JP2004328905A - 自動車のバッテリー制御装置 - Google Patents
自動車のバッテリー制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004328905A JP2004328905A JP2003120631A JP2003120631A JP2004328905A JP 2004328905 A JP2004328905 A JP 2004328905A JP 2003120631 A JP2003120631 A JP 2003120631A JP 2003120631 A JP2003120631 A JP 2003120631A JP 2004328905 A JP2004328905 A JP 2004328905A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- temperature
- control device
- ignition
- value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 239000000498 cooling water Substances 0.000 claims abstract description 31
- 238000012937 correction Methods 0.000 claims description 13
- 238000001816 cooling Methods 0.000 claims description 8
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 7
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 claims description 2
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims 4
- 238000007599 discharging Methods 0.000 abstract description 9
- 238000000034 method Methods 0.000 description 33
- 241001125929 Trisopterus luscus Species 0.000 description 17
- 239000002826 coolant Substances 0.000 description 8
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 7
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 6
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 5
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 5
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 238000010248 power generation Methods 0.000 description 2
- 230000001172 regenerating effect Effects 0.000 description 2
- 230000001052 transient effect Effects 0.000 description 2
- 238000013506 data mapping Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 230000000994 depressogenic effect Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 1
- 230000006870 function Effects 0.000 description 1
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 1
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 1
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 1
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/62—Hybrid vehicles
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/70—Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/72—Electric energy management in electromobility
Landscapes
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
Abstract
【課題】温度センサーを用いずにバッテリーの充放電を管理する自動車のバッテリー制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリー温度推定値とイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温とを、イグニッションオフ時にも記憶内容を保持する記憶手段15dに記憶しておき、イグニッションオン直後に、記憶手段15dに記憶されているイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温と、イグニッションオン直後に検出されたエンジン冷却水温とに基づいて、記憶手段15dに記憶されているバッテリー温度推定値を補正する。これにより、バッテリー温度を検出するセンサーを設置せずに、バッテリー8の温度を正確に推定することができ、そのバッテリー温度推定値によりバッテリー8の充放電を管理することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】バッテリー温度推定値とイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温とを、イグニッションオフ時にも記憶内容を保持する記憶手段15dに記憶しておき、イグニッションオン直後に、記憶手段15dに記憶されているイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温と、イグニッションオン直後に検出されたエンジン冷却水温とに基づいて、記憶手段15dに記憶されているバッテリー温度推定値を補正する。これにより、バッテリー温度を検出するセンサーを設置せずに、バッテリー8の温度を正確に推定することができ、そのバッテリー温度推定値によりバッテリー8の充放電を管理することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のバッテリーを制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バッテリーの温度を検出するために温度センサーを設け、バッテリー温度に応じてバッテリーの充放電を管理するようにした自動車の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特開2001−268715号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自動車の制御装置では、バッテリー温度を検出するために温度センサーを設置しているのでコストがかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、温度センサーを用いずにバッテリーの充放電を管理する自動車のバッテリー制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バッテリー温度推定値とイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温とを、イグニッションオフ時にも記憶内容を保持する記憶手段に記憶しておき、イグニッションオン直後に、記憶手段に記憶されているイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温と、イグニッションオン直後に検出されたエンジン冷却水温とに基づいて、記憶手段に記憶されているバッテリー温度推定値を補正する、ものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、温度センサーを用いずにバッテリーの温度を検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明をハイブリッド車両に適用した一実施の形態を説明する。図1に一実施の形態の構成を示す。一実施の形態のハイブリッド車両はエンジン1とモータージェネレーター2を備えており、両者はプーリー&ベルト3により連結されている。エンジン1の駆動力は自動変速機であるトランスミッション4とファイナルドライブ5を介して駆動輪6に伝達され、車両を走行させる。一方、モータージェネレーター2は、エンジン1の始動を行うとともに、エンジン1をアシストして車両の走行駆動と回生制動を行う。なお、モータージェネレーター2は交流機である。
【0009】
インバーター7は、バッテリー8の直流電力を交流電力に変換してモータージェネレーター2へ供給するとともに、モータージェネレーター2の交流発電電力を直流電力に変換してバッテリー8を充電する。この一実施の形態ではバッテリー8に定格電圧14Vのバッテリーを用いた例を示す。
【0010】
バッテリー8はバッテリーファン9、デフォッガー10、ラジエーターファン11、ランプ類12などの車載補機へ電力を供給する。バッテリーファン9はバッテリー8へ送風して冷却し、デフォッガー10はリヤウインドウの曇りを除去する。また、ラジエーターファン11はラジエーター(不図示)へ送風してエンジン冷却水の冷却を行う。ランプ類12にはヘッドランプ、フォグランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、テールランプなどが含まれる。
【0011】
水温センサー1aはエンジン1の冷却水温度Tw[℃]を検出する。また、電圧センサー13はバッテリー8の電圧Vb[V]を検出し、電流センサー14はバッテリー8の充放電電流Ib[A]を検出する。この一実施の形態では、バッテリー8からインバーター7または車載補機9〜12へ流れる放電電流Ibを正とし、インバーター7からバッテリー8へ流れる充電電流Ibを負とする。
【0012】
コントローラー15はCPU15a、メモリ15b、A/Dコンバーター15c、バッテリーバックアップ・メモリ15dなどを備え、エンジン1の燃料噴射量と点火時期を調節して回転速度とトルクを制御するとともに、インバーター7によりモータージェネレーター2へ供給する電圧と電流を調節してその回転速度とトルクを制御する。コントローラー15はまた、後述する制御プログラムを実行してバッテリー8の温度と充放電を管理するとともに、車載補機9〜12の作動を制御する。なお、メモリ15dは専用のバッテリー(不図示)によりバックアップされるメモリであり、イグニッションオフ時にコントローラー15への制御電源の供給が停止されても記憶内容を保持し続ける。
【0013】
イグニッションスイッチ16は、車両のイグニッションキーがONまたはSTART位置に設定されるとオン(閉路)する。デフォッガースイッチ17はデフォッガー10を作動させるための操作部材、ランプスイッチ18はランプ類12を点消灯するための操作部材である。また、ブレーキスイッチ19はブレーキペダル(不図示)が踏み込まれるとオン(閉路)するスイッチである。
【0014】
車速センサー20は車両の走行速度Vsp[km/h]を検出し、アクセルセンサー21はアクセルペダル(不図示)の踏み込み量[θa]を検出する。ブレーキ液圧センサー22は、ブレーキペダルの踏み込み圧に比例したブレーキ液圧Pbを検出する。また、シフトセンサー23は自動変速機シフトレバー(不図示)の設定位置(P、R、N、D、2、1)を検出する。
【0015】
図2〜図6はバッテリー制御プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。図2はバッテリー制御メインプログラムを示すフローチャートである。コントローラー15のCPU15aは、イグニッションスイッチ16がオンするとこのメインプログラムを繰り返し実行する。
【0016】
ステップ1において、水温センサー1aによりエンジン冷却水温Twを検出し、メモリ15bに記憶する。ステップ2で、バッテリーバックアップ・メモリ15dにバッテリー温度推定値Tbが記憶されているか否かを確認する。車両の製造工場において始めてコントローラー15に制御電源を供給したとき、あるいは整備工場においてコントローラー15がリセットまたは交換されたときは、バッテリーバックアップ・メモリ15dにバッテリー温度推定値Tbは記憶されていない。
【0017】
バッテリー温度推定値Tbが記憶されているときはステップ3へ進み、図3に示すサブルーチンを実行してイグニッションオフ中のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。この補正処理については後述する。一方、バッテリー温度推定値Tbが記憶されていないときはステップ4へ進み、メモリ15bからエンジン冷却水温Twを読み出し、バッテリー温度推定値Tbの初期値とする。
【0018】
バッテリー温度推定値Tbのイグニッションオフ中の補正または初期化が完了したらステップ5で走行を許可し、続くステップ6で走行のためのエンジン1とモータージェネレーター2の制御を開始する。具体的には、車速Vsp、アクセルペダル踏み込み量θa、バッテリーSOCなどに基づいてエンジン1とモータージェネレーター2の回転速度やトルクなどの指令値を演算し、それらに基づいてエンジン1とモータージェネレーター2を制御する。
【0019】
ステップ7において、図4に示すサブルーチンを実行してイグニッションオン中のバッテリー温度Tbを推定する。この推定処理については後述する。バッテリー温度推定値Tbを求めた後、ステップ8で図5に示すサブルーチンを実行してバッテリー温度推定値Tbによる車両のアイドルストップ制御とバッテリー8の充放電制御を行う。これらの制御については後述する。次に、ステップ9で図6に示すサブルーチンを実行し、イグニッションオン中のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。この補正処理についても後述する。
【0020】
ステップ10において、イグニッションスイッチ16がオフされたか否かを確認し、オンされたままであればステップ7へ戻って上述した処理を繰り返し、オフされたらステップ11へ進む。ステップ11では、上述した処理により求めたバッテリー温度推定値Tb、水温センサー1aにより検出した現在のエンジン冷却水温Tw、およびイグニッションオフ前のバッテリーファン9の作動状況をバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶し、処理を終了する。ここで、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されたバッテリー温度推定値Tbとエンジン冷却水温Twは、イグニッションオフ直後の値である。
【0021】
図3は、イグニッションオフ中のバッテリー温度推定値Tbの補正処理を示すフローチャートである。ステップ21において、バッテリーバックアップ・メモリ15dからイグニッションオフ直後のバッテリー温度推定値Tbを読み出し、Tb_offとする。続くステップ22で、バッテリーバックアップ・メモリ15dからイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Twを読み出し、Tw_offとする。これらのバッテリー温度推定値Tbとエンジン冷却水温Twは、図2に示すメイン制御プログラムのステップ11で記憶したものである。
【0022】
さらにステップ23では、メモリ15bからイグニッションオン直後のエンジン冷却水温Twを読み出し、Tw_onとする。このエンジン冷却水温Twは図2に示すメイン制御プログラムのステップ1で記憶したものである。
【0023】
ステップ24において、イグニッションオン直後のエンジン冷却水温Tw_onとイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Tw_offとを比較する。Tw_on≦Tw_offの場合は、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが低下したと判断してステップ25へ進み、次式によりエンジン冷却水温低下時のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。
【数1】
Tb=Tb_off−(Tw_off−Tw_on)・Kdown
数式1において、Kdownは、エンジン冷却水温Twの低下率からバッテリー温度推定値Tbの低下率へ変換するための係数であり、予め実車を用いた実験などにより決定し、メモリ15bの中のEEPROM領域へ記憶しておく。
【0024】
一方、Tw_on>Tw_offの場合は、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが上昇したと判断してステップ26へ進む。エンジン1を停止するまでラジエーターファン11を作動させてラジエーターのエンジン冷却水を冷却していた場合、イグニッションオフ後にエンジン冷却水温Twは上昇する。しかし、しばらくするとエンジン冷却水温Twは低下する。したがって、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが上昇したということは、イグニッションオフ期間がごく短時間であるといえる。
【0025】
ステップ26において、バッテリーバックアップ・メモリ15dからイグニッションオフ直前のバッテリーファン9の作動状況を読み出し、作動していたらステップ27へ進み、作動していなければステップ28へ進む。イグニッションオフ直前にバッテリーファン9が作動していた場合には、エンジン冷却水温Twの上昇と同様にバッテリー温度も上昇していると考えられるから、次式によりエンジン冷却水温Twの上昇時、かつイグニッションオフ直前にバッテリーファン9が作動していた場合のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。
【数2】
Tb=Tb_off+(Tw_on−Tw_off)・Kup
数式2において、Kupは、エンジン冷却水温Twの上昇率からバッテリー温度推定値Tbの上昇率へ変換するための係数であり、予め実車を用いた実験などにより決定し、メモリ15bの中のEEPROM領域に記憶しておく。
【0026】
一方、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが上昇していても、イグニッションオフ直前にバッテリーファン9が作動していなかった場合には、バッテリー温度の上昇はないと考えられ、しかも、上述したようにイグニッションオフ期間が短いと考えられるから、イグニッションオフ中にバッテリー温度は変化していないとする。そこで、ステップ28で、バッテリー温度推定値Tbにイグニッションオフ直後のバッテリー温度推定値Tb_offをそのまま用いる。
【数3】
Tb=Tb_off
【0027】
ステップ29において、補正後のバッテリー温度推定値Tbをバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶し、バッテリー温度推定値Tbを更新して図2に示すメインプログラムへリターンする。
【0028】
図4は、イグニッションオン中のバッテリー温度の推定処理を示すフローチャートである。ステップ31においてバッテリー電流Ibが正か否か、つまりバッテリー8からインバーター7または車載補機9〜12への放電中か否かを判別する。バッテリー電流Ibが正で放電中のときはステップ32へ進み、車載補機9〜12が作動中か否かを判別する。
【0029】
車載機器9〜12のいずれかが作動中のときはステップ33へ進み、メモリ15bのEEPROM領域に記憶されているマップを参照し、補機駆動電流に対応するバッテリー温度上昇推定値を読み出す。このマップは予め実車実験により計測して設定したものである。続くステップ34で、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbを読み出し、補機駆動による温度上昇分を加算して補正する。
【0030】
補機駆動による補正処理後のステップ35において、メモリ15bのEEPROM領域に記憶されているマップを参照し、インバーター7への放電電流、すなわちモーター駆動電流に対応するバッテリー温度上昇推定値を読み出す。このマップは予め実車実験により計測して設定したものである。続くステップ36で、補機駆動による温度上昇分を補正した後のバッテリー温度推定値Tbにモーター駆動による温度上昇分を加算して補正する。
【0031】
ここで、補機駆動電流によるバッテリー8の温度上昇とモーター駆動電流によるバッテリー8の温度上昇とを別個に推定するのは、車載補機9〜12への放電電流には大きな変化が少なく定常的であるため、比較的容易にしかも正確に温度上昇を推定できるのに対し、モータージェネレーター2への放電電流は変化が大きく過渡的であるため、実効値が補機駆動電流と同一であっても温度上昇値が異なり、両者を分けてそれぞれマップ参照により温度上昇を推定する。
【0032】
なお、バッテリー8が放電中であっても、車載補機9〜12がすべて停止しているときは、ステップ33〜34をスキップしてステップ35へ進み、上述したようにモーター駆動による温度上昇分をマップ検索し、バッテリーバックアップメモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbに温度上昇分を加算して補正する。
【0033】
また、バッテリー電流Ibが負でバッテリー8が充電中の場合はステップ37へ進み、メモリ15bのEEPROM領域に記憶されているマップを参照し、充電電流に対応する温度上昇推定値を読み出す。このマップは予め実車実験により計測して設定したものである。続くステップ38で、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbを読み出し、バッテリー充電による温度上昇分を加算して補正する。
【0034】
ステップ39において、補正後のバッテリー温度推定値Tbをバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶し、バッテリー温度推定値Tbを更新して図2に示すメインプログラムへリターンする。
【0035】
図5は、バッテリー温度推定値Tbによる車両のアイドルストップ制御およびバッテリー8の充放電制御を示すフローチャートである。ステップ41において、図4に示すイグニッションオン中の推定処理で求められたバッテリー温度推定値Tbをバッテリーバックアップ・メモリ15dから読み出し、そのバッテリー温度推定値Tbがアイドルストップ許可温度以上か否かを判別する。このアイドルストップ許可温度は予め設定されてメモリ15bのEEPROM領域に記憶されている。バッテリー温度が低いとバッテリー8のSOCが低下するので、アイドルストップ後のエンジン再始動時にモータージェネレーター2へ十分な電力を供給できず、エンジン1を始動できなくなる。そのため、バッテリー温度推定値Tbが予め定めたアイドルストップ許可温度より低い場合はアイドルストップを許可しない。
【0036】
バッテリー温度推定値Tbがアイドルストップ許可温度より低い場合はステップ44へ進み、アイドルストップを禁止する。一方、バッテリー温度推定値Tbがアイドルストップ許可温度以上の場合はステップ42へ進み、アイドルストップ条件が成立しているか否かを判別する。ブレーキスイッチ19によりブレーキペダルの踏み込みが確認され、車速Vspが0で、シフトセンサー23によりシフトレバーがD(ドライブ)位置に設定されている場合には、アイドルストップ条件が成立しているとし、ステップ43へ進んでアイドルストップを行う。一方、アイドルストップ条件が成立していない場合はステップ44へ進み、アイドルストップを禁止する。
【0037】
次に、ステップ45において、バッテリー8の入出力可能パワーを演算する。具体的には、電圧センサー13と電流センサー14により複数時点のバッテリー電圧Vbと充放電電流Ibをサンプリングし、サンプリングデータを図7に示すようにVb−Ibの2次元平面上にプロットして直線回帰する。回帰直線と放電終止電圧Vb_minとの交点の電流を最大放電電流Ib_dとし、回帰直線と最大充電電圧Vb_maxとの交点の電流を最大充電電流Ib_cとしたとき、入力可能パワーPinと出力可能パワーPoutを次式により求める。
【数4】
Pin=Vb_max・Ib_c,
Pout=Vb_min・Ib_d
【0038】
ステップ46で、算出した入出力可能パワーPin、Poutをバッテリー温度推定値Tbを用いて補正する。この補正方法は予め実験などにより決定しておく。続くステップ47で、アクセルペダル踏み込み量θa、車速Vsp、ブレーキ液圧Pbに基づいて、モータージェネレーター2の要求トルクTmを演算する。ステップ48で、モータージェネレーター2の要求トルクTmをバッテリー8の入出力可能パワーPin、Poutで満たせない場合は、入出力可能パワーPin、Poutに応じて要求トルクTmを制限する。ステップ49では、最終的に決定したモータージェネレーター2の要求トルクTmにしたがってインバーター7を制御し、モータージェネレーター2のトルク制御を行う。
【0039】
ステップ50において、バッテリー温度推定値Tbがバッテリーファン9により冷却が必要な温度以上か否かを判別する。冷却要求温度は予め実験などにより決定し、メモリ15bのEEPROM領域に記憶しておく。バッテリー温度推定値Tbが冷却要求温度以上の場合はステップ51へ進み、バッテリーファン9を作動させてバッテリー8を冷却する。これにより、バッテリー8を適切な温度に維持することができる。一方、バッテリー温度推定値Tbが冷却要求温度未満の場合はステップ52へ進み、バッテリーファン9を停止させる。その後、図2に示すメイン制御プログラムへリターンする。
【0040】
図6は、イグニッションオン中のバッテリー温度推定値Tbの補正処理を示すフローチャートである。ステップ61において、モータージェネレーター2の力行トルクがバッテリー8の出力可能パワーPout(数式4参照)まで要求されているか否かを判別する。要求力行トルクが出力可能パワーPoutに達しているときはステップ62へ進み、モータージェネレーター2の実際の出力がバッテリー8の出力可能パワーPoutより小さいか否かを判別する。
【0041】
ここで、モータージェネレーター2の実際の出力は次の手順で求める。電流センサー(不図示)によりモータージェネレーター2の電流を検出するとともに、車速センサー20により車速Vspを検出し、シフトセンサー23により自動変速機のシフト位置を検出する。次に、回転センサー(不図示)によりモータージェネレーター2の回転位置を検出し、モータージェネレーター2の回転位置に基づいてモータージェネレーター電流をdq軸座標系のd軸電流Idとq軸電流Iqに変換し、これらのdq軸電流Id、Iqによりモータージェネレーター2の実際のトルクを演算する。そして、モータージェネレーター2のトルクとバッテリー8の出力パワーとの関係をマッピングしたデータを検索して、モータージェネレーター2の実トルクに対応する出力パワーを表引き演算する。この出力パワーがモータージェネレーター2の実出力である。
【0042】
モータージェネレーター2の実際の出力がバッテリー8の出力可能パワーPoutより小さいときは、ステップ63へ進む。ステップ63では、バッテリー8の出力可能パワーPoutからモータージェネレーター2の実出力を減じた出力差Pout_ofsを求める。続くステップ64で、出力可能パワーPoutと実出力との出力差Pout_ofsに基づいて次式によりバッテリー温度推定値Tbを補正する。
【数5】
Tb=Tb(old)−Pout_ofs・Kout
数式5において、Koutは出力差Pout_ofsを温度差に変換する係数、Tb(old)はバッテリーバックアップ・メモリ15dから読み出した補正前のバッテリー温度推定値である。
【0043】
一方、ステップ62でモータージェネレーター2の実出力が出力可能パワーPoutに達しているときは、バッテリー温度推定値Tbを補正する必要はないので、処理を終了して図2のメインプログラムへリターンする。
【0044】
ステップ61において、モータージェネレーター2に対する要求力行トルクがバッテリー8の出力可能パワーPoutに達していないと判別されたときはステップ65へ進む。ステップ65では、モータージェネレーター2の発電トルク(回生トルク)がバッテリー8の入力可能パワーPinまで要求されているか否かを判別する。要求発電トルクが入力可能パワーPinに達しているときはステップ66へ進み、モータージェネレーター2の実際の入力がバッテリー8の入力可能パワーPinより小さいか否かを判別する。なお、モータージェネレーター2の実入力は上述した実出力と同様な手順で算出する。
【0045】
モータージェネレーター2の実際の入力がバッテリー8の入力可能パワーPinより小さいときは、ステップ67へ進む。ステップ67では、バッテリー8の入力可能パワーPinからモータージェネレーター2の実入力を減じた入力差Pin_ofsを求める。続くステップ68で、入力可能パワーPinと実入力との入力差Pin_ofsに基づいて次式によりバッテリー温度推定値Tbを補正する。
【数6】
Tb=Tb(old)−Pin_ofs・Kin
数式6において、Kinは入力差Pin_ofsを温度差に変換する係数、Tb(old)はバッテリーバックアップ・メモリ15dから読み出した補正前のバッテリー温度推定値である。
【0046】
一方、ステップ66でモータージェネレーター2の実入力が入力可能パワーPinに達しているときは、バッテリー温度推定値Tbを補正する必要はないので、処理を終了して図2のメインプログラムへリターンする。
【0047】
このように一実施の形態によれば、バッテリー温度推定値Tbとイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Tw_offとを、イグニッションオフ時にも記憶内容を保持するバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶しておき、イグニッションオン直後に、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Tw_offと、イグニッションオン直後に検出されたエンジン冷却水温Tw_onとに基づいて、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbを補正するようにしたので、バッテリー温度を検出するセンサーを設置せずに、バッテリー8の温度を正確に推定することができ、そのバッテリー温度推定値Tbによりバッテリー8の充放電を管理することができる。
【0048】
また、上述した一実施の形態では、バッテリー温度推定値がバッテリーバックアップ・メモリ15bに記憶されていない場合は、エンジン冷却水温をバッテリー温度推定値Tbの初期値に設定するようにした。車両の製造工場において始めてコントローラー15に制御電源を供給したとき、あるいは整備工場においてコントローラー15がリセットまたは交換されたときは、バッテリーバックアップ・メモリ15dにバッテリー温度推定値Tbは記憶されていない。この一実施の形態によれば、簡単かつ確実な方法でバッテリー温度推定値Tbの初期値を設定することができる。
【0049】
一実施の形態によれば、バッテリーに流れる電流をインバーター7を介してモータージェネレーター2に流れる電流と車載補機9〜12へ流れる電流とに分離し、それぞれのバッテリー電流に応じたバッテリーの温度上昇値を推定し、モータージェネレーター2へ流れる電流による温度上昇値と車載補機9〜12へ流れる電流による温度上昇値とを、バッテリー温度推定値Tbに加算して補正するようにした。車載補機9〜12への放電電流には大きな変化が少なく定常的であるため、比較的容易にしかも正確に温度上昇を推定できるのに対し、モータージェネレーター2への放電電流は変化が大きく過渡的であるため、実効値が補機駆動電流と同一であっても温度上昇値が異なり、両者を分けてそれぞれ温度上昇を推定することによって、正確なイグニッションオン中のバッテリー温度上昇値を推定でき、正確なバッテリー温度推定値Tbを得ることができる。
【0050】
一実施の形態によれば、バッテリー電流Ib、バッテリー電圧Vbと、バッテリー8の放電終止電圧Vb_min、および最大充電電圧Vb_maxに基づいてバッテリー8の入出力可能なパワー(電力)Pin、Poutを演算し、バッテリー温度推定値Tbに基づいてバッテリーの入力可能電力Pin、Poutを補正するようにした。バッテリーは一般に温度に応じて入出力可能な電力が大きく変化するが、この一実施の形態によればバッテリー温度に応じた正確な入力可能電力が得られる。また、バッテリー温度推定値に応じて補正したバッテリーの入力可能電力Pin、Poutによりモータージェネレーター2のトルクを制限するようにしたので、バッテリー8の過放電および過充電を防止することができる。
【0051】
さらに、一実施の形態によれば、モータージェネレーターの実際の出力電力を演算し、バッテリー温度推定値Tbにより補正後のバッテリー8の入出力可能パワー(電力)Pin、Poutとモータージェネレーター2の実際の出力電力との差に基づいてバッテリー温度推定値Tbを補正するようにしたので、さらに正確なバッテリー温度推定値Tbが得られる。
【0052】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、バッテリーバックアップ・メモリ15dが記憶手段を、水温センサー1aが水温検出手段を、コントローラー15が温度補正手段、初期値設定手段、温度上昇推定手段、電力演算手段、電力補正手段、トルク制限手段、出力演算手段およびアイドルストップ禁止手段を、電流センサー14が電流検出手段を、電圧センサー13が電圧検出手段を、バッテリーファン9がバッテリー冷却手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【0053】
上述した一実施の形態では、本願発明をハイブリッド車両のバッテリー制御装置に適用した例を示したが、本願発明はハイブリッド車両に限定されず、エンジンのみにより走行するエンジン車両やモーターのみにより走行する電気自動車などのあらゆる自動車に適用することができる。
【0054】
上述した一実施の形態ではモータージェネレーター2に交流機を用いる例を示したが、モータージェネレーター2に直流機を用いてもよい。また、上述した一実施の形態ではイグニッションオフ時にも記憶内容を保持する記憶手段としてバッテリーバックアップ・メモリ15dを用いた例を示したが、EEPROMなどの不揮発性メモリを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】一実施の形態のバッテリー制御メインプログラムを示すフローチャートである。
【図3】イグニッションオフ中のバッテリー温度推定値の補正処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】イグニッションオン中のバッテリー温度の推定処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】アイドルストップ制御および充放電制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】イグニッションオン中のバッテリー温度推定値の補正処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】バッテリーの入力可能パワーの算出方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 モータージェネレーター
3 プーリー&ベルト
4 トランスミッション
5 ファイナルドライブ
6 駆動輪
7 インバーター
8 バッテリー
9 バッテリーファン
10 デフォッガー
11 ラジエーターファン
12 ランプ類
13 電圧センサー
14 電流センサー
15 コントローラー
15a CPU
15b メモリ
15c A/Dコンバーター
15d バッテリーバックアップ・メモリ
16 イグニッションスイッチ
17 デフォッガースイッチ
18 ランプスイッチ
19 ブレーキスイッチ
20 車速センサー
21 アクセルセンサー
22 ブレーキ液圧センサー
23 シフトセンサー
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のバッテリーを制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バッテリーの温度を検出するために温度センサーを設け、バッテリー温度に応じてバッテリーの充放電を管理するようにした自動車の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特開2001−268715号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自動車の制御装置では、バッテリー温度を検出するために温度センサーを設置しているのでコストがかかるという問題がある。
【0005】
本発明は、温度センサーを用いずにバッテリーの充放電を管理する自動車のバッテリー制御装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バッテリー温度推定値とイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温とを、イグニッションオフ時にも記憶内容を保持する記憶手段に記憶しておき、イグニッションオン直後に、記憶手段に記憶されているイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温と、イグニッションオン直後に検出されたエンジン冷却水温とに基づいて、記憶手段に記憶されているバッテリー温度推定値を補正する、ものである。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、温度センサーを用いずにバッテリーの温度を検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明をハイブリッド車両に適用した一実施の形態を説明する。図1に一実施の形態の構成を示す。一実施の形態のハイブリッド車両はエンジン1とモータージェネレーター2を備えており、両者はプーリー&ベルト3により連結されている。エンジン1の駆動力は自動変速機であるトランスミッション4とファイナルドライブ5を介して駆動輪6に伝達され、車両を走行させる。一方、モータージェネレーター2は、エンジン1の始動を行うとともに、エンジン1をアシストして車両の走行駆動と回生制動を行う。なお、モータージェネレーター2は交流機である。
【0009】
インバーター7は、バッテリー8の直流電力を交流電力に変換してモータージェネレーター2へ供給するとともに、モータージェネレーター2の交流発電電力を直流電力に変換してバッテリー8を充電する。この一実施の形態ではバッテリー8に定格電圧14Vのバッテリーを用いた例を示す。
【0010】
バッテリー8はバッテリーファン9、デフォッガー10、ラジエーターファン11、ランプ類12などの車載補機へ電力を供給する。バッテリーファン9はバッテリー8へ送風して冷却し、デフォッガー10はリヤウインドウの曇りを除去する。また、ラジエーターファン11はラジエーター(不図示)へ送風してエンジン冷却水の冷却を行う。ランプ類12にはヘッドランプ、フォグランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、テールランプなどが含まれる。
【0011】
水温センサー1aはエンジン1の冷却水温度Tw[℃]を検出する。また、電圧センサー13はバッテリー8の電圧Vb[V]を検出し、電流センサー14はバッテリー8の充放電電流Ib[A]を検出する。この一実施の形態では、バッテリー8からインバーター7または車載補機9〜12へ流れる放電電流Ibを正とし、インバーター7からバッテリー8へ流れる充電電流Ibを負とする。
【0012】
コントローラー15はCPU15a、メモリ15b、A/Dコンバーター15c、バッテリーバックアップ・メモリ15dなどを備え、エンジン1の燃料噴射量と点火時期を調節して回転速度とトルクを制御するとともに、インバーター7によりモータージェネレーター2へ供給する電圧と電流を調節してその回転速度とトルクを制御する。コントローラー15はまた、後述する制御プログラムを実行してバッテリー8の温度と充放電を管理するとともに、車載補機9〜12の作動を制御する。なお、メモリ15dは専用のバッテリー(不図示)によりバックアップされるメモリであり、イグニッションオフ時にコントローラー15への制御電源の供給が停止されても記憶内容を保持し続ける。
【0013】
イグニッションスイッチ16は、車両のイグニッションキーがONまたはSTART位置に設定されるとオン(閉路)する。デフォッガースイッチ17はデフォッガー10を作動させるための操作部材、ランプスイッチ18はランプ類12を点消灯するための操作部材である。また、ブレーキスイッチ19はブレーキペダル(不図示)が踏み込まれるとオン(閉路)するスイッチである。
【0014】
車速センサー20は車両の走行速度Vsp[km/h]を検出し、アクセルセンサー21はアクセルペダル(不図示)の踏み込み量[θa]を検出する。ブレーキ液圧センサー22は、ブレーキペダルの踏み込み圧に比例したブレーキ液圧Pbを検出する。また、シフトセンサー23は自動変速機シフトレバー(不図示)の設定位置(P、R、N、D、2、1)を検出する。
【0015】
図2〜図6はバッテリー制御プログラムを示すフローチャートである。これらのフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。図2はバッテリー制御メインプログラムを示すフローチャートである。コントローラー15のCPU15aは、イグニッションスイッチ16がオンするとこのメインプログラムを繰り返し実行する。
【0016】
ステップ1において、水温センサー1aによりエンジン冷却水温Twを検出し、メモリ15bに記憶する。ステップ2で、バッテリーバックアップ・メモリ15dにバッテリー温度推定値Tbが記憶されているか否かを確認する。車両の製造工場において始めてコントローラー15に制御電源を供給したとき、あるいは整備工場においてコントローラー15がリセットまたは交換されたときは、バッテリーバックアップ・メモリ15dにバッテリー温度推定値Tbは記憶されていない。
【0017】
バッテリー温度推定値Tbが記憶されているときはステップ3へ進み、図3に示すサブルーチンを実行してイグニッションオフ中のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。この補正処理については後述する。一方、バッテリー温度推定値Tbが記憶されていないときはステップ4へ進み、メモリ15bからエンジン冷却水温Twを読み出し、バッテリー温度推定値Tbの初期値とする。
【0018】
バッテリー温度推定値Tbのイグニッションオフ中の補正または初期化が完了したらステップ5で走行を許可し、続くステップ6で走行のためのエンジン1とモータージェネレーター2の制御を開始する。具体的には、車速Vsp、アクセルペダル踏み込み量θa、バッテリーSOCなどに基づいてエンジン1とモータージェネレーター2の回転速度やトルクなどの指令値を演算し、それらに基づいてエンジン1とモータージェネレーター2を制御する。
【0019】
ステップ7において、図4に示すサブルーチンを実行してイグニッションオン中のバッテリー温度Tbを推定する。この推定処理については後述する。バッテリー温度推定値Tbを求めた後、ステップ8で図5に示すサブルーチンを実行してバッテリー温度推定値Tbによる車両のアイドルストップ制御とバッテリー8の充放電制御を行う。これらの制御については後述する。次に、ステップ9で図6に示すサブルーチンを実行し、イグニッションオン中のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。この補正処理についても後述する。
【0020】
ステップ10において、イグニッションスイッチ16がオフされたか否かを確認し、オンされたままであればステップ7へ戻って上述した処理を繰り返し、オフされたらステップ11へ進む。ステップ11では、上述した処理により求めたバッテリー温度推定値Tb、水温センサー1aにより検出した現在のエンジン冷却水温Tw、およびイグニッションオフ前のバッテリーファン9の作動状況をバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶し、処理を終了する。ここで、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されたバッテリー温度推定値Tbとエンジン冷却水温Twは、イグニッションオフ直後の値である。
【0021】
図3は、イグニッションオフ中のバッテリー温度推定値Tbの補正処理を示すフローチャートである。ステップ21において、バッテリーバックアップ・メモリ15dからイグニッションオフ直後のバッテリー温度推定値Tbを読み出し、Tb_offとする。続くステップ22で、バッテリーバックアップ・メモリ15dからイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Twを読み出し、Tw_offとする。これらのバッテリー温度推定値Tbとエンジン冷却水温Twは、図2に示すメイン制御プログラムのステップ11で記憶したものである。
【0022】
さらにステップ23では、メモリ15bからイグニッションオン直後のエンジン冷却水温Twを読み出し、Tw_onとする。このエンジン冷却水温Twは図2に示すメイン制御プログラムのステップ1で記憶したものである。
【0023】
ステップ24において、イグニッションオン直後のエンジン冷却水温Tw_onとイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Tw_offとを比較する。Tw_on≦Tw_offの場合は、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが低下したと判断してステップ25へ進み、次式によりエンジン冷却水温低下時のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。
【数1】
Tb=Tb_off−(Tw_off−Tw_on)・Kdown
数式1において、Kdownは、エンジン冷却水温Twの低下率からバッテリー温度推定値Tbの低下率へ変換するための係数であり、予め実車を用いた実験などにより決定し、メモリ15bの中のEEPROM領域へ記憶しておく。
【0024】
一方、Tw_on>Tw_offの場合は、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが上昇したと判断してステップ26へ進む。エンジン1を停止するまでラジエーターファン11を作動させてラジエーターのエンジン冷却水を冷却していた場合、イグニッションオフ後にエンジン冷却水温Twは上昇する。しかし、しばらくするとエンジン冷却水温Twは低下する。したがって、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが上昇したということは、イグニッションオフ期間がごく短時間であるといえる。
【0025】
ステップ26において、バッテリーバックアップ・メモリ15dからイグニッションオフ直前のバッテリーファン9の作動状況を読み出し、作動していたらステップ27へ進み、作動していなければステップ28へ進む。イグニッションオフ直前にバッテリーファン9が作動していた場合には、エンジン冷却水温Twの上昇と同様にバッテリー温度も上昇していると考えられるから、次式によりエンジン冷却水温Twの上昇時、かつイグニッションオフ直前にバッテリーファン9が作動していた場合のバッテリー温度推定値Tbの補正を行う。
【数2】
Tb=Tb_off+(Tw_on−Tw_off)・Kup
数式2において、Kupは、エンジン冷却水温Twの上昇率からバッテリー温度推定値Tbの上昇率へ変換するための係数であり、予め実車を用いた実験などにより決定し、メモリ15bの中のEEPROM領域に記憶しておく。
【0026】
一方、イグニッションオフ中にエンジン冷却水温Twが上昇していても、イグニッションオフ直前にバッテリーファン9が作動していなかった場合には、バッテリー温度の上昇はないと考えられ、しかも、上述したようにイグニッションオフ期間が短いと考えられるから、イグニッションオフ中にバッテリー温度は変化していないとする。そこで、ステップ28で、バッテリー温度推定値Tbにイグニッションオフ直後のバッテリー温度推定値Tb_offをそのまま用いる。
【数3】
Tb=Tb_off
【0027】
ステップ29において、補正後のバッテリー温度推定値Tbをバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶し、バッテリー温度推定値Tbを更新して図2に示すメインプログラムへリターンする。
【0028】
図4は、イグニッションオン中のバッテリー温度の推定処理を示すフローチャートである。ステップ31においてバッテリー電流Ibが正か否か、つまりバッテリー8からインバーター7または車載補機9〜12への放電中か否かを判別する。バッテリー電流Ibが正で放電中のときはステップ32へ進み、車載補機9〜12が作動中か否かを判別する。
【0029】
車載機器9〜12のいずれかが作動中のときはステップ33へ進み、メモリ15bのEEPROM領域に記憶されているマップを参照し、補機駆動電流に対応するバッテリー温度上昇推定値を読み出す。このマップは予め実車実験により計測して設定したものである。続くステップ34で、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbを読み出し、補機駆動による温度上昇分を加算して補正する。
【0030】
補機駆動による補正処理後のステップ35において、メモリ15bのEEPROM領域に記憶されているマップを参照し、インバーター7への放電電流、すなわちモーター駆動電流に対応するバッテリー温度上昇推定値を読み出す。このマップは予め実車実験により計測して設定したものである。続くステップ36で、補機駆動による温度上昇分を補正した後のバッテリー温度推定値Tbにモーター駆動による温度上昇分を加算して補正する。
【0031】
ここで、補機駆動電流によるバッテリー8の温度上昇とモーター駆動電流によるバッテリー8の温度上昇とを別個に推定するのは、車載補機9〜12への放電電流には大きな変化が少なく定常的であるため、比較的容易にしかも正確に温度上昇を推定できるのに対し、モータージェネレーター2への放電電流は変化が大きく過渡的であるため、実効値が補機駆動電流と同一であっても温度上昇値が異なり、両者を分けてそれぞれマップ参照により温度上昇を推定する。
【0032】
なお、バッテリー8が放電中であっても、車載補機9〜12がすべて停止しているときは、ステップ33〜34をスキップしてステップ35へ進み、上述したようにモーター駆動による温度上昇分をマップ検索し、バッテリーバックアップメモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbに温度上昇分を加算して補正する。
【0033】
また、バッテリー電流Ibが負でバッテリー8が充電中の場合はステップ37へ進み、メモリ15bのEEPROM領域に記憶されているマップを参照し、充電電流に対応する温度上昇推定値を読み出す。このマップは予め実車実験により計測して設定したものである。続くステップ38で、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbを読み出し、バッテリー充電による温度上昇分を加算して補正する。
【0034】
ステップ39において、補正後のバッテリー温度推定値Tbをバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶し、バッテリー温度推定値Tbを更新して図2に示すメインプログラムへリターンする。
【0035】
図5は、バッテリー温度推定値Tbによる車両のアイドルストップ制御およびバッテリー8の充放電制御を示すフローチャートである。ステップ41において、図4に示すイグニッションオン中の推定処理で求められたバッテリー温度推定値Tbをバッテリーバックアップ・メモリ15dから読み出し、そのバッテリー温度推定値Tbがアイドルストップ許可温度以上か否かを判別する。このアイドルストップ許可温度は予め設定されてメモリ15bのEEPROM領域に記憶されている。バッテリー温度が低いとバッテリー8のSOCが低下するので、アイドルストップ後のエンジン再始動時にモータージェネレーター2へ十分な電力を供給できず、エンジン1を始動できなくなる。そのため、バッテリー温度推定値Tbが予め定めたアイドルストップ許可温度より低い場合はアイドルストップを許可しない。
【0036】
バッテリー温度推定値Tbがアイドルストップ許可温度より低い場合はステップ44へ進み、アイドルストップを禁止する。一方、バッテリー温度推定値Tbがアイドルストップ許可温度以上の場合はステップ42へ進み、アイドルストップ条件が成立しているか否かを判別する。ブレーキスイッチ19によりブレーキペダルの踏み込みが確認され、車速Vspが0で、シフトセンサー23によりシフトレバーがD(ドライブ)位置に設定されている場合には、アイドルストップ条件が成立しているとし、ステップ43へ進んでアイドルストップを行う。一方、アイドルストップ条件が成立していない場合はステップ44へ進み、アイドルストップを禁止する。
【0037】
次に、ステップ45において、バッテリー8の入出力可能パワーを演算する。具体的には、電圧センサー13と電流センサー14により複数時点のバッテリー電圧Vbと充放電電流Ibをサンプリングし、サンプリングデータを図7に示すようにVb−Ibの2次元平面上にプロットして直線回帰する。回帰直線と放電終止電圧Vb_minとの交点の電流を最大放電電流Ib_dとし、回帰直線と最大充電電圧Vb_maxとの交点の電流を最大充電電流Ib_cとしたとき、入力可能パワーPinと出力可能パワーPoutを次式により求める。
【数4】
Pin=Vb_max・Ib_c,
Pout=Vb_min・Ib_d
【0038】
ステップ46で、算出した入出力可能パワーPin、Poutをバッテリー温度推定値Tbを用いて補正する。この補正方法は予め実験などにより決定しておく。続くステップ47で、アクセルペダル踏み込み量θa、車速Vsp、ブレーキ液圧Pbに基づいて、モータージェネレーター2の要求トルクTmを演算する。ステップ48で、モータージェネレーター2の要求トルクTmをバッテリー8の入出力可能パワーPin、Poutで満たせない場合は、入出力可能パワーPin、Poutに応じて要求トルクTmを制限する。ステップ49では、最終的に決定したモータージェネレーター2の要求トルクTmにしたがってインバーター7を制御し、モータージェネレーター2のトルク制御を行う。
【0039】
ステップ50において、バッテリー温度推定値Tbがバッテリーファン9により冷却が必要な温度以上か否かを判別する。冷却要求温度は予め実験などにより決定し、メモリ15bのEEPROM領域に記憶しておく。バッテリー温度推定値Tbが冷却要求温度以上の場合はステップ51へ進み、バッテリーファン9を作動させてバッテリー8を冷却する。これにより、バッテリー8を適切な温度に維持することができる。一方、バッテリー温度推定値Tbが冷却要求温度未満の場合はステップ52へ進み、バッテリーファン9を停止させる。その後、図2に示すメイン制御プログラムへリターンする。
【0040】
図6は、イグニッションオン中のバッテリー温度推定値Tbの補正処理を示すフローチャートである。ステップ61において、モータージェネレーター2の力行トルクがバッテリー8の出力可能パワーPout(数式4参照)まで要求されているか否かを判別する。要求力行トルクが出力可能パワーPoutに達しているときはステップ62へ進み、モータージェネレーター2の実際の出力がバッテリー8の出力可能パワーPoutより小さいか否かを判別する。
【0041】
ここで、モータージェネレーター2の実際の出力は次の手順で求める。電流センサー(不図示)によりモータージェネレーター2の電流を検出するとともに、車速センサー20により車速Vspを検出し、シフトセンサー23により自動変速機のシフト位置を検出する。次に、回転センサー(不図示)によりモータージェネレーター2の回転位置を検出し、モータージェネレーター2の回転位置に基づいてモータージェネレーター電流をdq軸座標系のd軸電流Idとq軸電流Iqに変換し、これらのdq軸電流Id、Iqによりモータージェネレーター2の実際のトルクを演算する。そして、モータージェネレーター2のトルクとバッテリー8の出力パワーとの関係をマッピングしたデータを検索して、モータージェネレーター2の実トルクに対応する出力パワーを表引き演算する。この出力パワーがモータージェネレーター2の実出力である。
【0042】
モータージェネレーター2の実際の出力がバッテリー8の出力可能パワーPoutより小さいときは、ステップ63へ進む。ステップ63では、バッテリー8の出力可能パワーPoutからモータージェネレーター2の実出力を減じた出力差Pout_ofsを求める。続くステップ64で、出力可能パワーPoutと実出力との出力差Pout_ofsに基づいて次式によりバッテリー温度推定値Tbを補正する。
【数5】
Tb=Tb(old)−Pout_ofs・Kout
数式5において、Koutは出力差Pout_ofsを温度差に変換する係数、Tb(old)はバッテリーバックアップ・メモリ15dから読み出した補正前のバッテリー温度推定値である。
【0043】
一方、ステップ62でモータージェネレーター2の実出力が出力可能パワーPoutに達しているときは、バッテリー温度推定値Tbを補正する必要はないので、処理を終了して図2のメインプログラムへリターンする。
【0044】
ステップ61において、モータージェネレーター2に対する要求力行トルクがバッテリー8の出力可能パワーPoutに達していないと判別されたときはステップ65へ進む。ステップ65では、モータージェネレーター2の発電トルク(回生トルク)がバッテリー8の入力可能パワーPinまで要求されているか否かを判別する。要求発電トルクが入力可能パワーPinに達しているときはステップ66へ進み、モータージェネレーター2の実際の入力がバッテリー8の入力可能パワーPinより小さいか否かを判別する。なお、モータージェネレーター2の実入力は上述した実出力と同様な手順で算出する。
【0045】
モータージェネレーター2の実際の入力がバッテリー8の入力可能パワーPinより小さいときは、ステップ67へ進む。ステップ67では、バッテリー8の入力可能パワーPinからモータージェネレーター2の実入力を減じた入力差Pin_ofsを求める。続くステップ68で、入力可能パワーPinと実入力との入力差Pin_ofsに基づいて次式によりバッテリー温度推定値Tbを補正する。
【数6】
Tb=Tb(old)−Pin_ofs・Kin
数式6において、Kinは入力差Pin_ofsを温度差に変換する係数、Tb(old)はバッテリーバックアップ・メモリ15dから読み出した補正前のバッテリー温度推定値である。
【0046】
一方、ステップ66でモータージェネレーター2の実入力が入力可能パワーPinに達しているときは、バッテリー温度推定値Tbを補正する必要はないので、処理を終了して図2のメインプログラムへリターンする。
【0047】
このように一実施の形態によれば、バッテリー温度推定値Tbとイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Tw_offとを、イグニッションオフ時にも記憶内容を保持するバッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶しておき、イグニッションオン直後に、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温Tw_offと、イグニッションオン直後に検出されたエンジン冷却水温Tw_onとに基づいて、バッテリーバックアップ・メモリ15dに記憶されているバッテリー温度推定値Tbを補正するようにしたので、バッテリー温度を検出するセンサーを設置せずに、バッテリー8の温度を正確に推定することができ、そのバッテリー温度推定値Tbによりバッテリー8の充放電を管理することができる。
【0048】
また、上述した一実施の形態では、バッテリー温度推定値がバッテリーバックアップ・メモリ15bに記憶されていない場合は、エンジン冷却水温をバッテリー温度推定値Tbの初期値に設定するようにした。車両の製造工場において始めてコントローラー15に制御電源を供給したとき、あるいは整備工場においてコントローラー15がリセットまたは交換されたときは、バッテリーバックアップ・メモリ15dにバッテリー温度推定値Tbは記憶されていない。この一実施の形態によれば、簡単かつ確実な方法でバッテリー温度推定値Tbの初期値を設定することができる。
【0049】
一実施の形態によれば、バッテリーに流れる電流をインバーター7を介してモータージェネレーター2に流れる電流と車載補機9〜12へ流れる電流とに分離し、それぞれのバッテリー電流に応じたバッテリーの温度上昇値を推定し、モータージェネレーター2へ流れる電流による温度上昇値と車載補機9〜12へ流れる電流による温度上昇値とを、バッテリー温度推定値Tbに加算して補正するようにした。車載補機9〜12への放電電流には大きな変化が少なく定常的であるため、比較的容易にしかも正確に温度上昇を推定できるのに対し、モータージェネレーター2への放電電流は変化が大きく過渡的であるため、実効値が補機駆動電流と同一であっても温度上昇値が異なり、両者を分けてそれぞれ温度上昇を推定することによって、正確なイグニッションオン中のバッテリー温度上昇値を推定でき、正確なバッテリー温度推定値Tbを得ることができる。
【0050】
一実施の形態によれば、バッテリー電流Ib、バッテリー電圧Vbと、バッテリー8の放電終止電圧Vb_min、および最大充電電圧Vb_maxに基づいてバッテリー8の入出力可能なパワー(電力)Pin、Poutを演算し、バッテリー温度推定値Tbに基づいてバッテリーの入力可能電力Pin、Poutを補正するようにした。バッテリーは一般に温度に応じて入出力可能な電力が大きく変化するが、この一実施の形態によればバッテリー温度に応じた正確な入力可能電力が得られる。また、バッテリー温度推定値に応じて補正したバッテリーの入力可能電力Pin、Poutによりモータージェネレーター2のトルクを制限するようにしたので、バッテリー8の過放電および過充電を防止することができる。
【0051】
さらに、一実施の形態によれば、モータージェネレーターの実際の出力電力を演算し、バッテリー温度推定値Tbにより補正後のバッテリー8の入出力可能パワー(電力)Pin、Poutとモータージェネレーター2の実際の出力電力との差に基づいてバッテリー温度推定値Tbを補正するようにしたので、さらに正確なバッテリー温度推定値Tbが得られる。
【0052】
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、バッテリーバックアップ・メモリ15dが記憶手段を、水温センサー1aが水温検出手段を、コントローラー15が温度補正手段、初期値設定手段、温度上昇推定手段、電力演算手段、電力補正手段、トルク制限手段、出力演算手段およびアイドルストップ禁止手段を、電流センサー14が電流検出手段を、電圧センサー13が電圧検出手段を、バッテリーファン9がバッテリー冷却手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【0053】
上述した一実施の形態では、本願発明をハイブリッド車両のバッテリー制御装置に適用した例を示したが、本願発明はハイブリッド車両に限定されず、エンジンのみにより走行するエンジン車両やモーターのみにより走行する電気自動車などのあらゆる自動車に適用することができる。
【0054】
上述した一実施の形態ではモータージェネレーター2に交流機を用いる例を示したが、モータージェネレーター2に直流機を用いてもよい。また、上述した一実施の形態ではイグニッションオフ時にも記憶内容を保持する記憶手段としてバッテリーバックアップ・メモリ15dを用いた例を示したが、EEPROMなどの不揮発性メモリを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】一実施の形態のバッテリー制御メインプログラムを示すフローチャートである。
【図3】イグニッションオフ中のバッテリー温度推定値の補正処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】イグニッションオン中のバッテリー温度の推定処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】アイドルストップ制御および充放電制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】イグニッションオン中のバッテリー温度推定値の補正処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】バッテリーの入力可能パワーの算出方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 モータージェネレーター
3 プーリー&ベルト
4 トランスミッション
5 ファイナルドライブ
6 駆動輪
7 インバーター
8 バッテリー
9 バッテリーファン
10 デフォッガー
11 ラジエーターファン
12 ランプ類
13 電圧センサー
14 電流センサー
15 コントローラー
15a CPU
15b メモリ
15c A/Dコンバーター
15d バッテリーバックアップ・メモリ
16 イグニッションスイッチ
17 デフォッガースイッチ
18 ランプスイッチ
19 ブレーキスイッチ
20 車速センサー
21 アクセルセンサー
22 ブレーキ液圧センサー
23 シフトセンサー
Claims (9)
- 車両の走行駆動源として少なくともエンジンを備えた自動車のバッテリー制御装置であって、
前記エンジンの冷却水温度を検出する水温検出手段と、
イグニッションオフ時にも記憶内容を保持する記憶手段であって、バッテリー温度推定値とイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温とを記憶する記憶手段と、
イグニッションオン直後に、前記記憶手段に記憶されているイグニッションオフ直後のエンジン冷却水温と、イグニッションオン直後に検出されたエンジン冷却水温とに基づいて、前記記憶手段に記憶されているバッテリー温度推定値を補正する温度補正手段とを備えることを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項1に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記バッテリー温度推定値が前記記憶手段に記憶されていない場合は、前記水温検出手段により検出したエンジン冷却水温を前記バッテリー温度推定値の初期値に設定する初期値設定手段を備えることを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記バッテリーに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出したバッテリー電流に応じた前記バッテリーの温度上昇値を推定する温度上昇推定手段とを備え、
前記温度補正手段は、前記温度上昇推定手段により推定したバッテリー温度上昇値を前記バッテリー温度推定値に加算して補正することを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記エンジンに連結されて走行駆動力を発生するとともに発電を行うモータージェネレーターと、
前記バッテリーに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段により検出したバッテリー電流を前記モータージェネレーターに流れる電流と車載補機へ流れる電流とに分離し、それぞれのバッテリー電流に応じた前記バッテリーの温度上昇値を推定する温度上昇推定手段とを備え、
前記温度補正手段は、前記温度上昇推定手段により推定した前記モータージェネレーターへ流れる電流による温度上昇値と前記車載補機へ流れる電流による温度上昇値とを、前記バッテリー温度推定値に加算して補正することを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項4に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記バッテリーの電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電流検出手段により検出したバッテリー電流と、前記電圧検出手段により検出したバッテリー電圧と、前記バッテリーの放電終止電圧と、前記バッテリーの最大充電電圧とに基づいて、前記バッテリーの入出力可能な電力を演算する電力演算手段と、
前記バッテリー温度推定値に基づいて前記バッテリーの入力可能電力を補正する電力補正手段とを備えることを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項5に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記バッテリーの入出力可能電力により前記モータージェネレーターのトルクを制限するトルク制限手段を備えることを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項5または請求項6に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記モータージェネレーターの実際の出力電力を演算する出力演算手段を備え、
前記温度補正手段は、前記電力補正手段による補正後の入出力可能電力と前記出力演算手段により演算された実際の出力電力との差に基づいて前記バッテリー温度推定値を補正することを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項1〜7に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記バッテリー温度推定値が予め定めたアイドルストップ許可温度より低い場合に、前記エンジンのアイドルストップを禁止するアイドルストップ禁止手段を備えることを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。 - 請求項1〜7に記載の自動車のバッテリー制御装置において、
前記バッテリー温度推定値が予め定めた冷却要求温度以上の場合に、前記バッテリーを冷却するバッテリー冷却手段を備えることを特徴とする自動車のバッテリー制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003120631A JP3870928B2 (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 自動車のバッテリー制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003120631A JP3870928B2 (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 自動車のバッテリー制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004328905A true JP2004328905A (ja) | 2004-11-18 |
JP3870928B2 JP3870928B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=33499475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003120631A Expired - Fee Related JP3870928B2 (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 自動車のバッテリー制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3870928B2 (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008133247A1 (ja) * | 2007-04-24 | 2008-11-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 車両およびその制御方法 |
WO2008133248A1 (ja) * | 2007-04-24 | 2008-11-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 車両およびその制御方法 |
JP2010285092A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Nissan Motor Co Ltd | ハイブリッド車両用起動判断装置 |
JP2011007117A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Daihatsu Motor Co Ltd | アイドルストップ制御装置 |
JP2011026993A (ja) * | 2009-07-23 | 2011-02-10 | Nippon Soken Inc | 内燃機関の自動停止始動装置 |
JP2012192811A (ja) * | 2011-03-16 | 2012-10-11 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 二次電池温度推定装置および二次電池温度推定方法 |
JP2015015809A (ja) * | 2013-07-04 | 2015-01-22 | 日産自動車株式会社 | モータ制御システム |
JP2015116967A (ja) * | 2013-12-19 | 2015-06-25 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
JP2018058443A (ja) * | 2016-10-04 | 2018-04-12 | 株式会社デンソー | 自動運転制御装置 |
JP2018156808A (ja) * | 2017-03-17 | 2018-10-04 | ダイハツ工業株式会社 | バッテリ液温計測装置 |
JP2020082814A (ja) * | 2018-11-16 | 2020-06-04 | トヨタ自動車株式会社 | 電力変換装置 |
-
2003
- 2003-04-24 JP JP2003120631A patent/JP3870928B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8229612B2 (en) | 2007-04-24 | 2012-07-24 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle and control method thereof |
WO2008133248A1 (ja) * | 2007-04-24 | 2008-11-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 車両およびその制御方法 |
WO2008133247A1 (ja) * | 2007-04-24 | 2008-11-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 車両およびその制御方法 |
US8249769B2 (en) | 2007-04-24 | 2012-08-21 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle and control method thereof |
JP2010285092A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Nissan Motor Co Ltd | ハイブリッド車両用起動判断装置 |
JP2011007117A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Daihatsu Motor Co Ltd | アイドルストップ制御装置 |
JP2011026993A (ja) * | 2009-07-23 | 2011-02-10 | Nippon Soken Inc | 内燃機関の自動停止始動装置 |
JP2012192811A (ja) * | 2011-03-16 | 2012-10-11 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 二次電池温度推定装置および二次電池温度推定方法 |
JP2015015809A (ja) * | 2013-07-04 | 2015-01-22 | 日産自動車株式会社 | モータ制御システム |
JP2015116967A (ja) * | 2013-12-19 | 2015-06-25 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
JP2018058443A (ja) * | 2016-10-04 | 2018-04-12 | 株式会社デンソー | 自動運転制御装置 |
JP2018156808A (ja) * | 2017-03-17 | 2018-10-04 | ダイハツ工業株式会社 | バッテリ液温計測装置 |
JP2020082814A (ja) * | 2018-11-16 | 2020-06-04 | トヨタ自動車株式会社 | 電力変換装置 |
JP7014134B2 (ja) | 2018-11-16 | 2022-02-01 | トヨタ自動車株式会社 | 電力変換装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3870928B2 (ja) | 2007-01-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8198836B2 (en) | Hybrid vehicle and method of controlling hybrid vehicle | |
US10054097B2 (en) | Vehicular control apparatus | |
US8631894B2 (en) | Electric vehicle, and control apparatus and control method for electric vehicle | |
US10737681B2 (en) | Drive unit, vehicle, and control method for drive unit | |
US20150046007A1 (en) | Electric power generation control system for hybrid automobile | |
KR101836250B1 (ko) | 구동 모터를 구비한 차량의 dc 컨버터의 출력 전압을 제어하는 방법 및 장치 | |
US10239517B2 (en) | Controller of hybrid vehicle | |
KR101703589B1 (ko) | 하이브리드 차량의 모드 전환 제어 장치 및 방법 | |
JP6548699B2 (ja) | 電源システム | |
US20210402976A1 (en) | Method of Controlling Generator for Vehicle | |
CN106256631B (zh) | 用于控制混合电动车辆转矩降低的装置和方法 | |
KR20150075628A (ko) | 하이브리드 차량의 전부하 모드 제어 장치 및 방법 | |
JP3870928B2 (ja) | 自動車のバッテリー制御装置 | |
JP2002235597A (ja) | クランクシャフト速度を用いたエンジン動作検出 | |
JP2002238181A (ja) | 車載バッテリの充電状態検出装置 | |
CN105936265B (zh) | 用于生成扭矩命令的方法和装置 | |
JP3178139B2 (ja) | 電気自動車用制御装置 | |
JP7454469B2 (ja) | 車両の電源システム | |
KR20220017052A (ko) | 하이브리드 차량의 속도 검출 장치 및 그 방법 | |
KR20210152209A (ko) | 하이브리드 차량의 제어 장치 및 방법 | |
JP2004222475A (ja) | 車両用電源制御装置 | |
JP4072913B2 (ja) | 車両のバッテリ管理装置 | |
US9688266B2 (en) | Torque-generating system and method with improved power domain-based control at zero speed | |
JP3791425B2 (ja) | 電池の満充電容量計測装置、計測方法、その計測装置を搭載した車両の制御装置および制御方法 | |
JP2004229479A (ja) | 車両用電源制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060926 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061009 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |