JP2004334573A - Gisシステム及びgisシステムとcadシステムのデータ交換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】GISシステムとCADシステム間で、属性情報を含む地図データベースの更新を可能にする。
【解決手段】GISシステム1は変更したい地図データベース13をCAD形式に変更し、図形情報をDXFファイル21、属性情報をCSVファイル22に格納する。出力処理部15は図形情報131と属性情報133に共通の図形名称を付与し、CADシステム2に提供する。CADシステム2は汎用CADソフト24でDXFデータ、表計算ソフト25でCSVデータを変更し、CAD向けファイル20に返送する。入力処理部16はDXFファイル21から図形情報を読み出してGIS形式に変換し、図形名称から求めた図形ID、属性IDにより元の図形情報、属性情報との差分を行い、図形データベース13を更新する。
【選択図】 図1
【解決手段】GISシステム1は変更したい地図データベース13をCAD形式に変更し、図形情報をDXFファイル21、属性情報をCSVファイル22に格納する。出力処理部15は図形情報131と属性情報133に共通の図形名称を付与し、CADシステム2に提供する。CADシステム2は汎用CADソフト24でDXFデータ、表計算ソフト25でCSVデータを変更し、CAD向けファイル20に返送する。入力処理部16はDXFファイル21から図形情報を読み出してGIS形式に変換し、図形名称から求めた図形ID、属性IDにより元の図形情報、属性情報との差分を行い、図形データベース13を更新する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図形情報と属性情報を管理するGISシステムにおいて、データ編集を外部のCADシステムにて行う場合のデータ交換方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のCADシステムは、直接管理可能な3次元情報や寸法情報に限って地図情報システム(GISシステム)とのデータ交換が可能であった。このような公知例として特許文献1がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−109801号公報(段落0009−0013、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、GISシステムとCADシステムとの間では、ユーザ固有の属性情報を含めたデータ交換ができなかった。このため、人手によるデータ整合操作が必要で、データ更新の効率が悪かった。
【0005】
本発明の目的は、GISシステムにおけるデータ更新を効率よく行うために、図形情報と属性情報の結び付きを保持して、GISシステムとCADシステムとの間のデータ交換方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、図形情報と属性情報を管理するGISシステムとCADデータの編集を行うCADシステムの間で変更するデータの交換を行うデータ交換方法において、前記GISシステムと前記CADシステムの間で図形情報と属性情報の結び付けるキー情報を用いて、双方向にデータ変換を行うことを特徴とする。
【0007】
前記キー情報は、前記GISシステムにおける図形情報と属性情報を結び付ける図形IDと対応する図形名称であり、前記CADシステムにおける図形情報と属性情報の両方に前記図形名称を付与することを特徴とする。
【0008】
前記CADシステムで編集された図形情報と属性情報からなるCADデータをGISデータに変換し、そのGISデータの図形名称から図形IDと属性IDを求め、それらのIDによって前記GISシステムの変換前後の図形情報と属性情報との差分情報をそれぞれ求め、これらの差分情報によって前記GISシステムにおける図形情報と属性情報を更新することを特徴とする。
【0009】
本発明のGISシステムは、前記図形情報と前記属性情報を結び付ける図形IDに対してキー情報を付与して前記図形情報と前記属性情報をCAD形式に変換する出力処理部と、前記CADシステムで編集され前記図形名称を付与された図形情報と属性情報を、前記キー情報から前記図形IDを介して検出された前記GISシステムにおける変換前の図形情報及び属性情報とそれぞれ比較する入力処理部とを設けることを特徴とする。
【0010】
前記入力処理部は、前記比較による差分情報を抽出し、前記変換前の図形情報及び属性情報を更新する差分抽出部を有していることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、GISシステムから変更を依頼する図形情報と属性情報を送信し、変更の依頼を受けたCADシステムでCADデータの編集を行ってGISシステムに返信するデータ交換方法において、前記GISシステムは前記図形情報と属性情報に同一の図形名称を付与して送信し、CADシステムから受信した編集データに付与されている前記図形名称を用いて編集前の図形情報と属性情報を検索すると共に、前記編集データと前記編集前の図形情報及び属性情報との変更内容を確認することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。GISシステムでは図形情報と属性情報の対応付けを一意なキー情報によって行う。一方、CADシステムは図形情報に対してユーザが任意の図形名称を付与することが可能である。これら2つのシステムの特性から、図形情報と属性情報を結び付けるキー情報、すなわち図形名称を用いて、両情報の結び付きを保持したままで、GISシステムとCADシステムの間で双方向のデータの変換が可能になる。
【0013】
図1は、本発明が適用されるGISシステムとCADシステムを示し、GISシステムにおけるデータ交換機能と、CADシステムにおけるデータ作成機能を示す構成図である。GISシステム1とCADシステム2は伝送装置3を介して情報をやり取りする。
【0014】
GISシステム1は、マウス11やキーボード12の操作を受付ける操作入力部18と、操作入力の状態や地図を表示する図面表示部19と、地図データベース13とCAD向けファイル20間のデータ交換機能部14を設けている。データ交換機能部14はファイルの受け渡しをする出力処理部15、入力処理部116と、差分抽出部17からなる。なお、GISシステムとしての通常の機能は省略している。
【0015】
地図データベース13は道路などの地図を構成する図形情報131と、GISシステム1で扱う文字情報である属性情報133と、図形情報131と属性情報133の対応関係を保持するグルーピング情報132からなる。
【0016】
出力処理部15は地図データベース13を解析および形式変換し、CADシステム2へ渡すためのDXFファイル21及びCSVファイル22を生成する。DXFファイル21には地図の見た目である図形情報が変換出力され、CSVファイル22には属性情報が変換出力される。
【0017】
DXFファイル21はCADシステム2でデータ交換に利用されるファイル形式である。CSVファイル22はリレーショナルデータベースや表計算ソフトなど、文字列情報を扱うシステム間で情報の受け渡しをするのに利用されるファイル形式である。
【0018】
入力処理部16は、CADシステム2から渡されたDXFファイル21およびCSVファイル22を読み込み、地図データベース13へ格納する。このとき、差分抽出部17は、格納前の地図データベース13の内容と取り込んだDXFファイル21及びCSVファイル22の内容との比較に基づく差分抽出処理を行う。
【0019】
GISシステム1で変換したCAD向けファイルであるDXFファイル21とCSVファイル22は、伝送装置3を経由してCADシステム2へ送られる。このとき、フロッピー(登録商標)ディスクや光磁気ディスクなどの媒体を使用してファイルを転送してもよい。また、GISシステムとCADシステムが1台のコンピュータ上に実装され、1つのディスク装置を経由してDXFファイル21およびCSVファイル22をやり取りすることも可能である。
【0020】
CADシステム2は、DXFファイル21を扱う汎用CADソフト24とCSVファイル22を扱う表計算ソフト25を備え、DXFファイル21とCSVファイル22間の要素の対応関係を決める名前付け規則23から構成される。DXFファイル21とCSVファイル22はGISシステムのものとは別体であるが、一方のみに配置して他方に伝送する構成とすることも可能である。汎用CADソフト24と表計算ソフト25はそれぞれファイル入出力部、操作入力部、表示部などからなる。
【0021】
名前付け規則23は、運用上の規則であり、特に、CADシステム2にて図形や属性を追加する場合の規則である。GISシステム1から出力された図形と属性であれば、DXFファイル21の個々の図形情報に付加されるハンドル名と、CSVファイル22の各行に格納され、図形ID1311と属性ID1331を組合わせた値が設定される。組合わせは文字数固定か、区切り文字(“,”カンマ)などで結び付け、文字列で表現し、図形情報211の図形名称2111および属性情報221の図形名称2211に格納される。
【0022】
CADシステム2において新規に作成した図形であれば、当該システムで規定した文字と通番を組合せ、“NEW0001”のような番号をDXFファイル21のハンドル名とCSVファイル22の各行に付加する。識別文字“NEW”や、通番は、CADシステム2のオペレータが管理・設定する。
【0023】
この名前付け規則23により、個別ソフトウエアである、汎用CADソフト24や表計算ソフト25を利用した図面更新でも、図形と属性の関連を定義することが可能となる。
【0024】
図2は、GISシステム1にて扱う地図データの構成図で、地図データベース13としてGISシステム1の記憶装置に格納される。図形情報131は、地図データを構成する図形を格納し、図形毎に付与される一意な図形ID1311、図形の種類(線、文字、記号など)を特定する図形種別1312、図形の表示属性(色、サイズなど)を表す図形属性1314を有している。また、図形種別1312毎に定められた詳細内容を格納する図形詳細情報1314から構成される。
【0025】
属性情報133は、図形情報131に対してGISシステム1が管理する業務別の情報を格納する。すなわち、属性毎に付与される一意な属性ID1331、属性の種別を表す属性種別1332、各属性の詳細を格納する属性詳細情報1333から構成される。
【0026】
グルーピング情報132は、図形情報131と属性情報133を結びつける情報を管理し、対となる図形と属性の図形ID1321、図形種別1322、属性ID1323、属性種別1324から構成される。
【0027】
図3は、CADシステム2にて扱うデータの構成を示している。GISシステム1の地図データベース13に対応し、汎用CADソフト24が扱うDXFファイル21と、表計算ソフト25が扱うCSVファイル22からなる。
【0028】
同図(a)のDXFファイル21には図形情報211が格納され、図形毎に一意な図形名称2111が付与され、各図形は、図形種別2112、図形属性2113、図形詳細情報2114より構成される。図形詳細情報2114は、図形の種別に応じて、構成点座標列や文字コード、記号番号などが格納される。
【0029】
同図(b)のCSVファイル22には属性情報221が格納され、表計算ソフトやテキストエディタで扱える、カンマ区切りのテキストファイル(CSV)形式で保存される。属性情報221は、該属性が対応する図形情報211の図形名称2111に対応した図形名称2211と、属性ID2212、属性種別2213、属性詳細情報2214から構成される。属性詳細情報は、GISシステム1が管理する情報に応じて、例えば配水管であれば管の口径や延長、敷設年度など業務別情報が格納される。
【0030】
以上に説明した構成に基づいて、ある地方自治体において稼動するGISシステム1と、その地方自治体から工事を受注した工事業者において稼動するCADシステム2を例に、データ交換の動作を説明する。
【0031】
図4はGISシステムとCADシステムの間でデータ交換を行うフロー図である。工事を発注する地方自治体は工事範囲について、出力処理(S11)により、地図データベース3をDXFファイル21およびCSVファイル22に保存して、工事業者にファイル提供(S12)を行う。工事業者は本ファイルを受け取り(S21)、汎用CADソフト24および表計算ソフト25により図面更新作業(S22)、属性更新作業(S23)をする。その後、ファイル提供(S24)により、DXFファイル21およびCSVファイル22として格納後、地方自治体へ両ファイルを返す。地方自治体では本ファイルを受け取り(S13)、入力処理(S14)によりGISシステム1へ更新された図形情報211、属性情報221を取り込む。
【0032】
これにより、工事に伴い管理する地図データベース13を更新することができ、地図データベース13を更新する時間や手間を軽減できる。以下、各処理の詳細を説明する。
【0033】
図5はGISシステムの出力処理(S11)のフロー図である。GISシステム1の操作入力部18から出力範囲を指定(S111)し、対象図面を決定する(S112)。対象図面の全図形情報131に対して以下を繰り返す。図形情報131の図形ID1311からCADシステム2で扱う図形名称2111を付与(S113)し、図形詳細情報1314などをCAD形式に変換(S114)し、DXFファイル21の図形情報211へ格納する。
【0034】
次に、図形情報131に属性が付与されているかグルーピング情報132により判定(S115)し、無い場合は次の図形の変換処理に移る。対応する属性情報133が存在する場合は、属性情報133を提供形式であるCSVファイル21の属性情報221に変換し、格納する(S116)。
【0035】
図6はGISシステムの入力処理(S14)のフロー図である。CADシステム2から提供された図形情報211と属性情報221について、以下の処理で地図データベース13への変換、登録を行う。
【0036】
DXFファイル21の図形情報211に格納された図形単位に、GIS形式変換(S141)を行う。このとき、図形情報211の図形名称2111を図形ID1311へ変換する。変換は、図形名称2111が固定文字数で組合わせたものか区切り文字で構成されるか異なるが、図形IDと属性IDに分割して文字列をGISシステム1で使用する形式(一般に数値)に変換する。図形名称2111が汎用CADソフト24で新規に登録したものかは、名前付け規則23のルールにて判断する。新規であれば、GISシステム1の内部処理で、新規図形IDを採番する。
【0037】
図形ID1311により、地図データベース13から同一の図形IDを持つ図形情報131、すなわち先に出力処理(S11)でCADシステムに提供した図形情報を検索する。該当する図形が無ければ新規図形として、図形情報格納(S144)によりGISシステム1の主記憶装置150の図形格納情報152へ格納する。図形格納情報152は図形情報131へ図形を格納する場合に、図形情報格納(S144)により更新される更新の種別(新規登録か、更新か、変更無し)とGIS形式変換S141へ処理した全ての図形ID1311が格納される。
【0038】
図形ID1311に対応する図形IDが地図データベース13に存在する場合は、GIS形式変換(S141)した図形情報と元の図形情報を比較し、図形差分抽出(S143)する。差分情報があれば変更内容(座標移動、座標追加・削除、文字コード変更、記号番号変更など)と図形ID1311を図形差分情報151に登録後、図形情報格納(S144)を行う。図形情報格納(S144)は変更時に元の図形情報131を消去し、新しい図形情報131を登録する。新規の図形情報については図形情報131へ追加を行う。
【0039】
次に、図形情報格納(S144)した図形の図形名称2111により、属性情報221の図形名称2211を検索する。該当する属性情報221が見つかった場合は、属性情報形式変換(S146)により属性情報221から属性情報133の形式へ変換を行う。変換した属性情報133の属性ID1331により元の属性情報133を検索し、属性差分抽出(S147)する。差分がある場合は、属性差分情報153に更新の種別と属性ID1331を登録し、属性情報格納148により属性情報133の元の属性情報133を消去後、新しい属性情報133を登録する。属性格納情報154には、登録した属性ID1331を格納する。
【0040】
属性情報が検索できない場合は新規情報とし、属性差分情報153へ格納するとともに、属性情報格納(S148)により属性格納情報154へ属性情報を格納する。属性情報が検索できた場合は差分の有無や変更内容を属性差分情報153へ格納するとともに、属性格納情報154へ属性情報を格納する。属性差分情報153には、属性情報形式変換(S146)で処理した全ての属性ID1331が格納され、属性差分情報には、属性差分抽出で変更ありと判断した属性IDと変更の合った属性詳細情報1333の内容を登録する。
【0041】
一つのDXFファイル21の変換が終了した時点で、GISシステム1の主記憶15に格納された図形差分情報151、図形格納情報152、属性差分情報153、属性格納情報154を用いて、操作員に変更内容を知らせる。ここでは、変化図形強調表示(S149)と、変化属性一覧表示(S14A)を行う。さらに、不要図形と不要属性を削除する(S14B)。図形格納情報152と図形情報131を比較し、図形格納情報152に登録されていない図形情報131と、属性格納情報154と属性情報133を比較し、属性格納情報154に格納されていない属性を地図データベース13から削除する。
【0042】
以上の手順により、CADシステム2から更新または新規に提供される図形情報211、属性情報221は、GISシステム1の地図データベース13へ取り込まれる。
【0043】
図7は、差分抽出処理のフロー図である。(a)は図形差分抽出(S143)の処理手順で、地図データベース13から図形ID1311を検索キーとして元図形を検索(S1431)する。対応図形があるか判定(S1432)し、無い場合は差分情報に新規情報として登録(S1437)する。対応図形がある場合は、図形種別1312を判定(S1433)し、種別に応じて処理を分岐する。線図形の場合は、全構成点座標が同じ座標値であるか比較して差分判定(S1434)する。文字図形の場合は、文字の配置座標と文字列により差分判定(S1435)する。記号図形の場合は配置座標と記号番号により差分判定(S1436)する。この差分判定はGISシステム1が管理する図形情報131の内容に応じて判定条件の見直しが行われる。
【0044】
(b)は属性差分抽出S147の処理手順で、属性ID1331により元の属性情報133を検索(S1471)し、対応する属性の有無を判定(S1472)する。存在する場合は、属性情報133を構成する情報の全文字列を判定(S1473)し、不一致情報があれば差分情報登録(S1474)を行う。
【0045】
図8は変化図形強調表示と、変化属性一覧表示の表示例である。(a)は変化図形強調表示の例で、GISシステム1の図面表示部19に対して、登録前表示D11と登録後表示D12の2画面により登録前後の地図を表示し、新規図形、変更図形、削除図形を強調表示する。登録後表示D12の画面で、(イ)は変更のあった図形の表示例、(ロ)は削除された図形の表示例である。
【0046】
(b)は変化属性一覧表示の表示例で、属性情報133の変更点については、属性情報変更一覧D2により画面表示する。属性情報変更一覧は、変更の有った属性情報133の属性種別1332、属性ID1331、変更内容を一覧表にて表示し、操作員に知らせる。この変化点表示と属性情報変更一覧により、操作員は入力したCADシステム2の情報の確認を行う。
【0047】
本実施例によれば、地方自治体などが運用するGISシステムにおいて、工事業者などのCADシステムによる地図データベースの更新が可能になる。従って、従来は自前またはオフラインで行われていたデータベースの更新作業がオンラインにより外注できるので、管理者側の作業を大幅に低減し、データ更新までの期間を短縮できる。また、工事業者側は、通常業務で使用するCADシステムを使用して地図データの更新を行うので、ソフトウエアやハードウエアの新たな追加投資が無く、図面更新業務の委託を受けることが容易になる。
【0048】
図9および図10は、本発明を適用したビジネスモデルとビジネスフローである。地図管理者F1は利用する地図の更新、利用を管理するもので、上述の実施例の地方自治体や、地図上に送電線を記述して管理する電力会社、電話線や光ファイバーケーブルなどの施設を管理する電話会社などが相当する。地図管理者F1の主体は業務用のGISシステムである。
【0049】
請負業者F2は、地図管理者F1から施設の追加、変更などを請負うもので、請負範囲の地図を更新し、施設更新作業に伴う各種工事図面等を作成する。請負業者F2の主体はCADシステム2で、汎用CADソフト24や表計算ソフト25を含んでいる。なお、地図管理者F1は回線F3を介して複数の請負業者F2と結ばれてもよい。
【0050】
地図管理者F1は、請負業者F2に委託した業務に相応する地図を提供形式に変換する(F11)。変換したデータ(DXFデータ、CSVデータ及び変更情報)には図形名称が付与され、請負業者F2に送付する(F12)。送付する場合、専用LANやインターネットなどの回線F3を利用している。
【0051】
請負業者F2はデータを受けとると、DXFファイルをCADソフト24を用いて読み込み(F21)、DXFデータの更新作業(F22)をCADソフト上で行う。また、CSVファイルを表計算ソフト25を用いて読み込み(F23)、CSVデータの更新作業(F24)を表計算ソフト上で行う。更新したDXFファイルとCSVファイルは地図管理者F1へ転送(F25)する。
【0052】
地図管理者F1は請負業者F2からのデータをGIS形式に変換し(F13)、図形名称を用いて元データを検索して変更内容を確認(F14)し、その後、変更情報を地図データベースへ格納(F15)する。
【0053】
これによれば、地図管理者F1は変更したい業務内容をオンラインで請負業者F2に依頼できるので、頻度の高い更新作業であっても効率よく実施できる。地図管理者F1が多数の請負業者からデータ変更の見積りを取り、その結果にしたがってオンライン発注することも可能になる。また、GISとCADのデータ交換は基本的に地図管理者側で行なわれるので、請負業者はCADシステムを変更する必要がなく、零細業者を含む多数の業者にとって使い勝手がよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、GISシステムが自らの管理する地図データベースの更新をオンラインでCADシステムに依頼できるので、更新作業の低減や更新期間の短縮が可能になる。また、CADシステムは更新のためのソフトウエア、ハードウエアの必要がないので、システム構築に係る費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるGISシステムとCADシステム間のデータ交換システムの構成図。
【図2】GISシステムが管理する地図データベースの構成図。
【図3】CADシステムが管理するCADデータファイルの構成図。
【図4】一実施例によるGISシステムとCADシステムのデータ交換の手順を示すフロー図。
【図5】GISシステムからCADシステムへデータファイルを提供する出力処理のフロー図。
【図6】CADシステムからGISシステムへデータファイルを取り込む入力処理のフロー図。
【図7】入力処理における差分抽出処理のフロー図。
【図8】図形情報および属性情報の差分表示の画面例。
【図9】本発明を適用したビジネモデル図。
【図10】本発明を適用したビジネスフロー図。
【符号の説明】
1…GISシステム、2…CADシステム、3…伝送装置、13…地図データベース、131…図形情報、132…グルーピング情報、133…属性情報、14…データ変換機能部、15…出力処理部、16…入力処理部、17…差分抽出部、20…CAD向けファイル、21…DXFファイル、22…CSVファイル、23…名前付け規則、24…汎用CADソフト、25…表計算ソフト、150…主記憶装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、図形情報と属性情報を管理するGISシステムにおいて、データ編集を外部のCADシステムにて行う場合のデータ交換方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のCADシステムは、直接管理可能な3次元情報や寸法情報に限って地図情報システム(GISシステム)とのデータ交換が可能であった。このような公知例として特許文献1がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−109801号公報(段落0009−0013、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、GISシステムとCADシステムとの間では、ユーザ固有の属性情報を含めたデータ交換ができなかった。このため、人手によるデータ整合操作が必要で、データ更新の効率が悪かった。
【0005】
本発明の目的は、GISシステムにおけるデータ更新を効率よく行うために、図形情報と属性情報の結び付きを保持して、GISシステムとCADシステムとの間のデータ交換方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、図形情報と属性情報を管理するGISシステムとCADデータの編集を行うCADシステムの間で変更するデータの交換を行うデータ交換方法において、前記GISシステムと前記CADシステムの間で図形情報と属性情報の結び付けるキー情報を用いて、双方向にデータ変換を行うことを特徴とする。
【0007】
前記キー情報は、前記GISシステムにおける図形情報と属性情報を結び付ける図形IDと対応する図形名称であり、前記CADシステムにおける図形情報と属性情報の両方に前記図形名称を付与することを特徴とする。
【0008】
前記CADシステムで編集された図形情報と属性情報からなるCADデータをGISデータに変換し、そのGISデータの図形名称から図形IDと属性IDを求め、それらのIDによって前記GISシステムの変換前後の図形情報と属性情報との差分情報をそれぞれ求め、これらの差分情報によって前記GISシステムにおける図形情報と属性情報を更新することを特徴とする。
【0009】
本発明のGISシステムは、前記図形情報と前記属性情報を結び付ける図形IDに対してキー情報を付与して前記図形情報と前記属性情報をCAD形式に変換する出力処理部と、前記CADシステムで編集され前記図形名称を付与された図形情報と属性情報を、前記キー情報から前記図形IDを介して検出された前記GISシステムにおける変換前の図形情報及び属性情報とそれぞれ比較する入力処理部とを設けることを特徴とする。
【0010】
前記入力処理部は、前記比較による差分情報を抽出し、前記変換前の図形情報及び属性情報を更新する差分抽出部を有していることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、GISシステムから変更を依頼する図形情報と属性情報を送信し、変更の依頼を受けたCADシステムでCADデータの編集を行ってGISシステムに返信するデータ交換方法において、前記GISシステムは前記図形情報と属性情報に同一の図形名称を付与して送信し、CADシステムから受信した編集データに付与されている前記図形名称を用いて編集前の図形情報と属性情報を検索すると共に、前記編集データと前記編集前の図形情報及び属性情報との変更内容を確認することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。GISシステムでは図形情報と属性情報の対応付けを一意なキー情報によって行う。一方、CADシステムは図形情報に対してユーザが任意の図形名称を付与することが可能である。これら2つのシステムの特性から、図形情報と属性情報を結び付けるキー情報、すなわち図形名称を用いて、両情報の結び付きを保持したままで、GISシステムとCADシステムの間で双方向のデータの変換が可能になる。
【0013】
図1は、本発明が適用されるGISシステムとCADシステムを示し、GISシステムにおけるデータ交換機能と、CADシステムにおけるデータ作成機能を示す構成図である。GISシステム1とCADシステム2は伝送装置3を介して情報をやり取りする。
【0014】
GISシステム1は、マウス11やキーボード12の操作を受付ける操作入力部18と、操作入力の状態や地図を表示する図面表示部19と、地図データベース13とCAD向けファイル20間のデータ交換機能部14を設けている。データ交換機能部14はファイルの受け渡しをする出力処理部15、入力処理部116と、差分抽出部17からなる。なお、GISシステムとしての通常の機能は省略している。
【0015】
地図データベース13は道路などの地図を構成する図形情報131と、GISシステム1で扱う文字情報である属性情報133と、図形情報131と属性情報133の対応関係を保持するグルーピング情報132からなる。
【0016】
出力処理部15は地図データベース13を解析および形式変換し、CADシステム2へ渡すためのDXFファイル21及びCSVファイル22を生成する。DXFファイル21には地図の見た目である図形情報が変換出力され、CSVファイル22には属性情報が変換出力される。
【0017】
DXFファイル21はCADシステム2でデータ交換に利用されるファイル形式である。CSVファイル22はリレーショナルデータベースや表計算ソフトなど、文字列情報を扱うシステム間で情報の受け渡しをするのに利用されるファイル形式である。
【0018】
入力処理部16は、CADシステム2から渡されたDXFファイル21およびCSVファイル22を読み込み、地図データベース13へ格納する。このとき、差分抽出部17は、格納前の地図データベース13の内容と取り込んだDXFファイル21及びCSVファイル22の内容との比較に基づく差分抽出処理を行う。
【0019】
GISシステム1で変換したCAD向けファイルであるDXFファイル21とCSVファイル22は、伝送装置3を経由してCADシステム2へ送られる。このとき、フロッピー(登録商標)ディスクや光磁気ディスクなどの媒体を使用してファイルを転送してもよい。また、GISシステムとCADシステムが1台のコンピュータ上に実装され、1つのディスク装置を経由してDXFファイル21およびCSVファイル22をやり取りすることも可能である。
【0020】
CADシステム2は、DXFファイル21を扱う汎用CADソフト24とCSVファイル22を扱う表計算ソフト25を備え、DXFファイル21とCSVファイル22間の要素の対応関係を決める名前付け規則23から構成される。DXFファイル21とCSVファイル22はGISシステムのものとは別体であるが、一方のみに配置して他方に伝送する構成とすることも可能である。汎用CADソフト24と表計算ソフト25はそれぞれファイル入出力部、操作入力部、表示部などからなる。
【0021】
名前付け規則23は、運用上の規則であり、特に、CADシステム2にて図形や属性を追加する場合の規則である。GISシステム1から出力された図形と属性であれば、DXFファイル21の個々の図形情報に付加されるハンドル名と、CSVファイル22の各行に格納され、図形ID1311と属性ID1331を組合わせた値が設定される。組合わせは文字数固定か、区切り文字(“,”カンマ)などで結び付け、文字列で表現し、図形情報211の図形名称2111および属性情報221の図形名称2211に格納される。
【0022】
CADシステム2において新規に作成した図形であれば、当該システムで規定した文字と通番を組合せ、“NEW0001”のような番号をDXFファイル21のハンドル名とCSVファイル22の各行に付加する。識別文字“NEW”や、通番は、CADシステム2のオペレータが管理・設定する。
【0023】
この名前付け規則23により、個別ソフトウエアである、汎用CADソフト24や表計算ソフト25を利用した図面更新でも、図形と属性の関連を定義することが可能となる。
【0024】
図2は、GISシステム1にて扱う地図データの構成図で、地図データベース13としてGISシステム1の記憶装置に格納される。図形情報131は、地図データを構成する図形を格納し、図形毎に付与される一意な図形ID1311、図形の種類(線、文字、記号など)を特定する図形種別1312、図形の表示属性(色、サイズなど)を表す図形属性1314を有している。また、図形種別1312毎に定められた詳細内容を格納する図形詳細情報1314から構成される。
【0025】
属性情報133は、図形情報131に対してGISシステム1が管理する業務別の情報を格納する。すなわち、属性毎に付与される一意な属性ID1331、属性の種別を表す属性種別1332、各属性の詳細を格納する属性詳細情報1333から構成される。
【0026】
グルーピング情報132は、図形情報131と属性情報133を結びつける情報を管理し、対となる図形と属性の図形ID1321、図形種別1322、属性ID1323、属性種別1324から構成される。
【0027】
図3は、CADシステム2にて扱うデータの構成を示している。GISシステム1の地図データベース13に対応し、汎用CADソフト24が扱うDXFファイル21と、表計算ソフト25が扱うCSVファイル22からなる。
【0028】
同図(a)のDXFファイル21には図形情報211が格納され、図形毎に一意な図形名称2111が付与され、各図形は、図形種別2112、図形属性2113、図形詳細情報2114より構成される。図形詳細情報2114は、図形の種別に応じて、構成点座標列や文字コード、記号番号などが格納される。
【0029】
同図(b)のCSVファイル22には属性情報221が格納され、表計算ソフトやテキストエディタで扱える、カンマ区切りのテキストファイル(CSV)形式で保存される。属性情報221は、該属性が対応する図形情報211の図形名称2111に対応した図形名称2211と、属性ID2212、属性種別2213、属性詳細情報2214から構成される。属性詳細情報は、GISシステム1が管理する情報に応じて、例えば配水管であれば管の口径や延長、敷設年度など業務別情報が格納される。
【0030】
以上に説明した構成に基づいて、ある地方自治体において稼動するGISシステム1と、その地方自治体から工事を受注した工事業者において稼動するCADシステム2を例に、データ交換の動作を説明する。
【0031】
図4はGISシステムとCADシステムの間でデータ交換を行うフロー図である。工事を発注する地方自治体は工事範囲について、出力処理(S11)により、地図データベース3をDXFファイル21およびCSVファイル22に保存して、工事業者にファイル提供(S12)を行う。工事業者は本ファイルを受け取り(S21)、汎用CADソフト24および表計算ソフト25により図面更新作業(S22)、属性更新作業(S23)をする。その後、ファイル提供(S24)により、DXFファイル21およびCSVファイル22として格納後、地方自治体へ両ファイルを返す。地方自治体では本ファイルを受け取り(S13)、入力処理(S14)によりGISシステム1へ更新された図形情報211、属性情報221を取り込む。
【0032】
これにより、工事に伴い管理する地図データベース13を更新することができ、地図データベース13を更新する時間や手間を軽減できる。以下、各処理の詳細を説明する。
【0033】
図5はGISシステムの出力処理(S11)のフロー図である。GISシステム1の操作入力部18から出力範囲を指定(S111)し、対象図面を決定する(S112)。対象図面の全図形情報131に対して以下を繰り返す。図形情報131の図形ID1311からCADシステム2で扱う図形名称2111を付与(S113)し、図形詳細情報1314などをCAD形式に変換(S114)し、DXFファイル21の図形情報211へ格納する。
【0034】
次に、図形情報131に属性が付与されているかグルーピング情報132により判定(S115)し、無い場合は次の図形の変換処理に移る。対応する属性情報133が存在する場合は、属性情報133を提供形式であるCSVファイル21の属性情報221に変換し、格納する(S116)。
【0035】
図6はGISシステムの入力処理(S14)のフロー図である。CADシステム2から提供された図形情報211と属性情報221について、以下の処理で地図データベース13への変換、登録を行う。
【0036】
DXFファイル21の図形情報211に格納された図形単位に、GIS形式変換(S141)を行う。このとき、図形情報211の図形名称2111を図形ID1311へ変換する。変換は、図形名称2111が固定文字数で組合わせたものか区切り文字で構成されるか異なるが、図形IDと属性IDに分割して文字列をGISシステム1で使用する形式(一般に数値)に変換する。図形名称2111が汎用CADソフト24で新規に登録したものかは、名前付け規則23のルールにて判断する。新規であれば、GISシステム1の内部処理で、新規図形IDを採番する。
【0037】
図形ID1311により、地図データベース13から同一の図形IDを持つ図形情報131、すなわち先に出力処理(S11)でCADシステムに提供した図形情報を検索する。該当する図形が無ければ新規図形として、図形情報格納(S144)によりGISシステム1の主記憶装置150の図形格納情報152へ格納する。図形格納情報152は図形情報131へ図形を格納する場合に、図形情報格納(S144)により更新される更新の種別(新規登録か、更新か、変更無し)とGIS形式変換S141へ処理した全ての図形ID1311が格納される。
【0038】
図形ID1311に対応する図形IDが地図データベース13に存在する場合は、GIS形式変換(S141)した図形情報と元の図形情報を比較し、図形差分抽出(S143)する。差分情報があれば変更内容(座標移動、座標追加・削除、文字コード変更、記号番号変更など)と図形ID1311を図形差分情報151に登録後、図形情報格納(S144)を行う。図形情報格納(S144)は変更時に元の図形情報131を消去し、新しい図形情報131を登録する。新規の図形情報については図形情報131へ追加を行う。
【0039】
次に、図形情報格納(S144)した図形の図形名称2111により、属性情報221の図形名称2211を検索する。該当する属性情報221が見つかった場合は、属性情報形式変換(S146)により属性情報221から属性情報133の形式へ変換を行う。変換した属性情報133の属性ID1331により元の属性情報133を検索し、属性差分抽出(S147)する。差分がある場合は、属性差分情報153に更新の種別と属性ID1331を登録し、属性情報格納148により属性情報133の元の属性情報133を消去後、新しい属性情報133を登録する。属性格納情報154には、登録した属性ID1331を格納する。
【0040】
属性情報が検索できない場合は新規情報とし、属性差分情報153へ格納するとともに、属性情報格納(S148)により属性格納情報154へ属性情報を格納する。属性情報が検索できた場合は差分の有無や変更内容を属性差分情報153へ格納するとともに、属性格納情報154へ属性情報を格納する。属性差分情報153には、属性情報形式変換(S146)で処理した全ての属性ID1331が格納され、属性差分情報には、属性差分抽出で変更ありと判断した属性IDと変更の合った属性詳細情報1333の内容を登録する。
【0041】
一つのDXFファイル21の変換が終了した時点で、GISシステム1の主記憶15に格納された図形差分情報151、図形格納情報152、属性差分情報153、属性格納情報154を用いて、操作員に変更内容を知らせる。ここでは、変化図形強調表示(S149)と、変化属性一覧表示(S14A)を行う。さらに、不要図形と不要属性を削除する(S14B)。図形格納情報152と図形情報131を比較し、図形格納情報152に登録されていない図形情報131と、属性格納情報154と属性情報133を比較し、属性格納情報154に格納されていない属性を地図データベース13から削除する。
【0042】
以上の手順により、CADシステム2から更新または新規に提供される図形情報211、属性情報221は、GISシステム1の地図データベース13へ取り込まれる。
【0043】
図7は、差分抽出処理のフロー図である。(a)は図形差分抽出(S143)の処理手順で、地図データベース13から図形ID1311を検索キーとして元図形を検索(S1431)する。対応図形があるか判定(S1432)し、無い場合は差分情報に新規情報として登録(S1437)する。対応図形がある場合は、図形種別1312を判定(S1433)し、種別に応じて処理を分岐する。線図形の場合は、全構成点座標が同じ座標値であるか比較して差分判定(S1434)する。文字図形の場合は、文字の配置座標と文字列により差分判定(S1435)する。記号図形の場合は配置座標と記号番号により差分判定(S1436)する。この差分判定はGISシステム1が管理する図形情報131の内容に応じて判定条件の見直しが行われる。
【0044】
(b)は属性差分抽出S147の処理手順で、属性ID1331により元の属性情報133を検索(S1471)し、対応する属性の有無を判定(S1472)する。存在する場合は、属性情報133を構成する情報の全文字列を判定(S1473)し、不一致情報があれば差分情報登録(S1474)を行う。
【0045】
図8は変化図形強調表示と、変化属性一覧表示の表示例である。(a)は変化図形強調表示の例で、GISシステム1の図面表示部19に対して、登録前表示D11と登録後表示D12の2画面により登録前後の地図を表示し、新規図形、変更図形、削除図形を強調表示する。登録後表示D12の画面で、(イ)は変更のあった図形の表示例、(ロ)は削除された図形の表示例である。
【0046】
(b)は変化属性一覧表示の表示例で、属性情報133の変更点については、属性情報変更一覧D2により画面表示する。属性情報変更一覧は、変更の有った属性情報133の属性種別1332、属性ID1331、変更内容を一覧表にて表示し、操作員に知らせる。この変化点表示と属性情報変更一覧により、操作員は入力したCADシステム2の情報の確認を行う。
【0047】
本実施例によれば、地方自治体などが運用するGISシステムにおいて、工事業者などのCADシステムによる地図データベースの更新が可能になる。従って、従来は自前またはオフラインで行われていたデータベースの更新作業がオンラインにより外注できるので、管理者側の作業を大幅に低減し、データ更新までの期間を短縮できる。また、工事業者側は、通常業務で使用するCADシステムを使用して地図データの更新を行うので、ソフトウエアやハードウエアの新たな追加投資が無く、図面更新業務の委託を受けることが容易になる。
【0048】
図9および図10は、本発明を適用したビジネスモデルとビジネスフローである。地図管理者F1は利用する地図の更新、利用を管理するもので、上述の実施例の地方自治体や、地図上に送電線を記述して管理する電力会社、電話線や光ファイバーケーブルなどの施設を管理する電話会社などが相当する。地図管理者F1の主体は業務用のGISシステムである。
【0049】
請負業者F2は、地図管理者F1から施設の追加、変更などを請負うもので、請負範囲の地図を更新し、施設更新作業に伴う各種工事図面等を作成する。請負業者F2の主体はCADシステム2で、汎用CADソフト24や表計算ソフト25を含んでいる。なお、地図管理者F1は回線F3を介して複数の請負業者F2と結ばれてもよい。
【0050】
地図管理者F1は、請負業者F2に委託した業務に相応する地図を提供形式に変換する(F11)。変換したデータ(DXFデータ、CSVデータ及び変更情報)には図形名称が付与され、請負業者F2に送付する(F12)。送付する場合、専用LANやインターネットなどの回線F3を利用している。
【0051】
請負業者F2はデータを受けとると、DXFファイルをCADソフト24を用いて読み込み(F21)、DXFデータの更新作業(F22)をCADソフト上で行う。また、CSVファイルを表計算ソフト25を用いて読み込み(F23)、CSVデータの更新作業(F24)を表計算ソフト上で行う。更新したDXFファイルとCSVファイルは地図管理者F1へ転送(F25)する。
【0052】
地図管理者F1は請負業者F2からのデータをGIS形式に変換し(F13)、図形名称を用いて元データを検索して変更内容を確認(F14)し、その後、変更情報を地図データベースへ格納(F15)する。
【0053】
これによれば、地図管理者F1は変更したい業務内容をオンラインで請負業者F2に依頼できるので、頻度の高い更新作業であっても効率よく実施できる。地図管理者F1が多数の請負業者からデータ変更の見積りを取り、その結果にしたがってオンライン発注することも可能になる。また、GISとCADのデータ交換は基本的に地図管理者側で行なわれるので、請負業者はCADシステムを変更する必要がなく、零細業者を含む多数の業者にとって使い勝手がよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、GISシステムが自らの管理する地図データベースの更新をオンラインでCADシステムに依頼できるので、更新作業の低減や更新期間の短縮が可能になる。また、CADシステムは更新のためのソフトウエア、ハードウエアの必要がないので、システム構築に係る費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるGISシステムとCADシステム間のデータ交換システムの構成図。
【図2】GISシステムが管理する地図データベースの構成図。
【図3】CADシステムが管理するCADデータファイルの構成図。
【図4】一実施例によるGISシステムとCADシステムのデータ交換の手順を示すフロー図。
【図5】GISシステムからCADシステムへデータファイルを提供する出力処理のフロー図。
【図6】CADシステムからGISシステムへデータファイルを取り込む入力処理のフロー図。
【図7】入力処理における差分抽出処理のフロー図。
【図8】図形情報および属性情報の差分表示の画面例。
【図9】本発明を適用したビジネモデル図。
【図10】本発明を適用したビジネスフロー図。
【符号の説明】
1…GISシステム、2…CADシステム、3…伝送装置、13…地図データベース、131…図形情報、132…グルーピング情報、133…属性情報、14…データ変換機能部、15…出力処理部、16…入力処理部、17…差分抽出部、20…CAD向けファイル、21…DXFファイル、22…CSVファイル、23…名前付け規則、24…汎用CADソフト、25…表計算ソフト、150…主記憶装置。
Claims (6)
- 図形情報と属性情報を管理するGISシステムとCADデータの編集を行うCADシステムの間で変更するデータの交換を行うデータ交換方法において、
前記GISシステムと前記CADシステムの間で図形情報と属性情報を結びつけるキー情報を用いて、双方向にデータ変換を行うことを特徴とするGISシステムとCADシステムのデータ交換方法。 - 請求項1において、
前記キー情報は、前記GISシステムにおける図形情報と属性情報を結びつける図形IDに対応する図形名称であり、前記CADシステムにおける図形情報と属性情報の両方に前記図形名称を付与することを特徴とするGISシステムとCADシステムのデータ交換方法。 - 請求項2において、
前記CADシステムで編集された図形情報と属性情報からなるCADデータをGISデータに変換し、そのGISデータの図形名称から図形IDと属性IDを求め、それらのIDによって指定された前記GISシステムの変換前後の図形情報と属性情報との差分情報をそれぞれ求め、これらの差分情報によって前記GISシステムにおける図形情報と属性情報を更新することを特徴とするGISシステムとCADシステムのデータ交換方法。 - 図形情報と属性情報を管理し、CADシステムで編集されるデータとの交換を行うGISシステムにおいて、
前記図形情報と前記属性情報を結びつける図形IDに対してキー情報を付与して前記図形情報と前記属性情報をCAD形式に変換する出力処理部と、前記CADシステムで編集され前記キー情報を付与された図形情報と属性情報を、前記キー情報から前記図形IDを介して検出された前記GISシステムにおける変換前の図形情報及び属性情報とそれぞれ比較する入力処理部とを設けることを特徴とするGISシステム。 - 請求項4において、
前記入力処理部は、前記比較による差分情報を抽出し、前記変換前の図形情報及び属性情報を更新する差分抽出部を有していることを特徴とするGISシステム。 - GISシステムから変更を依頼する図形情報と属性情報を送信し、変更の依頼を受けたCADシステムでCADデータの編集を行ってGISシステムに返信するデータ交換方法において、
前記GISシステムは前記図形情報と属性情報に同一の図形名称を付与して送信し、CADシステムから受信した編集データに付与されている前記図形名称を用いて編集前の図形情報と属性情報を検索すると共に、前記編集データと前記編集前の図形情報及び属性情報との変更内容を確認することを特徴とするデータ交換方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070904 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080108 |