JP2004327432A - 発光素子および発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明では、白色発光における色のバランス(ホワイトバランス)を容易に制御できる発光素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 発光素子の電界発光層において、1種または2種類以上の発光材料を含む第1の発光層と、2種類の発光材料(ホスト材料と燐光材料)を含み、かつ、そのうちの燐光材料が10wt%〜40wt%、好ましくは12.5wt%〜20wt%の濃度で存在する第2の発光層とを含む素子を形成することにより、第1の発光層からは、青色発光が得られ、また、第2の発光層からは、緑色発光と赤色(もしくはオレンジ色)発光が得られる。なお、このような構造を有する素子は、電流密度を高めた場合における発光のピーク強度が同じ割合で変化するためホワイトバランスの制御が容易になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、陽極と、陰極と、電界を加えることで発光が得られる化合物を含む層(以下、「電界発光層」と記す)と、を有する発光素子、およびそれを用いた発光装置に関する。また特に、白色発光を呈する発光素子、およびそれを用いたフルカラーの発光装置に関する。
発光素子は、一対の電極(陽極と陰極)間に電界発光層を挟んでなり、その発光機構は、両電極間に電圧を印加した際に陽極から注入される正孔(ホール)と、陰極から注入される電子が、電界発光層において再結合することにより電界発光層中の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光するといわれている。なお、励起状態には一重項励起と三重項励起が知られ、発光はどちらの励起状態を経ても可能であると考えられている。
電界発光層は、発光性材料からなる発光層のみの単層構造の場合もあるが、発光層だけでなく、複数の機能性材料からなる正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層(ホールブロッキング層)、電子輸送層、電子注入層などが積層形成される場合もある。
なお、発光層においては、ホスト物質に蛍光物質を極めて少量(代表的にはホスト物質を基準に約10-3モル%以下)存在させることにより、発光の色調を適宜変えるという方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2814435号明細書
その他、光の色調を変える方法としては、発光層で得られた青色発光を発光源とし、色変換材料で形成された色変換層において、その発光色を所望の色に変換させる手法(以下、CCM方式という)や、発光層で得られた白色発光を発光源とし、カラーフィルターにより、その発光色を所望の色に変換させる方法(以下、CF方式という)が知られている。
しかし、CCM方式を用いた場合、原理的に青色から赤色への色変換効率が悪いため、赤色発光を行う場合に問題が生じる。また、色変換材料自体が蛍光体であるため、太陽光などの外光によって画素が発光してしまい、コントラストが悪くなるという問題点もある。そのため、これらの問題を有しないCF方式の方が好ましい方法であると考えられている。
CF方式を用いる場合において、多くの光がカラーフィルターに吸収されることから、輝度の高い白色発光を呈する発光素子(以下、白色発光素子という)が要求される。
白色発光素子に関しては、様々な材料を用い、様々な構造を有する素子が報告されているが、異なる発光色を呈する複数の材料を用いて白色発光を得ているため、発光色のバランス(ホワイトバランス)を制御することは、非常に重要であるにもかかわらず、難しい問題となっている。
例えば、発光層に青色発光、緑色発光、および赤色発光を呈する材料を混在させて白色発光を得るという白色発光素子の場合において、各発光色を呈する材料の発光のピーク強度は、電流密度に応じてそれぞれ異なる変化を示すという結果が報告されている(例えば、非特許文献1(Fig.2)参照。)。このような素子を形成した場合、充分な輝度を得ようと電流密度を高めると、各発光色の発光のピーク強度が、それぞれ異なる割合で変化してしまうため、これらの発光色のピーク強度がパラメータとなるホワイトバランスを制御することは非常に困難である。
Brien W. D'Andrede, Jason Brooks, Vadim Adamovich, Mark E. Thompson, and Stephen R. Forrest, Advanced Material (2002), 14, No.15, August 5, 1032-1036
そこで、本発明では、白色発光における色のバランス(ホワイトバランス)を容易に制御できる発光素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために研究を重ねた結果、本発明者は白色発光を得るために用いる複数の発光材料のうち、発光材料の濃度をある一定の濃度範囲とすることにより、電流密度を増加させた場合でもピーク強度の変化の割合が発光材料によって変わらないことを見出した。
そこで、本発明では、発光素子の電界発光層において、1種または2種類以上の発光材料を含む第1の発光層と、2種類の発光材料を含み、かつ、そのうちの1種類が10wt%〜40wt%、好ましくは12.5wt%〜20wt%の濃度で存在する第2の発光層とを含むことを特徴とする。
なお、上記構成において、第1の発光層からは、1種または2種類以上の発光材料を用いることにより400nm〜500nmの波長領域に発光ピークを有する青色発光が得られ、また、第2の発光層からは、2種類の材料として、ホスト材料と燐光材料を用い、燐光材料を10wt%〜40wt%、好ましくは12.5wt%〜20wt%の濃度で存在させることにより、500nm〜550nmの波長領域に発光ピークを有する緑色発光と、550nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する赤色(もしくはオレンジ色)発光が得られる。ただし、ここでは燐光材料として、励起状態の原子または分子と基底状態の原子または分子が結合した2量体であるエキシマーを形成することができる材料を用いることとする。
以上の様に、青色発光が得られる第1の発光層と、緑色発光および赤色(もしくはオレンジ色)発光が得られる第2の発光層とを分離して形成することにより、第1の発光層を形成する上での濃度制御等が容易になるため製造しやすくなるといった利点がある。また、同一の発光層から全ての発光色が得られる場合に比べて、発光層内部での異分子間(例えばエキサイプレックス)の相互作用による発光波長の変動やピーク強度の低下等を抑える効果も期待できる。
さらに、第2の発光層において、上述した濃度範囲で燐光材料を存在させることにより、燐光材料から形成されるエキシマーの数を制御できるだけでなく、第2の発光層から得られる発光(緑色発光、赤色発光)と同時に第1の発光層から青色発光を得ることができる。また、この場合には、燐光材料から得られる燐光発光(緑色発光)およびエキシマーからの発光(赤色(もしくはオレンジ色)発光)におけるピーク強度(両者の強度比は濃度によって決まることから、同じと見なすことができる)と、第1の発光層における青色発光のピーク強度は、電流密度を高めた場合にほぼ同じ割合で変化するため、制御しやすく、ホワイトバランスの良い白色発光を容易に得ることができる。
従って、本発明の構成は、一対の電極間に電界発光層を有する発光素子であって、前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、前記第2の発光層は、10wt%〜40wt%、好ましくは12.5wt%〜20wt%の濃度の燐光材料を含むことを特徴とする有機発光素子である。
また、本発明の構成は、一対の電極間に電界発光層を有する発光素子であって、前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、前記第2の発光層は、10-4mol/cm3以上、10-3mol/cm3以下の濃度のエキシマーを形成する燐光材料を含むことを特徴とする発光素子である。
なお、前記燐光材料を上述した濃度範囲とすることにより、前記第2の発光層における緑色発光(500nm〜550nmの波長領域に発光ピークを有する)のピーク強度に対する赤色(もしくはオレンジ色)発光(550nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する)のピーク強度の比を50%〜150%、好ましくは70%〜130%とすることができる。
また、前記燐光材料を上述した濃度範囲とすることにより、前記発光素子から得られる輝度を100〜2000cd/m2、好ましくは300〜1000cd/m2とすることができる。
さらに、前記燐光材料を上述した濃度範囲とすることにより、前記燐光材料の一部がエキシマー状態を形成できる分子間距離となるように存在させることができる。
さらに、前記燐光材料を上述した濃度範囲とすることにより、金属錯体からなる燐光材料を含み、かつ前記燐光材料の中心金属間の距離を2〜20Åとすることができる。
なお、上記各構成において、前記第2の発光層の膜厚は、20nm〜50nm、好ましくは25nm〜40nmとするのが好ましい。
上記各構成において、前記第1の発光層から得られる発光スペクトルは400nm〜500nmの波長領域に発光ピークを示し、前記第2の発光層から得られる発光スペクトルは500nm〜700nmの波長領域に複数の発光ピークを示し、かつ、前記複数の発光ピークのいずれかがエキシマー発光であることを特徴とする発光素子である。
上記各構成において、前記燐光材料は、白金を中心金属とする金属錯体であることを特徴とする。
また、上述した発光素子を用いて形成された発光装置および電気器具も本発明に含めるものとする。
本発明に示すように白色発光を得るために用いる複数の発光材料のうち、発光材料の濃度をある一定の濃度範囲とすることにより、白色発光における色のバランス(ホワイトバランス)を容易に制御できる発光素子を提供することができる。
本発明における電界発光素子は、一対の電極(陽極及び陰極)間に少なくとも第1の発光層と第2の発光層と含む電界発光層を挟持させた構造を有する。なお、図1(A)に示すように第1の発光層では、キャリアの再結合により発光材料が励起され、モノマーとして励起状態を形成することにより発光(青色発光:hν1)が得られる。また、第2の発光層では、キャリアの再結合等により燐光材料が励起され、モノマーとして励起状態を形成することにより得られる燐光発光(緑色発光:hν2)と、励起状態にあるモノマーと、基底状態にあるモノマーとが励起2量体(エキシマー)を形成することにより得られるエキシマー発光(赤色(もしくはオレンジ色):hν2')の両方の発光が同時に得られる。
第2の発光層において、燐光材料から得られるエキシマー状態は、図1(B)に示すように燐光材料の励起状態よりもエネルギー状態が低いため、エキシマー発光(hν2')は、通常の燐光発光(hν2)よりも必ず長波長側(具体的には数十nm以上長波長側)に現れる。従って、本発明のように緑色発光を呈する波長領域に燐光発光が得られる燐光材料を用いた場合には、エキシマー発光が赤色発光を呈する波長領域に現れることになる。したがって、本発明では、燐光材料から得られる緑色発光および赤色発光と、他の発光材料から得られる青色発光とを組み合わせることにより、赤色、緑色、青色の各波長領域にピークを有し、なおかつ高効率な白色発光を得ることができる。
なお、燐光材料からエキシマー状態を形成するためには、励起状態にあるモノマーが基底状態にあるモノマーとの相互作用により2量体を形成しやすい状態にすることが必要となる。具体的には、第2の発光層において燐光材料をホスト材料中に10wt%〜40wt%、さらに12.5wt%〜20wt%の濃度で存在させることがより好ましい。その他、白金錯体のように平面性の高い構造を持つ燐光材料をゲスト材料として用い、これらの燐光材料の中心イオン(もしくは原子)間距離をある範囲内とすることが好ましい。なお、本発明では、基底状態にある燐光材料(モノマー)と、励起状態にある燐光材料(モノマー)が、それぞれ図1(C)に示す位置(a)および位置(b)にそれぞれ存在する場合には、中心イオン間距離:d1は、2〜5Åであることが好ましい。しかし、基底状態にある燐光材料(モノマー)が、位置(c)に存在する場合でも励起状態にある燐光材料(モノマー)との相互作用が可能であり、また、本発明における燐光材料の分子構造における平均半径(r)が6〜9Å程度であることから、本発明における中心イオン間距離:d2は、2Å≦d2≦20Åとすることがより好ましい。
なお、青色発光を呈する第1の発光層は、単一物質(青色の発光体)を用いて形成してもよいし、ホスト材料と青色の発光体であるゲスト材料を用いて形成してもよい。
さらに、本発明の発光素子を形成する上で、第1の発光層と第2の発光層の両方を発光させるためのデバイス設計が必要となる。具体的には、電界発光層を構成する第1の発光層、第2の発光層や、その他の層との間におけるイオン化ポテンシャルの関係を最適なものとする必要がある。
なお、このデバイス設計は、電界発光層を形成する機能層の構造により異なるため、以下にいくつかの好ましい形態について、素子構造とバンドダイアグラムの関係について説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、図2(A)に示すように基板200上に第1の電極201、電界発光層202、および第2の電極203が形成され、電界発光層202が第1の発光層211、第2の発光層212、および電子輸送層213からなる積層構造を有する場合について説明する。なお、第1の発光層211は、発光体を有し、第2の発光層212には、ホスト材料251と、発光体となる燐光材料252とが含まれており、燐光材料からは、燐光発光およびエキシマー発光が得られる。
なお、第1の発光層211に用いる発光体(発光材料)としては、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)や、その誘導体である4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)などのホール輸送性を持つ青色の蛍光材料や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、などの電子輸送性を持つ青色の蛍光材料を用いればよい。また、青色の各種蛍光色素をゲスト材料として用いてもよく、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、クマリン系色素(クマリン30等)、などが挙げられる。さらに、燐光材料を用いてもよく、ビス(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2')(アセチルアセトナト)イリジウム(略称:Ir(Fppy)2(acac))等がある。これらは全て、400nm以上500nm以下に発光の最大ピークを示すため、本発明の第1の発光層211に用いる発光体として好適である。
また、第2の発光層212に用いる発光体(燐光材料)としては、白金を中心金属とする金属錯体が有効である。具体的には、下記構造式(1)〜(4)で示される物質を10wt%〜40wt%、好ましくは12.5wt%〜20wt%の濃度で存在させることにより、燐光発光とそのエキシマー発光の両方を得ることができる。ただし、本発明においてはこれらに限定されることはなく、燐光発光とエキシマー発光の両方を同時に発する燐光材料であれば何を用いてもよい。
Figure 2004327432
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なお、本発明の第1の発光層にゲスト材料を用いる場合や、第2の発光層において発光体と共に用いるホスト材料としては、以下に示す例に代表されるホール輸送材料や電子輸送材料を用いることができる。また、4,4’−N,N’−ジカルバゾリル−ビフェニル(略称:CBP)などのバイポーラ性の材料も用いることができる。
ホール輸送材料としては、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物が好適である。広く用いられている材料として、例えば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(略称:TPD)や、その誘導体である4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)などがある。また、4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)や、4,4',4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。
また、電子輸送材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、BAlq、Zn(BOX)2、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)などのトリアゾール誘導体、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール](略称:TPBI)のようなイミダゾール誘導体、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などのフェナントロリン誘導体等が挙げられる。
なお、電子輸送層213には、上述した電子輸送材料を用いることができる。
次に、この構造を有する素子構造を形成する場合におけるバンドダイアグラムを図2(B)に示す。図中では、第1の電極201のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)220、第1の発光層211のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)221およびLUMO準位222、第2の発光層212のホスト材料の薄膜状態におけるHOMO準位(イオン化ポテンシャル)223およびLUMO準位224、第2の発光層212のゲスト材料(燐光材料)のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)225およびLUMO準位226、電子輸送層213のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)227およびLUMO準位228、第2の電極203のLUMO準位229を、それぞれ示してある。
この場合、第1の発光層211のイオン化ポテンシャル221と第2の発光層212全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料251と燐光材料252とを含む状態)のイオン化ポテンシャル(ここでは、ホスト材料251のイオン化ポテンシャルを第2の発光層212全体のイオン化ポテンシャルとみなす)223とのエネルギーギャップ230が十分に大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましい。もし、エネルギーギャップ230が小さいと、第1の発光層211はホール輸送性であるため、第1の発光層211から第2の発光層212にホールが侵入し、最終的にキャリアのほとんどは第2の発光層212で再結合することになる。そうすると、第2の発光層212が緑色〜赤色領域の発光を呈するため、より短波長の青色発光を呈する第1の発光層211にエネルギー移動することができず、第2の発光層212のみが発光してしまう。
従って、エネルギーギャップ230を十分に大きくすることにより、キャリアの大多数が、第1の発光層211と第2の発光層212との界面近傍において再結合する。そして、少数のキャリアが第2の発光層212で再結合するか、部分的には燐光材料のHOMO準位214にトラップ、第1の発光層211および第2の発光層212の両方での発光を得ることができる。
なお、第1の発光層211において、ホスト材料に青色発光を呈するゲスト材料を含む構成とする場合も同様である。すなわち、第1の発光層211全体(すなわち、第1の発光層のホスト材料と青色発光を呈するゲスト材料とを含む状態)のイオン化ポテンシャル221と第2の発光層212全体(第2の発光層のホスト材料251と燐光材料252とを含む状態)のイオン化ポテンシャル223とのエネルギーギャップ230が大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましい。
また、第2の発光層212全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料221と燐光材料222とを含む状態)のイオン化ポテンシャル223と電子輸送層213のイオン化ポテンシャル227とのエネルギーギャップ231が大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましい。ここで、エネルギーギャップ231を大きくすることにより、キャリアであるホールを第2の発光層212に閉じ込めることができるため、第2の発光層212において効率的に再結合させることができる。
さらに、第1の発光層211のLUMO準位222と第2の発光層212全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料251と燐光材料252とを含む状態)のLUMO準位(ここでは、ホスト材料のLUMO準位を第2の発光層全体のLUMO準位とみなす)224とのエネルギーギャップ232が大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましい。ここで、エネルギーギャップ232を大きくすることにより、キャリアである電子を第2の発光層212に閉じ込めることができるため、第2の発光層212において効率的に再結合させることができる。
すなわち、本実施の形態1においては、エネルギーギャップ230、231、232を有するバンド構造とすることにより、より効率的に第1の発光層211および第2の発光層212からの発光を得ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、図3(A)に示すように基板300上に第1の電極301、電界発光層302、および第2の電極303が形成され、電界発光層302が第1の発光層311、および第2の発光層312からなる積層構造を有する場合について説明する。なお、第2の発光層312には、ホスト材料351と、燐光材料352とが含まれており、燐光材料からは、燐光発光およびエキシマー発光が得られる。
本実施の形態2における構造は、実施の形態1で示した構造のうち、電界発光層に電子輸送層を含まない構造であり、電子輸送層を形成する工程を減らすことができるというメリットを有している。なお、発光効率を維持するために第2の発光層312のホスト材料321に電子輸送性に優れた材料を用いることが好ましい。
なお、本実施の形態2の場合において、第1の発光層311、および第2の発光層312に用いる材料は、実施の形態1に示した材料と同じ材料を用いることができる。
次に、この構造を有する素子構造を形成する場合におけるバンドダイアグラムを図3(B)に示す。図中では、第1の電極301のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)320、第1の発光層311のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)321およびLUMO準位322、第2の発光層312のホスト材料の薄膜状態におけるHOMO準位(イオン化ポテンシャル)323およびLUMO準位324、第2の発光層312のゲスト材料(燐光材料)のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)325およびLUMO準位326、第2の電極303のLUMO準位327を、それぞれ示してある。
本実施の形態2の場合においても、第1の発光層311および第2の発光層312からの発光をより効率的に得るためには、第1の発光層311のイオン化ポテンシャル321と第2の発光層312全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料351と燐光材料352とを含む状態)のイオン化ポテンシャル(ここでは、ホスト材料351のイオン化ポテンシャルを第2の発光層312全体のイオン化ポテンシャルとみなす)323とのエネルギーギャップ341が実施の形態1の場合と同様に十分に大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましく、さらに第1の発光層311のLUMO準位322と第2の発光層312全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料351と燐光材料352とを含む状態)のLUMO準位(ここでは、ホスト材料351のLUMO準位を第2の発光層312全体のLUMO準位とみなす)324とのエネルギーギャップ342が実施の形態1の場合と同様に十分に大きい(具体的には、0.3eV以上)ことが好ましい。
なお、第1の発光層311において、ホスト材料に青色発光を呈するゲスト材料を含む構成とする場合も同様である。すなわち、第1の発光層311全体(すなわち、第1の発光層のホスト材料と青色発光を呈するゲスト材料とを含む状態)のイオン化ポテンシャル(ここでは、第1の発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャルを第1の発光層311全体のイオン化ポテンシャルとみなす)321と第2の発光層312全体(第2の発光層のホスト材料351と燐光材料352とを含む状態)のイオン化ポテンシャル323とのエネルギーギャップ341が大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましい。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、図4(A)に示すように基板400上に第1の電極401、電界発光層402、および第2の電極403が形成され、電界発光層402がホール注入層411、第1の発光層412、第2の発光層413、および電子輸送層414からなる積層構造を有する場合について説明する。なお、第2の発光層413には、ホスト材料451と、燐光材料452とが含まれており、燐光材料からは、燐光発光およびエキシマー発光が得られる。
ホール注入層411に用いる材料としては、先に示したTPD、α−NPD、TDATA、MTDATA等の上述したホール輸送材料の他、以下に示すホール輸送材料を用いることができる。
ホール注入材料としては、有機化合物であればポルフィリン系の化合物が有効であり、フタロシアニン(略称:H2−Pc)、銅フタロシアニン(略称:Cu−Pc)等を用いることができる。また、導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(略称:PSS)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(略称:PEDOT)や、ポリアニリン(略称:PAni)、ポリビニルカルバゾール(略称:PVK)などを用いることもできる。また、五酸化バナジウムのような無機半導体の薄膜や、酸化アルミニウムなどの無機絶縁体の超薄膜も有効である。
また、第1の発光層412、第2の発光層413、および電子輸送層414に用いる発光体、もしくは材料としては、実施の形態1に示したものと同じ材料をそれぞれ用いることができる。
次に、この構造を有する素子構造を形成する場合におけるバンドダイアグラムを図4(B)に示す。図中では、第1の電極401のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)420、ホール注入層411のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)421およびLUMO準位422、第1の発光層412のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)423およびLUMO準位424、第2の発光層413のホスト材料におけるHOMO準位(イオン化ポテンシャル)425およびLUMO準位426、第2の発光層413のゲスト材料(燐光材料)のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)427およびLUMO準位428、電子輸送層414のHOMO準位(イオン化ポテンシャル)429およびLUMO準位430、第2の電極403のLUMO準位431を、それぞれ示してある。
なお、本実施の形態3において示す構造は、実施の形態1に示した構造に、ホール注入層411が加わった構造を有している。
本実施の形態3の場合には、第1の発光層412および第2の発光層413からの発光をより効率的に得るためには、第1の発光層412のイオン化ポテンシャル423と第2の発光層413全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料451と燐光材料452とを含む状態)のイオン化ポテンシャル(ここでは、ホスト材料451のイオン化ポテンシャルを第2の発光層413全体のイオン化ポテンシャルとみなす)425とのエネルギーギャップ441が十分に大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましく、第2の発光層413全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料451と燐光材料452とを含む状態)のイオン化ポテンシャル425と電子輸送層414のイオン化ポテンシャル429とのエネルギーギャップ442が、十分に大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましく、さらに、第1の発光層412のLUMO準位424と第2の発光層413全体(すなわち、第2の発光層のホスト材料451と燐光材料452とを含む状態)のLUMO準位(ここでは、ホスト材料451のLUMO準位を第2の発光層413全体のLUMO準位とみなす)426とのエネルギーギャップ443が実施の形態1の場合と同様に十分に大きい(具体的には、0.3eV以上)ことが好ましい。さらに、ホール注入層411のLUMO準位422と第1の発光層412のLUMO準位423とのエネルギーギャップ444が十分に大きい(具体的には、0.3eV以上)ことが好ましい。
なお、このようにホール注入層411のLUMO準位422と第1の発光層412のLUMO準位423とのエネルギーギャップ444を確保することにより、第1の発光層412に電子を閉じ込めることができるので、第1の発光層412におけるキャリアの再結合を効率よく行うことができる。
また、第1の発光層412において、ホスト材料に青色発光を呈するゲスト材料を含む構成とする場合も同様である。すなわち、第1の発光層412全体(すなわち、第1の発光層のホスト材料と青色発光を呈するゲスト材料とを含む状態)のイオン化ポテンシャル(ここでは、第1の発光層のホスト材料のイオン化ポテンシャルを第1の発光層412全体のイオン化ポテンシャルとみなす)423と第2の発光層413全体(第2の発光層のホスト材料451と燐光材料452とを含む状態)のイオン化ポテンシャル425とのエネルギーギャップ441が大きい(具体的には、0.4eV以上)ことが好ましい。
以上のようにして、実施の形態1〜3で示した代表的な構造を有する本発明を適用すれば、このように単純な素子構造で赤色、緑色、青色の各波長領域にピークを持つ白色発光素子が達成できる。
なお、上述した構造は、本発明における好ましい構造の一例に過ぎず、本発明の発光素子の電界発光層は、少なくとも上述した第1の発光層と第2の発光層とを含めばよい。すなわち、ここでは、挙げなかったが、従来の発光素子で知られているような、発光以外の機能を示す層(例えば、電子注入層等)を適宜組み合わせてもよい。
電子注入層に用いることができる電子注入材料としては、上述した電子輸送材料を用いることができる。その他に、LiF、CsFなどのアルカリ金属ハロゲン化物や、CaF2のようなアルカリ土類ハロゲン化物、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(略称:Li(acac)や8−キノリノラト−リチウム(略称:Liq)などのアルカリ金属錯体も有効である。
また、本発明の発光素子は、発光を取り出すために少なくともどちらか一方の電極が透明な材料で形成されていれば良いため、通常、基板上に形成される第1の電極が透明である構造(下面出射構造ともいう)や、第1の電極上に電界発光層を形成した後積層される第2の電極が透明である構造(上面出射構造ともいう)、さらに、両方の電極が透明である構造(両面出射構造ともいう)とすることもできる。
なお、本実施の形態1〜3に示した第1の電極(201、301、401)、または第2の電極(203、303、403)のいずれか一方に用いる陽極材料としては、仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。陽極側を光の取り出し方向とするのであれば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電性材料を用いればよい。また、陽極側を遮光性とするのであれば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr等の単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を用いることができる。あるいは、Ti、Al等の反射性電極の上に上述した透明導電性材料を積層する方法でもよい。
また、陰極材料としては、仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましく、具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Li:Agなど)の他、YbやEr等の希土類金属を用いて形成することもできる。また、LiF、CsF、CaF2、Li2O等の電子注入層を用いる場合は、アルミニウム等の通常の導電性薄膜を用いることができる。また、陰極側を光の取り出し方向とする場合は、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属を含む超薄膜と、透明導電膜(ITO、IZO、ZnO等)との積層構造を用いればよい。あるいは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と電子輸送材料を共蒸着した電子注入層を形成し、その上に透明導電膜(ITO、IZO、ZnO等)を積層してもよい。
なお、以上で述べた本発明の発光素子を作製するに当たっては、発光素子中の各層の積層法を限定されるものではない。積層が可能ならば、真空蒸着法やスピンコート法、インクジェット法、ディップコート法など、どの様な手法を選んでも良いものとする。
以下に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、本発明の発光素子の素子構造および作製方法について、図5を用いて説明する。
まず、絶縁表面を有するガラス基板500上に発光素子の陽極501が形成される。材料として透明導電膜であるITOを用い、スパッタリング法により110nmの膜厚で形成する。陽極501の形状は、2mm×2mmの大きさとする。
次に、陽極501上に電界発光層502が形成される。なお、本実施例では、電界発光層502がホール注入層511、正孔輸送性の第1の発光層512、第2の発光層513、電子輸送層514、電子注入層515からなる積層構造とした。第1の発光層512には、その発光が青色である材料、具体的には、発光スペクトルの最大ピークが400〜500nmである材料を用いる。また、第2の発光層513には、ホスト材料および燐光発光を呈するゲスト材料を用いる。
はじめに、陽極501が形成された基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに陽極501が形成された面を下方にして固定し、真空蒸着装置の内部に備えられた蒸発源にCu−Pcを入れ、抵抗加熱法を用いた真空蒸着法により20nmの膜厚でホール注入層511を形成する。
次に、正孔輸送性および発光性に優れた材料により第1の発光層512を形成する。ここでは、α−NPDを同様の方法により、30nmの膜厚で形成する。
さらに、第2の発光層513を形成する。なお、本実施例では、ホスト材料521としてCBPを用い、ゲスト材料(燐光材料)522として上記構造式(1)で表されるPt(ppy)acacを用い、その濃度が15wt%となるように調整し、共蒸着法により20nmの膜厚で形成する。
また、第2の発光層513の上には電子輸送層514が形成される。なお、電子輸送層514は、BCP(バソキュプロイン)を用いて、蒸着法により20nmの膜厚で形成する。その上に、電子注入層515としてCaF2を2nm形成し、積層構造を有する電界発光層502を形成する。
最後に、陰極503を形成する。なお、本実施例では、アルミニウム(Al)を抵抗加熱による真空蒸着法により100nm形成し陰極503を形成する。
以上により、本発明の発光素子が形成される。なお、本実施例に示す構造では、第1の発光層512および第2の発光層513においてそれぞれ発光が得られるため、全体として白色発光を呈する素子を形成することができる。
なお、本実施例では、基板上に陽極を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、基板上に陰極を形成することもできる。ただし、この場合(すなわち陽極と陰極とを入れ替えた場合)には、電界発光層の積層順が本実施例で示した場合と逆になる。
さらに、本実施例では、陽極501は透明電極であり、陽極501側から電界発光層502で生じた光を出射させる構成としているが、本発明はこれに限定されることはなく、透過率を確保するために適した材料を選択することにより陰極503側から光を出射させる構成とすることもできる。
本実施例では、実施例1で示した素子構造を有する発光素子(ITO/Cu−Pc(20nm)/α−NPD(30nm)/CBP+Pt(ppy)acac:15wt%(20nm)/BCP(30nm)/CaF(2nm)/Al(100nm))の素子特性について説明する。なお、上記構造を有する発光素子の発光スペクトルを図8のスペクトル1、および図9に示す。また、電気的特性について図10〜図13のプロット1に示す。
図8のスペクトル1は、上記構造を有する発光素子に1mAの電流を流した際(約960cd/m2時)の発光スペクトルである。スペクトル1に示す結果から、第一発光層を形成するα−NPDの青色(〜450nm)、第二発光層に含まれるPt(ppy)acacの燐光発光による緑色(〜490nmおよび〜530nm)、第二発光層に含まれるPt(ppy)acacのエキシマー発光による橙色(〜570nm)の3成分を持つ白色発光が得られることがわかる。CIE色度座標は、(x、y)=(0.346、0.397)であり、見た目にもほぼ白色であった。
ここで、第一発光層に用いたα−NPDおよび第二発光層のホスト材料に用いたCBPのイオン化ポテンシャルを測定したところ、α−NPDは約5.3eV、CBPは約5.9eVであり、その差は約0.6eVであった。すなわち、0.4eV以上という本発明の好ましい条件を満たしており、このことが良好な白色発光につながっていると考えられる。なお、イオン化ポテンシャルの測定は、光電子分光装置AC−2(理研計器社製)を用いて行った。
また、図9は、上記構造を有する発光素子に流す電流量を変化させた場合の各スペクトルを測定した結果である。ここでは、スペクトルa(0.1mA)、スペクトルb(1mA)、スペクトルc(5mA)と電流値を変化させた場合の測定結果を示す。この結果から明らかなように、電流値を増加させても(輝度を上げても)、スペクトル形状はほとんど変化せず、本発明の発光素子が電流値の変化に影響を受けない安定した白色発光を示すことがわかった。
上記構造を有する発光素子の電気的特性として、図10における輝度−電流特性においては、プロット1に示すように、電流密度が10mA/cm2の場合において460cd/m2程度の輝度が得られた。
また、図11に示す輝度−電圧特性においては、プロット1に示すように、9Vの電圧を印加したところ120cd/m2程度の輝度が得られた。
また、図12に示す電流効率−輝度特性においては、プロット1に示すように、100cd/m2の輝度が得られた場合における電流効率は4.6cd/A程度であった。
さらに、図13に示す電流−電圧特性においては、プロット1に示すように、9Vの電圧を印加したところ0.12mA程度の電流が流れた。
また、ICP−MSにより、上述した発光素子中におけるPtの量を定量したところ、Ptの量は21ngであった。単位面積あたりの原子濃度に換算すると、5.4×1014atoms/cm2であった。
さらに、二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)によってPt濃度の深さ方向分析を行い、上述のPtの量を元に換算して、Ptの単位体積あたりの濃度を算出した。その結果、Ptの単位体積あたりの濃度の最大値は、2.0×1020atoms/cm3程度であった。モル濃度に換算すると、3.3×10-4mol/cm3となる。したがって、エキシマーを形成する燐光材料の濃度が10-4〜10-3mol/cm3であれば、エキシマー発光が可能になると考えられる。
また、上述の通り、Ptの単位体積あたりの濃度の最大値は2.0×1020atoms/cm3であることから、Pt錯体1個が占める平均体積は、5.0×10-273/atomとなる。つまり、Pt錯体が均一に分散していると考えた場合、Pt錯体は1.7nm立方に1個の割合で分散していることになる。したがってこの場合、燐光材料の金属原子(本実施例ではPt原子)間の距離は、17Å程度である。以上の結果から、本発明においては、燐光材料の中心金属間の距離は20Å以下であることが好ましいと言える。
[比較例1]
これに対して、実施例1で示した場合と発光層に含まれるPt(ppy)acacの濃度を変えて作製した発光素子の発光スペクトルを、図8のスペクトル2およびスペクトル3に示す。なお、Pt(ppy)acacの濃度が、7.9wt%の場合における測定結果がスペクトル2、2.5wt%の場合における測定結果がスペクトル3である。また、いずれの場合も、素子に1mAの電流を流した際のスペクトルである。
スペクトル3で示されるように、2.5wt%の濃度では、第一発光層を形成するα−NPDの青色(〜450nm)と、第二発光層に含まれるPt(ppy)acacの緑色(〜490nmおよび530nm)のみしか観測されず、その結果白色発光とはならなかった。また、スペクトル2で示されるように、7.9wt%の濃度においては、わずかにPt(ppy)acacのエキシマー発光が560nm付近にショルダーとしてスペクトルに加わっているものの、そのピークは十分ではなく、十分な白色は得られなかった。
また、これらの素子の電気的特性を測定した。Pt(ppy)acacの濃度が7.9wt%の素子の測定結果を図10〜13のプロット2に示し、2.5wt%の素子の測定結果を図10〜13のプロット3に示す。
図10における輝度−電流特性においては、電流密度が10mA/cm2の場合、7.9wt%の素子は180cd/m2程度の輝度が得られ、2.5wt%の素子は115cd/m2程度の輝度が得られた。
また、図11に示す輝度−電圧特性においては、9Vの電圧を印加したところ、7.9wt%の素子は93cd/m2程度の輝度が得られ、2.5wt%の素子は73cd/m2程度の輝度が得られた。
また、図12に示す電流効率−輝度特性においては、100cd/m2の輝度が得られた場合、7.9wt%の素子の電流効率は1.8cd/A程度であり、2.5wt%の素子の電流効率は1.1cd/A程度であった。
さらに、図13に示す電流−電圧特性においては、9Vの電圧を印加したところ、7.9wt%の素子は0.21mA程度の電流が流れ、2.5wt%の素子は0.27mA程度の電流が流れた。
以上の結果から(特に、図13に示す電流−電圧特性の結果から)、本発明の発光素子はゲスト材料であるPt(ppy)acacの濃度が高濃度(15wt%)であるにもかかわらず、低濃度(7.9wt%、2.5wt%)で形成された発光素子と同程度の電気特性を有していることがわかる。
本実施例では、絶縁表面を有する基板上に、本発明の白色発光を呈する発光素子を備えた発光装置(上面出射構造)を作製する例を図6に示す。なお、上面出射構造とは、絶縁表面を有する基板とは逆側から光を取り出す構造である。
図6(A)は、発光装置を示す上面図、図6(B)は図6(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された601はソース信号線駆動回路、602は画素部、603はゲート側駆動回路である。また、604は透明な封止基板、605は第1シール材であり、第1シール材605で囲まれた内側は、透明な第2シール材607で充填されている。なお、第1シール材605には基板間隔を保持するためのギャップ材が含有されている。
なお、608は、ソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための接続配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号やクロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。
次に、断面構造について図6(B)を用いて説明する。基板610上には駆動回路及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路としてソース側駆動回路601と画素部602が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。また、ポリシリコン膜を活性層とするTFTの構造は特に限定されず、トップゲート型TFTであってもよいし、ボトムゲート型TFTであってもよい。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極(陽極)613を含む複数の画素により形成される。電流制御用TFT612としてはnチャネル型TFTであってもよいし、pチャネル型TFTであってもよいが、陽極と接続させる場合、pチャネル型TFTとすることが好ましい。また、保持容量(図示しない)を適宜設けることが好ましい。なお、ここでは無数に配置された画素のうち、一つの画素の断面構造のみを示し、その一つの画素に2つのTFTを用いた例を示したが、3つ、またはそれ以上のTFTを適宜、用いてもよい。
ここでは第1の電極(陽極)613がTFTのドレインと直接接している構成となっているため、第1の電極(陽極)613の下層はシリコンからなるドレインとオーミックコンタクトのとれる材料層とし、有機化合物を含む層と接する最上層を仕事関数の大きい材料層とすることが望ましい。例えば、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造とすると、配線としての抵抗も低く、且つ、良好なオーミックコンタクトがとれ、且つ、陽極として機能させることができる。また、第1の電極(陽極)613は、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層としてもよいし、3層以上の積層を用いてもよい。
また、第1の電極(陽極)613の両端には絶縁物(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)614が形成される。絶縁物614は有機樹脂膜もしくは珪素を含む絶縁膜で形成すれば良い。ここでは、絶縁物614として、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いて図6に示す形状の絶縁物を形成する。
成膜性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
また、絶縁物614を窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜、炭素を主成分とする薄膜、または窒化珪素膜からなる保護膜で覆ってもよい。
また、第1の電極(陽極)613上には、蒸着法によって電界発光層615を選択的に形成する。さらに、電界発光層615上には第2の電極(陰極)616が形成される。陰極としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金Mg:Ag、Mg:In、Al:Li、またはCaN)を用いればよい。
ここでは、発光が透過するように、第2の電極(陰極)616として、膜厚を薄くした仕事関数の小さい金属薄膜と、透明導電膜(ITO、IZO、ZnO等)との積層を用いる。こうして、第1の電極(陽極)613、電界発光層615、及び第2の電極(陰極)616からなる電界発光素子618が形成される。
本実施例では、電界発光層615として、実施例1で示した積層構造を用いる。すなわち、正孔注入層であるCu−Pc(20nm)、ホール輸送性の第1の発光層であるα−NPD(30nm)、第2の発光層であるCBP+Pt(ppy)acac:15wt%(20nm)、電子輸送層であるBCP(30nm)を順次積層することにより形成する。なお、第2の電極(陰極)として仕事関数の小さい金属薄膜を用いているため、ここでは電子注入層(CaF2)を用いる必要はない。
このようにして形成された電界発光素子618は、白色発光を呈する。なお、ここでは、フルカラー化を実現するために着色層631と遮光層(BM)632からなるカラーフィルター(簡略化のため、ここではオーバーコート層は図示しない)を設けている。
また、電界発光素子618を封止するために透明保護積層617を形成する。この透明保護積層617は、第1の無機絶縁膜と、応力緩和膜と、第2の無機絶縁膜との積層からなっている。第1の無機絶縁膜および第2の無機絶縁膜としては、スパッタ法またはCVD法により得られる窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜(SiNO膜(組成比N>O)またはSiON膜(組成比N<O))、炭素を主成分とする薄膜(例えばDLC膜、CN膜)を用いることができる。これらの無絶縁膜は水分に対して高いブロッキング効果を有しているが、膜厚が厚くなると膜応力が増大してピーリングや膜剥がれが生じやすい。
しかし、第1の無機絶縁膜と第2の無機絶縁膜との間に応力緩和膜を挟むことで、応力を緩和するとともに水分を吸収することができる。また、成膜時に何らかの原因で第1の無機絶縁膜に微小な穴(ピンホールなど)が形成されたとしても、応力緩和膜で埋められ、さらにその上に第2の無機絶縁膜を設けることによって、水分や酸素に対して極めて高いブロッキング効果を有する。
また、応力緩和膜としては、無機絶縁膜よりも応力が小さく、且つ、吸湿性を有する材料が好ましい。加えて、透光性を有する材料であることが望ましい。また、応力緩和膜としては、α―NPD、BCP、MTDATA、Alq3などの有機化合物を含む材料膜を用いてもよく、これらの材料膜は、吸湿性を有し、膜厚が薄ければ、ほぼ透明である。また、MgO、SrO2、SrOは吸湿性及び透光性を有し、蒸着法で薄膜を得ることができるため、応力緩和膜に用いることができる。
本実施例では、シリコンターゲットを用い、窒素とアルゴンを含む雰囲気で成膜した膜、即ち、水分やアルカリ金属などの不純物に対してブロッキング効果の高い窒化珪素膜を第1の無機絶縁膜または第2の無機絶縁膜として用い、応力緩和膜として蒸着法によりAlq3の薄膜を用いる。また、透明保護積層に発光を通過させるため、透明保護積層のトータル膜厚は、可能な限り薄くすることが好ましい。
また、電界発光素子618を封止するために不活性気体雰囲気下で第1シール材605、第2シール材607により封止基板604を貼り合わせる。なお、第1シール材605、第2シール材607としてはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、第1シール材605、第2シール材607はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
また、本実施例では封止基板604を構成する材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。また、第1シール材605、第2シール材607を用いて封止基板604を接着した後、さらに側面(露呈面)を覆うように第3のシール材で封止することも可能である。
以上のようにして電界発光素子618を第1シール材605、第2シール材607に封入することにより、電界発光素子618を外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素といった電界発光層615の劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
また、第1の電極(陽極)613として透明導電膜を用いれば両面発光型の発光装置を作製することもできる。
なお、本実施例に示す発光装置は、実施例1に示した電界発光素子の素子構成だけでなく本発明を用いて形成される電界発光素子の構成を組み合わせて実施することが可能である。
本実施例4では、本発明の発光素子を有する発光装置を用いて完成させた様々な電気器具について説明する。
本発明の発光素子を有する発光装置を用いて作製された電気器具として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデジタルビデオディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電気器具の具体例を図7に示す。
図7(A)は表示装置であり、筐体7101、支持台7102、表示部7103、スピーカー部7104、ビデオ入力端子7105等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部7103に用いることにより作製される。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用装置が含まれる。
図7(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングマウス7206等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部7203に用いることにより作製される。
図7(C)はモバイルコンピュータであり、本体7301、表示部7302、スイッチ7303、操作キー7304、赤外線ポート7305等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部7302に用いることにより作製される。
図7(D)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体7401、筐体7402、表示部A7403、表示部B7404、DVD等の記録媒体読み込み部7405、操作キー7406、スピーカー部7407等を含む。表示部A7403は主として画像情報を表示し、表示部B7404は主として文字情報を表示するが、本発明の発光素子を有する発光装置をこれら表示部A7403およびB7404に用いることにより作製される。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
図7(E)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体7501、表示部7502、アーム部7503を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部7502に用いることにより作製される。
図7(F)はビデオカメラであり、本体7601、表示部7602、筐体7603、外部接続ポート7604、リモコン受信部7605、受像部7606、バッテリー7607、音声入力部7608、操作キー7609、接眼部7610等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部7602に用いることにより作製される。
ここで図7(G)は携帯電話であり、本体7701、筐体7702、表示部7703、音声入力部7704、音声出力部7705、操作キー7706、外部接続ポート7707、アンテナ7708等を含む。本発明の発光素子を有する発光装置をその表示部7703に用いることにより作製される。
その他にも、本発明における発光素子は、面光源として機能する照明器具や建物の壁等に用いることもできる。
以上の様に、本発明の発光素子を有する発光装置の適用範囲は極めて広く、また、本発明の発光素子は、白色発光における色のバランス(ホワイトバランス)を容易に制御できることから、この発光素子を含む発光装置をあらゆる分野の電気器具に適用することにより、色のバランスの良い表示を実現することができる。
本発明の発光素子における発光機構を示す図。 本発明の発光素子の素子構造およびバンドダイアグラムを示す図。 本発明の発光素子の素子構造およびバンドダイアグラムを示す図。 本発明の発光素子の素子構造およびバンドダイアグラムを示す図。 本発明の発光素子の具体的な素子構造を示す図。 本発明の発光装置の概略図。 本発明の発光装置を用いた電気器具の例を示す図。 実施例2および比較例1における発光スペクトルを示す図。 実施例2における発光スペクトルの電流密度依存性を示す図。 実施例2および比較例1における輝度−電流特性を示す図。 実施例2および比較例1における輝度−電圧特性を示す図。 実施例2および比較例1における電流効率−電流特性を示す図。 実施例2および比較例1における電流−電圧特性を示す図。

Claims (15)

  1. 一対の電極間に電界発光層を有し、
    前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、
    前記第2の発光層は、10wt%〜40wt%の濃度のエキシマーを形成する燐光材料を含むことを特徴とする発光素子。
  2. 一対の電極間に電界発光層を有し、
    前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、
    前記第2の発光層は、10-4mol/cm3以上、10-3mol/cm3以下の濃度のエキシマーを形成する燐光材料を含むことを特徴とする発光素子。
  3. 一対の電極間に電界発光層を有し、 前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、
    前記第2の発光層は、10wt%〜40wt%の濃度の燐光材料を含み、かつ、前記第2の発光層における500nm〜550nmの波長領域に出現する発光ピークのピーク強度に対する550nm〜700nmの波長領域に出現する発光ピークのピーク強度の比が50%〜150%であることを特徴とする発光素子。
  4. 一対の電極間に電界発光層を有し、
    前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、
    前記第2の発光層は、10wt%〜40wt%、好ましくは12.5wt%〜20wt%の濃度の燐光材料を含み、
    前記有機発光素子から得られる輝度が、100〜2000cd/m2であり、好ましくは300〜1000cd/m2であることを特徴とする発光素子。
  5. 一対の電極間に電界発光層を有し、
    前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、
    前記第2の発光層は、10wt%〜40wt%の濃度の燐光材料を含み、かつ前記燐光材料の一部が分子間でエキシマー状態を形成できる距離に存在することを特徴とする有機発光素子。
  6. 一対の電極間に電界発光層を有し、
    前記電界発光層は、500nm〜700nmの波長領域に発光ピークを有する第1の発光層および第2の発光層を少なくとも有し、
    前記第2の発光層は、10wt%〜40wt%の濃度の金属錯体からなる燐光材料を含み、かつ前記燐光材料の中心金属間の距離が2〜20Åであることを特徴とする発光素子。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記第2の発光層の膜厚は20nm〜50nmであることを特徴とする発光素子。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
    前記燐光材料は500nm〜700nmの波長領域に複数の発光ピークを示し、前記複数の発光ピークのいずれかがエキシマー発光であることを特徴とする発光素子。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
    前記第1の発光層から得られる発光スペクトルは400nm〜500nmの波長領域に発光ピークを示し、
    前記第2の発光層から得られる発光スペクトルは500nm〜700nmの波長領域に複数の発光ピークを示し、かつ、前記複数の発光ピークのいずれかがエキシマー発光であることを特徴とする発光素子。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
    前記燐光材料は、白金を中心金属とする金属錯体であることを特徴とする発光素子。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の発光素子を用いたことを特徴とする発光装置。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一において、
    前記第2の発光層は12.5wt%〜20wt%の濃度のエキシマーを形成する燐光材料を含むことを特徴とする発光素子。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一において、
    前記第2の発光層における500nm〜700nmの波長領域に出現する発光ピークのピーク強度に対する550nm〜700nmの波長領域に出現する発光ピークのピーク強度の比が、70〜130%であることを特徴とする発光素子。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか一において、
    前記有機発光素子から得られる輝度が300〜1000cd/m2であることを特徴とする発光素子。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか一において、
    前記第2の発光層の膜厚は25〜50nmであることを特徴とする発光素子。
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