JP2004324378A - ログハウス型構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】精密で安価なログハウス型構造物を提供する。
【解決手段】木質合成材11と、これと直交する同様な形状の木質合成材11を、夫々の木質合成材11両端に備えられた嵌合孔23同士をジョイント部材17を介して直交状態で交差して交互に段重ねし、木質合成材11を段重ねした際の隙間には、透光板材12を木質合成材11の溝部21及び交差溝部22とに嵌合して壁体を構成し、この壁体で四方を囲み、その上部には屋根部13を設置し、下部にはログハウス基部16を平行に配置し、ログハウス基部16に木質合成材11を並べることで床部を構成し、上記の床部に壁体を重ね、壁体に屋根部13を重ねることで家を構成している。
【選択図】図1
【解決手段】木質合成材11と、これと直交する同様な形状の木質合成材11を、夫々の木質合成材11両端に備えられた嵌合孔23同士をジョイント部材17を介して直交状態で交差して交互に段重ねし、木質合成材11を段重ねした際の隙間には、透光板材12を木質合成材11の溝部21及び交差溝部22とに嵌合して壁体を構成し、この壁体で四方を囲み、その上部には屋根部13を設置し、下部にはログハウス基部16を平行に配置し、ログハウス基部16に木質合成材11を並べることで床部を構成し、上記の床部に壁体を重ね、壁体に屋根部13を重ねることで家を構成している。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はログハウス型構造物と、リブで仕切られた中空部に発泡体等を充填して成る木質合成材で構成されたログハウス型構造物に関わる。
【0002】
【従来技術】
【特許文献1】特許2538420
【特許文献2】特開平11−62054
従来、ログハウス型構造物の工法は板状に加工した木材或いは丸太を平行に載置することで壁体を構成し、また板状に加工した木材或いは丸太の両端に交差嵌合部を交差、嵌合することでログハウス型構造物の四方を囲み家を構成する。
【特許文献3】特開平6−17496
【特許文献4】特公平7−103616
【特許文献5】特許2688449
【特許文献6】特開2000−204648
【特許文献7】特許2688449
ログ材を載置する時は、ログ材の上面、上部に突条部を設け、突条部と対向するログ材の下面、下部に溝部を設け、突条部と溝部とを凹凸嵌合することで壁体を構成している。
【特許文献8】特開平8−49321
【特許文献9】特開平6−108554
【特許文献10】特開平3−208937
【特許文献11】特開平9−209478
またログ材両端を切欠き、ログ材同士を交互に直交させ、切欠部分を嵌合させることで壁体を構成する。壁体を構成する際にボルトとナットを用いてログ材同士を固定していることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ログハウス型構造物構成部材として適した丸太をログハウス型構造物1棟分調達するのは容易ではなく、また木材を一本ずつログハウス型構造物として加工するのは大変時間がかかり、結果としてコスト高を招くことにも成る。
更にこれら天然木によって建築されたログハウス型構造物は木材の乾燥による伸縮で寸法にくるいが生じ、それが原因でログハウス型構造物の気密性を損ね、ひどい時には接続金具の破損もありうる。
更に、木質合成材を廃木材、廃プラスチック等のリサイクル原料で製造する場合、コストが高くなり、リサイクルが促進できなくなるおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
前述の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びる溝部と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、該木質合成材の前記溝部に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を嵌合させて前記木質合成材と透光板材とを積み重ねて壁体を構成し、前記本体部の端部にある前記溝部と連通するように嵌合孔を設け、前記嵌合孔及び溝部にジョイント部材を嵌合させ、該ジョイント部材を介して前記木質合成材を連結することを特徴とするログハウス型構造物とする。
木質合成材の溝部を利用し木質合成材と透光板材とを例えば交差するなど適宜組み合わせることで積み上げ、木質合成材同士を直交交差して、夫々の嵌合孔同士をジョイント部材にて凹凸嵌合するだけでログハウス型構造物を建築できる為、簡易な構造でコストを抑え軽量化を実現できる。また、ログハウス型構造物として用いられる木質合成材は、押出し機によって溝部を一体的に成形できるので、調達が容易で寸法の狂いも無く、また乾燥による伸縮も極めて少ない。木質合成材の溝部と透光板材とを凹凸嵌合することで、外部からの光をログハウス型構造物内部に取り込むことが可能である。木質合成材及び透光板材との着色によって、様々な色の組み合わせが可能となる。ログハウス型構造物を家庭で組み立てることで日曜大工の楽しみを提供することができる。子供でも容易に組み立てることができる。
このログハウス型構造物は、ログハウス、コンテナ、車庫、倉庫、自転車置き場等を含むものである。
透光板材とはアクリル樹脂、ガラスなどの透明又は半透明の板材である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記木質合成材の溝部と交差する交差溝部を形成し、前記溝部と交差溝部とが交差する部分に前記嵌合孔を形成し、前記溝部に前記透光板材の上下端部を嵌め込むとともに、前記交差溝部に前記透光板材の左右端部を嵌め込むことを特徴とする。
これにより透光板材の上下端部のみならず左右端部も木質合成材に嵌め込まれるので、固定が確実になる効果がある。
【0006】
請求項3に記載のログハウス型構造物は、柱芯材を前記ジョイント部材及び前記嵌合孔に貫通させることを特徴とする。これによりログハウス型構造物の強度を高めることができる。
【0007】
請求項4記載のログハウス型構造物の前記ジョイント部材は、前記嵌合孔に嵌合可能な形状の筒体であって、該筒体の側面に前記溝部及び交差溝部に嵌合する複数の突起を有することを特徴とする。
このときジョイント部材は、例えば金属製の本体部を成し、側部には嵌合孔から延びる溝部及び交差溝部に凹凸嵌合する突起が設けられ、木質合成材の本体部端部に設けられた嵌合孔に凹凸嵌合され、木質合成材同士の位置決めを行い、木質合成材同士のずれ、回転を抑制することができる。このとき、嵌合可能な形状とは、木質合成材のジョイント嵌合部に嵌合可能であるならばよく(例えば丸型)、ジョイント嵌合部に嵌合することで木質合成材同士の位置決め、固定を妨げない形状であれば良い。
【0008】
請求項5記載の発明のログハウス型構造物は、中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びる溝部と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、該木質合成材の前記溝部に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を嵌合させて前記木質合成材と透光板材とを積み重ね、前記本体部の端部の上下に上交差嵌合部と下交差嵌合部とを対で備え、木質合成材の上交差嵌合部と上部に配置される他の木質合成材の下交差嵌合部とを嵌合させるとともに、木質合成材の下交差嵌合部と下部に配置される他の木質合成材の上交差嵌合部とを嵌合させることにより壁体を構成することを特徴とするログハウス型構造物とする。
これにより請求項1と同様の効果を有するが、木質合成材同士、又は木質合成材と透光板材とが嵌め込み構造であるので、組み立て作業が一層容易である。
【0009】
請求項6記載の発明のログハウス型構造物は、前記本体部にリブと、該リブによって仕切られる中空部とを有し、前記交差嵌合部の切欠の深さが、該木質合成材の前記リブまでとすることを特徴とする。
交差嵌合部のリブ同士が嵌め合うことが好ましい。
中空木質合成材内部はリブで仕切られた中空状であり、この中空部にウレタン発泡体等を充填することで中空木質合成材の強度を向上させ、ログハウス型構造物としての利用に耐え得る木質合成材へ加工できる。
ここで、中空木質合成材内部に成形されるリブの数は、少なくとも1つ以上であることが好ましい。
中空木質合成材に充填される発泡体はウレタン発泡体であることが好ましいが、他の発泡体を充填する構成としても良い。
前記交差嵌合部の切欠の深さが、該木質合成材の前記リブまでとするので、リブが露出する場合が好ましいが、リブの上に発泡材又は発泡体が残る場合も含まれることもある。
【0010】
請求項7記載の発明のログハウス型構造物は、中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びるとともに上下方向に貫通する貫通孔と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、複数の当該木質合成材の前記貫通孔に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を貫通させ、前記本体部の端部の上下に上交差嵌合部と下交差嵌合部とを対で備え、木質合成材の上交差嵌合部と上部に配置される他の木質合成材の下交差嵌合部とを嵌合させるとともに、木質合成材の下交差嵌合部と下部に配置される他の木質合成材の上交差嵌合部とを嵌合させることにより壁体を構成することを特徴とする。
これにより、請求項1と同様の効果を奏する上、透光板材を木質合成材に貫通させるだけでよいので、一層の組み立て容易性とコスト削減の実現が可能である。
【0011】
請求項8記載の発明の前記透光板材は、プラスチック製であって多数の中空部を有することを特徴とする。
これにより透光板材の強度を高めるとともに軽量化をより推し進めることができる。
プラスチック製の中空の透光板材の成形は押し出し成形でも射出成形でもよい。主に、ポリプロピレン、ポリカーボネートを主原料とした一体押出中空構造パネルが好ましい。
【0012】
請求項9に記載のログハウス型構造物は、前記押出し成形時の金型を変更することで、任意の形状の木質合成材を成形できることを特徴とする。
中空木質合成材は押出し機から押出し成形されるため、押出し機の金型を変更することで金型の形状に沿った中空木質合成材を押出し成形することができ、この中空木質合成材に発泡体を充填するなど、任意の形の木質合成材を成形することができる。例えば、丸太状の金型から、ログハウス型構造物としてふさわしい外観の中空木質合成材及び木質合成材を成形することができる。
また、例えば、木質合成材の外壁面側を丸太状に、内壁面側を板状にすることで、ログハウス型構造物の外観を持ちつつ、内部は普通の家屋と変わらない構成とすることも可能である。
更に、ログハウス型構造物の壁面の構成に必要な突条部や溝部等も一体的に成形できるため、特別な加工を必要とせず、コストを抑え、短時間でログハウス型構造物を製造することができる。
【0013】
請求項10記載のログハウス型構造物は、前記本体部の内部がリブによって複数の中空部に分割され、前記中空部の夫々に特定の発泡体のほかに異なる種類の発泡充填材を充填又は挿入することによって、前記木質合成材の建材としての特性を変更できることを特徴とする。
通常、中空木質合成材に充填される発泡体はウレタン発泡材であることが多いが、これを発泡コンクリートに代えることにより気密性、断熱性が向上することになる。
また中空木質合成材内部のリブで仕切られた中空部でも、外壁に面している中空部には発泡コンクリートを注入し、内壁に面している部分にはウレタン発泡材を注入することで、重量の増加を抑えつつ、屋外に対しての断熱性を向上させることができる。
全長4〜5mを越える、長い中空木質合成材に発泡材を充填させるのが困難な場合、或いは、中空部の径又は幅が小さい場合等、例えば発泡スチロールの板を適宜切り出して挿し入れるだけで、発泡材を充填するのと同等の効果が得られ、また中空部にムラ無く発泡体を充填できる。
また、中空部に天然木を差し込むことで木質合成材自体を補強し、従来の構造体として使用できることとなる。
【0014】
請求項11記載のログハウス型構造物は、前記中空部の内部に発泡充填材を充填するか若しくは発泡体を挿入し、又は、前記本体部の壁に複数の孔を形成する二重中空構造とすることを特徴とする。
【0015】
請求項12記載のログハウス型構造物は、前記本体部の上面又は下面に長手方向に形成される突条部と、前記突条部とは反対側にある前記本体部の上面又は下面に長手方向に形成される溝部と、を備え、前記木質合成材は短尺の木質合成材と長尺の木質合成材とがあり、前記短尺の木質合成材の前記突条部が前記長尺の木質合成材の前記溝部と嵌合し、前記長尺の木質合成材の前記突条部が前記短尺の木質合成材の前記溝部と嵌合する構造であることを特徴とする。
木質合成材が有する突条部と溝部を凹凸嵌合させ、木質合成材同士の交差嵌合部を直交させ凹凸嵌合するだけでログハウス型構造物を建築できる為、簡易でコストを抑えることができる。また、ログハウス型構造物として用いられる木質合成材は、押出し機によって突条部や溝部を一体的に成形できるので、調達が容易で寸法の狂いも無く、また乾燥による伸縮も極めて少ない。
【0016】
請求項13記載のログハウス型構造物は、C型またはU型チャネルで前記木質合成材を上下に保持することで間仕切り材として構成された壁体を備えることを特徴とする。
これにより施工容易性と木質合成材の有効活用が可能である。
【0017】
なお、透光板材の木質合成材に対する構造は適宜変更できる。例えば、透光板材を木質合成材に嵌め込んで固定する場合、木質合成材に溝部を複数設けて窓ガラスのように引き違いに配置し透光板材を移動できる構造、ガラリのように開閉可能な構造等、適宜の場合が実施可能である。
【0018】
上記目的に好適な中空木質合成材製造方法は、押出し生地をスクリューで成形ダイの溶融部に押出して、該押出し生地の外表面を前記成形ダイの内壁面と接触させるとともに該押出し生地の内表面を、前記溶融部に設けた基部から押出し方向に平行に突出し、徐冷部に延長する中子体を被覆するフッ素樹脂分散液を含浸させたアラミド繊維布であるフッ素樹脂シートの外面に接触させながら押出しの摩擦抵抗を低減させ、前記押出し生地を所定の肉厚に成形すると共に中空部を形成し、該押出し生地を徐冷部において該押出し生地の外側及び中空部内側より徐冷し、該押出し生地をログハウス型構造物構成材の大きさの中空木質合成材に押し出すことを特徴とする。
【0019】
ここで言う中空木質合成材は、木粉と熱可塑性樹脂等の混合体により成形されたものが好ましい。特に好ましくは、汎用プラスチック(ポリオレフィン、ポリスチレン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニール等)、エンジニアリングプラスチック(ポリアミド、ポリカーボネート、飽和ポリエステル、ポリアセタール等)等である。例えば、ポリエチレン(以下PEと記す)、ポリプロピレン(以下PPと記す)又はナイロン等の熱可塑性エラストマーより成ることが好ましい。木粉の種類は問わない。強化剤(無水マレイン酸変性ポリプロピレン(例:三洋化成工業(株)ユーメックス1010)等)を数%程度以下(例えば0.5%)で混合することがある。中空木質合成体は板状であっても良いし、柱状(脚)であっても良い。また、中空木質合成部材としてはブロック状、輪状等が挙げられる。中空木質合成材の比重は1〜1.5が好ましく、特に1.1〜1.2の範囲が好適であり、曲げ弾性率は1000〜5000Mpaが好ましく、特に3000〜4000Mpaの範囲が好適である。
【0020】
好適な中空木質合成材製造方法は、押出し生地をスクリュで成形ダイの溶融部に押出して、該押出し生地の外表面を前記成形ダイの内壁面と接触させるとともに該押出し生地の内表面を、前記溶融部に設けた基部から押出し方向に平行に突出し、前記押出し生地の外表面を前記成形ダイ内壁面に形成されたフッ素樹脂分散液を含浸させたアラミド繊維布であるフッ素樹脂シートに接触させながら押出しの摩擦抵抗を低減させ、前記押出し生地を所定の肉厚に成形すると共に中空部を形成し、該押出し生地を徐冷部において該押出し生地の外側及び中空部内側より徐冷し、該押出し生地をログハウス構造物用の所定形状の中空木質合成材に押し出すことを特徴とする。
上記の組み合わせでも成立する。この場合、成形性は一層良好となる。
【0021】
好適な中空木質合成材製造装置は、原料を加熱、練成し、スクリュをもって押出す押出機に、前記押出機から押し出された押出し生地を加熱する溶融部及びこの溶融部から押し出された押出し生地を冷却する徐冷部から成る成形室と、前記溶融部から押出し生地の押出方向に突出して少なくとも前記徐冷部に延長する中子体とを備えた成形ダイを連結した中空木質合成材製造装置であって、前記中子体は、複数の棒状部材、及び前記各棒状部材にそれぞれ一体的に形成された基部から成り、前記各棒状部材は、中空木質合成材内に形成される各中空部の断面形状と略同様の断面形状を有し、押出し生地の押出方向を長さ方向として相互に平行に配置されると共に、前記成形ダイの溶融部内において前記成形ダイに固着され、前記各棒状部材の少なくとも前記押出し生地の押出方向上流側端部が、フッ素樹脂シートの収容体により被覆され、前記収容体を成すフッ素樹脂シートが、フッ素樹脂分散液を含浸させ、乾燥、焼成したアラミド繊維の織布であるように前記成形ダイの形状及び大きさが設定されたことを特徴とする。
【0022】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記フッ素樹脂シートの収容体が袋状体から成り、前記中子体の前記各棒状部材を該フッ素樹脂シートから成る袋状体内に個々に密着状態で挿入し、前記各棒状部材を前記フッ素樹脂シートの収容体により被覆したものである。
【0023】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記収容体が筒状体から成り、該筒状体は、一辺に対し直交方向を成す切り込みが前記棒状部材間に形成させる間隙の位置に対応して設けられた二枚の前記フッ素樹脂シートを重ね合わせ、前記切り込みに対し平行な二辺と、前記切り込みを挟んだ両側において接合することにより、一端開口を前記棒状部材の形成本数に対応して複数股に分岐形成し、このフッ素樹脂シートの筒状体内に前記中子体の前記棒状部材の少なくとも基部寄りの端部を密着状態で挿入することにより、前記中子体の少なくとも一部を前記フッ素樹脂シートの収容体で被覆したものである。
【0024】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記袋状体及び前記筒状体を接合して一体に形成して成る収容体から成るものである。
【0025】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記押出成形装置における前記成形ダイの内壁面に、フッ素樹脂シートが貼設されているものである。
【0026】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記中子体を成す前記各棒状部材が、前記基部を介して前記成形ダイの上下内壁に前記基部を介して固着されているものである。
【0027】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記中子体は、前記各棒状部材に連続し、前記溶融部において前記棒状部材の端部を結合する結合部から成り、少なくとも前記中子体の前記結合部が、前記フッ素樹脂シートの収容体により被覆されているものである。
【0028】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記収容体が袋状体から成り、前記中子体の前記結合部を前記フッ素樹脂シートから成る前記袋状体内に密着状態で挿入することにより、前記中子体の少なくとも一部を前記フッ素樹脂シートの収容体で被覆したものである。
【0029】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記溶融部の領域にある成形ダイを上下から断熱板及び補強板で挟んで固定したものである。
【0030】
好適な中空木質合成材は、前記中空木質合成材製造方法、又は前記中空木質合成材製造装置により製造されたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明のログハウス型構造物の実施形態及びログハウス型構造物を構成する木質合成材について図1〜図6を参照して説明する。
図1は本実施形態におけるログハウス型構造物10の分解斜視図で、板状の木質合成材11と、これと直交する同様な形状の木質合成材11を、直交状態で交差して交互に段重ねしてある。木質合成材11を段重ねする際に形成される隙間には、木質合成材11よりも薄肉の透光板材12を立設状態で介装させ、四方を囲む壁体を構成している。この壁体の上部には開閉式ドーム又はテントで構成された屋根部13を設置している。ログハウス型構造物10正面には、壁体と同じく木質合成材で一体的に成形された開閉又はスライド可能な扉部14を備えている。扉部14の左右には短尺の木質合成材15が配置されている。下部には内部に液体(例えば水など)を充填した樹脂タンクとして機能する木質合成材、プラスチック、金属等でできるログハウス基部16を平行に配置し、ログハウス基部16に直交状態に交差するように木質合成材11を並べて固定することで床部を構成し、上記の床部に壁体を重ね、壁体に屋根部13を重ねることで構造物を構成している。透光板材12により採光性やコスト削減効果を高めている。木質合成材11がリサイクル原料からなるものであるときには、木質合成材はコストが高くなるが、透光板材12がプラスチック製であって安価に製造できるので、全体の価格を削減できる。
ジョイント部材17は、木質合成材11の両端部に備えられた溝部21及び交差溝部22と嵌合孔23とに嵌合している。床部を構成する木質合成材11は、壁体と接する両端部分の2本においては嵌合孔23を上方に向け、中間にある残りの木質合成材11は横に倒して嵌合孔23を側面に向けて連設されている。また、屋根部13は開閉可能なテントであるため、ログハウス型構造物にて天体観測をする場合等に適している。屋根部13は木質合成材で構成してもよい。
【0032】
図2(a)(b)はログハウスの壁体を構成する木質合成材11を示し、この木質合成材11は長尺の断面四角形の中空構造である。木質合成材11の本体部の上下面の概ね中央位置には長手方向に延び出す凹状の溝部21と、溝部21の端部に形成され溝部21と直交して交差する交差溝部22と、溝部21と交差溝部22との交差部に形成され木質合成材11の両端部にそれぞれ形成される嵌合孔23とを備えている。溝部21及び交差溝部22の巾a〜a’は、透光板材12の横幅と実質的に等しいが嵌合のため若干広幅になっている。交差溝部22は木質合成材11両端から、木質合成材11の長さの所定比率に設定される(ここでは1/20)b〜b’の位置に夫々設けられている。また、木質合成材11の溝部21が、立設される透光板材12の上下端部と嵌合し、交差溝部22が透光板材12の左右端部と嵌合することにより透光板材12を挟み込んで固定している。図2(b)に示すように、長手方向に平行な点線は溝部21の深さを示し、長手方向に直交する点線は嵌合孔23の径を示している。図2(a)(b)に示すように交差溝部22は木質合成材11の全周に形成してあるが、全周の一部に形成されてもよい。木質合成材11はその中空部26内にウレタン発泡材25を充填し、強度や断熱性、防音効果を向上させている(図3(a)参照)。ウレタン発泡材25は熱可塑性でも熱硬化性でも構わないが、環境保全やリサイクルの観点からフロンによる発泡よりも水性発泡が好ましい。
【0033】
図1の円内に示す通り、ジョイント部材17は、嵌合孔23に嵌合する大きさに形成され中央に貫通穴31を有する円筒部をなしており、この円筒部の外周には、溝部21及び交差溝部22(図2参照)の夫々に嵌合する複数(ここでは4個)の突起32を備えている。突起32の鉛直方向の長さは、溝部21及び交差溝部22の深さより長く設けられ、溝部21及び交差溝部22の深さの2倍よりも短く設けられていることが好ましい。木質合成材11の嵌合孔23に嵌合されたジョイント部材17は段重ねした他の木質合成材11の嵌合孔23とも嵌合することで、木質合成材11同士の位置決め及び固定を行うことができる。このとき、4個の突起32は夫々溝部21及び交差溝部22に嵌合するよう直交して設けられているので、木質合成材11を直交状態で交差した場合にも位置決め及び固定を行い、木質合成材11同士のずれや回転を抑制する効果を発揮する。複数本(ここでは4本)の柱芯材35が嵌合孔23に嵌合するジョイント部材17に貫挿され、木質合成材11及びジョイント部材17の連結を強固にする構造としても良い。また、図1に示す通り、床部を構成する木質合成材11に嵌め込まれたジョイント部材17を床芯材37が貫通し固定することが好ましい。柱芯材35を分割して、相互にねじ等で結合するように構成してもよい。
【0034】
図3(a)(b)はログハウス型構造物10の壁体の構成を示し、木質合成材11a、木質合成材11c、木質合成材11e…は同様の形状であり、図3(b)に示すように、端部の対向する嵌合孔23同士を合致させ、これをジョイント部材17で連結しながら、直交方向に交差して段違いに重ねる構造である。図3(a)に示すように段重ねする平行な木質合成材11a,11c,11eの間隙には透光板材12b,12dを嵌合してある。木質合成材11aは、前述した通り、上下面に長手方向に延び出すように形成される単数又は複数の溝部21、両端部に溝部21と直交方向に交差する交差溝部22a、溝部21と交差溝部22との交叉部を中心に円状に設けられた嵌合孔23aとを形成してある。木質合成材11cも同様である。それらの溝部21b、交差溝部22b、及び嵌合孔23bは、夫々同じ方向に上下に配置される他の木質合成材の溝部21と交差溝部22によって透光板材12を嵌合させ固定し、木質合成材11と透光板材12とを縦方向に交互に積み上げることにより、ログハウス型の壁体を構成している。図3(a)に示すように木質合成材11a,11c,11eは、それぞれの上下面でその上下にある透光板材12b,12dの下上面とそれぞれ嵌合状態である。対向する嵌合孔23(図示略)に嵌合したジョイント部材17は、その突起32を溝部21、交差溝部22に嵌合すること、直交方向に交差する木質合成材11同士を位置決めし固定をしている。透光板材12は透明、又は半透明が好ましい。透光板材12を着色することで、装飾の自由度が高まる。透光板材12として用いられる材質はアクリル樹脂に限定されず、透光性の材質であるならばガラス等を用いる構成としても良い。透光板材12の面積は用途に応じて適宜決定できる。透光板材12を開閉可能なガラリとする構成としても良い。また、透光板材12は中実部材、中空部材のいずれでもよいが、中空部材とすればコスト削減に絶大な効果がある。例えば、強度面、コスト面からは中空押し出し成形された中空プラスチック板材、中空射出成形された中空プラスチック板材、プラスチック・ダンボール構造等が好ましい。これについては後述する他の実施形態で説明する。
【0035】
ログハウス型構造物10の組み立て方法を説明する。ログハウス基部16を配置し、ログハウス基部16に直交させて木質合成材11を配置する。両端の木質合成材11だけは嵌合孔23を上方に向け、その他は横方向に向け、横方向に床芯材37を嵌合孔23に貫通させナットで固定する。木質合成材11の嵌合孔23に柱芯材35を貫通させて、端部をナットで固定し起立させる。ジョイント部材17を嵌合孔23に嵌め込み、柱芯材35に木質合成材11及びジョイント部材17に貫通させながら、木質合成材11と透光板材12とを交互に嵌め込んで壁を組んでゆく。壁が天井部位まで達したら、柱芯材35の上端をナットで固定する。こうしてできた壁の上端に屋根部13を取り付ける。なお、木質合成材11、透光板材12及びジョイント部材17を組んでおき、後から柱芯材35を木質合成材11及びジョイント部材17に貫通させてもよい。
【0036】
図1〜図3に示すログハウス型構造物10は、木質合成材11と透光板材12とを組み合わせて、段重ねしているだけなので、ドライバー、ハンマー等の工具が必要なく、建築が容易であり、また木質合成材11は軽量である(本例では約8kg)ため、大人でも子供でも建築することが可能である。また木質合成材11に透光板材12を凹凸嵌合して壁体を構成するため、透光板材12から凸状に突出した木質合成材11を足がかりとして用いることが可能であり、脚立等を要することなくログハウス型構造物10を建築することが可能となる、木質合成材11、透光板材12、ジョイント部材17のみでログハウス型構造物10を構成しているため、部品を買い足すことで箱形状に限らず、L字形状、十字形状等のログハウス型構造物10を自在に建築することが可能であり、拡張性に富む等の効果を発揮する。
ログハウス型構造物10は上記のような構成であるため、家族全員が楽しみながら簡易に短時間に(大人一人で約3時間)建築することが可能であり、また拡張性に富むためログハウスに限らず、コンテナ、車庫、倉庫等、様々な用途に使用することが可能である。加えてログハウス型構造物10は地面に置いているだけなので、移動、撤去を容易に行うことが可能である。
【0037】
図4に示すのは実施形態1の変更例のログハウス型構造物50であり、実施形態1の番号に40番を加えた番号として説明を援用し、異なる要素についてのみ説明する。
本実施形態においては、実施形態1の屋根部材13に変えて、木質合成材51を壁体の両端部から、夫々壁体の一辺の長さの所定比率(例えば1/3)まで敷き詰め、中央の残りの部分に屋根開閉材58を備える屋根材57を設けている。その他の構造については実施形態1のログハウス型構造物10と同様であるので、詳しい説明は略す。
ログハウス型構造物50は実施形態1のログハウス型構造物10と同様の効果を有する。
【0038】
図5(a)〜(e)は木質合成材11の変更形態である木質合成材11J〜11Nを示す短手方向に切断した断面図である。説明は図1の木質合成材11と共通する部分については説明を援用する。図5(a)の木質合成材11Jは、実施形態1の木質合成材11と概ね同様の形状で押出し成型をしているが、角柱の形状で内部中央に対向する内壁を連結するリブ24Jを設けて方形の複数の中空部26Jに分割しており、上下端の内壁に突出部27Jを形成してある。この変更形態の木質合成材11Jを用いることによって、実施形態1の木質合成材11より高い強度を持つ木質合成材を提供することが可能となる。図5(b)(c)の木質合成材11K,11Lは、形状違いのものである。
【0039】
図5(d)(e)の木質合成材11M,11Nは、壁の各辺に所定個数の(図5(d)では横辺2個、縦辺3個ずつ、計10個、図5(e)では、横辺1個、縦辺2個ずつ、計6個)の空洞部28M,28Nを所定間隔又は適宜間隔で備えて押出し成型し、その後に上辺と下辺にそれぞれ貫通孔21M,21Nを設ける加工を行っている。貫通孔21M,21Nは空洞部28M,28Nを囲む2つの壁のうちの外側の壁に設けられている。貫通孔21M,21Nに透光板材12が嵌め込まれる。これにより、リブ及び/又は発泡材をなくしても強度が低下しない効果、製造工程を簡素化できる効果がある。壁面の中空率は15〜40%が好ましく、特に20〜30%の範囲が好適である。材全体の中空率は50〜70%が好ましく、特に55〜65%の範囲が好適である。
【0040】
図6はログハウス型構造物10の変形例である。各図(a)〜(d)において上段は平面図、下段は正面図を示す。図6(a)はロング型のログハウス型構造物10A、図6(b)は平面視でL字型のログハウス型構造物10B、図6(c)は滑り台19C付のログハウス型構造物10C、図6(d)は平面視で十字型のログハウス型構造物10Dを示すものである。
【0041】
図7は実施形態2のログハウス型構造物110の外観斜視図で、木質合成材111と、これと直交する同様な形状の木質合成材111とを直交状態で交差して交互に段違いに重ね、隙間に透光板材112を嵌め込むことで壁体を構成し、この壁体で四方を囲み、その上部に壁体と同じく木質合成材で一体的に成形された屋根部113を設置することで家を構成している。
ログハウス型構造物110の天井には屋根部113を、正面には壁体と同じく木質合成材で一体的に成形された扉部114を、ログハウス型構造物110側面には窓部118をそれぞれ備えている。
【0042】
図8はログハウス型構造物110の壁体の構成を示し、同様の構造の木質合成材111を直交して交差して嵌合しログハウス型構造をなすものである。木質合成材111は垂直方向に対して整列させてその上端部と下端部に上側交差嵌合部121と下側交差嵌合部122をそれぞれ形成している。上側交差嵌合部121を他の木質合成材111の下側交差嵌合部122とを互いに嵌め合わせるとともに、下側交差嵌合部122を他の木質合成材111の上側交差嵌合部121とを互いに嵌め合わせ可能な構造である。
【0043】
図9で示すものは、上側交差嵌合部121と下側交差嵌合部122を形成する前の段階の木質合成材である。リブ124は左右方向に延在し内壁と連結している。木質合成材111は、短手方向の縦断面において複数列(本例では3列)の格子状の断面を有する枠体を備え、格子の発泡体の充填部分は長手方向に延び出しており、それぞれ互いにリブ124で分離されている。
【0044】
図10は木質合成材111を短手方向に切断した断面斜視図を示し、上側交差嵌合部121及び下側交差嵌合部122は、木質合成材111の長手方向と直交する短手方向に所定数の格子(ここでは1つの格子分)を上下に切り欠いて2個のリブ124を残した状態で所定形状の角形の溝126及び127を形成したものであり、発泡材が外部に露呈する短手方向にある一対の断面128と、木質合成材が露呈する長手方向に延び出す水平面129が形成されている。木質合成材111は、下面に長手方向に延び出す単数又は複数の溝部131と、上面中央部に長手方向に備える突条部132とを形成してある。それらの溝部131と突条部132とは、それぞれ、同じ方向に上下に配置される他の木質合成材の溝部と突条部とにそれぞれ嵌合し、木質合成材が縦方向に積み上げられることにより、ログハウス型の壁体を構成している。木質合成材111は、それぞれの上下面で上下にある木質合成材119の下上面と嵌合状態である。本体部の上面に突条部132、下面に溝部131を夫々備え、木質合成材111の内部はリブ124によって幾つかの(図では3つ)中空部に分割されており、その中空部内にウレタン発泡材125を充填することで、木質合成材111の強度や断熱性を向上させている。ウレタン発泡材125は熱可塑性でも熱硬化性でも構わないが、環境保全やリサイクルの観点からフロンによる発泡よりも水性発泡が好ましい。木質合成材111の本体部端部付近の上下には凹状の交差嵌合部121及び122を備えており、ここで、交差嵌合部121の巾a〜a’は、木質合成材111の横幅c〜c’と実質的に等しいが、横幅c〜c’は巾a〜a’より若干狭くされる。また、交差嵌合部121及び122の切り込みの深さa〜b、a’〜b’は、上面又は下面から、木質合成材111内部のリブ124表面までの深さd〜d’に実質的に等しい。木質合成材111の交差嵌合部121,122が他の木質合成材の交差嵌合部と交差して交互に好適に嵌合させるためである。
【0045】
木質合成材111と他の木質合成材111との交差嵌合部の中心に夫々連通する貫通穴を設け、この貫通穴に鉄芯を通すことで木質合成材同士をより強固に結合する構成としても良い。
【0046】
木質合成材111の前端面は木質合成材からなる薄板状のカバー部材133(図8参照)が形成されているが、図7はカバー部材133を取り外した状態の前端面を示す。
【0047】
図8、図10に示す通り、長尺の木質合成材111の端部間に短尺の木質合成材119が配置されている。これは透光板材112を長尺の木質合成材111の間に配置させるようにするとともに構造の補強のためである。
【0048】
更に、図8〜図10に示す通り、木質合成材111の上面及び下面に形成される溝部131と突条部132の側部領域にそれらと平行(長手方向)に溝部135及び136が形成されている。この溝部135及び136のそれぞれに透光板材112の上下端部を垂直状態で嵌合させることができる。実施形態1の交差溝部22のように、木質合成材111の横側にも溝部を形成しても良い。
【0049】
実施形態2のログハウス型構造物110の組み立て方法を説明する。図示せぬ床部を配置し、この上に、木質合成材111と木質合成材119の上側交差嵌合部121と下側交差嵌合部122とを互い違いに嵌合させ、木質合成材111及び119と透光板材112とを交互に交差させて嵌め込みながら組み立ててゆく。このとき構造体の強度を高めるため交差部分に柱芯材を貫通させ固定することが好ましい。
【0050】
図11は実施形態の変形例のログハウス型構造物110´の断面図であり、番号は対応する実施形態2の部品番号に´を付してあるが、透光板材112´を複数の中空部112a´を有する中空構造とするものである。
なお、上述の実施形態2と変形例において、透光板材112,112’は溝135,135’に嵌め込んだが、これに代えて、透光板材112,112’を溝部131と突条部132に嵌め込み可能な嵌合部を備える構造としてもよい。具体的には透光板材112,112’の上端が凸部、下端が凹部を備えたものであり、凸部が溝部131に、凹部が突条部132に嵌合する構造である。
【0051】
図12は物置とするログハウス構造物160であり、前扉174を備えている例である。図13は車庫とするログハウス構造物180であり、シャッタ194を備えている例である。この実施例においては、木質合成材の長さが長いため、透光板のみでは支えきれず木質合成材が撓む可能性があるので、木質合成材の間に透光板と同じ高さで木質合成材と同じ厚みの木質合成材185を嵌め込んで補強している。
【0052】
図14及び図15は実施形態3のログハウス型構造物210の壁体構成を示し、実施形態2と同様の構造であるので、共通する要素は概ね200番台とし、異なる構造を説明する。木質合成材211と219とは長さは異なるが共通の構造を有し、直交して交差して嵌合するものである。木質合成材211及び219は上側交差嵌合部221と下側交差嵌合部222とを互いに嵌め合い可能な構造とするように垂直方向に対して整列させてその上端部と下端部にそれぞれ形成している。木質合成材211及び219は、その内部がリブ224によって複数の(図では12個)中空部に分割されており、その中空部内にウレタン発泡材225を充填し、強度や断熱性を向上させている。リブ224は木質合成材211及び219の中空部で上下左右に延在し内壁と接続されており、短手方向の縦断面において4行3列の格子状の断面を有する枠体となっており、格子の発泡体の充填部分は長手方向に延び出しており、それぞれ互いにリブ224で分離されている。上側交差嵌合部221は、木質合成材211及び219の長手方向と直交する短手方向に所定数の格子(ここでは1つの格子分)を切り欠いてリブ224を残した状態で所定形状の一対の角形の溝226を形成したものであり、中央部の左右に長手方向に延びる短手方向の縦断面が角形の梁部227を残し、発泡材が外部に露呈する短手方向の一対の断面228と、木質合成材が露呈する長手方向に延び出す水平面229と垂直面230とが形成されている。下側交差嵌合部122は、他の木質合成材の上側交差嵌合部と凹凸嵌合する構造であり、木質合成材211及び219の長手方向と直交する短手方向に所定形状の凸形状断面を形成したものである。木質合成材211及び219は、下面に長手方向に延び出す複数の溝部241と、上面中央部に長手方向に備える突条部242とを形成してある。突条部242と溝部241は、それぞれ、同じ方向に上下に配置される他の木質合成材の溝部と突条部とにそれぞれ嵌合し、木質合成材が縦方向に積み上げられることにより、ログハウス型の壁体を構成している。木質合成材211及び219は、それぞれの上下面で上下にある木質合成材219の下上面と嵌合状態である。中空部212aを有する透光板材212は実施形態2と同様に嵌め込まれるので詳細は実施形態2の説明を援用する。透光板材212の上下端部は木質合成材211の溝部235に嵌め込まれる(図15点線参照)。
【0053】
図15に示す通り、上側交差嵌合部221の巾a〜a’は、横幅c〜c’と実質的に等しく、また、上側交差嵌合部221の切り込みの深さa〜b,a’〜b’は、下側交差嵌合部222の溝部の上側凸溝部の高さd〜d’、下側凸溝部e〜e’と実質的に等しい。木質合成材211の交差嵌合部221と222とが交差して嵌合するためである。
【0054】
実施形態3のログハウス型構造物210の組立方法は、実施形態2のログハウス型構造物110と同様である。
【0055】
図16は実施形態4のログハウス型構造物250の壁体構成を示すが、このログハウス型構造物250は、実施形態2、3と概ね同様の構造であるので、共通する要素は実施形態3の番号に40番を加えた番号として説明を援用し、異なる構造を説明する。このログハウス型構造物250は前記実施形態の透光板材112、212を、1枚押出板構造とする中空部252aを有する透光板材252を備えている。各木質合成材251の縦方向に貫通孔275を形成し、透光板材252をこの貫通孔275に挿通させたものである。透光板材252は、プラスチック製の中空の透光板材の成形は押し出し成形でも射出成形でもよい。主に、ポリプロピレン、ポリカーボネートを主原料とした一体押出中空構造パネルが好ましく、例えば、宇部日東化成株式会社のダンプレートと指称される熱可塑性樹脂製中空プレート(特開平6−99516号参照)、ツインパネルPCと指称されるポリカーボネート製の熱可塑性樹脂製中空プレートが好ましい。
【0056】
実施形態4のログハウス型構造物250の組み立て方法は、第2、第3実施形態と同様であるが、を交差して嵌合させ組み立てた後に、透光板材252を貫通孔275に差し込むことになる。
【0057】
その他の木質合成材の例としては、図示は略すが、断面角形ではなく丸太型に押出し成形される例、ウレタン発泡材の全部又は一部を発泡コンクリートとする例、リブを縦方向に配置する例、中央中空部にウレタン発泡材を充填し、その上下にある中空部に発泡コンクリートを充填する例、中央中空部にウレタン発泡材を充填し、その左右中空部に発泡コンクリートを充填する例、中央中空部に発泡コンクリートを充填し、その左右中空部にウレタン発泡材を充填する例、中空部内の全部又は一部を空洞にする例、中空部内に天然木材を差し込む例(例えば、木質合成材内部は、端面に直交して伸びるリブによって仕切られた幾つかの(例では3つ)中空部を形成し、中央中空部に柱状に加工した天然木を挿し入れることで木質合成材を補強し、その左右中空部にウレタン発泡材を注入することで、より軽量化され、また従来の構造体としてもできる例)、発泡材を充填する代わりに板状発泡スチロールを中空部に挿入する例などが挙げられる。
【0058】
図17は中空木質合成材111に発泡材281を注入する工程を示したもので、リブ124で仕切られた中空部に発泡体注入チューブ286を挿入し、ウレタン発泡材281を注入しながら、中空部の出口方向へと後退することで、中空部内にウレタン発泡材281を充填する。
【0059】
図18は木質合成材151を用いた間仕切り板290について示したもので、Cチャネル291を天井292、床293に夫々貼設し、間仕切り板290を垂直に固定するものである。
【0060】
以下、中空木質合成材の製造について説明する。
尚、本実施形態にあっては、一例として、セルロース系破砕物と熱可塑性樹脂を加熱・混練して得られた混練物を、冷却・固化して所定の粒径に粉砕したもの(本明細書において「木質合成粉」という。)を原料として成る中空木質合成材の製造について説明する。
【0061】
〔木質合成粉〕
本実施形態で用いる木質合成粉の原料となるセルロース系破砕物たる木粉は、熱可塑性樹脂成形材とのなじみを良好にすると共に、成形押出し時における摩擦抵抗を減じ、成形機の損耗、毀損の防止を図るべく、その粒径を50〜300メッシュ、好ましくは60(篩下)〜150(篩上)メッシュの微細な粉末状とする。また、成形時における木酸ガスを揮散し、水蒸気あるいは気泡発生のおそれをなくし、表面の肌荒れを防止する意図 から、木粉の乾燥前においてその含有水分量を15重量%以下、好ましくは11重量%以下、理想的には0〜5重量%以下、特に好ましくは0〜0.3重量%以下とする。
【0062】
尚、かかる木粉の特性をさらに向上させるため、尿素系樹脂接着剤に木材チップ等の素材を浸漬あるいはこれに添加し、加熱硬化した後に破砕、微粉末化することが可能である。
【0063】
また、熱可塑性樹脂成形材としては、廃棄された各種の樹脂成形品をそのまま、もしくは表面樹脂塗膜を形成した樹脂成形品を複数の各小片に破砕し、これに圧縮研削作用等を付加して樹脂塗膜を研削、剥離することにより素材化した、PVC、PET、PP等の樹脂を用いることができる。
【0064】
使用目的に応じて、顔料を添加し、製品に着色することもできる。
【0065】
そして、木粉乾燥後、含有水分量3重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、平均粒径20メッシュ以下のセルロース系破砕物20〜75重量%、好ましくは40〜60重量%に対して熱可塑性樹脂成形材25〜85重量%、好ましくは60〜40重量%をともに攪拌衝撃翼により混合、ゲル化混練し、ゲル化した混練材料を冷却して、さらに粒径8mm以下に整粒して得た木質合成粉を用いることにより、木粉の摩擦抵抗を減じ得る良好な混練状態の生地が形成される。
【0066】
本実施形態において用いる木質合成粉は、一例として下記のように製造される。
【0067】
(1)乾燥工程
熱源(ボイラー熱、電気熱、ヒーター熱等)を使用することなく、回転の衝撃によるせん断発熱を利用して水分を木粉からたたき出す乾燥方法である。水分除去に必要な時間は約15分である。一例としてミキサーを用い、セルロース系破砕物である木粉を乾燥させる。ミキサーの攪拌衝撃翼を回転させ剪断発熱が生じることによってミキサー内の温度が上昇し、これによりミキサーに投入された木粉が乾燥される。本実施形態にあっては、投入された木粉の含有水分量が0重量%となるように乾燥する。木粉は50〜250μmが好ましい。水分は0〜0.3重量%に乾燥することが好ましい。方法はミキサーを回転させて水分を除く。
【0068】
また、顔料等として酸化チタン等を添加する場合には、この乾燥工程において前記木粉と共にミキサー内にこれを投入する。顔料の種類は、無機、有機を問わない。顔料の重量比率は、顔料の種類により異なる。例えば、木粉100重量%に対して10重量%前後の白酸化チタンを投入する。木粉のみに着色し、熱可塑性樹脂を着色しないので、木粉の変色を防ぐことができる。木粉で紫外線を防ぎ、劣化を少なくすることができる。
【0069】
(2)溶融・混練工程
木粉と熱可塑性樹脂を混合・溶融し、一体化する。高速回転翼による発熱で木粉とプラスチックとを溶融し、分子レベルで一体化する。重量比率は、顔料と木粉の混合体40〜60重量%に、着色しない熱可塑性樹脂成形材60〜40重量%(例えばPP)である。熱可塑性樹脂は、溶融混合して顆粒状ペレットとする。溶融機ミキサーの回転数は、850〜900rpm、温度は180〜190℃である。混合・溶融する熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、塩化ビニル樹脂(PVC)等が好ましい。
【0070】
例えば、乾燥前の木粉55重量%に対して、熱可塑性樹脂成形材としてPP45重量%を前記ミキサー内に投入し、さらに攪拌加圧する。熱可塑性樹脂成形材の形態は、本実施形態では直径3mm程度の大きさの粒状からなるペレットを使用している。
【0071】
熱可塑性樹脂成形材は、熱可塑性合成樹脂製品の廃材から得られた回収熱可塑性樹脂、バージンの熱可塑性樹脂、あるいはバージンの熱可塑性樹脂と前記回収熱可塑性樹脂をそれぞれ、例えば50重量%ずつ用いることもできる。
【0072】
この工程においては、原材料内の木粉によりPPは大きな塊とはならず、直径約10〜100mmの粘土状にゲル化した「混練材料」が形成される。
【0073】
(3)冷却・造粒(整粒)工程
本工程では、一例として前述の混練材料の冷却と造粒とを同時に行うことができる、所謂クーリングミキサーを用いる。前工程において形成された混練材料はクーリングミキサーヘ投入され、冷却水により冷却されたミキサー本体内周壁面で冷却され、直径約25mm以下に造粒された「造粒原料」が形成される。
【0074】
前記工程で形成された造粒原料は、さらに必要に応じてカッタミルを使用して粒径8mm以下に整粒することで、ペレット状の「木質合成粉」となる。なお、整粒工程は必ずしも必要ではなく、前述の冷却・造粒工程により得られる造粒物のサイズによってはこれを省略することもできる。
【0075】
木粉と熱可塑性樹脂成形材との混合、分散状態を定常的に維持し、良好なる流動性を有すると共に、冷却による凝縮、縮小作用とも相まって、化学的な反応や接着によらない木質合成粉が形成される。
【0076】
(4)成形工程
図19乃至図29に示す押出成形装置301に木質合成粉(顆粒状ペレット)を投入し、木粉が高濃度で混合されたものを高粘度の状態に溶融させ、押出成形装置301で高圧力で押出し、金型の中に押し込み、高圧力で押し固めながら中空木質合成材329を押し出す。粘度が高いので、前方への圧力が加えられた状態で押し出す。粘度が高いほど流れが早いチクソトロピーの原理を応用している。押出成形装置301の詳細は後述する。金型の中にフッ素樹脂シート350’を設け、フッ素樹脂シート350’の表面に凹凸をつけ、金型の中にフッ素樹脂シート350’を貼り、高圧力を加えて中空木質合成材329の表面に熱可塑性樹脂の凹凸の或る(溝の或る)表面等を作り中空形状の製品を作る。このフッ素樹脂シート350’は、アラミド繊維の織布にフッ素樹脂分散液を含浸、乾燥、焼成したシートである。そのためシートの表面には、アラミド繊維の織り目が格子状等の所定形状に現われている(図28(a)及び(b)参照)。このようにして製造された木質中空合成材329を図29に示す。寸法例は、幅152mm×高さ77mmで、長さは2850mmである。角形の外郭329aと、外郭329a内部領域に形成された、押出し方向に延び出す中空部329bが形成されている。縦方向の厚み代は5mm、横方向に厚み代は4mm(両端部のみ厚くなっている)。
【0077】
(5)サンディング工程
前記の通り成形された中空木質合成材329の着色してない熱可塑性樹脂の溝を備えた表皮層が形成されるので、その表皮層をサンディングペーパー(度数40〜180)で研磨して除去する。図29中、一点鎖線は削り代(図では1mm)である。表皮層は溝の部分まですべて削ることが好ましい。中空木質合成材329の表皮層に小さい溝をつけたので、表面のサンディングが容易になる。着色してない熱可塑性樹脂の表皮層を除去することで、色を表面に出すことができ独特の木質感、自然感を出すことができる。木粉の表面を着色しているので、木粉の変色を防ぐことができる。
【0078】
このような中空木質合成材329の表皮層の研磨は、樹脂素材の密となっている部分の研磨を意図したものである。木粉を混入した樹脂成形板に於いては樹脂が成形物の表面部分に滲み出し、この表面部分に樹脂素材の密部分を作り出す。このような樹脂素材の密部分は、着色されていないので、この表面部分のサンディングは独特の色調を創出することに意味がある。
【0079】
〔押出成形装置〕
図19〜図29に示す通り、前記木質合成粉を中空木質合成材329に成形する本発明の押出成形装置301は、押出機370と、この押出機370により吐出された押出し生地379を所定形状に成形する成形ダイ310とを備えている。成形ダイ310は、フランジ317及び押出ダイ319より成る連結手段330を介して押出機370に連結されている。
【0080】
(1)押出機
図19において、370は前述の押出成形装置301を構成する押出機である。一般に押出機370はスクリュ型で単軸押出成形装置と多軸押出成形装置があり、この変形又はこれらが組み合わさった構造を持つものがあるが、本発明ではいずれの押出成形装置も使用することができる。
【0081】
371はスクリュで、図19に示す実施形態にあっては単軸型であり、このスクリュ371はギヤ減速機372を介して図示せざるモータによって駆動され、バレル374内で回転する。ホッパ373から投入された木質合成粉は、このスクリュ371の回転によって混練されながら前方へと押出される。
【0082】
バレル374の外面にはバンドヒータ375を設けており、このバンドヒータ375によりバレル374内で木質合成粉が加熱され、スクリュ371の溝に沿って前方へ搬送されながら漸次溶融・練成される。
【0083】
(2)連結手段
押出機370により溶融・練成された木質合成粉は、フランジ317及び押出ダイ319から成る連結手段を介して成形ダイ310へ押出し生地379として押出される。
【0084】
図19及び図20において、バレル374先端には押出ダイ319が連結されており、本実施形態にあっては、この押出ダイ319は、バレル374の出口側の後端面に直径65mmの円形を成す流入口313、成形ダイ側の先端面に幅65mm、高さ25mmの略小判形状を成す射出口315を備えており、押出ダイ319内には、流入口313から射出口315に向けて徐々に小径に断面変形する連通孔が形成されている。もっとも、この押出ダイ319は押出機370の大きさに応じて種々の大きさに形成できる。
【0085】
押出ダイ319の先端には、フランジ317が取り付けられている。このフランジ317は、図21に示す通り、押出ダイ319の射出口315と同形状の流入口316と、幅150.0mm、高さ37.6mmの方形の射出口318を備えており、フランジ317内には流入口316から射出口318にかけて徐々に大径に断面変形する連通孔317aが形成されている。317bは貫通穴、317cは通し穴である。
【0086】
フランジ317や押出ダイ319の周壁内に加熱手段たるヒ一タ(図示せず)を取り付けても良い。ヒータにより、押出機370より押し出された押出し生地379は、押出ダイ319及びフランジ317から連通孔を経る際にも加熱保温されるので、押出ダイ319から成形ダイ310内へ流動する押出生地379の流動状態が良好となる。
【0087】
しかも、押出ダイ319は、通常の一般的なダイとは異なり射出口315が大きいため、多量の溶融原料(本実施形態にあっては木質合成粉)を吐出することができ、且つ圧密を促進することが可能な形状に形成されているので、通常の押出ダイで生じていたようなダイの目詰まりが生じない。
【0088】
(3)成形ダイ
図19〜図20において、310は成形ダイであり、上記連結手段を介して押出機370より押し出された押出し生地379が導入される。図22に示す成形ダイ310の内側上下面は、図23に示すプレート311が固定され、このプレート311が成形ダイ310の内壁を構成し、その内部に中子体340が収容されている。成形ダイ310は、導入された押出し生地379を加熱する溶融部321a及び溶融部321aから押し出された押出生地379を徐冷する徐冷部321bから成る成形室322と、押出し生地379に中空部を形成する中子体340を備えている。成形ダイ310は、一例として、幅1080mm、高さ241.6mmの矩形状の断面を成し、成形室322の入口から出口までの距離は1000mmとする。
【0089】
本実施形態にあっては、溶融部321aは、フランジ317の射出口318と同形状の入口から徐々に広がってゆき、押出し生地379が成形ダイ310内部で滞留することなく、円滑に横方向に広がることができるように形成されている。溶融部321aの入口と同形状の断面形状を成す徐冷部321bが形成され、成形室322が押出し方向に一定の断面形状に形成されている。
【0090】
成形室322は、冷却手段をそれぞれ備える上下2枚の金属板をその間の両側縁に配置した一対の金属製のスペーサを介装させて、サンドイッチ構造で形成された内部を構成するものである。成形室322は、断面方形に形成したものである。スペーサの交換により任意の目的とする成形板の肉厚が得られるように調整する。一対のスペーサは平面視で、中子体340の両側に配置されたものである。スペーサの基部は入口側空隙面積が減少されるようにせり出している。スペーサは板状であって、平面視でカーブした内側面を備え、基端面は端面と直交しており、略三角形のせり出し部を形成している。
【0091】
図20において、314はヒータで、電熱ヒータ等の加熱手段から成り、押出し生地379を加熱保温し、押出し生地379の流動性を維持するため、溶融部321aの上下に等間隔で挿通して配管設置されている。
【0092】
また、図20に示す通り、325は冷却管で、成形室322の徐冷部321bを冷却する冷却手段の一例を示すもので、この冷却管325に冷却液を供給して成形室322内の押出し生地379をその外側から冷却する。この冷却管は、成形ダイ出口の方向に向けて約2分の1を占める徐冷部321bに、等間隔で挿通して配管設置されている。なお、冷却管325の間隔を次第に狭くするように設けることもでき、あるいは冷却管325を成形ダイ310の外壁に配設することもできるが、成形室322内の押出し生地379を冷却できればよいので、この構造に限定されない。
【0093】
図24に示す複数の取付穴326aが形成された断熱板326と、図25に示す複数の取付穴327aが形成された補強板327が形成されている。断熱板326を設けたのは、熱損失を防止するためである。補強板327は、溶融部321aの上下領域に設けることが好ましい。補強板327を設けたのは、内部にかかる押出し生地379の圧力で成形ダイ310の変形又は破損を防止するためである。断熱板326は、補強板327と成形ダイ310の間に介装されることが好ましい。補強板327の厚みは断熱板326の厚みより大きいことが好ましい。断熱板326の大きさは、幅1080mm×高さ20mm×長さ615mmである。補強板327の大きさは幅1080mm×高さ61.2mm×長さ615mmである。成形ダイ310に断熱板326及び補強板327を加えた高さは404mmである。
図示は略すが熱電対が断熱板326及び補強板327に貫設され、ヒータ314の温度を計測可能になっている。
【0094】
図20、図26に示す中子体340は、中空木質合成材329内に形成される中空部の断面形状と略同様の断面形状を有し、成形ダイ310の溶融部321aから成形ダイ出口側に向かって押出し生地379の押出方向と略平行に突出する棒状部材348により構成されている。基部344(図20参照)は、棒状部材348を固着するものである。基部344はガイドブロックの形状と構造であり、板材に少なくとも2個の上下に突出する突出部(例えば円柱形)を間隔を置いて備え、板材が押出し方向に尖っており、後端は丸くなっている。
【0095】
本実施形態にあっては、棒状部材348は、図26(a)〜(c)に示すように構成されている。図26(a)に示す通り、棒状部材348は長さを755mmとし、成形ダイ310の入口側で円弧状になるように配置されている。これは成形ダイ310内に入ってきた押出し生地379との間に生じる摩擦抵抗を緩和し、押出し生地379が端部まで円滑に広がり易くするためである。
【0096】
前記棒状部材348は、前記溶融部321aから押出し生地379の押出方向に平行に突出して少なくとも前記徐冷部321bに延長している。
【0097】
また、本実施形態にあっては、前記棒状部材348は、成形ダイ310の入口側、すなわち押出し生地379の押出方向上流側端部の両角部が平面において丸められており、且つ、図20に示すように縦断面において半円弧状に膨出した、全体として丸みを帯びた形状に形成され、押出し生地379との間に生じる摩擦抵抗を緩和するよう形成されている。
【0098】
棒状部材348は、中空木質合成材329内に形成する中空部の数に応じて適宜数とすることができ、断面形状も中空木質合成材329に形成する中空部の形状に応じて種々の形状を採ることが可能である。
【0099】
中子体340は、棒状部材348が個々に独立して形成されていることから、該棒状部材348間に形成される間隙の上流において、押出し生地379導入の妨げとなるものは存在せず、該間隙に押出し生地379を円滑に流動させることが可能となる。従って、前記間隙内での押出し生地379の密度を高め、押出し生地379の不足によるリブの未形成等を効果的に防止することが可能となり、成形速度を上昇させた場合であっても、高品質の中空木質合成材を成形することができる。
【0100】
前記棒状部材348は、前記成形ダイ310入口側において基部344と一体的に形成されている。本実施形態にあっては、前記基部344は、図20に示すように二つの凸部を有しており、該二つの凸部を成形ダイ310内壁面に設けられた凹部とそれぞれ成合させることにより、基部344と一体的に形成されている棒状部材348を平行な状態に維持したまま、前記成形ダイ310の溶融部321aの上下内壁に固着している。
【0101】
基部344は、平面において、棒状部材348と同様、押出し生地379の押出方向上流側端部の両角部が丸められており、且つ、押出方向下流側端部に向かってその幅を狭める略流線形に形成されており、溶融部321aを流れる押出し生地379が抵抗無く流れるよう構成されている。
【0102】
棒状部材348は、成形ダイ310の溶融部321aから成形ダイ出口側に向かって、その矩形状の断面を僅かに狭めるテーパー状を成しており、従って成形ダイ出口方向に向かって中空木質合成材329を押出し易い形状に構成されている。
【0103】
この基部344を固着する成形ダイ310の上部内壁面には、成形ダイ310の壁面を貫通して、水、油等の液体、空気、その他のガス等の冷却媒体を供給する図示せざる冷却媒体の供給源と連通された導入路341が形成されており、この冷却媒体の導入路341が成形ダイ310の壁面及び基部344を貫通して溶融部321aにおける中子体340の棒状部材348に至り、徐冷部321bにおいて棒状部材348内に形成された後述の冷却媒体の流路342に連通している。
【0104】
棒状部材348内に形成された冷却媒体の導入路341は、断熱材343にて包囲されており、導入路341内を通過する冷却媒体が該部において押出し生地を冷却することを防止すると共に、冷却媒体の温度を保ち、後述の冷却媒体の流路342に冷却媒体が導入されたときの冷却効果の向上を図っている。
【0105】
本実施形態にあっては、外周に断熱材としてミオレックスPMX−575(菱電化成)を配置した直径4mmの金属製パイプにて成形ダイ310の壁面、基部344及び中子体340を貫通し、これを冷却媒体の導入路341としている。
【0106】
本実施形態にあっては、流路342は、一端において前述のように冷却媒体の導入路341に連通し、他端を中子体340の端部(成形ダイ310の出口方向)において開口するものとする。流路342内に導入された冷却媒体は、棒状部材348内に形成された流路342及び中空木質合成材329内に形成された中空部を通過するときに押出し生地379及び中空木質合成材329を内部より徐冷する。
【0107】
尚、前記流路342は、前述の構成に代えて、例えば徐冷部321bの棒状部材348内において成形ダイ310の出口側の端部で連通する二重管構造とし、この一方を冷却媒体の導入源に連通すると共に、他方を冷却媒体の排出口に連通して、冷却媒体である例えば冷却水や冷却油が、中子体340内を循環するよう構成しても良く、押出し生地379を内側より徐冷し得る構成であれば導入される冷却媒体の種類、その他各種の条件の変更にしたがって種々の設計変更が可能である。
【0108】
成形ダイ310の内壁面は、フッ素樹脂により被覆されていることが好ましい。このフッ素樹脂の被覆方法としては、フッ素樹脂を直接表面にコーティングすることによって行っても良いが、交換が容易であり且つ耐久性に富むという点で、母材となるシートにフッ素樹脂をコーティングしたフッ素樹脂シート350’の貼設により行うことが好ましい。
【0109】
フッ素樹脂シート350’は、成形室322の上下の内壁面、すなわち中空木質合成材329の表裏面を形成する面に相当する内壁面のみに施すこともできるが、成形室322の上下左右の内壁面全体に一連に貼設することが好ましい。
【0110】
成形ダイ310内壁面に貼設するフッ素樹脂シート350’としては、ガラス繊維の織物を母材とし、これにフッ素樹脂をコーティングしたもの(以下、本明細書において「ガラス繊維フッ素樹脂シート」という。)等を使用することもできるが、後述するフッ素樹脂分散液を含浸させ、乾燥、焼成して成るアラミド繊維の織布(以下、本明細書において「アラミド繊維フッ素樹脂シート」という。)を用いることが好ましい。前記収容体350を形成するフッ素樹脂シート350’としては、収容体350として形成しうるものであれば如何なるものであってもよい。
【0111】
前記成形ダイ310内壁面と同様、押出し生地379との摩擦を緩和するため、前記中子体340の棒状部材348をフッ素樹脂シート350’の収容体350にて個々に被覆するか又は中子体340の全部又は一部(基端部が好ましい)を被覆することが好ましい。収容体350は、着脱・交換が容易であると共に、立体形状の中子体340に対しての使用に好適である。
【0112】
このアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の母材を構成するアラミド(全芳香族ポリアミド)は耐熱性に優れ、高強度、高ヤング率であるため強化材としても使用されており、図28の通り、このアラミド繊維の織布を母材とする該フッ素樹脂シート350’は、立体形状である中子体340に取り付けて使用するに適した柔軟性と耐屈曲特性を有すると共に、高い引張り強さを備えることから長期間の使用にも耐え得るものとなっている。
【0113】
該アラミド繊維フッ素樹脂シート350’に用いられるフッ素樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標)TFE;デュポン社)、フッ化エチレン−プロピレンコポリマ(テフロン(登録商標)FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン(テフロン(登録商標)CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(テフロン(登録商標)VdF)等が挙げられる。
【0114】
尚、本実施形態にあっては、前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’として、本多産業(株)製のライナーベルト用フッ素樹脂コーティングシート「マックスライナーベルト」(HAS−P506)を用いている。
【0115】
前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’の収容体350による被覆は、押出し生地379との摩擦を緩和すべく、前記棒状部材348のうち、少なくとも押出し生地379の押出方向上流側端部において行なうが、棒状部材348全体に対して行なってもよく、本実施形態にあっては、溶融部321a内における棒状部材348全体について被覆する。
【0116】
前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’は、柔軟性と耐屈曲特性を有するため、これを縫着、接着等して接合することによって、一例として図27に示すような袋状体353の収容体350を形成することができる。
【0117】
アラミド繊椎フッ素樹脂シート350’の袋状体353は、例えば図27(A)〜図27(C)に示すように、一枚の略矩形状のアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の長辺b,dを、向かい合う短辺a,cが重なり合うよう中央X−X線で折り返し、この折り返しにより辺b及び辺dがX−X線を中心に二分されることによりそれぞれ形成された辺b’と辺b’’,辺d’と辺d’’とを、それぞれ図27(B)に破線で示す縫着線に沿って縫着した後、縫い目が内側となるよう裏返すことによって形成することができる。
【0118】
尚、前述の形成法に代えて、図27(A)のX−X線において分割されている二枚の略矩形状のシートを使用してもよく、この場合には辺aと辺cを除く3辺を同様に縫着する。
【0119】
前記棒状部材348の形状に対応する、一辺の開口した袋状体353の収容体350を形成し、この袋状体353を成形ダイ310の入口側から押出し生地379の押出方向に向かって中子体340の棒状部材348へ被せることにより、前記棒状部材348をアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の収容体350で被覆することができる。
【0120】
本実施形態の中子体340は棒状部材348が独立して形成されているため、従来の結合部を有する中子体340と比較して、前記フッ素樹脂シート350’の収容体350による被覆を個々に行なうことが可能となると共に、その着脱も容易となる。
【0121】
また、前記フッ素樹脂シート350’の袋状体353の長さを変更することにより、棒状部材348を被覆する長さを容易に調整することができる。
【0122】
本実施形態にあっては、前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’の袋状体353の収容体350が被覆するのは溶融部321a内における棒状部材348であって、押出し生地379は該溶融部321aにおいては冷却されず溶融状態を維持しているため、押出し生地379と接触する袋状体353の表面がこの縫い目により多少凹凸を有していても、この凹凸は最終的に得られる中空木質合成材329の形状に影響を与えない。
【0123】
尚、前記棒状部材348と一体的に形成されて成る基部344の側面についても、前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’の収容体350を被覆してもよい。これにより、基部344平面の略流線形状と相侯って押出し生地379を抵抗無く流動させることができる。
【0124】
次に変更形態の中子体440及びアラミド繊維フッ素樹脂シート450’を図30乃至図32を参照し説明する。対応する構成要素は400番台とし、共通する構成は説明を援用する。
【0125】
中子体440のように、棒状部材448を成形ダイ410の溶融部421a内で結合する結合部445が設けられている場合には、棒状部材448間に形成される間隙の上流がこの結合部445において閉ざされているため、この結合部445の存在が、中空木質合成材329を形成する成形ダイ410に対し押出し生地379が導入される際の妨げと成ると共に、押出し生地379の流路面積を狭め、押出し生地379の流れに抵抗を与えるものとなっている。
【0126】
本変更形態にあっては図30及び図31に示すように、棒状部材448を成形ダイ410の溶融部421a内において棒状部材448と一体的に形成された結合部445により結合しており、中子体440は、この結合部445及び棒状部材448より形成されている。
【0127】
本変更形態にあっては、棒状部材448を結合して成る中子体440の結合部445は、ブロック状であり、結合部445の押出し生地379の押出方向上流側端部は、平面において両角部が丸められており、且つ、縦断面において半円弧状に膨出した全体として丸みを帯びた形状に形成され、押出し生地379との間に生じる摩擦抵抗を緩和するよう形成されている。
【0128】
また、図31に示すように中子体440は、成形ダイ410入口側の前記結合部445において成形ダイ410の溶融部421aの上下内壁に固着された基部444と一体的に形成されており、前記基部444は、溶融部421aを流れる押出し生地379が抵抗無く流れるよう、平面において流線形に形成されている。
【0129】
アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450により、中子体440全体を被覆しても良いが、溶融部421a内に位置する中子体440の少なくとも一部分に対して被覆され、結合部445に対して被覆される。
【0130】
アラミド繊維フッ素樹脂シート450’は、その柔軟性と耐屈曲特性により一例として図32に示すように、これを縫着、または接着剤にて接着する等して接合することにより袋状体453の収容体450を形成することもでき、結合部445の形状に対応する、一辺の開口した袋状体453を形成し、この袋状体453を成形ダイ410の入口側から押出し生地379の押出方向に向かって中子体440の端部又は結合部445へ被せることにより、中子体440をアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆することができる。
【0131】
アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の袋状体453は、例えば図32(A)〜図32(C)に示すように、一枚の略矩形状等のアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の長辺b,dを、向かい合う短辺a,cが重なりあうよう中央x−x線で折り返し、この折り返しにより辺b及び辺dがx−x線を中心に二分されることにより夫々形成された辺b’と辺b’’,辺d’と辺d’’とを、それぞれ図32(B)に破線で示す縫着線にそって縫着した後、縫い目が内側となるように折り返すことによって形成することができる。
【0132】
図32に示す通り、アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の袋状体453が、結合部に形成された傾斜部の形成位置をも被覆可能なサイズに形成されている場合には、このうち、傾斜部に対応する部分については、切り取ることにより傾斜部を袋状体453より露出させ、または、切り込みを入れる等して傾斜部の形状に沿わせるなどして、傾斜部の傾斜形状を維持できるようにする。
【0133】
前述の押出成形装置301を使用し、表1に示すように、成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設し、中子体440を前記アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の袋状体453〔図32(C)参照〕の収容体450で被覆した場合(形態1)と、形態1で中子体440に被覆した袋状体453の収容体450に代えて、アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の筒状体454の収容体450で中子体440を被覆した場合(形態2)、及び、比較例として、成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設し、中子体340には直接フッ素樹脂をコーティングした場合(比較例1、比較例3)と、比較例1で成形ダイ310内壁面に貼設したアラミド繊維フッ素樹脂シートに代え、ガラス繊維フッ素樹脂シートを成形ダイ310内壁面に貼設した場合(比較例2、比較例4)の成形結果について比較した。
【0134】
【表1】
アラミド繊維フッ素樹脂シート…HAS,ガラス繊維フッ素樹脂シート…HGS
【0135】
上記実施形態の成形結果を示すと次のようになる。
スクリュー回転速度が50r.p.m.の場合、成形速度が4.92M/H、吐出量が81.0Kg/H、生地圧力が4.0Mpaとなる。
スクリュー回転速度が40r.p.m.の場合、成形速度が4.02M/H、吐出量が60.3Kg/H、生地圧力が3.0Mpaとなる。
【0136】
中子体440にフッ素樹脂を直接コーティングした場合(比較例1)と、アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆した場合(実施形態1及び実施形態2)を比較すると、成形速度についてはそれほど差がなく、また、アラミド繊維フッ素樹脂シートが貼設された成形ダイ310内壁と接触して成形される中空木質合成材329の板部分についても、両者に目立った外観の差異はみられなかった。
【0137】
しかし、中空木質合成材329のリブ430部分については、外観の差異が著しく、比較例1の場合にはリブ430表面が十分に平坦とならず、窪み等の成形不良が生じることが確認された。また、押出機370から成形ダイ310内に押し出される押出し生地379の圧力を測定した「生地圧力」についても、比較例1が最も高い数値を示す。
【0138】
このことから、中子体440がフッ素樹脂で直接コーティングされている比較例1にあっては、押出し生地379は成形ダイ310の入口側では高圧力であるにも拘わらず、成形ダイ310内の成形部位においては中子体440の複数の棒状部材間348に形成される間隙内に押出し生地379を十分に導入し得る程、圧力が高まっていないことが判る。このような現象は、未だ押出し生地379と中子体440との間に生じる摩擦抵抗が大きく、成形ダイ310の入口付近における押出し生地379がいわば栓のような役目をしているため、押出機370からの吐出圧力が効率的に成形ダイ310内の生地圧力を上昇し得ないためと考えられる。
【0139】
これに対し、中子体440をフッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆している実施形態1及び実施形態2にあっては、比較例1のような成形不良は確認できず、リブ329c部分においても綺麗な外観を呈する中空木質合成材329が得られた。このことから、実施形態1及び実施形態2にあっては、押出し生地379と中子体340との間の摩擦抵抗が比較例1に比べて十分に低減されていると考えられる。
【0140】
以上より、中子体440には、フッ素樹脂を直接コーティングするよりも、フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆するほうが、好ましい成形結果を得られるということが確認できた。
【0141】
また、中子体440を被覆するフッ素樹脂シート450’の収容体450を、袋状体453とする場合(実施形態1)と、筒状体454とする場合(実施形態2)について比較すると、実施形態2は、実施形態1に比較してさらに生地圧力が低く、成形ダイ310の入口側で掛けられた圧力が、効率良く成形ダイ310の内部にまで伝わっていることが判る。これは、実施形態2で使用したアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の筒状体454が、中子体440の結合部445のみならず棒状部材448a〜448gの上流側端部までもアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆可能な形状に形成されているために、実施形態1のものと比較して中子体440と押出し生地379との摩擦を更に軽減することができ、押出し生地379の流動がより滑らかとなるためと考えられる。このように、実施形態2にあっては、成形ダイ310の入口側で加えられた圧力を、より効率よく成形ダイ310の成形部位に対して伝えることができることから、同じスクリュ371の回転数において、実施形態1に比較して成形速度(引取速度)を上昇させた場合でも成形ダイ310内の生地圧力の低下を推持でき、より効率的に中空木質合成材329を製造することが可能となる。
【0142】
成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合(比較例1及び比較例3)と、ガラス繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合(比較例2及び比較例4)では、成形速度については、同一のスクリュ回転数で比較すると両者に目立った差異は見られず(比較例1:2、比較例3:4)、また、両者とも、スクリュ回転数が40(rpm)(比較例3、比較例4)から50(rpm)(比較例1、比較例2)へと上昇するのに伴い、吐出量及び成形速度が上昇していることがわかる。
【0143】
しかし、中空木質合成材329の外観については、比較例4では、中空木質合成材329の板部分に歪み等の成形不良が生じる場合があり、また、スクリュ回転数を50(rpm)とする比較例2においては、吐出量、成形速度の上昇に伴い、比較例4よりもこの現象が著しいものとなった。よって、成形ダイ310内壁面にガラス繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合にあっては、スクリュ回転数が40(rpm)を超えたあたりから中空木質合成材329の品質に劣化が生じ、スクリュ回転数を高めると、それに伴い劣化の度合いも大きくなるといえる。
【0144】
これに対し、比較例1及び比較例3では、中空木質合成材329の板部分については綺麗な外観を呈する中空木質合成材329を成形することができた。このことから、成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合にあっては、スクリュ回転数が40(rpm)また50(rpm)を超えても、上記のような成形不良が生じることはなく、中空木質合成材329の品質に劣化が生じないといえる。
【0145】
以上より、中空木質合成材329の板部分の成形の観点からは、成形ダイ310の内壁面に対してフッ素樹脂シートを貼設することが好ましく、また、貼設するフッ素樹脂シートとしては、成形不良等の品質の劣化を生じさせることなく成形速度の向上が可能であるという点において、ガラス繊維フッ素樹脂シートに比較してアラミド繊維フッ素樹脂シート350’を用いることがより好ましいことが確認できた。
【0146】
また、中子体340にフッ素樹脂を直接コーティングしたこれらの比較例1〜4にあっては、全てにおいて中空木質合成材329のリブ部分の成形不良が見られた。このことから、成形速度を向上させ、且つ板部分及びリブ部分の双方について成形不良の生じていない中空木質合成材を製造するためには、中子体440をアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆すると共に、成形ダイ310の内壁にアラミド繊維フッ素樹脂シート450’を貼設した実施形態1及び実施形態2の実験装置が最も適していることが確認できた。
【0147】
また、上記ログハウス型構造物の原材料となる中空木質合成材は、次に挙げる数々の特徴を備える。
優れた曲げ合成を備えている(MDFの約2倍)。伸縮が少ない。アルミ並みの寸法安定性がある。表面硬度が固い(木材の約5倍、耐磨耗性はレッドシダーの約7倍)。木ねじ保持力が木材より優れている(パーティクルボードの約4倍、MDFの約5倍)。水に強くて腐らない(水に30日間つけても3%程度しか吸水しない)。耐熱性がよい(120℃の高温でも軟化しない)。屋外に長期間置いても割れたりしない(−30℃での低温にも耐えられる)。虫が食わない。カビない。天然木の感触がある。木粉を大量に含むので加工も簡単である。彫刻加工が自由である。パーティクルボード、MDF、合板など従来の建築材料などに含まれる接着剤(ホルムアルデヒド)の害が無い。独特の木質感、自然感を出すことができ、自然木と見分けが付かない落ち着いた深みのある外観であり、光反射が少なく、高級感が演出できる。着色も自在であり、ブラック、グリーン、レッド等、種々の美しく素晴らしい趣のある色感を出せる。ムク板状を中空形状にして軽量化することができる。低コストで生産できる。何度でもリサイクルできる。
【0148】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於て、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1におけるログハウス型構造物10の分解斜視図である。
【図2】木質合成材11の平面図(a)及び側面図(b)である。
【図3】実施形態1におけるログハウス構造物10壁体の断面図(a)及び角部の外観斜視図(b)である。
【図4】実施形態1の変更例のログハウス型構造物50の正面図(a)、裏面図(b)、平面図(c)、A−A’断面図(d)及びB−B’断面図(e)である。
【図5】木質合成材の変形例の断面図(a)〜(e)である。
【図6】実施形態1の変形例のログハウス型構造物(a)〜(d)の斜視図である。
【図7】実施形態2におけるログハウス型構造物110の全体斜視図である。
【図8】木質合成材111によるログハウス型構造物壁面の組立方法を示す説明図である。
【図9】木質合成材111(カバー部材は除去してある)の外観斜視図である。
【図10】木質合成材111端部の部分断面外観斜視図である。
【図11】実施形態2の変更例のログハウス型構造物の部分縦断面図である。
【図12】ログハウス型構造物を物置として適用した例の斜視図である。
【図13】ログハウス型構造物を車庫として適用した例の斜視図である。
【図14】実施形態3の木質合成材211によるログハウス型構造物壁面の組立方法を示す説明図である。
【図15】木質合成材211端部の部分断面外観斜視図である。
【図16】実施形態4のログハウス型構造物の斜視図である。
【図17】中空木質合成材111に発泡体281を充填している断面説明図である。
【図18】間仕切り材としての中空木質合成材の設置断面図である。
【図19】本発明の実施形態における押出成形装置301の押出機370の一部断面図である。
【図20】本発明の実施形態における押出成形装置301の連結手段及び成形ダイ310の一部断面図である。
【図21】(a)はフランジ317の正面図、(b)はフランジ317の平面図、(c)はフランジ317の側面図、(d)はフランジ317の流入口316の詳細図である。
【図22】(a)は成形ダイ310(金型)平面図、(b)は成形ダイ310(金型)の正面図、(c)は成形ダイ310(金型)の側面である。
【図23】(a)はプレート311の平面図、(b)はプレート311の正面図、(c)はプレート311の側面図である。
【図24】(a)は断熱板326の平面図、(b)は断熱板326の正面図である。
【図25】(a)は補強板327の平面図、(b)は補強板327の正面図である。
【図26】(a)は棒状部材348の平面/正面図、(b)は棒状部材348の側面断面図、(c)は棒状部材348の側面図である。
【図27】本発明の実施形態におけるアラミド繊維フッ素樹脂シートの袋状体の収容体の形成方法を示した図であり、(A)は略矩形状のアラミド繊維フッ素樹脂シート、(B)は(A)のシートを中央X−X線で折り返し縫着した状態、(C)は(B)のシートを裏返すことにより形成された袋状体を示す。
【図28】(a)はアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の平面図、(b)はアラミド繊維フッ素樹脂シート350’のXXVIIB−XXVIIB断面図である。
【図29】中空木質合成材329の正面図である。
【図30】本発明の変更形態における押出成形装置の成形ダイ410の平面断面図である。
【図31】本発明の変更形態における中子体440の一部縦断面図である。
【図32】本発明の変更形態におけるアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450(袋状体453)の形成方法を示した図 であり、(A)は略矩形状のアラミド繊維フッ素樹脂シート450’、(B)は(A)のシート450’を中央x−x線で折り返し縫着した状態、(C)は(B)のシート450’を裏返すことにより形成された袋状体453の収容体を示す。
【符号の説明】
10…ログハウス 11…木質合成材 12…透光板材 13…屋根部
14…扉部 16…ログハウス基部 17…ジョイント部材 21…溝部
22…交差溝部 23…嵌合孔 25…ウレタン発泡材 24…リブ
31…貫通穴 32…突起 57…屋根材 58…屋根開閉材
301…押出し成形装置 310…成形ダイ 313…流入口(押出しダイの)
314…ヒータ 315…射出口(押出しダイの)
316…流入口(フランジの) 317…フランジ
318…射出口(フランジの) 319…押出しダイ
321a…溶融部 321b…徐冷部 322…成形室
325…冷却管 329…中空木質合成材
329c…リブ 341…導入路
342…流路 343…断熱材
344…基部 348…棒状部材
350…フッ素樹脂シートの収容体
450’…(アラミド繊維)フッ素樹脂シート
453…袋状体 454…筒状体
370…押出し機 371…スクリュ
372…ギヤ減速機 373…ホッパ 374…バレル
375…バンドヒータ 379…押出し生地
【発明の属する技術分野】
この発明はログハウス型構造物と、リブで仕切られた中空部に発泡体等を充填して成る木質合成材で構成されたログハウス型構造物に関わる。
【0002】
【従来技術】
【特許文献1】特許2538420
【特許文献2】特開平11−62054
従来、ログハウス型構造物の工法は板状に加工した木材或いは丸太を平行に載置することで壁体を構成し、また板状に加工した木材或いは丸太の両端に交差嵌合部を交差、嵌合することでログハウス型構造物の四方を囲み家を構成する。
【特許文献3】特開平6−17496
【特許文献4】特公平7−103616
【特許文献5】特許2688449
【特許文献6】特開2000−204648
【特許文献7】特許2688449
ログ材を載置する時は、ログ材の上面、上部に突条部を設け、突条部と対向するログ材の下面、下部に溝部を設け、突条部と溝部とを凹凸嵌合することで壁体を構成している。
【特許文献8】特開平8−49321
【特許文献9】特開平6−108554
【特許文献10】特開平3−208937
【特許文献11】特開平9−209478
またログ材両端を切欠き、ログ材同士を交互に直交させ、切欠部分を嵌合させることで壁体を構成する。壁体を構成する際にボルトとナットを用いてログ材同士を固定していることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ログハウス型構造物構成部材として適した丸太をログハウス型構造物1棟分調達するのは容易ではなく、また木材を一本ずつログハウス型構造物として加工するのは大変時間がかかり、結果としてコスト高を招くことにも成る。
更にこれら天然木によって建築されたログハウス型構造物は木材の乾燥による伸縮で寸法にくるいが生じ、それが原因でログハウス型構造物の気密性を損ね、ひどい時には接続金具の破損もありうる。
更に、木質合成材を廃木材、廃プラスチック等のリサイクル原料で製造する場合、コストが高くなり、リサイクルが促進できなくなるおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
前述の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びる溝部と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、該木質合成材の前記溝部に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を嵌合させて前記木質合成材と透光板材とを積み重ねて壁体を構成し、前記本体部の端部にある前記溝部と連通するように嵌合孔を設け、前記嵌合孔及び溝部にジョイント部材を嵌合させ、該ジョイント部材を介して前記木質合成材を連結することを特徴とするログハウス型構造物とする。
木質合成材の溝部を利用し木質合成材と透光板材とを例えば交差するなど適宜組み合わせることで積み上げ、木質合成材同士を直交交差して、夫々の嵌合孔同士をジョイント部材にて凹凸嵌合するだけでログハウス型構造物を建築できる為、簡易な構造でコストを抑え軽量化を実現できる。また、ログハウス型構造物として用いられる木質合成材は、押出し機によって溝部を一体的に成形できるので、調達が容易で寸法の狂いも無く、また乾燥による伸縮も極めて少ない。木質合成材の溝部と透光板材とを凹凸嵌合することで、外部からの光をログハウス型構造物内部に取り込むことが可能である。木質合成材及び透光板材との着色によって、様々な色の組み合わせが可能となる。ログハウス型構造物を家庭で組み立てることで日曜大工の楽しみを提供することができる。子供でも容易に組み立てることができる。
このログハウス型構造物は、ログハウス、コンテナ、車庫、倉庫、自転車置き場等を含むものである。
透光板材とはアクリル樹脂、ガラスなどの透明又は半透明の板材である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、前記木質合成材の溝部と交差する交差溝部を形成し、前記溝部と交差溝部とが交差する部分に前記嵌合孔を形成し、前記溝部に前記透光板材の上下端部を嵌め込むとともに、前記交差溝部に前記透光板材の左右端部を嵌め込むことを特徴とする。
これにより透光板材の上下端部のみならず左右端部も木質合成材に嵌め込まれるので、固定が確実になる効果がある。
【0006】
請求項3に記載のログハウス型構造物は、柱芯材を前記ジョイント部材及び前記嵌合孔に貫通させることを特徴とする。これによりログハウス型構造物の強度を高めることができる。
【0007】
請求項4記載のログハウス型構造物の前記ジョイント部材は、前記嵌合孔に嵌合可能な形状の筒体であって、該筒体の側面に前記溝部及び交差溝部に嵌合する複数の突起を有することを特徴とする。
このときジョイント部材は、例えば金属製の本体部を成し、側部には嵌合孔から延びる溝部及び交差溝部に凹凸嵌合する突起が設けられ、木質合成材の本体部端部に設けられた嵌合孔に凹凸嵌合され、木質合成材同士の位置決めを行い、木質合成材同士のずれ、回転を抑制することができる。このとき、嵌合可能な形状とは、木質合成材のジョイント嵌合部に嵌合可能であるならばよく(例えば丸型)、ジョイント嵌合部に嵌合することで木質合成材同士の位置決め、固定を妨げない形状であれば良い。
【0008】
請求項5記載の発明のログハウス型構造物は、中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びる溝部と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、該木質合成材の前記溝部に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を嵌合させて前記木質合成材と透光板材とを積み重ね、前記本体部の端部の上下に上交差嵌合部と下交差嵌合部とを対で備え、木質合成材の上交差嵌合部と上部に配置される他の木質合成材の下交差嵌合部とを嵌合させるとともに、木質合成材の下交差嵌合部と下部に配置される他の木質合成材の上交差嵌合部とを嵌合させることにより壁体を構成することを特徴とするログハウス型構造物とする。
これにより請求項1と同様の効果を有するが、木質合成材同士、又は木質合成材と透光板材とが嵌め込み構造であるので、組み立て作業が一層容易である。
【0009】
請求項6記載の発明のログハウス型構造物は、前記本体部にリブと、該リブによって仕切られる中空部とを有し、前記交差嵌合部の切欠の深さが、該木質合成材の前記リブまでとすることを特徴とする。
交差嵌合部のリブ同士が嵌め合うことが好ましい。
中空木質合成材内部はリブで仕切られた中空状であり、この中空部にウレタン発泡体等を充填することで中空木質合成材の強度を向上させ、ログハウス型構造物としての利用に耐え得る木質合成材へ加工できる。
ここで、中空木質合成材内部に成形されるリブの数は、少なくとも1つ以上であることが好ましい。
中空木質合成材に充填される発泡体はウレタン発泡体であることが好ましいが、他の発泡体を充填する構成としても良い。
前記交差嵌合部の切欠の深さが、該木質合成材の前記リブまでとするので、リブが露出する場合が好ましいが、リブの上に発泡材又は発泡体が残る場合も含まれることもある。
【0010】
請求項7記載の発明のログハウス型構造物は、中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びるとともに上下方向に貫通する貫通孔と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、複数の当該木質合成材の前記貫通孔に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を貫通させ、前記本体部の端部の上下に上交差嵌合部と下交差嵌合部とを対で備え、木質合成材の上交差嵌合部と上部に配置される他の木質合成材の下交差嵌合部とを嵌合させるとともに、木質合成材の下交差嵌合部と下部に配置される他の木質合成材の上交差嵌合部とを嵌合させることにより壁体を構成することを特徴とする。
これにより、請求項1と同様の効果を奏する上、透光板材を木質合成材に貫通させるだけでよいので、一層の組み立て容易性とコスト削減の実現が可能である。
【0011】
請求項8記載の発明の前記透光板材は、プラスチック製であって多数の中空部を有することを特徴とする。
これにより透光板材の強度を高めるとともに軽量化をより推し進めることができる。
プラスチック製の中空の透光板材の成形は押し出し成形でも射出成形でもよい。主に、ポリプロピレン、ポリカーボネートを主原料とした一体押出中空構造パネルが好ましい。
【0012】
請求項9に記載のログハウス型構造物は、前記押出し成形時の金型を変更することで、任意の形状の木質合成材を成形できることを特徴とする。
中空木質合成材は押出し機から押出し成形されるため、押出し機の金型を変更することで金型の形状に沿った中空木質合成材を押出し成形することができ、この中空木質合成材に発泡体を充填するなど、任意の形の木質合成材を成形することができる。例えば、丸太状の金型から、ログハウス型構造物としてふさわしい外観の中空木質合成材及び木質合成材を成形することができる。
また、例えば、木質合成材の外壁面側を丸太状に、内壁面側を板状にすることで、ログハウス型構造物の外観を持ちつつ、内部は普通の家屋と変わらない構成とすることも可能である。
更に、ログハウス型構造物の壁面の構成に必要な突条部や溝部等も一体的に成形できるため、特別な加工を必要とせず、コストを抑え、短時間でログハウス型構造物を製造することができる。
【0013】
請求項10記載のログハウス型構造物は、前記本体部の内部がリブによって複数の中空部に分割され、前記中空部の夫々に特定の発泡体のほかに異なる種類の発泡充填材を充填又は挿入することによって、前記木質合成材の建材としての特性を変更できることを特徴とする。
通常、中空木質合成材に充填される発泡体はウレタン発泡材であることが多いが、これを発泡コンクリートに代えることにより気密性、断熱性が向上することになる。
また中空木質合成材内部のリブで仕切られた中空部でも、外壁に面している中空部には発泡コンクリートを注入し、内壁に面している部分にはウレタン発泡材を注入することで、重量の増加を抑えつつ、屋外に対しての断熱性を向上させることができる。
全長4〜5mを越える、長い中空木質合成材に発泡材を充填させるのが困難な場合、或いは、中空部の径又は幅が小さい場合等、例えば発泡スチロールの板を適宜切り出して挿し入れるだけで、発泡材を充填するのと同等の効果が得られ、また中空部にムラ無く発泡体を充填できる。
また、中空部に天然木を差し込むことで木質合成材自体を補強し、従来の構造体として使用できることとなる。
【0014】
請求項11記載のログハウス型構造物は、前記中空部の内部に発泡充填材を充填するか若しくは発泡体を挿入し、又は、前記本体部の壁に複数の孔を形成する二重中空構造とすることを特徴とする。
【0015】
請求項12記載のログハウス型構造物は、前記本体部の上面又は下面に長手方向に形成される突条部と、前記突条部とは反対側にある前記本体部の上面又は下面に長手方向に形成される溝部と、を備え、前記木質合成材は短尺の木質合成材と長尺の木質合成材とがあり、前記短尺の木質合成材の前記突条部が前記長尺の木質合成材の前記溝部と嵌合し、前記長尺の木質合成材の前記突条部が前記短尺の木質合成材の前記溝部と嵌合する構造であることを特徴とする。
木質合成材が有する突条部と溝部を凹凸嵌合させ、木質合成材同士の交差嵌合部を直交させ凹凸嵌合するだけでログハウス型構造物を建築できる為、簡易でコストを抑えることができる。また、ログハウス型構造物として用いられる木質合成材は、押出し機によって突条部や溝部を一体的に成形できるので、調達が容易で寸法の狂いも無く、また乾燥による伸縮も極めて少ない。
【0016】
請求項13記載のログハウス型構造物は、C型またはU型チャネルで前記木質合成材を上下に保持することで間仕切り材として構成された壁体を備えることを特徴とする。
これにより施工容易性と木質合成材の有効活用が可能である。
【0017】
なお、透光板材の木質合成材に対する構造は適宜変更できる。例えば、透光板材を木質合成材に嵌め込んで固定する場合、木質合成材に溝部を複数設けて窓ガラスのように引き違いに配置し透光板材を移動できる構造、ガラリのように開閉可能な構造等、適宜の場合が実施可能である。
【0018】
上記目的に好適な中空木質合成材製造方法は、押出し生地をスクリューで成形ダイの溶融部に押出して、該押出し生地の外表面を前記成形ダイの内壁面と接触させるとともに該押出し生地の内表面を、前記溶融部に設けた基部から押出し方向に平行に突出し、徐冷部に延長する中子体を被覆するフッ素樹脂分散液を含浸させたアラミド繊維布であるフッ素樹脂シートの外面に接触させながら押出しの摩擦抵抗を低減させ、前記押出し生地を所定の肉厚に成形すると共に中空部を形成し、該押出し生地を徐冷部において該押出し生地の外側及び中空部内側より徐冷し、該押出し生地をログハウス型構造物構成材の大きさの中空木質合成材に押し出すことを特徴とする。
【0019】
ここで言う中空木質合成材は、木粉と熱可塑性樹脂等の混合体により成形されたものが好ましい。特に好ましくは、汎用プラスチック(ポリオレフィン、ポリスチレン系樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニール等)、エンジニアリングプラスチック(ポリアミド、ポリカーボネート、飽和ポリエステル、ポリアセタール等)等である。例えば、ポリエチレン(以下PEと記す)、ポリプロピレン(以下PPと記す)又はナイロン等の熱可塑性エラストマーより成ることが好ましい。木粉の種類は問わない。強化剤(無水マレイン酸変性ポリプロピレン(例:三洋化成工業(株)ユーメックス1010)等)を数%程度以下(例えば0.5%)で混合することがある。中空木質合成体は板状であっても良いし、柱状(脚)であっても良い。また、中空木質合成部材としてはブロック状、輪状等が挙げられる。中空木質合成材の比重は1〜1.5が好ましく、特に1.1〜1.2の範囲が好適であり、曲げ弾性率は1000〜5000Mpaが好ましく、特に3000〜4000Mpaの範囲が好適である。
【0020】
好適な中空木質合成材製造方法は、押出し生地をスクリュで成形ダイの溶融部に押出して、該押出し生地の外表面を前記成形ダイの内壁面と接触させるとともに該押出し生地の内表面を、前記溶融部に設けた基部から押出し方向に平行に突出し、前記押出し生地の外表面を前記成形ダイ内壁面に形成されたフッ素樹脂分散液を含浸させたアラミド繊維布であるフッ素樹脂シートに接触させながら押出しの摩擦抵抗を低減させ、前記押出し生地を所定の肉厚に成形すると共に中空部を形成し、該押出し生地を徐冷部において該押出し生地の外側及び中空部内側より徐冷し、該押出し生地をログハウス構造物用の所定形状の中空木質合成材に押し出すことを特徴とする。
上記の組み合わせでも成立する。この場合、成形性は一層良好となる。
【0021】
好適な中空木質合成材製造装置は、原料を加熱、練成し、スクリュをもって押出す押出機に、前記押出機から押し出された押出し生地を加熱する溶融部及びこの溶融部から押し出された押出し生地を冷却する徐冷部から成る成形室と、前記溶融部から押出し生地の押出方向に突出して少なくとも前記徐冷部に延長する中子体とを備えた成形ダイを連結した中空木質合成材製造装置であって、前記中子体は、複数の棒状部材、及び前記各棒状部材にそれぞれ一体的に形成された基部から成り、前記各棒状部材は、中空木質合成材内に形成される各中空部の断面形状と略同様の断面形状を有し、押出し生地の押出方向を長さ方向として相互に平行に配置されると共に、前記成形ダイの溶融部内において前記成形ダイに固着され、前記各棒状部材の少なくとも前記押出し生地の押出方向上流側端部が、フッ素樹脂シートの収容体により被覆され、前記収容体を成すフッ素樹脂シートが、フッ素樹脂分散液を含浸させ、乾燥、焼成したアラミド繊維の織布であるように前記成形ダイの形状及び大きさが設定されたことを特徴とする。
【0022】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記フッ素樹脂シートの収容体が袋状体から成り、前記中子体の前記各棒状部材を該フッ素樹脂シートから成る袋状体内に個々に密着状態で挿入し、前記各棒状部材を前記フッ素樹脂シートの収容体により被覆したものである。
【0023】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記収容体が筒状体から成り、該筒状体は、一辺に対し直交方向を成す切り込みが前記棒状部材間に形成させる間隙の位置に対応して設けられた二枚の前記フッ素樹脂シートを重ね合わせ、前記切り込みに対し平行な二辺と、前記切り込みを挟んだ両側において接合することにより、一端開口を前記棒状部材の形成本数に対応して複数股に分岐形成し、このフッ素樹脂シートの筒状体内に前記中子体の前記棒状部材の少なくとも基部寄りの端部を密着状態で挿入することにより、前記中子体の少なくとも一部を前記フッ素樹脂シートの収容体で被覆したものである。
【0024】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記袋状体及び前記筒状体を接合して一体に形成して成る収容体から成るものである。
【0025】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記押出成形装置における前記成形ダイの内壁面に、フッ素樹脂シートが貼設されているものである。
【0026】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記中子体を成す前記各棒状部材が、前記基部を介して前記成形ダイの上下内壁に前記基部を介して固着されているものである。
【0027】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記中子体は、前記各棒状部材に連続し、前記溶融部において前記棒状部材の端部を結合する結合部から成り、少なくとも前記中子体の前記結合部が、前記フッ素樹脂シートの収容体により被覆されているものである。
【0028】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記収容体が袋状体から成り、前記中子体の前記結合部を前記フッ素樹脂シートから成る前記袋状体内に密着状態で挿入することにより、前記中子体の少なくとも一部を前記フッ素樹脂シートの収容体で被覆したものである。
【0029】
好適な中空木質合成材製造装置は、前記溶融部の領域にある成形ダイを上下から断熱板及び補強板で挟んで固定したものである。
【0030】
好適な中空木質合成材は、前記中空木質合成材製造方法、又は前記中空木質合成材製造装置により製造されたものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明のログハウス型構造物の実施形態及びログハウス型構造物を構成する木質合成材について図1〜図6を参照して説明する。
図1は本実施形態におけるログハウス型構造物10の分解斜視図で、板状の木質合成材11と、これと直交する同様な形状の木質合成材11を、直交状態で交差して交互に段重ねしてある。木質合成材11を段重ねする際に形成される隙間には、木質合成材11よりも薄肉の透光板材12を立設状態で介装させ、四方を囲む壁体を構成している。この壁体の上部には開閉式ドーム又はテントで構成された屋根部13を設置している。ログハウス型構造物10正面には、壁体と同じく木質合成材で一体的に成形された開閉又はスライド可能な扉部14を備えている。扉部14の左右には短尺の木質合成材15が配置されている。下部には内部に液体(例えば水など)を充填した樹脂タンクとして機能する木質合成材、プラスチック、金属等でできるログハウス基部16を平行に配置し、ログハウス基部16に直交状態に交差するように木質合成材11を並べて固定することで床部を構成し、上記の床部に壁体を重ね、壁体に屋根部13を重ねることで構造物を構成している。透光板材12により採光性やコスト削減効果を高めている。木質合成材11がリサイクル原料からなるものであるときには、木質合成材はコストが高くなるが、透光板材12がプラスチック製であって安価に製造できるので、全体の価格を削減できる。
ジョイント部材17は、木質合成材11の両端部に備えられた溝部21及び交差溝部22と嵌合孔23とに嵌合している。床部を構成する木質合成材11は、壁体と接する両端部分の2本においては嵌合孔23を上方に向け、中間にある残りの木質合成材11は横に倒して嵌合孔23を側面に向けて連設されている。また、屋根部13は開閉可能なテントであるため、ログハウス型構造物にて天体観測をする場合等に適している。屋根部13は木質合成材で構成してもよい。
【0032】
図2(a)(b)はログハウスの壁体を構成する木質合成材11を示し、この木質合成材11は長尺の断面四角形の中空構造である。木質合成材11の本体部の上下面の概ね中央位置には長手方向に延び出す凹状の溝部21と、溝部21の端部に形成され溝部21と直交して交差する交差溝部22と、溝部21と交差溝部22との交差部に形成され木質合成材11の両端部にそれぞれ形成される嵌合孔23とを備えている。溝部21及び交差溝部22の巾a〜a’は、透光板材12の横幅と実質的に等しいが嵌合のため若干広幅になっている。交差溝部22は木質合成材11両端から、木質合成材11の長さの所定比率に設定される(ここでは1/20)b〜b’の位置に夫々設けられている。また、木質合成材11の溝部21が、立設される透光板材12の上下端部と嵌合し、交差溝部22が透光板材12の左右端部と嵌合することにより透光板材12を挟み込んで固定している。図2(b)に示すように、長手方向に平行な点線は溝部21の深さを示し、長手方向に直交する点線は嵌合孔23の径を示している。図2(a)(b)に示すように交差溝部22は木質合成材11の全周に形成してあるが、全周の一部に形成されてもよい。木質合成材11はその中空部26内にウレタン発泡材25を充填し、強度や断熱性、防音効果を向上させている(図3(a)参照)。ウレタン発泡材25は熱可塑性でも熱硬化性でも構わないが、環境保全やリサイクルの観点からフロンによる発泡よりも水性発泡が好ましい。
【0033】
図1の円内に示す通り、ジョイント部材17は、嵌合孔23に嵌合する大きさに形成され中央に貫通穴31を有する円筒部をなしており、この円筒部の外周には、溝部21及び交差溝部22(図2参照)の夫々に嵌合する複数(ここでは4個)の突起32を備えている。突起32の鉛直方向の長さは、溝部21及び交差溝部22の深さより長く設けられ、溝部21及び交差溝部22の深さの2倍よりも短く設けられていることが好ましい。木質合成材11の嵌合孔23に嵌合されたジョイント部材17は段重ねした他の木質合成材11の嵌合孔23とも嵌合することで、木質合成材11同士の位置決め及び固定を行うことができる。このとき、4個の突起32は夫々溝部21及び交差溝部22に嵌合するよう直交して設けられているので、木質合成材11を直交状態で交差した場合にも位置決め及び固定を行い、木質合成材11同士のずれや回転を抑制する効果を発揮する。複数本(ここでは4本)の柱芯材35が嵌合孔23に嵌合するジョイント部材17に貫挿され、木質合成材11及びジョイント部材17の連結を強固にする構造としても良い。また、図1に示す通り、床部を構成する木質合成材11に嵌め込まれたジョイント部材17を床芯材37が貫通し固定することが好ましい。柱芯材35を分割して、相互にねじ等で結合するように構成してもよい。
【0034】
図3(a)(b)はログハウス型構造物10の壁体の構成を示し、木質合成材11a、木質合成材11c、木質合成材11e…は同様の形状であり、図3(b)に示すように、端部の対向する嵌合孔23同士を合致させ、これをジョイント部材17で連結しながら、直交方向に交差して段違いに重ねる構造である。図3(a)に示すように段重ねする平行な木質合成材11a,11c,11eの間隙には透光板材12b,12dを嵌合してある。木質合成材11aは、前述した通り、上下面に長手方向に延び出すように形成される単数又は複数の溝部21、両端部に溝部21と直交方向に交差する交差溝部22a、溝部21と交差溝部22との交叉部を中心に円状に設けられた嵌合孔23aとを形成してある。木質合成材11cも同様である。それらの溝部21b、交差溝部22b、及び嵌合孔23bは、夫々同じ方向に上下に配置される他の木質合成材の溝部21と交差溝部22によって透光板材12を嵌合させ固定し、木質合成材11と透光板材12とを縦方向に交互に積み上げることにより、ログハウス型の壁体を構成している。図3(a)に示すように木質合成材11a,11c,11eは、それぞれの上下面でその上下にある透光板材12b,12dの下上面とそれぞれ嵌合状態である。対向する嵌合孔23(図示略)に嵌合したジョイント部材17は、その突起32を溝部21、交差溝部22に嵌合すること、直交方向に交差する木質合成材11同士を位置決めし固定をしている。透光板材12は透明、又は半透明が好ましい。透光板材12を着色することで、装飾の自由度が高まる。透光板材12として用いられる材質はアクリル樹脂に限定されず、透光性の材質であるならばガラス等を用いる構成としても良い。透光板材12の面積は用途に応じて適宜決定できる。透光板材12を開閉可能なガラリとする構成としても良い。また、透光板材12は中実部材、中空部材のいずれでもよいが、中空部材とすればコスト削減に絶大な効果がある。例えば、強度面、コスト面からは中空押し出し成形された中空プラスチック板材、中空射出成形された中空プラスチック板材、プラスチック・ダンボール構造等が好ましい。これについては後述する他の実施形態で説明する。
【0035】
ログハウス型構造物10の組み立て方法を説明する。ログハウス基部16を配置し、ログハウス基部16に直交させて木質合成材11を配置する。両端の木質合成材11だけは嵌合孔23を上方に向け、その他は横方向に向け、横方向に床芯材37を嵌合孔23に貫通させナットで固定する。木質合成材11の嵌合孔23に柱芯材35を貫通させて、端部をナットで固定し起立させる。ジョイント部材17を嵌合孔23に嵌め込み、柱芯材35に木質合成材11及びジョイント部材17に貫通させながら、木質合成材11と透光板材12とを交互に嵌め込んで壁を組んでゆく。壁が天井部位まで達したら、柱芯材35の上端をナットで固定する。こうしてできた壁の上端に屋根部13を取り付ける。なお、木質合成材11、透光板材12及びジョイント部材17を組んでおき、後から柱芯材35を木質合成材11及びジョイント部材17に貫通させてもよい。
【0036】
図1〜図3に示すログハウス型構造物10は、木質合成材11と透光板材12とを組み合わせて、段重ねしているだけなので、ドライバー、ハンマー等の工具が必要なく、建築が容易であり、また木質合成材11は軽量である(本例では約8kg)ため、大人でも子供でも建築することが可能である。また木質合成材11に透光板材12を凹凸嵌合して壁体を構成するため、透光板材12から凸状に突出した木質合成材11を足がかりとして用いることが可能であり、脚立等を要することなくログハウス型構造物10を建築することが可能となる、木質合成材11、透光板材12、ジョイント部材17のみでログハウス型構造物10を構成しているため、部品を買い足すことで箱形状に限らず、L字形状、十字形状等のログハウス型構造物10を自在に建築することが可能であり、拡張性に富む等の効果を発揮する。
ログハウス型構造物10は上記のような構成であるため、家族全員が楽しみながら簡易に短時間に(大人一人で約3時間)建築することが可能であり、また拡張性に富むためログハウスに限らず、コンテナ、車庫、倉庫等、様々な用途に使用することが可能である。加えてログハウス型構造物10は地面に置いているだけなので、移動、撤去を容易に行うことが可能である。
【0037】
図4に示すのは実施形態1の変更例のログハウス型構造物50であり、実施形態1の番号に40番を加えた番号として説明を援用し、異なる要素についてのみ説明する。
本実施形態においては、実施形態1の屋根部材13に変えて、木質合成材51を壁体の両端部から、夫々壁体の一辺の長さの所定比率(例えば1/3)まで敷き詰め、中央の残りの部分に屋根開閉材58を備える屋根材57を設けている。その他の構造については実施形態1のログハウス型構造物10と同様であるので、詳しい説明は略す。
ログハウス型構造物50は実施形態1のログハウス型構造物10と同様の効果を有する。
【0038】
図5(a)〜(e)は木質合成材11の変更形態である木質合成材11J〜11Nを示す短手方向に切断した断面図である。説明は図1の木質合成材11と共通する部分については説明を援用する。図5(a)の木質合成材11Jは、実施形態1の木質合成材11と概ね同様の形状で押出し成型をしているが、角柱の形状で内部中央に対向する内壁を連結するリブ24Jを設けて方形の複数の中空部26Jに分割しており、上下端の内壁に突出部27Jを形成してある。この変更形態の木質合成材11Jを用いることによって、実施形態1の木質合成材11より高い強度を持つ木質合成材を提供することが可能となる。図5(b)(c)の木質合成材11K,11Lは、形状違いのものである。
【0039】
図5(d)(e)の木質合成材11M,11Nは、壁の各辺に所定個数の(図5(d)では横辺2個、縦辺3個ずつ、計10個、図5(e)では、横辺1個、縦辺2個ずつ、計6個)の空洞部28M,28Nを所定間隔又は適宜間隔で備えて押出し成型し、その後に上辺と下辺にそれぞれ貫通孔21M,21Nを設ける加工を行っている。貫通孔21M,21Nは空洞部28M,28Nを囲む2つの壁のうちの外側の壁に設けられている。貫通孔21M,21Nに透光板材12が嵌め込まれる。これにより、リブ及び/又は発泡材をなくしても強度が低下しない効果、製造工程を簡素化できる効果がある。壁面の中空率は15〜40%が好ましく、特に20〜30%の範囲が好適である。材全体の中空率は50〜70%が好ましく、特に55〜65%の範囲が好適である。
【0040】
図6はログハウス型構造物10の変形例である。各図(a)〜(d)において上段は平面図、下段は正面図を示す。図6(a)はロング型のログハウス型構造物10A、図6(b)は平面視でL字型のログハウス型構造物10B、図6(c)は滑り台19C付のログハウス型構造物10C、図6(d)は平面視で十字型のログハウス型構造物10Dを示すものである。
【0041】
図7は実施形態2のログハウス型構造物110の外観斜視図で、木質合成材111と、これと直交する同様な形状の木質合成材111とを直交状態で交差して交互に段違いに重ね、隙間に透光板材112を嵌め込むことで壁体を構成し、この壁体で四方を囲み、その上部に壁体と同じく木質合成材で一体的に成形された屋根部113を設置することで家を構成している。
ログハウス型構造物110の天井には屋根部113を、正面には壁体と同じく木質合成材で一体的に成形された扉部114を、ログハウス型構造物110側面には窓部118をそれぞれ備えている。
【0042】
図8はログハウス型構造物110の壁体の構成を示し、同様の構造の木質合成材111を直交して交差して嵌合しログハウス型構造をなすものである。木質合成材111は垂直方向に対して整列させてその上端部と下端部に上側交差嵌合部121と下側交差嵌合部122をそれぞれ形成している。上側交差嵌合部121を他の木質合成材111の下側交差嵌合部122とを互いに嵌め合わせるとともに、下側交差嵌合部122を他の木質合成材111の上側交差嵌合部121とを互いに嵌め合わせ可能な構造である。
【0043】
図9で示すものは、上側交差嵌合部121と下側交差嵌合部122を形成する前の段階の木質合成材である。リブ124は左右方向に延在し内壁と連結している。木質合成材111は、短手方向の縦断面において複数列(本例では3列)の格子状の断面を有する枠体を備え、格子の発泡体の充填部分は長手方向に延び出しており、それぞれ互いにリブ124で分離されている。
【0044】
図10は木質合成材111を短手方向に切断した断面斜視図を示し、上側交差嵌合部121及び下側交差嵌合部122は、木質合成材111の長手方向と直交する短手方向に所定数の格子(ここでは1つの格子分)を上下に切り欠いて2個のリブ124を残した状態で所定形状の角形の溝126及び127を形成したものであり、発泡材が外部に露呈する短手方向にある一対の断面128と、木質合成材が露呈する長手方向に延び出す水平面129が形成されている。木質合成材111は、下面に長手方向に延び出す単数又は複数の溝部131と、上面中央部に長手方向に備える突条部132とを形成してある。それらの溝部131と突条部132とは、それぞれ、同じ方向に上下に配置される他の木質合成材の溝部と突条部とにそれぞれ嵌合し、木質合成材が縦方向に積み上げられることにより、ログハウス型の壁体を構成している。木質合成材111は、それぞれの上下面で上下にある木質合成材119の下上面と嵌合状態である。本体部の上面に突条部132、下面に溝部131を夫々備え、木質合成材111の内部はリブ124によって幾つかの(図では3つ)中空部に分割されており、その中空部内にウレタン発泡材125を充填することで、木質合成材111の強度や断熱性を向上させている。ウレタン発泡材125は熱可塑性でも熱硬化性でも構わないが、環境保全やリサイクルの観点からフロンによる発泡よりも水性発泡が好ましい。木質合成材111の本体部端部付近の上下には凹状の交差嵌合部121及び122を備えており、ここで、交差嵌合部121の巾a〜a’は、木質合成材111の横幅c〜c’と実質的に等しいが、横幅c〜c’は巾a〜a’より若干狭くされる。また、交差嵌合部121及び122の切り込みの深さa〜b、a’〜b’は、上面又は下面から、木質合成材111内部のリブ124表面までの深さd〜d’に実質的に等しい。木質合成材111の交差嵌合部121,122が他の木質合成材の交差嵌合部と交差して交互に好適に嵌合させるためである。
【0045】
木質合成材111と他の木質合成材111との交差嵌合部の中心に夫々連通する貫通穴を設け、この貫通穴に鉄芯を通すことで木質合成材同士をより強固に結合する構成としても良い。
【0046】
木質合成材111の前端面は木質合成材からなる薄板状のカバー部材133(図8参照)が形成されているが、図7はカバー部材133を取り外した状態の前端面を示す。
【0047】
図8、図10に示す通り、長尺の木質合成材111の端部間に短尺の木質合成材119が配置されている。これは透光板材112を長尺の木質合成材111の間に配置させるようにするとともに構造の補強のためである。
【0048】
更に、図8〜図10に示す通り、木質合成材111の上面及び下面に形成される溝部131と突条部132の側部領域にそれらと平行(長手方向)に溝部135及び136が形成されている。この溝部135及び136のそれぞれに透光板材112の上下端部を垂直状態で嵌合させることができる。実施形態1の交差溝部22のように、木質合成材111の横側にも溝部を形成しても良い。
【0049】
実施形態2のログハウス型構造物110の組み立て方法を説明する。図示せぬ床部を配置し、この上に、木質合成材111と木質合成材119の上側交差嵌合部121と下側交差嵌合部122とを互い違いに嵌合させ、木質合成材111及び119と透光板材112とを交互に交差させて嵌め込みながら組み立ててゆく。このとき構造体の強度を高めるため交差部分に柱芯材を貫通させ固定することが好ましい。
【0050】
図11は実施形態の変形例のログハウス型構造物110´の断面図であり、番号は対応する実施形態2の部品番号に´を付してあるが、透光板材112´を複数の中空部112a´を有する中空構造とするものである。
なお、上述の実施形態2と変形例において、透光板材112,112’は溝135,135’に嵌め込んだが、これに代えて、透光板材112,112’を溝部131と突条部132に嵌め込み可能な嵌合部を備える構造としてもよい。具体的には透光板材112,112’の上端が凸部、下端が凹部を備えたものであり、凸部が溝部131に、凹部が突条部132に嵌合する構造である。
【0051】
図12は物置とするログハウス構造物160であり、前扉174を備えている例である。図13は車庫とするログハウス構造物180であり、シャッタ194を備えている例である。この実施例においては、木質合成材の長さが長いため、透光板のみでは支えきれず木質合成材が撓む可能性があるので、木質合成材の間に透光板と同じ高さで木質合成材と同じ厚みの木質合成材185を嵌め込んで補強している。
【0052】
図14及び図15は実施形態3のログハウス型構造物210の壁体構成を示し、実施形態2と同様の構造であるので、共通する要素は概ね200番台とし、異なる構造を説明する。木質合成材211と219とは長さは異なるが共通の構造を有し、直交して交差して嵌合するものである。木質合成材211及び219は上側交差嵌合部221と下側交差嵌合部222とを互いに嵌め合い可能な構造とするように垂直方向に対して整列させてその上端部と下端部にそれぞれ形成している。木質合成材211及び219は、その内部がリブ224によって複数の(図では12個)中空部に分割されており、その中空部内にウレタン発泡材225を充填し、強度や断熱性を向上させている。リブ224は木質合成材211及び219の中空部で上下左右に延在し内壁と接続されており、短手方向の縦断面において4行3列の格子状の断面を有する枠体となっており、格子の発泡体の充填部分は長手方向に延び出しており、それぞれ互いにリブ224で分離されている。上側交差嵌合部221は、木質合成材211及び219の長手方向と直交する短手方向に所定数の格子(ここでは1つの格子分)を切り欠いてリブ224を残した状態で所定形状の一対の角形の溝226を形成したものであり、中央部の左右に長手方向に延びる短手方向の縦断面が角形の梁部227を残し、発泡材が外部に露呈する短手方向の一対の断面228と、木質合成材が露呈する長手方向に延び出す水平面229と垂直面230とが形成されている。下側交差嵌合部122は、他の木質合成材の上側交差嵌合部と凹凸嵌合する構造であり、木質合成材211及び219の長手方向と直交する短手方向に所定形状の凸形状断面を形成したものである。木質合成材211及び219は、下面に長手方向に延び出す複数の溝部241と、上面中央部に長手方向に備える突条部242とを形成してある。突条部242と溝部241は、それぞれ、同じ方向に上下に配置される他の木質合成材の溝部と突条部とにそれぞれ嵌合し、木質合成材が縦方向に積み上げられることにより、ログハウス型の壁体を構成している。木質合成材211及び219は、それぞれの上下面で上下にある木質合成材219の下上面と嵌合状態である。中空部212aを有する透光板材212は実施形態2と同様に嵌め込まれるので詳細は実施形態2の説明を援用する。透光板材212の上下端部は木質合成材211の溝部235に嵌め込まれる(図15点線参照)。
【0053】
図15に示す通り、上側交差嵌合部221の巾a〜a’は、横幅c〜c’と実質的に等しく、また、上側交差嵌合部221の切り込みの深さa〜b,a’〜b’は、下側交差嵌合部222の溝部の上側凸溝部の高さd〜d’、下側凸溝部e〜e’と実質的に等しい。木質合成材211の交差嵌合部221と222とが交差して嵌合するためである。
【0054】
実施形態3のログハウス型構造物210の組立方法は、実施形態2のログハウス型構造物110と同様である。
【0055】
図16は実施形態4のログハウス型構造物250の壁体構成を示すが、このログハウス型構造物250は、実施形態2、3と概ね同様の構造であるので、共通する要素は実施形態3の番号に40番を加えた番号として説明を援用し、異なる構造を説明する。このログハウス型構造物250は前記実施形態の透光板材112、212を、1枚押出板構造とする中空部252aを有する透光板材252を備えている。各木質合成材251の縦方向に貫通孔275を形成し、透光板材252をこの貫通孔275に挿通させたものである。透光板材252は、プラスチック製の中空の透光板材の成形は押し出し成形でも射出成形でもよい。主に、ポリプロピレン、ポリカーボネートを主原料とした一体押出中空構造パネルが好ましく、例えば、宇部日東化成株式会社のダンプレートと指称される熱可塑性樹脂製中空プレート(特開平6−99516号参照)、ツインパネルPCと指称されるポリカーボネート製の熱可塑性樹脂製中空プレートが好ましい。
【0056】
実施形態4のログハウス型構造物250の組み立て方法は、第2、第3実施形態と同様であるが、を交差して嵌合させ組み立てた後に、透光板材252を貫通孔275に差し込むことになる。
【0057】
その他の木質合成材の例としては、図示は略すが、断面角形ではなく丸太型に押出し成形される例、ウレタン発泡材の全部又は一部を発泡コンクリートとする例、リブを縦方向に配置する例、中央中空部にウレタン発泡材を充填し、その上下にある中空部に発泡コンクリートを充填する例、中央中空部にウレタン発泡材を充填し、その左右中空部に発泡コンクリートを充填する例、中央中空部に発泡コンクリートを充填し、その左右中空部にウレタン発泡材を充填する例、中空部内の全部又は一部を空洞にする例、中空部内に天然木材を差し込む例(例えば、木質合成材内部は、端面に直交して伸びるリブによって仕切られた幾つかの(例では3つ)中空部を形成し、中央中空部に柱状に加工した天然木を挿し入れることで木質合成材を補強し、その左右中空部にウレタン発泡材を注入することで、より軽量化され、また従来の構造体としてもできる例)、発泡材を充填する代わりに板状発泡スチロールを中空部に挿入する例などが挙げられる。
【0058】
図17は中空木質合成材111に発泡材281を注入する工程を示したもので、リブ124で仕切られた中空部に発泡体注入チューブ286を挿入し、ウレタン発泡材281を注入しながら、中空部の出口方向へと後退することで、中空部内にウレタン発泡材281を充填する。
【0059】
図18は木質合成材151を用いた間仕切り板290について示したもので、Cチャネル291を天井292、床293に夫々貼設し、間仕切り板290を垂直に固定するものである。
【0060】
以下、中空木質合成材の製造について説明する。
尚、本実施形態にあっては、一例として、セルロース系破砕物と熱可塑性樹脂を加熱・混練して得られた混練物を、冷却・固化して所定の粒径に粉砕したもの(本明細書において「木質合成粉」という。)を原料として成る中空木質合成材の製造について説明する。
【0061】
〔木質合成粉〕
本実施形態で用いる木質合成粉の原料となるセルロース系破砕物たる木粉は、熱可塑性樹脂成形材とのなじみを良好にすると共に、成形押出し時における摩擦抵抗を減じ、成形機の損耗、毀損の防止を図るべく、その粒径を50〜300メッシュ、好ましくは60(篩下)〜150(篩上)メッシュの微細な粉末状とする。また、成形時における木酸ガスを揮散し、水蒸気あるいは気泡発生のおそれをなくし、表面の肌荒れを防止する意図 から、木粉の乾燥前においてその含有水分量を15重量%以下、好ましくは11重量%以下、理想的には0〜5重量%以下、特に好ましくは0〜0.3重量%以下とする。
【0062】
尚、かかる木粉の特性をさらに向上させるため、尿素系樹脂接着剤に木材チップ等の素材を浸漬あるいはこれに添加し、加熱硬化した後に破砕、微粉末化することが可能である。
【0063】
また、熱可塑性樹脂成形材としては、廃棄された各種の樹脂成形品をそのまま、もしくは表面樹脂塗膜を形成した樹脂成形品を複数の各小片に破砕し、これに圧縮研削作用等を付加して樹脂塗膜を研削、剥離することにより素材化した、PVC、PET、PP等の樹脂を用いることができる。
【0064】
使用目的に応じて、顔料を添加し、製品に着色することもできる。
【0065】
そして、木粉乾燥後、含有水分量3重量%以下、好ましくは0.3重量%以下、平均粒径20メッシュ以下のセルロース系破砕物20〜75重量%、好ましくは40〜60重量%に対して熱可塑性樹脂成形材25〜85重量%、好ましくは60〜40重量%をともに攪拌衝撃翼により混合、ゲル化混練し、ゲル化した混練材料を冷却して、さらに粒径8mm以下に整粒して得た木質合成粉を用いることにより、木粉の摩擦抵抗を減じ得る良好な混練状態の生地が形成される。
【0066】
本実施形態において用いる木質合成粉は、一例として下記のように製造される。
【0067】
(1)乾燥工程
熱源(ボイラー熱、電気熱、ヒーター熱等)を使用することなく、回転の衝撃によるせん断発熱を利用して水分を木粉からたたき出す乾燥方法である。水分除去に必要な時間は約15分である。一例としてミキサーを用い、セルロース系破砕物である木粉を乾燥させる。ミキサーの攪拌衝撃翼を回転させ剪断発熱が生じることによってミキサー内の温度が上昇し、これによりミキサーに投入された木粉が乾燥される。本実施形態にあっては、投入された木粉の含有水分量が0重量%となるように乾燥する。木粉は50〜250μmが好ましい。水分は0〜0.3重量%に乾燥することが好ましい。方法はミキサーを回転させて水分を除く。
【0068】
また、顔料等として酸化チタン等を添加する場合には、この乾燥工程において前記木粉と共にミキサー内にこれを投入する。顔料の種類は、無機、有機を問わない。顔料の重量比率は、顔料の種類により異なる。例えば、木粉100重量%に対して10重量%前後の白酸化チタンを投入する。木粉のみに着色し、熱可塑性樹脂を着色しないので、木粉の変色を防ぐことができる。木粉で紫外線を防ぎ、劣化を少なくすることができる。
【0069】
(2)溶融・混練工程
木粉と熱可塑性樹脂を混合・溶融し、一体化する。高速回転翼による発熱で木粉とプラスチックとを溶融し、分子レベルで一体化する。重量比率は、顔料と木粉の混合体40〜60重量%に、着色しない熱可塑性樹脂成形材60〜40重量%(例えばPP)である。熱可塑性樹脂は、溶融混合して顆粒状ペレットとする。溶融機ミキサーの回転数は、850〜900rpm、温度は180〜190℃である。混合・溶融する熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、塩化ビニル樹脂(PVC)等が好ましい。
【0070】
例えば、乾燥前の木粉55重量%に対して、熱可塑性樹脂成形材としてPP45重量%を前記ミキサー内に投入し、さらに攪拌加圧する。熱可塑性樹脂成形材の形態は、本実施形態では直径3mm程度の大きさの粒状からなるペレットを使用している。
【0071】
熱可塑性樹脂成形材は、熱可塑性合成樹脂製品の廃材から得られた回収熱可塑性樹脂、バージンの熱可塑性樹脂、あるいはバージンの熱可塑性樹脂と前記回収熱可塑性樹脂をそれぞれ、例えば50重量%ずつ用いることもできる。
【0072】
この工程においては、原材料内の木粉によりPPは大きな塊とはならず、直径約10〜100mmの粘土状にゲル化した「混練材料」が形成される。
【0073】
(3)冷却・造粒(整粒)工程
本工程では、一例として前述の混練材料の冷却と造粒とを同時に行うことができる、所謂クーリングミキサーを用いる。前工程において形成された混練材料はクーリングミキサーヘ投入され、冷却水により冷却されたミキサー本体内周壁面で冷却され、直径約25mm以下に造粒された「造粒原料」が形成される。
【0074】
前記工程で形成された造粒原料は、さらに必要に応じてカッタミルを使用して粒径8mm以下に整粒することで、ペレット状の「木質合成粉」となる。なお、整粒工程は必ずしも必要ではなく、前述の冷却・造粒工程により得られる造粒物のサイズによってはこれを省略することもできる。
【0075】
木粉と熱可塑性樹脂成形材との混合、分散状態を定常的に維持し、良好なる流動性を有すると共に、冷却による凝縮、縮小作用とも相まって、化学的な反応や接着によらない木質合成粉が形成される。
【0076】
(4)成形工程
図19乃至図29に示す押出成形装置301に木質合成粉(顆粒状ペレット)を投入し、木粉が高濃度で混合されたものを高粘度の状態に溶融させ、押出成形装置301で高圧力で押出し、金型の中に押し込み、高圧力で押し固めながら中空木質合成材329を押し出す。粘度が高いので、前方への圧力が加えられた状態で押し出す。粘度が高いほど流れが早いチクソトロピーの原理を応用している。押出成形装置301の詳細は後述する。金型の中にフッ素樹脂シート350’を設け、フッ素樹脂シート350’の表面に凹凸をつけ、金型の中にフッ素樹脂シート350’を貼り、高圧力を加えて中空木質合成材329の表面に熱可塑性樹脂の凹凸の或る(溝の或る)表面等を作り中空形状の製品を作る。このフッ素樹脂シート350’は、アラミド繊維の織布にフッ素樹脂分散液を含浸、乾燥、焼成したシートである。そのためシートの表面には、アラミド繊維の織り目が格子状等の所定形状に現われている(図28(a)及び(b)参照)。このようにして製造された木質中空合成材329を図29に示す。寸法例は、幅152mm×高さ77mmで、長さは2850mmである。角形の外郭329aと、外郭329a内部領域に形成された、押出し方向に延び出す中空部329bが形成されている。縦方向の厚み代は5mm、横方向に厚み代は4mm(両端部のみ厚くなっている)。
【0077】
(5)サンディング工程
前記の通り成形された中空木質合成材329の着色してない熱可塑性樹脂の溝を備えた表皮層が形成されるので、その表皮層をサンディングペーパー(度数40〜180)で研磨して除去する。図29中、一点鎖線は削り代(図では1mm)である。表皮層は溝の部分まですべて削ることが好ましい。中空木質合成材329の表皮層に小さい溝をつけたので、表面のサンディングが容易になる。着色してない熱可塑性樹脂の表皮層を除去することで、色を表面に出すことができ独特の木質感、自然感を出すことができる。木粉の表面を着色しているので、木粉の変色を防ぐことができる。
【0078】
このような中空木質合成材329の表皮層の研磨は、樹脂素材の密となっている部分の研磨を意図したものである。木粉を混入した樹脂成形板に於いては樹脂が成形物の表面部分に滲み出し、この表面部分に樹脂素材の密部分を作り出す。このような樹脂素材の密部分は、着色されていないので、この表面部分のサンディングは独特の色調を創出することに意味がある。
【0079】
〔押出成形装置〕
図19〜図29に示す通り、前記木質合成粉を中空木質合成材329に成形する本発明の押出成形装置301は、押出機370と、この押出機370により吐出された押出し生地379を所定形状に成形する成形ダイ310とを備えている。成形ダイ310は、フランジ317及び押出ダイ319より成る連結手段330を介して押出機370に連結されている。
【0080】
(1)押出機
図19において、370は前述の押出成形装置301を構成する押出機である。一般に押出機370はスクリュ型で単軸押出成形装置と多軸押出成形装置があり、この変形又はこれらが組み合わさった構造を持つものがあるが、本発明ではいずれの押出成形装置も使用することができる。
【0081】
371はスクリュで、図19に示す実施形態にあっては単軸型であり、このスクリュ371はギヤ減速機372を介して図示せざるモータによって駆動され、バレル374内で回転する。ホッパ373から投入された木質合成粉は、このスクリュ371の回転によって混練されながら前方へと押出される。
【0082】
バレル374の外面にはバンドヒータ375を設けており、このバンドヒータ375によりバレル374内で木質合成粉が加熱され、スクリュ371の溝に沿って前方へ搬送されながら漸次溶融・練成される。
【0083】
(2)連結手段
押出機370により溶融・練成された木質合成粉は、フランジ317及び押出ダイ319から成る連結手段を介して成形ダイ310へ押出し生地379として押出される。
【0084】
図19及び図20において、バレル374先端には押出ダイ319が連結されており、本実施形態にあっては、この押出ダイ319は、バレル374の出口側の後端面に直径65mmの円形を成す流入口313、成形ダイ側の先端面に幅65mm、高さ25mmの略小判形状を成す射出口315を備えており、押出ダイ319内には、流入口313から射出口315に向けて徐々に小径に断面変形する連通孔が形成されている。もっとも、この押出ダイ319は押出機370の大きさに応じて種々の大きさに形成できる。
【0085】
押出ダイ319の先端には、フランジ317が取り付けられている。このフランジ317は、図21に示す通り、押出ダイ319の射出口315と同形状の流入口316と、幅150.0mm、高さ37.6mmの方形の射出口318を備えており、フランジ317内には流入口316から射出口318にかけて徐々に大径に断面変形する連通孔317aが形成されている。317bは貫通穴、317cは通し穴である。
【0086】
フランジ317や押出ダイ319の周壁内に加熱手段たるヒ一タ(図示せず)を取り付けても良い。ヒータにより、押出機370より押し出された押出し生地379は、押出ダイ319及びフランジ317から連通孔を経る際にも加熱保温されるので、押出ダイ319から成形ダイ310内へ流動する押出生地379の流動状態が良好となる。
【0087】
しかも、押出ダイ319は、通常の一般的なダイとは異なり射出口315が大きいため、多量の溶融原料(本実施形態にあっては木質合成粉)を吐出することができ、且つ圧密を促進することが可能な形状に形成されているので、通常の押出ダイで生じていたようなダイの目詰まりが生じない。
【0088】
(3)成形ダイ
図19〜図20において、310は成形ダイであり、上記連結手段を介して押出機370より押し出された押出し生地379が導入される。図22に示す成形ダイ310の内側上下面は、図23に示すプレート311が固定され、このプレート311が成形ダイ310の内壁を構成し、その内部に中子体340が収容されている。成形ダイ310は、導入された押出し生地379を加熱する溶融部321a及び溶融部321aから押し出された押出生地379を徐冷する徐冷部321bから成る成形室322と、押出し生地379に中空部を形成する中子体340を備えている。成形ダイ310は、一例として、幅1080mm、高さ241.6mmの矩形状の断面を成し、成形室322の入口から出口までの距離は1000mmとする。
【0089】
本実施形態にあっては、溶融部321aは、フランジ317の射出口318と同形状の入口から徐々に広がってゆき、押出し生地379が成形ダイ310内部で滞留することなく、円滑に横方向に広がることができるように形成されている。溶融部321aの入口と同形状の断面形状を成す徐冷部321bが形成され、成形室322が押出し方向に一定の断面形状に形成されている。
【0090】
成形室322は、冷却手段をそれぞれ備える上下2枚の金属板をその間の両側縁に配置した一対の金属製のスペーサを介装させて、サンドイッチ構造で形成された内部を構成するものである。成形室322は、断面方形に形成したものである。スペーサの交換により任意の目的とする成形板の肉厚が得られるように調整する。一対のスペーサは平面視で、中子体340の両側に配置されたものである。スペーサの基部は入口側空隙面積が減少されるようにせり出している。スペーサは板状であって、平面視でカーブした内側面を備え、基端面は端面と直交しており、略三角形のせり出し部を形成している。
【0091】
図20において、314はヒータで、電熱ヒータ等の加熱手段から成り、押出し生地379を加熱保温し、押出し生地379の流動性を維持するため、溶融部321aの上下に等間隔で挿通して配管設置されている。
【0092】
また、図20に示す通り、325は冷却管で、成形室322の徐冷部321bを冷却する冷却手段の一例を示すもので、この冷却管325に冷却液を供給して成形室322内の押出し生地379をその外側から冷却する。この冷却管は、成形ダイ出口の方向に向けて約2分の1を占める徐冷部321bに、等間隔で挿通して配管設置されている。なお、冷却管325の間隔を次第に狭くするように設けることもでき、あるいは冷却管325を成形ダイ310の外壁に配設することもできるが、成形室322内の押出し生地379を冷却できればよいので、この構造に限定されない。
【0093】
図24に示す複数の取付穴326aが形成された断熱板326と、図25に示す複数の取付穴327aが形成された補強板327が形成されている。断熱板326を設けたのは、熱損失を防止するためである。補強板327は、溶融部321aの上下領域に設けることが好ましい。補強板327を設けたのは、内部にかかる押出し生地379の圧力で成形ダイ310の変形又は破損を防止するためである。断熱板326は、補強板327と成形ダイ310の間に介装されることが好ましい。補強板327の厚みは断熱板326の厚みより大きいことが好ましい。断熱板326の大きさは、幅1080mm×高さ20mm×長さ615mmである。補強板327の大きさは幅1080mm×高さ61.2mm×長さ615mmである。成形ダイ310に断熱板326及び補強板327を加えた高さは404mmである。
図示は略すが熱電対が断熱板326及び補強板327に貫設され、ヒータ314の温度を計測可能になっている。
【0094】
図20、図26に示す中子体340は、中空木質合成材329内に形成される中空部の断面形状と略同様の断面形状を有し、成形ダイ310の溶融部321aから成形ダイ出口側に向かって押出し生地379の押出方向と略平行に突出する棒状部材348により構成されている。基部344(図20参照)は、棒状部材348を固着するものである。基部344はガイドブロックの形状と構造であり、板材に少なくとも2個の上下に突出する突出部(例えば円柱形)を間隔を置いて備え、板材が押出し方向に尖っており、後端は丸くなっている。
【0095】
本実施形態にあっては、棒状部材348は、図26(a)〜(c)に示すように構成されている。図26(a)に示す通り、棒状部材348は長さを755mmとし、成形ダイ310の入口側で円弧状になるように配置されている。これは成形ダイ310内に入ってきた押出し生地379との間に生じる摩擦抵抗を緩和し、押出し生地379が端部まで円滑に広がり易くするためである。
【0096】
前記棒状部材348は、前記溶融部321aから押出し生地379の押出方向に平行に突出して少なくとも前記徐冷部321bに延長している。
【0097】
また、本実施形態にあっては、前記棒状部材348は、成形ダイ310の入口側、すなわち押出し生地379の押出方向上流側端部の両角部が平面において丸められており、且つ、図20に示すように縦断面において半円弧状に膨出した、全体として丸みを帯びた形状に形成され、押出し生地379との間に生じる摩擦抵抗を緩和するよう形成されている。
【0098】
棒状部材348は、中空木質合成材329内に形成する中空部の数に応じて適宜数とすることができ、断面形状も中空木質合成材329に形成する中空部の形状に応じて種々の形状を採ることが可能である。
【0099】
中子体340は、棒状部材348が個々に独立して形成されていることから、該棒状部材348間に形成される間隙の上流において、押出し生地379導入の妨げとなるものは存在せず、該間隙に押出し生地379を円滑に流動させることが可能となる。従って、前記間隙内での押出し生地379の密度を高め、押出し生地379の不足によるリブの未形成等を効果的に防止することが可能となり、成形速度を上昇させた場合であっても、高品質の中空木質合成材を成形することができる。
【0100】
前記棒状部材348は、前記成形ダイ310入口側において基部344と一体的に形成されている。本実施形態にあっては、前記基部344は、図20に示すように二つの凸部を有しており、該二つの凸部を成形ダイ310内壁面に設けられた凹部とそれぞれ成合させることにより、基部344と一体的に形成されている棒状部材348を平行な状態に維持したまま、前記成形ダイ310の溶融部321aの上下内壁に固着している。
【0101】
基部344は、平面において、棒状部材348と同様、押出し生地379の押出方向上流側端部の両角部が丸められており、且つ、押出方向下流側端部に向かってその幅を狭める略流線形に形成されており、溶融部321aを流れる押出し生地379が抵抗無く流れるよう構成されている。
【0102】
棒状部材348は、成形ダイ310の溶融部321aから成形ダイ出口側に向かって、その矩形状の断面を僅かに狭めるテーパー状を成しており、従って成形ダイ出口方向に向かって中空木質合成材329を押出し易い形状に構成されている。
【0103】
この基部344を固着する成形ダイ310の上部内壁面には、成形ダイ310の壁面を貫通して、水、油等の液体、空気、その他のガス等の冷却媒体を供給する図示せざる冷却媒体の供給源と連通された導入路341が形成されており、この冷却媒体の導入路341が成形ダイ310の壁面及び基部344を貫通して溶融部321aにおける中子体340の棒状部材348に至り、徐冷部321bにおいて棒状部材348内に形成された後述の冷却媒体の流路342に連通している。
【0104】
棒状部材348内に形成された冷却媒体の導入路341は、断熱材343にて包囲されており、導入路341内を通過する冷却媒体が該部において押出し生地を冷却することを防止すると共に、冷却媒体の温度を保ち、後述の冷却媒体の流路342に冷却媒体が導入されたときの冷却効果の向上を図っている。
【0105】
本実施形態にあっては、外周に断熱材としてミオレックスPMX−575(菱電化成)を配置した直径4mmの金属製パイプにて成形ダイ310の壁面、基部344及び中子体340を貫通し、これを冷却媒体の導入路341としている。
【0106】
本実施形態にあっては、流路342は、一端において前述のように冷却媒体の導入路341に連通し、他端を中子体340の端部(成形ダイ310の出口方向)において開口するものとする。流路342内に導入された冷却媒体は、棒状部材348内に形成された流路342及び中空木質合成材329内に形成された中空部を通過するときに押出し生地379及び中空木質合成材329を内部より徐冷する。
【0107】
尚、前記流路342は、前述の構成に代えて、例えば徐冷部321bの棒状部材348内において成形ダイ310の出口側の端部で連通する二重管構造とし、この一方を冷却媒体の導入源に連通すると共に、他方を冷却媒体の排出口に連通して、冷却媒体である例えば冷却水や冷却油が、中子体340内を循環するよう構成しても良く、押出し生地379を内側より徐冷し得る構成であれば導入される冷却媒体の種類、その他各種の条件の変更にしたがって種々の設計変更が可能である。
【0108】
成形ダイ310の内壁面は、フッ素樹脂により被覆されていることが好ましい。このフッ素樹脂の被覆方法としては、フッ素樹脂を直接表面にコーティングすることによって行っても良いが、交換が容易であり且つ耐久性に富むという点で、母材となるシートにフッ素樹脂をコーティングしたフッ素樹脂シート350’の貼設により行うことが好ましい。
【0109】
フッ素樹脂シート350’は、成形室322の上下の内壁面、すなわち中空木質合成材329の表裏面を形成する面に相当する内壁面のみに施すこともできるが、成形室322の上下左右の内壁面全体に一連に貼設することが好ましい。
【0110】
成形ダイ310内壁面に貼設するフッ素樹脂シート350’としては、ガラス繊維の織物を母材とし、これにフッ素樹脂をコーティングしたもの(以下、本明細書において「ガラス繊維フッ素樹脂シート」という。)等を使用することもできるが、後述するフッ素樹脂分散液を含浸させ、乾燥、焼成して成るアラミド繊維の織布(以下、本明細書において「アラミド繊維フッ素樹脂シート」という。)を用いることが好ましい。前記収容体350を形成するフッ素樹脂シート350’としては、収容体350として形成しうるものであれば如何なるものであってもよい。
【0111】
前記成形ダイ310内壁面と同様、押出し生地379との摩擦を緩和するため、前記中子体340の棒状部材348をフッ素樹脂シート350’の収容体350にて個々に被覆するか又は中子体340の全部又は一部(基端部が好ましい)を被覆することが好ましい。収容体350は、着脱・交換が容易であると共に、立体形状の中子体340に対しての使用に好適である。
【0112】
このアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の母材を構成するアラミド(全芳香族ポリアミド)は耐熱性に優れ、高強度、高ヤング率であるため強化材としても使用されており、図28の通り、このアラミド繊維の織布を母材とする該フッ素樹脂シート350’は、立体形状である中子体340に取り付けて使用するに適した柔軟性と耐屈曲特性を有すると共に、高い引張り強さを備えることから長期間の使用にも耐え得るものとなっている。
【0113】
該アラミド繊維フッ素樹脂シート350’に用いられるフッ素樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標)TFE;デュポン社)、フッ化エチレン−プロピレンコポリマ(テフロン(登録商標)FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン(テフロン(登録商標)CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(テフロン(登録商標)VdF)等が挙げられる。
【0114】
尚、本実施形態にあっては、前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’として、本多産業(株)製のライナーベルト用フッ素樹脂コーティングシート「マックスライナーベルト」(HAS−P506)を用いている。
【0115】
前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’の収容体350による被覆は、押出し生地379との摩擦を緩和すべく、前記棒状部材348のうち、少なくとも押出し生地379の押出方向上流側端部において行なうが、棒状部材348全体に対して行なってもよく、本実施形態にあっては、溶融部321a内における棒状部材348全体について被覆する。
【0116】
前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’は、柔軟性と耐屈曲特性を有するため、これを縫着、接着等して接合することによって、一例として図27に示すような袋状体353の収容体350を形成することができる。
【0117】
アラミド繊椎フッ素樹脂シート350’の袋状体353は、例えば図27(A)〜図27(C)に示すように、一枚の略矩形状のアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の長辺b,dを、向かい合う短辺a,cが重なり合うよう中央X−X線で折り返し、この折り返しにより辺b及び辺dがX−X線を中心に二分されることによりそれぞれ形成された辺b’と辺b’’,辺d’と辺d’’とを、それぞれ図27(B)に破線で示す縫着線に沿って縫着した後、縫い目が内側となるよう裏返すことによって形成することができる。
【0118】
尚、前述の形成法に代えて、図27(A)のX−X線において分割されている二枚の略矩形状のシートを使用してもよく、この場合には辺aと辺cを除く3辺を同様に縫着する。
【0119】
前記棒状部材348の形状に対応する、一辺の開口した袋状体353の収容体350を形成し、この袋状体353を成形ダイ310の入口側から押出し生地379の押出方向に向かって中子体340の棒状部材348へ被せることにより、前記棒状部材348をアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の収容体350で被覆することができる。
【0120】
本実施形態の中子体340は棒状部材348が独立して形成されているため、従来の結合部を有する中子体340と比較して、前記フッ素樹脂シート350’の収容体350による被覆を個々に行なうことが可能となると共に、その着脱も容易となる。
【0121】
また、前記フッ素樹脂シート350’の袋状体353の長さを変更することにより、棒状部材348を被覆する長さを容易に調整することができる。
【0122】
本実施形態にあっては、前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’の袋状体353の収容体350が被覆するのは溶融部321a内における棒状部材348であって、押出し生地379は該溶融部321aにおいては冷却されず溶融状態を維持しているため、押出し生地379と接触する袋状体353の表面がこの縫い目により多少凹凸を有していても、この凹凸は最終的に得られる中空木質合成材329の形状に影響を与えない。
【0123】
尚、前記棒状部材348と一体的に形成されて成る基部344の側面についても、前記アラミド繊維フッ素樹脂シート350’の収容体350を被覆してもよい。これにより、基部344平面の略流線形状と相侯って押出し生地379を抵抗無く流動させることができる。
【0124】
次に変更形態の中子体440及びアラミド繊維フッ素樹脂シート450’を図30乃至図32を参照し説明する。対応する構成要素は400番台とし、共通する構成は説明を援用する。
【0125】
中子体440のように、棒状部材448を成形ダイ410の溶融部421a内で結合する結合部445が設けられている場合には、棒状部材448間に形成される間隙の上流がこの結合部445において閉ざされているため、この結合部445の存在が、中空木質合成材329を形成する成形ダイ410に対し押出し生地379が導入される際の妨げと成ると共に、押出し生地379の流路面積を狭め、押出し生地379の流れに抵抗を与えるものとなっている。
【0126】
本変更形態にあっては図30及び図31に示すように、棒状部材448を成形ダイ410の溶融部421a内において棒状部材448と一体的に形成された結合部445により結合しており、中子体440は、この結合部445及び棒状部材448より形成されている。
【0127】
本変更形態にあっては、棒状部材448を結合して成る中子体440の結合部445は、ブロック状であり、結合部445の押出し生地379の押出方向上流側端部は、平面において両角部が丸められており、且つ、縦断面において半円弧状に膨出した全体として丸みを帯びた形状に形成され、押出し生地379との間に生じる摩擦抵抗を緩和するよう形成されている。
【0128】
また、図31に示すように中子体440は、成形ダイ410入口側の前記結合部445において成形ダイ410の溶融部421aの上下内壁に固着された基部444と一体的に形成されており、前記基部444は、溶融部421aを流れる押出し生地379が抵抗無く流れるよう、平面において流線形に形成されている。
【0129】
アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450により、中子体440全体を被覆しても良いが、溶融部421a内に位置する中子体440の少なくとも一部分に対して被覆され、結合部445に対して被覆される。
【0130】
アラミド繊維フッ素樹脂シート450’は、その柔軟性と耐屈曲特性により一例として図32に示すように、これを縫着、または接着剤にて接着する等して接合することにより袋状体453の収容体450を形成することもでき、結合部445の形状に対応する、一辺の開口した袋状体453を形成し、この袋状体453を成形ダイ410の入口側から押出し生地379の押出方向に向かって中子体440の端部又は結合部445へ被せることにより、中子体440をアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆することができる。
【0131】
アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の袋状体453は、例えば図32(A)〜図32(C)に示すように、一枚の略矩形状等のアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の長辺b,dを、向かい合う短辺a,cが重なりあうよう中央x−x線で折り返し、この折り返しにより辺b及び辺dがx−x線を中心に二分されることにより夫々形成された辺b’と辺b’’,辺d’と辺d’’とを、それぞれ図32(B)に破線で示す縫着線にそって縫着した後、縫い目が内側となるように折り返すことによって形成することができる。
【0132】
図32に示す通り、アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の袋状体453が、結合部に形成された傾斜部の形成位置をも被覆可能なサイズに形成されている場合には、このうち、傾斜部に対応する部分については、切り取ることにより傾斜部を袋状体453より露出させ、または、切り込みを入れる等して傾斜部の形状に沿わせるなどして、傾斜部の傾斜形状を維持できるようにする。
【0133】
前述の押出成形装置301を使用し、表1に示すように、成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設し、中子体440を前記アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の袋状体453〔図32(C)参照〕の収容体450で被覆した場合(形態1)と、形態1で中子体440に被覆した袋状体453の収容体450に代えて、アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の筒状体454の収容体450で中子体440を被覆した場合(形態2)、及び、比較例として、成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設し、中子体340には直接フッ素樹脂をコーティングした場合(比較例1、比較例3)と、比較例1で成形ダイ310内壁面に貼設したアラミド繊維フッ素樹脂シートに代え、ガラス繊維フッ素樹脂シートを成形ダイ310内壁面に貼設した場合(比較例2、比較例4)の成形結果について比較した。
【0134】
【表1】
アラミド繊維フッ素樹脂シート…HAS,ガラス繊維フッ素樹脂シート…HGS
【0135】
上記実施形態の成形結果を示すと次のようになる。
スクリュー回転速度が50r.p.m.の場合、成形速度が4.92M/H、吐出量が81.0Kg/H、生地圧力が4.0Mpaとなる。
スクリュー回転速度が40r.p.m.の場合、成形速度が4.02M/H、吐出量が60.3Kg/H、生地圧力が3.0Mpaとなる。
【0136】
中子体440にフッ素樹脂を直接コーティングした場合(比較例1)と、アラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆した場合(実施形態1及び実施形態2)を比較すると、成形速度についてはそれほど差がなく、また、アラミド繊維フッ素樹脂シートが貼設された成形ダイ310内壁と接触して成形される中空木質合成材329の板部分についても、両者に目立った外観の差異はみられなかった。
【0137】
しかし、中空木質合成材329のリブ430部分については、外観の差異が著しく、比較例1の場合にはリブ430表面が十分に平坦とならず、窪み等の成形不良が生じることが確認された。また、押出機370から成形ダイ310内に押し出される押出し生地379の圧力を測定した「生地圧力」についても、比較例1が最も高い数値を示す。
【0138】
このことから、中子体440がフッ素樹脂で直接コーティングされている比較例1にあっては、押出し生地379は成形ダイ310の入口側では高圧力であるにも拘わらず、成形ダイ310内の成形部位においては中子体440の複数の棒状部材間348に形成される間隙内に押出し生地379を十分に導入し得る程、圧力が高まっていないことが判る。このような現象は、未だ押出し生地379と中子体440との間に生じる摩擦抵抗が大きく、成形ダイ310の入口付近における押出し生地379がいわば栓のような役目をしているため、押出機370からの吐出圧力が効率的に成形ダイ310内の生地圧力を上昇し得ないためと考えられる。
【0139】
これに対し、中子体440をフッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆している実施形態1及び実施形態2にあっては、比較例1のような成形不良は確認できず、リブ329c部分においても綺麗な外観を呈する中空木質合成材329が得られた。このことから、実施形態1及び実施形態2にあっては、押出し生地379と中子体340との間の摩擦抵抗が比較例1に比べて十分に低減されていると考えられる。
【0140】
以上より、中子体440には、フッ素樹脂を直接コーティングするよりも、フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆するほうが、好ましい成形結果を得られるということが確認できた。
【0141】
また、中子体440を被覆するフッ素樹脂シート450’の収容体450を、袋状体453とする場合(実施形態1)と、筒状体454とする場合(実施形態2)について比較すると、実施形態2は、実施形態1に比較してさらに生地圧力が低く、成形ダイ310の入口側で掛けられた圧力が、効率良く成形ダイ310の内部にまで伝わっていることが判る。これは、実施形態2で使用したアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の筒状体454が、中子体440の結合部445のみならず棒状部材448a〜448gの上流側端部までもアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆可能な形状に形成されているために、実施形態1のものと比較して中子体440と押出し生地379との摩擦を更に軽減することができ、押出し生地379の流動がより滑らかとなるためと考えられる。このように、実施形態2にあっては、成形ダイ310の入口側で加えられた圧力を、より効率よく成形ダイ310の成形部位に対して伝えることができることから、同じスクリュ371の回転数において、実施形態1に比較して成形速度(引取速度)を上昇させた場合でも成形ダイ310内の生地圧力の低下を推持でき、より効率的に中空木質合成材329を製造することが可能となる。
【0142】
成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合(比較例1及び比較例3)と、ガラス繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合(比較例2及び比較例4)では、成形速度については、同一のスクリュ回転数で比較すると両者に目立った差異は見られず(比較例1:2、比較例3:4)、また、両者とも、スクリュ回転数が40(rpm)(比較例3、比較例4)から50(rpm)(比較例1、比較例2)へと上昇するのに伴い、吐出量及び成形速度が上昇していることがわかる。
【0143】
しかし、中空木質合成材329の外観については、比較例4では、中空木質合成材329の板部分に歪み等の成形不良が生じる場合があり、また、スクリュ回転数を50(rpm)とする比較例2においては、吐出量、成形速度の上昇に伴い、比較例4よりもこの現象が著しいものとなった。よって、成形ダイ310内壁面にガラス繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合にあっては、スクリュ回転数が40(rpm)を超えたあたりから中空木質合成材329の品質に劣化が生じ、スクリュ回転数を高めると、それに伴い劣化の度合いも大きくなるといえる。
【0144】
これに対し、比較例1及び比較例3では、中空木質合成材329の板部分については綺麗な外観を呈する中空木質合成材329を成形することができた。このことから、成形ダイ310内壁面にアラミド繊維フッ素樹脂シートを貼設した場合にあっては、スクリュ回転数が40(rpm)また50(rpm)を超えても、上記のような成形不良が生じることはなく、中空木質合成材329の品質に劣化が生じないといえる。
【0145】
以上より、中空木質合成材329の板部分の成形の観点からは、成形ダイ310の内壁面に対してフッ素樹脂シートを貼設することが好ましく、また、貼設するフッ素樹脂シートとしては、成形不良等の品質の劣化を生じさせることなく成形速度の向上が可能であるという点において、ガラス繊維フッ素樹脂シートに比較してアラミド繊維フッ素樹脂シート350’を用いることがより好ましいことが確認できた。
【0146】
また、中子体340にフッ素樹脂を直接コーティングしたこれらの比較例1〜4にあっては、全てにおいて中空木質合成材329のリブ部分の成形不良が見られた。このことから、成形速度を向上させ、且つ板部分及びリブ部分の双方について成形不良の生じていない中空木質合成材を製造するためには、中子体440をアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450で被覆すると共に、成形ダイ310の内壁にアラミド繊維フッ素樹脂シート450’を貼設した実施形態1及び実施形態2の実験装置が最も適していることが確認できた。
【0147】
また、上記ログハウス型構造物の原材料となる中空木質合成材は、次に挙げる数々の特徴を備える。
優れた曲げ合成を備えている(MDFの約2倍)。伸縮が少ない。アルミ並みの寸法安定性がある。表面硬度が固い(木材の約5倍、耐磨耗性はレッドシダーの約7倍)。木ねじ保持力が木材より優れている(パーティクルボードの約4倍、MDFの約5倍)。水に強くて腐らない(水に30日間つけても3%程度しか吸水しない)。耐熱性がよい(120℃の高温でも軟化しない)。屋外に長期間置いても割れたりしない(−30℃での低温にも耐えられる)。虫が食わない。カビない。天然木の感触がある。木粉を大量に含むので加工も簡単である。彫刻加工が自由である。パーティクルボード、MDF、合板など従来の建築材料などに含まれる接着剤(ホルムアルデヒド)の害が無い。独特の木質感、自然感を出すことができ、自然木と見分けが付かない落ち着いた深みのある外観であり、光反射が少なく、高級感が演出できる。着色も自在であり、ブラック、グリーン、レッド等、種々の美しく素晴らしい趣のある色感を出せる。ムク板状を中空形状にして軽量化することができる。低コストで生産できる。何度でもリサイクルできる。
【0148】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於て、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1におけるログハウス型構造物10の分解斜視図である。
【図2】木質合成材11の平面図(a)及び側面図(b)である。
【図3】実施形態1におけるログハウス構造物10壁体の断面図(a)及び角部の外観斜視図(b)である。
【図4】実施形態1の変更例のログハウス型構造物50の正面図(a)、裏面図(b)、平面図(c)、A−A’断面図(d)及びB−B’断面図(e)である。
【図5】木質合成材の変形例の断面図(a)〜(e)である。
【図6】実施形態1の変形例のログハウス型構造物(a)〜(d)の斜視図である。
【図7】実施形態2におけるログハウス型構造物110の全体斜視図である。
【図8】木質合成材111によるログハウス型構造物壁面の組立方法を示す説明図である。
【図9】木質合成材111(カバー部材は除去してある)の外観斜視図である。
【図10】木質合成材111端部の部分断面外観斜視図である。
【図11】実施形態2の変更例のログハウス型構造物の部分縦断面図である。
【図12】ログハウス型構造物を物置として適用した例の斜視図である。
【図13】ログハウス型構造物を車庫として適用した例の斜視図である。
【図14】実施形態3の木質合成材211によるログハウス型構造物壁面の組立方法を示す説明図である。
【図15】木質合成材211端部の部分断面外観斜視図である。
【図16】実施形態4のログハウス型構造物の斜視図である。
【図17】中空木質合成材111に発泡体281を充填している断面説明図である。
【図18】間仕切り材としての中空木質合成材の設置断面図である。
【図19】本発明の実施形態における押出成形装置301の押出機370の一部断面図である。
【図20】本発明の実施形態における押出成形装置301の連結手段及び成形ダイ310の一部断面図である。
【図21】(a)はフランジ317の正面図、(b)はフランジ317の平面図、(c)はフランジ317の側面図、(d)はフランジ317の流入口316の詳細図である。
【図22】(a)は成形ダイ310(金型)平面図、(b)は成形ダイ310(金型)の正面図、(c)は成形ダイ310(金型)の側面である。
【図23】(a)はプレート311の平面図、(b)はプレート311の正面図、(c)はプレート311の側面図である。
【図24】(a)は断熱板326の平面図、(b)は断熱板326の正面図である。
【図25】(a)は補強板327の平面図、(b)は補強板327の正面図である。
【図26】(a)は棒状部材348の平面/正面図、(b)は棒状部材348の側面断面図、(c)は棒状部材348の側面図である。
【図27】本発明の実施形態におけるアラミド繊維フッ素樹脂シートの袋状体の収容体の形成方法を示した図であり、(A)は略矩形状のアラミド繊維フッ素樹脂シート、(B)は(A)のシートを中央X−X線で折り返し縫着した状態、(C)は(B)のシートを裏返すことにより形成された袋状体を示す。
【図28】(a)はアラミド繊維フッ素樹脂シート350’の平面図、(b)はアラミド繊維フッ素樹脂シート350’のXXVIIB−XXVIIB断面図である。
【図29】中空木質合成材329の正面図である。
【図30】本発明の変更形態における押出成形装置の成形ダイ410の平面断面図である。
【図31】本発明の変更形態における中子体440の一部縦断面図である。
【図32】本発明の変更形態におけるアラミド繊維フッ素樹脂シート450’の収容体450(袋状体453)の形成方法を示した図 であり、(A)は略矩形状のアラミド繊維フッ素樹脂シート450’、(B)は(A)のシート450’を中央x−x線で折り返し縫着した状態、(C)は(B)のシート450’を裏返すことにより形成された袋状体453の収容体を示す。
【符号の説明】
10…ログハウス 11…木質合成材 12…透光板材 13…屋根部
14…扉部 16…ログハウス基部 17…ジョイント部材 21…溝部
22…交差溝部 23…嵌合孔 25…ウレタン発泡材 24…リブ
31…貫通穴 32…突起 57…屋根材 58…屋根開閉材
301…押出し成形装置 310…成形ダイ 313…流入口(押出しダイの)
314…ヒータ 315…射出口(押出しダイの)
316…流入口(フランジの) 317…フランジ
318…射出口(フランジの) 319…押出しダイ
321a…溶融部 321b…徐冷部 322…成形室
325…冷却管 329…中空木質合成材
329c…リブ 341…導入路
342…流路 343…断熱材
344…基部 348…棒状部材
350…フッ素樹脂シートの収容体
450’…(アラミド繊維)フッ素樹脂シート
453…袋状体 454…筒状体
370…押出し機 371…スクリュ
372…ギヤ減速機 373…ホッパ 374…バレル
375…バンドヒータ 379…押出し生地
Claims (13)
- 中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びる溝部と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、
該木質合成材の前記溝部に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を嵌合させて前記木質合成材と透光板材とを積み重ねて壁体を構成し、
前記本体部の端部にある前記溝部と連通するように嵌合孔を設け、
前記嵌合孔及び溝部にジョイント部材を嵌合させ、該ジョイント部材を介して前記木質合成材を連結することを特徴とするログハウス型構造物。 - 前記木質合成材の溝部と交差する交差溝部を形成し、前記溝部と交差溝部とが交差する部分に前記嵌合孔を形成し、前記溝部に前記透光板材の上下端部を嵌め込むとともに、前記交差溝部に前記透光板材の左右端部を嵌め込むことを特徴とする請求項1のログハウス型構造物。
- 柱芯材を前記ジョイント部材及び前記嵌合孔に貫通させることを特徴とする請求項1又は2に記載のログハウス型構造物。
- 前記ジョイント部材は、
前記嵌合孔に嵌合可能な形状の筒体であって、
該筒体の側面に前記溝部及び交差溝部に嵌合する複数の突起を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のログハウス型構造物。 - 中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びる溝部と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、
該木質合成材の前記溝部に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を嵌合させて前記木質合成材と透光板材とを積み重ね、
前記本体部の端部の上下に上交差嵌合部と下交差嵌合部とを対で備え、木質合成材の上交差嵌合部と上部に配置される他の木質合成材の下交差嵌合部とを嵌合させるとともに、木質合成材の下交差嵌合部と下部に配置される他の木質合成材の上交差嵌合部とを嵌合させることにより壁体を構成することを特徴とするログハウス型構造物。 - 前記本体部にリブと、該リブによって仕切られる中空部とを有し、
前記交差嵌合部の切欠の深さが、該木質合成材の前記リブまでとすることを特徴とする請求項5記載のログハウス型構造物。 - 中空部を有する本体部と、該本体部の上端面及び下端面に長手方向に延びるとともに上下方向に貫通する貫通孔と、を有する一体的に押出し成形された複数の木質合成材と、
複数の当該木質合成材の前記貫通孔に前記木質合成材よりも薄肉の透光板材を貫通させ、
前記本体部の端部の上下に上交差嵌合部と下交差嵌合部とを対で備え、木質合成材の上交差嵌合部と上部に配置される他の木質合成材の下交差嵌合部とを嵌合させるとともに、木質合成材の下交差嵌合部と下部に配置される他の木質合成材の上交差嵌合部とを嵌合させることにより壁体を構成することを特徴とするログハウス型構造物。 - 前記透光板材は、プラスチック製であって多数の中空部を有することを特徴とする請求項1乃至7に記載のログハウス型構造物。
- 前記押出し成形時の金型を変更することで、
任意の形状の木質合成材を成形できることを特徴とする請求項1乃至8記載のログハウス型構造物。 - 前記本体部の内部がリブによって複数の中空部に分割され、
前記中空部の夫々に特定の発泡体のほかに異なる種類の発泡充填材を充填又は挿入することによって、
前記木質合成材の建材としての特性を変更できることを特徴とする請求項1乃至9記載のログハウス型構造物。 - 前記中空部の内部に発泡充填材を充填するか若しくは発泡体を挿入し、又は、前記本体部の壁に複数の孔を形成する二重中空構造とすることを特徴とする請求項1乃至9記載のログハウス型構造物。
- 前記本体部の上面又は下面に長手方向に形成される突条部と、
前記突条部とは反対側にある前記本体部の上面又は下面に長手方向に形成される溝部と、を備え、
前記木質合成材は短尺の木質合成材と長尺の木質合成材とがあり、
前記短尺の木質合成材の前記突条部が前記長尺の木質合成材の前記溝部と嵌合し、前記長尺の木質合成材の前記突条部が前記短尺の木質合成材の前記溝部と嵌合する構造であることを特徴とする請求項1乃至11記載のログハウス型構造物。 - C型またはU型チャネルで前記木質合成材を上下に保持することで間仕切り材として構成された壁体を備えることを特徴とする請求項1乃至12記載のログハウス型構造物。
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