JP2004336568A - 増幅回路および増幅方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズ特性の良好な受光素子用の増幅回路を提供する。
【解決手段】受光素子からの信号を増幅する増幅回路10であって、前記信号を増幅するトランジスタ24と、抵抗23による電圧降下によってトランジスタ24のベースにバイアス電圧を与えるベースバイアス回路(抵抗23及び第2定電流源26)と、ベースと接地との間に接続されたコンデンサ27とを備えており、抵抗23は、電源電圧とベースとの間に接続されており、トランジスタ24のエミッタには、受光素子が接続され、トランジスタ24は、エミッタに流れる電流に対応する電圧をコレクタから出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】受光素子からの信号を増幅する増幅回路10であって、前記信号を増幅するトランジスタ24と、抵抗23による電圧降下によってトランジスタ24のベースにバイアス電圧を与えるベースバイアス回路(抵抗23及び第2定電流源26)と、ベースと接地との間に接続されたコンデンサ27とを備えており、抵抗23は、電源電圧とベースとの間に接続されており、トランジスタ24のエミッタには、受光素子が接続され、トランジスタ24は、エミッタに流れる電流に対応する電圧をコレクタから出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光素子からの信号を増幅する回路に関し、特に光通信用の半導体レーザ素子からの光を受光する受光素子用の増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、光伝送は、高速・大容量の情報通信に不可欠なものとなっており、光通信網の整備が急速に進められている。それに伴い、光通信を支えるキーデバイスである赤外半導体レーザ素子及びそれからのレーザ光を受光する受光素子の高性能化が要求されている。
【0003】
従来、受光素子からの信号を増幅する回路(プリアンプ)として、ベース接地型のトランジスタを用いた電流/電圧変換回路が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
図5は、上記特許文献1に記載された電流/電圧変換回路を示す。ここでは、電流信号源であるフォトダイオードPDと抵抗92との間に、コレクタが抵抗92に接続され、エミッタが電流信号原PDの接続端子95に接続されたベース接地型のトランジスタ90が設けられている。この回路によれば、フォトダイオードPDに電流iが発生すると、電源ライン91→抵抗92→トランジスタ90→接続端子95の経路で電流が流れ、つまり、抵抗92にも電流iとほぼ等しい電流が流れるので、電流/電圧変換効率εが低下しないというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−190368号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電流/電圧変換回路では、トランジスタ90のベースに接続されている基準電圧Vrefにノイズが発生している場合には、フォトダイオードPDの寄生容量CPDを介して電流ノイズに変換され、ノイズ特性が劣化するという問題がある。
【0006】
たとえば、電源ラインとトランジスタのベースとの間にレベルシフトダイオードを接続し、そのレベルシフトダイオードの順方向電圧の電圧降下を利用して、ベースバイアス電圧を与えている場合には、電源ラインで発生しているノイズ(電源電圧の変動成分)がそのまま(直流的には、レベルがシフトするが、交流的には、そのまま)トランジスタのベースに印加されるため、上述の電流ノイズとなって、SN比を劣化させてしまう。
【0007】
特に、高速な光伝送に用いられる受光素子に適用した場合には、信号に含まれる高周波成分の影響を受けて、電源ラインにノイズが重畳する場合があり、そのノイズの影響を受けて、さらに電流ノイズが増加してしまう。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ノイズ特性の良好な受光素子用の増幅回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る増幅回路は、受光素子からの信号を増幅する増幅回路であって、前記信号を増幅するトランジスタと、抵抗による電圧降下によって前記トランジスタのベースにバイアス電圧を与えるベースバイアス回路と、前記ベースと接地との間に接続されたキャパシタンス素子とを備えることを特徴とする。
【0009】
この構成により、キャパシタンス素子を介して電源電圧の変動成分が接地にバイパスされるため、電源電圧の変動に対してベース電圧が安定し、電流ノイズが抑制される。
ここで、前記抵抗は、電源電圧と前記ベースとの間に接続されていてもよい。
つまり、ベースバイアス回路として、例えば、電源と接地との間に直列に接続した抵抗と電流源とから構成し、それら抵抗と電流源との接続点をトランジスタのベースに接続してもよい。また、キャパシタンス素子は、例えば、コンデンサである。
【0010】
このとき、前記トランジスタのエミッタに前記受光素子を接続し、前記エミッタに流れる電流に対応する電圧をコレクタから出力させることで、電流電圧変換を行うことができる。
さらに、前記コレクタから出力された電圧を差動信号に変換する信号変換器を備えることで、外乱ノイズに強い形式の信号として出力させることができる。
【0011】
なお、本発明は、上記増幅回路として実現することができるだけでなく、電流電圧変換回路として実現したり、増幅方法として実現したり、電流を電圧に変換する方法として実現したりすることが可能であるのは言うまでもない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る増幅回路の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る増幅回路10の回路図である。ここには、受光器40も併せて示されている。
【0013】
受光器40は、レーザ光用の光電変換受光素子(フォトダーオードPD)である。この受光器40は、受光器電源41に接続され、その寄生容量はCPDである。
増幅回路10は、受光器40で発生した電流を差動の電圧信号に変換する回路であり、受光器40で発生した電流を電圧に変換するトランスインピーダンスとしての電流電圧変換回路20と、電流電圧変換回路20から出力される非差動の電圧信号を差動の電圧信号に変換する差動信号出力回路30とから構成される。
【0014】
図2は、図1における電流電圧変換回路20の詳細な回路図である。この電流電圧変換回路20は、入力端子21、電源端子22、抵抗23、トランジスタ24、第1定電流源25、第2定電流源26、コンデンサ27及び出力端子28から構成される。
【0015】
入力端子21は、受光器40に接続される端子である。電源端子22は、例えば、5V等の直流電源に接続される端子である。出力端子28は、この電流電圧変換回路20の出力端子であり、非差動の電圧信号を後段の差動信号出力回路30に出力する端子である。
【0016】
抵抗23及び第2定電流源26は、電源端子22と接地との間に直列に接続され、その接続点の電位(トランジスタ24のベースバイアス電圧)を決定している。抵抗23の値は、例えば、1KΩ等である。
トランジスタ24は、エミッタが入力端子21に接続され、ベースが抵抗23と第2定電流源26との接続点に接続され、コレクタが出力端子28に接続されたベース接地型のバイポーラトランジスタである。このトランジスタ24は、例えば、GaAs等の化合物半導体からなる高周波用トランジスタである。
【0017】
第1定電流源25は、入力端子21と接地との間に接続され、トランジスタ24に流す直流電流を決定している。
コンデンサ27は、トランジスタ24のベースと接地との間に接続され、トランジスタ24のベースにおけるノイズを抑制するキャパシタンス素子(例えば、容量値が30pF)である。
【0018】
以上のように構成された本発明に係る増幅回路10の動作は、次の通りである。
受光器40にレーザ光が入射すると、受光器40に電流が発生し、その変化分が入力端子21を介してトランジスタ24のエミッタ及びコレクタに流れる。その電流は、トランジスタ24のコレクタに接続された図示されていない負荷抵抗(例えば、電源とトランジスタ24のコレクタとの間に接続された抵抗)を流れ、電圧信号として、電流電圧変換回路20の出力端子28から出力される。図3(a)は、電流電圧変換回路20からの出力信号の波形例を示す図である。
【0019】
電流電圧変換回路20から出力された電圧信号は、差動信号出力回路30に入力され、リミッティング処理等が施され、差動の電圧信号に変換されて出力される。図3(b)は、図3(a)に示される信号が入力された場合における差動信号出力回路30からの出力信号の波形例を示す図である。
【0020】
ここで、トランジスタ24に着目すると、そのベースバイアス電圧は、抵抗23による電圧降下によって与えられ、ベースと接地との間には、コンデンサ27が接続されている。これによって、抵抗23とコンデンサ27とによってローパスフィルタが形成され、電源端子22で発生したノイズ(電源電圧の変動成分)は、抵抗23とコンデンサ27との接続点、即ち、トランジスタ24のベースにおいて大きく減衰される。
【0021】
ここで、もし、この増幅回路10において、抵抗23に代えてレベルシフトダイオードを接続し、かつ、コンデンサ27を接続しない場合を考えると、トランジスタ24のベースバイアス電圧は、電源端子22における電源電圧からレベルシフトダイオードでの電圧降下分だけ下がった電位となるが、電源電圧の変動成分がそのままベース電位に現れ、受光器40の寄生容量CPDを介して電流ノイズとなってしまう。
【0022】
本増幅回路10では、このようなレベルシフトダイオードを用いるのではなく、電源端子22とトランジスタ24のベース間に抵抗を接続し、かつ、トランジスタのベースにコンデンサ27を接続しているので、電源電圧の変動成分がコンデンサ27を介して接地にバイパスされ、電源電圧の変動に対してベース電位が安定し、結果として電流ノイズが抑制される。
【0023】
図4は、本増幅回路10のノイズ特性を示す図である。ここで、横軸は周波数を示し、左縦軸は増幅率(出力電圧/入力電流)[dBΩ]を示し、右縦軸はノイズの大きさ(pA/√Hz)を示す。また、カーブ50は、この増幅回路10の増幅率を示し、カーブ51は、この増幅回路10が発生するノイズ(入力換算したノイズ)を示し、カーブ52は、電源電圧の変動に起因するノイズ(入力換算したノイズ)を示している(全帯域でゼロのカーブ)。
【0024】
なお、カーブ53は、電源電圧に端子22におけるノイズ、言い換えると、本増幅回路10において、抵抗23に代えてレベルシフトダイオードを接続し、かつ、コンデンサ27を接続しない場合における、電源電圧の変動に起因するノイズ(入力換算したノイズ)を示している。
【0025】
上記カーブ52とカーブ53とを比較して分かるように、本増幅回路10によれば、従来の回路であれば発生すると考えられる、電源電圧の変動に起因するノイズ(カーブ53)は、カーブ52に示されるように、大幅に抑制される。
以上、本発明に係る増幅回路について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
【0026】
たとえば、増幅回路10の抵抗23及びコンデンサ27等の値については、本実施の形態で示された値に限られないことは言うまでもない。抵抗23及びコンデンサ27については、その時定数から定まるカットオフ周波数と、電源端子22に発生する電源電圧の変動成分の周波数とを考慮し、適宜決定すればよい。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る増幅回路によれば、ベース接地型のトランジスタのベースにおいて、キャパシタンスを介して電源電圧の変動成分が接地にバイパスされるため、電源電圧の変動に対してベース電圧が安定し、結果として電流ノイズが抑制される。
【0028】
また、本発明に係る増幅回路のベースバイアス回路は、抵抗とコンデンサという簡単な素子によって実現されるので、集積回路として実装するのに好適である。
また、本発明に係る増幅回路は、電流電圧変換回路として機能するので、特に電源ラインにノイズが重畳し易い高速な光伝送に用いられる受光素子からの電流を電圧に変換する回路として適している。
【0029】
以上のように、本発明によって、ノイズ特性が向上した高周波プリアンプが実現され、光伝送による高速・大容量の情報通信が求められる今日における本発明の実用的価値は極めて高いと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る増幅回路の回路図である。
【図2】図1における電流電圧変換回路の詳細な回路図である。
【図3】(a)は、電流電圧変換回路からの出力信号の波形例を示し、(b)は、差動信号出力回路からの出力信号の波形例を示す図である。
【図4】増幅回路のノイズ特性を示す図である。
【図5】従来の電流/電圧変換回路の回路図である。
【符号の説明】
10 増幅回路
20 電流電圧変換回路
21 入力端子
22 電源端子
23 抵抗
24 トランジスタ
25 第1定電流源
26 第2定電流源
27 コンデンサ
28 出力端子
30 差動信号出力回路
40 受光器
41 受光器電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光素子からの信号を増幅する回路に関し、特に光通信用の半導体レーザ素子からの光を受光する受光素子用の増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、光伝送は、高速・大容量の情報通信に不可欠なものとなっており、光通信網の整備が急速に進められている。それに伴い、光通信を支えるキーデバイスである赤外半導体レーザ素子及びそれからのレーザ光を受光する受光素子の高性能化が要求されている。
【0003】
従来、受光素子からの信号を増幅する回路(プリアンプ)として、ベース接地型のトランジスタを用いた電流/電圧変換回路が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
図5は、上記特許文献1に記載された電流/電圧変換回路を示す。ここでは、電流信号源であるフォトダイオードPDと抵抗92との間に、コレクタが抵抗92に接続され、エミッタが電流信号原PDの接続端子95に接続されたベース接地型のトランジスタ90が設けられている。この回路によれば、フォトダイオードPDに電流iが発生すると、電源ライン91→抵抗92→トランジスタ90→接続端子95の経路で電流が流れ、つまり、抵抗92にも電流iとほぼ等しい電流が流れるので、電流/電圧変換効率εが低下しないというものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−190368号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電流/電圧変換回路では、トランジスタ90のベースに接続されている基準電圧Vrefにノイズが発生している場合には、フォトダイオードPDの寄生容量CPDを介して電流ノイズに変換され、ノイズ特性が劣化するという問題がある。
【0006】
たとえば、電源ラインとトランジスタのベースとの間にレベルシフトダイオードを接続し、そのレベルシフトダイオードの順方向電圧の電圧降下を利用して、ベースバイアス電圧を与えている場合には、電源ラインで発生しているノイズ(電源電圧の変動成分)がそのまま(直流的には、レベルがシフトするが、交流的には、そのまま)トランジスタのベースに印加されるため、上述の電流ノイズとなって、SN比を劣化させてしまう。
【0007】
特に、高速な光伝送に用いられる受光素子に適用した場合には、信号に含まれる高周波成分の影響を受けて、電源ラインにノイズが重畳する場合があり、そのノイズの影響を受けて、さらに電流ノイズが増加してしまう。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ノイズ特性の良好な受光素子用の増幅回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る増幅回路は、受光素子からの信号を増幅する増幅回路であって、前記信号を増幅するトランジスタと、抵抗による電圧降下によって前記トランジスタのベースにバイアス電圧を与えるベースバイアス回路と、前記ベースと接地との間に接続されたキャパシタンス素子とを備えることを特徴とする。
【0009】
この構成により、キャパシタンス素子を介して電源電圧の変動成分が接地にバイパスされるため、電源電圧の変動に対してベース電圧が安定し、電流ノイズが抑制される。
ここで、前記抵抗は、電源電圧と前記ベースとの間に接続されていてもよい。
つまり、ベースバイアス回路として、例えば、電源と接地との間に直列に接続した抵抗と電流源とから構成し、それら抵抗と電流源との接続点をトランジスタのベースに接続してもよい。また、キャパシタンス素子は、例えば、コンデンサである。
【0010】
このとき、前記トランジスタのエミッタに前記受光素子を接続し、前記エミッタに流れる電流に対応する電圧をコレクタから出力させることで、電流電圧変換を行うことができる。
さらに、前記コレクタから出力された電圧を差動信号に変換する信号変換器を備えることで、外乱ノイズに強い形式の信号として出力させることができる。
【0011】
なお、本発明は、上記増幅回路として実現することができるだけでなく、電流電圧変換回路として実現したり、増幅方法として実現したり、電流を電圧に変換する方法として実現したりすることが可能であるのは言うまでもない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る増幅回路の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る増幅回路10の回路図である。ここには、受光器40も併せて示されている。
【0013】
受光器40は、レーザ光用の光電変換受光素子(フォトダーオードPD)である。この受光器40は、受光器電源41に接続され、その寄生容量はCPDである。
増幅回路10は、受光器40で発生した電流を差動の電圧信号に変換する回路であり、受光器40で発生した電流を電圧に変換するトランスインピーダンスとしての電流電圧変換回路20と、電流電圧変換回路20から出力される非差動の電圧信号を差動の電圧信号に変換する差動信号出力回路30とから構成される。
【0014】
図2は、図1における電流電圧変換回路20の詳細な回路図である。この電流電圧変換回路20は、入力端子21、電源端子22、抵抗23、トランジスタ24、第1定電流源25、第2定電流源26、コンデンサ27及び出力端子28から構成される。
【0015】
入力端子21は、受光器40に接続される端子である。電源端子22は、例えば、5V等の直流電源に接続される端子である。出力端子28は、この電流電圧変換回路20の出力端子であり、非差動の電圧信号を後段の差動信号出力回路30に出力する端子である。
【0016】
抵抗23及び第2定電流源26は、電源端子22と接地との間に直列に接続され、その接続点の電位(トランジスタ24のベースバイアス電圧)を決定している。抵抗23の値は、例えば、1KΩ等である。
トランジスタ24は、エミッタが入力端子21に接続され、ベースが抵抗23と第2定電流源26との接続点に接続され、コレクタが出力端子28に接続されたベース接地型のバイポーラトランジスタである。このトランジスタ24は、例えば、GaAs等の化合物半導体からなる高周波用トランジスタである。
【0017】
第1定電流源25は、入力端子21と接地との間に接続され、トランジスタ24に流す直流電流を決定している。
コンデンサ27は、トランジスタ24のベースと接地との間に接続され、トランジスタ24のベースにおけるノイズを抑制するキャパシタンス素子(例えば、容量値が30pF)である。
【0018】
以上のように構成された本発明に係る増幅回路10の動作は、次の通りである。
受光器40にレーザ光が入射すると、受光器40に電流が発生し、その変化分が入力端子21を介してトランジスタ24のエミッタ及びコレクタに流れる。その電流は、トランジスタ24のコレクタに接続された図示されていない負荷抵抗(例えば、電源とトランジスタ24のコレクタとの間に接続された抵抗)を流れ、電圧信号として、電流電圧変換回路20の出力端子28から出力される。図3(a)は、電流電圧変換回路20からの出力信号の波形例を示す図である。
【0019】
電流電圧変換回路20から出力された電圧信号は、差動信号出力回路30に入力され、リミッティング処理等が施され、差動の電圧信号に変換されて出力される。図3(b)は、図3(a)に示される信号が入力された場合における差動信号出力回路30からの出力信号の波形例を示す図である。
【0020】
ここで、トランジスタ24に着目すると、そのベースバイアス電圧は、抵抗23による電圧降下によって与えられ、ベースと接地との間には、コンデンサ27が接続されている。これによって、抵抗23とコンデンサ27とによってローパスフィルタが形成され、電源端子22で発生したノイズ(電源電圧の変動成分)は、抵抗23とコンデンサ27との接続点、即ち、トランジスタ24のベースにおいて大きく減衰される。
【0021】
ここで、もし、この増幅回路10において、抵抗23に代えてレベルシフトダイオードを接続し、かつ、コンデンサ27を接続しない場合を考えると、トランジスタ24のベースバイアス電圧は、電源端子22における電源電圧からレベルシフトダイオードでの電圧降下分だけ下がった電位となるが、電源電圧の変動成分がそのままベース電位に現れ、受光器40の寄生容量CPDを介して電流ノイズとなってしまう。
【0022】
本増幅回路10では、このようなレベルシフトダイオードを用いるのではなく、電源端子22とトランジスタ24のベース間に抵抗を接続し、かつ、トランジスタのベースにコンデンサ27を接続しているので、電源電圧の変動成分がコンデンサ27を介して接地にバイパスされ、電源電圧の変動に対してベース電位が安定し、結果として電流ノイズが抑制される。
【0023】
図4は、本増幅回路10のノイズ特性を示す図である。ここで、横軸は周波数を示し、左縦軸は増幅率(出力電圧/入力電流)[dBΩ]を示し、右縦軸はノイズの大きさ(pA/√Hz)を示す。また、カーブ50は、この増幅回路10の増幅率を示し、カーブ51は、この増幅回路10が発生するノイズ(入力換算したノイズ)を示し、カーブ52は、電源電圧の変動に起因するノイズ(入力換算したノイズ)を示している(全帯域でゼロのカーブ)。
【0024】
なお、カーブ53は、電源電圧に端子22におけるノイズ、言い換えると、本増幅回路10において、抵抗23に代えてレベルシフトダイオードを接続し、かつ、コンデンサ27を接続しない場合における、電源電圧の変動に起因するノイズ(入力換算したノイズ)を示している。
【0025】
上記カーブ52とカーブ53とを比較して分かるように、本増幅回路10によれば、従来の回路であれば発生すると考えられる、電源電圧の変動に起因するノイズ(カーブ53)は、カーブ52に示されるように、大幅に抑制される。
以上、本発明に係る増幅回路について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
【0026】
たとえば、増幅回路10の抵抗23及びコンデンサ27等の値については、本実施の形態で示された値に限られないことは言うまでもない。抵抗23及びコンデンサ27については、その時定数から定まるカットオフ周波数と、電源端子22に発生する電源電圧の変動成分の周波数とを考慮し、適宜決定すればよい。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る増幅回路によれば、ベース接地型のトランジスタのベースにおいて、キャパシタンスを介して電源電圧の変動成分が接地にバイパスされるため、電源電圧の変動に対してベース電圧が安定し、結果として電流ノイズが抑制される。
【0028】
また、本発明に係る増幅回路のベースバイアス回路は、抵抗とコンデンサという簡単な素子によって実現されるので、集積回路として実装するのに好適である。
また、本発明に係る増幅回路は、電流電圧変換回路として機能するので、特に電源ラインにノイズが重畳し易い高速な光伝送に用いられる受光素子からの電流を電圧に変換する回路として適している。
【0029】
以上のように、本発明によって、ノイズ特性が向上した高周波プリアンプが実現され、光伝送による高速・大容量の情報通信が求められる今日における本発明の実用的価値は極めて高いと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る増幅回路の回路図である。
【図2】図1における電流電圧変換回路の詳細な回路図である。
【図3】(a)は、電流電圧変換回路からの出力信号の波形例を示し、(b)は、差動信号出力回路からの出力信号の波形例を示す図である。
【図4】増幅回路のノイズ特性を示す図である。
【図5】従来の電流/電圧変換回路の回路図である。
【符号の説明】
10 増幅回路
20 電流電圧変換回路
21 入力端子
22 電源端子
23 抵抗
24 トランジスタ
25 第1定電流源
26 第2定電流源
27 コンデンサ
28 出力端子
30 差動信号出力回路
40 受光器
41 受光器電源
Claims (5)
- 受光素子からの信号を増幅する増幅回路であって、
前記信号を増幅するトランジスタと、
抵抗による電圧降下によって前記トランジスタのベースにバイアス電圧を与えるベースバイアス回路と、
前記ベースと接地との間に接続されたキャパシタンス素子とを備えることを特徴とする増幅回路。 - 前記抵抗は、電源電圧と前記ベースとの間に接続されていることを特徴とする請求項1記載の増幅回路。
- 前記トランジスタのエミッタには、前記受光素子が接続され、
前記トランジスタは、前記エミッタに流れる電流に対応する電圧をコレクタから出力することを特徴とする請求項2記載の増幅回路。 - 前記増幅回路はさらに、前記コレクタから出力された電圧を差動信号に変換する信号変換器を備えることを特徴とする請求項3記載の増幅回路。
- トランジスタを用いて、受光素子からの信号を増幅する方法であって、
抵抗による電圧降下によって前記トランジスタのベースにバイアス電圧を与え、
前記ベースと接地との間にキャパシタンス素子を接続することを特徴とする増幅方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003132213A JP2004336568A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 増幅回路および増幅方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008205614A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Nec Electronics Corp | 受光回路 |
US8463143B2 (en) | 2010-06-25 | 2013-06-11 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Amplifier with offset compensator and optical receiver implemented with the same |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003132213A patent/JP2004336568A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008205614A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Nec Electronics Corp | 受光回路 |
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