JP2004335825A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウエハWを処理室71で保持するサセプタ98と、ウエハWを加熱する加熱ユニット87と、処理室71へ第一処理ガスGaと第二処理ガスGbを供給するガスヘッド110を備えた枚葉式CVD装置70において、ガスヘッド110は第一処理ガスGaを単一の流量をもって処理室71に供給する第一供給部111と、内側ゾーン124aと外側ゾーン124bとに分割された第二供給部120とを備え、第二供給部は内外ゾーン毎に異なる流量に制御する内側ゾーン用流量制御弁129aと外側ゾーン用流量制御弁129bとを有する。
【効果】ジボランガスの内側ゾーンへの流量を外側ゾーンへの流量よりも小さくすることで、成膜レートが大きいことで中央部の膜厚が厚く形成される現象を相殺できるので、ウエハの膜厚分布を全体にわたって均一化できる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスを使用して基板に所望の処理を施す基板処理装置に関し、特に、ガスを供給する技術に係り、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、ICが作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に酸化膜や金属膜を形成するCVD装置に利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICの製造方法において、ウエハに酸化膜や金属膜を形成するのに、枚葉式コールドウオール形CVD装置(以下、枚葉式CVD装置という。)が使用される場合がある。
【0003】
枚葉式CVD装置は、被処理基板としてのウエハを収容する処理室と、この処理室においてウエハを一枚ずつ保持するサセプタと、サセプタに保持されたウエハを加熱する加熱ユニットと、サセプタに保持されたウエハに処理ガスを供給するガスヘッドと、処理室を排気する排気口とを備えているのが、一般的である。従来のこの種の枚葉式CVD装置として、ガスヘッドが処理ガスをシャワー状に吹き出すように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−212729号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガスヘッドが処理ガスをシャワー状に吹き出すように構成された枚葉式CVD装置においては、処理ガスの反応特性によってはウエハにおける径方向の膜厚や膜組成の均一性の向上に限界があるために、成膜の中のドーピング濃度等を変更する場合には、その都度、ガスヘッドの構造を変更する必要があるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、処理ガスの如何に関わらず膜厚や膜組成の均一性を向上させることができる基板処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板処理装置は、基板の処理空間を形成する処理室と、前記基板を前記処理室で保持する基板保持部材と、前記基板を加熱する加熱手段と、前記処理室へ二種類の処理ガスを供給するガス供給手段とを備えている基板処理装置であって、
前記ガス供給手段は、第一処理ガスを単一の流量をもって前記処理室に供給する第一供給部と、複数のゾーンに分割された第二供給部と、第二処理ガスを前記第二供給部の前記複数のゾーン毎に異なる流量をもって供給する流量制御部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
前記した基板処理装置によれば、第二処理ガスのゾーン毎の流量を大小変更調整してそれぞれ供給することにより、例えば、基板の径方向の成膜レート(単位時間当たりの膜厚)を制御することができるので、基板の径方向の膜厚分布を均一化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0010】
本実施の形態において、図1および図2に示されているように、本発明に係る基板処理装置は、マルチチャンバ型CVD装置(以下、CVD装置という。)として構成されており、このCVD装置はICの製造方法にあってウエハに電気的に活性な不純物原子を外部からしみ込ませる熱拡散工程に使用されるように構成されている。なお、本実施の形態に係るCVD装置においてはウエハ搬送用のキャリアとしては、FOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)が使用されている。以下の説明において、前後左右は図1を基準とする。すなわち、ウエハ移載室40側が前側、その反対側すなわちウエハ移載室10側が後側、搬入用予備室20側が左側、搬出用予備室30側が右側とする。
【0011】
図1および図2に示されているように、CVD装置は大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成された第一のウエハ移載室(以下、負圧移載室という。)10を備えており、負圧移載室10の筐体(以下、負圧移載室筐体という。)11は平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。負圧移載室10の中央部には負圧下でウエハWを移載するウエハ移載装置(以下、負圧移載装置という。)12が設置されており、負圧移載装置12はスカラ形ロボット(selective compliance assembly robot arm SCARA)によって構成されており、負圧移載室筐体11の底壁に設置されたエレベータ13によって気密シールを維持しつつ昇降するように構成されている。負圧移載装置12は上側に位置する第一のアーム(以下、上側アームという。)14と、下側に位置する第二のアーム(以下、下側アームという。)15とを備えており、上側アーム14および下側アーム15の先端部にはウエハWを下から支持する二股のフォーク形状に形成された上側エンドエフェクタ16および下側エンドエフェクタ17がそれぞれ取り付けられている。
【0012】
負圧移載室筐体11の六枚の側壁のうち正面側に位置する二枚の側壁には、搬入用予備室(以下、搬入室という。)20と搬出用予備室(以下、搬出室という。)30とがそれぞれ隣接して連結されている。搬入室20の筐体(以下、搬入室筐体という。)21と搬出室30の筐体(以下、搬出室筐体という。)31とはそれぞれ平面視が大略四角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されているとともに、負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。
【0013】
互いに隣接した搬入室筐体21の側壁および負圧移載室筐体11の側壁には搬入口22、23がそれぞれ開設されており、負圧移載室10側の搬入口23には搬入口22、23を開閉するゲートバルブ24が設置されている。互いに隣接した搬出室筐体31の側壁および負圧移載室筐体11の側壁には搬出口32、33がそれぞれ開設されており、負圧移載室10側の搬出口33には搬出口32、33を開閉するゲートバルブ34が設置されている。搬入室20には搬入室用仮置き台25が設置され、搬出室30には搬出室用仮置き台35が設置されている。
【0014】
搬入室20および搬出室30の前側には、大気圧以上の圧力(正圧)を維持可能な構造に構成された第二のウエハ移載室(以下、正圧移載室という。)40が隣接して連結されており、正圧移載室40の筐体(以下、正圧移載室筐体という。)41は平面視が横長の長方形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。正圧移載室40には正圧下でウエハWを移載する第二のウエハ移載装置(以下、正圧移載装置という。)42が設置されており、正圧移載装置42はスカラ形ロボットによって二枚のウエハを同時に搬送し得るように構成されている。正圧移載装置42は正圧移載室40に設置されたエレベータ43によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ44によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0015】
互いに隣接した搬入室筐体21の側壁および正圧移載室筐体41の側壁には搬入口26、27がそれぞれ開設されており、正圧移載室40側の搬入口27には搬入口26、27を開閉するゲートバルブ28が設置されている。互いに隣接した搬出室筐体31の側壁および正圧移載室筐体41の側壁には搬出口36、37がそれぞれ開設されており、正圧移載室40側の搬出口37には搬出口36、37を開閉するゲートバルブ38が設置されている。図1に示されているように、正圧移載室40の左側にはノッチ合わせ装置45が設置されている。また、図2に示されているように、正圧移載室40の上部にはクリーンエアを供給するクリーンユニット46が設置されている。
【0016】
図1および図2に示されているように、正圧移載室筐体41の正面壁には三つのウエハ搬入搬出口47、48、49が左右方向に並べられて開設されており、これらのウエハ搬入搬出口47、48、49はウエハWを正圧移載室40に対して搬入搬出し得るように設定されている。これらのウエハ搬入搬出口47、48、49にはポッドオープナ50がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ50はポッドPを載置する載置台51と、載置台51に載置されたポッドPのキャップを着脱するキャップ着脱機構52とを備えており、載置台51に載置されたポッドPのキャップをキャップ着脱機構52によって着脱することにより、ポッドPのウエハ出し入れ口を開閉するようになっている。ポッドオープナ50の載置台51に対してはポッドPが、図示しない工程内搬送装置(RGV)によって供給および排出されるようになっている。したがって、載置台51によってキャリアステージとしてのポッドステージが構成されていることになる。
【0017】
図1に示されているように、負圧移載室筐体11の六枚の側壁のうち背面側に位置する二枚の側壁には、第一処理部としての第一CVDユニット61と、第二処理部としての第二CVDユニット62とがそれぞれ隣接して連結されている。第一CVDユニット61および第二CVDユニット62はいずれも枚葉式CVD装置(枚葉式コールドウオール形CVD装置)によってそれぞれ構成されている。また、負圧移載室筐体11における六枚の側壁のうちの残りの互いに対向する二枚の側壁には、第三処理部としての第一クーリングユニット63と、第四処理部としての第二クーリングユニット64とがそれぞれ連結されており、第一クーリングユニット63および第二クーリングユニット64はいずれも処理済みのウエハWを冷却するように構成されている。
【0018】
本実施の形態において、第一CVDユニット61および第二CVDユニット62に使用された枚葉式CVD装置70は、図3および図4に示されているように構成されている。枚葉式CVD装置70は基板としてのウエハWを処理する処理室71を形成したチャンバ72を備えており、チャンバ72は下側カップ73と上側カップ74とボトムキャップ75とが組み合わされて、上下端面がいずれも閉塞した円筒形状に形成されている。チャンバ72の下側カップ73の円筒壁の中間部にはゲートバルブ77によって開閉されるウエハ搬入搬出口76が水平方向に横長に開設されており、ウエハ搬入搬出口76はウエハWを処理室71に負圧移載装置12によって搬入搬出し得るように形成されている。すなわち、図1に示されているように、ウエハWは負圧移載装置12のエンドエフェクタ16によって下から機械的に支持された状態で、ウエハ搬入搬出口76を搬送されて処理室71に対して搬入搬出されるようになっている。下側カップ73のウエハ搬入搬出口76と対向する壁面には、真空ポンプ等からなる真空排気装置(図示せず)に流体的に接続された排気口78が処理室71に連通するように開設されており、排気口78は真空排気装置によって所定の真空度に排気されるようになっている。上側カップ74の上端部には排気口78に連通する排気バッファ空間79が環状に形成されており、排気バッファ空間79の上には円形リング形状に形成されたカバープレート80が被せられている。カバープレート80の内周縁辺部はウエハWの外周縁辺部を被覆するように構成されている。
【0019】
図3に示されているように、チャンバ72は複数本の支柱81によって水平に支持されている。これらの支柱81には各昇降ブロック82がそれぞれ昇降自在に嵌合されており、これら昇降ブロック82間にはエアシリンダ装置等が使用された昇降駆動装置(図示せず)によって昇降される昇降台83が架設されている。昇降台83の上にはサセプタ回転装置84が設置されており、サセプタ回転装置84とチャンバ72との間にはベローズ85が内側空間を気密封止するように介設されている。サセプタ回転装置84にはブラシレスDCモータが使用されており、出力軸(モータ軸)が中空軸に形成されて後記する回転軸94を回転駆動するように構成されている。
【0020】
チャンバ72のボトムキャップ75の中心には円形の挿通孔75aが開設されており、挿通孔75aには円筒形状に形成された支持軸86が処理室71に下方から同心円に挿通されている。支持軸86は昇降台83に支持されて昇降されるようになっている。支持軸86の上端には加熱ユニット87が同心に配されて水平に固定されており、加熱ユニット87は支持軸86によって昇降されるようになっている。加熱ユニット87は円形の平板形状に形成された支持板88を備えており、支持板88の中央部には円筒形状の支持軸86の上端開口が固定されている。支持板88の上面には支柱を兼ねる電極89が複数本、複数箇所に配置されて垂直に立脚されており、これら電極89の上端間には円板形状に形成されたヒータ90が架橋されて固定されている。各電極89にはヒータ90に電力を供給するための電力供給配線91がそれぞれ接続されている。加熱ユニット87におけるヒータ90の下側には反射板92が水平に配されて支持板88に立脚された支柱93によって支持されている。反射板92はチタンからなる薄膜が鏡面仕上げされ、ヒータ90が照射した熱線を垂直方向上向きに効果的に反射するように構成されている。
【0021】
ボトムキャップ75の挿通孔75aの支持軸86の外側には、支持軸86よりも大径の円筒形状に形成された回転軸94が同心円に配置されて処理室71に下方から挿通されており、回転軸94は昇降台83の上に据え付けられたサセプタ回転装置84によって回転駆動されるようになっている。回転軸94はサセプタ回転装置84を介して昇降台83によって支持されることにより、支持軸86と共に昇降するようになっている。回転軸94の上端には回転ドラム95が同心に配されて水平に固定されており、回転ドラム95は回転軸94によって回転されるようになっている。すなわち、回転ドラム95はドーナツ形の平板に形成された回転板96と、円筒形状に形成された回転筒97とを備えており、回転板96の内周縁辺部が円筒形状の回転軸94の上端開口に固定されて、回転板96の上面の外周縁辺部に回転筒97が同心円に固定されている。回転ドラム95の回転筒97の上端にはサセプタ98が回転筒97の上端開口を閉塞するように被せられている。サセプタ98は炭化シリコンや窒化アルミニウム等の耐熱性を有する材料が使用されて、外径がウエハWの外径よりも大きい円板形状に形成されている。サセプタ98の周辺寄りの同一半径の円形線上には三個の挿通孔99が周方向に等間隔に配置されて垂直方向に開設されており、各挿通孔99の内径は後記する突上ピンを挿通し得るように設定されている。
【0022】
回転ドラム95にはウエハWをサセプタ98の上から突き上げるためのウエハ昇降装置100が設置されている。ウエハ昇降装置100は円形リング形状に形成された昇降リング101を備えており、昇降リング101は回転ドラム95の回転板96の上に支持軸86と同心円に配置されている。昇降リング(以下、回転側リングという。)101の下面には複数本(本実施の形態においては三本とする。)の突き上げピン(以下、回転側ピンという。)102が、周方向に等間隔に配置されて垂下されており、各回転側ピン102は回転板96に回転軸94と同心円の線上に配置されて、垂直方向に開設された各ガイド孔103にそれぞれ摺動自在に嵌入されている。各回転側ピン102の長さは回転側リング101を水平に突き上げ得るように互いに等しく設定されているとともに、ウエハWのサセプタ98の上からの突き上げ量に対応するように設定されている。各回転側ピン102の下端は処理室71の底面すなわちボトムキャップ75の上面に離着座自在に対向されている。加熱ユニット87の支持板88には複数本(本実施の形態においては三本とする。)のガイド孔104が周方向に等間隔に配置されて垂直方向に開設されており、各ガイド孔104には各突上ピン105がそれぞれ摺動自在に嵌入されている。各突上ピン105の下端は回転側リング101の上面に適度のエアギャップを置いて対向されており、各突上ピン105は回転ドラム95の回転時において回転側リング101に干渉しないようになっている。突上ピン105の上端部は反射板92やヒータ90を挿通してサセプタ98の挿通孔99に対向されており、各突上ピン105の長さはウエハWを水平に突き上げ得るように互いに等しく設定されているとともに、支持板88に着座した状態において、その上端がサセプタ98の下面に適度のエアギャップを置いて対向するように設定されている。つまり、突上ピン105は回転ドラム95の回転時にサセプタ98に干渉しないようになっている。
【0023】
サセプタ98の下面における中心と中間部と周辺部とに対応する位置には、温度測定手段としてのセンタ用放射温度計106Aとミドル用放射温度計106Bとアウタ用放射温度計106Cがそれぞれ対向して配置されている。これら放射温度計106A、106B、106Cはいずれも、サセプタ98からの熱線を入射させて感温部(図示せず)に導く導波棒を備えている。例えば、導波棒は細長い丸棒形状に形成された石英ロッドや光ファイバが使用されて構成されている。センタ用放射温度計106Aは直線形状に形成されているが、ミドル用放射温度計106Bとアウタ用放射温度計106Cとは上端部がクランク形状にそれぞれ屈曲されている。センタ用放射温度計106A、ミドル用放射温度計106Bおよびアウタ用放射温度計106Cは電極89や電力供給配線91および突上ピン等と干渉しないようにそれぞれ配置されている。センタ用放射温度計106A、ミドル用放射温度計106Bおよびアウタ用放射温度計106Cの垂直部は支持軸86の中空部を内周面に沿って垂直方向下向きに敷設されており、支持軸86の下端において支持軸86の下端開口を気密封止するシールキャップを挿通して外部にそれぞれ引き出されている。図示しないが、センタ用放射温度計106A、ミドル用放射温度計106Bおよびアウタ用放射温度計106Cの導波棒における支持軸86の中空部からの引出端は、これらセンタ用放射温度計106A、ミドル用放射温度計106Bおよびアウタ用放射温度計106Cの感温部にそれぞれ対向されており、センタ用放射温度計106A、ミドル用放射温度計106Bおよびアウタ用放射温度計106Cは各感温部の測定温度をコントローラ(図示せず)にそれぞれ送信するようになっている。ちなみに、ヒータ90の電力供給配線91も支持軸86の中空部内を通して外部のコントローラに接続されており、電源がコントローラによってシーケンス制御およびフィードバック制御されるようになっている。
【0024】
図4に示されているように、チャンバ72の上側カップ74にはガス供給手段としてのガスヘッド110が一体的に組み込まれている。ガスヘッド110は第一処理ガスを単一の流量をもって処理室71に供給する第一供給部111と、二つのゾーンに分割されて第二処理ガスを二つのゾーンのそれぞれに互いに異なる流量をもって供給する第二供給部120とを備えている。第一供給部111は上側カップ74と下側カップ73との合わせ面に挟持された円板形状の第一ガス吹出プレート(以下、第一プレートという。)112を備えており、第一プレート112はカバープレート80から間隔をとって水平に配置されて固定されている。第一プレート112には複数個のガス吹出口(以下、第一吹出口という。)113が全面にわたって均一に配置されて上下の空間を流通させるように開設されている。第二供給部120は第一プレート112の上にスペーサ121を介して所定の間隔を設定されて上側カップ74に固定された円板形状の第二ガス吹出プレート(以下、第二プレートという。)122を備えており、第二プレート122には複数個のガス吹出口(以下、第二吹出口という。)123が全面にわたって均一に配置されて上下の空間を流通させるように開設されている。第一プレート112の上面と第二プレート122の下面とスペーサ121の内側面とが画成する内側空間は、第一ガス溜め114を形成しており、第二プレート122の中心には第一ガス導入管115の下流側端部が第一ガス溜め114に連通するように挿入されている。第一ガス溜め114は第一ガス導入管115に導入された処理ガスを全体的に均等に拡散させて、各吹出口113から均等にシャワー状に吹き出させるようになっている。第一ガス導入管115には第一ガス供給管116の下流側端が接続されており、第一ガス供給管116の上流側端は第一処理ガスの供給源117が接続されている。第一ガス供給管116の途中には止め弁118および流量制御部としての流量制御弁(マスフローコントローラ)119が介設されている。
【0025】
第二プレート122の上面と上側カップ74の天井面と側面とが画成する内側空間は、第二ガス溜め124を形成している。第二プレート122の上面には円形のリング形状に形成された隔壁130が同心円に配されて突設されており、図5に示されているように、第二ガス溜め124は隔壁130によって内側ゾーン124aと外側ゾーン124bとに二分割されている。上側カップ74の天井壁における内側ゾーン124aに対応する位置には内側ゾーン用ガス導入管125aの下流側端部が内側ゾーン124aに連通するように挿入されており、上側カップ74の天井壁における外側ゾーン124bに対応する位置には外側ゾーン用ガス導入管125bの下流側端部が外側ゾーン124bに連通するように挿入されている。第二ガス溜め124の内側ゾーン124aは内側ゾーン用ガス導入管125aから導入された処理ガスを全体的に均等に拡散させて各吹出口123から第一ガス溜め114へシャワー状に吹き出させるようになっており、第二ガス溜め124の外側ゾーン124bは外側ゾーン用ガス導入管125bから導入された処理ガスを第一ガス溜め114へ全体的に均等に拡散させて各吹出口123からシャワー状に吹き出させるようになっている。内側ゾーン用ガス導入管125aには第二ガス供給管126の内側ゾーン用分岐管126aの下流側端が接続されており、外側ゾーン用ガス導入管125bには第二ガス供給管126の外側ゾーン用分岐管126bの下流側端が接続されている。第二ガス供給管126の上流側端は第二処理ガスの供給源127が接続されており、第二ガス供給管126の途中には止め弁128が介設されている。内側ゾーン用分岐管126aの途中には流量制御部としての内側ゾーン用流量制御弁129aが介設されており、外側ゾーン用分岐管126bの途中には流量制御部としての外側ゾーン用流量制御弁129bが介設されている。つまり、内側ゾーン用流量制御弁129aと外側ゾーン用流量制御弁129bとは、第二処理ガスを内側ゾーン124aと外側ゾーン124bとに異なる流量をもって供給させる制御部を構成している。
【0026】
以下、前記構成に係るCVD装置を使用したICの製造方法における成膜工程を説明する。
【0027】
これから成膜すべきウエハWは二十五枚がポッドPに収納された状態で、成膜工程を実施するCVD装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。図1および図2に示されているように、搬送されて来たポッドPは搬入室20におけるポッドオープナ50の載置台51の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。ポッドPのキャップがキャップ着脱機構52によって取り外され、ポッドPのウエハ出し入れ口が開放される。ポッドPがポッドオープナ50によって開放されると、正圧移載室40に設置された正圧移載装置42はウエハ搬入搬出口47を通してポッドPからウエハWを一枚ずつピックアップし、搬入室20に搬入口26、27を通して搬入(ウエハローディング)し、ウエハWを搬入室用仮置き台25に移載して行く。この移載作業中には、負圧移載室10側の搬入口22、23はゲートバルブ24によって閉じられており、負圧移載室10の負圧は維持されている。ウエハWの搬入室用仮置き台25への移載が完了すると、正圧移載室40側の搬入口26、27がゲートバルブ28によって閉じられ、搬入室20が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。搬入室20が予め設定された圧力値に減圧されると、負圧移載室10側の搬入口22、23がゲートバルブ24によって開かれる。次に、負圧移載室10の負圧移載装置12は搬入口22、23を通して搬入室用仮置き台25からウエハWを一枚ずつピックアップして負圧移載室10に搬入する。例えば、負圧移載装置12はウエハWを第一CVDユニット61のウエハ搬入搬出口65に搬送して、ウエハ搬入搬出口65から第一CVDユニット61である枚葉式CVD装置70の処理室71へ搬入(ウエハローディング)する。なお、ウエハの第一CVDユニット61への搬入に際しては、搬入室20および負圧移載室10が真空排気されることによって内部の酸素や水分が予め除去されているため、外部の酸素や水分がウエハの第一CVDユニット61への搬入に伴って第一CVDユニット61の処理室に侵入することは確実に防止される。
【0028】
ここで、枚葉式CVD装置70の作用を説明する。
【0029】
ウエハWの搬出時に回転ドラム95および加熱ユニット87が回転軸94および支持軸86によって下限位置に下降されると、ウエハ昇降装置100の回転側ピン102の下端が処理室71の底面すなわちボトムキャップ75の上面に突合するため、回転側リング101が回転ドラム95および加熱ユニット87に対して相対的に上昇する。上昇した回転側リング101は突上ピン105を持ち上げるため、三本の突上ピン105はサセプタ98の挿通孔99を下方から挿通してウエハWをサセプタ98の上面から浮き上がらせる。ウエハ昇降装置100がウエハWをサセプタ98の上面から浮き上がらせた状態になると、ウエハWの下方空間すなわちウエハWの下面とサセプタ98の上面との間に挿入スペースが形成された状態になるため、負圧移載装置12のエンドエフェクタ16がウエハ搬入搬出口76からウエハWの挿入スペースに挿入される。ウエハWの下方に挿入されたエンドエフェクタ16は上昇することによりウエハWを移載して受け取る。ウエハWを受け取ったエンドエフェクタ16はウエハ搬入搬出口76を後退してウエハWを処理室71から搬出する。次いで、負圧移載装置12は次回に成膜処理するウエハWをエンドエフェクタ16によって受け取って、ウエハ搬入搬出口76から処理室71に搬入する。エンドエフェクタ16はウエハWをサセプタ98の上方においてウエハWの中心がサセプタ98の中心と一致する位置に搬送する。ウエハWを所定の位置に搬送すると、エンドエフェクタ16は若干下降することによってウエハWを三本の突上ピン105の上に移載する。ウエハWをウエハ昇降装置100に受け渡したエンドエフェクタ16は、ウエハ搬入搬出口76から処理室71の外へ退出する。エンドエフェクタ16が処理室71から退出すると、ウエハ搬入搬出口76はゲートバルブ77によって閉じられる。
【0030】
ゲートバルブ77が閉じられると、図3に示されているように、処理室71に対して回転ドラム95および加熱ユニット87が回転軸94および支持軸86によって上昇される。回転ドラム95の上昇の初期において、回転側ピン102が処理室71の底面すなわちボトムキャップ75の上面に突合して突上ピン105が回転側リング101の上に載った状態になっているので、三本の突上ピン105に支持されたウエハWは回転ドラム95の上昇に伴って回転ドラム95に対して相対的に徐々に下降する。所定のストローク下降すると、突上ピン105はサセプタ98の挿通孔99の下方に引き込まれた状態になるため、ウエハWはサセプタ98の上に移載された状態になる。サセプタ98に載置されたウエハWはコントローラのシーケンス制御によるヒータ90によって目標温度に加熱されるとともに、サセプタ98の温度が放射温度計106A、106B、106Cによって測定されて、この放射温度計の測定結果に従ってヒータ90の加熱量がコントローラによってフィードバック制御される。
【0031】
回転ドラム95および加熱ユニット87が処理室71を回転軸94および支持軸86によって上昇され、ウエハWがサセプタ98に移載された後に、ウエハWの上面が第一プレート112の下面に近接すると、回転ドラム95の上昇は停止される。また、排気口78が真空排気装置によって排気される。続いて、回転ドラム95が回転軸94によって回転される。このとき、回転側ピン102は処理室71の底面から離座し、突上ピン105は回転側リング101から離座しているため、回転ドラム95の回転がウエハ昇降装置100に妨げられることはなく、しかも、加熱ユニット87は停止状態を維持することができる。すなわち、ウエハ昇降装置100においては、回転側リング101が回転ドラム95と共に回転し、突上ピン105が加熱ユニット87と共に停止した状態になっている。
【0032】
排気口78の排気量および回転ドラム95の回転作動が安定した時点で、第一供給部111の止め弁118と第二供給部120の止め弁128とがそれぞれ開かれ、第一処理ガスGaと第二処理ガスGbとが第一ガス導入管115と内側ゾーン用ガス導入管125aおよび外側ゾーン用ガス導入管125bにそれぞれ導入される。第一ガス溜め114には排気口78の排気力が複数の第一吹出口113を介して均等に作用しているために、第一ガス導入管115の第一処理ガスGaは第一ガス溜め114に流入した後に第一ガス溜め114において径方向外向きに放射状に拡散する。第二ガス溜め124には排気口78の排気力が第一ガス溜め114および複数の第二吹出口123を介して均等に作用しているために、内側ゾーン用ガス導入管125aの第二処理ガスGbは第二ガス溜め124の内側ゾーン124aへ流入した後に内側ゾーン124aにおいて均等に拡散し、各吹出口123から第一ガス溜め114へシャワー状に吹き出す。同様に、外側ゾーン用ガス導入管125bの第二処理ガスGbも第二ガス溜め124の外側ゾーン124bへ流入した後に外側ゾーン124bにおいて均等に拡散し、第一ガス溜め114へシャワー状に吹き出す。そして、内側ゾーン124aから第一ガス溜め114へシャワー状に吹き出した第二処理ガスGbおよび外側ゾーン124bから第一ガス溜め114へシャワー状に吹き出した第二処理ガスGbは、第一ガス導入管115から第一ガス溜め114へ流入して拡散した第一処理ガスGaとそれぞれ混合し、第一プレート112の複数の第一吹出口113からウエハWに向かってシャワー状に吹き出す。
【0033】
第一吹出口113群からシャワー状に吹き出した第一処理ガスGaおよび第二処理ガスGbは、サセプタ98の上のウエハWに接触した後に排気口78に吸い込まれて排気されて行く。この際、回転ドラム95に支持されたサセプタ98上のウエハWは回転しているために、第一吹出口113群からシャワー状に吹き出した第一処理ガスGaおよび第二処理ガスGbはウエハWの全面にわたって均等に接触する状態になる。第一処理ガスGaおよび第二処理ガスGbがウエハWの全面にわたって均等に接触するため、ウエハWに第一処理ガスGaおよび第二処理ガスGbによって形成されるCVD膜の膜厚分布や膜質分布はウエハWの全面にわたって均一になる。
【0034】
CVD膜がウエハWの全面にわたって均一に形成されて所定の処理時間が経過すると、回転ドラム95および加熱ユニット87は回転軸94および支持軸86によって搬入搬出位置に下降される。下降の途中において、ウエハ昇降装置100の回転側ピン102が処理室71の底面に突合し、突上ピン105が回転側リング101に突合するため、前述した作動により、ウエハ昇降装置100はウエハWをサセプタ98の上面から浮き上げる。以降、前述した作業が繰り返されることにより、ウエハWにCVD膜が枚葉式CVD装置70によって枚葉処理されて行く。
【0035】
ところで、例えば、拡散係数が大きいボロン(B)をウエハに拡散させるCVD膜の形成工程においては、成膜レートがドーピング量によって変動するために、ウエハの中央部の膜厚が厚くなり、ウエハの周辺部の膜厚が薄くなるという現象が起こる。すなわち、ジボラン(B2 H6 )ガスをウエハの全面にガスヘッドからシャワー状に均一に吹き出す従来の場合においては、ウエハに成膜されるCVD膜の膜厚は中央部において厚く、周辺部において薄く形成されてしまう。このCVD膜の膜厚分布の均一性の悪化を防止するために、本実施の形態においては、第二処理ガスGbとしてのジボランガスの内側ゾーン124aへの流量を外側ゾーン124bへの流量よりも小さくすることにより、ウエハに形成されるCVD膜の膜厚分布を全体にわたって均一になるように制御する。
【0036】
すなわち、第二処理ガスGbとしてのジボランガスが第二供給部120に供給されるに際して、内側ゾーン用流量制御弁129aが制御する流量を外側ゾーン用流量制御弁129bが制御する流量よりも小さく調整することによって、内側ゾーン用ガス導入管125aへ導入させるジボランガスの流量を外側ゾーン用ガス導入管125bへ導入させるジボランガスの流量よりも小さくする。この流量制御により、内側ゾーン124aを経由して第一プレート112の複数の第一吹出口113からウエハWに向かってシャワー状に吹き出すジボランガスの流量は、外側ゾーン124bを経由して第一プレート112の複数の第一吹出口113からウエハWに向かってシャワー状に吹き出すジボランガスの流量よりも小さくなるので、成膜レートが大きいことによって中央部の膜厚が厚く形成される現象を相殺することができ、その結果、ウエハWに形成されるCVD膜の膜厚分布は全体にわたって均一に形成されることになる。なお、第一処理ガスGaとしては、シラン(SiH4 )ガスが使用される。
【0037】
本実施の形態においては、小さい流量をもって内側ゾーン124aに供給されたジボランガスと、大きい流量をもって外側ゾーン124bに供給されたジボランガスとは、第一ガス溜め114に流入してから第一プレート112の複数の第一吹出口113からウエハWに向かってシャワー状に吹き出すために、内側ゾーン124aと外側ゾーン124bとの間の相違を緩和することができる。すなわち、内側ゾーン124aからのジボランガスの流量と外側ゾーン124bからのジボランガスの流量との境目における差は段階的でなく無段階的(傾斜)なものになる。したがって、ウエハWに形成されるCVD膜の膜厚分布の均一性はより一層良好になる。
【0038】
以上のようにして第一CVDユニット61において所定の成膜処理が終了すると、成膜済みのウエハWは第一CVDユニット61から負圧移載装置12によってピックアップされて、負圧に維持されている負圧移載室10に第一CVDユニット61のウエハ搬入搬出口65から搬出(ウエハアンローディング)される。処理済みのウエハWを第一CVDユニット61から負圧移載室10に搬出すると、負圧移載装置12はウエハWを第一クーリングユニット63の処理室(冷却室)へウエハ搬入搬出口67を通して搬入するとともに、処理室の基板載置台に移載する。成膜済みのウエハは第一クーリングユニット63において冷却される。なお、第一CVDユニット61による成膜済みのウエハWについての第一CVDユニット61から第一クーリングユニット63への移替え作業は、いずれも負圧に維持された第一CVDユニット61、第一クーリングユニット63および負圧移載室10において実施されるため、第一CVDユニット61から第一クーリングユニット63へのウエハWの移替え作業に際して、ウエハWの成膜の表面に自然酸化膜が生成されたり、異物等が付着したりするのは防止されることになる。
【0039】
第一クーリングユニット63において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却済みのウエハWは負圧移載装置12によって第一クーリングユニット63からピックアップされ、負圧移載室10の搬出口33へ搬送され、搬出室30に搬出口33を通して搬出されて搬出室用仮置き台35に移載される。搬出室30のロードロックが解除された後に、正圧移載室40の搬出室30に対応したウエハ搬入搬出口48がポッドオープナ50によって開かれるとともに、載置台51に載置された空のポッドPのキャップがポッドオープナ50によって開かれる。続いて、正圧移載室40の正圧移載装置42は搬出口37を通して搬出室用仮置き台35からウエハWをピックアップして正圧移載室40に搬出し、正圧移載室40のウエハ搬入搬出口48を通してポッドPに収納(チャージング)して行く。処理済みの二十五枚のウエハWのポッドPへの収納が完了すると、ポッドPのキャップがポッドオープナ50のキャップ着脱機構52によってウエハ出し入れ口に装着され、ポッドPが閉じられる。閉じられたポッドPは載置台51の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。以上の作動が繰り返されることにより、ウエハが一枚ずつ順次に処理されて行く。以上の作動は第一CVDユニット61および第一クーリングユニット63が使用される場合を例にして説明したが、第二CVDユニット62および第二クーリングユニット64が使用される場合についても同様の作動が実施される。
【0040】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0041】
1) 第二処理ガスとしてのジボランガスの内側ゾーンへの流量を外側ゾーンへの流量よりも小さくすることにより、成膜レートが大きいことによって中央部の膜厚が厚く形成される現象を相殺することができるので、ウエハにおける膜厚分布を全体にわたって均一化することができる。
【0042】
2) 小さい流量をもって内側ゾーンに供給させたジボランガスと、大きい流量をもって外側ゾーンに供給させたジボランガスとを第一ガス溜めに流入させた後に、第一プレートの複数の第一吹出口からウエハに向かってシャワー状に吹きださせることにより、内側ゾーンと外側ゾーンとの間の相違を緩和することができるので、ウエハに形成されるCVD膜の膜厚分布の均一性をより一層向上させることができる。
【0043】
3) 内側ゾーンの第二処理ガスと外側ゾーンの第二処理ガスとを事前に混合させずに、異なる流量をもってウエハに向かってシャワー状に直接的に吹き出させるためには、吹出口の狭いピッチ(通例、2mm程度)をより一層狭く設定する必要があり、プレートの面積からして実現が困難である。しかし、内側ゾーンの第二処理ガスと外側ゾーンの第二処理ガスとを事前に混合させることにより、吹出口を第一プレートと第二プレートに分散することができるので、吹出口のピッチを大きく設定しても異なる流量をもってウエハに向かってシャワー状に吹き出させることができる。
【0044】
4) ガスヘッドとウエハとの間隔を広く設定することにより、吹出口のピッチは大きく設定することができる。しかし、ガスヘッドとウエハとの間隔を広く設定すると、ウエハに形成される膜質や膜厚均一性が悪化し、処理ガスの消費量も増加してしまう。つまり、内側ゾーンの第二処理ガスと外側ゾーンの第二処理ガスとを事前に混合させることにより、ガスヘッドとウエハとの間隔を狭く設定することができるので、吹出口のピッチを大きく設定しつつ、ウエハに形成される膜質や膜厚均一性の悪化や処理ガスの消費量の増加を防止することができる。
【0045】
5) 第二ガス溜めの処理ガスを第一ガス溜めに吹き出して第一処理ガスと混合させる構造に構成することにより、クリーニングガスを第二ガス溜めに供給することによって第一ガス溜めと第二ガス溜めとを同時にクリーニングすることができるので、メンテナンスを簡単化することができる。
【0046】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0047】
例えば、第二処理ガスはジボランガスに限らず、燐(P)等の他のドーピングガスであってもよい。
【0048】
第一処理ガスはシランガスに限らず、他のガスであってもよい。
【0049】
被処理基板はウエハに限らず、LCD装置の製造工程におけるガラス基板や液晶パネル等の基板であってもよい。
【0050】
本発明は、枚葉式コールドウオール形CVD装置に限らず、その他のCVD装置やドライエッチング装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第二処理ガスのゾーン毎の流量を大小変更調整してそれぞれ供給することにより、例えば、基板の径方向の成膜レートを制御することができるので、基板の径方向の膜厚分布を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチチャンバ型CVD装置を示す平面断面図である。
【図2】その側面断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である枚葉式CVD装置を示す正面断面図である。
【図4】その主要部を示す断面図である。
【図5】ガスヘッドを示す一部切断平面図である。
【符号の説明】
W…ウエハ(基板)、P…ポッド(基板キャリア)、10…負圧移載室(基板移載室)、11…負圧移載室筐体、12…負圧移載装置(ウエハ移載装置)、13…エレベータ、14…上側アーム、15…下側アーム、16、17…エンドエフェクタ、20…搬入室(搬入用予備室)、21…搬入室筐体、22、23…搬入口、24…ゲートバルブ、25…搬入室用仮置き台、26、27…搬入口、28…ゲートバルブ、30…搬出室(搬出用予備室)、31…搬出室筐体、32、33…搬出口、34…ゲートバルブ、35…搬出室用仮置き台、36、37…搬出口、38…ゲートバルブ、40…正圧移載室(ウエハ移載室)、41…正圧移載室筐体、42…正圧移載装置(ウエハ移載装置)、43…エレベータ、44…リニアアクチュエータ、45…ノッチ合わせ装置、46…クリーンユニット、47、48、49…ウエハ搬入搬出口、50…ポッドオープナ、51…載置台、52…キャップ着脱機構、61…第一CVDユニット(第一処理部)、62…第二CVDユニット(第二処理部)、63…第一クーリングユニット(第三処理部)、64…第二クーリングユニット(第四処理部)、65、66、67、68…ウエハ搬入搬出口、70…枚葉式CVD装置(基板処理装置)、71…処理室、72…チャンバ、73…下側カップ、74…上側カップ、75…ボトムキャップ、76…ウエハ搬入搬出口、77…ゲートバルブ、78…排気口、79…バッファ空間、80…カバープレート、81…支柱、82…昇降ブロック、83…昇降台、84…サセプタ回転装置、85…ベローズ、86…支持軸、87…加熱ユニット、88…支持板、89…電極、90…ヒータ、91…電力供給配線、92…反射板、93…支柱、94…回転軸、95…回転ドラム、96…回転板、97…回転筒、98…サセプタ、99…挿通孔、100…ウエハ昇降装置、101…回転側リング(昇降リング)、102…回転側ピン(突上ピン)、103…ガイド孔、104…ガイド孔、105…突上ピン、106A、106B、106C…放射温度計(温度測定手段)、110…ガスヘッド、111…第一供給部、112…第一ガス吹出プレート(第一プレート)、113…ガス吹出口(第一吹出口)、114…第一ガス溜め、115…第一ガス導入管、116…第一ガス供給管、117…第一ガス供給源、118…止め弁、119…流量制御弁(流量制御部)、120…第二供給部、121…スペーサ、122…第二ガス吹出プレート(第二プレート)、123…ガス吹出口(第二吹出口)、124…第二ガス溜め、124a…内側ゾーン、124b…外側ゾーン、125a…内側ゾーン用ガス導入管、125b…外側ゾーン用ガス導入管、126…第二ガス供給管、126a…内側ゾーン用分岐管、126b…外側ゾーン用分岐管、127…第二ガス供給源、128…止め弁、129a…内側ゾーン用流量制御弁(流量制御部)、129b…外側ゾーン用流量制御弁(流量制御部)、130…隔壁。
Claims (1)
- 基板の処理空間を形成する処理室と、前記基板を前記処理室で保持する基板保持部材と、前記基板を加熱する加熱手段と、前記処理室へ二種類の処理ガスを供給するガス供給手段とを備えている基板処理装置であって、
前記ガス供給手段は、第一処理ガスを単一の流量をもって前記処理室に供給する第一供給部と、複数のゾーンに分割された第二供給部と、第二処理ガスを前記第二供給部の前記複数のゾーン毎に異なる流量をもって供給する流量制御部とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
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