JP2004336291A - 非線形歪補償装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】増幅器の入出力特性が運用中に変化する場合に、簡単な構成でその入出力特性の変化を定量的に把握して歪補償データの更新を行う。
【解決手段】増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号の一部を分配する分配部と、分配部で分配された変調信号を入力し、その有効帯域外成分(歪成分)のみを通過させるフィルタと、フィルタを通過した変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルを検出するレベル検出部と、歪補償データを操作し、その操作の前後で検出される変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルの増減を検出し、それが増加の場合にその操作した歪補償データを無効として歪補償データを逆方向に操作し、変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが減少の場合にその操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する歪補償データ制御手段とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号の一部を分配する分配部と、分配部で分配された変調信号を入力し、その有効帯域外成分(歪成分)のみを通過させるフィルタと、フィルタを通過した変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルを検出するレベル検出部と、歪補償データを操作し、その操作の前後で検出される変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルの増減を検出し、それが増加の場合にその操作した歪補償データを無効として歪補償データを逆方向に操作し、変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが減少の場合にその操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する歪補償データ制御手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムの送信機に用いられる増幅器の非線形な入出力特性による非線形歪を補償する装置において、運用中に増幅器の入出力特性が変化する場合に対応して非線形歪の補償を行う非線形歪補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムの送信機に用いられる増幅器は、省電力化を図るために消費電力の効率化が進められている。一般的に高効率な増幅器は、入力電力が比較的高くなるとその出力(電力および位相)に非線形成分を含む入出力特性を示し、通常これを非線形歪と呼んでいる。非線形歪の量が大きくなると無線通信の品質が劣化し、結果として通信ができなくなることがある。ここで、増幅器の入力電力に対する出力電力特性をAM−AM特性といい、入力電力に対する出力位相特性をAM−PM特性という。
【0003】
図5は、非線形歪を含む増幅器の入出力特性の例を示す。図において、横軸は入力電力、左縦軸は出力電力、右縦軸は出力位相を示し、実線はAM−AM特性、破線はAM−PM特性を表す。図に示すように、AM−AM特性は入力電力が比較的小さい領域(0dBm以下)ではほぼ線形となっているが、入力電力が比較的大きい領域(0dBm以上)では非線形になっていることがわかる。AM−PM特性においても同様である。
【0004】
非線形歪を補償する方法として、比較的簡単に実現可能なディジタル信号を利用した非線形歪補償方法が提案されている。この方法は、増幅器で信号が歪むことを承知した上で、その逆の特性を有する非線形歪を予めディジタル信号処理により与え、増幅器の非線形な入出力特性による非線形歪を相殺しようとするものであり、ディジタルプレディストーション方法と呼ばれる。また、非線形歪を与えるためのデータを歪補償データと呼ぶ。
【0005】
ところで、増幅器の入出力特性は温度条件や経年条件等の環境条件や、駆動電圧レベル等により変動するのが一般的であり、プレディストーションで用いる歪補償データが常時、定数のままで非線形歪を補償することは効果的ではない。また、実際の特性から得られる係数とは異なって予め設定される歪補償データであるために、プレディストーションが逆効果になることもあり、歪補償データを逐次更新することは運用上必要になっている。
【0006】
図6は、従来の非線形歪補償装置の構成例を示す(非特許文献1、非特許文献2)。
【0007】
図において、送信信号として入力される直交ベースバンド信号1は、歪補償部11、電力計算部12および信号比較/更新部13に入力される。電力計算部12は入力された直交ベースバンド信号1の信号電力を計算し、その値を歪補償データ記憶部14および信号比較/更新部13に送出する。歪補償データ記憶部14は、信号電力と、増幅器16の非線形なAM−AM特性およびAM−PM特性によって生じる非線形歪を補償するための歪補償データを対応付けた書き換え可能な歪補償データテーブルを有しており、電力計算部12から入力する信号電力に対応した各歪補償データを読み出して歪補償部11に送出する。歪補償部11は、直交ベースバンド信号1とその信号電力に対応した歪補償データとの複素積を計算し、増幅器16で発生する非線形歪と逆特性の非線形歪を付与した直交ベースバンド信号を直交変調部15に送出する。
【0008】
直交変調部15は、歪補償部11で歪補償処理された直交ベースバンド信号を直交変調し、その変調信号を増幅器16で所定のレベルまで増幅する。増幅器16で増幅および歪補償された変調信号2は無線信号として送信されるとともに、分配部17を介してその一部が分配され、直交復調部18に入力される。直交復調部18は変調信号2を復調し、復調された直交ベースバンド信号3を信号比較/更新部13に送出する。
【0009】
信号比較/更新部13は、復調された直交ベースバンド信号3と歪補償前の直交ベースバンド信号1を比較して誤差を算出する。なお、歪補償部11に入力される歪補償データが増幅器16で発生する非線形歪を相殺するものでなければ、それに対応する誤差が発生する。信号比較/更新部13は、信号比較により得られた誤差について、電力計算部12で計算された信号電力に対応する誤差成分として歪補償データ記憶部14に与え、その信号電力に対応する歪補償データを更新する。
【0010】
【非特許文献1】
移動体通信信号送信系非線形歪補償方式、Matsushita Technical Journal, Vol.44, No.6, Dec.1998
【非特許文献2】
多値変調に適用したプレディストーション方式に関する一検討、2002年秋電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−5−144
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の非線形歪補償装置は、歪補償前のベースバンド信号と、歪補償/増幅後の変調信号をフィードバックして復調したベースバンド信号との比較を行い、その都度、歪補償データが想定する増幅器の入出力特性と実際の入出力特性の誤差を把握して歪補償データの更新を行っている。このような構成では、歪補償データを更新するために復調器が必要になり、非線形歪補償装置の構成が複雑になるとともにコスト増になる問題があった。
【0012】
本発明は、増幅器の入出力特性が運用中に変化する場合に、簡単な構成でその入出力特性の変化を定量的に把握して歪補償データの更新を行い、効率的な非線形歪補償を行うことができる非線形歪補償装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力する直交ベースバンド信号を直交変調し、変調信号を出力する直交変調部と、非線形な入出力特性を有し、変調信号を増幅して出力する増幅器と、直交ベースバンド信号の信号電力を計算する電力計算部と、信号電力と、増幅器の非線形な入出力特性によって生じる非線形歪を補償するための歪補償データとを対応付けて記憶し、直交ベースバンド信号の信号電力に対応する歪補償データを読み出して出力する歪補償データ記憶部と、直交ベースバンド信号を歪補償データを用いて処理し、対応する非線形歪を付与した直交ベースバンド信号を生成して直交変調部に入力する歪補償部とを備え、増幅器の非線形な入出力特性によって生じる非線形歪を補償する非線形歪補償装置において、増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号の一部を分配する分配部と、分配部で分配された変調信号を入力し、その有効帯域外成分(歪成分)のみを通過させるフィルタと、フィルタを通過した変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルを検出するレベル検出部と、歪補償データを操作し、その操作の前後で検出される変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルの増減を検出し、それが増加の場合にその操作した歪補償データを無効として歪補償データを逆方向に操作し、変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが減少の場合にその操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する歪補償データ制御手段とを備える。
【0014】
また、歪補償データ制御手段は、変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが最小になるまで歪補償データの操作を繰り返し、そのときに操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する構成としてもよい(請求項2)。
【0015】
また、直交変調部から出力された変調信号を所定の周波数帯へ変換して増幅器に入力する周波数変換部と、分配部で分配された変調信号を所定の周波数帯へ逆変換してフィルタに入力する周波数逆変換部とを備えてもよい(請求項3)。
【0016】
また、請求項1に記載の非線形歪補償装置において、分配部とフィルタを一体化し、増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)をレベル検出部に送出する構成としてもよい(請求項4)。
【0017】
また、請求項3に記載の非線形歪補償装置において、分配部とフィルタを一体化し、増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)を周波数逆変換部を介してレベル検出部に送出する構成としてもよい(請求項5)。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の非線形歪補償装置の第1の実施形態を示す。
図において、無線送信機の送信信号として入力された直交ベースバンド信号1は、歪補償部11および電力計算部12に入力される。電力計算部12は入力された直交ベースバンド信号1の信号電力を計算し、その値を歪補償データ記憶部14に送出する。歪補償データ記憶部14は、信号電力と、増幅器16の非線形なAM−AM特性およびAM−PM特性によって生じる非線形歪を補償するための歪補償データを対応付けた書き換え可能な歪補償データテーブルを有しており、電力計算部12から入力する信号電力に対応した各歪補償データを読み出して歪補償部11に送出する。歪補償部11は、直交ベースバンド信号1とその信号電力に対応した歪補償データとの複素積を計算し、増幅器16で発生する非線形歪と逆特性の非線形歪を付与した直交ベースバンド信号を直交変調部15に送出する。
【0019】
直交変調部15は、歪補償部11で歪補償処理された直交ベースバンド信号を直交変調し、その変調信号を増幅器16で所定のレベルまで増幅する。増幅器16で増幅および歪補償された変調信号2は無線信号として送信されるとともに、分配部17を介してその一部が分配され、バンドパスフィルタ21に入力される。バンドパスフィルタ21は、増幅後の変調信号2のうち有効帯域外成分(歪成分)を分離してレベル検出部22に送出する。
【0020】
レベル検出部22は、入力信号(有効帯域外成分(歪成分))の電力レベルを検出し、レベル比較部23およびレベル記憶部24に送出する。レベル記憶部24は、歪補償データ制御部25の指示により前タイミングにおける電力レベルをレベル比較部23に送出するとともに、レベル検出部22から入力する電力レベルを記憶する。レベル比較部23では、レベル検出部22から出力された歪成分の電力レベルと、レベル記憶部24から出力された前タイミングにおける歪成分の電力レベルの大小(増減)を比較し、その結果を歪補償データ制御部25に通知する。
【0021】
歪補償データ制御部25は、歪補償データ記憶部14から出力される歪補償データの操作に対して、レベル比較部24における比較結果が減少を示すときに操作した歪補償データを確定し、そのときにレベル検出部22で検出された電力レベルをレベル記憶部24に記憶させる。一方、レベル比較部24における比較結果が増加を示すときは、操作した歪補償データを無効としてその前の歪補償データに戻し、そのときにレベル検出部22で検出された電力レベルも無効としてレベル記憶部24に記憶させない。
【0022】
タイミング管理部26は、無線送信機の動作タイミングを管理する機能を有しており、所定の周期でレベル検出部22、レベル比較部23および歪補償データ制御部25が所定の動作を行うように、それぞれの動作タイミングを管理している。
【0023】
ここで、レベル比較部23、レベル記憶部24および歪補償データ制御部25により、請求項1および請求項2に示す歪補償データ制御手段が構成される。レベル検出部22で検出される有効帯域外成分は送信する変調信号2の歪成分であるので、その電力レベルはできるだけ小さい方がよい。そのため、レベル比較部23から有効帯域外成分の電力レベルの増減を歪補償データ制御部25に通知し、歪補償データ制御部25はその電力レベルが低下するように歪補償データを摂動等により更新し、最適な歪補償データを決定する。
【0024】
以下、歪補償データが想定する特性と実際の増幅器特性の差に基づく歪補償データの更新手順について説明する。このときのAM−AM特性例を図3に示し、スペクトル比較例を図4に示す。ここで、歪補償データを操作する前にレベル検出部22で検出される有効帯域外成分の電力レベルは、図4における「レベル初期」とする。この「レベル初期」は、図3に示す歪補償データが想定する特性と実際の増幅器特性の差に基づく歪成分であり、すでにレベル記憶部24に記憶されているものとする。
【0025】
<手順1> 歪補償データが想定する特性に対して、実際の増幅器特性は見えないので、まず実際の増幅器特性が図3の(1) に示す分だけ高くなっているものと仮定する(図3における実際の増幅器特性の逆方向)。
【0026】
<手順2> 歪補償データ制御部25は、歪補償データ記憶部14から出力される歪補償データを操作し、図3の(1) の方向になるように変化させる。このとき、レベル検出部22で検出される有効帯域外成分の電力レベルは、実際の増幅器特性とは逆の方向に操作しているので増加し、その値を「レベル1」とする。
【0027】
<手順3> レベル比較部23は、レベル記憶部24に記憶されている「レベル初期」とレベル検出部22で検出された「レベル1」を比較し、有効帯域外成分の電力レベルが増加していることを歪補償データ制御部25に通知する。
【0028】
<手順4> 歪補償データ制御部25は、有効帯域外成分の電力レベルの増加により手順1の仮定が誤りと判断し、手順2で行った歪補償データの操作を無効とし、操作した歪補償データを元に戻す。また、レベル記憶部24は「レベル1」を記憶せず、「レベル初期」を記憶したままとする。
【0029】
<手順5> 歪補償データが想定する特性に対して、実際の増幅器特性が図3の(2) に示す分だけ低くなっているものと仮定する(図3における実際の増幅器特性の方向)。
【0030】
<手順6> 歪補償データ制御部25は、歪補償データ記憶部14から出力される歪補償データを操作し、図3の(2) の方向になるように変化させる。このとき、レベル検出部22で検出される有効帯域外成分の電力レベルを「レベル2」とする。
【0031】
<手順7> レベル比較部23は、レベル記憶部24に記憶されている「レベル初期」とレベル検出部22で検出された「レベル2」を比較し、有効帯域外成分の電力レベルが減少していることを歪補償データ制御部25に通知する。
【0032】
<手順8> 歪補償データ制御部25は、有効帯域外成分の電力レベルの減少により手順5の仮定が正しいと判断し、手順6で行った歪補償データの操作を有効とし、操作した歪補償データを確定して歪補償データ記憶部14に記憶する。また、レベル記憶部24は、「レベル初期」に代わって「レベル2」を記憶する。以下同様に、「レベル2」を「レベル初期」として手順1から繰り返す。
【0033】
このように、スペクトルの歪成分レベルの増減によって歪補償データが有する誤差の増減を判断することができる。そこで、歪補償データの誤差が小さくなるように、スペクトルの歪成分レベルが減少する方向に歪補償データを繰り返し操作し、歪成分レベルがそれ以上に減少しなくなったところで歪補償データを最終的に確定する。これを増幅器特性の変化に応じた頻度で動作させることにより、実際の増幅器特性に適合した歪補償データを設定することができる。
【0034】
また、通常は増幅器特性の変化は緩やかであるため、それに応じて歪補償データ更新の周期もある程度長くてよく、レベル比較を行う周期もある程度長くてよい。レベル比較を行う周期が長くなることにより、発生した直交ベースバンド信号1の分布が一様分布となるランダム信号と考えられるため、ある程度長時間で発生した電力レベル分布は、時不変として扱うことができる。すなわち、入力信号である直交ベースバンド信号1の信号パターンに拘らず、増幅後の有効帯域外成分の電力レベルの比較結果をもとに歪補償データを更新しても差し支えない。
【0035】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の非線形歪補償装置の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、図1に示す第1の実施形態の構成において、直交変調部15から出力された変調信号を所定の周波数帯へ変換して増幅器16に入力する周波数変換部31を配置し、分配部17で分配された変調信号2を所定の周波数帯へ逆変換してバンドパスフィルタ21に入力する周波数逆変換部32を配置したものであり、その他の構成は同様である。
【0036】
通常の無線送信機では、最終段の増幅器16はそのまま空中へ放射する無線周波数帯の増幅器であり、周波数変換部31により比較的高い無線周波数帯に変換する構成をとる。この比較的高い無線周波数帯の変調信号2をバンドパスフィルタ21を介してレベル検出部22に直接入力する構成としてもよいが、周波数逆変換部32を介してより低い周波数帯に変換してバンドパスフィルタ21を介してレベル検出部22に入力することにより、装置コストを低減することができる。
【0037】
(第3の実施形態)
図1に示す第1の実施形態の構成において、分配部17とバンドパスフィルタ21を一体化し、増幅器16から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)をレベル検出部22に送出する構成としてもよい。
【0038】
また、図2に示す第2の実施形態の構成において、分配部17とバンドパスフィルタ21を一体化し、増幅器16から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)を周波数逆変換部32を介してレベル検出部22に送出する構成としてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の非線形歪補償装置は、増幅器の非線形な入出力特性が運用中に変化する場合に、歪補償データの操作によって検出される変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルの増減をモニタすることにより、増幅器の入出力特性の変化に対応して歪補償データを更新することができる。特に、復調器を用いない簡単な回路構成により実現できるので、非線形歪補償装置のコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非線形歪補償装置の第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明の非線形歪補償装置の第2の実施形態を示すブロック図。
【図3】歪補償データ更新を説明するためのAM−AM特性例を示す図。
【図4】歪補償データ更新を説明するためのスペクトル比較例を示す図。
【図5】非線形歪を含む増幅器の入出力特性を示す図。
【図6】従来の非線形歪補償装置の構成例を示す図。
【符号の説明】
11 歪補償部
12 電力計算部
13 信号比較/更新部
14 歪補償データ記憶部
15 直交変調部
16 増幅器
17 分配部
18 直交復調部
21 バンドパスフィルタ
22 レベル検出部
23 レベル比較部
24 レベル記憶部
25 歪補償データ制御部
26 タイミング管理部
31 周波数変換部
32 周波数逆変換部
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムの送信機に用いられる増幅器の非線形な入出力特性による非線形歪を補償する装置において、運用中に増幅器の入出力特性が変化する場合に対応して非線形歪の補償を行う非線形歪補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムの送信機に用いられる増幅器は、省電力化を図るために消費電力の効率化が進められている。一般的に高効率な増幅器は、入力電力が比較的高くなるとその出力(電力および位相)に非線形成分を含む入出力特性を示し、通常これを非線形歪と呼んでいる。非線形歪の量が大きくなると無線通信の品質が劣化し、結果として通信ができなくなることがある。ここで、増幅器の入力電力に対する出力電力特性をAM−AM特性といい、入力電力に対する出力位相特性をAM−PM特性という。
【0003】
図5は、非線形歪を含む増幅器の入出力特性の例を示す。図において、横軸は入力電力、左縦軸は出力電力、右縦軸は出力位相を示し、実線はAM−AM特性、破線はAM−PM特性を表す。図に示すように、AM−AM特性は入力電力が比較的小さい領域(0dBm以下)ではほぼ線形となっているが、入力電力が比較的大きい領域(0dBm以上)では非線形になっていることがわかる。AM−PM特性においても同様である。
【0004】
非線形歪を補償する方法として、比較的簡単に実現可能なディジタル信号を利用した非線形歪補償方法が提案されている。この方法は、増幅器で信号が歪むことを承知した上で、その逆の特性を有する非線形歪を予めディジタル信号処理により与え、増幅器の非線形な入出力特性による非線形歪を相殺しようとするものであり、ディジタルプレディストーション方法と呼ばれる。また、非線形歪を与えるためのデータを歪補償データと呼ぶ。
【0005】
ところで、増幅器の入出力特性は温度条件や経年条件等の環境条件や、駆動電圧レベル等により変動するのが一般的であり、プレディストーションで用いる歪補償データが常時、定数のままで非線形歪を補償することは効果的ではない。また、実際の特性から得られる係数とは異なって予め設定される歪補償データであるために、プレディストーションが逆効果になることもあり、歪補償データを逐次更新することは運用上必要になっている。
【0006】
図6は、従来の非線形歪補償装置の構成例を示す(非特許文献1、非特許文献2)。
【0007】
図において、送信信号として入力される直交ベースバンド信号1は、歪補償部11、電力計算部12および信号比較/更新部13に入力される。電力計算部12は入力された直交ベースバンド信号1の信号電力を計算し、その値を歪補償データ記憶部14および信号比較/更新部13に送出する。歪補償データ記憶部14は、信号電力と、増幅器16の非線形なAM−AM特性およびAM−PM特性によって生じる非線形歪を補償するための歪補償データを対応付けた書き換え可能な歪補償データテーブルを有しており、電力計算部12から入力する信号電力に対応した各歪補償データを読み出して歪補償部11に送出する。歪補償部11は、直交ベースバンド信号1とその信号電力に対応した歪補償データとの複素積を計算し、増幅器16で発生する非線形歪と逆特性の非線形歪を付与した直交ベースバンド信号を直交変調部15に送出する。
【0008】
直交変調部15は、歪補償部11で歪補償処理された直交ベースバンド信号を直交変調し、その変調信号を増幅器16で所定のレベルまで増幅する。増幅器16で増幅および歪補償された変調信号2は無線信号として送信されるとともに、分配部17を介してその一部が分配され、直交復調部18に入力される。直交復調部18は変調信号2を復調し、復調された直交ベースバンド信号3を信号比較/更新部13に送出する。
【0009】
信号比較/更新部13は、復調された直交ベースバンド信号3と歪補償前の直交ベースバンド信号1を比較して誤差を算出する。なお、歪補償部11に入力される歪補償データが増幅器16で発生する非線形歪を相殺するものでなければ、それに対応する誤差が発生する。信号比較/更新部13は、信号比較により得られた誤差について、電力計算部12で計算された信号電力に対応する誤差成分として歪補償データ記憶部14に与え、その信号電力に対応する歪補償データを更新する。
【0010】
【非特許文献1】
移動体通信信号送信系非線形歪補償方式、Matsushita Technical Journal, Vol.44, No.6, Dec.1998
【非特許文献2】
多値変調に適用したプレディストーション方式に関する一検討、2002年秋電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−5−144
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の非線形歪補償装置は、歪補償前のベースバンド信号と、歪補償/増幅後の変調信号をフィードバックして復調したベースバンド信号との比較を行い、その都度、歪補償データが想定する増幅器の入出力特性と実際の入出力特性の誤差を把握して歪補償データの更新を行っている。このような構成では、歪補償データを更新するために復調器が必要になり、非線形歪補償装置の構成が複雑になるとともにコスト増になる問題があった。
【0012】
本発明は、増幅器の入出力特性が運用中に変化する場合に、簡単な構成でその入出力特性の変化を定量的に把握して歪補償データの更新を行い、効率的な非線形歪補償を行うことができる非線形歪補償装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力する直交ベースバンド信号を直交変調し、変調信号を出力する直交変調部と、非線形な入出力特性を有し、変調信号を増幅して出力する増幅器と、直交ベースバンド信号の信号電力を計算する電力計算部と、信号電力と、増幅器の非線形な入出力特性によって生じる非線形歪を補償するための歪補償データとを対応付けて記憶し、直交ベースバンド信号の信号電力に対応する歪補償データを読み出して出力する歪補償データ記憶部と、直交ベースバンド信号を歪補償データを用いて処理し、対応する非線形歪を付与した直交ベースバンド信号を生成して直交変調部に入力する歪補償部とを備え、増幅器の非線形な入出力特性によって生じる非線形歪を補償する非線形歪補償装置において、増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号の一部を分配する分配部と、分配部で分配された変調信号を入力し、その有効帯域外成分(歪成分)のみを通過させるフィルタと、フィルタを通過した変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルを検出するレベル検出部と、歪補償データを操作し、その操作の前後で検出される変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルの増減を検出し、それが増加の場合にその操作した歪補償データを無効として歪補償データを逆方向に操作し、変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが減少の場合にその操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する歪補償データ制御手段とを備える。
【0014】
また、歪補償データ制御手段は、変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが最小になるまで歪補償データの操作を繰り返し、そのときに操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する構成としてもよい(請求項2)。
【0015】
また、直交変調部から出力された変調信号を所定の周波数帯へ変換して増幅器に入力する周波数変換部と、分配部で分配された変調信号を所定の周波数帯へ逆変換してフィルタに入力する周波数逆変換部とを備えてもよい(請求項3)。
【0016】
また、請求項1に記載の非線形歪補償装置において、分配部とフィルタを一体化し、増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)をレベル検出部に送出する構成としてもよい(請求項4)。
【0017】
また、請求項3に記載の非線形歪補償装置において、分配部とフィルタを一体化し、増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)を周波数逆変換部を介してレベル検出部に送出する構成としてもよい(請求項5)。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の非線形歪補償装置の第1の実施形態を示す。
図において、無線送信機の送信信号として入力された直交ベースバンド信号1は、歪補償部11および電力計算部12に入力される。電力計算部12は入力された直交ベースバンド信号1の信号電力を計算し、その値を歪補償データ記憶部14に送出する。歪補償データ記憶部14は、信号電力と、増幅器16の非線形なAM−AM特性およびAM−PM特性によって生じる非線形歪を補償するための歪補償データを対応付けた書き換え可能な歪補償データテーブルを有しており、電力計算部12から入力する信号電力に対応した各歪補償データを読み出して歪補償部11に送出する。歪補償部11は、直交ベースバンド信号1とその信号電力に対応した歪補償データとの複素積を計算し、増幅器16で発生する非線形歪と逆特性の非線形歪を付与した直交ベースバンド信号を直交変調部15に送出する。
【0019】
直交変調部15は、歪補償部11で歪補償処理された直交ベースバンド信号を直交変調し、その変調信号を増幅器16で所定のレベルまで増幅する。増幅器16で増幅および歪補償された変調信号2は無線信号として送信されるとともに、分配部17を介してその一部が分配され、バンドパスフィルタ21に入力される。バンドパスフィルタ21は、増幅後の変調信号2のうち有効帯域外成分(歪成分)を分離してレベル検出部22に送出する。
【0020】
レベル検出部22は、入力信号(有効帯域外成分(歪成分))の電力レベルを検出し、レベル比較部23およびレベル記憶部24に送出する。レベル記憶部24は、歪補償データ制御部25の指示により前タイミングにおける電力レベルをレベル比較部23に送出するとともに、レベル検出部22から入力する電力レベルを記憶する。レベル比較部23では、レベル検出部22から出力された歪成分の電力レベルと、レベル記憶部24から出力された前タイミングにおける歪成分の電力レベルの大小(増減)を比較し、その結果を歪補償データ制御部25に通知する。
【0021】
歪補償データ制御部25は、歪補償データ記憶部14から出力される歪補償データの操作に対して、レベル比較部24における比較結果が減少を示すときに操作した歪補償データを確定し、そのときにレベル検出部22で検出された電力レベルをレベル記憶部24に記憶させる。一方、レベル比較部24における比較結果が増加を示すときは、操作した歪補償データを無効としてその前の歪補償データに戻し、そのときにレベル検出部22で検出された電力レベルも無効としてレベル記憶部24に記憶させない。
【0022】
タイミング管理部26は、無線送信機の動作タイミングを管理する機能を有しており、所定の周期でレベル検出部22、レベル比較部23および歪補償データ制御部25が所定の動作を行うように、それぞれの動作タイミングを管理している。
【0023】
ここで、レベル比較部23、レベル記憶部24および歪補償データ制御部25により、請求項1および請求項2に示す歪補償データ制御手段が構成される。レベル検出部22で検出される有効帯域外成分は送信する変調信号2の歪成分であるので、その電力レベルはできるだけ小さい方がよい。そのため、レベル比較部23から有効帯域外成分の電力レベルの増減を歪補償データ制御部25に通知し、歪補償データ制御部25はその電力レベルが低下するように歪補償データを摂動等により更新し、最適な歪補償データを決定する。
【0024】
以下、歪補償データが想定する特性と実際の増幅器特性の差に基づく歪補償データの更新手順について説明する。このときのAM−AM特性例を図3に示し、スペクトル比較例を図4に示す。ここで、歪補償データを操作する前にレベル検出部22で検出される有効帯域外成分の電力レベルは、図4における「レベル初期」とする。この「レベル初期」は、図3に示す歪補償データが想定する特性と実際の増幅器特性の差に基づく歪成分であり、すでにレベル記憶部24に記憶されているものとする。
【0025】
<手順1> 歪補償データが想定する特性に対して、実際の増幅器特性は見えないので、まず実際の増幅器特性が図3の(1) に示す分だけ高くなっているものと仮定する(図3における実際の増幅器特性の逆方向)。
【0026】
<手順2> 歪補償データ制御部25は、歪補償データ記憶部14から出力される歪補償データを操作し、図3の(1) の方向になるように変化させる。このとき、レベル検出部22で検出される有効帯域外成分の電力レベルは、実際の増幅器特性とは逆の方向に操作しているので増加し、その値を「レベル1」とする。
【0027】
<手順3> レベル比較部23は、レベル記憶部24に記憶されている「レベル初期」とレベル検出部22で検出された「レベル1」を比較し、有効帯域外成分の電力レベルが増加していることを歪補償データ制御部25に通知する。
【0028】
<手順4> 歪補償データ制御部25は、有効帯域外成分の電力レベルの増加により手順1の仮定が誤りと判断し、手順2で行った歪補償データの操作を無効とし、操作した歪補償データを元に戻す。また、レベル記憶部24は「レベル1」を記憶せず、「レベル初期」を記憶したままとする。
【0029】
<手順5> 歪補償データが想定する特性に対して、実際の増幅器特性が図3の(2) に示す分だけ低くなっているものと仮定する(図3における実際の増幅器特性の方向)。
【0030】
<手順6> 歪補償データ制御部25は、歪補償データ記憶部14から出力される歪補償データを操作し、図3の(2) の方向になるように変化させる。このとき、レベル検出部22で検出される有効帯域外成分の電力レベルを「レベル2」とする。
【0031】
<手順7> レベル比較部23は、レベル記憶部24に記憶されている「レベル初期」とレベル検出部22で検出された「レベル2」を比較し、有効帯域外成分の電力レベルが減少していることを歪補償データ制御部25に通知する。
【0032】
<手順8> 歪補償データ制御部25は、有効帯域外成分の電力レベルの減少により手順5の仮定が正しいと判断し、手順6で行った歪補償データの操作を有効とし、操作した歪補償データを確定して歪補償データ記憶部14に記憶する。また、レベル記憶部24は、「レベル初期」に代わって「レベル2」を記憶する。以下同様に、「レベル2」を「レベル初期」として手順1から繰り返す。
【0033】
このように、スペクトルの歪成分レベルの増減によって歪補償データが有する誤差の増減を判断することができる。そこで、歪補償データの誤差が小さくなるように、スペクトルの歪成分レベルが減少する方向に歪補償データを繰り返し操作し、歪成分レベルがそれ以上に減少しなくなったところで歪補償データを最終的に確定する。これを増幅器特性の変化に応じた頻度で動作させることにより、実際の増幅器特性に適合した歪補償データを設定することができる。
【0034】
また、通常は増幅器特性の変化は緩やかであるため、それに応じて歪補償データ更新の周期もある程度長くてよく、レベル比較を行う周期もある程度長くてよい。レベル比較を行う周期が長くなることにより、発生した直交ベースバンド信号1の分布が一様分布となるランダム信号と考えられるため、ある程度長時間で発生した電力レベル分布は、時不変として扱うことができる。すなわち、入力信号である直交ベースバンド信号1の信号パターンに拘らず、増幅後の有効帯域外成分の電力レベルの比較結果をもとに歪補償データを更新しても差し支えない。
【0035】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の非線形歪補償装置の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、図1に示す第1の実施形態の構成において、直交変調部15から出力された変調信号を所定の周波数帯へ変換して増幅器16に入力する周波数変換部31を配置し、分配部17で分配された変調信号2を所定の周波数帯へ逆変換してバンドパスフィルタ21に入力する周波数逆変換部32を配置したものであり、その他の構成は同様である。
【0036】
通常の無線送信機では、最終段の増幅器16はそのまま空中へ放射する無線周波数帯の増幅器であり、周波数変換部31により比較的高い無線周波数帯に変換する構成をとる。この比較的高い無線周波数帯の変調信号2をバンドパスフィルタ21を介してレベル検出部22に直接入力する構成としてもよいが、周波数逆変換部32を介してより低い周波数帯に変換してバンドパスフィルタ21を介してレベル検出部22に入力することにより、装置コストを低減することができる。
【0037】
(第3の実施形態)
図1に示す第1の実施形態の構成において、分配部17とバンドパスフィルタ21を一体化し、増幅器16から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)をレベル検出部22に送出する構成としてもよい。
【0038】
また、図2に示す第2の実施形態の構成において、分配部17とバンドパスフィルタ21を一体化し、増幅器16から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)を周波数逆変換部32を介してレベル検出部22に送出する構成としてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の非線形歪補償装置は、増幅器の非線形な入出力特性が運用中に変化する場合に、歪補償データの操作によって検出される変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルの増減をモニタすることにより、増幅器の入出力特性の変化に対応して歪補償データを更新することができる。特に、復調器を用いない簡単な回路構成により実現できるので、非線形歪補償装置のコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非線形歪補償装置の第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明の非線形歪補償装置の第2の実施形態を示すブロック図。
【図3】歪補償データ更新を説明するためのAM−AM特性例を示す図。
【図4】歪補償データ更新を説明するためのスペクトル比較例を示す図。
【図5】非線形歪を含む増幅器の入出力特性を示す図。
【図6】従来の非線形歪補償装置の構成例を示す図。
【符号の説明】
11 歪補償部
12 電力計算部
13 信号比較/更新部
14 歪補償データ記憶部
15 直交変調部
16 増幅器
17 分配部
18 直交復調部
21 バンドパスフィルタ
22 レベル検出部
23 レベル比較部
24 レベル記憶部
25 歪補償データ制御部
26 タイミング管理部
31 周波数変換部
32 周波数逆変換部
Claims (5)
- 入力する直交ベースバンド信号を直交変調し、変調信号を出力する直交変調部と、
非線形な入出力特性を有し、前記変調信号を増幅して出力する増幅器と、
前記直交ベースバンド信号の信号電力を計算する電力計算部と、
前記信号電力と、前記増幅器の非線形な入出力特性によって生じる非線形歪を補償するための歪補償データとを対応付けて記憶し、前記直交ベースバンド信号の信号電力に対応する歪補償データを読み出して出力する歪補償データ記憶部と、
前記直交ベースバンド信号を前記歪補償データを用いて処理し、対応する非線形歪を付与した直交ベースバンド信号を生成して前記直交変調部に入力する歪補償部と
を備え、前記増幅器の非線形な入出力特性によって生じる非線形歪を補償する非線形歪補償装置において、
前記増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号の一部を分配する分配部と、
前記分配部で分配された変調信号を入力し、その有効帯域外成分(歪成分)のみを通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルを検出するレベル検出部と、
前記歪補償データを操作し、その操作の前後で検出される前記変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルの増減を検出し、それが増加の場合にその操作した歪補償データを無効として前記歪補償データを逆方向に操作し、前記変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが減少の場合にその操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する歪補償データ制御手段と
を備えたことを特徴とする非線形歪補償装置。 - 請求項1に記載の非線形歪補償装置において、
前記歪補償データ制御手段は、前記変調信号の有効帯域外成分(歪成分)の電力レベルが最小になるまで前記歪補償データの操作を繰り返し、そのときに操作した歪補償データにより歪補償データ記憶部を更新する構成である
ことを特徴とする非線形歪補償装置。 - 請求項1または請求項2に記載の非線形歪補償装置において、
前記直交変調部から出力された変調信号を所定の周波数帯へ変換して前記増幅器に入力する周波数変換部と、
前記分配部で分配された変調信号を所定の周波数帯へ逆変換して前記フィルタに入力する周波数逆変換部と
を備えたことを特徴とする非線形歪補償装置。 - 請求項1に記載の非線形歪補償装置において、
前記分配部と前記フィルタを一体化し、前記増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)を前記レベル検出部に送出する構成である
ことを特徴とする非線形歪補償装置。 - 請求項3に記載の非線形歪補償装置において、
前記分配部と前記フィルタを一体化し、前記増幅器から出力される増幅および歪補償された変調信号から有効帯域成分(信号成分)と有効帯域外成分(歪成分)を分離し、有効帯域外成分(歪成分)を前記周波数逆変換部を介して前記レベル検出部に送出する構成である
ことを特徴とする非線形歪補償装置。
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JP2016082402A (ja) * | 2014-10-16 | 2016-05-16 | 富士通株式会社 | ベースバンド処理装置、無線装置、及び無線通信システム |
-
2003
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