JP2004329308A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者の画像を撮影して、これを表示することで遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】ビッグボーナス入賞により払出メダル合計数をクリアし、入賞の発生によりメダルが払い出される度に、順次加算していく。ビッグボーナスが終了した時点において、払出メダル合計数が所定数以上となっていて、しかも上位所定順位以内であると、遊技者の画像が撮影される。遊技者の選択によっては、自分の画像を撮影させないことも可能である。このときには、撮影された遊技者の画像または所定のキャラクタ画像がRAMに保存されると共に、画像保存フラグが設定される。内部抽選の結果に基づく当選フラグの設定状況に従って液晶表示器において予告(告知)演出が行われるが、画像保存フラグが設定されていると、保存された画像が予告(告知)演出に使用される。遊技継続タイマにより遊技者が変わったと判断されると、画像保存フラグが消去される。
【選択図】 図9
【解決手段】ビッグボーナス入賞により払出メダル合計数をクリアし、入賞の発生によりメダルが払い出される度に、順次加算していく。ビッグボーナスが終了した時点において、払出メダル合計数が所定数以上となっていて、しかも上位所定順位以内であると、遊技者の画像が撮影される。遊技者の選択によっては、自分の画像を撮影させないことも可能である。このときには、撮影された遊技者の画像または所定のキャラクタ画像がRAMに保存されると共に、画像保存フラグが設定される。内部抽選の結果に基づく当選フラグの設定状況に従って液晶表示器において予告(告知)演出が行われるが、画像保存フラグが設定されていると、保存された画像が予告(告知)演出に使用される。遊技継続タイマにより遊技者が変わったと判断されると、画像保存フラグが消去される。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関し、特に遊技者を撮影する撮像装置を有するスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、一般に、外周部に複数種類の図柄が描かれた複数のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールの回転を停止したときにおける表示態様に従って入賞が発生する。そして、入賞が発生することにより、メダルの払い出しや、ビッグボーナスやレギュラーボーナスといった遊技者に有利な遊技状態に移行されるようになっている。このような入賞を多く発生させるためには、事前の内部抽選に当選しているだけではなく、さらにタイミングを図ってリールの回転停止操作をする目押しという技術が必要になる。
【0003】
また、スロットマシンにおいては、ボーナス当選フラグの設定状況を予告したり告知したりするために、様々な演出が行われている。そのような演出として、液晶表示器4に画像を表示させて行うものがある。近年ではカメラ付き携帯電話機に代表されるように、自分の画像を撮影し、その撮影した画像により楽しむ機会が増えている。スロットマシンにおいても、遊技者が自分の画像を使って演出を行うことができれば、その楽しさを増大させることができるようになる。
【0004】
ところで、パチンコ遊技機においては、遊技者を撮影するカメラを備えるものが提案されている。このカメラによって撮影した遊技者の画像を特図ゲームの演出に使用するものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、カメラによって遊技者の光彩を撮影し、不正を行った遊技者を監視できるようにするものがあった(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−168647号公報
【特許文献2】
特開2000−218013号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
もっとも、パチンコ遊技機は、皆無ではないもののスロットマシンに比べると技術介入性が低く、どの遊技者が行っても結果として獲得できる遊技球に大きな差が生じないという特徴がある。上記特許文献1のパチンコ遊技機でも、どのような遊技者であっても自分の画像を演出に使用することができたため、自分の画像が演出に登場すること以外の面白みはなく、何度も行っているうちに飽きてしまうという問題があった。また、自分の画像が演出に使用されたからといって、演出自体の面白みの他に遊技者が満足感を感じられることもなかった。
【0007】
特許文献2のパチンコ遊技機では、カメラによる遊技者の撮影で不正の防止を図っているが、撮影対象としているのは光彩であるため、かなりの高精度のカメラがなければ実現するのが不可能である。また、遊技者は、必ずしも1箇所に止まって遊技を行うとは限らず、不正を行った遊技者の光彩を確実に捉えられるとは言い難かった。その一方で、指紋と同様に個人を完全に特定可能な光彩まで撮影されてしまうことで、不正とは無関係な一般の遊技者に抵抗感を感じさせてしまうので、一般の遊技者から敬遠されてしまう恐れもあった。このため、不正防止のための費用対効果という点では、あまり大きな効果を発揮することができなかった。
【0008】
本発明は、遊技者の画像を撮影して、これを表示することで遊技の興趣を向上させるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるスロットマシンは、
1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
遊技者を撮影する撮影装置(カメラ10)と、
前記所定の入賞が発生したときに、該発生した入賞に応じた有価価値を付与する有価価値付与手段(ステップS6)と、
所定の期間において、前記有価価値付与手段が付与した有価価値の合計数を計数する有価価値計数手段(ステップS108)と、
前記有価価値計数手段が計数した有価価値の合計数が所定数以上であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる撮影制御手段(ステップS109、S116)と、
前記撮影制御手段により撮影させた遊技者の画像を表示装置(液晶表示器4)に表示させる表示制御手段(ステップS124)と
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記スロットマシンでは、所定の期間において所定数以上の有価価値を付与させることができた遊技者だけ自分の画像を撮影させて、表示装置に表示させることができるようになっている。このため、単に自分の画像が表示されることによる面白みだけでなく、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができるようになる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
上記スロットマシンは、
前記有価価値計数手段が計数した合計数の順位を集計する順位集計手段(ステップS110)をさらに備えるものとしてもよい。この場合において、
前記撮影制御手段は、前記順位集計手段の集計結果により前記合計数の順位が上位の所定順位内であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させるものとすることができる(ステップS111)。
【0012】
この場合には、所定の期間において付与された有価価値の合計数で所定順位内となった遊技者だけ自分の画像を撮影させて、表示装置に表示させることができるようになる。このため、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度をさらに向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0013】
上記スロットマシンは、前記有価価値計数手段に加えて、或いはこれに代えて、遊技者の技量を判定する技量判定手段を備えるものとすることができる。
この場合において、前記撮影制御手段は、前記技量判定手段が判定した遊技者の技量が所定レベル以上であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させるものとすることができる。
【0014】
この場合には、技量が所定レベル以上であると判定された遊技者だけ自分の画像を撮影させて、表示装置に表示させることができるようになっている。このため、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができるようになる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
上記スロットマシンは、また、
遊技者からの指示により、前記撮影装置に撮影を行わせるか否かを選択する撮影選択手段(撮影キャンセルボタン17)をさらに備えるものとすることができる。この場合において、
前記撮影制御手段は、前記撮影選択手段により撮影を行わせる旨が選択されたときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させるものとすることができる(ステップS114〜S116)。
【0016】
この場合には、遊技者の意思によって撮影を行わせることを選択した場合にのみ、画像を撮影して表示させることができる。このため、自分の画像が撮影されて表示されることを好まない遊技者にも抵抗感を感じさせず、安心して遊技を行えるようにすることができる。なお、撮影を行わせることの選択は、遊技者が積極的な撮影選択手段の操作により行われる積極的な選択だけでなく、撮影選択手段を操作しないことで自動的に行われるという消極的な選択をも含むものである。
【0017】
ここで、前記表示制御手段は、前記撮影選択手段により撮影を行わせない旨が選択されたときに、遊技者の画像の代わりに所定のキャラクタ画像を前記表示装置に表示させるものとしてもよい(ステップS114、S117)。
【0018】
この場合、遊技者の画像を撮影しなくても所定のキャラクタを表示させることで、画像の表示態様としての面白みを確保できるようになる。なお、前記撮影装置による撮影を行い得る場合であって、前記撮影選択手段により撮影を行わせない旨が選択された場合に表示される所定のキャラクタ画像としては、前記撮影装置による撮影を行い得ない場合には表示し得ないものであってもよい。
【0019】
上記スロットマシンは、
前記撮影装置に遊技者を撮影させる時期及び位置の少なくとも一方を報知する報知手段(ステップS113、図6)をさらに備えるものとすることができる。
【0020】
これにより、報知された撮影の時期および/または位置に従って、遊技者は、自分の画像を確実に撮影させることができる。
【0021】
上記スロットマシンは、
同一の遊技者による遊技が継続して行われているか否かを判定する遊技者判定手段(ステップS102、S128)をさらに備えるものとしてもよい。この場合において、
前記表示制御手段は、前記遊技者判定手段により同一の遊技者による遊技が継続して行われていると判定し、且つ前記撮影制御手段により当該遊技者が既に撮影されているときに、該撮影された遊技者の画像を含む演出用画像を前記表示装置に表示させることができる(ステップS122、S124)。
【0022】
この場合、同一の遊技者による遊技が継続し、且つ当該遊技者が撮影されているときには、その遊技者自身の画像を使用して演出を行うことで、演出の興趣を向上させることができる。また、同一の遊技者による遊技が継続して行われていないときには、前の遊技者の画像が演出に用いられることがないので、他人の画像を使用した演出で遊技者に煩わしさを感じさせることがない。
【0023】
上記スロットマシンは、
前記スロットマシンに対して不正な操作がされたことを検出する不正検出手段(ステップS51)をさらに備えるものとしてもよい。この場合、
前記撮影制御手段は、前記不正検出手段により不正な操作が検出されたときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる不正撮影制御手段(ステップS125)を含むものとすることができる。
【0024】
この場合には、前記不正撮影制御手段により遊技者が撮影されたときに、該撮影された遊技者の画像は、前記スロットマシンに接続された上位装置に出力するものとしてもよい(ステップS126)。或いは、前記スロットマシンの内部の記憶装置に保存しておくこともできる(ステップS125)。
【0025】
ここで、不正検出手段により不正が検出されたときには、スロットマシンをエラー状態とするものとすることができる。もっとも、この場合には、不正撮影制御手段により遊技者の撮影が行われるまで、スロットマシンをエラー状態とするのを待機する撮影待機手段(ステップS52、S54)を備えるものとすることができる。
【0026】
このように不正な操作を行った遊技者の画像を撮影することで、不正抑止の効果が得られる。また、撮影装置としては、所定の期間において所定数以上の有価価値が付与された(或いは、さらに所定順位内になるなどした)遊技者を撮影するためのものと兼用しているので、不正防止を図るために必要な構成を付加するのにあまりコストを増大させない。
【0027】
上記スロットマシンは、
前記有価価値付与手段を含むと共に、遊技の進行を制御し、遊技の進行状況に応じた制御情報を送信する遊技制御手段(遊技制御基板101)と、
前記有価価値計数手段、前記撮影制御手段及び前記表示制御手段とを含むと共に、前記遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御基板102)とを備えるものとしてもよい。この場合において、
前記遊技制御手段は、前記有価価値付与手段が有価価値を付与するときに、該有価価値の付与数を示す付与数制御情報を送信することができ(ステップS6)、
前記有価価値計数手段は、前記付与数制御情報に基づいて、有価価値の合計数を計数することができる(ステップS108)。
【0028】
この場合には、遊技者の画像の撮影及び表示の制御を演出制御手段にて行っており、遊技制御手段としては、付与数制御情報の送信を行うだけでよい。このため、遊技者の画像の撮影及び表示の制御のために遊技制御手段の処理負荷を増大させることがない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。図2は、図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。図3は、図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19(図1)にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。
【0031】
図1〜図3を参照して説明すると、このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MRの駆動によって回転/停止させられる。
【0032】
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「色なし7」、「色つき7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRと、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
【0033】
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51によって構成され、後述するビッグボーナスやレギュラーボーナス時にゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。
【0034】
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0035】
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、賭け数に応じて有効化されたライン(以下、有効ラインという)に対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
【0036】
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
【0037】
可変表示装置2の上側には、遊技者を撮影するカメラ10が設けられている。カメラ10のさらに上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。演出用の画像は、例えば、一連の動画像によって構成されるもので、その演出の過程や最終画面によって、後述する内部抽選へ当選したこと、またはその可能性があることが告知(内部抽選の当選確率が100%であることを報知するもの)または予告(内部抽選に当選している可能性があることを報知するもの)される。カメラ10により遊技者が撮影されている場合には、当該遊技者の画像も演出に使用される。カメラ10による遊技者の撮影、及び遊技者の画像を使用した演出については、さらに後述する。
【0038】
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16と、撮影キャンセルボタン17とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図4参照)が内部に配されている。
【0039】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
【0040】
精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。撮影キャンセルボタン17は、カメラ10による遊技者の撮影をキャンセルすることを指示するためのボタンであり、撮影キャンセルスイッチ43(図4参照)によって操作が検出されると、後述する払出メダルの合計数及びそのランキングによりカメラ10による遊技者の撮影が可能な場合であっても、その撮影キャンセルされることとなる。
【0041】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。
【0042】
スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。
【0043】
停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図4参照)が点灯状態となることで、後述するビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが100%の確率で設定されていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
【0044】
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。ホッパー80は、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されている。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク95の内部には、貯留するメダルが満タンになったことを検知する満タンセンサ90が設けられている。
【0045】
メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図4参照)が発した光が照射される。スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びビッグボーナス、レギュラーボーナス突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
【0046】
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75Mの発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
【0047】
また、スロットマシン1の内部には、後述する内部抽選への当選確率を設定する設定スイッチ91、設定スイッチ91を開錠操作により操作可能とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112(図5参照))をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94を備える電源ユニット9が設けられている。設定スイッチ91の操作は、設定キースイッチ92の開錠操作が必要となっていることから、遊技店の店員などの特定の権限を持っている者しか行うことができない。また、第2リセットスイッチ93と同様の機能を有する第1リセットスイッチ48が、前面扉背面側の施錠装置19に対応する位置に設けられている。
【0048】
上記の各部を制御する制御基板として、内部下側に配された電源基板100、内部上側にそれぞれ配された遊技制御基板101、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105、106、並びに前面扉裏側に配された演出制御基板102が設けられている。図4は、各制御基板100〜106を含む、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図5は、遊技制御基板101及び演出制御基板102に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【0049】
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。なお、図4では、遊技制御基板101及びホッパー80にのみ接続されているが、他の各部への電力の供給も行っている。また、電源基板100には、設定スイッチ91、設定キースイッチ92、第2リセットスイッチ93、メインスイッチ94が接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。
【0050】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、バッファ回路117、スイッチ回路118、モータ回路119その他の回路を搭載している。
【0051】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0052】
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する。CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する。
【0053】
CPU111は、I/Oポート114及びバッファ回路117を介して演出制御基板102に、後述する当選状況通知コマンドを含む各種のコマンド(制御情報)を送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報が送られることはない。
【0054】
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
【0055】
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
【0056】
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、ROM113内の遊技状態に対応したリール制御テーブルを参照して、モータ回路119及びリール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。
【0057】
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を乱数として取得する。また、タイマ割り込み処理により更新される値を乱数として取得する機能も有している。
【0058】
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンド(特に当選状況通知コマンド)に基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0059】
演出制御基板102には、カメラ10、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されており、これらを駆動するため、スピーカ駆動回路131、表示駆動回路132、ランプ駆動回路133、カメラ駆動回路134等を備えている。演出制御基板102には、また、撮影キャンセルスイッチ43が接続されており、その検出信号が入力される。演出制御基板102には、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、撮影キャンセルスイッチ43の検出信号を入力し、その他の各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
【0060】
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。演出制御基板102は、外部出力基板106に接続されている。
【0061】
外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。外部出力基板106も、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、演出制御基板102における制御に従いカメラ10により撮影された遊技者の画像信号を当該外部装置に出力する。
【0062】
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生した場合には、その役の種類に応じて、遊技状態が移行され、また、メダルが払い出される。入賞が発生するためには、当該役の内部当選フラグが設定されている必要があるが、その詳細については後述する。
【0063】
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「BAR」が3つ揃った場合、レギュラーボーナス入賞となり、所定の終了条件が成立するまで遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「色つき7」が3つ、または「色なし7」が3つ揃った場合には、ビッグボーナス入賞となり、所定の終了条件が成立するまで遊技状態がビッグボーナスに移行する。なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナスに移行した状態をそれぞれ第1、第2の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にレギュラーボーナス中フラグ、ビッグボーナス中フラグが設定される。
【0064】
また、有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が揃った場合、或いは左のリール3Lについて「チェリー」が現れた場合には、小役入賞となる。通常の遊技状態において、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。リプレイは、厳密な意味での小役ではないが、遊技状態の移行を伴わない点で共通しているので、単に「小役」といった場合は、リプレイ入賞も含むものとする。また、単に「ボーナス」といった場合は、ビッグボーナスとレギュラーボーナスの両方を含むものとする。
【0065】
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを事前に決定するものであり、乱数発生回路115からサンプリング回路116により取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91による設定、遊技者が設定した賭け数、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照し、CPU111が行うことで、このような事前決定のための手段が構成される。内部抽選に当選した場合は、当選した役に対応した当選フラグが遊技制御基板101のRAM112に設定される。
【0066】
上記の内部抽選の結果によって、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、小役当選フラグ(小役の種類に応じて複数あり)が遊技制御基板101内のRAM112に設定される。当選フラグは、1ゲームにおいて1つしか新たに設定されることはない。小役当選フラグは、次ゲーム移行に持ち越されることはないが、ビッグボーナス当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグに限っては、実際に入賞するまで次ゲーム以降に持ち越される。
【0067】
上記した内部抽選の結果に基づいてRAM112に設定された各種当選フラグに関する情報に基づいて、CPU111によって当選状況通知コマンドが生成され、各回のゲーム毎に遊技制御基板101から演出制御基板102へと送られる。なお、内部抽選の結果を外部に完全に出さないようにするため、ボーナス告知に影響を及ぼさない範囲で、極めて低い確率で当選状況通知コマンドの内容を変換して、演出制御基板102へと送信するものとしてもよい。
【0068】
次に、カメラ10による遊技者の画像の撮影、及び撮影した遊技者の画像の表示について説明する。
【0069】
カメラ10における遊技者の画像の撮影は、ビッグボーナス中の各ゲームにおいて払い出されたメダル数の合計(以下、払出メダル合計数)が所定数に達したことを条件として行われる。もっとも、払出メダル合計数が所定数に達していれば必ず撮影が行われるものでなく、そのランキングにおいて上位所定順位以内となっていることも条件となる。
【0070】
演出制御基板102のRAM122には、ビッグボーナス中の払出メダル合計数をカウントするためのカウンタが設けられている。このカウンタは、各ゲームにおける入賞状況を示す入賞情報コマンドがビッグボーナス入賞を示しているときにクリアされ、ゲーム毎にメダルの払い出しを伴う役に入賞していることを示しているときに、当該払い出されるメダル数だけ加算されていく。また、RAM122には、撮影した遊技者の画像の保存領域と、ランキング情報の保存領域とも設けられている。
【0071】
払出メダル合計数及びそのランキングに応じて遊技者の撮影が可能となった場合は、そこから所定時間経過したときに、カメラ10により遊技者の画像が静止画で撮影される。所定時間を経過するまでの撮影残り時間があるときは、カメラ10により動画が撮影されて液晶表示器4に表示され、また、撮影残り時間も液晶表示器4に表示される。図6は、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って遊技者を撮影可能なときにおいて、液晶表示器4に表示される動画及び撮影残り時間の表示態様を示す図である。
【0072】
図示するように、液晶表示器4には、撮影残り時間を示すメッセージ201が表示され、撮影残り時間の減少に従って表示もカウントダウンされていく。また、液晶表示器4には、カメラ10により撮影されている動画も表示されるが、これと共に撮影位置枠202も表示される。この撮影位置枠202に従って、遊技者は、カメラ10のアングルを認識することができ、撮影残り時間が0となるまでの間に、撮影位置枠202に収まるように体を移動させることができる。
【0073】
もっとも、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って遊技者を撮影可能な場合であっても、撮影残り時間が0となるまでの間において遊技者が撮影キャンセルボタン17を操作することにより、カメラ10による画像の撮影を行わせないようにすることもできる。撮影残り時間が0となる前に遊技者により撮影キャンセルボタン17が操作された場合には、遊技者の画像の代わりに、ランキングに応じたキャラクタ画像がRAM112の遊技者の画像の保存領域に保存されることとなる。
【0074】
ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って撮影された遊技者の画像(或いはこれに代わるランキングに応じたキャラクタ画像)は、液晶表示器4上で行われる予告(告知)演出において使用することができる。図7は、液晶表示器4上で行われる予告(告知)演出の態様を示す図である。ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って撮影された遊技者の画像(及びこれに代わるランキングに応じたキャラクタ画像)がRAM122に保存されていない場合には、図7(a)に示すように、デフォルトのキャラクタ211により予告(告知)演出が行われる。
【0075】
一方、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って撮影された遊技者の画像がRAM122に保存されている場合には、図7(b)に示すように、キャラクタ211の顔の部分が撮影された遊技者の顔212に差し替えられて、予告(告知)演出が行われる。なお、遊技者の画像に代えてランキングに応じたキャラクタ画像がRAM122に保存されている場合には、キャラクタ211の顔の部分がランキングに応じたキャラクタの顔に差し替えられて、予告(告知)演出が行われる。
【0076】
カメラ10による遊技者の画像の撮影は、スロットマシン1において不正な操作が検出されたときにも行われる。不正な操作が検出されると、スロットマシン1は、エラー状態となるが、このエラー状態となる前に遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される不正検出コマンドに基づいて、演出制御基板102のCPU121がカメラ10に遊技者の画像を撮影させるものである。この場合には、払出メダル合計数に従って撮影が行われる場合と異なり、不正検出コマンドに従って、遊技者に対して何の前触れもなく、撮影が行われる。
【0077】
不正検出コマンドに従ってカメラ10により撮影された画像は、演出制御基板102のRAM122の所定の領域に保存される。また、画像信号として外部出力基板106を介してホールの管理コンピュータに出力される。ホールの管理コンピュータでは、スロットマシン1から送信されてきた画像信号に従って、不正操作を行った遊技者の画像を表示装置に表示させるようになっている。
【0078】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、賭け数を設定してから、リール3L、3C、3Rを回転/停止するまでの一連の過程を含むものとする。さらに、リール3L、3C、3Rの回転停止に伴って、その後に何らかの処理(例えば、メダルの払い出しや遊技状態の移行)が行われる場合には、これも1ゲーム内の処理として含まれるものとする。
【0079】
図8(a)は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
【0080】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。但し、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。
【0081】
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、ハードウェア乱数機能により内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて内部抽選結果が決まるものとなり、その結果に基づいてRAM112に当選フラグが設定される。また、その当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0082】
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が可変表示される。もっとも、前回のゲームにおけるリール3L、3C、3Rの回転開始から所定時間を経過していない場合にはその所定時間を経過してから、リール3L、3C、3Rの回転が開始される。
【0083】
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。また、リール停止タイマが計時する時間が所定時間(例えば、30秒)を経過すると、リール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。
【0084】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が揃ったかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理(ボーナス中フラグの設定や払い出し予定数の設定を含む)が行われる。また、入賞した役の種類を含む入賞情報コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0085】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の設定も行われ、小役当選フラグの消去や、ボーナス時などにおけるゲーム数のカウントなども行われる。ボーナス終了となったときには、ボーナス当選フラグを消去すると共に、ビッグボーナス、レギュラーボーナスのそれぞれについてボーナス終了コマンドが演出制御基板102に送信される。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0086】
遊技制御基板101においては、図8(a)の処理を行っている間に所定時間(例えば、2ミリ秒)毎にCPU111にタイマ割り込みが生じ、このタイマ割り込み処理において不正操作が行われたかどうかをチェックしている。図8(b)は、このタイマ割り込みによって実行される不正検出処理を示すフローチャートである。
【0087】
不正検出処理では、まず、遊技者による不正操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS51)。ここで、不正操作があったと検出される場合としては、例えば、投入メダルセンサ47や払出センサ81によりメダルの逆流を検出したり、メダル払い出し口71に設置されたセンサ(図示せず)が外側から異物が挿入されたことを検出したときなどがある。不正操作が検出されていなければ、そのまま不正検出処理を終了する。
【0088】
不正操作が検出された場合には、演出制御基板102によりカメラ10による画像の撮影を行う時間を確保するための撮影タイマの計時を開始し(ステップS52)、不正操作が検出されたことを示す不正検出コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS53)。その後、撮影タイマが所定時間を計時するのを待機して、カメラ10による画像の撮影時間を確保する(ステップS54)。撮影タイマが所定時間を計時すると、不正操作が検出されたことを示すエラー状態となって終了する。
【0089】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、カメラ10による遊技者の撮影、撮影した遊技者の画像の表示を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102のCPU121が各種の演出(特にカメラ10による遊技者の撮影及び撮影した遊技者の画像の表示)を行うために実行する処理について説明する。
【0090】
図9は、演出制御基板102のCPU121が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS101)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信したときは、スロットマシン1における遊技が行われているものと判断できるので、遊技継続タイマをクリアする(ステップS102)。さらに、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS103)。
【0091】
受信したコマンドの種類がステップS6の入賞判定処理で送信された入賞情報コマンドであった場合には、その入賞情報コマンドがビッグボーナス入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS104)。ビッグボーナス入賞を示していなければ、そのままステップS107の処理に進む。ビッグボーナス入賞を示していれば、RAM122にビッグボーナス中フラグを設定し(ステップS105)、また、RAM122の払出メダル合計数カウンタの値を0にクリアする(ステップS106)。そして、ステップS107の処理に進む。
【0092】
ステップS107では、受信した入賞情報コマンドがリプレイ以外のメダルの払い出しを伴う役への入賞を示しているかどうかを判定する。メダルの払い出しを伴う役への入賞を示していなければ、そのままステップS101の処理に戻る。メダルの払い出しを伴う役への入賞を示していれば、その役に応じて払い出されるメダルの数だけ、RAM122の払出メダル合計数カウンタの値を加算する(ステップS108)。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0093】
受信したコマンドの種類がステップS7の払出処理で送信されたビッグボーナス終了コマンドであった場合には、RAM122の払出メダル合計数カウンタの値が所定数以上であるかどうか、すなわち今回終了したビッグボーナスにおいて払い出されたメダル数の合計が所定数以上であったかどうかを判定する(ステップS109)。払出メダル合計数カウンタの値が所定数以上でなければ、そのままステップS101の処理に戻る。
【0094】
払出メダル合計数カウンタの値が所定数以上であれば、その値のランキングを集計する(ステップS110)。そして、集計したランキングにより、今回のビッグボーナスにおいて払い出されたメダル数の合計が上位所定順位以内であるかどうかを判定する(ステップS111)。上位所定順位以内でなければ、そのままステップS101の処理に戻る。
【0095】
上位所定順位以内であれば、撮影残り時間の計時を開始する(ステップS112)。カメラ10に動画を撮影させ、撮影している動画を液晶表示器4に表示すると共に、ステップS112で計時開始した撮影残り時間を動画に重ねて表示する(ステップS113)。ここで撮影され、液晶表示器4に表示されている動画により、遊技者は、カメラ10のアングルを認識することができ、撮影残り時間が0となるまでに、静止画の撮影位置に体を動かすことができる。
【0096】
さらに、撮影キャンセルスイッチ43の検出信号が入力されたかどうかにより、遊技者により撮影キャンセルボタン17が操作されたかどうかを判断する(ステップS114)。撮影キャンセルボタン17が操作されていなければ、撮影残り時間が0となったかどうかを判断する(ステップS115)。ここで、撮影残り時間が0となっていなければ、ステップS113の処理に戻り、動画と撮影残り時間の表示を続ける。
【0097】
撮影キャンセルボタン17が操作されることなく、撮影残り時間が0となった場合には、カメラ10に遊技者の静止画を撮影させ、撮影した遊技者の画像をRAM122に保存する(ステップS116)。そして、ステップS118の処理に進む。一方、撮影残り時間が0となる前に、撮影キャンセルボタン17が操作された場合には、遊技者の画像の保存領域にランキングに応じた所定のキャラクタ画像(デフォルトの演出では使用されない)を保存する(ステップS117)。そして、ステップS118の処理に進む。
【0098】
ステップS118では、現在遊技を行っている遊技者の画像(または、ランキングに応じたキャラクタ画像)が保存されたことを示す画像保存フラグをRAM122に設定する。さらに、RAM122に設定されたビッグボーナス中フラグを消去して(ステップS119)、ステップS101の処理に戻る。なお、図示しなかったが、入賞情報コマンドによりレギュラーボーナス入賞していたときにはレギュラーボーナス中フラグが設定され、レギュラーボーナス終了コマンドを受信することにより、これが消去される。
【0099】
受信したコマンドの種類がステップS3の抽選処理で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、予告(告知)演出決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値、当選状況通知コマンドが示す当選フラグの設定状況、及び現在の遊技状態(ビッグボーナス中、レギュラーボーナス中または非ボーナス中)に基づいて、予告(告知)演出を行うかどうかを決定する予告(告知)抽選を行う(ステップS120)。
【0100】
次に、この予告(告知)抽選の結果により、予告(告知)演出を行うものと決定されたかどうかを判定する(ステップS121)。予告(告知)演出を行わない場合には、そのままステップS101の処理に戻る。予告(告知)演出を行う場合には、RAM122に画像保存フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS122)。
【0101】
画像保存フラグが設定されていなければ、予告(告知)抽選により決定した種類の予告(告知)演出をデフォルトのキャラクタ画像による通常の態様で行って、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS123)。そして、ステップS101の処理に戻る。画像保存フラグが設定されていれば、デフォルトのキャラクタの画像を、ステップS116またはS117でRAM122に保存された最新の画像に差し替えて、予告(告知)抽選により決定した種類の予告(告知)演出を行い、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS124)。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0102】
受信したコマンドの種類がステップS53で送信された不正検出コマンドであった場合には、カメラ10に遊技者の静止画を撮影させ、撮影した遊技者の画像をRAM122に保存する。ここでの遊技者の静止画の撮影は、ステップS54で撮影タイマが所定時間を計時するまでに行われるようになっている(ステップS125)。また、撮影した遊技者の画像を外部制御基板106から画像信号としてホールの管理コンピュータなどの外部装置に出力する(ステップS126)。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0103】
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS127)。その後、ステップS101の処理に戻る。
【0104】
また、ステップS101において遊技制御基板101からのコマンドを受信していなかった場合には、遊技継続タイマの計時する時間が予め定められた所定時間以上となったかどうかを判定する(ステップS128)。所定時間以上となっていなければ、そのままステップS101の処理に戻る。所定時間以上となっていれば、RAM122に画像保存フラグが設定されているときにはこれを消去して(ステップS129)、ステップS101の処理に戻る。ここで画像保存フラグが消去されることにより、新たな遊技者に変わって、しかもその遊技者の画像が保存されていないものと判断されることとなる。
【0105】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、カメラ10によって遊技者を撮影し、その画像を液晶表示器4に表示させるものとしているが、これを行い得るのは、ビッグボーナス中における付与メダル合計数が所定数以上とすることができた場合だけである。付与メダル合計数の大小は、遊技者の技量に応じても変化するものであるので、自分の画像を撮影させて表示させることができた遊技者にとっては、単に自分の画像が表示されたという面白みだけでなく、そのことに対して大きな満足感が得られることとなる。
【0106】
また、ビッグボーナス中の付与メダル合計数が所定数以上に達しても、そのランキングで上位所定順位以内にならなければ、遊技者の画像が撮影されて表示されることはない。このため、自分の画像を撮影させて表示させることができた遊技者にとって、上位者にランキングされたことが分かり、さらに大きな満足感が得られることとなる。
【0107】
ここで、撮影された遊技者の画像は、その後の予告(告知)演出において、デフォルトのキャラクタ211の顔に差し替えられて使用されるので、遊技者自身の画像で行われる演出により予告(告知)演出の面白みが増し、演出の興趣を向上させることができる。もっとも、所定時間演出制御基板102が遊技制御基板101からのコマンドを受信せず、遊技者が変わったと判断される場合には画像保存フラグが消去されて、保存された画像があっても予告(告知)演出に使用されることがないので、他人の画像による演出で遊技者に不快感や煩わしさを感じさせることがない。
【0108】
ビッグボーナス中の付与メダル合計数に従って遊技者の画像を撮影する場合には、突然撮影が行われるのではなく、所定時間を経過した後に撮影が行われる。その撮影残り時間は、液晶表示器4に表示されることにより、遊技者が撮影のタイミングを分かるようになる。また、この期間には、カメラ10で動画を撮影して液晶表示器4に表示させることでカメラ10のアングルが遊技者に報知される。これにより、撮影残り時間が0となるまでに遊技者が体を移動させて、確実に自分の画像を撮影させられるようにすることができる。
【0109】
もっとも、ビッグボーナス中の付与メダル合計数が所定数以上に達して、ランキングの上位になったとしても、撮影キャンセルボタン17を操作すれば、自分の画像が撮影されなくて済む。このため、自分の画像が撮影されて表示されることを好まない遊技者に対しては、その意思を尊重することができ、このスロットマシン1で遊技を行うことに抵抗感を感じさせることがない。一方、撮影可能な場合がキャンセルされたときには、遊技者自身の画像の代わりにランキングに応じた所定のキャラクタ画像がRAM122に保存され、デフォルトの演出では使用されないキャラクタで予告(告知)演出が行われるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0110】
また、不正操作が検出された場合にも、カメラ10によって遊技者の画像が撮影され、その画像が保存されると共にホールの管理コンピュータに送られるものとなっている。これによって遊技者に不正を行わせることを思いとどまらせるものとすることができ、不正抑止の効果が図られる。また、不正操作の検出の際の遊技者の撮影は、ビッグボーナス中の付与メダル合計数に従って撮影を行う場合と違って前触れなく行われるので、不正を行った遊技者に撮影を逃れる時間を与えさせない。
【0111】
また、不正操作の検出により不正検出コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信してから、撮影タイマが所定時間を計時するまではスロットマシン1をエラー状態としないため、演出制御基板102側の制御で遊技者を撮影するための時間を十分に確保することができる。なお、不正検出の際に遊技者を撮影するカメラ10も、ビッグボーナス中の付与メダル合計数に従って遊技者を撮影するカメラ10と同じもので兼用しているため、不正防止を図るために必要な構成を付加するのに、あまりコストを増大させることがない。
【0112】
なお、カメラ10により遊技者を撮影し、液晶表示器4に表示させるための制御は、演出制御基板102で行うものとしている。このために遊技制御基板101側の処理として行うのは、他の処理用途にも使用される各種コマンドの送信だけである。このため、遊技者の撮影及び表示のために、遊技制御基板101側にかかる処理負荷を増大させることがない。
【0113】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0114】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影し、この画像を予告(告知)演出に使用するものとしていた。これに対して、例えば、遊技継続タイマが所定時間を計時してから次に所定時間を計時するまでの期間や、遊技継続タイマが所定時間を計時した後の最初のコマンド受信からの所定の時間を計時するまでの期間などにおける払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。
【0115】
また、当選した小役の種類や停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を告知するAT(Assist Time)、所定の場合にリール3L、3C、3Rの停止を無制御とするCT(Challenge Time)、リプレイ当選の確率を高くするRT(Replay Time)、AR(AT+RT)などの特定遊技状態を有するスロットマシンでは、これらの特定遊技状態における払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。ビッグボーナスに続けて特定遊技状態に移行する場合には、ビッグボーナスの開始から特定遊技状態の終了までにおける払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。
【0116】
さらに、上記のような各期間において、入賞により払い出されたメダル数を単純にカウントするのではなく、払い出されたメダル数から遊技者が設定した賭け数を減算した純増枚数をカウントし、この純増枚数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。単純にカウントした払出メダル合計数と賭け数を減算した純増枚数との双方に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。
【0117】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数が所定数以上で、上位所定順位以内である場合に、遊技者の画像を撮影することができるようになっていた。これに対して、遊技者の技量を判定して、判定した技量が所定レベル以上である場合において、遊技者の画像を撮影するようにしてもよい。払出メダル合計数との組み合わせに従って、遊技者の画像を撮影するようにしてもよい。ここで、遊技者の技量の判定には、例えば、スタートレバー11及び停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミング、内部当選している小役を入賞させられなかった取りこぼし率、入賞が発生したときのリール3L、3C、3Rのすべりコマ数などを適用することができる。
【0118】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数が所定数以上で、上位所定順位以内である場合には、遊技者により撮影のキャンセルが指示されない限り、カメラ10により遊技者の画像が撮影されるものとしていた。これに対して、遊技者が積極的に指示を行って初めて、カメラ10により遊技者の画像が撮影されるものとしてもよい。遊技者の積極的または消極的な指示により撮影をキャンセルしなかった場合には、何らの画像も保存することなく、画像保存フラグも設定しないものとしてもよい。撮影キャンセルボタン17が操作された後であっても、撮影残り時間が0となるまでに遊技者が再び撮影キャンセルボタン17を操作した場合には、カメラ10により遊技者の画像が撮影されるものとしてもよい。
【0119】
上記の実施の形態では、遊技制御基板101から何らかのコマンドを受信する度にクリアされる遊技継続タイマの計時する時間が所定時間以上となったときに、遊技者が変わったものと判断して、画像保存フラグを消去していた。しかしながら、遊技者が変わったものと判断するのは、これに限られるものではない。例えば、所定時間以上スロットマシン1に対して何らの操作もされないことで、遊技制御基板101から送られてくるデモコマンドを受信したときに、遊技者が変わったものと判断して、画像保存フラグを消去してもよい。また、新たな遊技者自身が所定の操作ボタンを操作して遊技者が変わったことを指示し、これにより画像保存フラグを消去するものとしてもよい。
【0120】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数が所定数以上であって、上位所定順位以内であるときに撮影した遊技者の画像は、液晶表示器4において予告(告知)演出を行う際に使用されるものとしていた。しかしながら、撮影した遊技者の画像の使用方法はこれに限るものではなく、例えば、ビッグボーナス中の払出メダル合計数の上位者を液晶表示器4においてランキング表示するときに、使用するものとしてもよい。この場合には、多くのメダルを獲得した遊技者は、自分の画像によりランキング表示されるため、ランキング表示が行われることで満足感を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0121】
上記の実施の形態では、スロットマシン1に対して不正操作が検出された場合には、不正検出コマンドに基づいて、スロットマシン1がエラー状態とされる前に、遊技者の画像が1回だけ撮影されるものとなっていた。これに対して、エラー状態となるまでの間に複数回撮影を行ったり、複数のカメラを用意しておき、全てのカメラで同時に1回以上撮影を行ったりして、不正操作を行った遊技者がカメラのアングルから逃れられないようにするものとしてもよい。
【0122】
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
【0123】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、所定の期間において所定数以上の有価価値を付与させることができた遊技者だけ自分の画像を表示させることができる。このため、単に自分の画像が表示されることによる面白みだけでなく、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0124】
請求項2の発明によれば、所定の期間において付与された有価価値の合計数で所定順位内となった遊技者だけ自分の画像を表示させることができるので、さらに自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0125】
請求項3の発明によれば、遊技者の意思によって画像を撮影して表示させることができるので、自分の画像が撮影されて表示されることを好まない遊技者にも抵抗感を感じさせない。
【0126】
請求項4の発明によれば、遊技者の画像を撮影しなくても所定のキャラクタの表示を表示させることで、画像の表示態様としての面白みを確保できるようになる。
【0127】
請求項5の発明によれば、報知された撮影の時期および/または位置に従って、遊技者は、自分の画像を確実に撮影させることができる。
【0128】
請求項6の発明によれば、遊技者自身の画像を使用して演出を行うことで、演出の興趣を向上させることができる。また、他人の画像を使用して演出が行われることがなく、演出の内容に煩わしさを感じさせることがない。
【0129】
請求項7の発明によれば、不正な操作を行った遊技者の画像を撮影することで、不正抑止の効果が得られる。また、他の用途にも使用する撮影装置を兼用しているので、不正防止を図るためのコストを増大させない。
【0130】
請求項8の発明によれば、遊技者の画像の撮影及び表示の制御を演出制御手段にて行うため、遊技制御手段の処理負荷を増大させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。
【図3】図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。
【図4】図1のスロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図5】遊技制御基板及び演出制御基板に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【図6】遊技者を撮影可能なときにおける動画及び撮影残り時間の表示態様を示す図である。
【図7】予告(告知)演出の態様を示す図である。
【図8】遊技制御基板内の制御部が、1ゲーム毎に実行する処理と、不正検出処理を示すフローチャートである。
【図9】演出制御基板の制御部が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン
2 可変表示装置
4 液晶表示器
10 カメラ
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンに関し、特に遊技者を撮影する撮像装置を有するスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、一般に、外周部に複数種類の図柄が描かれた複数のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールの回転を停止したときにおける表示態様に従って入賞が発生する。そして、入賞が発生することにより、メダルの払い出しや、ビッグボーナスやレギュラーボーナスといった遊技者に有利な遊技状態に移行されるようになっている。このような入賞を多く発生させるためには、事前の内部抽選に当選しているだけではなく、さらにタイミングを図ってリールの回転停止操作をする目押しという技術が必要になる。
【0003】
また、スロットマシンにおいては、ボーナス当選フラグの設定状況を予告したり告知したりするために、様々な演出が行われている。そのような演出として、液晶表示器4に画像を表示させて行うものがある。近年ではカメラ付き携帯電話機に代表されるように、自分の画像を撮影し、その撮影した画像により楽しむ機会が増えている。スロットマシンにおいても、遊技者が自分の画像を使って演出を行うことができれば、その楽しさを増大させることができるようになる。
【0004】
ところで、パチンコ遊技機においては、遊技者を撮影するカメラを備えるものが提案されている。このカメラによって撮影した遊技者の画像を特図ゲームの演出に使用するものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、カメラによって遊技者の光彩を撮影し、不正を行った遊技者を監視できるようにするものがあった(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−168647号公報
【特許文献2】
特開2000−218013号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
もっとも、パチンコ遊技機は、皆無ではないもののスロットマシンに比べると技術介入性が低く、どの遊技者が行っても結果として獲得できる遊技球に大きな差が生じないという特徴がある。上記特許文献1のパチンコ遊技機でも、どのような遊技者であっても自分の画像を演出に使用することができたため、自分の画像が演出に登場すること以外の面白みはなく、何度も行っているうちに飽きてしまうという問題があった。また、自分の画像が演出に使用されたからといって、演出自体の面白みの他に遊技者が満足感を感じられることもなかった。
【0007】
特許文献2のパチンコ遊技機では、カメラによる遊技者の撮影で不正の防止を図っているが、撮影対象としているのは光彩であるため、かなりの高精度のカメラがなければ実現するのが不可能である。また、遊技者は、必ずしも1箇所に止まって遊技を行うとは限らず、不正を行った遊技者の光彩を確実に捉えられるとは言い難かった。その一方で、指紋と同様に個人を完全に特定可能な光彩まで撮影されてしまうことで、不正とは無関係な一般の遊技者に抵抗感を感じさせてしまうので、一般の遊技者から敬遠されてしまう恐れもあった。このため、不正防止のための費用対効果という点では、あまり大きな効果を発揮することができなかった。
【0008】
本発明は、遊技者の画像を撮影して、これを表示することで遊技の興趣を向上させるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるスロットマシンは、
1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
遊技者を撮影する撮影装置(カメラ10)と、
前記所定の入賞が発生したときに、該発生した入賞に応じた有価価値を付与する有価価値付与手段(ステップS6)と、
所定の期間において、前記有価価値付与手段が付与した有価価値の合計数を計数する有価価値計数手段(ステップS108)と、
前記有価価値計数手段が計数した有価価値の合計数が所定数以上であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる撮影制御手段(ステップS109、S116)と、
前記撮影制御手段により撮影させた遊技者の画像を表示装置(液晶表示器4)に表示させる表示制御手段(ステップS124)と
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記スロットマシンでは、所定の期間において所定数以上の有価価値を付与させることができた遊技者だけ自分の画像を撮影させて、表示装置に表示させることができるようになっている。このため、単に自分の画像が表示されることによる面白みだけでなく、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができるようになる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
上記スロットマシンは、
前記有価価値計数手段が計数した合計数の順位を集計する順位集計手段(ステップS110)をさらに備えるものとしてもよい。この場合において、
前記撮影制御手段は、前記順位集計手段の集計結果により前記合計数の順位が上位の所定順位内であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させるものとすることができる(ステップS111)。
【0012】
この場合には、所定の期間において付与された有価価値の合計数で所定順位内となった遊技者だけ自分の画像を撮影させて、表示装置に表示させることができるようになる。このため、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度をさらに向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0013】
上記スロットマシンは、前記有価価値計数手段に加えて、或いはこれに代えて、遊技者の技量を判定する技量判定手段を備えるものとすることができる。
この場合において、前記撮影制御手段は、前記技量判定手段が判定した遊技者の技量が所定レベル以上であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させるものとすることができる。
【0014】
この場合には、技量が所定レベル以上であると判定された遊技者だけ自分の画像を撮影させて、表示装置に表示させることができるようになっている。このため、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができるようになる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
上記スロットマシンは、また、
遊技者からの指示により、前記撮影装置に撮影を行わせるか否かを選択する撮影選択手段(撮影キャンセルボタン17)をさらに備えるものとすることができる。この場合において、
前記撮影制御手段は、前記撮影選択手段により撮影を行わせる旨が選択されたときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させるものとすることができる(ステップS114〜S116)。
【0016】
この場合には、遊技者の意思によって撮影を行わせることを選択した場合にのみ、画像を撮影して表示させることができる。このため、自分の画像が撮影されて表示されることを好まない遊技者にも抵抗感を感じさせず、安心して遊技を行えるようにすることができる。なお、撮影を行わせることの選択は、遊技者が積極的な撮影選択手段の操作により行われる積極的な選択だけでなく、撮影選択手段を操作しないことで自動的に行われるという消極的な選択をも含むものである。
【0017】
ここで、前記表示制御手段は、前記撮影選択手段により撮影を行わせない旨が選択されたときに、遊技者の画像の代わりに所定のキャラクタ画像を前記表示装置に表示させるものとしてもよい(ステップS114、S117)。
【0018】
この場合、遊技者の画像を撮影しなくても所定のキャラクタを表示させることで、画像の表示態様としての面白みを確保できるようになる。なお、前記撮影装置による撮影を行い得る場合であって、前記撮影選択手段により撮影を行わせない旨が選択された場合に表示される所定のキャラクタ画像としては、前記撮影装置による撮影を行い得ない場合には表示し得ないものであってもよい。
【0019】
上記スロットマシンは、
前記撮影装置に遊技者を撮影させる時期及び位置の少なくとも一方を報知する報知手段(ステップS113、図6)をさらに備えるものとすることができる。
【0020】
これにより、報知された撮影の時期および/または位置に従って、遊技者は、自分の画像を確実に撮影させることができる。
【0021】
上記スロットマシンは、
同一の遊技者による遊技が継続して行われているか否かを判定する遊技者判定手段(ステップS102、S128)をさらに備えるものとしてもよい。この場合において、
前記表示制御手段は、前記遊技者判定手段により同一の遊技者による遊技が継続して行われていると判定し、且つ前記撮影制御手段により当該遊技者が既に撮影されているときに、該撮影された遊技者の画像を含む演出用画像を前記表示装置に表示させることができる(ステップS122、S124)。
【0022】
この場合、同一の遊技者による遊技が継続し、且つ当該遊技者が撮影されているときには、その遊技者自身の画像を使用して演出を行うことで、演出の興趣を向上させることができる。また、同一の遊技者による遊技が継続して行われていないときには、前の遊技者の画像が演出に用いられることがないので、他人の画像を使用した演出で遊技者に煩わしさを感じさせることがない。
【0023】
上記スロットマシンは、
前記スロットマシンに対して不正な操作がされたことを検出する不正検出手段(ステップS51)をさらに備えるものとしてもよい。この場合、
前記撮影制御手段は、前記不正検出手段により不正な操作が検出されたときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる不正撮影制御手段(ステップS125)を含むものとすることができる。
【0024】
この場合には、前記不正撮影制御手段により遊技者が撮影されたときに、該撮影された遊技者の画像は、前記スロットマシンに接続された上位装置に出力するものとしてもよい(ステップS126)。或いは、前記スロットマシンの内部の記憶装置に保存しておくこともできる(ステップS125)。
【0025】
ここで、不正検出手段により不正が検出されたときには、スロットマシンをエラー状態とするものとすることができる。もっとも、この場合には、不正撮影制御手段により遊技者の撮影が行われるまで、スロットマシンをエラー状態とするのを待機する撮影待機手段(ステップS52、S54)を備えるものとすることができる。
【0026】
このように不正な操作を行った遊技者の画像を撮影することで、不正抑止の効果が得られる。また、撮影装置としては、所定の期間において所定数以上の有価価値が付与された(或いは、さらに所定順位内になるなどした)遊技者を撮影するためのものと兼用しているので、不正防止を図るために必要な構成を付加するのにあまりコストを増大させない。
【0027】
上記スロットマシンは、
前記有価価値付与手段を含むと共に、遊技の進行を制御し、遊技の進行状況に応じた制御情報を送信する遊技制御手段(遊技制御基板101)と、
前記有価価値計数手段、前記撮影制御手段及び前記表示制御手段とを含むと共に、前記遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて、遊技に関する演出を制御する演出制御手段(演出制御基板102)とを備えるものとしてもよい。この場合において、
前記遊技制御手段は、前記有価価値付与手段が有価価値を付与するときに、該有価価値の付与数を示す付与数制御情報を送信することができ(ステップS6)、
前記有価価値計数手段は、前記付与数制御情報に基づいて、有価価値の合計数を計数することができる(ステップS108)。
【0028】
この場合には、遊技者の画像の撮影及び表示の制御を演出制御手段にて行っており、遊技制御手段としては、付与数制御情報の送信を行うだけでよい。このため、遊技者の画像の撮影及び表示の制御のために遊技制御手段の処理負荷を増大させることがない。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。図2は、図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。図3は、図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19(図1)にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。
【0031】
図1〜図3を参照して説明すると、このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MRの駆動によって回転/停止させられる。
【0032】
リール3L、3C、3Rの外周部には、それぞれ「色なし7」、「色つき7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRと、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
【0033】
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51によって構成され、後述するビッグボーナスやレギュラーボーナス時にゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。
【0034】
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
【0035】
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、賭け数に応じて有効化されたライン(以下、有効ラインという)に対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
【0036】
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
【0037】
可変表示装置2の上側には、遊技者を撮影するカメラ10が設けられている。カメラ10のさらに上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。演出用の画像は、例えば、一連の動画像によって構成されるもので、その演出の過程や最終画面によって、後述する内部抽選へ当選したこと、またはその可能性があることが告知(内部抽選の当選確率が100%であることを報知するもの)または予告(内部抽選に当選している可能性があることを報知するもの)される。カメラ10により遊技者が撮影されている場合には、当該遊技者の画像も演出に使用される。カメラ10による遊技者の撮影、及び遊技者の画像を使用した演出については、さらに後述する。
【0038】
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16と、撮影キャンセルボタン17とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図4参照)が内部に配されている。
【0039】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
【0040】
精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。撮影キャンセルボタン17は、カメラ10による遊技者の撮影をキャンセルすることを指示するためのボタンであり、撮影キャンセルスイッチ43(図4参照)によって操作が検出されると、後述する払出メダルの合計数及びそのランキングによりカメラ10による遊技者の撮影が可能な場合であっても、その撮影キャンセルされることとなる。
【0041】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。
【0042】
スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。
【0043】
停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図4参照)が点灯状態となることで、後述するビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが100%の確率で設定されていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
【0044】
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。ホッパー80は、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されている。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク95の内部には、貯留するメダルが満タンになったことを検知する満タンセンサ90が設けられている。
【0045】
メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図4参照)が発した光が照射される。スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びビッグボーナス、レギュラーボーナス突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
【0046】
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75Mの発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
【0047】
また、スロットマシン1の内部には、後述する内部抽選への当選確率を設定する設定スイッチ91、設定スイッチ91を開錠操作により操作可能とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112(図5参照))をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94を備える電源ユニット9が設けられている。設定スイッチ91の操作は、設定キースイッチ92の開錠操作が必要となっていることから、遊技店の店員などの特定の権限を持っている者しか行うことができない。また、第2リセットスイッチ93と同様の機能を有する第1リセットスイッチ48が、前面扉背面側の施錠装置19に対応する位置に設けられている。
【0048】
上記の各部を制御する制御基板として、内部下側に配された電源基板100、内部上側にそれぞれ配された遊技制御基板101、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105、106、並びに前面扉裏側に配された演出制御基板102が設けられている。図4は、各制御基板100〜106を含む、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図5は、遊技制御基板101及び演出制御基板102に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【0049】
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。なお、図4では、遊技制御基板101及びホッパー80にのみ接続されているが、他の各部への電力の供給も行っている。また、電源基板100には、設定スイッチ91、設定キースイッチ92、第2リセットスイッチ93、メインスイッチ94が接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。
【0050】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、バッファ回路117、スイッチ回路118、モータ回路119その他の回路を搭載している。
【0051】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0052】
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する。CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する。
【0053】
CPU111は、I/Oポート114及びバッファ回路117を介して演出制御基板102に、後述する当選状況通知コマンドを含む各種のコマンド(制御情報)を送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報が送られることはない。
【0054】
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
【0055】
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
【0056】
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、ROM113内の遊技状態に対応したリール制御テーブルを参照して、モータ回路119及びリール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。
【0057】
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を乱数として取得する。また、タイマ割り込み処理により更新される値を乱数として取得する機能も有している。
【0058】
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンド(特に当選状況通知コマンド)に基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0059】
演出制御基板102には、カメラ10、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されており、これらを駆動するため、スピーカ駆動回路131、表示駆動回路132、ランプ駆動回路133、カメラ駆動回路134等を備えている。演出制御基板102には、また、撮影キャンセルスイッチ43が接続されており、その検出信号が入力される。演出制御基板102には、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、撮影キャンセルスイッチ43の検出信号を入力し、その他の各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
【0060】
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。演出制御基板102は、外部出力基板106に接続されている。
【0061】
外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。外部出力基板106も、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、演出制御基板102における制御に従いカメラ10により撮影された遊技者の画像信号を当該外部装置に出力する。
【0062】
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生した場合には、その役の種類に応じて、遊技状態が移行され、また、メダルが払い出される。入賞が発生するためには、当該役の内部当選フラグが設定されている必要があるが、その詳細については後述する。
【0063】
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「BAR」が3つ揃った場合、レギュラーボーナス入賞となり、所定の終了条件が成立するまで遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。賭け数に応じた有効ライン上に、例えば「色つき7」が3つ、または「色なし7」が3つ揃った場合には、ビッグボーナス入賞となり、所定の終了条件が成立するまで遊技状態がビッグボーナスに移行する。なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナスに移行した状態をそれぞれ第1、第2の特別遊技状態といい、遊技制御基板101内のRAM112にレギュラーボーナス中フラグ、ビッグボーナス中フラグが設定される。
【0064】
また、有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が揃った場合、或いは左のリール3Lについて「チェリー」が現れた場合には、小役入賞となる。通常の遊技状態において、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。リプレイは、厳密な意味での小役ではないが、遊技状態の移行を伴わない点で共通しているので、単に「小役」といった場合は、リプレイ入賞も含むものとする。また、単に「ボーナス」といった場合は、ビッグボーナスとレギュラーボーナスの両方を含むものとする。
【0065】
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを事前に決定するものであり、乱数発生回路115からサンプリング回路116により取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91による設定、遊技者が設定した賭け数、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照し、CPU111が行うことで、このような事前決定のための手段が構成される。内部抽選に当選した場合は、当選した役に対応した当選フラグが遊技制御基板101のRAM112に設定される。
【0066】
上記の内部抽選の結果によって、ビッグボーナス当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ、小役当選フラグ(小役の種類に応じて複数あり)が遊技制御基板101内のRAM112に設定される。当選フラグは、1ゲームにおいて1つしか新たに設定されることはない。小役当選フラグは、次ゲーム移行に持ち越されることはないが、ビッグボーナス当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグに限っては、実際に入賞するまで次ゲーム以降に持ち越される。
【0067】
上記した内部抽選の結果に基づいてRAM112に設定された各種当選フラグに関する情報に基づいて、CPU111によって当選状況通知コマンドが生成され、各回のゲーム毎に遊技制御基板101から演出制御基板102へと送られる。なお、内部抽選の結果を外部に完全に出さないようにするため、ボーナス告知に影響を及ぼさない範囲で、極めて低い確率で当選状況通知コマンドの内容を変換して、演出制御基板102へと送信するものとしてもよい。
【0068】
次に、カメラ10による遊技者の画像の撮影、及び撮影した遊技者の画像の表示について説明する。
【0069】
カメラ10における遊技者の画像の撮影は、ビッグボーナス中の各ゲームにおいて払い出されたメダル数の合計(以下、払出メダル合計数)が所定数に達したことを条件として行われる。もっとも、払出メダル合計数が所定数に達していれば必ず撮影が行われるものでなく、そのランキングにおいて上位所定順位以内となっていることも条件となる。
【0070】
演出制御基板102のRAM122には、ビッグボーナス中の払出メダル合計数をカウントするためのカウンタが設けられている。このカウンタは、各ゲームにおける入賞状況を示す入賞情報コマンドがビッグボーナス入賞を示しているときにクリアされ、ゲーム毎にメダルの払い出しを伴う役に入賞していることを示しているときに、当該払い出されるメダル数だけ加算されていく。また、RAM122には、撮影した遊技者の画像の保存領域と、ランキング情報の保存領域とも設けられている。
【0071】
払出メダル合計数及びそのランキングに応じて遊技者の撮影が可能となった場合は、そこから所定時間経過したときに、カメラ10により遊技者の画像が静止画で撮影される。所定時間を経過するまでの撮影残り時間があるときは、カメラ10により動画が撮影されて液晶表示器4に表示され、また、撮影残り時間も液晶表示器4に表示される。図6は、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って遊技者を撮影可能なときにおいて、液晶表示器4に表示される動画及び撮影残り時間の表示態様を示す図である。
【0072】
図示するように、液晶表示器4には、撮影残り時間を示すメッセージ201が表示され、撮影残り時間の減少に従って表示もカウントダウンされていく。また、液晶表示器4には、カメラ10により撮影されている動画も表示されるが、これと共に撮影位置枠202も表示される。この撮影位置枠202に従って、遊技者は、カメラ10のアングルを認識することができ、撮影残り時間が0となるまでの間に、撮影位置枠202に収まるように体を移動させることができる。
【0073】
もっとも、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って遊技者を撮影可能な場合であっても、撮影残り時間が0となるまでの間において遊技者が撮影キャンセルボタン17を操作することにより、カメラ10による画像の撮影を行わせないようにすることもできる。撮影残り時間が0となる前に遊技者により撮影キャンセルボタン17が操作された場合には、遊技者の画像の代わりに、ランキングに応じたキャラクタ画像がRAM112の遊技者の画像の保存領域に保存されることとなる。
【0074】
ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って撮影された遊技者の画像(或いはこれに代わるランキングに応じたキャラクタ画像)は、液晶表示器4上で行われる予告(告知)演出において使用することができる。図7は、液晶表示器4上で行われる予告(告知)演出の態様を示す図である。ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って撮影された遊技者の画像(及びこれに代わるランキングに応じたキャラクタ画像)がRAM122に保存されていない場合には、図7(a)に示すように、デフォルトのキャラクタ211により予告(告知)演出が行われる。
【0075】
一方、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って撮影された遊技者の画像がRAM122に保存されている場合には、図7(b)に示すように、キャラクタ211の顔の部分が撮影された遊技者の顔212に差し替えられて、予告(告知)演出が行われる。なお、遊技者の画像に代えてランキングに応じたキャラクタ画像がRAM122に保存されている場合には、キャラクタ211の顔の部分がランキングに応じたキャラクタの顔に差し替えられて、予告(告知)演出が行われる。
【0076】
カメラ10による遊技者の画像の撮影は、スロットマシン1において不正な操作が検出されたときにも行われる。不正な操作が検出されると、スロットマシン1は、エラー状態となるが、このエラー状態となる前に遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される不正検出コマンドに基づいて、演出制御基板102のCPU121がカメラ10に遊技者の画像を撮影させるものである。この場合には、払出メダル合計数に従って撮影が行われる場合と異なり、不正検出コマンドに従って、遊技者に対して何の前触れもなく、撮影が行われる。
【0077】
不正検出コマンドに従ってカメラ10により撮影された画像は、演出制御基板102のRAM122の所定の領域に保存される。また、画像信号として外部出力基板106を介してホールの管理コンピュータに出力される。ホールの管理コンピュータでは、スロットマシン1から送信されてきた画像信号に従って、不正操作を行った遊技者の画像を表示装置に表示させるようになっている。
【0078】
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、賭け数を設定してから、リール3L、3C、3Rを回転/停止するまでの一連の過程を含むものとする。さらに、リール3L、3C、3Rの回転停止に伴って、その後に何らかの処理(例えば、メダルの払い出しや遊技状態の移行)が行われる場合には、これも1ゲーム内の処理として含まれるものとする。
【0079】
図8(a)は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
【0080】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。但し、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。
【0081】
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、ハードウェア乱数機能により内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて内部抽選結果が決まるものとなり、その結果に基づいてRAM112に当選フラグが設定される。また、その当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0082】
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が可変表示される。もっとも、前回のゲームにおけるリール3L、3C、3Rの回転開始から所定時間を経過していない場合にはその所定時間を経過してから、リール3L、3C、3Rの回転が開始される。
【0083】
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。また、リール停止タイマが計時する時間が所定時間(例えば、30秒)を経過すると、リール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。
【0084】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が揃ったかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理(ボーナス中フラグの設定や払い出し予定数の設定を含む)が行われる。また、入賞した役の種類を含む入賞情報コマンドが演出制御基板102に送信される。
【0085】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の設定も行われ、小役当選フラグの消去や、ボーナス時などにおけるゲーム数のカウントなども行われる。ボーナス終了となったときには、ボーナス当選フラグを消去すると共に、ビッグボーナス、レギュラーボーナスのそれぞれについてボーナス終了コマンドが演出制御基板102に送信される。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0086】
遊技制御基板101においては、図8(a)の処理を行っている間に所定時間(例えば、2ミリ秒)毎にCPU111にタイマ割り込みが生じ、このタイマ割り込み処理において不正操作が行われたかどうかをチェックしている。図8(b)は、このタイマ割り込みによって実行される不正検出処理を示すフローチャートである。
【0087】
不正検出処理では、まず、遊技者による不正操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS51)。ここで、不正操作があったと検出される場合としては、例えば、投入メダルセンサ47や払出センサ81によりメダルの逆流を検出したり、メダル払い出し口71に設置されたセンサ(図示せず)が外側から異物が挿入されたことを検出したときなどがある。不正操作が検出されていなければ、そのまま不正検出処理を終了する。
【0088】
不正操作が検出された場合には、演出制御基板102によりカメラ10による画像の撮影を行う時間を確保するための撮影タイマの計時を開始し(ステップS52)、不正操作が検出されたことを示す不正検出コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS53)。その後、撮影タイマが所定時間を計時するのを待機して、カメラ10による画像の撮影時間を確保する(ステップS54)。撮影タイマが所定時間を計時すると、不正操作が検出されたことを示すエラー状態となって終了する。
【0089】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、カメラ10による遊技者の撮影、撮影した遊技者の画像の表示を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102のCPU121が各種の演出(特にカメラ10による遊技者の撮影及び撮影した遊技者の画像の表示)を行うために実行する処理について説明する。
【0090】
図9は、演出制御基板102のCPU121が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS101)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信したときは、スロットマシン1における遊技が行われているものと判断できるので、遊技継続タイマをクリアする(ステップS102)。さらに、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS103)。
【0091】
受信したコマンドの種類がステップS6の入賞判定処理で送信された入賞情報コマンドであった場合には、その入賞情報コマンドがビッグボーナス入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS104)。ビッグボーナス入賞を示していなければ、そのままステップS107の処理に進む。ビッグボーナス入賞を示していれば、RAM122にビッグボーナス中フラグを設定し(ステップS105)、また、RAM122の払出メダル合計数カウンタの値を0にクリアする(ステップS106)。そして、ステップS107の処理に進む。
【0092】
ステップS107では、受信した入賞情報コマンドがリプレイ以外のメダルの払い出しを伴う役への入賞を示しているかどうかを判定する。メダルの払い出しを伴う役への入賞を示していなければ、そのままステップS101の処理に戻る。メダルの払い出しを伴う役への入賞を示していれば、その役に応じて払い出されるメダルの数だけ、RAM122の払出メダル合計数カウンタの値を加算する(ステップS108)。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0093】
受信したコマンドの種類がステップS7の払出処理で送信されたビッグボーナス終了コマンドであった場合には、RAM122の払出メダル合計数カウンタの値が所定数以上であるかどうか、すなわち今回終了したビッグボーナスにおいて払い出されたメダル数の合計が所定数以上であったかどうかを判定する(ステップS109)。払出メダル合計数カウンタの値が所定数以上でなければ、そのままステップS101の処理に戻る。
【0094】
払出メダル合計数カウンタの値が所定数以上であれば、その値のランキングを集計する(ステップS110)。そして、集計したランキングにより、今回のビッグボーナスにおいて払い出されたメダル数の合計が上位所定順位以内であるかどうかを判定する(ステップS111)。上位所定順位以内でなければ、そのままステップS101の処理に戻る。
【0095】
上位所定順位以内であれば、撮影残り時間の計時を開始する(ステップS112)。カメラ10に動画を撮影させ、撮影している動画を液晶表示器4に表示すると共に、ステップS112で計時開始した撮影残り時間を動画に重ねて表示する(ステップS113)。ここで撮影され、液晶表示器4に表示されている動画により、遊技者は、カメラ10のアングルを認識することができ、撮影残り時間が0となるまでに、静止画の撮影位置に体を動かすことができる。
【0096】
さらに、撮影キャンセルスイッチ43の検出信号が入力されたかどうかにより、遊技者により撮影キャンセルボタン17が操作されたかどうかを判断する(ステップS114)。撮影キャンセルボタン17が操作されていなければ、撮影残り時間が0となったかどうかを判断する(ステップS115)。ここで、撮影残り時間が0となっていなければ、ステップS113の処理に戻り、動画と撮影残り時間の表示を続ける。
【0097】
撮影キャンセルボタン17が操作されることなく、撮影残り時間が0となった場合には、カメラ10に遊技者の静止画を撮影させ、撮影した遊技者の画像をRAM122に保存する(ステップS116)。そして、ステップS118の処理に進む。一方、撮影残り時間が0となる前に、撮影キャンセルボタン17が操作された場合には、遊技者の画像の保存領域にランキングに応じた所定のキャラクタ画像(デフォルトの演出では使用されない)を保存する(ステップS117)。そして、ステップS118の処理に進む。
【0098】
ステップS118では、現在遊技を行っている遊技者の画像(または、ランキングに応じたキャラクタ画像)が保存されたことを示す画像保存フラグをRAM122に設定する。さらに、RAM122に設定されたビッグボーナス中フラグを消去して(ステップS119)、ステップS101の処理に戻る。なお、図示しなかったが、入賞情報コマンドによりレギュラーボーナス入賞していたときにはレギュラーボーナス中フラグが設定され、レギュラーボーナス終了コマンドを受信することにより、これが消去される。
【0099】
受信したコマンドの種類がステップS3の抽選処理で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、予告(告知)演出決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値、当選状況通知コマンドが示す当選フラグの設定状況、及び現在の遊技状態(ビッグボーナス中、レギュラーボーナス中または非ボーナス中)に基づいて、予告(告知)演出を行うかどうかを決定する予告(告知)抽選を行う(ステップS120)。
【0100】
次に、この予告(告知)抽選の結果により、予告(告知)演出を行うものと決定されたかどうかを判定する(ステップS121)。予告(告知)演出を行わない場合には、そのままステップS101の処理に戻る。予告(告知)演出を行う場合には、RAM122に画像保存フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS122)。
【0101】
画像保存フラグが設定されていなければ、予告(告知)抽選により決定した種類の予告(告知)演出をデフォルトのキャラクタ画像による通常の態様で行って、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS123)。そして、ステップS101の処理に戻る。画像保存フラグが設定されていれば、デフォルトのキャラクタの画像を、ステップS116またはS117でRAM122に保存された最新の画像に差し替えて、予告(告知)抽選により決定した種類の予告(告知)演出を行い、その画像を液晶表示器4に表示させる(ステップS124)。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0102】
受信したコマンドの種類がステップS53で送信された不正検出コマンドであった場合には、カメラ10に遊技者の静止画を撮影させ、撮影した遊技者の画像をRAM122に保存する。ここでの遊技者の静止画の撮影は、ステップS54で撮影タイマが所定時間を計時するまでに行われるようになっている(ステップS125)。また、撮影した遊技者の画像を外部制御基板106から画像信号としてホールの管理コンピュータなどの外部装置に出力する(ステップS126)。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0103】
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS127)。その後、ステップS101の処理に戻る。
【0104】
また、ステップS101において遊技制御基板101からのコマンドを受信していなかった場合には、遊技継続タイマの計時する時間が予め定められた所定時間以上となったかどうかを判定する(ステップS128)。所定時間以上となっていなければ、そのままステップS101の処理に戻る。所定時間以上となっていれば、RAM122に画像保存フラグが設定されているときにはこれを消去して(ステップS129)、ステップS101の処理に戻る。ここで画像保存フラグが消去されることにより、新たな遊技者に変わって、しかもその遊技者の画像が保存されていないものと判断されることとなる。
【0105】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、カメラ10によって遊技者を撮影し、その画像を液晶表示器4に表示させるものとしているが、これを行い得るのは、ビッグボーナス中における付与メダル合計数が所定数以上とすることができた場合だけである。付与メダル合計数の大小は、遊技者の技量に応じても変化するものであるので、自分の画像を撮影させて表示させることができた遊技者にとっては、単に自分の画像が表示されたという面白みだけでなく、そのことに対して大きな満足感が得られることとなる。
【0106】
また、ビッグボーナス中の付与メダル合計数が所定数以上に達しても、そのランキングで上位所定順位以内にならなければ、遊技者の画像が撮影されて表示されることはない。このため、自分の画像を撮影させて表示させることができた遊技者にとって、上位者にランキングされたことが分かり、さらに大きな満足感が得られることとなる。
【0107】
ここで、撮影された遊技者の画像は、その後の予告(告知)演出において、デフォルトのキャラクタ211の顔に差し替えられて使用されるので、遊技者自身の画像で行われる演出により予告(告知)演出の面白みが増し、演出の興趣を向上させることができる。もっとも、所定時間演出制御基板102が遊技制御基板101からのコマンドを受信せず、遊技者が変わったと判断される場合には画像保存フラグが消去されて、保存された画像があっても予告(告知)演出に使用されることがないので、他人の画像による演出で遊技者に不快感や煩わしさを感じさせることがない。
【0108】
ビッグボーナス中の付与メダル合計数に従って遊技者の画像を撮影する場合には、突然撮影が行われるのではなく、所定時間を経過した後に撮影が行われる。その撮影残り時間は、液晶表示器4に表示されることにより、遊技者が撮影のタイミングを分かるようになる。また、この期間には、カメラ10で動画を撮影して液晶表示器4に表示させることでカメラ10のアングルが遊技者に報知される。これにより、撮影残り時間が0となるまでに遊技者が体を移動させて、確実に自分の画像を撮影させられるようにすることができる。
【0109】
もっとも、ビッグボーナス中の付与メダル合計数が所定数以上に達して、ランキングの上位になったとしても、撮影キャンセルボタン17を操作すれば、自分の画像が撮影されなくて済む。このため、自分の画像が撮影されて表示されることを好まない遊技者に対しては、その意思を尊重することができ、このスロットマシン1で遊技を行うことに抵抗感を感じさせることがない。一方、撮影可能な場合がキャンセルされたときには、遊技者自身の画像の代わりにランキングに応じた所定のキャラクタ画像がRAM122に保存され、デフォルトの演出では使用されないキャラクタで予告(告知)演出が行われるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0110】
また、不正操作が検出された場合にも、カメラ10によって遊技者の画像が撮影され、その画像が保存されると共にホールの管理コンピュータに送られるものとなっている。これによって遊技者に不正を行わせることを思いとどまらせるものとすることができ、不正抑止の効果が図られる。また、不正操作の検出の際の遊技者の撮影は、ビッグボーナス中の付与メダル合計数に従って撮影を行う場合と違って前触れなく行われるので、不正を行った遊技者に撮影を逃れる時間を与えさせない。
【0111】
また、不正操作の検出により不正検出コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信してから、撮影タイマが所定時間を計時するまではスロットマシン1をエラー状態としないため、演出制御基板102側の制御で遊技者を撮影するための時間を十分に確保することができる。なお、不正検出の際に遊技者を撮影するカメラ10も、ビッグボーナス中の付与メダル合計数に従って遊技者を撮影するカメラ10と同じもので兼用しているため、不正防止を図るために必要な構成を付加するのに、あまりコストを増大させることがない。
【0112】
なお、カメラ10により遊技者を撮影し、液晶表示器4に表示させるための制御は、演出制御基板102で行うものとしている。このために遊技制御基板101側の処理として行うのは、他の処理用途にも使用される各種コマンドの送信だけである。このため、遊技者の撮影及び表示のために、遊技制御基板101側にかかる処理負荷を増大させることがない。
【0113】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0114】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影し、この画像を予告(告知)演出に使用するものとしていた。これに対して、例えば、遊技継続タイマが所定時間を計時してから次に所定時間を計時するまでの期間や、遊技継続タイマが所定時間を計時した後の最初のコマンド受信からの所定の時間を計時するまでの期間などにおける払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。
【0115】
また、当選した小役の種類や停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を告知するAT(Assist Time)、所定の場合にリール3L、3C、3Rの停止を無制御とするCT(Challenge Time)、リプレイ当選の確率を高くするRT(Replay Time)、AR(AT+RT)などの特定遊技状態を有するスロットマシンでは、これらの特定遊技状態における払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。ビッグボーナスに続けて特定遊技状態に移行する場合には、ビッグボーナスの開始から特定遊技状態の終了までにおける払出メダル合計数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。
【0116】
さらに、上記のような各期間において、入賞により払い出されたメダル数を単純にカウントするのではなく、払い出されたメダル数から遊技者が設定した賭け数を減算した純増枚数をカウントし、この純増枚数に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。単純にカウントした払出メダル合計数と賭け数を減算した純増枚数との双方に従って、遊技者の画像を撮影するものとしてもよい。
【0117】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数が所定数以上で、上位所定順位以内である場合に、遊技者の画像を撮影することができるようになっていた。これに対して、遊技者の技量を判定して、判定した技量が所定レベル以上である場合において、遊技者の画像を撮影するようにしてもよい。払出メダル合計数との組み合わせに従って、遊技者の画像を撮影するようにしてもよい。ここで、遊技者の技量の判定には、例えば、スタートレバー11及び停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミング、内部当選している小役を入賞させられなかった取りこぼし率、入賞が発生したときのリール3L、3C、3Rのすべりコマ数などを適用することができる。
【0118】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数が所定数以上で、上位所定順位以内である場合には、遊技者により撮影のキャンセルが指示されない限り、カメラ10により遊技者の画像が撮影されるものとしていた。これに対して、遊技者が積極的に指示を行って初めて、カメラ10により遊技者の画像が撮影されるものとしてもよい。遊技者の積極的または消極的な指示により撮影をキャンセルしなかった場合には、何らの画像も保存することなく、画像保存フラグも設定しないものとしてもよい。撮影キャンセルボタン17が操作された後であっても、撮影残り時間が0となるまでに遊技者が再び撮影キャンセルボタン17を操作した場合には、カメラ10により遊技者の画像が撮影されるものとしてもよい。
【0119】
上記の実施の形態では、遊技制御基板101から何らかのコマンドを受信する度にクリアされる遊技継続タイマの計時する時間が所定時間以上となったときに、遊技者が変わったものと判断して、画像保存フラグを消去していた。しかしながら、遊技者が変わったものと判断するのは、これに限られるものではない。例えば、所定時間以上スロットマシン1に対して何らの操作もされないことで、遊技制御基板101から送られてくるデモコマンドを受信したときに、遊技者が変わったものと判断して、画像保存フラグを消去してもよい。また、新たな遊技者自身が所定の操作ボタンを操作して遊技者が変わったことを指示し、これにより画像保存フラグを消去するものとしてもよい。
【0120】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス中の払出メダル合計数が所定数以上であって、上位所定順位以内であるときに撮影した遊技者の画像は、液晶表示器4において予告(告知)演出を行う際に使用されるものとしていた。しかしながら、撮影した遊技者の画像の使用方法はこれに限るものではなく、例えば、ビッグボーナス中の払出メダル合計数の上位者を液晶表示器4においてランキング表示するときに、使用するものとしてもよい。この場合には、多くのメダルを獲得した遊技者は、自分の画像によりランキング表示されるため、ランキング表示が行われることで満足感を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0121】
上記の実施の形態では、スロットマシン1に対して不正操作が検出された場合には、不正検出コマンドに基づいて、スロットマシン1がエラー状態とされる前に、遊技者の画像が1回だけ撮影されるものとなっていた。これに対して、エラー状態となるまでの間に複数回撮影を行ったり、複数のカメラを用意しておき、全てのカメラで同時に1回以上撮影を行ったりして、不正操作を行った遊技者がカメラのアングルから逃れられないようにするものとしてもよい。
【0122】
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
【0123】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、所定の期間において所定数以上の有価価値を付与させることができた遊技者だけ自分の画像を表示させることができる。このため、単に自分の画像が表示されることによる面白みだけでなく、自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0124】
請求項2の発明によれば、所定の期間において付与された有価価値の合計数で所定順位内となった遊技者だけ自分の画像を表示させることができるので、さらに自分の画像が表示されたことに対して遊技者の満足度を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0125】
請求項3の発明によれば、遊技者の意思によって画像を撮影して表示させることができるので、自分の画像が撮影されて表示されることを好まない遊技者にも抵抗感を感じさせない。
【0126】
請求項4の発明によれば、遊技者の画像を撮影しなくても所定のキャラクタの表示を表示させることで、画像の表示態様としての面白みを確保できるようになる。
【0127】
請求項5の発明によれば、報知された撮影の時期および/または位置に従って、遊技者は、自分の画像を確実に撮影させることができる。
【0128】
請求項6の発明によれば、遊技者自身の画像を使用して演出を行うことで、演出の興趣を向上させることができる。また、他人の画像を使用して演出が行われることがなく、演出の内容に煩わしさを感じさせることがない。
【0129】
請求項7の発明によれば、不正な操作を行った遊技者の画像を撮影することで、不正抑止の効果が得られる。また、他の用途にも使用する撮影装置を兼用しているので、不正防止を図るためのコストを増大させない。
【0130】
請求項8の発明によれば、遊技者の画像の撮影及び表示の制御を演出制御手段にて行うため、遊技制御手段の処理負荷を増大させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの前面扉を開放した状態で視認される内部構造を示す図である。
【図3】図1のスロットマシンの前面扉の背面側の構造を示す図である。
【図4】図1のスロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図5】遊技制御基板及び演出制御基板に搭載された回路構成要素及び信号配線を示す図である。
【図6】遊技者を撮影可能なときにおける動画及び撮影残り時間の表示態様を示す図である。
【図7】予告(告知)演出の態様を示す図である。
【図8】遊技制御基板内の制御部が、1ゲーム毎に実行する処理と、不正検出処理を示すフローチャートである。
【図9】演出制御基板の制御部が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スロットマシン
2 可変表示装置
4 液晶表示器
10 カメラ
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
Claims (8)
- 1ゲームに対して賭け数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
遊技者を撮影する撮影装置と、
前記所定の入賞が発生したときに、該発生した入賞に応じた有価価値を付与する有価価値付与手段と、
所定の期間において、前記有価価値付与手段が付与した有価価値の合計数を計数する有価価値計数手段と、
前記有価価値計数手段が計数した有価価値の合計数が所定数以上であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる撮影制御手段と、
前記撮影制御手段により撮影させた遊技者の画像を表示装置に表示させる表示制御手段と
を備えることを特徴とするスロットマシン。 - 前記有価価値計数手段が計数した合計数の順位を集計する順位集計手段をさらに備え、
前記撮影制御手段は、前記順位集計手段の集計結果により前記合計数の順位が上位の所定順位内であるときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる
ことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。 - 遊技者からの指示により、前記撮影装置に撮影を行わせるか否かを選択する撮影選択手段をさらに備え、
前記撮影制御手段は、前記撮影選択手段により撮影を行わせる旨が選択されたときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスロットマシン。 - 前記表示制御手段は、前記撮影選択手段により撮影を行わせない旨が選択されたときに、遊技者の画像の代わりに所定のキャラクタ画像を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。 - 前記撮影装置に遊技者を撮影させる時期及び位置の少なくとも一方を報知する報知手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスロットマシン。 - 同一の遊技者による遊技が継続して行われているか否かを判定する遊技者判定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記遊技者判定手段により同一の遊技者による遊技が継続して行われていると判定し、且つ前記撮影制御手段により当該遊技者が既に撮影されているときに、該撮影された遊技者の画像を含む演出用画像を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスロットマシン。 - 前記スロットマシンに対して不正な操作がされたことを検出する不正検出手段をさらに備え、
前記撮影制御手段は、前記不正検出手段により不正な操作が検出されたときに、前記撮影装置に遊技者を撮影させる不正撮影制御手段を含む
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスロットマシン。 - 前記有価価値付与手段を含むと共に、遊技の進行を制御し、遊技の進行状況に応じた制御情報を送信する遊技制御手段と、
前記有価価値計数手段、前記撮影制御手段及び前記表示制御手段とを含むと共に、前記遊技制御手段から送信された制御情報に基づいて、遊技に関する演出を制御する演出制御手段とを備え、
前記遊技制御手段は、前記有価価値付与手段が有価価値を付与するときに、該有価価値の付与数を示す付与数制御情報を送信し、
前記有価価値計数手段は、前記付与数制御情報に基づいて、有価価値の合計数を計数する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のスロットマシン。
Priority Applications (1)
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JP2003125789A JP2004329308A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | スロットマシン |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006158695A (ja) * | 2004-12-08 | 2006-06-22 | Heiwa Corp | 遊技機 |
JP2009125267A (ja) * | 2007-11-22 | 2009-06-11 | Aruze Corp | 遊技機 |
JP2018023406A (ja) * | 2016-08-08 | 2018-02-15 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003125789A patent/JP2004329308A/ja not_active Withdrawn
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