JP2004329576A - 蒸気洗浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】強力な蒸気の噴出による洗浄及び作動開始直後から強力な蒸気の噴出を可能とし、洗浄のための移動範囲や使用場所に制限を受けないようにしつつ、取り扱い性に優れた蒸気洗浄機を提供する。
【解決手段】着脱式のカセット式ガスボンベ5から燃料ガスを受けるガスバーナ4を加熱源とする熱交換器6に対し、貯留タンク2内の水を加圧状態で供給し、高温蒸気にしてノズル7から噴出させる。本体ケース9にグリップ部92を突出させ、片手で把持してレリーズボタン15の2段階押し込み操作によって開閉操作弁14を開にした後、点火機構付き開閉器16を開にして点火させる。熱交換器をコイル状パイプにして内方に燃焼排ガスを通過させてノズル周囲の隙間941から蒸気に混入させ、洗浄対象に弱酸性の蒸気を吹き付け得るようにする。燃焼排ガスの排出方向を蒸気噴出方向と、それ以外の方向とに切換可能とする。
【選択図】 図3
【解決手段】着脱式のカセット式ガスボンベ5から燃料ガスを受けるガスバーナ4を加熱源とする熱交換器6に対し、貯留タンク2内の水を加圧状態で供給し、高温蒸気にしてノズル7から噴出させる。本体ケース9にグリップ部92を突出させ、片手で把持してレリーズボタン15の2段階押し込み操作によって開閉操作弁14を開にした後、点火機構付き開閉器16を開にして点火させる。熱交換器をコイル状パイプにして内方に燃焼排ガスを通過させてノズル周囲の隙間941から蒸気に混入させ、洗浄対象に弱酸性の蒸気を吹き付け得るようにする。燃焼排ガスの排出方向を蒸気噴出方向と、それ以外の方向とに切換可能とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温の水蒸気をノズルから噴出させて油汚れ等の洗浄を行うために用いられる蒸気洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の蒸気洗浄機として、特許文献1により提案されたものが知られている。このものではタンク内の水を電磁ポンプでノズル側に供給し、その途中で通電を受けて発熱する加熱ヒータにより上記水を加熱して高温の蒸気にし、この蒸気をノズルからブラシに排出させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3210300号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来の蒸気洗浄機においては、その作動開始から高温の蒸気が生成されるまで、つまり蒸気による洗浄が可能になるまで、かなりの時間を要する上に、高温の蒸気による洗浄が可能になったとしても蒸気供給能力(蒸気量、吐出圧等)が低めであるため、洗浄対象が限られ洗浄効率もさほど望めないものとなるという不都合を有している。加えて、蒸気洗浄機そのものは携帯性を備えてはいても移動範囲が限られるため、洗浄範囲にも制約を有するという不都合も有している。
【0005】
すなわち、水を加熱することにより蒸気に変換させるには、供給圧(吐出圧)との関係により変動はするもののかなり高温の飽和蒸気温度(例えば150℃以上)まで加熱する必要がある。しかるに電熱式の加熱ヒータでは停止状態から通電を開始しても上記の飽和蒸気温度に到達するまでかなりの時間(例えば10分以上)を要し、このため、作動開始から蒸気による洗浄が可能になるまでにかなりの時間がかかり、ユーザはこの間待機せざるを得なくなる。
【0006】
しかも、所定の加熱温度まで到達したとしても、加熱ヒータでは発熱量が限られる上に、家庭用としては消費電力において最大で1500Wまでという制限があるため、十分な量の蒸気を生成させることができず、蒸気供給能力の上限もかなり低めとなり強力な蒸気の噴出は望めないものとなる上に、蒸気を用いた洗浄の速度等の効率も低いものとなっている。
【0007】
さらに、蒸気洗浄機の本体部分を可搬式に構成したとしても、加熱ヒータや電磁ポンプに対する電源供給のための電源コードが上記本体部分に付随しているため、洗浄のための移動範囲が電源コンセントの設置場所周囲や、電源コードの長さによって制限を受けることになる。また、加熱ヒータへの通電のために大容量電源設備が整っている場所でのみ使用可能というように使用範囲の制限も受けることになる。
【0008】
そこで、加熱源として電熱式の加熱ヒータに代えてガスバーナを採用し、燃料ガスをカセット式のガスボンベから供給することが考えられるが、携帯性に加えて特に取り扱い性を考慮した構成の開発が必要になる。また、ガスバーナを採用した場合に燃焼排ガスの処理又は有効利用についても加味して開発を行う必要がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作動開始直後から強力な蒸気の噴出による洗浄を可能とし、洗浄のための移動範囲や使用場所に制限を受けないようにしつつ、取り扱い性に優れた蒸気洗浄機を提供することにある。併せて、高温蒸気だけでは洗浄し切れない汚れ等の洗浄をも可能とし得るようにすることも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、圧送手段により貯留タンク内の水の供給を受けて熱交換器において加熱することによりノズルから高温蒸気を噴出させるように構成された蒸気洗浄機を対象として、次の特定事項を備えることとした。すなわち、本体ケースに対し上記熱交換器を加熱する加熱源として燃料ガスを燃焼させるガスバーナを備えると共に、このガスバーナに対し燃料ガスの供給源としてカセット式のガスボンベを着脱交換可能に装着する構成とし、加えて、上記本体ケースに対し、片手により把持して操作可能に構成されたグリップ部を突出させて一体に形成することとした(請求項1)。
【0011】
本発明の場合、熱交換器の加熱源がガスバーナであるため、加えて、貯留タンク内の水全体ではなくて熱交換器を通過する水を対象にしてガスバーナにより加熱するようにしているため、ガスバーナの作動開始(燃焼開始)により熱交換器内の水を即座に所定の高温まで昇温させて蒸気を生成することが可能になる。このため、作動開始直後から、ノズルから蒸気を噴出させて洗浄を開始することが可能になる。また、ガスバーナの燃焼熱量は従来の電熱式の加熱ヒータによる発熱量と比して格段に高いため、ノズルに対する蒸気供給能力は上記加熱ヒータの場合と比して飛躍的に高くなる。このため、より高い吐出圧力及びより多量の蒸気をノズルに供給して噴出させることが可能になる。これにより、強力な蒸気の噴出による洗浄が可能となる。しかも、上記の如く加熱源としてガスバーナを採用したとしても、その燃料ガスの供給源としてカセット式のガスボンベが装着されるため、可搬性・携帯性を損なうここともなく、移動範囲や使用場所に制限を受けることもなく使い勝手のよさを確保し得る。さらに、ガスバーナ等が備えられる本体ケースからグリップ部を一体に突出させているため、このグリップ部を片手で把持して蒸気洗浄機を保持し操作することが可能となり、上記の如く作動開始直後から強力な蒸気の噴出による洗浄を可能としつつも、優れた取り扱い性を実現させ得ることになる。
【0012】
上記の如きガスバーナや熱交換器を本体ケースに備えつつも、優れた取り扱い性を実現させ得る構造としてさらに具体的に特定すると、上記本体ケースを、筒状部と、この筒状部から略直交方向に突出するグリップ部とにより略Tの字形に形成し、上記筒状部の基端側位置に上記ガスバーナを燃焼火炎が筒状部先端側に向けて形成されるように配設し、上記ガスバーナの燃焼火炎形成側から上記筒状部先端側にかけて熱交換器を配設し、この熱交換器の出口側に連通接続したノズルを上記筒状部先端側の位置に外部に臨んで配設するようにすればよい(請求項2)。
【0013】
さらに、より一層の優れた取り扱い性を実現させ得る構造としては、次の特定事項を備えるようにすればよい。すなわち、上記貯留タンクを上記本体ケースと分離された別体のものにより構成し、上記貯留タンク内の水が上記本体ケース内の熱交換器に供給されるよう上記貯留タンクと本体ケースとを延長ホースにより互いに接続すればよい(請求項3)。このようにすることにより、貯留タンク内の水の自重が本体ケースには作用しないため、グリップ部を把持して蒸気の吹き付けにより洗浄を行う上でその取り扱い性は、本体ケースに貯留タンクを付設する場合に比べ格段に向上することになる。この場合の貯留タンクは、その容量に応じてショルダーベルト等による携帯式にしたり、キャスター等による移動式にしたりすることができる。
【0014】
本発明においては、以下の如き種々の特定事項を付加したり、さらに具体化したりすることができ、これにより、より好ましい種々の作用が得られることになる。
【0015】
第1に、上記圧送手段として、貯留タンク内を加圧することにより貯留タンクから水を押し出す構成とすることができる(請求項4)。このようにすることにより、圧送手段として動力源を要するポンプを不要とし、蒸気洗浄機のコンパクト化が図られ、このコンパクト化により取り扱い性も向上する。上記の如き構成としては例えば圧縮空気を作用させるものや、貯留タンク内を加圧するための手動操作式プランジャポンプ等が挙げられる。このような圧送手段の構成をさらに具体化すると、上記圧送手段として、押し込み操作により貯留タンク内の密閉空間を加圧する加圧操作手段を用い、上記貯留タンクに対し、内圧が設定圧力以上になると自動的に開放して圧力を逃がす圧力安全弁を付設するようにすればよい(請求項5)。このようにすることにより、動力源を不要にして構成の簡易化及びコンパクト化が図られる一方、過剰な押し込み操作が行われたとしても圧力安全弁の付設により貯留タンク内を所定の設定圧力に維持させ得ることになる。
【0016】
第2に、上記貯留タンクと熱交換器との間に水の供給を開閉切換する水開閉弁を介装し、上記ガスボンベとガスバーナとの間に燃料ガスの供給を開閉切換するガス開閉弁を介装し、上記ガスバーナに点火器を付設するようにする一方、上記グリップ部に操作手段を付設して、この操作手段の操作により上記水開閉弁の開閉切換、上記ガス開閉弁の開閉切換、及び、上記点火器の点火作動を行う構成とすることができる(請求項6)。このようにすることにより、グリップ部を把持することにより蒸気洗浄機自体を支持しつつ、その作動開始のための操作を上記操作手段により行い得ることになり、取り扱い性をより増大させることが可能になる。この場合には、上記操作手段として、操作力を伝達する操作力伝達部材を備えたものとし、この操作力伝達部材として、作動開始の操作力を受けたときその操作力を上記水開閉弁に対し開切換作動力として伝達した後に、上記点火器に対し点火作動のための作動力として伝達する構成とすればよい(請求項7)。このようにすることにより、燃焼開始の際には熱交換器に対し貯留タンクからの水が確実に供給された状態でガスバーナを点火して燃焼を開始させることが可能になり、空焚き発生を確実に防止し得る。
【0017】
第3に、上記ノズルを熱交換器の出口側に連通接続し、上記ガスバーナからの燃焼排ガスを上記熱交換器が配設される本体ケース内の配設空間を通して上記ノズルの噴出口近傍位置に排出させる構成とすることができる(請求項8)。このようにすることにより、燃焼排ガスが外部に排出されるまでの間の全てに亘り、その燃焼排ガスの熱を熱交換器が受けて加熱されることになる。このため、燃焼排ガスの有する熱を蒸気生成のために十分に活用し得る一方、外部に排出される燃焼排ガスの温度を低下させ得ることになる。
【0018】
第4に、上記ガスバーナからの燃焼排ガスを上記ノズルからの噴出蒸気と接触させるように排ガス出口を本体ケースに形成することができる(請求項9)。このようにすることにより、噴出蒸気にあたかも酸性の助剤を混入させたと同様になり、弱酸性となった高温の蒸気によって、単なる中性の高温蒸気だけでは落ち難かった汚れ、例えば水に溶け難い塩が主成分となっている汚れに対しても、その汚れを溶解させて確実に落とすことが可能になる。すなわち、上記燃焼排ガスの温度が低下し燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮して水滴が生じる際に燃焼排ガス中の一部の二酸化炭素が水蒸気に吸収され炭酸となる。つまり、凝縮水滴は弱酸性を有することになる。そして、この弱酸性の凝縮水滴を含む燃焼排ガスがノズルからの噴出蒸気と接触して混合されながら洗浄対象に対し吹き付けられることになる。これにより、トイレ便器に付着した尿酸カルシウム等の塩が主成分となっている汚れをも確実に溶解させて落とすことが可能になる。
【0019】
上記の第3又は第4の特定事項に対しては、さらに、上記燃焼排ガスの排出方向を、ノズルからの噴出蒸気に向かう方向と、その噴出蒸気とは異なる方向とに切換可能に構成するようにしてもよい(請求項10)。このようにすることにより、水だけの高温蒸気による洗浄と、弱酸性の高温蒸気による洗浄とをユーザの選択により使い分けることが可能になる。ここで、上記の排出方向の切換としては、例えば、それぞれの排出方向に臨む2つの排ガス出口を設ける一方、本体ケースのノズル配設部分にスライド又は回転等により一方の排ガス出口のみを開口させるように相互に切換える可動部材を設けるようにすればよい。
【0020】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項10のいずれかの蒸気洗浄機によれば、ガスバーナを加熱源としガスバーナの燃焼熱で熱交換器内の水を加熱するようにしているため、ガスバーナの作動開始直後から、ノズルから蒸気を噴出させて洗浄を開始させることができるようになる。また、ガスバーナの燃焼熱量は従来の電熱式の加熱ヒータによる発熱量と比して格段に高いため、より高い吐出圧力及びより多量の蒸気をノズルに供給して噴出させることができ、強力な蒸気の噴出による洗浄を行うことができるようになる。しかも、加熱源としてガスバーナを採用したとしても、その燃料ガスの供給源としてカセット式のガスボンベが装着されるため、可搬性・携帯性を損なうこともなく、移動範囲や使用場所に制限を受けることもなく使い勝手のよさを確保することができる。さらに、ガスバーナ等が備えられる本体ケースからグリップ部を一体に突出させているため、このグリップ部を片手で把持して蒸気洗浄機を保持し操作することができ、上記の如く作動開始直後から強力な蒸気の噴出による洗浄を可能としつつも、優れた取り扱い性を実現させることができるようになる。
【0021】
特に、請求項2によれば、ガスバーナや熱交換器を本体ケースに備えつつも、優れた取り扱い性を実現させ得る構造を具体的に特定することができる。
【0022】
請求項3によれば、貯留タンクを別体にして本体ケース側の軽量化を図ることができ、これにより、蒸気の吹き付けによる洗浄操作を行う上でより一層の優れた取り扱い性を実現させることができる。加えて、大容量の貯留タンクの使用により洗浄時間又は洗浄作業量の増大化をも図ることができる。
【0023】
請求項4によれば、圧送手段としてポンプを備える必要を排して蒸気洗浄機のコンパクト化を図ることができると共に、コンパクト化により取り扱い性も向上させることができる。また、請求項5によれば、加圧操作手段による手動操作により圧送状態に対する動力源を不要にして構成の簡易化及びコンパクト化を図ることができる一方、過剰な押し込み操作が行われたとしても圧力安全弁の付設により貯留タンク内を所定の設定圧力に維持させることができるようになる。
【0024】
請求項6によれば、グリップ部を把持した状態で蒸気洗浄機自体を支持しつつ、その作動開始のための諸操作を操作手段により行うことができるようになり、取り扱い性をより増大させることができる。また、請求項7によれば、操作手段による1つの操作により、燃焼開始の際には熱交換器に対し貯留タンクからの水が確実に供給された状態でガスバーナを点火して燃焼を開始させることができ、空焚き発生を確実に防止することができるようになる。
【0025】
請求項8によれば、燃焼排ガスの有する熱を蒸気生成のために十分に活用することができる一方、外部に排出される燃焼排ガスの温度を十分に低下させることができるようになる。
【0026】
請求項9によれば、噴出蒸気を弱酸性にすることができ、従来の単なる水だけの中性の高温蒸気だけでは落ち難かった、水に溶け難い塩が主成分となっている汚れをも確実に落とすことができるようになる。
【0027】
請求項10によれば、請求項8又は請求項9において、水だけの中性の高温蒸気による洗浄と、弱酸性の高温蒸気による洗浄とをユーザの選択により使い分けることができるようになり、蒸気洗浄機としてさらに高い機能と、さらなる使い勝手の良さとを付与することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る蒸気洗浄機の基本形態を示す。同図において、2は貯留タンク、3は圧送手段としての電動ポンプ、4はガスバーナ、5はカセット式のガスボンベ、6は熱交換器、7はノズル、8は蓄電池である。上記の各構成要素は本体ケース9に付設又は内蔵されて一体の蒸気洗浄機として構成されている。
【0030】
まず、上記本体ケース9について説明すると、この本体ケース9は筒状部91と、この筒状部91に対し略直交方向に突出するグリップ部92とからTの字状又は逆Lの字状に形成されている。そして、上記筒状部91の内部空間93に熱交換器6が収容され、この熱交換器6の出口側に連通接続されたノズル7が筒状部91の先端開口部94に配設されている。この先端開口部94(図2参照)は中心位置に上記ノズル7を内蔵し、このノズル7の外周囲の隙間941から後述の燃焼排ガス(図2の点線の矢印参照)が排出されるようになっている。また、上記グリップ部92には操作手段としての各種スイッチ101,102が配設され、グリップ部92をユーザが片手で把持した状態でユーザの指により操作し得るようになっている。そして、上記グリップ部92の先端位置に対し上記ガスボンベ5が着脱交換可能に装着されるようになっている。
【0031】
上記貯留タンク2は上記筒状部91の上側に付設され、その補水口21から水道水等の水が給水されて水を貯留するようになっており、貯留された水は上記電動ポンプ3の作動により水供給経路121を通して上記熱交換器6に加圧状態で送り出されるようになっている。
【0032】
上記電動ポンプ3は例えば遠心ポンプ又は電磁ポンプ等により構成され、グリップ部92に内蔵されている。そして、上記グリップ部92の第1スイッチ101をON操作することにより、蓄電池8からの給電を受けて作動されるようになっている。そして、上記電動ポンプ3は吸い込み口から吸い込んだ貯留タンク2内の水を所定の圧力(例えば5kgf/cm2)まで昇圧させた後、吐出口から熱交換器6に圧送するようになっている。
【0033】
上記ガスバーナ4はガスボンベ5が後側から着脱交換可能に差し込まれ、このガスボンベ5からの気化状態の燃料ガスに空気を混合させて燃焼させ、その燃焼火炎を筒状部91の先端側に形成するようになっている。そして、燃焼排ガスが上記筒状部91の内部空間93を通して先端開口94のノズル7の外周囲の隙間941から噴出蒸気と共に外部に排出されるようになっている。また、上記ガスバーナ4にはガス開閉弁と、例えば圧電素子により構成された点火器とを備えた制御機構41が付設され、この制御機構41に対し上記ガスボンベ5が差し込まれて保持されるようになっている。上記制御機構41は上記グリップ部92の第2スイッチ102をON操作することにより蓄電池8からの通電を受けてガス開閉弁を開くと同時に点火器による点火動作が行われるようになっている。
【0034】
上記ガスボンベ5は内部に燃料ガスとしてLPG(例えば液化ブタン)が充填されたもので、上記制御機構41のガス開閉弁が開かれることにより気化状態になった燃料ガスがガスバーナ4に供給されるようになっている。このようなガスボンベ5としては、通常のカセットコンロ用のカセット式ガスボンベにより構成すればよい。この場合には1つのガスボンベ内の燃料ガスにより3000kcal相当の熱量が得られるため、上記のガスバーナ4として発熱量3000kcal/H(約3.5kW)のものを用いると1つのガスボンベにより約1時間の燃焼を行うことができる。
【0035】
上記熱交換器6は螺旋状に巻かれたコイル状パイプにより構成され、この熱交換器6の入口側が筒状部91の基端側に位置付けられて電動ポンプ3の吐出口側に連通され、出口側が筒状部91の先端側にかけて延び、その出口側にノズル7が連通接続されている。上記熱交換器6はそのコイルパイプの内方側に向けて上記ガスバーナ4からの燃焼火炎を受け、その燃焼排ガスが主として上記コイルパイプの内方側を通過して先端開口94に至るようにされている。そして、上記燃焼火炎からの燃焼熱及び燃焼排ガスからの熱を受けて熱交換器6内の加圧水がその飽和蒸気温度以上に加熱されて所定の蒸気圧の高温の蒸気に変わり、この蒸気がノズル7に供給されることになる。なお、この熱交換器6としてコイル状パイプの巻き密度を高めて略円筒状に構成することにより、筒状部91の内周面に施す断熱材を省略することも可能である。
【0036】
ノズル7は内部に所定のノズル径に設定された絞り部71(図2参照)を備え、供給された高温の蒸気を先端の噴出口から外部に噴出するようになっている。なお、上記ノズル7として、ノズル径の可変機構を備えたものを用いることで洗浄対象に応じて噴出蒸気の拡がりを変更調整することができる。
【0037】
上記蓄電池8はグリップ部92に対し装着されたままの状態での充電が可能である他、交換用の新たな蓄電池との交換も行い得るようになっている。
【0038】
以上の構成の蒸気洗浄機を使用するには、カセット式のガスボンベ5及び蓄電池8をそれぞれ装着し、貯留タンク2内を水で満たした状態で、まず第1スイッチ101をON操作した後に第2スイッチ102をON操作する。このような2段階操作とするのは、まず先に電動ポンプ3を作動させて貯留タンク2内の水を熱交換器6に供給し、その上でガスバーナ4の燃焼を開始させるようにすることで、熱交換器6での空焚きを防止するためである。そして、ガスバーナ4からの燃焼熱を受けて熱交換器内の水が即座に所定の飽和蒸気温度以上に加熱されて高温の蒸気に変換され、この蒸気がノズル7に供給されて外部に噴出されることになる。この際、ガスバーナ4の燃焼により発生した燃焼排ガスが熱交換器6の内方側を通過して先端開口94から上記蒸気と共に排出され、蒸気に接触して混合されることになる。上記燃焼排ガスが熱交換器6を熱交換加熱して温度低下するのに伴い生じた凝縮水滴と燃焼排ガス中の二酸化炭素とが結合して炭酸となり、この炭酸が上記噴出蒸気と混合される結果、弱酸性の蒸気が洗浄対象に対し吹き付けられることになる。この弱酸性で高温・高圧の蒸気により、水に溶け難い塩が主成分となっている汚れでも、それを溶解させて確実に洗浄することができるようになる。
【0039】
なお、噴出される蒸気の温度や圧力は、主として上記電動ポンプ3の吐出圧設定、ガスバーナ4の燃焼熱量及びノズル7のノズル径により定まることになる。
【0040】
そして、蒸気を用いた洗浄を停止するには、開始時とは逆に第2スイッチ102をOFF操作した後、第1スイッチ101をOFF操作する。これにより、まず先に制御機構41のガス開閉弁が閉じられてガスバーナ4の燃焼が停止され、次いで電動ポンプ3が停止される。
【0041】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る蒸気洗浄機を示し、この第2実施形態は第1実施形態よりも構成の簡易化を図ったものである。なお、以下では第1実施形態と同様構成の要素に対しては第1実施形態のものと同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0042】
この第2実施形態では第1実施形態での電動ポンプ3の代わりに加圧操作手段を圧送手段として採用して動力源や蓄電池8を不要としている。すなわち、グリップ部92の下端部に密閉容器により構成された貯留タンク2aを付設し、この貯留タンク2aに対し加圧操作手段11を圧送手段として設けている。この加圧操作手段11は図4にも示すようにプランジャポンプと類似の構造を備え、つまみ部111を持ってユーザが押し込み・引き抜き方向の往復操作をすることにより、上記つまみ部111に連結されたピストン112が貯留タンク2aの上部密閉空間22を加圧し得るようになっている。つまり、上記上部密閉空間22の空気を加圧圧縮し、その空気圧に基づく加圧力を貯留タンク2a内の水の自由水面に作用させるようになっている。そして、加圧力を自由水面に受けて貯留タンク2a内の水は水供給経路121に押し出されて熱交換器6に供給されることになる。また、上記貯留タンク2aには圧力安全弁13が付設され、この圧力安全弁13は上記上部密閉空間22の内圧が所定の設定圧力を超えると自動的に開いて過剰な内圧を外部に逃がして上部密閉空間22の内圧を上記設定圧力以下に維持するようになっている。なお、上記加圧操作手段11は密閉タンク2aに対し貫通するようにねじ込まれており、この加圧操作手段11のねじを弛めて引き抜くことにより、貯留タンク2aに対し水の補給を行い得るようになっている。
【0043】
また、上記水供給経路121には水開閉弁としての開閉切換弁14(図3参照)が介装されており、この開閉操作弁14は操作手段としてのレリーズボタン15の操作により開閉切換が行われるようになっている。すなわち、上記レリーズボタン15には操作力伝達部材としてのレリーズワイヤ151が接続されており、このレリーズワイヤ151の途中に上記開閉操作弁14が結合され、先端に点火器及びガス開閉弁としての点火機構付き開閉器16が結合されている。そして、上記レリーズボタン15を1段階目の所定のストローク量だけ押すと上記開閉操作弁14が例えば回転作動されて閉から開に切換えられ、さらに2段階目の所定のストローク量だけ押すと上記点火機構付き開閉器16が開作動されて点火作動されるようになっている。これにより、貯留タンク2a内の水が熱交換器6に供給された状態で、ガスボンベ5からの燃料ガスがガスバーナ4に供給されて点火されることになる。なお、上記開閉器16としては、上記レリーズワイヤ151の押圧作動力により開作動させ、同じくその押圧作動力により例えば火打ち石式の点火機構を点火作動させるように構成すればよい。
【0044】
以上の構成の蒸気洗浄機を使用するには、カセット式のガスボンベ5を装着し、貯留タンク2a内を水で満たした状態で、加圧操作手段11のつまみ部111を持って押し込み・引き抜き方向の往復操作をすることにより貯留タンク2a内を加圧する。そして、レリーズボタン15を2段階操作により押し込むと、まず開閉操作弁14が開作動されて貯留タンク2a内の水が熱交換器6に供給され、続いて点火機構付き開閉器16が開かれてガスボンベ5からの燃料ガスに点火されてガスバーナ4が燃焼を開始することになる。先に熱交換器6に対し水が供給されるため、熱交換器6での空焚きが防止される。このガスバーナ4からの燃焼熱を受けて熱交換器6内の水が即座に所定の飽和蒸気温度以上に加熱されて高温の蒸気に変換され、この蒸気がノズル7に供給されて外部に噴出されることになる。この際、ガスバーナ4の燃焼により発生した燃焼排ガスが第1実施形態と同様に熱交換器6の内方側を通過して先端開口94から蒸気と共に排出され、蒸気に接触して混合されることになる。これにより、第1実施形態において説明したように、弱酸性の蒸気が洗浄対象に対し吹き付けられることになり、この弱酸性で高温・高圧の蒸気により、水に溶け難い塩が主成分となっている汚れでも、それを溶解させて確実に洗浄することができるようになる。
【0045】
そして、蒸気を用いた洗浄を停止するには、押し込んだ状態に維持していたレリーズボタン15に対する押圧力を開放することにより復帰バネ152の弾性復元力によりレリーズボタン15を復帰させる。これにより、開始時とは逆に開閉器16が開から閉に復帰してガスバーナ4の燃焼がまず先に停止された後に、次いで開閉操作弁14が閉じられて貯留タンク2aからの水の供給が停止される。
【0046】
なお、蒸気の使用を継続すると貯留タンク2a内の加圧力が徐々に低下することになるが、使用の途中で蒸気の噴出圧が低下してきた場合や、さらに噴出圧を高めたい場合には、加圧操作手段11により増し加圧すればよい。このような加圧操作を行うことにより貯留タンク2a内の内圧が過剰に昇圧したとしても、圧力安全弁13により貯留タンク2a内は確実に設定圧力以下に維持される。
【0047】
この蒸気洗浄機の場合には、第1実施形態と同様にグリップ92を把持した状態で操作し得ることによる優れた取り扱い性の実現に加え、貯留タンク2a内の水の圧送を加圧操作手段11による加圧操作力によって実現させているため、上記の圧送のための動力装置(例えば第1実施形態の電動ポンプ)やその動力源(例えば蓄電池)を共に不要にして省略することができる。
【0048】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1及び第2実施形態では、貯留タンク2,2aを一体に付設しているが、これに限らず、例えばショルダーベルト等により携帯可能としたポリタンク等を可撓性ホースにより接続することにより別体にしてもよい。例えば、第2実施形態の貯留タンク2aを別体に構成するには、図5に示すようにポリタンク等の容器により構成した貯留タンク2bに対し加圧操作手段11aを付設し、内部の水を供給するための延長ホース122をグリップ92に内蔵した水供給管121に対し接続部123において着脱可能に接続するようにすればよい。上記加圧操作手段11aは第2実施形態のヶ朝操作手段11(図4参照)と同様に構成され、つまみ部111aによりピストン112aを押し込み・引き抜きの往復動させることにより貯留タンク2b内の内圧を高めるようになっている。上記貯留タンク2bを大容量のものにする場合には、底にキャスター等を設置して手押し又は牽引により移動可能にすればよい。
【0049】
上記第1及び第2実施形態では燃焼排ガスをノズル7から噴出される蒸気に混入させて弱酸性の蒸気を洗浄対象に吹き付け得るようにしているが、燃焼排ガスを混入しない中性の蒸気の吹き付けと、燃焼排ガスを混入させた弱酸性の蒸気の吹き付けとを選択的に切換可能に構成してもよい。例えば筒状部91を本体筒及び先端筒とで構成し、先端筒を本体筒に対しテレスコピック状に前後動可能又は回転可能に構成すればよい。図6に先端筒91bを本体筒91aに対し外嵌させて前後動可能に構成した場合を示す。中性の蒸気の吹き付けを行うには、図6(a)に示すように先端筒91bを本体筒91aに対し後動させる。この状態では、先端筒91bの内周面とノズル7aの外環部72とが密着すると同時に本体筒91aの排気孔911(排ガス出口)と、先端筒91bの排気孔912(排ガス出口)とが互いに連通し、これにより、燃焼排ガスが筒状部91の外周方向に排出されるようになる。一方、弱酸性の蒸気の吹き付けを行うには、図6(b)に示すように先端筒91bを本体筒91aに対し前動させた状態にさせる。この状態では、上記両排気孔911,912が閉止され、上記外環部72と先端筒91bとの間に環状の隙間が形成され、この隙間941から燃焼排ガスが噴出蒸気に向けて排出されて混入されることになる。
【0050】
上記第1及び第2実施形態では、熱交換器としてコイル状パイプにより構成されたものを示したが、これに限らず、直管にフィンを付設したものなど他の構成の熱交換器を採用してもよい。
【0051】
第2実施形態では操作手段としてレリーズボタン15、操作力伝達部材としてレリーズワイヤ151を示したが、これに限らず、操作手段として例えば基端を支点として揺動するレバーを用い、操作力伝達部材としてそのレバーの揺動操作により押し引きされるロッド、又は、ロッド及びリンク機構を用い、上記レバーの2段階揺動操作により水開閉弁がまず先に開作動され、次にガス開閉弁の開作動及び点火器の点火作動が行われるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】図1の筒状部の先端開口部の部分拡大説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す模式図である。
【図4】図3の貯留タンクの部分拡大説明図である。
【図5】第2実施形態の他の態様を示す図3対応図である。
【図6】他の実施形態を示す図1又は図3の筒状部の先端開口部の部分拡大説明図であり、図6(a)は中性蒸気を使用する場合、図6(b)は弱酸性蒸気を使用する場合をそれぞれ示す。
【符号の説明】
2,2a,2b 貯留タンク
3 電動ポンプ(圧送手段)
4 ガスバーナ
5 ガスボンベ
6 熱交換器
7,7a ノズル
8 蓄電池
9 本体ケース
91 筒状部
92 グリップ部
11 加圧操作手段(圧送手段)
13 圧力安全弁
14 開閉操作弁(水開閉弁)
15 レリーズボタン(操作手段)
101,102 操作スイッチ(操作手段)
122 延長ホース
151 レリーズワイヤ(操作力伝達部材)
911,912 排気孔(排ガス出口)
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温の水蒸気をノズルから噴出させて油汚れ等の洗浄を行うために用いられる蒸気洗浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の蒸気洗浄機として、特許文献1により提案されたものが知られている。このものではタンク内の水を電磁ポンプでノズル側に供給し、その途中で通電を受けて発熱する加熱ヒータにより上記水を加熱して高温の蒸気にし、この蒸気をノズルからブラシに排出させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3210300号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の従来の蒸気洗浄機においては、その作動開始から高温の蒸気が生成されるまで、つまり蒸気による洗浄が可能になるまで、かなりの時間を要する上に、高温の蒸気による洗浄が可能になったとしても蒸気供給能力(蒸気量、吐出圧等)が低めであるため、洗浄対象が限られ洗浄効率もさほど望めないものとなるという不都合を有している。加えて、蒸気洗浄機そのものは携帯性を備えてはいても移動範囲が限られるため、洗浄範囲にも制約を有するという不都合も有している。
【0005】
すなわち、水を加熱することにより蒸気に変換させるには、供給圧(吐出圧)との関係により変動はするもののかなり高温の飽和蒸気温度(例えば150℃以上)まで加熱する必要がある。しかるに電熱式の加熱ヒータでは停止状態から通電を開始しても上記の飽和蒸気温度に到達するまでかなりの時間(例えば10分以上)を要し、このため、作動開始から蒸気による洗浄が可能になるまでにかなりの時間がかかり、ユーザはこの間待機せざるを得なくなる。
【0006】
しかも、所定の加熱温度まで到達したとしても、加熱ヒータでは発熱量が限られる上に、家庭用としては消費電力において最大で1500Wまでという制限があるため、十分な量の蒸気を生成させることができず、蒸気供給能力の上限もかなり低めとなり強力な蒸気の噴出は望めないものとなる上に、蒸気を用いた洗浄の速度等の効率も低いものとなっている。
【0007】
さらに、蒸気洗浄機の本体部分を可搬式に構成したとしても、加熱ヒータや電磁ポンプに対する電源供給のための電源コードが上記本体部分に付随しているため、洗浄のための移動範囲が電源コンセントの設置場所周囲や、電源コードの長さによって制限を受けることになる。また、加熱ヒータへの通電のために大容量電源設備が整っている場所でのみ使用可能というように使用範囲の制限も受けることになる。
【0008】
そこで、加熱源として電熱式の加熱ヒータに代えてガスバーナを採用し、燃料ガスをカセット式のガスボンベから供給することが考えられるが、携帯性に加えて特に取り扱い性を考慮した構成の開発が必要になる。また、ガスバーナを採用した場合に燃焼排ガスの処理又は有効利用についても加味して開発を行う必要がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作動開始直後から強力な蒸気の噴出による洗浄を可能とし、洗浄のための移動範囲や使用場所に制限を受けないようにしつつ、取り扱い性に優れた蒸気洗浄機を提供することにある。併せて、高温蒸気だけでは洗浄し切れない汚れ等の洗浄をも可能とし得るようにすることも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、圧送手段により貯留タンク内の水の供給を受けて熱交換器において加熱することによりノズルから高温蒸気を噴出させるように構成された蒸気洗浄機を対象として、次の特定事項を備えることとした。すなわち、本体ケースに対し上記熱交換器を加熱する加熱源として燃料ガスを燃焼させるガスバーナを備えると共に、このガスバーナに対し燃料ガスの供給源としてカセット式のガスボンベを着脱交換可能に装着する構成とし、加えて、上記本体ケースに対し、片手により把持して操作可能に構成されたグリップ部を突出させて一体に形成することとした(請求項1)。
【0011】
本発明の場合、熱交換器の加熱源がガスバーナであるため、加えて、貯留タンク内の水全体ではなくて熱交換器を通過する水を対象にしてガスバーナにより加熱するようにしているため、ガスバーナの作動開始(燃焼開始)により熱交換器内の水を即座に所定の高温まで昇温させて蒸気を生成することが可能になる。このため、作動開始直後から、ノズルから蒸気を噴出させて洗浄を開始することが可能になる。また、ガスバーナの燃焼熱量は従来の電熱式の加熱ヒータによる発熱量と比して格段に高いため、ノズルに対する蒸気供給能力は上記加熱ヒータの場合と比して飛躍的に高くなる。このため、より高い吐出圧力及びより多量の蒸気をノズルに供給して噴出させることが可能になる。これにより、強力な蒸気の噴出による洗浄が可能となる。しかも、上記の如く加熱源としてガスバーナを採用したとしても、その燃料ガスの供給源としてカセット式のガスボンベが装着されるため、可搬性・携帯性を損なうここともなく、移動範囲や使用場所に制限を受けることもなく使い勝手のよさを確保し得る。さらに、ガスバーナ等が備えられる本体ケースからグリップ部を一体に突出させているため、このグリップ部を片手で把持して蒸気洗浄機を保持し操作することが可能となり、上記の如く作動開始直後から強力な蒸気の噴出による洗浄を可能としつつも、優れた取り扱い性を実現させ得ることになる。
【0012】
上記の如きガスバーナや熱交換器を本体ケースに備えつつも、優れた取り扱い性を実現させ得る構造としてさらに具体的に特定すると、上記本体ケースを、筒状部と、この筒状部から略直交方向に突出するグリップ部とにより略Tの字形に形成し、上記筒状部の基端側位置に上記ガスバーナを燃焼火炎が筒状部先端側に向けて形成されるように配設し、上記ガスバーナの燃焼火炎形成側から上記筒状部先端側にかけて熱交換器を配設し、この熱交換器の出口側に連通接続したノズルを上記筒状部先端側の位置に外部に臨んで配設するようにすればよい(請求項2)。
【0013】
さらに、より一層の優れた取り扱い性を実現させ得る構造としては、次の特定事項を備えるようにすればよい。すなわち、上記貯留タンクを上記本体ケースと分離された別体のものにより構成し、上記貯留タンク内の水が上記本体ケース内の熱交換器に供給されるよう上記貯留タンクと本体ケースとを延長ホースにより互いに接続すればよい(請求項3)。このようにすることにより、貯留タンク内の水の自重が本体ケースには作用しないため、グリップ部を把持して蒸気の吹き付けにより洗浄を行う上でその取り扱い性は、本体ケースに貯留タンクを付設する場合に比べ格段に向上することになる。この場合の貯留タンクは、その容量に応じてショルダーベルト等による携帯式にしたり、キャスター等による移動式にしたりすることができる。
【0014】
本発明においては、以下の如き種々の特定事項を付加したり、さらに具体化したりすることができ、これにより、より好ましい種々の作用が得られることになる。
【0015】
第1に、上記圧送手段として、貯留タンク内を加圧することにより貯留タンクから水を押し出す構成とすることができる(請求項4)。このようにすることにより、圧送手段として動力源を要するポンプを不要とし、蒸気洗浄機のコンパクト化が図られ、このコンパクト化により取り扱い性も向上する。上記の如き構成としては例えば圧縮空気を作用させるものや、貯留タンク内を加圧するための手動操作式プランジャポンプ等が挙げられる。このような圧送手段の構成をさらに具体化すると、上記圧送手段として、押し込み操作により貯留タンク内の密閉空間を加圧する加圧操作手段を用い、上記貯留タンクに対し、内圧が設定圧力以上になると自動的に開放して圧力を逃がす圧力安全弁を付設するようにすればよい(請求項5)。このようにすることにより、動力源を不要にして構成の簡易化及びコンパクト化が図られる一方、過剰な押し込み操作が行われたとしても圧力安全弁の付設により貯留タンク内を所定の設定圧力に維持させ得ることになる。
【0016】
第2に、上記貯留タンクと熱交換器との間に水の供給を開閉切換する水開閉弁を介装し、上記ガスボンベとガスバーナとの間に燃料ガスの供給を開閉切換するガス開閉弁を介装し、上記ガスバーナに点火器を付設するようにする一方、上記グリップ部に操作手段を付設して、この操作手段の操作により上記水開閉弁の開閉切換、上記ガス開閉弁の開閉切換、及び、上記点火器の点火作動を行う構成とすることができる(請求項6)。このようにすることにより、グリップ部を把持することにより蒸気洗浄機自体を支持しつつ、その作動開始のための操作を上記操作手段により行い得ることになり、取り扱い性をより増大させることが可能になる。この場合には、上記操作手段として、操作力を伝達する操作力伝達部材を備えたものとし、この操作力伝達部材として、作動開始の操作力を受けたときその操作力を上記水開閉弁に対し開切換作動力として伝達した後に、上記点火器に対し点火作動のための作動力として伝達する構成とすればよい(請求項7)。このようにすることにより、燃焼開始の際には熱交換器に対し貯留タンクからの水が確実に供給された状態でガスバーナを点火して燃焼を開始させることが可能になり、空焚き発生を確実に防止し得る。
【0017】
第3に、上記ノズルを熱交換器の出口側に連通接続し、上記ガスバーナからの燃焼排ガスを上記熱交換器が配設される本体ケース内の配設空間を通して上記ノズルの噴出口近傍位置に排出させる構成とすることができる(請求項8)。このようにすることにより、燃焼排ガスが外部に排出されるまでの間の全てに亘り、その燃焼排ガスの熱を熱交換器が受けて加熱されることになる。このため、燃焼排ガスの有する熱を蒸気生成のために十分に活用し得る一方、外部に排出される燃焼排ガスの温度を低下させ得ることになる。
【0018】
第4に、上記ガスバーナからの燃焼排ガスを上記ノズルからの噴出蒸気と接触させるように排ガス出口を本体ケースに形成することができる(請求項9)。このようにすることにより、噴出蒸気にあたかも酸性の助剤を混入させたと同様になり、弱酸性となった高温の蒸気によって、単なる中性の高温蒸気だけでは落ち難かった汚れ、例えば水に溶け難い塩が主成分となっている汚れに対しても、その汚れを溶解させて確実に落とすことが可能になる。すなわち、上記燃焼排ガスの温度が低下し燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮して水滴が生じる際に燃焼排ガス中の一部の二酸化炭素が水蒸気に吸収され炭酸となる。つまり、凝縮水滴は弱酸性を有することになる。そして、この弱酸性の凝縮水滴を含む燃焼排ガスがノズルからの噴出蒸気と接触して混合されながら洗浄対象に対し吹き付けられることになる。これにより、トイレ便器に付着した尿酸カルシウム等の塩が主成分となっている汚れをも確実に溶解させて落とすことが可能になる。
【0019】
上記の第3又は第4の特定事項に対しては、さらに、上記燃焼排ガスの排出方向を、ノズルからの噴出蒸気に向かう方向と、その噴出蒸気とは異なる方向とに切換可能に構成するようにしてもよい(請求項10)。このようにすることにより、水だけの高温蒸気による洗浄と、弱酸性の高温蒸気による洗浄とをユーザの選択により使い分けることが可能になる。ここで、上記の排出方向の切換としては、例えば、それぞれの排出方向に臨む2つの排ガス出口を設ける一方、本体ケースのノズル配設部分にスライド又は回転等により一方の排ガス出口のみを開口させるように相互に切換える可動部材を設けるようにすればよい。
【0020】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項10のいずれかの蒸気洗浄機によれば、ガスバーナを加熱源としガスバーナの燃焼熱で熱交換器内の水を加熱するようにしているため、ガスバーナの作動開始直後から、ノズルから蒸気を噴出させて洗浄を開始させることができるようになる。また、ガスバーナの燃焼熱量は従来の電熱式の加熱ヒータによる発熱量と比して格段に高いため、より高い吐出圧力及びより多量の蒸気をノズルに供給して噴出させることができ、強力な蒸気の噴出による洗浄を行うことができるようになる。しかも、加熱源としてガスバーナを採用したとしても、その燃料ガスの供給源としてカセット式のガスボンベが装着されるため、可搬性・携帯性を損なうこともなく、移動範囲や使用場所に制限を受けることもなく使い勝手のよさを確保することができる。さらに、ガスバーナ等が備えられる本体ケースからグリップ部を一体に突出させているため、このグリップ部を片手で把持して蒸気洗浄機を保持し操作することができ、上記の如く作動開始直後から強力な蒸気の噴出による洗浄を可能としつつも、優れた取り扱い性を実現させることができるようになる。
【0021】
特に、請求項2によれば、ガスバーナや熱交換器を本体ケースに備えつつも、優れた取り扱い性を実現させ得る構造を具体的に特定することができる。
【0022】
請求項3によれば、貯留タンクを別体にして本体ケース側の軽量化を図ることができ、これにより、蒸気の吹き付けによる洗浄操作を行う上でより一層の優れた取り扱い性を実現させることができる。加えて、大容量の貯留タンクの使用により洗浄時間又は洗浄作業量の増大化をも図ることができる。
【0023】
請求項4によれば、圧送手段としてポンプを備える必要を排して蒸気洗浄機のコンパクト化を図ることができると共に、コンパクト化により取り扱い性も向上させることができる。また、請求項5によれば、加圧操作手段による手動操作により圧送状態に対する動力源を不要にして構成の簡易化及びコンパクト化を図ることができる一方、過剰な押し込み操作が行われたとしても圧力安全弁の付設により貯留タンク内を所定の設定圧力に維持させることができるようになる。
【0024】
請求項6によれば、グリップ部を把持した状態で蒸気洗浄機自体を支持しつつ、その作動開始のための諸操作を操作手段により行うことができるようになり、取り扱い性をより増大させることができる。また、請求項7によれば、操作手段による1つの操作により、燃焼開始の際には熱交換器に対し貯留タンクからの水が確実に供給された状態でガスバーナを点火して燃焼を開始させることができ、空焚き発生を確実に防止することができるようになる。
【0025】
請求項8によれば、燃焼排ガスの有する熱を蒸気生成のために十分に活用することができる一方、外部に排出される燃焼排ガスの温度を十分に低下させることができるようになる。
【0026】
請求項9によれば、噴出蒸気を弱酸性にすることができ、従来の単なる水だけの中性の高温蒸気だけでは落ち難かった、水に溶け難い塩が主成分となっている汚れをも確実に落とすことができるようになる。
【0027】
請求項10によれば、請求項8又は請求項9において、水だけの中性の高温蒸気による洗浄と、弱酸性の高温蒸気による洗浄とをユーザの選択により使い分けることができるようになり、蒸気洗浄機としてさらに高い機能と、さらなる使い勝手の良さとを付与することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る蒸気洗浄機の基本形態を示す。同図において、2は貯留タンク、3は圧送手段としての電動ポンプ、4はガスバーナ、5はカセット式のガスボンベ、6は熱交換器、7はノズル、8は蓄電池である。上記の各構成要素は本体ケース9に付設又は内蔵されて一体の蒸気洗浄機として構成されている。
【0030】
まず、上記本体ケース9について説明すると、この本体ケース9は筒状部91と、この筒状部91に対し略直交方向に突出するグリップ部92とからTの字状又は逆Lの字状に形成されている。そして、上記筒状部91の内部空間93に熱交換器6が収容され、この熱交換器6の出口側に連通接続されたノズル7が筒状部91の先端開口部94に配設されている。この先端開口部94(図2参照)は中心位置に上記ノズル7を内蔵し、このノズル7の外周囲の隙間941から後述の燃焼排ガス(図2の点線の矢印参照)が排出されるようになっている。また、上記グリップ部92には操作手段としての各種スイッチ101,102が配設され、グリップ部92をユーザが片手で把持した状態でユーザの指により操作し得るようになっている。そして、上記グリップ部92の先端位置に対し上記ガスボンベ5が着脱交換可能に装着されるようになっている。
【0031】
上記貯留タンク2は上記筒状部91の上側に付設され、その補水口21から水道水等の水が給水されて水を貯留するようになっており、貯留された水は上記電動ポンプ3の作動により水供給経路121を通して上記熱交換器6に加圧状態で送り出されるようになっている。
【0032】
上記電動ポンプ3は例えば遠心ポンプ又は電磁ポンプ等により構成され、グリップ部92に内蔵されている。そして、上記グリップ部92の第1スイッチ101をON操作することにより、蓄電池8からの給電を受けて作動されるようになっている。そして、上記電動ポンプ3は吸い込み口から吸い込んだ貯留タンク2内の水を所定の圧力(例えば5kgf/cm2)まで昇圧させた後、吐出口から熱交換器6に圧送するようになっている。
【0033】
上記ガスバーナ4はガスボンベ5が後側から着脱交換可能に差し込まれ、このガスボンベ5からの気化状態の燃料ガスに空気を混合させて燃焼させ、その燃焼火炎を筒状部91の先端側に形成するようになっている。そして、燃焼排ガスが上記筒状部91の内部空間93を通して先端開口94のノズル7の外周囲の隙間941から噴出蒸気と共に外部に排出されるようになっている。また、上記ガスバーナ4にはガス開閉弁と、例えば圧電素子により構成された点火器とを備えた制御機構41が付設され、この制御機構41に対し上記ガスボンベ5が差し込まれて保持されるようになっている。上記制御機構41は上記グリップ部92の第2スイッチ102をON操作することにより蓄電池8からの通電を受けてガス開閉弁を開くと同時に点火器による点火動作が行われるようになっている。
【0034】
上記ガスボンベ5は内部に燃料ガスとしてLPG(例えば液化ブタン)が充填されたもので、上記制御機構41のガス開閉弁が開かれることにより気化状態になった燃料ガスがガスバーナ4に供給されるようになっている。このようなガスボンベ5としては、通常のカセットコンロ用のカセット式ガスボンベにより構成すればよい。この場合には1つのガスボンベ内の燃料ガスにより3000kcal相当の熱量が得られるため、上記のガスバーナ4として発熱量3000kcal/H(約3.5kW)のものを用いると1つのガスボンベにより約1時間の燃焼を行うことができる。
【0035】
上記熱交換器6は螺旋状に巻かれたコイル状パイプにより構成され、この熱交換器6の入口側が筒状部91の基端側に位置付けられて電動ポンプ3の吐出口側に連通され、出口側が筒状部91の先端側にかけて延び、その出口側にノズル7が連通接続されている。上記熱交換器6はそのコイルパイプの内方側に向けて上記ガスバーナ4からの燃焼火炎を受け、その燃焼排ガスが主として上記コイルパイプの内方側を通過して先端開口94に至るようにされている。そして、上記燃焼火炎からの燃焼熱及び燃焼排ガスからの熱を受けて熱交換器6内の加圧水がその飽和蒸気温度以上に加熱されて所定の蒸気圧の高温の蒸気に変わり、この蒸気がノズル7に供給されることになる。なお、この熱交換器6としてコイル状パイプの巻き密度を高めて略円筒状に構成することにより、筒状部91の内周面に施す断熱材を省略することも可能である。
【0036】
ノズル7は内部に所定のノズル径に設定された絞り部71(図2参照)を備え、供給された高温の蒸気を先端の噴出口から外部に噴出するようになっている。なお、上記ノズル7として、ノズル径の可変機構を備えたものを用いることで洗浄対象に応じて噴出蒸気の拡がりを変更調整することができる。
【0037】
上記蓄電池8はグリップ部92に対し装着されたままの状態での充電が可能である他、交換用の新たな蓄電池との交換も行い得るようになっている。
【0038】
以上の構成の蒸気洗浄機を使用するには、カセット式のガスボンベ5及び蓄電池8をそれぞれ装着し、貯留タンク2内を水で満たした状態で、まず第1スイッチ101をON操作した後に第2スイッチ102をON操作する。このような2段階操作とするのは、まず先に電動ポンプ3を作動させて貯留タンク2内の水を熱交換器6に供給し、その上でガスバーナ4の燃焼を開始させるようにすることで、熱交換器6での空焚きを防止するためである。そして、ガスバーナ4からの燃焼熱を受けて熱交換器内の水が即座に所定の飽和蒸気温度以上に加熱されて高温の蒸気に変換され、この蒸気がノズル7に供給されて外部に噴出されることになる。この際、ガスバーナ4の燃焼により発生した燃焼排ガスが熱交換器6の内方側を通過して先端開口94から上記蒸気と共に排出され、蒸気に接触して混合されることになる。上記燃焼排ガスが熱交換器6を熱交換加熱して温度低下するのに伴い生じた凝縮水滴と燃焼排ガス中の二酸化炭素とが結合して炭酸となり、この炭酸が上記噴出蒸気と混合される結果、弱酸性の蒸気が洗浄対象に対し吹き付けられることになる。この弱酸性で高温・高圧の蒸気により、水に溶け難い塩が主成分となっている汚れでも、それを溶解させて確実に洗浄することができるようになる。
【0039】
なお、噴出される蒸気の温度や圧力は、主として上記電動ポンプ3の吐出圧設定、ガスバーナ4の燃焼熱量及びノズル7のノズル径により定まることになる。
【0040】
そして、蒸気を用いた洗浄を停止するには、開始時とは逆に第2スイッチ102をOFF操作した後、第1スイッチ101をOFF操作する。これにより、まず先に制御機構41のガス開閉弁が閉じられてガスバーナ4の燃焼が停止され、次いで電動ポンプ3が停止される。
【0041】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る蒸気洗浄機を示し、この第2実施形態は第1実施形態よりも構成の簡易化を図ったものである。なお、以下では第1実施形態と同様構成の要素に対しては第1実施形態のものと同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0042】
この第2実施形態では第1実施形態での電動ポンプ3の代わりに加圧操作手段を圧送手段として採用して動力源や蓄電池8を不要としている。すなわち、グリップ部92の下端部に密閉容器により構成された貯留タンク2aを付設し、この貯留タンク2aに対し加圧操作手段11を圧送手段として設けている。この加圧操作手段11は図4にも示すようにプランジャポンプと類似の構造を備え、つまみ部111を持ってユーザが押し込み・引き抜き方向の往復操作をすることにより、上記つまみ部111に連結されたピストン112が貯留タンク2aの上部密閉空間22を加圧し得るようになっている。つまり、上記上部密閉空間22の空気を加圧圧縮し、その空気圧に基づく加圧力を貯留タンク2a内の水の自由水面に作用させるようになっている。そして、加圧力を自由水面に受けて貯留タンク2a内の水は水供給経路121に押し出されて熱交換器6に供給されることになる。また、上記貯留タンク2aには圧力安全弁13が付設され、この圧力安全弁13は上記上部密閉空間22の内圧が所定の設定圧力を超えると自動的に開いて過剰な内圧を外部に逃がして上部密閉空間22の内圧を上記設定圧力以下に維持するようになっている。なお、上記加圧操作手段11は密閉タンク2aに対し貫通するようにねじ込まれており、この加圧操作手段11のねじを弛めて引き抜くことにより、貯留タンク2aに対し水の補給を行い得るようになっている。
【0043】
また、上記水供給経路121には水開閉弁としての開閉切換弁14(図3参照)が介装されており、この開閉操作弁14は操作手段としてのレリーズボタン15の操作により開閉切換が行われるようになっている。すなわち、上記レリーズボタン15には操作力伝達部材としてのレリーズワイヤ151が接続されており、このレリーズワイヤ151の途中に上記開閉操作弁14が結合され、先端に点火器及びガス開閉弁としての点火機構付き開閉器16が結合されている。そして、上記レリーズボタン15を1段階目の所定のストローク量だけ押すと上記開閉操作弁14が例えば回転作動されて閉から開に切換えられ、さらに2段階目の所定のストローク量だけ押すと上記点火機構付き開閉器16が開作動されて点火作動されるようになっている。これにより、貯留タンク2a内の水が熱交換器6に供給された状態で、ガスボンベ5からの燃料ガスがガスバーナ4に供給されて点火されることになる。なお、上記開閉器16としては、上記レリーズワイヤ151の押圧作動力により開作動させ、同じくその押圧作動力により例えば火打ち石式の点火機構を点火作動させるように構成すればよい。
【0044】
以上の構成の蒸気洗浄機を使用するには、カセット式のガスボンベ5を装着し、貯留タンク2a内を水で満たした状態で、加圧操作手段11のつまみ部111を持って押し込み・引き抜き方向の往復操作をすることにより貯留タンク2a内を加圧する。そして、レリーズボタン15を2段階操作により押し込むと、まず開閉操作弁14が開作動されて貯留タンク2a内の水が熱交換器6に供給され、続いて点火機構付き開閉器16が開かれてガスボンベ5からの燃料ガスに点火されてガスバーナ4が燃焼を開始することになる。先に熱交換器6に対し水が供給されるため、熱交換器6での空焚きが防止される。このガスバーナ4からの燃焼熱を受けて熱交換器6内の水が即座に所定の飽和蒸気温度以上に加熱されて高温の蒸気に変換され、この蒸気がノズル7に供給されて外部に噴出されることになる。この際、ガスバーナ4の燃焼により発生した燃焼排ガスが第1実施形態と同様に熱交換器6の内方側を通過して先端開口94から蒸気と共に排出され、蒸気に接触して混合されることになる。これにより、第1実施形態において説明したように、弱酸性の蒸気が洗浄対象に対し吹き付けられることになり、この弱酸性で高温・高圧の蒸気により、水に溶け難い塩が主成分となっている汚れでも、それを溶解させて確実に洗浄することができるようになる。
【0045】
そして、蒸気を用いた洗浄を停止するには、押し込んだ状態に維持していたレリーズボタン15に対する押圧力を開放することにより復帰バネ152の弾性復元力によりレリーズボタン15を復帰させる。これにより、開始時とは逆に開閉器16が開から閉に復帰してガスバーナ4の燃焼がまず先に停止された後に、次いで開閉操作弁14が閉じられて貯留タンク2aからの水の供給が停止される。
【0046】
なお、蒸気の使用を継続すると貯留タンク2a内の加圧力が徐々に低下することになるが、使用の途中で蒸気の噴出圧が低下してきた場合や、さらに噴出圧を高めたい場合には、加圧操作手段11により増し加圧すればよい。このような加圧操作を行うことにより貯留タンク2a内の内圧が過剰に昇圧したとしても、圧力安全弁13により貯留タンク2a内は確実に設定圧力以下に維持される。
【0047】
この蒸気洗浄機の場合には、第1実施形態と同様にグリップ92を把持した状態で操作し得ることによる優れた取り扱い性の実現に加え、貯留タンク2a内の水の圧送を加圧操作手段11による加圧操作力によって実現させているため、上記の圧送のための動力装置(例えば第1実施形態の電動ポンプ)やその動力源(例えば蓄電池)を共に不要にして省略することができる。
【0048】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1及び第2実施形態では、貯留タンク2,2aを一体に付設しているが、これに限らず、例えばショルダーベルト等により携帯可能としたポリタンク等を可撓性ホースにより接続することにより別体にしてもよい。例えば、第2実施形態の貯留タンク2aを別体に構成するには、図5に示すようにポリタンク等の容器により構成した貯留タンク2bに対し加圧操作手段11aを付設し、内部の水を供給するための延長ホース122をグリップ92に内蔵した水供給管121に対し接続部123において着脱可能に接続するようにすればよい。上記加圧操作手段11aは第2実施形態のヶ朝操作手段11(図4参照)と同様に構成され、つまみ部111aによりピストン112aを押し込み・引き抜きの往復動させることにより貯留タンク2b内の内圧を高めるようになっている。上記貯留タンク2bを大容量のものにする場合には、底にキャスター等を設置して手押し又は牽引により移動可能にすればよい。
【0049】
上記第1及び第2実施形態では燃焼排ガスをノズル7から噴出される蒸気に混入させて弱酸性の蒸気を洗浄対象に吹き付け得るようにしているが、燃焼排ガスを混入しない中性の蒸気の吹き付けと、燃焼排ガスを混入させた弱酸性の蒸気の吹き付けとを選択的に切換可能に構成してもよい。例えば筒状部91を本体筒及び先端筒とで構成し、先端筒を本体筒に対しテレスコピック状に前後動可能又は回転可能に構成すればよい。図6に先端筒91bを本体筒91aに対し外嵌させて前後動可能に構成した場合を示す。中性の蒸気の吹き付けを行うには、図6(a)に示すように先端筒91bを本体筒91aに対し後動させる。この状態では、先端筒91bの内周面とノズル7aの外環部72とが密着すると同時に本体筒91aの排気孔911(排ガス出口)と、先端筒91bの排気孔912(排ガス出口)とが互いに連通し、これにより、燃焼排ガスが筒状部91の外周方向に排出されるようになる。一方、弱酸性の蒸気の吹き付けを行うには、図6(b)に示すように先端筒91bを本体筒91aに対し前動させた状態にさせる。この状態では、上記両排気孔911,912が閉止され、上記外環部72と先端筒91bとの間に環状の隙間が形成され、この隙間941から燃焼排ガスが噴出蒸気に向けて排出されて混入されることになる。
【0050】
上記第1及び第2実施形態では、熱交換器としてコイル状パイプにより構成されたものを示したが、これに限らず、直管にフィンを付設したものなど他の構成の熱交換器を採用してもよい。
【0051】
第2実施形態では操作手段としてレリーズボタン15、操作力伝達部材としてレリーズワイヤ151を示したが、これに限らず、操作手段として例えば基端を支点として揺動するレバーを用い、操作力伝達部材としてそのレバーの揺動操作により押し引きされるロッド、又は、ロッド及びリンク機構を用い、上記レバーの2段階揺動操作により水開閉弁がまず先に開作動され、次にガス開閉弁の開作動及び点火器の点火作動が行われるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】図1の筒状部の先端開口部の部分拡大説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す模式図である。
【図4】図3の貯留タンクの部分拡大説明図である。
【図5】第2実施形態の他の態様を示す図3対応図である。
【図6】他の実施形態を示す図1又は図3の筒状部の先端開口部の部分拡大説明図であり、図6(a)は中性蒸気を使用する場合、図6(b)は弱酸性蒸気を使用する場合をそれぞれ示す。
【符号の説明】
2,2a,2b 貯留タンク
3 電動ポンプ(圧送手段)
4 ガスバーナ
5 ガスボンベ
6 熱交換器
7,7a ノズル
8 蓄電池
9 本体ケース
91 筒状部
92 グリップ部
11 加圧操作手段(圧送手段)
13 圧力安全弁
14 開閉操作弁(水開閉弁)
15 レリーズボタン(操作手段)
101,102 操作スイッチ(操作手段)
122 延長ホース
151 レリーズワイヤ(操作力伝達部材)
911,912 排気孔(排ガス出口)
Claims (10)
- 圧送手段により貯留タンク内の水の供給を受けて熱交換器において加熱することによりノズルから高温蒸気を噴出させるように構成された蒸気洗浄機であって、
本体ケースに対し上記熱交換器を加熱する加熱源として燃料ガスを燃焼させるガスバーナを備えると共に、このガスバーナに対し燃料ガスの供給源としてカセット式のガスボンベが着脱交換可能に装着されるように構成され、
上記本体ケースには片手により把持して操作可能に構成されたグリップ部が突出するよう一体に形成されている
ことを特徴とする蒸気洗浄機。 - 請求項1に記載の蒸気洗浄機であって、
上記本体ケースは、筒状部と、この筒状部から略直交方向に突出するグリップ部とにより略Tの字形に形成され、
上記筒状部の基端側位置に上記ガスバーナが燃焼火炎を筒状部先端側に向けて形成するように配設され、上記ガスバーナの燃焼火炎形成側から上記筒状部先端側にかけて熱交換器が配設され、この熱交換器の出口側に連通接続されたノズルが上記筒状部先端側の位置に外部に臨んで配設されている、蒸気洗浄機。 - 請求項1又は請求項2に記載の蒸気洗浄機であって、
上記貯留タンクは上記本体ケースと分離された別体のものにより構成され、
上記貯留タンク内の水が上記本体ケース内の熱交換器に供給されるよう上記貯留タンクと本体ケースとが延長ホースにより互いに接続されている、蒸気洗浄機。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蒸気洗浄機であって、
上記圧送手段は、貯留タンク内を加圧することにより貯留タンクから水を押し出すように構成されている、蒸気洗浄機。 - 請求項4に記載の蒸気洗浄機であって、
上記圧送手段は、押し込み操作により貯留タンク内の密閉空間を加圧する加圧操作手段により構成され、
上記貯留タンクには、内圧が設定圧力以上になると自動的に開放して圧力を逃がす圧力安全弁が付設されている、蒸気洗浄機。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の蒸気洗浄機であって、
上記貯留タンクと熱交換器との間には水の供給を開閉切換する水開閉弁が介装され、上記ガスボンベとガスバーナとの間には燃料ガスの供給を開閉切換するガス開閉弁が介装され、上記ガスバーナには点火器が付設され
上記グリップ部には操作手段が付設され、この操作手段はその操作により上記水開閉弁の開閉切換、上記ガス開閉弁の開閉切換、及び、上記点火器の点火作動が行われるように構成されている、蒸気洗浄機。 - 請求項6に記載の蒸気洗浄機であって、
上記操作手段は操作力を伝達する操作力伝達部材を備え、この操作力伝達部材は作動開始の操作力を受けたときその操作力を上記水開閉弁に対し開切換作動力として伝達した後に、上記点火器に対し点火作動のための作動力として伝達するように構成されている、蒸気洗浄機。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の蒸気洗浄機であって、
上記ノズルは熱交換器の出口側に連通接続され、上記ガスバーナからの燃焼排ガスが、上記熱交換器が配設される本体ケース内の配設空間を通して上記ノズルの噴出口近傍位置に排出されるように構成されている、蒸気洗浄機。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の蒸気洗浄機であって、
上記ガスバーナからの燃焼排ガスが上記ノズルからの噴出蒸気と接触するように排ガス出口が本体ケースに形成されている、蒸気洗浄機。 - 請求項8又は請求項9に記載の蒸気洗浄機であって、
上記燃焼排ガスの排出方向が、ノズルからの噴出蒸気に向かう方向と、その噴出蒸気とは異なる方向とに切換可能に構成されている、蒸気洗浄機。
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