JP2004338275A - インクジェットプリントシステム - Google Patents

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登 道上
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【課題】インク着弾位置の補正のためのテストプリントに形成された画像を計測する装置をできるだけコストをかけなくてすむインクジェットプリントシステムを提供すること。
【解決手段】インクジェットプリンタに設けられたインクヘッド4からペーパーへ吐出されるインクの着弾位置を補正することができるインクジェットプリントシステムであって、インクの着弾位置を補正するためのテストプリントを作成するテストプリント作成部と、作成されたテストプリントの画像を読み取るためのフラットヘッドスキャナー21と、このフラットヘッドスキャナー21により読み取られたテストプリント画像に基づいて、インクの着弾位置を補正する着弾位置補正部26とを備えた。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタに設けられたインクヘッドからシート状記録媒体へ吐出されるインクの着弾位置を補正することができるインクジェットプリントシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、複数種類のインク容器を搭載しており、インクヘッドをシート状記録媒体の主走査方向に沿って移動させつつ、シート状記録媒体を副走査方向に沿って移動させることで画像を形成する。このインクヘッドには、カラー画像を形成するために複数のインク吐出口が設けられており、画質の良いカラー画像を形成するためには、各色のインクがシート状記録媒体へ着弾する位置を正確に制御する必要がある。また、インクヘッドを主走査方向に沿って走査する場合に、画像形成を効率良く行うため、主走査方向の往路と復路の両方でインクを吐出させて画像形成を行っている。この場合も、往路と復路とでインクの着弾する位置にズレが生じると、画像に乱れが生じ画質の低下を招く。このようなインク着弾位置のずれは、インクヘッドにおける各色のインク吐出口の取り付け位置の精度、インクヘッドを駆動する駆動機構に存在するガタツキやバックラッシュ等が原因で発生するものである。
【0003】
かかる問題に対処するため、所定のテストプリントを作成し、予めインク着弾位置のズレを求めておき、各色のインクを吐出するタイミングを電気的に調整するようにしている。すなわち、 テストプリントにおいて、所定の画像を形成させてズレ量を測定する。そして、このズレ量からインクを吐出するタイミングを補正するための補正値を求めるようにしている。
【0004】
このテストプリントの画像からズレ量を計測するために、画像上に形成された基準点と測定点とをノギスで測定する方法がある。例えば、通信機能付きノギスにより測定を行い、その測定値をインクジェットプリンタの本体に送信する(手動で入力しても良い)。本体側では、送信されてきた測定値に基づいて、補正値を演算し、インクの吐出タイミングを補正するようにできる。
【0005】
しかし、インクジェットプリンタのインク着弾位置には、ミクロンオーダの精度が要求されるため、ノギスによる測定では要求される精度を達成することが難しい。また、オペレータによる人為的な測定となるため、測定者によるばらつきも生じ、ノギスの当て方による誤差も生じる。
【0006】
そこで、ノギス等の測定器具によらないズレ量の計測方法として、下記特許文献1に開示される記録装置用記録位置補正方法が公知である。この装置では、主走査方向と副走査方向の画像記録位置の補正を自動的に行うようにしている。すなわち、 テストプリントとして基準画像と特定画像を形成し、この画像を読み取り、両画像の主走査方向の間隔を計測することで、記録タイミングの補正を行う。その計測を行うために、キャリッジ(インクヘッド)に設けられたセンサを用いている。センサーを主走査方向に一定速度で移動させ、反射光量が変化する時間の間隔を計測するようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−238339号公報(要約、段落0007〜0011)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記計測を行うためにインクヘッドに専用のセンサーを搭載しなければならず、余分にコストがかかる。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、インク着弾位置の補正のためのテストプリントに形成された画像を計測する装置をできるだけコストをかけなくてすむインクジェットプリントシステムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係るインクジェットプリントシステムは、
インクジェットプリンタに設けられたインクヘッドからシート状記録媒体へ吐出されるインクの着弾位置を補正することができるインクジェットプリントシステムであって、
インクの着弾位置を補正するためのテストプリントを作成するテストプリント作成部と、
作成されたテストプリントの画像を読み取るためのフラットヘッドスキャナーと、
このフラットヘッドスキャナーにより読み取られたテストプリント画像に基づいて、前記インクの着弾位置を補正する着弾位置補正部とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
この構成によるインクジェットプリントシステムは、テストプリントを作成するためのテストプリント作成部を備えている。作成されたテストプリントの画像を読み取るためにフラットヘッドスキャナーが用いられる。フラットヘッドスキャナーは、インクジェットプリンタに標準装備かオプション装備で用意されている。すなわち、 フラットヘッドスキャナーで読み取った画像をプリントできるようにシステムが構成されている。したがって、かかるフラットヘッドスキャナーをテストプリントの画像読み取り用に用いることで、専用のセンサーを用いることによる余分なコストを掛けなくてもすむ。そして、フラットヘッドスキャナーにより読み取られたテストプリント画像に基づいて、インクの着弾位置を補正するようにできる。その結果、インク着弾位置の補正のためのテストプリントに形成された画像を計測する装置をできるだけコストをかけなくてすむインクジェットプリントシステムを提供することができる。
【0011】
本発明の好適な実施形態として、シート状記録媒体はマガジンに収容され、少なくとも、第1マガジンと第2マガジンの2つが装備可能に構成され、かつ、第1マガジンと第2マガジンの両方からシート状記録媒体を引き出した状態で、複数のシート状記録媒体に対して同時に画像を形成可能に構成され、
前記テストプリント作成部は、どのマガジンから引き出されたシート状記録媒体であるかを示す識別画像をテストプリントに形成するように構成されているものがあげられる。
【0012】
この構成によると、シート状記録媒体はマガジンに収容されており、このマガジンから引き出されたシート状記録媒体に対してインクを吐出させて画像を形成する。インクジェットプリンタには、このマガジンを2機以上装着可能なものがあり、複数のマガジンからシート状記録媒体を引き出して、同時に画像を形成可能にしたものがある。この場合、各シート状記録媒体(マガジン)ごとに、インクを吐出するタイミングは異なっている。したがって、インク着弾位置の補正も各マガジンについて個々に行う必要がある。そこで、テストプリントも個々のマガジンについて作成する必要がある。この場合、作成されたテストプリントは、どのマガジンのシート状記録媒体で作成されたものかが分からないと、適切な補正を行うことができない。そこで、どのマガジンから引き出されたシート状記録媒体であるかを示す識別画像をテストプリントに形成しておく。これにより、どのマガジンから引き出されたシート状記録媒体であるかを判別できるので、インク着弾位置の補正を正確に行うことができる。
【0013】
本発明の別の好適な実施形態として、前記着弾位置補正部は、前記識別画像に基づいて、各マガジン毎にインクの着弾位置を補正するように構成されているものがあげられる。
【0014】
テストプリントに識別画像を形成した場合、着弾位置補正部がこの識別画像を認識できるようにする。これにより、夫々のマガジンについて着弾位置の補正を自動的に、かつ正確に行うことができる。
【0015】
本発明の更に別の好適な実施形態として、インクの着弾位置を補正するための補正値を入力する手動入力部と、
補正対象物をモニターに表示させるための表示制御部とを備え、
前記補正値の入力に連動して前記補正対象物が補正される方向を前記モニターに表示させるようにしたものがあげられる。
【0016】
着弾位置の補正を行うための補正値の入力については、自動的に行うようにもできるが、オペレータの手動入力により行うようにできる。例えば、フラットヘッドスキャナーによる測定結果をモニターに表示させ、これに基づいて補正値を手動入力させるようにできる。この場合、入力される補正値が正確になるように、モニターに補正対象物が補正される方向を表示させる。例えば、数値を入力するにしても+と−を間違えると、見当違いの補正が行われてしまうことになる。そこで、補正対象物が補正される方向をモニターに視覚的に表示させることで、入力ミスがあった場合には直ちにオペレータに認識させることができる。これにより、正確な補正値の入力を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るインクジェットプリントシステムの好適な実施形態を図面を用いて説明する。 図1は、インクジェットプリンタの構成を示す概念図(側断面図)である。図2は、インクジェットプリンタの構成を示す要部斜視図である。
【0018】
<インクジェットプリンタ構成図>
図1,2において、シート状記録媒体であるペーパーはロール1の形態でペーパーマガジン(不図示)に収容されている。ローラ対2は、ロール1から引き出されたペーパーを下流側に向けて搬送する。ローラ対2は、 モータ3により駆動される。ペーパーの表面に画像を形成するためのインクヘッド4が設けられている。インクヘッド4を主走査方向(ペーパーの幅方向)に沿って駆動するために、一対のスプロケット5と、このスプロケット5に巻回されるベルト6と、一方のスプロケット5に連結されるモータ7を備えている。インクヘッド4は、ベルト6に取り付けられている。よって、ベルト6を駆動することで、インクヘッド4を動かすことができる。
【0019】
インクヘッド4の下流側には、搬送ローラ対8,9が設けられ、これらローラ対8,9を駆動するためにモータ10,11が設けられている。搬送ローラ対8と搬送ローラ対9の間に、ペーパーを所定のサイズに切断するためのカッター12が設けられており、このカッター12はモータ13とクランク機構により上下駆動される。画像が形成されたペーパーはプリントPとして装置の外部に排出される。
【0020】
インクヘッド4には、カラー画像を形成するためにインク吐出部40が設けられている。これを図3に示す。インク吐出部として7色分の吐出口(4a〜4g)が設けられている。図3の矢印A方向が主走査方向に相当し、主走査方向に沿って各色吐出口が並べられている。また、各吐出口は副走査方向(矢印B)に沿って多数のノズル(例えば、100画素相当分)が並べられている。これにより、画像形成を効率的に行えるようにしている。また、図3に示すインク吐出部40(インクヘッド)を複数設けることで、更に効率良く画像形成を行うことができる。
【0021】
<システムの機能ブロック図>
次に、インクジェットプリンタ(以下、プリンタと省略することがある)を含むシステム全体の機能ブロック構成を図4により説明する。
【0022】
まず、プリンタでプリントを作成するためには、画像データを入力する必要がある。そのために画像入力部20aが設けられている。画像入力部20aは、パソコン20により構成することができる。パソコン20には、周辺機器としてフラットヘッドスキャナー21(以下、FBスキャナーと省略)、フィルムスキャナー22、記録媒体駆動装置23等が接続される。FBスキャナー21は、シート状の原稿に形成された画像を取り込むための機器である。FBスキャナー21は、システムに標準装備されるか、オプションで装備されている。フィルムスキャナー22は、ネガフィルム等の写真フィルムに形成されたコマ画像を取り込むための機器である。また、記録媒体駆動装置23は、MOディスク、フレキシブルディスク、CD−R、デジタルカメラ用の記録媒体等に保存されている画像データを取り込むための機器である。これらの媒体から取得した画像データは、LAN等の通信やその他の通信手段により、インクジェットプリンタの本体へ送られる。
【0023】
画像データ保存部24には、パソコン20から送信されてきた画像データが一旦保存される。画像データの保存は、プリントするための一時的な保存でもよいし、ハードディスク等への長期的な保存でも良い。インクヘッド駆動部25は、インクヘッド4の駆動制御を行う。各色のインクを吐出するタイミング等を制御することができる。着弾位置補正部26は、各色のインクを吐出するタイミングを補正するための補正値を取得する。この補正値は、インクヘッド駆動部25に送信され、インクヘッド駆動部25は、この補正値に基づいてインクの吐出タイミングを制御することができる。なお、着弾位置補正部26は、パソコン20から取得した画像データがテストプリントである場合に、補正値を求めるように構成されている。テストプリント画像データ保存部27には、テストプリントを作成するための画像データが保存されている。この画像データは、パソコン20を介して取得することができる。なお、各部の機能は、ハードウェアとソフトウェアの適宜の組み合わせにより実現することができる。
【0024】
制御部28は、CPUを中核として構成され、プリンタ内の各部の制御を行う。表示制御部29は、モニター30に対する制御を行う。手動入力部31は、各種データや指令を入力するために設けられており、例えば、キーボードやマウスにより構成される。
【0025】
<インク着弾位置の補正>
次に、インク着弾位置の補正について説明する。インクジェットプリンタの場合は、各色のインクを重ね合わせることで、カラー画像を形成するので、ペーパー上での各色のインクの着弾位置にズレが生じると、所望の品質の画像を形成することができない。そこで、インク着弾位置の補正が必要になる。図3に示すように、各インクの吐出口4a〜4gは、同じ場所に配置されていない。したがって、その取り付け位置の差(距離)の分だけは、少なくともインクの吐出タイミングをずらせる必要がある。また、各吐出口4a〜4gの取り付け位置やその他の部品についても誤差が生じる。 したがって、これら誤差を考慮してタイミングを決める必要がある。また、画像形成はインクヘッド4の主走査方向の往路と復路の両方で行われるが、インクヘッド4を駆動する駆動機構のガタやバックラッシュにより、吐出位置がずれてしまう。したがって、往路と復路で吐出タイミングを変えるように補正する必要がある。また、図3に示すインク吐出部40を複数設けた場合、各インク吐出部40の配置のズレについても考慮する必要がある。そこで、インクの吐出タイミング(インクの着弾位置)を補正するようにしている。その補正値を得るために、テストプリントを作成する。
【0026】
図5は、テストプリントの画像構成例を示す図である。図5に示すように、各色について、副走査方向に沿ったラインを形成する。ここでBk(往路の黒)を基準画像とし、他の色(Lk,C,M等)について主走査方向の距離δ 、δ ・・・を計測する。なお、これらの各色のラインは、本来は同一直線上に並ぶべきものとする。この計測された距離に基づいて、各インクの吐出タイミングをBkに合わせることができる。また、Bk’とあるのは、復路において形成した黒のラインであり、本来はBkと同じ直線上になければならない。そこで、BkとBk’の距離差Δ1を計測することで、往路と復路のタイミングのズレを補正するための補正値を得ることができる。補正値は、例えば、モータ7の駆動量(パルスモータであれば駆動パルス数)のデータとして求めることができる。
【0027】
<補正手順>
次に、インク着弾位置の補正を行う場合の手順を図6のフローチャートにより説明する。まず、補正を行うために補正モードに設定する(#1)。補正モードに設定した後、テストプリントの作成を行う(#2)。作成されたテストプリントをFBスキャナー21にセットする(#3)。セットされたテストプリントの画像を読み取る(#4)。読み取られた画像データは、画像データ保存部24に送られた後、着弾位置補正部26の機能に基づいて、図5で説明したようなΔ1、δ 、δ 等の計測を行い、その結果に基づいて補正値の演算を行う(#5)。演算された補正値は、記憶装置に保存される(#6)。
【0028】
この補正を行う時期であるが、例えば、インクジェットプリンタの工場出荷時、インクヘッドを交換したとき等に行うことが好ましい。もちろん、オペレータの意志に基づいて適当な時期に行うようにしても良い。
【0029】
<第2実施形態>
図2に示すプリンタは、マガジンが1つだけ設けられていた。第2実施形態では、図7に示すように、マガジンが2つ装着可能に構成されている。マガジンを2つ装着できるようにすることで、プリントのサイズの違うものをマガジンを交換することなく作成することができる。もちろん、2つのマガジンとも、同じサイズのプリントを作成するようにしてもよく、この場合はプリント作成の効率を上げることができる。図7に示すように、ロール1Aとロール1Bからペーパーが夫々引き出され、プリントPA,PBが作成される。各マガジンを個別に利用することもできるし、同時に利用することもできる。なお、インクヘッド4については、各マガジンに関して共用できるようにしている。したがって、ロール1Aからのペーパーとロール1Bからのペーパーでは、インクの着弾位置が異なる(インクが吐出される主走査方向の範囲が異なる)。そのため、インク着弾位置の補正を行う場合も、マガジンごとに補正値を設定する必要がある。
【0030】
かかる補正を行うために、夫々のマガジンのペーパーについて、別々にテストプリントを作成する必要がある。すなわち、 ロール1Aのペーパーにより作成したテストプリントを用いて、ロール1Aの側の補正を行い、ロール1Bから作成したテストプリントを用いて、ロール1Bの側の補正を行う。したがって、作成されたテストプリントは、どちらのロール(マガジン)によるものかを識別する必要がある。
【0031】
しかしながら、プリントアウトされるテストプリントは、どちらも同じ場所から排出されるため、どちらのマガジンのテストプリントであるのかオペレータには分かりにくい。また、仮に、排出された時点で識別できたとしても、出力されたテストプリントをFBスキャナーにセットするまでの間に、わからなくなってしまうこともありうる。したがって、このような場合は、正確な補正ができなくなる可能性がある。
【0032】
そこで、テストプリントにおいて図8に示すような矢印(識別画像に相当)をいっしょに形成するようにしている。図8(a)は、マガジンが1つだけの場合である。この場合、マガジン間の識別というのは必要はないが、矢印の方向によりプリントされた方向を認識できるようにすることができる。
【0033】
(b)はマガジンは2個の場合のプリント作成例を示す。矢印画像を形成する場所を異ならせている。(c)はマガジンが4個の場合の作成例であり、同様に矢印の形成場所を異ならせている。マガジンの個数が、そのほかの場合にもどうようにすることができる。また、識別画像は矢印でなくてもよく、その他の画像でも良い。また、同じ画像を場所を異ならせて形成するのではなく、マガジンごとに異なる画像を形成するようにしても良い。これにより、確実にテストプリントを識別できる。また、オペレータはテストプリントの取り扱いに神経を使わなくてもすむ。このテストプリントを読み取った後、着弾位置補正部26は、識別画像の形成場所等を画像処理等の手法を用いて認識し、これに基づいて、各マガジン毎に適切な補正値を演算して求めることができる。
【0034】
<補正対象物のモニター表示>
次に、補正を行う場合のモニター表示について説明する。これまでは、着弾位置補正部26の機能に基づき、自動的に補正値を設定して保存する動作を説明した。補正値の設定については、これに限定されるものではなく、オペレータが手動で入力するようにしても良い。そのために補正した結果をモニター30で確認できるようにする。
【0035】
図9は、インク着弾位置の補正値を入力する場合のモニター表示例を示す。図5で説明したような、読み取られたテストプリント画像の一部が、モニター画面に表示されている。ここで、手動入力部31を介してオペレータは、補正値を入力することができる。そして、この補正値に連動して補正対象物が補正される方向をモニター画面に表示させる。ここで補正対象物が、「Lkインクの着弾位置」であるとする。テストプリント画像には、Lk−1 が示されており、補正すべき量はδ に相当する量である。そして、手動入力部31により補正値を入力すると、入力した補正値の大きさに基づいて、着弾位置Lk−1 がLk−2 に移動する。Lk−2 がBkと一致すれば、正しく補正されたことになる。仮に、補正値の符号を間違えると、Lk−2 はBkから更に遠ざかる方向に移動するので、補正する方向を間違えたことがモニター画面を見ていればすぐに分かる。C についても同様に補正値を入力すれば、C に移動し、正しく補正されたか否かを確認できる。このように各色について、モニター画面を見ながら補正を行うことができる。
【0036】
なお、インクジェットプリンタにおいて補正が必要な項目(補正対象物)としては、上記のインク着弾位置のほかにも種々の項目がある。例えば、ペーパー搬送モーターや搬送ローラの分解能、ペーパーカット位置、印刷センター位置、インクヘッドの往路/復路のインク着弾位置タイミング、ペーパー幅規制ガイドの位置、インクヘッドのホーム位置、ヘッドクリーナユニットの高さ等があげられる。
【0037】
図10は、印刷センター位置の補正を手動で行う場合の画面構成例を示す。(a)において、ペーパーの位置と形成される画像の位置との相対関係が画面上に示されている。画面左上に、センター位置の補正値として0.5mmが表示されている。この補正値を増加させていくと、画像が左側に移動していくので、オペレータは画面を見ながら入力した補正値とその補正の方向を認識することができる。(b)は、補正値としてー0.5mmが表示されており、補正値を減少させていくと、画像が右方向に移動していく。ペーパーと画像のセンターが一致すれば補正はOKとなる。次の機会に補正を行う場合は、基本設定値に補正値を付加したものが新たな基本設定値となる。
【0038】
以上のように、オペレータは、自分の入力した補正値が正しい方向に向っているか否かを直ちに認識することができる。なお、補正項目が他の場合も同様の画面構成とすることができる。
【0039】
なお、画面上に最初に表示されるのは、補正値が0(入っていない)の状態である。また、実際の補正量が小さい場合は、これを所定の比率で拡大して表示させることが好ましい。これにより、動きを強調させて表示するので、補正ができていることを分かりやすく表示することができる。
【0040】
<別実施形態>
(1)シート状記録媒体としては、特定の材質のものに限定されるものではない。シート状記録媒体は、ロール状のものをカットするのではなく、予め所定の大きさ(例えば、A4サイズ等)に切断されたものを用いても良い。
(2)識別画像としては、矢印以外の、適当な文字・符号・数字・画像等、もしくはこれらの任意の組み合わせにより構成しても良い。
(3)画像形成に用いられるインクの種類は7種類でなくてもよく、例えば、4色であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリントシステムの構成を示す概念図(側断面図)
【図2】インクジェットプリントシステムの構成を示す斜視図
【図3】インク吐出部の構成を示す図
【図4】システムの機能ブロック構成図
【図5】テストプリントの構成例
【図6】インク着弾位置の補正を行う場合の手順を示すフローチャート
【図7】第2実施形態に係るインクジェットプリントシステムの構成を示す斜視図
【図8】テストプリントに形成する識別画像の例を示す図
【図9】インク着弾位置の調整画面の構成例を示す図
【図10】印刷センター位置の調整画面の構成例を示す図
【符号の説明】
4 インクヘッド
4a〜4g 吐出口
21 フラットヘッドスキャナー
24 画像データ保存部
25 インクヘッド駆動部
26 着弾位置補正部
27 テストプリント画像データ保存部
28 制御部
29 表示制御部
30 モニター
31 手動入力部
40 インク吐出部

Claims (4)

  1. インクジェットプリンタに設けられたインクヘッドからシート状記録媒体へ吐出されるインクの着弾位置を補正することができるインクジェットプリントシステムであって、
    インクの着弾位置を補正するためのテストプリントを作成するテストプリント作成部と、
    作成されたテストプリントの画像を読み取るためのフラットヘッドスキャナーと、
    このフラットヘッドスキャナーにより読み取られたテストプリント画像に基づいて、前記インクの着弾位置を補正する着弾位置補正部とを備えたことを特徴とするインクジェットプリントシステム。
  2. シート状記録媒体はマガジンに収容され、少なくとも、第1マガジンと第2マガジンの2つが装備可能に構成され、かつ、第1マガジンと第2マガジンの両方からシート状記録媒体を引き出した状態で、複数のシート状記録媒体に対して同時に画像を形成可能に構成され、
    前記テストプリント作成部は、どのマガジンから引き出されたシート状記録媒体であるかを示す識別画像をテストプリントに形成するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントシステム。
  3. 前記着弾位置補正部は、前記識別画像に基づいて、各マガジン毎にインクの着弾位置を補正するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリントシステム。
  4. インクの着弾位置を補正するための補正値を入力する手動入力部と、
    補正対象物をモニターに表示させるための表示制御部とを備え、
    前記補正値の入力に連動して前記補正対象物が補正される方向を前記モニターに表示させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットプリントシステム。
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