JP2004328051A - 回線障害原因推定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミリ波帯の電波を利用した回線障害原因推定方法および装置において、回線障害に伴なう障害原因を現地調査することなく容易に推定できる回線障害原因推定方法および装置を提供する。
【解決手段】親無線局と複数の子無線局との間のミリ波帯の電波を用いた複数の回線区間の通信状態をセンター局で一括管理し、前記通信状態に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発生しているか否かを判断し、前記回線区間で障害が発生したと判断した場合には、各回線区間の通信状態の組み合わせによって障害の原因を推定するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】親無線局と複数の子無線局との間のミリ波帯の電波を用いた複数の回線区間の通信状態をセンター局で一括管理し、前記通信状態に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発生しているか否かを判断し、前記回線区間で障害が発生したと判断した場合には、各回線区間の通信状態の組み合わせによって障害の原因を推定するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミリ波帯の電波を用いた回線障害原因推定方法および装置において、無線回線の障害原因が障害物によるものなのか、降雨等の気象条件によるものなのかを推定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやインターネットの普及と、デジタル通信の発達に伴ない大容量のデータ伝送が可能なマイクロ波やミリ波等の高い周波数帯の電波をデータ通信の回線として利用されつつある。
【0003】
データ通信の回線として無線回線(以下、「回線」という。)を利用する場合は、使用電波の周波数帯固有の物理的特性を十分考慮して無線通信装置の設置や運用を行うことにより、障害を抑えることができる。
【0004】
ミリ波帯の電波は、鋭い指向性や広い周波数帯が利用できる反面、電波の強い直進性と降雨等の水粒による電波減衰が大きいという特性がある。
【0005】
このような特性を有するミリ波帯をデータ通信の回線として用いた場合は、通信装置の機器に不具合がない場合であっても、障害物や降雨等の気象条件によって回線の電波が遮断若しくは減衰して障害を引き起こす場合がある。
この障害には、大きく分けると次の二つが考えられている。
【0006】
(1)障害物による障害
(2)降雨等の気象条件による障害。
【0007】
このような障害の対応は、調査員が障害現場に赴き、現地調査を実施して上記(1)、(2)のいずれの原因による障害であるかを判別していた。
【0008】
現地調査による障害原因の判別作業は、障害が発生する度に調査員が障害現場に赴き、原因調査を行うので作業効率が悪い。
【0009】
また、降雨等の気象条件による障害の場合は、障害現場が災害級の天候状態(例えば、豪雨、豪雪等)である場合もあり、現地で調査を行う調査員にとっては大きな危険を伴なう作業となる。
【0010】
ところで、特許文献1には、視聴者側で高精度の受信状況判定が低コストで実現できる衛星放送受信情報処理装置が提案されている。
【0011】
この衛星放送受信情報処理装置は、放送局側が各視聴者側で受信した衛星放送の受信強度情報を各視聴者側から収集し、収集した受信強度情報に基づいてモニター値を算出する。
【0012】
この算出したモニター値と各視聴者側の受信強度を比較して視聴者側が孤立して受信不能にある場合は、その視聴者側の受信設備が不調と判定し、隣接の複数視聴者間で受信状態が悪化していれば地域的な集中豪雨による一時的な受信障害と判定するものである。
【0013】
特許文献2には、降雨等によるデータ転送の異常を検出し、データ転送効率の低下を防ぐ無線通信システムが提案されている。
【0014】
この無線通信システムは、ハブ局と複数のVSAT局とが人工衛星を介して接続される通信回線において、回線異常が発生した時に、ハブ局がハブ局に設置してあるVSAT局の降雨データおよびC/Nデータを時系列に記憶管理した情報データベースを用いて、該回線異常の発生しているVSAT局の降雨データおよびC/Nデータを参照することによりその障害原因を推定するものである。
【0015】
特許文献3には、衛星障害が降雨によるものであるのか、装置障害によるものであるのかを明確に判別することが可能な衛星通信システムの降雨/装置障害判別方式およびその装置が提案されている。
【0016】
この衛星通信システムの降雨/装置障害判別方式およびその装置は、親局と複数の子局とが通信衛星を介して接続する衛星通信システムにおいて、親局で検出した衛星からの基準波の降雨減衰量に基づき、子局で検出した連続波の受信レベル減衰量xが子局における連続波の受信レベル減衰量の閾値Txを超えた後、親局で子局からのバースト波を受信できなくなった時を降雨による衛星障害と判別するものである。
【0017】
上述の如く、特許文献1、特許文献2および特許文献3では、障害の原因が降雨によるものであるのか、装置の障害によるものであるのかの判別を現地調査をすることなく行うことが可能である。
【0018】
【特許文献1】
特開平07−231310号公報
特開平11−122155号公報
特開平11−215041号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、特許文献2および特許文献3は、いずれも一方の地上局と他方の地上局との間を人工衛星を介して通信を行う場合において、この人工衛星を介して形成される一方の地上局と他方の地上局間との間の回線障害が降雨によるものなのか、通信装置の障害によるものなのかを判別するものである。
【0019】
また、これらの特許文献1、特許文献2および特許文献3には、障害が回線内の障害物によるものなのかを判別する方法は開示されていない。
【0020】
そこで本発明は、ミリ波帯の電波を利用した回線障害原因推定方法および装置において、障害が発生した場合に現地調査することなく容易に障害の原因を推定できる無線障害原因推定方法および装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、親無線局と複数の子無線局との間をミリ波帯の電波を用いてそれぞれの無線回線を構成した無線通信システムにおける回線障害原因推定方法において、前記無線回線のそれぞれの通信状態情報を、センター局で収集し、前記センター局は、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断し、該判断により障害が発現している無線回線が複数存在し、かつ障害が発現している無線回線が近接している場合は降雨等の気象条件による回線障害であると推定することを特徴とする。
【0022】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記センター局は、前記親無線局および前記複数の子無線局からそれぞれの通信状態情報を通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0023】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記センター局は、前記親無線局から前記複数の子無線局との間のそれぞれの通信状態情報を通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0024】
また、請求項4の発明は、親無線局と複数の子無線局との間をミリ波帯の電波を用いてそれぞれの無線回線を構成した無線通信システムにおける回線障害原因推定装置において、前記無線回線のそれぞれの通信状態情報を収集する通信状態情報収集手段と、前記通信状態情報収集手段で収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による障害が発生している無線回線が複数存在し、かつ障害が発生している無線回線が近接している場合は降雨等の気象条件による回線障害であると推定する回線障害推定手段とを具備することを特徴とする。
【0025】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記通信状態収集手段は、前記親無線局および前記複数の子無線局に通信手段を介して接続されたセンター装置に設けられ、前記センター装置は、前記通信状態収集手段により前記親無線局および前記複数の子無線局からそれぞれの通信状態情報を前記通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0026】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記通信状態収集手段は、前記親無線局に通信手段を介して接続されたセンター装置に設けられ、前記センター局は、前記通信状態収集手段により前記親無線局から前記複数の子無線局との間のそれそれの通信状態情報を前記通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明に係わる回線障害原因推定装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0029】
この回線障害原因推定装置110は、例えばデータ通信におけるデータをミリ波帯の無線回線を介して高速で伝送し、この無線回線に障害が発生した場合には、その障害原因が障害物による回線障害なのか、降雨等の気象条件による回線障害なのかを推定する装置として用いられるものである。
【0030】
なお、図1は本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
図1に示すように、本発明に係わる回線障害原因推定装置110は、親無線局1と複数の子無線局2、3、4、5との間で通信を行う回線区間12、13、14、15と、各回線区間の通信状態の情報を収集し、各回線区間のいずれかで障害が発生した場合には、これらの収集した通信状態の情報を解析して障害原因を推定するセンター局100から構成されている。
【0032】
親無線局1は、ミリ波帯用の無線通信装置1a、1b、1c、1dおよびこれらの各無線通信装置の送受信用アンテナ11a、11b、11c、11dを具備し、複数の子無線局2、3、4、5は、それぞれミリ波帯用の無線通信装置2a、3a、4a、5aおよびこれらの各無線装置の送受信用アンテナ2b、3b、4b、5bを具えて構成されている。
【0033】
親無線局1のアンテナ11aと子無線局2のアンテナ2b、親無線局1のアンテナ11bと子無線局3のアンテナ3b、親無線局1のアンテナ11cと子無線局4のアンテナ4b、親無線局1のアンテナ11dと子無線局5のアンテナ5bとはそれぞれ対向して配置されて回線区間12、13、14、15を構成し、ミリ波帯の電波を用いてデータ通信を行っている。
【0034】
ミリ波帯の電波は、降雨や障害物等により電波減衰しやすいという特性上、親無線局1と複数の子無線局2、3、4、5との間の距離はそれぞれ数百メートルから数キロメートルの範囲内に配置されている。
【0035】
センター局100には、各回線区間12、13、14、15に対応する親無線局1および子無線局2、3、4、5からそれぞれの通信状態の情報が有線回線6、7、8、9、10を介して通知されるようになっている。
【0036】
なお、親無線局1は、親無線局1と各子無線局2、3、4、5との間のそれぞれの通信状態の情報をセンター局100に通知するような構成となっている。
【0037】
また、有線回線は公衆網、インターネット網、専用線等、種々の方法が可能であり特に限定するものではない。
【0038】
センター局100は、親無線局1および各子無線局2、3、4、5から通知される各通信状態の情報に基づいて、親無線局1および各子無線局2、3、4、5との間の各回線区間で障害が発生しているか否かを判断する障害判断手段を有し、この障害判断手段により各回線区間のいずれかで障害が発生していると判断した場合には、障害の発生している回線区間の情報に基づいて、図示せぬ解析手段および解析装置を用いて障害原因を推定する。
【0039】
なお、この実施例では説明の便宜上、親無線局1は子無線局2と5との間、および3と4との間がそれぞれほぼ等距離になるように配置してあるが、親無線局1および各子無線局2、3、4、5の配置は、ミリ波帯を用いて親無線局1および各子無線局2、3、4、5との間の通信が可能であれば特に限定されるものではない。
【0040】
また、この実施例では親無線局1と複数の子無線局2、3、4、5およびセンター局100からなる構成とした例を示しているが、親無線局1と通信を行う各子無線局の数および親無線局の数は特に限定するものではない。
【0041】
更に、センター局は複数設置してもよく、複数の親無線局のうちの一つにセンター局の機能を有するようにしてもよい。
【0042】
センター局100が有する障害判断手段は、次のような方法で各回線区間での障害の有無を判断する。
【0043】
例えば、親無線局1から各子無線局2、3、4、5に対して無線回線の通信状態をチェックするための信号(=検査信号)を送信するとともに送信した信号情報(=検査信号情報)をセンター局100へ通知する。
【0044】
各子無線局2、3、4、5は、親無線局1から送信された検査信号を受信し、それぞれの子無線局で受信した検査信号情報をセンター局100へ通知する。
【0045】
センター局100は、親無線局1から通知された検査信号情報(親無線局が各子無線局に送信した検査信号情報)と各子無線局2、3、4、5から通知されたそれぞれの検査信号情報(各子無線局が受信した検査信号情報)とを比較し、送信信号(親無線局が送信した検査信号情報)に対する受信信号(子無線局で受信した検査信号情報)のエラー率(例えば、信号に含まれているデータのビットエラー等の割合等)が所定の閾値以上の値である回線区間を回線障害として判断する。
【0046】
図1に示した本発明に係わる回線障害原因推定装置110の場合は、各回線区間12、13、14、15において、ミリ波帯を用いた無線回線の障害発生の原因となる降雨等の気象条件や、無線回線を遮断するような障害物が存在することなく、それぞれ正常な通信が行われている場合を示している。
【0047】
センター局100には、各回線区間12、13、14、15に対応する親無線局1と各子無線局2、3、4、5からそれぞれの通信状態の情報が通知される。
【0048】
センター局100は、これらの通知された通信状態の情報と障害判断手段により各無線区間12、13、14、15がそれぞれ正常な通信状態であると判断する。
【0049】
図2は、センター局100が各回線区間12、13、14、15の各通信状態の情報に基づき、回線障害の原因を推定するために用いる表1の構成を示したものである。 なお、表1はセンター局100の図示せぬ解析装置の記憶部に予め記憶されており、回線障害原因を推定する際の好適時に記憶部から読み出されて、各回線区間の通信状態の情報と表1を用いて障害原因を推定するようにしたものである。
図2に示すように、表1の構成は左欄に各回線区間12、13、14、15のうちの互いに近接している回線区間をブロック化(例えば、近接地域A、近接地域B、・・・)し、各回線区間のそれぞれの通信状態を示す欄が設けられている。
【0050】
各回線区間12、13、14、15の通信状態は、障害が発生している回線区間には「×」を、正常通信の回線区間には「○」の情報がそれぞれ示されている。
【0051】
表1の右欄には、左欄の各回線区間12、13、14、15の通信状態(正常通信「○」であるのか、回線障害「×」であるのかの状態)の組み合わせに対応する障害原因の情報が示されている。
【0052】
この障害原因の情報は、例えば各回線区間12、13、14、15の通信状態の情報に基づき、障害の発生している回線区間が単独であるのか否か、障害の発生している回線区間が複数の場合は、障害発生の回線区間が互いに近接地域内に存在しているのか否か等により障害原因が推定できるように示されている。
【0053】
センター局100が、各回線区間の通信状態の情報と表1を用いて障害原因を推定する方法を以下に説明する。
【0054】
図3は、図2に示した表1を用いて、回線障害の原因を推定する方法の説明を容易にするための説明図である。
【0055】
例えば、図1に示した本発明に係わる回線障害原因推定装置110の場合は、センター局100は、各回線区間12、13、14、15に対応する親無線局1と各子無線局2、3、4、5から通知された通信状態情報と、障害判断手段により各無線区間12、13、14、15のそれぞれの通信状態を正常通信(=「○」)と判断する。
【0056】
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態がすべて正常通信(=「○」)である場合の組み合わせを表1の左欄から検索し、当該検索結果の左欄に対応する右欄の推定される障害原因を読み取ることにより回線障害の原因を推定する。
【0057】
図3に示すように、各回線区間12、13、14、15の通信状態がすべて正常通信(=「○」)である場合の組み合わせは、表1の左欄枠30に該当し、当該左欄枠30に対応する右欄枠31の推定される障害原因から「正常通信」と推定する。
【0058】
各回線区間12、13、14、15のうち、単独にいずれかの回線区間で回線障害が発生している場合には、表1の左欄枠32に該当する各回線区間のそれぞれの通信状態の組み合わせとなる。
【0059】
すなわち、表1の左欄枠321は、回線区間12が回線障害であり、その他の回線区間13、14、15が正常通信状態を示している。
【0060】
表1の左欄枠322は、回線区間13が回線障害であり、その他の回線区間12、14、15が正常通信状態を示している。
【0061】
表1の左欄枠323は、回線区間14が回線障害であり、その他の回線区間12、13、15が正常通信状態を示している。
【0062】
表1の左欄枠324は、回線区間15が回線障害であり、その他の回線区間12、13、14が正常通信状態を示している。
【0063】
各回線区間のそれぞれの通信状態の組み合わせが表1の左欄枠32に該当する場合には、当該左欄枠32に対応する右欄枠33の推定される障害原因から「障害物による回線障害」と推定する。
【0064】
表1の左欄枠34に該当する各回線区間の通信状態の組み合わせは、各回線区間12、13、14、15のうち、複数の回線区間で障害が発生し、これら複数の障害発生の回線区間が互いに近接地域内に存在する場合を示している。
【0065】
このような障害の場合は、「降雨等の気象条件による回線障害」(該左欄枠34に対応する右欄枠35)と推定する。
【0066】
表1の左欄枠36に該当する各回線区間の通信状態の組み合わせは、各回線区間12、13、14、15のうち、複数の回線区間で障害が発生し、これら複数の障害発生の回線区間が互いに近接する地域ではない場合を示している。
【0067】
このような障害の場合は、「障害物による回線障害」(該左欄枠36に対応する右欄枠37)と推定する。
【0068】
このように表1を用いることにより、各回線区間の通信状態の組み合わせに対応して障害原因を容易に推定することができる。
【0069】
図4は、本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置において、降雨により近接する複数の回線区間で同時に回線障害が発生している場合の例を示したものである。
【0070】
なお、図4において、説明の便宜上、図1と同様な構成については図1と同一の符号を付す。
【0071】
より具体的には、近接する回線区間14および15が降雨領域30によって回線障害となっている状態を示している。
【0072】
例えば、親無線局1から各子無線局2、3、4、5に対して送信された信号電波(=検査信号)は、回線区間14および15に対応する子無線局4および5では降雨領域30によって、親無線局1から送信された信号電波が減衰して微弱な信号電波として受信されるか若しくは受信不能な状態となる。
【0073】
図4に示すように、回線区間14および15とは別の回線区間12(親無線局1と子無線局2との間)、13(親無線局1と子無線局3との間)では、回線障害の発生原因となる気象条件や障害物が存在しないので、これらの回線区間12、13では通信装置に不具合が生じない限り正常な通信が行われる。
【0074】
親無線局1からは送信した検査信号の情報が有線回線6を介してセンター局100に通知され、各子無線局2、3、4、5からはそれぞれの受信した検査信号の情報が有線回線7、8、9、10を介してセンター局100に通知される。
【0075】
センター局100では、親無線局1から通知された検査信号情報(=親無線局1が送信した)と各子無線局2、3、4、5から通知されたそれぞれの受信した検査信号情報と、障害判断手段により、回線区間14および15の通信状態は回線障害であり、回線区間12および13の通信状態は正常通信であると判断する。
【0076】
センター局100は、障害判断手段により判断した各回線区間の通信状態の組み合わせに基づき、表1を用いて障害原因を推定する。
【0077】
障害判断手段により判断した各回線区間の通信状態の組み合わせは、回線区間12および13が正常通信(=「○」)、回線区間14および15が回線障害(=「×」)となる。
【0078】
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「回線障害」(=「○」、「○」、「×」、「×」)である組み合わせを表1の左欄から検索し、当該検索結果の左欄に対応する右欄の推定される障害原因を読み取ることにより回線障害の原因を推定する。
【0079】
図3の表1に示すように、各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「回線障害」(=「○」、「○」、「×」、「×」)である組み合わせは、表1の左欄枠341に該当する。
【0080】
回線区間14と15とは、表1に示すように近接地域Bのブロック内の回線区間であり、表1の左欄枠341は、近接地域B内の回線区間14と15とで回線障害が発生していることを示している。
【0081】
表1において、左欄枠341に対応する右欄は右欄枠35であり、この右欄枠35の推定される障害原因を読み取ることにより、回線区間14と15との回線障害の原因が「降雨等の気象条件による回線障害」と推定することができる。
【0082】
図5は、本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置110において、障害物により親無線局1と子無線局4との間の回線区間14で回線障害が発生している場合の例を示している。
【0083】
なお、図5において、説明の便宜上、図1と同様な構成については図1と同一の符号を付す。
【0084】
図5(a)は、親無線局1と各子無線局2、3、4、5および障害物20、21の位置関係の概略を示した平面図である。
【0085】
図5(b)は、図5(a)において障害物20、21の存在する回線区間14を矢印Aの方向から見た概略の側面図である。
【0086】
より具体的には、図5は子無線局4の近くで図示せぬ高層ビル工事が実施されており、この工事に伴ないクレーン20のアームおよび工事用資材板21が子無線局4と親無線局1との間の回線を遮断する障害物として回線区間14内に存在している状態を示している。
図5(b)に示すように、回線区間14にはクレーン20のアームおよび工事用資材板21の障害物が存在するために、親無線局1および子無線局4の各アンテナ11cおよび4bからそれぞれ送信されるミリ波帯の電波は、これらの障害物によって乱反射若しくは遮られて減衰若しくは遮断され、回線障害を発生させる。
【0087】
図5(a)に示すように、回線区間14とは別の回線区間12(親無線局1と子無線局2との間)、13(親無線局1と子無線局3との間)、15(親無線局1と子無線局5との間)には、回線障害の発生原因となる障害物や気象条件が存在しないので、これらの回線区間12、13、15では通信装置に不具合が生じない限り正常な通信が行われる。
【0088】
親無線局1からは送信した検査信号の情報が有線回線6を介してセンター局100に通知され、各子無線局2、3、4、5からはそれぞれの受信した検査信号の情報が有線回線7、8、9、10を介してセンター局100に通知される。
【0089】
センター局100では、親無線局1から通知された検査信号情報と各子無線局2、3、4、5から通知されたそれぞれの受信した検査信号情報と、障害判断手段により、回線区間14の通信状態は回線障害であり、回線区間12、13および15の通信状態は正常通信であると判断する。
【0090】
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態が
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「正常通信」(=「○」、「○」、「×」、「○」)である組み合わせを表1の左欄から検索し、当該検索結果の左欄に対応する右欄の推定される障害原因を読み取ることにより回線障害の原因を推定する。
【0091】
図3の表1に示すように、各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「正常通信」(=「○」、「○」、「×」、「○」)である組み合わせは、表1の左欄枠343に該当し、当該左欄枠343に対応する右欄枠33の推定される障害原因から「障害物による回線障害」と推定する。
【0092】
なお、この実施例では、各回線区間の通信状態情報を各回線区間に対応する親無線局および子無線局からセンター局に通知するような構成の例を示したが、各回線区間の通信状態情報を親無線局で収集し、収集した通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成でもよい。
【0093】
図6は、本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置において、各回線区間の通信状態情報を親無線局で収集し、収集した通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成を示すブロック図である。
【0094】
なお、図6において、説明の便宜上、図1と同様な構成については図1と同一の符号を付す。
【0095】
図6に示すように、本発明に係わる回線障害原因推定装置610は親無線局1からは各子無線局2、3、4、5との間の通信状態の情報が有線回線6を介してセンター局100に通知される。
【0096】
センター局100では、親無線局1から通知された通信状態の情報と障害判断手段により、回線区間12、13、14、15の通信状態が回線障害であるのか、正常通信であるかを判断する。
【0097】
センター局100は、障害判断手段により判断した各回線区間の通信状態の組み合わせに基づき、表1を用いて障害原因を推定する。
【0098】
図6に示した本発明に係わる回線障害原因推定装置610は、各回線区間の通信状態情報を親無線局で収集し、収集した通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成の他は、図1に示した回線障害原因推定装置110と同様であるので説明の便宜上、詳細説明は省略する。
【0099】
図7は、センター局が各無線区間の通信状態情報を収集し、収集した通信状態情報に基づいて障害の原因を推定する方法の処理フローを示した図である。
【0100】
この障害原因の推定方法を図6および図1を参照しながら以下に説明する。
【0101】
センター局100は、親無線局1および子無線局2、3、4、5から通知される各回線区間12、13、14、15の通信状態情報を収集(ステップ700)し、障害の発生している回線区間が存在するか否かを判断する(ステップ701)。
【0102】
すべての回線区間の通信状態が正常であれば(ステップ701でNO)、「正常通信」として処理する(ステップ702)。
【0103】
障害の発生している回線区間が存在する場合(ステップ701でYES)は、複数の回線区間で障害が発生しているのか否かを判断する(ステップ703)。
【0104】
障害の発生している回線区間が単独の場合(ステップ703でNO)は、障害原因を「障害物による回線障害」として推定する(ステップ706)。
【0105】
障害が複数の回線区間で発生(ステップ703でYES)し、その複数の回線区間が互いに近接している場合(ステップ704でYES)は、障害原因を「降雨等の気象条件による回線障害」と推定する(ステップ705)。
【0106】
障害が複数の回線区間で発生(ステップ703でYES)し、その複数の回線区間が近接していない場合(ステップ704でNO)は、障害原因を「障害物による回線障害」と推定する(ステップ706)。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ミリ波帯を用いた回線障害原因推定方法および装置において、複数の回線区間の通信状態の情報を一括管理し、各回線区間の通信状態の情報に基づいて回線障害の発生している回線区間の障害原因を推定する手段を有しているので、いずれかの回線区間で障害が発生した場合には、その障害原因を現地調査することなく容易に推定することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】障害原因を推定するために用いる表1の構成を示した図である。
【図3】図2に示した表1を説明するための説明図である。
【図4】降雨により回線障害が発生している場合の例を示した図である。
【図5】障害物によって回線障害が発生している場合の例を示した図である。
【図6】本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置において、各回線区間の通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成を示すブロック図である。
【図7】センター局が通信状態情報に基づき障害原因を推定する方法の概略処理フロー図である。
【符号の説明】
1 親無線局
1a、1b、1c、1d ミリ波帯用の無線通信装置(親無線局)
2 子無線局
2a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局2)
2b 送受信用アンテナ
3 子無線局
3a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局3)
3b 送受信用アンテナ
4 子無線局
4a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局4)
4b 送受信用アンテナ
5 子無線局
5a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局5)
5b 送受信用アンテナ
11a、11b、11c、11d 送受信用アンテナ(親無線局)
12 回線区間(親無線局1と子無線局2との間)
13 回線区間(親無線局1と子無線局3との間)
14 回線区間(親無線局1と子無線局4との間)
15 回線区間(親無線局1と子無線局5との間)
100 センター局
110 回線障害原因推定装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミリ波帯の電波を用いた回線障害原因推定方法および装置において、無線回線の障害原因が障害物によるものなのか、降雨等の気象条件によるものなのかを推定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやインターネットの普及と、デジタル通信の発達に伴ない大容量のデータ伝送が可能なマイクロ波やミリ波等の高い周波数帯の電波をデータ通信の回線として利用されつつある。
【0003】
データ通信の回線として無線回線(以下、「回線」という。)を利用する場合は、使用電波の周波数帯固有の物理的特性を十分考慮して無線通信装置の設置や運用を行うことにより、障害を抑えることができる。
【0004】
ミリ波帯の電波は、鋭い指向性や広い周波数帯が利用できる反面、電波の強い直進性と降雨等の水粒による電波減衰が大きいという特性がある。
【0005】
このような特性を有するミリ波帯をデータ通信の回線として用いた場合は、通信装置の機器に不具合がない場合であっても、障害物や降雨等の気象条件によって回線の電波が遮断若しくは減衰して障害を引き起こす場合がある。
この障害には、大きく分けると次の二つが考えられている。
【0006】
(1)障害物による障害
(2)降雨等の気象条件による障害。
【0007】
このような障害の対応は、調査員が障害現場に赴き、現地調査を実施して上記(1)、(2)のいずれの原因による障害であるかを判別していた。
【0008】
現地調査による障害原因の判別作業は、障害が発生する度に調査員が障害現場に赴き、原因調査を行うので作業効率が悪い。
【0009】
また、降雨等の気象条件による障害の場合は、障害現場が災害級の天候状態(例えば、豪雨、豪雪等)である場合もあり、現地で調査を行う調査員にとっては大きな危険を伴なう作業となる。
【0010】
ところで、特許文献1には、視聴者側で高精度の受信状況判定が低コストで実現できる衛星放送受信情報処理装置が提案されている。
【0011】
この衛星放送受信情報処理装置は、放送局側が各視聴者側で受信した衛星放送の受信強度情報を各視聴者側から収集し、収集した受信強度情報に基づいてモニター値を算出する。
【0012】
この算出したモニター値と各視聴者側の受信強度を比較して視聴者側が孤立して受信不能にある場合は、その視聴者側の受信設備が不調と判定し、隣接の複数視聴者間で受信状態が悪化していれば地域的な集中豪雨による一時的な受信障害と判定するものである。
【0013】
特許文献2には、降雨等によるデータ転送の異常を検出し、データ転送効率の低下を防ぐ無線通信システムが提案されている。
【0014】
この無線通信システムは、ハブ局と複数のVSAT局とが人工衛星を介して接続される通信回線において、回線異常が発生した時に、ハブ局がハブ局に設置してあるVSAT局の降雨データおよびC/Nデータを時系列に記憶管理した情報データベースを用いて、該回線異常の発生しているVSAT局の降雨データおよびC/Nデータを参照することによりその障害原因を推定するものである。
【0015】
特許文献3には、衛星障害が降雨によるものであるのか、装置障害によるものであるのかを明確に判別することが可能な衛星通信システムの降雨/装置障害判別方式およびその装置が提案されている。
【0016】
この衛星通信システムの降雨/装置障害判別方式およびその装置は、親局と複数の子局とが通信衛星を介して接続する衛星通信システムにおいて、親局で検出した衛星からの基準波の降雨減衰量に基づき、子局で検出した連続波の受信レベル減衰量xが子局における連続波の受信レベル減衰量の閾値Txを超えた後、親局で子局からのバースト波を受信できなくなった時を降雨による衛星障害と判別するものである。
【0017】
上述の如く、特許文献1、特許文献2および特許文献3では、障害の原因が降雨によるものであるのか、装置の障害によるものであるのかの判別を現地調査をすることなく行うことが可能である。
【0018】
【特許文献1】
特開平07−231310号公報
特開平11−122155号公報
特開平11−215041号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、特許文献2および特許文献3は、いずれも一方の地上局と他方の地上局との間を人工衛星を介して通信を行う場合において、この人工衛星を介して形成される一方の地上局と他方の地上局間との間の回線障害が降雨によるものなのか、通信装置の障害によるものなのかを判別するものである。
【0019】
また、これらの特許文献1、特許文献2および特許文献3には、障害が回線内の障害物によるものなのかを判別する方法は開示されていない。
【0020】
そこで本発明は、ミリ波帯の電波を利用した回線障害原因推定方法および装置において、障害が発生した場合に現地調査することなく容易に障害の原因を推定できる無線障害原因推定方法および装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、親無線局と複数の子無線局との間をミリ波帯の電波を用いてそれぞれの無線回線を構成した無線通信システムにおける回線障害原因推定方法において、前記無線回線のそれぞれの通信状態情報を、センター局で収集し、前記センター局は、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断し、該判断により障害が発現している無線回線が複数存在し、かつ障害が発現している無線回線が近接している場合は降雨等の気象条件による回線障害であると推定することを特徴とする。
【0022】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記センター局は、前記親無線局および前記複数の子無線局からそれぞれの通信状態情報を通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0023】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記センター局は、前記親無線局から前記複数の子無線局との間のそれぞれの通信状態情報を通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0024】
また、請求項4の発明は、親無線局と複数の子無線局との間をミリ波帯の電波を用いてそれぞれの無線回線を構成した無線通信システムにおける回線障害原因推定装置において、前記無線回線のそれぞれの通信状態情報を収集する通信状態情報収集手段と、前記通信状態情報収集手段で収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による障害が発生している無線回線が複数存在し、かつ障害が発生している無線回線が近接している場合は降雨等の気象条件による回線障害であると推定する回線障害推定手段とを具備することを特徴とする。
【0025】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記通信状態収集手段は、前記親無線局および前記複数の子無線局に通信手段を介して接続されたセンター装置に設けられ、前記センター装置は、前記通信状態収集手段により前記親無線局および前記複数の子無線局からそれぞれの通信状態情報を前記通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0026】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記通信状態収集手段は、前記親無線局に通信手段を介して接続されたセンター装置に設けられ、前記センター局は、前記通信状態収集手段により前記親無線局から前記複数の子無線局との間のそれそれの通信状態情報を前記通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明に係わる回線障害原因推定装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0029】
この回線障害原因推定装置110は、例えばデータ通信におけるデータをミリ波帯の無線回線を介して高速で伝送し、この無線回線に障害が発生した場合には、その障害原因が障害物による回線障害なのか、降雨等の気象条件による回線障害なのかを推定する装置として用いられるものである。
【0030】
なお、図1は本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
図1に示すように、本発明に係わる回線障害原因推定装置110は、親無線局1と複数の子無線局2、3、4、5との間で通信を行う回線区間12、13、14、15と、各回線区間の通信状態の情報を収集し、各回線区間のいずれかで障害が発生した場合には、これらの収集した通信状態の情報を解析して障害原因を推定するセンター局100から構成されている。
【0032】
親無線局1は、ミリ波帯用の無線通信装置1a、1b、1c、1dおよびこれらの各無線通信装置の送受信用アンテナ11a、11b、11c、11dを具備し、複数の子無線局2、3、4、5は、それぞれミリ波帯用の無線通信装置2a、3a、4a、5aおよびこれらの各無線装置の送受信用アンテナ2b、3b、4b、5bを具えて構成されている。
【0033】
親無線局1のアンテナ11aと子無線局2のアンテナ2b、親無線局1のアンテナ11bと子無線局3のアンテナ3b、親無線局1のアンテナ11cと子無線局4のアンテナ4b、親無線局1のアンテナ11dと子無線局5のアンテナ5bとはそれぞれ対向して配置されて回線区間12、13、14、15を構成し、ミリ波帯の電波を用いてデータ通信を行っている。
【0034】
ミリ波帯の電波は、降雨や障害物等により電波減衰しやすいという特性上、親無線局1と複数の子無線局2、3、4、5との間の距離はそれぞれ数百メートルから数キロメートルの範囲内に配置されている。
【0035】
センター局100には、各回線区間12、13、14、15に対応する親無線局1および子無線局2、3、4、5からそれぞれの通信状態の情報が有線回線6、7、8、9、10を介して通知されるようになっている。
【0036】
なお、親無線局1は、親無線局1と各子無線局2、3、4、5との間のそれぞれの通信状態の情報をセンター局100に通知するような構成となっている。
【0037】
また、有線回線は公衆網、インターネット網、専用線等、種々の方法が可能であり特に限定するものではない。
【0038】
センター局100は、親無線局1および各子無線局2、3、4、5から通知される各通信状態の情報に基づいて、親無線局1および各子無線局2、3、4、5との間の各回線区間で障害が発生しているか否かを判断する障害判断手段を有し、この障害判断手段により各回線区間のいずれかで障害が発生していると判断した場合には、障害の発生している回線区間の情報に基づいて、図示せぬ解析手段および解析装置を用いて障害原因を推定する。
【0039】
なお、この実施例では説明の便宜上、親無線局1は子無線局2と5との間、および3と4との間がそれぞれほぼ等距離になるように配置してあるが、親無線局1および各子無線局2、3、4、5の配置は、ミリ波帯を用いて親無線局1および各子無線局2、3、4、5との間の通信が可能であれば特に限定されるものではない。
【0040】
また、この実施例では親無線局1と複数の子無線局2、3、4、5およびセンター局100からなる構成とした例を示しているが、親無線局1と通信を行う各子無線局の数および親無線局の数は特に限定するものではない。
【0041】
更に、センター局は複数設置してもよく、複数の親無線局のうちの一つにセンター局の機能を有するようにしてもよい。
【0042】
センター局100が有する障害判断手段は、次のような方法で各回線区間での障害の有無を判断する。
【0043】
例えば、親無線局1から各子無線局2、3、4、5に対して無線回線の通信状態をチェックするための信号(=検査信号)を送信するとともに送信した信号情報(=検査信号情報)をセンター局100へ通知する。
【0044】
各子無線局2、3、4、5は、親無線局1から送信された検査信号を受信し、それぞれの子無線局で受信した検査信号情報をセンター局100へ通知する。
【0045】
センター局100は、親無線局1から通知された検査信号情報(親無線局が各子無線局に送信した検査信号情報)と各子無線局2、3、4、5から通知されたそれぞれの検査信号情報(各子無線局が受信した検査信号情報)とを比較し、送信信号(親無線局が送信した検査信号情報)に対する受信信号(子無線局で受信した検査信号情報)のエラー率(例えば、信号に含まれているデータのビットエラー等の割合等)が所定の閾値以上の値である回線区間を回線障害として判断する。
【0046】
図1に示した本発明に係わる回線障害原因推定装置110の場合は、各回線区間12、13、14、15において、ミリ波帯を用いた無線回線の障害発生の原因となる降雨等の気象条件や、無線回線を遮断するような障害物が存在することなく、それぞれ正常な通信が行われている場合を示している。
【0047】
センター局100には、各回線区間12、13、14、15に対応する親無線局1と各子無線局2、3、4、5からそれぞれの通信状態の情報が通知される。
【0048】
センター局100は、これらの通知された通信状態の情報と障害判断手段により各無線区間12、13、14、15がそれぞれ正常な通信状態であると判断する。
【0049】
図2は、センター局100が各回線区間12、13、14、15の各通信状態の情報に基づき、回線障害の原因を推定するために用いる表1の構成を示したものである。 なお、表1はセンター局100の図示せぬ解析装置の記憶部に予め記憶されており、回線障害原因を推定する際の好適時に記憶部から読み出されて、各回線区間の通信状態の情報と表1を用いて障害原因を推定するようにしたものである。
図2に示すように、表1の構成は左欄に各回線区間12、13、14、15のうちの互いに近接している回線区間をブロック化(例えば、近接地域A、近接地域B、・・・)し、各回線区間のそれぞれの通信状態を示す欄が設けられている。
【0050】
各回線区間12、13、14、15の通信状態は、障害が発生している回線区間には「×」を、正常通信の回線区間には「○」の情報がそれぞれ示されている。
【0051】
表1の右欄には、左欄の各回線区間12、13、14、15の通信状態(正常通信「○」であるのか、回線障害「×」であるのかの状態)の組み合わせに対応する障害原因の情報が示されている。
【0052】
この障害原因の情報は、例えば各回線区間12、13、14、15の通信状態の情報に基づき、障害の発生している回線区間が単独であるのか否か、障害の発生している回線区間が複数の場合は、障害発生の回線区間が互いに近接地域内に存在しているのか否か等により障害原因が推定できるように示されている。
【0053】
センター局100が、各回線区間の通信状態の情報と表1を用いて障害原因を推定する方法を以下に説明する。
【0054】
図3は、図2に示した表1を用いて、回線障害の原因を推定する方法の説明を容易にするための説明図である。
【0055】
例えば、図1に示した本発明に係わる回線障害原因推定装置110の場合は、センター局100は、各回線区間12、13、14、15に対応する親無線局1と各子無線局2、3、4、5から通知された通信状態情報と、障害判断手段により各無線区間12、13、14、15のそれぞれの通信状態を正常通信(=「○」)と判断する。
【0056】
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態がすべて正常通信(=「○」)である場合の組み合わせを表1の左欄から検索し、当該検索結果の左欄に対応する右欄の推定される障害原因を読み取ることにより回線障害の原因を推定する。
【0057】
図3に示すように、各回線区間12、13、14、15の通信状態がすべて正常通信(=「○」)である場合の組み合わせは、表1の左欄枠30に該当し、当該左欄枠30に対応する右欄枠31の推定される障害原因から「正常通信」と推定する。
【0058】
各回線区間12、13、14、15のうち、単独にいずれかの回線区間で回線障害が発生している場合には、表1の左欄枠32に該当する各回線区間のそれぞれの通信状態の組み合わせとなる。
【0059】
すなわち、表1の左欄枠321は、回線区間12が回線障害であり、その他の回線区間13、14、15が正常通信状態を示している。
【0060】
表1の左欄枠322は、回線区間13が回線障害であり、その他の回線区間12、14、15が正常通信状態を示している。
【0061】
表1の左欄枠323は、回線区間14が回線障害であり、その他の回線区間12、13、15が正常通信状態を示している。
【0062】
表1の左欄枠324は、回線区間15が回線障害であり、その他の回線区間12、13、14が正常通信状態を示している。
【0063】
各回線区間のそれぞれの通信状態の組み合わせが表1の左欄枠32に該当する場合には、当該左欄枠32に対応する右欄枠33の推定される障害原因から「障害物による回線障害」と推定する。
【0064】
表1の左欄枠34に該当する各回線区間の通信状態の組み合わせは、各回線区間12、13、14、15のうち、複数の回線区間で障害が発生し、これら複数の障害発生の回線区間が互いに近接地域内に存在する場合を示している。
【0065】
このような障害の場合は、「降雨等の気象条件による回線障害」(該左欄枠34に対応する右欄枠35)と推定する。
【0066】
表1の左欄枠36に該当する各回線区間の通信状態の組み合わせは、各回線区間12、13、14、15のうち、複数の回線区間で障害が発生し、これら複数の障害発生の回線区間が互いに近接する地域ではない場合を示している。
【0067】
このような障害の場合は、「障害物による回線障害」(該左欄枠36に対応する右欄枠37)と推定する。
【0068】
このように表1を用いることにより、各回線区間の通信状態の組み合わせに対応して障害原因を容易に推定することができる。
【0069】
図4は、本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置において、降雨により近接する複数の回線区間で同時に回線障害が発生している場合の例を示したものである。
【0070】
なお、図4において、説明の便宜上、図1と同様な構成については図1と同一の符号を付す。
【0071】
より具体的には、近接する回線区間14および15が降雨領域30によって回線障害となっている状態を示している。
【0072】
例えば、親無線局1から各子無線局2、3、4、5に対して送信された信号電波(=検査信号)は、回線区間14および15に対応する子無線局4および5では降雨領域30によって、親無線局1から送信された信号電波が減衰して微弱な信号電波として受信されるか若しくは受信不能な状態となる。
【0073】
図4に示すように、回線区間14および15とは別の回線区間12(親無線局1と子無線局2との間)、13(親無線局1と子無線局3との間)では、回線障害の発生原因となる気象条件や障害物が存在しないので、これらの回線区間12、13では通信装置に不具合が生じない限り正常な通信が行われる。
【0074】
親無線局1からは送信した検査信号の情報が有線回線6を介してセンター局100に通知され、各子無線局2、3、4、5からはそれぞれの受信した検査信号の情報が有線回線7、8、9、10を介してセンター局100に通知される。
【0075】
センター局100では、親無線局1から通知された検査信号情報(=親無線局1が送信した)と各子無線局2、3、4、5から通知されたそれぞれの受信した検査信号情報と、障害判断手段により、回線区間14および15の通信状態は回線障害であり、回線区間12および13の通信状態は正常通信であると判断する。
【0076】
センター局100は、障害判断手段により判断した各回線区間の通信状態の組み合わせに基づき、表1を用いて障害原因を推定する。
【0077】
障害判断手段により判断した各回線区間の通信状態の組み合わせは、回線区間12および13が正常通信(=「○」)、回線区間14および15が回線障害(=「×」)となる。
【0078】
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「回線障害」(=「○」、「○」、「×」、「×」)である組み合わせを表1の左欄から検索し、当該検索結果の左欄に対応する右欄の推定される障害原因を読み取ることにより回線障害の原因を推定する。
【0079】
図3の表1に示すように、各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「回線障害」(=「○」、「○」、「×」、「×」)である組み合わせは、表1の左欄枠341に該当する。
【0080】
回線区間14と15とは、表1に示すように近接地域Bのブロック内の回線区間であり、表1の左欄枠341は、近接地域B内の回線区間14と15とで回線障害が発生していることを示している。
【0081】
表1において、左欄枠341に対応する右欄は右欄枠35であり、この右欄枠35の推定される障害原因を読み取ることにより、回線区間14と15との回線障害の原因が「降雨等の気象条件による回線障害」と推定することができる。
【0082】
図5は、本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置110において、障害物により親無線局1と子無線局4との間の回線区間14で回線障害が発生している場合の例を示している。
【0083】
なお、図5において、説明の便宜上、図1と同様な構成については図1と同一の符号を付す。
【0084】
図5(a)は、親無線局1と各子無線局2、3、4、5および障害物20、21の位置関係の概略を示した平面図である。
【0085】
図5(b)は、図5(a)において障害物20、21の存在する回線区間14を矢印Aの方向から見た概略の側面図である。
【0086】
より具体的には、図5は子無線局4の近くで図示せぬ高層ビル工事が実施されており、この工事に伴ないクレーン20のアームおよび工事用資材板21が子無線局4と親無線局1との間の回線を遮断する障害物として回線区間14内に存在している状態を示している。
図5(b)に示すように、回線区間14にはクレーン20のアームおよび工事用資材板21の障害物が存在するために、親無線局1および子無線局4の各アンテナ11cおよび4bからそれぞれ送信されるミリ波帯の電波は、これらの障害物によって乱反射若しくは遮られて減衰若しくは遮断され、回線障害を発生させる。
【0087】
図5(a)に示すように、回線区間14とは別の回線区間12(親無線局1と子無線局2との間)、13(親無線局1と子無線局3との間)、15(親無線局1と子無線局5との間)には、回線障害の発生原因となる障害物や気象条件が存在しないので、これらの回線区間12、13、15では通信装置に不具合が生じない限り正常な通信が行われる。
【0088】
親無線局1からは送信した検査信号の情報が有線回線6を介してセンター局100に通知され、各子無線局2、3、4、5からはそれぞれの受信した検査信号の情報が有線回線7、8、9、10を介してセンター局100に通知される。
【0089】
センター局100では、親無線局1から通知された検査信号情報と各子無線局2、3、4、5から通知されたそれぞれの受信した検査信号情報と、障害判断手段により、回線区間14の通信状態は回線障害であり、回線区間12、13および15の通信状態は正常通信であると判断する。
【0090】
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態が
センタ局100は、図示せぬ解析手段により各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「正常通信」(=「○」、「○」、「×」、「○」)である組み合わせを表1の左欄から検索し、当該検索結果の左欄に対応する右欄の推定される障害原因を読み取ることにより回線障害の原因を推定する。
【0091】
図3の表1に示すように、各回線区間12、13、14、15の通信状態がそれぞれ「正常通信」、「正常通信」、「回線障害」、「正常通信」(=「○」、「○」、「×」、「○」)である組み合わせは、表1の左欄枠343に該当し、当該左欄枠343に対応する右欄枠33の推定される障害原因から「障害物による回線障害」と推定する。
【0092】
なお、この実施例では、各回線区間の通信状態情報を各回線区間に対応する親無線局および子無線局からセンター局に通知するような構成の例を示したが、各回線区間の通信状態情報を親無線局で収集し、収集した通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成でもよい。
【0093】
図6は、本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置において、各回線区間の通信状態情報を親無線局で収集し、収集した通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成を示すブロック図である。
【0094】
なお、図6において、説明の便宜上、図1と同様な構成については図1と同一の符号を付す。
【0095】
図6に示すように、本発明に係わる回線障害原因推定装置610は親無線局1からは各子無線局2、3、4、5との間の通信状態の情報が有線回線6を介してセンター局100に通知される。
【0096】
センター局100では、親無線局1から通知された通信状態の情報と障害判断手段により、回線区間12、13、14、15の通信状態が回線障害であるのか、正常通信であるかを判断する。
【0097】
センター局100は、障害判断手段により判断した各回線区間の通信状態の組み合わせに基づき、表1を用いて障害原因を推定する。
【0098】
図6に示した本発明に係わる回線障害原因推定装置610は、各回線区間の通信状態情報を親無線局で収集し、収集した通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成の他は、図1に示した回線障害原因推定装置110と同様であるので説明の便宜上、詳細説明は省略する。
【0099】
図7は、センター局が各無線区間の通信状態情報を収集し、収集した通信状態情報に基づいて障害の原因を推定する方法の処理フローを示した図である。
【0100】
この障害原因の推定方法を図6および図1を参照しながら以下に説明する。
【0101】
センター局100は、親無線局1および子無線局2、3、4、5から通知される各回線区間12、13、14、15の通信状態情報を収集(ステップ700)し、障害の発生している回線区間が存在するか否かを判断する(ステップ701)。
【0102】
すべての回線区間の通信状態が正常であれば(ステップ701でNO)、「正常通信」として処理する(ステップ702)。
【0103】
障害の発生している回線区間が存在する場合(ステップ701でYES)は、複数の回線区間で障害が発生しているのか否かを判断する(ステップ703)。
【0104】
障害の発生している回線区間が単独の場合(ステップ703でNO)は、障害原因を「障害物による回線障害」として推定する(ステップ706)。
【0105】
障害が複数の回線区間で発生(ステップ703でYES)し、その複数の回線区間が互いに近接している場合(ステップ704でYES)は、障害原因を「降雨等の気象条件による回線障害」と推定する(ステップ705)。
【0106】
障害が複数の回線区間で発生(ステップ703でYES)し、その複数の回線区間が近接していない場合(ステップ704でNO)は、障害原因を「障害物による回線障害」と推定する(ステップ706)。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ミリ波帯を用いた回線障害原因推定方法および装置において、複数の回線区間の通信状態の情報を一括管理し、各回線区間の通信状態の情報に基づいて回線障害の発生している回線区間の障害原因を推定する手段を有しているので、いずれかの回線区間で障害が発生した場合には、その障害原因を現地調査することなく容易に推定することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】障害原因を推定するために用いる表1の構成を示した図である。
【図3】図2に示した表1を説明するための説明図である。
【図4】降雨により回線障害が発生している場合の例を示した図である。
【図5】障害物によって回線障害が発生している場合の例を示した図である。
【図6】本発明に係わる回線障害原因推定方法および装置において、各回線区間の通信状態情報を親無線局から一括してセンター局に通知するような構成を示すブロック図である。
【図7】センター局が通信状態情報に基づき障害原因を推定する方法の概略処理フロー図である。
【符号の説明】
1 親無線局
1a、1b、1c、1d ミリ波帯用の無線通信装置(親無線局)
2 子無線局
2a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局2)
2b 送受信用アンテナ
3 子無線局
3a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局3)
3b 送受信用アンテナ
4 子無線局
4a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局4)
4b 送受信用アンテナ
5 子無線局
5a ミリ波帯用の無線通信装置(子無線局5)
5b 送受信用アンテナ
11a、11b、11c、11d 送受信用アンテナ(親無線局)
12 回線区間(親無線局1と子無線局2との間)
13 回線区間(親無線局1と子無線局3との間)
14 回線区間(親無線局1と子無線局4との間)
15 回線区間(親無線局1と子無線局5との間)
100 センター局
110 回線障害原因推定装置
Claims (6)
- 親無線局と複数の子無線局との間をミリ波帯の電波を用いてそれぞれの無線回線を構成した無線通信システムにおける回線障害原因推定方法において、
前記無線回線のそれぞれの通信状態情報を、センター局で収集し、
前記センター局は、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断し、
該判断により障害が発現している無線回線が複数存在し、かつ障害が発現している無線回線が近接している場合は降雨等の気象条件による回線障害であると推定することを特徴とする回線障害原因推定方法。 - 前記センター局は、前記親無線局および前記複数の子無線局からそれぞれの通信状態情報を通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の回線障害原因推定方法。
- 前記センター局は、前記親無線局から前記複数の子無線局との間のそれぞれの通信状態情報を通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の回線障害原因推定方法。
- 親無線局と複数の子無線局との間をミリ波帯の電波を用いてそれぞれの無線回線を構成した無線通信システムにおける回線障害原因推定装置において、
前記無線回線のそれぞれの通信状態情報を収集する通信状態情報収集手段と、前記通信状態情報収集手段で収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による障害が発生している無線回線が複数存在し、かつ障害が発生している無線回線が近接している場合は降雨等の気象条件による回線障害であると推定する回線障害推定手段とを具備することを特徴とする回線障害原因推定装置。 - 前記通信状態収集手段は、
前記親無線局および前記複数の子無線局に通信手段を介して接続されたセンター装置に設けられ、
前記センター装置は、前記通信状態収集手段により前記親無線局および前記複数の子無線局からそれぞれの通信状態情報を前記通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする請求項4記載の回線障害原因推定装置。 - 前記通信状態収集手段は、
前記親無線局に通信手段を介して接続されたセンター装置に設けられ、
前記センター局は、前記通信状態収集手段により前記親無線局から前記複数の子無線局との間のそれそれの通信状態情報を前記通信手段を介して収集し、該収集した通信状態情報に基づき前記親無線局と前記子無線局間のそれぞれの無線回線に障害が発現しているか否かを判断することを特徴とする請求項4記載の回線障害原因推定装置。
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JP2003115769A JP2004328051A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 回線障害原因推定方法および装置 |
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JP2013157781A (ja) * | 2012-01-30 | 2013-08-15 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 通信不良区間判定システム |
-
2003
- 2003-04-21 JP JP2003115769A patent/JP2004328051A/ja active Pending
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