JP2004338781A - 収容物排出用袋及び使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口部側と底部の摘み片を互いに相反する方向に引っ張り排出部から破り目を形成し、袋体内から汚物等の収容物を衛生的に排出することができる収容物排出用袋及び使用方法を提供する。
【解決手段】汚物等の収容物を収容する収容部6の開口部5に一対の取手10を備え簡易トイレ2の容器3内に敷設される袋体1であって、収容部6の底部に摘み片12を形成すると共に、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部7を収容部6の一側に設けた。
この袋体1は排出補助具35の支持杆39に取手10を係止して吊り下げ、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張り、排出部7から破り目を形成し、この開口部から収容物を便器31内に排出することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】汚物等の収容物を収容する収容部6の開口部5に一対の取手10を備え簡易トイレ2の容器3内に敷設される袋体1であって、収容部6の底部に摘み片12を形成すると共に、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部7を収容部6の一側に設けた。
この袋体1は排出補助具35の支持杆39に取手10を係止して吊り下げ、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張り、排出部7から破り目を形成し、この開口部から収容物を便器31内に排出することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭や介護施設等で使用される簡易トイレの容器に敷設する収容物排出用袋及び使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡易トイレは排泄物を収容するバケツ等の容器が挿脱可能に設置されており、この容器内に排泄物(以下収容物と言う)を直接収容すると、洗浄や消毒処理等の作業が面倒であることから、予め容器内に耐水性を有する袋を敷設した状態で用便し、使用後に収容物を収容した袋を外して廃棄することにより、容器内を収容物で汚すことなくその洗浄作業を軽減するものが既に知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
この公報で示される収容物排出用袋は、袋体の上方開口部の左右両側から上方に延出する一対の取手を備えると共に、閉鎖された底部には底部持ち上げ取手(摘み片)が形成され、また取手の間に位置する開口部縁には収容物の排出を誘導するV字状の切欠部が形成されている。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第3085501公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報で示される構成の収容物排出用袋による収容物の排出作業は、取手を片手で持ち上げながら、他方の手で摘み片を引き上げ底部を高くすることによって、袋体の開口中央部に形成された切欠部に収容物を集中させて効率よく排出しようとするものがあるが、次のような問題がある。
即ち、袋体の底部を持ち上げて開口部から収容物を排出しようとするとき、特に塊状になった大便や使用されたペーパー類の排出が困難で、摘み片を介して底部を開口部よりも高くなる状態の急角度に持ち上げて揺すりながら行なうので、開口部から排出される収容物が取手を把持している手に接触したり付着して汚す欠点がある。このため袋体の持ち上げには、収容物が手を汚さないように細心の注意を払って排出しなければならないので、収容物の排出作業が煩雑で熟練と時間を要する等の課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の収容物排出用袋及び使用方法は、第1に、汚物等の収容物を収容する収容部6の開口部5に一対の取手10を備え簡易トイレ2の容器3内に敷設される袋体1であって、収容部6の底部に摘み片12を形成すると共に、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部7を収容部6の筒状部の一側に設けたことを特徴としている。
【0006】
第2に、収容部6の開口部5側の一側に開口部摘み片12aを設けると共に、該開口部摘み片12aの下方近傍位置に排出部7を形成したことを特徴としている。
【0007】
第3に、排出部7の下方に、収容部6内に収容される収容部6の収容限界位置を表示するレベル表示部15を設けたことを特徴としている。
【0008】
第4に、開口部5と排出部7との間に、収容部6を開閉可能に閉鎖するファスナ70を設けたことを特徴としている。
【0009】
第5に、収容部6にファスナ70,70をファスナ間隔を有し上下二段に設け、ファスナ間隔の袋体表面に開口用取手71を設けたことを特徴としている。
【0010】
第6に、容器3と袋体1の底部の間に収容物の収容量を検知する収容物検知センサ22を設け、収容物検知センサ22で検知した検知情報を受信器25に送り報知させることを特徴としている。
【0011】
第7に、簡易トイレ2の容器3内に敷設され、汚物等の収容物を収容する収容部6の開口部5に一対の取手10と、収容部6の底部に形成した摘み片12と、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部7を収容部6の一側に設けた袋体1を、便器31の上方に設置した排出補助具35の支持杆39に取手10を係止し吊り下げた状態とし、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより、前記排出部7から破り目を形成し開口された排出部7から、収容物を便器31内に排出することを特徴としている。
【0012】
第8に、排出補助具35の支持杆39を、便器31の上方に位置させる使用姿勢と、便器31の上方から退避させた退避姿勢に切り換えることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。符号1は図3で示すような簡易トイレ2に設置されるバケツ状の容器3内に敷設する袋体である。この袋体1は使用者が排泄する尿や便等の排泄物(以下収容物と言う)を開口部5から収容すると共に、収容された収容物を開口部5から排出しないで、袋本体(収容部と言う)6の中途部に形成した排出部7を破って排出する構成としている。
【0014】
図示例の袋体1は、防水性及び耐水性を有し且つ使用後の焼却処理等を環境に大きな負荷を掛けることのない、例えばポリエチレン製フィルム又はシート等からなる袋素材によって成形される、スーパーマーケット等の買い物用の袋として一般的なポリ袋等を採用している。尚、この他袋素材は生分解性のものにすると、袋体1の廃棄を焼却手段に依存しなくすることができる。
この袋体1は図1,図2で示されるものを図3で示すように、容器3内に底部及び周壁を接触した状態で内部全体を覆うように敷設され、且つ開口部5側を折り返し状態で容器3の開口縁部9に載せ掛けて支持することができる形状及びサイズとなっている。
【0015】
また袋体1の製作は、前記フィルム又はシート状の素材を複数枚重ねて打ち抜き加工又は切断加工することによって、略方形状の収容部6とその上方に把持及び吊り上げ支持を可能とする取手10と、その一側に摘み把持を行い易くする摘み部11を上方に向けて形成する。
そして、上記のように打ち抜き加工した成形シートを2枚重ねで合わせ、外周縁から所定巾を有した内側の位置を、融着又は接着剤等による接合手段によって気密に接合し、底部側の摘み片12と筒状部側上方の開口部摘み片12aが一連に形成されるように閉じ部13を設ける。(図1の点線)また成形シートの上方は接合しない開口部5を形成する。
【0016】
また開口部5の下方には、収容部6内に収容される収容物の収容上限位置を表示するレベル表示部15を表記する。そして、該レベル表示部15と開口部5の間に、収容部6の筒状部をなす少なくとも一側に、この筒部を外側から内側に向けて横断方向に破り目を形成することができる排出部7を設けている。
同図の排出部7は、摘み部11が設けられる側の開口部摘み片12aに、外側から閉じ部13の近傍まで切り目を入れた構成となっている。
【0017】
これにより袋体1は、排出部7の上方側の摘み部11又はその下方位置の開口部摘み片12aを把持する一方、収容部6の底部側の摘み片12を摘んだ状態で、両者が互いに相反する上下方向に引っ張られることにより、切欠された排出部7に引っ張り力が集中(応力集中)し、切欠方向即ち収容部6の筒状部を横断する方向に切り裂き状態で破り目を形成して、排出部7を大きく開口させることができる。
また袋体1を破り開く量は収容部6の横巾の略半分程度にすることが望ましく、この場合には上記のような破り開き動作の際に、収容部6を誤って完全に切り離す憂いがなく、また排出部7を十分に開口させて収容物の排出をスムースに行なわせることができる。
【0018】
尚、袋体1の破り開き手段は、摘み片12の中途部を一部切欠き形成することによって排出部7を設けたものを示したが、図示例のものに特定することなく、例えば図1の点線で示すように、排出部を横線状の弱線部7aとし収容部6の外側から内側に向けて所定の範囲に形成することもできる。この弱線部7aは漏水を防止し且つ他の袋部分よりも引っ張り強度が弱くなる、例えばプレスによる薄肉形成手段等によって設けることができる。
また袋体1に設ける排出部7の位置は、点線で示すように収容部6の底部に沿って設けるか、底部のコーナー部から斜め上方に向けて設けることもできる。
【0019】
また袋体1の底部には排出部7の下方に位置する部分に、摘み片12を部分的に下方に向けて長くした引き摘み片14を形成することもできる。この場合には下方に突出した引き摘み片14を特定し摘むことができ、排出部7を破り開きする際に手を汚すことがない。
さらに、上記のような弱線部7aを備えると共に、引き摘み片14を備えた袋体1は、例えばチューブ状をなす袋筒素材からなるポリ袋の製作と略同様な加工手段によって製作する場合に、袋体形状の切断加工による引き摘み片14の形成と、袋底部の閉じ部13の接合と弱線部7aの加工を同時に行うことができる。
【0020】
次に、上記のように構成される袋体1の使用方法について、図3〜図7を参照し説明する。先ず、図3で示す簡易トイレ2は、従来のものと同様に容器3を脚部を形成するトイレ枠2aに挿脱自在に備え、容器3の縁部を上方から覆う座台20を後方の支軸21を支点に回動可能に支持し、図3の実線で示す座台20の閉じ状態において用便される。また使用に先立って先ず容器3の底部には後述する収容物検知センサ22をセットし、この上に袋体1の底部を載せて容器3に装着する。
【0021】
上記収容物検知センサ22は、何回かの用便によって袋体1内に収容物が所定量以上に収容されると、その重量或いは嵩等を検知し内蔵する発信器からアンテナ23を介し、検知情報を無線によって受信器25に送り報知する構成となっている。また図4で示されるように、受信器25はその表示部26に、各使用者の簡易トイレ2毎に付設されている表示コード(番号又は名称)に対応する番号表示ランプを設けている。尚、27はメインスイッチであり、29はスピーカである。
【0022】
これにより例えば、番号1の簡易トイレ2に設置された袋体1内の収容物が所定量になったことを収容物検知センサ22が検知すると、受信器25の表示部26にある番号1コードの表示ランプを点灯し、またスピーカから音声等によって報知する。
これにより介護者は、複数の使用者が使用する簡易トイレ2毎に設置された袋体1の収容物の収容状態を他の場所に居ながらにして簡単に把握することができる。また介護者が簡易トイレ2の全てを頻繁に見回りして行なう煩雑で時間を要する点検作業を省力化することができる。
【0023】
さらに、受信器25によって袋体1の交換や清掃等のメンテナンス作業を必要とする簡易トイレ2を特定し報知するから、特定されたものを個別或いは纏めて行なうことを可能とし、メンテナンス作業の労力を大きく軽減する。
尚、受信器25は介護者が首に吊り下げるかポケットに収容可能な携帯型であることが望ましい。この収容物検知センサ22の検知状況を携帯電話等によっても確認可能にすることができ、この場合には遠隔地にいる家族が電話によって、例えば入院している使用者の用便回数等を認識することによって、安否等の状況も簡単に知ることができる。
【0024】
次に、図5〜図7を参照し収容部6を収容した袋体1の処理手段即ち収容物の排出方法とその補助装置について説明する。
収容部6を収容した袋体1の取り出しは、先ず容器3の開口縁部9の両側に折り返された両側の取手10,10を伸ばしながら、上方に向けて持ち上げ把持することにより容器3の外に取り出すことができる。(図5)
取り出された袋体1はその後図示しない袋収集車を用いたり又は人手によって便所30に運ばれ、収容物を便器31内に排出する。
【0025】
この収容物の排出作業は、介護者又は使用者自身が片手で取手10と摘み部11又は摘み片12の上方を摘まみ、他方の手で底部側の摘み片12又は引き摘み片14を下方に向けて引っ張ることにより、排出部7を介し収容部6を破り大きく開口した排出部7から収容物を便器31内へ排出する。
このとき便器31の側方に設置している排出補助具35を使用すると、袋体1の支持を助勢し排出作業を簡単且つ速やかに行なうことができる。
【0026】
即ち、図6で示す便所30は、便器30と一側の壁面36との間で形成される空間部内に、袋体1の支持及び排出作業を助勢する排出補助具35と、収容物を排出した後の袋体1を一時的に収容保管する保管容器37を設置し、使用済みの袋体1の一連の廃棄処理を衛生的に行なう構成となっている。
図示例の保管容器37は、外箱に対し内箱を引き出し開閉及び取り外し自在に設け、また臭気の漏出を防止する気密構造によって構成される。
【0027】
排出補助具35は、便器31の上方において取手10を引掛けて袋体1を吊り下げ状態になす支持姿勢と、便器31の上方から退避させた格納姿勢とに切り換え可能な支持杆39を備えている。この支持杆39は壁面36に設けた取付部50によって支持される支柱部51に、関節部52を介して姿勢変更自在に設けている。取付部50は壁面36に固定される台座55と、該台座55に前後回動調節可能に支持される調節座56とからなり、該調節座56は関節部57によって支柱部51を左右方向に調節可能に支持される。
【0028】
この構成による排出補助具35は、支柱部51を用便の邪魔にならない後方位置に切り換えて退避姿勢にすると共に、退避姿勢から関節部52,57及び調節座56を介し支持杆39を支持姿勢に簡単に切り換えることができる。尚、図示例の排出補助具35は壁面36に取付部50を介して設置したが、これに限定することなく取付部50を介して便器31側に設けることもできる。また排出補助具35は支持杆39を備えたスタンド構造の支柱部を床面に対し移動自在に立設する構成にすることもできる。
【0029】
以上のように構成された排出補助具35は、支持姿勢において便器31の上方に位置させた支持杆39に取手10を差し込むと、袋体1をその底部が便器31の開口部の一側に近接又は接当させる状態で吊り下げ支持することができる。
これにより袋体1は支持杆39に仮支持され、自由な状態になった両手で排出部7の上方の開口部5側と底部側の摘み片12を相反する方向に引張っることができ、排出部7を所定の姿勢でスムースに破ることができる。
このとき袋体1は支持杆39と両手によって3点支持状態になって、取手10を伸ばし大きく開口させた排出部7を便器31の適正位置に臨ませることができるので、収容物をこぼしたりすることなく便器31内へ楽な姿勢で排出することができる。
【0030】
また図7で示すように、収容物の排出時に袋体1の底部を便器31に載せ掛けると、排出部7の下側面を便器31側に位置決めした状態で、底部を急角度で持ち上げることができるから、収容物を残留させることなく排出できる。
従って、袋体1を無理に破いたり不安定な動作で排出することなく、手を汚すことのない排出作業を衛生的に行なうことができる。
そして、排出後の袋体1は支持杆39から外した後、近隣に設置された保管容器37の内箱内に捨てることができ、一時的に保管した袋体1をまとめて廃棄処理することができる等の特徴がある。
【0031】
次に図8〜図10を参照し、簡易トイレ2及び袋体1の別実施形態について説明する。尚、前記実施形態と同様な構成及び作用については説明を省略する。
図8の簡易トイレ2は、容器3に設置された袋体1内に後述する様な薬剤等を供給する供給装置60と、使用者の排泄部に洗浄水を噴射して洗うことができる洗浄装置61を容器3の後方側に設けた例を示す。この供給装置60と洗浄装置61はそれぞれ図示しない手元操作部の操作によって使用される。
【0032】
上記供給装置60の容器62内に収容される薬剤は、植物エキス,ポリマー,消臭剤,界面活性剤,香料等からなる液体又は粉体となし、管63を介し先端のノズルから噴出され袋体1内で泡を形成するものが望ましい。この泡は内部の収容物を覆い隠すことができると共に、排出時に収容物と袋体1との頑固な付着を防止し排出作業をスムースにする。
【0033】
洗浄装置61は水(湯)を収容する容器64と該容器64内の水をポンプ65で圧送し、管66を介し使用者の排泄部に噴射する構成になっている。また上記管63,66は座台20の後方裏側に取付支持し、中途部を支軸21の近傍に可撓性を有して支持される。
これにより座台20が支軸21を支点に上方に回動すると、管63,66は容器3の上方から退避するので、容器3の挿脱及び袋体1の挿脱を妨げることがない。尚、この簡易トイレ2に温風供給装置(図示せず)を設けると、使用者の排泄部を必要により温風で乾かすことができる。
【0034】
次に図9,図10で示す袋体1について説明する。この袋体1は開口部5と排出部7との間に収容部6を開閉自在に閉鎖することができるファスナ70を上下に間隔を有して設け、且つ上下のファスナ70,70の間で袋体1の表面に開口用取手71を設けた構成になっている。
図示例のファスナ70は一般的にポリ袋又はビニール袋に使用されている、袋体1の対向する内面横方向に沿って設けられた、互いに凹凸状のファスナ片72,73を圧着することによって噛合させる圧着噛合方式のものを示している。
【0035】
これにより袋体1は、上下のファスナ70を共に閉じると収容部6は開口部が二重に閉じられて機密になり臭気等の漏出を防止する。また開口用取手71,71を摘まんで両者を外側に向けて引っ張ると、上下のファスナ70をその噛合力に抗して略同時にファスナ片72,73を離脱させることができるので、二重構造のファスナ70,70によって強く閉じられた開口部5の開口を簡単に行うことができる。
【0036】
また上下のファスナ70,70とその間に開口用取手71を備えた袋体1は、繰り返し開閉したとしてもその二重構造によって機密性を損なうことなく長期間にわたり開閉性能を維持することができる。尚、ファスナ70は圧着噛合方式のものに限ることなく、繰り返して剥がすことが可能な粘着テープにすることもできる。
また上方のファスナ70と下方のファスナ70との間で形成するファスナ間隔によって、図10の点線で示すようなポケット部75を形成せしめており、このポケット部75内にテッシュペーパや綿類等の拭き取り部材76を収容可能にした構成となっている。
【0037】
上記のように構成した袋体1は、前記簡易トイレ2用のものとして前記した態様を以て使用することができる他、図示しない尿取り具に装着できる大きさと形状にすることにより、尿取り専用の袋体1にもすることができる。
この場合先ず、ファスナ70,70を開きポケット部75内の拭き取り部材76を取り出した後、拭き取り部材76を尿取り具に装着して用いるか、又は拭き取り部材76を排泄部に直接的に押し当てた状態で使用する。そして、使用後は拭き取り部材76を用いて排泄部を拭いたり周囲を拭き清掃し、使用済みの拭き取り部材76を袋体1内に入れた後、ファスナ70,70を閉じると内部の収容物の漏れ出しを防止することができる。従って、袋体1を廃棄する際に行なう運搬や重ねて一時的に保管する作業を衛生的にすることができる。
【0038】
尚、上記のように収容部6にファスナ70,70をファスナ間隔を有して上下二段に設け、ファスナ間隔の袋体表面に開口用取手71を設けた袋体1は、閉鎖時の機密性に優れ且つ開口用取手71をファスナ間隔の袋体表面に設けているので、二重構造のファスナ70,70の開き操作も簡単にできるから、排泄物に限ることなく別の収容物を収容する袋としても使用することができる。
また袋体1内の底部には予め吸収紙や前記のような薬剤等の補助剤77を収容したり或いは塗布を施すと、使用時の収容物の跳ね返りを防止したり、また収容物を吸水部材に吸収させて収容量を増やすことができ、一つの袋体1に対する用便の使用回数を増やすことができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上のような収容物排出用袋及び使用方法にしたことにより、次のような効果を奏する。
汚物等の収容物を収容する収容部に取手と底部の摘み片と排出部を備えた袋体は、容器内に簡単に敷設することができ収容物の収容を行う。そして、袋体内から収容物を排出するときは、取手及び開口部摘み片を含む開口部側と底部の摘み片を互いに相反する方向に引っ張ると、排出部から収容部内に破り目を簡単に形成することができるので、大きく開口された排出部から収容物を衛生的に排出することができる。
【0040】
また収容部の開口部側の一側に開口部摘み片を設け、その下方近傍位置に排出部を形成したことにより、排出部の上方の開口部摘み片と底部の摘み片を互いに上下方向に引っ張ることにより、収容部の上方に排出部から横断方向に破り目を簡単に形成することができ、開口された排出部から収容物を袋体内に残置させることなく排出することができる。
【0041】
排出部の下方に、収容部内に収容される収容部の収容限界位置を表示するレベル表示部を設けたことにより、使用者及び介護者が目視によって収容物の排出時期を簡単に認知することができると共に、収容物が排出部のレベルに至る前に排出作業をタイミングよく行うことができる。
【0042】
開口部と排出部との間に、収容部を開閉可能に閉鎖するファスナを設けたことにより、収容物を収容した袋体の運搬や一次保管時等にファスナを閉めることができ、収容物及び臭気の漏れ出しを防止することができる。
【0043】
収容部にファスナをファスナ間隔を有して上下二段に設けたことにより、開口部の気密性を高めて閉鎖することができる。またファスナ間隔の袋体表面に設けた開口用取手によって二重構造のファスナを簡単に開くことができる。
【0044】
容器と袋体の底部の間に設置された収容物検知センサは、袋体内に収容物が所定の収容量に達したことを検知し、検知情報を受信器に送り使用者又は介護者に速やかに報知することができるので、袋体の交換及び収容物の排出時期の遅れを防止することができる。
また介護者等が複数の簡易トイレを管理する際に、収容物の収容状態を他の場所から簡単に把握することができると共に、点検や交換等のメンテナンス作業の省力化を図ることができる。
【0045】
さらに、袋体から収容物を排出するとき、便器の上方に設置した排出補助具の支持杆に取手を係止させて袋体を吊り下げ、両手を自由にした状態で開口部側と摘み片の適正位置を互いに上下方向に引っ張ることができるので、便器に対し袋体に形成した排出部を位置決めしながら袋体の中途部を排出部から破り、開口された排出部から収容物を便器内に速やかに排出することができる。
【0046】
また排出補助具の支持杆は、便器の上方に位置させた使用姿勢で収容物の排出作業が行なわれると、便器の上方から退避姿勢に切り換えることができるので、便器の用便を妨げない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる収容物排出用袋の正面図である。
【図2】図1のA−A線の平断面面図である。
【図3】袋体を簡易トイレの容器に設置した状態を示す断面図である。
【図4】受信器の構成を示す斜視図である。
【図5】容器と袋体の使用状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係わる排出補助具の使用方法を示す斜視図である。
【図7】図6の排出補助具に袋体を吊り下げて収容物を排出する状態を示す斜視図である。
【図8】袋体を別実施形態の簡易トイレに設置した状態を示す断面図である。
【図9】別実施形態の袋体を示す正面図である。
【図10】図9の側断面図である。
【符号の説明】
1 袋体(収容物排出用袋)
2 簡易トイレ
3 容器
5 開口部
6 収容部
7 排出部
10 取手
12 摘み片
12a 開口部摘み片
15 レベル表示部
22 収容物検知センサ
25 受信器
31 便器
35 排出補助具
37 保管容器
39 支持杆
70 ファスナ
71 開口用取手
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭や介護施設等で使用される簡易トイレの容器に敷設する収容物排出用袋及び使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡易トイレは排泄物を収容するバケツ等の容器が挿脱可能に設置されており、この容器内に排泄物(以下収容物と言う)を直接収容すると、洗浄や消毒処理等の作業が面倒であることから、予め容器内に耐水性を有する袋を敷設した状態で用便し、使用後に収容物を収容した袋を外して廃棄することにより、容器内を収容物で汚すことなくその洗浄作業を軽減するものが既に知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
この公報で示される収容物排出用袋は、袋体の上方開口部の左右両側から上方に延出する一対の取手を備えると共に、閉鎖された底部には底部持ち上げ取手(摘み片)が形成され、また取手の間に位置する開口部縁には収容物の排出を誘導するV字状の切欠部が形成されている。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第3085501公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報で示される構成の収容物排出用袋による収容物の排出作業は、取手を片手で持ち上げながら、他方の手で摘み片を引き上げ底部を高くすることによって、袋体の開口中央部に形成された切欠部に収容物を集中させて効率よく排出しようとするものがあるが、次のような問題がある。
即ち、袋体の底部を持ち上げて開口部から収容物を排出しようとするとき、特に塊状になった大便や使用されたペーパー類の排出が困難で、摘み片を介して底部を開口部よりも高くなる状態の急角度に持ち上げて揺すりながら行なうので、開口部から排出される収容物が取手を把持している手に接触したり付着して汚す欠点がある。このため袋体の持ち上げには、収容物が手を汚さないように細心の注意を払って排出しなければならないので、収容物の排出作業が煩雑で熟練と時間を要する等の課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の収容物排出用袋及び使用方法は、第1に、汚物等の収容物を収容する収容部6の開口部5に一対の取手10を備え簡易トイレ2の容器3内に敷設される袋体1であって、収容部6の底部に摘み片12を形成すると共に、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部7を収容部6の筒状部の一側に設けたことを特徴としている。
【0006】
第2に、収容部6の開口部5側の一側に開口部摘み片12aを設けると共に、該開口部摘み片12aの下方近傍位置に排出部7を形成したことを特徴としている。
【0007】
第3に、排出部7の下方に、収容部6内に収容される収容部6の収容限界位置を表示するレベル表示部15を設けたことを特徴としている。
【0008】
第4に、開口部5と排出部7との間に、収容部6を開閉可能に閉鎖するファスナ70を設けたことを特徴としている。
【0009】
第5に、収容部6にファスナ70,70をファスナ間隔を有し上下二段に設け、ファスナ間隔の袋体表面に開口用取手71を設けたことを特徴としている。
【0010】
第6に、容器3と袋体1の底部の間に収容物の収容量を検知する収容物検知センサ22を設け、収容物検知センサ22で検知した検知情報を受信器25に送り報知させることを特徴としている。
【0011】
第7に、簡易トイレ2の容器3内に敷設され、汚物等の収容物を収容する収容部6の開口部5に一対の取手10と、収容部6の底部に形成した摘み片12と、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部7を収容部6の一側に設けた袋体1を、便器31の上方に設置した排出補助具35の支持杆39に取手10を係止し吊り下げた状態とし、開口部5側と摘み片12を互いに上下方向に引っ張ることにより、前記排出部7から破り目を形成し開口された排出部7から、収容物を便器31内に排出することを特徴としている。
【0012】
第8に、排出補助具35の支持杆39を、便器31の上方に位置させる使用姿勢と、便器31の上方から退避させた退避姿勢に切り換えることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。符号1は図3で示すような簡易トイレ2に設置されるバケツ状の容器3内に敷設する袋体である。この袋体1は使用者が排泄する尿や便等の排泄物(以下収容物と言う)を開口部5から収容すると共に、収容された収容物を開口部5から排出しないで、袋本体(収容部と言う)6の中途部に形成した排出部7を破って排出する構成としている。
【0014】
図示例の袋体1は、防水性及び耐水性を有し且つ使用後の焼却処理等を環境に大きな負荷を掛けることのない、例えばポリエチレン製フィルム又はシート等からなる袋素材によって成形される、スーパーマーケット等の買い物用の袋として一般的なポリ袋等を採用している。尚、この他袋素材は生分解性のものにすると、袋体1の廃棄を焼却手段に依存しなくすることができる。
この袋体1は図1,図2で示されるものを図3で示すように、容器3内に底部及び周壁を接触した状態で内部全体を覆うように敷設され、且つ開口部5側を折り返し状態で容器3の開口縁部9に載せ掛けて支持することができる形状及びサイズとなっている。
【0015】
また袋体1の製作は、前記フィルム又はシート状の素材を複数枚重ねて打ち抜き加工又は切断加工することによって、略方形状の収容部6とその上方に把持及び吊り上げ支持を可能とする取手10と、その一側に摘み把持を行い易くする摘み部11を上方に向けて形成する。
そして、上記のように打ち抜き加工した成形シートを2枚重ねで合わせ、外周縁から所定巾を有した内側の位置を、融着又は接着剤等による接合手段によって気密に接合し、底部側の摘み片12と筒状部側上方の開口部摘み片12aが一連に形成されるように閉じ部13を設ける。(図1の点線)また成形シートの上方は接合しない開口部5を形成する。
【0016】
また開口部5の下方には、収容部6内に収容される収容物の収容上限位置を表示するレベル表示部15を表記する。そして、該レベル表示部15と開口部5の間に、収容部6の筒状部をなす少なくとも一側に、この筒部を外側から内側に向けて横断方向に破り目を形成することができる排出部7を設けている。
同図の排出部7は、摘み部11が設けられる側の開口部摘み片12aに、外側から閉じ部13の近傍まで切り目を入れた構成となっている。
【0017】
これにより袋体1は、排出部7の上方側の摘み部11又はその下方位置の開口部摘み片12aを把持する一方、収容部6の底部側の摘み片12を摘んだ状態で、両者が互いに相反する上下方向に引っ張られることにより、切欠された排出部7に引っ張り力が集中(応力集中)し、切欠方向即ち収容部6の筒状部を横断する方向に切り裂き状態で破り目を形成して、排出部7を大きく開口させることができる。
また袋体1を破り開く量は収容部6の横巾の略半分程度にすることが望ましく、この場合には上記のような破り開き動作の際に、収容部6を誤って完全に切り離す憂いがなく、また排出部7を十分に開口させて収容物の排出をスムースに行なわせることができる。
【0018】
尚、袋体1の破り開き手段は、摘み片12の中途部を一部切欠き形成することによって排出部7を設けたものを示したが、図示例のものに特定することなく、例えば図1の点線で示すように、排出部を横線状の弱線部7aとし収容部6の外側から内側に向けて所定の範囲に形成することもできる。この弱線部7aは漏水を防止し且つ他の袋部分よりも引っ張り強度が弱くなる、例えばプレスによる薄肉形成手段等によって設けることができる。
また袋体1に設ける排出部7の位置は、点線で示すように収容部6の底部に沿って設けるか、底部のコーナー部から斜め上方に向けて設けることもできる。
【0019】
また袋体1の底部には排出部7の下方に位置する部分に、摘み片12を部分的に下方に向けて長くした引き摘み片14を形成することもできる。この場合には下方に突出した引き摘み片14を特定し摘むことができ、排出部7を破り開きする際に手を汚すことがない。
さらに、上記のような弱線部7aを備えると共に、引き摘み片14を備えた袋体1は、例えばチューブ状をなす袋筒素材からなるポリ袋の製作と略同様な加工手段によって製作する場合に、袋体形状の切断加工による引き摘み片14の形成と、袋底部の閉じ部13の接合と弱線部7aの加工を同時に行うことができる。
【0020】
次に、上記のように構成される袋体1の使用方法について、図3〜図7を参照し説明する。先ず、図3で示す簡易トイレ2は、従来のものと同様に容器3を脚部を形成するトイレ枠2aに挿脱自在に備え、容器3の縁部を上方から覆う座台20を後方の支軸21を支点に回動可能に支持し、図3の実線で示す座台20の閉じ状態において用便される。また使用に先立って先ず容器3の底部には後述する収容物検知センサ22をセットし、この上に袋体1の底部を載せて容器3に装着する。
【0021】
上記収容物検知センサ22は、何回かの用便によって袋体1内に収容物が所定量以上に収容されると、その重量或いは嵩等を検知し内蔵する発信器からアンテナ23を介し、検知情報を無線によって受信器25に送り報知する構成となっている。また図4で示されるように、受信器25はその表示部26に、各使用者の簡易トイレ2毎に付設されている表示コード(番号又は名称)に対応する番号表示ランプを設けている。尚、27はメインスイッチであり、29はスピーカである。
【0022】
これにより例えば、番号1の簡易トイレ2に設置された袋体1内の収容物が所定量になったことを収容物検知センサ22が検知すると、受信器25の表示部26にある番号1コードの表示ランプを点灯し、またスピーカから音声等によって報知する。
これにより介護者は、複数の使用者が使用する簡易トイレ2毎に設置された袋体1の収容物の収容状態を他の場所に居ながらにして簡単に把握することができる。また介護者が簡易トイレ2の全てを頻繁に見回りして行なう煩雑で時間を要する点検作業を省力化することができる。
【0023】
さらに、受信器25によって袋体1の交換や清掃等のメンテナンス作業を必要とする簡易トイレ2を特定し報知するから、特定されたものを個別或いは纏めて行なうことを可能とし、メンテナンス作業の労力を大きく軽減する。
尚、受信器25は介護者が首に吊り下げるかポケットに収容可能な携帯型であることが望ましい。この収容物検知センサ22の検知状況を携帯電話等によっても確認可能にすることができ、この場合には遠隔地にいる家族が電話によって、例えば入院している使用者の用便回数等を認識することによって、安否等の状況も簡単に知ることができる。
【0024】
次に、図5〜図7を参照し収容部6を収容した袋体1の処理手段即ち収容物の排出方法とその補助装置について説明する。
収容部6を収容した袋体1の取り出しは、先ず容器3の開口縁部9の両側に折り返された両側の取手10,10を伸ばしながら、上方に向けて持ち上げ把持することにより容器3の外に取り出すことができる。(図5)
取り出された袋体1はその後図示しない袋収集車を用いたり又は人手によって便所30に運ばれ、収容物を便器31内に排出する。
【0025】
この収容物の排出作業は、介護者又は使用者自身が片手で取手10と摘み部11又は摘み片12の上方を摘まみ、他方の手で底部側の摘み片12又は引き摘み片14を下方に向けて引っ張ることにより、排出部7を介し収容部6を破り大きく開口した排出部7から収容物を便器31内へ排出する。
このとき便器31の側方に設置している排出補助具35を使用すると、袋体1の支持を助勢し排出作業を簡単且つ速やかに行なうことができる。
【0026】
即ち、図6で示す便所30は、便器30と一側の壁面36との間で形成される空間部内に、袋体1の支持及び排出作業を助勢する排出補助具35と、収容物を排出した後の袋体1を一時的に収容保管する保管容器37を設置し、使用済みの袋体1の一連の廃棄処理を衛生的に行なう構成となっている。
図示例の保管容器37は、外箱に対し内箱を引き出し開閉及び取り外し自在に設け、また臭気の漏出を防止する気密構造によって構成される。
【0027】
排出補助具35は、便器31の上方において取手10を引掛けて袋体1を吊り下げ状態になす支持姿勢と、便器31の上方から退避させた格納姿勢とに切り換え可能な支持杆39を備えている。この支持杆39は壁面36に設けた取付部50によって支持される支柱部51に、関節部52を介して姿勢変更自在に設けている。取付部50は壁面36に固定される台座55と、該台座55に前後回動調節可能に支持される調節座56とからなり、該調節座56は関節部57によって支柱部51を左右方向に調節可能に支持される。
【0028】
この構成による排出補助具35は、支柱部51を用便の邪魔にならない後方位置に切り換えて退避姿勢にすると共に、退避姿勢から関節部52,57及び調節座56を介し支持杆39を支持姿勢に簡単に切り換えることができる。尚、図示例の排出補助具35は壁面36に取付部50を介して設置したが、これに限定することなく取付部50を介して便器31側に設けることもできる。また排出補助具35は支持杆39を備えたスタンド構造の支柱部を床面に対し移動自在に立設する構成にすることもできる。
【0029】
以上のように構成された排出補助具35は、支持姿勢において便器31の上方に位置させた支持杆39に取手10を差し込むと、袋体1をその底部が便器31の開口部の一側に近接又は接当させる状態で吊り下げ支持することができる。
これにより袋体1は支持杆39に仮支持され、自由な状態になった両手で排出部7の上方の開口部5側と底部側の摘み片12を相反する方向に引張っることができ、排出部7を所定の姿勢でスムースに破ることができる。
このとき袋体1は支持杆39と両手によって3点支持状態になって、取手10を伸ばし大きく開口させた排出部7を便器31の適正位置に臨ませることができるので、収容物をこぼしたりすることなく便器31内へ楽な姿勢で排出することができる。
【0030】
また図7で示すように、収容物の排出時に袋体1の底部を便器31に載せ掛けると、排出部7の下側面を便器31側に位置決めした状態で、底部を急角度で持ち上げることができるから、収容物を残留させることなく排出できる。
従って、袋体1を無理に破いたり不安定な動作で排出することなく、手を汚すことのない排出作業を衛生的に行なうことができる。
そして、排出後の袋体1は支持杆39から外した後、近隣に設置された保管容器37の内箱内に捨てることができ、一時的に保管した袋体1をまとめて廃棄処理することができる等の特徴がある。
【0031】
次に図8〜図10を参照し、簡易トイレ2及び袋体1の別実施形態について説明する。尚、前記実施形態と同様な構成及び作用については説明を省略する。
図8の簡易トイレ2は、容器3に設置された袋体1内に後述する様な薬剤等を供給する供給装置60と、使用者の排泄部に洗浄水を噴射して洗うことができる洗浄装置61を容器3の後方側に設けた例を示す。この供給装置60と洗浄装置61はそれぞれ図示しない手元操作部の操作によって使用される。
【0032】
上記供給装置60の容器62内に収容される薬剤は、植物エキス,ポリマー,消臭剤,界面活性剤,香料等からなる液体又は粉体となし、管63を介し先端のノズルから噴出され袋体1内で泡を形成するものが望ましい。この泡は内部の収容物を覆い隠すことができると共に、排出時に収容物と袋体1との頑固な付着を防止し排出作業をスムースにする。
【0033】
洗浄装置61は水(湯)を収容する容器64と該容器64内の水をポンプ65で圧送し、管66を介し使用者の排泄部に噴射する構成になっている。また上記管63,66は座台20の後方裏側に取付支持し、中途部を支軸21の近傍に可撓性を有して支持される。
これにより座台20が支軸21を支点に上方に回動すると、管63,66は容器3の上方から退避するので、容器3の挿脱及び袋体1の挿脱を妨げることがない。尚、この簡易トイレ2に温風供給装置(図示せず)を設けると、使用者の排泄部を必要により温風で乾かすことができる。
【0034】
次に図9,図10で示す袋体1について説明する。この袋体1は開口部5と排出部7との間に収容部6を開閉自在に閉鎖することができるファスナ70を上下に間隔を有して設け、且つ上下のファスナ70,70の間で袋体1の表面に開口用取手71を設けた構成になっている。
図示例のファスナ70は一般的にポリ袋又はビニール袋に使用されている、袋体1の対向する内面横方向に沿って設けられた、互いに凹凸状のファスナ片72,73を圧着することによって噛合させる圧着噛合方式のものを示している。
【0035】
これにより袋体1は、上下のファスナ70を共に閉じると収容部6は開口部が二重に閉じられて機密になり臭気等の漏出を防止する。また開口用取手71,71を摘まんで両者を外側に向けて引っ張ると、上下のファスナ70をその噛合力に抗して略同時にファスナ片72,73を離脱させることができるので、二重構造のファスナ70,70によって強く閉じられた開口部5の開口を簡単に行うことができる。
【0036】
また上下のファスナ70,70とその間に開口用取手71を備えた袋体1は、繰り返し開閉したとしてもその二重構造によって機密性を損なうことなく長期間にわたり開閉性能を維持することができる。尚、ファスナ70は圧着噛合方式のものに限ることなく、繰り返して剥がすことが可能な粘着テープにすることもできる。
また上方のファスナ70と下方のファスナ70との間で形成するファスナ間隔によって、図10の点線で示すようなポケット部75を形成せしめており、このポケット部75内にテッシュペーパや綿類等の拭き取り部材76を収容可能にした構成となっている。
【0037】
上記のように構成した袋体1は、前記簡易トイレ2用のものとして前記した態様を以て使用することができる他、図示しない尿取り具に装着できる大きさと形状にすることにより、尿取り専用の袋体1にもすることができる。
この場合先ず、ファスナ70,70を開きポケット部75内の拭き取り部材76を取り出した後、拭き取り部材76を尿取り具に装着して用いるか、又は拭き取り部材76を排泄部に直接的に押し当てた状態で使用する。そして、使用後は拭き取り部材76を用いて排泄部を拭いたり周囲を拭き清掃し、使用済みの拭き取り部材76を袋体1内に入れた後、ファスナ70,70を閉じると内部の収容物の漏れ出しを防止することができる。従って、袋体1を廃棄する際に行なう運搬や重ねて一時的に保管する作業を衛生的にすることができる。
【0038】
尚、上記のように収容部6にファスナ70,70をファスナ間隔を有して上下二段に設け、ファスナ間隔の袋体表面に開口用取手71を設けた袋体1は、閉鎖時の機密性に優れ且つ開口用取手71をファスナ間隔の袋体表面に設けているので、二重構造のファスナ70,70の開き操作も簡単にできるから、排泄物に限ることなく別の収容物を収容する袋としても使用することができる。
また袋体1内の底部には予め吸収紙や前記のような薬剤等の補助剤77を収容したり或いは塗布を施すと、使用時の収容物の跳ね返りを防止したり、また収容物を吸水部材に吸収させて収容量を増やすことができ、一つの袋体1に対する用便の使用回数を増やすことができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上のような収容物排出用袋及び使用方法にしたことにより、次のような効果を奏する。
汚物等の収容物を収容する収容部に取手と底部の摘み片と排出部を備えた袋体は、容器内に簡単に敷設することができ収容物の収容を行う。そして、袋体内から収容物を排出するときは、取手及び開口部摘み片を含む開口部側と底部の摘み片を互いに相反する方向に引っ張ると、排出部から収容部内に破り目を簡単に形成することができるので、大きく開口された排出部から収容物を衛生的に排出することができる。
【0040】
また収容部の開口部側の一側に開口部摘み片を設け、その下方近傍位置に排出部を形成したことにより、排出部の上方の開口部摘み片と底部の摘み片を互いに上下方向に引っ張ることにより、収容部の上方に排出部から横断方向に破り目を簡単に形成することができ、開口された排出部から収容物を袋体内に残置させることなく排出することができる。
【0041】
排出部の下方に、収容部内に収容される収容部の収容限界位置を表示するレベル表示部を設けたことにより、使用者及び介護者が目視によって収容物の排出時期を簡単に認知することができると共に、収容物が排出部のレベルに至る前に排出作業をタイミングよく行うことができる。
【0042】
開口部と排出部との間に、収容部を開閉可能に閉鎖するファスナを設けたことにより、収容物を収容した袋体の運搬や一次保管時等にファスナを閉めることができ、収容物及び臭気の漏れ出しを防止することができる。
【0043】
収容部にファスナをファスナ間隔を有して上下二段に設けたことにより、開口部の気密性を高めて閉鎖することができる。またファスナ間隔の袋体表面に設けた開口用取手によって二重構造のファスナを簡単に開くことができる。
【0044】
容器と袋体の底部の間に設置された収容物検知センサは、袋体内に収容物が所定の収容量に達したことを検知し、検知情報を受信器に送り使用者又は介護者に速やかに報知することができるので、袋体の交換及び収容物の排出時期の遅れを防止することができる。
また介護者等が複数の簡易トイレを管理する際に、収容物の収容状態を他の場所から簡単に把握することができると共に、点検や交換等のメンテナンス作業の省力化を図ることができる。
【0045】
さらに、袋体から収容物を排出するとき、便器の上方に設置した排出補助具の支持杆に取手を係止させて袋体を吊り下げ、両手を自由にした状態で開口部側と摘み片の適正位置を互いに上下方向に引っ張ることができるので、便器に対し袋体に形成した排出部を位置決めしながら袋体の中途部を排出部から破り、開口された排出部から収容物を便器内に速やかに排出することができる。
【0046】
また排出補助具の支持杆は、便器の上方に位置させた使用姿勢で収容物の排出作業が行なわれると、便器の上方から退避姿勢に切り換えることができるので、便器の用便を妨げない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる収容物排出用袋の正面図である。
【図2】図1のA−A線の平断面面図である。
【図3】袋体を簡易トイレの容器に設置した状態を示す断面図である。
【図4】受信器の構成を示す斜視図である。
【図5】容器と袋体の使用状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係わる排出補助具の使用方法を示す斜視図である。
【図7】図6の排出補助具に袋体を吊り下げて収容物を排出する状態を示す斜視図である。
【図8】袋体を別実施形態の簡易トイレに設置した状態を示す断面図である。
【図9】別実施形態の袋体を示す正面図である。
【図10】図9の側断面図である。
【符号の説明】
1 袋体(収容物排出用袋)
2 簡易トイレ
3 容器
5 開口部
6 収容部
7 排出部
10 取手
12 摘み片
12a 開口部摘み片
15 レベル表示部
22 収容物検知センサ
25 受信器
31 便器
35 排出補助具
37 保管容器
39 支持杆
70 ファスナ
71 開口用取手
Claims (8)
- 汚物等の収容物を収容する収容部(6)の開口部(5)に一対の取手(10)を備え簡易トイレ(2)の容器(3)内に敷設される袋体(1)であって、収容部(6)の底部に摘み片(12)を形成すると共に、開口部(5)側と摘み片(12)を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部(7)を収容部(6)の筒状部の一側に設けた収容物排出用袋。
- 収容部(6)の開口部(5)側の一側に開口部摘み片(12a)を設けると共に、該開口部摘み片(12a)の下方近傍位置に排出部(7)を形成した請求項1の収容物排出用袋。
- 排出部(7)の下方に、収容部(6)内に収容される収容部(6)の収容限界位置を表示するレベル表示部(15)を設けた請求項1又は2の収容物排出用袋。
- 開口部(5)と排出部(7)との間に、収容部(6)を開閉可能に閉鎖するファスナ(70)を設けた請求項1又は2又は3の収容物排出用袋。
- 収容部(6)にファスナ(70),(70)をファスナ間隔を有して上下二段に設け、ファスナ間隔の袋体表面に開口用取手(71)を設けた請求項1又は2又は3又は4の収容物排出用袋。
- 容器(3)と袋体(1)の底部の間に収容物の収容量を検知する収容物検知センサ(22)を設け、収容物検知センサ(22)で検知した検知情報を受信器(25)に送り報知させる請求項1又は2又は3又は4又は5の収容物排出用袋。
- 簡易トイレ(2)の容器(3)内に敷設され、汚物等の収容物を収容する収容部(6)の開口部(5)に一対の取手(10)と、収容部(6)の底部に形成した摘み片(12)と、開口部(5)側と摘み片(12)を互いに上下方向に引っ張ることにより破り目を形成する排出部(7)を収容部(6)の一側に設けた袋体(1)を、便器(31)の上方に設置した排出補助具(35)の支持杆(39)に取手(10)を係止し吊り下げた状態とし、開口部(5)側と摘み片(12)を互いに上下方向に引っ張ることにより、前記排出部(7)から破り目を形成し開口された排出部(7)から、収容物を便器(31)内に排出する収容物排出用袋の使用方法。
- 排出補助具(35)の支持杆(39)を、便器(31)の上方に位置させる使用姿勢と、便器(31)の上方から退避させた退避姿勢に切り換える請求項7の収容物排出用袋の使用方法。
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