JP2004335620A - コイルとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターン部の幅が狭くて高精度の積層コイルを合理的かつ短時間で製造することが可能なコイルの製造方法を提供する。
【解決手段】層間絶縁層35、49と層内絶縁層41、55とを交互に形成して成る積層コイルであって、層内絶縁層41、55の溝43、57の底部に予め無電解メッキ層44、58を形成しておき、その状態で溝43、57を充填するように電解メッキによってコイルターン部を構成する導体パターン45、59を形成し、層間絶縁層35、49には穴37、51を設け、これらの穴37、51に充填されるスルーホールメッキ38、52によって層間接続部を形成する。
【選択図】 図4
【解決手段】層間絶縁層35、49と層内絶縁層41、55とを交互に形成して成る積層コイルであって、層内絶縁層41、55の溝43、57の底部に予め無電解メッキ層44、58を形成しておき、その状態で溝43、57を充填するように電解メッキによってコイルターン部を構成する導体パターン45、59を形成し、層間絶縁層35、49には穴37、51を設け、これらの穴37、51に充填されるスルーホールメッキ38、52によって層間接続部を形成する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコイルとその製造方法に係り、とくに積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に絶縁材料から成る基板上に形成されるコイルには、絶縁基板上に薄膜技術またはメッキ技術によってスパイラルにコイルを形成するものと、基板上に積層工法によってヘリカルにコイルを形成するものとがある。
【0003】
スパイラルコイルは、ヘリカルコイルに比べて同じインダクタンスを得るのにコイル導体長が長くなり、直流抵抗が増大し、またコイル導体の鎖交磁界によって渦電流損失が増えるのでQ(共振鋭度)が小さくなる。
【0004】
これに対してヘリカルコイルはスパイラルコイルに比べて、直流抵抗が小さく、Qの大きい高周波コイルを形成することができる。すなわち多層回路基板上に積層工法によってヘリカルにコイル導体を形成すると、自己共振周波数が高く、しかもQの高い高周波コイルを得ることが可能になる。
【0005】
積層工法によってヘリカルコイルを絶縁基板上に形成する従来の方法は図14および図15に示される。すなわち図14Aに示すように有機絶縁基板1を用意する。そして図14Bに示すようにこの基板1の表面を粗面化して粗面2を形成する。
【0006】
粗面2を形成した基板1の表面に図14Cに示すように銅等の金属の無電解メッキまたは蒸着等によって5μm以下のメッキ下地層3を形成する。この下地層3は例えば銅によって形成される。そしてこの後に図14Dに示すように、メッキ下地層3の上に感光性のドライフィルムあるいはフォトレジスト等によって、回路配線レジストパターン4を形成する。そして上記レジストパターン4のドライフィルムまたはフォトレジストを除去した凹部のところに、図14Eに示すように銅等の金属を電気メッキによって被着し、十分な膜厚のメッキ層5を形成する。
【0007】
この後に図14Fに示すようにレジストパターン4を除去する。そしてこの後に図15Gに示すように、メッキ層5によって覆われていない線間のメッキ下地層3をエッチングで除去することで、下層の導体層によって第1層目のターン部6が形成される。
【0008】
この後に図15Hに示すように次の上層を形成するために、下層の導体層6の上に絶縁層8を覆うように形成する。そしてその上にレジストパターン9を形成し、さらにビアホール部をフォトリソグラフィーまたはレーザー加工によって形成する。これによってビアホール用窓10の部分にメッキ層5が露出する(図15I)。そしてこの後に図15Jに示すように2段目の下地層11を形成する。この下地層11は先に形成した下地層3と同様に無電解メッキ、または蒸着によって5μm以下の下地層11とする。
【0009】
この後に図15Kに示すように2段目の回路配線を下層と同じように、感光性のドライフィルムまたはフォトレジスト等のレジストパターン12によって形成する。すなわち回路配線レジストパターン12を形成し、その後電気メッキによって十分な膜厚のメッキ層13を形成する。そしてこの後に図15Lに示すようにレジストパターン12を除去し、メッキ下地層11を除去することによって、2段目の導体層6が形成され、これによって2層目のターン部14が形成される。
【0010】
上述のような工程を所定のターン数に相当する回数だけ繰返すことによって、絶縁基板1上に積層工法によってヘリカルコイルを形成できる。
【0011】
【先行特許文献1】特開2002−110452号公報
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のコイルの製造方法は、電気メッキによってコイル導体を形成する前段階として、通電するための下地メッキ用として各絶縁層の全面に薄い無電解メッキを施し、この後にコイル導体を形成し、そしてその後に通電用無電解メッキ層の不要の個所を除去するようにしていた。
【0012】
このような製造方法によると、とくに各絶縁層の表面に薄い無電解メッキを施すために工程の時間が長くなるとともに工程数が増加する。しかも不要な無電解メッキ層を除去するためにさらに工程が複雑になる問題があった。
【0013】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、絶縁層の上面に通電するための下地メッキは所定の回路配線およびコイルパターン内だけとし、メッキのための給電を合理的に行なうことによって所定のコイルパターンおよび/または回路配線を形成するようにしたコイルおよびその製造方法を提供することを特徴とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、
積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、
絶縁層の溝を充填するようにメッキによって形成された導体から成るターン部と、
互いに重合うように配されるターン部間を導通させる層間接続部と、
を具備するコイルに関するものである。
【0015】
本願の別の主要な発明は、
積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、
互いに交互に積層される層内絶縁層および層間絶縁層と、
前記層内絶縁層の溝内を充填する導体層から成るターン部と、
前記層間絶縁層を貫通し、隣接するターン部を導通させる層間接続部と、
を有するコイルに関するものである。
【0016】
ここで前記ターン部が層間絶縁層と交互に形成される層内絶縁層の溝を充填するように形成されるメッキ層であることが好ましい。また前記メッキ層が前記層内絶縁層の底の部分の無電解メッキ層の上に形成された金属の電解メッキ層であることが好ましい。また前記層間接続部が前記層内絶縁層と交互に形成される層間絶縁層を貫通するスルーホール内を充填する金属メッキ層であることが好ましい。また最外層のターン部の所定の位置に接続して設けられる端子を有することが好ましい。
【0017】
コイルの製造方法に関する主要な発明は、
層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、前記層内絶縁層の溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、
前記層内絶縁層と重なるように層間絶縁層を形成するとともに、該層間絶縁層を貫通して隣接する導体パターンを接続する層間接続部を形成する工程と、
を所定の回数交互に繰返すことによってコイルを形成することを特徴とするコイルの製造方法に関するものである。
【0018】
ここで前記層内絶縁層の溝が前記層内絶縁層の表面にマスクを施し、該マスクが存在しない部分の前記層内絶縁層を除去するエッチングによって形成されることが好ましい。また前記層内絶縁層の溝内に金属を充填する工程が金属のメッキによって行なわれることが好ましい。また前記層内絶縁層の溝内に金属を充填する工程が、前記溝を形成するマスクを残したままで前記層内絶縁層の表面に無電解メッキを施し、前記マスクを除去した後に前記溝の底部の無電解メッキ層を給電手段として前記溝内に電解メッキによって金属を充填することが好ましい。
【0019】
コイルの製造方法に関する別の主要な発明は、
ベースメタル上に導体層を形成する工程と、
前記導体層の上に層間絶縁層を形成し、該層間絶縁層に穴を形成して該穴内に金属を充填することによって前記導体層と接続された層間接続部を形成する工程と、
前記層間絶縁層の上に層内絶縁層を形成し、該層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、該溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、
を具備し、しかも前記層間接続部を形成する工程と前記導体パターンを形成する工程とを交互に繰返すことにより所定のターン数のコイルを形成することを特徴とするコイルの製造方法に関するものである。
【0020】
ここで前記層間接続部を形成する工程と前記導体パターンを形成する工程とがともにメッキ処理によって行なわれるとともに、前記ベースメタルがメッキ処理の際の給電用電極を構成することが好ましい。また前記導体パターンを形成する工程が前記層内接続部の溝の底部に無電解メッキを施した後に電解メッキを行なうことにより行なわれることが好ましい。また所定のターン数のコイル部を形成した後に前記ベースメタルをエッチングによって除去することが好ましい。また前記ベースメタルをエッチングして除去したときに露出する導体層の表面に電極を形成することが好ましい。
【0021】
また多層の回路とともにターン部を積層してコイルを同時に形成することが好ましい。あるいはまた複数のコイルを同時に形成し、カッティングによって分割してチップ状のコイルとすることが好ましい。また前記ベースメタルが銅板、ステンレス板、ニッケル合金板の何れかであることが好ましい。また前記層内絶縁層および前記層間絶縁層を水酸化カリウム水溶液によってエッチングすることが好ましい。また前記ターン部は各層毎にほぼ半ターンずつ形成されることが好ましい。あるいはまた前記ターン部は各層毎にほぼ1ターンずつ形成されることが好ましい。
【0022】
コイルの製造方法に関するさらに別の主要な発明は、
工程1. ベースメタルの表面に電気メッキにより第1導体層を形成し、
工程2. 前記第1導体層の上に第1絶縁層を接着し、
工程3. 前記第1絶縁層の表面にスルーホール用のレジストパターンを施し、所定の第1スルーホールを窓明けすると同時に前記第1導体層上面を露出し、
工程4. 前記第1導体層の前記第1スルーホール内に前記ベースメタルを給電手段として電気メッキを施し、
工程5. 工程4による電気メッキの後に第2絶縁層を接着し、
工程6. 前記第2絶縁層にレジストパターンにより回路パターンおよび/またはコイルパターンを窓明けし、しかも前記第1スルーホール上面を露出し、
工程7. 工程6で所定の回路パターンおよび/またはコイルパターンの窓明けを行なったレジストパターンを残したまま前記第1スルーホール上面と前記第2絶縁層上面に第1無電解メッキを行ない、
工程8. 工程7のレジストパターンを剥離した後に前記ベースメタルを給電手段として前記第2絶縁層回路パターンおよび/またはコイルパターン内にメッキを施し、
工程9. 前記工程5〜8をn−1回繰返してn層のコイルパターンを積層し、
工程10. 最後のコイルパターン層が形成された後に前記ベースメタル板をエッチングして除去する、
ことを特徴とするコイルの製造方法に関するものである。
【0023】
本願に含まれる発明によれば、銅板等のベースメタルを給電手段として電気メッキによってスルーホールを形成しながら積層する総てのコイルのターン部を電気メッキで形成することができるために、導通部の信頼度が高くなる。また上記のベースメタルを給電手段として電気メッキによりスルーホールやコイルパターンあるいは回路パターンを形成するために、短時間で安定的にこれらの導体部を形成することができる。
【0024】
またレジストパターンの溝内に電気メッキによって金属を充填してコイル部を形成するために、コイルターン部の形状が寸法的に高精度になって極めて微細なコイルが形成されることになる。また全面給電層としての全面の銅等の無電解メッキを行なうものではなく、導体パターンの形成後に必要でない無電解メッキ層をエッチングする必要がなくなる。そのためにパターン間にエッチング部分の金属の存在による不具合が生じ難くなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態によって説明する。積層工法によるヘリカルコイルは図1に示すように、例えば第1層にハーフターン21を形成し、第2層にさらにハーフターン21を形成し、第3層にまたハーフターン21を形成する。そしてこのようにして順次形成されたハーフターン21を層間接続部22によって順次積層方向に接続することによって形成される。なお第1層のハーフターンの先端部と最終層のハーフターン21の終端部とには電極端子23が形成される。
【0026】
図2は各層毎に1ターンずつ形成した例を示しており、ここでは各層毎にフルターン25が形成され、これらのフルターン25の端部が層間接続部26を介して隣接する層の端部のフルターン25に接続される。また第1層のフルターン25の始端と第3層のフルターン25の終端とにそれぞれ電極端子27が形成される。
【0027】
次にコイルの製造方法をその工程の順に図3〜図6によって説明する。まずベースメタル30を図3Aに示すように用意する。ベースメタル30としては例えば厚さが30〜200μmの銅板、ニッケル合金板等を用いる。そしてこのベースメタル30上に図3Bに示すようにレジストパターン31を形成する。レジストパターン31は導体層を形成するためのものである。
【0028】
次に図3Cに示すように上記のレジストパターン31をマスクとし、ベースメタル30を給電手段としてベースメタル30の上面にまず下地層32を形成し、その後に導体パターン33を形成する。ここで下地層32としては例えば2μmのNi層、1μmのAu層、2μmのNi層の3層構造であってよい。また導体パターン35としては15μmの銅のパターンであることが好ましい。そしてこのときに導体パターン35によってコイルパターンと回路配線パターンとを同一平面上に形成する。
【0029】
次に図3Dに示すようにレジストパターン31を剥離し、その後に図3Eに示すように上記導体パターン33の上面を覆うように層間絶縁層35を接着する。なお層間絶縁層35としては例えばポリイミド系絶縁層が用いられる。
【0030】
この後図3Fに示すように上記層間絶縁層35の表面にスルーホール用レジストパターン36を形成する。そして上記レジストパターン36をマスクとし、図4Gに示すように層間絶縁層35にスルーホールエッチングを行ない、上記導体パターン33の上面を露出させる。ここで絶縁層35のエッチング液としては、例えば水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
【0031】
次いで図4Hに示すように上記ベースメタル30を給電層とし、導体パターン33から層間絶縁層35の穴37に沿って電解メッキによってスルーホールメッキ38を形成する。このスルーホールメッキ38が層間接続部を構成する。なおここでメッキ液としては例えば硫酸銅メッキ浴等が好適に用いられる。そしてスルーホールメッキ38を形成した後にレジストパターン36を剥離する。
【0032】
次いで図4Iに示すように層間絶縁層35の表面に第2の絶縁層である層内絶縁層41を接着する。そして図4Jに示すように層内絶縁層41の表面にレジストパターン42を形成し、層内絶縁層41の厚み中に第2の導体パターン45を形成するための回路パターンの溝43を形成する。ここで溝43の底部には上記スルーホールメッキ38の上面が露出する。
【0033】
この後図4Kに示すように、上記レジストパターン42を残したままで下地層としての無電解メッキ層44を形成する。無電解メッキ層44はその厚さを5μm以下にすることが好ましい。そして無電解メッキ層44が回路パターンになっているレジストパターン42の上面、スルーホール38の上面、および上記層間絶縁層35の上面にそれぞれ付着する。従ってこのような状態で図4Lに示すように上記レジストパターン42を剥離すると、回路パターンとなっているレジストパターン42の上面の無電解メッキ層44が除去され、回路パターンを構成するスルーホール38の上面と層間絶縁層35の溝43の底面に付着している無電解メッキ層44とが残存する。
【0034】
従って図4Mに示すように、上記ベースメタル30を給電手段とし、回路パターンとなっている第1のスルーホール38の上面と層間絶縁層35の上面に付着している無電解メッキ層44を通して導体パターン45を電解メッキによって形成する。ここで無電解メッキ層44から成る下地メッキ層があるために、第1絶縁層である層間絶縁層35の上面であって溝43内に厚みが均一な銅等の電解メッキが行なわれる。しかも余計な下地メッキ層がないために、信頼性も安定している。
【0035】
この後図5Nに示すように導体パターン45の表面を覆うように層間絶縁層49を接着する。そして図5Oに示すようにレジストパターン50を上記層間絶縁層49の上面に形成する。すなわち第2スルーホール窓明け用のレジストパターン50を形成し、層間絶縁層49の所定の位置にスルーホール52をエッチングによって形成し、第2導体パターン45の上面を露出させる。なおここで層間絶縁層49のエッチング液としては、例えば水酸化カリウム水溶液等が用いられる。
【0036】
この後に図5Pに示すように、ベースメタル30を給電手段とし、導体パターン45の上面から層間絶縁層49の穴51に沿って電解メッキによりスルーホールメッキ52を形成する。なおここでメッキ液としては例えば硫酸銅メッキ液が用いられる。そしてスルーホール形成後に上記レジストパターン50を剥離する。
【0037】
次に図5Qに示すように、上記層間絶縁層49の表面に層内絶縁層55を接合する。そして図5Rに示すように上記層内絶縁層55の表面にレジストパターン56を形成する。このレジストパターン56は層内絶縁層55の厚みの中に第3配線層を形成するための回路パターンとなる溝57を形成するものである。そして溝57を形成すると、この溝57の底部に上記スルーホールメッキ52の上面が露出される。
【0038】
この後図6Sに示すように、レジストパターン56を残したまま下地層としての無電解メッキ層58を形成する。この無電解メッキ層58は回路パターンとなっているレジストパターン56の上面、スルーホールメッキ52の上面、層間絶縁層49の上面にそれぞれ付着する。従って上記のレジストパターン56を剥離すると、回路パターンを構成しているこのレジストパターン56の上面の無電解メッキ層58が取れ、回路パターンとなっているスルーホールメッキ52の上面と層間絶縁層49の上面の無電解メッキ層58が残る。
【0039】
従って図6Uに示すように、ベースメタル30を給電手段とし、第2のスルーホールメッキ52の上面と層間絶縁層49の上面に付着している無電解メッキ層58を通して、電解メッキを行なうことによって導体パターン59が形成される。ここでも溝57の底部に無電解メッキ層58が存在するために、層間絶縁層49の上面であって溝57内に厚みが均一な電解メッキから成る導体パターン59が形成されるとともに、余計な無電解メッキ58がないために信頼性も安定することになる。
【0040】
上記の図5Nに示す工程から図6Uに示す工程までを繰返すことによって任意の積層数とすることができる。
【0041】
この後に図6Vに示すように、導体パターン59のメッキを行なった後にその上部に保護レジスト63を塗布し、反対側、すなわち下側のベースメタル30をエッチングして除去する。ベースメタル30を除去すると層間絶縁層35の第1導体パターン33の下面の下地層32が露出し、これによって全体の回路が構成される。そしてこの後に図6Wに示すように、所定の位置に端子64を形成する。端子64は半田ボールを取付けるか、あるいはまたベースメタル30の一部をエッチングの際に残して形成してもよい。
【0042】
このような製造方法によると、コイルのターン部を構成する導体パターン45が高精度に形成できる。すなわち図7Aに示すように、層内絶縁層41に形成された溝43の内部にメッキ層44を形成して導体パターン45を形成するために、とくに溝43の精度によって導体パターン45の精度が決定され、コイルターン部を構成する導体パターン45の側端面がシャープでしかもきれいなエッジになる。これによって幅が約2〜3μmのターン部から成るコイルを形成することができる。
【0043】
エッチングによって導体パターン45を形成すると、図7Bに示すようにマスク36を高精度に正確に形成しても、エッチング精度によって導体パターン45の形状が乱れることになる。すなわちエッチングの場合には導体パターン45の側断面が真直ぐにはならず、エッチングの程度によって形状が不安定になるために、20μm以下の幅のコイルターンを形成することはできない。このような精度の劣化を図7Aに示す方法によって解消することが可能になる。
【0044】
また本願の導体パターン45の形成は、とくに層間絶縁層35の表面に予め無電解メッキ層44を形成して行なうようにしているために、図4Aに示すようにその全長にわたってほぼ均一な導体パターン45のコイルターン部が形成される。
【0045】
無電解メッキ層44が溝43の底部に存在しない場合には図8Bに示すようにスルーホールメッキ38を通して給電が行なわれるために、スルーホールメッキ38の近傍においては導体パターン45の厚みが厚くなるものの、スルーホールメッキ38からの距離が遠くなるに従って次第に導体パターン45の厚さが小さくなる。
【0046】
次に別のコイルの製造方法を図9〜図12によって説明する。なおこの製造方法の基本的なプロセスは上記第1の製造方法と実質的に同一であるが、複数のコイルを同時に形成し、これを後から分割することによって同時に多数のチップ状コイルを製造するものである。
【0047】
図9Aに示すようなベースメタル30を用いてその上に図9Cおよび図9Dに示すように電気メッキによって第1配線層となる導体パターン33を形成する。
【0048】
この後図9Eに示すように層間絶縁層35を接着し、図10Gに示すように上記絶縁層35の上面にスルーホール用レジストパターンを施し、スルーホールのための窓明けを行なうとともに、上記導体パターン33の上面を露出させる。そして上記穴37内にベースメタル30を給電手段としてメッキを施してスルーホールメッキ38を形成する(図10H参照)。
【0049】
次いで図10Iに示すように層間絶縁層35の上に層内絶縁層41を形成する。そして上記層内絶縁層41にレジストパターン42によって複数のコイルパターンに相当する溝43を形成し、同時に上記スルーホール38の上面を露出させる。
【0050】
この後図10Kに示すようにコイルパターンが形成されたレジストパターン42を残したままでこのレジストパターン42の上面と上記スルーホールメッキ38の上面と層間絶縁層35の上面に無電解メッキ44を施す。そしてこの後に図10Lに示すようにレジストパターンを剥離し、ベースメタル30を給電手段として図10Mに示すように溝43内に電解メッキによって導体パターン45を形成する。
【0051】
上記図10Iに示す工程から図10Mに示す工程までを複数回繰返すことによってn層のコイルパターンを形成することができる。そしてこの後に図13Vに示すように保護レジスト63によって上面を覆った状態で反対側のベースメタル30をエッチングする。そして必要に応じて図12Wに示すように端子64を設ける。そしてカッティングライン65のところでカッティングすることによって、数個から数百個、場合によっては数千個のチップ状コイルを同時に形成することが可能になる。図13はこのようにして形成されたチップ状コイルを示している。
【0052】
このようなチップ状コイルは回路素子あるいは回路部品として利用される。すなわち所定の電子回路を形成するための部品として用いられる。とくにこのようなチップ状のコイルは、自己共振周波数が高くしかもQ(共振鋭度)の高い高周波コイルとなる。従って高周波コイルに用いて好適なチップ状のコイルを供給することが可能になる。
【0053】
以上本願に含まれる発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願に含まれる発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願に含まれる発明の技術的思想の範囲内で各種の変更が可能である。
【0054】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、互いに交互に積層される層内絶縁層および層間絶縁層と、層内絶縁層の溝内を充填する導体層から成るターン部と、層間絶縁層を貫通し、隣接するターン部を導通させる層間接続部と、を有するものである。
【0055】
従ってこのようなコイルは積層構造のコイルであって、ヘリカルコイルに比べて同じインダクタンスを得るのにコイルの導体長が短くなって直流抵抗が減少し、またコイル導体の鎖交磁束による渦電流損失が低減されるために、Q(共振鋭度)が高くなって高周波回路に用いて好適なチップコイルが提供できるようになる。
【0056】
製造方法に関する主要な発明は、層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、この層内絶縁層の溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、層内絶縁層と重なるように層間絶縁層を形成するとともに、該層間絶縁層を貫通して隣接する導体パターンを接続する層間接続部を形成する工程と、を所定の回数交互に繰返すことによってコイルを形成するものである。
【0057】
従ってこのようなコイルの製造方法によれば、導体パターンを形成する工程と層間接続部を形成する工程とを所定の回数繰返すことによって所望のターン数のコイルを容易に製造することが可能になり、自己共振周波数が高く、Q(共振鋭度)が高く、高周波回路に用いて好適な積層コイルを多層回路と一体に、あるいはチップ状コイルを多数同時に製作することができ、積層コイルを効率的に供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層コイルの展開平面図である。
【図2】別の積層コイルの要部分解斜視図である。
【図3】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図4】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図5】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図6】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図7】導体パターンの側断面の形状を示す要部拡大断面図である。
【図8】電解メッキによる導体パターンの形成を示す要部縦断面図である。
【図9】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図10】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図11】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図12】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図13】分割によって得られたチップコイルの縦断面図である。
【図14】従来の積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図15】従来の積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1‥‥絶縁基板、2‥‥粗面、3‥‥下地層(銅)、4‥‥レジストパターン、5‥‥メッキ層、6‥‥ターン部(1層目)、8‥‥絶縁層、9‥‥レジストパターン、10‥‥ビアホール用窓、11‥‥下地層、12‥‥レジストパターン、13‥‥メッキ層、14‥‥ターン部(2層目)、21‥‥ハーフターン、22‥‥層間接続部、23‥‥端子、25‥‥フルターン、26‥‥層間接続部、27‥‥端子、30‥‥ベースメタル、31‥‥レジストパターン、32‥‥下地層、33‥‥導体パターン、35‥‥層間絶縁層、36‥‥レジストパターン、37‥‥穴、38‥‥スルーホールメッキ(層間接続部)、41‥‥層内絶縁層、42‥‥レジストパターン、43‥‥溝、44‥‥無電解メッキ層、45‥‥導体パターン、49‥‥層間絶縁層、50‥‥レジストパターン、51‥‥穴、52‥‥スルーホールメッキ(層間接続部)、55‥‥層内絶縁層、56‥‥レジストパターン、57‥‥溝、58‥‥無電解メッキ層、59‥‥導体パターン、63‥‥保護レジスト、64‥‥端子、65‥‥カッティングライン
【発明の属する技術分野】
本発明はコイルとその製造方法に係り、とくに積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に絶縁材料から成る基板上に形成されるコイルには、絶縁基板上に薄膜技術またはメッキ技術によってスパイラルにコイルを形成するものと、基板上に積層工法によってヘリカルにコイルを形成するものとがある。
【0003】
スパイラルコイルは、ヘリカルコイルに比べて同じインダクタンスを得るのにコイル導体長が長くなり、直流抵抗が増大し、またコイル導体の鎖交磁界によって渦電流損失が増えるのでQ(共振鋭度)が小さくなる。
【0004】
これに対してヘリカルコイルはスパイラルコイルに比べて、直流抵抗が小さく、Qの大きい高周波コイルを形成することができる。すなわち多層回路基板上に積層工法によってヘリカルにコイル導体を形成すると、自己共振周波数が高く、しかもQの高い高周波コイルを得ることが可能になる。
【0005】
積層工法によってヘリカルコイルを絶縁基板上に形成する従来の方法は図14および図15に示される。すなわち図14Aに示すように有機絶縁基板1を用意する。そして図14Bに示すようにこの基板1の表面を粗面化して粗面2を形成する。
【0006】
粗面2を形成した基板1の表面に図14Cに示すように銅等の金属の無電解メッキまたは蒸着等によって5μm以下のメッキ下地層3を形成する。この下地層3は例えば銅によって形成される。そしてこの後に図14Dに示すように、メッキ下地層3の上に感光性のドライフィルムあるいはフォトレジスト等によって、回路配線レジストパターン4を形成する。そして上記レジストパターン4のドライフィルムまたはフォトレジストを除去した凹部のところに、図14Eに示すように銅等の金属を電気メッキによって被着し、十分な膜厚のメッキ層5を形成する。
【0007】
この後に図14Fに示すようにレジストパターン4を除去する。そしてこの後に図15Gに示すように、メッキ層5によって覆われていない線間のメッキ下地層3をエッチングで除去することで、下層の導体層によって第1層目のターン部6が形成される。
【0008】
この後に図15Hに示すように次の上層を形成するために、下層の導体層6の上に絶縁層8を覆うように形成する。そしてその上にレジストパターン9を形成し、さらにビアホール部をフォトリソグラフィーまたはレーザー加工によって形成する。これによってビアホール用窓10の部分にメッキ層5が露出する(図15I)。そしてこの後に図15Jに示すように2段目の下地層11を形成する。この下地層11は先に形成した下地層3と同様に無電解メッキ、または蒸着によって5μm以下の下地層11とする。
【0009】
この後に図15Kに示すように2段目の回路配線を下層と同じように、感光性のドライフィルムまたはフォトレジスト等のレジストパターン12によって形成する。すなわち回路配線レジストパターン12を形成し、その後電気メッキによって十分な膜厚のメッキ層13を形成する。そしてこの後に図15Lに示すようにレジストパターン12を除去し、メッキ下地層11を除去することによって、2段目の導体層6が形成され、これによって2層目のターン部14が形成される。
【0010】
上述のような工程を所定のターン数に相当する回数だけ繰返すことによって、絶縁基板1上に積層工法によってヘリカルコイルを形成できる。
【0011】
【先行特許文献1】特開2002−110452号公報
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のコイルの製造方法は、電気メッキによってコイル導体を形成する前段階として、通電するための下地メッキ用として各絶縁層の全面に薄い無電解メッキを施し、この後にコイル導体を形成し、そしてその後に通電用無電解メッキ層の不要の個所を除去するようにしていた。
【0012】
このような製造方法によると、とくに各絶縁層の表面に薄い無電解メッキを施すために工程の時間が長くなるとともに工程数が増加する。しかも不要な無電解メッキ層を除去するためにさらに工程が複雑になる問題があった。
【0013】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、絶縁層の上面に通電するための下地メッキは所定の回路配線およびコイルパターン内だけとし、メッキのための給電を合理的に行なうことによって所定のコイルパターンおよび/または回路配線を形成するようにしたコイルおよびその製造方法を提供することを特徴とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、
積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、
絶縁層の溝を充填するようにメッキによって形成された導体から成るターン部と、
互いに重合うように配されるターン部間を導通させる層間接続部と、
を具備するコイルに関するものである。
【0015】
本願の別の主要な発明は、
積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、
互いに交互に積層される層内絶縁層および層間絶縁層と、
前記層内絶縁層の溝内を充填する導体層から成るターン部と、
前記層間絶縁層を貫通し、隣接するターン部を導通させる層間接続部と、
を有するコイルに関するものである。
【0016】
ここで前記ターン部が層間絶縁層と交互に形成される層内絶縁層の溝を充填するように形成されるメッキ層であることが好ましい。また前記メッキ層が前記層内絶縁層の底の部分の無電解メッキ層の上に形成された金属の電解メッキ層であることが好ましい。また前記層間接続部が前記層内絶縁層と交互に形成される層間絶縁層を貫通するスルーホール内を充填する金属メッキ層であることが好ましい。また最外層のターン部の所定の位置に接続して設けられる端子を有することが好ましい。
【0017】
コイルの製造方法に関する主要な発明は、
層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、前記層内絶縁層の溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、
前記層内絶縁層と重なるように層間絶縁層を形成するとともに、該層間絶縁層を貫通して隣接する導体パターンを接続する層間接続部を形成する工程と、
を所定の回数交互に繰返すことによってコイルを形成することを特徴とするコイルの製造方法に関するものである。
【0018】
ここで前記層内絶縁層の溝が前記層内絶縁層の表面にマスクを施し、該マスクが存在しない部分の前記層内絶縁層を除去するエッチングによって形成されることが好ましい。また前記層内絶縁層の溝内に金属を充填する工程が金属のメッキによって行なわれることが好ましい。また前記層内絶縁層の溝内に金属を充填する工程が、前記溝を形成するマスクを残したままで前記層内絶縁層の表面に無電解メッキを施し、前記マスクを除去した後に前記溝の底部の無電解メッキ層を給電手段として前記溝内に電解メッキによって金属を充填することが好ましい。
【0019】
コイルの製造方法に関する別の主要な発明は、
ベースメタル上に導体層を形成する工程と、
前記導体層の上に層間絶縁層を形成し、該層間絶縁層に穴を形成して該穴内に金属を充填することによって前記導体層と接続された層間接続部を形成する工程と、
前記層間絶縁層の上に層内絶縁層を形成し、該層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、該溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、
を具備し、しかも前記層間接続部を形成する工程と前記導体パターンを形成する工程とを交互に繰返すことにより所定のターン数のコイルを形成することを特徴とするコイルの製造方法に関するものである。
【0020】
ここで前記層間接続部を形成する工程と前記導体パターンを形成する工程とがともにメッキ処理によって行なわれるとともに、前記ベースメタルがメッキ処理の際の給電用電極を構成することが好ましい。また前記導体パターンを形成する工程が前記層内接続部の溝の底部に無電解メッキを施した後に電解メッキを行なうことにより行なわれることが好ましい。また所定のターン数のコイル部を形成した後に前記ベースメタルをエッチングによって除去することが好ましい。また前記ベースメタルをエッチングして除去したときに露出する導体層の表面に電極を形成することが好ましい。
【0021】
また多層の回路とともにターン部を積層してコイルを同時に形成することが好ましい。あるいはまた複数のコイルを同時に形成し、カッティングによって分割してチップ状のコイルとすることが好ましい。また前記ベースメタルが銅板、ステンレス板、ニッケル合金板の何れかであることが好ましい。また前記層内絶縁層および前記層間絶縁層を水酸化カリウム水溶液によってエッチングすることが好ましい。また前記ターン部は各層毎にほぼ半ターンずつ形成されることが好ましい。あるいはまた前記ターン部は各層毎にほぼ1ターンずつ形成されることが好ましい。
【0022】
コイルの製造方法に関するさらに別の主要な発明は、
工程1. ベースメタルの表面に電気メッキにより第1導体層を形成し、
工程2. 前記第1導体層の上に第1絶縁層を接着し、
工程3. 前記第1絶縁層の表面にスルーホール用のレジストパターンを施し、所定の第1スルーホールを窓明けすると同時に前記第1導体層上面を露出し、
工程4. 前記第1導体層の前記第1スルーホール内に前記ベースメタルを給電手段として電気メッキを施し、
工程5. 工程4による電気メッキの後に第2絶縁層を接着し、
工程6. 前記第2絶縁層にレジストパターンにより回路パターンおよび/またはコイルパターンを窓明けし、しかも前記第1スルーホール上面を露出し、
工程7. 工程6で所定の回路パターンおよび/またはコイルパターンの窓明けを行なったレジストパターンを残したまま前記第1スルーホール上面と前記第2絶縁層上面に第1無電解メッキを行ない、
工程8. 工程7のレジストパターンを剥離した後に前記ベースメタルを給電手段として前記第2絶縁層回路パターンおよび/またはコイルパターン内にメッキを施し、
工程9. 前記工程5〜8をn−1回繰返してn層のコイルパターンを積層し、
工程10. 最後のコイルパターン層が形成された後に前記ベースメタル板をエッチングして除去する、
ことを特徴とするコイルの製造方法に関するものである。
【0023】
本願に含まれる発明によれば、銅板等のベースメタルを給電手段として電気メッキによってスルーホールを形成しながら積層する総てのコイルのターン部を電気メッキで形成することができるために、導通部の信頼度が高くなる。また上記のベースメタルを給電手段として電気メッキによりスルーホールやコイルパターンあるいは回路パターンを形成するために、短時間で安定的にこれらの導体部を形成することができる。
【0024】
またレジストパターンの溝内に電気メッキによって金属を充填してコイル部を形成するために、コイルターン部の形状が寸法的に高精度になって極めて微細なコイルが形成されることになる。また全面給電層としての全面の銅等の無電解メッキを行なうものではなく、導体パターンの形成後に必要でない無電解メッキ層をエッチングする必要がなくなる。そのためにパターン間にエッチング部分の金属の存在による不具合が生じ難くなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態によって説明する。積層工法によるヘリカルコイルは図1に示すように、例えば第1層にハーフターン21を形成し、第2層にさらにハーフターン21を形成し、第3層にまたハーフターン21を形成する。そしてこのようにして順次形成されたハーフターン21を層間接続部22によって順次積層方向に接続することによって形成される。なお第1層のハーフターンの先端部と最終層のハーフターン21の終端部とには電極端子23が形成される。
【0026】
図2は各層毎に1ターンずつ形成した例を示しており、ここでは各層毎にフルターン25が形成され、これらのフルターン25の端部が層間接続部26を介して隣接する層の端部のフルターン25に接続される。また第1層のフルターン25の始端と第3層のフルターン25の終端とにそれぞれ電極端子27が形成される。
【0027】
次にコイルの製造方法をその工程の順に図3〜図6によって説明する。まずベースメタル30を図3Aに示すように用意する。ベースメタル30としては例えば厚さが30〜200μmの銅板、ニッケル合金板等を用いる。そしてこのベースメタル30上に図3Bに示すようにレジストパターン31を形成する。レジストパターン31は導体層を形成するためのものである。
【0028】
次に図3Cに示すように上記のレジストパターン31をマスクとし、ベースメタル30を給電手段としてベースメタル30の上面にまず下地層32を形成し、その後に導体パターン33を形成する。ここで下地層32としては例えば2μmのNi層、1μmのAu層、2μmのNi層の3層構造であってよい。また導体パターン35としては15μmの銅のパターンであることが好ましい。そしてこのときに導体パターン35によってコイルパターンと回路配線パターンとを同一平面上に形成する。
【0029】
次に図3Dに示すようにレジストパターン31を剥離し、その後に図3Eに示すように上記導体パターン33の上面を覆うように層間絶縁層35を接着する。なお層間絶縁層35としては例えばポリイミド系絶縁層が用いられる。
【0030】
この後図3Fに示すように上記層間絶縁層35の表面にスルーホール用レジストパターン36を形成する。そして上記レジストパターン36をマスクとし、図4Gに示すように層間絶縁層35にスルーホールエッチングを行ない、上記導体パターン33の上面を露出させる。ここで絶縁層35のエッチング液としては、例えば水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
【0031】
次いで図4Hに示すように上記ベースメタル30を給電層とし、導体パターン33から層間絶縁層35の穴37に沿って電解メッキによってスルーホールメッキ38を形成する。このスルーホールメッキ38が層間接続部を構成する。なおここでメッキ液としては例えば硫酸銅メッキ浴等が好適に用いられる。そしてスルーホールメッキ38を形成した後にレジストパターン36を剥離する。
【0032】
次いで図4Iに示すように層間絶縁層35の表面に第2の絶縁層である層内絶縁層41を接着する。そして図4Jに示すように層内絶縁層41の表面にレジストパターン42を形成し、層内絶縁層41の厚み中に第2の導体パターン45を形成するための回路パターンの溝43を形成する。ここで溝43の底部には上記スルーホールメッキ38の上面が露出する。
【0033】
この後図4Kに示すように、上記レジストパターン42を残したままで下地層としての無電解メッキ層44を形成する。無電解メッキ層44はその厚さを5μm以下にすることが好ましい。そして無電解メッキ層44が回路パターンになっているレジストパターン42の上面、スルーホール38の上面、および上記層間絶縁層35の上面にそれぞれ付着する。従ってこのような状態で図4Lに示すように上記レジストパターン42を剥離すると、回路パターンとなっているレジストパターン42の上面の無電解メッキ層44が除去され、回路パターンを構成するスルーホール38の上面と層間絶縁層35の溝43の底面に付着している無電解メッキ層44とが残存する。
【0034】
従って図4Mに示すように、上記ベースメタル30を給電手段とし、回路パターンとなっている第1のスルーホール38の上面と層間絶縁層35の上面に付着している無電解メッキ層44を通して導体パターン45を電解メッキによって形成する。ここで無電解メッキ層44から成る下地メッキ層があるために、第1絶縁層である層間絶縁層35の上面であって溝43内に厚みが均一な銅等の電解メッキが行なわれる。しかも余計な下地メッキ層がないために、信頼性も安定している。
【0035】
この後図5Nに示すように導体パターン45の表面を覆うように層間絶縁層49を接着する。そして図5Oに示すようにレジストパターン50を上記層間絶縁層49の上面に形成する。すなわち第2スルーホール窓明け用のレジストパターン50を形成し、層間絶縁層49の所定の位置にスルーホール52をエッチングによって形成し、第2導体パターン45の上面を露出させる。なおここで層間絶縁層49のエッチング液としては、例えば水酸化カリウム水溶液等が用いられる。
【0036】
この後に図5Pに示すように、ベースメタル30を給電手段とし、導体パターン45の上面から層間絶縁層49の穴51に沿って電解メッキによりスルーホールメッキ52を形成する。なおここでメッキ液としては例えば硫酸銅メッキ液が用いられる。そしてスルーホール形成後に上記レジストパターン50を剥離する。
【0037】
次に図5Qに示すように、上記層間絶縁層49の表面に層内絶縁層55を接合する。そして図5Rに示すように上記層内絶縁層55の表面にレジストパターン56を形成する。このレジストパターン56は層内絶縁層55の厚みの中に第3配線層を形成するための回路パターンとなる溝57を形成するものである。そして溝57を形成すると、この溝57の底部に上記スルーホールメッキ52の上面が露出される。
【0038】
この後図6Sに示すように、レジストパターン56を残したまま下地層としての無電解メッキ層58を形成する。この無電解メッキ層58は回路パターンとなっているレジストパターン56の上面、スルーホールメッキ52の上面、層間絶縁層49の上面にそれぞれ付着する。従って上記のレジストパターン56を剥離すると、回路パターンを構成しているこのレジストパターン56の上面の無電解メッキ層58が取れ、回路パターンとなっているスルーホールメッキ52の上面と層間絶縁層49の上面の無電解メッキ層58が残る。
【0039】
従って図6Uに示すように、ベースメタル30を給電手段とし、第2のスルーホールメッキ52の上面と層間絶縁層49の上面に付着している無電解メッキ層58を通して、電解メッキを行なうことによって導体パターン59が形成される。ここでも溝57の底部に無電解メッキ層58が存在するために、層間絶縁層49の上面であって溝57内に厚みが均一な電解メッキから成る導体パターン59が形成されるとともに、余計な無電解メッキ58がないために信頼性も安定することになる。
【0040】
上記の図5Nに示す工程から図6Uに示す工程までを繰返すことによって任意の積層数とすることができる。
【0041】
この後に図6Vに示すように、導体パターン59のメッキを行なった後にその上部に保護レジスト63を塗布し、反対側、すなわち下側のベースメタル30をエッチングして除去する。ベースメタル30を除去すると層間絶縁層35の第1導体パターン33の下面の下地層32が露出し、これによって全体の回路が構成される。そしてこの後に図6Wに示すように、所定の位置に端子64を形成する。端子64は半田ボールを取付けるか、あるいはまたベースメタル30の一部をエッチングの際に残して形成してもよい。
【0042】
このような製造方法によると、コイルのターン部を構成する導体パターン45が高精度に形成できる。すなわち図7Aに示すように、層内絶縁層41に形成された溝43の内部にメッキ層44を形成して導体パターン45を形成するために、とくに溝43の精度によって導体パターン45の精度が決定され、コイルターン部を構成する導体パターン45の側端面がシャープでしかもきれいなエッジになる。これによって幅が約2〜3μmのターン部から成るコイルを形成することができる。
【0043】
エッチングによって導体パターン45を形成すると、図7Bに示すようにマスク36を高精度に正確に形成しても、エッチング精度によって導体パターン45の形状が乱れることになる。すなわちエッチングの場合には導体パターン45の側断面が真直ぐにはならず、エッチングの程度によって形状が不安定になるために、20μm以下の幅のコイルターンを形成することはできない。このような精度の劣化を図7Aに示す方法によって解消することが可能になる。
【0044】
また本願の導体パターン45の形成は、とくに層間絶縁層35の表面に予め無電解メッキ層44を形成して行なうようにしているために、図4Aに示すようにその全長にわたってほぼ均一な導体パターン45のコイルターン部が形成される。
【0045】
無電解メッキ層44が溝43の底部に存在しない場合には図8Bに示すようにスルーホールメッキ38を通して給電が行なわれるために、スルーホールメッキ38の近傍においては導体パターン45の厚みが厚くなるものの、スルーホールメッキ38からの距離が遠くなるに従って次第に導体パターン45の厚さが小さくなる。
【0046】
次に別のコイルの製造方法を図9〜図12によって説明する。なおこの製造方法の基本的なプロセスは上記第1の製造方法と実質的に同一であるが、複数のコイルを同時に形成し、これを後から分割することによって同時に多数のチップ状コイルを製造するものである。
【0047】
図9Aに示すようなベースメタル30を用いてその上に図9Cおよび図9Dに示すように電気メッキによって第1配線層となる導体パターン33を形成する。
【0048】
この後図9Eに示すように層間絶縁層35を接着し、図10Gに示すように上記絶縁層35の上面にスルーホール用レジストパターンを施し、スルーホールのための窓明けを行なうとともに、上記導体パターン33の上面を露出させる。そして上記穴37内にベースメタル30を給電手段としてメッキを施してスルーホールメッキ38を形成する(図10H参照)。
【0049】
次いで図10Iに示すように層間絶縁層35の上に層内絶縁層41を形成する。そして上記層内絶縁層41にレジストパターン42によって複数のコイルパターンに相当する溝43を形成し、同時に上記スルーホール38の上面を露出させる。
【0050】
この後図10Kに示すようにコイルパターンが形成されたレジストパターン42を残したままでこのレジストパターン42の上面と上記スルーホールメッキ38の上面と層間絶縁層35の上面に無電解メッキ44を施す。そしてこの後に図10Lに示すようにレジストパターンを剥離し、ベースメタル30を給電手段として図10Mに示すように溝43内に電解メッキによって導体パターン45を形成する。
【0051】
上記図10Iに示す工程から図10Mに示す工程までを複数回繰返すことによってn層のコイルパターンを形成することができる。そしてこの後に図13Vに示すように保護レジスト63によって上面を覆った状態で反対側のベースメタル30をエッチングする。そして必要に応じて図12Wに示すように端子64を設ける。そしてカッティングライン65のところでカッティングすることによって、数個から数百個、場合によっては数千個のチップ状コイルを同時に形成することが可能になる。図13はこのようにして形成されたチップ状コイルを示している。
【0052】
このようなチップ状コイルは回路素子あるいは回路部品として利用される。すなわち所定の電子回路を形成するための部品として用いられる。とくにこのようなチップ状のコイルは、自己共振周波数が高くしかもQ(共振鋭度)の高い高周波コイルとなる。従って高周波コイルに用いて好適なチップ状のコイルを供給することが可能になる。
【0053】
以上本願に含まれる発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願に含まれる発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願に含まれる発明の技術的思想の範囲内で各種の変更が可能である。
【0054】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、互いに交互に積層される層内絶縁層および層間絶縁層と、層内絶縁層の溝内を充填する導体層から成るターン部と、層間絶縁層を貫通し、隣接するターン部を導通させる層間接続部と、を有するものである。
【0055】
従ってこのようなコイルは積層構造のコイルであって、ヘリカルコイルに比べて同じインダクタンスを得るのにコイルの導体長が短くなって直流抵抗が減少し、またコイル導体の鎖交磁束による渦電流損失が低減されるために、Q(共振鋭度)が高くなって高周波回路に用いて好適なチップコイルが提供できるようになる。
【0056】
製造方法に関する主要な発明は、層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、この層内絶縁層の溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、層内絶縁層と重なるように層間絶縁層を形成するとともに、該層間絶縁層を貫通して隣接する導体パターンを接続する層間接続部を形成する工程と、を所定の回数交互に繰返すことによってコイルを形成するものである。
【0057】
従ってこのようなコイルの製造方法によれば、導体パターンを形成する工程と層間接続部を形成する工程とを所定の回数繰返すことによって所望のターン数のコイルを容易に製造することが可能になり、自己共振周波数が高く、Q(共振鋭度)が高く、高周波回路に用いて好適な積層コイルを多層回路と一体に、あるいはチップ状コイルを多数同時に製作することができ、積層コイルを効率的に供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層コイルの展開平面図である。
【図2】別の積層コイルの要部分解斜視図である。
【図3】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図4】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図5】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図6】積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図7】導体パターンの側断面の形状を示す要部拡大断面図である。
【図8】電解メッキによる導体パターンの形成を示す要部縦断面図である。
【図9】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図10】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図11】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図12】積層コイルの別の製造方法を示す縦断面図である。
【図13】分割によって得られたチップコイルの縦断面図である。
【図14】従来の積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【図15】従来の積層コイルの製造方法を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1‥‥絶縁基板、2‥‥粗面、3‥‥下地層(銅)、4‥‥レジストパターン、5‥‥メッキ層、6‥‥ターン部(1層目)、8‥‥絶縁層、9‥‥レジストパターン、10‥‥ビアホール用窓、11‥‥下地層、12‥‥レジストパターン、13‥‥メッキ層、14‥‥ターン部(2層目)、21‥‥ハーフターン、22‥‥層間接続部、23‥‥端子、25‥‥フルターン、26‥‥層間接続部、27‥‥端子、30‥‥ベースメタル、31‥‥レジストパターン、32‥‥下地層、33‥‥導体パターン、35‥‥層間絶縁層、36‥‥レジストパターン、37‥‥穴、38‥‥スルーホールメッキ(層間接続部)、41‥‥層内絶縁層、42‥‥レジストパターン、43‥‥溝、44‥‥無電解メッキ層、45‥‥導体パターン、49‥‥層間絶縁層、50‥‥レジストパターン、51‥‥穴、52‥‥スルーホールメッキ(層間接続部)、55‥‥層内絶縁層、56‥‥レジストパターン、57‥‥溝、58‥‥無電解メッキ層、59‥‥導体パターン、63‥‥保護レジスト、64‥‥端子、65‥‥カッティングライン
Claims (22)
- 積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、
絶縁層の溝を充填するようにメッキによって形成された導体から成るターン部と、
互いに重合うように配されるターン部間を導通させる層間接続部と、
を具備するコイル。 - 積層して重合わされるように形成される導体パターンから成るコイルにおいて、
互いに交互に積層される層内絶縁層および層間絶縁層と、
前記層内絶縁層の溝内を充填する導体層から成るターン部と、
前記層間絶縁層を貫通し、隣接するターン部を導通させる層間接続部と、
を有するコイル。 - 前記ターン部が層間絶縁層と交互に形成される層内絶縁層の溝を充填するように形成されるメッキ層であることを特徴とする請求項2に記載のコイル。
- 前記メッキ層が前記層内絶縁層の底の部分の無電解メッキ層の上に形成された金属の電解メッキ層であることを特徴とする請求項3に記載のコイル。
- 前記層間接続部が前記層内絶縁層と交互に形成される層間絶縁層を貫通するスルーホール内を充填する金属メッキ層であることを特徴とする請求項2に記載のコイル。
- 最外層のターン部の所定の位置に接続して設けられる端子を有する請求項2に記載のコイル。
- 層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、前記層内絶縁層の溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、
前記層内絶縁層と重なるように層間絶縁層を形成するとともに、該層間絶縁層を貫通して隣接する導体パターンを接続する層間接続部を形成する工程と、
を所定の回数交互に繰返すことによってコイルを形成することを特徴とするコイルの製造方法。 - 前記層内絶縁層の溝が前記層内絶縁層の表面にマスクを施し、該マスクが存在しない部分の前記層内絶縁層を除去するエッチングによって形成されることを特徴とする請求項7に記載のコイルの製造方法。
- 前記層内絶縁層の溝内に金属を充填する工程が金属のメッキによって行なわれることを特徴とする請求項7に記載のコイルの製造方法。
- 前記層内絶縁層の溝内に金属を充填する工程が、前記溝を形成するマスクを残したままで前記層内絶縁層の表面に無電解メッキを施し、前記マスクを除去した後に前記溝の底部の無電解メッキ層を給電手段として前記溝内に電解メッキによって金属を充填することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のコイルの製造方法。
- ベースメタル上に導体層を形成する工程と、
前記導体層の上に層間絶縁層を形成し、該層間絶縁層に穴を形成して該穴内に金属を充填することによって前記導体層と接続された層間接続部を形成する工程と、
前記層間絶縁層の上に層内絶縁層を形成し、該層内絶縁層に所定のパターンの溝を形成するとともに、該溝内に金属を充填して導体パターンを形成する工程と、
を具備し、しかも前記層間接続部を形成する工程と前記導体パターンを形成する工程とを交互に繰返すことにより所定のターン数のコイルを形成することを特徴とするコイルの製造方法。 - 前記層間接続部を形成する工程と前記導体パターンを形成する工程とがともにメッキ処理によって行なわれるとともに、前記ベースメタルがメッキ処理の際の給電用電極を構成することを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 前記導体パターンを形成する工程が前記層内接続部の溝の底部に無電解メッキを施した後に電解メッキを行なうことにより行なわれることを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 所定のターン数のコイル部を形成した後に前記ベースメタルをエッチングによって除去することを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 前記ベースメタルをエッチングして除去したときに露出する導体層の表面に電極を形成することを特徴とする請求項14に記載のコイルの製造方法。
- 多層の回路とともにターン部を積層してコイルを同時に形成することを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 複数のコイルを同時に形成し、カッティングによって分割してチップ状のコイルとすることを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 前記ベースメタルが銅板、ステンレス板、ニッケル合金板の何れかであることを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 前記層内絶縁層および層間絶縁層を水酸化カリウム水溶液によってエッチングすることを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 前記ターン部は各層毎にほぼ半ターンずつ形成されることを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 前記ターン部は各層毎にほぼ1ターンずつ形成されることを特徴とする請求項11に記載のコイルの製造方法。
- 工程1. ベースメタルの表面に電気メッキにより第1導体層を形成し、
工程2. 前記第1導体層の上に第1絶縁層を接着し、
工程3. 前記第1絶縁層の表面にスルーホール用のレジストパターンを施し、所定の第1スルーホールを窓明けすると同時に前記第1導体層上面を露出し、
工程4. 前記第1導体層の前記第1スルーホール内に前記ベースメタルを給電手段として電気メッキを施し、
工程5. 工程4による電気メッキの後に第2絶縁層を接着し、
工程6. 前記第2絶縁層にレジストパターンにより回路パターンおよび/またはコイルパターンを窓明けし、しかも前記第1スルーホール上面を露出し、
工程7. 工程6で所定の回路パターンおよび/またはコイルパターンの窓明けを行なったレジストパターンを残したまま前記第1スルーホール上面と前記第2絶縁層上面に第1無電解メッキを行ない、
工程8. 工程7のレジストパターンを剥離した後に前記ベースメタルを給電手段として前記第2絶縁層回路パターンおよび/またはコイルパターン内にメッキを施し、
工程9. 前記工程5〜8をn−1回繰返してn層のコイルパターンを積層し、
工程10. 最後のコイルパターン層が形成された後に前記ベースメタル板をエッチングして除去する、
ことを特徴とするコイルの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003127485A JP2004335620A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | コイルとその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20130300527A1 (en) * | 2012-05-08 | 2013-11-14 | Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. | Method of manufacturing coil element and coil element |
JP2015032626A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-16 | 新光電気工業株式会社 | コイル基板及びその製造方法、インダクタ |
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2003
- 2003-05-02 JP JP2003127485A patent/JP2004335620A/ja active Pending
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