【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯電防止性能と防曇性能及び、その持続性に優れ、配合された樹脂組成物において優れた表面特性を有する樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂は加工性が良いことから成形品、フィルム、シート等に幅広く用いられている。例えば、ポリオレフィン樹脂はその機械的・化学的特性から包装材料、建築材料、自動車用部品、日用雑貨、農業用資材、医療器具等の幅広い用途に利用されている。ポリオレフィン樹脂は従来、チーグラー触媒を使用して製造されてきたが、その重合触媒によって得られる樹脂は分子量分布が広く立体規則性の制御が困難であった。そこで近年、メタロセン触媒(カミンスキー触媒)と呼ばれる重合触媒を使用することで分子量分布が狭く、立体規則性も優れた樹脂が得られるようになり、分子量分布の狭さや立体規則性の向上が優れたアンチブロッキング性、衝撃強度、低温ヒートシール性、透明性をもたらすことが明らかになっている。従来のポリオレフィン樹脂に含まれていた低分子量物は特に食品包装分野において衛生面で問題となり、べたつきや透明性低下の原因となっていたがメタロセン触媒で製造することによりこれらの問題が解決された。
【0003】ポリオレフィン樹脂の特性の一つとして電気絶縁性がある。そのため合成樹脂は電気製品の材料として頻繁に利用されている。しかし、あまりに絶縁性が高いため摩擦等により帯電するという問題がある。帯電した樹脂はホコリやチリを引きつけ成形品の外観を損ねることによる商品価値の低下、フィルム同士や他の物体に対する反発やくっつきによる加工作業性の低下、人が触れた際にショックを与えるという問題がある。さらに深刻な問題としては、帯電による電気機器等の誤作動、火花放電による火災等が挙げられる。
【0004】このような問題を解決するため通常、合成樹脂には帯電防止処理が施されている。このために最も簡便な方法として樹脂を加工成形する際に帯電防止剤を加える練り込み型帯電防止剤を使用する方法がある。しかし、メタロセン触媒を使用して製造された樹脂基材は、従来のポリオレフィン樹脂に使用されてきたモノグリセリン脂肪酸エステルやアミン系界面活性剤を配合しても、静電気の発生を防止する効果や発生した静電気を除去する効果が著しく少なく、実用的に問題がある。また、防曇効果をも兼ね備えた帯電防止剤の例は極めて少ない。
【0005】例えば、モノグリセリン脂肪酸エステルの添加量を上げることで初期の帯電防止効果は改善されるが、効果に持続性がなく樹脂成形品表面の悪化をまねく。これは、フィルム等の薄物の場合には特に顕著である。モノグリセリン脂肪酸エステルの欠点である白化を解決し、透明性・アンチブロッキング性等のフィルム適性に優れた帯電防止剤としては、分子量の大きいジグリセリン脂肪酸エステルを含むポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。しかし、ジグリセリン脂肪酸エステルを単独使用した場合は、速効性能には優れるが白化問題は依然解決されず、重合度が3以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを単独使用した場合には、経時白化の問題が解決され透明性が良好な樹脂成形品が得られるが、メタロセン触媒を使用して重合された樹脂基材に対して帯電防止効果が全く発現しないといった問題がある。上記問題を解決するために近年、ポリグリセリン脂肪酸エステルとアミン系界面活性剤の併用が特開2000−230084号公報等で多数検討されている。アミン系界面活性剤を併用すると、白化現象、ブロッキング、べたつき等の問題は改善される。しかし、アミン系界面活性剤がエステル交換反応の触媒として作用し、グリセリン脂肪酸エステルの分解を促進し、その際に発生する遊離グリセリンにより加工中の発煙の問題となり、また樹脂基材に練り込まれた後もグリセリン脂肪酸エステルの分解が進行し、経時的に帯電防止効果が低減する(特開2002−47485)。それだけでなく、成形や焼却処分の際に発生する臭気・発煙や樹脂成形品が経時的に黄変するといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記問題を解決するため、メタロセン触媒を使用して製造された樹脂を用いた帯電防止効果と防曇効果の速効性及び持続性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明者らは鋭意検討の結果、ジグリセリン脂肪酸エステルとグリセリンの平均重合度が3〜10であるポリグリセリン脂肪酸エステルとを樹脂基材に適量配合することによって優れた帯電防止効果と防曇効果の速効性能を有し、かつ優れた持続性と経時安定性を有する樹脂組成物を見い出し本発明に至った。
【0008】即ち、本発明はメタロセン触媒によって重合されたポリオレフィン樹脂に、(A)成分としてジグリセリン脂肪酸エステル、及び(B)成分としてグリセリンの平均重合度が3〜10であるポリグリセリン脂肪酸エステルを特定な配合比率で混合した帯電防止剤を配合してなる樹脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂組成物の樹脂基材は、メタロセン触媒を使用して製造されたポリオレフィン樹脂である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−長鎖α−オレフィン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。本発明の基材である上記の樹脂を製造する際に使用されるメタロセン触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と、助触媒、必要により有機アルミニウム化合物と、担体とからなる触媒である。
【0010】ここで、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも1種以上の置換基を有するものである。その置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよい。またかかわる置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよく、置換基同士が互いに結合して形成された環が置換基を有していてもよい。
【0011】上記炭素数1〜10の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、ネオフイル基等のアラルキル基等が挙げられる。
【0012】置換基同士、すなわち炭化水素同士が互いに結合して1または2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基、フルオレニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニル基、アズレニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換されたアズレニル基等が挙げられる。
【0013】シクロペンタジエニルを有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物について、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。該当する遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。尚、かかわる架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、ジアルキルシリレン基、ジアルキルゲルミレン基等が挙げられる。
【0014】周期律表第IV族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては代表的なものとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基等が挙げられる。
【0015】必要により使用される助触媒としては、前記周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になし得る、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衡させうるものをいう。用いられる助触媒としては特に限定はされないが、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、酸化ランタン等のランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。
【0016】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、無機または有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該当する担体としては無機または有機化合物の多孔質酸化物が好ましく例として、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al2O3、SiO2−V2O5、SiO2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr2O3等が挙げられる。
【0017】必要により使用される有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアンモニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
【0018】本発明に用いる樹脂基材は、上記触媒の存在下、気相重合、高圧イオン重合、溶液重合で製造することができる。
【0019】メタロセン触媒によって重合されたポリオレフィン樹脂としては、市販品から用いることができる。市販品としては、デュポンダウ社製アフィニティー、三井化学社製エボリュー、日本ポリケム社製カーネル等が挙げられる。
【0020】本発明の樹脂組成物に配合される(A)ジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステルである。脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ガドレン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セラコレイン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸が挙げられる。また、これらの脂肪酸を含有する天然油脂由来の混合脂肪酸でもよい。天然油脂としては例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油等の植物性油脂、馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。これらの中でも帯電防止性及び樹脂基材との相溶性の面から、炭素数6〜22の脂肪酸または炭素数6〜22の脂肪酸を含む天然油脂由来の混合脂肪酸が好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度、即ちエステル化前のポリグリセリンの水酸基の数に対するエステル化された水酸基の数の割合は特に限定されないが、全ての水酸基がエステル化されていないことが好ましい。特に優れた帯電防止効果又は防曇効果を発揮させるためには、エステル化度は5〜80%が好ましく、10〜70%がより好ましい。エステル化度が5%未満だと樹脂成形品の表面状態の悪化をまねき、80%より多いと帯電防止効果が発現しにくくなる。
【0021】本発明の樹脂組成物に配合される(B)ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステルである。ポリグリセリンは通常、様々な重合度のポリグリセリンや環状ポリグリセリンの混合物であるが、平均重合度は3以上でなければならず、好ましくは3〜10である。脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、ガドレン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セラコレイン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸が挙げられる。また、これらの脂肪酸を含有する天然油脂由来の混合脂肪酸でもよい。天然脂肪酸としては例えば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油等の植物性油脂、馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。これらの中でも帯電防止性及び樹脂基材との相溶性の面から、炭素数6〜22の脂肪酸または炭素数6〜22の脂肪酸を含む天然油脂由来の混合脂肪酸が好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度、即ちエステル化前のポリグリセリンの水酸基の数に対するエステル化された水酸基の数の割合は特に限定されないが、全ての水酸基がエステル化されていないことが好ましい。特に優れた帯電防止効果を発揮させるためには、エステル化度は5〜80%が好ましく、10〜70%がより好ましい。
【0022】本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステル(A)はジグリセリンと炭素数6〜22の脂肪酸のエステル化物であり、樹脂基材に配合する量は特に限定されない。しかし、あまり大量に配合すると樹脂表面の光学特性に影響を及ぼし、あまりに配合量が少ないと帯電防止効果が不十分となる場合がある。好ましい配合量は樹脂基材に対して0.005〜20重量%、より好ましくは0.05〜15重量%、最も好ましくは0.1〜10重量%である。
【0023】ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)はポリグリセリンと炭素数6〜22の脂肪酸のエステル化物であり、樹脂基材に配合する量は特に限定されない。しかし、あまり大量に配合すると樹脂の物性に影響を及ぼし、あまりに配合量が少ないと帯電防止効果が不十分となる場合がある。好ましい配合量は樹脂基材に対して0.005〜15重量%、より好ましくは0.05〜10重量%、最も好ましくは0.1〜5重量%である。
【0024】本発明の樹脂組成物には上記の成分のほか、滑剤、紫外線吸収剤、安定剤、その他の帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、可塑剤、着色剤、結晶核剤、相溶剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、無機電解質、フィラー、充填剤、顔料、香料等のその他の樹脂添加剤を配合することができる。滑剤としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ステアリルアルコール、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪族系滑剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム/亜鉛複合体、ステアリン酸亜鉛/ステアリン酸カルシウム複合体等の金属石けん系滑剤;硬化油脂、グリセリンモノステアレート、ステアリン酸ブチル、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸ステアリル等のエステル系滑剤等が挙げられる。これらの滑剤の配合量は基材となる樹脂によって変化するが、樹脂基材に対して0.001〜15重量%が好ましく、0.005〜10重量%がより好ましく、0.01〜5重量%が最も好ましい。
【0025】本発明の樹脂組成物は上記成分の帯電防止剤をメタロセン触媒によって重合された樹脂基材に配合してなるものである。
【0026】
【実施例】
以下に実施例・比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1〜6および比較例1〜6
メタロセン触媒によって重合された直鎖低密度ポリエチレン樹脂(密度:0.92g/cm3、MFR=4.0)100重量%に対して帯電防止剤を表1に示すような組成で0.3重量%添加して混練した後、ラボプラストミル(東洋精機(株)製ME−25型)を用い、ダイス温度250℃にてTダイ法で厚さ30μmのフィルムを成形した。そのフィルムについて帯電防止効果(20℃,45%RHでの表面固有抵抗値)を経日的に測定した。また、40℃で1ヶ月保管後の表面状態を観察した。結果を表1、表2に記す。
【0027】<帯電防止性試験>
試料片を、20℃、45%RHにコントロールされた恒温、恒湿室で超絶縁計(東亜電波工業(株)製SM−8310型)にて表面固有抵抗値を測定した。
【0028】<防曇性試験>
100mLガラス製ビーカーに40℃の水を60mL入れ、ビーカーの口を試作したフィルムで密閉し塞いだ後、5℃の恒温槽内に1時間入れ、このフィルムの曇りを調べた。評価基準は以下のとおり。
防曇性評価基準
10:全く水滴がなく、全面濡れた状態。
9:曇りは全くないが、極わずかはじかれた水滴が存在している。
8:7と9の中間。
7:曇りはないが、所々にはじかれた水滴が存在している。
6:5と7の中間。
5:曇りはないが、はじかれた水が大きな水滴となって点在している。
4:3と5の中間。
3:全面に大きな水滴が付着し、曇って中身がほとんど見えない。
2:1と3の中間。
1:全体的に白く曇って中身が全く見えない。
【0029】<表面状態>
40℃、1ヶ月保管後の試料片を、以下の基準で評価した。
○:白化、ブロッキング、べたつきが認められない。
△:白化、ブロッキング、べたつきがやや認められる。
×:白化、ブロッキング、べたつきが顕著に認められる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1、表2から明らかなように、本発明の樹脂組成物を用いたフィルムは、帯電防止効果と防曇効果の速効性及び持続性に優れており、表面状態も良好である。一方、モノグリセリン脂肪酸エステルやジグリセリン脂肪酸エステルのみを用いると帯電防止効果と防曇効果の持続性を有さず、表面状態が悪化し(比較例1、2)、ポリグリセリン脂肪酸エステルのみを用いると帯電防止効果が全く発現せず(比較例3)、アミン系界面活性剤を併用すると帯電防止効果と防曇効果の持続性を有さず(比較例4、5)、ジグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度が高いと帯電防止効果が発現しない(比較例6)。
【0033】
【発明の効果】
本発明の効果は、帯電防止効果と防曇効果の速効性及び持続性に優れた樹脂組成物を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a resin composition which is excellent in antistatic and antifogging properties and durability, and which has excellent surface properties in a compounded resin composition.
[0002]
[Prior art]
Thermoplastic resins are widely used for molded articles, films, sheets and the like because of their good workability. For example, polyolefin resins are used for a wide range of applications such as packaging materials, building materials, automobile parts, daily goods, agricultural materials, medical instruments, etc. due to their mechanical and chemical properties. Conventionally, polyolefin resins have been produced using a Ziegler catalyst, but the resin obtained with the polymerization catalyst has a wide molecular weight distribution and it is difficult to control stereoregularity. Therefore, in recent years, by using a polymerization catalyst called a metallocene catalyst (Kamminski catalyst), a resin having a narrow molecular weight distribution and excellent stereoregularity can be obtained, and a narrow molecular weight distribution and improved stereoregularity are excellent. It has been found to provide anti-blocking properties, impact strength, low-temperature heat sealing properties, and transparency. Low molecular weight substances contained in conventional polyolefin resins have become a problem in hygiene, especially in the food packaging field, and have caused stickiness and reduced transparency.However, these problems have been solved by manufacturing with a metallocene catalyst. .
One of the characteristics of polyolefin resins is their electrical insulation. Therefore, synthetic resins are frequently used as materials for electric appliances. However, there is a problem that it is charged due to friction or the like because of too high insulating property. Charged resin attracts dust and dirt, impairing the appearance of molded products, lowering product value, repelling and sticking to films and other objects, lowering workability, and causing shock when touched by humans There is. More serious problems include malfunctions of electrical equipment due to charging, fires due to spark discharge, and the like.
In order to solve such a problem, a synthetic resin is usually subjected to an antistatic treatment. As a simplest method for this purpose, there is a method of using a kneading type antistatic agent which adds an antistatic agent when processing and molding a resin. However, the resin base material produced using the metallocene catalyst has the effect of preventing the generation of static electricity even when the monoglycerin fatty acid ester or amine surfactant used in the conventional polyolefin resin is blended. The effect of removing the generated static electricity is extremely small, and there is a practical problem. Also, there are very few examples of antistatic agents that also have an antifogging effect.
[0005] For example, by increasing the amount of monoglycerin fatty acid ester added, the initial antistatic effect is improved, but the effect is not persistent and the surface of the resin molded product is deteriorated. This is particularly noticeable in the case of a thin material such as a film. Polyglycerol fatty acid esters including diglycerin fatty acid esters having a large molecular weight can be cited as antistatic agents which solve whitening which is a drawback of monoglycerin fatty acid esters and have excellent film suitability such as transparency and anti-blocking properties. However, when diglycerin fatty acid ester is used alone, the fast-acting performance is excellent, but the whitening problem is still not solved. When polyglycerin fatty acid ester having a degree of polymerization of 3 or more is used alone, the problem of whitening over time is problematic. Although a resin molded product having a good transparency can be obtained by solving the problem, there is a problem that no antistatic effect is exerted on a resin substrate polymerized using a metallocene catalyst. In recent years, in order to solve the above-mentioned problem, a large number of combinations of a polyglycerin fatty acid ester and an amine surfactant have been studied in JP-A-2000-230084 and the like. When an amine surfactant is used in combination, problems such as whitening, blocking, and stickiness are improved. However, the amine-based surfactant acts as a catalyst for the transesterification reaction and promotes the decomposition of glycerin fatty acid ester, and the free glycerin generated at that time causes a problem of smoke during processing and is kneaded into the resin base material. After that, the decomposition of the glycerin fatty acid ester proceeds, and the antistatic effect decreases with time (Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-47485). In addition, there are problems such as odor and smoke generated during molding and incineration and yellowing of the resin molded product with time.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a resin composition having excellent antistatic effect and antifogging effect, which is excellent in quick action and durability, using a resin produced using a metallocene catalyst in order to solve the above problems. .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have conducted intensive studies and have found that a suitable amount of a diglycerin fatty acid ester and a polyglycerin fatty acid ester having an average degree of polymerization of glycerin of 3 to 10 are blended in an appropriate amount into a resin base material. The present invention has been found a resin composition having a fast-acting effect of an anti-fogging effect and an anti-fogging effect and having excellent durability and stability over time.
That is, the present invention relates to a polyolefin resin polymerized by a metallocene catalyst, a diglycerin fatty acid ester as a component (A) and a polyglycerin fatty acid ester having an average degree of polymerization of glycerin of 3 to 10 as a component (B). A resin composition containing an antistatic agent mixed at a specific compounding ratio.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The resin substrate of the resin composition of the present invention is a polyolefin resin produced using a metallocene catalyst. For example, polyolefin resins such as polyethylene, polypropylene, polybutene, polymethylpentene, ethylene-propylene copolymer, ethylene-long-chain α-olefin copolymer, polybutadiene and polyisoprene can be mentioned. The metallocene catalyst used in producing the above resin which is the base material of the present invention is a transition metal compound of Group IV of the periodic table containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton, a co-catalyst, Is a catalyst comprising an organoaluminum compound and a carrier.
Here, in the transition metal compound of Group IV of the periodic table containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton, the cyclopentadienyl skeleton means a cyclopentadienyl group, a substituted cyclopentadienyl group. And the like. Examples of the substituted cyclopentadienyl group include a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, a silyl group, a silyl-substituted alkyl group, a silyl-substituted aryl group, a cyano group, a cyanoalkyl group, a cyanoaryl group, a halogen group, a haloalkyl group, and a halosilyl group. It has at least one or more substituents selected from groups and the like. The substituted cyclopentadienyl group may have two or more substituents. Further, the related substituents may be bonded to each other to form a ring, or the ring formed by bonding the substituents to each other may have a substituent.
Examples of the hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms include an alkyl group, a cycloalkyl group, an aryl group, an aralkyl group and the like, and include a methyl group, an ethyl group, an n-propyl group, an isopropyl group and an n-butyl group. Group, isobutyl group, sec-butyl group, t-butyl group, pentyl group, hexyl group, octyl group, 2-ethylhexyl group, alkyl group such as decyl group, cyclopentyl group, cycloalkyl group such as cyclohexyl group, phenyl group, Examples include an aryl group such as a tolyl group, and an aralkyl group such as a benzyl group and a neofuyl group.
When the substituents, that is, the hydrocarbons are bonded to each other to form one or more rings, the substituted cyclopentadienyl group may be an indenyl group, a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms (alkyl A substituted indenyl group, a naphthyl group, a substituted naphthyl group substituted by a substituent such as a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms (such as an alkyl group), a fluorenyl group, Substituted fluorenyl group, azulenyl group, and azulenyl group substituted with a substituent such as a hydrocarbon group having 1 to 8 carbon atoms (such as an alkyl group) having 8 to 8 hydrocarbon groups (such as an alkyl group). And the like.
With respect to the transition metal compound of Group IV of the periodic table containing a ligand having cyclopentadienyl, examples of the transition metal include zirconium, titanium, and hafnium, with zirconium being particularly preferred. The corresponding transition metal compound usually has 1 to 3 ligands having a cyclopentadienyl skeleton, and when having 2 or more ligands, they may be bonded to each other by a crosslinking group. The cross-linking group includes an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms, a dialkylsilylene group, a dialkylgermylene group, and the like.
In the transition metal compounds of Group IV of the periodic table, typical examples of ligands other than the ligand having a cyclopentadienyl skeleton include hydrogen and a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms ( Alkyl group, alkenyl group, aryl group, alkylaryl group, aralkyl group, polyenyl group, etc.), halogen, methalkyl group, metaaryl group and the like.
The co-catalyst optionally used can effectively use the transition metal compound of Group IV of the periodic table as a polymerization catalyst or balance the ionic charge in a catalytically activated state. A thing. The co-catalyst used is not particularly limited, but benzene-soluble aluminoxane and benzene-insoluble organic aluminum oxy compound of an organic aluminum oxy compound, lanthanide salts such as ion-exchanged layered silicate, boron compound, lanthanum oxide, and tin oxide And the like.
The transition metal compound of Group IV of the periodic table containing a ligand having a cyclopentadienyl skeleton may be used by being supported on an inorganic or organic compound carrier. The corresponding carrier is preferably a porous oxide of an inorganic or organic compound, preferably SiO 2 , Al 2 O 3 , MgO, ZrO 2 , TiO 2 , B 2 O 3 , CaO, ZnO, BaO, ThO 2, or the like. These mixtures may be mentioned, for example, SiO 2 —Al 2 O 3 , SiO 2 —V 2 O 5 , SiO 2 —TiO 2 , SiO 2 —MgO, SiO 2 —Cr 2 O 3 and the like.
The organoaluminum compound used if necessary includes trialkylammonium such as triethylaluminum and triisopropylaluminum, dialkylaluminum halide, alkylaluminum sesquihalide, alkylaluminum dihalide, alkylaluminum hydride, and organicaluminum alkoxide. Is mentioned.
The resin substrate used in the present invention can be produced by gas phase polymerization, high pressure ionic polymerization, or solution polymerization in the presence of the above catalyst.
As the polyolefin resin polymerized by the metallocene catalyst, commercially available products can be used. Commercially available products include Affinity manufactured by Dupont Dow, Evolu manufactured by Mitsui Chemicals, Inc., and Kernel manufactured by Nippon Polychem.
The (A) diglycerin fatty acid ester blended in the resin composition of the present invention is an ester of diglycerin and a fatty acid. Fatty acids include caproic acid, caprylic acid, pelargonic acid, capric acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid, stearic acid, oleic acid, linoleic acid, linolenic acid, arachiic acid, arachidonic acid, icosapentaenoic acid, gadrenic acid, behenin Acids, fatty acids such as erucic acid, lignoceric acid, seracholeic acid, cerotic acid, montanic acid, melicic acid, ceroplastic acid, ricinoleic acid, and 12-hydroxystearic acid. Further, mixed fatty acids derived from natural fats and oils containing these fatty acids may be used. Examples of natural fats and oils include linseed oil, eno oil, euca deer oil, olive oil, cacao oil, kapok oil, white mustard oil, sesame oil, rice bran oil, safflower oil, shea nut oil, cinnamon oil, soybean oil, teaseed oil, camellia oil Oil, corn oil, rapeseed oil, palm oil, palm kernel oil, castor oil, sunflower oil, cottonseed oil, coconut oil, vegetable wax such as wax, peanut oil, horse fat, tallow, beef tallow, beef tallow, lard And animal fats such as goat fat, sheep fat, milk fat, fish oil and whale oil. Among these, a fatty acid having 6 to 22 carbon atoms or a mixed fatty acid derived from natural fats and oils containing a fatty acid having 6 to 22 carbon atoms is preferable from the viewpoint of antistatic properties and compatibility with the resin base material. The degree of esterification of the polyglycerol fatty acid ester, that is, the ratio of the number of esterified hydroxyl groups to the number of hydroxyl groups of polyglycerin before esterification is not particularly limited, but it is preferable that not all hydroxyl groups are esterified. In order to exhibit a particularly excellent antistatic effect or antifogging effect, the degree of esterification is preferably from 5 to 80%, more preferably from 10 to 70%. If the degree of esterification is less than 5%, the surface condition of the resin molded article will be deteriorated.
The (B) polyglycerin fatty acid ester blended in the resin composition of the present invention is an ester of polyglycerin and a fatty acid. Polyglycerin is usually a mixture of polyglycerin and cyclic polyglycerin having various degrees of polymerization, and the average degree of polymerization must be 3 or more, and preferably 3 to 10. Fatty acids include caproic acid, caprylic acid, pelargonic acid, capric acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid, stearic acid, oleic acid, linoleic acid, linolenic acid, arachiic acid, arachidonic acid, icosapentaenoic acid, gadrenic acid, behenin Acids, fatty acids such as erucic acid, lignoceric acid, seracholeic acid, cerotic acid, montanic acid, melicic acid, ceroplastic acid, ricinoleic acid, and 12-hydroxystearic acid. Further, mixed fatty acids derived from natural fats and oils containing these fatty acids may be used. Examples of natural fatty acids include, for example, linseed oil, eno oil, deer oil, olive oil, cacao oil, kapok oil, white mustard oil, sesame oil, rice bran oil, safflower oil, shea nut oil, cinnamon oil, soybean oil, teaseed oil, camellia oil Oil, corn oil, rapeseed oil, palm oil, palm kernel oil, castor oil, sunflower oil, cottonseed oil, coconut oil, vegetable wax such as wax, peanut oil, horse fat, tallow, beef tallow, beef tallow, lard And animal fats such as goat fat, sheep fat, milk fat, fish oil and whale oil. Among these, a fatty acid having 6 to 22 carbon atoms or a mixed fatty acid derived from natural fats and oils containing a fatty acid having 6 to 22 carbon atoms is preferable from the viewpoint of antistatic properties and compatibility with the resin base material. The degree of esterification of the polyglycerol fatty acid ester, that is, the ratio of the number of esterified hydroxyl groups to the number of hydroxyl groups of polyglycerin before esterification is not particularly limited, but it is preferable that not all hydroxyl groups are esterified. In order to exhibit a particularly excellent antistatic effect, the degree of esterification is preferably from 5 to 80%, more preferably from 10 to 70%.
The diglycerin fatty acid ester (A) used in the present invention is an esterified product of diglycerin and a fatty acid having 6 to 22 carbon atoms, and the amount to be added to the resin substrate is not particularly limited. However, if the amount is too large, the optical properties of the resin surface are affected, and if the amount is too small, the antistatic effect may be insufficient. The preferred compounding amount is 0.005 to 20% by weight, more preferably 0.05 to 15% by weight, and most preferably 0.1 to 10% by weight, based on the resin base material.
The polyglycerin fatty acid ester (B) is an esterified product of polyglycerin and a fatty acid having 6 to 22 carbon atoms, and the amount to be added to the resin substrate is not particularly limited. However, if the amount is too large, the physical properties of the resin are affected. If the amount is too small, the antistatic effect may be insufficient. The preferred compounding amount is 0.005 to 15% by weight, more preferably 0.05 to 10% by weight, and most preferably 0.1 to 5% by weight, based on the resin base material.
The resin composition of the present invention contains, in addition to the above components, a lubricant, an ultraviolet absorber, a stabilizer, other antistatic agents, an antifogging agent, a flame retardant, a plasticizer, a coloring agent, a crystal nucleating agent, Other resin additives such as a solvent, an antiblocking agent, a foaming agent, an inorganic electrolyte, a filler, a filler, a pigment, and a fragrance can be blended. Examples of the lubricant include hydrocarbon lubricants such as liquid paraffin, paraffin wax, and polyethylene wax; aliphatic lubricants such as stearyl alcohol, stearic acid, and 12-hydroxystearic acid; calcium stearate, zinc stearate, magnesium stearate, and stearic acid. Metal soap-based lubricants such as lead, aluminum stearate, barium stearate, barium / zinc stearate composite, zinc stearate / calcium stearate composite; hardened fats and oils, glycerin monostearate, butyl stearate, pentaerythritol tetrastearate And ester lubricants such as stearyl stearate. The amount of these lubricants varies depending on the resin used as the base material, but is preferably 0.001 to 15% by weight, more preferably 0.005 to 10% by weight, and 0.01 to 5% by weight based on the resin base material. % Is most preferred.
The resin composition of the present invention is obtained by blending the antistatic agent of the above component with a resin substrate polymerized by a metallocene catalyst.
[0026]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Examples and Comparative Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 6
0.3% by weight of an antistatic agent based on 100% by weight of a linear low-density polyethylene resin (density: 0.92 g / cm 3 , MFR = 4.0) polymerized by a metallocene catalyst. %, And the mixture was kneaded, and a 30 μm thick film was formed by a T-die method at a die temperature of 250 ° C. using a Labo Plastmill (ME-25, manufactured by Toyo Seiki Co., Ltd.). The antistatic effect (surface specific resistance at 20 ° C., 45% RH) of the film was measured over time. The surface condition after storage at 40 ° C. for one month was observed. The results are shown in Tables 1 and 2.
<Antistatic test>
The surface resistivity of the sample piece was measured with a super insulation meter (SM-8310, manufactured by Toa Denpa Kogyo KK) in a constant temperature and humidity room controlled at 20 ° C. and 45% RH.
<Anti-fogging test>
60 mL of water at 40 ° C. was placed in a 100-mL glass beaker, and the mouth of the beaker was sealed and closed with a trial-produced film. The evaluation criteria are as follows.
Anti-fogging evaluation criteria 10: No water droplets at all, wet condition over the entire surface.
9: There is no fogging, but very slight water droplets are present.
8: Between 7 and 9.
7: There is no fogging, but repelled water drops are present in some places.
6: Midway between 5 and 7.
5: There is no clouding, but the repelled water is scattered as large water droplets.
4: Between 3 and 5.
3: Large water droplets adhered to the entire surface, became cloudy, and the contents were hardly visible.
Between 2: 1 and 3.
1: The whole is white and cloudy, and the contents are not visible at all.
<Surface condition>
The sample pieces stored at 40 ° C. for one month were evaluated according to the following criteria.
:: No whitening, blocking or stickiness was observed.
Δ: Whitening, blocking and stickiness were slightly observed.
X: Whitening, blocking and stickiness are remarkably observed.
[0030]
[Table 1]
[0031]
[Table 2]
As is clear from Tables 1 and 2, the films using the resin composition of the present invention have excellent antistatic effect and antifogging effect with excellent quick action and durability, and good surface condition. . On the other hand, when only monoglycerin fatty acid ester or diglycerin fatty acid ester is used, the antistatic effect and the antifogging effect are not sustained, the surface state is deteriorated (Comparative Examples 1 and 2), and only polyglycerin fatty acid ester is used. And no antistatic effect was exhibited (Comparative Example 3). When an amine-based surfactant was used in combination, the antistatic effect and the antifogging effect were not sustained (Comparative Examples 4 and 5). When the degree of esterification is high, no antistatic effect is exhibited (Comparative Example 6).
[0033]
【The invention's effect】
The effects of the present invention can provide a resin composition having excellent antistatic effect and antifogging effect, which are excellent in quick action and durability.