JP2004325126A - 放射線検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護層等にピンホールがあっても反射層及び電磁シールド層が腐食しない放射線検出装置を提供する。
【解決手段】放射線検出装置は、ガラス基板110上に複数の光電変換素子102を有するセンサーパネルと、センサーパネル上に形成され、入射される放射線を光に変換する蛍光体層106と、蛍光体層106上に形成され、蛍光体層106により変換された光を光電変換素子102に反射する反射層108と、反射層108上に形成される電磁シールド層111とを有する。反射層108と電磁シールド層111との間に電位差を与える電位源204を備え、この電位差によって、反射層108及び電磁シールド層111の腐食を抑制する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用X線診断装置、非破壊検査装置等で用いる放射線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レントゲン撮影のデジタル化が加速しており、各社からX線エリアセンサーが発表されている。その方式もダイレクト方式(X線を直接電気信号に変換して読み取るタイプ)とインダイレクト方式(X線を一旦可視光に変換して可視光を電気信号に変換して読み取るタイプ)の2つに大別される。
【0003】
図9は、インダイレクト方式のX線エリアセンサー(例えば、特許文献1参照)において、放射線検出素子に電磁シールド層を配置した状態の断面図である。図中、ガラス基板101上に複数の光電変換素子(光電変換部)102を形成し、その上の保護層105により保護している。
【0004】
光電変換素子102より伸びる配線103は、ボンディングパッド部104に繋がっている。保護層105上には、CsI:Tl(ヨウ化セシウム:タリウム)よりなる蛍光体層106が形成されており、厚さ10μmのパリレンよりなる保護層107、アルミよりなる反射層108、及びパリレンよりなる保護層109によって、外部との間を耐湿保護されている。
【0005】
アルミよりなる反射層108は、蛍光体層106から光電変換部102と反対側へ向かった光を反射させ、光電変換部102へ導くために設けている。これは、蒸着などの方法により、薄膜(サブミクロンレベルの厚み)状態となっている。反射層108の上部には、粘着材(粘着層)110によってAl箔などよりなる電磁シールド層111が設けられ、これは、PETよりなる保護層112で保護されている。この電磁シールド層111は、図示しない放射線検出装置のシャーシに接続され、GND(グランド電位)に固定されている。115は、保護層107の剥がれを防止するための被覆樹脂である。
【0006】
上記構成において、図9中の図面上部から入射したX線が保護層(PET)112、電磁シールド層111、粘着層110、保護層(パリレン)109、反射層108、及び保護層(パリレン)107を透過し、蛍光体層106で吸収された後、発光した光が光電変換素子102に到達する。これにより、光電変素子102にて変換された電気信号が配線103を通して、ボンディングパッド部104、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電接着膜)121、TAB(Tape Automated Bonding)122、PCB(光電変換素子102に対する駆動回路及び信号読み出し回路等の集積回路が実装された回路基板)123を介して図示しない外部回路で読み出すことで、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換される。
【0007】
【特許文献1】
国際公開第98/36290号パンフレット
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような放射線検出素子を用いて放射線検出装置を設計した場合、次のような信頼性に関係する問題点が生じる。
【0009】
1)CsI:Tl表面の凹凸により発生する保護層107の僅かなピンホールから、CsI:Tl106の成分が進行し、反射層108を腐食させてしまう。反射層は、薄膜なので、僅かな腐食であってもその影響は大きい。
【0010】
2)ピンホールでなくとも、保護層107に粗な部分が存在すれば、CsI:Tlの成分は徐々に侵入し、1)と同じ結果を引き起こす。
【0011】
3)たとえば、電磁シールド層111をCu、反射層108をAl薄膜とした場合、保護層109と粘着層110を通したピンホールが存在すると、異種金属の接触により、標準電極電位の低いAlの反射層が腐食してしまう。
【0012】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、保護層等にピンホール等があっても反射層及び電磁シールド層が腐食しない構成を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと波長変換体と反射層と電磁シールド層と電気実装部品を備える放射線検出パネルにおいて、反射層と電磁シールド層との間に電位差を与え、腐食を抑制するものである。なお、放射線とは、X線やα,β,γ線等をいい、光は、光電変換素子により検出可能な波長領域の電磁波であり、可視光を含む。波長変換体は、放射線を波長の長い電磁波に変換するもので、放射線を光に変える蛍光体等のシンチレータを含む。
【0014】
上記構成において、反射層は、使用する材料の不働態領域、もしくは不活態領域の電位に固定することが望ましい。電磁シールド層も使用する材料の不働態領域、もしくは不活態領域の電位に固定することが望ましい。電位差を発生させる電位源を電気実装部品に直接組み込み接続しても良い。また、電位差を発生させる電位源を反射層と電磁シールド層の間に直接挟み込んで接続しても良い。
【0015】
このような構成にすることによって、反射層及び電磁シールド層の腐食のない放射線検出装置を提供することが可能となる。
【0016】
本発明の狙いは、金属製の薄膜反射層と金属製の電磁シールド層との間に電位差を設け、電気防食効果をもたせることによって、薄膜反射層と電磁シールド層が不純物の侵入や異種金属との接触によっても腐食を起こしにくくすることにある。電気防食効果は、Eh−pH図を用いて対象金属を不活態域(安定域)にするか、不働態域にするかを決定し制御することで可能である。ちなみに、CuのEh−pH図を図2に記載する。
【0017】
図2に示すように、pH7(中性)とすると、Cuの電位を−0.7V以下にすればCu薄膜は、不活態域となり安定化することがわかる。逆に0.2V以上でも不働態域になって安定する。ただし、不純物が侵入してきた際のpH値によっては、図2に従い微調整する必要がある。
【0018】
本発明の装置では、反射層としては、Al、Ag、Au、Cuやそれらの化合物、電磁シールド層としては、Al、Cu、特殊合金、アモルファスカーボンなどの材料が用いられる。反射層と電磁シールド層がどのような組み合わせであっても、それぞれのEh−pH図を参考に、各金属の電位を決定すればよい。各金属について不働態域で安定させるのか、不活態域で安定させるのかについても、金属の特性を鑑みて決めればよい。さらに、同じ金属同士であっても、薄膜のものと厚膜のものでは、その表面での不働態化膜の厚みにも違いがあるため、若干の電位差を持たせると良い。電位差の与え方としては、電位源を電気実装部品たとえば、PCBに直接組み込むとスペースを有効に使える。更には、直接両電極間に電位源を挟み込む方法であってもよい。
【0019】
本発明は、このような着想のもとに完成されたものである。
【0020】
すなわち、本発明に係る放射線検出装置は、複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと、該センサーパネル上に形成され、入射される放射線を波長の長い電磁波に変換する波長変換体と、該波長変換体上に形成され、該波長変換体により変換された電磁波を前記光電変換素子に反射する反射層と、該反射層上に形成される電磁シールド層とを有する構成において、前記反射層と前記電磁シールド層との間に電位差を与える電位源を備え、該電位差により前記反射層及び前記電磁シールド層の腐食を抑制することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る放射線検出装置の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の好適な実施形態を示した放射線検出パネル(放射線検出装置)の断面図である。従来例と重複する部分には同じ記号を付したので、詳細説明は割愛する。
【0023】
図1に示す本実施形態の放射線検出装置には、ガラス基板101上に複数の光電変換素子(光電変換部)102が形成される。各光電変換素子102は、その上部に形成された保護層105により保護されている。光電変換素子102より伸びる配線103は、ボンディングパッド部104に繋がっている。保護層105上には、蛍光体層(CsI:Tl)106が形成され、保護層(パリレン)107及び反射層108によって外部との間を耐湿保護される。反射層108は、蛍光体層106から光電変換部102の反対側へ向かった光を反射させ、光電変換部102へ導くために設けられる。これは、蒸着などの方法により薄膜状態となっている。反射層108の上部には、粘着層110によって電磁シールド層111が設けられ、これは保護層(PET)112で保護されている。
【0024】
上記構成において、図1中の図面上部から入射したX線が保護層(PET)112、電磁シールド層111、粘着層110、反射層108、及び保護層(パリレン)107を透過し、蛍光体層106で吸収された後、発光した光が光電変換素子102に到達しその光信号に対応する電気信号に変換される。この電気信号は、配線103を通してACF121、TAB122、PCB123などの電気実装部を介し図示しない外部回路で読み出すことで、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換される。
【0025】
上記構成において、本実施形態では、反射層108にAl薄膜、電磁シールド層111にCuを用いた。また、反射層108は、導電接着剤201を通して金属端子202に接続され、外部の電源(電位源)204に繋がっている。203は、電磁シールド層202の保護層である。一方、電磁シールド層111の一部は、パネルの外部に端子状に伸び、電位源204に繋がっている。
【0026】
図1では、電位源204を外に記載しているが、PCBボード123に組み込むのが良い。ここでは、Alの反射層108に+0.5V、Cuの電磁シールド層111に−0.8V、両者108、111に1.3Vの電位差を与えている。こうすることで、前述した通り、Alは不働態域に、Cuは不活態域になって安定する。逆に、Alの反射層108及びCuの電磁シールド層111に、それぞれAlを不活態域に、Cuを不働態域にさせる電位差を与えても、同様に安定し、いずれでも本目的は達成される。
【0027】
次に、本実施形態の放射線検出パネルの製法を説明する。
【0028】
まず、従来のプロセスで作成したセンサーパネルにCsI:Tlからなる蛍光体層106を蒸着、続いて保護層107、反射層108を連続形成、ボンディングパッド部104をむき出しにした後、従来の方法で、ACF121を介しTAB122とPCB123を実装する。続いて、反射層上の決められたポイントに導電性樹脂をポッティングし、金属端子フィルム(端子202、保護層203)を貼り付ける。導電性樹脂の硬化は、キュアなどの方法で可能である。最後に電磁シールドフィルム(電磁シールド層111、保護層112)を粘着材110にて反射層108上に貼り合わせ、放射線検出パネルの形態が完成する。それぞれパネルの外側に伸びた各端子は、ネジ込み等の方法で電位源に接続した配線に接続すればよい。
【0029】
従って、本実施形態によれば、Alの反射層108と、Cuの電磁シールド層111との間に、Alが不働態域又は不活態域に、Cuが不活態域又は不働態域になるように電位差を与える電位源204を設けたため、反射層108と電磁シールド層111の防食効果を高めることができた。また、この効果によって、本実施形態では、従来例で構成していた保護層109を割愛することができた。
【0030】
(第2実施形態)
図3は、本発明の別の好適な実施形態を示した放射線検出パネルの断面図である。従来例と重複する部分には同じ記号を付したので、詳細説明は割愛する。
【0031】
図3に示す本実施形態の放射線検出装置には、ガラス基板101上に複数の光電変換素子(光電変換部)102が形成される。各光電変換素子102は、その上部に形成された保護層105により保護される。光電変換素子102より伸びる配線103は、ボンディングパッド部104に繋がっている。保護層105上には、蛍光体層(CsI:Tl)106が形成され、保護層(パリレン)107及び反射層108によって外部との間を耐湿保護される。反射層108は、蛍光体層106から光電変換部102の反対側へ向かった光を反射させ、光電変換部102へ導くために設けられる。これは、蒸着などの方法により薄膜状態となっている。反射層108の上部には、粘着層110によって電磁シールド層111が設けられ、これは保護層(PET)112により保護される。
【0032】
上記構成において、図3中の図面上部から入射したX線が保護層(PET)112、電磁シールド層111、粘着層110、反射層108、及び保護層(パリレン)107を透過し、蛍光体層106で吸収された後、発光した光が光電変換素子102に到達しその光信号に対応する電気信号に変換される。この電気信号は、配線103を通してACF121、TAB122、PCB123などの電気実装部を介し図示しない外部回路で読み出すことで、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換される。
【0033】
上記構成において、本実施形態では、反射層108にAl薄膜、電磁シールド層にAlを用いた。また、反射層108は、パネルに専用に設けた配線113に保護層105の開口部300を通して直接コンタクトさせ、ボンディングパッド部104、ACF121を介し、TAB122、PCB123などの電気実装部を通して、外部の電源204に接続している。一方、電磁シールド層111は,実施形態1と同様、直接電位源204に接続している。この場合も電位源204はPCB123に実装している。
【0034】
また、本実施形態では、反射層108と電磁シールド層111に同じ材料(例えば、Al)を用いた。この場合は、上記第1実施形態とは異なり、薄膜である反射層の方が表面の不働態層が薄く腐食されやすいため、反射層108に+0.5V、電磁シールド層111に0V(GND)、従って両者108、111の電位差を0.5Vととした。これにより、反射層108表面の不働態層が安定する。
【0035】
次に、反射層108を専用配線113に接続する部分の製法を説明する。まず、従来のパネル製法において、最後の保護層パターニング時に専用配線113上をエッチングして開口部401を形成しておく。蛍光体層106形成の後のAl反射膜成膜時に開口部401に成膜するようマスクデポを行い、専用配線113に反射層108を接続する。
【0036】
従って、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加え、さらに外部に伸びる端子を一種類減らすことができ、構造をシンプルにすることが可能となった。
【0037】
(第3実施形態)
図4は、本発明の別の好適な実施形態を示した放射線検出パネルの断面図である。従来例と重複する部分には同じ記号を付したので、詳細説明は割愛する。
【0038】
図4に示す本実施形態の放射線検出装置には、ガラス基板101上に複数の光電変換素子(光電変換部)102が形成される。各光電変換素子102は、その上部に形成された保護層105により保護される。光電変換素子102より伸びる配線103は、ボンディングパッド部104に繋がっている。保護層105上には、蛍光体層(CsI:Tl)106が形成され、保護層(パリレン)107及び反射層108によって外部との間を耐湿保護される。反射層108は、蛍光体層106から光電変換部102の反対側へ向かった光を反射させ、光電変換部102へ導くために設けられる。これは、蒸着などの方法により薄膜状態となっている。反射層108の上部には、粘着層110によって電磁シールド層111が設けられ、これは保護層(PET)112により保護される。
【0039】
上記構成において、図4中の図面上部から入射したX線が保護層(PET)112、電磁シールド層111、粘着層110、反射層108、及び保護層(パリレン)107を透過し、蛍光体層106で吸収された後、発光した光が光電変換素子102に到達しその光信号に対応する電気信号に変換される。この電気信号は、配線103を通してACF121、TAB122、PCB123などの電気実装部を介し図示しない外部回路で読み出すことで、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換される。
【0040】
上記構成において、本実施形態では、上記第2実施形態の改良版で、電磁シールド層111も、導電性樹脂210を介してパネルに設けた専用配線114に接続し、構造をシンプルにしたものである。
【0041】
図5に平面図を示す。前述の図4は、図5中のA−A断面に対応している。図5において、破線部301が電磁シールド層111の外形(境界)、点線部302が反射層108の外形(境界)である。専用配線114はTAB122bの一つの配線に接続されており、ここからPCB123b内部に設置された電源(図示せず)に接続されている。反射層も同様に専用配線114と接続されている。
【0042】
なお、図5中のB−B断面は、上記第2実施形態の図3に対応している。専用配線114はTAB122aの一つの配線に接続されており、ここからPCB123a内部に設置された電源(図示せず)に接続されている。反射層も同様に専用配線113と接続されている。図5において、配線124は、PCB122aとPCB122bと繋いでいる。
【0043】
上記構成において、本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、反射層108にAl薄膜、電磁シールド層111にCuを採用し、この両者108、111間の電位差は、上記第1実施形態で説明した通り、例えば1.3Vを与えている。
【0044】
次に、電磁シールドフィルム(電磁シールド層111、保護層112)を専用配線114に接続する部分の製法を説明する。まず、反射層108を形成した後、開口部402に導電性樹脂210をポッティングしておく。その状態で電磁シールドフィルム(電磁シールド層111、保護層112)を粘着材110で貼り合わせると、電磁シールド層111は、導電性樹脂210に接触する。そのままキュアで固めて、接続が完了する。
【0045】
従って、本実施形態によれば、上記第2実施形態と同様に効果に加え、更に構造をシンプルにすることが可能となった。
【0046】
(第4実施形態)
図6は、本発明の別の好適な実施形態を示した放射線検出パネルの断面図である。従来例と重複する部分には同じ記号を付したので、詳細説明は割愛する。
【0047】
図6に示す本実施形態の放射線検出装置には、ガラス基板101上に複数の光電変換素子(光電変換部)102が形成される。各光電変換素子102は、その上部に形成された保護層105により保護される。光電変換素子102より伸びる配線103は、ボンディングパッド部104に繋がっている。保護層105上には、蛍光体層(CsI:Tl)106が形成され、保護層(パリレン)107及び反射層108によって外部との間を耐湿保護される。反射層108は、蛍光体層106から光電変換部102の反対側へ向かった光を反射させ、光電変換部102へ導くために設けられる。これは、蒸着などの方法により薄膜状態となっている。反射層108の上部には、粘着層110によって電磁シールド層111が設けられ、これは保護層(PET)112により保護される。
【0048】
上記構成において、図6中の図面上部から入射したX線が保護層(PET)112、電磁シールド層111、粘着層110、反射層108、及び保護層(パリレン)107を透過し、蛍光体層106で吸収された後、発光した光が光電変換素子102に到達しその光信号に対応する電気信号に変換される。この電気信号は、配線103を通してACF121、TAB122、PCB123などの電気実装部を介し図示しない外部回路で読み出すことで、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換される。
【0049】
上記構成において、本実施形態では、反射層108と電磁シールド層111との間に電池などの電源220を挿入し、その場で電位差を投入した。ただし、この状態では全体系が電気的に浮遊状態になるため、電磁シールド層111は外部のGND(グランド電位)に固定した。また、上記第2実施形態と同様、反射層108にAl薄膜、電磁シールド層111にAlを用いた。この場合も、電磁シールド層111は0V、Al反射層108は+0.5Vとした。
【0050】
従って、本実施形態によれば、上記実施形態と同様の効果に加え、さらに電源をパネル内部に持たせることによって、よりシンプルな構造にすることができた。
【0051】
(第5実施形態)
図7は、本発明の別の好適な実施形態を示した放射線検出パネルの断面図である。図7に示す本実施形態の放射線検出装置は、センサーパネル100に蛍光板200を接着剤120で貼り合わせる方式の放射線検出パネルに適用したものである。
【0052】
図7において、センサーパネル100には、上記実施形態と同様の構成で、ガラス基板101上に複数の光電変換素子(光電変換部)102が形成される。各光電変換素子102は、その上部に形成された保護層105により保護されている。光電変換素子102より伸びる配線103は、ボンディングパッド部104に繋がり、ACF121を介し、TAB122、PCB123に接続される。
【0053】
また、図7において、蛍光板200は、アモルファスカーボンからなるベースプレート118に保護層117、Alからなる反射層108、保護層116を設けた後、蛍光体層(CsI:Tl)106を蒸着してその回りを耐湿保護層119で覆って完成される。
【0054】
このうち、ベースプレート118は、アモルファスカーボンで形成され、上記電磁シールド層を兼ねている。反射層108は、導電性樹脂211によってパネルに設けた専用配線113に接続され、ACF121、TAB122、PCB123を介し電源(図示しない)に繋がっている。このベースプレート118は、導電性樹脂212によって端子213に接続され、電源(グランド電源)に繋がっている。この場合の電位は、反射層108に+0.5V、ベースプレート118に0Vを投入している。
【0055】
従って、本実施形態によれば、上記実施形態の効果に加え、本発明が蛍光板を貼り合わせて作成される放射線検出センサーにも適用できることを示した。とくに、本実施形態の構成では、保護層117を数μmの厚みに形成するため、ピンホールが発生しやすく、存在すると即座にAlが腐食することが本発明者による実験で明らかになっているので、上記効果はとくに顕著となる。
【0056】
図8は、本発明による放射線検出装置を用いた放射線撮像システム(X線診断システムへの応用例を示したものである。
【0057】
図8に示す放射線撮像システムにおいて、X線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、光電変換素子の上部に蛍光体層を実装した放射線検出装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して放射線検出装置6040の蛍光体層は発光し、これを放射線検出装置6040の光電変換素子にて光電変換して、電気的情報を得る。この情報はディジタルに変換されイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室のディスプレイ6080で観察できる。
【0058】
また、この情報は電話回線6090等の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなどディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。またフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
【0059】
以上本発明の実施形態及び応用例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する。
[実施態様1] 複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと、該センサーパネル上に形成され、入射される放射線を波長の長い電磁波に変換する波長変換体と、該波長変換体上に形成され、該波長変換体により変換された電磁波を前記光電変換素子に反射する反射層と、該反射層上に形成される電磁シールド層とを有する放射線検出装置において、前記反射層と前記電磁シールド層との間に電位差を与える電位源を備え、該電位差により前記反射層及び前記電磁シールド層の腐食を抑制することを特徴とする放射線検出装置。
[実施態様2] 前記反射層は、該反射層に使用する材料の不働態領域もしくは不活態領域の電位に固定されることを特徴とする実施態様1に記載の放射線検出装置。
[実施態様3] 前記電磁シールド層は、該電磁シールド層に使用する材料の不働態領域もしくは不活態領域の電位に固定されることを特徴とする実施態様1に記載の放射線検出装置。
[実施態様4] 前記電位差を発生させる電位源は、前記光電変換素子の配線に接続された電気実装部品に直接組み込まれて接続されることを特徴とする実施態様1に記載の放射線検出装置。
[実施態様5] 前記電位差を発生させる電位源は、前記反射層と前記電磁シールド層の間に直接挟み込んで接続されることを特徴とする実施態様1に記載の放射線検出装置。
[実施態様6] 実施態様1〜5のいずれかに記載の放射線検出装置と、前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段と、前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理手段と、前記放射線を発生させるための放射線源とを備えたことを特徴とする放射線撮像システム。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、保護層等にピンホールがあっても反射層及び電磁シールド層が腐食しない構成を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放射線検出装置の第1実施形態の断面図である。
【図2】CuのEh−pHパラダイムを示すグラフである。
【図3】本発明による放射線検出装置の第2実施形態の断面図である。
【図4】本発明による放射線検出装置の第3実施形態の断面図である。
【図5】本発明による放射線検出装置の第3実施形態の平面図である。
【図6】本発明による放射線検出装置の第4実施形態の断面図である。
【図7】本発明による放射線検出装置の第5実施形態の断面図である。
【図8】本発明による放射線検出装置を適用したX線撮像システムの全体構成を示す図である。
【図9】従来例の放射線検出装置の断面図である。
【符号の説明】
100 センサーパネル
101 ガラス基板
102 光電変換素子
103 配線
104 ボンディングパッド
105 保護層
106 蛍光体層
107 保護層(パリレン)
108 反射層
109 保護層(パリレン)
110 粘着層
111 電磁シールド層
112 保護層(PET)
113 専用配線
114 専用配線
115 封止樹脂(被膜樹脂)
116 保護層
117 保護層
118 ベースプレート(電磁シールド層)
119 耐湿保護層
120 接着層
121 ACF
122 TAB
123 PCB
200 蛍光板
201 導電性樹脂
202 端子
203 保護層(PET)
204 電源
210 導電性樹脂
211 導電性樹脂
212 導電性樹脂
213 端子
214 保護層
220 電池(電源)
300 開口部
301 電磁シールド層境界
302 反射層境界
401 開口部
402 開口部

Claims (1)

  1. 複数の光電変換素子を有するセンサーパネルと、
    該センサーパネル上に形成され、入射される放射線を波長の長い電磁波に変換する波長変換体と、
    該波長変換体上に形成され、該波長変換体により変換された電磁波を前記光電変換素子に反射する反射層と、
    該反射層上に形成される電磁シールド層とを有する放射線検出装置において、
    前記反射層と前記電磁シールド層との間に電位差を与える電位源を備え、該電位差により前記反射層及び前記電磁シールド層の腐食を抑制することを特徴とする放射線検出装置。
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