶コーティングすることを特徴とする、(1)〜(18)に記載のムコ多糖類製剤。
(20) 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を顆粒化し,カプセルに封入し腸溶コーティングすること,あるいは顆粒化したムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤を腸溶コーティングしカプセルに封入することを特徴とする、(1)〜(19)に記載のムコ多糖類製剤。
(21) 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を顆粒化し,腸溶カプセルに封入あるいはカプセルに封入し腸溶コーティングすることを特徴とする(1)〜(20)に記載のムコ多糖類製剤。
である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるムコ多糖類は、通常の経口投与では胃などの消化器官で少なくとも部分的に不活性化され、あるいは消化管から吸収されないムコ多糖類を意味する。これらのムコ多糖類は、通常、約2000〜20000、望ましくは、約3000〜12000、更に望ましくは、約3000〜9000の平均分子量を有するものが用いられる。このようなムコ多糖類としては、例えばヘパリンに代表されるグリコサミノグリカン類をあげることができ、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ヘパリノイド、ケラタン硫酸、グルクロノ−2−アミノ−2−デオキシグリコグリカン硫酸、などを用いることができる。また、本発明では、更に分子量の小さい、例えば平均分子量約1500〜4000の低分子量ムコ多糖類等の薬剤を用いることもできる。これらは、動物臓器から抽出生成されたものでも良く、合成又は天然由来のオリゴヘテロポリサッカライド類に硫酸化、脱硫酸化、アセチル化、脱アセチル化、エピメリ化、アミノ化などの化学処理ないし酵素処理を行って製造されたものでも良い。また、これらを酵素処理または化学処理を行って低分子化させた、たとえばパルナパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム、エノキサパリンナトリウム、チンザパリンナトリウム、レバピリンナトリウム、ナドロパリンナトリウム、アルデパリンナトリウム等の低分子量ヘパリン類や低分子量ヘパリノイドを用いることもできる。さらに、ヒルジン誘導体、遺伝子組換えヒト活性型プロテインCや、トロンボモジュリン、合成トロンビン阻害剤,合成Xa因子阻害剤等の薬剤も同様に用いることができる。
【0013】本発明に用いられるムコ多糖類吸収促進剤としては、たとえば、炭素数6〜18の脂肪酸、たとえばカプロン酸またはその塩、カプリル酸またはその塩、カプリン酸またはその塩、ラウリン酸またはその塩、ラウリル硫酸またはその塩、硬化ヒマシ油、エステル、アミド、N−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カプリン酸ナトリウム、N−[8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]デカン酸ナトリウムなどの誘導体が用いられる。また、たとえばデオキシコール酸、デスオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、タウロコール酸などのステロイドカルボン酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、たとえばクエン酸またはその塩、エデト酸二ナトリウムなどの脂肪族多塩基性酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、オルガノシロキサン化合物、ニコチン酸ベンジルエステル、ポリ−L−アルギニンなども、ムコ多糖類吸収促進剤として用いられる。これらのムコ多糖類吸収促進剤は、単独でも混合物としても用いられ、たとえばカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド(ヨーロッパ薬局方サプリメント2000)あるいはラブラゾールTM(Labrasol、ガッテフォッセ社商品名)、ラウロイルマクロゴール32グリセライド(lauroyl macrogol−32 glyceries:ヨーロッパ薬局方サプリメント)あるいはゲルシア44/14(GELUCIRE、ガッテフォッセ社商品名)、ソフチゲン767(Softigen 767、オレオケミカル(Oleochemicals)社商品名)、ステアロイルマクロゴールグリセライド(stearoyl macrogolglyceries:ヨーロッパ薬局方サプリメント)あるいはゲルシア50/13(ガッテフォッセ社商品名)も含まれる。また、これらカプリロカプロイルマクロゴールグリセライドやラブラゾールTMをクエン酸、硫酸、カプリン酸ナトリウム、ラウロイルマクロゴール32グリセライド、ラウリル硫酸ナトリウム、d−αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの有機酸と組み合わせて用いることもできる。
【0014】本発明では上述したムコ多糖類吸収促進剤として、以下のような界面活性剤を用いることもできる。使用できる界面活性剤は、経口投与後の消化管からの吸収が低い薬物の吸収を改善し、バイオアベイラビリティや薬効を高めるために使用され、所望の作用を発揮する限り、その種類には特に限定されないが、好ましくは自己微少乳化型界面活性剤である。本発明で用いることができる界面活性剤の具体例としては、C6〜18脂肪酸のグリセロールエステルとC6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルとのエステル混合物(ラブラゾールなど)、ポリソルベート80、モノオレイン酸、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、中鎖脂肪酸トリグリセライド、又はレシチンなどを挙げることができる。
【0015】C6〜18脂肪酸のグリセロールエステルはC6〜18脂肪酸のモノ、ジおよびトリグリセロールエステルの少なくとも1種を含むモノであれば通常はそれらの混合物の形で使用する。C6〜18脂肪酸は飽和または不飽和の炭素数6〜18の脂肪酸であればよいが、飽和脂肪酸、特に炭素数6〜12の飽和脂肪酸、すなわちカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびラウリル酸が好ましい。
C6〜18脂肪酸のマクロゴールエステルにおけるマクロゴールとしては、通常分子量100〜800、好ましくは200〜600のポリエチレングリコールが挙げられ、そのエステルとしてはモノまたはジエステル、またはモノ・ジ混合エステルのいずれであってもよい。マクロゴールエステルを構成するC6〜18脂肪酸は前述のグリセロールエステルにおける場合と同様である。グリセロールエステルとマクロゴールエステルの混合物の重量混合比は、グリセロールエステル対マクロゴールエステルが通常1対0.1〜10,好ましくは1対0.2〜5である。このグリセロールエステルとマクロゴールエステルの混合エステルは自己微少乳化型基剤(Self−microemulsifying agent)として既知の製剤添加物である。
【0016】本発明では、更に、上記以外の液状、半固形または固形の界面活性剤をムコ多糖類吸収促進剤として用いることもできる。本発明で使用できる界面活性剤の具体例を以下に列挙する。
(a)非イオン性界面活性剤
アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルチオグルコシド、ラウリルマクロゴルグリセリド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセオ−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセオ−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリド、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレン水素化植物油、多価アルコールと脂肪酸、グリセリド、植物油、水素化植物油およびステロールからなる群の少なくとも1種との反応混合物、蔗糖エステル、蔗糖エーテル、スクログリセリド、又はそれらの混合物。
【0017】(b)親水性界面活性剤
PEG−10ラウリン酸エステル、PEG−12ラウリン酸エステル、PEG−20ラウリン酸エステル、PEG−32ラウリン酸エステル、PEG−32ジラウリン酸エステル、PEG−12オレイン酸エステル、PEG−15オレイン酸エステル、PEG−20オレイン酸エステル、PEG−20ジオレイン酸エステル、PEG−32オレイン酸エステル、PEG−200オレイン酸エステル、PEG−400オレイン酸エステル、PEG−15ステアリン酸エステル、PEG−32ジステアリン酸エステル、PEG−40ステアリン酸エステル、PEG−100ステアリン酸エステル、PEG−20ジラウリン酸エステル、PEG−25グリセリルトリオレイン酸エステル、PEG−32ジオレイン酸エステル、PEG−20グリセリルラウリン酸エステル、PEG−30グリセリルラウリン酸エステル、PEG−20グリセリルステアリン酸エステル、PEG−20グリセリルラウリン酸エステル、PEG−30グリセリルオレイン酸エステル、PEG−30グリセリルラウリン酸エステル、PEG−40グリセリルラウリン酸エステル、PEG−40パーム核油、PEG−50水素化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−60コーン油、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリグリセリル−10ラウリン酸エステル、PEG−30コレステロール、PEG−25フィトステロール、PEG−30大豆ステロール、PEG−20トリオレイン酸エステル、PEG−40ソルビタンオレイン酸エステル、PEG−80ソルビタンラウリン酸エステル、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100コハク酸エステル、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−10オレイン酸エステル、Tween40、Tween60スクロースモノステアリン酸エステル、スクロースモノラウリン酸エステル、スクロースモノパルミチン酸エステル、PEG10−100ノニルフェノール類、PEG15−100オクチルフェノール類、ポロキサマー、及びそれらの混合物。
【0018】(c)イオン性界面活性剤
アルキルアンモニウム塩、胆汁塩、フシジン酸、アミノ酸、オリゴペプチド及びポリペプチドの脂肪酸結合物;アミノ酸、オリゴペプチド及びポリペプチドのグリセリドエステル;アシルラクチレート;モノ及びジアセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノグリセライド;モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル;アルギン酸塩;プロピレングリコールアルギン酸エステル;レシチン及び水素化レシチン;リゾレシチン及び水素化リゾレシチン;リゾリン脂質;カミチン脂肪酸エステル塩;リン脂質;アルキルサルフェートの塩;脂肪酸の塩;ドキュセートナトリウム;及びそれらの塩。
【0019】イオン性界面活性剤の具体例としては、更に、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEGホスファチジルエタノールアミン、PVPホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチル酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コール酸エステル、タウロコール酸エステル、グリココール酸エステル、デオキシコール酸エステル、グリコデオキシコール酸エステル、グリコケノデオキシコール酸エステル、タウロケノデオキシコール酸エステル、ウルソデオキシコール酸エステル、リトコール酸エステル、タウロウルソデオキシコール酸エステル、グリコウルソデオキシコール酸エステル、コリサルコシン、N−メチルタウロコール酸エステル、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレート、リノレート、リノレエート、ステアレート、ラウリルサルフェート、テトラアセチルサルフェート、ドキュセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、及びそれらの塩、並びにそれらの混合物。
【0020】(d)疎水性界面活性剤
アルコール;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;脂肪酸;胆汁酸;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリド;モノ/ジグリセリドの乳酸エステル;プロピレングリコールジグリセリド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;エステル交換された植物油;ステロール;砂糖エステル;砂糖エーテル;スクログリセリド;ポリオキシエチレン植物油;ポリオキシエチレン水素化植物油;ポリオールと脂肪酸、グリセリド、植物油、水素化植物油およびステロールからなる群の少なくとも1種との反応混合物;及びそれらの混合物。
【0021】疎水性界面活性剤の具体例としては更に、ミリスチン酸;オレイン酸;ラウリン酸;ステアリン酸;パルミチン酸;PEG1−4ステアリン酸エステル;PEG2−4オレイン酸エステル;PEG−4ジラルリン酸エステル;PEG−4ジオレイン酸エステル;PEG−4ジステアリン酸エステル;PEG−6ジオレイン酸エステル;PEG−6ジステアリン酸エステル;PEG−8ジオレイン酸エステル;PEG3−16ヒマシ油;PEG5−10水素化ヒマシ油;PEG6−20コーン油;PEG6−20アーモンド油;PEG−6オリーブ油;PEG−6ピーナッツ油;PEG−6パーム核油;PEG−6水素化パーム核油;植物油及びソルビトールのPEG−4カプリック/カプリリックグリセリドモノ,ジ,トリ,テトラエステル;ペンタエリスリチルジ,テトラステアリン酸エステル、イソステアリン酸エステル;オレイン酸エステル;カプリレン酸エステルまたはカプリン酸エステル;ポリグリセリル2−4オレイン酸エステル,ステアリン酸エステルまたはイソステアリン酸エステル;ポリグリセリル4−10ペンタオレイン酸エステル;ポリグリセリル−3ジオレイン酸エステル;ポリグリセリル−6ジオレイン酸エステル;ポリグリセリル−10トリオレイン酸エステル;ポリグリセリル−3ジステアリン酸エステル;C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のプロピレングリコールモノまたはジエステル;C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のモノグリセリド; C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のアセチル化モノグリセリド;C.sub.6からC.sub.22脂肪酸のジグリセリド;モノグリセリドの乳酸エステル;ジグリセリドの乳酸エステル;コレステロール;フィトステロール;PEG5−20醤油ステロール;PEG−6ソルビタンテトラ,ヘキサステアリン酸エステル;PEG−6ソルビタンテトラオレイン酸エステル;ソルビタンモノラウリン酸エステル;ソルビタンモノパルミチン酸エステル;ソルビタンモノ,トリオレイン酸エステル;ソルビタンモノ,トリステアリン酸エステル;ソルビタンモノイソステアリン酸エステル;ソルビタンセスクオレイン酸エステル;ソルビタンセスクステアリン酸エステル;PEG2−5オレイルエーテル;POE2−4ラウリルエーテル;PEG−2セチルエーテル;PEG−2ステアリルエーテル;スクロースジステアリン酸エステル;スクロースジパルミチン酸エステル;オレイン酸エチル;ミリスチン酸イソプロピル;パルミチン酸イソプロピル;リノレイン酸エチル;リノレイン酸イソプロピル;ポロキサマー;コール酸;ウルソデオキシコール酸;グリココール酸;タウロコール酸;リゾコール酸;デオキシオール酸;ケノデオキシコール酸;およびそれらの混合物。
【0022】更に、本発明で用いることができる界面活性剤の更なる具体例として、以下のものを挙げることができる。
水不混和性トリグリセリド植物油(ベニバナ油、ゴマ油、コーン油、ひまし油、ココナッツ油、綿実油、大豆油、オリーブ油など);水不混和性精製および合成および半合成油(例えば、鉱油)、MIGLYOL.RTMとして既知のトリグリセリド(カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、カプリル酸/カプロン酸/リノール酸のトリグリセリド、トリオレイン等の長鎖トリグリセリド、室温で液体である他の混合鎖トリグリセリド、モノグリセリド、ジグリセリド、及びモノ,ジ,及びトリグリセリドの混合物を含む);脂肪酸およびエステル;水溶性アルコール、グリセリン及びプロピレングリコール;PEG−400などの常温で液体である水混和性ポリエチレングリコール。
【0023】更に市販品としては、コーン油、プロピレングリコール、CREMOPHOR RH−40(ポリオキシ−40水素化ひまし油)、LABRAFIL M2125(リノレオイルポリオキシ−6グリセリド)および1944(オレオイルポリオキシ−6グリセリド)、エタノール、PEG400、Polysorbate80、グリセリン、ペパーミント油、大豆油(長鎖トリグリセリド)、ごま油(長鎖トリグリセリド)、プロピレンカーボネート、及びトコフェロイルTPGS、MIGLYOL812(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、オレイン酸、オリーブ油(長鎖トリグリセリド)、CAPMUL MCM(中鎖モノグリセリド)、CAPMUL PG−8(プロピレングリコールカプリリルモノ及びジグリセリド)、CREMOPHOR EL(ポリオキシ35ひまし油)、LABRASOLTM(カプリロカプロイルポリオキシ−8グリセリド)、トリアセチン(アセチルトリグリセリド)、MAISINE 35−1(グリセリルモノリノレイン酸)、OLICINE(グリセリルモノオレイン酸エステル/リノール酸エステル)、PLUROL Oleique CC(ポリグリセリル−6ジオレイン酸エステル)、LAUROGLYCOL90(プロピレングリコールモノラウリン酸エステル)、CAPRYOL90(プロピレングリコールモノラウリン酸エステル)、MYVACETS(アセチル化モノグリセリド)、ARLACELS(ソルビタン脂肪酸エステル)、PLURONICS(プロピレン及びエチレンオキシドのコポリマー)、BRIJ30(ポリオキシエチレン4ラウリルエーテル)、GELUCIRE44/14(ラウロイルポリオキシル−32グリセリド)、及びGelcire33/01(脂肪酸のグリセロールエステル)などが挙げられる。
更に、塩化ベンゼタニウム(HYAMINE.RTM.1622,Lonza,Inc.,Fairlawn,N.J.)、DOCUSATE SODIUM(Mallinckrodt Spec.Chem.,St.Louis,Mo.)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween.RTM.,ICI Americas Inc.,Wilmington,Del.)、LIPOSORB.RTM.P−20(Lipochem Inc.,Patterson N.J.)、CAPMUL.RTM.POE−0(Abitec Corp.,Janesville,Wis.)なども挙げることができる。
【0024】また、これらのムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤と混合する吸着剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC、hydroxypropyl methylcellulose)、セルロース、微小結晶セルロース、デキストリン、α−、β−シクロデキストリン(cyclodextrin)、クラスターシクロデキストリン、トーフスポンジ(Tofu sponge)、ウレタンスポンジ(Urethane sponge)、ろ紙、合成シリカ、沈降性シリカ(ホワイトカーボン)、フュームドシリカ(アエロジル)、コロイダルシリカ、モノステアリン酸テトラグリセリン(tetraglycerin monostearate)、軽質無水ケイ酸、多孔性のケイ酸金属塩、アルミノケイ酸塩、アルミノケイ酸マグネシウム、多孔性のメタケイ酸金属塩、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、多孔性のリン酸金属塩、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、無水リン酸水素カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ハイドロタルサイト等を用いることが出来る。また、活性炭、ゼオライト、セピオライト、球状リン酸カルシウム系多孔体、アパタイト多孔体、塩素アパタイトや、ポリ乳酸、多孔質ポリテトラフルオロエチレン、PVAの含水ゲル、等を用いることができる。特に好ましくは、フローライトRE(商品名、多孔性ケイ酸カルシウム)またはノイシリン(商品名、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムのタイプFH1、FH2、FL1、FL2、S1、S2、SG1、SG2、NFL2N、NS2N、UFL2N、US2)を挙げることができる。
【0025】また、このような多孔性吸着剤に、化学的処理を施し、吸収促進剤および有効成分薬物に対する吸着力をコントロールして用いることもできる。化学的処理としては、吸着させようとする薬物分子に存する官能期に類似した化合物を用いてあらかじめ吸着剤を処理し、薬物分子の吸着部位に他の化合物を結合させたり、化学物質を用いて、薬物分子の吸着部位を活性化したりすることができる。本発明において、吸着剤と界面活性剤との配合比は特に限定されるものではないが、一般的には1:1〜30であり、望ましくは1:1〜3である。
【0026】このようなムコ多糖類及びムコ多糖類吸収促進剤は、口腔、食道や胃で不活性化されないように、これらの消化管では溶解せず、小腸〜大腸で溶解する腸溶性物質により保護される。用いられる腸溶性物質としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(第13改正薬局方)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(信越化学製)、カルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業製)、セルロースアセテートフタレート(第13改正日本薬局方)、メタアクリル酸アクリル酸エチルコポリマー(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドL100―55)、メタアクリル酸メタアクリル酸メチルコポリマー(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドL100、S−100)、メタアクリル酸コポリマー−L(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドL)、メタアクリル酸コポリマー−LD(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドLD)、メタアクリル酸コポリマー−S(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドS)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(ロームファルマ社製、商品名オイドラギッドE)などがある。これらの腸溶性物質は、腸溶性物質の種類、組み合わせ、使用量、膜の厚み等を変えることにより、小腸〜大腸の任意の位置で溶解させるようにすることができる。また、例えばエチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、酢酸セルロース、キチン、キトサンなどの水不溶性製剤用ポリマーを用いて薬物の放出を制御することにより、あるいは上記腸溶性物質と組み合わせて用いることにより、所望の部位で薬物を放出させることもできる。
【0027】また本発明のムコ多糖製剤には必要に応じて慣用の医薬製剤に用いられる添加剤を含んでいても良く、たとえば結晶セルロース、コーンスターチ、澱粉、蔗糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどの結合剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどの崩壊剤、界面活性剤、制酸剤、粘膜保護材を用いてもよい。また、脂肪酸のグリセリンまたはポリグリセリンエステルなどを共存させて、消化管内の滞留時間を延長させ、あるいはムコ多糖類を徐放させて、吸収効率を向上させることもできる。
【0028】本発明の腸溶製剤に用いられるムコ多糖類は、たとえば0.2〜100mg/kg、望ましくは0.5〜10mg/kg程度でよい。また、ムコ多糖類吸収促進剤も、たとえば0.2〜100mg/kg、望ましくは0.5〜10mg/kg程度が用いられる。ムコ多糖類は水との共存下,カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド等の吸収促進剤により腸管粘膜を通して血液中に速やかに移行することがわかった。このため、製剤化に際しては、ムコ多糖類と吸収促進剤の何れか一方を吸着剤に混合せしめた後、他方を混合し、活性薬剤であるムコ多糖類を混合して製したり、ムコ多糖類と吸収促進剤を同時に吸着剤に担持させて製剤化することもできる。このように製した顆粒剤、細粒剤、およびこれらの粉末を打錠して錠剤等に成型し、要すれば更に粘膜付着性物質や腸溶性物質でコーティングする。顆粒剤や細粒剤の場合には通常のカプセルに封入して腸溶コーティングしたり、腸溶カプセルに封入しても良い。このためには、いわゆる腸溶性物質の製剤材料が用いられ、たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP−55)、メタアクリル酸コポリマー−L(オイドラギッドL)、メタアクリル酸コポリマー−LD(オイドラギッドLD)、メタアクリル酸コポリマー−S(オイドラギッドS)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギッドE)などが用いられる。これらは、例えば、HP−55(信越化学製)225mg、クエン酸トリエチル25Lに塩化メチレン:メタノール=4:1混液5mLを加えて溶解し、テフロン(登録商標)板上にカーストして作製した、厚さ約30〜50ミクロンのフィルムとして、薬物収容室の開口部に接着する。また、例えば、オイドラギッドS100もしくはオイドラギッドL100の225gにクエン酸トリエチル150Lを加え、塩化メチレン:メタノール=1:1混液5mLを加えて溶解して、フィルム状としても良い。
このような三層マイクロカプセルは、そのまままたはカプセルないし腸溶性カプセルに封入して経口投与することにより、薬効成分たるムコ多糖類を小腸の吸収部位に長時間滞留させ、効率よく吸収させることができる。
【0029】本発明のムコ多糖類製剤の望ましい剤型を以下に示す。
ムコ多糖類吸収促進剤と吸着剤の混合物にムコ多糖類を混合し、混合物をカプセルに充填して腸溶コーティングを施すか、あるいは腸溶基剤で製造したカプセルに充填する。あるいは、細粒剤、顆粒剤、錠剤とした後、腸溶コーティングするか、細粒化、顆粒化、錠剤化するにあたって腸溶性物質を混入して製造してもよい。あるいは、上記顆粒を腸溶コーティングし、そのまま、またはカプセルに充填して服用する。この際、顆粒とカプセルの腸溶コーティングの種類や厚さを変えて、所望の部位で溶解するようにすることもできる。また、ムコ多糖類の水溶液又はその凍結乾燥品とムコ多糖類吸収促進剤との混合物を、適当な吸着粉末化剤に吸着粉末化したもの(粉体)あるいは顆粒化したものを打錠し、腸溶コーティングを施してもよい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例にそって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記(1)〜(18) の固形製剤を調製した.
(1)パルナパリンナトリウム75 mg,クエン酸2.5 mgを0.33 mLの精製水に溶解した.次にラブラゾールTM(Labrasol)0.67 mLを添加し,よく撹拌した.透明な溶液が得られた後,ゲルシアTM44/14(Gelucire44/14)100 mgを添加し,45℃で加温しながらよく撹拌した▲1▼。
(2)▲1▼の溶液1.5 mLを乳鉢上でHPMC[6 cps]、HPMC[15 cps]およびHPMC[6 cps:15 cps=1:1の混合物]の各0.5 gに吸着させ固形化した。
[試験例1]
(2)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが 2 mg/kgあるいは4 mg/kgとなるように体重300〜500 gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90,120及び240分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
HPMC[6 cps]を含有する製剤(パルナパリンナトリウム2 mg/kg)を投与した群は,投与後30分で約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示した。HPMC [15 cps]を含有する製剤(パルナパリンナトリウム2 mg/kg)を投与した群は,投与後240分で約0.6 aXa IU/mLの最高活性値を示した.HPMC[ 6 cps及び15 cpsの1:1混合物]を含有する製剤(パルナパリンナトリウム4 mg/kg)を投与した群は,投与後30分で約0.5 aXa IU/mLの最高活性値を示した。
【0031】(3)トーフスポンジ(Tofu sponge)を熱湯に入れた後,取り出し水分を完全に取り除き乾燥させた.これを断片化し▲1▼の溶液を吸着させた後,オイドラギットTMS(EudragitTMS)を用いて調製した腸溶性フィルムでラップした。
[試験例2]
(3)の製剤を体重12〜15 kgのビーグル犬にパルナパリンナトリウムが30 mg/dogとなるように経口投与した。投与前,投与後1,2,3,4,5,6,7及び8時間に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
投与後1時間において,約0.1 aXa IU/mLの活性値を示した。
(4)ウレタンスポンジ(Urethane sponge)を直方体(縦1.5 cm,横1 cm,高さ1 cm)に切り,00号のHPMCカプセルに入れ密封した.次にカプセル上部の穴から▲1▼の溶液を充填した.これにEudragitTMSフィルムでラップした。
[試験例3]
(4)の製剤を体重12〜15 kgのビーグル犬にパルナパリンナトリウムが30 mg/dogとなるように経口投与した。投与前,投与後1,2,3,4,5,6,7及び8時間に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
投与後3時間において,約0.2 aXa IU/mLの活性値を示した。
【0032】(5)ゼラチン水溶液(36.4 % w/w)を調製し,40℃で加温しながら,ダブルノズル−シリンジシステムを用いて▲1▼の溶液をゼラチンミニカプセルに充填した。
(6)パルナパリンナトリウム20 mgを精製水0.2 mLに溶解した.次にHCO−60を175 mg添加し,50℃に加温しながら溶解させた.最後にLabrasol 44 μLを添加し,よく撹拌した.これを真空条件下でエヴァポレーションを用いて除水し,ゲル様製剤を得た。
(7)パルナパリンナトリウム15 mgを精製水0.1 mLに溶解した.次にHCO−60の133 mgを添加し,50℃に加温しながら溶解した.最後にLabrasol TM67μLを添加し,よく撹拌した.これを真空条件下でエヴァポレーションを用いて除水し,ゲル様製剤を得た。
(8)モノステアリン酸テトラグリセリン(Tetraglycerin monostearate) 75 mgを70℃に加温し溶解し,▲1▼の溶液0.925 mLを添加し,撹拌しながら常温に戻しペースト状の製剤を得た。
【0033】(9)ノイシリンUFL2(Neusilin UFL2)は予めpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上で▲1▼の溶液150 μLをNeusilin UFL2 150 mgに吸着させ固形化し,840 μMのふるいにかけた。
[試験例4]
(9)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
投与後120分で約0.4 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
(10)Neusilin UFL2は予めpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上でLabrasol 100μLをNeusilin UFL2 100 mgに吸着させた.Labrasol吸着Neusilin UFL2 200 mgに対し,パルナパリンナトリウム 11.1 mgを添加し乳鉢上でよく混和し,840μMのふるいにかけた.
[試験例5]
(10)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした。
表1に結果を示した.
【0034】
【表1】
【0035】表1に示したように、回腸投与群は約0.6 aXa IU/mL,空腸投与群は約0.3 aXa IU/mL及び十二指腸投与群は約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示し,小腸の上部よりも下部で優れたパルナパリンナトリウムの吸収活性が認められた.
【0036】(11)ノイシリンUS2(Neusilin US2)は予め硫酸マグネシウムあるいはpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上で▲1▼の溶液150 μLをNeusilin UFL2 150 mgに吸着させ固形化し,840 μMのふるいにかけた.
[試験例6]
(11)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400 gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
硫酸マグネシウム処理群及びリン酸緩衝液処理群は投与後60分でいずれも約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
(12)Labrasol 2 mLを乳鉢上でNeusilin US2 1 gに吸着させた.乳鉢上でLabrasol吸着Neusilin US2 675 mgにパルナパリンナトリウム 50 mgを添加しよく混和し,840μMのふるいにかけた.
試験例7
上述の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400 gの雄性ラットの十二指腸,空腸あるいは回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
表2に結果を示した.
【0037】
【表2】
【0038】表2に示したように、回腸投与群は約0.6 aXa IU/mL,空腸投与群は約0.3 aXa IU/mL,十二指腸投与群は約0.3 aXa IU/mLの最高活性値を示し,小腸の上部よりも下部で高い吸収活性を示した.
【0039】(13)(12)で調製した製剤90 mgに更にクエン酸30 mgを添加して混和した.
[試験例8]
(13)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
投与後60分で約0.4 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
(14)NeusilinTM US2は予めMgSO4あるいはpH 6.8のリン酸緩衝液を用いて化学処理を行った.乳鉢上でLabrasolTM 200μLを各Neusilin US2 200 mgに吸着させた.LabrasolTM吸着NeusilinTM US2 200 mgに,パルナパリンナトリウム11.1 mgを添加し乳鉢上でよく混和し,840μMのふるいにかけた.
[試験例9]
(14)の製剤をオブラートで包み,パルナパリンナトリウムが5 mg/kgとなるように,体重約400gの雄性ラットの回腸内へ投与した(n=2).投与前,投与後15,30,60,90及び120分に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定してパルナパリンナトリウムの吸収の指標とした.
硫酸マグネシウム処理群及びリン酸緩衝液処理群は,投与後30分でいずれも約0.5 aXa IU/mLの最高活性値を示した.
【0040】(15)LabrasolTM 680μLを乳鉢上でNeusilinTM US2 270 mgに吸着させた.LabrasolTM吸着NeusilinTM US2 950 mgにパルナパリンナトリウム 75 mgを添加してよく混和し,#60のふるいにかけた.この製剤を1号のHPMCカプセルに充填し,EudragitTM Sフィルム(43μm厚)で包み,腸溶カプセル製剤とした.
[試験例10]
体重12〜13 kgのビーグル犬に,上述の製剤を1頭当り2カプセル(パルナパリンナトリウム75 mg/dog)経口投与した(n=2).投与から1,2,3,4,5,6及び8時間後に頸静脈より採血し,血漿中抗Xa活性を測定した.
表3に結果(2例の平均値)を示した.
【0041】
【表3】
【0042】表3に示したように、投与後3時間において約0.5 aXa IU/mLの最高活性値を示した。
【0043】(16)60℃に加温したLabrasolTM 2.7 mLにラウリル硫酸ナトリウム 160 mgを添加してよく混和し,完全に溶解した後室温に戻した.乳鉢上でラウリル硫酸ナトリウムを含有するLabrasolTMをNeusilinTM US2 1.1 gに吸着させ,#60のふるいにかけた後,パルナパリンナトリウム300 mgを添加し,再度ふるいにかけた.この製剤を0号のHPMCカプセルに充填し,Eudragit Lフィルム(60μm厚)で包み,腸溶カプセル製剤とした.
(17)60℃に加温したLabrasolTM 2.7 mLにGelucireTM 44/14の400 mgを添加してよく混和し,完全に溶解した後室温に戻した.乳鉢上でGelucireTM 44/14を含有するLabrasolTMをNeusilinTM US2 1.1 gに吸着させ,#60のふるいにかけた後,パルナパリンナトリウム300 mgを添加し,再度ふるいにかけた.この製剤を0号のHPMCカプセルに充填し,Eudragit Lフィルム(60μm厚)で包み,腸溶カプセル製剤とした.
(18)Labrasol 91 μLをフローライトRE 14 mgに吸着させた後,パルナパリンナトリウム 35 mgを添加し,Eudragit Sを用いて作製した腸溶性カプセルに充填した.
【0044】
【発明の効果】経口投与できないムコ多糖類をムコ多糖類吸収促進剤とともに用い、かつ、腸溶製剤とすることにより、経口投与可能な製剤とすることができる。特に固形剤として投与できる、小腸又は大腸において吸収良好な製剤を得ることができる経口投与可能なムコ多糖類製剤。
Claims (21)
- ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を腸溶製剤としてなるムコ多糖類を小腸または大腸から吸収させるムコ多糖類製剤において、ムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤のいずれか一方を吸着剤と混合し、ついで他方を混合することによって得られるムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を混合し、ついでムコ多糖類を混合することを特徴とする請求項1記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類の平均分子量が3000〜20000である、請求項1〜2項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類の平均分子量が5000〜9000である、請求項1〜3項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類がヘパリン、低分子量ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケタラン硫酸、グルクロノ―2―アミノ―2―デオキシグリツグリカン サルフェートからなる群から選択される、請求項1〜4項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類がヘパリンまたは低分子量ヘパリンである、請求項1〜5項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類が水に溶解している状態で含有されている請求項1〜6項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類が凍結乾燥された状態で含有されている請求項1〜7項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類吸収促進剤が炭素数6〜18の脂肪酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、ステロイドカルボン酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、脂肪族多塩基性酸またはその塩、エステル、アミド誘導体、あるいはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜8項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類吸収促進剤がデオキシコール酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、カプリロカプロイルマクロゴールグリセライド、ラウロイルマクロゴール32グリセライドからなる群から選択される、請求項1〜9項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド及びラウロイルマクロゴール32グリセライドの混合物であることを特徴とする、請求項1〜10項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライド及びクエン酸の混合物であることを特徴とする、請求項1〜11項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類吸収促進剤がカプリロカプロイルマクロゴールグリセライドであることを特徴とする請求項1〜12項に記載のムコ多糖類製剤。
- 吸着剤が多孔性吸着剤であることを特徴とする、請求項1〜13項に記載のムコ多糖類製剤。
- 多孔性吸着剤が多孔性のケイ酸金属塩、多孔性のメタケイ酸金属塩および多孔性のリン酸金属塩から選ばれる1以上であることを特徴とする、請求項14項に記載のムコ多糖類製剤。
- 多孔性吸着剤が多孔性ケイ酸カルシウム、ヒュームドシリカ及び/又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれる1以上であることを特徴とする、請求項14項に記載のムコ多糖類製剤。
- 化学的処理により吸着力をコントロールした多孔性吸着剤を用いることを特徴とする、請求項14項に記載のムコ多糖類製剤。
- ムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を粉末化して腸溶製剤とすることを特徴とする、請求項1〜17項に記載のムコ多糖類製剤。
- 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を打錠,あるいは一旦顆粒化した後打錠し,腸溶コーティングすることを特徴とする、請求項1〜18項に記載のムコ多糖類製剤。
- 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を顆粒化し,カプセルに封入し腸溶コーティングすること,あるいは顆粒化したムコ多糖類およびムコ多糖類吸収促進剤を腸溶コーティングしカプセルに封入することを特徴とする,請求項1〜19項に記載のムコ多糖類製剤。
- 粉末化されたムコ多糖類、ムコ多糖類吸収促進剤および吸着剤を顆粒化し,腸溶カプセルに封入あるいはカプセルに封入し腸溶コーティングすることを特徴とする,請求項1〜20項に記載のムコ多糖類製剤。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP2004339083A (ja) |
Cited By (2)
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JP2019525166A (ja) * | 2016-07-19 | 2019-09-05 | ラボラトリオス ファルマセウティコス ロヴィ エス アーLaboratorios Farmacrovi, S.A. | 核磁気共鳴を用いてグリコサミノグリカン、ヘパリン、ならびにこれらの派生物を解析する手法 |
-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003134831A patent/JP2004339083A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010116388A (ja) * | 2009-03-10 | 2010-05-27 | Nr Laboratory:Kk | 消化管溶性剤型 |
JP4630931B2 (ja) * | 2009-03-10 | 2011-02-09 | 有限会社エヌアール・ラボラトリー | 消化管溶性剤型 |
JP2019525166A (ja) * | 2016-07-19 | 2019-09-05 | ラボラトリオス ファルマセウティコス ロヴィ エス アーLaboratorios Farmacrovi, S.A. | 核磁気共鳴を用いてグリコサミノグリカン、ヘパリン、ならびにこれらの派生物を解析する手法 |
JP7035007B2 (ja) | 2016-07-19 | 2022-03-14 | ラボラトリオス ファルマセウティコス ロヴィ エス アー | 核磁気共鳴を用いてグリコサミノグリカン、ヘパリン、ならびにこれらの派生物を解析する手法 |
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