JP2004338752A - 容器シール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】下降、前進、上昇、そして後退するボックスモーションが行われるシールヘッドの前進速度を小さくしてシール時間を長くしても、能率の低下をきたすことなく、最適シール時間を確保でき、またフィルムとの関係でもずれに対応できる容器シール装置を提供する。
【解決手段】走行コンベア1を駆動するサーボモータ1Bと、シールヘッド3Aを支持する可動体3Bを昇降駆動するサーボモータ3C1と、可動体3Bを前後移動駆動するサーボモータ3C2と、フィルムFを送出する送りローラ2Aを駆動するサーボモータ2Cとが別個に設けられ、それぞれのサーボモータ1B,2C,3C1,3C2が制御装置4によって独立して制御される。
【選択図】 図1
【解決手段】走行コンベア1を駆動するサーボモータ1Bと、シールヘッド3Aを支持する可動体3Bを昇降駆動するサーボモータ3C1と、可動体3Bを前後移動駆動するサーボモータ3C2と、フィルムFを送出する送りローラ2Aを駆動するサーボモータ2Cとが別個に設けられ、それぞれのサーボモータ1B,2C,3C1,3C2が制御装置4によって独立して制御される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の容器シール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内容物が充填された容器、例えば上方に開口せるプラスチックトレイは走行せるコンベアで前方へ搬送されている間に、開口縁部上にフィルムが供給され、これがシールヘッドによって開口縁部と溶着シールされる。
【0003】
上記フィルムは送出し装置によりコンベアの走行速度と前方へ同速で送り出される。シールヘッドは、いわゆるボックスモーションを行って、下降、前進、上昇、後退を順次繰り返し、下降時にシール開始、前進時にコンベアと同期して走行して所定時間のシール状態維持、上昇時にシール状態から解放、そして後退時に原位置への早戻り復帰移動を行う。
【0004】
このようなシールヘッドの動作は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1では、シールヘッドはカム及びリンク機構を用いて、シールヘッドの前後方向(X方向)と上下方向(Y方向)の複合動作を行わしめている(特許文献1、段落[0027]、図1、図4)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−245904(段落[0027]、図1、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記カムを用いたシールヘッドの速度設定は、通常、前進時が後退時よりも速度が遅く、すなわち、シール時間を長くそして原位置への戻り時間そして昇降に要する時間をシール時間に比して短くして、長いシール時間で有効にシールを行ないかつサイクル時間が短い高能率なものとするように、それらの時間比を定めている。
【0007】
上記前進に要する時間は後進のための時間等に対して一定比で設定されるので、シール条件、例えば容器やフィルムの材料等の変更によって、シール時間、すなわち、前進時間を長くしたいときには、後退時間や昇降時間もこれに比例して長くなり、サイクル時間が長くなって能率が低下することとなる。
【0008】
又、上記カムは走行コンベアの容器支持位置と同期させてフィルムを送る関係で上記走行コンベアとフィルムを連動せしめていることもある。走行コンベア、例えばチェーンコンベアは、長期使用時にはチェーン要素の各連結部分での摩耗等により搬送方向に伸びを生じ、同方向に所定ピッチで複数の容器を支持していた該ピッチが増大することがある。これは、フィルムとの関係で位置がずれて同期がとれなくなる。フィルムが模様等の印刷が施されていて図柄合せをしているときには、容器とのずれが出てきわめて具合が悪い。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑み、シール時間を長くしても装置の能率の低下を最小限に抑えて、最適シール時間を確保でき、フィルムとの関係でもずれに対応できる容器シール装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る容器シール装置は、走行コンベアに支持されて前方へ搬送される容器へフィルム供給装置から蓋部材としてのフィルムを送り出してこれを容器の開口縁部で溶着シールするようになっている。そして、走行コンベアに対して上方位置に設けられた可動体にシールヘッドが支持され、該可動体は、前後そして上下に駆動を受けて移動可能であり下降時に走行コンベアの支持部とシールヘッドとで容器及びフィルムを挟圧して溶着シールを開始して前進時にこのシール状態を維持し、所定時間シール状態を維持した後に上昇してシールヘッドをシール済容器から離間すると共に原位置へ後退するようになっている。
【0011】
かかる容器シール装置において、本発明では、走行コンベア駆動手段と、可動体昇降駆動手段と、可動体前後移動駆動手段とが別個の駆動手段として設けられ、それぞれの駆動手段が独立して制御可能となっていることを特徴としている。又、フィルム送出し用駆動手段も、上記諸手段とは別個の独立した駆動手段によって駆動されるようになっていてもよい。
【0012】
このような構成の本発明にあっては、可動体前後移動駆動手段を他の駆動手段とは独立に制御する。したがって、上記他の駆動手段に係りなくシールヘッドの前進に関する設定を変えることによりシール時間を変更できる。例えば、すでに設定されているシール時間を長く変更設定したいとき、走行コンベア駆動手段を制御してコンベアの走行速度を遅くする。したがって、このコンベアと同期して、すなわち同速で前進するシールヘッドの前進速度も変える必要がある。又、通常、シールヘッドの昇降は、該シールヘッドの前進工程の開始時(増速時)と終了時(減速時)に、短時間ではあるが該シールヘッドの前進と重複して行なわれるので、この昇降に要する速度も比例的に遅くする。そして、このシールヘッドの降下後で上昇前の間で長く変更設定された一定速度期間にシールがなされる。これに対し、シールヘッドの後退速度は変更する必要はない。勿論、この後退速度は速度を既設定の速度よりも早めるように変更設定することも可能であり、シールヘッドの昇降速度についても同様である。これは、1サイクル時間をどう設定するかにより決まる。本発明では、このように、シール時間の変更を要するときには、走行コンベア駆動手段と、シールヘッドを支持する可動体のための可動体前後移動駆動手段と、可動体昇降駆動手段とを、それぞれ別個に制御する。したがって、シール条件に応じてシール時間を長く変更設定してシール性能を向上させても、上記可動体の後退にかかる時間が長くならずに次々と容器に対してシール動作できるので、サイクル時間全体としてはあまり長くならず、装置の能率の低下を最小限に抑えられる。
【0013】
また、各駆動手段として例えばサーボモータを用いると、簡単そして正確に制御できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に関して、添付図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本実施形態装置の概略構成を示す図である。
【0016】
本実施形態装置は、図1に示すように、上方に開口せるトレー状の複数の容器Pを図1の左方向へ順次搬送する走行コンベア1と、容器に対しての蓋部材となる連続フィルムFを上記容器Pに供給するフィルム供給装置2と、シールヘッド3Aが後述のいわゆるボックスモーションを行って上記フィルムFを上記容器Pに溶着シールするシール機構3と、上記走行コンベア1、上記フィルム供給装置2、上記シール機構3の駆動制御のための制御装置4とを備えている。後に詳述するが、上記走行コンベア1、上記フィルム供給装置2、上記シール機構3は、それぞれサーボモータ1B、サーボモータ2C、サーボモータ3C1,3C2から別個に駆動力を受けるようになっている。そして、上記制御装置4は、これも後に詳述するが、これらのサーボモータ1B,2C,3C1,3C2を独立して駆動制御するようになっている。以下、上記走行コンベア1、上記フィルム供給装置2、上記シール機構3、上記制御装置4を順に説明する。
【0017】
上記走行コンベア1は、上方に開口する容器Pを図1で左方向へ搬送するためのコンベアチェーン1Aを有している。該コンベアチェーン1Aは、上記容器Pを収容するポケットが形成された支持部1A1を搬送方向に所定間隔ごとに複数取り付けられており、各支持部1A1は、上記ポケットに収容された容器Pの開口縁部に張出し形成された容器のフランジ部P1の下面で該容器Pを支持している。また、上記支持部1A1は、容器Pの搬送範囲にわたって固定配置されたガイドレール(図示せず)によって該ガイドレールに対し摺動移動可能に下方から支持されている。この支持部1A1は、シール時に下降する上記シールヘッド3Aで圧せられる上記フランジ部P1と上記フィルムFとを下方から支持する。上記支持部1A1にて容器Pを搬送方向にて定間隔で複数支持する上記コンベアチェーン1Aは、サーボモータ1B(コンベア駆動手段)によってスプロケット等を介して駆動されて、上記容器Pを図1の左方向に設定速度で搬送するようになっている。
【0018】
上記フィルム供給装置2は、上記走行コンベア1上の未シールの上記容器P上にフィルムFを供給するために、送りローラ2Aと、変向ローラ2Bとを有している。上記送りローラ2Aは帯状のフィルムFを挟持搬送して該フィルムFを送り出すよう一対のローラから成っている。上記変更ローラ2Bは、上記一対の送りローラ2Aによって所定速度で送出される上記フィルムFが上記走行コンベア1上の上記容器P上に接面位置するように搬送方向を図1にて左方に変向する。上記送りローラ2Aは、互いに平行な軸線をもって圧接回転可能な一対のローラから成り、その一方のローラがサーボモータ2C(フィルム送出し用駆動手段)によって回転駆動されるようになっている。
【0019】
上記シール機構3は、上記フィルムFを上記容器Pのフランジ部P1へ加熱溶着のために加熱するシールヘッド3Aと、該シールヘッド3Aを保持し該シールヘッド3Aを後述のいわゆるボックスモーションさせる可動体3Bとを備えている。上記シールヘッド3Aは、下面が、上記容器Pのフランジ部P1の面に対応した形状をなし上記フィルムFを溶着可能な温度に加熱する加熱面3A1を形成している。このようなシールヘッド3Aを保持する上記可動体3Bは、サーボモータ3C1(可動体昇降駆動手段)の駆動力により上下動し、サーボモータ(可動体前後駆動手段)3C2の駆動力により前後動するような機構を介して駆動を受ける。
【0020】
上記ボックスモーションは、概略的に説明すると、図1に示すように、該可動体3Bの任意点、例えば該可動体3Bの中心が、原位置たる位置X0から位置X1へ下降し、位置X1から位置X2へ前進し、位置X2から位置X3へ上昇し、位置X3から位置X0へ後退することとした動作を言う。このボックスモーションにおいて、上記サーボモータ3C1の駆動力により上記可動体3Bが位置X0から位置X1へ下降すると、上記シールヘッド3Aが、上述の図示しないガイドレールによって支えられた上記支持部1A1との間で、フィルムFと容器Pのフランジ部P1とを挟圧し、その時点で加熱を開始する。その加熱挟圧が維持されたまま、上記サーボモータ3C2の駆動力により上記可動体3Bが位置X1から位置X2へ前進し、その間にシールヘッド3Aの加熱面3A1が上記フィルムFを上記容器Pのフランジ部P1に対して加熱してシールする。次に、上記サーボモータ3C1の駆動力により上記可動体3Bが位置X2から位置X3へ上昇することによって、上記シールヘッド3AとフィルムFとが離間して、上記挟圧が解除される。この時点で、上記シールは完了しており、上記シールヘッド3Aと上記フィルムFとが離間した状態で、上記サーボモータ3C2の駆動力により上記可動体3Bが位置3から位置X0へ後述のごとく早戻りで後退して原位置に戻り、上記シールヘッド3Aは次の容器に対するシール動作に備える。
【0021】
上記ボックスモーションの説明は、このボックスモーションの原理に関するものであり、実際には、コンベアが連続走行していること等に起因して、上記の各位置X0,X1,X2,X3近傍では、各位置に対する前後での動作が重ねて行なわれており、連続する各動作が円滑に次の動作へ移行するようになっている。したがって、図示のボックスモーションは各位置X0,X1,X2,X3近傍では直角に変向せずに曲線部を形成するように変向する。例えば、シールヘッド3Aの昇降は、該シールヘッド3Aの前進工程の開始時(増速時)と終了時(減速時)に、短時間ではあるが該シールヘッド3Aの前進と重複して行なわれる。そして、このシールヘッドの降下後で上昇前の間の一定速度期間にシールがなされる。
【0022】
上述の走行コンベア1、フィルム供給装置2、シール機構3の各駆動手段たるサーボモータ1B,2C,3C1,3C2を駆動制御する上記制御装置4は、上述の上記サーボモータ1B,2C,3C1,3C2の制御をそれぞれ独立して行うようになっている。以下、上記制御装置4による各サーボモータ1B,2C,3C1,3C2の制御を順に説明する。
【0023】
上記サーボモータ1Bの制御に関して、上記制御装置4は、例えば、サーボモータ1Bによって、上記走行コンベア1の搬送速度を任意の設定値に変更そして設定できるようになっている。この場合、搬送速度を検出する図示しないコンベア搬送速度検出手段によって検出された速度が設定値となるように、上記サーボモータ1Bを制御するようになっていてもよい。すなわち、上記制御装置4は、容器の搬送条件の変更等の必要に応じて上記走行コンベア1の搬送速度を変更できる。つまり、容器の形態、内容物の収容状況等によって最適な搬送速度が異なり、最適速度に設定される。
【0024】
上記サーボモータ2Cの制御に関して、上記制御装置4は、フィルムFのシール済みの先行容器Pによって引かれて該容器Pと共に移動するフィルムFの所定量の送りを上記送りローラ2Aで行なうように、上記サーボモータ2Cを制御する。
【0025】
通常、フィルムFにはマークや図柄等(以下「マーク」という)が印刷されており、このマークが容器の所定部位と一定した位置関係を維持するように設定される。しかし、フィルムの延伸性そしてマークの印刷位置誤差、あるいはコンベアチェーンの伸び等により上記位置関係が必ずしも維持されなくなることがある。そこで、フィルムFは、搬送される隣接の二つの容器の間隔に対してフィルムのマークの間隔が長目となるように印刷がなされており、フィルムのマーク検出手段(図示せず)によりマークを検出して、容器との対応位置関係を維持できる量だけ上記ローラ2AでフィルムFを送り出す。先行する容器はすでに所定対応位置関係でフィルムが溶着されているので、この先行容器と後続容器との間で、例えばばね等により弾圧される部材5によってフィルムを下方に圧してフィルムの長目の分だけ弛み部分とすることで、後続容器より後方のフィルム部分に張力を与えてフィルムを前方へ引いて、その結果、フィルムFのマークは後続容器の所定対応位置にくるようになる。かくして、フィルムFは所定位置でのシールが可能となる。
【0026】
上記サーボモータ3C1の制御に関して、上記制御装置4は、上記可動体3Bの上下動速度が任意の設定値に変更設定できるようになっている。本実施形態では、上記走行コンベア1の搬送速度に係らず必要に応じて上記可動体3Bの上下動速度を変更できる。この制御において、上記制御装置4は、例えば上述の支持部検出手段によって検出された位置に基づき、シールヘッド3Aが下降した時に該シールヘッド3Aの加熱面3A1がコンベアの搬送方向で上記走行コンベア1の支持部1A1と位置が一致するようなタイミングで、上記サーボモータ3C1を駆動制御することができる。これにより、上述のごとくのチェーンの伸びによって各支持部1A1間のピッチが長くなってしまった場合においても、シールヘッド3Aの加熱面3A1が、上記コンベアチェーン1Aの支持部1A1に一致、即ち容器Pのフランジ部P1に一致する。
【0027】
上記サーボモータ3C2の制御に関して、上記シールヘッド3Aの前進時には、上記制御装置4は、上記シールヘッド3Aの前進速度あるいは前進時間長をサーボモータ3C2により変更設定あるいは制御するようになっている。例えば、コンベアの搬送速度を変えてシール時間長を変更設定したときに、これに同期するように上記シールヘッド3Aの前進速度をも変更することが可能であり、あるいはコンベアの搬送速度を変更せずにシールヘッドの同期前進距離を変更することも可能である。すなわち、上述の走行コンベア1の搬送速度の設定値変更に応じてシールヘッド3Aの前進速度も変更したり、あるいは、コンベアの搬送速度を変えずにシール時間長を変更するように、上記サーボモータ3C2が制御される。
【0028】
また、上記シールヘッド3Aの後退時には、上述のごとく必要に応じてシール時間を長く変更設定しても、上記制御装置4は、上記シールヘッド3Aがシール中の前進速度に係らず早戻りするように、上記サーボモータ3C2を制御するように設定できる。その結果、上記シールヘッド3Aが後退時に素早く原位置へ戻るように設定できるので、ボックスモーションの一サイクルに要する時間をあまり長くすることがなく、シール動作能率は殆んど低下しない。
【0029】
次に、本実施形態装置の作動について説明する。
【0030】
▲1▼ 先ず、走行コンベア1の搬送速度が諸シール条件に対応して設定値となるようにサーボモータ1Bが制御装置4によって駆動制御され、走行コンベア1上の容器Pが、上記制御装置4で設定された速度で前方へ(図1にて左方向へ)搬送される。上記設定値は、容器の形態や内容物の充填状況に応じて最適な搬送速度に設定される。又、シール条件によって長いシール時間を要する場合にはコンベアの搬送速度が小さく設定され、短いシール時間で済む場合には上記搬送速度は大きく設定される。
【0031】
▲2▼ 一方、送りローラ2AがフィルムFを所定量だけ送り出すようにサーボモータ2Cが制御装置4によって駆動制御される。上記フィルムFは、フィルムFのシールが済んだ先行容器Pによって前方へ引き出される。該フィルムFにマークが施されている場合には、このマーク位置を検出して、上記フィルムF上のマークの位置が容器Pと所定位置関係をとるように、上記送りローラ2AによってフィルムFが容器Pへ向け送り出される。
【0032】
▲3▼ サーボモータ3C1が上記制御装置4によって駆動制御され、シールヘッド3Aの加熱面3A1が上記容器Pのフランジ部P1と一致するタイミングで降下する。すなわち、上記シールヘッド3Aを支持する可動体3Bが既述のボックスモーションを行なって、位置X0から位置X1へ下降する。該可動体3Bが下降すると、上記シールヘッド3Aが、ガイドレール(図示せず)に支えられた支持部1A1との間で、フィルムFと容器Pのフランジ部P1とを挟圧して上記加熱面3A1によって加熱してフィルムのシールを開始する。
【0033】
▲4▼ 上述のようにフィルムF及びフランジ部P1がシールヘッド3Aの加熱面3A1によって加熱された状態で、サーボモータ3C2が制御装置4によって駆動制御されて、可動体3Bが位置X1から位置X2へ走行コンベア1及びフィルムFと同方向に同速度で前進する。このように上記可動体3Bが前進している間、可動体3Bとともに前進するシールヘッド3Aの加熱面3A1によってフィルムF及び容器Pは加熱され続け、加熱面3A1からフィルムF及び容器Pへシールに必要十分な熱が伝達される。かくして、フィルムF及び容器Pは、上記シールヘッド3Aの加熱面3A1からの熱により溶着される。
【0034】
▲5▼ 可動体3Bが位置X2に達した後、サーボモータ3C1が制御装置4によって駆動制御されて、速やかに、上記可動体3Bが位置X2から位置X3に上昇する。このように可動体3Bが上昇するとき、該可動体3Bに支持された上記シールヘッド3Aと上記走行コンベア1のコンベアチェーン1Aの支持部1A1との間の挟圧が解除される。該挟圧が解除されると、上述のごとく溶着された上記フィルムF及び上記容器Pのシール部分は、大気によって冷却されて、その溶着部位が凝固して、シールが完了する。
【0035】
▲6▼ 可動体3Bが位置X3に達した後には、上記サーボモータ3C2が上記制御装置4によって駆動制御されて、上記可動体3Bが位置X3から位置X0へ速やかに後退して原位置に戻り、シールヘッド3Aは次の容器のシール動作に備える。なお、上述のシールヘッド3Aのボックスモーションは、実際には、既述のごとく昇降動作が前進の開始そして終了の時に、短時間であるが前進と重複されている。
【0036】
以上▲1▼〜▲6▼のごとく、走行コンベア1、フィルム供給装置2、シール機構3は、それぞれサーボモータ1B、サーボモータ2C、サーボモータ3C1,3C2の各駆動手段の駆動力を受けて別個に駆動を受け、そしてこれらサーボモータ1B,2C,3C1,3C2は上記制御装置4によって独立して制御される。したがって、使用フィルムの変更等により最適シール時間が変わってしまったときには、コンベアの搬送速度をサーボモータ1Bで変更設定すると共に、これに併せてシールヘッド3Aの前進速度をサーボモータ3C2で変えることによりシール時間を変更する。特に、サーボモータ3C2は制御装置4によりシールヘッド3Aの前進時と後退時とが独立して駆動制御可能なので、シールヘッド3Aの前進時についてのみが変更される。また、コンベアチェーン1Aに伸びが生じて各支持部1A1間のピッチが長くなってしまった場合には、例えば、シールヘッド3A、支持部1A1、フィルムFのマークがそれぞれ所定位置関係を維持するように、サーボモータ1B,3C2,2Cの駆動を個々に変更する。このようなサーボモータの駆動が変更された後、本実施形態装置は上述の▲1▼〜▲5▼と同様の動作を繰り返してシール動作を行なう。
【0037】
又、本発明では、コンベア搬送速度を諸条件に応じて変更することもできるが、その際に、フィルム送出し駆動手段も別途独立して制御可能としておけば、他の駆動手段の駆動条件と係りなく上記コンベア搬送速度に追従するように制御できる。さらには、コンベア搬送速度が変動してしまってもこれに追従可能となる。
【0038】
なお、本実施形態では走行コンベアとしてチェーンコンベアを用いたが、ベルトコンベア等の他のコンベアにも本発明は適用できる。
【0039】
また、シール機構のための駆動手段としては、上述のサーボモータに限られず、例えば、シリンダあるいは他の往復可変速機構等の速度制御可能な他の機構でもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、シールヘッドを支持する可動体の前進・後退のための可動体前後移動駆動手段を、他の駆動手段と別個なものとし独立して制御可能としたので、シール時間の変更を要求されたとき、他の駆動手段とは別途に変更が可能となり、装置の能率をあまり低下させることなくシール性能を向上させることができるし、又、他部位との位置関係や速度関係を自由に調整できる。さらには、上記可動体前後移動駆動手段を、可動体の前進時と後退時とで独立して設定させることもでき、その場合には、シール時間を長くしたいときに前進速度のみを小さくして、後退速度を低下させることなく原速度に維持もしくは早くすることができ、シール性能の向上を図りつつも装置の能率低下をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 走行コンベア
1B サーボモータ(走行コンベア駆動手段)
2 フィルム供給装置
2C サーボモータ(フィルム送出し用駆動手段)
3A シールヘッド
3B 可動体
3C1 サーボモータ(可動体昇降駆動手段)
3C2 サーボモータ(可動体前後移動駆動手段)
4 制御装置(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明の容器シール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内容物が充填された容器、例えば上方に開口せるプラスチックトレイは走行せるコンベアで前方へ搬送されている間に、開口縁部上にフィルムが供給され、これがシールヘッドによって開口縁部と溶着シールされる。
【0003】
上記フィルムは送出し装置によりコンベアの走行速度と前方へ同速で送り出される。シールヘッドは、いわゆるボックスモーションを行って、下降、前進、上昇、後退を順次繰り返し、下降時にシール開始、前進時にコンベアと同期して走行して所定時間のシール状態維持、上昇時にシール状態から解放、そして後退時に原位置への早戻り復帰移動を行う。
【0004】
このようなシールヘッドの動作は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1では、シールヘッドはカム及びリンク機構を用いて、シールヘッドの前後方向(X方向)と上下方向(Y方向)の複合動作を行わしめている(特許文献1、段落[0027]、図1、図4)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−245904(段落[0027]、図1、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記カムを用いたシールヘッドの速度設定は、通常、前進時が後退時よりも速度が遅く、すなわち、シール時間を長くそして原位置への戻り時間そして昇降に要する時間をシール時間に比して短くして、長いシール時間で有効にシールを行ないかつサイクル時間が短い高能率なものとするように、それらの時間比を定めている。
【0007】
上記前進に要する時間は後進のための時間等に対して一定比で設定されるので、シール条件、例えば容器やフィルムの材料等の変更によって、シール時間、すなわち、前進時間を長くしたいときには、後退時間や昇降時間もこれに比例して長くなり、サイクル時間が長くなって能率が低下することとなる。
【0008】
又、上記カムは走行コンベアの容器支持位置と同期させてフィルムを送る関係で上記走行コンベアとフィルムを連動せしめていることもある。走行コンベア、例えばチェーンコンベアは、長期使用時にはチェーン要素の各連結部分での摩耗等により搬送方向に伸びを生じ、同方向に所定ピッチで複数の容器を支持していた該ピッチが増大することがある。これは、フィルムとの関係で位置がずれて同期がとれなくなる。フィルムが模様等の印刷が施されていて図柄合せをしているときには、容器とのずれが出てきわめて具合が悪い。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑み、シール時間を長くしても装置の能率の低下を最小限に抑えて、最適シール時間を確保でき、フィルムとの関係でもずれに対応できる容器シール装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る容器シール装置は、走行コンベアに支持されて前方へ搬送される容器へフィルム供給装置から蓋部材としてのフィルムを送り出してこれを容器の開口縁部で溶着シールするようになっている。そして、走行コンベアに対して上方位置に設けられた可動体にシールヘッドが支持され、該可動体は、前後そして上下に駆動を受けて移動可能であり下降時に走行コンベアの支持部とシールヘッドとで容器及びフィルムを挟圧して溶着シールを開始して前進時にこのシール状態を維持し、所定時間シール状態を維持した後に上昇してシールヘッドをシール済容器から離間すると共に原位置へ後退するようになっている。
【0011】
かかる容器シール装置において、本発明では、走行コンベア駆動手段と、可動体昇降駆動手段と、可動体前後移動駆動手段とが別個の駆動手段として設けられ、それぞれの駆動手段が独立して制御可能となっていることを特徴としている。又、フィルム送出し用駆動手段も、上記諸手段とは別個の独立した駆動手段によって駆動されるようになっていてもよい。
【0012】
このような構成の本発明にあっては、可動体前後移動駆動手段を他の駆動手段とは独立に制御する。したがって、上記他の駆動手段に係りなくシールヘッドの前進に関する設定を変えることによりシール時間を変更できる。例えば、すでに設定されているシール時間を長く変更設定したいとき、走行コンベア駆動手段を制御してコンベアの走行速度を遅くする。したがって、このコンベアと同期して、すなわち同速で前進するシールヘッドの前進速度も変える必要がある。又、通常、シールヘッドの昇降は、該シールヘッドの前進工程の開始時(増速時)と終了時(減速時)に、短時間ではあるが該シールヘッドの前進と重複して行なわれるので、この昇降に要する速度も比例的に遅くする。そして、このシールヘッドの降下後で上昇前の間で長く変更設定された一定速度期間にシールがなされる。これに対し、シールヘッドの後退速度は変更する必要はない。勿論、この後退速度は速度を既設定の速度よりも早めるように変更設定することも可能であり、シールヘッドの昇降速度についても同様である。これは、1サイクル時間をどう設定するかにより決まる。本発明では、このように、シール時間の変更を要するときには、走行コンベア駆動手段と、シールヘッドを支持する可動体のための可動体前後移動駆動手段と、可動体昇降駆動手段とを、それぞれ別個に制御する。したがって、シール条件に応じてシール時間を長く変更設定してシール性能を向上させても、上記可動体の後退にかかる時間が長くならずに次々と容器に対してシール動作できるので、サイクル時間全体としてはあまり長くならず、装置の能率の低下を最小限に抑えられる。
【0013】
また、各駆動手段として例えばサーボモータを用いると、簡単そして正確に制御できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に関して、添付図面に基づき説明する。
【0015】
図1は、本実施形態装置の概略構成を示す図である。
【0016】
本実施形態装置は、図1に示すように、上方に開口せるトレー状の複数の容器Pを図1の左方向へ順次搬送する走行コンベア1と、容器に対しての蓋部材となる連続フィルムFを上記容器Pに供給するフィルム供給装置2と、シールヘッド3Aが後述のいわゆるボックスモーションを行って上記フィルムFを上記容器Pに溶着シールするシール機構3と、上記走行コンベア1、上記フィルム供給装置2、上記シール機構3の駆動制御のための制御装置4とを備えている。後に詳述するが、上記走行コンベア1、上記フィルム供給装置2、上記シール機構3は、それぞれサーボモータ1B、サーボモータ2C、サーボモータ3C1,3C2から別個に駆動力を受けるようになっている。そして、上記制御装置4は、これも後に詳述するが、これらのサーボモータ1B,2C,3C1,3C2を独立して駆動制御するようになっている。以下、上記走行コンベア1、上記フィルム供給装置2、上記シール機構3、上記制御装置4を順に説明する。
【0017】
上記走行コンベア1は、上方に開口する容器Pを図1で左方向へ搬送するためのコンベアチェーン1Aを有している。該コンベアチェーン1Aは、上記容器Pを収容するポケットが形成された支持部1A1を搬送方向に所定間隔ごとに複数取り付けられており、各支持部1A1は、上記ポケットに収容された容器Pの開口縁部に張出し形成された容器のフランジ部P1の下面で該容器Pを支持している。また、上記支持部1A1は、容器Pの搬送範囲にわたって固定配置されたガイドレール(図示せず)によって該ガイドレールに対し摺動移動可能に下方から支持されている。この支持部1A1は、シール時に下降する上記シールヘッド3Aで圧せられる上記フランジ部P1と上記フィルムFとを下方から支持する。上記支持部1A1にて容器Pを搬送方向にて定間隔で複数支持する上記コンベアチェーン1Aは、サーボモータ1B(コンベア駆動手段)によってスプロケット等を介して駆動されて、上記容器Pを図1の左方向に設定速度で搬送するようになっている。
【0018】
上記フィルム供給装置2は、上記走行コンベア1上の未シールの上記容器P上にフィルムFを供給するために、送りローラ2Aと、変向ローラ2Bとを有している。上記送りローラ2Aは帯状のフィルムFを挟持搬送して該フィルムFを送り出すよう一対のローラから成っている。上記変更ローラ2Bは、上記一対の送りローラ2Aによって所定速度で送出される上記フィルムFが上記走行コンベア1上の上記容器P上に接面位置するように搬送方向を図1にて左方に変向する。上記送りローラ2Aは、互いに平行な軸線をもって圧接回転可能な一対のローラから成り、その一方のローラがサーボモータ2C(フィルム送出し用駆動手段)によって回転駆動されるようになっている。
【0019】
上記シール機構3は、上記フィルムFを上記容器Pのフランジ部P1へ加熱溶着のために加熱するシールヘッド3Aと、該シールヘッド3Aを保持し該シールヘッド3Aを後述のいわゆるボックスモーションさせる可動体3Bとを備えている。上記シールヘッド3Aは、下面が、上記容器Pのフランジ部P1の面に対応した形状をなし上記フィルムFを溶着可能な温度に加熱する加熱面3A1を形成している。このようなシールヘッド3Aを保持する上記可動体3Bは、サーボモータ3C1(可動体昇降駆動手段)の駆動力により上下動し、サーボモータ(可動体前後駆動手段)3C2の駆動力により前後動するような機構を介して駆動を受ける。
【0020】
上記ボックスモーションは、概略的に説明すると、図1に示すように、該可動体3Bの任意点、例えば該可動体3Bの中心が、原位置たる位置X0から位置X1へ下降し、位置X1から位置X2へ前進し、位置X2から位置X3へ上昇し、位置X3から位置X0へ後退することとした動作を言う。このボックスモーションにおいて、上記サーボモータ3C1の駆動力により上記可動体3Bが位置X0から位置X1へ下降すると、上記シールヘッド3Aが、上述の図示しないガイドレールによって支えられた上記支持部1A1との間で、フィルムFと容器Pのフランジ部P1とを挟圧し、その時点で加熱を開始する。その加熱挟圧が維持されたまま、上記サーボモータ3C2の駆動力により上記可動体3Bが位置X1から位置X2へ前進し、その間にシールヘッド3Aの加熱面3A1が上記フィルムFを上記容器Pのフランジ部P1に対して加熱してシールする。次に、上記サーボモータ3C1の駆動力により上記可動体3Bが位置X2から位置X3へ上昇することによって、上記シールヘッド3AとフィルムFとが離間して、上記挟圧が解除される。この時点で、上記シールは完了しており、上記シールヘッド3Aと上記フィルムFとが離間した状態で、上記サーボモータ3C2の駆動力により上記可動体3Bが位置3から位置X0へ後述のごとく早戻りで後退して原位置に戻り、上記シールヘッド3Aは次の容器に対するシール動作に備える。
【0021】
上記ボックスモーションの説明は、このボックスモーションの原理に関するものであり、実際には、コンベアが連続走行していること等に起因して、上記の各位置X0,X1,X2,X3近傍では、各位置に対する前後での動作が重ねて行なわれており、連続する各動作が円滑に次の動作へ移行するようになっている。したがって、図示のボックスモーションは各位置X0,X1,X2,X3近傍では直角に変向せずに曲線部を形成するように変向する。例えば、シールヘッド3Aの昇降は、該シールヘッド3Aの前進工程の開始時(増速時)と終了時(減速時)に、短時間ではあるが該シールヘッド3Aの前進と重複して行なわれる。そして、このシールヘッドの降下後で上昇前の間の一定速度期間にシールがなされる。
【0022】
上述の走行コンベア1、フィルム供給装置2、シール機構3の各駆動手段たるサーボモータ1B,2C,3C1,3C2を駆動制御する上記制御装置4は、上述の上記サーボモータ1B,2C,3C1,3C2の制御をそれぞれ独立して行うようになっている。以下、上記制御装置4による各サーボモータ1B,2C,3C1,3C2の制御を順に説明する。
【0023】
上記サーボモータ1Bの制御に関して、上記制御装置4は、例えば、サーボモータ1Bによって、上記走行コンベア1の搬送速度を任意の設定値に変更そして設定できるようになっている。この場合、搬送速度を検出する図示しないコンベア搬送速度検出手段によって検出された速度が設定値となるように、上記サーボモータ1Bを制御するようになっていてもよい。すなわち、上記制御装置4は、容器の搬送条件の変更等の必要に応じて上記走行コンベア1の搬送速度を変更できる。つまり、容器の形態、内容物の収容状況等によって最適な搬送速度が異なり、最適速度に設定される。
【0024】
上記サーボモータ2Cの制御に関して、上記制御装置4は、フィルムFのシール済みの先行容器Pによって引かれて該容器Pと共に移動するフィルムFの所定量の送りを上記送りローラ2Aで行なうように、上記サーボモータ2Cを制御する。
【0025】
通常、フィルムFにはマークや図柄等(以下「マーク」という)が印刷されており、このマークが容器の所定部位と一定した位置関係を維持するように設定される。しかし、フィルムの延伸性そしてマークの印刷位置誤差、あるいはコンベアチェーンの伸び等により上記位置関係が必ずしも維持されなくなることがある。そこで、フィルムFは、搬送される隣接の二つの容器の間隔に対してフィルムのマークの間隔が長目となるように印刷がなされており、フィルムのマーク検出手段(図示せず)によりマークを検出して、容器との対応位置関係を維持できる量だけ上記ローラ2AでフィルムFを送り出す。先行する容器はすでに所定対応位置関係でフィルムが溶着されているので、この先行容器と後続容器との間で、例えばばね等により弾圧される部材5によってフィルムを下方に圧してフィルムの長目の分だけ弛み部分とすることで、後続容器より後方のフィルム部分に張力を与えてフィルムを前方へ引いて、その結果、フィルムFのマークは後続容器の所定対応位置にくるようになる。かくして、フィルムFは所定位置でのシールが可能となる。
【0026】
上記サーボモータ3C1の制御に関して、上記制御装置4は、上記可動体3Bの上下動速度が任意の設定値に変更設定できるようになっている。本実施形態では、上記走行コンベア1の搬送速度に係らず必要に応じて上記可動体3Bの上下動速度を変更できる。この制御において、上記制御装置4は、例えば上述の支持部検出手段によって検出された位置に基づき、シールヘッド3Aが下降した時に該シールヘッド3Aの加熱面3A1がコンベアの搬送方向で上記走行コンベア1の支持部1A1と位置が一致するようなタイミングで、上記サーボモータ3C1を駆動制御することができる。これにより、上述のごとくのチェーンの伸びによって各支持部1A1間のピッチが長くなってしまった場合においても、シールヘッド3Aの加熱面3A1が、上記コンベアチェーン1Aの支持部1A1に一致、即ち容器Pのフランジ部P1に一致する。
【0027】
上記サーボモータ3C2の制御に関して、上記シールヘッド3Aの前進時には、上記制御装置4は、上記シールヘッド3Aの前進速度あるいは前進時間長をサーボモータ3C2により変更設定あるいは制御するようになっている。例えば、コンベアの搬送速度を変えてシール時間長を変更設定したときに、これに同期するように上記シールヘッド3Aの前進速度をも変更することが可能であり、あるいはコンベアの搬送速度を変更せずにシールヘッドの同期前進距離を変更することも可能である。すなわち、上述の走行コンベア1の搬送速度の設定値変更に応じてシールヘッド3Aの前進速度も変更したり、あるいは、コンベアの搬送速度を変えずにシール時間長を変更するように、上記サーボモータ3C2が制御される。
【0028】
また、上記シールヘッド3Aの後退時には、上述のごとく必要に応じてシール時間を長く変更設定しても、上記制御装置4は、上記シールヘッド3Aがシール中の前進速度に係らず早戻りするように、上記サーボモータ3C2を制御するように設定できる。その結果、上記シールヘッド3Aが後退時に素早く原位置へ戻るように設定できるので、ボックスモーションの一サイクルに要する時間をあまり長くすることがなく、シール動作能率は殆んど低下しない。
【0029】
次に、本実施形態装置の作動について説明する。
【0030】
▲1▼ 先ず、走行コンベア1の搬送速度が諸シール条件に対応して設定値となるようにサーボモータ1Bが制御装置4によって駆動制御され、走行コンベア1上の容器Pが、上記制御装置4で設定された速度で前方へ(図1にて左方向へ)搬送される。上記設定値は、容器の形態や内容物の充填状況に応じて最適な搬送速度に設定される。又、シール条件によって長いシール時間を要する場合にはコンベアの搬送速度が小さく設定され、短いシール時間で済む場合には上記搬送速度は大きく設定される。
【0031】
▲2▼ 一方、送りローラ2AがフィルムFを所定量だけ送り出すようにサーボモータ2Cが制御装置4によって駆動制御される。上記フィルムFは、フィルムFのシールが済んだ先行容器Pによって前方へ引き出される。該フィルムFにマークが施されている場合には、このマーク位置を検出して、上記フィルムF上のマークの位置が容器Pと所定位置関係をとるように、上記送りローラ2AによってフィルムFが容器Pへ向け送り出される。
【0032】
▲3▼ サーボモータ3C1が上記制御装置4によって駆動制御され、シールヘッド3Aの加熱面3A1が上記容器Pのフランジ部P1と一致するタイミングで降下する。すなわち、上記シールヘッド3Aを支持する可動体3Bが既述のボックスモーションを行なって、位置X0から位置X1へ下降する。該可動体3Bが下降すると、上記シールヘッド3Aが、ガイドレール(図示せず)に支えられた支持部1A1との間で、フィルムFと容器Pのフランジ部P1とを挟圧して上記加熱面3A1によって加熱してフィルムのシールを開始する。
【0033】
▲4▼ 上述のようにフィルムF及びフランジ部P1がシールヘッド3Aの加熱面3A1によって加熱された状態で、サーボモータ3C2が制御装置4によって駆動制御されて、可動体3Bが位置X1から位置X2へ走行コンベア1及びフィルムFと同方向に同速度で前進する。このように上記可動体3Bが前進している間、可動体3Bとともに前進するシールヘッド3Aの加熱面3A1によってフィルムF及び容器Pは加熱され続け、加熱面3A1からフィルムF及び容器Pへシールに必要十分な熱が伝達される。かくして、フィルムF及び容器Pは、上記シールヘッド3Aの加熱面3A1からの熱により溶着される。
【0034】
▲5▼ 可動体3Bが位置X2に達した後、サーボモータ3C1が制御装置4によって駆動制御されて、速やかに、上記可動体3Bが位置X2から位置X3に上昇する。このように可動体3Bが上昇するとき、該可動体3Bに支持された上記シールヘッド3Aと上記走行コンベア1のコンベアチェーン1Aの支持部1A1との間の挟圧が解除される。該挟圧が解除されると、上述のごとく溶着された上記フィルムF及び上記容器Pのシール部分は、大気によって冷却されて、その溶着部位が凝固して、シールが完了する。
【0035】
▲6▼ 可動体3Bが位置X3に達した後には、上記サーボモータ3C2が上記制御装置4によって駆動制御されて、上記可動体3Bが位置X3から位置X0へ速やかに後退して原位置に戻り、シールヘッド3Aは次の容器のシール動作に備える。なお、上述のシールヘッド3Aのボックスモーションは、実際には、既述のごとく昇降動作が前進の開始そして終了の時に、短時間であるが前進と重複されている。
【0036】
以上▲1▼〜▲6▼のごとく、走行コンベア1、フィルム供給装置2、シール機構3は、それぞれサーボモータ1B、サーボモータ2C、サーボモータ3C1,3C2の各駆動手段の駆動力を受けて別個に駆動を受け、そしてこれらサーボモータ1B,2C,3C1,3C2は上記制御装置4によって独立して制御される。したがって、使用フィルムの変更等により最適シール時間が変わってしまったときには、コンベアの搬送速度をサーボモータ1Bで変更設定すると共に、これに併せてシールヘッド3Aの前進速度をサーボモータ3C2で変えることによりシール時間を変更する。特に、サーボモータ3C2は制御装置4によりシールヘッド3Aの前進時と後退時とが独立して駆動制御可能なので、シールヘッド3Aの前進時についてのみが変更される。また、コンベアチェーン1Aに伸びが生じて各支持部1A1間のピッチが長くなってしまった場合には、例えば、シールヘッド3A、支持部1A1、フィルムFのマークがそれぞれ所定位置関係を維持するように、サーボモータ1B,3C2,2Cの駆動を個々に変更する。このようなサーボモータの駆動が変更された後、本実施形態装置は上述の▲1▼〜▲5▼と同様の動作を繰り返してシール動作を行なう。
【0037】
又、本発明では、コンベア搬送速度を諸条件に応じて変更することもできるが、その際に、フィルム送出し駆動手段も別途独立して制御可能としておけば、他の駆動手段の駆動条件と係りなく上記コンベア搬送速度に追従するように制御できる。さらには、コンベア搬送速度が変動してしまってもこれに追従可能となる。
【0038】
なお、本実施形態では走行コンベアとしてチェーンコンベアを用いたが、ベルトコンベア等の他のコンベアにも本発明は適用できる。
【0039】
また、シール機構のための駆動手段としては、上述のサーボモータに限られず、例えば、シリンダあるいは他の往復可変速機構等の速度制御可能な他の機構でもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、シールヘッドを支持する可動体の前進・後退のための可動体前後移動駆動手段を、他の駆動手段と別個なものとし独立して制御可能としたので、シール時間の変更を要求されたとき、他の駆動手段とは別途に変更が可能となり、装置の能率をあまり低下させることなくシール性能を向上させることができるし、又、他部位との位置関係や速度関係を自由に調整できる。さらには、上記可動体前後移動駆動手段を、可動体の前進時と後退時とで独立して設定させることもでき、その場合には、シール時間を長くしたいときに前進速度のみを小さくして、後退速度を低下させることなく原速度に維持もしくは早くすることができ、シール性能の向上を図りつつも装置の能率低下をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 走行コンベア
1B サーボモータ(走行コンベア駆動手段)
2 フィルム供給装置
2C サーボモータ(フィルム送出し用駆動手段)
3A シールヘッド
3B 可動体
3C1 サーボモータ(可動体昇降駆動手段)
3C2 サーボモータ(可動体前後移動駆動手段)
4 制御装置(制御手段)
Claims (4)
- 走行コンベアに支持されて前方へ搬送される容器へフィルム供給装置から蓋部材としてのフィルムを送り出してこれを容器の開口縁部で溶着シールする容器シール装置であって、走行コンベアに対して上方位置に設けられた可動体にシールヘッドが支持され、該可動体は、前後そして上下に駆動を受けて移動可能であり下降時に走行コンベアの支持部とシールヘッドとで容器及びフィルムを挟圧して溶着シールを開始して前進時にこのシール状態を維持し、所定時間シール状態を維持した後に上昇してシールヘッドをシール済容器から離間すると共に原位置へ後退するようになっている容器シール装置において、走行コンベア駆動手段と、可動体昇降駆動手段と、可動体前後移動駆動手段と、フィルム送出し用駆動手段とが別個の駆動手段として設けられ、それぞれの駆動手段が独立して制御可能となっていることを特徴とする容器シール装置。
- 走行コンベアに支持されて前方へ搬送される容器へフィルム供給装置から蓋部材としてのフィルムを送り出してこれを容器の開口縁部で溶着シールする容器シール装置であって、走行コンベアに対して上方位置に設けられた可動体にシールヘッドが支持され、該可動体は、前後そして上下に駆動を受けて移動可能であり下降時に走行コンベアの支持部とシールヘッドとで容器及びフィルムを挟圧して溶着シールを開始して前進時にこのシール状態を維持し、所定時間シール状態を維持した後に上昇してシールヘッドをシール済容器から離間すると共に原位置へ後退するようになっている容器シール装置において、走行コンベア駆動手段と、可動体昇降駆動手段と、可動体前後移動駆動手段とが別個の駆動手段として設けられ、それぞれの駆動手段が独立して制御可能となっていることを特徴とする容器シール装置。
- 可動体前後移動駆動手段は、可動体の前進と後退について互いに独立して制御可能となっていることとする請求項1又は請求項2に記載の容器シール装置。
- 各駆動手段はサーボモータであることとする請求項1ないしは請求項3のうちの一つに記載の容器シール装置。
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