JP2004327175A - ヘッドランプの電源供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】配索の複雑化を伴うことなく単機能から多機能化までの変化に容易に対応することができると共に、製作期間の短縮化およびコスト低減化をも共に図ることができること
【解決手段】電源供給装置A2は、すれ違いビーム用放電バルブを点灯させる基本回路と機能拡張用コネクタB1とすれ違いビーム点灯用ソケットB2と電源入力コネクタB3とを備えた基本回路部材Bと、走行ビーム機能拡張子E、光照射方向制御機能拡張子、レベライザー制御機能拡張子、LED点灯制御機能拡張子等からなる拡張子群Cとを有し、ヘッドランプの要求仕様に応じて拡張子群Cから選択される拡張子Eを、基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで構成した。
【選択図】 図6
【解決手段】電源供給装置A2は、すれ違いビーム用放電バルブを点灯させる基本回路と機能拡張用コネクタB1とすれ違いビーム点灯用ソケットB2と電源入力コネクタB3とを備えた基本回路部材Bと、走行ビーム機能拡張子E、光照射方向制御機能拡張子、レベライザー制御機能拡張子、LED点灯制御機能拡張子等からなる拡張子群Cとを有し、ヘッドランプの要求仕様に応じて拡張子群Cから選択される拡張子Eを、基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで構成した。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電バルブを光源として用いているヘッドランプの単機能から多機能化までの広範囲の要求仕様に容易に対応することができるヘッドランプの電源供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、放電バルブを備えたヘッドランプ装置100を示す(例えば、特許文献1参照)。放電バルブ2は、ソケット3に着脱可能に取り付けられており、このソケット3はリフレクタ4に着脱可能に取り付けられている。
【0003】
このリフレクタ4の内面には、放電バルブ2からの光L1を反射させて図13に示す所定のロービームの配光パターンLPが得られる第1反射面4aと、放電バルブ2からの光L1、L2を第1反射面4aと共に反射させて図14に示す所定のハイビームの配光パターンHPが得られる第2反射面4bとがそれぞれ設けられている。
【0004】
ここで、所定のロービームの配光パターンLP、所定のハイビームの配光パターンHPとは、欧州配光規格ECEReg.、あるいはそれに準じたもの(例えば、日本国内型式認定基準等)、北米配光規格のFMVSS等の配光規格に適合する配光パターンを言う。上述のロービームの配光パターンLPにおいては、眩惑光を制限するように配光規格化されている。この結果、上述のロービームの配光パターンLPは、図13に示すように、対向車及び左側路肩の歩行者に対して考慮した明暗境界線LP1を有するものとなる。すなわち、この明暗境界線LP1は、対向車に眩惑光を与えないように、右端からほぼ中央までの間であって、水平線HL−HRよりも若干下方に位置する水平線部分LP2と、左側路肩歩行者に眩惑光を与えずにかつ左側路肩歩行者を視認できるように、ほぼ中央の水平線部分LP2から緩やかに、例えば15°左上方に傾斜する緩傾斜線部分LP3とからなる。
【0005】
一方、上述のハイビームの配光パターンHPにおいては、最大光度値や最大光度帯が配光規格化されている。この結果、上述のハイビームの配光パターンHPは、図14に示すように、中央部分にホットゾーンHZ(最大光度点を含む最大光度帯)を有するものとなる。
また、図12において、固定シェード5は、前部側が閉塞しかつ後部側が開口した筒形状の覆い部5aと、その覆い部5aの開口下端から一体に突設された固定脚部5bとから構成されている。この固定脚部5bがリフレクタ4にスクリュウにより固定されており、この結果、覆い部5aが放電バルブ2の前方に配置することとなる。この固定シェード5は、放電バルブ2からの光のうち第1反射面4a及び第2反射面4bで反射される反射光(図示せず)以外の前方に直接照射される直射光(図示せず)を遮光するものである。
【0006】
また、図12において、可動シェード6は、四角筒形状をなし、駆動手段7により、放電バルブ2の外側でかつ固定シェード5の覆い部5aの内側において、所定のロービームの配光パターンLPが得れるロービーム位置(図12中の実線にて示す位置)と所定のハイビームの配光パターンHPが得られるハイビーム位置(図12中の一点鎖線にて示す位置)との間を、図12中の実線矢印方向及び一点鎖線矢印方向に、切替移動可能に配置されている。この可動シェード6は、所定のロービームの配光パターンLPと所定のハイビームの配光パターンHPとに切替えるものである。
さらに、図12において、ソレノイド手段7は、固定側のベース7aと、ソレノイド7bと、固定ガイドレール7c及び可動ガイドレール7dと、可動側のブラケット(若しくはステー)7eと、弾性部材としての引張りコイルスプリング7fとから構成されている。可動シェード6は、引張りコイルスプリング7fにより常時ロービーム位置側に引張られていることとなる。
【0007】
このように構成されたヘッドランプ装置100は、2灯式で構成されており、可動シェード6がロービーム位置に位置しているとき、放電バルブ2を点灯すると、その放電バルブ2からの光L1が第1反射面4aで反射され、その反射光が前方に照射されて、図13に示す所定のロービームの配光パターンLPが得られる。
【0008】
次に、ソレノイド7bに通電すると、可動シェード6は、引張りコイルスプリング7fの引張り力に抗してロービーム位置からハイビーム位置に移動し、そのハイビーム位置において、ソレノイド7bの吸引力により、固定保持される。これにより、放電バルブ2からの光L1、L2が第1反射面4a及び第2反射面4bで反射され、その反射光が前方に照射されて、図14に示す所定のハイビームの配光パターンHPが得られる。
【0009】
それから、ソレノイド7bへの通電を遮断すると、可動シェード6は、引張りコイルスプリング7fの引張り力によりハイビーム位置からロービーム位置に引張られて固定保持される。
【0010】
また、図15〜図17は、4灯式のヘッドランプ装置101を示す(例えば、特許文献2参照)。図15は、概略図でアウタレンズ、光源等は省略してある。このヘッドランプ装置101は、左右の各灯具が、2個の光源8、9を有して構成される4灯式のもので、図15では右側灯具のみを示している。すなわち、ヘッドランプ装置101は、左右の各灯具が、旋回/走行ビーム配光用灯具部10と、すれ違いビーム配光用灯具部11とを備えて構成されている。図15中、符号8a、9aは、各光源8、9の中心部位である。
【0011】
旋回/走行ビーム配光用灯具部10は、そのリフレクタ12が、略上側半分の反射面で構成される旋回用リフレクタ13(図15上、斜線を付して示している)と、略下側半分の反射面で構成される走行ビーム用リフレクタ14とを有して構成されており、その光源8が、図16に示すように、ダブルフィラメント光源で構成されている。光源8は、光軸Aに略沿って前後方向にずれて設けられる旋回用光源15および走行用光源16を有しており、旋回用光源15が、シェード17を備えて構成されている。
【0012】
すれ違いビーム配光用灯具部11は、そのリフレクタ18が、従来と同様のすれ違い用反射面18aを有して構成されており、その光源9が、図17に示すように、シングルフィラメント光源で構成されている。
【0013】
旋回/走行ビーム配光用灯具部10は、旋回用リフレクタ13が、左右の灯具間で、相互に逆向きとなるように光軸A(図16参照)に直交する軸を左または右方向(図15中、LまたはR方向)に傾けて外向きになるように配置されている。
【0014】
さらに、旋回/走行ビーム配光用灯具部10は、旋回用光源(シェード側の光源)15の光源の光を旋回用リフレクタ13で反射させることによって旋回用配光を構成し、かつ走行用光源(他の光源)16の光を旋回用リフレクタ13および走行ビーム用リフレクタ14で反射させることによって走行ビーム用配光を構成するように全体構成されている。
そして、ヘッドランプ装置101は、光源8およびすれ違いビーム配光用灯具部4(詳しくは、シングルフィラメント光源9)の点灯制御により、すれ違いビーム配光、走行ビーム配光、旋回用配光とすれ違いビーム配光との併用配光との間で切り換え可能に構成されている。
【0015】
【特許文献1】
特開2000−200509号公報(明細書段落番号〔0009〕〜〔0019〕、図1、図7、図8)
【0016】
【特許文献2】
特開2003−25906号公報(明細書段落番号〔0018〕〜〔0021〕、〔0024〕、〔0025〕、図1、図2(a)、図3)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
このようにヘッドランプ装置100は、2灯式で、1個の放電バルブに対する可動シェード6の切替で、ロービームの配光パターンLPをすれ違いビーム配光とし、ハイビームの配光パターンHPを走行ビーム配光とすることで、多機能化を図っている。
【0018】
また、ヘッドランプ装置101は、4灯式で、旋回/走行ビーム配光用灯具部10とすれ違いビーム配光用灯具部11とで構成することにより、多機能化を図っている。
【0019】
しかしながらこれらヘッドランプ装置100、および101の電源供給装置は、各装置毎に配線を施して、各装置毎に専用化されたものとして構成されているので、新たな電源供給装置を製作する場合には、その都度専用の配線を施すことにより製作する必要があり、このため製作期間の長期化およびコスト高を招く、という課題を有している。
【0020】
また、従来の電源供給装置は、放電バルブの起動系統の配索と、多機能化で付加される機能毎の配索が必要となり、付加される機能数が増加するほど配索の複雑化を招く、という課題を有している。
【0021】
そこで、本発明は、配索の複雑化を伴うことなく単機能から多機能化までの変化に容易に対応することができると共に、製作期間の短縮化およびコスト低減化をも共に図ることができるヘッドランプの電源供給装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するため、請求項1記載の発明は、少なくとも1個の放電バルブを光源とするヘッドランプの電源供給装置であって、
前記光源の内すれ違いビーム用の放電バルブを点灯させることのできる基本回路と、機能拡張用コネクタと、すれ違いビーム点灯用ソケットと、電源入力コネクタとを備えた基本回路部材と、
前記ヘッドランプに要求付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として独立させて形成した複数の機能拡張子からなる拡張子群とを有し、
前記ヘッドランプの要求仕様に応じて前記拡張子群から選択される1個又は相互に連係する機能の異なる複数個の拡張子を、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込んで構成したことを特徴とする。
【0023】
このため、請求項1記載の発明では、すれ違いビーム用の放電バルブを点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタ、すれ違いビーム点灯用ソケット、および電源入力コネクタを備えて基本回路部材として部品化し、かつ多機能化で要求付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として部品化したので、ヘッドランプの単機能から多機能化までの幅広い要求仕様に応じて、拡張子群から選択される拡張子を基本回路部材に組み込むことにより、前記要求仕様に見合った電源供給装置を製作することができる。単機能のヘッドランプの電源供給装置は、基本回路部材のみを用いて製作することができる。
【0024】
また、基本回路部材に組み込まれる各機能拡張子への電源供給は、機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0025】
また、基本回路部材および各機能拡張子を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができる。
【0026】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、走行ビーム配光を奏する走行ビーム機能拡張子で、前記光源の内走行ビーム用の放電バルブを点灯させることのできる走行ビーム用回路と、走行ビーム点灯用ソケットとを備えて構成されており、
前記走行ビーム機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0027】
このため、請求項2記載の発明では、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続することにより4灯式のヘッドランプを構成することができる。
【0028】
また、請求項3記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正するレベライザー制御機能拡張子であり、
前記レベライザー制御機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0029】
このため、請求項3記載の発明では、レベライザー制御機能拡張子により、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正することができるヘッドランプを構成することができる。
【0030】
また、請求項4記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子であり、
前記光照射方向制御機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0031】
このため、請求項4記載の発明では、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0032】
また、請求項5記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子の一は、走行ビーム配光を奏する走行ビーム機能拡張子で、前記光源の内走行ビーム用の放電バルブを点灯させることのできる走行ビーム用回路と、走行ビーム点灯用ソケットとを備えて構成されており、
前記機能拡張子の他の一は、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子であり、
前記機能拡張子のさらに他の一は、前記ヘッドランプに内在するLEDを光源とするランプを点灯制御するLED点灯制御機能拡張子であり、
前記走行ビーム機能拡張子と前記光照射方向制御機能拡張子と前記LED点灯制御機能拡張子の連係部材が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0033】
このため、請求項5記載の発明では、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続し、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続すると共に、LED点灯制御機能拡張子をLEDを光源とするランプに接続することによって、LEDを光源とするランプを内在した4灯式に構成し、かつ光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0034】
また、請求項6記載の発明は、光源としての放電バルブからの光を反射させて所定のすれ違いビームの配光パターンが得られる第1反射面と、前記放電バルブからの光を前記第1反射面と共に反射させて所定の走行ビームの配光パターンが得られる第2反射面とを有して構成されるリフレクタと、放電バルブからの光のうち前記第1反射面および前記第2反射面で反射される反射光以外の前方に直接照射される直射光を遮光する固定シェードと、前記固定シェード内において前記すれ違いビームの配光パターンが得られるロービーム位置と前記走行ビームの配光パターンが得られるハイビーム位置との間を切替移動可能に配置され前記すれ違いビームの配光パターンと前記走行ビームの配光パターンとに切替える可動シェードと、前記可動シェードを前記すれ違いビーム位置と前記走行ビーム位置とに切替えるソレノイド手段とを備えているヘッドランプの電源供給装置において、
前記放電バルブを点灯させることのできる基本回路と、機能拡張用コネクタと、前記放電バルブ点灯用ソケットと、電源入力コネクタとを備えている基本回路部材と、
前記ソレノイド手段の駆動を制御する制御回路を備えたソレノイド制御部材とを有し、
前記ソレノイド制御部材を、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込んで構成したことを特徴とする。
【0035】
このため、請求項6記載の発明では、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができる。
【0036】
また、光源としての放電バルブを点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタ、放電バルブ点灯用ソケット、および電源入力コネクタを備えて基本回路部材として部品化すると共に、ソレノイド手段の制御部分を、可動シェードの駆動を制御する制御回路を備えてソレノイド制御部材として部品化したので、ヘッドランプの多機能化に見合った電源供給装置を部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0037】
また、基本回路部材に組み込まれるソレノイド制御部材への電源供給は、機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0038】
さらに、基本回路部材、およびソレノイド制御部材を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができる。
【0039】
また、請求項7記載の発明は、請求項6に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記ソレノイド制御部材に、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子を組み込んだ連係部材が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0040】
このため、請求項7記載の発明では、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができると共に、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図12〜図17に示すものと同一の機能を奏するものは同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0042】
図1は、本発明の第1実施形態としての電源供給装置Aを適用したヘッドランプ1を示す。この電源供給装置Aは、少なくとも1個の放電バルブ2を光源とするヘッドランプ1に適用されるものであって、基本回路部材Bと、複数個の拡張子からなる拡張子群Cとを有し、ヘッドランプ1の要求仕様に応じて拡張子群Cから選択される1個又は相互に連係する機能の異なる複数個の拡張子を、基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで大略構成されている。
【0043】
このとき拡張子群Cは、ヘッドランプに要求付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として独立させて形成した複数の機能拡張子から構成されている。機能拡張子としては、例えば、走行ビーム機能拡張子、光照射方向制御機能拡張子、レベライザー制御機能拡張子、LED点灯制御機能拡張子等がある。
【0044】
なお、図1中、符号30は表ガラス、符号31はランプハウジング、符号32は見返しである。
【0045】
図2は、基本回路部材Bを示している。この基本回路部材Bは、光源の内すれ違いビーム用の放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路(図示せず)と、機能拡張用コネクタB1と、すれ違いビーム点灯用ソケットB2と、電源入力コネクタB3とを備えて構成されている。本実施形態では、基本回路部材Bは、基本回路がケーシングB4に内蔵された独立部品として構成されており、ケーシングB4の一辺に機能拡張用コネクタB1が設けられており、ケーシングB4の他辺に電源入力コネクタB3が設けられており、かつケーシングB4のさらに他辺にリード線B5が導出されてそのリード線B5の先端にすれ違いビーム点灯用ソケットB2が設けられている。
【0046】
基本回路部材Bは、電源入力コネクタB3を介して電源(図示せず)に接続するようになっており、機能拡張用コネクタB1は、機能を拡張するために拡張子を結合させる部分で、結合された拡張子は機能拡張用コネクタB1を介して電源が供給される。なお、図2中、符号B6は、ケーシングB4の外周の適所に固設された取付用孔である。
【0047】
図3は、カバー部材Dを示す。このカバー部材Dは、両端部に取付用孔D3を設けた平板部D1と、この平板部D1の一側面の略中央に設けられた結合部D2とから構成されており、結合部D2を拡張子の付加されない機能拡張用コネクタB1に結合することにより機能拡張用コネクタB1を平板部D1で覆って機能拡張用コネクタB1を保護することができる。
【0048】
図4は、拡張子群Cを構成する各種拡張子を示す。すなわち図4中、(a)は走行ビーム機能拡張子E、(b)は光照射方向制御機能拡張子F、(c)はレベライザー制御機能拡張子G、(d)はLED点灯制御機能拡張子Hをそれぞれ示す。
【0049】
本実施形態では、各拡張子E、F、G、およびHは、それぞれ制御回路(図示せず)がケーシングE1、F1、G1、およびH1に内蔵されると共に、雄コネクタE2、F2、G2、およびH2を備えて独立部品として構成されている。さらに拡張子EおよびFには、ケーシングE1およびF1に、機能拡張用コネクタB1と同様な構造を有する雌コネクタE3およびF3がそれぞれ設けられている。さらにその上、拡張子Eには、リード線E5が導出されてそのリード線E5の先端に走行ビーム点灯用ソケットE4が設けられている。なお、図4中、符号E6、F4、G3、およびH3は、各拡張子E、F、G、およびHそれぞれの取付用孔である。
【0050】
そして電源供給装置Aは、基本回路部材Bと、走行ビーム機能拡張子E、光照射方向制御機能拡張子F、レベライザー制御機能拡張子G、LED点灯制御機能拡張子H等からなる拡張子群Cとを有し、ヘッドランプ1の要求仕様に応じて拡張子群Cから選択される1個又は相互に連係する機能の異なる複数個の拡張子を、基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで大略構成されている。
【0051】
このようにして構成される電源供給装置Aは、すれ違いビーム用の放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタB1、すれ違いビーム点灯用ソケットB2、および電源入力コネクタB3を備えて基本回路部材Bとして部品化し、かつ多機能化で付加される走行ビーム機能、光照射方向制御機能、レベライザー制御機能、LED点灯制御機能をそれぞれ拡張子E、F、G、Hとして部品化したので、ヘッドランプ1の単機能から多機能化までの幅広い要求仕様に応じて、拡張子群Cから選択される拡張子E、F、G、Hを基本回路部材Bに組み込むことにより、前記要求仕様に見合った電源供給装置Aを容易に製作することができる。単機能のヘッドランプ1の電源供給装置Aは、基本回路部材Bのみを用いて製作することができる。
【0052】
また、基本回路部材Bに組み込まれる各拡張子E、F、G、Hへの電源供給は、機能拡張用コネクタB1を介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0053】
また、基本回路部材Bおよび各拡張子E、F、G、Hを部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置Aの製作期間をも短縮することができる。
【0054】
具体的には、基本回路部材Bに各拡張子E、F、G、Hを組み込むことにより図5〜図9に示す電源供給装置A1〜A5を提供することができる。
【0055】
電源供給装置A1は、図5に示すように、機能拡張用コネクタB1に結合部D2を結合することにより基本回路部材Bにカバー部材Dを着脱可能に組み込んで、単機能ヘッドランプ用として構成されている。電源供給装置A1は、取付用孔B6およびD3を介してランプハウジング31のボス部33にビス止めされて取り付けられる(図1参照)。
【0056】
この電源供給装置A1では、機能拡張用コネクタB1がカバー部材Dの平板部D1で覆われて他部材との干渉から保護されている。
【0057】
また、電源供給装置A2は、図6に示すように、機能拡張用コネクタB1に雄コネクタE2を結合することによって、走行ビーム機能拡張子Eを基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで構成されている。走行ビーム機能拡張子Eの雌コネクタE3には、結合部D2をかいしてカバー部材Dが着脱可能に組み込まれている。電源供給装置A2は、取付用孔B6、D3、E6を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0058】
この電源供給装置A2は、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットB2を接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットE4を接続することにより4灯式のヘッドランプ(従来技術のヘッドランプ装置101参照)を構成することができる。
【0059】
また、電源供給装置A3は、図7に示すように、機能拡張用コネクタB1に雄コネクタG2を結合することによって、レベライザー制御機能拡張子Gが、機能拡張用コネクタB1を介して基本回路部材Bに着脱可能に組み込まれて構成されている。電源供給装置A3は、レベライザー制御機能拡張子Gの端子G4を介して灯具の縦方向の照射角調整手段(図示せず)に電気的に接続すると共に、取付用孔B6およびG3を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0060】
レベライザー制御機能拡張子Gは、例えば、乗車条件(乗員数や乗員の配置等)や積荷の積載条件、車両の走行状態等に起因する車体の傾きや高さを検出する検出手段を有し、該検出手段によって得られる情報に基づいて車体の傾きの変化量を算出して、灯具の照射状態が常に所定の状態となるように灯具の照射角等をその初期の調整値に対して補正して所定の配光を得るように制御するものである。
【0061】
このため電源供給装置A3は、レベライザー制御機能拡張子Gにより、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正することができるヘッドランプを構成することができる。
【0062】
また、電源供給装置A4は、図8に示すように、機能拡張用コネクタB1に雄コネクタF2を結合することによって、光照射方向制御機能拡張子Fが、機能拡張用コネクタB1を介して基本回路部材Bに着脱可能に組み込まれて構成されている。そして好ましくは、光照射方向制御機能拡張子Fの雌コネクタF3は、カバー部材Dで覆われて他部材との干渉から保護される。電源供給装置A4は、光照射方向制御機能拡張子Fの端子F5を介して灯具の横方向の照射角調整手段(図示せず)に電気的に接続すると共に、取付用孔B6、F4、およびD3を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0063】
光照射方向制御機能拡張子Fは、例えば車両の操舵角を検出してその角度変化に応じて灯具の横方向の照射方向を変更することで、車両の進行方向に所定の配光を得るように制御するものである。
【0064】
このため電源供給装置A4は、光照射方向制御機能拡張子Fにより、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0065】
また、電源供給装置A5は、図9に示すように、走行ビーム機能拡張子Eと光照射方向制御機能拡張子FとLED点灯制御機能拡張子Hの連係部材Jが、その雄コネクタE2を機能拡張用コネクタB1に結合させることにより、基本回路部材Bに着脱可能に組み込まれて構成されている。連係部材Jは、雌コネクタE3に雄コネクタF2を結合させることによって光照射方向制御機能拡張子Fを走行ビーム機能拡張子Eに組み込むと共に、雌コネクタF3に雄コネクタH2を結合させることによってLED点灯制御機能拡張子Hを光照射方向制御機能拡張子Fに組み込んで構成されている。電源供給装置A5は、取付用孔B6、E6、F4、およびH3を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0066】
ここでLED点灯制御機能拡張子Hは、ヘッドランプに内在するLEDを光源とするランプ、例えば、クリアランスランプ、フロントターンシグナルランプ等の対象LEDの電圧を制御することによって点灯制御する。
【0067】
このため電源供給装置A5は、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットB2を接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットE4を接続することによって、LEDを光源とするランプを内在した4灯式に構成し、かつ光照射方向制御機能拡張子Fにより、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0068】
このように、電源供給装置A1〜A5は、配線の必要が無く、部品同士の結合により構成することができるので、製作が容易で製作期間の短縮化を図ることができると共に、基本回路部材B、拡張子群Cのいずれかに故障が生じたときは、故障の生じたものを交換するだけで、故障に素早く対応することができる。
【0069】
図10は、本発明の第2実施形態としての電源供給装置A6を示す。この電源供給装置A6は、前述したヘッドランプ装置100と同様のヘッドランプ1に適用される。このため同一の構成要素は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
すなわち、電源供給装置A6は、光源としての放電バルブ2からの光を反射させて所定のすれ違いビームの配光パターンが得られる第1反射面と、放電バルブ2からの光を前記第1反射面と共に反射させて所定の走行ビームの配光パターンが得られる第2反射面とを有して構成されるリフレクタ4と、放電バルブ2からの光のうち前記第1反射面および前記第2反射面で反射される反射光以外の前方に直接照射される直射光を遮光する固定シェード5と、固定シェード5内において前記すれ違いビームの配光パターンが得られるロービーム位置と前記走行ビームの配光パターンが得られるハイビーム位置との間を切替移動可能に配置され前記すれ違いビームの配光パターンと前記走行ビームの配光パターンとに切替える可動シェード6と、可動シェード6を前記すれ違いビーム位置と前記走行ビーム位置とに切替えるソレノイド手段7とを備えているヘッドランプ1に適用される。
【0071】
ここで第1反射面、第2反射面、すれ違いビームの配光パターン、および走行ビームの配光パターンは、前述したヘッドランプ装置100の第1反射面4a、第2反射面4b、ロービームの配光パターンLP、およびハイビームの配光パターンHPに相当している。
【0072】
電源供給装置A6は、放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路(図示せず)と、機能拡張用コネクタK1と、放電バルブ点灯用ソケットK2と、電源入力コネクタK3とを備えている基本回路部材Kと、ソレノイド手段7の駆動を制御する制御回路(図示せず)を備えたソレノイド制御部材Mとを有し、ソレノイド制御部材Mを、機能拡張用コネクタK1を介して基本回路部材Kに着脱可能に組み込んで構成されている。
【0073】
このため、電源供給装置A6は、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができる。
【0074】
本実施形態では、基本回路部材Kは、基本回路がケーシングK4に内蔵された独立部品として構成されており、ケーシングK4の一辺に機能拡張用コネクタK1が設けられており、ケーシングK4の他辺に電源入力コネクタK3が設けられており、かつケーシングK4のさらに他辺にリード線K5が導出されてそのリード線K5の先端に放電バルブ2の点灯用ソケットK2が設けられている。
【0075】
基本回路部材Kは、電源入力コネクタK3を介して電源(図示せず)に接続するようになっており、機能拡張用コネクタK1は、機能を拡張するために拡張子を結合させる部分で、結合された拡張子は機能拡張用コネクタK1を介して電源が供給される。なお、図10中、符号K6は、ケーシングK4の外周の適所に固設された取付用孔である。
【0076】
また、ソレノイド制御部材Mは、制御回路がケーシングM1に内蔵されると共に、雄コネクタM2および取付用孔M3を備えて独立部品として構成されている。
【0077】
そして電源供給装置A6は、雄コネクタM2を機能拡張用コネクタK1に結合させることにより、ソレノイド制御部材Mを基本回路部材Kに着脱可能に組み込んで構成されると共に、ソケットK2を放電バルブ2に接続し、かつソレノイド制御部材Mの端子M4をソレノイド手段7に電気的に接続することにより全体構成される。
【0078】
このように構成された電源供給装置A6は、光源としての放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタK1、放電バルブ点灯用ソケットK2、および電源入力コネクタK3を備えて基本回路部材Kとして部品化すると共に、ソレノイド手段7の制御部分を、可動シェード6の駆動を制御する制御回路を備えてソレノイド制御部材Mとして部品化したので、ヘッドランプの多機能化にも拘わらず、部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0079】
また、基本回路部材Kに組み込まれるソレノイド制御部材Mへの電源供給は、機能拡張用コネクタK1を介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0080】
さらに、基本回路部材K、およびソレノイド制御部材Mを部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができる。
【0081】
図11は、第2実施形態の変形例としての電源供給装置A7を示す。この電源供給装置A7は、光照射方向制御機能拡張子Fを付加した点が異なるだけで他の構成は電源供給装置A6と同様に構成されている。この光照射方向制御機能拡張子Fは、第1実施形態のものと同一のものである。
【0082】
すなわち電源供給装置A7は、ソレノイド制御部材Mに光照射方向制御機能拡張子Fを組み込んだ連係部材J1が、機能拡張用コネクタK1を介して基本回路部材Kに着脱可能に組み込まれて構成されている。このとき光照射方向制御機能拡張子Fは、その端子F5を、リフレクタ4の移動手段を構成するアクチュエータ33に電気的に接続して全体構成されている。
【0083】
このように構成された電源供給装置A7は、電源供給装置A6と同様の作用効果に加えて、多機能化で付加される光照射方向制御機能拡張子F、およびソレノイド制御部材Mをそれぞれ部品化したので、ヘッドランプの多機能化にも拘わらずこれらと基本回路部材Kを含む部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1記載の発明によれば、基本回路部材、および多機能化で付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として部品化したので、ヘッドランプの単機能から多機能化までの幅広い要求仕様に応じて、拡張子群から選択される拡張子を基本回路部材に組み込むことにより、前記要求仕様に見合った電源供給装置を容易に製作することができる。
【0085】
また、基本回路部材に組み込まれる各拡張子への電源供給は、基本回路部材の機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、ヘッドランプの多機能化にも拘わらず配線の簡略化を図ることができる。
【0086】
また、基本回路部材および各拡張子を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができ、ひいてはコストダウンをも図ることができる。
【0087】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続することにより4灯式のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0088】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、レベライザー制御機能拡張子により、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正することができるヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0089】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0090】
また、請求項5記載の発明によれば、走行ビーム機能拡張子と光照射方向制御機能拡張子とLED点灯制御機能拡張子の連係部材を、基本回路部材に組み込んで構成したので、請求項1記載の発明の効果に加えて、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続し、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続すると共に、LED点灯制御機能拡張子をLEDを光源とするランプに接続することによって、LEDを光源とするランプを内在した4灯式に構成し、かつ光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0091】
また、請求項6記載の発明によれば、光源としての放電バルブを点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタ、放電バルブ点灯用ソケット、および電源入力コネクタを備えて基本回路部材として部品化すると共に、ソレノイド手段の制御部分を、可動シェードの駆動を制御する制御回路を備えてソレノイド制御部材として部品化したので、ヘッドランプの多機能化に見合った電源供給装置を部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0092】
また、基本回路部材に組み込まれるソレノイド制御部材への電源供給は、機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0093】
さらに、基本回路部材、およびソレノイド制御部材を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができ、ひいてはコストダウンをも図ることができる。
【0094】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の発明の効果に加えて、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができると共に、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源供給装置を適用したヘッドランプの概略側断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての電源供給装置を構成する基本回路部材で、(a)はその正面図、(b)はその底面図である。
【図3】本発明の電源供給装置に適用されるカバー部材の正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態としての電源供給装置を構成する各種拡張子の正面図で、(a)は走行ビーム機能拡張子、(b)は光照射方向制御機能拡張子、(c)はレベライザー制御機能拡張子、(d)はLED点灯制御機能拡張子である。
【図5】第1実施形態の第1変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図6】第1実施形態の第2変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図7】第1実施形態の第3変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図8】第1実施形態の第4変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図9】第1実施形態の第5変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態としての電源供給装置の使用状態説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態の変形例としての電源供給装置の使用状態説明図である。
【図12】従来のヘッドランプ装置の一方の灯具の概略断面図である。
【図13】図12のヘッドランプ装置のロービームの配光パターンである。
【図14】図12のヘッドランプ装置のハイビームの配光パターンである。
【図15】従来の他のヘッドランプ装置の一方の灯具の概略正面図である。
【図16】図15のX−X線に沿う断面図である。
【図17】図15のXI−XI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドランプ
2 放電バルブ
4 リフレクタ
5 固定シェード
6 可動シェード
7 ソレノイド手段
A、A1〜A7 電源供給装置
B、K 基本回路部材
B1、K1 機能拡張用コネクタ
B2 すれ違いビーム点灯用ソケット
B3、K3 電源入力コネクタ
C 拡張子群
E 走行ビーム機能拡張子
E4 走行ビーム点灯用ソケット
F 光照射方向制御機能拡張子
G レベライザー制御機能拡張子
H LED点灯制御機能拡張子
J、J1 連係部材
K2 放電バルブ点灯用ソケット
M ソレノイド制御部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電バルブを光源として用いているヘッドランプの単機能から多機能化までの広範囲の要求仕様に容易に対応することができるヘッドランプの電源供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、放電バルブを備えたヘッドランプ装置100を示す(例えば、特許文献1参照)。放電バルブ2は、ソケット3に着脱可能に取り付けられており、このソケット3はリフレクタ4に着脱可能に取り付けられている。
【0003】
このリフレクタ4の内面には、放電バルブ2からの光L1を反射させて図13に示す所定のロービームの配光パターンLPが得られる第1反射面4aと、放電バルブ2からの光L1、L2を第1反射面4aと共に反射させて図14に示す所定のハイビームの配光パターンHPが得られる第2反射面4bとがそれぞれ設けられている。
【0004】
ここで、所定のロービームの配光パターンLP、所定のハイビームの配光パターンHPとは、欧州配光規格ECEReg.、あるいはそれに準じたもの(例えば、日本国内型式認定基準等)、北米配光規格のFMVSS等の配光規格に適合する配光パターンを言う。上述のロービームの配光パターンLPにおいては、眩惑光を制限するように配光規格化されている。この結果、上述のロービームの配光パターンLPは、図13に示すように、対向車及び左側路肩の歩行者に対して考慮した明暗境界線LP1を有するものとなる。すなわち、この明暗境界線LP1は、対向車に眩惑光を与えないように、右端からほぼ中央までの間であって、水平線HL−HRよりも若干下方に位置する水平線部分LP2と、左側路肩歩行者に眩惑光を与えずにかつ左側路肩歩行者を視認できるように、ほぼ中央の水平線部分LP2から緩やかに、例えば15°左上方に傾斜する緩傾斜線部分LP3とからなる。
【0005】
一方、上述のハイビームの配光パターンHPにおいては、最大光度値や最大光度帯が配光規格化されている。この結果、上述のハイビームの配光パターンHPは、図14に示すように、中央部分にホットゾーンHZ(最大光度点を含む最大光度帯)を有するものとなる。
また、図12において、固定シェード5は、前部側が閉塞しかつ後部側が開口した筒形状の覆い部5aと、その覆い部5aの開口下端から一体に突設された固定脚部5bとから構成されている。この固定脚部5bがリフレクタ4にスクリュウにより固定されており、この結果、覆い部5aが放電バルブ2の前方に配置することとなる。この固定シェード5は、放電バルブ2からの光のうち第1反射面4a及び第2反射面4bで反射される反射光(図示せず)以外の前方に直接照射される直射光(図示せず)を遮光するものである。
【0006】
また、図12において、可動シェード6は、四角筒形状をなし、駆動手段7により、放電バルブ2の外側でかつ固定シェード5の覆い部5aの内側において、所定のロービームの配光パターンLPが得れるロービーム位置(図12中の実線にて示す位置)と所定のハイビームの配光パターンHPが得られるハイビーム位置(図12中の一点鎖線にて示す位置)との間を、図12中の実線矢印方向及び一点鎖線矢印方向に、切替移動可能に配置されている。この可動シェード6は、所定のロービームの配光パターンLPと所定のハイビームの配光パターンHPとに切替えるものである。
さらに、図12において、ソレノイド手段7は、固定側のベース7aと、ソレノイド7bと、固定ガイドレール7c及び可動ガイドレール7dと、可動側のブラケット(若しくはステー)7eと、弾性部材としての引張りコイルスプリング7fとから構成されている。可動シェード6は、引張りコイルスプリング7fにより常時ロービーム位置側に引張られていることとなる。
【0007】
このように構成されたヘッドランプ装置100は、2灯式で構成されており、可動シェード6がロービーム位置に位置しているとき、放電バルブ2を点灯すると、その放電バルブ2からの光L1が第1反射面4aで反射され、その反射光が前方に照射されて、図13に示す所定のロービームの配光パターンLPが得られる。
【0008】
次に、ソレノイド7bに通電すると、可動シェード6は、引張りコイルスプリング7fの引張り力に抗してロービーム位置からハイビーム位置に移動し、そのハイビーム位置において、ソレノイド7bの吸引力により、固定保持される。これにより、放電バルブ2からの光L1、L2が第1反射面4a及び第2反射面4bで反射され、その反射光が前方に照射されて、図14に示す所定のハイビームの配光パターンHPが得られる。
【0009】
それから、ソレノイド7bへの通電を遮断すると、可動シェード6は、引張りコイルスプリング7fの引張り力によりハイビーム位置からロービーム位置に引張られて固定保持される。
【0010】
また、図15〜図17は、4灯式のヘッドランプ装置101を示す(例えば、特許文献2参照)。図15は、概略図でアウタレンズ、光源等は省略してある。このヘッドランプ装置101は、左右の各灯具が、2個の光源8、9を有して構成される4灯式のもので、図15では右側灯具のみを示している。すなわち、ヘッドランプ装置101は、左右の各灯具が、旋回/走行ビーム配光用灯具部10と、すれ違いビーム配光用灯具部11とを備えて構成されている。図15中、符号8a、9aは、各光源8、9の中心部位である。
【0011】
旋回/走行ビーム配光用灯具部10は、そのリフレクタ12が、略上側半分の反射面で構成される旋回用リフレクタ13(図15上、斜線を付して示している)と、略下側半分の反射面で構成される走行ビーム用リフレクタ14とを有して構成されており、その光源8が、図16に示すように、ダブルフィラメント光源で構成されている。光源8は、光軸Aに略沿って前後方向にずれて設けられる旋回用光源15および走行用光源16を有しており、旋回用光源15が、シェード17を備えて構成されている。
【0012】
すれ違いビーム配光用灯具部11は、そのリフレクタ18が、従来と同様のすれ違い用反射面18aを有して構成されており、その光源9が、図17に示すように、シングルフィラメント光源で構成されている。
【0013】
旋回/走行ビーム配光用灯具部10は、旋回用リフレクタ13が、左右の灯具間で、相互に逆向きとなるように光軸A(図16参照)に直交する軸を左または右方向(図15中、LまたはR方向)に傾けて外向きになるように配置されている。
【0014】
さらに、旋回/走行ビーム配光用灯具部10は、旋回用光源(シェード側の光源)15の光源の光を旋回用リフレクタ13で反射させることによって旋回用配光を構成し、かつ走行用光源(他の光源)16の光を旋回用リフレクタ13および走行ビーム用リフレクタ14で反射させることによって走行ビーム用配光を構成するように全体構成されている。
そして、ヘッドランプ装置101は、光源8およびすれ違いビーム配光用灯具部4(詳しくは、シングルフィラメント光源9)の点灯制御により、すれ違いビーム配光、走行ビーム配光、旋回用配光とすれ違いビーム配光との併用配光との間で切り換え可能に構成されている。
【0015】
【特許文献1】
特開2000−200509号公報(明細書段落番号〔0009〕〜〔0019〕、図1、図7、図8)
【0016】
【特許文献2】
特開2003−25906号公報(明細書段落番号〔0018〕〜〔0021〕、〔0024〕、〔0025〕、図1、図2(a)、図3)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
このようにヘッドランプ装置100は、2灯式で、1個の放電バルブに対する可動シェード6の切替で、ロービームの配光パターンLPをすれ違いビーム配光とし、ハイビームの配光パターンHPを走行ビーム配光とすることで、多機能化を図っている。
【0018】
また、ヘッドランプ装置101は、4灯式で、旋回/走行ビーム配光用灯具部10とすれ違いビーム配光用灯具部11とで構成することにより、多機能化を図っている。
【0019】
しかしながらこれらヘッドランプ装置100、および101の電源供給装置は、各装置毎に配線を施して、各装置毎に専用化されたものとして構成されているので、新たな電源供給装置を製作する場合には、その都度専用の配線を施すことにより製作する必要があり、このため製作期間の長期化およびコスト高を招く、という課題を有している。
【0020】
また、従来の電源供給装置は、放電バルブの起動系統の配索と、多機能化で付加される機能毎の配索が必要となり、付加される機能数が増加するほど配索の複雑化を招く、という課題を有している。
【0021】
そこで、本発明は、配索の複雑化を伴うことなく単機能から多機能化までの変化に容易に対応することができると共に、製作期間の短縮化およびコスト低減化をも共に図ることができるヘッドランプの電源供給装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するため、請求項1記載の発明は、少なくとも1個の放電バルブを光源とするヘッドランプの電源供給装置であって、
前記光源の内すれ違いビーム用の放電バルブを点灯させることのできる基本回路と、機能拡張用コネクタと、すれ違いビーム点灯用ソケットと、電源入力コネクタとを備えた基本回路部材と、
前記ヘッドランプに要求付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として独立させて形成した複数の機能拡張子からなる拡張子群とを有し、
前記ヘッドランプの要求仕様に応じて前記拡張子群から選択される1個又は相互に連係する機能の異なる複数個の拡張子を、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込んで構成したことを特徴とする。
【0023】
このため、請求項1記載の発明では、すれ違いビーム用の放電バルブを点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタ、すれ違いビーム点灯用ソケット、および電源入力コネクタを備えて基本回路部材として部品化し、かつ多機能化で要求付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として部品化したので、ヘッドランプの単機能から多機能化までの幅広い要求仕様に応じて、拡張子群から選択される拡張子を基本回路部材に組み込むことにより、前記要求仕様に見合った電源供給装置を製作することができる。単機能のヘッドランプの電源供給装置は、基本回路部材のみを用いて製作することができる。
【0024】
また、基本回路部材に組み込まれる各機能拡張子への電源供給は、機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0025】
また、基本回路部材および各機能拡張子を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができる。
【0026】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、走行ビーム配光を奏する走行ビーム機能拡張子で、前記光源の内走行ビーム用の放電バルブを点灯させることのできる走行ビーム用回路と、走行ビーム点灯用ソケットとを備えて構成されており、
前記走行ビーム機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0027】
このため、請求項2記載の発明では、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続することにより4灯式のヘッドランプを構成することができる。
【0028】
また、請求項3記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正するレベライザー制御機能拡張子であり、
前記レベライザー制御機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0029】
このため、請求項3記載の発明では、レベライザー制御機能拡張子により、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正することができるヘッドランプを構成することができる。
【0030】
また、請求項4記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子であり、
前記光照射方向制御機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0031】
このため、請求項4記載の発明では、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0032】
また、請求項5記載の発明は、請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子の一は、走行ビーム配光を奏する走行ビーム機能拡張子で、前記光源の内走行ビーム用の放電バルブを点灯させることのできる走行ビーム用回路と、走行ビーム点灯用ソケットとを備えて構成されており、
前記機能拡張子の他の一は、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子であり、
前記機能拡張子のさらに他の一は、前記ヘッドランプに内在するLEDを光源とするランプを点灯制御するLED点灯制御機能拡張子であり、
前記走行ビーム機能拡張子と前記光照射方向制御機能拡張子と前記LED点灯制御機能拡張子の連係部材が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0033】
このため、請求項5記載の発明では、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続し、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続すると共に、LED点灯制御機能拡張子をLEDを光源とするランプに接続することによって、LEDを光源とするランプを内在した4灯式に構成し、かつ光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0034】
また、請求項6記載の発明は、光源としての放電バルブからの光を反射させて所定のすれ違いビームの配光パターンが得られる第1反射面と、前記放電バルブからの光を前記第1反射面と共に反射させて所定の走行ビームの配光パターンが得られる第2反射面とを有して構成されるリフレクタと、放電バルブからの光のうち前記第1反射面および前記第2反射面で反射される反射光以外の前方に直接照射される直射光を遮光する固定シェードと、前記固定シェード内において前記すれ違いビームの配光パターンが得られるロービーム位置と前記走行ビームの配光パターンが得られるハイビーム位置との間を切替移動可能に配置され前記すれ違いビームの配光パターンと前記走行ビームの配光パターンとに切替える可動シェードと、前記可動シェードを前記すれ違いビーム位置と前記走行ビーム位置とに切替えるソレノイド手段とを備えているヘッドランプの電源供給装置において、
前記放電バルブを点灯させることのできる基本回路と、機能拡張用コネクタと、前記放電バルブ点灯用ソケットと、電源入力コネクタとを備えている基本回路部材と、
前記ソレノイド手段の駆動を制御する制御回路を備えたソレノイド制御部材とを有し、
前記ソレノイド制御部材を、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込んで構成したことを特徴とする。
【0035】
このため、請求項6記載の発明では、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができる。
【0036】
また、光源としての放電バルブを点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタ、放電バルブ点灯用ソケット、および電源入力コネクタを備えて基本回路部材として部品化すると共に、ソレノイド手段の制御部分を、可動シェードの駆動を制御する制御回路を備えてソレノイド制御部材として部品化したので、ヘッドランプの多機能化に見合った電源供給装置を部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0037】
また、基本回路部材に組み込まれるソレノイド制御部材への電源供給は、機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0038】
さらに、基本回路部材、およびソレノイド制御部材を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができる。
【0039】
また、請求項7記載の発明は、請求項6に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記ソレノイド制御部材に、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子を組み込んだ連係部材が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とする。
【0040】
このため、請求項7記載の発明では、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができると共に、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図12〜図17に示すものと同一の機能を奏するものは同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0042】
図1は、本発明の第1実施形態としての電源供給装置Aを適用したヘッドランプ1を示す。この電源供給装置Aは、少なくとも1個の放電バルブ2を光源とするヘッドランプ1に適用されるものであって、基本回路部材Bと、複数個の拡張子からなる拡張子群Cとを有し、ヘッドランプ1の要求仕様に応じて拡張子群Cから選択される1個又は相互に連係する機能の異なる複数個の拡張子を、基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで大略構成されている。
【0043】
このとき拡張子群Cは、ヘッドランプに要求付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として独立させて形成した複数の機能拡張子から構成されている。機能拡張子としては、例えば、走行ビーム機能拡張子、光照射方向制御機能拡張子、レベライザー制御機能拡張子、LED点灯制御機能拡張子等がある。
【0044】
なお、図1中、符号30は表ガラス、符号31はランプハウジング、符号32は見返しである。
【0045】
図2は、基本回路部材Bを示している。この基本回路部材Bは、光源の内すれ違いビーム用の放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路(図示せず)と、機能拡張用コネクタB1と、すれ違いビーム点灯用ソケットB2と、電源入力コネクタB3とを備えて構成されている。本実施形態では、基本回路部材Bは、基本回路がケーシングB4に内蔵された独立部品として構成されており、ケーシングB4の一辺に機能拡張用コネクタB1が設けられており、ケーシングB4の他辺に電源入力コネクタB3が設けられており、かつケーシングB4のさらに他辺にリード線B5が導出されてそのリード線B5の先端にすれ違いビーム点灯用ソケットB2が設けられている。
【0046】
基本回路部材Bは、電源入力コネクタB3を介して電源(図示せず)に接続するようになっており、機能拡張用コネクタB1は、機能を拡張するために拡張子を結合させる部分で、結合された拡張子は機能拡張用コネクタB1を介して電源が供給される。なお、図2中、符号B6は、ケーシングB4の外周の適所に固設された取付用孔である。
【0047】
図3は、カバー部材Dを示す。このカバー部材Dは、両端部に取付用孔D3を設けた平板部D1と、この平板部D1の一側面の略中央に設けられた結合部D2とから構成されており、結合部D2を拡張子の付加されない機能拡張用コネクタB1に結合することにより機能拡張用コネクタB1を平板部D1で覆って機能拡張用コネクタB1を保護することができる。
【0048】
図4は、拡張子群Cを構成する各種拡張子を示す。すなわち図4中、(a)は走行ビーム機能拡張子E、(b)は光照射方向制御機能拡張子F、(c)はレベライザー制御機能拡張子G、(d)はLED点灯制御機能拡張子Hをそれぞれ示す。
【0049】
本実施形態では、各拡張子E、F、G、およびHは、それぞれ制御回路(図示せず)がケーシングE1、F1、G1、およびH1に内蔵されると共に、雄コネクタE2、F2、G2、およびH2を備えて独立部品として構成されている。さらに拡張子EおよびFには、ケーシングE1およびF1に、機能拡張用コネクタB1と同様な構造を有する雌コネクタE3およびF3がそれぞれ設けられている。さらにその上、拡張子Eには、リード線E5が導出されてそのリード線E5の先端に走行ビーム点灯用ソケットE4が設けられている。なお、図4中、符号E6、F4、G3、およびH3は、各拡張子E、F、G、およびHそれぞれの取付用孔である。
【0050】
そして電源供給装置Aは、基本回路部材Bと、走行ビーム機能拡張子E、光照射方向制御機能拡張子F、レベライザー制御機能拡張子G、LED点灯制御機能拡張子H等からなる拡張子群Cとを有し、ヘッドランプ1の要求仕様に応じて拡張子群Cから選択される1個又は相互に連係する機能の異なる複数個の拡張子を、基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで大略構成されている。
【0051】
このようにして構成される電源供給装置Aは、すれ違いビーム用の放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタB1、すれ違いビーム点灯用ソケットB2、および電源入力コネクタB3を備えて基本回路部材Bとして部品化し、かつ多機能化で付加される走行ビーム機能、光照射方向制御機能、レベライザー制御機能、LED点灯制御機能をそれぞれ拡張子E、F、G、Hとして部品化したので、ヘッドランプ1の単機能から多機能化までの幅広い要求仕様に応じて、拡張子群Cから選択される拡張子E、F、G、Hを基本回路部材Bに組み込むことにより、前記要求仕様に見合った電源供給装置Aを容易に製作することができる。単機能のヘッドランプ1の電源供給装置Aは、基本回路部材Bのみを用いて製作することができる。
【0052】
また、基本回路部材Bに組み込まれる各拡張子E、F、G、Hへの電源供給は、機能拡張用コネクタB1を介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0053】
また、基本回路部材Bおよび各拡張子E、F、G、Hを部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置Aの製作期間をも短縮することができる。
【0054】
具体的には、基本回路部材Bに各拡張子E、F、G、Hを組み込むことにより図5〜図9に示す電源供給装置A1〜A5を提供することができる。
【0055】
電源供給装置A1は、図5に示すように、機能拡張用コネクタB1に結合部D2を結合することにより基本回路部材Bにカバー部材Dを着脱可能に組み込んで、単機能ヘッドランプ用として構成されている。電源供給装置A1は、取付用孔B6およびD3を介してランプハウジング31のボス部33にビス止めされて取り付けられる(図1参照)。
【0056】
この電源供給装置A1では、機能拡張用コネクタB1がカバー部材Dの平板部D1で覆われて他部材との干渉から保護されている。
【0057】
また、電源供給装置A2は、図6に示すように、機能拡張用コネクタB1に雄コネクタE2を結合することによって、走行ビーム機能拡張子Eを基本回路部材Bに着脱可能に組み込んで構成されている。走行ビーム機能拡張子Eの雌コネクタE3には、結合部D2をかいしてカバー部材Dが着脱可能に組み込まれている。電源供給装置A2は、取付用孔B6、D3、E6を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0058】
この電源供給装置A2は、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットB2を接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットE4を接続することにより4灯式のヘッドランプ(従来技術のヘッドランプ装置101参照)を構成することができる。
【0059】
また、電源供給装置A3は、図7に示すように、機能拡張用コネクタB1に雄コネクタG2を結合することによって、レベライザー制御機能拡張子Gが、機能拡張用コネクタB1を介して基本回路部材Bに着脱可能に組み込まれて構成されている。電源供給装置A3は、レベライザー制御機能拡張子Gの端子G4を介して灯具の縦方向の照射角調整手段(図示せず)に電気的に接続すると共に、取付用孔B6およびG3を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0060】
レベライザー制御機能拡張子Gは、例えば、乗車条件(乗員数や乗員の配置等)や積荷の積載条件、車両の走行状態等に起因する車体の傾きや高さを検出する検出手段を有し、該検出手段によって得られる情報に基づいて車体の傾きの変化量を算出して、灯具の照射状態が常に所定の状態となるように灯具の照射角等をその初期の調整値に対して補正して所定の配光を得るように制御するものである。
【0061】
このため電源供給装置A3は、レベライザー制御機能拡張子Gにより、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正することができるヘッドランプを構成することができる。
【0062】
また、電源供給装置A4は、図8に示すように、機能拡張用コネクタB1に雄コネクタF2を結合することによって、光照射方向制御機能拡張子Fが、機能拡張用コネクタB1を介して基本回路部材Bに着脱可能に組み込まれて構成されている。そして好ましくは、光照射方向制御機能拡張子Fの雌コネクタF3は、カバー部材Dで覆われて他部材との干渉から保護される。電源供給装置A4は、光照射方向制御機能拡張子Fの端子F5を介して灯具の横方向の照射角調整手段(図示せず)に電気的に接続すると共に、取付用孔B6、F4、およびD3を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0063】
光照射方向制御機能拡張子Fは、例えば車両の操舵角を検出してその角度変化に応じて灯具の横方向の照射方向を変更することで、車両の進行方向に所定の配光を得るように制御するものである。
【0064】
このため電源供給装置A4は、光照射方向制御機能拡張子Fにより、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0065】
また、電源供給装置A5は、図9に示すように、走行ビーム機能拡張子Eと光照射方向制御機能拡張子FとLED点灯制御機能拡張子Hの連係部材Jが、その雄コネクタE2を機能拡張用コネクタB1に結合させることにより、基本回路部材Bに着脱可能に組み込まれて構成されている。連係部材Jは、雌コネクタE3に雄コネクタF2を結合させることによって光照射方向制御機能拡張子Fを走行ビーム機能拡張子Eに組み込むと共に、雌コネクタF3に雄コネクタH2を結合させることによってLED点灯制御機能拡張子Hを光照射方向制御機能拡張子Fに組み込んで構成されている。電源供給装置A5は、取付用孔B6、E6、F4、およびH3を介してランプハウジング31に取り付けられる。
【0066】
ここでLED点灯制御機能拡張子Hは、ヘッドランプに内在するLEDを光源とするランプ、例えば、クリアランスランプ、フロントターンシグナルランプ等の対象LEDの電圧を制御することによって点灯制御する。
【0067】
このため電源供給装置A5は、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットB2を接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットE4を接続することによって、LEDを光源とするランプを内在した4灯式に構成し、かつ光照射方向制御機能拡張子Fにより、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプを構成することができる。
【0068】
このように、電源供給装置A1〜A5は、配線の必要が無く、部品同士の結合により構成することができるので、製作が容易で製作期間の短縮化を図ることができると共に、基本回路部材B、拡張子群Cのいずれかに故障が生じたときは、故障の生じたものを交換するだけで、故障に素早く対応することができる。
【0069】
図10は、本発明の第2実施形態としての電源供給装置A6を示す。この電源供給装置A6は、前述したヘッドランプ装置100と同様のヘッドランプ1に適用される。このため同一の構成要素は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
すなわち、電源供給装置A6は、光源としての放電バルブ2からの光を反射させて所定のすれ違いビームの配光パターンが得られる第1反射面と、放電バルブ2からの光を前記第1反射面と共に反射させて所定の走行ビームの配光パターンが得られる第2反射面とを有して構成されるリフレクタ4と、放電バルブ2からの光のうち前記第1反射面および前記第2反射面で反射される反射光以外の前方に直接照射される直射光を遮光する固定シェード5と、固定シェード5内において前記すれ違いビームの配光パターンが得られるロービーム位置と前記走行ビームの配光パターンが得られるハイビーム位置との間を切替移動可能に配置され前記すれ違いビームの配光パターンと前記走行ビームの配光パターンとに切替える可動シェード6と、可動シェード6を前記すれ違いビーム位置と前記走行ビーム位置とに切替えるソレノイド手段7とを備えているヘッドランプ1に適用される。
【0071】
ここで第1反射面、第2反射面、すれ違いビームの配光パターン、および走行ビームの配光パターンは、前述したヘッドランプ装置100の第1反射面4a、第2反射面4b、ロービームの配光パターンLP、およびハイビームの配光パターンHPに相当している。
【0072】
電源供給装置A6は、放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路(図示せず)と、機能拡張用コネクタK1と、放電バルブ点灯用ソケットK2と、電源入力コネクタK3とを備えている基本回路部材Kと、ソレノイド手段7の駆動を制御する制御回路(図示せず)を備えたソレノイド制御部材Mとを有し、ソレノイド制御部材Mを、機能拡張用コネクタK1を介して基本回路部材Kに着脱可能に組み込んで構成されている。
【0073】
このため、電源供給装置A6は、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができる。
【0074】
本実施形態では、基本回路部材Kは、基本回路がケーシングK4に内蔵された独立部品として構成されており、ケーシングK4の一辺に機能拡張用コネクタK1が設けられており、ケーシングK4の他辺に電源入力コネクタK3が設けられており、かつケーシングK4のさらに他辺にリード線K5が導出されてそのリード線K5の先端に放電バルブ2の点灯用ソケットK2が設けられている。
【0075】
基本回路部材Kは、電源入力コネクタK3を介して電源(図示せず)に接続するようになっており、機能拡張用コネクタK1は、機能を拡張するために拡張子を結合させる部分で、結合された拡張子は機能拡張用コネクタK1を介して電源が供給される。なお、図10中、符号K6は、ケーシングK4の外周の適所に固設された取付用孔である。
【0076】
また、ソレノイド制御部材Mは、制御回路がケーシングM1に内蔵されると共に、雄コネクタM2および取付用孔M3を備えて独立部品として構成されている。
【0077】
そして電源供給装置A6は、雄コネクタM2を機能拡張用コネクタK1に結合させることにより、ソレノイド制御部材Mを基本回路部材Kに着脱可能に組み込んで構成されると共に、ソケットK2を放電バルブ2に接続し、かつソレノイド制御部材Mの端子M4をソレノイド手段7に電気的に接続することにより全体構成される。
【0078】
このように構成された電源供給装置A6は、光源としての放電バルブ2を点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタK1、放電バルブ点灯用ソケットK2、および電源入力コネクタK3を備えて基本回路部材Kとして部品化すると共に、ソレノイド手段7の制御部分を、可動シェード6の駆動を制御する制御回路を備えてソレノイド制御部材Mとして部品化したので、ヘッドランプの多機能化にも拘わらず、部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0079】
また、基本回路部材Kに組み込まれるソレノイド制御部材Mへの電源供給は、機能拡張用コネクタK1を介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0080】
さらに、基本回路部材K、およびソレノイド制御部材Mを部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができる。
【0081】
図11は、第2実施形態の変形例としての電源供給装置A7を示す。この電源供給装置A7は、光照射方向制御機能拡張子Fを付加した点が異なるだけで他の構成は電源供給装置A6と同様に構成されている。この光照射方向制御機能拡張子Fは、第1実施形態のものと同一のものである。
【0082】
すなわち電源供給装置A7は、ソレノイド制御部材Mに光照射方向制御機能拡張子Fを組み込んだ連係部材J1が、機能拡張用コネクタK1を介して基本回路部材Kに着脱可能に組み込まれて構成されている。このとき光照射方向制御機能拡張子Fは、その端子F5を、リフレクタ4の移動手段を構成するアクチュエータ33に電気的に接続して全体構成されている。
【0083】
このように構成された電源供給装置A7は、電源供給装置A6と同様の作用効果に加えて、多機能化で付加される光照射方向制御機能拡張子F、およびソレノイド制御部材Mをそれぞれ部品化したので、ヘッドランプの多機能化にも拘わらずこれらと基本回路部材Kを含む部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0084】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1記載の発明によれば、基本回路部材、および多機能化で付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として部品化したので、ヘッドランプの単機能から多機能化までの幅広い要求仕様に応じて、拡張子群から選択される拡張子を基本回路部材に組み込むことにより、前記要求仕様に見合った電源供給装置を容易に製作することができる。
【0085】
また、基本回路部材に組み込まれる各拡張子への電源供給は、基本回路部材の機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、ヘッドランプの多機能化にも拘わらず配線の簡略化を図ることができる。
【0086】
また、基本回路部材および各拡張子を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができ、ひいてはコストダウンをも図ることができる。
【0087】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続すると共に、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続することにより4灯式のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0088】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、レベライザー制御機能拡張子により、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正することができるヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0089】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0090】
また、請求項5記載の発明によれば、走行ビーム機能拡張子と光照射方向制御機能拡張子とLED点灯制御機能拡張子の連係部材を、基本回路部材に組み込んで構成したので、請求項1記載の発明の効果に加えて、各灯具内に配設される2個の放電バルブの内、一の放電バルブにすれ違いビーム点灯用ソケットを接続し、他の放電バルブに走行ビーム点灯用ソケットを接続すると共に、LED点灯制御機能拡張子をLEDを光源とするランプに接続することによって、LEDを光源とするランプを内在した4灯式に構成し、かつ光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【0091】
また、請求項6記載の発明によれば、光源としての放電バルブを点灯させることのできる基本回路に、機能拡張用コネクタ、放電バルブ点灯用ソケット、および電源入力コネクタを備えて基本回路部材として部品化すると共に、ソレノイド手段の制御部分を、可動シェードの駆動を制御する制御回路を備えてソレノイド制御部材として部品化したので、ヘッドランプの多機能化に見合った電源供給装置を部品同士の結合により容易に製作することができる。
【0092】
また、基本回路部材に組み込まれるソレノイド制御部材への電源供給は、機能拡張用コネクタを介して行うことができるので、配線の簡略化を図ることができる。
【0093】
さらに、基本回路部材、およびソレノイド制御部材を部品化したので、それ等を在庫することができ、これにより故障時の部品交換も容易に行うことができると共に、電源供給装置の製作期間をも短縮することができ、ひいてはコストダウンをも図ることができる。
【0094】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の発明の効果に加えて、ソレノイド制御部材の可動シェードの切替移動により、1個の放電バルブをすれ違いビームの配光パターンと走行ビームの配光パターンとに切替えることができると共に、光照射方向制御機能拡張子により、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動させるようにした照射方向可変のヘッドランプの電源供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電源供給装置を適用したヘッドランプの概略側断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての電源供給装置を構成する基本回路部材で、(a)はその正面図、(b)はその底面図である。
【図3】本発明の電源供給装置に適用されるカバー部材の正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態としての電源供給装置を構成する各種拡張子の正面図で、(a)は走行ビーム機能拡張子、(b)は光照射方向制御機能拡張子、(c)はレベライザー制御機能拡張子、(d)はLED点灯制御機能拡張子である。
【図5】第1実施形態の第1変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図6】第1実施形態の第2変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図7】第1実施形態の第3変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図8】第1実施形態の第4変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図9】第1実施形態の第5変形例としての電源供給装置の正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態としての電源供給装置の使用状態説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態の変形例としての電源供給装置の使用状態説明図である。
【図12】従来のヘッドランプ装置の一方の灯具の概略断面図である。
【図13】図12のヘッドランプ装置のロービームの配光パターンである。
【図14】図12のヘッドランプ装置のハイビームの配光パターンである。
【図15】従来の他のヘッドランプ装置の一方の灯具の概略正面図である。
【図16】図15のX−X線に沿う断面図である。
【図17】図15のXI−XI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドランプ
2 放電バルブ
4 リフレクタ
5 固定シェード
6 可動シェード
7 ソレノイド手段
A、A1〜A7 電源供給装置
B、K 基本回路部材
B1、K1 機能拡張用コネクタ
B2 すれ違いビーム点灯用ソケット
B3、K3 電源入力コネクタ
C 拡張子群
E 走行ビーム機能拡張子
E4 走行ビーム点灯用ソケット
F 光照射方向制御機能拡張子
G レベライザー制御機能拡張子
H LED点灯制御機能拡張子
J、J1 連係部材
K2 放電バルブ点灯用ソケット
M ソレノイド制御部材
Claims (7)
- 少なくとも1個の放電バルブを光源とするヘッドランプの電源供給装置であって、
前記光源の内すれ違いビーム用の放電バルブを点灯させることのできる基本回路と、機能拡張用コネクタと、すれ違いビーム点灯用ソケットと、電源入力コネクタとを備えている基本回路部材と、
前記ヘッドランプに要求付加される各種機能を機能毎の機能拡張子として独立させて形成した複数の機能拡張子からなる拡張子群とを有し、
前記ヘッドランプの要求仕様に応じて前記拡張子群から選択される1個又は相互に連係する機能の異なる複数個の拡張子を、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込んで構成したことを特徴とするヘッドランプの電源供給装置。 - 請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、走行ビーム配光を奏する走行ビーム機能拡張子で、前記光源の内走行ビーム用の放電バルブを点灯させることのできる走行ビーム用回路と、走行ビーム点灯用ソケットとを備えて構成されており、
前記走行ビーム機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とするヘッドランプの電源供給装置。 - 請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、縦方向の車両姿勢を検出して光照射方向を常時所定の状態に保つように補正するレベライザー制御機能拡張子であり、
前記レベライザー制御機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とするヘッドランプの電源供給装置。 - 請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子は、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子であり、
前記光照射方向制御機能拡張子が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とするヘッドランプの電源供給装置。 - 請求項1に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記機能拡張子の一は、走行ビーム配光を奏する走行ビーム機能拡張子で、前記光源の内走行ビーム用の放電バルブを点灯させることのできる走行ビーム用回路と、走行ビーム点灯用ソケットとを備えて構成されており、
前記機能拡張子の他の一は、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子であり、
前記機能拡張子のさらに他の一は、前記ヘッドランプに内在するLEDを光源とするランプを点灯制御するLED点灯制御機能拡張子であり、
前記走行ビーム機能拡張子と前記光照射方向制御機能拡張子と前記LED点灯制御機能拡張子の連係部材が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とするヘッドランプの電源供給装置。 - 光源としての放電バルブからの光を反射させて所定のすれ違いビームの配光パターンが得られる第1反射面と、前記放電バルブからの光を前記第1反射面と共に反射させて所定の走行ビームの配光パターンが得られる第2反射面とを有して構成されるリフレクタと、放電バルブからの光のうち前記第1反射面および前記第2反射面で反射される反射光以外の前方に直接照射される直射光を遮光する固定シェードと、前記固定シェード内において前記すれ違いビームの配光パターンが得られるロービーム位置と前記走行ビームの配光パターンが得られるハイビーム位置との間を切替移動可能に配置され前記すれ違いビームの配光パターンと前記走行ビームの配光パターンとに切替える可動シェードと、前記可動シェードを前記すれ違いビーム位置と前記走行ビーム位置とに切替えるソレノイド手段とを備えているヘッドランプの電源供給装置において、
前記放電バルブを点灯させることのできる基本回路と、機能拡張用コネクタと、前記放電バルブ点灯用ソケットと、電源入力コネクタとを備えている基本回路部材と、
前記ソレノイド手段の駆動を制御する制御回路を備えたソレノイド制御部材とを有し、
前記ソレノイド制御部材を、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込んで構成したことを特徴とするヘッドランプの電源供給装置。 - 請求項6に記載のヘッドランプの電源供給装置であって、
前記ソレノイド制御部材に、光照射方向を進行方向に対して横方向に揺動制御する光照射方向制御機能拡張子を組み込んだ連係部材が、前記機能拡張用コネクタを介して前記基本回路部材に着脱可能に組み込まれて構成されていることを特徴とするヘッドランプの電源供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118741A JP2004327175A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ヘッドランプの電源供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003118741A JP2004327175A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ヘッドランプの電源供給装置 |
Publications (1)
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JP2004327175A true JP2004327175A (ja) | 2004-11-18 |
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ID=33498206
Family Applications (1)
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JP2003118741A Pending JP2004327175A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | ヘッドランプの電源供給装置 |
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JP (1) | JP2004327175A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9674916B2 (en) | 2015-07-13 | 2017-06-06 | Panasonic Intellectual Property Managment Co., Ltd. | Lighting control device, lighting apparatus and luminaire |
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118741A patent/JP2004327175A/ja active Pending
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