JP2004333707A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確なトナー濃度検出を実施できるようにした画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、現像器4y,4c,4mにトナーを補給するトナー補給スクリュー作動手段26と、第1の作動タイミングにて、中間転写体5aに形成したテストパッチTPに基づくトナー濃度に基づいて前記作動手段26を作動制御する第1の濃度補正手段16と、第2の作動タイミングにて、現像器4y,4c,4m側で検出したトナー濃度を第1の濃度補正手段16にフィードバックする第2の濃度補正手段17とを備える。更に、第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御する濃度補正タイミング判断手段24を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】画像形成装置は、現像器4y,4c,4mにトナーを補給するトナー補給スクリュー作動手段26と、第1の作動タイミングにて、中間転写体5aに形成したテストパッチTPに基づくトナー濃度に基づいて前記作動手段26を作動制御する第1の濃度補正手段16と、第2の作動タイミングにて、現像器4y,4c,4m側で検出したトナー濃度を第1の濃度補正手段16にフィードバックする第2の濃度補正手段17とを備える。更に、第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御する濃度補正タイミング判断手段24を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは中間転写体を備えた画像形成装置における現像剤の濃度調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置、例えば電子写真装置を用いて電子写真による画像形成を行なう場合、記録材上に転写されるトナー量に基づいて行なわなければならない制御がいくつかある。電子写真装置による画像形成において、形成する画像の色見(色味)を一定に保つためには、現像器内に収容された現像剤に含有するトナーとキャリアの濃度比を一定に保つことが必要である。その実現のため、画像形成を行なった際に消費された分のトナーを、定期的に現像器へと補給して行く必要がある。
【0003】
従来技術においては、現像器内に光センサを設置し、現像器内でのトナー表面からの反射光を検知することに基づいて、現像剤中のトナーとキャリアの濃度比(以下、「トナー濃度」とも言う)を判断し、この判断に基づいてトナー補給を実施する濃度調整方法(第1従来例)があった。
【0004】
また、感光体上、あるいは転写体上にテストパッチを形成し、このテストパッチに対向する位置に光センサを設置して、テストパッチからの反射光を検知することで現像剤のトナー濃度を判断し、この判断に基づいてトナー補給を実施する濃度調整方法(第2従来例)があった。あるいは、テストパッチを形成することによる画像濃度制御以外の方法として、現像器スリーブ面でのトナー濃度を反射型センサで読み取ることで現像器内のトナー濃度を予測し、この予測に基づいて制御を行なう濃度調整方法(第3従来例)もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の濃度調整方法は、以下のような解決すべき課題を有していた。
【0006】
(第1従来例の濃度調整方法)
第1従来例の濃度調整方法では、現像器内における現像剤中のトナー濃度の検知用として現像器内に光センサを設けているため、現像器内で飛散した粉末状のトナーが光センサ表面を汚してしまうことがあった。このため、装置を長期間に亘って使用していると、現像器内でのトナー濃度の検知を正確に行なうことが困難になる。
【0007】
(第2従来例の濃度調整方法)
第2従来例の濃度調整方法では、光センサによる濃度検知用のテストパッチを転写体上に形成することで現像器内のトナー濃度を検知しようとするので、画像形成の合間にテストパッチを形成する等の処理が必要になる。これにより、装置のプリントスピードが遅くなり、生産性が低下する等の虞がある。つまり、テストパッチの形成を頻繁に行なうことができれば一定のトナー濃度の確保が実現容易となるが、逆に、テストパッチの形成を頻繁に行なえば画像形成に要する時間が次第に長くなってしまう。また、テストパッチ形成そのもので消費するトナー量のフィードバック方法も問題となる。
【0008】
(第3従来例の濃度調整方法)
第3従来例の濃度調整方法では、現像器スリーブ面でのトナー濃度に基づいて現像器内のトナー濃度を予測するため、この予測に基づく制御が必ずしも正確であるとは言い難かった。
【0009】
上述したように各濃度調整方法にはそれぞれ一長一短があるため、それぞれに有する問題点に鑑み、例えば、テストパッチに基づくトナー濃度検出と、現像器スリーブ面でのトナー濃度検出とを組み合わせて、検出精度を高める制御が考えられる。しかしこのような制御では、テストパッチが比較的高い濃度の画像として形成されるため、一時的ではあるが、テストパッチ形成直後は、テストパッチの例えば主走査位置に対応する部分の現像スリーブ上のトナー濃度が若干低下することになる。この状態で現像器スリーブ面でのトナー濃度検知が行なわれると、検出されるトナー濃度が実際の値よりも小さい値となるなど、正確な濃度調整を損なう虞がある。
【0010】
そこで、このような問題を解決するために、感光ドラムやトナーの製造工程において精度を高めるか、あるいは、検査工程において感度ムラの大きなものを不合格とすることで、感度を均一にするという対策も考えられる。しかし、その実施は大幅なコストアップを招来することとなり、有効な対策とはいえない。
【0011】
本発明は、2つの異なる濃度調整方法を採用したものでありながら、双方による濃度検出が影響し合って正確な濃度検出を損なうような状況の発生を確実に回避できるように構成した画像形成装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、画像信号に基づき像担持体に形成された静電潜像を、トナー及びキャリアを含有する現像剤を現像手段から前記像担持体に付与することにより現像し、該現像によるトナー像を中間転写体を介して記録媒体に転写するように構成した画像形成装置において、前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、第1の作動タイミングにて、前記中間転写体に前記トナーによるテストパッチを形成し、かつ該テストパッチに基づき検出したトナー濃度に基づいて前記トナー補給手段を作動制御する第1の濃度補正手段と、第2の作動タイミングにて、前記現像手段側でトナー濃度を検出し、該検出したトナー濃度を前記第1の濃度補正手段にフィードバックする第2の濃度補正手段と、前記第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御する遅延手段と、を備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態における、画像形成装置の一例であるカラー画像形成装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態におけるカラー画像形成装置の概略断面図である。カラー画像形成装置は、図1に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部(以下、単に「リーダ部」と言う)201を有すると共に、下部にデジタルカラー画像プリンタ部(以下、単に「プリンタ部」と言う)202を有し、これらリーダ部201とプリンタ部202との間に画像処理部203を有している。
【0015】
リーダ部201では、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像を、レッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)のRGB3色分解フィルタと一体形成されたフルカラーセンサ34にレンズ33を介して集光し、これにより、カラー色分解画像アナログ信号を得る。このカラー色分解画像アナログ信号は、増幅回路を経てデジタル化され、更に画像処理部203にて処理を施され、画像信号としてプリンタ部202に送信される。
【0016】
プリンタ部202では、像担持体の一例である感光ドラム1が矢印a方向に回転自在に支持されている。この感光ドラム1の周囲には、前露光ランプ11と、コロナ帯電器2と、レーザ露光光学系3と、電位センサ12と、現像手段の一例である回転現像装置4と、現像装置4Bkと、無端状ベルトで構成された中間転写体5aと、中間転写体5aに対向する所定位置に配置された中間転写体反射光量センサ(以下、単に「反射光量センサ」とも言う)13と、クリーニング器6とが配置されている。なお、図1中の符号1hpは感光ドラムホームポジションセンサ、5hpは中間転写体ホームポジションセンサである。
【0017】
回転現像装置4は、現像回転体200にその周方向に等角度間隔となるように搭載された現像器4y,4c,4mを有している。これら現像器4y,4c,4mは、現像回転体200の矢印b方向の回転に伴って回転移動して感光ドラム1に順次対向し、感光ドラム1上に形成されている静電潜像を現像(可視化)し、それぞれにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のトナー像を形成する。回転現像装置4は、不図示の現像ロータリーモータの回転により、各分解色に応じて、現像器4y,4c,4mを択一的に感光ドラム1に接近させるように構成される。本実施形態で用いる現像剤は、非磁性トナーと磁性キャリアとを混合することにより構成されている。
【0018】
レーザ露光光学系3において、リーダ部201から送信された画像信号は、不図示のレーザ出力部にて光信号に変換され、この変換された光信号(レーザ光)がポリゴンミラー3aで反射された後、レンズ3b及びミラー3cを通って感光ドラム1の表面に投影される。
【0019】
プリンタ部202は、画像形成に際して、感光ドラム1を矢印a方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後の感光ドラム1を帯電器2により一様に帯電させた後、各分解色ごとに、上記画像信号による光像Eが照射されて静電潜像(以下、単に「潜像」とも言う)を形成する。
【0020】
そして、回転現像装置4や現像装置4Bkを動作させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に、樹脂を基体としたトナー画像(トナー像)を形成する。
【0021】
感光ドラム1上に現像されたトナー画像は、不図示の1次転写帯電器によって印加された高電圧に基づいて、中間転写体5aに転写される。本実施形態では、記録媒体の一例であるシート状の記録材が、中間転写体5aの全周の1/2以下のサイズ(例えば250mm)の場合に、2枚の記録材に対応する中間転写体5a上の領域に対して同時に画像形成することが可能である。この2枚の記録材に対応する画像を中間転写体5a上に同時に画像形成する場合を以下「2枚貼り制御」と言い、また中間転写体5a上に1枚の記録材に対応する画像を形成して画像形成を行う場合を以下「1枚貼り制御」と言う。
【0022】
ここで、中間転写体5a上に「1枚貼り制御」で画像形成を行なった際の形態を、図8(a)に示す。また、中間転写体5a上に「2枚貼り制御」で画像形成を行なった際の形態を、図8(b)に示す。
【0023】
図8(a)に示すように、図中の左右方向に並ぶように配置された回転現像装置4及び感光ドラム1に対して所定の位置関係となるように、中間転写体5aが配置されている。この中間転写体5aは、全体的に図中の右上がりになる略々矩形状の四隅に位置するように設けられたローラ15a、15b、15c、15dに巻回された無端状のベルトから構成される。
【0024】
ローラ15bは、記録材Pの搬送路中に配置された2次転写ローラ5cに対向する位置に設置されている。図8(a)において、「1枚貼り制御」で形成されるトナー画像は、中間転写体5a上の定点PTAを先頭として記録材PAに対して作像される。これは、中間転写体5aの回転方向での記録材Pのサイズが変わった場合であっても、定点PTAを先端として作像できるようにするためである。
【0025】
これに対し「2枚貼り制御」で形成される場合には、図8(b)に示すように、1枚目の記録材PAに対応するトナー画像が、上記1枚貼りの場合と同様に定点PTAを先端とするように吸着される。そして、2枚目の記録材PBに対応するトナー画像が、定点PTAに対して中間転写体の180度対向点に位置する定点PTBを先端とするように作像される。なお、「2枚貼り制御」の場合も、「1枚貼り制御」の場合と同様、記録材サイズが変わった場合であっても、定点PTA,PTBをそれぞれ先端とするように作像される。
【0026】
以下、トナー画像の先端が定点PTAを先頭となるように作像(吸着)する制御を「A面作像」または「A面貼り制御」と呼び、定点PTBを先端となるように作像(吸着)する制御を「B面作像」または「B面貼り制御」と呼ぶことにする。
【0027】
ベルト状の転写装置である中間転写体5aを回転させるに従って、感光ドラム1上のトナー像は、不図示の1次転写帯電器により中間転写体5a上に転写される。このように、中間転写体5a上には所望数の各色画像が順次転写されて、フルカラー画像が形成される。フルカラー画像形成の場合、このようにして4色のトナー像の中間転写体5aへの転写が終了した後、給紙カセットから搬送された記録材Pを2次転写ローラ5cの位置へと搬送し、記録材Pに対する2次転写を行う。そして、4色のトナー画像の2次転写が終了した記録材Pは、2次転写ローラ5cを通過した後、熱ローラ定着器9を介して不図示のソータに排出される。
【0028】
なお、感光ドラム1は、1次転写の終了後、表面の残留トナーがドラムクリーニング器7(図1参照)によって清掃された後、再度、画像形成工程に供される。他方、2次転写終了後の中間転写体5aは、表面の残留トナーをクリーニング器6(図1参照)によって清掃された後、再度、画像形成工程に供される。
【0029】
ここで、上記熱ローラ定着器9に関して詳細に説明する。即ち熱ローラ定着器9は、図1に示すように、カラー画像形成装置の装置本体内における記録材排出側に配置されるもので、定着上ローラ9a、定着下ローラ9b、定着ウェッブ9c、及び記録材搬送部9gを有している。熱ローラ定着器9は、定着ローラ9a,9bの熱エネルギーによって記録材上のトナーを溶融すると共に、定着ローラ9a,9b間の圧力によって、溶融したトナーを記録材に定着させる。なお、定着上ローラ9a、定着下ローラ9bの各表面は、その略中心部に組み込まれた定着上ヒータ9e及び定着下ヒータ9fと、それぞれのローラ表面温度を検知する定着上及び定着下のサーミスタ781(図3参照)とにより、独立に最適な表面温度となるように制御される。
【0030】
定着ウェッブ9cは、定着上ローラ9a上の汚れ、あるいはオフセットしたトナーを除去すべく、必要時に定着上ローラ9aに当接する。この当接時、定着ウェッブ9cは、内蔵する巻き取り装置(図示せず)の作動により、その新しい面を定着上ローラ9aに当接させてクリーニング性能を向上させる機能も有している。
【0031】
また熱ローラ定着器9は、不図示の定着駆動モータにより、定着ローラ9a,9bと記録材搬送部9gとを駆動する。定着駆動モータは、定着駆動モータドライバ761(図3参照)により駆動される。本実施の形態例は、記録材の種類による定着性の差異をなくすため、4種類の記録材に対応した定着スピードを実現できるように構成されている。
【0032】
具体的な感光ドラム1の画像形成時の周速をVP(以下、「プロセススピード」と言う)とすると、普通紙定着スピードVFN=VPであり、両面2面目用の定着スピードVFDはVFNより小さく、厚紙用定着スピードVFTはVFDより小さく、OHP用定着スピードVFOはVFTより小さい。したがって、下記の関係、
VP=VFN>VFD>VFT>VFO
が成立し、定着駆動モータドライバ761(図3参照)は、この4種類の定着スピードを実現できるように構成されている。
【0033】
なお、記録材搬送部9gの搬送スピードは、定着上ローラ9a及び定着下ローラ9bの周速と同一になるように設定されている。また、両面2面用の定着スピードVFDは、2色以上のトナーを定着させる両面2面目用に使用され、両面2面目でも1色のトナーしか定着させない単色モードでは使用せず、この場合は普通紙定着スピードVFNで定着動作を行う。
【0034】
ところで、記録材Pの両面に画像を形成する場合には、一方の面に画像を形成した記録材を定着器9から排出した後、搬送パス切り替えガイド19を直ちに駆動し、その記録材を搬送縦パス20を経由させ、反転パス21aに一旦導く。そして、反転ローラ21bを逆転させることにより、記録材の、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させて、両面パス22に収納する。その後、上述した画像形成工程によって再度、もう一方の面に画像を形成する。このように記録材の表裏両面に画像を形成する場合、その記録材の最初に画像が形成される第1の面を「両面1面目」、次に画像が形成される第2の面を「両面2面目」という。
【0035】
また本実施の形態では、2次転写ローラ5cに対応して配置した偏心カム25を所望のタイミングで動作させて、2次転写ローラ5cと一体化しているカムフォロア(図示せず)を作動させることにより、2次転写ローラ5cと中間転写体5aとのギャップを任意に設定できるように構成されている。例えば、スタンバイ中または電源オフ時には、偏心カム25の動作により2次転写ローラ5cを中間転写体5aから離間させる。
【0036】
本実施形態のカラー画像形成装置において、感光ドラム1へのトナー付与後に、トナー吸着状態で回転移動する現像器4y,4c,4mが順次停止する所定位置には、各現像器に備えた現像スリーブ(現像器スリーブ)sに近接して対向できるように非接触光ATR(Auto Toner Replenishment)センサ8が配置されている。また、中間転写体5aに対向する所定位置には、中間転写体反射光量センサ13が設置されている。
【0037】
またカラー画像形成装置は、図1に示すように、濃度制御手段14を有している。この濃度制御手段14は、図2に示すように、第1の濃度補正手段16、第2の濃度補正手段17、第1の濃度補正実行カウンタ18、第2の濃度補正実行カウンタ23、及び、遅延手段の一例である濃度補正タイミング判断手段24を有している。
【0038】
第1の濃度補正手段16は、第1の濃度補正実行カウンタ18によるカウント値が所定の値(例えば20)に至った際の作動タイミングにて、中間転写体5a上にテストパッチTPを各色毎に画像形成すると共に、反射光量センサ13に基づくテストパッチ濃度のサンプリングを、各色のテストパッチTP毎に実行する。第1の濃度補正手段16は更に、このサンプリングで得た各色のトナー濃度と、予め設定された各色の目標トナー濃度との比較に基づいて、トナー補給手段の一例である後述のトナー補給スクリュー作動手段26を適時制御する。該スクリュー作動手段26は、各色毎に用意されている。
【0039】
即ち第1の濃度補正手段16は、上記比較の結果、テストパッチTPの濃度が目標トナー濃度よりも高い場合に、その色に対応するトナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を減少させ、現像剤中のキャリアに対するトナー濃度を低下させるようにスクリュー(図示せず)の駆動量を制御する。また第1の濃度補正手段16は、テストパッチTPのトナー濃度が目標トナー濃度よりも低い場合に、その色に対応するトナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を増加させ、現像剤中のトナー濃度が高くなるようにスクリュー(図示せず)の駆動量を制御する。
【0040】
第1の濃度補正実行カウンタ18は、順次送られる記録材Pに対する転写ごと(画像形成ごと)にカウントアップされる。このカウント値が所定値(例えば20)になるごとに、第1の濃度補正手段16によるテストパッチ形成及びそのサンプリングが実行されることになる。
【0041】
第2の濃度補正手段17は、第2の濃度補正実行カウンタ23によるカウント値が所定の値(例えば100)に至った際の作動タイミングにて、非接触光ATRセンサ8に対向する位置に停止した現像器4y,4c,4mに対する該ATRセンサ8に基づく現像スリーブトナー濃度のサンプリングを実行し、更に、該サンプリングで得たトナー濃度を第1の濃度補正手段16にフィードバックする。
【0042】
第2の濃度補正実行カウンタ23は、第1の濃度補正実行カウンタ18と同様に、順次送られる記録材Pに対する転写ごと(画像形成ごと)にカウントアップされる。
【0043】
濃度補正タイミング判断手段24は、第1の濃度補正実行カウンタ18及び第2の濃度補正実行カウンタ23の双方が同時に画像補正動作間隔を超えたとき、即ち双方の作動タイミングが重なると判断したとき、第2の濃度補正実行カウンタ23のカウント値を1つ減算する。これにより、第2の濃度補正手段17による非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングの作動タイミングを遅らせて、第1の濃度補正手段16の制御と重ならないようにする。
【0044】
次に、本実施形態におけるカラー画像形成装置の全体的な制御系に関して説明する。図3は、この制御系の一例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すように、本カラー画像形成装置の制御系は、制御上大きく2つのブロックに分けられる。1つは、主に、リーダ部201及び画像処理部203の制御を行うリーダコントローラ700であり、他の1つは、プリンタ部202の制御を行うプリンタコントローラ701である。
【0046】
リーダコントローラ700には、走査ミラー32a,32b,32cと露光ランプ32を移動させる不図示の光学モータを駆動するための光学モータドライバ702と、原稿を自動的に交換する自動原稿送り装置RDF400を制御するためのRDFコントローラ703と、画像読み取りのためのCCDの制御を行うCCDドライバ704と、リーダコントローラ700の制御プログラムが格納されたROM705と、制御値等のデータを格納しておくRAM706と、露光ランプ32等の負荷を駆動するためのI/O707とが接続されている。上記RAM706は、電源を切断した場合でもデータを保持できるように、不図示の電池を用いてバッテリバックアップがなされている。また、リーダコントローラ700に接続された画像処理部203には、外部I/F処理部720が接続されている。
【0047】
一方、プリンタコントローラ701には、該コントローラ701の制御プログラムを格納するROM750と、制御値等のデータを格納しておくRAM751と、電位センサ12等からのアナログ信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ752と、アナログ設定値を高圧制御部770等に出力するD/Aコンバータ753と、モータ及びクラッチ等の負荷を駆動するI/O754とが接続されている。プリンタコントローラ701には更に、ソータコントローラ708と、レーザドライバ110とが接続されている。上記ソータコントローラ708は、プリンタコントローラ701と通信を行い、外部I/F処理部720に接続された操作部714で設定されたノンソートモードやソートモードやグループモードの積載形態指示に従って積載制御や、同じくステイプル指示に応じたステイプル制御等を行う。
【0048】
また、上記A/Dコンバータ752には、定着サーミスタ781、電位センサ12、温度センサ783、湿度センサ784、中間転写体5a上の濃度センサである光量検知センサ13、及び、非接触光ATRセンサ8が接続されている。また上記I/O754には、回転現像装置(現像器)4を回転させる回転モータ(図示せず)用のドライバ755と、感光ドラム1を回転させるドラムモータ(図示せず)用のドライバ756と、給紙モータ(図示せず)用のドライバ757と、2次転写ローラ(ロータリ)5cの中間転写体5aからの脱着用モータ(図示せず)のためのドライバ758と、中間転写体5a用のクリーニング器6の該中間転写体5aからの脱着用モータ(図示せず)のためのドライバ759と、定着駆動モータドライバ761とが接続されている。
【0049】
そして、画像処理部203には、前述した濃度制御手段14と、画像メモリ部730とが接続されている。この画像メモリ部730は、ページメモリ部731、メモリコントローラ部732、圧縮部733、及びハードディスク(HD)734を有している。
【0050】
図4は、本実施の形態における画像処理部203の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、画像処理部203は、カラー画像形成装置に備えたCCD(電荷結合素子)100に接続されたCCD読み取り部101を有している。このCCD読み取り部101は、前述したフルカラーセンサ34(図1参照)から入力されたアナログRGB信号をそれぞれ増幅するためのアンプ、アナログRGB信号を例えば8ビットのデジタル信号へ変換するためのA/Dコンバータ(図示せず)、及び、公知のシェーディング補正を行うためのシェーディング補正回路などを備えており、原稿画像のデジタルRGB画像信号を出力する。
【0051】
CCD読み取り部101にはシフトメモリ102が接続されており、シフトメモリ102は、画像処理コントロール部99からのシフト量制御信号に応じて、CCD読み取り部101から入力されたRGB画像信号の例えば色間、画素間のずれを補正する。
【0052】
シフトメモリ102には補色変換回路103が接続されており、補色変換回路103は、シフトメモリ102から入力されたRGB画像信号を、MCY画像信号へ変換する。即ち、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の画像信号(データ)を、記録する際のインク色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)に変換する。
【0053】
補色変換回路103は黒抽出回路104に接続されており、黒抽出回路104は、画像処理コントロール部99から入力された黒抽出信号(黒抽出量)に応じて、補色変換回路103から入力されたMCY(マゼンタ、シアン、イエロー)画像信号から画像の黒色領域を抽出し、抽出した黒色領域に対するBk(ブラック)画像信号を出力する。
【0054】
補色変換回路103にはUCR回路105が接続されており、UCR回路105は、黒抽出回路104から入力されたBk画像信号と画像処理コントロール部99から入力されたUCR量制御信号とに応じて、補色変換回路103から入力されたMCY画像信号に下色除去(UCR)処理を施す。UCRの量は、例えば、黒部に対してM,C,Yトナーを用い、入れ黒を入れない方向の0%から、M,C,Yトナーを全く入れない黒(Bk)トナー単色の100%まで設定される。黒抽出回路104及びUCR回路105は、抽出した黒色領域をMCY3色のトナーを重ねるのではなく、Bkトナーに置き換えて画像形成を行うことで色再現性の向上を図るものである。
【0055】
上記黒抽出回路104から出力されるBk画像信号は下式(1)によって決定される。
【0056】
【数1】
【0057】
なお、上記(1)式において、Aは黒抽出係数、C2,Y2,M2は補色変換回路103から出力されたMCY画像信号である。黒抽出係数Aは、画像処理コントロール部99(図4参照)から指定される黒抽出量の制御信号によって決定される。また、UCR回路105から出力されるMCY画像信号は、下式(2)によって決定される。
【0058】
【数2】
【0059】
なお、上記(2)式においてM2,C2,Y2は補色変換回路103から出力されたMCY画像信号、M1,C1,Y1はUCR回路105から出力されるMCY画像信号であり、係数B1,B2,B3,D1,D2,D3は画像処理コントロール部99からUCR量制御信号によって決定される。
【0060】
更に、UCR回路105にはマスキング回路106が接続されており、マスキング回路106は、使用するトナーの濁り成分の除去やCCDのRGBフィルタ特性の補正をするために、画像処理コントロール部99から入力されたマスキング係数制御信号に応じて、UCR回路105から入力されたMCY画像信号にマスキング処理を施す機能を有している。マスキング回路106から出力されるMCY画像信号は下式(3)によって表現される。
【0061】
【数3】
【0062】
なお、上記(3)式においてa11〜a33はマスキング係数、M1,C1,Y1はUCR回路105から出力されたMCY画像信号、M0,C0,Y0はマスキング回路106から出力されるMCY画像信号であり、マスキング係数a11〜a33は画像処理コントロール部99から指定されるマスキング係数制御信号によって決定される。
【0063】
マスキング回路106には画像メモリ部730が接続されており、画像メモリ部730は、図3に示したように、高速のページメモリ部731と、複数のページ画像データを蓄積可能な大容量のメモリであるハードディスク734とを有している。ハードディスク734に格納された複数の画像データは、操作部714(図3)で指定された編集モードに応じた順序で出力される。例えばソートの場合、リーダ部201から読み取った原稿束の画像を順に出力する。ハードディスク734から、一旦格納された原稿の画像データを読み出し、これを複数回繰り返して出力する。これにより、ビンが複数あるソータと同じ役割を果たすことができる。
【0064】
また、外部I/F処理部720(図3)から入力される、コンピュータからの画像データは、外部I/F処理部720で画像データとして処理されており、リーダ部201(図1参照)からの画像信号と同様に、一旦、画像メモリ部730で、ページメモリ部731、あるいはハードディスク734に格納される。
【0065】
また図4に示すように、画像メモリ部730にはセレクタ108が接続されており、セレクタ108は、画像処理コントロール部99から色選択端子(図示せず)へ入力された色選択信号に応じて、マスキング回路106と黒抽出回路104とから入力されたM、C、Y、Bkの各画像信号の中から1色の画像信号を選択し、その画像信号V1を出力する。
【0066】
セレクタ108にはプリンタ階調補正回路109が接続されており、プリンタ階調補正回路109は、プリンタ部202の出力特性を各色ごとリニアにするために、プリンタコントローラ701から入力されたプリンタ色選択信号に応じて、図6に一例を示したガンマ変換特性のM,C,Y,bkの何れかを選択して、画像信号に補正を施すために色選択端子S4へ設定する。
【0067】
プリンタ階調補正回路109は、前述のレーザ露光光学系3(図1参照)に含まれるレーザドライバ110に接続されている。レーザドライバ110は、プリンタ階調補正回路109から入力された画像信号V2に基づいて半導体レーザ(図示せず)を変調駆動することにより、感光ドラム1上に潜像を形成する。
【0068】
引き続き、図3に沿って、画像メモリ部730について説明する。即ち、画像メモリ部730では、DRAM等のメモリで構成されるページメモリ部731に、メモリコントローラ部732を介して、外部I/F処理部720、画像処理部203から画像データの書き込み、外部I/F処理部720、プリンタコントローラ701への画像読み出し、大容量の記憶装置であるハードディスク734への画像の入出力のアクセスなどを行う。
【0069】
メモリコントローラ部732は、ページメモリ部731のDRAMリフレッシュ信号の発生を行い、また外部I/F処理部720、画像処理部203、ハードディスク734からのページメモリ部731へのアクセスの調停を行う。更に、ページメモリ部731への書き込みアドレス、ページメモリ部731からの読み出しアドレス、読み出し方向などの制御を実行する。それにより、画像処理部203は、ページメモリ部731に複数の原稿画像を並べてレイアウトを行い、プリンタ部202(図1参照)に出力する機能や、画像の一部分のみ切り出して出力する機能や、画像回転を制御する。
【0070】
次に、図5に沿って、外部I/F処理部720の構成について説明する。外部I/F処理部720は、前述した様に、画像メモリ部730を介して、リーダ部201(図1参照)の画像データを取り込み、また画像メモリ部730を介して、外部I/F(図示せず)からの画像データをプリンタコントローラ701へ出力して画像形成を行う。
【0071】
図5に示すように、外部I/F処理部720は、コア部406と、コア部406に接続されたファクシミリ部401と、ファクシミリ部401に接続されたハードディスク402と、コア部406にそれぞれ接続されたコンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404及びイメージメモリ部405と、を有している。外部I/F処理部720には、画像メモリ部730を介して、リーダコントローラ700及びプリンタコントローラ701が接続されている。
【0072】
コア部406は、ファクシミリ部401、コンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404、イメージメモリ部405、画像メモリ部730間それぞれのデータ転送を制御管理する。これにより、外部I/F処理部720に複数の画像出力部があっても、画像メモリ部730への画像転送路が一つであっても、コア部406の管理のもと、排他制御、優先度制御等が行われて画像出力がなされる。
【0073】
ファクシミリ部401は、不図示のモデムを介して公衆回線と接続しており、公衆回線からのファクシミリ通信データの受信と、公衆回線へのファクシミリ通信データの送信を行う。このファクシミリ部401では、ファクシミリ機能である、指定された時間にファックス送信を行ったり、相手から指定パスワードの問い合わせで画像データを送信したりするなど、ハードディスク402にファクス用の画像を保存して処理を行う。これにより、一旦リーダ部201から画像メモリ部730を介してファクシミリ部401、ファクシミリ用のハードディスク402に画像が転送された後は、リーダ部201、画像メモリ部730をファクシミリ機能に使うことなしに、ファックス送信を行うことができる。また、上記ハードディスク402は、ファクシミリ部401の通信画像データを保存する機能を有している。
【0074】
コンピュータインターフェース部403は、外部コンピュータ10とのデータ通信を行うインターフェイス部であり、外部I/F処理部720を外部コンピュータ10に接続するもので、不図示のローカルエリアネットワーク(以下、「LAN」と言う)、シリアルI/F、SCSII/F、及び、プリンタのデータ入力用のセントロI/Fなどを有している。コンピュータインターフェース部403は、このI/Fを介して、プリンタ部202やリーダ部201の状態を外部コンピュータに通知し、コンピュータの指示でリーダ部201で読み取った画像を外部コンピュータへ転送し、あるいは、外部コンピュータからプリント画像データを受け取る。
【0075】
外部コンピュータ10からコンピュータインターフェース部403を介して通知されるプリントデータは専用のプリンタコードで記述されているため、フォーマッタ部404が、そのコードを画像メモリ部730を介してプリンタ部202で、画像形成を行うラスターイメージデータに変換する。
【0076】
フォーマッタ部404は、ラスターイメージデータの展開をイメージメモリ部405に行う。イメージメモリ部405は、このようにフォーマッタ部404がラスターイメージデータの展開するメモリとして使用したり、またリーダ部201で読み取った画像を、コンピュータインターフェース部403を介して外部コンピュータに送信したりする(画像スキャナー機能)場合に、画像メモリ部730から送られる画像データをイメージメモリ部405に一度展開し、外部コンピュータ10に送るデータの形式に変換してコンピュータインターフェース部403からデータを送出するような場合においても使用される。
【0077】
図7は、図3に示した操作部714を概略的に示すものである。同図に示すように、操作部714には、詳細なモード設定を容易にすべく設定モードに応じて表示内容が変わる、液晶等で構成される表示パネル369と、画像形成枚数の設定やモード設定の数値入力に使用するテンキー351と、設定された画像形成枚数や画像形成動作の停止を行うために使用するクリア/ストップキー352と、設定された画像形成枚数や動作モードや選択給紙段等のモードを規定値に戻すためのリセットキー353と、押下により画像形成動作を開始するためのスタートキー354と、が配置されている。
【0078】
本実施形態では、カーソルキー365〜368の操作によって表示パネル369内に表示されるカーソルを移動させ、OKキー364によって設定を決定させる。このような設定方法はタッチパネルで構成することも可能である。
【0079】
更に操作部714には、標準より厚い記録材に対する画像形成を行うときに設定する紙種設定キー371と、LED370と、両面モード設定キー375と、LED372〜374と、用紙選択キー303とが配置されている。本実施形態では、紙種設定キー371によって厚紙モードが設定されると、LED370が点灯するように制御される。また、厚紙モードの設定のみ可能であるが、必要に応じて、OHPやその他の特殊用紙用のモードの設定が可能となるように機能を拡張することもできる。
【0080】
両面モード設定キー375は、例えば、片面原稿から片面出力を行う「片−片モード」、片面原稿から両面出力を行う「片−両モード」、両面原稿から両面出力を行う「両−両モード」、両面原稿から2枚の片面出力を行う「両−片モード」の4種類の両面モードの設定を可能としている。LED372〜374は、設定された両面モードに応じて点灯し、「片−片モード」ではLED372〜374はすべて消灯し、「片−両モード」ではLED372のみが点灯、「両−両モード」ではLED373のみが点灯、「両−片モード」ではLED374のみが点灯するように制御される。
【0081】
(画像形成の具体例)
以下、具体例として、自動原稿送り装置RDF400(図1参照)を使用しない「片−片モード」で、厚紙モードの設定がされていない普通紙に対しての4色の画像形成動作について説明を行う。この場合、画像形成を行う記録材が普通紙であるため、定着駆動モータドライバ761(図3)に対してのスピード設定は感光ドラム1の画像形成スピード(プロセススピード)VPと同じVFNとなるように設定する。
【0082】
オペレータがテンキー351を操作して画像形成枚数を設定した後、用紙選択キー303で給紙段を選択し、スタートキー354で動作スタートを指示すると、プリンタコントローラ701(図3参照)は、画像形成に必要な駆動モータ、例えば、不図示の感光ドラム駆動モータ、定着駆動モータ、給紙駆動モータ、及びメイン駆動モータに対応する各ドライバ756、761、757等に駆動を指示する。
【0083】
次に、それらの駆動モータの駆動状態が安定化してから、指定された給紙段(図1に示す記録材カセット7a〜7dなど)から記録材Pの給紙動作を開始する。このとき、略同時にリーダ部201(図1参照)は、前述のシフト量、黒抽出量、UCR量、及びリーダ色選択信号等を画像処理部203の各ブロックに設定する。また、プリンタ階調補正回路109(図4)には、例えば図6に示すマゼンタ(M)の変換特性が選択される。
【0084】
中間転写体5a上での画像形成は、中間転写体5aの基準信号に合わせるようにして、画像処理部203からの各色に分解された画像データをプリンタ部202(図1参照)に送ることによって行う。指定給紙段から給紙された記録材Pは、レジストローラ50(図1参照)によって、中間転写体5a上の基準位置に対応がとれるタイミングで搬送され、2次転写ローラ5c上で、記録材P上の所定位置に画像が転写される。
【0085】
ついで、画像形成動作制御用の中間転写体(2次転写ローラ)基準信号に関して説明する。即ち、定点PTAが先頭になるように行う中間転写体5aへの作像において、各色トナー像の形成画像を合わせるために中間転写体5a上には、不図示のセンサとセンサ検出フラグとが配置されている。具体的な様子を図9に示す。つまり、潜像形成開始直後の感光ドラム1及び中間転写体5aにおいて、矢印で示すように潜像先端が記録材先端に対応する位置に転写時に重なるようにされている。
【0086】
図10は、潜像(レーザ)と中間転写体基準信号Aの相関関係を示すタイミングチャートである。図10には、中間転写体基準信号A、例えばシアンの画像データ、例えばシアンの潜像形成用レーザ、例えばシアンの1次転写動作が順次記載されている。
【0087】
同図に示すように、潜像形成開始タイミングよりも所定時間(Tprei)早く、記録材PA面制御用の中間転写体基準信号Aが立ち下がるように制御される。これと同様の信号が記録材PB面制御用にも用意されており、これを中間転写体基準信号B(以下「ITOP−B」)と呼ぶ。これら中間転写体基準信号A,Bは、中間転写体5aが回転移動している際に発生するように構成されている。また後述するように、定着スピードに対応する形で、感光ドラム回転用モータ(図示せず)も複数種類のスピードで駆動可能となるように構成されている。
【0088】
ついで、現像装置4におけるトナー濃度制御について説明する。即ち、イエロー用現像器4y、シアン用現像器4c、マゼンタ用現像器4m内にそれぞれ収納された各トナーは波長約960nmの近赤外光に対して反射する性質を有する。従って、この特性を利用し、中間転写体5a上に現像されたトナー像に対して近赤外光を照射し、光量検知センサ13で検知した中間転写体5a上の反射成分と、照射光源からの直接光とを比較する。
【0089】
そして、この比較に基づき、A/Dコンバータ752(図3参照)での変換を実行し、現像されたトナー像の濃度からトナー濃度を検知し、これに基づいて現像器内トナー濃度を算出する。黒トナーに関しては、トナー濃度信号に対応する量のトナーを不図示のホッパから現像装置(現像器)4Bkに補給する。イエロー、シアン、マゼンタのトナーに関しては、トナー濃度信号に対応するトナーを、図2に示したトナー補給スクリュー作動手段26によるスクリュー(図示せず)の作動により、不図示のトナーカートリッジから現像器4y,4c,4mにそれぞれ補給する。
【0090】
以下、図9、図10、図11に沿って、各制御の詳細なタイミングについて説明する。図9は、潜像書き込み開始タイミング時の感光ドラム1と中間転写体5aとの位置関係を示したものであり、中間転写体5a上の定点PTAから記録材Pに対応する画像が一時転写されている、1枚貼りA面作像の様子である。
【0091】
本実施の形態では、フルカラー画像はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの順で画像形成される。例えば、マゼンタの1次転写が終了し、次にシアンの潜像を感光ドラム1へ書き込み開始した後、レーザ書き込み位置から転写位置までの距離LLTをプロセススピードVPで時間経過させたのち、シアンの1次転写動作を開始する。
【0092】
図9の状態における様子を図10を参照して説明する。同図は、本実施の形態におけるタイミング制御の基本となる中間転写体基準信号Aと各画像形成動作との相関関係を示している。
【0093】
中間転写体基準信号Aの立ち下がりから時間Tprei後の潜像形成可能なように画像処理部203に対する設定を行う。本潜像開始タイミングから距離LLT後に実行される1次転写動作のためのタイミングも、この信号を基準として判断する。
【0094】
図11は、画像形成時に要求される各タイミングを制御部位の配置を無視できるように記録材に対してのタイミングで表現したタイミングチャートである。画像は、中間転写体5aに対して先端部と後端部とがそれぞれ6mm、4mm欠ける形の信号で出力され、同図には有効画像領域として表現してある。これは、2次転写から定着までの間でのトナー落ちによる装置内汚れを防止するために必要な処置である。2次転写動作に必要な転写高圧は、この記録材(用紙)先端の6mmの先端余白で立ち上がり、後端側は用紙全域を越えた部分で立ち下がる。
【0095】
このようなタイミングを実現するための高圧制御部770のブロック図を図12に示す。同図は、一例として制御タイミングが厳しい転写高圧に関して示している。
【0096】
図12に示すように、高圧制御部770は、転写電流を発生するための高圧トランス801と、作動増幅部804と、電流検出用抵抗805と、を有している。作動増幅部804には、図3にも示したD/A部753が正極端子に接続されると共に、一端が接地された電流検出用抵抗805の他端が負極端子に接続されている。上記作動増幅部804は、D/A部753で設定された高圧制御信号(電圧)をリファレンスとして高圧トランス801の一次側に流れる電流を制御することで二次側に流れる電流を制御する。
【0097】
以上の構成を有する本実施形態では、即ち、図1に示すリーダ部201から送信される画像情報が画像処理部203で処理され、そして帯電器2により一様に帯電された感光ドラム1に、レーザ光として照射されて潜像を形成し、まずはマゼンタ現像器4mにより潜像が現像される。画像情報に基づいて現像されたトナー像は、中間転写体5a上に1次転写帯電器(図示せず)により転写される。このマゼンタ(M)潜像の形成、現像、転写の画像形成動作は、感光ドラム1と中間転写体5aとが1回転する間に実行され、同様に、残りの3色のシアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色についてもそれぞれ実行される。このとき、画像処理部203に対しての設定は画像形成ごとに行われる。
【0098】
このように4色の画像が1次転写された中間転写体5a上のトナー画像は、2次転写ローラ5cにて、レジストローラ50により2次転写に適したタイミングで搬送されてきた記録材Pに対して2次転写される。この際、2次転写ローラ5cにより中間転写体5aと記録材Pとの間で、2次転写高圧を印加し、2次転写電流を形成することにより、中間転写体5a上のトナー画像を記録材Pに2次転写する。
【0099】
このように2次転写ローラ5cを通過し、トナー画像を載せた記録材Pは、中間転写体5aと同一のスピード(VP)で搬送動作する記録材搬送部9gにより、熱ローラ定着器9に搬送される。そして、熱ローラ定着器9において定着スピードVFN=VPで定着された後、不図示のソータに排出される。
【0100】
(厚紙モードでの定着スピードの特殊性)
例えば、記録材が厚紙である場合、この厚紙上にトナー像を定着させるためには、記録材が普通紙である場合に比べてより多くのエネルギーを必要とする。このため、熱ローラ定着器9での定着スピードを普通紙に比して遅くして、単位面積/時間当たりのエネルギーを増やすことで、厚紙の定着性を確保している。
【0101】
その場合、従来技術によると、2次転写ローラ5cから上下の定着ローラ9a、9bの当接位置までの距離を厚紙の画像形成可能最大サイズより大きくすることにより、画像形成スピード(プロセススピード)VPである中間転写体5aの周速を一定にしたまま、記録材搬送部9gにて、記録材Pを中間転写体5aのスピードとは異なる定着スピードVFに減速し、この記録材搬送部9gを速度変換領域として活用する。そのためには、厚紙の画像形成可能最大サイズに相当する大きさの記録材搬送部9gを確保しなくてはならず、装置が大型化するという欠点があった。
【0102】
本実施の形態では、中間転写体5aのスピードを定着スピードと同様に可変できる構成とし、定着スピードVFを画像形成スピードVPより遅くしなくてはならないときには、最終色の転写終了後は、中間転写体5aのスピードを定着スピードにまで減速する。これにより、記録材搬送部9gに速度変換領域としての大きさを確保する必要をなくして、装置の大型化を回避することができる。
【0103】
(回転現像器の制御)
本実施形態では、前述したようにYMC(イエロー、マゼンタ、シアン)3色に対応する回転型の現像器4y,4c,4mと、Bk(ブラック)の固定型の現像器と、が設けられている。現像器4y,4c,4mはそれぞれ同じ構成を有しているので、ここでは現像器4yに関してのみ説明し、他の現像器4c,4mに関する説明は省略する。
【0104】
即ち、図13に示すように、現像器4yは、例えば非磁性トナーと磁性キャリアとを混合した2成分現像剤が収容された現像容器4y’を有している。現像器4yの感光ドラム1に対向する部位には開口部が設けられており、この開口部に現像スリーブsが一部露出するようにして回転可能に配置されている。現像スリーブsはその内部に、例えばマグネット(図示せず)を回転不能に備えている。
【0105】
現像装置4yは、現像スリーブsが配設された開口部を現像回転体200の外側に向けた形で、この回転体200に固定配置されている。現像スリーブsは非磁性材料からなり、例えば現像容器4y’内の2成分現像剤をその表面にマグネットの磁力により層状に保持して、感光ドラム1に対向する現像領域に搬送し、現像剤を感光ドラム1に付与して、感光ドラム1上に形成されている静電潜像を可視化して現像する。潜像を現像した後の現像剤は、現像スリーブsの回転に従って現像容器4y’内に戻され、回収される。
【0106】
次に、回転現像装置4の制御タイミングについて、図1及び図15を併せて参照しつつ説明する。図15は、回転現像装置4の制御(現像ロータリーモータ回転制御)タイミングを示すタイミングチャートである。図15において、横軸には、断続する現像制御区間をA,Bとして所定の時間間隔をあけて記載している。
【0107】
即ち、コピー開始時には、まずマゼンタの現像器4mが感光ドラム1に対向する位置に移動する。そして、1色目としてマゼンタが現像された後、次のシアンのトナーによる現像を開始するまでの間に、回転現像器200を回転させて、シアンの現像器4cを感光ドラム1と対向する位置に移動させる。更に、イエローの現像器4yの制御も同様に行なう。
【0108】
回転現像器200の位置制御は、例えばステッピングモータ(図示せず)を用いてそのパルス数をカウントすることに基づいて実行し、これにより、現像器200の感光ドラム1に対向する際の停止位置の位置決めを正確に制御する。
【0109】
例えば図15に示すように、現像制御区間A,Bの間の時間間隔は比較的短いため、回転現像器200の制御において、上記ステッピングモータにより、加速、減速を用いた高速回転制御が行われる。同図に示す台形部分は、それぞれの辺が、加速領域、定速領域、減速領域に対応している。なお、Bkの現像器bkは独立した固定のものであり、上記のような回転の制御は必要とされない。
【0110】
(テストパッチ作像による濃度制御)
本実施形態のカラー画像形成装置では、現像器4y,4c,4m内にトナー濃度を測定するためのセンサを備えることなく、印字した画像データの、1ぺ一ジ当たりの画像情報信号における印字画素数の累計値(以下、「ビデオカウント数」と言う)に基づいて1ぺ一ジ当たりのトナーの消費量を計算し、この計算値を、トナーカートリッジ(図示せず)から現像器4y,4c,4mに補給すべきトナー補給量とするように制御する。トナーカートリッジには、不図示のスクリューが装備されており、このスクリューを、トナー補給スクリュー作動手段26(図2参照)によって一定時間回転させた際の補給量Gが予め計測されている。従って、実際に補給すべき補給量Xとスクリュー回転時間tとの関係は、下記の一次式
X=Gt
によって算出される。
【0111】
またトナー補給時に、現像器にトナーを均一に補給できるようにするため、補給動作は、現像器4y,4c,4mが動作している時間内に行わなければならない。補給に伴うスクリューの回転時間が1回の現像時間を上回る場合には、補給動作は2回の現像動作に亘って行われることになる。
【0112】
ビデオカウントに基づくトナー補給動作は、短期間においては略々適正な補給量を維持することができるが、誤差の存在により、実際に現像されたトナー像が適正な濃度になっているか否かの判断・制御は必ずしも容易ではない。そのため、本実施の形態では、所定枚数のプリント(転写)終了後、中間転写体5a上の所定箇所にテストパッチTPを作像し、このテストパッチTPのトナー濃度を、中間転写体反射光量センサ13の検知結果に基づいて検出することで、上記スクリュー回転によるトナー補給量へのフィードバックを行う。これにより、ビデオカウントに基づく補給時に発生する補給量の誤差を補填している。
【0113】
(テストパッチの作像)
ついで、テストパッチTPの作像について図13に沿って具体的に説明する。すなわちテストパッチTPの作像は、所定箇所、つまり中間転写体5aに対して行なう通常作像の、画像後端部分にて行う。このテストパッチTPは、中間転写体5aの所定箇所に、各色毎に順次に1次転写される。中間転写体5aに対向して所定位置に設置された反射光量センサ13が、テストパッチTPの反射光量を各色毎に検知することに基づき、第1の濃度補正手段16(図2参照)がテストパッチTPのトナー濃度を各色毎に検出する。なお、テストパッチは、2次転写を施されず、記録材Pへの画像転写が終了した後、中間転写体5a上のクリーナ6によって清掃される。
【0114】
図13を参照して、テストパッチ画像の形成について更に説明する。同図は、フルカラー4色の作像の途中段階として、例えば、1色目のマゼンタの画像形成が終了し、2色目のシアンの画像形成が開始されている状態を示している。
【0115】
つまり、現像器4mによる1色目のマゼンタ画像の形成後、現像器4cによる2色目のシアンの画像形成の間で、中間転写体5aの所定位置にテストパッチTPのパターンが形成される。そして、このテストパッチTPを反射光量センサ13で検知することに基づき、第1の濃度補正手段16でその反射光量(つまり、テストパッチ画像の濃度)を測定し、この測定結果を、トナーカートリッジからのスクリューによる補給制御にフィードバックすることに基づいて、回転現像装置4の各現像器4y,4c,4mに対するトナー補給量を制御して濃度調整を実施する。なお、図13に示すテストパッチTPは、感光ドラムホームポジションセンサ1hpに対応する作像位置に形成されたマゼンタのテストパッチである。
【0116】
テストパッチTPによる画像濃度補正は、前述したように、中間転写体5aに形成したテストパッチTPの濃度をサンプリングし、中間転写体反射光量センサ13の検知結果に基づいて読み取った濃度を、第1の濃度補正手段16(図2参照)が所定の目標濃度と比較することによって行なわれる。
【0117】
上記比較の結果、第1の濃度補正手段16は、テストパッチTPの濃度が目標濃度よりも高い場合に、トナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を減少させ、現像剤中のキャリアに対するトナー濃度を低下させるようにスクリューの駆動量を制御する。また、第1の濃度補正手段16は、テストパッチTPの濃度が目標濃度よりも低い場合に、トナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を増加させ、現像剤中のトナー濃度が高くなるようにスクリューの駆動量を制御する。
【0118】
現像剤中に混合されているキャリア及びトナーそれぞれの性質は、耐久枚数の増加とともに変化する。一般的に、記録材上に形成される画像濃度を一定に保持しようとする場合、まだ耐久の進まない、比較的新しい現像剤では、トナー濃度を比較的高い状態に保つ必要がある。そして、耐久枚数進むに連れ、若干現像剤中のトナー濃度を低くしていくことで、結果として、出力される画像の濃度が略々一定に保持されることになる。
【0119】
そのため、テストパッチTPのみにて現像在中のトナー濃度を制御しようとすると、耐久初期の現像剤ではトナー濃度が非常に高い状態となる。制御が安定している場合には特に問題はないが、トナー載り量の多い画像を連続で形成する際のように、消費と補給が多い画像形成を連続して行なう場合には、現像剤中のトナー濃度のリップル(変動)が大きくなって、現像剤中のトナー濃度が一時的に高くなり過ぎてしまうような状況が発生することがある。
【0120】
現像剤中の濃度が高すぎると、補給量の線形性が保たれなくなり、制御が不安定になったり、また、転写されないで飛散するトナーが発生したりすることになる。そのため、画像濃度は安定していても、記録材の端部や裏面が汚れてしまったり、画像形成装置内部の飛散トナーによる汚れ等が発生したりする可能性がある。
【0121】
(非接触光ATRによるターゲット補正)
上記問題に鑑みて、本実施の形態では、非接触型のトナー濃度センサとしての非接触ATRセンサ8を、回転現像装置4の現像器4y,4c,4mそれぞれの現像スリーブsが順次対向し得る所定位置に設置することにより、感光ドラム1へのトナー付与の後、現像スリーブ面上に吸着されたままのトナーの濃度を検知して、テストパッチTPを用いた濃度検出に基づく制御にフィードバックをかけるように構成されている。本実施の形態において、このような制御を非接触光ATRと呼ぶ。
【0122】
即ち、非接触ATRは、光電検知方式を用いたトナー濃度センサを使用するもので、現像スリーブs上に付着した現像剤に光を照射し、その反射光(近赤外光)を例えばフォトダイオードで検知して、初期値との差分に応じてトナー供給量を決定する。この制御は、トナーが近赤外光を反射するのに対し、キャリア(鉄粉等を含む)が近赤外光を吸収する性質を応用したものである。テストパッチTPに基づく現像剤のトナー濃度制御は、装置の生産性の観点から、あまり頻繁に実行することはできず、少なくとも数十枚程度の間隔をおいて実行することが多い。
【0123】
本実施形態では、前述のように、回転現像装置4を用いた構成を備える関係上、現像を実施しない間に、現像器4y,4c,4mの各現像スリーブ面を非接触光ATRセンサ8で検知することが容易となるように構成している。このような検知を、上述のように非接触光ATRセンサ8を用いることで、画像形成装置の生産性を損なうことなく実行することを可能にしている。
【0124】
すなわち、非接触光ATRセンサ8を用いた現像剤濃度制御は、トナー補給量を直接に制御するのでなく、前述したテストパッチTPを用いたトナー濃度制御においての、目標濃度をオフセットさせることによって濃度を制御する。つまり、現像器4y,4c,4mの各現像スリーブs面で検知された現像剤のトナー濃度が目標濃度より高い場合には、テストパッチTPに基づく制御目標濃度を段階的に低下させ、現像スリーブs面で検知された現像剤のトナー濃度が目標濃度よりも低い場合には、テストパッチTPに基づく制御目標濃度を段階的に上げるのである。
【0125】
記録材P上の画像濃度を一定に保つために、通常は現像剤の濃度は、耐久初期にはトナー濃度を高く制御する。そして、耐久枚数が進むにつれ、トナー濃度を下げるように制御する。そのため、非接触光ATRセンサ8に基づく動作としては、耐久初期には、現像剤のトナー濃度が高くなってくるので、テストパッチTPに基づく目標濃度を段階的に下げる制御を行い、必要以上にトナー濃度が高くなってトナー飛散等の問題を生じることのないように制御する。また、耐久枚数が進んだ状態では、トナー濃度を段階的に上げる方向に制御を行い、現像剤中のトナー濃度が低くなりすぎて感光ドラム1へキャリアが付着する等の問題を生じることのないようにする。
【0126】
(非接触光ATRと反射光量センサのタイミングずらし)
一般に、現像濃度の制御では、濃度読取センサの取り付け位置は、主走査方向の中心に取り付けられている。これは、中心位置が、形成された画像や環境条件等の影響を考えた上で、現像剤の濃度を的確に反映した状態だと言えるからである。そのため、本実施形態における、テストパッチTPを読み取るための中間転写体反射光量センサ13と、現像器4y,4c,4mの各スリーブs面上のトナー濃度を読み取るための非接触光ATRセンサ8は、いずれも主走査方向の中心位置に取り付けられている。
【0127】
通常、非接触光ATRセンサ8は作像ごとに読取を行なう。これは、非接触光ATRセンサ8のサンプリング処理が、画像形成装置の生産性に影響を与えないからである。しかし、テストパッチTPによるサンプリングは、画像形成ごとに行なうことはできない。特に本実施形態においては、回転現像器4によるカラー画像形成を行なっている関係上、テストパッチTPの作像を行なおうとすると、一旦通常の画像形成を中断し、生産性を落とすことで、テストパッチ画像の形成時間を確保することになる。
【0128】
通常は、プリント枚数カウンタ(例えば図2に示す第1の濃度補正実行カウンタ18)に同期してテストパッチTPの形成を行なう。例えば、20面作像ごとにテストパッチ形成を行なうといった具合である。ただし、ユーザが21枚のプリントを行なうような場合、つまり、残り数枚残して、テストパッチ画像の形成が行なわれてしまうと、ユーザにとっては見かけの生産性は大きく下がったような印象を与える。
【0129】
そのため、濃度制御に問題がない範囲では、残り数枚でプリントジョブが終了することが予想される場合には、テストパッチTPによる画像形成の中断を行なうことなく、画像形成をそのまま連続して実施する。そして、すべての画像形成が終了してから、テストパッチTPの画像形成を開始する。こうすることで、ユーザにとっての画像形成装置の実際の生産性を高く保つことが可能となる。
【0130】
上記のように、テストパッチTPの形成では、トリガとなるタイミングが変化する。それに対して、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングは、画像形成装置の生産性に何ら影響を与えないので、生産性とは関係なく一定の間隔で実行される。このように、2つの濃度制御が互いには同期せずに、作動タイミングが発生するため、場合によっては、双方の作動タイミングが重なってしまうことも考えられる。
【0131】
濃度制御で用いるテストパッチTPは、比較的高い濃度の画像として形成される。そのため、一時的ではあるが、テストパッチ形成直後は、テストパッチTPの主走査位置に対応する部分の現像スリーブs上のトナー濃度は若干低下することになる。非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングがこの状態で行なわれると、トナー濃度は、実際に検知すべき値よりも小さい値となる。その結果、実際にはトナー濃度が高いにも拘わらず、非接触光ATRセンサ8に基づく目標トナー濃度を下げるように制御されない状況が発生する虞がある。
【0132】
従って本実施形態では、上記のように、テストパッチTPの画像形成と、非接触光ATRセンサ8に基づく制御とが重複することが予想される場合に、図14のフローチャートに従って、テストパッチ形成と、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングとが重ならないように制御する。
【0133】
図14と図2を併せて参照すると、まずステップS1において、第1の濃度補正手段16は、記録材Pへの転写ごとにカウントアップされる第1の濃度補正実行カウンタ18をチェックする。その結果、このカウンタ18がテストパッチサンプリング動作間隔の規定枚数(例えば20枚)を超えている場合には、後述するように、テストパッチTPの画像形成及び該テストパッチTPによるサンプリングを実行する。
【0134】
一方、規定枚数を超えない場合には、ステップS5に進み、第2の濃度補正手段17が、同じく1回の転写ごとにカウントアップされる第2の濃度補正実行カウンタ23をチェックする。その結果、このカウンタ23がサンプリング動作間隔の規定枚数(例えば100枚)を超えていない場合には、何も実行せずに処理を終了する。また、ステップS5において、第2の濃度補正実行カウンタ23が規定枚数を超えていると判断した場合には、ステップS6に進み、第2の濃度補正手段17による非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリング動作のみを実行する。
【0135】
そして、上記ステップS1において、第1の濃度補正手段16により、第1の濃度補正実行カウンタ18が規定枚数を超えていると判断された場合には、ステップS2に進み、第2の濃度補正手段17による第2の濃度補正実行カウンタ23のチェックも同時に行なう。その結果、ステップS2において第2の濃度補正実行カウンタ23が規定枚数に達していない場合には、ステップS4にジャンプし、第1の濃度補正実行カウンタ18により、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングのみを実行し、更に該サンプリングで得たトナー濃度と目標トナー濃度との比較に基づいて、トナー補給スクリュー作動手段26を適時作動制御する。
【0136】
一方、ステップS2において、第2の濃度補正実行カウンタ23は規定枚数を超えていると判断された場合、そのまま処理を進めると、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングと、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングとが同時に行なわれることになってしまう。双方の処理が同時に実行されると、前述したように、非接触光ATRセンサ8に基づいて検出されたトナー濃度が、実際に検知すべき値よりも小さい値となり、テストパッチTPに基づく濃度調整制御を損なうような状況が発生する虞がある。
【0137】
そこで本実施の形態では、上記状況の発生を確実に回避するために、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングを、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングよりも優先的に処理するように制御する。その実現のため、上記ステップS2において、第2の濃度補正実行カウンタ23によるカウントが規定枚数を超えた場合には、次段のステップS3において、濃度補正タイミング判断手段24が、第2の濃度補正実行カウンタ23のカウント数を1つ減算するように制御する。更に、この減算制御の後、ステップS4に進み、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングのみを実行し、更に該サンプリングで得たトナー濃度と目標トナー濃度との比較に基づいて、トナー補給スクリュー作動手段26を適時作動制御する。
【0138】
本実施の形態によると、テストパッチTPに基づいてトナー濃度を検出する濃度補正、及び、現像器4y,4c,4mの現像スリーブsに吸着されたトナーに基づいてトナー濃度を検出する濃度補正の双方を行ない得るものでありながら、双方による濃度補正の作動タイミングが重なると判断した際には、濃度補正タイミング判断手段24が、テストパッチTPに基づく濃度判定を損なう虞のある第2の濃度補正手段17の作動開始を遅らせることで、常に適切な濃度補正制御を実施することができる。
【0139】
また本実施形態によると、感光ドラム1やトナーの製造工程において精度を高くする等の処置が不要になるので、感光ドラム1や現像剤の製造コスト上昇に起因する装置価格の上昇を抑えることができ、また残像等の問題を解決しつつ、テストパッチによる画像の品位を向上させ、コストアップを招くことなく濃度制御の精度を向上させることが可能になる。
【0140】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0141】
[実施態様1] 画像信号に基づき像担持体に形成された静電潜像を、トナー及びキャリアを含有する現像剤を現像手段から前記像担持体に付与することにより現像し、該現像によるトナー像を中間転写体を介して記録媒体に転写するように構成した画像形成装置において、前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、第1の作動タイミングにて、前記中間転写体に前記トナーによるテストパッチを形成し、かつ該テストパッチに基づき検出したトナー濃度に基づいて前記トナー補給手段を作動制御する第1の濃度補正手段と、第2の作動タイミングにて、前記現像手段側でトナー濃度を検出し、該検出したトナー濃度を前記第1の濃度補正手段にフィードバックする第2の濃度補正手段と、前記第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御する遅延手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0142】
[実施態様2] 順次送られる記録媒体に対する画像形成ごとにカウントアップされる第1及び第2の濃度補正実行カウンタを備え、
前記第1の濃度補正手段は、前記第1の濃度補正実行カウンタのカウント値に基づいて前記作動タイミングを取得し、かつ前記第2の濃度補正手段は、前記第2の濃度補正実行カウンタのカウント値に基づいて前記作動タイミングを取得するように構成されることを特徴とする実施態様1に記載の画像形成装置。
【0143】
[実施態様3] 前記遅延手段は、前記第1及び第2の濃度補正実行カウンタ双方のカウント値に基づいて、前記第1及び第2の作動タイミングが重なると判断するように構成されることを特徴とする実施態様2に記載の画像形成装置。
【0144】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置は、遅延手段が、第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御するので、テストパッチに基づいてトナー濃度を検出する濃度補正制御、及び、現像手段側でトナー濃度を検出する濃度補正制御の双方を行ない得るものでありながら、双方が重なって互いに影響し合うと判断した際には、双方の作動タイミングをずらすことで、2つの濃度補正が影響し合って正確な濃度検出を損なうような状況の発生を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるカラー画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明の実施形態における濃度制御手段を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における制御系全体を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における画像処理部を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における外部IF処理部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態における画像処理部の階調補正の説明図である。
【図7】本発明の実施形態における操作部を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における1/2枚貼り制御の説明図である。
【図9】本発明の実施形態における転写タイミングの説明図である。
【図10】本発明の実施形態における転写タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態における転写高圧制御タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施形態における高圧制御部を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施形態におけるテストパッチ形成タイミングの説明図である。
【図14】本発明の実施形態における作動を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態における回転現像装置の制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
4 回転現像装置(現像手段)
4y,4c,4m 現像器(現像手段)
5a 中間転写体
16 第1の濃度補正手段
17 第2の濃度補正手段
24 濃度補正タイミング判断手段(遅延手段)
26 トナー補給スクリュー作動手段(トナー補給手段)
P 記録材(記録媒体)
TP テストパッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に係り、詳しくは中間転写体を備えた画像形成装置における現像剤の濃度調整に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置、例えば電子写真装置を用いて電子写真による画像形成を行なう場合、記録材上に転写されるトナー量に基づいて行なわなければならない制御がいくつかある。電子写真装置による画像形成において、形成する画像の色見(色味)を一定に保つためには、現像器内に収容された現像剤に含有するトナーとキャリアの濃度比を一定に保つことが必要である。その実現のため、画像形成を行なった際に消費された分のトナーを、定期的に現像器へと補給して行く必要がある。
【0003】
従来技術においては、現像器内に光センサを設置し、現像器内でのトナー表面からの反射光を検知することに基づいて、現像剤中のトナーとキャリアの濃度比(以下、「トナー濃度」とも言う)を判断し、この判断に基づいてトナー補給を実施する濃度調整方法(第1従来例)があった。
【0004】
また、感光体上、あるいは転写体上にテストパッチを形成し、このテストパッチに対向する位置に光センサを設置して、テストパッチからの反射光を検知することで現像剤のトナー濃度を判断し、この判断に基づいてトナー補給を実施する濃度調整方法(第2従来例)があった。あるいは、テストパッチを形成することによる画像濃度制御以外の方法として、現像器スリーブ面でのトナー濃度を反射型センサで読み取ることで現像器内のトナー濃度を予測し、この予測に基づいて制御を行なう濃度調整方法(第3従来例)もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の濃度調整方法は、以下のような解決すべき課題を有していた。
【0006】
(第1従来例の濃度調整方法)
第1従来例の濃度調整方法では、現像器内における現像剤中のトナー濃度の検知用として現像器内に光センサを設けているため、現像器内で飛散した粉末状のトナーが光センサ表面を汚してしまうことがあった。このため、装置を長期間に亘って使用していると、現像器内でのトナー濃度の検知を正確に行なうことが困難になる。
【0007】
(第2従来例の濃度調整方法)
第2従来例の濃度調整方法では、光センサによる濃度検知用のテストパッチを転写体上に形成することで現像器内のトナー濃度を検知しようとするので、画像形成の合間にテストパッチを形成する等の処理が必要になる。これにより、装置のプリントスピードが遅くなり、生産性が低下する等の虞がある。つまり、テストパッチの形成を頻繁に行なうことができれば一定のトナー濃度の確保が実現容易となるが、逆に、テストパッチの形成を頻繁に行なえば画像形成に要する時間が次第に長くなってしまう。また、テストパッチ形成そのもので消費するトナー量のフィードバック方法も問題となる。
【0008】
(第3従来例の濃度調整方法)
第3従来例の濃度調整方法では、現像器スリーブ面でのトナー濃度に基づいて現像器内のトナー濃度を予測するため、この予測に基づく制御が必ずしも正確であるとは言い難かった。
【0009】
上述したように各濃度調整方法にはそれぞれ一長一短があるため、それぞれに有する問題点に鑑み、例えば、テストパッチに基づくトナー濃度検出と、現像器スリーブ面でのトナー濃度検出とを組み合わせて、検出精度を高める制御が考えられる。しかしこのような制御では、テストパッチが比較的高い濃度の画像として形成されるため、一時的ではあるが、テストパッチ形成直後は、テストパッチの例えば主走査位置に対応する部分の現像スリーブ上のトナー濃度が若干低下することになる。この状態で現像器スリーブ面でのトナー濃度検知が行なわれると、検出されるトナー濃度が実際の値よりも小さい値となるなど、正確な濃度調整を損なう虞がある。
【0010】
そこで、このような問題を解決するために、感光ドラムやトナーの製造工程において精度を高めるか、あるいは、検査工程において感度ムラの大きなものを不合格とすることで、感度を均一にするという対策も考えられる。しかし、その実施は大幅なコストアップを招来することとなり、有効な対策とはいえない。
【0011】
本発明は、2つの異なる濃度調整方法を採用したものでありながら、双方による濃度検出が影響し合って正確な濃度検出を損なうような状況の発生を確実に回避できるように構成した画像形成装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、画像信号に基づき像担持体に形成された静電潜像を、トナー及びキャリアを含有する現像剤を現像手段から前記像担持体に付与することにより現像し、該現像によるトナー像を中間転写体を介して記録媒体に転写するように構成した画像形成装置において、前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、第1の作動タイミングにて、前記中間転写体に前記トナーによるテストパッチを形成し、かつ該テストパッチに基づき検出したトナー濃度に基づいて前記トナー補給手段を作動制御する第1の濃度補正手段と、第2の作動タイミングにて、前記現像手段側でトナー濃度を検出し、該検出したトナー濃度を前記第1の濃度補正手段にフィードバックする第2の濃度補正手段と、前記第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御する遅延手段と、を備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態における、画像形成装置の一例であるカラー画像形成装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本実施形態におけるカラー画像形成装置の概略断面図である。カラー画像形成装置は、図1に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部(以下、単に「リーダ部」と言う)201を有すると共に、下部にデジタルカラー画像プリンタ部(以下、単に「プリンタ部」と言う)202を有し、これらリーダ部201とプリンタ部202との間に画像処理部203を有している。
【0015】
リーダ部201では、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像を、レッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)のRGB3色分解フィルタと一体形成されたフルカラーセンサ34にレンズ33を介して集光し、これにより、カラー色分解画像アナログ信号を得る。このカラー色分解画像アナログ信号は、増幅回路を経てデジタル化され、更に画像処理部203にて処理を施され、画像信号としてプリンタ部202に送信される。
【0016】
プリンタ部202では、像担持体の一例である感光ドラム1が矢印a方向に回転自在に支持されている。この感光ドラム1の周囲には、前露光ランプ11と、コロナ帯電器2と、レーザ露光光学系3と、電位センサ12と、現像手段の一例である回転現像装置4と、現像装置4Bkと、無端状ベルトで構成された中間転写体5aと、中間転写体5aに対向する所定位置に配置された中間転写体反射光量センサ(以下、単に「反射光量センサ」とも言う)13と、クリーニング器6とが配置されている。なお、図1中の符号1hpは感光ドラムホームポジションセンサ、5hpは中間転写体ホームポジションセンサである。
【0017】
回転現像装置4は、現像回転体200にその周方向に等角度間隔となるように搭載された現像器4y,4c,4mを有している。これら現像器4y,4c,4mは、現像回転体200の矢印b方向の回転に伴って回転移動して感光ドラム1に順次対向し、感光ドラム1上に形成されている静電潜像を現像(可視化)し、それぞれにイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のトナー像を形成する。回転現像装置4は、不図示の現像ロータリーモータの回転により、各分解色に応じて、現像器4y,4c,4mを択一的に感光ドラム1に接近させるように構成される。本実施形態で用いる現像剤は、非磁性トナーと磁性キャリアとを混合することにより構成されている。
【0018】
レーザ露光光学系3において、リーダ部201から送信された画像信号は、不図示のレーザ出力部にて光信号に変換され、この変換された光信号(レーザ光)がポリゴンミラー3aで反射された後、レンズ3b及びミラー3cを通って感光ドラム1の表面に投影される。
【0019】
プリンタ部202は、画像形成に際して、感光ドラム1を矢印a方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後の感光ドラム1を帯電器2により一様に帯電させた後、各分解色ごとに、上記画像信号による光像Eが照射されて静電潜像(以下、単に「潜像」とも言う)を形成する。
【0020】
そして、回転現像装置4や現像装置4Bkを動作させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に、樹脂を基体としたトナー画像(トナー像)を形成する。
【0021】
感光ドラム1上に現像されたトナー画像は、不図示の1次転写帯電器によって印加された高電圧に基づいて、中間転写体5aに転写される。本実施形態では、記録媒体の一例であるシート状の記録材が、中間転写体5aの全周の1/2以下のサイズ(例えば250mm)の場合に、2枚の記録材に対応する中間転写体5a上の領域に対して同時に画像形成することが可能である。この2枚の記録材に対応する画像を中間転写体5a上に同時に画像形成する場合を以下「2枚貼り制御」と言い、また中間転写体5a上に1枚の記録材に対応する画像を形成して画像形成を行う場合を以下「1枚貼り制御」と言う。
【0022】
ここで、中間転写体5a上に「1枚貼り制御」で画像形成を行なった際の形態を、図8(a)に示す。また、中間転写体5a上に「2枚貼り制御」で画像形成を行なった際の形態を、図8(b)に示す。
【0023】
図8(a)に示すように、図中の左右方向に並ぶように配置された回転現像装置4及び感光ドラム1に対して所定の位置関係となるように、中間転写体5aが配置されている。この中間転写体5aは、全体的に図中の右上がりになる略々矩形状の四隅に位置するように設けられたローラ15a、15b、15c、15dに巻回された無端状のベルトから構成される。
【0024】
ローラ15bは、記録材Pの搬送路中に配置された2次転写ローラ5cに対向する位置に設置されている。図8(a)において、「1枚貼り制御」で形成されるトナー画像は、中間転写体5a上の定点PTAを先頭として記録材PAに対して作像される。これは、中間転写体5aの回転方向での記録材Pのサイズが変わった場合であっても、定点PTAを先端として作像できるようにするためである。
【0025】
これに対し「2枚貼り制御」で形成される場合には、図8(b)に示すように、1枚目の記録材PAに対応するトナー画像が、上記1枚貼りの場合と同様に定点PTAを先端とするように吸着される。そして、2枚目の記録材PBに対応するトナー画像が、定点PTAに対して中間転写体の180度対向点に位置する定点PTBを先端とするように作像される。なお、「2枚貼り制御」の場合も、「1枚貼り制御」の場合と同様、記録材サイズが変わった場合であっても、定点PTA,PTBをそれぞれ先端とするように作像される。
【0026】
以下、トナー画像の先端が定点PTAを先頭となるように作像(吸着)する制御を「A面作像」または「A面貼り制御」と呼び、定点PTBを先端となるように作像(吸着)する制御を「B面作像」または「B面貼り制御」と呼ぶことにする。
【0027】
ベルト状の転写装置である中間転写体5aを回転させるに従って、感光ドラム1上のトナー像は、不図示の1次転写帯電器により中間転写体5a上に転写される。このように、中間転写体5a上には所望数の各色画像が順次転写されて、フルカラー画像が形成される。フルカラー画像形成の場合、このようにして4色のトナー像の中間転写体5aへの転写が終了した後、給紙カセットから搬送された記録材Pを2次転写ローラ5cの位置へと搬送し、記録材Pに対する2次転写を行う。そして、4色のトナー画像の2次転写が終了した記録材Pは、2次転写ローラ5cを通過した後、熱ローラ定着器9を介して不図示のソータに排出される。
【0028】
なお、感光ドラム1は、1次転写の終了後、表面の残留トナーがドラムクリーニング器7(図1参照)によって清掃された後、再度、画像形成工程に供される。他方、2次転写終了後の中間転写体5aは、表面の残留トナーをクリーニング器6(図1参照)によって清掃された後、再度、画像形成工程に供される。
【0029】
ここで、上記熱ローラ定着器9に関して詳細に説明する。即ち熱ローラ定着器9は、図1に示すように、カラー画像形成装置の装置本体内における記録材排出側に配置されるもので、定着上ローラ9a、定着下ローラ9b、定着ウェッブ9c、及び記録材搬送部9gを有している。熱ローラ定着器9は、定着ローラ9a,9bの熱エネルギーによって記録材上のトナーを溶融すると共に、定着ローラ9a,9b間の圧力によって、溶融したトナーを記録材に定着させる。なお、定着上ローラ9a、定着下ローラ9bの各表面は、その略中心部に組み込まれた定着上ヒータ9e及び定着下ヒータ9fと、それぞれのローラ表面温度を検知する定着上及び定着下のサーミスタ781(図3参照)とにより、独立に最適な表面温度となるように制御される。
【0030】
定着ウェッブ9cは、定着上ローラ9a上の汚れ、あるいはオフセットしたトナーを除去すべく、必要時に定着上ローラ9aに当接する。この当接時、定着ウェッブ9cは、内蔵する巻き取り装置(図示せず)の作動により、その新しい面を定着上ローラ9aに当接させてクリーニング性能を向上させる機能も有している。
【0031】
また熱ローラ定着器9は、不図示の定着駆動モータにより、定着ローラ9a,9bと記録材搬送部9gとを駆動する。定着駆動モータは、定着駆動モータドライバ761(図3参照)により駆動される。本実施の形態例は、記録材の種類による定着性の差異をなくすため、4種類の記録材に対応した定着スピードを実現できるように構成されている。
【0032】
具体的な感光ドラム1の画像形成時の周速をVP(以下、「プロセススピード」と言う)とすると、普通紙定着スピードVFN=VPであり、両面2面目用の定着スピードVFDはVFNより小さく、厚紙用定着スピードVFTはVFDより小さく、OHP用定着スピードVFOはVFTより小さい。したがって、下記の関係、
VP=VFN>VFD>VFT>VFO
が成立し、定着駆動モータドライバ761(図3参照)は、この4種類の定着スピードを実現できるように構成されている。
【0033】
なお、記録材搬送部9gの搬送スピードは、定着上ローラ9a及び定着下ローラ9bの周速と同一になるように設定されている。また、両面2面用の定着スピードVFDは、2色以上のトナーを定着させる両面2面目用に使用され、両面2面目でも1色のトナーしか定着させない単色モードでは使用せず、この場合は普通紙定着スピードVFNで定着動作を行う。
【0034】
ところで、記録材Pの両面に画像を形成する場合には、一方の面に画像を形成した記録材を定着器9から排出した後、搬送パス切り替えガイド19を直ちに駆動し、その記録材を搬送縦パス20を経由させ、反転パス21aに一旦導く。そして、反転ローラ21bを逆転させることにより、記録材の、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させて、両面パス22に収納する。その後、上述した画像形成工程によって再度、もう一方の面に画像を形成する。このように記録材の表裏両面に画像を形成する場合、その記録材の最初に画像が形成される第1の面を「両面1面目」、次に画像が形成される第2の面を「両面2面目」という。
【0035】
また本実施の形態では、2次転写ローラ5cに対応して配置した偏心カム25を所望のタイミングで動作させて、2次転写ローラ5cと一体化しているカムフォロア(図示せず)を作動させることにより、2次転写ローラ5cと中間転写体5aとのギャップを任意に設定できるように構成されている。例えば、スタンバイ中または電源オフ時には、偏心カム25の動作により2次転写ローラ5cを中間転写体5aから離間させる。
【0036】
本実施形態のカラー画像形成装置において、感光ドラム1へのトナー付与後に、トナー吸着状態で回転移動する現像器4y,4c,4mが順次停止する所定位置には、各現像器に備えた現像スリーブ(現像器スリーブ)sに近接して対向できるように非接触光ATR(Auto Toner Replenishment)センサ8が配置されている。また、中間転写体5aに対向する所定位置には、中間転写体反射光量センサ13が設置されている。
【0037】
またカラー画像形成装置は、図1に示すように、濃度制御手段14を有している。この濃度制御手段14は、図2に示すように、第1の濃度補正手段16、第2の濃度補正手段17、第1の濃度補正実行カウンタ18、第2の濃度補正実行カウンタ23、及び、遅延手段の一例である濃度補正タイミング判断手段24を有している。
【0038】
第1の濃度補正手段16は、第1の濃度補正実行カウンタ18によるカウント値が所定の値(例えば20)に至った際の作動タイミングにて、中間転写体5a上にテストパッチTPを各色毎に画像形成すると共に、反射光量センサ13に基づくテストパッチ濃度のサンプリングを、各色のテストパッチTP毎に実行する。第1の濃度補正手段16は更に、このサンプリングで得た各色のトナー濃度と、予め設定された各色の目標トナー濃度との比較に基づいて、トナー補給手段の一例である後述のトナー補給スクリュー作動手段26を適時制御する。該スクリュー作動手段26は、各色毎に用意されている。
【0039】
即ち第1の濃度補正手段16は、上記比較の結果、テストパッチTPの濃度が目標トナー濃度よりも高い場合に、その色に対応するトナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を減少させ、現像剤中のキャリアに対するトナー濃度を低下させるようにスクリュー(図示せず)の駆動量を制御する。また第1の濃度補正手段16は、テストパッチTPのトナー濃度が目標トナー濃度よりも低い場合に、その色に対応するトナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を増加させ、現像剤中のトナー濃度が高くなるようにスクリュー(図示せず)の駆動量を制御する。
【0040】
第1の濃度補正実行カウンタ18は、順次送られる記録材Pに対する転写ごと(画像形成ごと)にカウントアップされる。このカウント値が所定値(例えば20)になるごとに、第1の濃度補正手段16によるテストパッチ形成及びそのサンプリングが実行されることになる。
【0041】
第2の濃度補正手段17は、第2の濃度補正実行カウンタ23によるカウント値が所定の値(例えば100)に至った際の作動タイミングにて、非接触光ATRセンサ8に対向する位置に停止した現像器4y,4c,4mに対する該ATRセンサ8に基づく現像スリーブトナー濃度のサンプリングを実行し、更に、該サンプリングで得たトナー濃度を第1の濃度補正手段16にフィードバックする。
【0042】
第2の濃度補正実行カウンタ23は、第1の濃度補正実行カウンタ18と同様に、順次送られる記録材Pに対する転写ごと(画像形成ごと)にカウントアップされる。
【0043】
濃度補正タイミング判断手段24は、第1の濃度補正実行カウンタ18及び第2の濃度補正実行カウンタ23の双方が同時に画像補正動作間隔を超えたとき、即ち双方の作動タイミングが重なると判断したとき、第2の濃度補正実行カウンタ23のカウント値を1つ減算する。これにより、第2の濃度補正手段17による非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングの作動タイミングを遅らせて、第1の濃度補正手段16の制御と重ならないようにする。
【0044】
次に、本実施形態におけるカラー画像形成装置の全体的な制御系に関して説明する。図3は、この制御系の一例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すように、本カラー画像形成装置の制御系は、制御上大きく2つのブロックに分けられる。1つは、主に、リーダ部201及び画像処理部203の制御を行うリーダコントローラ700であり、他の1つは、プリンタ部202の制御を行うプリンタコントローラ701である。
【0046】
リーダコントローラ700には、走査ミラー32a,32b,32cと露光ランプ32を移動させる不図示の光学モータを駆動するための光学モータドライバ702と、原稿を自動的に交換する自動原稿送り装置RDF400を制御するためのRDFコントローラ703と、画像読み取りのためのCCDの制御を行うCCDドライバ704と、リーダコントローラ700の制御プログラムが格納されたROM705と、制御値等のデータを格納しておくRAM706と、露光ランプ32等の負荷を駆動するためのI/O707とが接続されている。上記RAM706は、電源を切断した場合でもデータを保持できるように、不図示の電池を用いてバッテリバックアップがなされている。また、リーダコントローラ700に接続された画像処理部203には、外部I/F処理部720が接続されている。
【0047】
一方、プリンタコントローラ701には、該コントローラ701の制御プログラムを格納するROM750と、制御値等のデータを格納しておくRAM751と、電位センサ12等からのアナログ信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ752と、アナログ設定値を高圧制御部770等に出力するD/Aコンバータ753と、モータ及びクラッチ等の負荷を駆動するI/O754とが接続されている。プリンタコントローラ701には更に、ソータコントローラ708と、レーザドライバ110とが接続されている。上記ソータコントローラ708は、プリンタコントローラ701と通信を行い、外部I/F処理部720に接続された操作部714で設定されたノンソートモードやソートモードやグループモードの積載形態指示に従って積載制御や、同じくステイプル指示に応じたステイプル制御等を行う。
【0048】
また、上記A/Dコンバータ752には、定着サーミスタ781、電位センサ12、温度センサ783、湿度センサ784、中間転写体5a上の濃度センサである光量検知センサ13、及び、非接触光ATRセンサ8が接続されている。また上記I/O754には、回転現像装置(現像器)4を回転させる回転モータ(図示せず)用のドライバ755と、感光ドラム1を回転させるドラムモータ(図示せず)用のドライバ756と、給紙モータ(図示せず)用のドライバ757と、2次転写ローラ(ロータリ)5cの中間転写体5aからの脱着用モータ(図示せず)のためのドライバ758と、中間転写体5a用のクリーニング器6の該中間転写体5aからの脱着用モータ(図示せず)のためのドライバ759と、定着駆動モータドライバ761とが接続されている。
【0049】
そして、画像処理部203には、前述した濃度制御手段14と、画像メモリ部730とが接続されている。この画像メモリ部730は、ページメモリ部731、メモリコントローラ部732、圧縮部733、及びハードディスク(HD)734を有している。
【0050】
図4は、本実施の形態における画像処理部203の一構成例を示すブロック図である。同図に示すように、画像処理部203は、カラー画像形成装置に備えたCCD(電荷結合素子)100に接続されたCCD読み取り部101を有している。このCCD読み取り部101は、前述したフルカラーセンサ34(図1参照)から入力されたアナログRGB信号をそれぞれ増幅するためのアンプ、アナログRGB信号を例えば8ビットのデジタル信号へ変換するためのA/Dコンバータ(図示せず)、及び、公知のシェーディング補正を行うためのシェーディング補正回路などを備えており、原稿画像のデジタルRGB画像信号を出力する。
【0051】
CCD読み取り部101にはシフトメモリ102が接続されており、シフトメモリ102は、画像処理コントロール部99からのシフト量制御信号に応じて、CCD読み取り部101から入力されたRGB画像信号の例えば色間、画素間のずれを補正する。
【0052】
シフトメモリ102には補色変換回路103が接続されており、補色変換回路103は、シフトメモリ102から入力されたRGB画像信号を、MCY画像信号へ変換する。即ち、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の画像信号(データ)を、記録する際のインク色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)に変換する。
【0053】
補色変換回路103は黒抽出回路104に接続されており、黒抽出回路104は、画像処理コントロール部99から入力された黒抽出信号(黒抽出量)に応じて、補色変換回路103から入力されたMCY(マゼンタ、シアン、イエロー)画像信号から画像の黒色領域を抽出し、抽出した黒色領域に対するBk(ブラック)画像信号を出力する。
【0054】
補色変換回路103にはUCR回路105が接続されており、UCR回路105は、黒抽出回路104から入力されたBk画像信号と画像処理コントロール部99から入力されたUCR量制御信号とに応じて、補色変換回路103から入力されたMCY画像信号に下色除去(UCR)処理を施す。UCRの量は、例えば、黒部に対してM,C,Yトナーを用い、入れ黒を入れない方向の0%から、M,C,Yトナーを全く入れない黒(Bk)トナー単色の100%まで設定される。黒抽出回路104及びUCR回路105は、抽出した黒色領域をMCY3色のトナーを重ねるのではなく、Bkトナーに置き換えて画像形成を行うことで色再現性の向上を図るものである。
【0055】
上記黒抽出回路104から出力されるBk画像信号は下式(1)によって決定される。
【0056】
【数1】
【0057】
なお、上記(1)式において、Aは黒抽出係数、C2,Y2,M2は補色変換回路103から出力されたMCY画像信号である。黒抽出係数Aは、画像処理コントロール部99(図4参照)から指定される黒抽出量の制御信号によって決定される。また、UCR回路105から出力されるMCY画像信号は、下式(2)によって決定される。
【0058】
【数2】
【0059】
なお、上記(2)式においてM2,C2,Y2は補色変換回路103から出力されたMCY画像信号、M1,C1,Y1はUCR回路105から出力されるMCY画像信号であり、係数B1,B2,B3,D1,D2,D3は画像処理コントロール部99からUCR量制御信号によって決定される。
【0060】
更に、UCR回路105にはマスキング回路106が接続されており、マスキング回路106は、使用するトナーの濁り成分の除去やCCDのRGBフィルタ特性の補正をするために、画像処理コントロール部99から入力されたマスキング係数制御信号に応じて、UCR回路105から入力されたMCY画像信号にマスキング処理を施す機能を有している。マスキング回路106から出力されるMCY画像信号は下式(3)によって表現される。
【0061】
【数3】
【0062】
なお、上記(3)式においてa11〜a33はマスキング係数、M1,C1,Y1はUCR回路105から出力されたMCY画像信号、M0,C0,Y0はマスキング回路106から出力されるMCY画像信号であり、マスキング係数a11〜a33は画像処理コントロール部99から指定されるマスキング係数制御信号によって決定される。
【0063】
マスキング回路106には画像メモリ部730が接続されており、画像メモリ部730は、図3に示したように、高速のページメモリ部731と、複数のページ画像データを蓄積可能な大容量のメモリであるハードディスク734とを有している。ハードディスク734に格納された複数の画像データは、操作部714(図3)で指定された編集モードに応じた順序で出力される。例えばソートの場合、リーダ部201から読み取った原稿束の画像を順に出力する。ハードディスク734から、一旦格納された原稿の画像データを読み出し、これを複数回繰り返して出力する。これにより、ビンが複数あるソータと同じ役割を果たすことができる。
【0064】
また、外部I/F処理部720(図3)から入力される、コンピュータからの画像データは、外部I/F処理部720で画像データとして処理されており、リーダ部201(図1参照)からの画像信号と同様に、一旦、画像メモリ部730で、ページメモリ部731、あるいはハードディスク734に格納される。
【0065】
また図4に示すように、画像メモリ部730にはセレクタ108が接続されており、セレクタ108は、画像処理コントロール部99から色選択端子(図示せず)へ入力された色選択信号に応じて、マスキング回路106と黒抽出回路104とから入力されたM、C、Y、Bkの各画像信号の中から1色の画像信号を選択し、その画像信号V1を出力する。
【0066】
セレクタ108にはプリンタ階調補正回路109が接続されており、プリンタ階調補正回路109は、プリンタ部202の出力特性を各色ごとリニアにするために、プリンタコントローラ701から入力されたプリンタ色選択信号に応じて、図6に一例を示したガンマ変換特性のM,C,Y,bkの何れかを選択して、画像信号に補正を施すために色選択端子S4へ設定する。
【0067】
プリンタ階調補正回路109は、前述のレーザ露光光学系3(図1参照)に含まれるレーザドライバ110に接続されている。レーザドライバ110は、プリンタ階調補正回路109から入力された画像信号V2に基づいて半導体レーザ(図示せず)を変調駆動することにより、感光ドラム1上に潜像を形成する。
【0068】
引き続き、図3に沿って、画像メモリ部730について説明する。即ち、画像メモリ部730では、DRAM等のメモリで構成されるページメモリ部731に、メモリコントローラ部732を介して、外部I/F処理部720、画像処理部203から画像データの書き込み、外部I/F処理部720、プリンタコントローラ701への画像読み出し、大容量の記憶装置であるハードディスク734への画像の入出力のアクセスなどを行う。
【0069】
メモリコントローラ部732は、ページメモリ部731のDRAMリフレッシュ信号の発生を行い、また外部I/F処理部720、画像処理部203、ハードディスク734からのページメモリ部731へのアクセスの調停を行う。更に、ページメモリ部731への書き込みアドレス、ページメモリ部731からの読み出しアドレス、読み出し方向などの制御を実行する。それにより、画像処理部203は、ページメモリ部731に複数の原稿画像を並べてレイアウトを行い、プリンタ部202(図1参照)に出力する機能や、画像の一部分のみ切り出して出力する機能や、画像回転を制御する。
【0070】
次に、図5に沿って、外部I/F処理部720の構成について説明する。外部I/F処理部720は、前述した様に、画像メモリ部730を介して、リーダ部201(図1参照)の画像データを取り込み、また画像メモリ部730を介して、外部I/F(図示せず)からの画像データをプリンタコントローラ701へ出力して画像形成を行う。
【0071】
図5に示すように、外部I/F処理部720は、コア部406と、コア部406に接続されたファクシミリ部401と、ファクシミリ部401に接続されたハードディスク402と、コア部406にそれぞれ接続されたコンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404及びイメージメモリ部405と、を有している。外部I/F処理部720には、画像メモリ部730を介して、リーダコントローラ700及びプリンタコントローラ701が接続されている。
【0072】
コア部406は、ファクシミリ部401、コンピュータインターフェース部403、フォーマッタ部404、イメージメモリ部405、画像メモリ部730間それぞれのデータ転送を制御管理する。これにより、外部I/F処理部720に複数の画像出力部があっても、画像メモリ部730への画像転送路が一つであっても、コア部406の管理のもと、排他制御、優先度制御等が行われて画像出力がなされる。
【0073】
ファクシミリ部401は、不図示のモデムを介して公衆回線と接続しており、公衆回線からのファクシミリ通信データの受信と、公衆回線へのファクシミリ通信データの送信を行う。このファクシミリ部401では、ファクシミリ機能である、指定された時間にファックス送信を行ったり、相手から指定パスワードの問い合わせで画像データを送信したりするなど、ハードディスク402にファクス用の画像を保存して処理を行う。これにより、一旦リーダ部201から画像メモリ部730を介してファクシミリ部401、ファクシミリ用のハードディスク402に画像が転送された後は、リーダ部201、画像メモリ部730をファクシミリ機能に使うことなしに、ファックス送信を行うことができる。また、上記ハードディスク402は、ファクシミリ部401の通信画像データを保存する機能を有している。
【0074】
コンピュータインターフェース部403は、外部コンピュータ10とのデータ通信を行うインターフェイス部であり、外部I/F処理部720を外部コンピュータ10に接続するもので、不図示のローカルエリアネットワーク(以下、「LAN」と言う)、シリアルI/F、SCSII/F、及び、プリンタのデータ入力用のセントロI/Fなどを有している。コンピュータインターフェース部403は、このI/Fを介して、プリンタ部202やリーダ部201の状態を外部コンピュータに通知し、コンピュータの指示でリーダ部201で読み取った画像を外部コンピュータへ転送し、あるいは、外部コンピュータからプリント画像データを受け取る。
【0075】
外部コンピュータ10からコンピュータインターフェース部403を介して通知されるプリントデータは専用のプリンタコードで記述されているため、フォーマッタ部404が、そのコードを画像メモリ部730を介してプリンタ部202で、画像形成を行うラスターイメージデータに変換する。
【0076】
フォーマッタ部404は、ラスターイメージデータの展開をイメージメモリ部405に行う。イメージメモリ部405は、このようにフォーマッタ部404がラスターイメージデータの展開するメモリとして使用したり、またリーダ部201で読み取った画像を、コンピュータインターフェース部403を介して外部コンピュータに送信したりする(画像スキャナー機能)場合に、画像メモリ部730から送られる画像データをイメージメモリ部405に一度展開し、外部コンピュータ10に送るデータの形式に変換してコンピュータインターフェース部403からデータを送出するような場合においても使用される。
【0077】
図7は、図3に示した操作部714を概略的に示すものである。同図に示すように、操作部714には、詳細なモード設定を容易にすべく設定モードに応じて表示内容が変わる、液晶等で構成される表示パネル369と、画像形成枚数の設定やモード設定の数値入力に使用するテンキー351と、設定された画像形成枚数や画像形成動作の停止を行うために使用するクリア/ストップキー352と、設定された画像形成枚数や動作モードや選択給紙段等のモードを規定値に戻すためのリセットキー353と、押下により画像形成動作を開始するためのスタートキー354と、が配置されている。
【0078】
本実施形態では、カーソルキー365〜368の操作によって表示パネル369内に表示されるカーソルを移動させ、OKキー364によって設定を決定させる。このような設定方法はタッチパネルで構成することも可能である。
【0079】
更に操作部714には、標準より厚い記録材に対する画像形成を行うときに設定する紙種設定キー371と、LED370と、両面モード設定キー375と、LED372〜374と、用紙選択キー303とが配置されている。本実施形態では、紙種設定キー371によって厚紙モードが設定されると、LED370が点灯するように制御される。また、厚紙モードの設定のみ可能であるが、必要に応じて、OHPやその他の特殊用紙用のモードの設定が可能となるように機能を拡張することもできる。
【0080】
両面モード設定キー375は、例えば、片面原稿から片面出力を行う「片−片モード」、片面原稿から両面出力を行う「片−両モード」、両面原稿から両面出力を行う「両−両モード」、両面原稿から2枚の片面出力を行う「両−片モード」の4種類の両面モードの設定を可能としている。LED372〜374は、設定された両面モードに応じて点灯し、「片−片モード」ではLED372〜374はすべて消灯し、「片−両モード」ではLED372のみが点灯、「両−両モード」ではLED373のみが点灯、「両−片モード」ではLED374のみが点灯するように制御される。
【0081】
(画像形成の具体例)
以下、具体例として、自動原稿送り装置RDF400(図1参照)を使用しない「片−片モード」で、厚紙モードの設定がされていない普通紙に対しての4色の画像形成動作について説明を行う。この場合、画像形成を行う記録材が普通紙であるため、定着駆動モータドライバ761(図3)に対してのスピード設定は感光ドラム1の画像形成スピード(プロセススピード)VPと同じVFNとなるように設定する。
【0082】
オペレータがテンキー351を操作して画像形成枚数を設定した後、用紙選択キー303で給紙段を選択し、スタートキー354で動作スタートを指示すると、プリンタコントローラ701(図3参照)は、画像形成に必要な駆動モータ、例えば、不図示の感光ドラム駆動モータ、定着駆動モータ、給紙駆動モータ、及びメイン駆動モータに対応する各ドライバ756、761、757等に駆動を指示する。
【0083】
次に、それらの駆動モータの駆動状態が安定化してから、指定された給紙段(図1に示す記録材カセット7a〜7dなど)から記録材Pの給紙動作を開始する。このとき、略同時にリーダ部201(図1参照)は、前述のシフト量、黒抽出量、UCR量、及びリーダ色選択信号等を画像処理部203の各ブロックに設定する。また、プリンタ階調補正回路109(図4)には、例えば図6に示すマゼンタ(M)の変換特性が選択される。
【0084】
中間転写体5a上での画像形成は、中間転写体5aの基準信号に合わせるようにして、画像処理部203からの各色に分解された画像データをプリンタ部202(図1参照)に送ることによって行う。指定給紙段から給紙された記録材Pは、レジストローラ50(図1参照)によって、中間転写体5a上の基準位置に対応がとれるタイミングで搬送され、2次転写ローラ5c上で、記録材P上の所定位置に画像が転写される。
【0085】
ついで、画像形成動作制御用の中間転写体(2次転写ローラ)基準信号に関して説明する。即ち、定点PTAが先頭になるように行う中間転写体5aへの作像において、各色トナー像の形成画像を合わせるために中間転写体5a上には、不図示のセンサとセンサ検出フラグとが配置されている。具体的な様子を図9に示す。つまり、潜像形成開始直後の感光ドラム1及び中間転写体5aにおいて、矢印で示すように潜像先端が記録材先端に対応する位置に転写時に重なるようにされている。
【0086】
図10は、潜像(レーザ)と中間転写体基準信号Aの相関関係を示すタイミングチャートである。図10には、中間転写体基準信号A、例えばシアンの画像データ、例えばシアンの潜像形成用レーザ、例えばシアンの1次転写動作が順次記載されている。
【0087】
同図に示すように、潜像形成開始タイミングよりも所定時間(Tprei)早く、記録材PA面制御用の中間転写体基準信号Aが立ち下がるように制御される。これと同様の信号が記録材PB面制御用にも用意されており、これを中間転写体基準信号B(以下「ITOP−B」)と呼ぶ。これら中間転写体基準信号A,Bは、中間転写体5aが回転移動している際に発生するように構成されている。また後述するように、定着スピードに対応する形で、感光ドラム回転用モータ(図示せず)も複数種類のスピードで駆動可能となるように構成されている。
【0088】
ついで、現像装置4におけるトナー濃度制御について説明する。即ち、イエロー用現像器4y、シアン用現像器4c、マゼンタ用現像器4m内にそれぞれ収納された各トナーは波長約960nmの近赤外光に対して反射する性質を有する。従って、この特性を利用し、中間転写体5a上に現像されたトナー像に対して近赤外光を照射し、光量検知センサ13で検知した中間転写体5a上の反射成分と、照射光源からの直接光とを比較する。
【0089】
そして、この比較に基づき、A/Dコンバータ752(図3参照)での変換を実行し、現像されたトナー像の濃度からトナー濃度を検知し、これに基づいて現像器内トナー濃度を算出する。黒トナーに関しては、トナー濃度信号に対応する量のトナーを不図示のホッパから現像装置(現像器)4Bkに補給する。イエロー、シアン、マゼンタのトナーに関しては、トナー濃度信号に対応するトナーを、図2に示したトナー補給スクリュー作動手段26によるスクリュー(図示せず)の作動により、不図示のトナーカートリッジから現像器4y,4c,4mにそれぞれ補給する。
【0090】
以下、図9、図10、図11に沿って、各制御の詳細なタイミングについて説明する。図9は、潜像書き込み開始タイミング時の感光ドラム1と中間転写体5aとの位置関係を示したものであり、中間転写体5a上の定点PTAから記録材Pに対応する画像が一時転写されている、1枚貼りA面作像の様子である。
【0091】
本実施の形態では、フルカラー画像はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの順で画像形成される。例えば、マゼンタの1次転写が終了し、次にシアンの潜像を感光ドラム1へ書き込み開始した後、レーザ書き込み位置から転写位置までの距離LLTをプロセススピードVPで時間経過させたのち、シアンの1次転写動作を開始する。
【0092】
図9の状態における様子を図10を参照して説明する。同図は、本実施の形態におけるタイミング制御の基本となる中間転写体基準信号Aと各画像形成動作との相関関係を示している。
【0093】
中間転写体基準信号Aの立ち下がりから時間Tprei後の潜像形成可能なように画像処理部203に対する設定を行う。本潜像開始タイミングから距離LLT後に実行される1次転写動作のためのタイミングも、この信号を基準として判断する。
【0094】
図11は、画像形成時に要求される各タイミングを制御部位の配置を無視できるように記録材に対してのタイミングで表現したタイミングチャートである。画像は、中間転写体5aに対して先端部と後端部とがそれぞれ6mm、4mm欠ける形の信号で出力され、同図には有効画像領域として表現してある。これは、2次転写から定着までの間でのトナー落ちによる装置内汚れを防止するために必要な処置である。2次転写動作に必要な転写高圧は、この記録材(用紙)先端の6mmの先端余白で立ち上がり、後端側は用紙全域を越えた部分で立ち下がる。
【0095】
このようなタイミングを実現するための高圧制御部770のブロック図を図12に示す。同図は、一例として制御タイミングが厳しい転写高圧に関して示している。
【0096】
図12に示すように、高圧制御部770は、転写電流を発生するための高圧トランス801と、作動増幅部804と、電流検出用抵抗805と、を有している。作動増幅部804には、図3にも示したD/A部753が正極端子に接続されると共に、一端が接地された電流検出用抵抗805の他端が負極端子に接続されている。上記作動増幅部804は、D/A部753で設定された高圧制御信号(電圧)をリファレンスとして高圧トランス801の一次側に流れる電流を制御することで二次側に流れる電流を制御する。
【0097】
以上の構成を有する本実施形態では、即ち、図1に示すリーダ部201から送信される画像情報が画像処理部203で処理され、そして帯電器2により一様に帯電された感光ドラム1に、レーザ光として照射されて潜像を形成し、まずはマゼンタ現像器4mにより潜像が現像される。画像情報に基づいて現像されたトナー像は、中間転写体5a上に1次転写帯電器(図示せず)により転写される。このマゼンタ(M)潜像の形成、現像、転写の画像形成動作は、感光ドラム1と中間転写体5aとが1回転する間に実行され、同様に、残りの3色のシアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色についてもそれぞれ実行される。このとき、画像処理部203に対しての設定は画像形成ごとに行われる。
【0098】
このように4色の画像が1次転写された中間転写体5a上のトナー画像は、2次転写ローラ5cにて、レジストローラ50により2次転写に適したタイミングで搬送されてきた記録材Pに対して2次転写される。この際、2次転写ローラ5cにより中間転写体5aと記録材Pとの間で、2次転写高圧を印加し、2次転写電流を形成することにより、中間転写体5a上のトナー画像を記録材Pに2次転写する。
【0099】
このように2次転写ローラ5cを通過し、トナー画像を載せた記録材Pは、中間転写体5aと同一のスピード(VP)で搬送動作する記録材搬送部9gにより、熱ローラ定着器9に搬送される。そして、熱ローラ定着器9において定着スピードVFN=VPで定着された後、不図示のソータに排出される。
【0100】
(厚紙モードでの定着スピードの特殊性)
例えば、記録材が厚紙である場合、この厚紙上にトナー像を定着させるためには、記録材が普通紙である場合に比べてより多くのエネルギーを必要とする。このため、熱ローラ定着器9での定着スピードを普通紙に比して遅くして、単位面積/時間当たりのエネルギーを増やすことで、厚紙の定着性を確保している。
【0101】
その場合、従来技術によると、2次転写ローラ5cから上下の定着ローラ9a、9bの当接位置までの距離を厚紙の画像形成可能最大サイズより大きくすることにより、画像形成スピード(プロセススピード)VPである中間転写体5aの周速を一定にしたまま、記録材搬送部9gにて、記録材Pを中間転写体5aのスピードとは異なる定着スピードVFに減速し、この記録材搬送部9gを速度変換領域として活用する。そのためには、厚紙の画像形成可能最大サイズに相当する大きさの記録材搬送部9gを確保しなくてはならず、装置が大型化するという欠点があった。
【0102】
本実施の形態では、中間転写体5aのスピードを定着スピードと同様に可変できる構成とし、定着スピードVFを画像形成スピードVPより遅くしなくてはならないときには、最終色の転写終了後は、中間転写体5aのスピードを定着スピードにまで減速する。これにより、記録材搬送部9gに速度変換領域としての大きさを確保する必要をなくして、装置の大型化を回避することができる。
【0103】
(回転現像器の制御)
本実施形態では、前述したようにYMC(イエロー、マゼンタ、シアン)3色に対応する回転型の現像器4y,4c,4mと、Bk(ブラック)の固定型の現像器と、が設けられている。現像器4y,4c,4mはそれぞれ同じ構成を有しているので、ここでは現像器4yに関してのみ説明し、他の現像器4c,4mに関する説明は省略する。
【0104】
即ち、図13に示すように、現像器4yは、例えば非磁性トナーと磁性キャリアとを混合した2成分現像剤が収容された現像容器4y’を有している。現像器4yの感光ドラム1に対向する部位には開口部が設けられており、この開口部に現像スリーブsが一部露出するようにして回転可能に配置されている。現像スリーブsはその内部に、例えばマグネット(図示せず)を回転不能に備えている。
【0105】
現像装置4yは、現像スリーブsが配設された開口部を現像回転体200の外側に向けた形で、この回転体200に固定配置されている。現像スリーブsは非磁性材料からなり、例えば現像容器4y’内の2成分現像剤をその表面にマグネットの磁力により層状に保持して、感光ドラム1に対向する現像領域に搬送し、現像剤を感光ドラム1に付与して、感光ドラム1上に形成されている静電潜像を可視化して現像する。潜像を現像した後の現像剤は、現像スリーブsの回転に従って現像容器4y’内に戻され、回収される。
【0106】
次に、回転現像装置4の制御タイミングについて、図1及び図15を併せて参照しつつ説明する。図15は、回転現像装置4の制御(現像ロータリーモータ回転制御)タイミングを示すタイミングチャートである。図15において、横軸には、断続する現像制御区間をA,Bとして所定の時間間隔をあけて記載している。
【0107】
即ち、コピー開始時には、まずマゼンタの現像器4mが感光ドラム1に対向する位置に移動する。そして、1色目としてマゼンタが現像された後、次のシアンのトナーによる現像を開始するまでの間に、回転現像器200を回転させて、シアンの現像器4cを感光ドラム1と対向する位置に移動させる。更に、イエローの現像器4yの制御も同様に行なう。
【0108】
回転現像器200の位置制御は、例えばステッピングモータ(図示せず)を用いてそのパルス数をカウントすることに基づいて実行し、これにより、現像器200の感光ドラム1に対向する際の停止位置の位置決めを正確に制御する。
【0109】
例えば図15に示すように、現像制御区間A,Bの間の時間間隔は比較的短いため、回転現像器200の制御において、上記ステッピングモータにより、加速、減速を用いた高速回転制御が行われる。同図に示す台形部分は、それぞれの辺が、加速領域、定速領域、減速領域に対応している。なお、Bkの現像器bkは独立した固定のものであり、上記のような回転の制御は必要とされない。
【0110】
(テストパッチ作像による濃度制御)
本実施形態のカラー画像形成装置では、現像器4y,4c,4m内にトナー濃度を測定するためのセンサを備えることなく、印字した画像データの、1ぺ一ジ当たりの画像情報信号における印字画素数の累計値(以下、「ビデオカウント数」と言う)に基づいて1ぺ一ジ当たりのトナーの消費量を計算し、この計算値を、トナーカートリッジ(図示せず)から現像器4y,4c,4mに補給すべきトナー補給量とするように制御する。トナーカートリッジには、不図示のスクリューが装備されており、このスクリューを、トナー補給スクリュー作動手段26(図2参照)によって一定時間回転させた際の補給量Gが予め計測されている。従って、実際に補給すべき補給量Xとスクリュー回転時間tとの関係は、下記の一次式
X=Gt
によって算出される。
【0111】
またトナー補給時に、現像器にトナーを均一に補給できるようにするため、補給動作は、現像器4y,4c,4mが動作している時間内に行わなければならない。補給に伴うスクリューの回転時間が1回の現像時間を上回る場合には、補給動作は2回の現像動作に亘って行われることになる。
【0112】
ビデオカウントに基づくトナー補給動作は、短期間においては略々適正な補給量を維持することができるが、誤差の存在により、実際に現像されたトナー像が適正な濃度になっているか否かの判断・制御は必ずしも容易ではない。そのため、本実施の形態では、所定枚数のプリント(転写)終了後、中間転写体5a上の所定箇所にテストパッチTPを作像し、このテストパッチTPのトナー濃度を、中間転写体反射光量センサ13の検知結果に基づいて検出することで、上記スクリュー回転によるトナー補給量へのフィードバックを行う。これにより、ビデオカウントに基づく補給時に発生する補給量の誤差を補填している。
【0113】
(テストパッチの作像)
ついで、テストパッチTPの作像について図13に沿って具体的に説明する。すなわちテストパッチTPの作像は、所定箇所、つまり中間転写体5aに対して行なう通常作像の、画像後端部分にて行う。このテストパッチTPは、中間転写体5aの所定箇所に、各色毎に順次に1次転写される。中間転写体5aに対向して所定位置に設置された反射光量センサ13が、テストパッチTPの反射光量を各色毎に検知することに基づき、第1の濃度補正手段16(図2参照)がテストパッチTPのトナー濃度を各色毎に検出する。なお、テストパッチは、2次転写を施されず、記録材Pへの画像転写が終了した後、中間転写体5a上のクリーナ6によって清掃される。
【0114】
図13を参照して、テストパッチ画像の形成について更に説明する。同図は、フルカラー4色の作像の途中段階として、例えば、1色目のマゼンタの画像形成が終了し、2色目のシアンの画像形成が開始されている状態を示している。
【0115】
つまり、現像器4mによる1色目のマゼンタ画像の形成後、現像器4cによる2色目のシアンの画像形成の間で、中間転写体5aの所定位置にテストパッチTPのパターンが形成される。そして、このテストパッチTPを反射光量センサ13で検知することに基づき、第1の濃度補正手段16でその反射光量(つまり、テストパッチ画像の濃度)を測定し、この測定結果を、トナーカートリッジからのスクリューによる補給制御にフィードバックすることに基づいて、回転現像装置4の各現像器4y,4c,4mに対するトナー補給量を制御して濃度調整を実施する。なお、図13に示すテストパッチTPは、感光ドラムホームポジションセンサ1hpに対応する作像位置に形成されたマゼンタのテストパッチである。
【0116】
テストパッチTPによる画像濃度補正は、前述したように、中間転写体5aに形成したテストパッチTPの濃度をサンプリングし、中間転写体反射光量センサ13の検知結果に基づいて読み取った濃度を、第1の濃度補正手段16(図2参照)が所定の目標濃度と比較することによって行なわれる。
【0117】
上記比較の結果、第1の濃度補正手段16は、テストパッチTPの濃度が目標濃度よりも高い場合に、トナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を減少させ、現像剤中のキャリアに対するトナー濃度を低下させるようにスクリューの駆動量を制御する。また、第1の濃度補正手段16は、テストパッチTPの濃度が目標濃度よりも低い場合に、トナー補給スクリュー作動手段26を制御することでトナー補給量を増加させ、現像剤中のトナー濃度が高くなるようにスクリューの駆動量を制御する。
【0118】
現像剤中に混合されているキャリア及びトナーそれぞれの性質は、耐久枚数の増加とともに変化する。一般的に、記録材上に形成される画像濃度を一定に保持しようとする場合、まだ耐久の進まない、比較的新しい現像剤では、トナー濃度を比較的高い状態に保つ必要がある。そして、耐久枚数進むに連れ、若干現像剤中のトナー濃度を低くしていくことで、結果として、出力される画像の濃度が略々一定に保持されることになる。
【0119】
そのため、テストパッチTPのみにて現像在中のトナー濃度を制御しようとすると、耐久初期の現像剤ではトナー濃度が非常に高い状態となる。制御が安定している場合には特に問題はないが、トナー載り量の多い画像を連続で形成する際のように、消費と補給が多い画像形成を連続して行なう場合には、現像剤中のトナー濃度のリップル(変動)が大きくなって、現像剤中のトナー濃度が一時的に高くなり過ぎてしまうような状況が発生することがある。
【0120】
現像剤中の濃度が高すぎると、補給量の線形性が保たれなくなり、制御が不安定になったり、また、転写されないで飛散するトナーが発生したりすることになる。そのため、画像濃度は安定していても、記録材の端部や裏面が汚れてしまったり、画像形成装置内部の飛散トナーによる汚れ等が発生したりする可能性がある。
【0121】
(非接触光ATRによるターゲット補正)
上記問題に鑑みて、本実施の形態では、非接触型のトナー濃度センサとしての非接触ATRセンサ8を、回転現像装置4の現像器4y,4c,4mそれぞれの現像スリーブsが順次対向し得る所定位置に設置することにより、感光ドラム1へのトナー付与の後、現像スリーブ面上に吸着されたままのトナーの濃度を検知して、テストパッチTPを用いた濃度検出に基づく制御にフィードバックをかけるように構成されている。本実施の形態において、このような制御を非接触光ATRと呼ぶ。
【0122】
即ち、非接触ATRは、光電検知方式を用いたトナー濃度センサを使用するもので、現像スリーブs上に付着した現像剤に光を照射し、その反射光(近赤外光)を例えばフォトダイオードで検知して、初期値との差分に応じてトナー供給量を決定する。この制御は、トナーが近赤外光を反射するのに対し、キャリア(鉄粉等を含む)が近赤外光を吸収する性質を応用したものである。テストパッチTPに基づく現像剤のトナー濃度制御は、装置の生産性の観点から、あまり頻繁に実行することはできず、少なくとも数十枚程度の間隔をおいて実行することが多い。
【0123】
本実施形態では、前述のように、回転現像装置4を用いた構成を備える関係上、現像を実施しない間に、現像器4y,4c,4mの各現像スリーブ面を非接触光ATRセンサ8で検知することが容易となるように構成している。このような検知を、上述のように非接触光ATRセンサ8を用いることで、画像形成装置の生産性を損なうことなく実行することを可能にしている。
【0124】
すなわち、非接触光ATRセンサ8を用いた現像剤濃度制御は、トナー補給量を直接に制御するのでなく、前述したテストパッチTPを用いたトナー濃度制御においての、目標濃度をオフセットさせることによって濃度を制御する。つまり、現像器4y,4c,4mの各現像スリーブs面で検知された現像剤のトナー濃度が目標濃度より高い場合には、テストパッチTPに基づく制御目標濃度を段階的に低下させ、現像スリーブs面で検知された現像剤のトナー濃度が目標濃度よりも低い場合には、テストパッチTPに基づく制御目標濃度を段階的に上げるのである。
【0125】
記録材P上の画像濃度を一定に保つために、通常は現像剤の濃度は、耐久初期にはトナー濃度を高く制御する。そして、耐久枚数が進むにつれ、トナー濃度を下げるように制御する。そのため、非接触光ATRセンサ8に基づく動作としては、耐久初期には、現像剤のトナー濃度が高くなってくるので、テストパッチTPに基づく目標濃度を段階的に下げる制御を行い、必要以上にトナー濃度が高くなってトナー飛散等の問題を生じることのないように制御する。また、耐久枚数が進んだ状態では、トナー濃度を段階的に上げる方向に制御を行い、現像剤中のトナー濃度が低くなりすぎて感光ドラム1へキャリアが付着する等の問題を生じることのないようにする。
【0126】
(非接触光ATRと反射光量センサのタイミングずらし)
一般に、現像濃度の制御では、濃度読取センサの取り付け位置は、主走査方向の中心に取り付けられている。これは、中心位置が、形成された画像や環境条件等の影響を考えた上で、現像剤の濃度を的確に反映した状態だと言えるからである。そのため、本実施形態における、テストパッチTPを読み取るための中間転写体反射光量センサ13と、現像器4y,4c,4mの各スリーブs面上のトナー濃度を読み取るための非接触光ATRセンサ8は、いずれも主走査方向の中心位置に取り付けられている。
【0127】
通常、非接触光ATRセンサ8は作像ごとに読取を行なう。これは、非接触光ATRセンサ8のサンプリング処理が、画像形成装置の生産性に影響を与えないからである。しかし、テストパッチTPによるサンプリングは、画像形成ごとに行なうことはできない。特に本実施形態においては、回転現像器4によるカラー画像形成を行なっている関係上、テストパッチTPの作像を行なおうとすると、一旦通常の画像形成を中断し、生産性を落とすことで、テストパッチ画像の形成時間を確保することになる。
【0128】
通常は、プリント枚数カウンタ(例えば図2に示す第1の濃度補正実行カウンタ18)に同期してテストパッチTPの形成を行なう。例えば、20面作像ごとにテストパッチ形成を行なうといった具合である。ただし、ユーザが21枚のプリントを行なうような場合、つまり、残り数枚残して、テストパッチ画像の形成が行なわれてしまうと、ユーザにとっては見かけの生産性は大きく下がったような印象を与える。
【0129】
そのため、濃度制御に問題がない範囲では、残り数枚でプリントジョブが終了することが予想される場合には、テストパッチTPによる画像形成の中断を行なうことなく、画像形成をそのまま連続して実施する。そして、すべての画像形成が終了してから、テストパッチTPの画像形成を開始する。こうすることで、ユーザにとっての画像形成装置の実際の生産性を高く保つことが可能となる。
【0130】
上記のように、テストパッチTPの形成では、トリガとなるタイミングが変化する。それに対して、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングは、画像形成装置の生産性に何ら影響を与えないので、生産性とは関係なく一定の間隔で実行される。このように、2つの濃度制御が互いには同期せずに、作動タイミングが発生するため、場合によっては、双方の作動タイミングが重なってしまうことも考えられる。
【0131】
濃度制御で用いるテストパッチTPは、比較的高い濃度の画像として形成される。そのため、一時的ではあるが、テストパッチ形成直後は、テストパッチTPの主走査位置に対応する部分の現像スリーブs上のトナー濃度は若干低下することになる。非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングがこの状態で行なわれると、トナー濃度は、実際に検知すべき値よりも小さい値となる。その結果、実際にはトナー濃度が高いにも拘わらず、非接触光ATRセンサ8に基づく目標トナー濃度を下げるように制御されない状況が発生する虞がある。
【0132】
従って本実施形態では、上記のように、テストパッチTPの画像形成と、非接触光ATRセンサ8に基づく制御とが重複することが予想される場合に、図14のフローチャートに従って、テストパッチ形成と、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングとが重ならないように制御する。
【0133】
図14と図2を併せて参照すると、まずステップS1において、第1の濃度補正手段16は、記録材Pへの転写ごとにカウントアップされる第1の濃度補正実行カウンタ18をチェックする。その結果、このカウンタ18がテストパッチサンプリング動作間隔の規定枚数(例えば20枚)を超えている場合には、後述するように、テストパッチTPの画像形成及び該テストパッチTPによるサンプリングを実行する。
【0134】
一方、規定枚数を超えない場合には、ステップS5に進み、第2の濃度補正手段17が、同じく1回の転写ごとにカウントアップされる第2の濃度補正実行カウンタ23をチェックする。その結果、このカウンタ23がサンプリング動作間隔の規定枚数(例えば100枚)を超えていない場合には、何も実行せずに処理を終了する。また、ステップS5において、第2の濃度補正実行カウンタ23が規定枚数を超えていると判断した場合には、ステップS6に進み、第2の濃度補正手段17による非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリング動作のみを実行する。
【0135】
そして、上記ステップS1において、第1の濃度補正手段16により、第1の濃度補正実行カウンタ18が規定枚数を超えていると判断された場合には、ステップS2に進み、第2の濃度補正手段17による第2の濃度補正実行カウンタ23のチェックも同時に行なう。その結果、ステップS2において第2の濃度補正実行カウンタ23が規定枚数に達していない場合には、ステップS4にジャンプし、第1の濃度補正実行カウンタ18により、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングのみを実行し、更に該サンプリングで得たトナー濃度と目標トナー濃度との比較に基づいて、トナー補給スクリュー作動手段26を適時作動制御する。
【0136】
一方、ステップS2において、第2の濃度補正実行カウンタ23は規定枚数を超えていると判断された場合、そのまま処理を進めると、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングと、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングとが同時に行なわれることになってしまう。双方の処理が同時に実行されると、前述したように、非接触光ATRセンサ8に基づいて検出されたトナー濃度が、実際に検知すべき値よりも小さい値となり、テストパッチTPに基づく濃度調整制御を損なうような状況が発生する虞がある。
【0137】
そこで本実施の形態では、上記状況の発生を確実に回避するために、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングを、非接触光ATRセンサ8に基づくサンプリングよりも優先的に処理するように制御する。その実現のため、上記ステップS2において、第2の濃度補正実行カウンタ23によるカウントが規定枚数を超えた場合には、次段のステップS3において、濃度補正タイミング判断手段24が、第2の濃度補正実行カウンタ23のカウント数を1つ減算するように制御する。更に、この減算制御の後、ステップS4に進み、テストパッチTPの画像形成及び反射光量センサ13に基づくサンプリングのみを実行し、更に該サンプリングで得たトナー濃度と目標トナー濃度との比較に基づいて、トナー補給スクリュー作動手段26を適時作動制御する。
【0138】
本実施の形態によると、テストパッチTPに基づいてトナー濃度を検出する濃度補正、及び、現像器4y,4c,4mの現像スリーブsに吸着されたトナーに基づいてトナー濃度を検出する濃度補正の双方を行ない得るものでありながら、双方による濃度補正の作動タイミングが重なると判断した際には、濃度補正タイミング判断手段24が、テストパッチTPに基づく濃度判定を損なう虞のある第2の濃度補正手段17の作動開始を遅らせることで、常に適切な濃度補正制御を実施することができる。
【0139】
また本実施形態によると、感光ドラム1やトナーの製造工程において精度を高くする等の処置が不要になるので、感光ドラム1や現像剤の製造コスト上昇に起因する装置価格の上昇を抑えることができ、また残像等の問題を解決しつつ、テストパッチによる画像の品位を向上させ、コストアップを招くことなく濃度制御の精度を向上させることが可能になる。
【0140】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0141】
[実施態様1] 画像信号に基づき像担持体に形成された静電潜像を、トナー及びキャリアを含有する現像剤を現像手段から前記像担持体に付与することにより現像し、該現像によるトナー像を中間転写体を介して記録媒体に転写するように構成した画像形成装置において、前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、第1の作動タイミングにて、前記中間転写体に前記トナーによるテストパッチを形成し、かつ該テストパッチに基づき検出したトナー濃度に基づいて前記トナー補給手段を作動制御する第1の濃度補正手段と、第2の作動タイミングにて、前記現像手段側でトナー濃度を検出し、該検出したトナー濃度を前記第1の濃度補正手段にフィードバックする第2の濃度補正手段と、前記第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御する遅延手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【0142】
[実施態様2] 順次送られる記録媒体に対する画像形成ごとにカウントアップされる第1及び第2の濃度補正実行カウンタを備え、
前記第1の濃度補正手段は、前記第1の濃度補正実行カウンタのカウント値に基づいて前記作動タイミングを取得し、かつ前記第2の濃度補正手段は、前記第2の濃度補正実行カウンタのカウント値に基づいて前記作動タイミングを取得するように構成されることを特徴とする実施態様1に記載の画像形成装置。
【0143】
[実施態様3] 前記遅延手段は、前記第1及び第2の濃度補正実行カウンタ双方のカウント値に基づいて、前記第1及び第2の作動タイミングが重なると判断するように構成されることを特徴とする実施態様2に記載の画像形成装置。
【0144】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置は、遅延手段が、第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御するので、テストパッチに基づいてトナー濃度を検出する濃度補正制御、及び、現像手段側でトナー濃度を検出する濃度補正制御の双方を行ない得るものでありながら、双方が重なって互いに影響し合うと判断した際には、双方の作動タイミングをずらすことで、2つの濃度補正が影響し合って正確な濃度検出を損なうような状況の発生を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるカラー画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明の実施形態における濃度制御手段を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における制御系全体を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における画像処理部を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における外部IF処理部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態における画像処理部の階調補正の説明図である。
【図7】本発明の実施形態における操作部を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における1/2枚貼り制御の説明図である。
【図9】本発明の実施形態における転写タイミングの説明図である。
【図10】本発明の実施形態における転写タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態における転写高圧制御タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施形態における高圧制御部を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施形態におけるテストパッチ形成タイミングの説明図である。
【図14】本発明の実施形態における作動を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態における回転現像装置の制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
4 回転現像装置(現像手段)
4y,4c,4m 現像器(現像手段)
5a 中間転写体
16 第1の濃度補正手段
17 第2の濃度補正手段
24 濃度補正タイミング判断手段(遅延手段)
26 トナー補給スクリュー作動手段(トナー補給手段)
P 記録材(記録媒体)
TP テストパッチ
Claims (1)
- 画像信号に基づき像担持体に形成された静電潜像を、トナー及びキャリアを含有する現像剤を現像手段から前記像担持体に付与することにより現像し、該現像によるトナー像を中間転写体を介して記録媒体に転写するように構成した画像形成装置において、
前記現像手段にトナーを補給するトナー補給手段と、
第1の作動タイミングにて、前記中間転写体に前記トナーによるテストパッチを形成し、かつ該テストパッチに基づき検出したトナー濃度に基づいて前記トナー補給手段を作動制御する第1の濃度補正手段と、
第2の作動タイミングにて、前記現像手段側でトナー濃度を検出し、該検出したトナー濃度を前記第1の濃度補正手段にフィードバックする第2の濃度補正手段と、
前記第1及び第2の作動タイミングが重なると判断したとき、双方の作動タイミングがずれるように制御する遅延手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003127466A JP2004333707A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | 画像形成装置 |
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JP2003127466A JP2004333707A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | 画像形成装置 |
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ID=33504001
Family Applications (1)
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JP2003127466A Pending JP2004333707A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2004333707A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7403727B2 (en) | 2005-08-31 | 2008-07-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus and density adjusting method thereof |
JP2019086695A (ja) * | 2017-11-08 | 2019-06-06 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置および画像形成装置のコンピュータにより実行されるプログラム |
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2003
- 2003-05-02 JP JP2003127466A patent/JP2004333707A/ja active Pending
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