【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性マーキングペン、水性マーキングペン等の筆記具用インキや、油性スタンプ、水性スタンプ、朱肉等に用いられ、特に、真贋判定に使用可能な筆記具用インキ組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から真贋判定に用いられる種々のインキが知られており、例えば特許文献１，２に開示されているような赤外発光顔料を用いたインキが知られている。
このインキを用いた真贋判定手段は、真正品に特定波長の赤外線の照射により発光する赤外発光顔料を用いたインキを塗布することによってなされ、その商品に特定波長の赤外線を照射することで、その商品が真正品であれば該インキを塗布した部分が発光するが、その商品が偽造品である場合には赤外線を照射しても発光しないのである。また、赤外発光顔料を用いたインキは、特定波長の赤外線を照射したとき以外は目に見えないので、偽造者にその存在を知られることはない。
しかし、赤外発光顔料を用いたインキによる真贋判定は、通常赤外発光顔料の種類が限られており、その信頼性が低いという致命的な問題点があった。
【０００３】
一方、最近になって、ＤＮＡを用いた真贋判定方法が注目されている。例えば特許文献３には、筆記者の血液、毛髪等を直接筆記具用インキに加えることにより作成した筆記者のＤＮＡを含有した筆記具用インキが開示されている。該インキは、それを用いたボールペン等で署名した後に、真偽不明の署名が発見された場合に、その署名に用いられたインキのＤＮＡ解析を行えば、署名の真偽識別が可能となる。
しかし、このような個人の血液等を必要とする筆記具用インキは、大量生産品に使用するには量的問題があるだけでなく、たとえ大量生産品に使用できたとしても、個人のＤＮＡ情報を含んだ商品を不特定多数の者が入手することになるので、プライバシー保護等の観点から極めて不適当なものといわざるをえない。
【０００４】
また、筆記具用インキ以外の分野のＤＮＡを利用した真贋判定手段としては、例えば特許文献４に開示されたものがある。これは個人を特定するＤＮＡの塩基配列情報をデジタル信号化し、そのデジタル信号を基にして新たなＤＮＡを合成することで、第三者がその個人のＤＮＡ情報を入手することを実質不可能にしている。得られた合成ＤＮＡは個人のＤＮＡ情報に基づくものなので、第三者がその個人の細胞等を盗み取らない限り偽造することは困難であり、極めて信頼性の高いものといえる。
しかし、ＤＮＡの解析するには長時間を必要とするとともに、高価で複雑な解析装置を使用するため、時間、経費、手間のかかるものであった。
また、前記合成ＤＮＡ技術を応用した筆記具用インキは、これまでなかった。
【０００５】
【特許文献１】
特開平６−３０６３１５号公報
【特許文献２】
特開平７−３１００７２号公報
【特許文献３】
特開２０００−９５９８９号公報
【特許文献４】
特開２００２−２５３２０３号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、真贋判定に使用できる筆記具用インキ組成物であって、簡易な手段で真贋判定が可能であり、且つ必要な場合には極めて信頼性の高い手段で真贋判定を行うことができ、しかも、第三者による個人のＤＮＡ情報の入手が実質的に不可能である、油性マーキングペン、油性スタンプ、水性マーキングペン等の筆記具用インキや、水性スタンプ、朱肉等に用いられる筆記具用インキ組成物を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項１記載の発明に係る筆記具用インキ組成物は、少なくとも赤外発光顔料及び合成ＤＮＡを含有することを特徴とするものである。本筆記具用インキ組成物は、赤外発光顔料を含有しているので、例えば、該筆記具用インキ組成物を用いたマーキングペンで筆記された書面等、或いは、該筆記具用インキ組成物を用いたスタンプや朱肉を使用して押印された書面、商品等においてその真贋を確認したい場合には、従来からある携帯型赤外線照射装置を用いた簡易な真贋判定が可能となる。また、本筆記具用インキ組成物には、合成ＤＮＡをも含有しているので、上記書面、商品等においてその詳細な真贋判定を行いたい場合でも、含まれる合成ＤＮＡの分析を行うことで、極めて信頼性の高い真贋判定が可能となる。しかも、この合成ＤＮＡは血液等から直接得られるＤＮＡではないので、第三者による個人のＤＮＡ情報の入手が実質的に不可能となり、個人のプライバシー保護の観点からも極めて優れたものとなる。
【０００８】
また、本発明のうち請求項２記載の発明に係る筆記具用インキ組成物は、合成ＤＮＡを含有する油性スタンプ用インキ組成物であって、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、赤外発光顔料を１５〜２２重量％、ひまし油を５０〜８０重量％、ポリビニルブチラール樹脂を１〜５重量％含有することを特徴とするものである。これにより、該筆記具用インキ組成物は、簡易に且つ場合によっては詳細な真贋判定を行うことが可能な油性スタンプとなる。
【０００９】
また、本発明のうち請求項３記載の発明に係る筆記具用インキ組成物は、合成ＤＮＡを含有する油性マーキングペン用インキ組成物であって、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、赤外発光顔料を５〜２０重量％、エタノールを２５〜５０重量％、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを２．５〜７．０重量％、イオン交換水を２５〜５０重量％、エコーガムを０．１〜０．５重量％含有することを特徴とするものである。主溶剤をエタノール及びイオン交換水の混合溶剤としたことで、紙面のみならず革面にもはじかれることなく筆記できることを可能にした。これにより、該筆記具用インキ組成物は、簡易に且つ場合によっては詳細な真贋判定を行うことが可能な油性マーキングペンとなる。
【００１０】
更に、本発明のうち請求項４記載の発明に係る筆記具用インキ組成物は、合成ＤＮＡ及び赤外発光顔料を含有する水性スタンプ用インキ組成物であって、ゲル化剤をも含有する水性スタンプ用インキ組成物であることを特徴とするものである。これにより、該筆記具用インキ組成物は、簡易に且つ場合によっては詳細な真贋判定を行うことが可能な水性スタンプとなる。
【００１１】
そして、本発明のうち請求項５記載の発明に係る筆記具用インキ組成物は、合成ＤＮＡ及び赤外発光顔料を含有する水性マーキングペン用インキ組成物であって、ゲル化剤をも含有する水性マーキングペン用インキ組成物であることを特徴とするものである。これにより、該筆記具用インキ組成物は、簡易に且つ場合によっては詳細な真贋判定を行うことが可能な水性マーキングペンとなる。
【００１２】
この際、上記水性スタンプ用インキ組成物又は水性マーキングペン用インキ組成物は、ゲル化剤としてエコーガムを含有することができる。
【００１３】
また、本発明のうち請求項７記載の発明に係る筆記具用インキ組成物は、合成ＤＮＡを含有する油性朱肉用インキ組成物であって、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、着色顔料を１５重量％、プロピレングリコールを６０〜７７．５重量％、赤外発光顔料を１５〜２２重量％、ひまし油を３０〜６０重量％、ポリビニルブチラール樹脂を０．１〜０．５重量％含有することを特徴とするものである。これにより、該筆記具用インキ組成物は、簡易に且つ場合によっては詳細な真贋判定を行うことが可能な油性朱肉用インキとなる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の態様を詳細に説明する。
本発明に係る筆記具用インキ組成物は、少なくとも赤外発光顔料及び合成ＤＮＡを含有する。
【００１５】
本発明に係る筆記具用インキ組成物に用いられる赤外発光顔料としては、特定波長の赤外線の照射により発光する顔料であれば特に限定されず、従来から知られているものを用いることができる。具体的には、例えば、ＩＲＡ−ＧＩＩ ４、ＩＲＡ−ＧＩＩ １６（どちらも根本特殊化学社製）、などがある。
【００１６】
本発明に係る筆記具用インキ組成物に用いられる合成ＤＮＡとは、個人を特定するＤＮＡの塩基配列情報をデジタル信号化し、そのデジタル信号を基にして新たに合成されるＤＮＡであり、具体的には、例えば特許文献４に開示されるような合成ＤＮＡをいう。すなわち、本発明に係る合成ＤＮＡはＤＮＡ塩基配列の中のショート・タンデム・リピート（ＳＴＲ）の繰り返し回数の組み合わせであってもよい。係るＳＴＲの繰り返し回数は個人間で著しく異なることから、このような合成ＤＮＡを含有した本発明の筆記具用インキ組成物を用いて筆記、押印された書面、商品等は、その真偽識別力を高めることができる。更に、該合成ＤＮＡは、ＳＴＲの採取箇所を多重化することにより識別の制精度を一層向上させることができる。
【００１７】
係る合成ＤＮＡの含有量は、筆記・押印が可能なレベルであれば特に限定されるものではないが、分析可能であって且つ製造コストを低減させることを考慮して筆記具用インキ組成物中に約０．００３重量％程度含有されていることが好ましい。
【００１８】
上述した赤外発光顔料及び合成ＤＮＡを含有する本発明の筆記具用インキ組成物は、通常は微粒子状（粉末状）である赤外発光顔料及び合成ＤＮＡを、従来の筆記具用インキ組成物と同様に、溶媒と共に撹拌混合して得られる。なお、本発明の筆記具用インキ組成物は、必ずしも着色されている必要はない。例えば、商品の真偽判定用に用いられる場合には、むしろ無色透明である方が真偽判定用のインキ組成物を使用していることを模倣品製造業者に認識される可能性が低いため、当該業者がこの種インキ組成物を用いずに模倣品を製造することが多くなり、結果として容易に真偽判定をすることが可能となる。
【００１９】
そして、本発明の筆記具用インキ組成物は、必要に応じて、着色剤、防腐剤、水溶性有機溶剤、防錆剤、防黴剤、染料溶解助剤、ｐＨ調整剤、固着樹脂等の添加剤を併用することができる。ただし、着色剤のうち着色顔料を含有する場合は、赤外発光顔料とあわせて大量の顔料がインキ中に含まれることとなるので、それらの顔料を沈降させないように適度に分散させることは大変困難であり、好ましくない。
【００２０】
また、本発明の筆記具用インキ組成物を油性スタンプに用いる場合は、インキの押印面への浸透性を向上させるために浸透補助剤を、また、赤外発光顔料等の沈降防止を目的として沈降防止剤をも含有することが好ましい。
【００２１】
上記浸透補助剤は、筆記具用インキ組成物の溶媒としての役割も有し、例えば、ひまし油、ポリプロピレングリコール、ベンジルアルコール、ｎ−プロパノール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。その中でも、インキの押印面への浸透性、油性スタンプ用インキ組成物としての粘度、赤外発光顔料等の沈降性、他の原料との相性等を総合的に考慮すると、ひまし油が特に好ましい。
【００２２】
上記沈降防止剤としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられるが、その中でも、赤外発光顔料等の沈降を防止しつつ油性スタンプ用インキ組成物としての好適な粘度が得られるポリビニルブチラール樹脂が特に好ましい。
【００２３】
そして、本筆記具用インキ組成物を油性スタンプ用インキとして調製する場合、合成ＤＮＡ以外の各原料の含有量は、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、赤外発光顔料が１５〜２２重量％、ひまし油が５０〜８０重量％、ポリビニルブチラール樹脂が１〜５重量％であることが好ましい。赤外発光顔料はその含有量が少なすぎると十分な発光が得られない一方、多すぎると分散性が低下して沈降しやすくなる上に速乾性も低下してしまうので、１５〜２２重量％の範囲が好ましい。また、ひまし油はその含有量が少なすぎるとスタンプ台表面が乾燥し押印不可能になってしまい、逆に含有量が多すぎると印影の速乾性が低下する上に印影が滲んで裏写りしてしまうので、５０〜８０重量％の範囲が好ましい。更に、ポリビニルブチラール樹脂は、その含有量が少なすぎると赤外発光顔料が沈降してしまい、含有量が多すぎると洩糸性を呈する上に速乾性が低下してしまうので、１〜５重量％の範囲が好ましい。
【００２４】
また、本発明の筆記具用インキ組成物を油性マーキングペンに用いる場合は、通常の油性マーキングペン用インキ組成物に添加される有機溶剤に加えて、インキの筆記面への浸透性を向上させるために浸透補助剤を、また、赤外発光顔料等の沈降防止を目的として沈降防止剤をも含有することが好ましい。
【００２５】
上記浸透補助剤としては、例えば、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。その中でも、インキの筆記面への浸透性、油性マーキングペン用インキ組成物としての粘度、赤外発光顔料等の沈降性、他の原料との相性等を総合的に考慮すると、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【００２６】
上記沈降防止剤としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂の他、通常はゲル化剤として用いられるエコーガム等が挙げられるが、その中でも、赤外発光顔料等の沈降を防止しつつ、油性マーキングペン用インキ組成物としての好適な粘度が得られるので、特にエコーガムが好ましい。
【００２７】
更に、有機溶媒としては、通常の油性マーキングペン用インキ組成物に用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、トルエン、ｎ−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン等が挙げられるが、油性マーキングペン用インキ組成物としての粘度、他の原料との相性等を考慮するとメタノールが特に好ましい。
【００２８】
また、上記原料に加えて、油性マーキングペン用インキ組成物としての粘度並びに赤外発光顔料などの沈降性に鑑みて、イオン交換水を添加することがさらに好ましい。
【００２９】
そして、本筆記具用インキ組成物を油性マーキングペン用インキ組成物として調製する場合、合成ＤＮＡ以外の各原料の含有量は、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、赤外発光顔料が５〜２０重量％、メタノールが２５〜５０重量％、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが２．５〜７．０重量％、イオン交換水が２５〜５０重量％、エコーガムが０．１〜０．５重量％であることが好ましい。赤外発光顔料が５重量％未満であると十分な発光が得られず、２０重量％を越えると分散性が低下し沈降しやすくなる上に、速乾性も低下する。メタノールが２５重量％未満であると該インキ組成物の粘度が高くなりすぎてしまうため、インキの排出量が減少し、筆記性に問題が出てくる。また、メタノールが５０重量％を越えると該インキ組成物の粘度が低下しすぎてしまい、赤外発光顔料等が沈降する上にインキの排出量が過剰になり、筆記した場合に裏写りが発生しやすくなる。ジエチレングリコールモノブチルエーテルはその含有量が２．５重量％未満であると、マーキングペンのペン先にあるアクリル性のチップにインキが浸透し難くなって筆記が困難になり、逆に７．０重量％を越えるとインキの粘度が低下してしまい、赤外発光顔料が沈降してしまう上にインキの排出量が過剰となり、筆記した場合に裏写りが発生しやすくなる。更に、イオン交換水が２５重量％未満であると、インキの粘度が高くなりすぎてしまうためインキの排出量が低下し、筆記性に支障を来すこととなる。一方、イオン交換水が５０重量％を越えると粘度が低くなりすぎてしまい、赤外発光顔料が沈降する上に、インキの排出量が過剰に増加し、筆記した場合に裏写りしてしまう。そして、エコーガムが０．１重量％未満であるとインキ中の赤外発光顔料等の分散性が低下してしまうため、該赤外発光顔料等が沈降してしまい、０．５重量％を越えてしまうとインキの粘度が高くなりすぎてしまうので好ましくない。
【００３０】
また、本発明の筆記具用インキ組成物を油性朱肉に用いる場合は、必須成分として、赤外発光顔料、合成ＤＮＡ及び着色剤を含有するが、インキの押印面への浸透性を向上させるために浸透補助剤を、また、赤外発光顔料等の沈降防止を目的として沈降防止剤をも含有することが好ましい。
【００３１】
上記浸透補助剤は、筆記具用インキ組成物の溶媒としての役割も有し、例えば、プロピレングリコール、グリコールエーテル．、ひまし油、エタノール、ｎ−プロパノール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等を挙げることができるが、その中でも、インキの押印面への浸透性、油性朱肉用インキ組成物としての粘度、陰影の乾燥性、赤外発光顔料等の沈降性、他の原料との相性等を総合的に考慮すると、プロピレングリコールが特に好ましい。
【００３２】
上記沈降防止剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられるが、その中でも、赤外発光顔料等の沈降を防止しつつ、油性朱肉用インキ組成物としての好適な粘度が得られるので、ポリビニルブチラール樹脂が特に好ましい。
【００３３】
なお、油性朱肉用インキ組成物に含有される着色剤としては、油性朱肉に従来から用いられているものであれば特に限定されない。
【００３４】
更に、油性朱肉用インキ組成物として調製する場合、合成ＤＮＡ以外の各原料の含有量は、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、赤外発光顔料が１５〜２２重量％、ひまし油が３０〜６０重量％、ポリビニルブチラール樹脂が０．１〜０．５重量％であることが好ましく、更に着色剤が着色顔料である場合は、該着色顔料が１５重量％、赤外発光顔料が１５〜２２重量％、ひまし油が３０〜６０重量％、ポリビニルブチラール樹脂が０．１〜０．５重量％であることが好ましい。この際、着色顔料が少なすぎると鮮明な陰影が得られず、多すぎると赤外発光顔料の発光の妨げとなる。また、赤外発光顔料の含有量が少なすぎると十分な発光が得られず、多すぎると分散性が低下し、沈降しやすくなる上に、速乾性も低下してしまう。また、ひまし油の含有量が少なすぎるとスタンプ台表面が乾燥し、押印不可能になる。逆に、ひまし油の含有量が多すぎると印影の速乾性が低下する上に、印影が滲み裏写りしやすくなる。更に、ポリビニルブチラール樹脂の含有量が少なすぎると赤外発光顔料が沈降してしまい、ポリビニルブチラート樹脂の含有量が多すぎると洩糸性を呈する上に、速乾性が低下してしまう。そして着色顔料が１５重量％未満であると印影そのものが薄すぎてしまい、５０重量％を越えると、赤外発光顔料による発光が弱くなってしまい、且つ速乾性も低下してしまう。
【００３５】
通常、油性朱肉用インキ組成物中に着色剤として着色顔料を含有する場合に顔料の含有量が非常に多くなるので、スタンプ台中で乾燥沈降しやすく調製が困難であるが、本発明の油性朱肉用インキ組成物にあっては、上述のように原料を選択し、且つ原料の含有量を調整することで、真贋判定に用いる油性朱肉用インキ組成物としての機能を十分に果たすことができる上に、インキの乾燥、顔料の沈降をも防ぐことができる。
【００３６】
また、本発明の筆記具用インキ組成物を水性スタンプに用いる場合は、インキの押印面への浸透性及びスタンプ台のウレタンフォームへの含浸性を向上させるために浸透補助剤を含有することが好ましい。
浸透補助剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリアルキレングリコール、トリエタノールアミン、フッ素系界面活性剤等を挙げることができるが、その中でも、インキの押印面への浸透性、水性スタンプ用インキ組成物としての粘度、赤外発光顔料等の沈降性、他の原料との相性等を総合的に考慮すると、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
【００３７】
そして、本発明の水性スタンプ用インキ組成物は、スタンプ台でのインキの乾燥防止、沈降防止すなわち顔料分散を目的として、通常の水性スタンプ用インキ組成物には添加されないゲル化剤をも含有する。
上記ゲル化剤としては、通常の筆記具用水性インキ組成物に用いられるアクリル系樹脂粉末、アクリル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂コロイダルディスパージョン等を用いることができるが、本発明にかかる水性スタンプ用インキ組成物では、エコーガム又はモナートーガムが好ましく、特にエコーガムが特に好ましい。エコーガムが特に好ましい理由は明らかではないが、本発明のスタンプ用水性インキ組成物中において、赤外発光顔料等との相性がよいためと考えられる。
【００３８】
そして、本筆記具用インキ組成物を水性スタンプ用インキ組成物として調製する場合、合成ＤＮＡを除く各原料は、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、赤外発光顔料が１３〜１８重量％、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが２〜６重量％、エコーガムが０．３〜０．５重量％、イオン交換水が２０〜３０重量％であることが好ましい。
赤外発光顔料の含有量が１３重量％未満であると、当該水性スタンプ用インキ組成物による印影の真偽判定の際、十分な発光を得ることができない。また、赤外発光顔料の含有量が１８重量％を越えると分散性が低下し、沈降しやすくなる上に速乾性も低下する。また、エコーガムの含有量が０．３重量％未満であると顔料の分散性が低下し該顔料は沈降してしまい、０．５重量％を越えると該インキ組成物が増粘してしまい、いわゆる洩糸性を呈するようになる。更に、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの含有量が２重量％未満であると浸透性が低下してしまう上に、該インキ組成物が増粘してしまい、エコーガムの含有量が上記数値範囲すなわち０．３〜０．５重量％内にあっても粘度が高すぎるために使用に適さない場合もある。
【００３９】
また、本発明の筆記具用インキ組成物を水性マーキングペンに用いる場合も、インキの筆記面への浸透性及びマーキングペンのペン先にあるウレタン製チップへの含浸性を向上させるために浸透補助剤を含有することが好ましい。
浸透補助剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリアルキレングリコール、トリエタノールアミン、フッ素系界面活性剤等を挙げることができるが、その中でも、インキの筆記面への浸透性、インキのウレタン製チップへの含浸性、水性マーキングペン用インキ組成物としての粘度、赤外発光顔料等の沈降性、他の原料との相性等を総合的に考慮すると、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
【００４０】
そして、本発明の水性マーキングペン用インキ組成物は、インキ収容管中でのインキの乾燥防止、沈降防止すなわち顔料分散を目的として、ゲル化剤をも含有する。
ゲル化剤としては、通常の筆記具用水性インキ組成物に用いられるアクリル系樹脂等を用いることもできるが、本発明に係る水性マーキングペン用インキ組成物では通常の水性マーキングペンには含有されないエコーガムが特に好ましい。エコーガムが特に好ましい理由は明らかではないが、本発明に係るマーキングペン用水性インキ組成物に特有である赤外発光顔料等との相性がよいためと考えられる。
【００４１】
そして、本筆記具用インキ組成物を水性マーキングペン用インキ組成物として調製する場合には、合成ＤＮＡを除く各原料は、合成ＤＮＡ以外の原料の総量を１００重量％とした場合に、赤外発光顔料が１３〜１８重量％、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが２〜６重量％、エコーガムが０．２〜０．３重量％、イオン交換水が６５〜７５重量％であることが好ましい。
赤外発光顔料の含有量が１３重量％未満であると該水性マーキングペン用インキ組成物による筆記線の真偽判定の際に十分な発光を得ることができない。また、赤外発光顔料の含有量が１８重量％を越えると、分散性が低下し沈降しやすくなる上に速乾性も低下する。また、エコーガムの含有量が０．２重量％未満であると顔料の分散性が低下し該顔料は沈降してしまい、０．３重量％を越えると当該インキ組成物が増粘してしまい、いわゆる洩糸性を呈するようになる。更に、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの含有量が２重量％未満であると浸透性が低下してしまう上に、該インキ組成物が増粘してしまい、エコーガムの含有量が上記数値範囲内にあっても、粘度が高すぎるために使用に適さない場合もある。
【００４２】
以上説明した本発明に係る油性スタンプ／マーキングペン／朱肉用インキ組成物並びに水性スタンプ／マーキングペン用インキ組成物は、例えば、▲１▼紙に押印・筆記して流通する際の真偽判定、▲２▼牛肉の品質保証、▲３▼遺言、▲４▼いわゆるブランド商品へのスタンプ、などに用いることによって、その特徴を十分に発揮することができる。すなわち、本発明の筆記具用インキ組成物を上記用途に使用した場合において、消費者がその商品を手にした際に、その真偽を即座に調査したい時は、市販の携帯型赤外線照射装置によって、該商品に赤外線を照射すれば簡易な真偽判定が可能となる。更に、それでも真偽不明或いはその商品が本物か否かを正確に突き止めたい場合には、該商品自体又は本発明の筆記具用インキ組成物を用いて押印又は筆記されてる部位を合成ＤＮＡの識別システムにより詳細に調査することにより、より信頼性の高い真偽判定結果を得ることができる。
【００４３】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
なお、合成ＤＮＡはいずれの実施例においても、インキ組成物の総量に対して約０．００３重量％添加している。また、表中の値は、合成ＤＮＡを除いた原料の総量を１００重量％として重量１百分率で表している。
更に、評価記号の意味は、次の通り。
○：使用に十分適している、
△：使用にある程度適しているが十分ではない、
×：使用に適していない
【００４４】
そして、以下の表１〜５中に示した商品又は物質は次に列挙するものである。
ＩＲＡ−ＧＩＩ ４（根本特殊化学社製、赤外発光顔料、商品名）
ＩＲＡ−ＧＩＩ １６（根本特殊化学社製、赤外発光顔料、商品名）
ＰＶＰ−Ｋ９０（ＢＡＳＦ社製、ポリビニルピロリドン、分散・固着剤、商品名）
ＰＶＰ−Ｋ３０（ＢＡＳＦ社製、ポリビニルピロリドン、分散・固着剤、商品名）
ジョンクリル６７（ジョンソンポリマー社製、水性スチレン・アクリル系ポリマー、顔料分散剤、商品名）
ジョンクリル５３７（ジョンソンポリマー社製、水性スチレン・アクリル系ポリマー、顔料分散剤、商品名）
ジョンクリル７００１（ジョンソンポリマー社製、水性スチレン・アクリル系ポリマー、顔料分散剤、商品名）
ジュリマーＡＣ１０Ｐ（日本純薬社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
ジュリマーＡＴ５１０（日本純薬社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
レジンＳＫ（クレアノバ社製、ケトン樹脂、固着剤、商品名）
エスレックＢＬ−１（積水化学社製、ポリビニルブチラール樹脂、沈降防止・顔料分散剤、商品名）
エスレックＢＬ−２Ｈ（積水化学社製、ポリビニルブチラール樹脂、沈降防止・顔料分散剤、商品名）
エスレックＢＬ−１０（積水化学社製、ポリビニルブチラール樹脂、沈降防止・顔料分散剤、商品名）
マイティエースＫ１２５（ヤスハラケミカル社製、顔料固着剤、商品名）
ジュンロンＰＷ１１０（日本純薬社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
ジュンロンＰＷ１１１（日本純薬社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
ブチラール３０００Ｋ（電気化学工業社製、ポリビニルブチラール樹脂、沈降防止・顔料分散剤、商品名）
ブチラール樹脂（和光純薬工業社製、ポリビニルブチラール樹脂、沈降防止・顔料分散剤）
ＦＵＪＩ ＡＳＬ ＳＣＡＲＬＥＴ 試作品 ９−１２（冨士色素社製、朱肉用赤色顔料インク、商品名、）
ＦＣ４３０（日信化学工業社製、非イオン性フッ素系界面活性剤、商品名）
デルトップ１００（武田薬品工業社製、防腐剤、商品名）
レオジック２５０Ｈ（日本純薬社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
レオジック８３５Ｈ（日本純薬社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
ルビマー（ＢＡＳＦ社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
ルビマー３０Ｅ（ＢＡＳＦ社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
ウルトラホールドストロング（ＢＡＳＦ社製、アクリル樹脂、顔料分散・剪断減粘性付与剤、商品名）
【００４５】
＜実施例１〜１８＞
【表１】
【００４６】
上記表１に示した割合で配合した原料をディゾルバーを用いて撹拌混合し、無色透明の油性スタンプ用インキ組成物を得た。そして、これらのインキ組成物をウレタンフォームからなるスタンプ台に含浸させ、その状態における赤外発光顔料等の分散性、粘度が高すぎないか及び印影の滲みについて調べた。その結果を表１の下部に示すが、いずれかの特性を調べて、その評価が悪かった場合はそれ以上の特性の調査を行わなかったため、特性評価の欄にいずれの印も記載されていないものもある。結果として各原料の配合量が上述した好ましい範囲に入っている実施例１のみが全ての特性について良好であった。
【００４７】
＜実施例１９〜３８＞
【表２】
【００４８】
上記表２に示した割合で配合した原料をディゾルバーを用いて撹拌混合し、無色透明の油性マーキングペン用インキ組成物を得た。市販されている直液式油性マーキングペン（ペイントマーカー、ゼブラ社製、商品名）と同様に、金属製チューブにインキを充填した後、バルブ組み込み済み先端部を嵌着し、アクリル製チップを組み込み、チューブ内を常圧にして油性マーキングペンを作成した。その状態における赤外発光顔料等の分散性について調べた。その結果を表２の下部に示す。結果として各原料の配合量が上述した好ましい範囲に入っている実施例２０，２４，２９のみが全ての特性について良好であった。
【００４９】
＜実施例３９〜５７＞
【表３】
【００５０】
上記表３に示した割合で配合した原料をディゾルバーを用いて撹拌混合し、赤色油性朱肉用インキ組成物を得た。そして、これらのインキ組成物をウレタンフォームからなるスタンプ台に含浸させ、その状態における赤外発光顔料等の分散性、インク組成物自体の洩糸性、印影の速乾性及び発光性、並びにスタンプ台中での乾燥性について調べた。その結果を表３の下部に示すが、いずれかの特性を調べて、その評価が悪かった場合はそれ以上の特性の調査を行わなかったため、特性評価の欄にいずれの印も記載されていないものもある。結果として、各原料の配合量が上述した好ましい範囲に入っている実施例３９のみが全ての特性について良好であった。
【００５１】
＜実施例５８〜７３＞
【表４】
【００５２】
上記表４に示した割合で配合した原料をディゾルバーを用いて撹拌混合し、無色透明の水性スタンプ用インキ組成物を得た。そしてこれらのインキ組成物をウレタンフォームからなるスタンプ台に含浸させ、その状態における赤外発光顔料等の分散性及び洩糸性について調べた。その結果を表４の下部に示すが、いずれかの特性を調べて、その評価が悪かった場合はそれ以上の特性の調査を行わなかったため、特性評価の欄にいずれの印も記載されていないものもある。結果として各原料の配合量が上述した好ましい範囲に入っている実施例６３のみが全ての特性について良好であった。
【００５３】
＜実施例７４〜８６＞
【表５】
【００５４】
上記表５に示した割合で配合した原料をディゾルバーを用いて撹拌混合し、無色透明の水性マーキングペン用インキ組成物を得た。次に、市販されている通常の直液式水性マーキングペン（蛍光スパーキー１、ゼブラ社製、商品名）と同様に、ポリプロピレン製インキタンクに上記インキ組成物を充填した後、バルブ組込みとともに先口を嵌着し、先口にポリエステル製繊維束ペン先を組込み、インキタンクを常圧にして、水性マーキングペンを作成した。そして、その状態における赤外発光顔料等の分散性、浸透性、及び粘度が高すぎないかについて調べた。その結果を表５の下部に示すが、いずれかの特性を調べて、その評価が悪かった場合はそれ以上の特性の調査を行わなかったため、特性評価の欄にいずれの印も記載されていないものもある。結果として、各原料の配合量が上述した好ましい範囲に入っている実施例８０のみが全ての特性について良好であった。
【００５５】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の筆記具用インキ組成物は、これをスタンプ台、マーキングペン及び朱肉に用いることで、簡易な手段でもって真贋判定が可能であり、必要な場合には極めて信頼性の高い手段でも真贋判定を行うことができ、第三者による個人のＤＮＡ情報の入手が実質的に不可能である、という効果をもたらす。更に、このような従来にないインキについて、赤外発光顔料等の分散性、筆記線及び印影の速乾性、洩糸性等を改善することで、極めて使い勝手のよいスタンプ台、マーキングペン及び朱肉を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink composition for a writing instrument such as an oil-based marking pen and a water-based marking pen, and an ink composition for a writing instrument which is used for an oil-based stamp, a water-based stamp, vermilion, and the like, and particularly can be used for authenticity determination.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various inks used for authenticity determination are known, and for example, inks using infrared light-emitting pigments as disclosed in Patent Documents 1 and 2 are known.
The authenticity determination means using this ink is performed by applying an ink using an infrared emitting pigment that emits light by irradiating infrared light of a specific wavelength to a genuine product, and irradiating the product with infrared light of a specific wavelength, If the product is a genuine product, the portion coated with the ink emits light, but if the product is a counterfeit product, it does not emit light even when irradiated with infrared light. Further, since the ink using the infrared-emitting pigment is invisible except when irradiated with infrared light of a specific wavelength, its existence is not known to a forger.
However, authenticity determination using ink using an infrared-emitting pigment has a fatal problem that the type of infrared-emitting pigment is usually limited and its reliability is low.
[0003]
On the other hand, recently, an authenticity judgment method using DNA has attracted attention. For example, Patent Literature 3 discloses a writing implement ink containing a writer's DNA and prepared by directly adding the writer's blood, hair, and the like to the writing implement ink. After signing with a ballpoint pen or the like using the ink, if a signature of unknown authenticity is found, if the DNA analysis of the ink used for the signature is performed, the authenticity of the signature can be identified. .
However, such writing inks that require personal blood and the like have not only a quantitative problem when used for mass-produced products, but also DNA information of individuals even if they can be used for mass-produced products. Since an unspecified number of people will obtain a product containing "", it must be said that the product is extremely inappropriate from the viewpoint of privacy protection and the like.
[0004]
Further, as an authenticity determining means using DNA in a field other than the ink for writing implements, for example, there is one disclosed in Patent Document 4. This makes the base sequence information of DNA identifying an individual a digital signal and synthesizes new DNA based on the digital signal, making it virtually impossible for a third party to obtain the DNA information of the individual. ing. Since the obtained synthetic DNA is based on the DNA information of the individual, it is difficult to forge unless the third party steals the individual's cells and the like, and it can be said that the DNA is extremely reliable.
However, the analysis of DNA requires a long time and uses an expensive and complicated analyzer, which requires time, cost, and labor.
Further, there has been no ink for writing implements to which the synthetic DNA technology is applied.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-6-306315
[Patent Document 2]
JP-A-7-310072
[Patent Document 3]
JP 2000-95989 A
[Patent Document 4]
JP-A-2002-253203
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the present invention is directed to an ink composition for a writing instrument that can be used for authenticity determination in order to solve the above-described problems, and it is possible to determine the authenticity by simple means, and if necessary, it is highly reliable. Ink for writing implements such as oil-based marking pens, oil-based stamps, and water-based marking pens, and water-based stamps, which can perform authenticity judgment by means and which makes it virtually impossible for a third party to obtain personal DNA information. It is an object of the present invention to provide an ink composition for a writing instrument used for red meat and the like.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the ink composition for a writing instrument according to the first aspect of the present invention is characterized by containing at least an infrared-emitting pigment and synthetic DNA. Since the ink composition for a writing instrument contains an infrared-emitting pigment, for example, a document written with a marking pen using the ink composition for a writing instrument, or the ink composition for a writing instrument was used. When it is desired to confirm the authenticity of a document, a product, or the like stamped with a stamp or vermilion, a simple authenticity determination using a conventional portable infrared irradiation device becomes possible. Further, since the ink composition for writing implements also contains synthetic DNA, even if it is desired to perform detailed authenticity determination on the above-mentioned documents, products, and the like, it is extremely possible to analyze the synthetic DNA contained in the composition. It is possible to perform highly reliable authentication. In addition, since this synthetic DNA is not DNA directly obtained from blood or the like, it is substantially impossible for a third party to obtain personal DNA information, which is extremely excellent from the viewpoint of protecting personal privacy.
[0008]
The ink composition for a writing implement according to the second aspect of the present invention is an oil-based stamp ink composition containing synthetic DNA, wherein the total amount of raw materials other than synthetic DNA is 100% by weight. And 15 to 22% by weight of an infrared light-emitting pigment, 50 to 80% by weight of castor oil, and 1 to 5% by weight of a polyvinyl butyral resin. As a result, the ink composition for a writing instrument becomes an oil-based stamp that can be subjected to simple and sometimes detailed authentication.
[0009]
The ink composition for a writing implement according to the third aspect of the present invention is an oil-based marking pen ink composition containing synthetic DNA, and the total amount of raw materials other than synthetic DNA is 100% by weight. In this case, 5 to 20% by weight of an infrared-emitting pigment, 25 to 50% by weight of ethanol, 2.5 to 7.0% by weight of diethylene glycol monobutyl ether, 25 to 50% by weight of ion-exchanged water, and 0.1 to 50% of echo gum. It is characterized by containing 1 to 0.5% by weight. By using a mixed solvent of ethanol and ion-exchanged water as the main solvent, it is possible to write without being repelled not only on paper but also on leather. Thereby, the ink composition for a writing implement becomes an oil-based marking pen that can easily and in some cases perform detailed authenticity determination.
[0010]
Further, the ink composition for a writing instrument according to the invention according to claim 4 of the present invention is an aqueous stamp ink composition containing synthetic DNA and an infrared-emitting pigment, and an aqueous stamp containing a gelling agent. Characterized by being an ink composition for use. Thereby, the ink composition for a writing instrument becomes an aqueous stamp that can be subjected to simple and sometimes detailed authentication.
[0011]
The ink composition for a writing instrument according to the fifth aspect of the present invention is an aqueous marking pen ink composition containing synthetic DNA and an infrared-emitting pigment, and is an aqueous composition containing a gelling agent. It is an ink composition for a marking pen. Thereby, the ink composition for a writing instrument becomes a water-based marking pen that can easily and in some cases perform detailed authenticity determination.
[0012]
At this time, the aqueous stamp ink composition or the aqueous marking pen ink composition may contain an echo gum as a gelling agent.
[0013]
The ink composition for a writing instrument according to the invention according to claim 7 of the present invention is an oil-based vermilion ink composition containing synthetic DNA, wherein the total amount of raw materials other than synthetic DNA is 100% by weight. In addition, 15% by weight of a coloring pigment, 60 to 77.5% by weight of propylene glycol, 15 to 22% by weight of an infrared emitting pigment, 30 to 60% by weight of castor oil, and 0.1 to 0.5% of a polyvinyl butyral resin. % By weight. Thereby, the ink composition for writing implements becomes an oil-based vermilion ink that can be subjected to simple and sometimes detailed authentication.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail.
The ink composition for a writing implement according to the present invention contains at least an infrared-emitting pigment and synthetic DNA.
[0015]
The infrared-emitting pigment used in the ink composition for a writing implement according to the present invention is not particularly limited as long as it is a pigment that emits light when irradiated with infrared light of a specific wavelength, and conventionally known pigments can be used. Specifically, for example, there are IRA-GII 4, IRA-GII 16 (both manufactured by Nemoto Special Chemical Co., Ltd.) and the like.
[0016]
The synthetic DNA used in the ink composition for a writing instrument according to the present invention is a DNA that is newly synthesized based on the digital signal of the base sequence information of DNA specifying an individual, and specifically, Refers to a synthetic DNA as disclosed in Patent Document 4, for example. That is, the synthetic DNA according to the present invention may be a combination of the number of repetitions of short tandem repeat (STR) in the DNA base sequence. Since the number of repetitions of the STR varies significantly between individuals, the written and stamped documents, products, and the like using the ink composition for a writing instrument of the present invention containing such a synthetic DNA have an authenticity discrimination ability. Can be enhanced. Furthermore, the synthetic DNA can further improve the discrimination accuracy by multiplexing the STR collection points.
[0017]
The content of the synthetic DNA is not particularly limited as long as it is at a level at which writing and imprinting are possible. It is preferable to contain about 0.003% by weight.
[0018]
The ink composition for a writing implement of the present invention containing the above-mentioned infrared-emitting pigment and synthetic DNA is prepared by mixing the infrared-emitting pigment and the synthetic DNA, which are usually in the form of fine particles (powder), with the conventional ink composition for a writing implement. And stirred with a solvent. In addition, the ink composition for writing implements of the present invention does not necessarily need to be colored. For example, when used for authenticity determination of goods, it is rather unlikely to be recognized by a counterfeit product manufacturer that the colorless and transparent one uses an ink composition for authenticity determination. In many cases, those skilled in the art manufacture counterfeit products without using this kind of ink composition, and as a result, it is possible to easily determine the authenticity.
[0019]
The ink composition for a writing implement of the present invention may further comprise, if necessary, a colorant, a preservative, a water-soluble organic solvent, a rust inhibitor, a fungicide, a dye dissolution aid, a pH adjuster, a fixing resin, and the like. Agents can be used in combination. However, if the coloring agent contains a coloring pigment, a large amount of the pigment will be contained in the ink together with the infrared-emitting pigment, so it is very difficult to disperse these pigments appropriately so as not to settle. Difficult and undesirable.
[0020]
When the ink composition for a writing implement of the present invention is used for an oil-based stamp, a penetrating aid is used to improve the permeability of the ink to the stamping surface, and the ink is settled for the purpose of preventing sedimentation of the infrared-emitting pigment and the like. It is preferred to also contain an inhibitor.
[0021]
The penetration aid also has a role as a solvent for the ink composition for writing implements, and examples thereof include castor oil, polypropylene glycol, benzyl alcohol, n-propanol, and triethylene glycol monobutyl ether. Among them, castor oil is particularly preferable in consideration of the permeability of the ink to the stamping surface, the viscosity of the ink composition for an oil-based stamp, the sedimentation of an infrared-emitting pigment, the compatibility with other raw materials, and the like.
[0022]
As the anti-settling agent, for example, acrylic resin, styrene-acrylic resin, polyvinyl acetal resin and the like, among them, among them, as an oil-based stamp ink composition while preventing sedimentation of infrared-emitting pigments and the like Is particularly preferable.
[0023]
When the ink composition for a writing instrument is prepared as an oil-based stamp ink, the content of each material other than the synthetic DNA is such that when the total amount of the materials other than the synthetic DNA is 100% by weight, the infrared-emitting pigment is used. It is preferable that the content is 15 to 22% by weight, the castor oil is 50 to 80% by weight, and the polyvinyl butyral resin is 1 to 5% by weight. If the content of the infrared-emitting pigment is too small, sufficient luminescence cannot be obtained, while if it is too large, the dispersibility is reduced and sedimentation is liable to occur, and the quick-drying property is also reduced. Is preferable. On the other hand, if the content of castor oil is too small, the surface of the stamp base will be dried and imprinting will not be possible.On the other hand, if the content is too large, the quick-drying of the imprint will be reduced and the imprint will blur and show off. Therefore, the range of 50 to 80% by weight is preferable. Furthermore, when the content of the polyvinyl butyral resin is too small, the infrared-emitting pigment sediments, and when the content is too large, it exhibits leaky yarn properties and deteriorates quick-drying property. % Is preferred.
[0024]
Further, when the ink composition for a writing implement of the present invention is used for an oil-based marking pen, in addition to the organic solvent added to the usual ink composition for an oil-based marking pen, to improve the permeability of the ink to the writing surface. It is preferable to contain a penetration aid, and also a sedimentation preventive for the purpose of preventing sedimentation of the infrared-emitting pigment and the like.
[0025]
Examples of the penetration aid include triethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, and the like. Among them, in consideration of the penetrability of the ink to the writing surface, the viscosity of the ink composition for oil-based marking pens, the sedimentation of infrared-emitting pigments, and the compatibility with other raw materials, diethylene glycol monobutyl ether is particularly preferred. Is preferred.
[0026]
Examples of the anti-settling agent include, for example, acrylic resins, styrene-acrylic resins, polyvinyl acetal resins, and echo gums and the like, which are usually used as gelling agents. Echo gum is particularly preferred, since a suitable viscosity as an ink composition for an oil-based marking pen can be obtained while preventing sedimentation.
[0027]
Further, the organic solvent is not particularly limited as long as it is used in a usual oil-based marking pen ink composition, and examples thereof include methanol, ethanol, toluene, n-propanol, benzyl alcohol, and methyl isobutyl ketone. However, methanol is particularly preferred in consideration of the viscosity of the ink composition for an oil-based marking pen, compatibility with other raw materials, and the like.
[0028]
In addition to the above raw materials, it is more preferable to add ion-exchanged water in view of the viscosity of the ink composition for an oil-based marking pen and the sedimentation of an infrared-emitting pigment.
[0029]
When the ink composition for a writing instrument is prepared as an ink composition for an oil-based marking pen, the content of each raw material other than the synthetic DNA is determined by the infrared ray when the total amount of the raw materials other than the synthetic DNA is 100% by weight. 5-20% by weight of luminescent pigment, 25-50% by weight of methanol, 2.5-7.0% by weight of diethylene glycol monobutyl ether, 25-50% by weight of ion-exchanged water, 0.1-0.5% of echo gum % By weight. If the amount of the infrared-emitting pigment is less than 5% by weight, sufficient luminescence cannot be obtained, and if it exceeds 20% by weight, dispersibility is reduced and sedimentation is liable to occur, and quick drying is also reduced. If the content of methanol is less than 25% by weight, the viscosity of the ink composition becomes too high, so that the discharge amount of the ink is reduced and a problem occurs in the writing property. On the other hand, if the content of methanol exceeds 50% by weight, the viscosity of the ink composition is too low, and the infrared-emitting pigment and the like settle out, and the amount of discharged ink becomes excessive. Easier to do. If the content of diethylene glycol monobutyl ether is less than 2.5% by weight, it becomes difficult for ink to penetrate into the acrylic chip at the tip of the marking pen, making writing difficult, and conversely 7.0% by weight. When the viscosity exceeds the above range, the viscosity of the ink decreases, the infrared-emitting pigment sediments, and the amount of discharged ink becomes excessive. When writing, the show-through tends to occur. Further, if the amount of ion-exchanged water is less than 25% by weight, the viscosity of the ink becomes too high, so that the discharge amount of the ink is reduced and the writing performance is impaired. On the other hand, if the amount of ion-exchanged water exceeds 50% by weight, the viscosity becomes too low, and the infrared-emitting pigment sediments, and the amount of discharged ink is excessively increased. If the amount of the echo gum is less than 0.1% by weight, the dispersibility of the infrared-emitting pigment or the like in the ink is reduced, so that the infrared-emitting pigment or the like is settled and exceeds 0.5% by weight. Otherwise, the viscosity of the ink becomes too high, which is not preferable.
[0030]
When the ink composition for a writing instrument of the present invention is used for oil-based vermilion, the composition contains an infrared-emitting pigment, a synthetic DNA and a coloring agent as essential components, but in order to improve the permeability of the ink to the stamping surface. It is preferable to contain a penetration aid and an antisettling agent for the purpose of preventing settling of the infrared-emitting pigment and the like.
[0031]
The penetration aid also has a role as a solvent for the ink composition for writing implements, for example, propylene glycol, glycol ether. , Castor oil, ethanol, n-propanol, triethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, and the like. Among them, ink permeability to the stamping surface of the ink, oil-based red ink composition Propylene glycol is particularly preferable in consideration of the viscosity as a substance, the drying property of shadows, the sedimentation property of an infrared-emitting pigment, and the compatibility with other raw materials.
[0032]
Examples of the anti-settling agent include, for example, acrylic resins, polyvinyl acetal resins, etc., among which, while preventing sedimentation of infrared-emitting pigments and the like, suitable viscosity as an oil-based vermilion ink composition. Polyvinyl butyral resin is particularly preferred because it is obtained.
[0033]
The coloring agent contained in the oil-based vermillion ink composition is not particularly limited as long as it is one that has been conventionally used for oil-based vermilion.
[0034]
Further, when the ink composition for oil-based vermilion ink is prepared, the content of each raw material other than synthetic DNA is 15 to 22% by weight when the total amount of raw materials other than synthetic DNA is 100% by weight. The castor oil is preferably 30 to 60% by weight and the polyvinyl butyral resin is preferably 0.1 to 0.5% by weight. When the colorant is a color pigment, the color pigment is 15% by weight, and the infrared light is emitted. It is preferable that the pigment is 15 to 22% by weight, the castor oil is 30 to 60% by weight, and the polyvinyl butyral resin is 0.1 to 0.5% by weight. At this time, if the amount of the coloring pigment is too small, a clear shadow cannot be obtained, and if the amount is too large, light emission of the infrared-emitting pigment is hindered. On the other hand, if the content of the infrared light-emitting pigment is too small, sufficient light emission cannot be obtained. On the other hand, if the content of castor oil is too small, the surface of the stamp base is dried, and it becomes impossible to stamp. Conversely, if the content of castor oil is too large, the imprint will be less quickly dried and the imprint will bleed more easily. Further, when the content of the polyvinyl butyral resin is too small, the infrared-emitting pigment precipitates, and when the content of the polyvinyl butyrate resin is too large, not only the yarn leakage property but also the quick drying property is reduced. If the content of the coloring pigment is less than 15% by weight, the imprint itself becomes too thin. If the content exceeds 50% by weight, light emission by the infrared-emitting pigment is weakened, and the quick-drying property is also reduced.
[0035]
Usually, the content of the pigment is very large when a coloring pigment is contained as a colorant in the oil-based vermillion ink composition, so that it is easy to dry and settle in a stamp stand and is difficult to prepare. In the ink composition for ink, by selecting the raw materials as described above and adjusting the content of the raw materials, the function as the oil-based vermilion ink composition used for authenticity determination can be sufficiently achieved. In addition, drying of the ink and sedimentation of the pigment can be prevented.
[0036]
When the ink composition for a writing instrument of the present invention is used for an aqueous stamp, it is preferable to contain a penetration aid in order to improve the permeability of the ink to the stamping surface and the impregnation of the stamp base into the urethane foam. .
Examples of the penetration aid include, for example, diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monobutyl ether, polyalkylene glycol, triethanolamine, and a fluorine-based surfactant. Diethylene glycol monobutyl ether is particularly preferred in consideration of the viscosity of the ink composition for aqueous stamps, the sedimentation of infrared-emitting pigments and the like, compatibility with other raw materials, and the like.
[0037]
The water-based stamping ink composition of the present invention also contains a gelling agent that is not added to a normal water-based stamping ink composition for the purpose of preventing drying of the ink on the stamp stand and preventing sedimentation, that is, pigment dispersion. .
As the gelling agent, an acrylic resin powder, an acrylic resin emulsion, an acrylic resin colloidal dispersion, and the like used in an ordinary aqueous ink composition for a writing instrument can be used, and the aqueous stamp ink according to the present invention can be used. In the composition, echo gum or monato gum is preferred, especially echo gum. The reason why echogum is particularly preferred is not clear, but it is considered that the aqueous gum composition for stamps of the present invention has good compatibility with infrared-emitting pigments and the like.
[0038]
When the ink composition for a writing implement is prepared as an ink composition for an aqueous stamp, each of the raw materials except for the synthetic DNA has an infrared-emitting pigment of 13% when the total amount of the raw materials other than the synthetic DNA is 100% by weight. １８18% by weight, 2-6% by weight of diethylene glycol monobutyl ether, 0.3-0.5% by weight of echo gum, and 20-30% by weight of ion-exchanged water.
When the content of the infrared light-emitting pigment is less than 13% by weight, sufficient luminescence cannot be obtained at the time of determining the authenticity of the imprint by the aqueous stamp ink composition. On the other hand, when the content of the infrared-emitting pigment exceeds 18% by weight, the dispersibility is reduced, sedimentation is liable to occur, and the quick-drying property is also reduced. On the other hand, if the content of the echo gum is less than 0.3% by weight, the dispersibility of the pigment decreases and the pigment sediments, and if it exceeds 0.5% by weight, the ink composition thickens, It exhibits so-called thread leakage. Further, when the content of diethylene glycol monobutyl ether is less than 2% by weight, the permeability is reduced, and the ink composition is thickened. Even if the content is within 0.5% by weight, the viscosity may be too high to be used in some cases.
[0039]
Further, when the ink composition for a writing implement of the present invention is used in an aqueous marking pen, a penetrating aid is used to improve the penetrability of the ink to the writing surface and the impregnation of the urethane chip in the pen tip of the marking pen. Is preferable.
Examples of the penetration aid include, for example, diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monobutyl ether, polyalkylene glycol, triethanolamine, and a fluorine-based surfactant. Among them, the permeability to the writing surface of the ink is preferable. Considering the impregnation of the ink into the urethane chip, the viscosity of the ink composition for aqueous marking pens, the sedimentation of infrared-emitting pigments, and compatibility with other raw materials, diethylene glycol monobutyl ether is particularly preferred. preferable.
[0040]
The ink composition for a water-based marking pen of the present invention also contains a gelling agent for the purpose of preventing drying and sedimentation of the ink in the ink storage tube, that is, for dispersing the pigment.
As the gelling agent, an acrylic resin or the like used in a normal water-based ink composition for a writing instrument can be used.However, in the water-based ink composition for a water-based marking pen according to the present invention, an echo gum not contained in a normal water-based marking pen is used. Is particularly preferred. Although the reason why echo gum is particularly preferred is not clear, it is thought to be because it has good compatibility with the infrared-emitting pigment and the like which are specific to the aqueous ink composition for a marking pen according to the present invention.
[0041]
When the ink composition for a writing instrument is prepared as an ink composition for a water-based marking pen, each of the raw materials except for the synthetic DNA has an infrared emission when the total amount of the raw materials other than the synthetic DNA is 100% by weight. It is preferable that the pigment is 13 to 18% by weight, the diethylene glycol monobutyl ether is 2 to 6% by weight, the echo gum is 0.2 to 0.3% by weight, and the ion exchange water is 65 to 75% by weight.
If the content of the infrared-emitting pigment is less than 13% by weight, sufficient luminescence cannot be obtained when the ink composition for an aqueous marking pen is used to determine the authenticity of writing lines. On the other hand, when the content of the infrared-emitting pigment exceeds 18% by weight, the dispersibility is reduced, sedimentation is easily caused, and the quick-drying property is also reduced. Further, when the content of the echo gum is less than 0.2% by weight, the dispersibility of the pigment is reduced and the pigment is settled, and when the content exceeds 0.3% by weight, the ink composition is thickened, It exhibits so-called thread leakage. Further, when the content of diethylene glycol monobutyl ether is less than 2% by weight, the permeability is reduced, and the ink composition is thickened, so that the content of the echo gum is within the above numerical range. In some cases, the viscosity is too high to be suitable for use.
[0042]
The oil-based stamp / marking pen / red ink composition and the water-based stamp / marking pen ink composition according to the present invention described above are, for example, (1) authenticity determination when stamping / writing on paper and distributing. By using it for (2) beef quality assurance, (3) will, (4) stamp for so-called brand products, etc., the characteristics can be fully exhibited. That is, when the ink composition for a writing implement of the present invention is used for the above purpose, when a consumer picks up the product and wants to immediately investigate the authenticity of the product, a commercially available portable infrared irradiation device is used. By irradiating the product with infrared rays, simple authenticity determination becomes possible. Furthermore, if the authenticity of the product is still unknown or if it is desired to accurately determine whether or not the product is genuine, the product itself or a site that has been stamped or written using the ink composition for a writing implement of the present invention can be used as a synthetic DNA identification system. By conducting a more detailed investigation, it is possible to obtain a more reliable authenticity determination result.
[0043]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples.
In each of the examples, about 0.003% by weight of the synthetic DNA was added to the total amount of the ink composition. The values in the table are expressed in terms of 1% by weight with the total amount of the raw materials excluding the synthetic DNA being 100% by weight.
The meanings of the evaluation symbols are as follows.
○: Suitable for use,
△: suitable for use to some extent, but not enough,
×: Not suitable for use
[0044]
The products or substances shown in the following Tables 1 to 5 are listed below.
IRA-GII 4 (Infrared luminescent pigment, trade name, manufactured by Nemoto Specialty Chemical Co., Ltd.)
IRA-GII 16 (manufactured by Nemoto Special Chemical Co., Inc., infrared emitting pigment, trade name)
PVP-K90 (manufactured by BASF, polyvinylpyrrolidone, dispersing / fixing agent, trade name)
PVP-K30 (manufactured by BASF, polyvinylpyrrolidone, dispersing / fixing agent, trade name)
John Krill 67 (manufactured by Johnson Polymer, aqueous styrene / acrylic polymer, pigment dispersant, trade name)
John Krill 537 (manufactured by Johnson Polymer, aqueous styrene / acrylic polymer, pigment dispersant, trade name)
John Krill 7001 (manufactured by Johnson Polymer, aqueous styrene / acrylic polymer, pigment dispersant, trade name)
Jurimer AC10P (Nippon Junyaku Co., Ltd., acrylic resin, pigment dispersing / shear reducing agent, trade name)
Julimer AT510 (Nippon Pure Chemical Co., Ltd., acrylic resin, pigment dispersing / shear-thinning agent, trade name)
Resin SK (Kleanova, ketone resin, fixing agent, trade name)
Esrec BL-1 (manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd., polyvinyl butyral resin, antisedimentation / pigment dispersant, trade name)
ESREC BL-2H (manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd., polyvinyl butyral resin, anti-settling pigment dispersant, trade name)
ESREC BL-10 (manufactured by Sekisui Chemical Co., Ltd., polyvinyl butyral resin, antisedimentation / pigment dispersant, trade name)
Mighty Ace K125 (manufactured by Yashara Chemical Co., Ltd., pigment fixing agent, trade name)
Junron PW110 (manufactured by Nippon Pure Chemical Co., Ltd., acrylic resin, pigment dispersing / shear reducing agent, trade name)
Junron PW111 (manufactured by Nippon Pure Chemical Co., Ltd., acrylic resin, pigment dispersing / shear reducing agent, trade name)
Butyral 3000K (manufactured by Denki Kagaku Kogyo Co., Ltd., polyvinyl butyral resin, anti-settling / pigment dispersant, trade name)
Butyral resin (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, polyvinyl butyral resin, anti-settling / pigment dispersant)
FUJI ASL SCARRET prototype 9-12 (manufactured by Fuji Dye Co., red pigment ink for vermilion, brand name)
FC430 (Nissin Chemical Industries, non-ionic fluorine-based surfactant, trade name)
Dell Top 100 (Takeda Pharmaceutical Company, preservative, trade name)
Rheogic 250H (Nippon Junyaku Co., Ltd., acrylic resin, pigment dispersing / shear reducing agent, trade name)
Rheogic 835H (manufactured by Nippon Pure Chemical Co., Ltd., acrylic resin, pigment dispersing / shear reducing agent, trade name)
Luvimer (BASF, acrylic resin, pigment dispersion / shear-thinning agent, trade name)
Luvimer 30E (BASF, acrylic resin, pigment dispersion / shear-thinning agent, trade name)
Ultra Hold Strong (BASF, acrylic resin, pigment dispersion / shear-thinning agent, trade name)
[0045]
<Examples 1 to 18>
[Table 1]
The raw materials mixed in the proportions shown in Table 1 above were stirred and mixed using a dissolver to obtain a colorless and transparent oil-based stamp ink composition. Then, these ink compositions were impregnated into a stamp base made of urethane foam, and the dispersibility and viscosity of the infrared-emitting pigment and the like in that state were checked for excessively high viscosity and bleeding of imprint. The results are shown in the lower part of Table 1. When any of the characteristics was examined and the evaluation was bad, no further characteristics were investigated, and no mark was described in the column of the characteristic evaluation. There are also things. As a result, only Example 1 in which the blending amounts of the respective raw materials were within the preferable ranges described above was excellent in all the characteristics.
[0047]
<Examples 19 to 38>
[Table 2]
The raw materials blended in the proportions shown in Table 2 above were stirred and mixed using a dissolver to obtain a colorless and transparent oil-based ink composition for a marking pen. Filling the metal tube with ink, fitting the valve-mounted tip, and incorporating the acrylic tip, similar to a commercially available direct liquid oil-based marking pen (paint marker, Zebra, trade name) Then, the interior of the tube was set to normal pressure to prepare an oil-based marking pen. The dispersibility of the infrared-emitting pigment and the like in that state was examined. The results are shown in the lower part of Table 2. As a result, only Examples 20, 24, and 29 in which the blending amounts of the respective raw materials were within the preferable ranges described above were excellent in all the characteristics.
[0049]
<Examples 39 to 57>
[Table 3]
The raw materials blended at the ratios shown in Table 3 above were stirred and mixed using a dissolver to obtain a red oil-based red ink composition. Then, these ink compositions are impregnated in a stamp base made of urethane foam, and in this state, dispersibility of an infrared-emitting pigment or the like, leakiness of the ink composition itself, quick-drying and luminescent properties of imprints, and stamp bases. Was examined for drying property. The results are shown in the lower part of Table 3. When any of the characteristics was checked, and the evaluation was bad, no further characteristics were checked. Therefore, none of the marks was described in the column of the characteristic evaluation. There are also things. As a result, only Example 39 in which the blending amounts of the respective raw materials were within the preferable ranges described above was excellent in all the characteristics.
[0051]
<Examples 58 to 73>
[Table 4]
The raw materials blended in the ratios shown in Table 4 above were stirred and mixed using a dissolver to obtain a colorless and transparent aqueous stamp ink composition. Then, these ink compositions were impregnated on a stamp base made of urethane foam, and the dispersibility and the yarn leakage of the infrared-emitting pigment and the like in that state were examined. The results are shown in the lower part of Table 4. When any of the characteristics was checked, if the evaluation was bad, no further characteristics were investigated, and none of the marks were described in the column of the characteristic evaluation. There are also things. As a result, only Example 63 in which the blending amounts of the respective raw materials were within the preferable ranges described above was excellent in all the characteristics.
[0053]
<Examples 74 to 86>
[Table 5]
The raw materials mixed in the proportions shown in Table 5 above were stirred and mixed using a dissolver to obtain a colorless and transparent water-based ink composition for a marking pen. Next, after filling the above ink composition into a polypropylene ink tank in the same manner as a commercially available direct liquid type aqueous marking pen (Fluorescent Sparky 1, manufactured by Zebra Co., Ltd., trade name), the valve is assembled and the front end is opened. Was fitted, and a polyester fiber bundle pen tip was assembled into the tip end, and the ink tank was set at normal pressure to prepare a water-based marking pen. Then, it was examined whether the dispersibility, permeability and viscosity of the infrared-emitting pigment and the like in that state were too high. The results are shown in the lower part of Table 5. When any of the characteristics was checked and the evaluation was bad, no further characteristics were investigated, and no mark was written in the column of the characteristic evaluation. There are also things. As a result, only Example 80 in which the blending amounts of the respective raw materials were within the preferable ranges described above was excellent in all the characteristics.
[0055]
【The invention's effect】
As described above, the ink composition for a writing instrument of the present invention can be used for a stamp stand, a marking pen, and a vermilion, so that authenticity can be determined by simple means, and if necessary, it can be extremely reliable. It is possible to determine the authenticity even with a highly reliable means, and there is an effect that it is practically impossible for a third party to obtain personal DNA information. Furthermore, for such non-conventional inks, by improving the dispersibility of infrared light-emitting pigments and the like, the fast-drying of writing lines and imprints, the leakage of yarns, etc., an extremely easy-to-use stamp table, marking pen and vermilion ink are obtained. Can be provided.