JP2004334501A - 作図システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速に作図することができるシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するための方法であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、システム図面作成方法が提供される。
【選択図】 図１
【解決手段】本発明によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するための方法であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、システム図面作成方法が提供される。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は作図システム及び方法に関し、特に、ネットワークを介して自動的に作図させるシステム及び方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
システムキッチン（ｃｕｓｔｏｍ ｋｉｔｃｈｅｎ）や組み立て家具等の住宅設備機器は、それらを配置する台所や部屋の大きさ、必要な機能、予算等に応じて、予め用意された複数の構成部品を組み合わせることによって設計される。
【０００３】
従来、住宅設備機器の設計は、専門家が手書き又はコンピュータによる作図を行うことによってなされていた。
【０００４】
また、図面の作成をコンピュータにより自動化したシステム、例えば営業部門の依頼システムから依頼内容のファイルを作成してサーバに転送し、サーバに接続されたＣＡＤシステムが依頼内容のファイルにしたがって図面を自動的に作成するシステムも開発されている（例えば、非特許文献１参照）。
【０００５】
【非特許文献１】
永大産業株式会社 法田正弘、“無人ＣＡＤを利用した「自動作図システムの構築」”、［ｏｎｌｉｎｅ］、［２００３年３月１４日検索］、インターネット＜ＵＲＬ： ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｎｕａ．ｏｒ．ｊｐ／ｋｅｙｗｏｒｄｓ／ｔｈｅｓｉｓ／ｈ１１／１１−ｎｙｕ−２８３．ＨＴＭＬ＞
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
最近、インターネット上においてシステムキッチンの設計及び見積りをシミュレーションするウェブサイトがある。この中には、ユーザの入力内容に応答して実際に作図を行うものもあるが、作図に時間がかかったり、また、作図の時間を短縮するために予め作図してあるいくつかのパターンのいずれかを選択して表示するだけのものであったりする。さらに、システムキッチンのモデルチェンジ等により特定の部品の形状や色柄が変更された場合、その部品が関連する全てのパターンについて作図しなおしたりシミュレーションのためのプログラムを作り直さなくてはならない。
【０００７】
一般的には、より高速なプロセッサを有するハイエンドのサーバを用いて作図させることにより、作図に要する時間を短縮することが可能である。しかしながら、本発明者らは、通常用いられるＰＣサーバであっても記憶装置へのファイルの読み書きの回数を削減することにより実用に十分耐えうるほど高速に描画することが可能であることを発見した。
【０００８】
また、本発明者らは、予めいくつかのパターンを作図しておくよりも、作図プログラムのうち部品のデータを有する部分を独立させることにより部品データの変更によるプログラムの変更を最小限にした方が、プログラム開発のためのコスト効率が高いことを発見した。
【０００９】
本発明の目的は、高速に作図することができるシステム及び方法を提供することである。
【００１０】
本発明の他の目的は、サーバのメンテナンス負荷が軽減された作図システム及び作図方法を提供することである。
【００１１】
本発明のさらに他の目的は、中間ファイルを作成することなく作図することができるシステム及び方法を提供することである。
【００１２】
本発明のさらに他の目的は、パース図を高速に作成するとともに図面のファイルもあわせて提供することができるシステム及び方法を提供することである。
【００１３】
本発明のさらに他の目的は、ユーザの要求に応じてその都度ダイナミックに作図を行うことができるシステム及び方法を提供することである。
【００１４】
本発明のさらに他の目的は、汎用的な自動作図アプリケーションソフトウェアを提供することである。
【００１５】
本発明のさらに他の目的は、商品に応じた自動作図アプリケーションを容易に開発できる方法を提供することである。
【００１６】
本発明のさらに他の目的は、商品や部品の変更を容易に適用することができる自動作図アプリケーションを提供することである。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するためのシステムであって、部品を図面上に配置するための部品配置情報と部品の価格を算出するための見積り情報と、部品の図面を描くための作図用部品図とを入力するための商品情報提供者端末と、前記商品情報提供者端末から入力された部品配置情報及び見積り情報を記憶するための部品配置情報及び見積り情報データベースと、前記商品情報提供者端末から入力された作図用部品図を記憶するための部品図データベースと、前記部品配置情報及び見積り情報データベースに記憶された部品配置情報及び見積り情報を送信するためのデータベースサーバと、図面を作成するための要求及び条件を受け取り、図面を作成するためのウェブ及びアプリケーションサーバとを含み、前記ウェブ及びアプリケーションサーバが、受け取った条件に対応する部品配置情報を前記データベースサーバから受信し、該受信した部品配置情報と部品図データベースに記憶された作図用部品図とから部品が組み合わされたシステムの図面を作成し、該作成された図面を送信する、作図システムが提供される。
【００１８】
また、本発明の他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するための方法であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、システム図面作成方法が提供される。
【００１９】
前記ビットマップ・オブジェクトを送信することが、ビットマップ・オブジェクトをストリームデータとして送信する（以下、本明細書において「ストリーミングで送信する」ともいう）ことを含む、ようにしてもよい。
【００２０】
また、前記部品配置情報と前記部品図データとが、互いに独立したデータである、ようにしてもよい。
【００２１】
また、前記部品配置情報が、部品の座標、図面のサイズ、図面の縮尺、図枠及び寸法線を含む、ようにしてもよい。
【００２２】
また、さらにシステムの図面情報を図面ファイルとして作成する、ようにしてもよい。
【００２３】
また、前記システムの図面情報がパース図である、ようにしてもよい。
【００２４】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの見積書を作成するための方法であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、受信した部品配置情報及び価格データに基づいてシステムの見積り情報を生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するとともに前記システムの見積り情報を送信する、見積書作成方法が提供される。
【００２５】
さらに、生成された見積り情報を当該見積り情報を特定する識別番号とともに記憶し、それによって見積書の呼び出しを可能とする、ようにしてもよい。
【００２６】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの図面であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、ことにより作成されたシステム図面が提供される。
【００２７】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの見積書であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、受信した部品配置情報及び価格データに基づいてシステムの見積り情報を生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するとともに前記システムの見積り情報を送信する、ことにより作成された見積書が提供される。
【００２８】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータに、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成させるためのコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信するコンピュータ実行ステップと、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成するコンピュータ実行ステップと、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するコンピュータ実行ステップと、を含む、コンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。
【００２９】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの見積書を端末装置に表示させるためのデータ構造であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報及び部品図データに基づいてビットマップ・オブジェクトとして生成された、システムの図面情報と、前記部品配置情報及び前記価格データに基づいて生成された、システムの見積り情報とを含む、データ構造が提供される。
【００３０】
【発明の実施の形態】
図１に本発明による自動作図システム１００の構成の概略を示す。自動作図システム１００は、商品情報提供者端末１１０と、データベースサーバ１２０と、データベースサーバ１２０に接続された、部品配置情報及び見積り情報データベース１３０と、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０と、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０に接続された、部品図データベース１５０と、ネットワーク１６０と、ネットワーク１６０に接続された営業端末１７０と、ネットワーク１６０に接続された消費者端末１８０とを含む。
【００３１】
商品情報提供者端末１１０は、商品情報の提供者によって、作図対象であるシステムキッチン等の作図用部品図、部品を配置するための情報である作図指示、及び価格データを入力し、データベースサーバ１２０を介して作図指示及び価格データを部品配置情報及び見積り情報データベース１３０に記憶させ、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０を介して作図用部品図を部品図データベース１５０に記憶させる。
【００３２】
データベースサーバ１２０は、オペレーティングソフトウェア（例えば、マイクロソフト社のＷｉｎｄｏｗｓ ２０００ Ｓｅｒｖｅｒ、．ＮＥＴ Ｆｒａｍｅｗｏｒｋ）及びデータベースソフトウェア（例えば、オラクル社のＯｒａｃｌｅ ９ｉ）を含む。
【００３３】
部品配置情報及び見積り情報データベース１３０は、データベースサーバ１２０のデータベースソフトウェアによって制御され、商品情報提供者端末１１０により提供された作図指示及び価格データを記憶する。
【００３４】
ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０は、図２に示すように、ウェブサーバ１４２と、アプリケーション・ソフトウェア１４４と、ＣＡＤ（ｃｏｍｐｕｔｅｒ−ａｉｄｅｄ ｄｅｓｉｇｎ）エンジン１４６とを含む。ウェブサーバ１４２は、システムキッチン作図用のウェブページ及びウェブページの管理ツールを提供する。また、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）等の揮発性メモリ及びプロセッサを有する。
【００３５】
ウェブサーバ１４２には、例えばマイクロソフト社のインターネット・インフォメーション・サーバ（ＩＩＳ）が用いられる。アプリケーション・ソフトウェア１４４は、営業端末１７０又は消費者端末１８０からウェブサーバ１４２への要求に応答してＣＡＤエンジン１４６に作図を行わせ、ウェブサーバ１４２を介して営業端末１７０又は消費者端末１８０それぞれに作図された図面を提供する。ＣＡＤエンジン１４６は、アプリケーション・ソフトウェア１４４によって制御され、部品配置情報及び見積り情報データベース１３０に記憶された部品配置情報及び部品図データベース１５０に記憶された作図用部品図を用いて作図を行い、作図結果をアプリケーション・ソフトウェア１４４に渡す。ＣＡＤエンジン１４６は、望ましくはサーバにおいて同時に複数のインスタンスを稼動することができ、例えば、システム総研のＧｂａｓｅが用いられる。
【００３６】
図１に戻り、部品図データベース１５０は、商品情報提供者端末１１０により提供された作図用部品図を記憶する。
【００３７】
商品情報提供者端末１１０、データベースサーバ１２０、並びにウェブ及びアプリケーションサーバ１４０は、それぞれネットワーク１６０に接続されている。他の態様として、商品情報提供者端末１１０、データベースサーバ１２０、並びにウェブ及びアプリケーションサーバ１４０がネットワーク１６０から独立した企業内ネットワーク（図示せず）により接続され、当該企業内ネットワークがネットワーク１６０に接続されていてもよい。
【００３８】
ネットワーク１６０は、好ましくはインターネットであり、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ）やワイド・エリア・ネットワーク（ＷＡＮ）でもよい。
【００３９】
営業端末１７０は、システムキッチンの営業担当者が作図の要求を行うための端末である。営業端末１７０は、例えばウェブブラウザが搭載されたパーソナル・コンピュータ（ＰＣ）である。営業端末は、後述するようにウェブ及びアプリケーションサーバ１４０に対して消費者端末１８０と異なるアクセス権限を有する。
【００４０】
消費者端末１８０は、システムキッチンを購入しようとする消費者が作図の要求を行うための端末である。消費者端末１８０は、例えばウェブブラウザが搭載されたＰＣである。
【００４１】
図３に本発明による自動作図システムのデータ・フロー・ダイアグラム３００を示す。また、表１及び表２に、図３のデータ・フロー・ダイアグラム３００に用いられる外部エンティティ及びデータストアの説明をそれぞれ示す。
【００４２】
【表１】
外部エンティティ
【００４３】
【表２】
データ・ストア
【００４４】
図３、表１及び表２を用いて本発明による自動作図方法を、システムキッチンの作図を例に説明する。
【００４５】
情報及び条件の入力
まず、商品情報提供者は、作図情報、部品データ及び価格データ等の作図及び見積もりに必要な情報を商品情報提供者端末１１０において予め入力する。入力された作図情報及び価格データは部品配置情報及び見積り情報データベース１３０に記憶され、入力された部品データは部品図データベース１５０に記憶される。
【００４６】
次に、商品（例えば、システムキッチン）の購入を考える一般消費者（ユーザ）が消費者端末１８０からウェブページに希望するシステムキッチンの構成条件を入力する（図示せず）。より詳細には、システムキッチンの形状（例えば、Ｉ型、Ｌ型等）や、間口のサイズ、食器洗い乾燥機の要・不要、調理機器の種類、引き出し式収納の有無、レンジフードの種類、カウンターの色柄、扉の色柄等、ウェブページにおいて予め用意された選択肢からユーザが希望するものを選択する。
【００４７】
図面の作成
ユーザにより構成条件が入力されると、図面の作成が開始される。アプリケーション・ソフトウェア１４４は、消費者端末から入力された構成情報（Ｄ−４）に基づいて必要な部品を選択し、選択された部品の作図情報（Ｄ−１）及び部品データ（Ｄ−２）を見積り情報データベース１３０及び部品図データベース１５０からそれぞれ読み込み、これらの情報をＣＡＤエンジン１４６に渡す。ＣＡＤエンジン１４６は、構成情報（Ｄ−４）、作図情報（Ｄ−１）及び部品データ（Ｄ−２）からパース図を描く。ＣＡＤエンジン１４６により描かれたパース図はファイルとして保存されず、そのイメージがメモリ上のオブジェクトとして出力される。
【００４８】
図４に本発明による自動作図システムにおける作図部分の詳細なデータ・フロー・ダイアグラム４００を示す。ＣＡＤエンジン１４６は、構成情報（Ｄ−１−４）、作図情報（Ｄ−１−３）及びパース図作成のための３次元部品データである作図用部品図（３Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−２）から図面オブジェクト（Ｄ−１−４）をメモリ上に生成する。より具体的には、ＣＡＤエンジン１４６は、まず、構成情報（Ｄ−１−４）、作図情報（Ｄ−１−３）及び作図用部品図（３Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−２）から指定された座標に部品を読み込んで配置する。配置するためのデータは予めパターンとして用意してもよく、ユーザが配置するためのデータを入力してもよい。次に、作図情報を用いて、配置された部品に対して、サイズ・縮尺等を設定し、図枠ファイルを読み込んで描画し、指定された２点間に寸法線を描画し、寸法線の属性を設定する等の操作を行う。さらに、後述するウェブページへの出力のために、ＣＡＤエンジン１４６はビットマップ・オブジェクトを作成し、ＪＰＥＧ（Ｊｏｉｎｔ Ｐｈｏｔｏｇｒａｐｈ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）イメージ（Ｄ−１−６）を得る。なお、作成された図面をファイルとして出力したい場合は、ＣＡＤエンジン１４６は図面ファイルを作成し、ＤＸＦ（Ｄｒａｗｉｎｇ Ｉｎｔｅｒｃｈａｎｇｅ Ｆｏｒｍａｔ）、ＤＷＧ、ＪＷＣファイル形式の図面（Ｄ−１−５）を得る。また、パース図でなく一般図を作成したい場合には、作図用部品図（３Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−２）に代えて、一般図作成のための２次元部品データである作図用部品図（２Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−１）を用いる。
【００４９】
アプリケーション・ソフトウェア１４４の構造及び動作を図５を用いて詳細に示す。図５において、アプリケーション・ソフトウェア１４４は、自動作図コントローラと作図指示プログラムを含む。自動作図コントローラは、ウェブページを介してユーザからの条件設定を受け取り、作図指示プログラムを呼び出す。作図指示プログラムは、各作図データクラスに値をセットし、作図メソッドを呼び出し、ＣＡＤエンジンに作図を行わせる。作図完了後、自動作図コントローラは作図されたイメージを拡大縮小・線分補完（アンチエイリアシング）などのＷｅｂでの表示に最適化するための処理を行い、ウェブページへストリームデータとして返す。ファイルとして返す場合は作図した図面からＰＤＦファイル、ＴＩＦＦ（Ｔａｇｇｅｄ Ｉｍａｇｅ Ｆｉｌｅ Ｆｏｒｍａｔ） ファイル、ＤＸＦファイルなどのフォーマットのファイルを作成し、ウェブページへ返す。
【００５０】
図５において、商品の特性によって異なる作図指示プログラムを自動作図コントローラから独立させたプログラムとすることにより、汎用的な自動作図アプリケーションを構成することができる。自動作図アプリケーションは、作図のためのデータクラス定義、作図のためのプロパティとメソッド、ＣＡＤエンジン、ウェブサーバとのインターフェースを含む。
【００５１】
見積の作成
図３に戻り、図面の作成と並行して、ユーザにより構成条件が入力されると見積の作成が開始される。アプリケーション・ソフトウェア１４４は、消費者端末から入力された構成情報（Ｄ−４）に基づいて必要な部品を選択し、選択された部品の価格データ（Ｄ−３）を見積り情報データベース１３０から読み込み、選択された部品の価格を合計する等、システムキッチン全体の価格を算出して、見積情報を作成する。見積情報は、システムキッチン全体の価格のみの情報であってもよく、構成部品ごとの内訳価格を含んでもよい。
【００５２】
ウェブページへの出力
アプリケーション・ソフトウェア１４４は、ＣＡＤエンジン１４６により描かれたパース図のイメージ（Ｄ−５）及びアプリケーション・ソフトウェア１４４により算出された見積情報（Ｄ−６）を含む見積書のウェブページをＨＴＭＬ（ＨｙｐｅｒＴｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）又はＸＭＬ（ｅＸｔｅｎｓｉｂｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）により作成する。この際、ウェブサーバ１４２は、パース図のイメージ（Ｄ−５）を直接メモリからストリーミングで消費者端末１８０のウェブブラウザに送信する。なお、パース図の描画を高速に行う必要がない場合や、ユーザにおいてパース図を保存しておきたい場合等は、パース図のイメージをＪＰＥＧファイルやＤＸＦファイルで送信してもよく、見積書全体を保存できるように送信したい場合はＰＤＦ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｏｒｍａｔ）ファイル形式に変換して送信してもよく、見積書全体をファクシミリに出力する場合はＴＩＦＦファイル形式に変換して送信してもよい。見積書は、その見積書を特定するユニークな識別番号とともに保存され、営業端末１７０（図１参照）において呼び出すことができることが望ましい。この際、セキュリティの観点から、営業端末においては他人の見積書にアクセスすることができるが消費者端末においては他人の見積書をアクセスすることができないように、営業端末のユーザ権限と消費者端末のユーザ権限を異なるものとしておくことが望ましい。
【００５３】
図６乃至図８に、ウェブページへの出力の例を示す。図６はカラーペイントされたパース図の表示例であり（図面においてはモノクロで表示）、作図に３６８７ｍｓの時間を要したことを示している。図７は陰線処理されたパース図の表示例であり、作図に６３５９ｍｓの時間を要したことを示している。図８はワイヤフレーム処理されたパース図の表示例であり、作図に２４２２ｍｓの時間を要したことを示している。
【００５４】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実現することができる。また、本発明は、コンピュータ・システム上でこれらの方法を実行することができるコンピュータ・プログラム・プロダクトに組み込むこともできる。なお、本明細書において、「コンピュータ・プログラム・プロダクト」とは、コンピュータ・プログラムが記録された記録媒体、コンピュータ・プログラムが読み込まれたコンピュータ・システム、プログラムが読み込まれたインターネットシステム、プログラム自体、その他プログラムを利用した製品を意味するものとする。
【００５５】
【発明の効果】
本発明によれば、高速に作図することができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５６】
本発明の他の態様によれば、中間ファイルを作成することなく作図することができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５７】
本発明のさらに他の態様によれば、パース図を高速に作成するとともに図面のファイルもあわせて提供することができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５８】
本発明のさらに他の態様によれば、ユーザの要求に応じてその都度ダイナミックに作図を行うことができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５９】
本発明のさらに他の態様によれば、汎用的な自動作図アプリケーションソフトウェアを提供することができる。
【００６０】
本発明のさらに他の態様によれば、商品に応じた自動作図アプリケーションを容易に開発できる方法を提供することができる。
【００６１】
本発明のさらに他の態様によれば、商品や部品の変更を容易に適用することができる自動作図アプリケーションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による自動作図システムの構成の概略を示す図である。
【図２】ウェブ及びアプリケーションサーバの構成を示す図である。
【図３】本発明による自動作図システムのデータ・フロー・ダイアグラムである。
【図４】本発明による自動作図システムにおける作図部分の詳細なデータ・フロー・ダイアグラムである。
【図５】本発明によるアプリケーション・ソフトウェア１４４の構造及び動作を示す図である。
【図６】本発明によるカラーペイントされたパース図の表示例である（モノクロで表示）。
【図７】本発明による陰線処理されたパース図の表示例である。
【図８】本発明によるワイヤフレーム処理されたパース図の表示例である。
【符号の説明】
１００ 自動作図システム
１１０ 商品情報提供者端末
１２０ データベースサーバ
１３０ 部品配置情報及び見積り情報データベース
１４０ ウェブ及びアプリケーションサーバ
１５０ 部品図データベース
１６０ ネットワーク
１７０ 営業端末
１８０ 消費者端末
【発明の属する技術分野】
本発明は作図システム及び方法に関し、特に、ネットワークを介して自動的に作図させるシステム及び方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
システムキッチン（ｃｕｓｔｏｍ ｋｉｔｃｈｅｎ）や組み立て家具等の住宅設備機器は、それらを配置する台所や部屋の大きさ、必要な機能、予算等に応じて、予め用意された複数の構成部品を組み合わせることによって設計される。
【０００３】
従来、住宅設備機器の設計は、専門家が手書き又はコンピュータによる作図を行うことによってなされていた。
【０００４】
また、図面の作成をコンピュータにより自動化したシステム、例えば営業部門の依頼システムから依頼内容のファイルを作成してサーバに転送し、サーバに接続されたＣＡＤシステムが依頼内容のファイルにしたがって図面を自動的に作成するシステムも開発されている（例えば、非特許文献１参照）。
【０００５】
【非特許文献１】
永大産業株式会社 法田正弘、“無人ＣＡＤを利用した「自動作図システムの構築」”、［ｏｎｌｉｎｅ］、［２００３年３月１４日検索］、インターネット＜ＵＲＬ： ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｎｕａ．ｏｒ．ｊｐ／ｋｅｙｗｏｒｄｓ／ｔｈｅｓｉｓ／ｈ１１／１１−ｎｙｕ−２８３．ＨＴＭＬ＞
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
最近、インターネット上においてシステムキッチンの設計及び見積りをシミュレーションするウェブサイトがある。この中には、ユーザの入力内容に応答して実際に作図を行うものもあるが、作図に時間がかかったり、また、作図の時間を短縮するために予め作図してあるいくつかのパターンのいずれかを選択して表示するだけのものであったりする。さらに、システムキッチンのモデルチェンジ等により特定の部品の形状や色柄が変更された場合、その部品が関連する全てのパターンについて作図しなおしたりシミュレーションのためのプログラムを作り直さなくてはならない。
【０００７】
一般的には、より高速なプロセッサを有するハイエンドのサーバを用いて作図させることにより、作図に要する時間を短縮することが可能である。しかしながら、本発明者らは、通常用いられるＰＣサーバであっても記憶装置へのファイルの読み書きの回数を削減することにより実用に十分耐えうるほど高速に描画することが可能であることを発見した。
【０００８】
また、本発明者らは、予めいくつかのパターンを作図しておくよりも、作図プログラムのうち部品のデータを有する部分を独立させることにより部品データの変更によるプログラムの変更を最小限にした方が、プログラム開発のためのコスト効率が高いことを発見した。
【０００９】
本発明の目的は、高速に作図することができるシステム及び方法を提供することである。
【００１０】
本発明の他の目的は、サーバのメンテナンス負荷が軽減された作図システム及び作図方法を提供することである。
【００１１】
本発明のさらに他の目的は、中間ファイルを作成することなく作図することができるシステム及び方法を提供することである。
【００１２】
本発明のさらに他の目的は、パース図を高速に作成するとともに図面のファイルもあわせて提供することができるシステム及び方法を提供することである。
【００１３】
本発明のさらに他の目的は、ユーザの要求に応じてその都度ダイナミックに作図を行うことができるシステム及び方法を提供することである。
【００１４】
本発明のさらに他の目的は、汎用的な自動作図アプリケーションソフトウェアを提供することである。
【００１５】
本発明のさらに他の目的は、商品に応じた自動作図アプリケーションを容易に開発できる方法を提供することである。
【００１６】
本発明のさらに他の目的は、商品や部品の変更を容易に適用することができる自動作図アプリケーションを提供することである。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するためのシステムであって、部品を図面上に配置するための部品配置情報と部品の価格を算出するための見積り情報と、部品の図面を描くための作図用部品図とを入力するための商品情報提供者端末と、前記商品情報提供者端末から入力された部品配置情報及び見積り情報を記憶するための部品配置情報及び見積り情報データベースと、前記商品情報提供者端末から入力された作図用部品図を記憶するための部品図データベースと、前記部品配置情報及び見積り情報データベースに記憶された部品配置情報及び見積り情報を送信するためのデータベースサーバと、図面を作成するための要求及び条件を受け取り、図面を作成するためのウェブ及びアプリケーションサーバとを含み、前記ウェブ及びアプリケーションサーバが、受け取った条件に対応する部品配置情報を前記データベースサーバから受信し、該受信した部品配置情報と部品図データベースに記憶された作図用部品図とから部品が組み合わされたシステムの図面を作成し、該作成された図面を送信する、作図システムが提供される。
【００１８】
また、本発明の他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するための方法であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、システム図面作成方法が提供される。
【００１９】
前記ビットマップ・オブジェクトを送信することが、ビットマップ・オブジェクトをストリームデータとして送信する（以下、本明細書において「ストリーミングで送信する」ともいう）ことを含む、ようにしてもよい。
【００２０】
また、前記部品配置情報と前記部品図データとが、互いに独立したデータである、ようにしてもよい。
【００２１】
また、前記部品配置情報が、部品の座標、図面のサイズ、図面の縮尺、図枠及び寸法線を含む、ようにしてもよい。
【００２２】
また、さらにシステムの図面情報を図面ファイルとして作成する、ようにしてもよい。
【００２３】
また、前記システムの図面情報がパース図である、ようにしてもよい。
【００２４】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの見積書を作成するための方法であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、受信した部品配置情報及び価格データに基づいてシステムの見積り情報を生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するとともに前記システムの見積り情報を送信する、見積書作成方法が提供される。
【００２５】
さらに、生成された見積り情報を当該見積り情報を特定する識別番号とともに記憶し、それによって見積書の呼び出しを可能とする、ようにしてもよい。
【００２６】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの図面であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、ことにより作成されたシステム図面が提供される。
【００２７】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの見積書であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、受信した部品配置情報及び価格データに基づいてシステムの見積り情報を生成し、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するとともに前記システムの見積り情報を送信する、ことにより作成された見積書が提供される。
【００２８】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータに、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成させるためのコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信するコンピュータ実行ステップと、受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成するコンピュータ実行ステップと、前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するコンピュータ実行ステップと、を含む、コンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。
【００２９】
本発明のさらに他の態様によれば、揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの見積書を端末装置に表示させるためのデータ構造であって、部品を図面上に配置するための部品配置情報及び部品図データに基づいてビットマップ・オブジェクトとして生成された、システムの図面情報と、前記部品配置情報及び前記価格データに基づいて生成された、システムの見積り情報とを含む、データ構造が提供される。
【００３０】
【発明の実施の形態】
図１に本発明による自動作図システム１００の構成の概略を示す。自動作図システム１００は、商品情報提供者端末１１０と、データベースサーバ１２０と、データベースサーバ１２０に接続された、部品配置情報及び見積り情報データベース１３０と、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０と、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０に接続された、部品図データベース１５０と、ネットワーク１６０と、ネットワーク１６０に接続された営業端末１７０と、ネットワーク１６０に接続された消費者端末１８０とを含む。
【００３１】
商品情報提供者端末１１０は、商品情報の提供者によって、作図対象であるシステムキッチン等の作図用部品図、部品を配置するための情報である作図指示、及び価格データを入力し、データベースサーバ１２０を介して作図指示及び価格データを部品配置情報及び見積り情報データベース１３０に記憶させ、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０を介して作図用部品図を部品図データベース１５０に記憶させる。
【００３２】
データベースサーバ１２０は、オペレーティングソフトウェア（例えば、マイクロソフト社のＷｉｎｄｏｗｓ ２０００ Ｓｅｒｖｅｒ、．ＮＥＴ Ｆｒａｍｅｗｏｒｋ）及びデータベースソフトウェア（例えば、オラクル社のＯｒａｃｌｅ ９ｉ）を含む。
【００３３】
部品配置情報及び見積り情報データベース１３０は、データベースサーバ１２０のデータベースソフトウェアによって制御され、商品情報提供者端末１１０により提供された作図指示及び価格データを記憶する。
【００３４】
ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０は、図２に示すように、ウェブサーバ１４２と、アプリケーション・ソフトウェア１４４と、ＣＡＤ（ｃｏｍｐｕｔｅｒ−ａｉｄｅｄ ｄｅｓｉｇｎ）エンジン１４６とを含む。ウェブサーバ１４２は、システムキッチン作図用のウェブページ及びウェブページの管理ツールを提供する。また、ウェブ及びアプリケーションサーバ１４０は、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）等の揮発性メモリ及びプロセッサを有する。
【００３５】
ウェブサーバ１４２には、例えばマイクロソフト社のインターネット・インフォメーション・サーバ（ＩＩＳ）が用いられる。アプリケーション・ソフトウェア１４４は、営業端末１７０又は消費者端末１８０からウェブサーバ１４２への要求に応答してＣＡＤエンジン１４６に作図を行わせ、ウェブサーバ１４２を介して営業端末１７０又は消費者端末１８０それぞれに作図された図面を提供する。ＣＡＤエンジン１４６は、アプリケーション・ソフトウェア１４４によって制御され、部品配置情報及び見積り情報データベース１３０に記憶された部品配置情報及び部品図データベース１５０に記憶された作図用部品図を用いて作図を行い、作図結果をアプリケーション・ソフトウェア１４４に渡す。ＣＡＤエンジン１４６は、望ましくはサーバにおいて同時に複数のインスタンスを稼動することができ、例えば、システム総研のＧｂａｓｅが用いられる。
【００３６】
図１に戻り、部品図データベース１５０は、商品情報提供者端末１１０により提供された作図用部品図を記憶する。
【００３７】
商品情報提供者端末１１０、データベースサーバ１２０、並びにウェブ及びアプリケーションサーバ１４０は、それぞれネットワーク１６０に接続されている。他の態様として、商品情報提供者端末１１０、データベースサーバ１２０、並びにウェブ及びアプリケーションサーバ１４０がネットワーク１６０から独立した企業内ネットワーク（図示せず）により接続され、当該企業内ネットワークがネットワーク１６０に接続されていてもよい。
【００３８】
ネットワーク１６０は、好ましくはインターネットであり、ローカル・エリア・ネットワーク（ＬＡＮ）やワイド・エリア・ネットワーク（ＷＡＮ）でもよい。
【００３９】
営業端末１７０は、システムキッチンの営業担当者が作図の要求を行うための端末である。営業端末１７０は、例えばウェブブラウザが搭載されたパーソナル・コンピュータ（ＰＣ）である。営業端末は、後述するようにウェブ及びアプリケーションサーバ１４０に対して消費者端末１８０と異なるアクセス権限を有する。
【００４０】
消費者端末１８０は、システムキッチンを購入しようとする消費者が作図の要求を行うための端末である。消費者端末１８０は、例えばウェブブラウザが搭載されたＰＣである。
【００４１】
図３に本発明による自動作図システムのデータ・フロー・ダイアグラム３００を示す。また、表１及び表２に、図３のデータ・フロー・ダイアグラム３００に用いられる外部エンティティ及びデータストアの説明をそれぞれ示す。
【００４２】
【表１】
外部エンティティ
【表２】
データ・ストア
図３、表１及び表２を用いて本発明による自動作図方法を、システムキッチンの作図を例に説明する。
【００４５】
情報及び条件の入力
まず、商品情報提供者は、作図情報、部品データ及び価格データ等の作図及び見積もりに必要な情報を商品情報提供者端末１１０において予め入力する。入力された作図情報及び価格データは部品配置情報及び見積り情報データベース１３０に記憶され、入力された部品データは部品図データベース１５０に記憶される。
【００４６】
次に、商品（例えば、システムキッチン）の購入を考える一般消費者（ユーザ）が消費者端末１８０からウェブページに希望するシステムキッチンの構成条件を入力する（図示せず）。より詳細には、システムキッチンの形状（例えば、Ｉ型、Ｌ型等）や、間口のサイズ、食器洗い乾燥機の要・不要、調理機器の種類、引き出し式収納の有無、レンジフードの種類、カウンターの色柄、扉の色柄等、ウェブページにおいて予め用意された選択肢からユーザが希望するものを選択する。
【００４７】
図面の作成
ユーザにより構成条件が入力されると、図面の作成が開始される。アプリケーション・ソフトウェア１４４は、消費者端末から入力された構成情報（Ｄ−４）に基づいて必要な部品を選択し、選択された部品の作図情報（Ｄ−１）及び部品データ（Ｄ−２）を見積り情報データベース１３０及び部品図データベース１５０からそれぞれ読み込み、これらの情報をＣＡＤエンジン１４６に渡す。ＣＡＤエンジン１４６は、構成情報（Ｄ−４）、作図情報（Ｄ−１）及び部品データ（Ｄ−２）からパース図を描く。ＣＡＤエンジン１４６により描かれたパース図はファイルとして保存されず、そのイメージがメモリ上のオブジェクトとして出力される。
【００４８】
図４に本発明による自動作図システムにおける作図部分の詳細なデータ・フロー・ダイアグラム４００を示す。ＣＡＤエンジン１４６は、構成情報（Ｄ−１−４）、作図情報（Ｄ−１−３）及びパース図作成のための３次元部品データである作図用部品図（３Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−２）から図面オブジェクト（Ｄ−１−４）をメモリ上に生成する。より具体的には、ＣＡＤエンジン１４６は、まず、構成情報（Ｄ−１−４）、作図情報（Ｄ−１−３）及び作図用部品図（３Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−２）から指定された座標に部品を読み込んで配置する。配置するためのデータは予めパターンとして用意してもよく、ユーザが配置するためのデータを入力してもよい。次に、作図情報を用いて、配置された部品に対して、サイズ・縮尺等を設定し、図枠ファイルを読み込んで描画し、指定された２点間に寸法線を描画し、寸法線の属性を設定する等の操作を行う。さらに、後述するウェブページへの出力のために、ＣＡＤエンジン１４６はビットマップ・オブジェクトを作成し、ＪＰＥＧ（Ｊｏｉｎｔ Ｐｈｏｔｏｇｒａｐｈ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）イメージ（Ｄ−１−６）を得る。なお、作成された図面をファイルとして出力したい場合は、ＣＡＤエンジン１４６は図面ファイルを作成し、ＤＸＦ（Ｄｒａｗｉｎｇ Ｉｎｔｅｒｃｈａｎｇｅ Ｆｏｒｍａｔ）、ＤＷＧ、ＪＷＣファイル形式の図面（Ｄ−１−５）を得る。また、パース図でなく一般図を作成したい場合には、作図用部品図（３Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−２）に代えて、一般図作成のための２次元部品データである作図用部品図（２Ｄ−ＤＸＦ）（Ｄ−１−１）を用いる。
【００４９】
アプリケーション・ソフトウェア１４４の構造及び動作を図５を用いて詳細に示す。図５において、アプリケーション・ソフトウェア１４４は、自動作図コントローラと作図指示プログラムを含む。自動作図コントローラは、ウェブページを介してユーザからの条件設定を受け取り、作図指示プログラムを呼び出す。作図指示プログラムは、各作図データクラスに値をセットし、作図メソッドを呼び出し、ＣＡＤエンジンに作図を行わせる。作図完了後、自動作図コントローラは作図されたイメージを拡大縮小・線分補完（アンチエイリアシング）などのＷｅｂでの表示に最適化するための処理を行い、ウェブページへストリームデータとして返す。ファイルとして返す場合は作図した図面からＰＤＦファイル、ＴＩＦＦ（Ｔａｇｇｅｄ Ｉｍａｇｅ Ｆｉｌｅ Ｆｏｒｍａｔ） ファイル、ＤＸＦファイルなどのフォーマットのファイルを作成し、ウェブページへ返す。
【００５０】
図５において、商品の特性によって異なる作図指示プログラムを自動作図コントローラから独立させたプログラムとすることにより、汎用的な自動作図アプリケーションを構成することができる。自動作図アプリケーションは、作図のためのデータクラス定義、作図のためのプロパティとメソッド、ＣＡＤエンジン、ウェブサーバとのインターフェースを含む。
【００５１】
見積の作成
図３に戻り、図面の作成と並行して、ユーザにより構成条件が入力されると見積の作成が開始される。アプリケーション・ソフトウェア１４４は、消費者端末から入力された構成情報（Ｄ−４）に基づいて必要な部品を選択し、選択された部品の価格データ（Ｄ−３）を見積り情報データベース１３０から読み込み、選択された部品の価格を合計する等、システムキッチン全体の価格を算出して、見積情報を作成する。見積情報は、システムキッチン全体の価格のみの情報であってもよく、構成部品ごとの内訳価格を含んでもよい。
【００５２】
ウェブページへの出力
アプリケーション・ソフトウェア１４４は、ＣＡＤエンジン１４６により描かれたパース図のイメージ（Ｄ−５）及びアプリケーション・ソフトウェア１４４により算出された見積情報（Ｄ−６）を含む見積書のウェブページをＨＴＭＬ（ＨｙｐｅｒＴｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）又はＸＭＬ（ｅＸｔｅｎｓｉｂｌｅ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）により作成する。この際、ウェブサーバ１４２は、パース図のイメージ（Ｄ−５）を直接メモリからストリーミングで消費者端末１８０のウェブブラウザに送信する。なお、パース図の描画を高速に行う必要がない場合や、ユーザにおいてパース図を保存しておきたい場合等は、パース図のイメージをＪＰＥＧファイルやＤＸＦファイルで送信してもよく、見積書全体を保存できるように送信したい場合はＰＤＦ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ Ｄｏｃｕｍｅｎｔ Ｆｏｒｍａｔ）ファイル形式に変換して送信してもよく、見積書全体をファクシミリに出力する場合はＴＩＦＦファイル形式に変換して送信してもよい。見積書は、その見積書を特定するユニークな識別番号とともに保存され、営業端末１７０（図１参照）において呼び出すことができることが望ましい。この際、セキュリティの観点から、営業端末においては他人の見積書にアクセスすることができるが消費者端末においては他人の見積書をアクセスすることができないように、営業端末のユーザ権限と消費者端末のユーザ権限を異なるものとしておくことが望ましい。
【００５３】
図６乃至図８に、ウェブページへの出力の例を示す。図６はカラーペイントされたパース図の表示例であり（図面においてはモノクロで表示）、作図に３６８７ｍｓの時間を要したことを示している。図７は陰線処理されたパース図の表示例であり、作図に６３５９ｍｓの時間を要したことを示している。図８はワイヤフレーム処理されたパース図の表示例であり、作図に２４２２ｍｓの時間を要したことを示している。
【００５４】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実現することができる。また、本発明は、コンピュータ・システム上でこれらの方法を実行することができるコンピュータ・プログラム・プロダクトに組み込むこともできる。なお、本明細書において、「コンピュータ・プログラム・プロダクト」とは、コンピュータ・プログラムが記録された記録媒体、コンピュータ・プログラムが読み込まれたコンピュータ・システム、プログラムが読み込まれたインターネットシステム、プログラム自体、その他プログラムを利用した製品を意味するものとする。
【００５５】
【発明の効果】
本発明によれば、高速に作図することができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５６】
本発明の他の態様によれば、中間ファイルを作成することなく作図することができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５７】
本発明のさらに他の態様によれば、パース図を高速に作成するとともに図面のファイルもあわせて提供することができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５８】
本発明のさらに他の態様によれば、ユーザの要求に応じてその都度ダイナミックに作図を行うことができるシステム及び方法を提供することができる。
【００５９】
本発明のさらに他の態様によれば、汎用的な自動作図アプリケーションソフトウェアを提供することができる。
【００６０】
本発明のさらに他の態様によれば、商品に応じた自動作図アプリケーションを容易に開発できる方法を提供することができる。
【００６１】
本発明のさらに他の態様によれば、商品や部品の変更を容易に適用することができる自動作図アプリケーションを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による自動作図システムの構成の概略を示す図である。
【図２】ウェブ及びアプリケーションサーバの構成を示す図である。
【図３】本発明による自動作図システムのデータ・フロー・ダイアグラムである。
【図４】本発明による自動作図システムにおける作図部分の詳細なデータ・フロー・ダイアグラムである。
【図５】本発明によるアプリケーション・ソフトウェア１４４の構造及び動作を示す図である。
【図６】本発明によるカラーペイントされたパース図の表示例である（モノクロで表示）。
【図７】本発明による陰線処理されたパース図の表示例である。
【図８】本発明によるワイヤフレーム処理されたパース図の表示例である。
【符号の説明】
１００ 自動作図システム
１１０ 商品情報提供者端末
１２０ データベースサーバ
１３０ 部品配置情報及び見積り情報データベース
１４０ ウェブ及びアプリケーションサーバ
１５０ 部品図データベース
１６０ ネットワーク
１７０ 営業端末
１８０ 消費者端末
Claims (13)
- 複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するためのシステムであって、
部品を図面上に配置するための部品配置情報と部品の価格を算出するための見積り情報と、部品の図面を描くための作図用部品図とを入力するための商品情報提供者端末と、
前記商品情報提供者端末から入力された部品配置情報及び見積り情報を記憶するための部品配置情報及び見積り情報データベースと、
前記商品情報提供者端末から入力された作図用部品図を記憶するための部品図データベースと、
前記部品配置情報及び見積り情報データベースに記憶された部品配置情報及び見積り情報を送信するためのデータベースサーバと、
図面を作成するための要求及び条件を受け取り、図面を作成するためのウェブ及びアプリケーションサーバとを含み、
前記ウェブ及びアプリケーションサーバが、受け取った条件に対応する部品配置情報を前記データベースサーバから受信し、該受信した部品配置情報と部品図データベースに記憶された作図用部品図とから部品が組み合わされたシステムの図面を作成する、
作図システム。 - 揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成するための方法であって、
部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、
受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、
前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、
システム図面作成方法。 - 前記ビットマップ・オブジェクトを送信することが、ビットマップ・オブジェクトをストリーミングで送信することを含む、
請求項２に記載のシステム図面作成方法。 - 前記部品配置情報と前記部品図データとが、互いに独立したデータである、
請求項２に記載のシステム図面作成方法。 - 前記部品配置情報が、部品の座標、図面のサイズ、図面の縮尺、図枠及び寸法線を含む、請求項２に記載のシステム図面作成方法。
- さらにシステムの図面情報を図面ファイルとして作成する、
請求項２に記載のシステム図面作成方法。 - 前記システムの図面情報がパース図である、
請求項２に記載のシステム図面作成方法。 - 揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの見積書を作成するための方法であって、
部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、
受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、
受信した部品配置情報及び価格データに基づいてシステムの見積り情報を生成し、
前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するとともに前記システムの見積り情報を送信する、
見積書作成方法。 - さらに、生成された見積り情報を当該見積り情報を特定する識別番号とともに記憶し、それによって見積書の呼び出しを可能とする、
請求項８に記載の見積書作成方法。 - 揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの図面であって、
部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、
受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、
前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信する、
ことにより作成されたシステム図面。 - 揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの見積書であって、
部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信し、
受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成し、
受信した部品配置情報及び価格データに基づいてシステムの見積り情報を生成し、
前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するとともに前記システムの見積り情報を送信する、
ことにより作成された見積書。 - 揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータに、各部品の図面を有する部品図データに基づいて複数の部品が組み合わされたシステムの図面を作成させるためのコンピュータ・プログラム・プロダクトであって、
部品を図面上に配置するための部品配置情報を受信するコンピュータ実行ステップと、
受信した部品配置情報及び部品図データに基づいてシステムの図面情報を揮発性メモリ上にビットマップ・オブジェクトとして生成するコンピュータ実行ステップと、
前記揮発性メモリ上に生成されたビットマップ・オブジェクトを送信するコンピュータ実行ステップと、
を含む、コンピュータ・プログラム・プロダクト。 - 揮発性メモリとプロセッサを有するコンピュータにおいて、各部品の図面を有する部品図データ及び各部品の価格情報を有する価格データに基づいて作成された、複数の部品が組み合わされたシステムの見積書を端末装置に表示させるためのデータ構造であって、
部品を図面上に配置するための部品配置情報及び部品図データに基づいてビットマップ・オブジェクトとして生成された、システムの図面情報と、
前記部品配置情報及び前記価格データに基づいて生成された、システムの見積り情報とを含む、
データ構造。
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