JP2004324024A - Highly bulky flexible paper - Google Patents

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JP2004324024A JP2003123537A JP2003123537A JP2004324024A JP 2004324024 A JP2004324024 A JP 2004324024A JP 2003123537 A JP2003123537 A JP 2003123537A JP 2003123537 A JP2003123537 A JP 2003123537A JP 2004324024 A JP2004324024 A JP 2004324024A
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Toshitake Okuyama
壽毅 奥山
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Daio Paper Corp
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a highly bulky flexible paper having a high bulkiness and high sizing property. <P>SOLUTION: The highly bulky flexible paper is obtained by impregnating a high bulk-softening agent being liquid or having ≤50°C melting point and ≤8 HLB value, and a sizing agent having ≤40 % ratio of content of a monoester of an ester compound of a polyhydric alcohol and a 5-60C saturated fatty acid, so that the paper showing sufficient high bulkiness and an excellent flexibility is obtained even in the case of having a low paper surface temperature in a drying process of a paper making for some reasons, and also a high sizing property is secured, while maintaining a high bulkiness. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、嵩高で柔軟性に優れるとともに高いサイズ性を有する嵩高柔軟紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、活字離れが進み、コミック本やペーパーバック本が急激に普及してきている。このような事情から紙の軽量化や柔軟性付与が必要となってきている。ここで、紙の軽量化とは、紙の厚さは維持した上での軽量化、即ち、嵩高化(換言すれば、低密度化)のことである。
【0003】
紙を嵩高にする方法としては、架橋パルプを用いる方法や合成繊維との混抄による方法、パルプ間に無機物等の充填物を満たす方法、発泡性粒子を用いる方法などがあるが、架橋パルプや合成繊維等を使用した場合、紙のリサイクル性を阻害してしまうし、パルプ間に充填物を満たす方法や発泡性粒子を用いる方法では、紙力が著しく低下するという不具合が存する。
【0004】
一方、紙の柔軟性は、繊維の種類、紙の密度、紙の水分等の多くの因子により左右されると考えられており、家庭用紙製品、例えばトイレットペーパー、ティッシュペーパーなどは、その用途上適度の柔らかさが要求されるところから、これまでに多くの柔軟剤が開発されている。例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、尿素、パラフィン乳化物、第4級アンモニウム塩などが紙に柔軟性を付与する効果を持つことが知られている。
【0005】
しかしながら、これらの嵩高剤や柔軟剤を実際の抄紙工程で使用しても嵩高化や柔軟化の効果が十分に発揮されないことがあった。
【0006】
そこで、ある種の嵩高柔軟剤を含有させることにより、高い嵩高性と柔軟性とを有する紙を得られるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、最近では、環境問題に対する関心が高まるなか、古紙パルプを積極的に配合する傾向にあり、機械パルプと同様、古紙パルプの配合量が増加しつつある。ところが、古紙パルプの配合量が多くなりすぎると、白色度や不透明度が低下するなどの問題が発生してしまい、これらを解決する必要に迫られている。古紙を含む紙を嵩高にする、あるいは白色度や不透明度を向上させる方法としては、界面活性剤を用いる方法が提案されている。
【0008】
界面活性剤を用いて紙を嵩高にする方法は、特別な方法や装置を用いないため比較的容易に嵩高紙を得ることができるが、親水性の高い界面活性剤にはサイズ性を阻害する作用があり、一方、疎水性の高い界面活性剤を使用すれば、サイズ性を向上させることが期待できるが、そのような性能を有する界面活性剤や紙用嵩高剤は存在していない。
【0009】
そこで、ある種のサイズ剤を用いることにより高いサイズ性を有する紙を得られるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−155494号公報
【特許文献2】
特開2002−285494号公報。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、嵩高柔軟紙の場合、嵩高性と柔軟性とは互いに相反する性能であり、高い嵩高性を有するものはサイズ性に劣る傾向にあり、逆に高いサイズ性を有するものは嵩高性に劣る傾向にあるところから、特許文献1に開示されている紙の場合、高いサイズ性を得るのが難しく、特許文献2に開示されている紙の場合、高い嵩高性を得ることが難しいという不具合が存する。
【0012】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、高い嵩高性と高いサイズ性とを有する嵩高柔軟紙が得られるようにすることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、液体あるいは融点が50℃以下で、且つHLB価が8以下である嵩高柔軟剤と、多価アルコールと炭素数5〜60の飽和脂肪酸とのエステル化合物であって、該エステル化合物のモノエステル体含有率が40%以下であるサイズ剤とを含ませている
上記のように構成したことにより、液体あるいは融点が50℃以下で、且つHLB価が8以下である嵩高柔軟剤を用いたことにより、何らかの原因により抄紙の乾燥工程で紙面温度が低くなった場合でも十分な嵩高性を示し且つ柔軟性に優れた紙が得られるとともに、多価アルコールと炭素数5〜60の飽和脂肪酸とのエステル化合物であって、該エステル化合物のモノエステル体含有率が40%以下であるサイズ剤を用いたことにより、高い嵩高性を維持したままで高いサイズ性を確保することができる。
【0014】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた嵩高柔軟紙において、前記嵩高柔軟剤を、多価アルコールと、高級不飽和脂肪酸および/または高級分岐脂肪酸とのエステル化合物とすることもでき、そのように構成した場合、乾燥工程で紙面温度が低くなった場合に最適なものとなる。
【0015】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた嵩高柔軟紙において、前記サイズ剤をパルプ重量当たり0.1〜20重量%添加することもでき、そのように構成した場合、サイズ性を確保する上でより好ましい。
【0016】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第3の手段を備えた嵩高柔軟紙において、パルプ分として機械パルプおよび/または古紙パルプを含有させることもでき、そのように構成した場合、サイズ剤が良好な嵩高サイズ性を示すこととなる。
【0017】
【発明の効果】
本願発明によれば、液体あるいは融点が50℃以下で、且つHLB価が8以下である嵩高柔軟剤と、多価アルコールと炭素数5〜60の飽和脂肪酸とのエステル化合物であって、該エステル化合物のモノエステル体含有率が40%以下であるサイズ剤とを含ませているので、何らかの原因により抄紙の乾燥工程で紙面温度が低くなった場合でも十分な嵩高性を示し且つ柔軟性に優れた紙が得られるとともに、高い嵩高性を維持したままで高いサイズ性を確保することができるという効果がある。
【0018】
上記嵩高柔軟剤を、多価アルコールと、高級不飽和脂肪酸および/または高級分岐脂肪酸とのエステル化合物とすることもでき、その場合、乾燥工程で紙面温度が低くなった場合に最適なものとなる。
【0019】
また、上記サイズ剤をパルプ重量当たり0.1〜20重量%添加することもでき、その場合、サイズ性を確保する上でより好ましい。
【0020】
また、パルプ分として機械パルプおよび/または古紙パルプを含有させることもでき、その場合、サイズ剤が良好な嵩高サイズ性を示すこととなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本願発明を具体的に説明する。
【0022】
本願発明に用いられる嵩高柔軟剤とは、分子内に疎水基と親水基とを両方持っているものであって、現在よく知られているものは界面活性剤である。その例として、高級アルコール及び高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。紙を嵩高柔軟にすることが可能な薬品であれば特に界面活性剤に限定されることはない。また、脂肪族ポリアミドアミン化合物の中にも嵩高柔軟効果を有するものがあることも知られている。現在、販売されている嵩高柔軟剤としては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、三晶(株)のリアクトペイク(不透明性向上剤)、花王(株)のKB−08T、KB−115といった薬品が挙げられる。嵩高柔軟の機構については明らかでなく、しかも嵩高柔軟剤として上市されている薬品の組成は同一ではないが、いずれにしても抄紙時にパルプ繊維に定着し、パルプ繊維間の結合距離を増すことにより嵩高柔軟性が発現すると考えられている。
【0023】
嵩高柔軟化のメカニズムとしては、嵩高柔軟剤がドライヤーの熱で融解し繊維表面を覆う結果、繊維自体が疎水化され、繊維間水素結合が阻害されて嵩高柔軟効果が発現すると考えられている。ところが、何らかの原因で乾燥工程の効率が低下して紙面温度が十分に上がらなくなった場合、嵩高柔軟剤が融解しないため被覆性が低下し、繊維が十分に疎水化されず、繊維間水素結合が生成してしまい十分な嵩高柔軟性を示さなくなる。また、嵩高柔軟剤が融解したとしても、紙に十分な熱がかからない場合は、融解する前に繊維間水素結合が生成してしまい、十分な嵩高柔軟効果を示しにくくなる。一般的な抄紙機の乾燥工程における紙面温度は、湿紙の温度が一定になるまでの期間(予熱乾燥期間)で40℃から55℃、それ以降の湿紙の温度は55℃から80℃程度である。また、嵩高柔軟性は、一般にパルプの繊維間結合が形成される前の予熱乾燥期間で効果が発現し始める。
【0024】
そこで、紙面温度、特に予熱乾燥期間の紙面温度と紙の嵩高柔軟性の関係について検討した結果、少量の熱量で容易に融解することが可能であり、室温で液体であるか若しくは融点が50℃以下である嵩高柔軟剤を使用することにより、繊維表面を効率よく疎水化し、効果的に低密度且つ柔軟性の改善された紙を抄造できることを見いだした。
【0025】
一般に、高級飽和脂肪酸エステルは常温で固体である場合が多いが、高級不飽和脂肪酸エステルや高級分岐脂肪酸エステルはほとんどが液体であり、また、固体であっても融点が50℃以下である場合が多い。
【0026】
本願発明に用いられる嵩高柔軟剤として用いられる多価アルコールと高級不飽和脂肪酸及び/または高級分岐脂肪酸とのエステル化合物の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
【0027】
エチレングリコールモノオレエート、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールモノリノレート、エチレングリコールジリノレート、グリセリンジオレエート、グリセリントリオレエート、グリセリンモノリノレート、グリセリンジリノレート、グリセリントリリノレート、プロプレングリコールモノオレエート、プロプレングリコールジオレエート、プロプレングリコールモノリノレート、プロプレングリコールジリノレート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールジオレエート、ペンタエリスリトールトリオレエート、ペンタエリスリトールテトラオレエート、ペンタエリスリトールモノリノレート、ペンタエリスリトールジリノレート、ペンタエリスリトールトリリノレート、ペンタエリスリトールテトラリノレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンテトラオレエート、ソルビタンジリノレート、ソルビタントリリノレート、ソルビタンテトラリノレートなどの高級不飽和脂肪酸エステル。
【0028】
エチレングリコールモノイソステアレート、エチレングリコールジイソステアレート、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンジイソステアレート、グリセリントリイソステアレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、プロピレングリコールジイソステアレート、ペンタエリスリトールモノイソステアレート、ペンタエリスリトールジイソステアレート、ペンタエリスリトールトリイソステアレート、ペンタエリスリトールテトライソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンテトライソステアレートなどの高級分岐脂肪酸エステル。などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
また、HLB価が高く十分な疎水性を持たない嵩高柔軟剤は、繊維を疎水化することができないため、目的とする嵩高柔軟効果を示さない場合がある。従って、繊維に十分な疎水性を付与するためには、HLB価が8以下である必要がある。但し、あまり疎水性が高すぎると、水に効率的に分散することが難しくなり、繊維に均一に吸着できなくなり、結果的には十分な嵩高柔軟性が得られない場合がある。そこで、疎水性が高い嵩高柔軟剤を使用する際には、水に十分に分散させるために分散性に優れた界面活性剤を併用して均一な乳化液を作ることが重要である。嵩高柔軟剤の中には、自己乳化性を有するものがあるが、疎水性が高い嵩高柔軟剤を使用する際には、嵩高柔軟剤に対する界面活性剤の配合割合は10.0重量%以下とするのが好ましい。
【0030】
本願発明において、嵩高柔軟剤を乳化するために用いられる界面活性剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
【0031】
即ち、ペレックスOT−P(花王(株)製)、デモールEP(花王(株)製)、ディスパーTL(明成化学(株)製)、ゴーセランL−3266(日本合成化学(株)製)、アロンT−40(東亜合成化学(株)製)などのアニオン性界面活性剤、エマルゲンA−60(花王(株)製)、エマルミン50(三洋化成(株)製)などのノニオン性界面活性剤、カチオンDS(三洋化成(株)製)、コータミン86W(花王(株)製)、コータミンD86P(花王(株)製)などのカチオン性界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
嵩高柔軟剤は、パルプ繊維間の結合の阻害要因となるため、一般に紙の強度が低下し、紙の嵩高柔軟性が発現する。しかし、ある一定以上に添加量を増やしてもその効果が頭打ちになってしまう。即ち、原料パルプに対して嵩高柔軟剤を0.1重量%〜5.0重量%の範囲で添加することが好ましい。また、添加量が多すぎると、紙の摩擦係数が極端に変化してしまうなど一般紙質への影響が出る場合もある一方、少なすぎると嵩高柔軟剤の種類によっては嵩高柔軟効果が十分に発現しない場合があるので、0.2重量%〜2.0重量%の範囲で添加することがより好ましい。
【0033】
一方、一般に用いられている界面活性剤をパルプに混合して抄造すると、ある程度の嵩高化の効果はあるものの、サイズ性は低下してしまう。これは、界面活性剤の親水性に原因があると思われるが正確な原因は定かでない。サイズ性を低下させない方法としては、用いる界面活性剤の疎水性をさらに高めることによりサイズ性を向上させることが考えられる。例えば、ノニオン性界面活性剤の場合、サイズ性を低下させるアルキレンオキサイドを含まない界面活性剤が好ましい。
【0034】
ところで、多価アルコールの脂肪酸エステル化合物は高い疎水性を有しているが、この化合物は多価アルコールを原料に用いているため、脂肪酸とのエステル化合物はエステル置換された数の異なる混合物となってしまう。それらの中で、多価アルコールの一つのOH基に脂肪酸が置換したモノエステル化合物は疎水性と親水性のバランスが良いためにその海面活性効果は極めて高いものであるが、やや親水性が高いためかサイズ性を低下させる効果を有している。
【0035】
以上のことから、本願発明においては、脂肪酸と多価アルコールのエステル化合物において、サイズ性を低下させるモノエステル体の含有率を低下させることにより、嵩高性を維持したままサイズ性を向上させる嵩高サイズ剤を得ることを検討したところ、嵩高性とサイズ性を両立させるためには、モノエステル体の含有量が40重量%以下であることが望ましく、特に10重量%以下とするのがより望ましいことを見出した。
【0036】
多価アルコールの脂肪酸エステル化合物は、一般に、多価アルコールと脂肪酸とを原料に用い、それらに対してエステル化触媒を添加して反応させることにより製造される。その生成物は3価のアルコールの場合、未反応の原料の他に3価アルコールの脂肪酸モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体のうちのいずれか、あるいは2種以上を含有している。4価アルコールの場合、未反応の原料の他に4価アルコールの脂肪酸モノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、テトラエステル体のうちのいずれか、あるいは2種以上を含有している。本願発明に用いられるサイズ剤は、このうち、多価アルコールの脂肪酸モノエステル体の含有量が40%以上であることを特徴としている。
【0037】
本願発明に用いられるサイズ剤を構成している脂肪酸は、炭素数5〜60の飽和脂肪酸であり、例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラセリン酸、セロプラスチン酸が好ましく、これらの中で炭素数12〜22のものが特に好ましい。また、2種類以上の飽和脂肪酸を混合して使用してもよい。
【0038】
また、本願発明に用いられるサイズ剤を構成している多価アルコールは、3価または4価のものが好ましく、例えば、グリセリン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリトリット、ペンタエリスリトール、ソルビタンが特に好ましい。
【0039】
また、多価アルコールと脂肪酸とを反応させるために用いられるエステル化触媒としては、塩酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、無水塩化アルミニウム、酸性イオン交換樹脂、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などが用いられる。
【0040】
また、エステル化反応を促進するために、水に不溶な有機溶媒と共沸させて副生する水を取り除いたり、150℃以上に加温して水を系外に除去したり、反応系を減圧下に置いて効率的に水を除去することで、短時間で不純物の少ないエステル化合物を得ることができる。
【0041】
また、本願発明に用いられるサイズ剤は、一般に用いられる界面活性剤より疎水性が高いため、シャープな粒度分布を持つ乳化液を製造することが比較的難しくなる傾向がある、乳化液の安定性が低下すると、サイズ剤がパルプ繊維に均一に吸着し難くなり、結果的には十分なサイズ性が得られなくなる。そこで、疎水性が高いサイズ剤を使用する際には、乳化能力に優れた界面活性剤を併用して均一な乳化液を作ることが重要である。乳化剤の添加量については、サイズ剤に対して0.1重量%〜30重量%の範囲とするのが好ましく、紙質をあまり変化させずに嵩高性及びサイズ性を向上させるには1.5重量%〜10重量%の範囲とするのがより好ましい。
【0042】
乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン生、両性などの様々な界面活性剤が用いられるが、特にカチオン化澱粉や4級アンモニウム塩のようなカチオン性乳化剤が、乳化時の泡の発生が少なく作業性に優れている。特に、4級アンモニウム塩の中でも、長鎖アルキル基を少なくとも1個有する4級アンモニウム塩を用いると、嵩高効果が特に促進される。
【0043】
本願発明に用いられるサイズ剤を乳化するために用いられる界面活性剤の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
【0044】
即ち、ペレックスOT−P(花王(株)製)、デモールEP(花王(株)製)、ディスパーTL(明成化学(株)製)、ゴーセランL−3266(日本合成化学(株)製)、アロンT−40(東亜合成化学(株)製)などのアニオン性界面活性剤、エマルゲン(花王(株)製)、エマルミン(三洋化成(株)製)、Span#20,40,60,80,83,85並びにTween20,40,60,80,85などのノニオン性界面活性剤、カチオンDS(三洋化成(株)製)、コータミン86W(花王(株)製)、コータミンD86P(花王(株)製)などのカチオン性界面活性剤などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
サイズ剤は、パルプ繊維間の結合の阻害要因となるため、一般に紙の強度が低下する傾向が見られる。また、ある一定以上に添加量を増やしてもその効果が頭打ちになることも散見される。そのため、原料パルプに対してサイズ剤を0.1重量%〜20重量%の範囲で添加することが好ましい。また、添加量が多すぎると、紙の摩擦係数が極端に変化してしまうなど一般紙質への影響が出る場合もある一方、少なすぎると嵩高柔軟剤の種類によっては嵩高柔軟効果が十分に発現しない場合があるので、0.2重量%〜5重量%の範囲で添加することがより好ましい。
【0046】
本願発明の嵩高柔軟紙は、各種パルプから通常の製紙工程によって製造される。原料パルプには、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、古紙パルプなどを単独または任意の割合で混合して使用することができる。なお、紙の原料に用いるパルプに機械パルプ及び/または古紙パルプが含まれた場合でも、本願発明に用いられるサイズ剤は良好なサイズ性を示す。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
【0047】
本願発明の嵩高柔軟紙は填料を含有してもよい。填料としては、一般に使用されているものが使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素ーホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子などの有機填料が、単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
【0048】
本願発明の嵩高柔軟紙を得るには、通常の抄紙工程にサイズ剤をそのまま若しくはサイズ剤の乳化液を添加(所謂内添)すればよい。添加する場所は、パルプスラリーと均一に混合できるところであれば特に限定されるものではない。
【0049】
本願発明においては、サイズ剤を添加することにより、一般に用いられている既存のサイズ剤の使用量を減らすだけでなく、サイズ剤自体を使用せずとも目的とするサイズ性を得ることができる。しかし、紙の銘柄によっては高いサイズ性が必要なものもあるので、その時には、本願発明においては嵩高サイズ剤と一般に用いられている既存のサイズ剤とを併用してもよい。
【0050】
併用するサイズ剤としては、アルキルケテンダイマー系化合物、アルケニル無水コハク酸系化合物、スチレンーアクリル系化合物、スチレンーマレイン系化合物、高級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤やロジン系サイズ剤が挙げられる。
【0051】
本願発明の嵩高柔軟紙を製造する際には、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
【0052】
上記製紙用内添助剤としては、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が挙げられる。
【0053】
その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニールアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物が例示できる。
【0054】
さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。なお、本願発明の嵩高柔軟紙の製造方法は、その抄紙方法が、例えば抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙によるものか、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み、抄紙pHが約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性で行う、所謂中性抄紙によるものか等については特に限定されず、全ての抄紙方法によって得られる紙を対象とする。また、抄紙機も長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。
【0055】
本願発明の嵩高柔軟紙は、例えば、オフセット印刷用紙として好適である。その他にも凸版印刷用紙、電子写真用紙、あるいはインクジェット記録用紙、感熱記録紙、感圧記録紙、PPC用紙、フォーム用紙などの情報記録用紙の原紙にも使用することができる。また、塗工紙用原紙としての使用も好ましい態様である。最近では、環境問題の高まりに伴い、古紙パルプを高配合する傾向が随所に見られてきている。本願発明に用いられるサイズ剤は、古紙パルプの量にかかわらず、著しい嵩高サイズ性を示す。そのため、新聞紙は勿論のこと、板紙・白板紙でも効果を発揮する。
【0056】
【実施例】
以下に、本願発明を実施例により詳細に説明するが、本願発明は、これらに限定されるものではない。通常の抄紙工程における紙の紙面温度をシミュレートする方法として、手抄きシートを2種類の乾燥機を用いて乾燥して両者を比較した。即ち、予熱乾燥期間の紙面温度が通常より低くなる場合(低温乾燥)を想定して送風乾燥機、及び予熱乾燥期間の紙面温度が通常若しくは通常より高くなる場合(高温乾燥)を想定して環境試験機を用いて評価した。ここでは、予熱乾燥期間の紙面温度として初期紙面温度を用いた。
【0057】
低温乾燥:送風乾燥機(初期紙面温度40℃、加熱温度105℃)
高温乾燥:環境試験機(初期紙面温度70℃、加熱温度105℃)
実施例及び比較例にて製造した嵩高柔軟紙について下記の項目を測定して評価した。結果は表1に示した。
【0058】
密度:JIS P 8118に準拠
引っ張り強度:JIS P 8113に準拠
クラーク剛度:JIS P 8143に準拠
サイズ度:JIS P 8122に準拠
嵩高柔軟剤のHLB価:次式により算出した。
HLB価=20×(親水基部分の分子量)/(全分子量)。
【0059】
実施例1
嵩高柔軟剤としてペンタエリスリトールジオレエート(試薬:東京化成(株)製、液体、HLB価=4.0)10.0gと、分散剤としてペレックスOT−P(花王(株)製)0.1gを良く混合し、それを1000gの水に添加して、乳化機を用いて回転数10000rpmにて10分間撹拌を行い、嵩高柔軟剤の乳化液を調製した。
【0060】
一方、サイズ剤としてペンタエリスリトールのパルミチン酸エステル(モノエステル体の含有率15%)10.0gと、乳化剤としてエマルゲン905(花王(株)製)0.5gとを良く混合し、それを100gの水に添加して、乳化機を用いて回転数10000rpmにて撹拌し、サイズ剤の乳化液を調製した。
【0061】
パルプ分としてLBKP(濾水度 CSF350ml)を使用した。これに前述の嵩高柔軟剤の乳化液とサイズ剤の乳化液とを対パルプ当たりそれぞれ1.0重量%および2.0重量%となるように添加して紙料を調製した。そして、丸型手抄き機を用いて秤量60g/mとなるように抄紙し、4.18kg/cmの有効プレス圧にてプレスし、環境試験機(紙面温度70℃、加熱温度105℃)を用い、1時間乾燥して嵩高柔軟紙を得た。
【0062】
実施例2
嵩高柔軟剤としてグリセリントリオレエート(試薬:東京化成(株)製、液体、HLB価=2.0)10.0gと分散剤としてエマルゲンA−60(花王(株)製)0.2gとを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤としてグリセリンのステアリン酸エステル(モノエステル体の含有率5%)を用いてサイズ剤の乳化液を調製した以外は実施例1と同様にして嵩高柔軟紙を得た。
【0063】
実施例3
嵩高柔軟剤としてグリセリンモノリノレート(試薬:東京化成(株)製、液体、HLB価=5.1)10.0gと分散剤としてカチオンDS(三洋化成(株)製)0.15gとを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤としてトリメチロールプロパンのベヘン酸エステル(モノエステル体の含有率10%)を用いてサイズ剤の乳化液を調製した以外は実施例1と同様にして嵩高柔軟紙を得た。
【0064】
実施例4
嵩高柔軟剤としてペンタエリスリトールジイソステアレート(日本製紙(株)製、液体、HLB価=4.0)0.3gを使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤としてペンタエリスリトールのステアリン酸エステル(モノエステル体を含まない)を用いてサイズ剤の乳化液を調製した以外は実施例1と同様にして嵩高柔軟紙を得た。
【0065】
比較例1
嵩高柔軟剤としてペンタエリスリトールジステアレート(試薬:東京化成(株)製、融点51℃、HLB価=4.0)を使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、サイズ剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして嵩高柔軟紙を得た。
【0066】
比較例2
嵩高柔軟剤としてソルビタンモノラウレート(試薬:東京化成(株)製−Span#20、液体、HLB価=9.4)を使用して嵩高柔軟剤の乳化液を調製し、AKD系サイズ剤を対パルプ当たり0.1重量%添加した以外は実施例1と同様にして嵩高柔軟紙を得た。
【0067】
比較例3
嵩高柔軟剤を添加せず、サイズ剤としてペンタエリスリトールのステアリン酸エステル(モノエステル体の含有率35%)を用いた以外は実施例1と同様にして嵩高柔軟紙を得た。
【0068】
【表1】

Figure 2004324024
【0069】
表1に示すように、実施例1〜4と比較例1とを比べると、嵩高柔軟剤として常温で液体である高級不飽和脂肪酸エステルや高級分岐脂肪酸エステル塩を用いることにより、融点が高い高級飽和脂肪酸エステルを用いた場合に比べて、初期紙面温度が低い場合でも嵩高で、クラーク剛度が低下した紙が得られたことが分かる。即ち、実施例1〜4では、乾燥温度(初期紙面温度)にかかわらず十分な嵩高柔軟効果が発現しているが、比較例1(融点が50℃を超える嵩高柔軟剤を用いた場合)では、嵩高柔軟性を発現させるためには十分に高い初期紙面温度が必要であることが分かる。しかも、嵩高性とともにサイズ性も確保できていることが分かる。
【0070】
また、実施例1〜4と比較例2とを比べると、嵩高柔軟剤のHLB価が8以下であれば、十分な嵩高柔軟効果が得られることが分かる。しかも、本願発明においてサイズ剤として用いられる化合物は、一般のサイズ剤にはない嵩高性を有していることも分かる。
【0071】
また、実施例1〜4と比較例3とを比べると、比較例3の場合、嵩高柔軟剤が添加されていないため、裂断長・クラーク剛度が共に高くなっており、嵩高柔軟剤の添加が必須であることが分かる。しかも、多価アルコールの脂肪酸モノエステルの含有率が低くなると、サイズ性が高くなることが分かる。その際、嵩高性には全く影響がなかった。
【0072】
上記したように、本願発明によれば、液体若しくは融点が50℃以下で、且つHLB価が8以下である嵩高柔軟剤を用いることにより、初期の乾燥工程で紙面温度が低くなった場合でも十分な嵩高柔軟性を得ることができることとなっている。しかも、サイズ剤の添加によって嵩高性とサイズ性とを両立させることもできることとなっている。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a bulky flexible paper which is bulky and excellent in flexibility and has high size.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the type separation has progressed, and comic books and paperback books have rapidly become widespread. Under these circumstances, it is necessary to reduce the weight and impart flexibility of the paper. Here, the lightening of the paper refers to the weight reduction while maintaining the thickness of the paper, that is, the increase in bulk (in other words, the reduction in density).
[0003]
Examples of the method for making the paper bulky include a method using crosslinked pulp, a method by blending with synthetic fibers, a method of filling a filler such as an inorganic substance between pulp, and a method of using expandable particles. When fibers or the like are used, the recyclability of the paper is impaired, and the method of filling the space between the pulp and the method of using the expandable particles has a problem that the paper strength is significantly reduced.
[0004]
On the other hand, paper flexibility is considered to be influenced by many factors such as fiber type, paper density, paper moisture, etc., and household paper products such as toilet paper, tissue paper, etc. Many softeners have been developed to the point where moderate softness is required. For example, glycerin, polyethylene glycol, urea, paraffin emulsions, quaternary ammonium salts, and the like are known to have the effect of imparting flexibility to paper.
[0005]
However, even when these bulking agents and softening agents are used in the actual papermaking process, the effects of bulking and softening may not be sufficiently exhibited.
[0006]
Therefore, a technique has been proposed in which a paper having high bulkiness and flexibility is obtained by including a certain bulky softening agent (for example, see Patent Document 1).
[0007]
In recent years, as interest in environmental issues has increased, there has been a tendency to actively mix waste paper pulp, and the amount of waste paper pulp has been increasing in the same manner as mechanical pulp. However, if the amount of the used paper pulp is too large, problems such as a decrease in whiteness and opacity occur, and it is necessary to solve these problems. A method using a surfactant has been proposed as a method for making paper including waste paper bulky or improving whiteness and opacity.
[0008]
The method of using a surfactant to make the paper bulky can relatively easily obtain a bulky paper because no special method or apparatus is used. However, a surfactant having high hydrophilicity impairs the size. On the other hand, if a surfactant having high hydrophobicity is used, the size can be expected to be improved. However, there is no surfactant or paper bulking agent having such performance.
[0009]
Therefore, a technique has been proposed in which a paper having high sizing properties can be obtained by using a certain kind of sizing agent (for example, see Patent Document 2).
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-2002-155494
[Patent Document 2]
JP-A-2002-285494.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of bulky flexible paper, the bulkiness and flexibility are mutually contradictory performances, and those having high bulkiness tend to be inferior in size, and those having high size are inferior in bulkiness. Because of the tendency, in the case of the paper disclosed in Patent Document 1, it is difficult to obtain high sizing properties, and in the case of the paper disclosed in Patent Document 2, it is difficult to obtain high bulkiness. Exist.
[0012]
The present invention has been made in view of the above points, and has as its object to provide a bulky flexible paper having high bulkiness and high size.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, as a first means for solving the above problems, a liquid or a bulky softener having a melting point of 50 ° C. or less and an HLB value of 8 or less, a polyhydric alcohol and a saturated alcohol having 5 to 60 carbon atoms are used. An ester compound with a fatty acid, wherein the sizing agent has a monoester content of 40% or less.
When the paper surface temperature is lowered in the papermaking drying process for some reason by using a bulky softener having a liquid or a melting point of 50 ° C. or less and an HLB value of 8 or less due to the above configuration. However, a paper having sufficient bulkiness and excellent flexibility can be obtained, and an ester compound of a polyhydric alcohol and a saturated fatty acid having 5 to 60 carbon atoms, wherein the monoester content of the ester compound is 40 %, It is possible to secure high sizing properties while maintaining high bulkiness.
[0014]
According to the present invention, as a second means for solving the above-mentioned problems, in the bulky flexible paper provided with the first means, the bulky softener is made of a polyhydric alcohol, a higher unsaturated fatty acid and / or An ester compound with a higher-branched fatty acid can also be used. Such a configuration is optimal when the paper surface temperature is lowered in the drying step.
[0015]
In the present invention, as a third means for solving the above-mentioned problem, in the bulky flexible paper provided with the first or second means, the sizing agent is added in an amount of 0.1 to 20% by weight per pulp weight. Such a configuration is more preferable in securing the size.
[0016]
According to the invention of the present application, as a fourth means for solving the above-mentioned problem, mechanical pulp and / or waste paper pulp can be contained as a pulp component in a bulky flexible paper provided with the third means. In such a case, the sizing agent exhibits good bulkiness and sizing property.
[0017]
【The invention's effect】
According to the present invention, there is provided an ester compound of a liquid or a bulky softener having a melting point of 50 ° C. or less and an HLB value of 8 or less, and a polyhydric alcohol and a saturated fatty acid having 5 to 60 carbon atoms. Since it contains a sizing agent having a monoester content of the compound of 40% or less, it exhibits sufficient bulkiness and excellent flexibility even when the paper surface temperature is lowered in the papermaking drying step for some reason. This has the effect that high-quality paper can be obtained while maintaining high bulkiness.
[0018]
The bulk softening agent may be an ester compound of a polyhydric alcohol and a higher unsaturated fatty acid and / or a higher branched fatty acid. In such a case, the method becomes optimal when the paper surface temperature is lowered in the drying step. .
[0019]
The sizing agent may be added in an amount of 0.1 to 20% by weight based on the weight of the pulp. In this case, it is more preferable to secure the sizing property.
[0020]
In addition, mechanical pulp and / or waste paper pulp can be contained as a pulp component, in which case the sizing agent exhibits good bulky sizing.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
[0022]
The bulky softening agent used in the present invention has both a hydrophobic group and a hydrophilic group in a molecule, and a well-known one is a surfactant. Examples thereof include higher alcohols and alkylene oxide adducts of higher fatty acids. The surfactant is not particularly limited as long as it is a chemical capable of making the paper bulky and flexible. It is also known that some of the aliphatic polyamidoamine compounds have a bulky and softening effect. At present, bulky softeners that are commercially available include Sulsol VL of BASF, Bivolume P Liquid of Bayer, React Pake (opacity improver) of Sanseki, and KB-08T, KB of Kao Corporation. -115. The mechanism of the bulky softness is not clear, and the composition of the drugs marketed as the bulky softening agent is not the same, but in any case, by fixing to the pulp fiber at the time of paper making, by increasing the bonding distance between the pulp fibers It is considered that bulkiness and flexibility are developed.
[0023]
It is considered that as a mechanism of bulkiness softening, as a result of the bulkiness softening agent being melted by the heat of the dryer and covering the fiber surface, the fibers themselves are hydrophobized, hydrogen bonds between fibers are inhibited, and the bulkiness softening effect is exhibited. However, if for some reason the efficiency of the drying step decreases and the paper surface temperature does not rise sufficiently, the bulkiness softener does not melt and the coatability decreases, the fibers are not sufficiently hydrophobicized, and the hydrogen bonds between the fibers are reduced. It is formed and does not show sufficient bulkiness and flexibility. Even if the bulk softening agent melts, if sufficient heat is not applied to the paper, inter-fiber hydrogen bonds are generated before melting, making it difficult to exhibit a sufficient bulk softening effect. The paper surface temperature in the drying step of a general paper machine is 40 ° C. to 55 ° C. in a period until the temperature of the wet paper becomes constant (preheating drying period), and the temperature of the wet paper after that is about 55 ° C. to 80 ° C. It is. In addition, the bulkiness generally starts to take effect during the preheating drying period before the formation of inter-fiber bonds of the pulp.
[0024]
Therefore, as a result of examining the relationship between the paper surface temperature, especially the paper surface temperature during the preheating drying period and the bulkiness and flexibility of the paper, it can be easily melted with a small amount of heat, and is liquid at room temperature or has a melting point of 50 ° C. It has been found that by using the following bulky softener, the fiber surface can be efficiently hydrophobized, and paper having low density and improved flexibility can be effectively formed.
[0025]
In general, higher saturated fatty acid esters are often solid at normal temperature, but higher unsaturated fatty acid esters and higher branched fatty acid esters are mostly liquids, and even in the case of solids, the melting point is 50 ° C. or lower. Many.
[0026]
Specific examples of the ester compound of a polyhydric alcohol and a higher unsaturated fatty acid and / or a higher branched fatty acid used as a bulk softening agent used in the present invention include the following compounds.
[0027]
Ethylene glycol monooleate, ethylene glycol dioleate, ethylene glycol monolinoleate, ethylene glycol dilinoleate, glycerin dioleate, glycerin trioleate, glycerin monolinoleate, glycerin dilinoleate, glycerin trilinoleate, propylene glycol mono Oleate, propylene glycol dioleate, propylene glycol monolinoleate, propylene glycol dilinoleate, pentaerythritol monooleate, pentaerythritol dioleate, pentaerythritol trioleate, pentaerythritol tetraoleate, pentaerythritol monolino Rate, pentaerythritol dilinoleate, pentaerythritol trilinolate, pentaerythritol Tetra linoleate, sorbitan dioleate, sorbitan trioleate, sorbitan tetraoleate, sorbitan distearate linoleate, sorbitan tanto Lili methylate, higher unsaturated fatty acid esters such as sorbitan tetra linoleate.
[0028]
Ethylene glycol monoisostearate, ethylene glycol diisostearate, glycerin monoisostearate, glycerin diisostearate, glycerin triisostearate, propylene glycol monoisostearate, propylene glycol diisostearate, pentaerythritol monoiso Higher branched fatty acid esters such as stearate, pentaerythritol diisostearate, pentaerythritol triisostearate, pentaerythritol tetraisostearate, sorbitan diisostearate, sorbitan triisostearate and sorbitan tetraisostearate. And the like, but are not limited to these.
[0029]
Further, a bulky softening agent having a high HLB value and not having sufficient hydrophobicity cannot hydrophobize the fiber, and thus may not exhibit a desired bulky softening effect. Therefore, in order to impart sufficient hydrophobicity to the fiber, the HLB value needs to be 8 or less. However, when the hydrophobicity is too high, it is difficult to efficiently disperse the compound in water, and it is difficult to uniformly adsorb the fibers, and as a result, sufficient bulkiness and flexibility may not be obtained. Therefore, when a bulky softener having high hydrophobicity is used, it is important to use a surfactant having excellent dispersibility in combination with a surfactant to form a uniform emulsion in order to sufficiently disperse in water. Some bulk softening agents have self-emulsifying properties. However, when a bulky softening agent having a high hydrophobicity is used, the proportion of the surfactant to the bulk softening agent is 10.0% by weight or less. Is preferred.
[0030]
In the present invention, specific examples of the surfactant used for emulsifying the bulky softener include the following compounds.
[0031]
That is, Perex OT-P (manufactured by Kao Corporation), Demol EP (manufactured by Kao Corporation), Disper TL (manufactured by Meisei Chemical Co., Ltd.), Goselan L-3266 (manufactured by Nippon Synthetic Chemical Co., Ltd.), Aron Anionic surfactants such as T-40 (manufactured by Toa Gosei Chemical Co., Ltd.), nonionic surfactants such as Emulgen A-60 (manufactured by Kao Corporation) and Emulmin 50 (manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.) Examples thereof include cationic surfactants such as Cation DS (manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.), Cotamine 86W (manufactured by Kao Corporation), and Cotamine D86P (manufactured by Kao Corporation), but are not limited thereto. Not something.
[0032]
Since the bulk softening agent becomes a hindrance factor for the bond between the pulp fibers, the strength of the paper generally decreases and the bulk softness of the paper is exhibited. However, even if the amount of addition is increased beyond a certain level, the effect thereof reaches a plateau. That is, it is preferable to add the bulk softening agent to the raw pulp in the range of 0.1% by weight to 5.0% by weight. Also, if the amount is too large, the friction coefficient of the paper may be extremely changed, which may affect the general paper quality.On the other hand, if the amount is too small, the bulky softening effect is sufficiently exhibited depending on the type of the bulky softener. In some cases, the addition is more preferably performed in the range of 0.2% by weight to 2.0% by weight.
[0033]
On the other hand, when a generally used surfactant is mixed with pulp to make a paper, there is an effect of increasing the bulk to some extent, but the size is reduced. This may be due to the hydrophilicity of the surfactant, but the exact cause is not clear. As a method of not lowering the sizing property, it is conceivable to improve the sizing property by further increasing the hydrophobicity of the surfactant used. For example, in the case of a nonionic surfactant, a surfactant that does not contain an alkylene oxide that reduces size is preferable.
[0034]
By the way, fatty acid ester compounds of polyhydric alcohols have high hydrophobicity. However, since this compound uses polyhydric alcohol as a raw material, ester compounds with fatty acids are mixed in different numbers with ester substitution. Would. Among them, monoester compounds in which one OH group of a polyhydric alcohol is substituted with a fatty acid have a very good balance between hydrophobicity and hydrophilicity, and therefore have extremely high sea surface activity, but have a slightly higher hydrophilicity. It has the effect of reducing the size of the sham.
[0035]
From the above, in the present invention, in the ester compound of a fatty acid and a polyhydric alcohol, by reducing the content of a monoester that reduces sizing properties, bulkiness is improved while maintaining bulkiness. Examination of obtaining an agent revealed that in order to achieve both bulkiness and size, the content of the monoester is preferably 40% by weight or less, and more preferably 10% by weight or less. Was found.
[0036]
The fatty acid ester compound of a polyhydric alcohol is generally produced by using a polyhydric alcohol and a fatty acid as raw materials, adding an esterification catalyst thereto, and reacting them. In the case of a trihydric alcohol, the product contains, in addition to unreacted raw materials, any one or more of fatty acid monoesters, diesters, and triesters of the trihydric alcohol. In the case of the tetrahydric alcohol, in addition to unreacted raw materials, any one or more of fatty acid monoesters, diesters, triesters, and tetraesters of the tetrahydric alcohol are contained. The sizing agent used in the present invention is characterized in that the content of the fatty acid monoester of polyhydric alcohol is 40% or more.
[0037]
The fatty acid constituting the sizing agent used in the present invention is a saturated fatty acid having 5 to 60 carbon atoms, for example, caprylic acid, pelargonic acid, capric acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid, margaric acid, stearin Acids, arachidic acid, behenic acid, lignoceric acid, cerotic acid, montanic acid, melicic acid, racemic acid and celloplastic acid are preferred, and among these, those having 12 to 22 carbon atoms are particularly preferred. Further, two or more kinds of saturated fatty acids may be used as a mixture.
[0038]
The polyhydric alcohol constituting the sizing agent used in the present invention is preferably a trihydric or tetrahydric alcohol. For example, glycerin, butanetriol, pentanetriol, hexanetriol, trimethylolethane, trimethylolpropane, Erythrit, pentaerythritol and sorbitan are particularly preferred.
[0039]
Examples of the esterification catalyst used for reacting the polyhydric alcohol with the fatty acid include hydrochloric acid, sulfuric acid, benzenesulfonic acid, paratoluenesulfonic acid, aluminum chloride, acidic ion exchange resin, and dicyclohexylcarbodiimide (DCC). Used.
[0040]
Further, in order to promote the esterification reaction, azeotropic distillation with an organic solvent insoluble in water is performed to remove by-produced water, or water is heated to 150 ° C. or higher to remove water from the system. By removing water efficiently under reduced pressure, an ester compound with few impurities can be obtained in a short time.
[0041]
In addition, since the sizing agent used in the present invention has a higher hydrophobicity than a commonly used surfactant, it tends to be relatively difficult to produce an emulsion having a sharp particle size distribution. When the particle size decreases, it becomes difficult for the sizing agent to uniformly adsorb to the pulp fiber, and as a result, sufficient sizing properties cannot be obtained. Therefore, when using a sizing agent having high hydrophobicity, it is important to prepare a uniform emulsion by using a surfactant having an excellent emulsifying ability. The amount of the emulsifier to be added is preferably in the range of 0.1% by weight to 30% by weight based on the size of the sizing agent, and 1.5% by weight to improve bulkiness and sizing without significantly changing paper quality. % To 10% by weight.
[0042]
As the emulsifier, various surfactants such as anionic, cationic, nonionic, amphoteric and the like are used. In particular, cationic emulsifiers such as cationized starch and quaternary ammonium salts cause foaming during emulsification. Less workability. In particular, among quaternary ammonium salts, when a quaternary ammonium salt having at least one long-chain alkyl group is used, the bulking effect is particularly promoted.
[0043]
Specific examples of the surfactant used for emulsifying the sizing agent used in the present invention include the following compounds.
[0044]
That is, Perex OT-P (manufactured by Kao Corporation), Demol EP (manufactured by Kao Corporation), Disper TL (manufactured by Meisei Chemical Co., Ltd.), Goselan L-3266 (manufactured by Nippon Synthetic Chemical Company), Aron Anionic surfactants such as T-40 (manufactured by Toa Gosei Chemical Co., Ltd.), Emulgen (manufactured by Kao Corporation), Emulmin (manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.), Span # 20, 40, 60, 80, 83 , 85 and Tween 20, 40, 60, 80, 85, etc., Cation DS (manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.), Coatamine 86W (manufactured by Kao Corporation), Coatamine D86P (manufactured by Kao Corporation) And the like, but are not limited thereto.
[0045]
Since the sizing agent becomes a hindrance factor for the bond between the pulp fibers, the strength of the paper generally tends to decrease. In addition, it is sometimes observed that even if the addition amount is increased beyond a certain level, the effect thereof reaches a plateau. Therefore, it is preferable to add the sizing agent to the raw pulp in the range of 0.1% by weight to 20% by weight. Also, if the amount is too large, the friction coefficient of the paper may be extremely changed, which may affect the general paper quality.On the other hand, if the amount is too small, the bulky softening effect is sufficiently exhibited depending on the type of the bulky softener. In some cases, the addition is more preferably performed in the range of 0.2% by weight to 5% by weight.
[0046]
The bulky flexible paper of the present invention is produced from various types of pulp by an ordinary papermaking process. Raw pulp may be chemical pulp (bleached or unbleached kraft pulp of softwood, bleached or unbleached kraft pulp of hardwood, etc.), mechanical pulp (ground pulp, thermomechanical pulp, chemithermomechanical pulp, etc.), waste paper pulp, etc. Alternatively, they can be used in a mixture at an arbitrary ratio. In addition, even when mechanical pulp and / or waste paper pulp are included in the pulp used as a raw material of paper, the sizing agent used in the present invention exhibits good sizing properties. The pH during papermaking may be any of acidic, neutral and alkaline.
[0047]
The bulky flexible paper of the present invention may contain a filler. As the filler, those commonly used can be used, and are not particularly limited.For example, clay, calcined clay, diatomaceous earth, talc, kaolin, calcined kaolin, delamikaolin, heavy calcium carbonate, light carbonate Inorganic fillers such as calcium, magnesium carbonate, barium carbonate, titanium dioxide, zinc oxide, silicon oxide, amorphous silica, aluminum hydroxide, calcium hydroxide, magnesium hydroxide, zinc hydroxide, urea-formalin resin, polystyrene resin, phenol Organic fillers such as resins and minute hollow particles are used alone or in appropriate combination of two or more kinds.
[0048]
In order to obtain the bulky flexible paper of the present invention, the sizing agent may be added as it is or an emulsion of the sizing agent may be added (so-called internal addition) to the ordinary papermaking process. The place to be added is not particularly limited as long as it can be uniformly mixed with the pulp slurry.
[0049]
In the present invention, by adding a sizing agent, not only the amount of the existing sizing agent that is generally used can be reduced, but also the desired sizing property can be obtained without using the sizing agent itself. However, some paper brands require high sizing properties. At that time, a bulky sizing agent may be used in combination with an existing sizing agent generally used in the present invention.
[0050]
Examples of the sizing agent used in combination include an alkyl ketene dimer compound, an alkenyl succinic anhydride compound, a styrene-acrylic compound, a styrene-maleic compound, a higher fatty acid compound, a petroleum resin sizing agent and a rosin sizing agent. .
[0051]
When the bulky flexible paper of the present invention is produced, various conventional nonionic and cationic retention agents, freeness improvers, paper strength improvers, and other papermaking internal additives are required. Is appropriately selected and used according to the conditions.
[0052]
Examples of the papermaking internal additive include, for example, a sulfuric acid band, aluminum chloride, sodium aluminate, a basic aluminum chloride, a basic aluminum compound such as a basic polyaluminum hydroxide, and an alumina sol easily decomposable in water. Water-soluble aluminum compounds, polyvalent metal compounds such as ferrous sulfate and ferric sulfate, and silica sol.
[0053]
Other papermaking auxiliaries: various starches, polyacrylamide, urea resin, melamine resin, epoxy resin, polyamide resin, polyamide, polyamine resin, polyamine, polyethyleneimine, vegetable gum, polyvinyl alcohol, latex, polyethylene oxide, hydrophilic crosslinking Various compounds such as polymer particle dispersions and derivatives or denatured products thereof can be exemplified.
[0054]
Further, papermaking internal additives such as a dye, a fluorescent brightener, a pH adjuster, an antifoaming agent, a pitch control agent, and a slime control agent can be appropriately added according to the application. In addition, the method for producing a bulky flexible paper according to the present invention is as follows. The papermaking method is based on, for example, an acidic papermaking having a papermaking pH of about 4.5, or contains an alkaline filler such as calcium carbonate as a main component, and has a papermaking pH. There is no particular limitation on the so-called neutral papermaking, which is performed with a weak acidity of about 6 to a weak alkalinity of about 9, and paper obtained by any papermaking method is targeted. As the paper machine, a fourdrinier paper machine, a twin wire machine, a Yankee paper machine or the like can be appropriately used.
[0055]
The bulky flexible paper of the present invention is suitable, for example, as offset printing paper. In addition, it can also be used as base paper for information recording paper such as letterpress printing paper, electrophotographic paper, or ink jet recording paper, heat-sensitive recording paper, pressure-sensitive recording paper, PPC paper, or foam paper. Further, use as a base paper for coated paper is also a preferred embodiment. In recent years, with the increase in environmental problems, the tendency of highly blending waste paper pulp has been observed everywhere. The sizing agent used in the present invention exhibits a remarkably bulky size regardless of the amount of waste paper pulp. Therefore, the present invention is effective not only for newsprint but also for paperboard and white paperboard.
[0056]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto. As a method of simulating the paper surface temperature in a normal papermaking process, a handmade sheet was dried using two types of dryers, and the two were compared. In other words, the air dryer is supposed to be a case where the paper surface temperature during the preheating drying period is lower than normal (low temperature drying), and the environment is supposed that the paper surface temperature during the preheating drying period is normal or higher than normal (high temperature drying). The evaluation was performed using a testing machine. Here, the initial paper surface temperature was used as the paper surface temperature during the preheating drying period.
[0057]
Low temperature drying: blow dryer (initial paper surface temperature 40 ° C, heating temperature 105 ° C)
High temperature drying: Environmental tester (initial paper surface temperature 70 ° C, heating temperature 105 ° C)
The following items were measured and evaluated for the bulky flexible paper produced in the examples and comparative examples. The results are shown in Table 1.
[0058]
Density: Conforms to JIS P 8118
Tensile strength: according to JIS P 8113
Clark stiffness: based on JIS P 8143
Size degree: Conforms to JIS P8122
HLB value of bulk softener: Calculated by the following formula.
HLB value = 20 × (molecular weight of hydrophilic group portion) / (total molecular weight).
[0059]
Example 1
10.0 g of pentaerythritol dioleate (reagent: Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., liquid, HLB value = 4.0) as a bulking softener, and 0.1 g of Perex OT-P (Kao Corporation) as a dispersant Was well mixed, added to 1000 g of water, and stirred for 10 minutes at 10,000 rpm using an emulsifier to prepare an emulsion of a bulk softener.
[0060]
On the other hand, 10.0 g of palmitic acid ester of pentaerythritol (monoester content 15%) as a sizing agent and 0.5 g of Emulgen 905 (manufactured by Kao Corporation) as an emulsifier were mixed well, and 100 g of the mixture was mixed. The mixture was added to water and stirred at 10,000 rpm using an emulsifier to prepare an emulsion of a sizing agent.
[0061]
LBKP (freeness CSF 350 ml) was used as the pulp content. The above-mentioned bulky softener emulsion and sizing agent emulsion were added to the pulp at 1.0% by weight and 2.0% by weight, respectively, to prepare a stock. And weighing 60 g / m using a round hand machine 2 4.18 kg / cm 2 And dried using an environmental tester (paper temperature 70 ° C., heating temperature 105 ° C.) for 1 hour to obtain a bulky flexible paper.
[0062]
Example 2
Glycerin trioleate (reagent: manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., liquid, HLB value = 2.0) 10.0 g as a bulking softener and 0.2 g of Emulgen A-60 (Kao Corporation) as a dispersant are used. In the same manner as in Example 1 except that an emulsified solution of a bulk softener was prepared, and an emulsified solution of a sizing agent was prepared using stearic acid ester of glycerin (monoester content: 5%) as a sizing agent. A bulky flexible paper was obtained.
[0063]
Example 3
Glycerin monolinoleate (reagent: manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., liquid, HLB value = 5.1) 10.0 g as a bulking softener and 0.15 g of cation DS (manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.) as a dispersant are used. As in Example 1 except that a bulky softener emulsion was prepared and a sizing agent emulsion was prepared using trimethylolpropane behenate (monoester content: 10%) as a sizing agent. To obtain a bulky flexible paper.
[0064]
Example 4
Using 0.3 g of pentaerythritol diisostearate (manufactured by Nippon Paper Industries Co., Ltd., liquid, HLB value = 4.0) as a bulk softening agent, an emulsion of the bulk softening agent is prepared, and pentaerythritol as a sizing agent is prepared. A bulky flexible paper was obtained in the same manner as in Example 1 except that an emulsion of the sizing agent was prepared using a stearic acid ester (not containing a monoester).
[0065]
Comparative Example 1
Using pentaerythritol distearate (reagent: manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., melting point 51 ° C., HLB value = 4.0) as a bulk softener, an emulsion of the bulk softener was prepared, and no sizing agent was added. A bulky flexible paper was obtained in the same manner as in Example 1 except for the above.
[0066]
Comparative Example 2
Using sorbitan monolaurate (reagent: Span # 20, liquid, HLB value = 9.4, manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd.) as a bulk softener, an emulsion of the bulk softener was prepared, and an AKD sizing agent was prepared. A bulky flexible paper was obtained in the same manner as in Example 1 except that 0.1% by weight per pulp was added.
[0067]
Comparative Example 3
A bulky flexible paper was obtained in the same manner as in Example 1, except that a bulky softener was not added and a stearic acid ester of pentaerythritol (monoester content: 35%) was used as a sizing agent.
[0068]
[Table 1]
Figure 2004324024
[0069]
As shown in Table 1, when Examples 1 to 4 and Comparative Example 1 are compared, the use of a higher unsaturated fatty acid ester or a higher branched fatty acid ester salt which is a liquid at ordinary temperature as a bulking softener allows a higher melting point to be obtained. It can be seen that compared to the case where the saturated fatty acid ester was used, even when the initial paper surface temperature was low, the paper was bulky and the Clark stiffness was reduced. That is, in Examples 1 to 4, a sufficient bulk softening effect is exhibited irrespective of the drying temperature (initial paper surface temperature), but in Comparative Example 1 (when a bulk softening agent having a melting point exceeding 50 ° C. is used). It can be seen that a sufficiently high initial paper surface temperature is required to express bulkiness and flexibility. In addition, it can be seen that the bulkiness can be secured as well as the size.
[0070]
In addition, comparing Examples 1 to 4 with Comparative Example 2, it can be seen that if the HLB value of the bulk softening agent is 8 or less, a sufficient bulk softening effect can be obtained. Moreover, it can be seen that the compound used as a sizing agent in the present invention has bulkiness not found in general sizing agents.
[0071]
In addition, comparing Examples 1 to 4 with Comparative Example 3, in Comparative Example 3, since the bulk softening agent was not added, both the breaking length and the Clark stiffness were high, and the addition of the bulk softening agent was performed. Is essential. In addition, it can be seen that the lower the content of the fatty acid monoester of the polyhydric alcohol, the higher the size. At that time, the bulkiness was not affected at all.
[0072]
As described above, according to the present invention, by using a liquid or a bulky softener having a melting point of 50 ° C. or less and an HLB value of 8 or less, even if the paper surface temperature is lowered in the initial drying step, it is sufficient. That is, it is possible to obtain high bulk flexibility. In addition, both bulkiness and sizing can be achieved by adding a sizing agent.

Claims (4)

液体あるいは融点が50℃以下で、且つHLB価が8以下である嵩高柔軟剤と、多価アルコールと炭素数5〜60の飽和脂肪酸とのエステル化合物であって、該エステル化合物のモノエステル体含有率が40%以下であるサイズ剤とを含んでいることを特徴とする嵩高柔軟紙。A liquid or a bulky softener having a melting point of 50 ° C. or less and an HLB value of 8 or less, and an ester compound of a polyhydric alcohol and a saturated fatty acid having 5 to 60 carbon atoms, containing a monoester compound of the ester compound And a sizing agent having a ratio of 40% or less. 前記嵩高柔軟剤が、多価アルコールと、高級不飽和脂肪酸および/または高級分岐脂肪酸とのエステル化合物であることを特徴とする前記請求項1記載の嵩高柔軟紙。The bulky flexible paper according to claim 1, wherein the bulky softener is an ester compound of a polyhydric alcohol and a higher unsaturated fatty acid and / or a higher branched fatty acid. 前記サイズ剤をパルプ重量当たり0.1〜20重量%添加することを特徴とする前記請求項1および2のいずれか一項記載の嵩高柔軟紙。The bulky flexible paper according to any one of claims 1 and 2, wherein the sizing agent is added in an amount of 0.1 to 20% by weight per pulp weight. パルプ分として機械パルプおよび/または古紙パルプを含有することを特徴とする前記請求項3記載の嵩高柔軟紙。4. The bulky flexible paper according to claim 3, wherein the pulp contains mechanical pulp and / or waste paper pulp.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008248459A (en) * 2007-03-30 2008-10-16 Nippon Paper Industries Co Ltd Method for producing paper
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