JP2004324074A - 床材剥離工法及び床材剥離機 - Google Patents
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Abstract
【目的】作業者の体への負担を軽減するとともに、より効率的で良好な床材の剥離工法及び床材剥離機を提供する。
【構成】床材剥離機1の本体へブラケット2を使用してウインチ3を装着し、ブラケット2は床材剥離機1の本体へネジ等にて着脱可能な状態に固定している。ウインチ3のワイヤー3aの先端にはフック3bが設けられており、このフック3bを固定部12に引っかけておき、床材剥離機1を動作させながらウインチ3でワイヤー3aを巻き取らせることで剥離作業を行いながら床材剥離機1を前進させるという工法を行うものである。
【選択図】 図1
【構成】床材剥離機1の本体へブラケット2を使用してウインチ3を装着し、ブラケット2は床材剥離機1の本体へネジ等にて着脱可能な状態に固定している。ウインチ3のワイヤー3aの先端にはフック3bが設けられており、このフック3bを固定部12に引っかけておき、床材剥離機1を動作させながらウインチ3でワイヤー3aを巻き取らせることで剥離作業を行いながら床材剥離機1を前進させるという工法を行うものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、床材剥離工法及び床材剥離機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート等の床面上に接着剤によって貼り付けられた塩化ビニル製タイルやリノリウムシート等を貼り替えのために剥離する際に、手押しハンドルを備えたモータ駆動の床材剥離機が使用されている。
【0003】
この床材剥離機には様々なタイプのものが提案されており、例えば実開昭53−162527号公報、実開昭59−22859号公報、実公平7−44676号公報に開示されているように、一つまたは複数の刃物ブラケット先端に取り付けた刃板を前後に揺動させ、床面と床材との間に刃板を打ち込んで接着剤層を切断して床材を剥離する方式からなるものと、特開昭60−59262号公報、実公平7−25395号公報に開示されているように、刃物ブラケット先端の刃板を左右に揺動させる方式のもの等がある。
【0004】
また、車輪に駆動がかかるようにして剥離作業中に床材剥離機が自走して前進するという方式のものや、人が乗車して操作するタイプの大型の床材剥離機等も知られている。
【0005】
【特許文献1】
実開昭53−162527号公報
【特許文献2】
実開昭59−22859号公報
【特許文献3】
実公平7−44676号公報
【特許文献4】
特開昭60−59262号公報
【特許文献5】
実公平7−25395号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の床材剥離機では、手押しタイプのものが主流であり、このタイプの物は、剥離の際の前進、及び剥離中の機械を保持することは常に作業者が行わねばならず、作業者は常に剥離の振動にさらされ、体への負担が大きかった。
【0007】
これに対して、手押しタイプで自走をする剥離機があるが、剥離中に前進しようとすると、車輪が滑ってしまって十分に前進することができず、結局の所手押しタイプの機械とそう変わらないという状況となってしまっており、作業者が常に振動にさらされた状態で剥離機を押し続ける必要があった。
【0008】
人が乗車するタイプの床材剥離機は、機械自体のコストが高く、また、機械が大きいため、現場への移動や、現場への搬入搬出が大変で、ビル内の現場等ではエレベータに乗せたりする場合にビルの内装を傷つけたりしないよう十分な注意が必要であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1は、床面に接着剤によって接着された床材を剥離する工法において、床材剥離機を動作させた状態で、上記床材剥離機の前進のための推進力をウインチの巻き取りにより与えられ、床材剥離機がウインチの巻き取りによって床材を剥離しながら前進することを特徴とする床材剥離工法である。
【0010】
ウインチを使用して床材剥離機を前進させるため、本工法により、作業者は振動にさらされながら長時間体重をかけて床材剥離機を押すという作業をしなくてもよくなり、体にかかる負担を大きく改善でき、またコストの安いタイプの床材剥離機を使用して効率的に床材の剥離作業をすることができる。
【0011】
本発明の請求項2は、床面に接着剤によって接着された床材を剥離する床材剥離機において、床材剥離機を動作させた状態で、上記床材剥離機の前進のための推進力をウインチの巻き取りにより与えられ、床材剥離機がウインチの巻き取りによって床材を剥離しながら前進することを特徴とする床材剥離機である。
【0012】
ウインチを使用して床材剥離機を前進させるため、本剥離機により、作業者は振動にさらされながら長時間体重をかけて床材剥離機を押すという作業をしなくてもよくなり、体にかかる負担を大きく改善でき、またコストの安いタイプの床材剥離機を使用して効率的に床材の剥離作業をすることができる。
【0013】
本発明では、ウインチ自体は床材剥離機に設置しても、床材剥離機とは別の位置に設置して剥離作業中の前進のための推進力を与えてもよく、効率的な床材剥離作業を可能とする。
【0014】
本発明の請求項3は、上記ウインチが床材剥離機に着脱可能に設置されることを特徴とする請求項2記載の床材剥離機であり、請求項2における発明のウインチを床材剥離機に着脱可能に設置するように限定したものである。ウインチを着脱可能とすることによって剥離機自体の重量を増やすことがなく、運搬性も良好な床材剥離機の提供が可能となる。
【0015】
本発明の請求項4は、ウインチによる床材剥離機の前進を行うための固定部を具備し、この固定部は床面に吸盤で吸着させて固定、あるいは床面に穴を開けてアンカーボルトやコンクリート釘等の固定手段で固定することを特徴とする請求項2、請求項3記載の床材剥離機である。
【0016】
床材剥離機の前進のための推進力の基点となる固定部を具備することにより、床面に対して上記固定部を任意位置に固定してそこを基点にウインチによって床材剥離作業中の前進を行うことができ、またその基点を任意位置に移動させて床材の剥離作業が行えるため大変効率的である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態の一例を示す。床材剥離機1の本体へブラケット2を使用してウインチ3を装着している。ブラケット2は床材剥離機1の本体へネジ等にて固定しており、ネジ等を外すことによって着脱が容易にできるように構成している。もちろん剥離作業中の振動によってネジが簡単には外れないような構成や部材を採用することが望ましい。
【0018】
ウインチ3のワイヤー3aの先端にはフック3bが設けられており、このフック3bを固定部12に引っかけておき、床材剥離機1を動作させながらウインチ3でワイヤー3aを矢印C方向に巻き取らせることで剥離作業を行いながら床材剥離機1を矢印D方向に前進させるという工法を行うものである。
【0019】
ウインチ3の動作は、ハンドル11に設けた右レバー4a、左レバー4bによって行う。右レバー4aを握るとウインチ3は巻き取り動作を行い、左レバー4bを握ると巻き戻し動作(巻き取り方向とは逆回転)を行う。ずっと握った状態にしなくとも、一度握ると動作し、もう一度握ると動作を停止するというような制御をするようにしてもよい。停止のスイッチは、ハンドルベース3に設けた刃物の動作及び停止のスイッチ5に適宜設けるようにしても良いのである。そのための制御ボックス6をハンドルベース7に設け、使い勝手のよいスイッチ操作を採用しておく。ウインチ3は着脱可能としているので、制御ボックス6へのウインチの配線もコネクタ等を使用して簡単に着脱できるようにしておくことが望ましい。8はウインチ着脱のための取手である。
【0020】
図1(b)に示すように、フック3bを引っかける位置よりも、ワイヤー3aの巻き取り位置を高くしているため、ウインチ3が巻き取りを動作すると車輪9の回転中心、すなわち、回転軸を支点として刃物10が床に対して強く押しつけられる状態となる。このため、刃物10が床材Aに対して上滑りすることを防ぎ、硬く固着してしまっているような床材Aに対しても、刃物10が床材Aにきっちりと当たりながら剥離が行えるようにできるのである。作業者は、床材剥離機1がふらついたりしないように手を添えて支持をしてやる程度の補助をするだけでよく、従来のように全体重をかけて振動にさらされるようなことがなく、効率的な剥離作業を行うことができる。
【0021】
図2は固定部12の詳細を説明する図である。固定部12は床材Aに吸い付く吸盤部13とベース14、ガイド21及びブロック15から構成されている。
【0022】
吸盤部13は図2(b)に示すように、吸盤ゴム16、ケース17、吸盤用レバー18、吸盤用取手19で構成され、吸盤用レバー18を回転方向Eの方向へ回転させることにより吸盤ゴム16を二点鎖線のように上昇(矢印Fの方向に吸盤用取手19も上昇)させることにより床材Aの面に吸い付ける構成であり、垂直方向に対する吸着力が大変に強い。しかし、水平方向に対しては吸着力が弱いので、図2(a)に示すようにブロック15に設けた複数の針20を床材Aに刺して動かないようにし、このブロック15とベース14をガイド21で連結している。この連結は、ガイド21の両端部でそれぞれが回動自在となるように連結している。
【0023】
ウインチ3を動作させてワイヤー3aを巻き取ると、複数の針20でブロック15が固定されているために、ベース14はガイド21が連結されている部分を回動支点として回動しようとする力が働く。ベース14は床材Aに接してもおり、上記の回動する力は、ベース14が床材Aに接している部分と吸盤部13の吸盤用取手19を持ち上げようとする力(矢印G)とになる。しかし、吸盤部13は垂直方向には強い吸着力で吸い付いているため外れず、水平方向の力がかからない状態で安定して床材Aに固定部12は吸着されるのである。もちろん床材Aを剥がした床Bに吸着させることもできる。吸盤部13の吸盤用取手19には、ベース14の回動の力が結構かかる状態となることから、必要に応じて吸盤用取手19が傷つかないよう保護的なリング等を設けておいてもよい。
【0024】
次に図3には、固定部12のその他の実施の形態を説明する。図3の固定部は、アンカーボルトもしくはコンクリート釘24を使用し、棒部材22を取り付けた固定具23を床Bに固定する構成としている。
【0025】
棒部材22の長さを床材剥離機1が横方向に何度か移動して剥離作業をできるだけの長さとしておくと、フック3bをスライドさせるだけでよく、固定具23を何度も設置することをしなくてもよいというものである。もちろん上記の実施の形態では棒部材22と固定具23は固定された例で説明したが、固定具23に棒部材22を簡単に着脱できる溝等を設け、そこへ棒部材22を勘合させたり、係止させるという構成としても良い。ウインチ3でワイヤー3aを巻き取る際に、フック3bを引っかけておくことができれば良いのである。床Bに穴を開けた場合、床材の施工の仕上がりに影響しそうな穴であれば、再度モルタルやパテ等で塞いでおくことはいうまでもない。
【0026】
さらに、以上においてはフック3bを固定部12側に引っかけていたが、固定部12側に滑車等を設け、その滑車にワイヤー3aをかけてフック3bを床材剥離機本体側に引っかけても良い。このようにすると、ワイヤー3aの巻き取り量の半分だけ床材剥離機は前進することとなり、より強固に固着した床材等を剥離する場合に前進速度を落として剥離作業をすることができる。もちろんウインチの巻き取り速度を変化させてもよいが、ウインチ側の速度を変えるとトルクも低下する可能性があり、上記の工法であると速度はそのままで巻き取りトルクも変化させずに剥離作業を行うことができるのである。
【0027】
上記の実施の形態ではウインチを床材剥離機に設置した形態で説明したが、本発明は上記に限定するわけではなく、ウインチは固定部側に設置してもよい。この場合、床材剥離機にウインチを設置しないことで重量を軽くしておくことができる。ウインチの操作はリモコンでできるようにしておけば作業者一人で作業ができる。また、床材剥離機の操作者とウインチの操作者と二人で作業してもかまわない。いずれにしても、作業者の体への負担は極めて改善することができる。
【0028】
さらに、床材剥離機は従来から知られている構成を本発明に使用する床材剥離機に採用することができ、従来から知られている本体にウェイトを設けることや、床材の剥離中に作業者から刃物の先端が覗くことが可能なように本体部には覗き窓を設けておくこと、さらには剥離する刃物を複数に分割し、交互に進退し、そのバランスを取ることによって振動を抑える構造とすること等適宜採用可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、手押し式の床材剥離機で、コストをかけずに効率的に床材を剥離する工法が提供でき、ウインチの仕様により、刃物を床面に押しつけながら、安定した剥離作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工法を説明する平面図及び側面図。
【図2】固定部の一例を説明する側面図および吸盤部の拡大図。
【図3】その他の固定部の実施の形態を説明する平面図及び側面図
【符号の説明】
A 床材
B 床
1 床材剥離機
2 ブラケット
3 ウインチ
3a ワイヤー
3b フック
4a 右レバー
4b 左レバー
5 スイッチ
6 制御ボックス
7 ハンドルベース
8 取手
9 車輪
10 刃物
11 ハンドル
12 固定部
13 吸盤部
14 ベース
15 ブロック
16 吸盤ゴム
17 ケース
18 吸盤用レバー
19 吸盤用取手
20 針
21 ガイド
22 棒部材
23 固定具
24 アンカーボルト(もしくはコンクリート釘)
【産業上の利用分野】
この発明は、床材剥離工法及び床材剥離機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート等の床面上に接着剤によって貼り付けられた塩化ビニル製タイルやリノリウムシート等を貼り替えのために剥離する際に、手押しハンドルを備えたモータ駆動の床材剥離機が使用されている。
【0003】
この床材剥離機には様々なタイプのものが提案されており、例えば実開昭53−162527号公報、実開昭59−22859号公報、実公平7−44676号公報に開示されているように、一つまたは複数の刃物ブラケット先端に取り付けた刃板を前後に揺動させ、床面と床材との間に刃板を打ち込んで接着剤層を切断して床材を剥離する方式からなるものと、特開昭60−59262号公報、実公平7−25395号公報に開示されているように、刃物ブラケット先端の刃板を左右に揺動させる方式のもの等がある。
【0004】
また、車輪に駆動がかかるようにして剥離作業中に床材剥離機が自走して前進するという方式のものや、人が乗車して操作するタイプの大型の床材剥離機等も知られている。
【0005】
【特許文献1】
実開昭53−162527号公報
【特許文献2】
実開昭59−22859号公報
【特許文献3】
実公平7−44676号公報
【特許文献4】
特開昭60−59262号公報
【特許文献5】
実公平7−25395号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の床材剥離機では、手押しタイプのものが主流であり、このタイプの物は、剥離の際の前進、及び剥離中の機械を保持することは常に作業者が行わねばならず、作業者は常に剥離の振動にさらされ、体への負担が大きかった。
【0007】
これに対して、手押しタイプで自走をする剥離機があるが、剥離中に前進しようとすると、車輪が滑ってしまって十分に前進することができず、結局の所手押しタイプの機械とそう変わらないという状況となってしまっており、作業者が常に振動にさらされた状態で剥離機を押し続ける必要があった。
【0008】
人が乗車するタイプの床材剥離機は、機械自体のコストが高く、また、機械が大きいため、現場への移動や、現場への搬入搬出が大変で、ビル内の現場等ではエレベータに乗せたりする場合にビルの内装を傷つけたりしないよう十分な注意が必要であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1は、床面に接着剤によって接着された床材を剥離する工法において、床材剥離機を動作させた状態で、上記床材剥離機の前進のための推進力をウインチの巻き取りにより与えられ、床材剥離機がウインチの巻き取りによって床材を剥離しながら前進することを特徴とする床材剥離工法である。
【0010】
ウインチを使用して床材剥離機を前進させるため、本工法により、作業者は振動にさらされながら長時間体重をかけて床材剥離機を押すという作業をしなくてもよくなり、体にかかる負担を大きく改善でき、またコストの安いタイプの床材剥離機を使用して効率的に床材の剥離作業をすることができる。
【0011】
本発明の請求項2は、床面に接着剤によって接着された床材を剥離する床材剥離機において、床材剥離機を動作させた状態で、上記床材剥離機の前進のための推進力をウインチの巻き取りにより与えられ、床材剥離機がウインチの巻き取りによって床材を剥離しながら前進することを特徴とする床材剥離機である。
【0012】
ウインチを使用して床材剥離機を前進させるため、本剥離機により、作業者は振動にさらされながら長時間体重をかけて床材剥離機を押すという作業をしなくてもよくなり、体にかかる負担を大きく改善でき、またコストの安いタイプの床材剥離機を使用して効率的に床材の剥離作業をすることができる。
【0013】
本発明では、ウインチ自体は床材剥離機に設置しても、床材剥離機とは別の位置に設置して剥離作業中の前進のための推進力を与えてもよく、効率的な床材剥離作業を可能とする。
【0014】
本発明の請求項3は、上記ウインチが床材剥離機に着脱可能に設置されることを特徴とする請求項2記載の床材剥離機であり、請求項2における発明のウインチを床材剥離機に着脱可能に設置するように限定したものである。ウインチを着脱可能とすることによって剥離機自体の重量を増やすことがなく、運搬性も良好な床材剥離機の提供が可能となる。
【0015】
本発明の請求項4は、ウインチによる床材剥離機の前進を行うための固定部を具備し、この固定部は床面に吸盤で吸着させて固定、あるいは床面に穴を開けてアンカーボルトやコンクリート釘等の固定手段で固定することを特徴とする請求項2、請求項3記載の床材剥離機である。
【0016】
床材剥離機の前進のための推進力の基点となる固定部を具備することにより、床面に対して上記固定部を任意位置に固定してそこを基点にウインチによって床材剥離作業中の前進を行うことができ、またその基点を任意位置に移動させて床材の剥離作業が行えるため大変効率的である。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態の一例を示す。床材剥離機1の本体へブラケット2を使用してウインチ3を装着している。ブラケット2は床材剥離機1の本体へネジ等にて固定しており、ネジ等を外すことによって着脱が容易にできるように構成している。もちろん剥離作業中の振動によってネジが簡単には外れないような構成や部材を採用することが望ましい。
【0018】
ウインチ3のワイヤー3aの先端にはフック3bが設けられており、このフック3bを固定部12に引っかけておき、床材剥離機1を動作させながらウインチ3でワイヤー3aを矢印C方向に巻き取らせることで剥離作業を行いながら床材剥離機1を矢印D方向に前進させるという工法を行うものである。
【0019】
ウインチ3の動作は、ハンドル11に設けた右レバー4a、左レバー4bによって行う。右レバー4aを握るとウインチ3は巻き取り動作を行い、左レバー4bを握ると巻き戻し動作(巻き取り方向とは逆回転)を行う。ずっと握った状態にしなくとも、一度握ると動作し、もう一度握ると動作を停止するというような制御をするようにしてもよい。停止のスイッチは、ハンドルベース3に設けた刃物の動作及び停止のスイッチ5に適宜設けるようにしても良いのである。そのための制御ボックス6をハンドルベース7に設け、使い勝手のよいスイッチ操作を採用しておく。ウインチ3は着脱可能としているので、制御ボックス6へのウインチの配線もコネクタ等を使用して簡単に着脱できるようにしておくことが望ましい。8はウインチ着脱のための取手である。
【0020】
図1(b)に示すように、フック3bを引っかける位置よりも、ワイヤー3aの巻き取り位置を高くしているため、ウインチ3が巻き取りを動作すると車輪9の回転中心、すなわち、回転軸を支点として刃物10が床に対して強く押しつけられる状態となる。このため、刃物10が床材Aに対して上滑りすることを防ぎ、硬く固着してしまっているような床材Aに対しても、刃物10が床材Aにきっちりと当たりながら剥離が行えるようにできるのである。作業者は、床材剥離機1がふらついたりしないように手を添えて支持をしてやる程度の補助をするだけでよく、従来のように全体重をかけて振動にさらされるようなことがなく、効率的な剥離作業を行うことができる。
【0021】
図2は固定部12の詳細を説明する図である。固定部12は床材Aに吸い付く吸盤部13とベース14、ガイド21及びブロック15から構成されている。
【0022】
吸盤部13は図2(b)に示すように、吸盤ゴム16、ケース17、吸盤用レバー18、吸盤用取手19で構成され、吸盤用レバー18を回転方向Eの方向へ回転させることにより吸盤ゴム16を二点鎖線のように上昇(矢印Fの方向に吸盤用取手19も上昇)させることにより床材Aの面に吸い付ける構成であり、垂直方向に対する吸着力が大変に強い。しかし、水平方向に対しては吸着力が弱いので、図2(a)に示すようにブロック15に設けた複数の針20を床材Aに刺して動かないようにし、このブロック15とベース14をガイド21で連結している。この連結は、ガイド21の両端部でそれぞれが回動自在となるように連結している。
【0023】
ウインチ3を動作させてワイヤー3aを巻き取ると、複数の針20でブロック15が固定されているために、ベース14はガイド21が連結されている部分を回動支点として回動しようとする力が働く。ベース14は床材Aに接してもおり、上記の回動する力は、ベース14が床材Aに接している部分と吸盤部13の吸盤用取手19を持ち上げようとする力(矢印G)とになる。しかし、吸盤部13は垂直方向には強い吸着力で吸い付いているため外れず、水平方向の力がかからない状態で安定して床材Aに固定部12は吸着されるのである。もちろん床材Aを剥がした床Bに吸着させることもできる。吸盤部13の吸盤用取手19には、ベース14の回動の力が結構かかる状態となることから、必要に応じて吸盤用取手19が傷つかないよう保護的なリング等を設けておいてもよい。
【0024】
次に図3には、固定部12のその他の実施の形態を説明する。図3の固定部は、アンカーボルトもしくはコンクリート釘24を使用し、棒部材22を取り付けた固定具23を床Bに固定する構成としている。
【0025】
棒部材22の長さを床材剥離機1が横方向に何度か移動して剥離作業をできるだけの長さとしておくと、フック3bをスライドさせるだけでよく、固定具23を何度も設置することをしなくてもよいというものである。もちろん上記の実施の形態では棒部材22と固定具23は固定された例で説明したが、固定具23に棒部材22を簡単に着脱できる溝等を設け、そこへ棒部材22を勘合させたり、係止させるという構成としても良い。ウインチ3でワイヤー3aを巻き取る際に、フック3bを引っかけておくことができれば良いのである。床Bに穴を開けた場合、床材の施工の仕上がりに影響しそうな穴であれば、再度モルタルやパテ等で塞いでおくことはいうまでもない。
【0026】
さらに、以上においてはフック3bを固定部12側に引っかけていたが、固定部12側に滑車等を設け、その滑車にワイヤー3aをかけてフック3bを床材剥離機本体側に引っかけても良い。このようにすると、ワイヤー3aの巻き取り量の半分だけ床材剥離機は前進することとなり、より強固に固着した床材等を剥離する場合に前進速度を落として剥離作業をすることができる。もちろんウインチの巻き取り速度を変化させてもよいが、ウインチ側の速度を変えるとトルクも低下する可能性があり、上記の工法であると速度はそのままで巻き取りトルクも変化させずに剥離作業を行うことができるのである。
【0027】
上記の実施の形態ではウインチを床材剥離機に設置した形態で説明したが、本発明は上記に限定するわけではなく、ウインチは固定部側に設置してもよい。この場合、床材剥離機にウインチを設置しないことで重量を軽くしておくことができる。ウインチの操作はリモコンでできるようにしておけば作業者一人で作業ができる。また、床材剥離機の操作者とウインチの操作者と二人で作業してもかまわない。いずれにしても、作業者の体への負担は極めて改善することができる。
【0028】
さらに、床材剥離機は従来から知られている構成を本発明に使用する床材剥離機に採用することができ、従来から知られている本体にウェイトを設けることや、床材の剥離中に作業者から刃物の先端が覗くことが可能なように本体部には覗き窓を設けておくこと、さらには剥離する刃物を複数に分割し、交互に進退し、そのバランスを取ることによって振動を抑える構造とすること等適宜採用可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、手押し式の床材剥離機で、コストをかけずに効率的に床材を剥離する工法が提供でき、ウインチの仕様により、刃物を床面に押しつけながら、安定した剥離作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工法を説明する平面図及び側面図。
【図2】固定部の一例を説明する側面図および吸盤部の拡大図。
【図3】その他の固定部の実施の形態を説明する平面図及び側面図
【符号の説明】
A 床材
B 床
1 床材剥離機
2 ブラケット
3 ウインチ
3a ワイヤー
3b フック
4a 右レバー
4b 左レバー
5 スイッチ
6 制御ボックス
7 ハンドルベース
8 取手
9 車輪
10 刃物
11 ハンドル
12 固定部
13 吸盤部
14 ベース
15 ブロック
16 吸盤ゴム
17 ケース
18 吸盤用レバー
19 吸盤用取手
20 針
21 ガイド
22 棒部材
23 固定具
24 アンカーボルト(もしくはコンクリート釘)
Claims (4)
- 床面に接着剤によって接着された床材を剥離する工法において、床材剥離機を動作させた状態で、上記床材剥離機の前進のための推進力をウインチの巻き取りにより与えられ、床材剥離機がウインチの巻き取りによって床材を剥離しながら前進することを特徴とする床材剥離工法。
- 床面に接着剤によって接着された床材を剥離する床材剥離機において、床材剥離機を動作させた状態で、上記床材剥離機の前進のための推進力をウインチの巻き取りにより与えられ、床材剥離機がウインチの巻き取りによって床材を剥離しながら前進することを特徴とする床材剥離機。
- 上記ウインチが床材剥離機に着脱可能に設置されることを特徴とする請求項2記載の床材剥離機。
- ウインチによる床材剥離機の前進を行うための固定部を具備し、この固定部は床面に吸盤で吸着させて固定、あるいは床面に穴を開けてアンカーボルトやコンクリート釘等の固定手段で固定することを特徴とする請求項2、請求項3記載の床材剥離機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003116561A JP2004324074A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 床材剥離工法及び床材剥離機 |
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