JP2004332804A - Friction engagement device for automatic transmission - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機における多板クラッチや多板ブレーキ等の摩擦係合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動変速機には、各変速段を選択的に作動させるために複数の摩擦係合装置(クラッチやブレーキ)が設けられており、そのような摩擦係合装置を前進用ブレーキに具体化した一例が特許文献1に記載されている。即ち、この特許文献1の摩擦係合装置では、図6に示すように、シリンダ51内に軸方向への摺動自在に嵌合支持されたピストン52がスナップリング53に後面を当接支持されたスプリングリテーナ54との間に挟んだリターンスプリング55によって常には軸方向前側(図6では左側)へ付勢されている。また、前記スプリングリテーナ54よりも軸方向後側には、複数枚のリング状をなす摩擦板56が軸方向のスプライン溝(図示略)にスプライン係合して配設され、最も後側に位置する摩擦板56の後面に当接したスナップリング57によってスプライン溝から軸方向後側への抜け止めが図られている。
【0003】
そして、シリンダ51とピストン52との間の油圧室58に作動油が供給された際には、その油圧によりピストン52が軸方向後側へ移動し、該ピストン52の軸方向後側へ長く延びた押圧片52aにより各摩擦板56を軸方向後側へ押圧して摩擦係合させ、ブレーキ作動状態を得るようになっている。その一方、前記油圧室58から作動油がドレーンされた際には、リターンスプリング55の付勢力でピストン52が軸方向前側へ復帰移動し、各摩擦板56の摩擦係合を解除することにより、ブレーキ非作動状態を得るようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−39213号公報(請求項1、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1の自動変速機における摩擦係合装置では、次のような問題があった。即ち、ピストン52とスプリングリテーナ54との間に配設されるリターンスプリング55についても、近時は自動変速機のコンパクト化要請から小型化が図られている。そのため、リターンスプリング55が小コイル径のコイルスプリングからなる場合、又はリターンスプリング55がウェーブスプリングからなる場合において当該ウェーブスプリングを構成する長尺細帯状をなす弾性材の幅が狭い場合には、リターンスプリング55の径方向の剛性が低下してしまう。従って、かかる径方向の剛性が低下したリターンスプリング55の場合には、油圧室58から作動油がドレーンされたことに基づき伸長してピストン52にリターン荷重をかける際に捩れてしまい、例えばピストン52がシリンダ51の内面に片当たり状態となり、適正な作動状態を得られなくなる虞があった。
【0006】
また、仮にリターンスプリング55の径方向の剛性が充分に確保されていたとしても、上記特許文献1の自動変速機における摩擦係合装置では、更に次のような問題もあった。即ち、前記各摩擦板56を摩擦係合させる際において各摩擦板56のうち最も軸方向前側に位置する摩擦板56を押接して各摩擦板56に押圧力を作用させる押圧片52aの先端部(ピストン当たり面ともいう。)は、図6に示すように、リング形状をなす摩擦板56の内周縁側に位置していた。その一方、前記押圧力に対向する反力を各摩擦板56に作用させるべく各摩擦板56のうち最も軸方向後側に位置する摩擦板56の後面に当接するスナップリング57の前面(バックアップ面ともいう。)は、図6に示すように、当該摩擦板56の外周縁側に位置していた。
【0007】
そのため、各摩擦板56に対して押圧力を作用させる押圧力付与部とその反力を作用させる反力付与部とが軸方向と直交する方向において大きなオフセット量を持って対向することになり、ピストン52の姿勢バランスを崩してしまうことがあった。従って、油圧室58から作動油がドレーンされたことに基づきリターンスプリング55が伸長してピストン52にリターン荷重をかけた際に、当該ピストン52がこじれるように傾いてしまい、その結果、シリンダ51の内面に片当たり状態となって、やはり適正な作動状態を得られなくなる虞があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的は、適正に係合又は非係合の両作動状態を繰り返し実現し得る自動変速機における摩擦係合装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ピストンを軸方向への移動自在に内装したシリンダと、当該シリンダの開口側となる軸方向の一方側でピストンと対向する位置に軸方向への移動不能に配設されたスプリングリテーナと、当該スプリングリテーナと前記ピストンとの間にピストンの軸方向への移動に伴い伸縮するように介在されたリターンスプリングと、当該リターンスプリングの付勢力に抗して前記ピストンが軸方向の一方側へ移動した際に当該ピストンから軸方向の一方側へ延設された押圧片により押圧されて摩擦係合する複数枚の摩擦板と、前記ピストンの軸方向への移動に伴い前記リターンスプリングが伸縮する際に当該リターンスプリングを軸方向と直交する両側から挟むように位置してリターンスプリングの伸縮方向が軸方向に沿うようにガイドするガイド手段とを備えたことを特徴とした。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ガイド手段は、前記リターンスプリングを軸方向と直交する両側から挟むように位置して対面し合う第1ガイド面と第2ガイド面とからなり、前記第1ガイド面は前記ピストンの軸方向延設部が有するリターンスプリングとの対向面により構成され、前記第2ガイド面は前記リターンスプリングから見た場合に前記第1ガイド面とは反対側で前記シリンダが有するリターンスプリングとの対向面により構成されることを特徴とした。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記各摩擦板のうち最も軸方向の一方側に位置する摩擦板に軸方向の一方側から当接する位置に軸方向への移動不能に配設されたスナップリングを更に備え、前記各摩擦板を摩擦係合させる際に各摩擦板に対して軸方向の他方側から押圧力を作用させる押圧力付与部と、その際に前記押圧力に対向する反力を各摩擦板に対して軸方向の一方側から作用させる反力付与部とを、軸方向と直交する方向においてリターンスプリングから見た場合に同じ側となるようにしたことを特徴とした。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、軸方向に沿って移動自在なピストンと、当該ピストンと対向する軸方向の一方側位置に軸方向への移動不能に配設されたスプリングリテーナと、当該スプリングリテーナと前記ピストンとの間にピストンの軸方向への移動に伴い伸縮するように介在されたリターンスプリングと、当該リターンスプリングの付勢力に抗して前記ピストンが軸方向の一方側へ移動した際に当該ピストンから軸方向の一方側へ延設された押圧片により押圧されて摩擦係合する複数枚の摩擦板と、当該各摩擦板のうち最も軸方向の一方側に位置する摩擦板に軸方向の一方側から当接する位置に軸方向への移動不能に配設されたスナップリングとを備え、前記各摩擦板を摩擦係合させる際に各摩擦板に対して軸方向の他方側から押圧力を作用させる押圧力付与部と、その際に前記押圧力に対向する反力を各摩擦板に対して軸方向の一方側から作用させる反力付与部とを、軸方向と直交する方向においてリターンスプリングから見た場合に同じ側となるようにしたことを特徴とした。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の発明において、前記スプリングリテーナには、前記ピストンが軸方向へ移動する際に前記押圧片を軸方向に沿うように挿通ガイドするガイド部が形成されていることを特徴とした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両に搭載された自動変速機における摩擦係合装置に具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の自動変速機11はコンバータハウジング12とミッションケース13からなる本体ケース14を備えており、当該本体ケース14内にトルクコンバータ15及び変速機構16が収納されている。本体ケース14内にはエンジン出力軸(図示略)からの回転トルクが前記トルクコンバータ15内の油流を介して又はロックアップクラッチ17による機械的接続を介して入力される変速機構16の入力軸18が回転自在に支持されている。そして、この入力軸18の一端側(図1において右端側)には、当該入力軸18と同軸配置で、変速機構16の中間軸19と出力軸20とが各々互いに回転自在に且つ軸方向への移動不能に支持されている。
【0016】
また、前記ミッションケース13内には、前記変速機構16の主体をなすプラネタリギヤユニットGが前記中間軸19の外周側となる位置に設けられている。また、前記ミッションケース13内において前記中間軸19の外周側の複数位置には、前記変速機構16において各変速段を選択的に作動させるための複数の摩擦係合装置(多板構成のクラッチC1〜C3及び多板構成のブレーキB1〜B3)が配設されている。
【0017】
図2及び図3に示すように、前記変速機構16は、前進4速・後進1速の変速機構に構成されている。そして、前記プラネタリギヤユニットGは、互いに径の異なる2つのサンギヤS1,S2と、1つのリングギヤR、及び大径のサンギヤS1に外接噛合すると共に前記リングギヤRに内接噛合するロングピニオンギヤP1を備えている。また、前記プラネタリギヤユニットGは、前記小径のサンギヤS2に外接噛合すると共にロングピニオンギヤP1にも外接噛合するショートピニオンギヤP2と、それら両ピニオンギヤP1,P2を支持するキャリヤCRをも備えた構成とされ、ラビニョタイプのギヤユニットを構成している。
【0018】
そして、前記大径のサンギヤS1は、後進時に係合される後進用のクラッチC3を介して入力軸18に連結されると共に、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB2を介してミッションケース13に係止可能とされ、更にはブレーキB1を介してもミッションケース13に係止可能とされている。また、前記小径のサンギヤS2は1速〜3速において係合される前進低速段用のクラッチC1を介して入力軸18に連結されている。
【0019】
また、前記キャリヤCRは、3速及び4速において係合される前進高速段用のクラッチC2を介して入力軸18に連結されると共に、ブレーキB3を介してミッションケース13に係止可能とされ、更にはワンウェイクラッチF2を介してミッションケース13に一方向回転係止可能とされている。また、前記リングギヤRは出力軸20に対して一体回転可能に連結されている。なお、前記ブレーキB1,B2は前進時に係合する前進用ブレーキであり、前記ブレーキB3は後進時に係合する(但し、1速のエンジンブレーキ時にも係合する)後進用ブレーキである。
【0020】
次に、本発明に係る摩擦係合装置が具体化されてなる前記ブレーキB1,B2の具体的構造を詳述する。
まず、ブレーキB1について説明すると、図1及び図4に示すように、前記ミッションケース13内において前記クラッチC1よりも中間軸19から見て更に外周側となる位置には、ピストン21を軸方向への移動自在に内装したシリンダ22が、軸方向への移動不能に且つ回り止めされた状態で配設されている。また、シリンダ22の開口側となる軸方向の一方側(図4では左側)でピストン21と対向する位置には、スプリングリテーナ23がミッションケース13の内面に係止したスナップリング24により背面(左端面)の外周縁寄りを当接支持されて軸方向への移動不能に配設されている。そして、前記スプリングリテーナ23とピストン21との間にリターンスプリングとしてのウェーブスプリング25が前記ピストン21の軸方向への移動に伴い伸縮するように介在されている。
【0021】
前記ピストン21は、図4及び図5に示すように、軸方向と直交する平面を形成してシリンダ22の内底面と対向するリング形状の受圧部21aと、受圧部21aの外周縁から軸方向の一方側へ連続形成した筒状部21bと、筒状部21bから更に軸方向の一方側へ延設された5つの押圧片21cとを備えている。前記筒状部21bの外周側にはピストン21の外周縁を構成する鍔部21dが周方向へ形成されており、前記受圧部21aの内周縁から筒状部21b及び鍔部21dにかけての表面上には、ピストン21とシリンダ22との間に油圧室26を油密状に形成するための樹脂製のシール材27が被覆されている。
【0022】
そして、前記ブレーキB1においては、ピストン21における筒状部21bと押圧片21cが当該ピストン21における軸方向延設部とされ、それら筒状部21bと押圧片21cが内面側に有するウェーブスプリング25との対向面Q1により第1ガイド面が構成されている。また、ウェーブスプリング25から見た場合に、ピストン21側において第1ガイド面を構成する前記対向面Q1とは反対側で、シリンダ22が内面側に有するウェーブスプリング25との対向面Q2により第2ガイド面が構成されている。そして、前記ウェーブスプリング25を軸方向と直交する両側から挟むように位置する前記ピストン21側の対向面(第1ガイド面)Q1と、前記シリンダ22側の対向面Q2とにより、ウェーブスプリング25の伸縮方向が軸方向に沿うようにガイドするガイド手段が構成されている。
【0023】
また、前記スプリングリテーナ23は、軸方向と直交する平面を形成して前記ピストン21の受圧部21aの背面(左端面)と対向するリング形状の板状体に形成されている。そして、スプリングリテーナ23は、その内径が前記受圧部21aの内周縁で規定されるピストン21の内径と略同一径に形成される一方、その外径は前記鍔部21dの外周縁で規定されるピストン21の外径よりも大径に形成されている。また、図5に示すように、スプリングリテーナ23の周方向へ等間隔をおいて離間した複数箇所(図5では5箇所)には、前記ピストン21の各押圧片21cをブレーキB1の組付け状態において挿通ガイド可能なガイド孔23aがガイド部として形成されている。そして、当該各ガイド孔23aは、前記ピストン21が軸方向へ移動する際に、前記押圧片21cを軸方向に沿うように挿通ガイドする機能を果たすようになっている。
【0024】
また、前記ウェーブスプリング25は、1枚の長尺細帯状をなす弾性材25aが複数回螺旋状に巻回しされてリング形状をなすように且つその周方向に沿って波形部分が連続するように変形加工されたリング状ばね体に形成されている。そして、図5に示すように、螺旋状をなす弾性材25aにおける軸方向で隣接する波形部分の山同士が互いに当接するように変形加工されることにより、ウェーブスプリング25は、所定の付勢力を有して軸方向への伸縮自在な構成とされている。即ち、ウェーブスプリング25は、前記シリンダ22内の油圧室26に図示しない油路を介して作動油が供給された際には、その油圧により軸方向の一方側(図4で左側)へ移動するピストン21に押圧されて軸方向へ圧縮するように構成されている。その一方、前記油圧室26から作動油がドレーンされた際には、その付勢力に基づき軸方向へ伸長してピストン21を軸方向の他方側(図4で右側)へ復帰移動させるように構成されている。
【0025】
また、図4に示すように、前記ミッションケース13内において前記スナップリング24よりも更に軸方向の一方側で前記ピストン21の押圧片21cの先端部(押圧力付与部)と対応する位置には複数枚の摩擦板28が配設されている。これら各摩擦板28は、図示しない軸方向のスプライン溝にスプライン係合した複数枚(図4では3枚)のドリブンプレート28aと、前記大径のサンギヤS1に連結されたハブ29とスプライン係合する複数枚(図4では2枚)のドライブプレート28bとが軸方向へ交互に位置した構成になっている。そして、前記油圧室26内の油圧によりピストン21がウェーブスプリング25の付勢力に抗して軸方向の一方側へ移動した際には、前記押圧片21cの先端部により押圧されてドリブンプレート28aとドライブプレート28bとが摩擦係合することでブレーキ作動状態を得られるようになっている。
【0026】
また、前記各摩擦板28のうち最も軸方向の一方側(図4では左側)に位置する摩擦板28(ドリブンプレート28a)の背面側(左側)にはスナップリング30がミッションケース13の内面に係止された状態で軸方向への移動不能に配設されている。そして、このスナップリング30の前面(反力付与部)が、前記最も軸方向の一方側に位置する摩擦板28(ドリブンプレート28a)の背面に当接することにより、各摩擦板28は各々対応するスプライン溝から軸方向の一方側へ抜け出すことが防止されている。また、このスナップリング30は、前記各摩擦板28に対して摩擦係合のための押圧力が前記押圧片21cにより軸方向の他方側(図4では右側)から加えられた際に、その押圧力に対向する反力を軸方向の一方側(図4では左側)から前記各摩擦板28に作用させる機能を有している。
【0027】
そして、このブレーキB1では、各摩擦板28に押圧力を作用させる押圧片21cの先端部(押圧力付与部)と、その反力を各摩擦板28に作用させるスナップリング30の前面(反力付与部)とが、軸方向と直交する方向においてウェーブスプリング25から見た場合に同じ側となるように設定されている。具体的には、前記押圧片21cの先端部の位置とスナップリング30の前面の位置とが、共に、ウェーブスプリング25の外周側に位置している。なお、前記押圧片21cの先端部(押圧力付与部)のことを「ピストン当たり面」、前記スナップリング30の前面(反力付与部)のことを「バックアップ面」ということもある。
【0028】
次に、ブレーキB2について説明すると、図4に示すように、前記ミッションケース13内において前記ブレーキB1よりも軸方向の他方側(図4で右側)の位置に、ブレーキB2は、前記ブレーキB1と隣り合うように配設されている。そして、このブレーキB2は、ワンウェイクラッチF1を組み込んでいる以外、前記ブレーキB1の場合と同様の基本的構成とされ、ピストン31、シリンダ32、スプリングリテーナ33、スナップリング34、ウェーブスプリング35を備えた構成とされている。また、そのピストン31のシリンダ32内面との対向部位には油圧室36を油密状に形成するためのシール材37が同様に被覆されると共に、ドリブンプレート38a及びドライブプレート38bからなる複数枚の摩擦板38が背面をスナップリング39に当接支持されて軸方向一方側への抜け止めが図られている。
【0029】
但し、このブレーキB2においては、前記各基本的構成のうち、ピストン31とスプリングリテーナ33とが、その具体的構造において、前記ブレーキB1におけるピストン21とスプリングリテーナ23と相違している。従って、以下においては、主としてピストン31とスプリングリテーナ33が前記ブレーキB1におけるピストン21とスプリングリテーナ23との対比の上で有する相違点を説明することとし、その他の同一構成部分(シリンダ32等)については、重複した説明を省略することにする。
【0030】
さて、図4からも理解されるように、前記ブレーキB2におけるピストン31は、受圧部31aの外周縁から軸方向の一方側へ連続形成される筒状部31bが段差状をなした構成になっている。そして、その段差状の筒状部31bから更に軸方向の一方側へ延設された押圧片31cの先端部が、前記ワンウェイクラッチF1による係合・解放を可能とするように当該ワンウェイクラッチF1内を貫通して前記各摩擦板38の近傍位置まで延びている。
【0031】
また、前記スプリングリテーナ33については、その外周縁側が軸方向の一方側へ筒状部33aを形成するように曲げ加工され、その筒状部33aよりも外周側の空間域を前記ピストン31の押圧片31cが移動する構成とされている。従って、このブレーキB2におけるスプリングリテーナ33には前記ブレーキB1におけるスプリングリテーナ23に形成されていたガイド孔23aに相当するガイド部は設けられていない。その代わり、このブレーキB2では、ワンウェイクラッチF1がピストン31の押圧片31cを挿通ガイドするガイド部としての機能を果たすようになっている。
【0032】
そして、このブレーキB2においても、前記ピストン31において押圧片31cと共に軸方向延設部を構成する段差状の筒状部31bが軸方向延設部とされ、その筒状部31bが小径部の内面側に有するウェーブスプリング35との対向面Q1により第1ガイド面が構成されている。また、ウェーブスプリング35から見た場合に、ピストン31側において第1ガイド面を構成する前記対向面Q1とは反対側で、シリンダ32が内面側に有するウェーブスプリング35との対向面Q2により第2ガイド面が構成されている。そして、前記ウェーブスプリング35を軸方向と直交する両側から挟むように位置する前記ピストン31側の対向面(第1ガイド面)Q1と、前記シリンダ32側の対向面Q2とにより、ウェーブスプリング35の伸縮方向が軸方向に沿うようにガイドするガイド手段が構成されている。
【0033】
また、このブレーキB2においても、各摩擦板38に押圧力を作用させる押圧片31cの先端部(押圧力付与部)と、その反力を各摩擦板38に作用させるスナップリング39の前面(反力付与部)とは、軸方向と直交する方向においてウェーブスプリング35から見た場合に、同じ側となるように設定されている。即ち、前記押圧片31cの先端部の位置とスナップリング39の前面の位置とが、共に、ウェーブスプリング35の外周側に位置している。
【0034】
そこで次に、上記のように構成された本実施形態の作用について、特に、複数ある摩擦係合装置(クラッチC1〜C3,ブレーキB1,B2)のうちブレーキB1とブレーキB2の作用を中心に説明する。まず、ブレーキB1の作用を説明し、続けてブレーキB2の作用を説明する。
【0035】
さて、車両が前進高速走行時において、図示しないブレーキペダルの踏み込み操作に基づきブレーキB1の油圧室26内に作動油が供給されると、その油圧に基づきピストン21はウェーブスプリング25の付勢力に抗して軸方向の一方側(図4で左側)へ移動する。すると、当該ピストン21の押圧片21cの先端部が最も軸方向の他方側(図4で右側)に位置する摩擦板28(ドリブンプレート28a)に押接し、各摩擦板28を摩擦係合させるため、ブレーキB1が作動状態となり、車両は走行速度が減速される。
【0036】
一方、前記ブレーキペダルの踏み込み操作が解除されたことに基づき前記油圧室26内から作動油がドレーンされると、前記ピストン21がウェーブスプリング25の付勢力により軸方向の他方側へ移動する。すると、前記押圧片21cの先端部も同様に軸方向の他方側へ移動するため、ブレーキB1は、各摩擦板28が摩擦係合しない非作動状態となり、車両は再び通常の前進走行状態となる。
【0037】
そして、以上のようなピストン21の軸方向への移動に伴い伸縮動作するウェーブスプリング25は、その伸縮動作の際に軸方向と直交する両側がガイド手段によりガイドされる。即ち、ウェーブスプリング25を軸方向と直交する両側から挟むように位置して対面し合うピストン側の第1ガイド面(対向面Q1)とシリンダ側の第2ガイド面(対向面Q2)とにより、その伸縮方向が軸方向に沿うようにガイドされる。具体的には、ピストン21の筒状部21b及び押圧片21cが内面側に有するウェーブスプリング25との対向面Q1と、シリンダ22が内面側に有するウェーブスプリング25との対向面Q2とによりガイドされる。そのため、ウェーブスプリング25は伸縮方向が捩れたりすることもなく、当該ウェーブスプリング25の付勢力を受けながらシリンダ22内を軸方向へ移動するピストン21にも片当たり状態を生じさせるようなことがない。
【0038】
また、前記ピストン21は、油圧に基づきウェーブスプリング25の付勢力に抗して軸方向の一方側へ移動すると共に、そのウェーブスプリングの付勢力に基づき軸方向の他方側へと移動するが、その往復移動に際しては、押圧片21cがスプリングリテーナ23のガイド孔23aにより挿通ガイドされる。そのため、前記ピストン21は、前記両対向面Q1,Q2によるウェーブスプリング25の伸縮方向ガイド機能と前記ガイド孔23aによる押圧片21cの挿通ガイド機能とが相乗的に働く結果、前記往復移動時には傾きを生じることなく適正な姿勢で軸方向へ移動する。
【0039】
また、前記ブレーキB1では、ピストン当たり面ともいう押圧片21cの先端部(押圧力作用部)とバックアップ面ともいうスナップリング30の前面(反力付与部)とが軸方向と直交する方向におけるオフセット量が殆どない状態で対向している。そのため、各摩擦板28の摩擦係合時に圧縮されたウェーブスプリング25が伸長する際において、その付勢力でピストン21がこじれるように傾くこともなく、またシリンダ22内でピストン21が片当たり状態を生じるようなこともない。
【0040】
一方、ブレーキB2の場合は、前記ブレーキペダルが車両の前進低速走行時に踏み込み操作されたことに基づきブレーキ作動状態とされ、その踏み込み操作が解除されるとブレーキ非作動状態となる。また、その際には、前記ブレーキB1の場合と同様に、ピストン31が油圧室36内の油圧又はウェーブスプリング35の付勢力に基づき軸方向を往復移動し、また、そのピストン31の往復移動に伴いウェーブスプリング35は伸縮動作を繰り返す。
【0041】
そして、このブレーキB2においても、ピストン31の軸方向への移動に伴い伸縮動作するウェーブスプリング35は、その伸縮動作の際に軸方向と直交する両側が、ブレーキB1の場合と同様に、ガイド手段によりガイドされる。即ち、このブレーキB2では、ピストン31における筒状部31bの小径部が内面側に有するウェーブスプリング35との対向面Q2(第1ガイド面)とシリンダ32が内面側に有するウェーブスプリング35との対向面Q1(第2ガイド面)とがガイド手段として機能する。そのため、ブレーキB2におけるウェーブスプリング35も伸縮動作時に伸縮方向が捩れたりすることがなく、当該ウェーブスプリング35の付勢力を受けながらシリンダ32内を軸方向へ移動するピストン31に片当たり状態が生じることもない。
【0042】
また、このブレーキB2でも、ピストン当たり面ともいう押圧片31cの先端部(押圧力作用部)とバックアップ面ともいうスナップリング39の前面(反力付与部)とは軸方向と直交する方向におけるオフセット量が殆どない状態で対向している。そのため、各摩擦板38の摩擦係合時に圧縮されたウェーブスプリング35が伸長する際において、その付勢力でピストン31がこじれるように傾くこともなく、またシリンダ32内でピストン31が片当たり状態を生じるようなこともない。更に、ピストン31が軸方向へ移動する際にはワンウェイクラッチF1が押圧片31cを挿通ガイドするガイド部として有効に機能する。
【0043】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ピストン21,31が軸方向へ移動するとウェーブスプリング(リターンスプリング)25,35も伸縮するが、その際、ウェーブスプリング25,35は軸方向と直交する両側をガイド手段に挟まれて伸縮方向が軸方向に沿うようにガイドされる。そのため、ウェーブスプリング25,35は伸縮時において伸縮方向が捩れたりすることもなく、シリンダ22,32内でピストン21,31が片当たり状態を生じさせることもないので、自動変速機11におけるブレーキB1,B2(摩擦係合装置)では、適正に係合又は非係合の両作動状態を繰り返し実現できる。
【0044】
(2)上記実施形態では、ウェーブスプリング25,35の伸縮方向が捩れそうになると、当該ウェーブスプリング25,35を軸方向と直交する両側から挟むように位置して対面し合うピストン21,31側の第1ガイド面とシリンダ22,32側の第2ガイド面が伸縮方向ガイド機能を発揮するようにした。即ち、ピストン21,31の軸方向延設部(筒状部21b,押圧片21c,筒状部31bの小径部)及びシリンダ22,32の双方におけるウェーブスプリング25,35との各対向面Q1,Q2が第1ガイド面及び第2ガイド面として機能するようにした。従って、ウェーブスプリング25,35の伸縮方向をガイドするガイド手段を、通常の基本構成部品(ピストン21,31、シリンダ22,32)の一部を利用して構成することができ、部品点数の増加を招くことなく低コストでブレーキB1,B2(摩擦係合装置)の適正作動状態を実現できる。
【0045】
(3)上記実施形態では、各摩擦板28,38に対し押圧力付与部として機能するピストン21,31の押圧片21c,31cの先端部と、その押圧力に対向する反力を付与する反力付与部として機能するスナップリング30,39の前面とが、オフセット量の殆どない位置関係とされている。そのため、圧縮状態にあるウェーブスプリング25,35からのリターン荷重を受けてピストン21,31が軸方向の他方側(シリンダ側)へ復帰移動する際に、当該ピストン21,31がこじれるように傾くことを、オフセット量が大きくある場合に比して、効果的に抑制できる。従って、リターン荷重を受けて復帰移動するピストン21,31がシリンダ22,32内で片当たり状態を生じることもなくなり、ブレーキB1,B2(摩擦係合装置)の適正作動状態を実現できる。
【0046】
(4)上記実施形態では、ピストン21,31が軸方向を往復移動する際には押圧片21c,31cがスプリングリテーナ23のガイド孔23a又はワンウェイクラッチF1により挿通ガイドされるようにした。そのため、ピストン21,31は押圧片21c,31cに対するガイド孔23a又はワンウェイクラッチF1の挿通ガイド機能により軸方向への移動時における傾き発生が効果的に抑制される。従って、ピストン21,31がシリンダ22,32内で片当たり状態を生じることもなくなり、ブレーキB1,B2(摩擦係合装置)の適正作動状態を実現できる。
【0047】
(5)上記実施形態では、ブレーキB1においてピストン21における押圧片21cの先端部(押圧力付与部)とスナップリング30の前面(反力付与部)及びスプリングリテーナ23のガイド孔(ガイド部)の各々が略同軸上の配置構成とされている。また、ブレーキB2においては、ピストン31における押圧片31cの先端部(押圧力付与部)とスナップリング39の前面(反力付与部)及びワンウェイクラッチF1の押圧片31cを貫通させる部位(ガイド部)の各々が略同軸上の配置構成とされている。従って、上記(3)(4)の両効果を簡単な装置構成で併有することができる。
【0048】
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、ブレーキB1においてスプリングリテーナ23の背面外周縁寄りをスナップリング24で当接支持していたが、スナップリング24はスプリングリテーナ23の背面内周縁寄りを当接支持する構成であってもよい。なお、その場合にはスプリングリテーナ23の外周縁側をブレーキB2におけるスプリングリテーナ33のように軸方向の一方側へ筒状部を形成するように曲げ加工すれば、ガイド孔23aをスプリングリテーナ23に形成する必要がなくなり、スプリングリテーナ23の剛性を向上することができる。このように、前記ブレーキB1のスプリングリテーナ23には必ずしもガイド孔(ガイド部)23aが形成されていなくてもよい。
【0049】
○ 上記実施形態では、ブレーキB1においてピストン21における押圧片21cの先端部(押圧力付与部)とスナップリング39の前面(反力付与部)とをウェーブスプリング25の外周側に位置させたが、ウェーブスプリング25の内周側に位置させてもよい。この場合も、ピストン21の傾き防止効果を奏する。
【0050】
○ 上記実施形態では、ガイド手段を構成する第1ガイド面をピストン21側の対向面Q1とシリンダ22側の対向面Q2とからなる構成としたが、第1及び第2の両ガイド面をピストン21側に設けることも可能である。例えば、ピストン21の受圧部21aの内周縁から軸方向の一方側へ前記押圧片21cと平行をなすようにガイド片(又は筒状ガイド部)を延設し、そのようなガイド片(又は筒状ガイド部)が有するウェーブスプリング25との対向面により第2ガイド面を構成してもよい。
【0051】
○ 上記実施形態では、ブレーキB1におけるピストン21の筒状部21b及び押圧片21cの各内面部位が第1ガイド面を構成する対向面Q1とされたが、ブレーキB2におけるようにピストン21の筒状部21bを段差状に形成し、その小径部の内面部位のみで第1ガイド面を構成する対向面Q1としてもよい。
【0052】
○ 上記実施形態では、第1ガイド面(対向面Q1)と第2ガイド面(対向面Q2)を形成する部材構成としてピストン21及びシリンダ22を使用したが、このうちピストン21を使用しない構成としてもよい。例えば、シリンダ22内にウェーブスプリング25の外周側にオーバーラップするように別部材の構成のガイド筒を内装するようにしてもよい。または、スプリングリテーナ23の前面側からウェーブスプリング25の外周側にオーバーラップするようにウェーブスプリング25の伸縮方向ガイド機能を有するガイド筒状部又はガイド突片を一体形成してもよい。
【0053】
○ 上記実施形態では、ウェーブスプリング25の伸縮方向ガイド機能を発揮するガイド手段(ピストン側の対向面Q1とシリンダ側の対向面Q2)を設けたが、このようなガイド手段は必ずしもなくてよい。即ち、ピストン21における押圧片21cの先端部(押圧力付与部)とスナップリング39の前面(反力付与部)とを軸方向において略同軸配置とすれば、ピストン21が軸方向へ移動する際の傾き防止効果は充分に得ることができる。
【0054】
○ 上記実施形態において、ブレーキB1ではウェーブスプリング25の軸方向長さ全体が第1ガイド面としてのピストン側の対向面Q1でガイドされる構成としたが、ブレーキB2におけるように、ピストン側の対向面Q1の軸方向長さをウェーブスプリング25の軸方向長さ全体より短い構成としてもよい。即ち、ピストン21の軸方向への移動に際してウェーブスプリング25の伸縮方向ガイド機能を発揮できるならば、ウェーブスプリング25の外周側に対してピストン側の対向面Q1がオーバーラップする長さは任意に設定してよい。
【0055】
○ 上記実施形態では、リターンスプリングとしてウェーブスプリング25,35を使用したが、リターンスプリングとしてはコイルスプリングを使用してもよい。
【0056】
○ 上記実施形態では、自動変速機11において複数ある摩擦係合装置のうちブレーキB1,B2にガイド手段を設ける等して具体化したが、ブレーキB1,B2に限らずクラッチC1〜C3に具体化することも可能である。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、自動変速機における摩擦係合装置において、適正に係合又は非係合の両作動状態を繰り返し実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る自動変速機の全体概略説明図。
【図2】変速機構のスケルトン図。
【図3】各変速段における摩擦係合装置の係合関係を示す説明図。
【図4】本実施形態において要部をなすブレーキ部分の拡大説明図。
【図5】ピストンとウェーブスプリング及びスプリングリテーナの組み付け関係を説明するための分解斜視図。
【図6】従来の多板ブレーキの拡大説明図。
【符号の説明】
11…自動変速機、21,31…ピストン、21b,31b…筒状部(軸方向延設部)、21c,31c…先端部が押圧力付与部として機能する押圧片(軸方向延設部)、22,32…シリンダ、23,33…スプリングリテーナ、23a…ガイド孔(ガイド部)、24,34…スナップリング、25,35…ウェーブスプリング(リターンスプリング)、28,38…摩擦板、30,39…前面が反力付与部として機能するスナップリング、B1〜B3…ブレーキ(摩擦係合装置)、C1〜C3…クラッチ(摩擦係合装置)、F1…ワンウェイクラッチ(ガイド部)、Q1,Q2…対向面。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a friction engagement device such as a multi-plate clutch and a multi-plate brake in an automatic transmission.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, an automatic transmission has been provided with a plurality of friction engagement devices (clutches and brakes) for selectively operating each shift speed. One example of the conversion is described in Patent Document 1. That is, in the frictional engagement device of Patent Document 1, as shown in FIG. 6, a
[0003]
When hydraulic oil is supplied to the
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-2002-39213 (Claim 1, FIG. 4)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the friction engagement device in the automatic transmission disclosed in Patent Document 1 has the following problem. That is, the size of the
[0006]
Further, even if the radial rigidity of the
[0007]
Therefore, the pressing force applying unit that applies the pressing force to each
[0008]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a friction engagement device in an automatic transmission that can appropriately realize both operating states of engagement and non-engagement. It is in.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an invention according to claim 1 is provided with a cylinder in which a piston is provided movably in an axial direction, and a piston facing a piston on one axial side that is an opening side of the cylinder. A spring retainer disposed so as not to move in the axial direction, a return spring interposed between the spring retainer and the piston so as to expand and contract with the movement of the piston in the axial direction, and an attachment of the return spring. A plurality of friction plates that are frictionally engaged when pressed by a pressing piece extending from the piston to one side in the axial direction when the piston moves to one side in the axial direction against the force; When the return spring expands and contracts with the movement of the return spring in the axial direction, the return spring is positioned so as to sandwich the return spring from both sides orthogonal to the axial direction. Stretching direction is characterized in that a guide means for guiding along the axial direction.
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, the guide means is provided so as to sandwich the return spring from both sides orthogonal to the axial direction and to face the first guide surface facing each other. A second guide surface, wherein the first guide surface is formed by a surface facing a return spring included in an axially extending portion of the piston, and the second guide surface is the second guide surface when viewed from the return spring. It is characterized in that it is constituted by a surface facing the return spring of the cylinder on the side opposite to the one guide surface.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, the friction plate located on the most axially one side of the friction plates is contacted from one axial side. And a pressing ring for applying a pressing force to the friction plates from the other side in the axial direction when the friction plates are frictionally engaged. And the reaction force imparting portion that applies a reaction force opposing the pressing force to each friction plate from one side in the axial direction at that time, when viewed from the return spring in a direction orthogonal to the axial direction. It is characterized by being on the same side.
[0012]
The invention according to claim 4 is a piston that is movable in the axial direction, a spring retainer that is arranged at one axial position facing the piston and that is not movable in the axial direction. A return spring interposed between a spring retainer and the piston so as to expand and contract with the axial movement of the piston, and the piston moves to one side in the axial direction against the urging force of the return spring. At this time, a plurality of friction plates that are pressed by the pressing pieces extending from the piston to one side in the axial direction and frictionally engage with each other, and the friction plate located on the most axially one side of the respective friction plates. A snap ring disposed so as to be incapable of moving in the axial direction at a position where it comes into contact with the friction plate from one side in the axial direction. Pressing force A return spring in a direction orthogonal to the axial direction, the pressing force applying portion acting on the frictional plate and a reaction force applying portion acting on the friction plate from one side in the axial direction. It is characterized in that it is on the same side when viewed from above.
[0013]
The invention according to claim 5 is the invention according to any one of claims 1 to 4, wherein the spring retainer includes the pressing piece when the piston moves in the axial direction. It is characterized in that a guide portion for guiding the insertion is formed along the axial direction.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
An embodiment in which the present invention is embodied in a friction engagement device in an automatic transmission mounted on a vehicle will be described with reference to FIGS.
[0015]
As shown in FIG. 1, the
[0016]
Further, in the
[0017]
As shown in FIGS. 2 and 3, the
[0018]
The large-diameter sun gear S1 is connected to the
[0019]
The carrier CR is connected to the
[0020]
Next, a specific structure of the brakes B1 and B2 in which the friction engagement device according to the present invention is embodied will be described in detail.
First, the brake B1 will be described. As shown in FIGS. 1 and 4, the
[0021]
As shown in FIGS. 4 and 5, the
[0022]
In the brake B1, the
[0023]
The
[0024]
In addition, the
[0025]
Further, as shown in FIG. 4, in the
[0026]
A
[0027]
In the brake B1, the tip (the pressing force applying portion) of the
[0028]
Next, the brake B2 will be described. As shown in FIG. 4, the brake B2 is located on the other axial side (right side in FIG. 4) of the brake B1 in the
[0029]
However, in the brake B2, the
[0030]
As can be understood from FIG. 4, the
[0031]
Further, the
[0032]
Also in the brake B2, a stepped
[0033]
Also in the brake B2, the tip (the pressing force applying portion) of the
[0034]
Therefore, next, the operation of the present embodiment configured as described above will be described focusing on the operation of the brakes B1 and B2 among the plurality of frictional engagement devices (clutches C1 to C3, brakes B1 and B2). I do. First, the operation of the brake B1 will be described, and then the operation of the brake B2 will be described.
[0035]
When hydraulic oil is supplied into the
[0036]
On the other hand, when hydraulic oil is drained from the inside of the
[0037]
The
[0038]
Further, the
[0039]
Further, in the brake B1, the tip of the
[0040]
On the other hand, in the case of the brake B2, the brake pedal is operated when the brake pedal is depressed during forward low speed traveling of the vehicle, and the brake is deactivated when the depressing operation is released. Further, at this time, similarly to the case of the brake B1, the
[0041]
Also in the brake B2, the
[0042]
Also in the brake B2, the tip of the
[0043]
Therefore, according to the above embodiment, the following effects can be obtained.
(1) In the above embodiment, when the
[0044]
(2) In the above embodiment, when the expansion and contraction directions of the wave springs 25 and 35 are likely to be twisted, the
[0045]
(3) In the above-described embodiment, the tips of the
[0046]
(4) In the above embodiment, when the
[0047]
(5) In the above embodiment, in the brake B <b> 1, the front end (the pressing force applying portion) of the
[0048]
The above embodiment may be changed to another embodiment (another example) as described below.
In the above-described embodiment, the snap ring 24 supports the
[0049]
In the above embodiment, in the brake B1, the tip (the pressing force applying portion) of the
[0050]
In the above-described embodiment, the first guide surface constituting the guide means is constituted by the opposing surface Q1 on the
[0051]
In the above embodiment, the inner surfaces of the
[0052]
In the above embodiment, the
[0053]
In the above embodiment, the guide means (the opposing surface Q1 on the piston side and the opposing surface Q2 on the cylinder side) for providing the function of guiding the expansion and contraction direction of the
[0054]
In the above embodiment, the brake B1 is configured such that the entire axial length of the
[0055]
In the above embodiment, the wave springs 25 and 35 are used as return springs, but coil springs may be used as return springs.
[0056]
In the above-described embodiment, the
[0057]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, in the friction engagement device in an automatic transmission, both the engagement state and the non-engagement operation state can be repeatedly realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall schematic explanatory diagram of an automatic transmission according to an embodiment.
FIG. 2 is a skeleton diagram of a transmission mechanism.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing an engagement relationship of a friction engagement device at each shift speed.
FIG. 4 is an enlarged explanatory view of a brake portion forming a main part in the embodiment.
FIG. 5 is an exploded perspective view for explaining an assembling relationship between a piston, a wave spring, and a spring retainer.
FIG. 6 is an enlarged explanatory view of a conventional multiple disc brake.
[Explanation of symbols]
11: Automatic transmission, 21, 31: Piston, 21b, 31b: Cylindrical part (axially extending part), 21c, 31c: Pressing piece (axially extending part) whose tip functions as a pressing force applying part , 22, 32 ... cylinder, 23, 33 ... spring retainer, 23a ... guide hole (guide portion), 24, 34 ... snap ring, 25, 35 ... wave spring (return spring), 28, 38 ... friction plate, 30, 39: a snap ring having a front surface functioning as a reaction force applying portion; B1 to B3: a brake (friction engagement device); C1 to C3: a clutch (friction engagement device); F1: a one-way clutch (guide portion); … Opposed surface.
Claims (5)
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JP2003128338A JP2004332804A (en) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | Friction engagement device for automatic transmission |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-05-06 JP JP2003128338A patent/JP2004332804A/en active Pending
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