JP2004331241A - 超電導磁気浮上システム - Google Patents

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隆行 柏木
Hiroshi Nakajima
洋 中島
Eiji Suzuki
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Michiaki Kubota
通彰 久保田
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Abstract

【課題】レールに沿って浮上体を浮上させて移動させる搬送システムへ適用される磁気浮上システムにおいて、左右・上下のバネを相対的に強くでき、また浮上力・案内力特性を向上させてシステムの性能を向上させる。
【解決手段】強磁性体レール1は、断面が略C字形状にされた長尺のレールであり、断面が略C字形状のため、その長手方向に沿って空隙部分1aを有する。超電導コイル2の直線部分を強磁性体レール1によって囲むよう配置し、もともと強磁性体レール1の長手方向に垂直な方向に流れようとする超電導コイル2から発生される磁束に対して、その方向の磁路を与える。そして、強磁性体レール1の直線部分にそれぞれ対応して設けられた磁気遮蔽体3は、対向配置させた強磁性体レール1の空隙部分1aの磁路を横切るよう配置する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場発生源と超電導材料からなる磁気遮蔽体を有する浮上体を、鉄などの強磁性体で構成されるレールに沿って浮上・移動させるための超電導磁気浮上システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気浮上システムとしては、例えば(a)超電導体を用いて特殊な磁場分布を用いた超電導磁気勾配浮上方式、(b)磁気の吸引作用を用いた吸引制御浮上方式、(c)磁気の誘導作用を用いた電磁誘導浮上方式などがある。
【0003】
しかし、(b)の吸引制御浮上の場合は安定浮上に制御が必要であり、また、(c)の電磁誘導浮上方式の場合は浮上させるべき物体はある程度の速度が必要で静止状態では十分な浮上力が得られず機械支持が必要である。これに対して(a)の超電導磁気勾配浮上方式の場合は、無制御での安定浮上が可能であり、また静止状態においても浮上体に対する機械支持が不要であるため、上記(b)、(c)の浮上方式に比べると利点が多い。
【0004】
ここで(a)の超電導磁気勾配浮上方式について説明する。
超電導材料の特徴の一つとして、外部からの磁場を遮蔽する機能がある。これは、例えば超電導材料によって形成した板を超電導状態にした後、外部から磁場を増加させると、磁場の侵入を妨げるために超電導板内部に発生する誘導電流が減衰しないため、磁気遮蔽効果が継続するためである。
【0005】
このような磁気遮蔽効果を有効に利用する特殊なシステムとして、磁気勾配浮上システム(別名ミックスドミュー[Mixed−μ]浮上システム)がある。磁気勾配浮上システムは、一般に強力な磁場を発生する超電導磁石と超電導材料からなる磁気遮蔽体を組み合わせることによって、対象となる空間に特殊な磁場分布を形成し、これによって該空間に強磁性体を浮上体として浮上させたり、あるいは逆に超電導磁石と超電導磁気遮蔽体を備える構成を浮上体として空間に浮上させることのできるシステムである。
【0006】
一般に強磁性体は、磁場中に置くとより磁場の強い方向に引き寄せられ、結果的に磁場発生源に吸着してしまうものであるが、本システムでは、上記超電導磁気遮蔽体の効果により、空間内に特殊な磁場分布を作ることができ、アクティブな制御を要することなく、浮上体を安定的に三次元浮上させることが可能となる。
【0007】
この浮上方式は、前記強磁性体をレールとして地上側に設置することで、超電導磁石と磁気遮蔽体から構成される浮上体を、安定的に浮上させ、レールに沿って移動させる搬送システムに応用することが可能である。このような現象は、超電導体による磁気遮蔽体を使用しない限り発生させることは不可能な事柄であり、磁気勾配浮上システムは今後の発展が期待される新しいシステムである。
【0008】
図6に、超電導磁気勾配浮上システムに関する代表的な構成例を示す。この磁気勾配浮上システムは、磁場発生用の超電導磁界発生コイル(以下、超電導コイルと称す)102、磁気遮蔽体103、強磁性体101から構成されている。超電導コイル102によって強力な磁場が発生するが、磁気遮蔽体103を貫通しようとする磁場はその磁気遮蔽機能によって遮蔽される。これによって、磁気遮蔽体103の内側(超電導コイル102の内側)領域では、磁気遮蔽体103に近い領域ほど磁場の弱い領域が形成され、その領域に配置された強磁性体101は、中央位置から磁気遮蔽体103の方向に近づくと、中央に戻る方向へ磁気力が働くこととなり、左右方向の安定性が確保できる。また、上下方向については磁気遮蔽体103が無くても、強磁性体101の安定位置は中央になる。これによって、超電導コイル102、磁気遮蔽体103を備える浮上体は、中央に配置された強磁性体101との相互電磁力作用により、安定的に空間に完全に浮上することができる。これが超電導磁気勾配浮上である(例えば、非特許文献1参照。)。
【0009】
【非特許文献1】
D.I.Jones, A.W.Pattullo, R.J.A.Paul:Assessment of eddy−current effects in the mixed−mu levitation system, Proc 10th Int.Conf.on Magnetically Levitated Systems, Hamburg, Germany,(1988)pp.361−370.
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した搬送システムへの適用を考えた場合、例えば強磁性体101を鉄のレールとして細長く配置する必要があるため、そのレールとしての強磁性体(以下、強磁性体レールとも称す。)101に沿って移動する浮上体側の超電導コイル102が作る磁束の大部分は強磁性体レール101を通じてレール長手方向に流れてしまう(図6に太い矢印で示した「磁束の流れ」参照。)。そのため、浮上力や案内力を得るために必要な上下方向や左右方向へは十分な量の磁束が流れない。このような状況では、超電導磁気勾配浮上方式を搬送システムとして適用しても、十分な浮上力・案内力を確保することができず、安定浮上が困難であった。また、左右・上下のバネが弱いことも課題である。
【0011】
そこで本発明は、レールに沿って浮上体を浮上させて移動させる搬送システムへ適用される超電導磁気浮上システムにおいて、左右・上下のバネを相対的に強くでき、また浮上力・案内力特性を向上させてシステムの性能を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するためになされた請求項1に係る超電導磁気浮上システムは、磁場発生源(2:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて実施の形態中で用いた符号を付すが、この符号によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)を備える浮上体と、鉄などの強磁性体を用いて断面形状が略C字状になるよう構成され、長手方向に沿った空隙部分(1a)を有する強磁性体レール(1)と、を備えている。そして、磁場発生源(2)を強磁性体レール(1)によって囲むことによって、磁場発生源(2)から発生された磁束が、強磁性体レール(1)の長手方向に垂直な面内において、強磁性体レール(1)内部および空隙部分(1a)を磁路(磁束の通り道)として1周するように構成し、さらに、浮上体は超電導材料からなる磁気遮蔽体(3)を有し、当該磁気遮蔽体(3)を、強磁性体レール(1)の前記空隙部分(1a)の磁路を横切るよう配置した。このようにすることによって、浮上体と強磁性体レール(1)との間に安定的な相互電磁力作用を作り出し、浮上体を空間に浮上させ、強磁性体レール(1)に沿って移動させるようにしている。
【0013】
図6に示した従来構成の場合と比較してみる。図6の構成の場合は、磁場発生源の一例としての超電導コイル102の直線部分に関しては、本来その直線部分に垂直な面内において磁束が発生する。しかし、単に長尺の強磁性体レール101に沿うように超電導コイル102の直線部分が配置されていると、超電導コイル102の直線部分にて発生した磁束は、強磁性体レールの長手方向に沿って流れてしまう。
【0014】
それに対して、本発明の場合には、磁場発生源(図1においては超電導コイル2の直線部分)を、断面形状を略C字状にした強磁性体レール(1)によって囲んでいるため、もともと強磁性体レール(1)の長手方向に垂直な方向に流れようとする磁場発生源(2)から発生される磁束に対して、その方向の磁路を与えることとなる。したがって、強磁性体レール(1)の長手方向に流れる磁束を大幅に低減させ、磁束の大部分を、強磁性体レール(1)の長手方向に垂直な方向、つまり浮上力や案内力を得るのに必要となる上下、左右方向に流すことが可能となり、この結果、浮上力・案内力特性を大幅に向上させることができる。さらに、浮上体を浮上・移動させる搬送システムとして構成した際に左右・上下のバネ特性を強固にすることが可能となる。
【0015】
請求項2に示す超電導磁気浮上システムは、強磁性体レール(1)の空隙部分(1a)の磁路を横切るよう配置される磁気遮蔽体(3)が、磁束を通す貫通部(3a)を有するよう構成されている。このような配置とすることにより、貫通部(3a)を通る磁束が、浮上体が磁束と垂直な方向に変位したときに復元力として作用するため、安定性の面で好ましい(もしくは、安定範囲を広くとることができる)。この場合、例えば複数の磁気遮蔽体を、それらの間を空けて配置することで貫通部を構成してもよいし、あるいは1つの磁気遮蔽体に貫通孔を設けることで、貫通部を構成してもよい。
【0016】
また、請求項3に示す超電導磁気浮上システムは、2本の強磁性体レールを、空隙部分同士が対向するよう配置する。磁場発生源は、強磁性体レールの長手方向に沿って配置される2本の直線部分を有しており、磁気遮蔽体は、各直線部分に対応して設けられている。また、磁場発生源の2本の直線部分を、対向配置させた強磁性体レールによってそれぞれ1本ずつ囲むよう配置する。そして、直線部分にそれぞれ対応して設けられた磁気遮蔽体は、対向配置させた強磁性体レールの各空隙部分の磁路を横切るよう配置されると共に、その空隙部分の磁路において受ける電磁力作用の中立位置から、2本の強磁性体レール間の中央位置方向へ共に近づくか又は共に離間するよう変位させて配置されている。
【0017】
例えば2本の強磁性体レールを左右に並べて配置した場合には、上述したように左右それぞれの磁気遮蔽体が中立位置から変位させて配置されているため、デフォルト状態の位置において、左右それぞれの強磁性体レールから2本の強磁性体レール間の中央位置方向へ共に近づく方向への力か又は共に離間する方向の力が作用している。したがって、その状態から左右いずれかに変位しようとすると、中立位置へ戻そうとする力が相対的に大きく働き、安定性の面で好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得る。
【0019】
図1は、実施例の超電導磁気浮上システムの概略構成を示す説明図である。図1中の左側の図は、右側の図面の破線部分の断面を概略的に示したものである。本実施例では、強磁性体レール1に対して浮上した浮上体が、その強磁性体レール1に沿って移動する搬送システムへの適用を前提としている。
【0020】
浮上体は、磁場発生源としての超電導磁界発生コイル(超電導コイル)2、磁気遮蔽体3を備えている。超電導コイル2はレーストラック形状にされており、そのレーストラック形状の内側には、超電導材料によって形成された板又は超電導バルクを用いて形成された長方形状の磁気遮蔽体3が、レーストラックの直線部分と平行に4本配置されている。この内、左側2本の磁気遮蔽体3は超電導コイル2の左側の直線部分に対応する構成であり、右側2本の磁気遮蔽体3は超電導コイル2の右側の直線部分に対応する構成である。
【0021】
一方、強磁性体レール1は、断面が略C字形状にされた長尺のレールであり、断面が略C字形状のため、その長手方向に沿って空隙部分1aを有することとなる。本実施例では、同一形状の2本の強磁性体レール1を、その空隙部分同士1aが対向するように左右に並べて配置している。そして、超電導コイル2の左右それぞれの直線部分を、左右の強磁性体レール1によってそれぞれ囲むよう配置している(図1参照)。
【0022】
また、強磁性体レール1の直線部分にそれぞれ対応して設けられた磁気遮蔽体3は、対向配置させた強磁性体レール1の各空隙部分1aの磁路を横切るよう配置されている。上述したように、同一形状の2本の磁気遮蔽体3で1セットとなっており、その2本で1セットの磁気遮蔽体3が強磁性体レール1の空隙部分1aに配置されるのであるが、これらの2本の磁気遮蔽体3はその間に貫通部3aを有している。具体的には、2本の磁気遮蔽体2を、それらの間を空けて配置することで貫通部3aを構成している。
【0023】
ここで、強磁性体レール1に対して浮上体をどのような位置関係で配置するかについて図2〜図4を参照しながら説明する。具体的には、強磁性体レール1の空隙部分1aに配置される磁気遮蔽体3の位置という観点で説明する。
図2は、強磁性体レール中心位置と磁気遮蔽体中心位置を一致させた場合の配置パターンを示したものである。ここでいう超磁性体レール中心位置とは、レール全体の形状に着目したものではなく、強磁性体レール1の空隙部分1aにおけるレールの厚み方向の中央位置である。また、磁気遮蔽体中心位置とは、強磁性体レール1の空隙部分1aに配置される2枚の磁気遮蔽体3の間の中央位置である。強磁性体レール1の各空隙部分1aの磁路は磁気遮蔽体3によって遮蔽されることとなるが、図2に示す場合には、磁束の流れが、強磁性体レール中心位置に対して左右対称になっている。つまり、強磁性体レール中心位置は、物理的にも強磁性体レール1の空隙部分1aにおけるレールの厚み方向の中央位置であるが、その空隙部分1aの磁路において受ける電磁力作用の中立位置でもある。
【0024】
図3は、磁気遮蔽体中心位置を、強磁性体レール中心位置から2本の強磁性体レール1間の中央位置方向へ共に近づくよう変位させた場合の配置パターンを示したものである。強磁性体レール1の各空隙部分1aの磁路は磁気遮蔽体3によって遮蔽されることとなるが、図3に示すように、図3中左側に位置する強磁性体レール1の空隙部分1aに配置される磁気遮蔽体3は図2の場合に比べて右側に変位しており、一方、図3中右側に位置する強磁性体レール1の空隙部分1aに配置される磁気遮蔽体3は図2の場合に比べて左側に変位している。つまり、図2における強磁性体レール中心位置と磁気遮蔽体中心位置が一致する場合に比べて、左右の磁気遮蔽体3が相互に近づくように変位している。
【0025】
図4は、磁気遮蔽体中心位置を、強磁性体レール中心位置から2本の強磁性体レール1間の中央位置から共に離間するよう変位させた場合の配置パターンを示したものである。強磁性体レール1の各空隙部分1aの磁路は磁気遮蔽体3によって遮蔽されることとなるが、図4に示すように、図4中左側に位置する強磁性体レール1の空隙部分1aに配置される磁気遮蔽体3は図2の場合に比べて左側に変位しており、一方、図4中右側に位置する強磁性体レール1の空隙部分1aに配置される磁気遮蔽体3は図2の場合に比べて右側に変位している。つまり、図2における強磁性体レール中心位置と磁気遮蔽体中心位置が一致する場合に比べて、左右の磁気遮蔽体3が相互に離れるように変位している。
【0026】
[実施例の効果]
本実施例では、超電導コイル2の直線部分を、断面形状を略C字状にした強磁性体レール1によって囲んでいるため、もともと強磁性体レール1の長手方向に垂直な方向に流れようとする超電導コイル2から発生される磁束に対して、その方向の磁路を与えることとなる。したがって、超電導コイル2から発生された磁束が、強磁性体レール1の長手方向に垂直な面内において、強磁性体レール1内部および空隙部分1aを磁路(磁束の通り道)として1周するように構成される。そのため、強磁性体レール1の長手方向に流れる磁束を大幅に低減させ、磁束の大部分を、強磁性体レール1の長手方向に垂直な方向、つまり浮上体にとって浮上力や案内力を得るのに必要となる上下、左右方向に流すことが可能となり、この結果、浮上力・案内力特性を大幅に向上させることができる。さらに、浮上体を浮上・移動させる搬送システムとして構成した際に左右・上下のバネ特性を強固にすることが可能となる。
【0027】
また、図3又は図4に示すように、図2における強磁性体レール中心位置と磁気遮蔽体中心位置が一致する場合に比べて、左右の磁気遮蔽体3が相互に近づくように変位させて配置したり(図3)、あるいは相互に離れるように変位させて配置する(図4)ことで、次のような効果が得られる。
【0028】
つまり、これら変位させて配置した場合には、デフォルト状態の位置における磁気遮蔽体3に対して、左右それぞれの強磁性体レール1から2本の強磁性体レール間の中央位置方向へ共に近づく方向への力か又は共に離間する方向の力が作用していることとなる。したがって、その状態から左右いずれかに変位しようとすると、中立位置へ戻そうとする力が、図2の場合に比べて大きく働き、安定性の面で好ましい。
【0029】
[他の実施例]
(1)強磁性体レール1の断面形状に関して、上記実施例では、図1〜4に示すように直線的に折り曲げたような形状とした。しかし、曲線的に曲げてC字形状としてもよい。要は、超電導コイル2によって発生した磁束が、強磁性体レール1の長手方向に垂直な面内において、強磁性体レール1内部および空隙部分1aを磁路として1周するように構成できれば、どのような略C字断面形状であっても構わない。
【0030】
(2)上記実施例では、磁場発生用として超電導コイル2を採用したが、必ずしも超電導材料によって構成する必要はなく、例えば常電導コイルや永久磁石、さらに着磁された超電導バルク材によって構成してもよく、原理的には何ら変わりはない。
【0031】
(3)上記実施例では、強磁性体レール1の空隙部分1aに配置する1セットの磁気遮蔽体を2本で構成したが、3本以上であってもよい。また、1本の磁気遮蔽体で構成し、貫通孔を1つ以上設けるような構成であってもよい。
(4)上記実施例では、左右2本の強磁性体レール1を配置し、それらの間に浮上体を構成する強磁性体レール1や磁気遮蔽体3を配置する構成であったが、例えば1本の強磁性体レールであっても実現可能である。その場合の実施例を図5に示す。
【0032】
図5に示す別実施例の場合、浮上体は、磁場発生源としての超電導磁界発生コイル(超電導コイル)12、磁気遮蔽体13を備えている。超電導コイル12はレーストラック形状にされており、そのレーストラック形状の内側には、超電導材料によって形成された板又は超電導バルクを用いて形成された長方形状の磁気遮蔽体13が、レーストラックの直線部分と平行に2本配置されている。一方、強磁性体レール11は、図1等に示す実施例における強磁性体レール1と同様、断面が略C字形状にされた長尺のレールであり、その長手方向に沿って空隙部分11aを有している。
【0033】
本別実施例では、強磁性体レール11が1本だけであるため、空隙部分11aが下方を向くように配置する。そして、レーストラック形状の超電導コイル12の一方の直線部分を強磁性体レール11によって囲むよう配置し、他方の直線部分は、強磁性体レール11の外部に配置する(図5参照)。
【0034】
また、2本の磁気遮蔽体13は、間に貫通部13aを有しながら、強磁性体レール11の各空隙部分11aの磁路を横切るよう配置されている。
このような配置であるため、浮上体には鉛直方向への自重Wが作用する。したがって、この自重Wと強磁性体レール11の空隙部分11aの磁路において磁気遮蔽体13が受ける電磁力作用とがバランスする。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の超電導磁気浮上システムの概略説明図である。
【図2】強磁性体レール中心位置と磁気遮蔽体中心位置が一致する場合の配置パターンの説明図である。
【図3】磁気遮蔽体中心位置が強磁性体レール中心位置から変位している場合の配置パターンの説明図である。
【図4】磁気遮蔽体中心位置が強磁性体レール中心位置から変位している場合の配置パターンの説明図である。
【図5】別実施例の超電導磁気浮上システムの概略説明図である。
【図6】従来技術による超電導磁気勾配浮上システムの概略説明図である。
【符号の説明】
1,11…強磁性体レール、1a,11a…空隙部分、2,12…超電導磁界発生コイル、3,13…磁気遮蔽体、3a,13a…貫通部、101…(従来の)強磁性体レール、102…(従来の)超電導磁界発生コイル、103…(従来の)磁気遮蔽体。

Claims (3)

  1. 磁場発生源を備える浮上体と、
    鉄などの強磁性体を用いて断面形状が略C字状になるよう構成され、長手方向に沿った空隙部分を有する強磁性体レールと、を備え、
    前記磁場発生源を前記強磁性体レールで囲むことによって、前記磁場発生源から発生された磁束が、前記強磁性体レールの長手方向に垂直な面内において、前記強磁性体レール内部及び前記空隙部分を磁路(磁束の通り道)として1周するように構成し、
    さらに、前記浮上体は超電導材料からなる磁気遮蔽体を有し、当該磁気遮蔽体を前記強磁性体レールの前記空隙部分の磁路を横切るよう配置することによって、前記浮上体と前記強磁性体レールとの間に安定的な相互電磁力作用を作り出し、前記浮上体を空間に浮上させ、前記強磁性体レールに沿って移動させること
    を特徴とする超電導磁気浮上システム。
  2. 前記強磁性体レールの前記空隙部分の磁路を横切るよう配置される前記磁気遮蔽体は、磁束を通す貫通部を有していること
    を特徴とする請求項1に記載の超電導磁気浮上システム。
  3. 2本の前記強磁性体レールを、前記空隙部分同士が対向するよう配置し、
    前記磁場発生源は、前記強磁性体レールの長手方向に沿って配置される2本の直線部分を有し、
    前記磁気遮蔽体は、前記磁場発生源の各直線部分に対応して設けられており
    前記磁場発生源の2本の直線部分を、前記対向配置させた前記強磁性体レールによってそれぞれ1本ずつ囲むよう配置し、
    前記2本の直線部分にそれぞれ対応して設けられた磁気遮蔽体は、前記対向配置させた2本の強磁性体レールの各空隙部分の磁路を横切るよう配置されると共に、その空隙部分の磁路において受ける電磁力作用の中立位置から、前記2本の強磁性体レール間の中央位置方向へ共に近づくか又は共に離間するよう変位させて配置されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の超電導磁気浮上システム。
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