JP2004338250A - 媒体搬送装置及び記録装置 - Google Patents

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Kimisato Shimada
仁学 島田
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Abstract

【課題】媒体を搬送する際に媒体の両側端部の捲れ上がりを防止することができる媒体搬送装置及びこの媒体搬送装置を備えた記録装置を提供すること。
【解決手段】媒体搬送面122は、搬送上流端から搬送下流端まで連通して延び、搬送方向に平行に複数並んだ第1のディンプル123と、隣接する前記第1のディンプルを繋ぐ、搬送方向と直交する方向に延びる第2のディンプル125とが形成されている。これにより、媒体が第1のディンプル内に一旦引き込まれた後、媒体下面と媒体搬送面の間には第2のディンプルを介して相互に隣接する第1のディンプルに向かう空気流が生じる。このため、媒体の先端部が第1のディンプル内に一旦引き込まれた後に捲れ上がっても、空気流が引き起こす動圧損失により媒体の先端部を第1のディンプル内に再び引き寄せることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば記録媒体を搬送する媒体搬送装置及びこの媒体搬送装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録装置の1つである例えばインクジェット式プリンタにおいては、記録媒体の1つである例えば用紙を用紙搬送装置により記録部に送り込みつつ記録して外部に送り出す構成のものがある。かかるインクジェット式プリンタにおいては、用紙を紙送りローラ及びその従動ローラで挟持して送りつつ記録ヘッドで記録し、排紙ローラ及びその従動ローラとしての拍車ローラで挟持して送って排出するようになっている。
【0003】
このような用紙搬送装置を備えるインクジェット式プリンタでは、用紙に例えばベタ画像等のように多数のインク滴が吐出される画像が記録される場合には、用紙が多量のインクを吸収して、記録後に記録ヘッド側に波状に膨らむ、いわゆるコックリングが発生する場合がある。そして、このコックリングが発生して発達すると、用紙と記録ヘッドとの間隔が不均一になり、インク滴の飛翔距離がばらつくことにより記録むらが生じ、あるいは、用紙が記録へッドに接触して汚れてしまう不具合がある。
【0004】
そこで、近年、用紙搬送面に用紙搬送方向及びそれと直交する方向に一定ピッチで一定面積の複数の穴、すなわち格子状に複数の穴を穿孔し、これらの穴を介して吸引ポンプ等で用紙を吸引して上述したコックリングを抑制するインクジェット式プリンタが提案されている(特許文献1、2参照)。さらに、用紙搬送面に上記穴に連通する複数の凹部を形成し、上述したコックリングによる用紙の撓みを吸引することにより凹部内に導いて吸収させるようにしたインクジェット式プリンタが提案されている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−303781号公報
【特許文献2】
特開平3−270号公報
【特許文献3】
特開平8−156351号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、用紙には、湿度や温度等の環境の影響、表面コート材の性状等により、そり(カール)が発生する。特に、上方にカールした用紙の用紙搬送方向と直交する方向の両端部、すなわち用紙の両側端部を吸引して引き寄せることは最も困難である。このため、捲れ上がった用紙の両側端部は、記録へッドに接触して汚れてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、媒体を搬送する際に媒体の両側端部の捲れ上がりを防止することができる媒体搬送装置及びこの媒体搬送装置を備えた記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明に係る媒体搬送装置では、媒体搬送面上に供給される媒体を吸着しつつ搬送する媒体搬送装置であって、前記媒体搬送面は、搬送上流端から搬送下流端まで連通して延び、搬送方向に平行に複数並んだ第1のディンプルと、隣接する前記第1のディンプルを繋ぐ、搬送方向と直交する方向に延びる第2のディンプルとが形成されていることを特徴としている。これにより、媒体が第1のディンプル内に一旦引き込まれた後、媒体下面と媒体搬送面の間には第2のディンプルを介して相互に隣接する第1のディンプルに向かう空気流が生じる。このため、媒体の先端部が第1のディンプル内に一旦引き込まれた後に捲れ上がっても、空気流が引き起こす動圧損失により媒体の先端部を第1のディンプル内に再び引き寄せることができる。
【0009】
前記第2のディンプルは、少なくとも前記媒体の両側端に対応する前記第1のディンプルとそれに隣接する前記第1のディンプルとを繋ぐ部分に配設されていることを特徴としている。これにより、最も捲れ上がり易い媒体の両側端部を対応する第1のディンプル内に再び確実に引き寄せることができる。
【0010】
前記第2のディンプルは、搬送方向と交差する方向に平行に複数並設されていることを特徴としている。これにより、媒体下面と媒体搬送面の間において第2のディンプルを介して相互に隣接する第1のディンプルに向かう空気流を生じさせることがきるので、媒体搬送面において媒体を略水平に保ったまま搬送することができる。
【0011】
前記媒体搬送面に設けられた複数の吸引穴、前記複数の吸引穴と連通した減圧室及び前記減圧室内の空気を吸引する吸引手段を有し、前記吸引穴が、前記減圧室と連通する吸引孔と、前記媒体と対向する吸引面の面積が前記吸引孔の断面積よりも大きい吸引室とを含む吸引ユニットを備え、前記吸引室が前記第1及び第2のディンプルとして機能することを特徴としている。これにより、吸引室上に差し掛かった媒体の下方の空気の流速が速くなって負圧が高くなるので、媒体にコックリングが発生しても、媒体を吸引室内に完全に吸着することができるとともに、吸引室により適度な吸引力が発生するので、媒体の送り精度を高精度に維持しつつ吸着搬送することができる。
【0012】
前記第2のディンプルにおける搬送下流側ないし上流側の壁面が、前記媒体の先端縁及び搬送面に対して傾斜して形成されていることを特徴としている。これにより、媒体の先端部が第2のディンプルにおける搬送下流側ないし上流側の壁面に衝突して捲れ上がってしまうことを防止することができる。
【0013】
上記目的達成のため、本発明の記録装置では、上記各媒体搬送装置を備えたことを特徴としている。これにより、上述した各作用効果を奏する記録装置を提供することができる。上記目的達成のため、本発明の液体噴射装置では、上記各媒体搬送装置を備えたことを特徴としている。これにより、上述した各作用効果を奏する液体噴射装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る記録媒体搬送装置を示す側面図である。この記録媒体搬送装置100は、記録時に記録媒体を吸引保持する吸引ユニット110と、吸引ユニット110の上流側から下流側へ記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段150とを備えている。上記吸引ユニット110は、記録媒体に記録するための記録へッド231に対して、記録媒体搬送路Lを挟んで下側に配置されている。そして、上段の吸引部120と下段の吸引力発生部130から成る上下2段構成の中空箱状に形成されている。
【0015】
吸引部120は、内部に形成された減圧室121と、記録媒体搬送面122に記録媒体の搬送方向に長い長方形状の凹みとして形成された複数の第1の吸引室123と、これら第1の吸引室123をそれぞれ減圧室121と連通させるべく、上下方向に伸長する上記第1の吸引室123より小さい円形の断面積を有する複数の吸引孔124を有している。
【0016】
さらに、本発明の特徴的な部分として、吸引部120は、記録媒体搬送面122に記録媒体の搬送方向と直交する方向に延びる凹みとして形成された複数の第2の吸引室125(図2参照)と、これら第2の吸引室125をそれぞれ減圧室121と連通させるべく、上下方向に伸長する上記第2の吸引室125より小さい円形の断面積を有する複数の吸引孔126(図2参照)を有している。
【0017】
吸引力発生部130は、吸引部120の減圧室121と連通孔131を介して連通されており、内部に遠心ファンを備えたポンプ132を有している。ポンプ132は、減圧室121の下方の所定位置に連通孔131を介して減圧室121と連通した状態で取り付けられており、遠心ファンが記録時に回転するようになっている。
【0018】
記録媒体搬送手段150は、記録媒体を記録へッド231と吸引ユニット110の間に送り込む送りローラ151と、この送りローラ151に対して上方から圧接される従動ローラ152と、記録媒体を外部へ排出する排出ローラ153と、この排出ローラ153に対して上方から接触される拍車ローラ154を備えている。尚、吸引ユニット110を排出方向へ移動可能な構成とすること等により、排出ローラ153と拍車ローラ154を設けないことも可能である。
【0019】
図2(A)、(B)、(C)は、上記吸引部120を示す平面図、A−A線断面側面図及びB−B線断面側面図である。第1の吸引室123は、短辺が所定長さであって長辺が記録媒体搬送面122の上流端近傍から下流端近傍に至る長さとなるように形成されている。すなわち、各第1の吸引室123は、記録媒体の搬送方向には連通して延び、記録媒体の搬送方向と直交する方向には仕切壁127を挟んで平行に並設されている。吸引孔124は、第1の吸引室123の底面において記録媒体の搬送方向に所定ピッチで形成されている。すなわち、吸引孔124は、第1の吸引室123毎に1列形成されている。なお、吸引孔124の形成は、1列に限定されるものではなく、第1の吸引室123の底面に形成可能な列数であれば複数でも良い。
【0020】
第2の吸引室125は、隣接する第1の吸引室123を複数箇所で繋ぐように形成されている。すなわち、各第2の吸引室125は、記録媒体の搬送方向と直交する方向には所定幅で延び、記録媒体の搬送方向には仕切壁127を挟んで平行に並設されている。吸引孔126は、仕切壁127の間の第2の吸引室125の底面に1つ形成されている。なお、吸引孔126の形成個数は、1つに限定されるものではなく、第2の吸引室125の底面に形成可能な個数であれば複数でも良い。
【0021】
ここで、吸引により記録媒体が記録媒体搬送面122に張り付いた状態では、記録媒体の下方に空気の流れは生じない。そして、この状態を保つための力(密着した状態での吸引力)は、減圧室121内の負圧(静圧)の大きさが支配的である。一方、記録媒体が記録媒体搬送面122から離れた状態では、記録媒体の下方に空気の流れが生じる。そして、記録媒体の下面と記録媒体搬送面122との間を通る空気流が引き起こす動圧損失により、記録媒体は記録媒体搬送面122に引き寄せられる。本発明では、この後者の作用を利用して上方にカールした記録媒体の先端部を吸引して記録媒体搬送面122に引き寄せる。
【0022】
上述した構成の第1の吸引室123と第2の吸引室125及び吸引孔124と吸引孔126は、格子状に並設されることになるので、搬送される記録媒体が第1の吸引室123内に一旦引き込まれた後、記録媒体下面と記録媒体搬送面122の間には第2の吸引室125を介して相互に隣接する第1の吸引室123に向かう空気流が生じる。したがって、記録媒体の先端部が第1の吸引室123内に一旦引き込まれた後に捲れ上がっても、空気流が引き起こす動圧損失により記録媒体の先端部を第1の吸引室123内に再び引き寄せることができ、記録媒体搬送面122において記録媒体を略水平に保ったまま搬送することができる。
【0023】
図3(A)、(B)は、上記吸引部120の一部を示す拡大平面図及びA−A線断面側面図である。第2の吸引室125における搬送下流側の壁面、すなわち仕切壁127の搬送上流側の壁面127aは、記録媒体の先端縁に対して角度θだけ傾斜し、かつ記録媒体の搬送面に対して角度αだけ傾斜して形成されている。このように、壁面127aを傾斜面に形成することにより、壁面127aが直立の場合に衝突して捲れ上がってしまうような事態を防止することができ、搬送中の記録媒体の先端部を壁面127aに沿ってスムーズに移動させることができる。記録媒体の先端縁に対する角度θは、例えば3度〜5度が好ましい。また、記録媒体の搬送面に対する角度αは、例えば30度〜45度が好ましい。
【0024】
なお、上記実施形態では、第2の吸引室125にも吸引孔126を形成したが、これは記録媒体の下方の空気の流れる量が大きいほど、上方にカールした記録媒体の先端部を吸引して記録媒体搬送面122に引き寄せる効果が大きくなるためである。ところが、吸引孔124、126の総面積とポンプ132の流量特性により、減圧室121内の負圧は定まるため、第2の吸引室125にも吸引孔126を形成した場合は、第1の吸引室123にのみ吸引孔124を形成した場合と比べ、減圧室121内の負圧が小さくなって吸引力が減少する。
【0025】
図4は、減圧室121内の負圧ΔPと吸引孔124、126の総面積ΣS及びポンプ132の流量Qとの関係並びに減圧室121内の負圧ΔPとポンプ132の流量Qの特性を示す図である。減圧室121内の負圧ΔPは、吸引孔124、126の総面積ΣS及びポンプ132の流量Qにより次式(1)で表される。
ΔP=ρ(Q/ΣS)/2・・・(1)
したがって、(1)式のグラフと特性のグラフとの交点が、そのときの総面積ΣSの吸引孔124、126で定まる減圧室121内の負圧ΔPとなる。例えば、総面積ΣS1の吸引孔124、126を形成したときに定まる減圧室121内の負圧はΔP1となり、総面積ΣS1より大きい総面積ΣS2の吸引孔124、126を形成したときに定まる減圧室121内の負圧はΔP1より小さいΔP2となり、総面積ΣS2より大きい総面積ΣS3の吸引孔124、126を形成したときに定まる減圧室121内の負圧はΔP2より小さいΔP3となる。
【0026】
すなわち、第2の吸引室125にも吸引孔126を形成した場合は、第1の吸引室123にのみ吸引孔124を形成した場合と比べ、吸引孔124、126の総面積ΣSが増加しているので、減圧室121内の負圧ΔP、つまり吸引力は減少する。そこで、第2の吸引室125には吸引孔126を形成せず、第1の吸引室123にのみ吸引孔124を形成した構成とすることにより、吸引孔124の総面積を小さくできるため、減圧室121内の負圧を大きくすることができる。これにより、特に剛性の高い記録媒体の先端部を動的に吸引して容易に引き寄せることが可能となる。
【0027】
また、上記実施形態では、第1の吸引室123と第2の吸引室125を格子状に並設したが、第2の吸引室125を記録媒体の搬送方向と直交する方向の記録媒体の両端部、すなわち記録媒体の両側端部に対応する第1の吸引室123とそれに隣接する第1の吸引室123とを繋ぐ部分、少なくとも最上流側の1箇所に配設するように構成しても良い。これにより、最も捲れ上がり易い記録媒体の両側端部を対応する第1の吸引室123内に再び確実に引き寄せることができる。また、第2の吸引室125を最上流側の記録媒体の搬送方向と直交する方向に1列配設するように構成しても良い。これにより、少なくとも記録媒体の先端部を第1の吸引室123内に再び確実に引き寄せることができる。これらの場合も、第2の吸引室125には吸引孔126を形成しても、形成しなくても良い。
【0028】
このような構成の記録媒体搬送装置100は、以下のように動作する。送りローラ151等が回転駆動して、記録媒体を記録ヘッド231と吸引ユニット110との間に送り込む。一方、ポンプ132が駆動して、吸引力を連通孔131及び減圧室121を介して吸引孔124、126と第1の吸引室123、第2の吸引室125に作用させる。これにより、記録媒体は、記録媒体搬送面122に吸引吸着された状態で搬送される。同時に、記録へッド231が、記録媒体の上方を主走査方向に移動しながら記録媒体に対してインク粒を吐出して記録を行う。
【0029】
このとき、第1の吸引室123内に一旦引き込まれた記録媒体の先端部や両側端部が捲れ上がっても、空気流が引き起こす動圧損失により記録媒体の先端部や両側端部は第1の吸引室123内に再び引き寄せられるので、記録媒体は記録媒体搬送面122において略水平に維持されて搬送されることになる。したがって、記録媒体の先端部や両側端部が捲れ上がって記録へッド231に接触することによる汚染を防止することができる。そして、排出ローラ153等が回転駆動して、記録が終了した記録媒体を外部へ排出する。
【0030】
図5は、上記記録媒体搬送装置100を備えた記録装置としてのインクジェット式プリンタを示す斜視図、図6〜図8は、その主要部を示す平面図、正面図及び側面図である。このインクジェット式プリンタ200は、プリンタ本体210の後方上部に斜めに取り付けられた自動給紙(ASF)ユニット220と、プリンタ本体210に内蔵された記録部230及び記録媒体搬送装置100を備えている。記録媒体としては、インクジェット式プリンタ200の専用紙、普通紙の他、OHPフィルム、トレーシングペーパ一、ハガキ等各種のものを用いることができる。
【0031】
ASFユニット220は、用紙1を収容するトレイ221と、このトレイ221から用紙1を引き出して供給する給紙ローラ222等を備えている。記録部230は、記録ヘッド231及びインクカートリッジ232が搭載されたキャリッジ233と、このキャリッジ233を主走査方向に配設されたガイド軸234に沿って移動させるDCモータ235等を備えている。記録ヘッド231は、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトイエロー、ブラックの各色毎に、例えば96個等複数のノズルから成るノズル列を有している。
【0032】
記録媒体搬送装置100は、記録時に記録媒体を吸引保持する上段の吸引部120と下段の吸引力発生部130から成る吸引ユニット110と、吸引ユニット110の上流側から下流側へ記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段150とを備えている。吸引部120は、内部に形成された減圧室121と、記録媒体搬送面122に記録媒体の搬送方向に長い長方形状の凹みとして形成された複数の第1の吸引室123と、これら第1の吸引室123をそれぞれ減圧室121と連通させる複数の吸引孔124とを有している。さらに、吸引部120は、記録媒体搬送面122に記録媒体の搬送方向と直交する方向に延びる凹みとして形成された複数の第2の吸引室125(図6参照)と、これら第2の吸引室125をそれぞれ減圧室121と連通させる複数の吸引孔126(図6参照)を有している。
【0033】
吸引力発生部130は、吸引部120の減圧室121と連通孔131を介して連通されており、内部に遠心ファンを備えたポンプ132を有している。ポンプ132は、減圧室121の下方の所定位置に連通孔131を介して減圧室121と連通した状態で取り付けられており、遠心ファンが記録時に回転するようになっている。
【0034】
記録媒体搬送手段150は、記録媒体を記録へッド231と吸引ユニット110の間に送り込む送りローラ151と、この送りローラ151に対して上方から圧接される従動ローラ152とを有している。なお、この実施形態では、記録媒体を外部へ排出する排出ローラ153と、この排出ローラ153に対して上方から接触される拍車ローラ154とが不要な、排出方向へ移動可能な吸引ユニット110を有するインクジェット式プリンタ200としているが、排出ローラ153と拍車ローラ154を有するインクジェット式プリンタとしても良い。
【0035】
このような構成のインクジェット式プリンタ200は、以下のように動作する。図示しないホストコンピュータ等によりトレイ221に収容されている用紙1に対する記録命令が入力されると、給紙ローラ222が回転駆動して、トレイ221に収容されている用紙1を1枚ずつピックアップして給紙する。さらに、送りローラ152等が回転駆動して、用紙1を記録ヘッド231と吸引ユニット110との間に送り込む。
【0036】
一方、ポンプ132が駆動して、吸引力を連通孔131及び減圧室121を介して吸引孔124、126と第1の吸引室123、第2の吸引室125に作用させる。そして、用紙1を記録媒体搬送面122に吸引吸着した状態で搬送する。これと同時に、DCモータ235が駆動して、タイミングベルトを介してキャリッジ233をガイド軸234に沿って移動させる。このとき、記録へッド231は、インクカートリッジ232から各色毎に供給されるインクを記録データに応じて複数のノズルの全部又は一部から微小なインク滴として用紙1上に吐出して記録する。
【0037】
このとき、第1の吸引室123内に一旦引き込まれた記録媒体の先端部や両側端部が捲れ上がっても、空気流が引き起こす動圧損失により記録媒体の先端部や両側端部は第1の吸引室123内に再び引き寄せられる。したがって、記録媒体は記録媒体搬送面122において略水平に維持されて搬送されることになるので、記録媒体の先端部や両側端部が捲れ上がって記録へッド231に接触することによる汚染を防止することができる。そして、排出ローラ153等が回転駆動して、記録が終了した用紙1を排紙口201から外部へ排紙する。
【0038】
以上のように、吸引穴を吸引孔124、126と第1の吸引室123、第2の吸引室125で構成し、さらに吸引孔124、126を小径の貫通孔により形成することで、ポンプ132の特性に対して利用できる負圧の利用率を高めると共に、第1の吸引室123、第2の吸引室125を吸引孔124、126より面積の大きい略矩形の凹みとして形成することで、記録媒体に対して大きな吸引力を発生できるようになっている。さらに、記録媒体の先端部や両側端部が第1の吸引室123内に一旦引き込まれた後に捲れ上がっても、空気流が引き起こす動圧損失により記録媒体の先端部や両側端部は第1の吸引室123内に再び引き寄せられるので、記録媒体は記録媒体搬送面122において略水平に維持されて搬送されることになる。したがって、記録ヘッド231を記録媒体により近接させることができ、記録精度をさらに向上させることができる。
【0039】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は以上の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用されるのは勿論である。例えば、上述した実施形態では、記録装置としてインクジェット式プリンタを例に説明したが、これに限定されるものではなく、吸着搬送可能な記録装置であれば、例えばファクシミリ装置、コピー装置等であっても適用可能である。
【0040】
さらに、記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を液体噴射ヘッドから被噴射媒体に噴射して液体を被噴射媒体に付着させる液体噴射装置の意味として、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等を備えた装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る記録媒体搬送装置を示す側面図である。
【図2】図1の吸引部を示す平面図、A−A線断面側面図及びB−B線断面側面図である。
【図3】吸引部の一部を示す拡大平面図及びA−A線断面側面図である。
【図4】減圧室内の負圧と吸引孔の総面積及びポンプの流量との関係並びに減圧室内の負圧とポンプ流量の特性を示す図である。
【図5】本発明の記録媒体搬送装置を備えた記録装置としてのインクジェット式プリンタを示す斜視図である。
【図6】図5のインクジェット式プリンタの主要部を示す平面図である。
【図7】図5のインクジェット式プリンタの主要部を示す正面図である。
【図8】図5のインクジェット式プリンタの主要部を示す側面図である。
【符号の説明】
1 用紙、100 記録媒体搬送装置、110 吸引ユニット、120 吸引部、121 減圧室、122 記録媒体搬送面、123 第1の吸引室、124、126 吸引孔、125 第2の吸引室、127 仕切壁、127a 壁面、130 吸引力発生部、131 連通孔、132 ポンプ、150 記録媒体搬送手段、151 送りローラ、152 従動ローラ、153 排出ローラ、154 拍車ローラ、200 インクジェット式プリンタ、210 プリンタ本体、220 ASFユニット、221 トレイ、222 給紙ローラ、230 記録部、231 記録ヘッド、232 インクカートリッジ、233 キャリッジ、234 ガイド軸、235 DCモータ

Claims (7)

  1. 媒体搬送面上に供給される媒体を吸着しつつ搬送する媒体搬送装置であって、
    前記媒体搬送面は、搬送上流端から搬送下流端まで連通して延び、搬送方向に平行に複数並んだ第1のディンプルと、隣接する前記第1のディンプルを繋ぐ、搬送方向と直交する方向に延びる第2のディンプルとが形成されていることを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 前記第2のディンプルは、少なくとも前記媒体の両側端に対応する前記第1のディンプルとそれに隣接する前記第1のディンプルとを繋ぐ部分に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
  3. 前記第2のディンプルは、搬送方向と交差する方向に平行に複数並設されていることを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
  4. 前記媒体搬送面に設けられた複数の吸引穴、前記複数の吸引穴と連通した減圧室及び前記減圧室内の空気を吸引する吸引手段を有し、前記吸引穴が、前記減圧室と連通する吸引孔と、前記媒体と対向する吸引面の面積が前記吸引孔の断面積よりも大きい吸引室とを含む吸引ユニットを備え、前記吸引室が前記第1及び第2のディンプルとして機能することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
  5. 前記第2のディンプルにおける搬送下流側ないし上流側の壁面が、前記媒体の先端縁及び搬送面に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の媒体搬送装置を備えたことを特徴とする記録装置。
  7. 被噴射媒体搬送面上に供給される被噴射媒体を吸着しつつ搬送する液体噴射装置であって、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の媒体搬送装置を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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