JP2004328484A - 監視システム及び監視端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】監視領域内に複数の侵入者があっても、夫々に対して監視体制を整えることができるようにする。
【解決手段】監視を行なう監視端末1a〜1dは、相互間の相対距離を算出し、予め定められた距離範囲に収まるようにしながら移動する。侵入者5が現れると、この侵入者5を発見した監視端末1cがその追尾を行ない、他の監視端末1a,1bが、追尾を行なう監視端末1cと一定の距離を保つようにして移動する。これにより、監視領域内に満遍なく監視端末が配置されることになり、同時に複数の侵入者があっても、そのいずれかがこれを発見して追尾することが可能となる。。監視端末1a〜1dは、直接もしくは他の監視端末を介して、基地局2にカメラで撮影した映像信号を送信する。
【選択図】 図3
【解決手段】監視を行なう監視端末1a〜1dは、相互間の相対距離を算出し、予め定められた距離範囲に収まるようにしながら移動する。侵入者5が現れると、この侵入者5を発見した監視端末1cがその追尾を行ない、他の監視端末1a,1bが、追尾を行なう監視端末1cと一定の距離を保つようにして移動する。これにより、監視領域内に満遍なく監視端末が配置されることになり、同時に複数の侵入者があっても、そのいずれかがこれを発見して追尾することが可能となる。。監視端末1a〜1dは、直接もしくは他の監視端末を介して、基地局2にカメラで撮影した映像信号を送信する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視領域をカメラを備えた端末(監視端末)を用いて監視する監視システムとその監視端末に係り、監視端末の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、監視領域をカメラシステムを用いて監視し、この監視対象領域での侵入者を追尾するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる特許文献1に記載の監視システムは、監視対象領域を含む広い範囲を撮影して侵入者を検出する第1のカメラを備えた第1の侵入物体監視装置と、監視対象領域への侵入者を追尾する第2のカメラを備えた第2の侵入物体監視装置とから構成されている。第1のカメラは、侵入者を検出すると、その侵入者の情報を第2のカメラに送信し、第2のカメラが、第1のカメラからの侵入者の情報を基に、侵入者を検出してその追尾を行なうものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−319279号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載の監視カメラシステムは、第1のカメラの撮影範囲からのみ侵入者を検出でき、状況に応じて侵入者検出の範囲を変更することができない。また、追尾を行なう第2のカメラも、予め設置された位置からしか撮影できず、侵入者に接近して追尾することができない。
【0006】
そこで、第1,第2のカメラを移動可能に第1,第2の侵入物体監視装置を構成することにより、上記の問題は解決するが、このように移動可能とすることにより、次のような問題が発生する。
【0007】
即ち、移動可能な第1のカメラが侵入者を発見すると、第1のカメラ側から第2のカメラ側にこれが通知されるが、第1,第2のカメラともに、これらが移動可能であるが故に、この侵入者を追尾してしまう。このため、他の侵入者がこの監視領域内に侵入した場合には、その発見が遅れてしまう問題である。また、侵入者は、かかる移動可能なカメラが監視に用いられていることがわかる場合には、おとりの物体を最初にこの監視領域内に侵入させ、各カメラがこのおとりの物体を追尾している間に監視領域内に侵入することが容易に想像できる。
【0008】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、監視領域内に複数の侵入者があっても、夫々に対して監視体制を整えることができるようにした監視システム及び監視端末を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基地局と監視端末とからなる監視システムであって、基地局は無線通信手段を備え、監視端末は、無線通信手段とカメラ部と監視領域を移動するための移動手段とを備え、基地局の位置は絶対座標で表わされ、監視端末は、無線通信によって基地局との相対距離を測定し、測定された相対距離と基地局の絶対座標とから自身の絶対座標を算出するものである。
【0010】
監視端末は、カメラ部で撮影した映像を基地局に送信する。
【0011】
また、監視端末は、通信手段で監視対象物に電磁波を発することによって監視対象物までの相対距離を算出し、監視対象物を、一定距離を保ちながら、追尾する。
【0012】
また、監視端末は、撮影した映像を記録する記録媒体を備え、記録媒体に記録された映像を基地局に送信する。
【0013】
また、本発明は、複数の監視端末を備え、監視端末は夫々、少なくとも他の監視端末と通信を行なって、通信を行なう他の監視端末との間で所定範囲内の距離を保ちながら、移動するものである。
【0014】
また、基地局との通信が不可能な監視端末は、位置が絶対座標で表わされる通信可能な他の監視端末と通信を行なって相対距離を測定し、他の監視端末の絶対座標と測定して得られる相対距離とから自身の絶対座標を算出する。
【0015】
また、本発明は、複数の監視端末を備え、監視対象物を発見した第1の監視端末が、監視対象物を追尾しながら、撮影した映像を記録媒体に記録し、第1の監視端末以外の第1の監視端末と通信可能な監視端末が、第1の監視端末と通信可能な状態を保ちながら、第1の監視端末とともに移動し、監視対象物を追尾するものである。
【0016】
また、第1の監視端末は、記録媒体に予め決められた量の映像が記録されると、基地局まで移動して、有線により、記録媒体に記録されている映像を基地局に送信し、第1の監視端末が基地局に移動するとともに、第1の監視端末とともに監視対象を追尾する他の監視端末の1つが第1の監視対象に代わるものである。
【0017】
また、監視対象物を追尾する複数の監視端末のいずれかの第2の監視端末が通信不能となったとき、監視対象物を追尾する複数の監視端末以外の第2の監視端末と通信可能な他の監視端末が、第2の監視端末に代わって、監視対象物を追尾する状態に設定される。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明は、監視領域内を移動して監視対象物を発見し、追尾する監視システムの監視端末であって、カメラ部と、カメラ部から出力された所定の処理がなされた映像信号を記録する記録再生手段と、この記録再生手段で記録される前の映像信号や記録再生手段から再生された映像信号を無線送信する送信部と、記録再生手段から再生された映像信号を有線送信するためのコネクタとを備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0020】
図1は本発明による監視システムの第1の実施例を示す説明図であって、1a,1b,1cは移動可能な監視端末、2は基地局、3は有線伝送路である。
【0021】
同図において、監視端末1a,1b,1cは夫々、カメラを備えているとともに、通信手段を備え、これら相互間及び基地局2との間で通信が可能に構成されている。なお、監視端末1a,1b,1cのいずれかを言う場合には、監視端末1という。通信方法の例として、IEEE802.11xやウルトラワイドバンド(UWB)を用いた無線通信が用いられ、また、かかる通信方法を利用することにより、相互の距離や基地局2との間の距離を測定する手段も備えている。監視端末1a,1b,1cに搭載されているカメラはパンやチルト,ズーム機能を有している。監視端末1a,1b,1cでは、かかるカメラで撮影された映像が上記の無線通信路を介して他の監視端末や基地局2に送信でき、基地局2は、受信した映像を有線路3を通じてネットワークに配信する。
【0022】
各監視端末1a,1b,1cは監視領域内を自由に移動するが、近くに存在する2つの監視端末1は、その間の相対距離を測定し、相互に予め定められた相対距離範囲に収まるように移動し合う。基地局2の位置は絶対座標で表わされる。基地局2は、監視端末1との相対距離を測定するために通信をする際、この絶対座標値も送信する。基地局2と通信する監視端末1は、受信した基地局2の絶対座標値とこの基地局2まで相対距離との和から、現在の絶対座標位置を算出する。この算出に当たっては、通信を行なっている2つの監視端末1もしくは基地局2と三角測量の要領で測定を行ない、位置の測定精度を高める。
【0023】
例えば、監視端末1cが基地局2から離れて直接基地局2と通信が行なえないものとすると、この監視端末1cはその近くの監視端末1aや監視端末1bと通信を行ない、そこまでの相対距離を測定する。即ち、通信を行なった監視端末1aや監視端末1bの絶対座標と測定したその端末までの相対距離から監視端末1cの絶対座標値を算出する。そして、この監視端末1cはそのカメラで撮影した映像及び絶対座標値を、相対距離を測定した監視端末1aと監視端末1bのいずれか、もしくは両方に送信する。監視端末1aや監視端末1bは、監視端末1cから映像及び絶対座標値を受信すると、これを基地局2に転送する。
【0024】
なお、ここでは、基地局2は監視端末1が撮影した映像及び絶対座標値を受信すると、これらを有線伝送路3を通じて配信するものとしたが、基地局2が記録媒体を内蔵し、これに受信した映像や絶対座標値を記録するするようにしてもよい。このように、基地局2が映像を記録媒体に記録するようにすることにより、有線伝送路3の設置が困難な場所にも、基地局を設置して監視システムを構築することが可能になる。
【0025】
また、ここでは、説明の都合上、基地局2は監視システム内に1つ設置するものとしたが、複数の基地局を設けるようにしてもよい。これにより、基地局と直接通信できる監視端末が増え、1つの監視端末が撮影した映像を転送することによって基地局との通信ができなくなる監視端末の個数を削減できる。
【0026】
さらに、互いに近くにある2つの監視端末1間で通信を行なうものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、監視端末の性能に応じて通信する監視端末の数を増やしてもよい。これにより、監視端末が監視領域内に偏在する確率を減らすことができる。
【0027】
さらにまた、基地局2の位置のみが絶対座標で表わされ、各監視端末1は基地局からの相対距離からその絶対座標を得るようにしたが、絶対座標系を用いず、相対座標のみで監視システムを構成してもよい。
【0028】
さらにまた、各監視端末1が監視領域内を自由に移動するものとしたが、図2に示すように、夫々の監視端末1a,1b,1cが地面に設置された可動型アーム4に固定され、可動型アーム4の可動範囲に応じて監視領域を監視するような構成としてもよい。
【0029】
以上のように、この第1の実施例では、各監視端末1が予め定められた相対距離範囲に収まるように自律的に移動することにより、監視領域で均一に分散して監視の死角を少なくすることができ、また、各監視端末1の撮影範囲が重複することが少ない監視システムを構築することが可能になる。そして、監視領域に侵入者(不正に侵入して動物,移動体などの物体も含む。以下、同様)があると、この監視領域内を移動するいずれかの監視端末1のカメラがこれを撮影し、その映像を基地局2に送信するので、この侵入者を容易に見つけ出すことができる。
【0030】
図3〜図5は本発明による監視システムの第2の実施例を示す図であって、1dは監視端末、5は監視領域での監視対象物としての侵入者であり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
また、図6はこの第2の実施形態での監視端末1b〜1dと基地局2との動作を示すフローチャートである。
以下、図3〜図6を用いて、この第2の実施形態について説明する。
【0031】
図3及び図6において、監視端末1dも、監視端末1a〜1cと同様の構成を有する監視端末である。また、各監視端末1は撮影した画像から侵入者を検出する機能も備えており、その機能としては、例えば、所定時間間隔の映像を比較し、その差分から検出する方法もある。この場合、監視端末1が移動していても、その所定時間での移動量に応じて映像を補正することにより、精度良く差分を検出することができる。
【0032】
いま、監視端末1cが侵入者5を検出すると(ステップ101)、それを撮影した映像も基地局2に送信されるが(ステップ100,105)、この監視端末1cが基地局2から充分離れていて基地局2との通信ができない場合には、撮影した映像を他の基地局2との通信が可能な監視端末(この場合、監視端末1aや監視端末1b)を介して基地局2に送信し、これとともに、侵入者5の発見の通知を行なう(ステップ102)。
【0033】
なお、侵入者が検出されたときに撮影した映像は、それを検出しない通常時に送信する映像とは異なり、フレームレートやビットレートを高めて送信し、映像の品質を高めるようにしてもよい。これにより、侵入者を撮影した映像を鮮明にして監視システムの利用者に提供することが可能になる(ステップ100)。
【0034】
基地局2は、侵入者発見の通知を受け取ると(ステップ107)、有線伝送路3を通じて監視システムの利用者に向けて警報を発信する(ステップ108)。
【0035】
監視端末1cは、また、侵入者5との相対距離を測定し(ステップ103)、予め定められた一定距離を保つようにして追尾を行なう(ステップ104)。なお、侵入者5との間の相対距離の測定は、監視端末1間で行なう距離測定と異なり、侵入者5に電磁波を送信し、その反射した電磁波を用いて行なう。
【0036】
監視端末1cから侵入者5を検出したとの通知(ステップ102)は、通信可能な監視端末1でも受信されて認識される。そこで、監視端末1cからの侵入者発見の通知により、この監視端末1cの近くの監視端末1(この場合、監視端末1a,1b)は、これを認識すると(ステップ109)、侵入者を発見した監視端末1cに通常時の監視端末間相対距離よりも近く距離に近づく(ステップ110)。これにより、図4に示すように、これら監視端末1a,1b,1cが侵入者5を取り囲んで追尾する状態を形成する。このとき、これら監視端末1a,1bは、追尾を行なっている監視端末1cと通信を行なっているが、監視端末1cが侵入者5を追尾して移動していくと、この監視端末1cとの間に予め定められた相対距離範囲を保つように移動する。
【0037】
なお、侵入者5を発見した監視端末1cと通信ができない監視端末1(あるいは、この監視端末1cとともに移動する監視端末1a,1bのような監視端末の個数は予め決められており、この個数以外の携帯端末)を監視端末1dとすると、この監視端末1dはこれら監視端末1a〜1cとは別の監視を行なっている。但し、かかる監視端末1dであっても、通信が可能な他の監視端末(例えば、監視端末1a,1b)と通信は行なっている。
【0038】
ここで、図5に示すように、侵入者5によって、例えば、監視端末1bが破壊されたとすると(ステップ111)、この監視端末1bと通信を行なっていた監視端末1a,1c,1dは、この監視端末1bと通信が不能になる(ステップ112)。そこで、これら監視端末1のうち、侵入者5の追尾を行なっていない監視端末1dは、監視端末1bと最後に通信したときの相対距離を基に、監視端末1bが存在していた位置へ移動する。侵入者5を追尾していない監視端末1dがない場合には、侵入者5の追尾を行なっている監視端末1a,1cが、侵入者5の追尾を行ないながら、監視端末1bの存在していた位置へ移動する。そして、これら監視端末1は、互いに一定距離まで近づくと、これ以上近くなり過ぎないようにするために、監視端末1bが存在した位置への移動を止める(ステップ113)。このように、通信不能な監視端末の位置へ移動することにより、侵入者5が監視端末1を破壊して監視を避けながら移動することを困難にする。
【0039】
なお、監視領域内に監視端末1間の相対距離による移動制御を行なわずに移動する遊撃型監視端末が存在してもよい。かかる遊撃型監視端末は、監視端末1が発する侵入者通知を受信すると、通知を行なった監視端末1の場所に移動し、侵入者5を追尾する。このように、遊撃監視端末を設けることにより、侵入者5が現れたときに追尾を行なう監視端末の数を増加させることができる。
【0040】
以上にように、この第2の実施例では、監視端末が侵入者を発見したときに侵入者との相対距離を測定して追尾し、他の監視端末はこの侵入者を発見して追尾する監視端末との間で予め定められた相対距離を保ちながら移動することにより、侵入者を追尾しながら、さらなる侵入者に向けて監視領域内を満遍なく監視することが可能になる。
【0041】
図7は本発明による監視システムの第3の実施形態を示す説明図であって、図3に対応する部分には同一符号を付けて説明を省略する。
【0042】
同図において、監視領域で侵入者5が発見されない通常のときには、先の各実施形態と同様、各監視端末1は直接、もしくは基地局2と通信できないときには、近くの他の監視端末1を介して基地局2と通信を行ない、撮影した映像を送る。監視端末1、例えば、監視端末1cが侵入者5を発見(検出)すると、先の実施形態では、フレームレートやビットレートなどを高めて高画質の映像を直接もしくは、基地局2と通信できないときには、近くの他の監視端末1aまたは1bを介して、基地局2に送信したが、この第3の実施形態では、さらに高画質の映像を基地局2に直接送ることができるようにしたものである。
【0043】
図8は図7における監視端末1の一具体例を示す機能ブロック図であって、10はカメラ、11はCPU(中央処理ユニット)、12は記録媒体、13は無線送受信部、14はコネクタ、15は車輪である。
【0044】
同図において、監視端末1は、カメラ10や無線送受信部13とともに、記録媒体12やコネクタ14も備え、また、信号処理・演算機能や制御機能を備えたCPU11を有している。無線送受信部13は、上記のように、他の監視端末1や基地局2などと無線通信を行なうためのものであり、コネクタ14は基地局2と接続されて有線通信ができるようにするためのものである。
【0045】
カメラ10から出力される映像信号はCPU11に供給され、所定の映像処理がなされた後、上記のように、侵入者5の検出処理やMPEGなどの情報圧縮技術による圧縮処理がなされる。侵入者5が検出されない通常のときには、圧縮処理された映像信号が無線送受信部13から送信される。無線路としては、先の実施形態と同様である。また、CPU11は、無線送受信部13により、定期的に他の監視端末1と通信を行ない、相互の相対位置を測定して予め定められた相対位置範囲になるように移動制御を行なう。
【0046】
侵入者5が検出されると、CPU11は、その発見通知を無線送受信部13から送信するとともに、圧縮処理された映像信号を記録媒体12に記録させる。この場合、この映像信号は、先の実施形態での無線で通信可能なフレームレートやビットレートよりも高いフレームレートやビットレートのより高画質の映像信号とする。かかる高画質の映像信号が記録媒体12に記録される。そして、この監視端末1がコネクタ14を介して基地局2に接続されたときには、CPU11の制御のもとに、記録媒体12から高画質の映像信号が読み出され、コネクタ14を介して有線で基地局14に送信される。
【0047】
この監視端末1には、車輪15が設けられており、CPU11の制御によってこれら車輪15が駆動されることにより、監視端末1が移動する。
【0048】
次に、図9を用いて、この第3の実施形態の動作を説明する。なお、図9は図7における監視端末1cと基地局2との動作を示すフローチャートである。
【0049】
図7及び図9において、侵入者5が発見されないときには、監視端末1cと基地局2とは上記のように動作している(ステップ201,202,207,208)。
【0050】
監視端末1cは、侵入者5を発見すると(ステップ201)、先の実施形態と同様、その通知を送信するとともに(ステップ202)、内蔵の記録媒体12(図8)に撮影した映像信号を記録する(ステップ203)。基地局2では、この通知を受信すると(ステップ209)、監視システムの利用者に警報を発してこれを知らせる(ステップ210)。管理端末1cでは、映像信号の記録を続けると、所定量の映像信号が記録媒体12に記録されてそれ以上の記録ができなくなるが(ステップ204)、このような場合、監視端末1cは、侵入者5の追尾と映像信号の記録を他の監視端末と交代してもらい、しかる後、基地局2まで移動して(ステップ205)、記録した映像信号を基地局2に提供する(ステップ206)。この場合、監視端末1cが基地局2と通信可能な位置にあれば、上記のように、基地局2までの相対距離を測定しながら移動することができるが、基地局2との通信ができない位置にあるときには、近くの監視端末1と交代しながら基地局2まで移動する。
【0051】
即ち、いま、侵入者5の映像を撮影して記録している監視端末1cが基地局2と通信できない位置にあり、監視端末1aは監視端末1b,1cと通信できるが、基地局2と通信できない位置にあり、また、監視端末1bは監視端末1aと基地局2と通信できるが、監視端末1cと通信できない位置にあるものとする。
【0052】
そこで、まず、監視端末1cは通信可能な監視端末1aに位置交代を通知する。この通知を受信した監視端末1aは、監視端末1cとの相対距離が0に近づくように、移動して監視端末1cに近づいていき、監視端末1cに接近して侵入者5を発見すると、追尾を開始する。また、監視端末1cは、監視端末1aが接近したことを確認すると、位置交代の通知を行なったときの監視端末1aの位置に移動する。このようにして、監視端末1cと監視端末1aとの位置交代が行なわれる。
【0053】
この位置交代が終了すると、監視端末1cは、基地局2との通信はできないが、監視端末1bと通信ができるようになるので、この監視端末1bとの間で同様の位置交代を行なう。したがって、監視端末1bは監視端末1aのもとの位置に移り、監視端末1cは監視端末1bがあった位置に移る。これにより、監視端末1cは基地局2との通信が可能となり、基地局2との相対距離を基に基地局2に接近する。また、監視端末1bと通信可能な図示しない他の監視端末の1つは、監視端末1bの移動とともに、この監視端末1bと所定の相対距離を保つように移動する。
【0054】
そして、基地局2に接近した監視端末1cは(ステップ205)、コネクタ14(図8)を通じて基地局2と接続され、記録媒体12(図8)から映像信号を読み取り、コネクタ14を介して基地局2に送信する(ステップ206)。基地局2は、この映像信号を受信すると(ステップ211)、有線伝送路3を通して監視システムの利用者に侵入者の映像を送信する(ステップ212)。映像信号を送信し終わった監視端末1cは、通信可能な他の図示しない監視端末と通信しながら、監視領域への侵入者の発見のための動作に移る。
【0055】
なお、図7に示す状態で、監視端末1aが基地局2とも通信可能である場合には、この監視端末1aと位置交代した監視端末1cも基地局2と通信可能となるので、この位置から基地局2に向かって移動することになる。
【0056】
また、ここでは、侵入者を発見してその映像を撮影するようになってからその映像信号を記録し、位置交代の通知を行なうようにしたが、通常状態でも映像信号を記録し、記録媒体12に一定量以上の映像信号が記録されたとき、位置交代の通知を行なうようにしてもよい。
【0057】
以上のように、この第3の実施形態では、記録媒体への映像信号の記録を済ませた監視端末が位置交代を繰り返しながら基地局に戻り、この映像信号を記録媒体から読み取って基地局に有線で送信するものであるから、ビットレートが制限される無線伝送路よりも高いビットレートの映像信号、従って、より鮮明で高画質の映像を監視システムの利用者に提供することができる。また、監視端末は、他の監視端末と一対一の位置交代を繰り返しながら基地局に戻るため、侵入者の追尾が途切れることがなく、監視端末が監視領域内に偏在することもない。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、監視端末が監視領域内に満遍なく分散して監視を行なうため、複数の侵入者が同時に監視領域内に侵入しても、夫々の侵入者を追尾して監視を行なうことができるし、さらる侵入者に対する監視体制を整えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による監視システムの第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態の一変形例を示す図である。
【図3】本発明による監視システムの第2の実施形態の侵入者を発見したときの状態を示す図である。
【図4】本発明による監視システムの第2の実施形態の侵入者を追尾しているときの状態を示す図である。
【図5】本発明による監視システムの第2の実施形態の侵入者が監視端末を破壊したときの動作を説明する図である。
【図6】図3〜図5に示す第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明による監視システムの第3の実施形態を示す図である。
【図8】図7における監視端末の一具体例を示す機能ブロック図である。
【図9】図7に示す第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,1a〜1d 監視端末
2 基地局
3 有線伝送路
4 可動型アーム
5 侵入者
10 カメラ
11 CPU
12 記録媒体
13 無線送受信部
14 コネクタ
15 車輪
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視領域をカメラを備えた端末(監視端末)を用いて監視する監視システムとその監視端末に係り、監視端末の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、監視領域をカメラシステムを用いて監視し、この監視対象領域での侵入者を追尾するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる特許文献1に記載の監視システムは、監視対象領域を含む広い範囲を撮影して侵入者を検出する第1のカメラを備えた第1の侵入物体監視装置と、監視対象領域への侵入者を追尾する第2のカメラを備えた第2の侵入物体監視装置とから構成されている。第1のカメラは、侵入者を検出すると、その侵入者の情報を第2のカメラに送信し、第2のカメラが、第1のカメラからの侵入者の情報を基に、侵入者を検出してその追尾を行なうものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−319279号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載の監視カメラシステムは、第1のカメラの撮影範囲からのみ侵入者を検出でき、状況に応じて侵入者検出の範囲を変更することができない。また、追尾を行なう第2のカメラも、予め設置された位置からしか撮影できず、侵入者に接近して追尾することができない。
【0006】
そこで、第1,第2のカメラを移動可能に第1,第2の侵入物体監視装置を構成することにより、上記の問題は解決するが、このように移動可能とすることにより、次のような問題が発生する。
【0007】
即ち、移動可能な第1のカメラが侵入者を発見すると、第1のカメラ側から第2のカメラ側にこれが通知されるが、第1,第2のカメラともに、これらが移動可能であるが故に、この侵入者を追尾してしまう。このため、他の侵入者がこの監視領域内に侵入した場合には、その発見が遅れてしまう問題である。また、侵入者は、かかる移動可能なカメラが監視に用いられていることがわかる場合には、おとりの物体を最初にこの監視領域内に侵入させ、各カメラがこのおとりの物体を追尾している間に監視領域内に侵入することが容易に想像できる。
【0008】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、監視領域内に複数の侵入者があっても、夫々に対して監視体制を整えることができるようにした監視システム及び監視端末を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基地局と監視端末とからなる監視システムであって、基地局は無線通信手段を備え、監視端末は、無線通信手段とカメラ部と監視領域を移動するための移動手段とを備え、基地局の位置は絶対座標で表わされ、監視端末は、無線通信によって基地局との相対距離を測定し、測定された相対距離と基地局の絶対座標とから自身の絶対座標を算出するものである。
【0010】
監視端末は、カメラ部で撮影した映像を基地局に送信する。
【0011】
また、監視端末は、通信手段で監視対象物に電磁波を発することによって監視対象物までの相対距離を算出し、監視対象物を、一定距離を保ちながら、追尾する。
【0012】
また、監視端末は、撮影した映像を記録する記録媒体を備え、記録媒体に記録された映像を基地局に送信する。
【0013】
また、本発明は、複数の監視端末を備え、監視端末は夫々、少なくとも他の監視端末と通信を行なって、通信を行なう他の監視端末との間で所定範囲内の距離を保ちながら、移動するものである。
【0014】
また、基地局との通信が不可能な監視端末は、位置が絶対座標で表わされる通信可能な他の監視端末と通信を行なって相対距離を測定し、他の監視端末の絶対座標と測定して得られる相対距離とから自身の絶対座標を算出する。
【0015】
また、本発明は、複数の監視端末を備え、監視対象物を発見した第1の監視端末が、監視対象物を追尾しながら、撮影した映像を記録媒体に記録し、第1の監視端末以外の第1の監視端末と通信可能な監視端末が、第1の監視端末と通信可能な状態を保ちながら、第1の監視端末とともに移動し、監視対象物を追尾するものである。
【0016】
また、第1の監視端末は、記録媒体に予め決められた量の映像が記録されると、基地局まで移動して、有線により、記録媒体に記録されている映像を基地局に送信し、第1の監視端末が基地局に移動するとともに、第1の監視端末とともに監視対象を追尾する他の監視端末の1つが第1の監視対象に代わるものである。
【0017】
また、監視対象物を追尾する複数の監視端末のいずれかの第2の監視端末が通信不能となったとき、監視対象物を追尾する複数の監視端末以外の第2の監視端末と通信可能な他の監視端末が、第2の監視端末に代わって、監視対象物を追尾する状態に設定される。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明は、監視領域内を移動して監視対象物を発見し、追尾する監視システムの監視端末であって、カメラ部と、カメラ部から出力された所定の処理がなされた映像信号を記録する記録再生手段と、この記録再生手段で記録される前の映像信号や記録再生手段から再生された映像信号を無線送信する送信部と、記録再生手段から再生された映像信号を有線送信するためのコネクタとを備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0020】
図1は本発明による監視システムの第1の実施例を示す説明図であって、1a,1b,1cは移動可能な監視端末、2は基地局、3は有線伝送路である。
【0021】
同図において、監視端末1a,1b,1cは夫々、カメラを備えているとともに、通信手段を備え、これら相互間及び基地局2との間で通信が可能に構成されている。なお、監視端末1a,1b,1cのいずれかを言う場合には、監視端末1という。通信方法の例として、IEEE802.11xやウルトラワイドバンド(UWB)を用いた無線通信が用いられ、また、かかる通信方法を利用することにより、相互の距離や基地局2との間の距離を測定する手段も備えている。監視端末1a,1b,1cに搭載されているカメラはパンやチルト,ズーム機能を有している。監視端末1a,1b,1cでは、かかるカメラで撮影された映像が上記の無線通信路を介して他の監視端末や基地局2に送信でき、基地局2は、受信した映像を有線路3を通じてネットワークに配信する。
【0022】
各監視端末1a,1b,1cは監視領域内を自由に移動するが、近くに存在する2つの監視端末1は、その間の相対距離を測定し、相互に予め定められた相対距離範囲に収まるように移動し合う。基地局2の位置は絶対座標で表わされる。基地局2は、監視端末1との相対距離を測定するために通信をする際、この絶対座標値も送信する。基地局2と通信する監視端末1は、受信した基地局2の絶対座標値とこの基地局2まで相対距離との和から、現在の絶対座標位置を算出する。この算出に当たっては、通信を行なっている2つの監視端末1もしくは基地局2と三角測量の要領で測定を行ない、位置の測定精度を高める。
【0023】
例えば、監視端末1cが基地局2から離れて直接基地局2と通信が行なえないものとすると、この監視端末1cはその近くの監視端末1aや監視端末1bと通信を行ない、そこまでの相対距離を測定する。即ち、通信を行なった監視端末1aや監視端末1bの絶対座標と測定したその端末までの相対距離から監視端末1cの絶対座標値を算出する。そして、この監視端末1cはそのカメラで撮影した映像及び絶対座標値を、相対距離を測定した監視端末1aと監視端末1bのいずれか、もしくは両方に送信する。監視端末1aや監視端末1bは、監視端末1cから映像及び絶対座標値を受信すると、これを基地局2に転送する。
【0024】
なお、ここでは、基地局2は監視端末1が撮影した映像及び絶対座標値を受信すると、これらを有線伝送路3を通じて配信するものとしたが、基地局2が記録媒体を内蔵し、これに受信した映像や絶対座標値を記録するするようにしてもよい。このように、基地局2が映像を記録媒体に記録するようにすることにより、有線伝送路3の設置が困難な場所にも、基地局を設置して監視システムを構築することが可能になる。
【0025】
また、ここでは、説明の都合上、基地局2は監視システム内に1つ設置するものとしたが、複数の基地局を設けるようにしてもよい。これにより、基地局と直接通信できる監視端末が増え、1つの監視端末が撮影した映像を転送することによって基地局との通信ができなくなる監視端末の個数を削減できる。
【0026】
さらに、互いに近くにある2つの監視端末1間で通信を行なうものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、監視端末の性能に応じて通信する監視端末の数を増やしてもよい。これにより、監視端末が監視領域内に偏在する確率を減らすことができる。
【0027】
さらにまた、基地局2の位置のみが絶対座標で表わされ、各監視端末1は基地局からの相対距離からその絶対座標を得るようにしたが、絶対座標系を用いず、相対座標のみで監視システムを構成してもよい。
【0028】
さらにまた、各監視端末1が監視領域内を自由に移動するものとしたが、図2に示すように、夫々の監視端末1a,1b,1cが地面に設置された可動型アーム4に固定され、可動型アーム4の可動範囲に応じて監視領域を監視するような構成としてもよい。
【0029】
以上のように、この第1の実施例では、各監視端末1が予め定められた相対距離範囲に収まるように自律的に移動することにより、監視領域で均一に分散して監視の死角を少なくすることができ、また、各監視端末1の撮影範囲が重複することが少ない監視システムを構築することが可能になる。そして、監視領域に侵入者(不正に侵入して動物,移動体などの物体も含む。以下、同様)があると、この監視領域内を移動するいずれかの監視端末1のカメラがこれを撮影し、その映像を基地局2に送信するので、この侵入者を容易に見つけ出すことができる。
【0030】
図3〜図5は本発明による監視システムの第2の実施例を示す図であって、1dは監視端末、5は監視領域での監視対象物としての侵入者であり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
また、図6はこの第2の実施形態での監視端末1b〜1dと基地局2との動作を示すフローチャートである。
以下、図3〜図6を用いて、この第2の実施形態について説明する。
【0031】
図3及び図6において、監視端末1dも、監視端末1a〜1cと同様の構成を有する監視端末である。また、各監視端末1は撮影した画像から侵入者を検出する機能も備えており、その機能としては、例えば、所定時間間隔の映像を比較し、その差分から検出する方法もある。この場合、監視端末1が移動していても、その所定時間での移動量に応じて映像を補正することにより、精度良く差分を検出することができる。
【0032】
いま、監視端末1cが侵入者5を検出すると(ステップ101)、それを撮影した映像も基地局2に送信されるが(ステップ100,105)、この監視端末1cが基地局2から充分離れていて基地局2との通信ができない場合には、撮影した映像を他の基地局2との通信が可能な監視端末(この場合、監視端末1aや監視端末1b)を介して基地局2に送信し、これとともに、侵入者5の発見の通知を行なう(ステップ102)。
【0033】
なお、侵入者が検出されたときに撮影した映像は、それを検出しない通常時に送信する映像とは異なり、フレームレートやビットレートを高めて送信し、映像の品質を高めるようにしてもよい。これにより、侵入者を撮影した映像を鮮明にして監視システムの利用者に提供することが可能になる(ステップ100)。
【0034】
基地局2は、侵入者発見の通知を受け取ると(ステップ107)、有線伝送路3を通じて監視システムの利用者に向けて警報を発信する(ステップ108)。
【0035】
監視端末1cは、また、侵入者5との相対距離を測定し(ステップ103)、予め定められた一定距離を保つようにして追尾を行なう(ステップ104)。なお、侵入者5との間の相対距離の測定は、監視端末1間で行なう距離測定と異なり、侵入者5に電磁波を送信し、その反射した電磁波を用いて行なう。
【0036】
監視端末1cから侵入者5を検出したとの通知(ステップ102)は、通信可能な監視端末1でも受信されて認識される。そこで、監視端末1cからの侵入者発見の通知により、この監視端末1cの近くの監視端末1(この場合、監視端末1a,1b)は、これを認識すると(ステップ109)、侵入者を発見した監視端末1cに通常時の監視端末間相対距離よりも近く距離に近づく(ステップ110)。これにより、図4に示すように、これら監視端末1a,1b,1cが侵入者5を取り囲んで追尾する状態を形成する。このとき、これら監視端末1a,1bは、追尾を行なっている監視端末1cと通信を行なっているが、監視端末1cが侵入者5を追尾して移動していくと、この監視端末1cとの間に予め定められた相対距離範囲を保つように移動する。
【0037】
なお、侵入者5を発見した監視端末1cと通信ができない監視端末1(あるいは、この監視端末1cとともに移動する監視端末1a,1bのような監視端末の個数は予め決められており、この個数以外の携帯端末)を監視端末1dとすると、この監視端末1dはこれら監視端末1a〜1cとは別の監視を行なっている。但し、かかる監視端末1dであっても、通信が可能な他の監視端末(例えば、監視端末1a,1b)と通信は行なっている。
【0038】
ここで、図5に示すように、侵入者5によって、例えば、監視端末1bが破壊されたとすると(ステップ111)、この監視端末1bと通信を行なっていた監視端末1a,1c,1dは、この監視端末1bと通信が不能になる(ステップ112)。そこで、これら監視端末1のうち、侵入者5の追尾を行なっていない監視端末1dは、監視端末1bと最後に通信したときの相対距離を基に、監視端末1bが存在していた位置へ移動する。侵入者5を追尾していない監視端末1dがない場合には、侵入者5の追尾を行なっている監視端末1a,1cが、侵入者5の追尾を行ないながら、監視端末1bの存在していた位置へ移動する。そして、これら監視端末1は、互いに一定距離まで近づくと、これ以上近くなり過ぎないようにするために、監視端末1bが存在した位置への移動を止める(ステップ113)。このように、通信不能な監視端末の位置へ移動することにより、侵入者5が監視端末1を破壊して監視を避けながら移動することを困難にする。
【0039】
なお、監視領域内に監視端末1間の相対距離による移動制御を行なわずに移動する遊撃型監視端末が存在してもよい。かかる遊撃型監視端末は、監視端末1が発する侵入者通知を受信すると、通知を行なった監視端末1の場所に移動し、侵入者5を追尾する。このように、遊撃監視端末を設けることにより、侵入者5が現れたときに追尾を行なう監視端末の数を増加させることができる。
【0040】
以上にように、この第2の実施例では、監視端末が侵入者を発見したときに侵入者との相対距離を測定して追尾し、他の監視端末はこの侵入者を発見して追尾する監視端末との間で予め定められた相対距離を保ちながら移動することにより、侵入者を追尾しながら、さらなる侵入者に向けて監視領域内を満遍なく監視することが可能になる。
【0041】
図7は本発明による監視システムの第3の実施形態を示す説明図であって、図3に対応する部分には同一符号を付けて説明を省略する。
【0042】
同図において、監視領域で侵入者5が発見されない通常のときには、先の各実施形態と同様、各監視端末1は直接、もしくは基地局2と通信できないときには、近くの他の監視端末1を介して基地局2と通信を行ない、撮影した映像を送る。監視端末1、例えば、監視端末1cが侵入者5を発見(検出)すると、先の実施形態では、フレームレートやビットレートなどを高めて高画質の映像を直接もしくは、基地局2と通信できないときには、近くの他の監視端末1aまたは1bを介して、基地局2に送信したが、この第3の実施形態では、さらに高画質の映像を基地局2に直接送ることができるようにしたものである。
【0043】
図8は図7における監視端末1の一具体例を示す機能ブロック図であって、10はカメラ、11はCPU(中央処理ユニット)、12は記録媒体、13は無線送受信部、14はコネクタ、15は車輪である。
【0044】
同図において、監視端末1は、カメラ10や無線送受信部13とともに、記録媒体12やコネクタ14も備え、また、信号処理・演算機能や制御機能を備えたCPU11を有している。無線送受信部13は、上記のように、他の監視端末1や基地局2などと無線通信を行なうためのものであり、コネクタ14は基地局2と接続されて有線通信ができるようにするためのものである。
【0045】
カメラ10から出力される映像信号はCPU11に供給され、所定の映像処理がなされた後、上記のように、侵入者5の検出処理やMPEGなどの情報圧縮技術による圧縮処理がなされる。侵入者5が検出されない通常のときには、圧縮処理された映像信号が無線送受信部13から送信される。無線路としては、先の実施形態と同様である。また、CPU11は、無線送受信部13により、定期的に他の監視端末1と通信を行ない、相互の相対位置を測定して予め定められた相対位置範囲になるように移動制御を行なう。
【0046】
侵入者5が検出されると、CPU11は、その発見通知を無線送受信部13から送信するとともに、圧縮処理された映像信号を記録媒体12に記録させる。この場合、この映像信号は、先の実施形態での無線で通信可能なフレームレートやビットレートよりも高いフレームレートやビットレートのより高画質の映像信号とする。かかる高画質の映像信号が記録媒体12に記録される。そして、この監視端末1がコネクタ14を介して基地局2に接続されたときには、CPU11の制御のもとに、記録媒体12から高画質の映像信号が読み出され、コネクタ14を介して有線で基地局14に送信される。
【0047】
この監視端末1には、車輪15が設けられており、CPU11の制御によってこれら車輪15が駆動されることにより、監視端末1が移動する。
【0048】
次に、図9を用いて、この第3の実施形態の動作を説明する。なお、図9は図7における監視端末1cと基地局2との動作を示すフローチャートである。
【0049】
図7及び図9において、侵入者5が発見されないときには、監視端末1cと基地局2とは上記のように動作している(ステップ201,202,207,208)。
【0050】
監視端末1cは、侵入者5を発見すると(ステップ201)、先の実施形態と同様、その通知を送信するとともに(ステップ202)、内蔵の記録媒体12(図8)に撮影した映像信号を記録する(ステップ203)。基地局2では、この通知を受信すると(ステップ209)、監視システムの利用者に警報を発してこれを知らせる(ステップ210)。管理端末1cでは、映像信号の記録を続けると、所定量の映像信号が記録媒体12に記録されてそれ以上の記録ができなくなるが(ステップ204)、このような場合、監視端末1cは、侵入者5の追尾と映像信号の記録を他の監視端末と交代してもらい、しかる後、基地局2まで移動して(ステップ205)、記録した映像信号を基地局2に提供する(ステップ206)。この場合、監視端末1cが基地局2と通信可能な位置にあれば、上記のように、基地局2までの相対距離を測定しながら移動することができるが、基地局2との通信ができない位置にあるときには、近くの監視端末1と交代しながら基地局2まで移動する。
【0051】
即ち、いま、侵入者5の映像を撮影して記録している監視端末1cが基地局2と通信できない位置にあり、監視端末1aは監視端末1b,1cと通信できるが、基地局2と通信できない位置にあり、また、監視端末1bは監視端末1aと基地局2と通信できるが、監視端末1cと通信できない位置にあるものとする。
【0052】
そこで、まず、監視端末1cは通信可能な監視端末1aに位置交代を通知する。この通知を受信した監視端末1aは、監視端末1cとの相対距離が0に近づくように、移動して監視端末1cに近づいていき、監視端末1cに接近して侵入者5を発見すると、追尾を開始する。また、監視端末1cは、監視端末1aが接近したことを確認すると、位置交代の通知を行なったときの監視端末1aの位置に移動する。このようにして、監視端末1cと監視端末1aとの位置交代が行なわれる。
【0053】
この位置交代が終了すると、監視端末1cは、基地局2との通信はできないが、監視端末1bと通信ができるようになるので、この監視端末1bとの間で同様の位置交代を行なう。したがって、監視端末1bは監視端末1aのもとの位置に移り、監視端末1cは監視端末1bがあった位置に移る。これにより、監視端末1cは基地局2との通信が可能となり、基地局2との相対距離を基に基地局2に接近する。また、監視端末1bと通信可能な図示しない他の監視端末の1つは、監視端末1bの移動とともに、この監視端末1bと所定の相対距離を保つように移動する。
【0054】
そして、基地局2に接近した監視端末1cは(ステップ205)、コネクタ14(図8)を通じて基地局2と接続され、記録媒体12(図8)から映像信号を読み取り、コネクタ14を介して基地局2に送信する(ステップ206)。基地局2は、この映像信号を受信すると(ステップ211)、有線伝送路3を通して監視システムの利用者に侵入者の映像を送信する(ステップ212)。映像信号を送信し終わった監視端末1cは、通信可能な他の図示しない監視端末と通信しながら、監視領域への侵入者の発見のための動作に移る。
【0055】
なお、図7に示す状態で、監視端末1aが基地局2とも通信可能である場合には、この監視端末1aと位置交代した監視端末1cも基地局2と通信可能となるので、この位置から基地局2に向かって移動することになる。
【0056】
また、ここでは、侵入者を発見してその映像を撮影するようになってからその映像信号を記録し、位置交代の通知を行なうようにしたが、通常状態でも映像信号を記録し、記録媒体12に一定量以上の映像信号が記録されたとき、位置交代の通知を行なうようにしてもよい。
【0057】
以上のように、この第3の実施形態では、記録媒体への映像信号の記録を済ませた監視端末が位置交代を繰り返しながら基地局に戻り、この映像信号を記録媒体から読み取って基地局に有線で送信するものであるから、ビットレートが制限される無線伝送路よりも高いビットレートの映像信号、従って、より鮮明で高画質の映像を監視システムの利用者に提供することができる。また、監視端末は、他の監視端末と一対一の位置交代を繰り返しながら基地局に戻るため、侵入者の追尾が途切れることがなく、監視端末が監視領域内に偏在することもない。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、監視端末が監視領域内に満遍なく分散して監視を行なうため、複数の侵入者が同時に監視領域内に侵入しても、夫々の侵入者を追尾して監視を行なうことができるし、さらる侵入者に対する監視体制を整えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による監視システムの第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態の一変形例を示す図である。
【図3】本発明による監視システムの第2の実施形態の侵入者を発見したときの状態を示す図である。
【図4】本発明による監視システムの第2の実施形態の侵入者を追尾しているときの状態を示す図である。
【図5】本発明による監視システムの第2の実施形態の侵入者が監視端末を破壊したときの動作を説明する図である。
【図6】図3〜図5に示す第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明による監視システムの第3の実施形態を示す図である。
【図8】図7における監視端末の一具体例を示す機能ブロック図である。
【図9】図7に示す第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,1a〜1d 監視端末
2 基地局
3 有線伝送路
4 可動型アーム
5 侵入者
10 カメラ
11 CPU
12 記録媒体
13 無線送受信部
14 コネクタ
15 車輪
Claims (10)
- 基地局と監視端末とからなる監視システムであって、
該基地局は、無線通信手段を備え、
該監視端末は、無線通信手段と、撮影して映像信号を出力するカメラ部と、監視領域を移動するための移動手段とを備え、
該基地局の位置は絶対座標で表わされ、該監視端末は、無線通信によって該基地局との相対距離を測定し、測定された該相対距離と該基地局の絶対座標とから自身の絶対座標を算出することを特徴とする監視システム。 - 前記監視端末は、前記カメラ部で撮影した映像を、前記通信手段により、前記基地局に送信することを特徴とした請求項1に記載の監視システム。
- 前記監視端末は、前記通信手段で監視対象物に電磁波を発することによって該監視対象物までの相対距離を算出し、該監視対象物を、一定距離を保ちながら、追尾することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
- 前記監視端末は、撮影した映像を記録する記録媒体を備え、該記録媒体に記録された映像を前記基地局に送信することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
- 複数の前記監視端末を備え、前記監視端末は夫々、少なくとも他の監視端末と通信を行なって、通信を行なう該他の監視端末との間で所定範囲内の距離を保ちながら、移動することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の監視システム。
- 前記基地局と通信が不可能な前記監視端末は、位置が絶対座標で表わされる通信可能な他の監視端末と通信を行なって相対距離を測定し、該他の監視端末の絶対座標と測定して得られる該相対距離とから自身の絶対座標を算出することを特徴とする請求項5に記載の監視システム。
- 複数の前記監視端末を備え、
前記監視対象物を発見した第1の前記監視端末が、前記監視対象物を追尾しながら、撮影した映像を前記記録媒体に記録し、
第1の前記監視端末以外の第1の前記監視端末と通信可能な前記監視端末が、第1の前記監視端末と通信可能な状態を保ちながら、第1の前記監視端末とともに移動し、前記監視対象物を追尾することを特徴とした請求項4に記載の監視システム。 - 第1の前記監視端末は、前記記録媒体に予め決められた量の映像が記録されると、前記基地局まで移動して、有線により、前記記録媒体に記録されている映像を前記基地局に送信し、
第1の前記監視端末が前記基地局に移動するとともに、第1の前記監視端末とともに前記監視対象を追尾する他の前記監視端末の1つが第1の前記監視対象に代わることを特徴とした請求項7に記載の監視システム。 - 請求項7または8において、
前記監視対象物を追尾する複数の監視端末のいずれかの第2の前記監視端末が通信不能となったとき、前記監視対象物を追尾する複数の前記監視端末以外の第2の前記監視端末と通信可能な他の監視端末が、第2の前記監視端末に代わって、前記監視対象物を追尾する状態に設定されることを特徴とした請求項7または8に記載の監視システム。 - 監視領域内を移動して監視対象物を発見し、追尾する監視システムの監視端末であって、
映像を撮影するカメラ部と、該カメラ部から出力された所定の処理がなされた映像信号を記録する記録再生手段と、該記録再生手段で記録される前の該映像信号や該記録再生手段から再生された該映像信号を無線送信する送信部と、該記録再生手段から再生された該映像信号を有線送信するためのコネクタとを備えたことを特徴とする監視端末。
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