以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の特徴を、本発明の実施例であるパチンコ遊技機10を用いて示す説明図である。この図1では、パチンコ遊技機10の前面に向かって左側の側面を外枠12を透視した状態で示している。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機10の前面方向から見たときの面を「表面」といい、パチンコ遊技機10の後面方向から見たときの面を「裏面」という。図1では、向かって右側の面がパチンコ遊技機10の表面となり、向かって左側の面がパチンコ遊技機10の後面となる。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、木製の外枠12に金属製の内枠用ヒンジ170,175を介して開閉可能に軸着される樹脂製の内枠20を備える。内枠20の枠内に形成された開口部には、遊技領域が形成された遊技盤40が嵌め込まれている。この遊技盤40の裏面には、賞球払出し機構等の各種機構が装着される機構板70が重合されている。この機構板70は、内枠20の正面に向かって左側(図1では手前側)の外側側面に金属製の機構板用ヒンジ190,195を介して開閉ないし係脱可能に軸着されている。
内枠20の正面に向かって左側(図1では手前側)の内側側面には、樹脂製のガラス枠22が金属製のガラス枠用ヒンジ180,185を介して開閉可能に軸着されている。このガラス枠22は、遊技球Bが遊技領域を流下する途中で機外に飛び出さないように、遊技の実行に際して閉止される。
また、内枠20表面下側の上皿24で覆われる領域には、発射ハンドル(図示せず)の回転操作により発射された遊技球Bを外レール51に案内する金属製の発射レール30が装着されている。また、遊技盤40の表面には、発射レール30からの遊技球Bを遊技領域に誘導する金属製の外レール51および内レール49が装着されている。
本実施例では、発射レール30から内枠用ヒンジ170ないし機構板用ヒンジ190,195までの経路に接続部材HBを配設するとともに、内レール49から内枠用ヒンジ170ないし機構板用ヒンジ190,195までの経路に接続部材UBを、外レール51から内枠用ヒンジ170ないし機構板用ヒンジ190,195までの経路に接続部材SBを、それぞれ配設する。本実施例では、これらの接続部材HB,UB,SBとして、各レール30,49,51から各ヒンジ170,190,195までの経路の形状を形成しない部材(例えば、導線のように、接触や振動等の外部からの軽微な作用によって外形形状が簡単に変化する部材)を用いず、各レール30,49,51から各ヒンジ170,190,195までの経路の形状をそのまま形成する金属製の部材のみを用いる。特許請求の範囲にいう「導電性の接続部材」は、本実施例における接続部材HB,UB,SBに相当する。
即ち、本発明は、このような接続部材HB,UB,SBをパチンコ遊技機10の各所に配設することにより、遊技球Bとの摩擦等によって発射レール30,内レール49および外レール51に生じた静電気を、上記接続部材HB,UB,SBを通じて内枠用ヒンジ170や機構板用ヒンジ190,195に確実に導き、各ヒンジ170,190,195からパチンコ遊技機10の外部に逃がすことを特徴とするものである。
次に、本実施例のパチンコ遊技機10の全体構成について図2および図3を参照しつつ説明する。図2,図3は、それぞれパチンコ遊技機10の前面,後面を示している。図2に示すように、パチンコ遊技機10は、木製の外枠12と、この外枠12の外側側面にセットされるプリペイドカードユニット15を備える。
プリペイドカードユニット15は、貸球数の情報が記録されたプリペイドカードを挿入することにより所定数の遊技球Bを上皿24に供給する装置であり、AC100ボルトのカードユニット電源コード17(図3を参照)と、度数表示部16a,貸出ボタン16b,貸出ボタンランプおよび返却ボタン16cを有する案内ユニット16を備える。このプリペイドカードユニット15によって貸球がなされる仕組みについては後述する。
パチンコ遊技機10は、外枠12に金属製の内枠用ヒンジ170,175を介して開閉可能に軸着される内枠20を備える。この内枠20に装着される各部品について以下説明する。内枠20の枠内に形成された開口部には、予め描画シートが貼着された遊技盤40が嵌め込まれており、この遊技盤40は非透明の樹脂を用いて形成されたガラス枠22で覆われている。
ガラス枠22は、内枠20の一片側(図2では向かって左側)の内側面に装着された金属製のガラス枠用ヒンジ180,185を介して内枠20に開閉可能に軸着されている。ガラス枠22は、ガラス枠22の中央付近に形成された開口部22aと、この開口部22a周囲の枠部22bとから構成されている。開口部22aはガラスが装着されてガラス面とされており、このガラス面周辺の枠部22bには、遊技状況に応じて点滅ないし点灯する表示ランプ23が装着されている。ガラス枠22を閉じた状態において、遊技盤40の遊技領域は、上記ガラス枠22のガラス面で覆われる。これにより、パチンコ遊技機10の前面からガラス越しに遊技領域を視認することができる。
また、ガラス枠22よりも下方の領域には、貸球や賞球としての遊技球Bを貯留する上皿24が設けられている。この上皿24は、内枠20の一片側(図2では向かって左側)の内側面に金属製の上皿用ヒンジ(図示せず)を介して開閉可能に軸着されている。
なお、ガラス枠用ヒンジ180,185および上皿用ヒンジとは反対側(図2では向かって右側)の内枠20の端部には、ガラス枠22および上皿24の開閉状態を切り換える金属製のキーユニット29が装着されている。また、キーユニット29近傍のガラス枠22に設けられた鍵穴飾り27には、キーユニット29を動作させる錠28が装着されている。このキーユニット29の詳細については後述する。
上皿24よりも下方の内枠20表面には、上皿24の容量を越えて払い出された遊技球Bを貯留する下皿25、発射ハンドル26aの回転操作によって上皿24から供給された遊技球Bを遊技領域に向けて発射する発射操作ユニット26等が取り付けられている。また、上皿24を開けたときに露出する内枠20表面には、発射ハンドル26aの回転操作により発射された遊技球Bを外レール51に案内する金属製の発射レール30が装着されている。
一方、内枠20の裏面には、図3に示すように、上皿24および発射操作ユニット26の取り付け位置に対応する位置に、発射モータや打球竿等からなる発射機構ユニット31が取り付けられる。また、内枠20の片側(図3では向かって右側)の側面には、後述する機構板70を軸受けするための金属製の受け金具33が螺着されている。この受け金具33の詳細については後述する。なお、内枠20裏面における開口部の左右には、開口部に嵌め込まれた遊技盤40を内枠20の裏面側から支持する支持片32a,32bが軸着されている。この左右の支持片32a,32bを軸を中心として回転させた後に遊技盤40を引き出すことにより、遊技盤40を内枠20の裏面側から取り外すことができる。
次に、遊技盤40について説明する。図2に示すように、遊技盤40の表面には、発射操作ユニット26により発射された遊技球Bを遊技領域まで誘導する金属製の外レール51および内レール49、弾性力を有する薄い金属で形成され、遊技領域に出た遊技球Bの内レール49側への戻りを防止するファール球止め50、返しゴム52、遊技領域において打球が流下する方向を変化させる多数の障害釘、遊技領域において打球が流下する速度や方向を変化させる風車47およびランプ風車48、遊技領域を流下する遊技球が進入可能な数個の普通入賞口43および一個の始動入賞口44、遊技球Bの普通図柄表示装置作動ゲート45の通過に伴って動作する普通図柄表示装置42、遊技球Bの始動入賞口44への進入に伴って図柄変動を開始する特別図柄表示装置41、特別図柄表示装置41によって特定図柄が表示されたときに開く大入賞口46、各入賞口43,44,46への入賞状況に応じて種々の形態で点灯ないし点滅する表示ランプ54等の各種部品が装着されている。また、遊技盤40の中央下部には、遊技領域において入賞しなかった遊技球Bの入口であるアウト口53が形成されている。このような各部により、ガラス枠22のガラス越しの遊技盤40上に遊技領域が形成される。
一方、遊技盤40の裏面には、図3に示すように、特別図柄表示装置41として機能する液晶表示器56、表示ランプ23,54の表示形態を制御するランプ制御基板57、外部に出力する音声の内容を特別図柄表示装置41の動作状況に応じて制御する音声制御基板58が、電気配線と共に取り付けられている。なお、ランプ制御基板57および音声制御基板58は、金属製のランプ・音声基板用プレート59を介して遊技盤40に取り付けられる。こうした液晶表示器56、ランプ制御基板57、音声制御基板58は、図示しない樹脂製のカバーによって覆われている。
次に、樹脂製の機構板70について説明する。図3に示すように、機構板70は、機構板70の側面の二箇所に設けられた金属製の機構板用ヒンジ190,195を介して、内枠20に遊技盤40を挟んで開閉ないし係脱可能に装着される。この機構板用ヒンジ190,195の構成については後述する。
機構板70の略中央には矩形の開口部70aが形成されている。図3に示すように、機構板70を閉じた状態において、遊技盤40裏面の液晶表示器56,ランプ制御基板57および音声制御基板58は上記開口部70a内に納まっている。
機構板70の裏面には、遊技場の球供給装置から供給される遊技球を一時的に貯留する球タンク72、球タンク72から賞球/貸球払出しユニット75までを連通するタンクレール73およびケースレール74が取り付けられている。図3に示すように、最上部に取り付けられた球タンク72の下部には二つの凸部72a,72bが形成されている。これらの凸部72a,72bはタンクレール73の上端と接触している。また、タンクレール73の末端はケースレール74の始端と接触した状態となっている。
ケースレール74の末端には、保護カバー76a,76b付きの賞球/貸球払出しユニット75および鈴桶カバー78付きの鈴桶ベース77が連接されている。
これらのケースレール74,賞球/貸球払出しユニット75、鈴桶ベース77は、図3に示すように、機構板70の裏面に敷設された矩形の金属板90上に金属板90と接触した状態で設置されている。また、ケースレール74の始端と接するタンクレール73の末端も、金属板90上に金属板90と接触した状態で設置されている。この金属板90,ケースレール74,賞球/貸球払出しユニット75および鈴桶ベース77の機構板70への設置態様については後述する。
機構板70におけるケースレール74上方の領域には電源・外部端子ユニット80が装着されている。電源・外部端子ユニット80は、遊技場の島からAC24ボルトの電源をパチンコ遊技機10内に導入するための遊技機電源コード80b、操作により供給電源のオン/オフを行なう電源スイッチ80a、パチンコ遊技機10に発生した特定図柄の表示による大当たり回数等を外部に出力する遊技盤用外部端子板80c、球貸しや球切れ,賞球に関する情報を外部に出力する枠用外部端子板80dから構成されている。遊技機電源コード80bから導入されたAC24ボルトの電源は、電気配線を通じて後述する電源ユニット81に送られる。
開口部70aの下方には、電源基板81aを有する電源ユニット81および発射制御基板82aを有する発射制御ユニット82が、金属製の電源・発射制御基板用プレート83を介して機構板70の裏面に取り付けられている。また、機構板70の裏面には、電源ユニット81および発射制御ユニット82の上面の一部を覆うように、金属製の主基板用プレート85が螺着されており、この主基板用プレート85上に主基板84aを有する主制御ユニット84が取り付けられている。また、機構板70の裏面には、鈴桶カバー78の上面および電源ユニット81の上面の一部を覆うように、金属製の払出制御基板用プレート87が螺着されており、この払出制御基板用プレート87上に払出制御基板86aを有する払出制御ユニット86が取り付けられている。
外部端子ユニット80と電気配線を介して接続された電源ユニット81は、遊技機電源コード80bから送られてきた交流電源を直流に変換し、変換された直流電源を、給電線を通じて液晶表示器56、ランプ制御基板57、音声制御基板58、発射制御ユニット82、主制御ユニット84および払出制御ユニット86等の各制御パーツに供給する。発射制御ユニット82は発射機構ユニット31の発射動作を制御する。主制御ユニット84は、特別図柄表示装置41や普通図柄表示装置42における図柄の表示動作等の遊技に伴う動作を制御する。払出制御ユニット86は、賞球/貸球払出しユニット75による払出し動作を制御する。
図3に二点鎖線で示すように、機構板70の表面には、遊技球Bを誘導する各種の通路が設けられている。一つは、賞球や貸球として払い出される遊技球Bを上皿24に導く通路である案内路70bである。また、上皿24の容量を越えて払い出された遊技球Bを下皿25に導く通路である分岐路70c、アウト口53に侵入した遊技球Bをアウト球として機外へ排出する通路であるアウト球排出通路70dも設けられている。
金属板90,ケースレール74,賞球/貸球払出しユニット75および鈴桶ベース77が機構板70に取り付けられる様子と機構板用ヒンジ190,195の構成を図4に示す。
図4に示すように、機構板用ヒンジ190は、内枠20側面に装着される受け金具33上部に形成された軸孔33t1付きの軸受部33aと、この軸孔33t1に挿入される軸191aを有する耳片191から構成されており、機構板用ヒンジ195は、受け金具33下部に形成された軸孔33t2付きの軸受部33bと、この軸孔33t2に挿入される軸196aを有する耳片196から構成されている。軸受部33a,軸受部33bは、金属製の受け金具33の一部を折り曲げることによって形成されており、軸191a,軸196aは、金属製の耳片191,耳片196と一体として形成されている。この軸191a,軸196aを、それぞれ軸受部33aの軸孔33t1,軸受部33bの軸孔33t2に挿入することにより、機構板70が内枠20に軸着され、機構板70は軸孔33t1および軸孔33t2を中心として回転自在となる。このように、機構板70が内枠20に軸着されることにより、受け金具33は、軸孔33t1,33t2において耳片191,196の軸191a,196aに接触した状態となる。
図4に示すように、機構板70には、賞球や貸球として払い出された遊技球Bを上皿24,下皿25に導く案内路70bが、機構板70を幅方向に貫通することによって設けられている。この案内路70bよりもやや上方(図4に示すz方向)に金属板90が取り付けられる。
図4に示すように、金属板90の側端部には折曲部90a,折曲部90bが形成されている。この折曲部90a,折曲部90bは、それぞれ耳片191,耳片196とともに、機構板70側面に螺着されている。これにより、金属板90は、折曲部90a,90bを介して金属製の耳片191,耳片196と導通可能な状態となる。もとより、金属板90と耳片191,耳片196とを予め一体的に形成しておいても差し支えない。
金属板90上の下方位置(図4に示す−z方向寄りの位置)には、鈴桶ベース77が、鈴桶ベース77の装着面77gと金属板90上面とが合わさるように取り付けられる。この鈴桶ベース77内には、賞球ないし貸球として払い出された遊技球Bの通路77aが形成されており、この通路77aの中央には金属製のベル77cが装着されている。
ベル77cは、装着面77gを貫通して立設された金属製の支持軸79に装着されている。従って、鈴桶ベース77を金属板90上に取り付けたときに、装着面77gおよび支持軸79は金属板90に当接した状態となる。従って、ベル77cに帯電した静電気は、金属板90の折曲部90a,90bを通じて機構板用ヒンジ190,195(耳片191,196および受け金具33)に導かれ、機構板用ヒンジ190,195からパチンコ遊技機10の外部に除去される。
また、鈴桶ベース77が取り付けられたときに案内路70b,分岐路70cと対向する位置には、通路77a内の遊技球Bを上皿24方向に排出するための第一出口77b,通路77a内の遊技球Bを下皿25方向に排出するための第ニ出口77fが形成されている。この第一出口77bと第ニ出口77fとの間には、仕切り板77eが立設される。仕切り板77eの上方には、ガイド板77dが下向きの傾斜で設けられている。このガイド板77dは、第ニ出口77fを覆う範囲に設けられる。
鈴桶ベース77の通路77aの上方(図4に示すz方向)には賞球/貸球払出しユニット75が装着される。賞球/貸球払出しユニット75の装着位置よりも下方(図4に示す−z方向)の鈴桶ベース77は鈴桶カバー78によって覆われている。鈴桶カバー78の頂面の一箇所には有底孔78aが設けられており、この有底孔78aの孔内には、主基板用プレート85および払出制御基板用プレート87取り付け用のナットが埋め込まれている。
賞球/貸球払出しユニット75は、その内部に、モータ75a,75bを動力源として開閉するニ個のストッパ(図示せず)を備える。このストッパが閉成状態となることによりケースレール74からの遊技球Bの流下が塞き止められる。なお、賞球/貸球払出しユニット75の頂面には、モータ75a,75bをそれぞれ覆うようにニ個の保護カバー76a,76bが装着される。
賞球/貸球払出しユニット75の、図4に示す−z方向側の底部には、各ストッパの位置から連通された賞球排出口75c,貸球排出口75dが形成されている。また、賞球/貸球払出しユニット75内の賞球排出口75c,貸球排出口75dの近傍には、賞球排出口75c,貸球排出口75dから排出された賞球,貸球としての遊技球Bの数を検知する賞球/貸球センサ(図示せず)が埋め込まれている。
図4におけるケースレール74は、上下にニ分割された組み合わせ前の状態を表わしている。金属板90の上方位置に取り付けられるケースレール74内には、タンクレール73から流れてきた遊技球Bが進入する進入口74a、進入口74aから進入した遊技球Bを賞球用通路74cと貸球用通路74dとに分岐する分岐壁74b、分岐された遊技球Bの出口である賞球用遊技球通過口74e,貸球用遊技球通過口74fが形成されている。
このように構成されたパチンコ遊技機10では、以下のように遊技内容が実行される。プリペイドカードユニット15にプリペイドカードが挿入された後に案内ユニット16の貸出ボタン16bが押されると、貸球数の情報を検知した払出制御ユニット86が貸球排出口75d側のストッパの開成を指示する。この結果、ケースレール74の貸球用通路74dに貯まっていた遊技球Bは、貸球用遊技球通過口74fから賞球/貸球払出しユニット75内の貸球排出口75dを通じて鈴桶ベース77の通路77aに進入する。通路77aに進入した遊技球Bは、ベル77cに衝突してベル77cを鳴らしながら第一出口77bに向けて流下し、第一出口77bから案内路70bに排出される。これにより、貸球としての所定数の遊技球Bが案内路70bを通ってパチンコ遊技機10前面側の上皿24に払い出される。
この後、図2に示す発射ハンドル26aの回転操作がなされると、発射操作ユニット26は、発射機構ユニット31の発射モータや打球竿等を駆動し、上皿24に払い出された遊技球Bを遊技領域に向けて発射する。発射された遊技球Bは、発射レール30上を通過した後、外レール51と内レール49との間に形成された通路を外レール51や内レール49に接触しながら上昇する。この後、遊技球Bは、該遊技球Bに付与された付勢力により、内レール49の一端に装着されたファール球止め50を押し開く。これにより、遊技球Bが遊技領域に導かれる。
遊技領域に導かれた遊技球Bは、外レール51や障害釘に衝突しながら遊技盤40上を流下し、アウト口53,普通入賞口43,大入賞口46のうちのいずれかに進入する。アウト口53に進入した遊技球Bは、アウト球排出通路70dを通って機外へ排出される。一方、遊技中に普通入賞口43や大入賞口46に遊技球Bが進入した場合には、この遊技球Bの進入を検知した払出制御ユニット86が賞球排出口75c側のストッパの開成を指示する。この結果、ケースレール74の賞球用通路74cに貯まっていた遊技球Bは、賞球用遊技球通過口74eから賞球/貸球払出しユニット75内の賞球排出口75cを通じて鈴桶ベース77の通路77aに進入する。通路77aに進入した遊技球Bは、ベル77cに衝突してベル77cを鳴らした後、ガイド板77dに案内されて第一出口77bに向けて流下し、第一出口77bから案内路70bに排出される。これにより、賞球としての所定数の遊技球Bが案内路70bを通ってパチンコ遊技機10前面側の上皿24に払い出される。
上皿24の容量を越える遊技球Bが払い出されると、遊技球Bは案内路70bから上皿24に流れることができなくなる。この結果、案内路70bおよび第一出口77bが遊技球Bで閉塞され、鈴桶ベース77内の第一出口77b付近の下部に遊技球Bが滞留していく。遊技球Bが仕切り板77eを超える高さにまで滞留すると、遊技球Bは仕切り板77eを乗り越えて第ニ出口77fに向けて流下し、第ニ出口77fから分岐路70cに排出される。これにより、賞球としての遊技球Bが分岐路70cを通ってパチンコ遊技機10前面側の下皿25に払い出される。
以上のような賞球や貸球の払出しに伴って、ケースレール74,タンクレール73,球タンク72に貯まっていた遊技球Bは、順次に賞球/貸球払出しユニット75に向かうように移動する。賞球や貸球の払出しにより、球タンク72への貯留数が一定数以下であることが検出された場合には、この検出結果を受け取った枠用外部端子板80dからの指示に基づき、遊技場の球供給装置から球タンク72に遊技球Bが補給される。
なお、払い出された賞球や貸球の数は、賞球/貸球払出しユニット75内に設けられた賞球/貸球センサ(図示せず)によって検知される。賞球/貸球センサは所定数の払出しを検知したときに検知結果を払出制御ユニット86に送出し、検知結果を受け取った払出制御ユニット86は、賞球排出口75c側ないし貸球排出口75d側のストッパの閉成を指示する。ストッパの閉成により、賞球用遊技球通過口74eないし貸球用遊技球通過口74fからの遊技球Bの流下が停止される。この結果、球タンク72、タンクレール73およびケースレール74内は、入賞ないし球貸し発生前と同様の遊技球Bが貯留した状態に戻る。
続いて、本実施例のパチンコ遊技機10における特徴的な構成について図5ないし図10を参照しつつ説明する。図5はガラス枠22の裏面を示す説明図である。図5に示すように、ガラス枠22裏面の枠部22bには、平プレート150,平プレート151,包囲プレート153という薄い金属製のプレートが装着されている。
包囲プレート153は、開口部22aの右側から下側,左側にかけての範囲に
装着された略コの字型のプレートである。包囲プレート153は、開口部22aをとり囲む範囲に、包囲プレート153を折り曲げることによってプレート面から所定の高さに立設された折曲部153a,153b,153cを備える。このうち、折曲部153aの上方(図5における上方向)の端部と折曲部153cの上方(図5における上方向)の端部との間には、図5に示すように、金属製の連結金具154が載架されている。この連結金具154の載架により折曲部153a,153b,153cの強度を確保している。
折曲部153a,153b,153cの断面形状を図6に示す。図6(A),(B),(C)は、包囲プレート153を、それぞれ図5の6A−6A線,6B−6B線,6C−6C線に沿って切断したときの断面形状を示している。図6(A)および(C)に示すように、包囲プレート153の折曲部153a,153cには、連結金具154が差し込まれる差込溝153sa,153scが形成されている。
図6(A)ないし(C)に示すように、包囲プレート153の折曲部153a,153b,153cには、ガラスが嵌め込まれる嵌込溝153ga,153gb,153gcが形成されている。このうちの折曲部153bには、図6(B)に示すように、嵌込溝153gb形成部分から水平方向(内枠20に装着された遊技盤40の表面方向)に突出された形状の突出部153btが形成されている。この突出部153btは、内枠20の外レール51に対向する範囲を除く、折曲部153bのほぼ全範囲に形成されている。外レール51に対向する範囲の折曲部153bは、嵌込溝153gb形成部分から水平方向に突出されない切欠部153bmとされている(後述する図9を参照)。
また、図6(C)に示すように、嵌込溝153gcとは反対側の折曲部153cには、金属製の係止片155が、折曲部153cから水平方向(ガラス枠22の外側方向)に延出された状態で装着されている。なお、折曲部153cには、係止片155よりも下方の位置に、係止片155と同じ形状の係止片156が装着されている(図5を参照)。これらの係止片155,156は、後述するキーユニット29の上下二箇所に設けられた係止部143c,143pと対応する位置に装着されている。
図5に戻って説明する。図5に示すように、平プレート150,平プレート151は、開口部22a外側の上方(図5における上方)領域に、包囲プレート153を上から覆う態様で装着されている。平プレート150と包囲プレート153とが重なり合う範囲には二本のビスが貫通しており、これにより平プレート150および包囲プレート153がガラス枠22裏面の枠部22bに固定される。平プレート151も、平プレート150と同様にビスによって貫通固定される。従って、平プレート150は、常時、包囲プレート153に当接することになり、これにより、平プレート150と包囲プレート153との間における導通が可能な状態となる。また、平プレート151も、常時、包囲プレート153に当接し、これにより、平プレート151と包囲プレート153との間における導通が可能な状態となる。
一方、図5に示すように、平プレート150と平プレート151とは、所定の間隔d1をおいて、互いに接触しない状態で枠部22bに装着されている。つまり、開口部22a外側の周辺領域に設けられた平プレート150,151および包囲プレート153という金属製のプレートは、平プレート150と平プレート151とを離間して装着することによって、非連続的に設けられている。なお、本実施例では、図5に示す平プレート150,平プレート151および包囲プレート153の装着により、ガラス枠22の裏面に約800平方センチメートルの面積を有する金属製のプレート領域が確保される。
特許請求の範囲にいう「板体」は、本実施例では、平プレート150,平プレート151および包囲プレート153からなる金属製のプレートに相当する。もとより、「板体」を、上記の平プレート150,平プレート151および包囲プレート153以外の他の形態とすることも可能である。
なお、図5に示すように、平プレート151のガラス枠22外側方向の側端部(図5における向かって右側の端部)には、ガラス枠用ヒンジ180の一部を構成するロール部151gが形成されている。また、ロール部151gの略鉛直下方の包囲プレート153上には、ガラス枠用ヒンジ185の一部を構成する金属製の軸受けプレート188が、包囲プレート153上面に接触した状態で装着されている。この軸受けプレート188は、三本のねじによってガラス枠22裏面に螺着される。なお、ガラス枠用ヒンジ180,ガラス枠用ヒンジ185の詳細な構成については後述する。
ガラス枠22ないし上皿24を取り外した状態におけるパチンコ遊技機10の前面を図7に示す。この図7ではプリペイドカードユニット15の記載を省略して示している。以下、図7について説明するが、この説明においては、適宜、図8ないし図10を参照しながら説明する。
図7と図2とを比較してわかるように、内枠20のガラス枠22で覆われる領域(以下、ガラス枠被覆領域という)ないし内枠20の上皿24で覆われる領域(以下、上皿被覆領域という)には、前述したキーユニット29が配設されている。また、上皿被覆領域には、ファール球を下皿25に案内する樹脂製のファール球案内ユニット131、このファール球案内ユニット131上に装着される金属製の台座132、この台座132上に装着される発射レール30、台座132とキーユニット29とを接続する金属製の連絡部材134が設けられている。加えて、発射レール30のやや上方のガラス枠被覆領域には、内レール49に外接された金属製の板金110が設けられている。
また、図7と図2とを比較してわかるように、図7に向かって左側方向に位置する外レール51近傍のガラス枠被覆領域には、外レール51に外接された金属製の板金115が設けられている。
図7に示すように、パチンコ遊技機10からガラス枠22ないし上皿24を取り外すと、ガラス枠22ないし上皿24が取り付けられていた箇所に、内枠用ヒンジ170,175を構成する部材の一部(図7に示す軸形成部材171,176、軸171a,176a、軸受けプレート173,178)やガラス枠用ヒンジ180,185を構成する部材の一部(図7に示す軸形成部材171の突出部171b、軸186、台座187)が残る。
図7における発射レール30および内レール49周辺の様子を図8に示した。まず、発射レール30周辺の様子について説明する。図8に示すように、ファール球案内ユニット131上の台座132は、ねじを用いて内枠20に固定されている。この台座132の上に、発射レール30および球ストッパ133が装着されている。球ストッパ133は、発射レール30上の遊技球Bが発射レール30の傾斜に沿って内枠20の底部開口20yに落下することを防止する壁体である。この球ストッパ133と発射レール30の始端との間に発射機構ユニット31の打球竿31aが配置される。
また、ファール球案内ユニット131および台座132の上には、連絡部材134がねじを用いて装着されている。図8に示すように、連絡部材134は、台座132上に重なる重合部134aと、重合部134aから略直角に折れ曲がる方向に延出された延長部134bと、延長部134bから略直角に折り曲げられて重合部134aと反対方向に延出された差込部134cを備える。延長部134bは、内枠20に形成された案内面GSに沿って配置されている。また、差込部134cは、内枠20に形成されたキーユニット29の装着面ISとキーユニット29のフレーム140の間に差し込まれ、装着面ISとフレーム140との間で挟持されている。
図8に示すように、キーユニット29は、ガラス枠被覆領域の縦方向(図8に示すz軸方向)の範囲に延設されたフレーム140を備える。フレーム140は、略コの字形の横断面形状を有しており、内枠20の案内面GSに螺着されている。なお、図8では、パチンコ遊技機10の上方位置における内枠20およびフレーム140の記載を省略している。
フレーム140の外側側面141aには、上方のガラス枠被覆領域に相当する範囲に摺動板143が、下方の上皿被覆領域に相当する範囲に摺動板147が、それぞれ付設されている。摺動板143はガラス枠22の開閉状態の切り換えに用いられ、摺動板147は上皿24の開閉状態の切り換えに用いられる。なお、本実施例では、摺動板147についての詳しい説明は省略する。
摺動板143の中央付近には、ピン軸141,142の軸部と遊嵌可能な短辺長を有する長孔143a,143mが形成されている。ピン軸141,142は、この長孔143a,143mを貫通した状態でフレーム140の外側側面141aに装着される。これにより、摺動板143はピン軸141,142の頭部と外側側面141aとの間に、長孔143a,143mの長辺に沿って上下方向に摺動可能に配置される。
摺動板143には、バネ(図示せず)を備えたロック機構144が接続されている。図8に示す状態では、摺動板143に装着されたバネが下方向に引っ張られた状態でロック機構144に係止されており、この係止により摺動板143は最も下の位置に配置されている。このような状態を、以下、ロック機構144の開錠状態という。開錠状態においてロック機構144の先端部144aが押圧されると、ロック機構144によるバネの係止が解除される。これにより、バネの弾性力が摺動板143に作用し、摺動板143はピン軸141,142に遊嵌された長孔143a,143mに沿って上方に移動する。この上方への移動により、ロック機構144は施錠状態となる。
上記したフレーム140、ピン軸141,142、摺動板143およびロック機構144は、いずれも金属を用いて形成されている。また、図8に示すように、摺動板143の各長孔143a,143mよりもやや上方の一部は、切り欠き形状に形成されている。この切り欠かれた部分を、以下、切欠部143b,143nといい、一部切り欠きによって残された部分を、以下、係止部143c,143pという。摺動板143の係止部143c,143pは、切欠部143b,143nよりもロック機構144の先端部144aが位置する前側(図8ではx方向側)に位置する。なお、図8では、切欠部143bと切欠部143nの間におけるフレーム140,摺動板143およびロック機構144の記載を省略している。
前述したガラス枠22裏側の係止片155,156が切欠部143b,143nに進入した状態でロック機構144の先端部144aが押圧されると、係止部143c,143pが上方に移動してロック機構144が施錠状態となり、ガラス枠22が図2に示したような閉じた状態に保たれる。ロック機構144の施錠状態は、鍵穴飾り27に設けられた錠28の解錠操作に伴って解除される。これにより、ロック機構144が開錠状態となり、ガラス枠22をガラス枠用ヒンジ180,185を中心とした回転によって開くことが可能となる。なお、ガラス枠22を開いた後、上皿24裏面と内枠20表面との間に指を入れ、摺動板147の一部を押圧移動させることにより、上皿24とキーユニット29との係合状態が解除される。これにより、上皿24は上皿用ヒンジを中心として回転可能となり、上皿24を開くことができる。
以上、発射レール30周辺の様子について説明した。このように、パチンコ遊技機10からガラス枠22を取り外した状態において、発射レール30は、台座132,連絡部材134を介してキーユニット29に導通されている。特許請求の範囲にいう「第一接続部材」は、発射レール30に関しては、本実施例におけるキーユニット29に相当する。もとより、この「第一接続部材」を他の形態とすることも可能である。
次に、内レール49周辺の様子について説明する。図8に示すように、内レール49の外側近傍における内枠20は、およそ内レール49のレール幅分だけ、遊技盤40の盤面よりも隆起された形状とされている。この隆起された形状の部分を、以下、隆起部20rという。この隆起部20rの外周面に沿って略V字形の板金110が装着される。即ち、図8に示すように、隆起部20rは、前面20ra、遊技盤40と対向する後面(図示せず)、上側面20rc、下側面20rdという四つの外面を備える。板金110は、下側面20rdから隆起部20r後面と遊技盤40の盤面との間の隙間を通って上側面20rcと内レール49との間の空間領域に至るように配設される。このように配設された状態において、上側面20rcと内レール49との間に位置する板金110は、該板金110が有する弾性力により内レール49の外側に接触している。
このように配設された板金110は、隆起部20rの下側面20rdにビス111を用いて固定される。また、図8に示すように、板金110の一の端部には、該端部を折り曲げ形状とすることによって折曲部110fが形成されている。板金110は、折曲部110fがパチンコ遊技機10の前面側(図8ではx方向側)を向くように固定される。
特許請求の範囲にいう「第一接続部材」は、内レール49に関しては、本実施例における板金110に相当する。もとより、この「第一接続部材」を他の形態とすることも可能である。
外レール51に装着された板金115周辺の様子を図9に示す。この図9は、ガラス枠22を開いた状態におけるパチンコ遊技機10の斜視形状を表わしており、ガラス枠被覆領域よりも下部の構造を、ガラス枠用ヒンジ185,上皿用ヒンジを除き、省略して示している。
図9に示すように、内枠20表面の最外周には、前方(図9におけるx方向)に突出された形状の鍔部20d,20e,20fが形成されている。鍔部20dは、パチンコ遊技機10の正面に向かって左側(図9における−y方向側)の外周に位置し、鍔部20eは、パチンコ遊技機10の正面に向かって上側(図9におけるz方向側)の外周に位置する。パチンコ遊技機10の正面に向かって右側(図9におけるy方向側)の外周に位置する鍔部20fについては、図9における図示を省略している。ガラス枠22を閉じると、ガラス枠22は鍔部20d,20e,20fの内側に納まる。このとき、鍔部20d,20e,20fの内側に形成された内枠20の平面20hの一部は、ガラス枠22裏面の平プレート151や包囲プレート153に覆われる。
平面20hよりも内側の内枠20の中央領域には、平面20hから遊技盤40表面までの深さに凹んだ形状の凹部20iが形成されている。この凹部20i内の遊技盤40表面に外レール51および内レール49が装着される。内レール49の先端には、前述した金属製のファール球止め50が装着される。
本実施例では、図9に示すように、ファール球止め50が外レール51に僅かに接触する状態で、ファール球止め50を内レール49に装着している。従って、発射された遊技球Bによって押し開かれたファール球止め50は、遊技球Bの通過後にその弾性力によって元の位置に戻り、再び外レール51に僅かに接触する。これにより、外レール51と内レール49とは、遊技球Bの通過時を除き、ファール球止め50を介して導通される。従って、外レール51と内レール49との間における電位差が生じにくくなり、外レール51上や内レール49上での局所的な高電圧の発生を防止することができる。
凹部20iを形成する側面のうち、パチンコ遊技機10の正面に向かって左側の側面を側面20jとして図9に記す。図9に示すように、この側面20jと外レール51との間の空間領域に板金115が配設される。なお、図9では、説明の便宜上、板金115を外レール51を透視した状態で示している。
図9に示すように、板金115の二つの端部のうち、遊技盤40の表面側(図9に示す−x方向側)に位置する片端部には、該片端部を折り曲げることによって折曲部115eが形成されている。また、ガラス枠22の裏面方向側(図9に示すx方向側)に位置する他端部には、該他端部を折り曲げることによって折曲部115fが形成されている。
側面20jと外レール51との間の空間領域に板金115が配設された状態において、板金110の折曲部115eは、折曲部115eの有する弾性力によって外レール51の外側に接触している。このように配設された板金115は、折曲部115fがパチンコ遊技機10の前面側(図9ではx方向側)を向くように、側面20jにビス(図示せず)を用いて固定される。
特許請求の範囲にいう「第一接続部材」は、外レール51に関しては、本実施例における板金115に相当する。もとより、この「第一接続部材」を他の形態とすることも可能である。
続いて、内枠用ヒンジ170,175およびガラス枠用ヒンジ180,185の構造について、図9および図10を参照しつつ説明する。図10は、内枠用ヒンジ170およびガラス枠用ヒンジ180,185の構造を、機構板用ヒンジ190,195の構造とともに示す説明図である。この図10では、内枠用ヒンジ170,175が取り付けられる内枠20および外枠12、ガラス枠用ヒンジ180,185が取り付けられるガラス枠22および内枠20、機構板用ヒンジ190,195が取り付けられる機構板70および内枠20につき、これらの外形を二点鎖線を用いて示している。
まず、内枠用ヒンジ170,175について説明する。図9および図10に示すように、内枠用ヒンジ170は、内枠20の上側(図10に示すz方向側)の側面に取り付けられる金属製の軸形成部材171と、外枠12の上側(図10に示すz方向側)の側面ないし左側(図10に示す−y方向側)の側面に取り付けられる金属製の軸受けプレート173から構成されている。軸形成部材171は、その上部に、内枠20の上側の側面に載る載置部171eと、載置部171eと連続し、内枠20の前方(図10に示すx方向側)に内枠20の厚さを越える長さに延出された第一延出部171fとを備える。この第一延出部171fの先端には、略鉛直下方向に延びた軸171aが装着されている。
軸形成部材171の下部には、内枠20の厚みを越える長さに延出された第二延出部171gが形成されている。この第二延出部171gは、軸形成部材171の内枠20への取り付けの際に 内枠20の表裏を貫通する貫通孔20cに挿入される。軸形成部材171が内枠20に取り付けられると、第二延出部171gの延出終端の突出部171bは、内枠20の平面20hよりも前方(図10に示すx方向)に突出した状態となる(図9を参照)。この突出部171bには、後述する摺動軸181の軸部181bの径よりも若干大径の軸孔171tが形成されている。
一方、軸受けプレート173には、図10に示すように、内枠20方向(図10に示すx方向)に延出された延出部173aが形成されており、この延出部173aには軸171aの軸径よりも若干大径の軸孔173tが穿設されている。
内枠用ヒンジ175も、内枠用ヒンジ170と同様に、軸176a付きの金属製の軸形成部材176と、軸176aの軸径よりも若干大径の軸孔178tが穿設された金属製の軸受けプレート178から構成されている(図7を参照)。この軸形成部材176および軸受けプレート178は、内枠20の下側(図7に示す下方向側)の側面と外枠12との間に取り付けられる。
上記の軸形成部材171,176の軸171a,176aを、軸受けプレート173,178の軸孔173t,178tに挿入することにより、内枠20が外枠12に対して開閉可能に軸着される。例えば、内枠用ヒンジ170の場合には、図10に黒色の太矢印に示すように、軸受けプレート173の延出部173aを軸形成部材171の後側(図10に示す−x方向側)に形成された切欠部171cに通した後、延出部173a先端の軸孔173tに軸171aを挿入する。
次に、ガラス枠用ヒンジ180,185について説明する。図9および図10に示すように、ガラス枠用ヒンジ180は、前述した内枠20に取り付けられる軸形成部材171の突出部171bに形成された軸孔171tと、ガラス枠22の裏面に装着される平プレート151のロール部151gと、このロール部151g内に挿入されてロール部151g外側に上下に摺動可能に係止された摺動軸181とから構成されている。
図10に示すように、ロール部151gは平プレート151の端部を巻き回すことにより形成されている。軸挿入孔151hは、このロール部151g内の空間として形成される。この軸挿入孔151hには、摺動軸181の軸部181bが下から上に挿入される。また、ロール部151gの外側にはバネの一端が係止されるハンガー部151iが溶着されている。ハンガー部151iに係止されたバネの他端は摺動軸181のつまみ部181aに巻き付けられている。これにより、摺動軸181は、バネの弾性力によって上方向(図10に示す矢印K方向)に付勢される。この結果、軸挿入孔151hに挿入された軸部181bは、軸挿入孔151hを貫通してロール部151gの上方に突出した状態となっている。
一方、ガラス枠用ヒンジ185は、図9および図10に示すように、内枠20下方(図10では−z方向)の平面20hに三本のビスを用いて固定される軸186付きの台座187と、前述した包囲プレート153と重合した状態でガラス枠22の裏面に螺着される軸受けプレート188から構成されている。軸186は、台座187を貫通して下方に延出され、この延出終端において内枠20に固定されている(図7を参照)。この軸186の、台座187よりも上方に位置にする部分がガラス枠用ヒンジ185として機能し、台座187よりも下方に位置にする部分は上皿用ヒンジとして機能する。
図9および図10に示すように、ガラス枠用ヒンジ185を構成する台座187には、金属製の薄板99の一端が装着されている。この薄板99の他端は、内枠20の表裏を貫通するスリット20k(図10を参照)に内枠20の表側から挿入され、内枠20裏側側面の受け金具33に装着されている。
また、軸受けプレート188は、図9および10に示すように、ロール部151gの略鉛直下方の位置に、枠部22bの外側でプレート面に対して直角方向に折り曲げられた後に水平方向に延出された折曲部188aを備える。この折曲部188aには、軸186の軸径よりも若干大径の軸孔188tが形成されている。
上記の軸受けプレート188の軸孔188tを台座187上の軸186に挿入した後に、摺動軸181の軸部181bを突出部171bの軸孔171tに挿入することにより、ガラス枠22が内枠20に対して開閉可能に軸着される。軸部181bを軸孔171tに挿入する際には、まず、つまみ部181aをバネの弾性力に抗して図10に示す矢印L方向に押し下げ、軸部181bがロール部151gの上方にあまり突出しない状態とする。続いて、軸部181bを軸孔171tの位置に合わせた後、つまみ部181aから手を離す。これにより、摺動軸181は、バネの弾性力によって上方向(図10に示す矢印K方向)に移動し、軸部181bが軸孔171tに挿入される。これにより、ガラス枠22は、図9に示すような状態で内枠20に軸着される。
このように、ガラス枠22が内枠20に軸着されると、平プレート151のロール部151gは摺動軸181の軸部181bに接触した状態となり、摺動軸181の軸部181bは軸孔171tにおいて軸形成部材171の突出部171bに接触した状態となる。また、内枠20が外枠12に軸着されると、軸形成部材171は軸受けプレート173に接触した状態となる。つまり、内枠20が外枠12に,ガラス枠22が内枠20にそれぞれ軸着された状態において、ガラス枠22裏面の平プレート151は、ガラス枠用ヒンジ180(ロール部151g,摺動軸181,軸形成部材171の突出部171b)を介して内枠用ヒンジ170(軸形成部材171および軸受けプレート173)に導通されている。
他方、ガラス枠22が内枠20に軸着されると、包囲プレート153に重合された軸受けプレート188は、軸孔188tにおいて軸186に接触した状態となり、この軸186が装着された台座187は薄板99を介して受け金具33に接続された状態となる。また、図4において既述したように、機構板70が内枠20に軸着されると、受け金具33は、軸孔33t1,33t2において耳片191,196の軸191a,196aに接触した状態となる。つまり、ガラス枠22,機構板70がそれぞれ内枠20に軸着された状態において、ガラス枠22裏面の包囲プレート153は、ガラス枠用ヒンジ185(軸受けプレート188,軸186,台座187)および薄板99を介して機構板用ヒンジ190,195(受け金具33および耳片191,196)に導通されている。
特許請求の範囲にいう「第ニ接続部材」は、本実施例では、平プレート151と内枠用ヒンジ170とを接続する「ガラス枠用ヒンジ180」、包囲プレート153と機構板用ヒンジ190,195とを接続する「ガラス枠用ヒンジ185および薄板99」に相当する。もとより、この「第ニ接続部材」を他の形態とすることも可能である。
以上のように構成されたパチンコ遊技機10において、ガラス枠用ヒンジ180,185を介して内枠20に軸着されたガラス枠22を閉じると、ガラス枠22裏面の折曲部153a,153b,153cや連結金具154は、内枠20の凹部20i内に進入し、図11に二点鎖線で示す範囲に納まる。図11に示すように、折曲部153cの係止片155ないし係止片156は領域Pないし領域Qにおいてキーユニット29に当接する。また、折曲部153bの突出部153bt(図11では図示せず)は領域Rにおいて板金110に当接し、折曲部153aは領域Sにおいて板金115に当接する。領域Pないし領域Qにおける折曲部153cとキーユニット29との当接状態を図12に、領域Rにおける折曲部153bと板金110との当接状態を図13に、領域Sにおける折曲部153aと板金115との当接状態を図14に、それぞれ示した。以下、各図について説明する。
まず、領域Pないし領域Qについて説明する。図12は、キーユニット29周辺の様子を図11の12−12線に沿って示す説明図である。この図12では、キーユニット29が装着される内枠20を省略して示している。また、ガラス枠22については、係止片155,156を切断面として斜線のハッチングで示すとともに、係止片155,156以外の部分を仮想形状として二点鎖線ないし点線を用いて示している。
図12(A)はガラス枠22が開いている状態を示してり、キーユニット29のロック機構144が開錠状態となっている。この状態においては、図8で既述したように、発射レール30は、台座132,連絡部材134を介してキーユニット29に導通されている。
この状態からガラス枠22を閉じていくと、まず、図12(B)に示すように、係止片155,156が、係止部143c,143pの上方を通って摺動板143の切欠部143b,143n内に進入する。
この後、図12(B)に示すように、ガラス枠22裏面の包囲プレート153がロック機構144の先端部144aに接触し、更にガラス枠22を閉じていくと、ロック機構144の先端部144aが包囲プレート153によって押圧される。これによりロック機構144が施錠状態となり、キーユニット29およびガラス枠22は図12(C)に示す状態となる。即ち、係止片155,156が切欠部143b,143n内に進入した状態で先端部144aが押圧されると、摺動板143が長孔143a,143mに沿って上方に移動し、この結果、摺動板143は係止片155,156の下端部に当接する。
ロック機構144が施錠状態となった後にガラス枠22から手を離すと、ガラス枠22は押圧方向と逆方向に戻ろうとするが、この戻りの際、ガラス枠22の係止片155,156は図12(D)に示すように摺動板143の係止部143c,143pに当接し、係止部143c,143pが係止片155,156の戻りを妨げる。よって、ガラス枠22から手を離した後においては、図12(D)に示すように、係止部143c,143pと係止片155,156とが接触した状態となり、ガラス枠22が閉止状態に維持される。
このように、ガラス枠22の閉止状態においては、キーユニット29の係止部143c,143pと包囲プレート153の折曲部153cに装着された係止片155,156とが接触した状態となる。このため、発射レール30は、台座132,連絡部材134,キーユニット29の係止部143c,143p,包囲プレート153の折曲部153cを介して、包囲プレート153および平プレート150,151を重ね合わせてなるガラス枠22裏面の金属製のプレート領域に導通される。
また、図9および図10において既述したように、金属製のプレート領域を構成するプレートのうち、平プレート151は、ガラス枠用ヒンジ180(ロール部151g,摺動軸181,軸形成部材171の突出部171b)を介して内枠用ヒンジ170(軸形成部材171および軸受けプレート173)に導通されており、包囲プレート153は、ガラス枠用ヒンジ185(軸受けプレート188,軸186,台座187)および薄板99を介して機構板用ヒンジ190,195(受け金具33および耳片191,196)に導通されている。
このような発射レール30と内枠用ヒンジ170との間の導通経路を構成する部材(台座132、連絡部材134、キーユニット29、係止片155,156、包囲プレート153、平プレート151、ガラス枠用ヒンジ180)、および、発射レール30と機構板用ヒンジ190,195との間の導通経路を構成する部材(台座132、連絡部材134、キーユニット29、係止片155,156、包囲プレート153、ガラス枠用ヒンジ185,薄板99,受け金具33)が、図1における接続部材HBに相当する。発射レール30上で生じた静電気は、この接続部材HBを順次に通って内枠用ヒンジ170や機構板用ヒンジ190,195に導かれ、各ヒンジ170,190,195から機外に逃がされる。
次に、領域Rについて説明する。図13は、図11の13−13線に沿って切断したときの板金110周辺の様子を示す説明図である。図13(A)はガラス枠22が開いている状態をイメージとして示している。この状態からガラス枠22を閉じると、ガラス枠22の枠部22bは、内枠20の鍔部20d,20e,20fの内側を通って平面20hに次第に近づいていき、ガラス枠22裏面の包囲プレート153の折曲部153a,153b,153cおよび連結金具154が内枠20の凹部20iに進入する。
この折曲部153bの凹部20iへの進入の際、折曲部153b先端の突出部153btは、内枠20の隆起部20rに内レール49との接触を確保しつつ装着された板金110の折曲部110fに当接し、更にガラス枠22を閉じることにより、突出部153btは、折曲部110fの弾性力に抗して折曲部110fを押圧する。こうした板金110(折曲部110f)の包囲プレート153(突出部153bt)に対する弾性力により、ガラス枠22を閉止する際に程よい抵抗感が付与され、ガラス枠22の急閉止を抑制することができる。
ロック機構144が施錠されてガラス枠22が閉止状態となったときには、図13(B)に示すように、折曲部110fの突出部153bt方向への弾性力により、突出部153btと折曲部110fとが接触した状態に維持される。
このように、ガラス枠22の閉止状態においては、内レール49に外接された板金110の折曲部110fと包囲プレート153の折曲部153bとが接触した状態となる。このため、内レール49は、板金110,包囲プレート153の折曲部153bを介して、包囲プレート153および平プレート150,151を重ね合わせてなるガラス枠22裏面の金属製のプレート領域に導通される。
また、図9および図10において既述したように、金属製のプレート領域を構成するプレートのうち、平プレート151は、ガラス枠用ヒンジ180(ロール部151g,摺動軸181,軸形成部材171の突出部171b)を介して内枠用ヒンジ170(軸形成部材171および軸受けプレート173)に導通されており、包囲プレート153は、ガラス枠用ヒンジ185(軸受けプレート188,軸186,台座187)および薄板99を介して機構板用ヒンジ190,195(受け金具33および耳片191,196)に導通されている。
このような内レール49と内枠用ヒンジ170との間の導通経路を構成する部材(板金110,包囲プレート153,平プレート151,ガラス枠用ヒンジ180)、および、内レール49と機構板用ヒンジ190,195との間の導通経路を構成する部材(板金110,包囲プレート153,ガラス枠用ヒンジ185,薄板99,受け金具33)が、図1における接続部材UBに相当する。内レール49上で生じた静電気は、この接続部材UBを順次に通って内枠用ヒンジ170や機構板用ヒンジ190,195に導かれ、各ヒンジ170,190,195から機外に逃がされる。
次に、領域Sについて説明する。図14は、図11の14−14線に沿って切断したときの板金115周辺の様子を示す説明図である。この図14では、ガラス枠22につき、ガラス枠22裏面の包囲プレート153を切断面として斜線のハッチングで示すとともに、包囲プレート153以外の部分を仮想形状として二点鎖線を用いて示している。
図14(A)は、突出部171bにおいて内枠20に軸着されたガラス枠22が開いているときの状態を示している。この状態からガラス枠22を閉じると、ガラス枠22は内枠20の平面20hに次第に近づいていき、ガラス枠22裏面の包囲プレート153の折曲部153aが内枠20の凹部20iに進入する。
この折曲部153aの凹部20iへの進入の際、折曲部153aの先端部は、外レール51との接触を折曲部115eにおいて確保しつつ内枠20の側面20jに装着された板金115の折曲部115fに当接する。更にガラス枠22を閉じることにより、折曲部153aの先端部は、折曲部115fの弾性力に抗して折曲部115fを押圧する。こうした板金115(折曲部115f)の包囲プレート153(折曲部153aの先端部)に対する弾性力により、ガラス枠22を閉止する際に程よい抵抗感が付与され、ガラス枠22の急閉止を抑制することができる。
ロック機構144が施錠されてガラス枠22が閉止状態となったときには、図14(B)に示すように、折曲部115fの折曲部153a方向への弾性力により、折曲部153aの先端部と折曲部115fとが接触した状態に維持される。
このように、ガラス枠22の閉止状態においては、外レール51に外接された板金115の折曲部115fと包囲プレート153の折曲部153aとが接触した状態となる。このため、外レール51は、板金115,包囲プレート153の折曲部153aを介して、包囲プレート153および平プレート150,151を重ね合わせてなるガラス枠22裏面の金属製のプレート領域に導通される。
また、図9および図10において既述したように、金属製のプレート領域を構成するプレートのうち、平プレート151は、ガラス枠用ヒンジ180(ロール部151g,摺動軸181,軸形成部材171の突出部171b)を介して内枠用ヒンジ170(軸形成部材171および軸受けプレート173)に導通されており、包囲プレート153は、ガラス枠用ヒンジ185(軸受けプレート188,軸186,台座187)および薄板99を介して機構板用ヒンジ190,195(受け金具33および耳片191,196)に導通されている。
このような外レール51と内枠用ヒンジ170との間の導通経路を構成する部材(板金115,包囲プレート153,平プレート151,ガラス枠用ヒンジ180)、および、外レール51と機構板用ヒンジ190,195との間の導通経路を構成する部材(板金115,包囲プレート153,ガラス枠用ヒンジ185,薄板99,受け金具33)が、図1における接続部材SBに相当する。外レール51上で生じた静電気は、この接続部材SBを順次に通って内枠用ヒンジ170や機構板用ヒンジ190,195に導かれ、各ヒンジ170,190,195から機外に逃がされる。
なお、各ヒンジ170,190,195に導かれた静電気を機外に逃がす手法としては、遊技場の島に設けられたアース線を各ヒンジ170,190,195に接続する手法を考えることができる。
以上のように、発射レール30,内レール49,外レール51を接続部材HB,接続部材UB,接続部材SBを介して各ヒンジ170,190,195に接続することにより、パチンコ遊技機10内で発生した静電気は迅速に機外に除去される。この結果、パチンコ遊技機10内に帯電する静電気は、従来よりも大きく低減される。なお、上記のパチンコ遊技機10では、上記した各レール30,49,51と各ヒンジ170,190,195との接続部材HB,接続部材UB,接続部材SBを介した導通に加えて、球タンク72,タンクレール73,ケースレール74と賞球/貸球払出しユニット75とを表面抵抗値の異なる樹脂製導電材を用いて形成し、球タンク72等に帯電した静電気を金属板90を介して機外に除去する構成や、各種の制御基板が敷設される電源・発射制御基板用プレート83、主基板用プレート85、払出制御基板用プレート87およびランプ・音声基板用プレート59という各プレートを相互に連絡する構成を採用する。このようなパチンコ遊技機10において遊技中の静電気によるノイズの影響を測定した結果を図15(B)のグラフに示した。
図15は、賞球や貸球の払出しの前後においてパチンコ遊技機に生じる電位差を表わすグラフである。このグラフは、電源ラインにおける電位差の変化をデータとして採取したものであり、縦軸は電位差を示し、横軸は経過時間を示す。また、図15(A)は従来のパチンコ遊技機の測定結果を、図15(B)は本実施例のパチンコ遊技機10の場合の測定結果を、それぞれ表わしている。図15に示すように、賞球や貸球の払出しがなされる前においては、電源ラインにおける電位差は5ボルト前後で安定している。
図15(A)と図15(B)とを比較してわかるように、従来のパチンコ遊技機においては、賞球や貸球の払出しがなされる際に、最大で11ボルト,最小で−2ボルトの電位差が生じ、電圧が変化する幅W2は13ボルトとなる。これに対し、本実施例のパチンコ遊技機10では、賞球や貸球の払出しがなされる際に、最大で6ボルト,最小で4ボルトの電位差が生じ、電圧が変化する幅W1は2ボルトとなる。このように、本実施例のパチンコ遊技機10では、賞球や貸球の払出し時において電源ラインの電圧が変化する幅は、±1ボルト程度に止まり、従来のパチンコ遊技機の1/6程度にまで低減される。以上より、本実施例のパチンコ遊技機10では、従来品と比べて、賞球や貸球の払出し等により生じた静電気によるノイズが電源ラインにのりにくくなっていることがわかる。
以上説明した本実施例のパチンコ遊技機10では、遊技球Bを遊技領域に誘導する発射レール30,内レール49,外レール51と内枠用ヒンジ170,機構板用ヒンジ190,195とを金属製の接続部材HB,UB,SBで接続する。この接続部材HB,UB,SBは、各レール30,49,51から各ヒンジ170,190,195までの経路形状をそのまま形成しているので、各レール30,49,51から各ヒンジ170,190,195までの経路形状がパチンコ遊技機10に対する外部からの衝撃等によって変化してしまうということがない。従って、各レール30,49,51と各ヒンジ170,190,195との接続状態を確実に保持することが可能となり、各レール30,49,51に帯電した静電気を確実に各ヒンジ170,190,195に導いてパチンコ遊技機10の外部に除去することができる。
具体的には、本実施例のパチンコ遊技機10では、各接続部材HB,UB,SBを遊技機10を構成する面(以下、構成面という)に付設し、各接続部材HB,UB,SBが動かないように構成面に止着している。従って、パチンコ遊技機10の搬送や設置,点検等の際に、振動や接触等により接続部材HB,UB,SBが意に反して動いてしまい、各レール30,49,51と各ヒンジ170,190,195との接続状態が断ち切られてしまうといったことがない。
また、本実施例のパチンコ遊技機10では、接続部材HB,UB,SBを複数の金属製部品によって構成し、これら複数の金属製部品を連接することにより、パチンコ遊技機10前面の各レール30,49,51をパチンコ遊技機10後面の各ヒンジ170,190,195に接続する。従って、接続部材を複雑な形状とすることなく、各レール30,49,51と各ヒンジ170,190,195とを接続することができる。また、パチンコ遊技機10には、その基本的な機能を果たすために金属製の構成部品(例えば、ガラス枠22の開閉のために用いられているキーユニット29や機構板70の開閉のために用いられている受け金具33等)が配備されているが、本実施例のパチンコ遊技機10によれば、こうした金属製の構成部品を接続部材HB,UB,SBの一部として利用することができる。
本実施例のパチンコ遊技機10では、ガラス枠22の閉止という遊技の実行前に通常行なわれる動作により、各レール30,49,51と各ヒンジ170,190,195とが接続部材HB,UB,SBを介して導通される。従って、遊技の実行中に各レール30,49,51上で生じる静電気を確実に除去することができる。
本実施例のパチンコ遊技機10は、各接続部材HB,UB,SBとして以下の部品を備える。
(1)接続部材HB
[A]ガラス枠22を開けた状態において発射レール30と導通されるキーユニット29
[B]ガラス枠22の裏面に約800平方センチメートルの面積で設けられた平プレート150,151および包囲プレート153
[C]平プレート151と内枠用ヒンジ170とを接続するガラス枠用ヒンジ180、包囲プレート153と機構板用ヒンジ190,195とを接続するガラス枠用ヒンジ185および薄板99
(2)接続部材UB
[A]ガラス枠22を開けた状態において内レール49と導通される板金110
[B]ガラス枠22の裏面に約800平方センチメートルの面積で設けられた平プレート150,151および包囲プレート153
[C]平プレート151と内枠用ヒンジ170とを接続するガラス枠用ヒンジ180、包囲プレート153と機構板用ヒンジ190,195とを接続するガラス枠用ヒンジ185および薄板99
(3)接続部材SB
[A]ガラス枠22を開けた状態において外レール51と導通される板金115
[B]ガラス枠22の裏面に約800平方センチメートルの面積で設けられた平プレート150,151および包囲プレート153
[C]平プレート151と内枠用ヒンジ170とを接続するガラス枠用ヒンジ180、包囲プレート153と機構板用ヒンジ190,195とを接続するガラス枠用ヒンジ185および薄板99
以上の接続部材HB,UB,SBを有するパチンコ遊技機10は、ガラス枠22が閉止されたときに、[A]キーユニット29,板金110,板金115が[B]ガラス枠22裏面の平プレート150,151,包囲プレート153に当接することにより、各レール30,49,51と各ヒンジ170,190,195とを電気的に接続する。従って、ガラス枠22を閉じることにより、各レール30,49,51に帯電した静電気は、[A]キーユニット29,板金110,板金115を通じて広い面積のプレート領域に速やかに導かれ、プレート領域内において分散される。従って、各レール30,49,51上の静電気を各レール30,49,51外に効率よく逃がすことができる。また、プレート領域から各ヒンジ170,190,195までの接続経路は、各接続部材HB,UB,SB間で共通の部品(ガラス枠用ヒンジ180、ガラス枠用ヒンジ185および薄板99)によって形成されているので、静電気を逃がすために装着必要な部品数を削減することができる。
また、本実施例のパチンコ遊技機10では、平プレート150と平プレート151とを互いに離間した状態でガラス枠22裏面に装着することにより、ガラス枠22裏面の金属製のプレート領域を非連続的に設ける。従って、各レール30,49,51から金属製のプレート領域に導かれた静電気がプレート領域内でループしてしまうことを有効に回避することが可能となり、プレート領域内の静電気を[C]ガラス枠用ヒンジ180から内枠用ヒンジ170を通じて、または、ガラス枠用ヒンジ185,薄板99から機構板用ヒンジ190,195を通じてパチンコ遊技機10外部に確実に逃がすことができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は、こうした実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施可能である。
例えば、上記実施例では、ガラス枠22が閉止されたときに、[B]ガラス枠22裏面の平プレート150,151,包囲プレート153が、[A]キーユニット29,板金110,板金115に当接する構成としたが、ガラス枠22が閉止されたときに、各プレート150,151,153が、[A]キーユニット29,板金110,板金115のみならず各レール30,49,51の端部に当接する構成としてもよい。こうすれば、各レール30,49,51と金属部品との接触面積がより広くなり、レール上の静電気のレール外への除去効率をより一層高めることができる。特に、各レール30,49,51の端部は、一般に尖った形状とされており帯電しやすい性質を有するので、各プレート150,151,153に接触させることにより各レール30,49,51上での局所的な高電圧の発生を十全に防止することができる。
また、上記実施例では、平プレート150,151,包囲プレート153という3つのプレートを重合させて配置することによりガラス枠22裏面に金属製のプレート領域を形成したが、ガラス枠22裏面のプレートの数は2以下や4以上であっても差し支えない。
上記実施例では、接続部材HB,UB,SBを複数の部品によって構成したが、接続部材HB,UB,SBを一の部品によって構成しても差し支えない。
更に、上記実施例では、接続部材HB,UB,SBを金属製の部材としたが、この接続部材HB,UB,SBの全部または一部を金属以外の導電材で成形しても差し支えない。例えば、接続部材HB,UB,SBの成形材料としてカーボンや導電性樹脂等を用いれば、上記実施例とほぼ同様の効果を奏することができる。
本発明の実施例であるパチンコ遊技機10は、球貸し等による上皿24への遊技球Bの補充や、上皿24ないし下皿25に払い出された遊技球Bの機外への取り出しが可能に構成されているが、機内に遊技用の球が封入され、この球を流通させることにより遊技を行なう他の遊技機にも、本発明を適用することができる。また、上記実施例のパチンコ遊技機10では、遊技球Bの普通入賞口43等の入賞口への侵入に伴って所定数の遊技球Bを賞球として払い出すが、このような賞球に替えて所定数のメタルや景品等を払い出す他の遊技機にも、本発明を適用することができる。このような遊技機として、アレンジボール,パチンコ玩具等を考えることができる。