JP2004336451A - 画像復号ユニットとそれを用いた画像符号化装置及び符号化方法並びに画像復号装置及び復号方法 - Google Patents

画像復号ユニットとそれを用いた画像符号化装置及び符号化方法並びに画像復号装置及び復号方法 Download PDF

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真納 濱田
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Abstract

【課題】少数精度の動き補償を高速実行できる、画像復号ユニットとそれを用いた画像符号化・復号装置及び符号化・復号方法を提供する。
【解決手段】画像復号ユニット100は、復号処理部110、データメモリ部120、再構成演算部130、及びフレームメモリ140を備え、前記復号処理部110は、エントロピー復号部111、動き補償部112、逆量子化部113、及び逆DCT部114を有し、前記データメモリ部120は、データメモリA121とデータメモリB122とを有する。復号処理過程において、復号途中の中間データを入力して、再構成画像データを出力する再構成演算部130を、フレームメモリ140へのデータ転送の途中に設けることで、再構成画像データを生成する処理と、再構成画像データをフレームメモリ140に格納する処理とを並列処理できる。これによって、画像再構成の処理を高速に行える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像復号ユニットとそれを用いた画像符号化装置及び符号化方法並びに画像復号装置及び復号方法に関し、特に、再構成画像の生成過程における処理の高速化を図る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、動画を扱う情報機器及び情報端末機器の飛躍的な普及に伴い、動画を圧縮する技術が、一段と脚光を浴びている。
【0003】
動画圧縮技術は、MPEG(Moving Picture ExpertsGroup)が定める、MPEG−2、及び、MPEG−4、さらには、ITU(International Telecommunication Union)が定める、H.261,H.263,及び、H.264などの規格により、技術の標準化が図られている。これらの規格での動画圧縮技術は、動画が持つ隣接フレーム間の強い相関性を利用して、高圧縮を行うものである。
【0004】
まず、図10から12を参照して、動画圧縮の一般的な従来技術を説明する。
【0005】
図10は、従来例の画像符号化装置のブロック図である。以下に、その構成と動作の概要を説明する。
【0006】
図10に示す従来例の画像符号化装置は、一般的なものであり、入力端子10、差分演算部11、DCT部(離散コサイン変換部)12、量子化部13、エントロピー符号化部14、送信バッファ15、出力端子16、動き検出部17、逆量子化部19、逆DCT部21、動き補償部22、加算演算部23、及び、フレームメモリ24を備える。
【0007】
入力端子10は、差分演算部11の入力と動き検出部17の入力とに接続される。差分演算部11のもう一方の入力には、動き補償部22の出力が接続され、動き検出部17のもう一方の入力には、フレームメモリ24の出力が接続される。
【0008】
差分演算部11の出力は、DCT部12の入力に接続され、DCT部12の出力は、量子化部13の入力に接続される。量子化部13の出力は、エントロピー符号化部14の入力と、逆量子化部19の入力とに接続される。エントロピー符号化部14のもう1つの入力には、動き検出部17の出力が接続される。エントロピー符号化部14の出力は、送信バッファ15の入力に接続される。
【0009】
逆量子化部19の出力は、逆DCT部21の入力に接続される。逆DCT部21の出力は、加算演算部23の1つの入力に接続される。加算演算部23のもう1つの入力には、動き補償部22の出力が接続される。加算演算部23の出力は、フレームメモリ24に接続され、さらに、フレームメモリ24は、動き検出部17のもう1つの入力に接続される。
【0010】
次に、動作の概略を説明する。まず、入力端子10に入力された入力画像S10は、動き検出部17において、フレームメモリ24に格納されている、再構成画像(しばしば参照画像と呼ばれる)と比較され、動きベクトルS11が求められる。この動きベクトルを用いて、動き補償部22は、予測画像S12を生成する。差分演算部11は、入力画像S10と予測画像S12との差分、すなわち、予測誤差を求める。この予測誤差は、DCT部12でDCT係数が求められ、量子化部13で量子化され、エントロピー符号化部14において、動きベクトルS11とともに、ハフマン符号や算術符号などの可変長符号を用いて、符号化され、送信バッファ15に一時的に格納されて、ビットストリームとして送出される。
【0011】
また、量子化部13で量子化されたDCT係数は、逆量子化部19と逆DCT部21の処理を経て、局部予測誤差データS14となり、加算演算部23に送られる。加算演算部23では、局部予測誤差データS14と、先に動き補償部22において生成した予測画像S12とを用いて、再構成画像を生成し、フレームメモリ24に格納する。
【0012】
動き検出部17における動きベクトルの検出処理は、一般に、現画像内の複数の画素からなるブロックを処理対象とし、この処理対象ブロックが、当該現画像に対する時間的に前の画像のどの位置に存在するかを、いわゆる、ブロックマッチング法により調べ、画像の動きの方向と量を示す動きベクトルを検出するものである。
【0013】
また、動き補償部22における予測画像S12の生成処理は、予測精度を画素位置単位で行う生成(これを整数精度の動き補償と呼ぶ)に加えて、画素と画素の間の位置で行う生成(これを小数精度の動き補償と呼ぶ)にまで高めることにより、予測誤差をより小さくする手法が採られている。
【0014】
次に、図11は、従来例の画像復号装置のブロック図である。この図を参照して、一般的な復号方式について説明する。
【0015】
図11に示す従来例の画像復号装置は、一般的なものであり、入力端子30、受信バッファ31、エントロピー復号部32、逆量子化部19、逆DCT部21、動き補償部22、加算処理部23、フレームメモリ24、及び、出力端子33を、備える。
【0016】
入力端子30は、受信バッファ31の入力に接続され、受信バッファ31の出力は、エントロピー復号部32の入力に接続される。エントロピー復号部32の出力は、逆量子化部19の入力と、動き補償部22の1つの入力とに接続される。
【0017】
逆量子化部19の出力は、逆DCT部21の入力に接続され、逆DCT部21の出力は、加算処理部23の1つの入力に接続される。動き補償部22のもう1つの入力には、フレームメモリ24の出力が接続される。加算処理部23のもう1つの入力には、動き補償部22の出力が接続され、加算処理部23の出力は、フレームメモリ24の入力に接続され、フレームメモリ24の出力は、出力端子33に接続される。
【0018】
次に、この画像復号装置の動作の概略を説明する。入力端子30に入力された受信ビットストリームS30は、一旦、受信バッファ31に格納された後、エントロピー復号部32に入力される。
【0019】
エントロピー復号部32においては、受信ビットストリームS30から、動きベクトルS31と、量子化されている予測誤差画像のDCT係数S32とが、復号される。
【0020】
量子化されている予測誤差画像のDCT係数S32は、逆量子化部19と逆DCT部21の処理を経て、予測誤差画像のDCT係数S35として、加算処理部23に入力される。
【0021】
一方、動きベクトルS31は、動き補償部22に入力され、フレームメモリ24に格納されている再構成画像S33に対して、動き補償を施し、予測画像S34を生成し、加算処理部23に出力する。加算処理部23は、予測画像S34とDCT係数S35とを加算処理して、新しい再構成画像S36を生成し、フレームメモリ24に格納する。生成された新しい再構成画像は、復号画像S37として、フレームメモリ24から出力端子33に供給され、外部の画像表示装置に表示される。
【0022】
ここで、動き補償部22における動き補償処理については、上述した画像符号化装置と同様に、整数精度の動き補償に加えて、小数精度の動き補償が施されることがある。
【0023】
ところで、図10の点線で囲んだ領域20の構成と、図11の点線で囲んだ領域20の構成とは、全く同じ構成であり、その構成要素の機能も同じである。(したがって、両図においては、同じ機能の構成要素については、同じ番号を付している。)
【0024】
すなわち、領域20の構成は、画像符号化装置にも、画像復号装置にも、等しく利用できることに注意されたい。
【0025】
特許文献1は、上述した領域20に対して、更なる工夫を施した考案を開示している。
【0026】
図12は、従来例の動画像復号装置に用いられる動き補償部のブロック図であり、特許文献1の図10である。(ただし、各構成要素の名称は、特許文献1と同じであるが、符号は、変更している。)
【0027】
図12に示す動画像復号装置に用いられる動き補償部40は、IDCT(逆離散コサイン変換回路)41(図10に示す逆DCT部21と同じ)、MBバッファ(Macro Block バッファ)42、加算器43(図10に示す加算処理部23と同じ)、DRAM書き込み用バッファ44、及び、参照用フレームメモリ45(図10に示すフレームメモリ24と同じ)とを、備え、MBバッファ42は、2つのバンクを有し、DRAM書き込み用バッファ44は、1つのバンクを有している。参照用フレームメモリ45は、DRAMにより構成できる。
【0028】
図12に示す考案の主眼は、復号装置において、MBバッファ42を設けることにより、IDCT41からの読み出しスピードと、参照用フレームメモリ45への書き込みスピードとの違いを吸収し、さらに、DRAM書きこみ用バッファ44を設けることにより、参照用フレームメモリ45の読み出しと書き込み間のタイミング調整を行うことにある。
【0029】
すなわち、加算器43は、参照用フレームメモリ45からの予測マクロブロック信号S44と、MBバッファ42からの出力信号S42を加算して、得られた再構成画像信号S43を、DRAM書き込み用バッファ44に書きこむ。DRAM書き込み用バッファ44は、参照用フレームメモリ45が書き込む準備のできるまでの間、データを保持し、その後、書き込みの準備ができると、参照用フレームメモリ45に書む。本考案の発明者らは、これによって、参照用フレームメモリ45として、スピードが遅い、安価なDRAMを用いることができる、と主張している。
【0030】
ここで、IDCT41の読み出しスピードに対して、参照用フレームメモリ45の読み出し書き込みスピードが速い場合、DRAM書き込み用バッファ44内に1つのバンクを設けることにより、このバンクに入力したデータは、次のデータがくる前に読み出しが終了しているため、次のブロックデータが入力されるときは、バッファ内は空の状態になっている。本考案の発明者らは、これによって、タイミング調整用バッファに必要なメモリサイズを削減し、ハードウェア規模の縮小を図ることができる、と主張している。
【0031】
図12に示した考案は、整数精度の動き補償に対するものであり、少数精度の動き補償には、対応していない。
【0032】
以上の説明で明らかなように、最近の画像規格に求められている、少数精度の動き補償を効率よく、かつ、高速に処理するためには、従来技術では十分に対応できない。
【0033】
【特許文献1】
WO 95/02948号公報(第10図)
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、少数精度の動き補償を高速で実行できる、画像復号ユニットとそれを用いた画像符号化装置及び符号化方法並びに画像復号装置及び復号方法を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画像復号ユニットは、符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、第1メモリと第2メモリとに格納されている中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを備える。
【0036】
この構成によれば、画像信号の復号処理において、中間データを用いて再構成画像データを生成することにより、より高速の画像復号ユニットを実現できる。さらに、この画像復号ユニットは、画像符号化装置及び画像復号装置に等しく適用できるという利点を有する。
【0037】
請求項2記載の画像復号ユニットは、符号化された画像信号は、DCTとエントロピー符号化とを用いて符号化された画像信号であり、復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、エントロピー復号部は、入力される符号化された画像信号を復号して、量子化DCT係数と動きベクトルを出力し、逆量子化部と逆DCT部とは、エントロピー復号部が出力した量子化DCT係数から、DCT係数を求めて出力し、動き補償部は、エントロピー復号部が出力した動きベクトルを用いて、動き補償処理を行う。
【0038】
この構成によれば、DCTとエントロピー符号化とを用いて可変長符号に符号化された画像信号に対して、より高速の画像復号ユニットを実現できる。さらに、この画像復号ユニットは、画像符号化装置及び画像復号装置に等しく適用できる。
【0039】
請求項3記載の画像復号ユニットは、再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される。
【0040】
この構成によれば、再構成演算部における再構成画像データ生成処理と生成された再構成画像データの格納処理を、並列処理することにより、必要な処理時間を、ほぼ半分に短縮できる。これにより、より高速の画像復号ユニットを実現できる。
【0041】
請求項4記載の画像復号ユニットは、第1メモリに格納する中間データは、逆DCT部が出力する局部予測誤差データであり、第2メモリに格納する中間データは、動き補償部が出力する局部予測画像データであり、再構成演算部は、第1メモリに格納された局部予測誤差データと、第2メモリに格納された局部予測画像データとを、取得し、その取得のタイミングに同期して、再構成画像データを生成し、生成した再構成画像データを、逐次第3メモリに格納する。
【0042】
この構成によれば、DCTとエントロピー符号化とを用いて可変長符号に符号化された画像信号を処理する、より高速の画像復号ユニットを実現できる。さらに、再構成画像データの生成と、生成した再構成画像データのメモリへの格納を、同期を取って処理するため、より正確な並列処理と高速化が実現できる。
【0043】
請求項5記載の画像復号ユニットは、再構成演算部は、第1メモリと第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力する。
【0044】
この構成によれば、第1メモリと第2メモリとに格納される中間データが、ビット数が異なり、どちらか一方が符号を有する場合でも、それらを加算した結果から、正しい再構成画像データを得るために必要な新たな補正演算処理が不要となり、画像復号ユニットをより簡単な構成で実現できる。
【0045】
請求項6記載の画像復号ユニットは、再構成演算部が行う加算結果の正規化は、8ビットの正の値に対する正規化である。
【0046】
この構成によれば、第1メモリと第2メモリとに格納される中間データが、ビット数が異なり、どちらか一方が符号を有する場合でも、それらを加算した結果から、正しい再構成画像データを得るために必要な新たな補正演算が不要となる。さらに、現在最も広く採用されている、8ビット構成の画像復号ユニットをより簡単な構成で実現できる。
【0047】
請求項7記載の画像復号ユニットは、動き補償部は、小数精度の動き補償を行う。
【0048】
この構成によれば、最近の画像規格に求められている、少数精度の動き補償を効率よ、かつ、高速に処理する画像復号ユニットを提供できる。
【0049】
請求項8記載の画像復号ユニットは、符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、復号処理部が生成した、少なくとも2種類の中間データを格納する、複数のデータメモリを含むメモリ群とメモリ群のいずれかのデータメモリを選択して、少なくとも2種類の中間データの内の第1の中間データを取得する、第1選択手段と、メモリ群のいずれかのデータメモリを選択して、少なくとも2種類の中間データの内の第2の中間データを取得する、第2選択手段と、第1選択手段で取得した第1の中間データと、第2選択手段で取得した第2の中間データとを用いて、再構成画像データを生成する、再構成演算部と、メモリ群のいずれかのデータメモリか、あるいは、再構成演算部の出力かを選択して、データを取得する、第3選択手段と、第3選択手段が取得したデータを格納するメモリと、第1選択手段と、第2選択手段と、第3選択手段とに、データ転送命令を送って、それぞれのデータ転送元を制御する。
【0050】
この構成によれば、復号処理部110を、例えば、DSP(ディジタル信号処理器)を用いて構成する場合、データ転送命令をDSP命令で記述することにより、より複雑なデータ転送が可能で、かつ、異なる環境に容易に適用できる柔軟性に富んだ画像復号ユニットを実現できる。
【0051】
請求項9記載の画像復号ユニットは、符号化された画像信号は、DCTとエントロピー符号化とを用いて符号化された画像信号であり、復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、復号処理部は、少なくとも2種類の中間データを生成する。
【0052】
この構成によれば、請求項8記載の画像復号ユニットと同様の特徴を有し、DCTとエントロピー符号化とを用いて可変長符号に符号化された画像信号に対して、より高速の画像復号ユニットを実現できる。
【0053】
請求項10記載の画像復号ユニットは、第1の中間データは、局部予測画像データであり、第2の中間データは、局部予測誤差データである。
【0054】
この構成によれば、請求項8及び9記載の画像復号ユニットと同様の特徴を有し、さらに、DCTとエントロピー符号化とを用いて可変長符号に符号化された画像信号を処理する、より高速の画像復号ユニットを実現できる。
【0055】
請求項11記載のデータ転送方法は、請求項8記載の画像復号ユニットを用いて行い、第3選択手段に対して、データ転送元として、メモリ群のいずれかのデータメモリ、あるいは、再構成演算部出力を指定する第1オペラントと、第1選択手段に対して、データ転送元として、メモリ群のいずれかのデータメモリを指定する第2オペラントと、第2選択手段に対して、データ転送元として、メモリ群のいずれかのデータメモリを指定する第3オペラントとを含む、データ転送命令を発行するステップと、データ転送命令を受け取った選択手段は、指定されたデータ転送元からデータを取得するステップと、第3選択手段に対して、再構成演算部出力を選択するデータ転送命令が発行された時には、第1選択手段は、指示されたデータメモリから第1の中間データを取得し、第2選択手段は、指示されたデータメモリから第2の中間データを取得し、再構成演算部は、それらのデータを用いて、再構成画像データを生成し、逐次メモリに格納するステップとを含む。
【0056】
この方法によれば、復号処理部110を、例えば、DSP(ディジタル信号処理器)を用いて構成し、データ転送命令をDSP命令で記述する場合、その命令を標準化できる。さらに、このデータ転送命令を用いることで、より複雑なデータ転送が、可能となり、異なる環境に容易に適用できる柔軟性に富んだ画像復号ユニットを実現できる。
【0057】
請求項12記載のデータ転送方法は、請求項8記載の画像復号ユニットを用いて行い、第3選択手段に対して、データ転送元として、メモリ群のいずれかのデータメモリ、あるいは、再構成演算部出力を指定するオペラントを含む、データ転送命令を発行するステップと、第3選択手段は、データ転送命令を受け取った後、指定されたデータ転送元からデータを取得するステップと、第3選択手段に対して、再構成演算部出力を選択するデータ転送命令が発行された時には、第1選択手段は、あらかじめ指示されたデータメモリから第1の中間データを取得し、第2選択手段は、あらかじめ指示されたデータメモリから第2の中間データを取得し、再構成演算部は、それらのデータを用いて、再構成画像データを生成し、逐次前記メモリに格納するステップとを含む。
【0058】
この方法によれば、再構成演算を伴うデータ転送命令を、通常のプロセッサの転送命令として、実装することが可能となり、データ転送制御部の構造が簡単となる。
【0059】
請求項13記載の画像符号化装置は、符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、第1メモリと第2メモリとに格納されている中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、復号処理部は、逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有する画像復号ユニットと、入力される入力画像に対して、画像復号ユニットが出力する再構成画像データを、参照画像として用いて、入力画像の動きベクトルを検出する、動き検出部と、動きベクトルを基に、画像復号ユニットが動き補償を処理して出力する予測画像と、入力画像との差分をとり、予測誤差を求める予測誤差処理部と、予測誤差をDCT処理してDCT係数を求めるDCT部と、
【0060】
DCT係数を量子化して量子化DCT係数を求める量子化部と、量子化DCT係数と、動きベクトルとを、可変長符号に符号化して符号化画像データを生成するエントロピー符号化部と、符号化画像データを一時的に格納し、逐次送信ビットストリ−ムとして送出する、送信バッファとを備える。
【0061】
この構成によれば、請求項2記載の画像復号ユニットが有する特徴を生かした画像符号化装置を実現でいる。また、画像復号ユニットを単体として標準化することにより、画像符号化装置を、少ない構成部品で製造することが出来ので、装置の製造コストを低減できる。
【0062】
請求項14記載の画像符号化装置は、再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される。
【0063】
この構成によれば、再構成演算部における再構成画像データ生成処理と生成された再構成画像データの格納処理を、並列処理することにより、必要な処理時間を、ほぼ半分に短縮できる。これにより、より高速の画像復号ユニットを用いた画像符号化装置を実現できる。
【0064】
請求項15記載の画像符号化装置は、再構成演算部は、第1メモリと第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力する。
【0065】
この構成によれば、請求項5記載の特徴を有する画像復号ユニットを用いた画像符号化装置を実現できる。
【0066】
請求項16記載の画像復号装置は、符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、第1メモリと第2メモリとに格納されている中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、再構成演算部において生成された、再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有する画像復号ユニットと、符号化画像データである受信ビットストリームを一次的に格納する受信バッファとを備え、受信バッファに格納された符号化画像データは、画像復号ユニットのエントロピー復号部に入力され、画像復号ユニットは、入力された符号化画像データから、DCT係数と動きベクトルを算出し、中間データとしての局部予測誤差データと局部予測画像データとを生成し、それらを用いて再構成画像データを生成し、生成した再構成画像データを画像イメージとして第3メモリに格納し、さらに、格納した画像イメージを外部に接続される画像表示装置に出力する。
【0067】
この構成によれば、請求項2記載の画像復号ユニットが有する特徴を生かした画像復号装置を実現でいる。また、画像復号ユニットを単体として標準化することにより、画像復号装置を少ない構成部品で製造することが出来ので、装置の製造コストを低減できる。
【0068】
請求項17記載の画像復号装置は、再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される。
【0069】
この構成によれば、再構成演算部における再構成画像データ生成処理と生成された再構成画像データの格納処理を、並列処理することにより、必要な処理時間を、ほぼ半分に短縮できる。これにより、より高速の画像復号ユニットを用いた画像復号装置を実現できる。
【0070】
請求項18記載の画像復号装置は、再構成演算部は、第1メモリと第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力する。
【0071】
この構成によれば、請求項5記載の特徴を有する画像復号ユニットを用いた画像復号装置を実現できる。
【0072】
請求項19記載の画像復号方法は、符号化された画像信号を復号する画像復号方法であって、符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理ステップと、少なくとも2種類の中間データを第1メモリと第2メモリとに格納する中間データ格納ステップと、第1メモリと第2メモリとに格納されている中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算ステップと、再構成演算ステップにおいて生成された、再構成画像データを第3メモリに格納する再構成画像データ格納ステップとを含み、再構成演算ステップにおいて、再構成画像データを生成する処理と、再構成画像データ格納ステップにおいて、再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される。
【0073】
この方法によれば、画像信号の復号処理において、中間データを用いて再構成画像データを生成することにより、より高速の画像復号ユニットを実現できる。すなわち、再構成演算部における再構成画像データ生成処理と生成された再構成画像データの格納処理を、並列処理することにより、必要な処理時間を、ほぼ半分に短縮できる。さらに、この画像復号方法は、画像符号化装置及び画像復号装置に等しく適用できる。
【0074】
請求項20記載の画像復号方法は、符号化された画像信号は、DCTとエントロピー符号化とを用いて符号化された画像信号であり、復号処理ステップは、エントロピー復号ステップと逆量子化ステップと逆DCTステップと動き補償ステップとを含み、エントロピー復号ステップは、入力される符号化された画像信号を復号して、量子化DCT係数と動きベクトルを出力し、逆量子化ステップと逆DCTステップとは、エントロピー復号ステップにおいて出力された量子化DCT係数から、DCT係数を求めて出力し、動き補償ステップは、エントロピー復号ステップにおいて出力された動きベクトルを用いて、動き補償処理を行うステップをさらに含む。
【0075】
この方法によれば、DCTとエントロピー符号化とを用いて可変長符号に符号化された画像信号に対して、より高速の画像復号ユニットを実現できる。さらに、この画像復号方法は、画像符号化装置及び画像復号装置に等しく適用できる。
【0076】
請求項21記載の画像復号方法は、第1メモリに格納する中間データは、逆DCTステップにおいて出力された局部予測誤差データであり、第2メモリに格納する中間データは、動き補償ステップにおいて出力された局部予測画像データであり、再構成演算ステップは、第1メモリに格納された局部予測誤差データと、第2メモリに格納された局部予測画像データとを、取得し、その取得のタイミングに同期して、再構成画像データを生成し、生成した再構成画像データを、逐次第3メモリに格納するステップを含む。
【0077】
この方法によれば、DCTとエントロピー符号化とを用いて可変長符号に符号化された画像信号を処理する、より高速の画像復号ユニットを実現できる。さらに、再構成画像データの生成と、生成した再構成画像データのメモリへの格納を、同期を取って処理するため、より正確な並列処理と高速化が実現できる。
【0078】
請求項22記載の画像復号方法は、再構成演算ステップは、第1メモリと第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力するステップを含む。
【0079】
この方法によれば、第1メモリと第2メモリとに格納される中間データが、ビット数が異なり、どちらか一方が符号を有する場合でも、それらを加算した結果から、正しい再構成画像データを得るために必要な新たな補正演算が不要となり、画像復号ユニットをより簡単な構成で実現できる。
【0080】
請求項23記載の画像復号方法は、動き補償ステップは、小数精度の動き補償を行うステップを含む。
【0081】
この方法によれば、最近の画像規格に求められている、少数精度の動き補償を効率よく行う画像復号ユニットを提供できる。
【0082】
請求項24記載の画像符号化方法は、符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、第1メモリと第2メモリとに格納されている中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、復号処理部は、逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される画像復号ユニットを用いて行う画像符号化方法であって、入力される入力画像に対して、画像復号ユニットが出力する再構成画像データを、参照画像として用いて、入力画像の動きベクトルを検出する、動き検出ステップと、動きベクトルを基に、画像復号ユニットが動き補償を処理して出力する予測画像と、入力画像との差分をとり、予測誤差を求める予測誤差処理ステップと、予測誤差をDCT処理してDCT係数を求めるDCT処理ステップと、DCT係数を量子化して量子化DCT係数を求める量子化ステップと、量子化DCT係数と、動きベクトルとを、可変長符号に符号化して符号化画像データを生成するエントロピー符号化ステップと、符号化画像データを一時的に格納し、逐次送信ビットストリ−ムとして送出するステップ、とを含む。
【0083】
この方法によれば、請求項19と同様の特徴を有する画像符号化装置を実現できる。
【0084】
請求項25記載の画像復号方法は、符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、第1メモリと第2メモリとに格納されている中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される画像復号ユニットと、受信バッファとを備える、画像復号装置における画像復号方法であって、受信した符号化画像データである受信ビットストリームは、受信バッファに一次的に格納されるステップと、受信バッファに格納された符号化画像データは、画像復号ユニットのエントロピー復号部に入力されるステップと、画像復号ユニットは、入力された符号化画像データから、DCT係数と動きベクトルを算出し、中間データとしての局部予測誤差データと局部予測画像データとを生成し、それらを用いて再構成画像データを生成し、生成した再構成画像データを画像イメージとして第3メモリに格納し、さらに、格納した画像イメージを外部に接続される画像表示装置に出力するステップとを含む。
【0085】
この方法によれば、請求項19と同様の特徴を有する画像復号装置を実現できる。
【0086】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、まず、特許文献1に開示されている考案を基にして、本発明が解決しようとする課題に取り組んだ。
【0087】
図12に示した従来例による動画像の動き補償の方式は、予測画像データとして、整数精度の画像予測を前提としている。そこで、小数精度の画像予測を行うためには、図12の構成は、例えば、図1に示す構造に改良する必要がある。
【0088】
すなわち、図1は、従来例を改良した第1の改良例である。図1の逆DCT部21は、図12のIDCT41に相当する。同様に、図1のDRAMバッファ42は、図12のDRAM書き込み用バッファ44に、図1のフレームメモリ24は、図12の参照用フレームメモリ45に、それぞれ相当する。
【0089】
図1においては、小数精度の動き補償部50と、DRAMバッファ42内に設けられた2つ目のバンクが新たに付加されている。また、動き補償部50への動きベクトルS42と、フレームメモリ24からの再構成画像S43の出力を、明示している。
【0090】
図1の構成によって、小数精度の動き補償処理は、可能となった。しかし、この構成では、小数精度の動き補償を施された再構成画像の生成は、ターゲットとなる画素の近傍の画素から算出する必要があるため、その近傍の画素を格納するための専用バッファメモリを新たに備える必要があり、回路規模が大きくなるという欠点があることが明らかとなった。
【0091】
上述した欠点を回避するため、本発明者らは、更なる考察をした。
【0092】
すなわち、図2は、従来例を改良した第2の改良例である。第2の改良例は、図2に示すように、復号処理部60と、データメモリ部64と、フレームメモリ24とを備え、復号処理部60は、逆DCT部61と動き補償部62と加算部63を有する。
【0093】
この第2の改良例の動作を次に説明する。まず、フレームメモリ24から、必要なデータを一旦データメモリ部64に取り込む。復号処理部60は、データメモリ部に随時アクセスしながら、逆DCT部61における逆DCT処理、動き補償部62における整数精度及び小数精度の動き補償処理、あるいは、加算部63における再構成画像の生成処理を行い、生成した再構成画像を、データメモリ部64からフレームメモリ24に転送する。このように、図2に示す構成により、専用のバッファメモリ等は必要とせずに、小数精度の動き補償を施した再構成画像の生成がが可能となる。
【0094】
しかしながら、最近の画像処理の性能要求は年々高くなっており、処理能力の更なる向上が求められている。上述した第1の改良例及び第2の改良例において、処理能力の更なる向上を実現するには、復号処理部60の動作周波数の向上が必要となり、その結果、回路規模や消費電力の増大を招くといった新たな問題が生じる。
【0095】
これらの考察を基に、本発明者らは、新たな発想に基づく考案を行った。以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0096】
(第1の実施の形態)
【0097】
図3は、本発明の第1の実施の形態における画像復号ユニット100の構成図である。本形態の画像復号ユニット100は、復号処理部110、データメモリ部120、再構成演算部130、及びフレームメモリ140を備え、前記復号処理部110は、エントロピー復号部111、動き補償部112、逆量子化部113、及び逆DCT部114を有し、前記データメモリ部120は、データメモリA121とデータメモリB122とを有する。
【0098】
また、復号処理部110は、データバス161を介して、データメモリ部120と接続されている。データメモリ部120は、さらに、データバス162を介して、再構成演算部130と、データバス164を介して、フレームメモリ140と、それぞれ接続されている。再構成演算部130は、さらに、データバス163を介して、フレームメモリ140と接続されている。
【0099】
さらに、本形態の画像復号ユニット100は、外部接続端子5個を有する。すなわち、端子Ta151は、エントロピー復号部111への入力端子であり、端子Tb152は、逆量子化部113への入力端子であり、端子Tc153は、動き補償部112への入力端子であり、端子Td154は、データメモリ部120から外部への出力端子であり、そして、端子Te155は、フレームメモリ140から外部への出力端子である。
【0100】
本形態の画像復号ユニット100は、エントロピー符号化された信号を復号する場合、復号途中の中間データを入力して、再構成画像データを出力する再構成演算部130を、フレームメモリ140へのデータ転送の途中に設けることで、再構成画像データを生成する処理と、再構成画像データをフレームメモリ140に格納する処理とを、並列に処理できる。これによって、画像再構成の処理を高速に行うものである。
【0101】
図3を参照して、本形態の画像復号ユニット100の動作を説明する。
【0102】
先ず、フレームメモリ140から必要なデータを、データバス164を介して、一旦データメモリ120に取り込む。復号処理部110は、データメモリ130に随時アクセスしながら、逆DCT部114における逆DCT処理、動き補償部112における整数精度及び小数精度の動き補償処理を行う。逆DCT部114が処理した局部予測誤差データは、データメモリA121に格納される。
【0103】
次に、動き補償部112は、端子Tc153あるいはエントロピー復号部111から、動きベクトルを得る。(どちらから得るかは、後述する本発明の第2の実施の形態及び第3の実施の形態において説明する。)この動きベクトルを用いて動き補償を行うために、フレームメモリ140に格納されている再構成画像データを、データバス164を介して、データメモリ120に、整数精度の参照画像データとして、取り込む。動き補償部112は、データメモリ120に取り込まれた整数精度の参照画像データに対して、小数精度の動き補償を施し、得られた小数精度局部予測画像データを、データメモリB122に格納する。
【0104】
この時点で、データメモリA121には、逆DCT部114が出力した局部予測誤差データが、データメモリB122には、動き補償部112が処理した少数精度局部予測画像データが、それぞれ格納されていることになる。
【0105】
次に、再構成演算部130は、データメモリA121に格納された局部予測誤差データと、データメモリB122に格納された少数精度局部予測画像データを同時に読み出し、それらを加算した後、加算結果を8ビットにクリップ処理して、順次再構成画像データとしてフレームメモリ140に格納する。
【0106】
本形態においては、再構成演算部130における演算を、加算および8ビットクリップ処理とした。通常、画像データは、8ビットの正値であるが、逆DCT部114の出力として得られる局部予測誤差データは、正または負の値をとり得るため、通常9ビットで表現される。このため、単に局部予測誤差データ(9ビット・符号付き)と局部予測画像データ(8ビット・正)とを加算すると、その結果は、8ビットの正値とは限らないため、正しい再構成画像データを得るための補正演算をおこなう必要がある。このため、本形態では、再構成演算130は、加算後のデータを8ビットの正値にクリップする処理をしている。なお、再構成演算部130は、とくに加算とクリップ処理に限定してはおらず、画像処理の規格に応じて、重み付け加算などの処理にも対応することもできる。
【0107】
以上説明した、本形態の画像復号ユニット100の動作を、タイミングチャートとして示したもが図6である。すなわち、図6は、本発明の第1の実施の形態における画像復号ユニット100のタイミングチャートである。データ転送及び各種画像処理が、マクロブロック単位で行われている場合を例にとり、以下にその概要を説明する。
【0108】
図6において、復号処理部タイミング410は、図3に示す復号処理部110の各構成要素の処理タイミングを表し、データ転送タイミング450は、各データバスを介したデータ転送のタイミングを表す。また処理時間400は、時間経過とともに、各部の処理が左から右に向かって進行することを表す。
【0109】
図3に示す復号処理部110は、図6に示すように、整数精度動き補償処理420、小数精度動き補償処理430、及び、逆DCT処理440の順に処理して行く。復号処理部110が整数精度動き補償処理420を実施しているときに、フレームメモリ140から、データバス164を介して、データメモリ120への、整数精度の参照画像データ転送処理460が行われる。復号処理部110が、逆DCT処理440を終了した時点で、データメモリA121には、マクロブロック256個分の局部予測誤差データが、データメモリB122にも、マクロブロック256個分の局部予測画像データが、それぞれ格納されている。復号処理部110が、逆DCT処理440を終了すると、再構成演算処理(再構成演算部130における処理)と再構成画像データの転送処理(再構成演算部130からフレームメモリ140へのデータ転送)470が並行して行われる。すなわち、図3に示す再構成演算部130は、マクロブロック256個分の局部予測誤差データとマクロブロック256個分の局部予測画像データとを、順次再構成処理して、同時に、フレームメモリ140に格納する。
【0110】
上述した再構成演算処理と画像転送処理470について、図6を参照しつつ、さらに詳述する。図6の下半分は、画像復号ユニット100が行う処理のサイクル数471を、サイクル1からサイクル258に亘って示している。
【0111】
図6に示すデータメモリAの出力タイミング472とデータメモリBの出力タイミング473とは、それぞれ、サイクル1からサイクル256に亘って、データD0からデータD255が出力されるタイミングを表している。ここに、D0は、0番目のマクロブロックデータを表し、D255は、255番目のマクロブロックデータを表わす。以下、同様である。
【0112】
再構成演算部の出力タイミング474は、サイクル2からサイクル257に亘って、データD0からデータD255が出力されるタイミングを表している。フレームメモリへの書き込みタイミング475は、サイクル3からサイクル258に亘って、データD0からデータD255がフレームメモリ140に格納されるタイミングを表している。
【0113】
このように、本形態においては、再構成演算処理と画像転送処理470は、サイクル1からサイクル258までで、画像1フレームに相当する256マクロブロックの処理を完結する。このとき、サイクル1とサイクル2とが、転送オーバーヘッド期間であり、サイクル3からサイクル258が、実質のデータ転送期間である。
【0114】
本形態の特徴をより明確にするために、図2に示した従来例を改良した第2の改良例を、比較例として以下に示す。
【0115】
図7は、従来例を改良した第2の改良例のタイミングチャートである。図7において、図6と同様の処理については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
【0116】
図7に示す第2の改良例では、図2に示す復号処理部60は、図7に示すように、整数精度動き補償処理420、小数精度動き補償処理430、及び、逆DCT処理440の処理をした後に、再構成演算処理480を行う。復号処理部60が整数精度動き補償処理420を実施しているときに、フレームメモリ24からデータメモリ64への、整数精度の参照画像データ転送処理460が行われる。そして、復号処理部60が再構成演算処理480を完了すると、データメモリ部64からフレームメモリ24への再構成結果のデータ転送処理490を行う。
【0117】
再構成結果のデータ転送処理490の詳細を図7の下半分に示す。データメモリの出力タイミング492に対して、フレームメモリへの書き込みタイミング493は、1サイクル遅れて実行され、画像1フレームに相当する256マクロブロックの転送処理は、257サイクルで完結する。このとき、サイクル1が、転送オーバーヘッド期間であり、サイクル2からサイクル257が、実質のデータ転送期間である。
【0118】
以上説明した図6と図7を詳細に比較する。本形態と従来例を改良した第2の改良例とでは、データ転送に費やされるサイクル数は、1サイクルの差しかない。しかし、従来例を改良した第2の改良例では、再構成演算処理のための処理サイクル数が、逆DCT処理440の後に必要であるが、本形態では、この処理を画像転送処理と並行して行っているために、この分の処理サイクル数を削減できている。この削減された処理サイクル数に相当する時間は、復号処理全体に必要な処理時間の約7%にも相当し、本形態により、かなりの高速化が実現されていることがわかる。
【0119】
本形態における図3のフレームメモリ140は、画像のフレームデータを格納することができ、複数のリソースの転送元あるいは転送先となり得る大容量メモリであればよく、外付けあるいは内蔵は問わない。また、単一のメモリで構成しても複数のメモリで構成してもよい。より具体的には、外付けであればSDRAMやDRAM、内蔵であれば混載DRAMやSRAMによって構成してもよい。
【0120】
(第2の実施の形態)
【0121】
図4は、本発明の第2の実施の形態における画像符号化装置の構成図である。本形態の画像符号化装置は、入力端子201、出力端子202、画像復号ユニット100、減算処理部210、DCT部212、量子化部213、エントロピー符号化部214、送信バッファ215、及び、動き検出部216を備える。
【0122】
入力端子201は、減算処理部210の入力と動き検出部216の入力とに接続され、減算処理部210のもう1つの入力は、画像復号ユニット100の端子Td154に接続され、減算処理部210の出力は、量子化部213の入力に接続される。量子化部213の出力は、エントロピー符号化部214の入力と画像復号ユニット100の端子Tb152に接続される。動き検出部216のもう1つの入力は、画像復号ユニット100の端子Te155に接続され、動き検出部216の出力は、エントロピー符号化部214のもう1つの入力と画像復号ユニット100の端子Tc153とに接続される。さらに、エントロピー符号化部214の出力は、送信バッファ215の入力に接続され、送信バッファ215の出力は、出力端子202に接続される。画像復号ユニット100の端子Ta151は、何も接続されていない。
【0123】
図4に示す画像復号ユニット100は、図3に示した画像復号ユニット100と、左右を反転して描いているが、構成及び機能は全く同じものあり、各構成要素には同じ符号を付して、説明を省略する。
【0124】
以下に本形態の画像符号化装置の動作の概要を説明する。
【0125】
図4に示すように、入力端子201に入力された入力画像は、1つは、動き検出部216に入力されて、動き検出部216において、画像復号ユニット100のフレームメモリ140に格納されている、参照画像としての再構成画像データと比較され、動きベクトルが求められる。入力端子201に入力された入力画像は、さらに、減算処理部210に入力さる。減算処理部210において、上述した動きベクトルを用いて、動き補償処理をしてデータメモリ部120に格納されている予測画像と比較され、その差分である予測誤差データが求められる。この予測誤差データは、DCT部212においてDCT係数が求められ、量子化部213において量子化され、エントロピー符号化部214において、動き検出部216が求めた動きベクトルとともに、可変長符号に符号化され、送信バッファ215に一次格納された後、送信ビットストリームとして出力端子202に送られる。
【0126】
また、量子化部213において量子化されたDCT係数は、画像復号ユニット100の端子Tb152に送られ、画像復号ユニット100において、端子Tc153に入力されている動きベクトルを用いて、復号処理が施され、データメモリ部120、及び、フレームメモリ140に格納される。
【0127】
画像復号ユニット100における、復号処理は、第1の実施の形態で説明したように、中間処理データを活用した並列処理であり、高速の処理が行われる。また、小数精度の動き補償処理が施されることは言うまでもない。その説明は、第1の実施の形態で行ったので、ここでは省略する。
【0128】
このように、本形態の画像符号化装置は、標準的に作られた画像復号ユニット100を用いて、少ない要素部品で構成でき、かつ、高速並列処理を利用して、高速化と高性能化を実現できる。
【0129】
(第3の実施の形態)
【0130】
図5は、本発明の第3の実施の形態における画像復号装置の構成図である。本形態の画像復号装置は、入力端子301と受信バッファ310と画像復号ユニット100とを備える。入力端子301は、受信バッファ310の入力に接続され、受信バッファ310の出力は、画像復号ユニット100の端子Ta151に接続される。さらに、画像復号ユニット100の端子Te155は、外部の画像表示装置320に接続される。画像復号ユニット100の端子Tb152,端子Tc153,及び、端子Td154は、何も接続されない。
【0131】
図5に示す画像復号ユニット100は、図3に示した画像復号ユニット100と、構成及び機能は全く同じものあり、各構成要素には同じ符号を付して、説明を省略する。
【0132】
以下に本形態の画像復号装置の動作の概要を説明する。
【0133】
図5に示すように、入力端子301に入力された、エントロピー符号化された受信ビットストリームは、一旦受信バッファ31に格納されたのち、画像復号ユニット100の端子Ta151に入力される。
【0134】
端子Ta151は、復号処理部110のエントロピー復号部111に接続されている。入力された受信ビットストリームは、エントロピー復号部111において、動きベクトルと量子化されたDCT係数が検出される。動きベクトルは、動き補償部112に、量子化されたDCT係数は、逆量子化部113と逆DCT部114に、それぞれ送られる。画像復号ユニット100における、以降の復号処理は、第1の実施の形態における処理と同様であり、説明を省略する。
【0135】
本形態の画像復号ユニット100における、復号処理は、第1の実施の形態で説明したように、中間処理データを活用した並列処理であり、高速の処理が行われる。また、小数精度の動き補償処理が施されることは言うまでもない。
【0136】
このように、本形態の画像復号装置は、標準的に作られた画像復号ユニット100を用いて、その他の要素部品として受信バッファ310のみを追加すことで構成でき、かつ、高速並列処理を利用して、高速化と高性能化を実現している。
【0137】
(第4の実施の形態)
【0138】
図8は、本発明の第4の実施の形態における画像復号ユニットの構成図である。本形態の画像復号ユニットは、復号処理部110、データメモリ群500、第1セレクタ510、第2セレクタ520、第3セレクタ530、フレームメモリ540、再構成演算部550、及び、データ転送制御部560とを備える。
【0139】
データメモリ群500は、データメモリA501、データメモリB502、データメモリC503、及び、データメモリD504を有する。
【0140】
図8に示す復号処理部110は、データメモリ群500の各データメモリに接続される。本形態の復号処理部110の構成及び機能は、図3に示した、第1の実施の形態における画像復号ユニット100の復号処理部110の構成及び機能と、全く同様である。したがって、図8においては、その詳細は、省略して図示していない。
【0141】
データメモリ群500の各データメモリの出力は、第1セレクタ510と、第2セレクタ520と、第3セレクタ530とに、接続されている。第1セレクタ510が選択した出力は、再構成演算部550の一方の入力に接続され、第2セレクタ520が選択した出力は、再構成演算部550のもう一方の入力に接続される。再構成演算部550の出力は、第3セレクタ530の第5の入力に接続される。第3セレクタ530の出力は、フレームメモリ540に接続される。
【0142】
さらに、データ転送制御部560は、データ転送命令発行部561とデコーダ562とを有し、デコーダ562からの制御信号線C1,C2,C3は、それぞれ、第1セレクタ510と、第2セレクタ520と、第3セレクタ530とに、接続されている。
【0143】
次に、本形態の画像復号ユニットの動作の概略を説明する。
【0144】
図8に示すデータメモリ群500の各データメモリには、復号処理部110が処理した、局部予測画像データ、あるいは、局部予測誤差データが中間処理データとして格納されている。
【0145】
第1セレクタ510は、データ転送制御部560が発するデータ転送命令に従って、データメモリ群500のいずれかのデータメモリを選択し、局部予測画像データS507を取得して、再構成演算部550の一方に入力する。
【0146】
一方、第2セレクタ520は、データ転送制御部560が発するデータ転送命令に従って、データメモリ群500のいずれかのデータメモリを選択し、局部予測誤差データS506を取得して、再構成演算部550のもう一方に入力する。
【0147】
再構成演算部550は、入力された局部予測画像データと局部予測誤差データとから、再構成画像データS505を生成し、それを第3セレクタ530の第5の入力に送る。
【0148】
第3セレクタ530は、データ転送制御部560が発するデータ転送命令に従って、データメモリ群500の出力S501からS504、及び、再構成演算部550が生成した再構成画像データS505の中から、いずれかを選択し、その結果を転送データS508としてフレームメモリ540に送る。
【0149】
上述した一般的なデータメモリ(図8のデータメモリA501からデータメモリD504)と、フレームメモリ540との間のデータ転送を、DSPの命令で実現するために、図9に示す、データ転送命令を考案した。
【0150】
すなわち、図9は、本発明の第4の実施の形態における画像復号ユニットに用いるデータ転送命令600を表す。データ転送命令600は、第1オペラント601と、第2オペラント602と、第3オペラント603とを、含む。
【0151】
第1オペラント601は、第3セレクタ530を制御する。第1オペラント601に記述してある命令により、第3セレクタ530は、データメモリ群500の出力S501からS504、及び、再構成演算部550が生成した再構成画像データS505の中から、いずれかを選択する。
【0152】
第2オペラント602は、第1セレクタ510を制御する。第2オペラント602に記述してある命令により、第1セレクタ510は、データメモリ群500の出力S501からS504の中から、いずれかを選択して、予測画像データS507を出力する。
【0153】
第3オペラント603は、第2セレクタ520を制御する。第3オペラント603に記述してある命令により、第2セレクタ520は、データメモリ群500の出力S501からS504の中から、いずれかを選択して、局部予測誤差データS506を出力する。
【0154】
このように、データ転送命令600をDSP命令で記述することにより、より複雑なデータ転送が可能で、かつ、適用環境に容易に対応できる柔軟性に富んだ画像復号ユニットを実現できる。
【0155】
また、データ転送命令600の第1オペラント601で、第3セレクタ530が、再構成演算部550が生成した再構成画像データS505をも選択できるように工夫したのが、本形態の特徴の一つである。これによって、フレームメモリ540に影響を与えることなく、再構成演算を伴うデータ転送命令が実現できる。
【0156】
さらに、再構成演算に必要な局部予測画像データS507と局部予測誤差データS506とを格納するデータメモリを固定して決めておけば、データ転送命令600の第1オペラント601で、第3セレクタ530が、再構成演算部550が生成した再構成画像データS505を選択した場合には、あらかじめ決められたデータメモリから、予測画像データS507と局部予測誤差データS506とを取得することも可能である。この場合には、データ転送命令600は、第1オペラント601のみを指定すればよい。
【0157】
このように、本発明の意図するところは、画像信号の復号処理において、中間データを用いて再構成画像データを生成し、再構成画像データの生成処理とフレームメモリへの格納処理とを並列に処理することにより、画像復号処理の高速化を図るところにあるのであって、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の適用が可能である。
【発明の効果】
本発明によれば、画像信号の復号処理において、中間データを用いて再構成画像データを生成し、再構成画像データの生成処理とフレームメモリへの格納処理とを並列に処理することにより、必要な処理時間短縮して、少数精度の動き補償を高速で実行できる、画像復号ユニットとそれを用いた画像符号化装置及び符号化方法並びに画像復号装置及び復号方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を改良した第1の改良例
【図2】従来例を改良した第2の改良例
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像復号ユニットの構成図
【図4】本発明の第2の実施の形態における画像符号化装置の構成図
【図5】本発明の第3の実施の形態における画像復号装置の構成図
【図6】本発明の第1の実施の形態における画像復号ユニットのタイミングチャート
【図7】従来例を改良した第2の改良例のタイミングチャート
【図8】本発明の第4の実施の形態における画像復号ユニットの構成図
【図9】本発明の第4の実施の形態における画像復号ユニットに用いるデータ転送命令
【図10】従来例の画像符号化装置のブロック図
【図11】従来例の画像復号装置のブロック図
【図12】従来例の動画像復号装置に用いられる動き補償部のブロック図
【符号の説明】
100 画像復号ユニット
111 エントロピー復号部
112 動き補償部
113 逆量子化部
114 逆DCT部
120 データメモリ部
121 データメモリA
122 データメモリB
130 再構成演算部
140 フレームメモリ
151〜155 端子Ta〜端子Te
161〜164 データバス
210 減算処理部
212 DCT部
213 量子化部
214 エントロピー符号化部
215 送信バッファ
216 動き検出部
310 受信バッファ
320 画像表示装置
400 処理時間
410 復号処理部タイミング
420 整数精度動き補償処理
430 小数精度動き補償処理
440 逆DCT処理
450 データ転送タイミング
460 参照画像データ転送処理
470 再構成演算処理と画像転送処理
480 再構成演算処理
490 データ転送処理
500 データメモリ群
501〜504 データメモリA〜データメモリD
510 第1セレクタ
520 第2セレクタ
530 第3セレクタ
540 フレームメモリ
550 再構成演算部
560 データ転送制御部
561 データ転送命令発行部
562 デコーダ
600 データ転送命令
601 第1オペラント
602 第2オペラント
603 第3オペラント

Claims (25)

  1. 符号化された画像信号を復号する画像復号ユニットであって、
    符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、
    前記少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、
    前記第1メモリと前記第2メモリとに格納されている前記中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、
    前記再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを備える画像復号ユニット。
  2. 前記符号化された画像信号は、DCTとエントロピー符号化とを用いて符号化された画像信号であり、
    前記復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、
    前記エントロピー復号部は、入力される符号化された画像信号を復号して、量子化DCT係数と動きベクトルを出力し、
    前記逆量子化部と前記逆DCT部とは、前記エントロピー復号部が出力した量子化DCT係数から、DCT係数を求めて出力し、
    前記動き補償部は、前記エントロピー復号部が出力した動きベクトルを用いて、動き補償処理を行う、請求項1記載の画像復号ユニット。
  3. 前記再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、前記第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される、請求項1から2記載の画像復号ユニット。
  4. 前記第1メモリに格納する中間データは、前記逆DCT部が出力する局部予測誤差データであり、
    前記第2メモリに格納する中間データは、前記動き補償部が出力する局部予測画像データであり、
    前記再構成演算部は、前記第1メモリに格納された局部予測誤差データと、前記第2メモリに格納された局部予測画像データとを、取得し、その取得のタイミングに同期して、再構成画像データを生成し、生成した再構成画像データを、逐次第3メモリに格納する、請求項1から3記載の画像復号ユニット。
  5. 前記再構成演算部は、前記第1メモリと前記第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力する、請求項1から4記載の画像復号ユニット。
  6. 前記再構成演算部が行う加算結果の正規化は、8ビットの正の値に対する正規化である、請求項1から5記載の画像復号ユニット。
  7. 前記動き補償部は、小数精度の動き補償を行う、請求項1から6記載の画像復号ユニット。
  8. 符号化された画像信号を復号する画像復号ユニットであって、
    符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、
    前記復号処理部が生成した、前記少なくとも2種類の中間データを格納する、複数のデータメモリを含むメモリ群と
    前記メモリ群のいずれかのデータメモリを選択して、前記少なくとも2種類の中間データの内の第1の中間データを取得する、第1選択手段と、
    前記メモリ群のいずれかのデータメモリを選択して、前記少なくとも2種類の中間データの内の第2の中間データを取得する、第2選択手段と、
    前記第1選択手段で取得した第1の中間データと、前記第2選択手段で取得した第2の中間データとを用いて、再構成画像データを生成する、再構成演算部と、
    前記メモリ群のいずれかのデータメモリか、あるいは、前記再構成演算部の出力かを選択して、データを取得する、第3選択手段と、
    前記第3選択手段が取得したデータを格納するメモリと、
    前記第1選択手段と、前記第2選択手段と、前記第3選択手段とに、データ転送命令を送って、それぞれのデータ転送元を制御する、データ転送制御部とを備えた、画像復号ユニット。
  9. 前記符号化された画像信号は、DCTとエントロピー符号化とを用いて符号化された画像信号であり、
    前記復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、
    前記復号処理部は、少なくとも2種類の中間データを生成する、請求項8記載の画像復号ユニット。
  10. 前記第1の中間データは、局部予測画像データであり、前記第2の中間データは、局部予測誤差データである請求項8及び9記載の画像復号ユニット。
  11. 請求項8記載の画像復号ユニットを用いて行うデータ転送方法であって、
    前記第3選択手段に対して、データ転送元として、前記メモリ群のいずれかのデータメモリ、あるいは、前記再構成演算部出力を指定する第1オペラントと、
    前記第1選択手段に対して、データ転送元として、前記メモリ群のいずれかのデータメモリを指定する第2オペラントと、
    前記第2選択手段に対して、データ転送元として、前記メモリ群のいずれかのデータメモリを指定する第3オペラントとを含む、データ転送命令を発行するステップと、
    前記データ転送命令を受け取った選択手段は、指定されたデータ転送元からデータを取得するステップと、
    前記第3選択手段に対して、前記再構成演算部出力を選択するデータ転送命令が発行された時には、
    前記第1選択手段は、指示されたデータメモリから第1の中間データを取得し、
    前記第2選択手段は、指示されたデータメモリから第2の中間データを取得し、
    前記再構成演算部は、それらのデータを用いて、再構成画像データを生成し、逐次前記メモリに格納するステップとを含む、データ転送方法。
  12. 請求項8記載の画像復号ユニットを用いて行うデータ転送方法であって、
    前記第3選択手段に対して、データ転送元として、前記メモリ群のいずれかのデータメモリ、あるいは、前記再構成演算部出力を指定するオペラントを含む、データ転送命令を発行するステップと、
    前記第3選択手段は、前記データ転送命令を受け取った後、指定されたデータ転送元からデータを取得するステップと、
    前記第3選択手段に対して、前記再構成演算部出力を選択するデータ転送命令が発行された時には、
    前記第1選択手段は、あらかじめ指示されたデータメモリから第1の中間データを取得し、
    前記第2選択手段は、あらかじめ指示されたデータメモリから第2の中間データを取得し、
    前記再構成演算部は、それらのデータを用いて、再構成画像データを生成し、逐次前記メモリに格納するステップとを含む、データ転送方法。
  13. 符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、
    前記少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、
    前記第1メモリと前記第2メモリとに格納されている前記中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、
    前記再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、
    前記復号処理部は、逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有する画像復号ユニットと、
    入力される入力画像に対して、前記画像復号ユニットが出力する再構成画像データを、参照画像として用いて、入力画像の動きベクトルを検出する、動き検出部と、
    前記動きベクトルを基に、前記画像復号ユニットが動き補償を処理して出力する予測画像と、前記入力画像との差分をとり、予測誤差を求める予測誤差処理部と、
    前記予測誤差をDCT処理してDCT係数を求めるDCT部と、
    前記DCT係数を量子化して量子化DCT係数を求める量子化部と、
    前記量子化DCT係数と、前記動きベクトルとを、可変長符号に符号化して符号化画像データを生成するエントロピー符号化部と、
    前記符号化画像データを一時的に格納し、逐次送信ビットストリ−ムとして送出する、送信バッファとを備える、画像符号化装置。
  14. 前記再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、前記第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される、請求項13記載の画像符号化装置。
  15. 前記再構成演算部は、前記第1メモリと第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力する、請求項13及び14記載の画像符号化装置。
  16. 符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、
    前記少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、
    前記第1メモリと前記第2メモリとに格納されている前記中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、
    前記再構成演算部において生成された、再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、
    前記復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有する画像復号ユニットと、
    符号化画像データである受信ビットストリームを一次的に格納する受信バッファとを備え、
    前記受信バッファに格納された前記符号化画像データは、前記画像復号ユニットの前記エントロピー復号部に入力され、
    前記画像復号ユニットは、入力された前記符号化画像データから、DCT係数と動きベクトルを算出し、前記中間データとしての局部予測誤差データと局部予測画像データとを生成し、それらを用いて再構成画像データを生成し、生成した前記再構成画像データを画像イメージとして前記第3メモリに格納し、さらに、格納した前記画像イメージを外部に接続される画像表示装置に出力する、画像復号装置。
  17. 前記再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、前記第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される請求項16記載の画像復号装置。
  18. 前記再構成演算部は、前記第1メモリと前記第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力する請求項16及び17記載の画像復号装置。
  19. 符号化された画像信号を復号する画像復号方法であって、
    符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理ステップと、
    前記少なくとも2種類の中間データを第1メモリと第2メモリとに格納する中間データ格納ステップと、
    前記第1メモリと前記第2メモリとに格納されている前記中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算ステップと、
    前記再構成演算ステップにおいて生成された、再構成画像データを第3メモリに格納する再構成画像データ格納ステップとを含み、
    前記再構成演算ステップにおいて、再構成画像データを生成する処理と、前記再構成画像データ格納ステップにおいて、再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される、画像復号方法。
  20. 前記符号化された画像信号は、DCTとエントロピー符号化とを用いて符号化された画像信号であり、
    前記復号処理ステップは、エントロピー復号ステップと逆量子化ステップと逆DCTステップと動き補償ステップとを含み、
    前記エントロピー復号ステップは、入力される符号化された画像信号を復号して、量子化DCT係数と動きベクトルを出力し、
    前記逆量子化ステップと前記逆DCTステップとは、前記エントロピー復号ステップにおいて出力された量子化DCT係数から、DCT係数を求めて出力し、
    前記動き補償ステップは、前記エントロピー復号ステップにおいて出力された動きベクトルを用いて、動き補償処理を行うステップをさらに含む、請求項19記載の画像復号方法。
  21. 前記第1メモリに格納する中間データは、前記逆DCTステップにおいて出力された局部予測誤差データであり、
    前記第2メモリに格納する中間データは、前記動き補償ステップにおいて出力された局部予測画像データであり、
    前記再構成演算ステップは、前記第1メモリに格納された局部予測誤差データと、前記第2メモリに格納された局部予測画像データとを、取得し、その取得のタイミングに同期して、再構成画像データを生成し、生成した再構成画像データを、逐次第3メモリに格納するステップを含む、請求項19及び20記載の画像復号方法。
  22. 前記再構成演算ステップは、前記第1メモリと第2メモリとから取得したデータを加算し、その加算した結果を一定のビット数に正規化して出力するステップを含む、請求項19から21記載の画像復号方法。
  23. 前記動き補償ステップは、小数精度の動き補償を行うステップを含む、請求項19から22記載の画像復号方法。
  24. 符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、
    前記少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、
    前記第1メモリと前記第2メモリとに格納されている前記中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、
    前記再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、
    前記復号処理部は、逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、
    前記再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、前記第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される
    画像復号ユニットを用いて行う画像符号化方法であって、
    入力される入力画像に対して、前記画像復号ユニットが出力する再構成画像データを、参照画像として用いて、入力画像の動きベクトルを検出する、動き検出ステップと、
    前記動きベクトルを基に、前記画像復号ユニットが動き補償を処理して出力する予測画像と、前記入力画像との差分をとり、予測誤差を求める予測誤差処理ステップと、
    前記予測誤差をDCT処理してDCT係数を求めるDCT処理ステップと、
    前記DCT係数を量子化して量子化DCT係数を求める量子化ステップと、
    前記量子化DCT係数と、前記動きベクトルとを、可変長符号に符号化して符号化画像データを生成するエントロピー符号化ステップと、
    前記符号化画像データを一時的に格納し、逐次送信ビットストリ−ムとして送出するステップ、とを含む、画像符号化方法。
  25. 符号化された画像信号を復号して、少なくとも2種類の中間データを生成する復号処理部と、
    前記少なくとも2種類の中間データを格納する第1メモリと第2メモリとを有するデータメモリ部と、
    前記第1メモリと前記第2メモリとに格納されている前記中間データを入力して、再構成画像データを生成する再構成演算部と、
    前記再構成演算部において生成された再構成画像データを格納する第3メモリとを有し、
    前記復号処理部は、エントロピー復号部と逆量子化部と逆DCT部と動き補償部とを有し、
    前記再構成演算部において再構成画像データを生成する処理と、前記第3メモリに再構成画像データを格納する処理とは、時間的に並列に実行される
    画像復号ユニットと、
    受信バッファとを備える、画像復号装置における画像復号方法であって、
    受信した符号化画像データである受信ビットストリームは、受信バッファに一次的に格納されるステップと、
    前記受信バッファに格納された前記符号化画像データは、前記画像復号ユニットの前記エントロピー復号部に入力されるステップと、
    前記画像復号ユニットは、入力された前記符号化画像データから、DCT係数と動きベクトルを算出し、前記中間データとしての局部予測誤差データと局部予測画像データとを生成し、それらを用いて再構成画像データを生成し、生成した前記再構成画像データを画像イメージとして前記第3メモリに格納し、さらに、格納した前記画像イメージを外部に接続される画像表示装置に出力するステップとを含む、画像復号方法。
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