JP2004330319A - 貴金属製品の表面加工ロール及び表面加工ロールを備えた表面加工装置 - Google Patents

貴金属製品の表面加工ロール及び表面加工ロールを備えた表面加工装置 Download PDF

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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
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Abstract

【課題】作業者を選ばず簡単に安全に効率良く作業を行うことができ、安定した加工品質を得ることができ、製品コストも安価で、交換も容易に行なえ、廃棄に際し、何ら環境を害さない貴金属製品の表面加工ロール及び表面加工装置を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明の表面加工ロール1は芯部3と,芯部3の外周面に取り付けられ,ポリエーテル系ウレタンフォームスポンジを主成分とする比較的外径の大きなロール本体9と、ロール本体9の外周面に貼設される切削研磨帯17と、ロール本体9の両側面に貼設されるロールカバー27とを備えている。また本発明の表面加工装置31はモータMと、モータMの回転軸に取り付けられるスピンドルSと、スピンドルSに取り付けられる表面加工ロール1と、表面加工ロール1の前面を除く周囲を覆う回収フード71と、回収フード71に接続される吸引装置77とを備えている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば金、銀、白金等の貴金属を溶融し、鋳造成形することによって得られた粗成形段階の貴金属製品を加工対象とするものであって、最終的な光沢仕上げの前処理として、該貴金属製品の表面を切削ないし研磨し、滑らかな面となるように加工する貴金属製品の表面加工ロール及び該表面加工ロールを備えた表面加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金、銀、白金等の貴金属を使用して指輪やペンダント、ネックレスやブレスレット等の宝飾品ないしアクセサリー(以下これらをまとめて貴金属装飾品製品という)を製作したり、修復したりする場合には、鋳造成形等によって生じた貴金属製装飾品表面のバリや凹凸等を除去し、更にその表面を研磨することによって滑らかな仕上げ面を得る前処理加工が施される。そしてこのような前処理加工が施された貴金属製装飾品は最終的に光沢仕上げ処理され、高級感漂う鮮やかな光沢を放つ貴金属製装飾品となって商品として市場に供給される。上記前処理加工は貴金属製装飾品に鮮やかな光沢を付与するに当たって欠かすことのできない作業である。
【0003】
また、複雑な形状を有し、微小な突起や溝が多数存在している貴金属製装飾品を加工するには、相応の熟練が必要とされ、図8に示すような専用の工具が使用されていた。
この工具は小型のモータが内蔵されたハンドピースと呼ばれる軸付き工具101であり、作業者が手に持って作業できるよう比較的小型で軽量に作られている。また被加工物における加工部位の形状や加工の種類等に対応して予め10数種類、あるいはそれ以上にも及ぶ多数の交換用チップ103が用意されており、これらを適宜使い分けることによって前処理加工が行なわれていた。
【0004】
従って、経験豊富な作業者に因る場合であっても、数多くの交換用チップ103を付け替える作業や繊細な加工技術を必要とすることもあって、相当な作業時間が必要であるとされていた。また複雑な貴金属製装飾品の形状に倣うように軸付き工具101を当てて加工するため、かなりの熟練を積まなくては審美性ある貴金属製装飾品の製作ないし修復はできないものとされている。
また、軸付き工具101の多くは貴金属製装飾品の微細な部位の加工を目的にしているため、交換用チップ103の外径寸法は比較的小さく、小さな交換用チップ103によって所望の加工効率を得るためにはモータを高速で回転させなければならない。因みに従来のモータの回転数は10000rpm程度に設定されている。
【0005】
また加工に伴って発生する切削粉ないし研磨粉はその一部が軸付き工具101の放熱用のスリット105等に入り込み、この状態で長時間使用した場合には、軸付き工具101が過熱し、故障に至るおそれがある。またその場合の修理費用は軸付き工具101とこれを制御するモータコントローラの購入代金の2分の1程度にも達するため、軸付き工具101の維持管理費がどうしても高額になってしまう。
この他、片手で被加工物である貴金属製装飾品を支え、他方の手で軸付き工具101を持って長時間作業することは、軸付き工具101が比較的軽量とは言っても、作業者の上腕部には疲労が蓄積するから、作業効率の低下や加工品質のばらつき等を生じさせる。
【0006】
またモータを高速で回転させることによりモータの寿命も短くなるし、貴金属製装飾品の表面に発生する摩擦熱によって、とても素手では貴金属製装飾品を持っていられない状態になり、加工の不安定さをもたらすばかりか、作業者の安全を図る上でも問題となる。
この他、加工に伴って発生した切削粉ないし研磨粉は広く貴金属製装飾品の周囲に拡散するため、その粉末の完全回収は困難であり、高価な貴金属を材料に選択した場合には、多大な損失をもたらす。また作業者がその粉末を吸引した場合には、作業者の健康を害するおそれもあるし、作業場の環境汚染を引き起こし、これに伴う掃除等の無駄な労力や時間を発生させてしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたものであり、従来の軸付き工具が貴金属製装飾品の複雑な形状に合わせて微妙な操作によって加工を行なっていたのに代えて、工具自体の形状を変形させることによって貴金属製装飾品の複雑な形状に工具を合わせるといった、この種の加工には従来取り入れられていなかった画期的な手法を採用することによって、作業者を選ばず、簡単に、安全に、効率良く作業を行うことができ、安定した加工品質を得ることができ、加えて製品コストも安価で、交換も容易に行うことができ、廃棄に際しても何ら環境を害さない貴金属製装飾品の表面加工ロール及び該表面加工ロールを備えた表面加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、粗成形された貴金属製品の表面を光沢仕上げするに先立って、切削ないし研磨し、滑らかな面に加工する表面加工ロールであって、表面加工ロールは回転軸に取り付けられる芯部と、芯部の外周面に対して取り付けられ、弾性体によって構成されるロール本体と、ロール本体の外周面に対して貼設される切削研磨帯とを備えていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロール本体の両側面を覆い隠すように貼設されるロールカバーとを備えていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載した貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロール本体はポリエーテル系ウレタンフォームスポンジによって構成されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロール本体は密度が16±1.5〜55±3kg/m、硬さが8±2〜15±2kg、引張り強さが0.7〜1.8kg/cmの範囲に調整されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、切削研磨帯は帯状の不織布を基材とし、その表面に粒度120〜600の切削研磨粒を担持させることによって構成されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、切削研磨帯の幅寸法はロール本体の幅寸法より2〜5mm広く、片側で1〜2.5mm突出するように構成されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、切削研磨帯の接合端の少なくとも一方には、鋸刃状の山切り加工が施されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロールカバーは綿100%ブロードの布によって構成されており、ロール本体の柔軟性を損なうことなく,ロール本体に適当な硬さを付与するように調製される接着剤を使用して貼設されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、芯部とロール本体との接着及びロール本体と切削研磨帯との接着は両面接着テープによって行なわれていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールである。
【0017】
請求項10記載の発明は、粗成形された貴金属製品の表面を光沢仕上げするに先立って、切削ないし研磨し、滑らかな面に加工する表面加工装置において、表面加工装置は駆動源となるモータと、モータの回転軸に対して取り付けられるスピンドルと、スピンドルに対して取り付けられる請求項1〜9のいずれかに記載の表面加工ロールと、表面加工ロールの前面を除く周囲を覆い、切削粉ないし研磨粉を回収する回収フードと、回収フードに接続される吸引装置とを備えていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールを備えた表面加工装置である。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項10に記載の貴金属製品の表面加工ロールを備えた表面加工装置において、スピンドルは表面加工ロールに加えて、他の加工用具を取り付けられるものであることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールを備えた表面加工装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて具体的に説明する。
表面加工ロール1はモータMの回転軸に対してスピンドルSを介して取り付けられる芯部3を有している。芯部3は円柱状をした木製の部材であり、その中心にはスピンドルSの先端に設けられているコーン状の第1取付部と嵌合するテーパ穴5が形成されている。芯部3の長さは30〜40mm、直径は25〜30mm程度の範囲に設定されている。
芯部3の外周面には、両面接着テープ7を使用してロール本体9が貼設されている。ロール本体9はポリエーテル系の軟質ウレタンフォームスポンジを主成分とする幾分肉厚の円板状の部材である。ロール本体9の外形寸法は比較的大きく、本実施の形態では一例として85mm程度に設定されている。また、ロール本体9の中心には芯部3と嵌合する穴部11が設けられている。
【0020】
また、ロール本体9には、被加工物である貴金属製装飾品13の形状に馴染んで自由に変形し得る、所望の弾性力ないし柔軟性を有している。さらにロール本体9は、長時間の作業に耐えられるだけの強度と耐久性を有している。
ロール本体9の密度は16±1.5〜55±3kg/m、硬さは8±2〜15±2kg、引張り強さは0.7〜1.8kg/cm程度の範囲内に納まるようにそれぞれ調製されている。
【0021】
ロール本体9の材料として使用される軟質ポリウレタンフォームについて簡単に説明しておく。軟質ポリウレタンフォームの生成はポリオールとイソシアネートの反応を主軸とし、発泡剤として水、メチレンクロライドをそれぞれ単独で、またはこれらを組み合わせたものを添加し、反応調節のために第三級アミンと有機スズ化合物を添加し、更に整泡剤、着色剤、その他の添加剤が加えられることによって行われる。
軟質ポリウレタンフォームの特性は上述した諸原料の選択や組み合わせ、混合比率等によって異なり、無限に創造することが可能である。特長としては軽く、引張り等の物理的強度が大きく、クッション性に優れている点が挙げられる。また水に対して化学的に安定しており、耐薬品性にも優れている。
【0022】
ロール本体9の外周面には、厚さ0.1〜0.55mmの両面接着テープ15を使用して切削研磨帯17が貼設されている。切削研磨帯17は帯状の不織布を基材19とし、その表面に切削研磨粒21を担持させることによって構成されている。尚、切削研磨粒21の粒度は木工用のサンドペーパ等のメッシュで言うところの120〜600番程度の範囲に設定される。
切削研磨帯17の幅寸法はロール本体9の幅寸法より2〜5mm程度広く、片側で1〜2.5mm程度突出するように構成されている。これにより貴金属製装飾品13の複雑で微小な突起や溝に到達することが可能となり、貴金属製装飾品13の表面に対して極めて優れた切削性能ないし研磨性能を最大限に発揮できるようになる。
ロール本体9の角稜部の摩耗を防止することでロール本体9の保護強化が図れ、ロール本体9の強度を高めることができる。
【0023】
また、切削研磨帯17の接合端23の少なくとも一方には鋸刃状の山切り加工が施されている。具体的には図3等に示すように切削研磨帯17の幅寸法が30mm程度である場合に山25の幅が5〜6mm、山25の高さが2〜6mm程度の範囲になるような山25が複数個連接された形状に加工されている。
これにより山切り加工されている部分では山切り加工をしなかった場合に比べて接着面積が50%程度減少し、柔軟性を高めるのに貢献する。また山切り加工とすることによって作業中の引掛り感ないし抵抗感も生ぜず、円滑な切削ないし研磨加工を行なうことが可能となる。
【0024】
切削研磨帯17の接合端23の接着は伸展性や弾性力及び柔軟性に優れ、硬化後のひび割れ等が起き難い一液高機能無溶剤型の接着剤を使用することによって行われる。この接着剤は硬化後も適度な柔軟性を維持し、強力な接着が得られ、耐水、耐熱、耐久性に富み、耐慣性、耐衝撃性、耐振動性及び耐剥離性に優れた特長を有している。
従って、衝撃や振動を受け易い部分等の接着に最適な接着剤ということができる。
【0025】
ロール本体9の両側面には、ロールカバー27が貼設されている。ロールカバー27は2枚設けられており、ロール本体9の両側面をすっぽり覆い隠すように円環状に成形されている。ロールカバー27は綿100%ブロードの布によって構成されており、縦糸太さ40番手系123本/インチ、横糸太さ40番手系47本/インチ程度で打ち込まれている。
このようなロールカバー27は柔軟性に優れ、打ち込みは密度に富んでおり、強度に優れている。またロール本体9に対する異物の混入や損傷等を防ぐことができ、ロール本体9の弾性力を最大限に発揮させ、ロール本体9に適度な硬さ(腰)を付与することが可能となる。
ロールカバー27とロール本体9との接着はロール本体9の柔軟性を損なうことなく、ロール本体9に適度な硬さを付与するように調製される接着剤を使用して行われている。
【0026】
次にこのような表面加工ロール1を備える表面加工装置31について説明する。
表面加工装置31は図4に示すように駆動源となるモータMを備え、モータMの回転軸に対してスピンドルSを装着している。スピンドルSはモータMの回転軸に対して直接取り付けられるチャック部33と、その先端側に延長形成されているスピンドル本体35とを備えている。
チャック部33は幾分大径でその中心には、モータMの回転軸を挿嵌する取付穴部37が形成されている。またチャック部33を半径方向に貫くネジ穴39が形成されていて、このネジ穴39と螺合する止めネジ41によってスピンドルSはモータMの回転軸に対して固定状態に取り付けられている。
【0027】
スピンドル本体35は先端が細く、コーン状に成形されており、この部分が前述した表面加工ロール1等の取付部位となる第1取付部43になっている。図示のように第1取付部43にはテーパ雄ネジ45が刻設されている。
第1取付部43の基端側には、中央が幾分窪んだ、くびれ部47が設けられていて、くびれ部47の基端側には、チャック部33と接続される直棒状の第2取付部49が設けられている。図示のように第2取付部49における先端側の3分の2程度の範囲には雄ネジ51が刻設されている。
【0028】
第2取付部49には、図示のような円板状の粗加工用の砥石53が取り付けられる。砥石53の中心には第2取付部49と嵌合する取付穴55が刻設されていて、第2取付部49に対して2枚設けられる鍔状の固定フランジ57の一方を取り付けた後、砥石53を装着し、もう一枚の固定フランジ57を取り付け、固定ナット59を第2取付部49における雄ネジ51に螺合させ、締め付ける。
これにより砥石53は2枚の固定フランジ57によって挟持された状態で第2取付部49上に固定される。砥石53の直径は表面加工ロール1と同様、比較的大きめに設定されており、本実施の形態では一例として90mm程度の砥石を使用した。
【0029】
一方、第1取付部43には、表面加工ロール1の他、図示のような比較的大径の渦巻状の仕上げ用ロールブラシ61が取り付けられる。仕上げ用ロールブラシ61は中心に取付穴63を有する分割式の芯部65を備えており、この芯部65によって挟持されるようにして湾曲した多数のブラシ要素67を渦巻状に配列したブラシ本体69が設けられている。
本実施の形態では、一例として直径80mm程度の仕上げ用ロールブラシ61を使用した。またこの仕上げ用ロールブラシ61と表面加工ロール1は加工の進捗に合わせて適宜付け替えて使用され、第1取付部43がコーン状に形成されていることによりスピンドルSの回転に伴って、仕上げ用ブラシ61と表面加工ロール1は第1取付部43に食い込んで固定されるようになっている。
【0030】
スピンドルSに取り付けられた表面加工ロール1の前面を除く周囲を覆うように図4に示すような角箱状の回収フード71が設けられており、さらに回収フード71にはトレー72が収容されている。トレー72は回収フード71から引き出して取り外すことが可能である。
回収フード71は切削され、あるいは研磨されることによって飛散した切削粉あるいは研磨粉の拡散を防止し、回収するために設けられている。
回収フード71は例えば、透明なアクリル板等のプラスチック材料等によって構成されており、その側板の手前側中央やや下方寄りには作業者の腕が作業中、回収フード71の側板に当たらないようにする逃げ部73が形成されている。またトレー72は、飛散した切削粉あるいは研磨粉の集積スペースとなっている。また、トレー72を複数準備して、被加工物を構成する貴金属の種類ごとにトレーを使用すれば、異なる種類の貴金属の切削粉あるいは研磨粉を確実に分けて回収することができる。
【0031】
また回収フード71の背板には一例として円形の開口75が設けられていて、外部に設けられる吸引装置77に導く吸引ホース79の先端開口部が臨んでいる。この他、モータMの起動、停止を切り替えるスイッチボックス81やモータMの回転数等を制御する図示しない制御装置等が必要に応じて設けられる。
【0032】
次にこのような表面加工ロール1及び表面加工装置31を使用して行なう貴金属製装飾品13の前処理加工について説明する。
予めスピンドルSの第1取付部43に対して表面加工ロール1、第2取付部49に対して他の加工用具としての砥石53を取り付けておく。この場合、表面加工ロール1における切削研磨帯17の接合部の合わせ面がスピンドルSの回転方向に対し倣い方向、即ち、貴金属製装飾品13に対して引掛りの生じない抵抗が小さくなる方向になるように注意して取り付ける。
そして吸引装置77を作動させ。前処理加工を行なう貴金属製装飾品13を手に持って保持し、スイッチボックス81における起動スイッチを押してモータMを回転させる。最初に砥石53を使用して貴金属製装飾品13の表面に生じている比較的大きなバリや凹凸を切除する。
【0033】
粗加工に使用する砥石53は従来の軸付き工具に使用した交換用チップに比べて遥かに直径が大きいから、モータMの回転数をかなり遅くしても、従来を上回る加工効率を得ることができる。この点、次に述べる表面加工ロール1や仕上げ用ロールブラシ61を使用した場合も同様である。
従って、これらの工具を順次使用して行なう総合的な加工時間は従来に比べて2分の1から5分の1と、大幅に短縮される。またモータMの回転数が従来10000rpm程度必要であったのに対して、1600〜3600rpm程度で充分となり大幅な減速が図られている。
【0034】
次に表面加工ロール1を使用して本加工を行なう。このように表面加工装置31ではスピンドルSに砥石53と表面加工ロール1が保持されているので、砥石53と表面加工ロール1をいちいち付け替えることなく、別の作業を行うことができる。即ち、スピンドルSは表面加工ロールに加えて、他の加工用具を取り付けることができるので、加工用具の付け替え作業を行うことなく、別の加工工程を実施することができ、効率の良い作業を実施することが可能となる。
また、従来の手持ち式のヤスリに代わり回転する砥石53を使用するので、極めて効率の良い作業が可能となる。
【0035】
粗加工を終えた貴金属製装飾品13を保持し、上述のように低速で回転している表面加工ロール1の外周面に対して押し当てるようにする。押圧を受けた切削研磨帯17及びロール本体9は自らの形状を貴金属製装飾品13の複雑な形状や微妙に変化する曲面に馴染むように撓み変形ないし圧縮変形させ、貴金属製装飾品13の表面の凹凸を効率良く切削ないし研磨して行く。
従って作業者は貴金属製装飾品13の形状を特に意識しなくても自然に高い加工品質を得ることができるようになる。また貴金属製装飾品13に極めて微細な突起や溝等がある場合にはロール本体9の側面から突出している切削研磨帯17の耳部18を利用することで更に細かな加工も簡単に行なうことが可能となる。
加工に供され摩耗した表面加工ロール1を廃棄する場合には、特に分別する必要はなく、すべてを燃えるゴミとして処理することができる。従って環境を何ら害することなく廃棄することが可能である。
【0036】
本加工終了後、一旦スイッチボックス81における停止スイッチを押してモータMの回転を停止させ、スピンドルSの第1取付部43から表面加工ロール1を取り外し、表面加工ロール1に替えて仕上げ用ロールブラシ61を取り付ける。尚、仕上げ用ロールブラシ61も表面加工ロール1と同様、倣い方向があるので、その方向に注意して取り付ける。
再びスイッチボックス81における起動スイッチを押してモータMを回転させ、貴金属製装飾品13の表面を仕上げ用ブラシ61に当接し、貴金属製装飾品13の表面に付着している切削粉や研磨粉を取り除く。この際、ブラシ要素67は湾曲形成されていることにより撓み変形するから貴金属製装飾品13の表面には極めて小さな力しか作用しない。
従って貴金属製装飾品13の表面を傷付けることなく仕上げ加工が行われる。また一連の加工中に発生した切削粉ないし研磨粉は吸引装置77によって回収されるから、その粉末を作業者が誤って吸引することもなく、貴金属等、高価な材料を使用した場合にも再利用が可能となり資源の有効利用が図られる。
そして一連の加工終了後、スイッチボックス81の停止スイッチを押してモータMの回転を停止させ、吸引装置77の作動を停止して前処理加工が行なわれた貴金属製装飾品13は次工程の光沢仕上げ工程に送られる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、表面加工ロール1を構成している構成部材の材料は前記実施の形態のものに限られるものではなく、同様の効果が期待できるものであれば他の材料を使用することも勿論可能である。また表面加工ロール1の形状や幅寸法あるいは外径寸法は前記実施の形態のものに限定されるものではなく、貴金属製装飾品13の大きさや形状、あるいは材質等を勘案して種々変更することが可能である。
【0038】
またスピンドルSに対して2個以上の表面加工ロール1を取り付けるようにすることも可能であり、この場合には表面加工ロール1は同一の粒度のものであってもよいし、異なる粒度のものでもあってもよい。またスピンドルSに対して取付部を1つのみ設けるようにし、この取付部に対して砥石53、表面加工ロール1及び仕上げ用ロールブラシ61を付け替えて使用することも可能である。
上記実施の形態では、ロール本体9はポリエーテル系の軟質ウレタンフォームスポンジによって構成したが、本発明はこれに限定されず、所定の弾性力、柔軟性を備えることが可能であれば、他の合成樹脂によって構成してもよい。
上記実施の形態では、貴金属製品としてアクセサリー等の貴金属装飾品を示したが本発明はこれに限定されず、貴金属製品としては装飾品以外の楽器の部品等も含む。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、熟練を要さなくても比較的簡単に作業を行なうことができ、モータの回転数が低速であるから安全に、効率良く作業を行うことができる。また貴金属製装飾品を両手で支えて加工できるから安定した加工品質を得ることができる。また構造が簡単であるから製品コストも安価で済み、交換も容易に行なえメンテナンス等の維持管理費も低く抑えることができる。また廃棄に際しても特に分別する必要はなく、すべて燃えるゴミとして処理できるから環境を害することもない。
また、本発明の表面加工装置のスピンドルは表面加工ロールに加えて、他の加工用具を取り付けることができるので、加工用具の付け替え作業を行うことなく、別の加工を行うことができる。従って、迅速で効率の良い作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る貴金属製装飾品の表面加工ロールを示す分解斜視図である。
【図2】図1の表面加工ロールの縦断正面図である。
【図3】図1の表面加工ロールにおける切削研磨帯の接続端の重ね合わせ状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る貴金属製装飾品の表面加工装置を示す斜視図である。
【図5】図4の表面加工装置のスピンドルとスピンドルに取り付けられる砥石、表面加工ロール及び仕上げ用ブラシを示す分解斜視図である。
【図6】図5のスピンドルに砥石と表面加工ロールが取り付けられた状態を示す正面図である。
【図7】貴金属製装飾品の一例を示す斜視図である。
【図8】従来の軸付き工具を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 表面加工ロール 3 芯部
5 テーパ穴 7 両面接着テープ
9 ロール本体 11 穴部
13 貴金属製装飾品(被加工物)
15 両面接着テープ
17 切削研磨帯 18 耳部
19 基材 21 切削研磨粒
23 接合端 25 山
27 ロールカバー
31 表面加工装置 33 チャック部
35 スピンドル本体 37 取付穴部
39 ネジ穴 41 止めネジ
43 第1取付部 45 テーパ雄ネジ
47 くびれ部 49 第2取付部
51 雄ネジ 53 砥石
55 取付穴 57 固定フランジ
59 固定ナット 61 仕上げ用ロールブラシ
63 取付穴 65 芯部
67 ブラシ要素 69 ブラシ本体
71 回収フード 73 逃げ部
75 開口 77 吸引装置
79 吸引ホース 81 スイッチボックス
M モータ S スピンドル

Claims (11)

  1. 粗成形された貴金属製品の表面を光沢仕上げするに先立って、切削ないし研磨し、滑らかな面に加工する表面加工ロールであって、表面加工ロールは回転軸に取り付けられる芯部と、芯部の外周面に対して取り付けられ、弾性体によって構成されるロール本体と、ロール本体の外周面に対して貼設される切削研磨帯とを備えていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  2. 請求項1に記載した貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロール本体の両側面を覆い隠すように貼設されるロールカバーとを備えていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  3. 請求項1または2に記載した貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロール本体はポリエーテル系ウレタンフォームスポンジによって構成されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロール本体は密度が16±1.5〜55±3kg/m、硬さが8±2〜15±2kg、引張り強さが0.7〜1.8kg/cmの範囲に調整されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、切削研磨帯は帯状の不織布を基材とし、その表面に粒度120〜600の切削研磨粒を担持させることによって構成されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、切削研磨帯の幅寸法はロール本体の幅寸法より2〜5mm広く、片側で1〜2.5mm突出するように構成されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、切削研磨帯の接合端の少なくとも一方には、鋸刃状の山切り加工が施されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、ロールカバーは綿100%ブロードの布によって構成されており、ロール本体の柔軟性を損なうことなく,ロール本体に適当な硬さを付与するように調製される接着剤を使用して貼設されていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の貴金属製品の表面加工ロールにおいて、芯部とロール本体との接着及びロール本体と切削研磨帯との接着は両面接着テープによって行なわれていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロール。
  10. 粗成形された貴金属製品の表面を光沢仕上げするに先立って、切削ないし研磨し、滑らかな面に加工する表面加工装置において、表面加工装置は駆動源となるモータと、モータの回転軸に対して取り付けられるスピンドルと、スピンドルに対して取り付けられる請求項1〜9のいずれかに記載の表面加工ロールと、表面加工ロールの前面を除く周囲を覆い、切削粉ないし研磨粉を回収する回収フードと、回収フードに接続される吸引装置とを備えていることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールを備えた表面加工装置。
  11. 請求項10に記載の貴金属製品の表面加工ロールを備えた表面加工装置において、スピンドルは表面加工ロールに加えて、他の加工用具を取り付けられるものであることを特徴とする貴金属製品の表面加工ロールを備えた表面加工装置。
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