JP3922943B2 - Liquid composition and ink composition, and writing instrument and pen using the same - Google Patents

Liquid composition and ink composition, and writing instrument and pen using the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、布や紙等に筆記された筆跡又は塗膜が、消臭効果と種々の着色効果を持つ液状組成物及びインキ組成物並びにこれらの組成物を用いた筆記具及びペン、さらにはこれらにより得られた消臭材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、筆記具、印刷関連分野、塗料関連分野において、金属フタロシアニンは、着色剤として広く用いられる。着色剤として用いられる金属フタロシアニンとしては、例えば、青色有機顔料である銅フタロシアニン(フタロシアニンブルー)、緑色顔料である塩素化銅フタロシアニン(フタロシアニングリーン)、フタロシアニン誘導体にカルボン酸又はスルホン酸を導入されたものである各種染料等が挙げられる。これらの顔料、又は染料を着色剤として使用した各種インキ組成物が各種公知となっている。又、従来公知の消臭剤としては機能性酸化チタンを挙げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来公知の金属フタロシアニンを含むインキ組成物等の液状組成物は、金属フタロシアニンを着色剤として含むのであって、これによって、消臭又は脱臭効果を付与されたものではない。また、香料を含み、筆跡及び塗膜が香り持つ液状組成物が各種公知となっている。しかし、インキ組成物等の液状組成物による筆跡及び塗膜が、消臭又は脱臭機能を持つ筆記具は無い。
【0004】
また、消臭剤としては、機能性酸化チタンが従来公知となっているが、一般に着色力が強く、少量添加しただけでも着色剤の発色を阻害する為、インキ組成物として用いた場合は、筆跡乃至塗膜が白っぽくなり、所望の色が得られないという問題がある。また、微粒子酸化チタンは、隠蔽力が前記機能性酸化チタンと比較して低いが、微粒子である為取り扱いが難しく、インキ組成物等の液状組成物中に均一に分散することが困難であり、作業効率が悪いという問題がある。
【0005】
また、消臭又は脱臭素材の需要は増加の一途を辿っており、消臭又は脱臭機能をもつ各種トイレタリー製品が上市されている。しかし、これらの多くは、消臭又は脱臭効果以外の機能を持たない。つまり、ペン形状の筆記可能な形態の消臭具、特に、筆記具としての実用的な機能を同時に兼ね備えた製品はない。
【0006】
本発明の目的は、液状組成物による筆跡及び塗膜が、生活領域内の悪臭に対する消臭又は脱臭機能を持ち、ペン等の筆記可能な形態に適用できる液状組成物、ひいては従来のインキ組成物としての機能に加えてこれまでにないインキ組成物を提供するところにある。
【0007】
さらに本発明の目的は、消臭剤を添加することによる色の白濁や、作業効率の悪化がなく、着色剤との組合せにより筆跡又は塗膜を所望の色に着色することができるインキ組成物を提供することにある。
【0008】
さらに本発明の目的は、消臭又は脱臭機能だけでなく、筆記具としての実用的な機能を同時に兼ね備えた製品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明者は、少なくとも消臭剤、着色剤、樹脂、溶剤を含み、その消臭剤が、フタロシアニン誘導体に塩基性官能基、酸性官能基、又はそのアルカリ金属塩が導入された金属フタロシアニンであり、また、前記金属フタロシアニンの配合量がインキ組成物全量に対して0.05〜20重量%であるインキ組成物、並びに消臭剤及び溶剤を含み、前記消臭剤が金属フタロシアニンであり、さらに前記金属フタロシアニンが液状組成物全量に対して0.05〜20重量%含まれている液状組成物は、優れた消臭又は脱臭効果を維持し、筆跡又は塗膜の色を種々の色に着色することができることを見出した。
【0010】
また、前記フタロシアニンが一般式(1)に示す金属フタロシアニンである液状組成物は、その筆跡及び塗膜が、アンモニア臭(アミン系臭気)、メルカプタン臭(イオウ系臭気)だけでなく、タバコ臭(アルデヒド臭気)を含む生活領域内の悪臭に対して優れた消臭又は脱臭効果を発揮することを見出した。また、一般式(1)で示される金属フタロシアニンは、着色剤の発色を阻害することがなく、また、容易に液状組成物中に分散させることができ、作業性も良い。
【化3】

Figure 0003922943
(式中、官能基R〜Rのうち少なくとも1つは、塩基性基、酸性基またはそのアルカリ金属塩を示し、Metは多価中心金属をあらわす。)
【0011】
また、前記金属フタロシアニンの中心金属が4配位可能な遷移金属、特に銅、マンガン、コバルト、ニッケル、及び鉄(II又はIII)等の多価金属である液状組成物は、その筆跡及び塗膜が、生活領域内の悪臭に対して、優れた消臭又は脱臭効果を発揮することを見出した。
【0012】
上述の様な液状組成物をペン中に収容した消臭ペンは、消臭剤を簡易に塗布することができ、手軽に持ち運ぶことができ、また、簡易型消臭材を作ることができる。前記液状組成物にさらに着色剤を含むインキ組成物を用いた筆記具は、前記消臭ペンと同様に消臭剤を簡易に塗布することができ、手軽に持ち運ぶことができ、また、簡易型消臭材を作ることができるが、着色剤が添加されることにより所望の色の筆跡が残る(文字を書くことができる)という筆記具としての基本的機能を有しつつ、消臭機能も兼ね備えている。また、消臭ペンまたは筆記具とすることで、紙や簡易接着紙に塗布が容易となり、どこにでも貼ることのできる簡易型消臭剤を作ることができるのであるが、筆記という簡便な手段により消臭又は脱臭効果を持続することができる。
【発明の実施の形態】
【0013】
(消臭剤)
本発明の消臭剤は、少なくともフタロシアニン誘導体に塩基性官能基、酸性官能基、又はそのアルカリ金属塩が導入された金属フタロシアニンであり、特に前記フタロシアニンが一般式(1)に示す金属フタロシアニンであることが好ましい。中でも着色剤の発色を阻害しないものが好ましい。
【化4】
Figure 0003922943
(式中、官能基R〜Rのうち少なくとも1つは、塩基性基、酸性基またはそのアルカリ金属塩を示し、Metは多価中心金属をあらわす。)
【0014】
消臭又は脱臭機能を持つ金属フタロシアニンとしては、例えば、一般式(1)に示すフタロシアニン誘導体の官能基R〜Rのうち少なくとも1つが塩基性基、酸性基またはそのアルカリ金属塩である金属フタロシアニンを挙げることができる。塩基性官能基としてはアミノ基を例示することができる。酸性官能基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、また、これらのいずれかのアルカリ金属塩を例示することができる。尚、官能基R〜Rは、消臭機能があれば、少なくとも1つが前記塩基性基、酸性基またはこれらのいずれかのアルカリ金属塩に置換されていればよく、置換された官能基の数や位置は特に限定されるものではない。また、官能基R〜Rは、少なくとも1つが前記塩基性基、酸性基またはこれらのいずれかのアルカリ金属塩に置換されていれば、前記以外の置換基を含んでもよく、また、含まなくても良い。また、多価中心金属が銅、マンガン、コバルト、ニッケル、及び鉄(II又はIII)である金属フタロシアニンを例示することができる。好適なものとしてはコバルトフタロシアニン、テトラカルボン酸―鉄フタロシアニン、テトラカルボン酸―コバルトフタロシアニン、オクタカルボン酸―鉄フタロシアニン、アミノ・トリカルボン酸―コバルトフタロシアニン、ジアミノ・ジカルボン酸―コバルトフタロシアニン、トリアミノカルボン酸―コバルトフタロシアニン、ジアミノ・ジカルボン酸―鉄フタロシアニン、ジアミノ・ジスルホン酸ナトリウム―コバルトフタロシアニン、テトラアミノ銅フタロシアニン等を挙げることができる。
【0015】
具体的には、商品名「DEORASE CPC-4」(オリヱント化学工業株式会社製)、商品名「DEORASE FPC-4」(オリヱント化学工業株式会社製)、商品名「DEORASE CPS-N」(オリヱント化学工業株式会社製)、商品名「DEORASE CPAC-13」(オリヱント化学工業株式会社製)、を挙げることができる。また、これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0016】
本発明の消臭剤は、液状組成物全量に対して0.05〜20.0重量%が好適範囲である。消臭剤の含有量が液状組成物全量に対して0.05重量%未満であると、十分な消臭効果が得られない。一方、消臭剤の含有量が液状組成物全量に対して20重量%を越えると、固形分が多くなり、粘度が上昇する為、筆記適性が低下し、分散性が低下する。消臭剤の最適配合量は、液状組成物全量に対して0.5〜10重量%である。尚、特に、筆跡又は塗膜の色を淡色としたい場合は、消臭剤は液状組成物全量に対して0.05〜1.0重量%であることが好適である。消臭剤の含有量が1.0重量%を越える場合は、消臭剤が筆跡又は塗膜の色に与える影響が大きく、所望の色を得るために適切な着色剤を選択する必要性が生じる。
【0017】
(着色剤)
本発明の着色剤は、格別限定されるものではないが、インキの色を種々の色に調整することができるものであれば、合成、天然を問わず用いることができる。
【0018】
着色剤としては、例えば、酸性染料、直接染料、及び、塩基性染料等の水溶性染料、又は、顔料等を挙げることができる。水溶性染料としては、トリフェニルメタン系、キサンテン系、アントラキノン系、金属錯体系、銅フタロシアニン系などを例示することができる。顔料としては、カーボンブラックなどの無機顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料の他、蛍光顔料、金属粉顔料、パール顔料、ガラスフレーク顔料、着色エマルジョンなどを例示することができる。これらを顔料分散体として用いることもできる。また、これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0019】
本発明の着色剤は、消臭機能を有しないものであるが、本発明のインキ組成物により得られる筆跡の色調を主として構成する着色剤である場合には、染料であることがより好ましい。前記着色剤が酸化チタン等の金属酸化物系の無機顔料である場合には、比重が重いので着色剤の分散安定性を保つためにカルボン酸基やスルホン酸基などを有する分散剤が必要となるが、導入された官能基のうちのすべてが塩基性基(アミノ基)である金属フタロシアニンが前記消臭剤である場合には、前記金属フタロシアニンの官能基と前記分散剤のカルボン酸基等とが相互作用を生じて、インキ組成物中の金属フタロシアニンの一部が分散剤よりマスクされるために、より多量に金属フタロシアニンをインキ組成物中に配合しておくことが必要な場合がある。しかし、前記着色剤が、本発明のインキ組成物により得られた筆跡の色調を主として構成する着色剤であって、染料である場合には、分散剤をインキ組成物中に配合する必要が無く、より少ない量で消臭効果を発揮することができる。つまり、本発明の消臭剤を選択する際には、前記消臭剤は、酸性基またはそのアルカリ金属塩が導入された金属フタロシアニンであることが、染料または顔料などの着色剤種を問わずに着色剤とともに用いることができるので配合設計や製造性が容易であるために特に好ましい。また、本発明の着色剤は、染料であることが、消臭剤に導入された官能基が塩基性基または酸性基の別を問わずに用いることができ、しかも前記消臭剤の配合量が少量で消臭効果を達成できるので好ましい。
【0020】
本発明の着色剤は、液状組成物全量に対して、すなわちインキ組成物全量に対して0.05〜15.0重量%が好適範囲である。着色剤の含有量がインキ組成物全量に対して0.05重量%未満であると、十分な着色効果が得られない。一方、着色剤の含有量がインキ組成物全量に対して15重量%を越えると、固形分が多くなり、粘度が上昇する為、筆記適性が低下し、分散性が低下する。着色剤の最適含有量は、着色剤の種類によって異なるが、1〜10重量%である。
【0021】
(樹脂)
本発明の樹脂は格別限定されるものではないが、インキ(液状)組成物の粘度調整を行うことができ、また、筆跡又は塗膜の表面に皮膜を形成するものであれば、合成、天然を問わず用いることができる。また、用いる溶剤によって油溶性樹脂、水溶性樹脂のいずれかを選択することができる。
【0022】
水溶性天然樹脂としては、植物粘質物及び微生物による粘質物、蛋白質系水溶性樹脂、デンプン質系水溶性樹脂を例示することができる。水溶性半合成樹脂としては、セルロース系水溶性樹脂、デンプン系水溶性樹脂、エーテル系水溶性樹脂を例示することができる。水溶性合成樹脂としては、アクリル系水溶性樹脂、スチレンアクリル系水溶性樹脂、スチレンマレイン酸系水溶性樹脂、ビニル系水溶性樹脂、ポリエステル系水溶性樹脂、アルキッド水溶性樹脂等を例示することができる。油溶性天然樹脂としては、セルロース系油溶性樹脂、デンプン系油溶性樹脂、シェラック系油溶性樹脂、ロジン系油溶性樹脂、石炭酸系油溶性樹脂、石炭系油溶性樹脂等を例示することができる。油溶性半合成樹脂としては、ロジンエステル等の天然樹脂エステル、セルロース系油溶性樹脂、糖類等を例示することができる。また、それらの樹脂エマルションも使用できる。具体的には、水溶性樹脂としては、例えば、商品名「ジョンクリルシリーズ」(ジョンソンポリマー株式会社製)、商品名「ルビスコールK−30」(BASF社製)、商品名「ユニチカレジンUMRシリーズ」(ユニチカ株式会社製)、商品名「ジュリマーAC−10N」(日本純薬株式会社製)を好適に用いることができる。油溶性樹脂としては、例えば、商品名「タマノール510」(荒川化学工業株式会社製)、商品名「アラスター700」(荒川化学工業株式会社製)を好適に用いることができる。これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
本発明の樹脂は、インキ組成物において含まれるものであり、液状組成物においては含まれなくてもよい。本発明の液状組成物が前記着色剤を含まない液状組成物である場合には、前記着色剤を被塗物上に樹脂により定着する必要がなく、前記消臭剤が樹脂により被覆されずに消臭効果を発揮しやすいことから、前記液状組成物が樹脂を含まない液状組成物であることが好ましい。また、液状組成物が浸透性の低い基材上に塗布される場合には、前記樹脂は、消臭剤を前記基材上に定着し易くするために、液状組成物中に含まれることが好ましい。本発明の樹脂は、インキ(液状)組成物全量に対して0.1〜30重量%含まれていることが好ましい。樹脂が液状組成物全量に対して0.1重量%未満の場合は粘度が低下するので、インキ(液状)組成物の漏れが発生し易くなり、また、筆跡又は塗膜上で被膜が形成され難くなるので、定着性が低下し、また、分散性も悪くなる。樹脂がインキ(液状)組成物全量に対して30重量%を超えると、インキ(液状)組成物の粘度が上がり過ぎ、流動性が低下する為、筆記適性が低下する。水溶性増粘樹脂の最適配合量は、樹脂の種類によって異なるが、0.5〜20重量%である。
【0024】
(溶剤)
本発明の溶剤は格別限定されるものではないが、液状組成物を溶解、分散することができ、また、液状組成物に流動性を与えることができるものであれば水性、油性を問わず用いることができる。
【0025】
溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、プロピレングリコール類等を挙げることができる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピレンアルコ−ル等を例示することができる。グリコール類としては、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル等を例示することができる。グリコ−ルエ−テル類としては、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル等を例示することができる。また、水を用いることができる。
【0026】
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピレンアルコ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、グリセリン、又は水を好適に用いることができる。これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0027】
本発明の溶剤は、インキ(液状)組成物に対して20〜95重量%含まれていることが好ましい。溶剤がインキ(液状)組成物に対して20重量%未満の場合は、インキ(液状)組成物の粘度が上昇し、流動性が低下する為、筆記適性が低下する。溶剤が液状組成物全量に対して95重量%を超えると、粘度が低下する為、インキ(液状)組成物の漏れが発生し易くなり、分散性も悪くなる。溶剤の最適配合量は、種類によって異なるが、50〜90重量%である。
【0028】
(その他)
なお、本発明の液状組成物では、必要に応じて、pH調整剤、保湿材、防腐防黴剤、界面活性剤などを添加することができる。
【0029】
本発明の液状組成物の製造方法は、格別限定されるものではないが、例えば、原材料である消臭剤、溶剤、及び必要に応じてその他の添加剤を混合して攪拌することによって製造することが好ましい。本発明の液状組成物がさらに樹脂を含む場合には、前記原材料に樹脂を加えて混合して攪拌することで製造してもよい。また、前記原材料に着色剤をさらに配合して混合撹拌することにより本発明の液状組成物をインキ組成物とすることもできる。なお、かかる調製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用することができる。
【0030】
(筆記具)
前記の組成及び製造方法により得られたインキ組成物をボールペンやマーカー等の公知の筆記具内に収納することにより、筆跡及び塗膜が、消臭又は脱臭機能を有する筆記具を得ることができる。特に、本発明の筆記具をマーカーとして用いることが、携帯性に優れ、且つボールペンに比べて多量の塗布量を簡易に塗布することができるので好ましい。前記、マーカーはペン先に繊維束を用いた中芯式マーカーであることが好ましく、前記中芯式マーカーがポリエステル製の中芯を用いることが前記液状組成物を適度に供給するために塗布量を調整することが容易であるために好ましい。
【0031】
(消臭ペン)
本発明の液状組成物は、ペン用消臭液状組成物として用いて、ペン型の形態で用いることができる。この場合においては、前記消臭液状組成物を収納した消臭ペンは、顔料や染料等の着色剤を含む必要はなく、ペン先で目詰まりが起きない程度の筆記性があれば、文字の見易さ等の文字情報を伝達するための適正は無くてもよく、塗布した消臭部位を明確にするために着色剤を含んでいても良い。前記ペン型形態としては、ボールペン、マーカー等の形態に、特に限定されるものではないが且つボールペン型に比べて多量の塗布量を簡易に塗布することができるのでマーカー型の形態が好ましい。
【0032】
(簡易型消臭材)
本発明の液状組成物、若しくはインキ組成物、または筆記具若しくは消臭ペンを用いて筆記、及び塗布された慣用の紙、簡易接着紙、布等は、壁に貼付される、卓上に設置される等の手段によって、簡易型消臭材として用いることができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1〜9)
表1に示す組成及び配合量で、前記の製造方法により実施例1〜8に係るインキ組成物及び実施例9に係る液状組成物を得た。尚、表1における配合量は重量部で示されている。
【0034】
(比較例1〜5)
表1に示す組成及び配合量であること以外は、実施例1〜8と同様にして比較例1〜5に係るインキ組成物を得た。尚、表1及び表2における配合量は重量部で示されている。
【0035】
なお、実施例1〜9及び比較例1〜5では、いずれも、分散方法、脱泡方法、濾過等は従来公知の方法を用いた。
【0036】
【表1】
Figure 0003922943
【0037】
表中、各原料組成は下記の通りである。
(消臭剤)
I フタロシアニン誘導体:商品名「DEORASE CPC−4」(中心金属:Co、R1〜R4はカルボン酸)、オリヱント化学工業株式会社製。
II フタロシアニン誘導体:商品名「DEORASE FPC−4」(中心金属:Fe、R1〜R4はカルボン酸)、オリヱント化学工業株式会社製
III フタロシアニン誘導体:商品名「DEORASE CPS−N」(中心金属:Co、R1〜R4のうち少なくとも1つ以上がカルボン酸)、オリヱント化学工業株式会社製
IV フタロシアニン誘導体:商品名「DEORASE CPAC−13」(中心金属:Co、導入された官能基がカルボン酸基及びアミノ基であり、R1〜R4のうち1〜3個の官能基がアミノ基)、オリヱント化学工業株式会社製
V 機能性酸化チタン:商品名「STS−21」、石原産業株式会社製
(着色剤)
I 水可溶性染料:商品名「ウォーターブルーNo.9」、保土谷化学株式会社製
II アルコール可溶性染料:商品名「スピロンブルーCR−H」、オリヱント化学工業株式会社製
III アルコール可溶性染料:商品名「バリファストブラック3810」、オリヱント化学工」業株式会社製
IV アルコール可溶性染料:商品名「スピロンレッドCGH」、保土ヶ谷化学工業株式会社製
V アルコール可溶性染料:商品名「バリファーストエロー4120」、オリエント化学工業株式社製
(樹脂)
I アルキルフェノール樹脂:商品名「タマノール#510」、荒川化学工業株式会社製
II キシレン系樹脂:商品名「ニカノール HP−100」、三菱瓦斯株式会社製
III スチレン―アクリル酸ポリマー:商品名「ジョンクリル J−62」、ジョンソンポリマー社製
(溶剤)
I プロピレングリコールモノメチルエーテル:商品名「ダウアノ―ルPM」、ダウ・ケミカル社製
II ジプロピレングリコールモノメチルエーテル:商品名「ダウアノ―ルDPM」、ダウ・ケミカル社製
III エタノール:試薬
(その他の成分)
レべリング剤:商品名「サンモリンOT−70」、三洋化成株式会社製
【0038】
(試験サンプルの作成)
次に、表1に示した実施例及び比較例のインキ組成物及び液状組成物を収納した公知の構造のマーカーを用いて、100mm×100mmの上質紙に面塗りを行い、試験サンプルとした。
【0039】
(評価試験)
前記の様に作成した試験サンプルを用いて、以下の様な評価試験を行った。結果については表1に示す。
(着色性試験)
前記の様に作成した試験サンプルの色を、目視により、以下の評価基準により評価した。
○:目的の着色効果が得られている。
×:目的の着色効果が得られていない。
(消臭試験)
前記の様に作成した試験サンプルをホルムアルデヒド2gと共に密閉されたデシケータ中で48時間静置後、デシケータ中の臭気を以下の評価基準により評価した。
◎:ホルムアルデヒド臭が全くしない。
○:ホルムアルデヒド臭がしない。
△:ホルムアルデヒド臭がわずかにする。
×:ホルムアルデヒド臭がする。
(筆記性)
〇:目詰まりは生じなかった。
×:目詰まりが生じ、筆記不能
【0040】
表1より実施例1〜8に係るインキ組成物では、その筆跡又は塗膜は目的とする着色効果が得られていた。ホルムアルデヒド臭は全くせず、顕著な消臭又は脱臭機能が認められた。実施例9に係る液状組成物についてもホルムアルデヒド臭は全くせず、顕著な消臭又は脱臭機能が認められた。
【0041】
表1より、比較例1〜3に係るインキ組成物では、ホルムアルデヒド臭が強く、消臭又は脱臭機能は全く認められなかった。比較例4のインキ組成物では、その筆跡又は塗膜の色が白っぽく、目的とする色が得られていない。また、消臭試験ではアルデヒド臭が僅かに残っており、その消臭効果は十分でない。比較例5のインキ組成物は、消臭剤が多いために筆記開始後に、直ぐに目詰まりを生じた。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも消臭剤、着色剤、樹脂、及び有機溶剤を含み、さらに、前記消臭剤が金属フタロシアニンであり、特にフタロシアニン誘導体に塩基性官能基、酸性官能基、又はそのアルカリ金属塩が導入された金属フタロシアニンである液状組成物、更に前記フタロシアニンが一般式(1)に示される金属フタロシアニンである液状組成物であるので、従来の液状組成物としての機能に加えて、その筆跡及び塗膜が、生活領域内の悪臭に対する消臭又は脱臭機能を持つ。また、金属フタロシアニンは着色剤の発色を阻害することがなく、筆跡又は塗膜を種々の色に着色することができる。また、液状組成物中に容易に分散させることができることができ、作業性も良い。また、上述の様な液状組成物中に着色剤を配合することによりインキ組成物として用いた筆記具は、筆記具としての基本的機能と、消臭又は脱臭剤としての機能を同時に兼ね備えている。また、筆記具またはペン型形状塗布具(消臭ペン)とすることで、手軽に持ち運ぶことができ、安価であり、紙や簡易接着紙に塗布が容易となり、どこにでも貼ることのできる簡易型消臭材を作ることができる。また、筆記という簡便な手段により消臭又は脱臭効果を持続することができる。
【化5】
Figure 0003922943
(式中、官能基R〜Rのうち少なくとも1つは、塩基性基、酸性基またはそのアルカリ金属塩を示し、Metは多価中心金属をあらわす。)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid composition and an ink composition in which a handwriting or a coating film written on a cloth or paper has a deodorizing effect and various coloring effects, a writing instrument and a pen using these compositions, and these It relates to the deodorant material obtained by this.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, metal phthalocyanine is widely used as a colorant in writing instruments, printing-related fields, and paint-related fields. Examples of the metal phthalocyanine used as the colorant include copper phthalocyanine (phthalocyanine blue) which is a blue organic pigment, chlorinated copper phthalocyanine (phthalocyanine green) which is a green pigment, and phthalocyanine derivatives introduced with carboxylic acid or sulfonic acid. And various dyes. Various ink compositions using these pigments or dyes as colorants are known. Moreover, a functional titanium oxide can be mentioned as a conventionally well-known deodorant.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, a conventionally known liquid composition such as an ink composition containing metal phthalocyanine contains metal phthalocyanine as a colorant, and is not imparted with a deodorizing or deodorizing effect. Various liquid compositions containing a fragrance and having a scent of a handwriting and a coating film are known. However, there is no writing instrument having a deodorizing or deodorizing function in the handwriting and the coating film made of a liquid composition such as an ink composition.
[0004]
In addition, as a deodorant, functional titanium oxide has been conventionally known, but generally has a strong coloring power, and even when added in a small amount, it inhibits coloring of the colorant, so when used as an ink composition, There is a problem that the handwriting or the coating film becomes whitish and a desired color cannot be obtained. In addition, the fine titanium oxide has a low hiding power compared to the functional titanium oxide, but it is difficult to handle because it is fine, and it is difficult to uniformly disperse it in a liquid composition such as an ink composition. There is a problem that work efficiency is poor.
[0005]
In addition, the demand for deodorizing or deodorizing materials continues to increase, and various toiletry products having a deodorizing or deodorizing function are on the market. However, many of these have no function other than the deodorizing or deodorizing effect. In other words, there is no pen-shaped deodorant in a writable form, in particular, a product that has a practical function as a writing instrument at the same time.
[0006]
An object of the present invention is to provide a liquid composition in which a handwriting and a coating film by a liquid composition have a deodorizing or deodorizing function against bad odors in a living area and can be applied to a writable form such as a pen, and thus a conventional ink composition. In addition to this function, the present invention provides an unprecedented ink composition.
[0007]
Furthermore, an object of the present invention is to provide an ink composition that can be used to color a handwriting or a coating film in a desired color by combining with a colorant without causing cloudiness of color due to the addition of a deodorant or deterioration of work efficiency. Is to provide.
[0008]
Furthermore, the objective of this invention is providing the product which has not only a deodorizing or deodorizing function but the practical function as a writing instrument simultaneously.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventor has at least a deodorant, a colorant, a resin, and a solvent, and the deodorizer is a basic functional group, an acidic functional group, or a phthalocyanine derivative. A metal phthalocyanine into which an alkali metal salt is introduced, and an ink composition in which the amount of the metal phthalocyanine is 0.05 to 20% by weight based on the total amount of the ink composition, and a deodorant and a solvent, The liquid composition in which the deodorant is metal phthalocyanine and the metal phthalocyanine is contained in an amount of 0.05 to 20% by weight based on the total amount of the liquid composition maintains an excellent deodorizing or deodorizing effect, Or it discovered that the color of a coating film could be colored in various colors.
[0010]
Moreover, the liquid composition in which the phthalocyanine is a metal phthalocyanine represented by the general formula (1) has a handwriting and a coating film not only with an ammonia odor (amine odor) and a mercaptan odor (sulfur odor), but also with a tobacco odor ( It has been found that it exhibits an excellent deodorizing or deodorizing effect against bad odors in the living area including aldehyde odor). Further, the metal phthalocyanine represented by the general formula (1) does not inhibit the color development of the colorant, can be easily dispersed in the liquid composition, and has good workability.
[Chemical 3]
Figure 0003922943
(In the formula, at least one of the functional groups R 1 to R 4 represents a basic group, an acidic group or an alkali metal salt thereof, and Met represents a polyvalent central metal.)
[0011]
In addition, a liquid composition that is a transition metal capable of four-coordination of the central metal of the metal phthalocyanine, particularly a polyvalent metal such as copper, manganese, cobalt, nickel, and iron (II or III) has its handwriting and coating film However, it has been found that it exhibits an excellent deodorizing or deodorizing effect against bad odors in the living area.
[0012]
A deodorant pen containing a liquid composition as described above in a pen can be easily applied with a deodorant and can be easily carried, and a simple deodorant material can be produced. A writing instrument using an ink composition further containing a colorant in the liquid composition can be easily applied with the deodorant as in the case of the deodorant pen, and can be easily carried. Although it can make odorous materials, it has a basic function as a writing instrument that leaves a handwriting of the desired color by adding a coloring agent (can write letters), and also has a deodorizing function Yes. In addition, by using a deodorant pen or writing instrument, it can be easily applied to paper or simple adhesive paper, and a simple deodorant that can be applied anywhere can be made. The odor or deodorizing effect can be maintained.
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[0013]
(Deodorants)
The deodorizer of the present invention is a metal phthalocyanine in which at least a basic functional group, an acidic functional group, or an alkali metal salt thereof is introduced into a phthalocyanine derivative. In particular, the phthalocyanine is a metal phthalocyanine represented by the general formula (1). It is preferable. Among them, those that do not inhibit color development of the colorant are preferable.
[Formula 4]
Figure 0003922943
(In the formula, at least one of the functional groups R 1 to R 4 represents a basic group, an acidic group or an alkali metal salt thereof, and Met represents a polyvalent central metal.)
[0014]
Examples of the metal phthalocyanine having a deodorizing or deodorizing function include a metal in which at least one of the functional groups R 1 to R 4 of the phthalocyanine derivative represented by the general formula (1) is a basic group, an acidic group, or an alkali metal salt thereof. Mention may be made of phthalocyanine. An amino group can be illustrated as a basic functional group. Examples of acidic functional groups include carboxyl groups, sulfonic acid groups, and alkali metal salts of any of these. Incidentally, the functional group R 1 to R 4, if there is deodorizing function, at least one said basic group, only to be replaced by an acidic group or any alkali metal salts thereof, substituted functional groups There are no particular restrictions on the number or position of the. In addition, the functional groups R 1 to R 4 may contain a substituent other than those described above as long as at least one of them is substituted with the basic group, acidic group, or any alkali metal salt thereof. It is not necessary. Moreover, the metal phthalocyanine whose polyvalent center metal is copper, manganese, cobalt, nickel, and iron (II or III) can be illustrated. Preferred examples include cobalt phthalocyanine, tetracarboxylic acid-iron phthalocyanine, tetracarboxylic acid-cobalt phthalocyanine, octacarboxylic acid-iron phthalocyanine, amino-tricarboxylic acid-cobalt phthalocyanine, diamino-dicarboxylic acid-cobalt phthalocyanine, triaminocarboxylic acid- Examples thereof include cobalt phthalocyanine, diamino / dicarboxylic acid-iron phthalocyanine, sodium diamino / disulfonate-cobalt phthalocyanine, and tetraamino copper phthalocyanine.
[0015]
Specifically, the product name “DEORASE CPC-4” (manufactured by Orient Chemical Industry Co., Ltd.), the product name “DEORASE FPC-4” (manufactured by Orient Chemical Industry Co., Ltd.), and the product name “DEORASE CPS-N” (Orient Chemical) Kogyo Co., Ltd.) and trade name “DEORASE CPAC-13” (manufactured by Orient Chemical Co., Ltd.). Moreover, these 1 type (s) or 2 or more types can be mixed and used.
[0016]
The deodorant of the present invention is preferably in a range of 0.05 to 20.0% by weight with respect to the total amount of the liquid composition. If the content of the deodorant is less than 0.05% by weight based on the total amount of the liquid composition, a sufficient deodorizing effect cannot be obtained. On the other hand, if the content of the deodorant exceeds 20% by weight with respect to the total amount of the liquid composition, the solid content increases and the viscosity increases, so that the writing ability decreases and the dispersibility decreases. The optimum blending amount of the deodorant is 0.5 to 10% by weight with respect to the total amount of the liquid composition. In particular, when it is desired to make the color of the handwriting or coating film light, it is preferable that the deodorant is 0.05 to 1.0% by weight with respect to the total amount of the liquid composition. When the content of the deodorant exceeds 1.0% by weight, the deodorant has a great influence on the color of the handwriting or the coating film, and it is necessary to select an appropriate colorant to obtain a desired color. Arise.
[0017]
(Coloring agent)
Although the colorant of the present invention is not particularly limited, it can be used regardless of whether it is synthetic or natural as long as the color of the ink can be adjusted to various colors.
[0018]
Examples of the colorant include acid-soluble dyes, direct dyes, water-soluble dyes such as basic dyes, and pigments. Examples of water-soluble dyes include triphenylmethane, xanthene, anthraquinone, metal complex, and copper phthalocyanine. Examples of pigments include inorganic pigments such as carbon black, copper phthalocyanine pigments, selenium pigments, azo pigments, quinacridone pigments, anthraquinone pigments, dioxane pigments, indigo pigments, thioindigo pigments, perinone pigments, and perylenes. In addition to organic pigments such as pigments, indolenone pigments and azomethine pigments, fluorescent pigments, metal powder pigments, pearl pigments, glass flake pigments, colored emulsions and the like can be exemplified. These can also be used as a pigment dispersion. Moreover, these 1 type (s) or 2 or more types can be mixed and used.
[0019]
The colorant of the present invention does not have a deodorizing function, but when it is a colorant that mainly constitutes the color tone of the handwriting obtained by the ink composition of the present invention, it is more preferably a dye. When the colorant is a metal oxide-based inorganic pigment such as titanium oxide, the specific gravity is heavy, so a dispersant having a carboxylic acid group or a sulfonic acid group is required to maintain the dispersion stability of the colorant. However, when the metal phthalocyanine in which all of the introduced functional groups are basic groups (amino groups) is the deodorant, the functional group of the metal phthalocyanine and the carboxylic acid group of the dispersant, etc. May cause a part of the metal phthalocyanine in the ink composition to be masked by the dispersant, so that it may be necessary to add a larger amount of the metal phthalocyanine to the ink composition. . However, when the colorant is a colorant mainly constituting the color tone of the handwriting obtained by the ink composition of the present invention and is a dye, it is not necessary to add a dispersant to the ink composition. The deodorizing effect can be exhibited with a smaller amount. That is, when selecting the deodorant of the present invention, the deodorant is a metal phthalocyanine into which an acidic group or an alkali metal salt thereof is introduced, regardless of the colorant type such as a dye or a pigment. It is particularly preferred because it can be used together with a colorant and is easy to blend and design. In addition, the colorant of the present invention can be used regardless of whether the functional group introduced into the deodorant is a basic group or an acidic group, and the blending amount of the deodorant is a dye. Is preferable because a deodorizing effect can be achieved with a small amount.
[0020]
The colorant of the present invention is preferably in a range of 0.05 to 15.0% by weight based on the total amount of the liquid composition, that is, the total amount of the ink composition. If the content of the colorant is less than 0.05% by weight based on the total amount of the ink composition, a sufficient coloring effect cannot be obtained. On the other hand, when the content of the colorant exceeds 15% by weight with respect to the total amount of the ink composition, the solid content increases and the viscosity increases, so that the writing ability is lowered and the dispersibility is lowered. Although the optimal content of a coloring agent changes with kinds of coloring agent, it is 1 to 10 weight%.
[0021]
(resin)
The resin of the present invention is not particularly limited, but it is possible to adjust the viscosity of an ink (liquid) composition and to form a film on the surface of a handwriting or a coating film. Can be used regardless. Further, either an oil-soluble resin or a water-soluble resin can be selected depending on the solvent used.
[0022]
Examples of the water-soluble natural resin include plant mucilage and microbial mucilage, protein-based water-soluble resin, and starch-based water-soluble resin. Examples of the water-soluble semi-synthetic resin include cellulose-based water-soluble resins, starch-based water-soluble resins, and ether-based water-soluble resins. Examples of water-soluble synthetic resins include acrylic water-soluble resins, styrene acrylic water-soluble resins, styrene maleic acid water-soluble resins, vinyl water-soluble resins, polyester water-soluble resins, alkyd water-soluble resins, and the like. it can. Examples of the oil-soluble natural resin include cellulose-based oil-soluble resins, starch-based oil-soluble resins, shellac-based oil-soluble resins, rosin-based oil-soluble resins, carboxylic acid-based oil-soluble resins, and coal-based oil-soluble resins. Examples of the oil-soluble semi-synthetic resin include natural resin esters such as rosin ester, cellulosic oil-soluble resins, saccharides and the like. Moreover, those resin emulsions can also be used. Specifically, as the water-soluble resin, for example, a trade name “John Krill series” (manufactured by Johnson Polymer Co., Ltd.), a trade name “Lubicol K-30” (manufactured by BASF), and a trade name “Unitika Resin UMR series”. "(Unitika Ltd.) and trade name" Jurimer AC-10N "(Nippon Pure Chemicals Co., Ltd.) can be used suitably. As the oil-soluble resin, for example, trade name “Tamanol 510” (manufactured by Arakawa Chemical Industries, Ltd.) and trade name “Alastor 700” (manufactured by Arakawa Chemical Industries, Ltd.) can be suitably used. These 1 type (s) or 2 or more types can be mixed and used.
[0023]
The resin of the present invention is contained in the ink composition and may not be contained in the liquid composition. When the liquid composition of the present invention is a liquid composition that does not contain the colorant, it is not necessary to fix the colorant on the object to be coated with a resin, and the deodorant is not covered with the resin. Since the deodorizing effect is easily exhibited, the liquid composition is preferably a liquid composition containing no resin. In addition, when the liquid composition is applied on a substrate having low permeability, the resin may be included in the liquid composition in order to facilitate fixing of the deodorant on the substrate. preferable. The resin of the present invention is preferably contained in an amount of 0.1 to 30% by weight based on the total amount of the ink (liquid) composition. When the resin is less than 0.1% by weight with respect to the total amount of the liquid composition, the viscosity decreases, so that the ink (liquid) composition is liable to leak, and a film is formed on the handwriting or the coating film. Since it becomes difficult, fixing property is lowered and dispersibility is also deteriorated. When the resin exceeds 30% by weight with respect to the total amount of the ink (liquid) composition, the viscosity of the ink (liquid) composition is excessively increased and the fluidity is lowered, so that the writing ability is lowered. Although the optimal compounding quantity of water-soluble thickening resin changes with kinds of resin, it is 0.5 to 20 weight%.
[0024]
(solvent)
The solvent of the present invention is not particularly limited, but any solvent can be used as long as it can dissolve and disperse the liquid composition and can impart fluidity to the liquid composition. be able to.
[0025]
Examples of the solvent include alcohols, glycols, propylene glycols and the like. Examples of alcohols include methanol, ethanol, isopropylene alcohol and the like. Examples of glycols include ethylene glycol, diethylene glycol, propylene glycol and the like. Examples of glycol ethers include ethylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, and the like. Water can also be used.
[0026]
Specifically, methanol, ethanol, isopropylene alcohol, propylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, glycerin, or water can be preferably used. These 1 type (s) or 2 or more types can be mixed and used.
[0027]
The solvent of the present invention is preferably contained in an amount of 20 to 95% by weight based on the ink (liquid) composition. When the solvent is less than 20% by weight with respect to the ink (liquid) composition, the viscosity of the ink (liquid) composition increases and the fluidity decreases, so that the writing ability decreases. When the solvent exceeds 95% by weight with respect to the total amount of the liquid composition, the viscosity is lowered, so that the ink (liquid) composition is liable to leak and the dispersibility is also deteriorated. Although the optimal compounding quantity of a solvent changes with kinds, it is 50 to 90 weight%.
[0028]
(Other)
In addition, in the liquid composition of this invention, a pH adjuster, a moisturizer, antiseptic / antifungal agent, surfactant, etc. can be added as needed.
[0029]
Although the manufacturing method of the liquid composition of this invention is not specifically limited, For example, it manufactures by mixing and stirring the deodorizer which is a raw material, a solvent, and other additives as needed. It is preferable. When the liquid composition of the present invention further contains a resin, it may be produced by adding the resin to the raw material, mixing and stirring. In addition, the liquid composition of the present invention can be made into an ink composition by further blending the raw material with a colorant and mixing and stirring. In this preparation, a conventionally known dispersion method, defoaming method, filtration method and the like can be employed.
[0030]
(Writing instrument)
By storing the ink composition obtained by the above-described composition and production method in a known writing instrument such as a ballpoint pen or a marker, a writing instrument in which the handwriting and the coating film have a deodorizing or deodorizing function can be obtained. In particular, it is preferable to use the writing instrument of the present invention as a marker because it is excellent in portability and can easily be applied in a larger amount than a ballpoint pen. The marker is preferably a core-type marker using a fiber bundle at the pen tip, and the core-type marker uses a polyester core to apply the liquid composition in an appropriate amount. It is preferable because it is easy to adjust.
[0031]
(Deodorant pen)
The liquid composition of the present invention can be used as a deodorizing liquid composition for pens and used in the form of a pen. In this case, the deodorant pen containing the deodorant liquid composition does not need to contain a colorant such as a pigment or a dye, and if there is a writing property that does not cause clogging at the pen tip, There may be no appropriateness for transmitting character information such as visibility, and a colorant may be included to clarify the applied deodorant site. The pen-type form is not particularly limited to the form of a ball-point pen, a marker or the like, and a marker-type form is preferable because a large amount of application can be easily applied as compared to the ball-point pen type.
[0032]
(Simple deodorant)
Conventional paper, simple adhesive paper, cloth, etc. written and applied using the liquid composition, ink composition, writing instrument or deodorizing pen of the present invention are placed on a wall and placed on a table. By such means, it can be used as a simple deodorant material.
[0033]
【Example】
(Examples 1-9)
With the compositions and blending amounts shown in Table 1, the ink compositions according to Examples 1 to 8 and the liquid composition according to Example 9 were obtained by the above production method. In addition, the compounding quantity in Table 1 is shown by the weight part.
[0034]
(Comparative Examples 1-5)
Ink compositions according to Comparative Examples 1 to 5 were obtained in the same manner as in Examples 1 to 8, except that the compositions and amounts shown in Table 1 were used. In addition, the compounding quantity in Table 1 and Table 2 is shown by the weight part.
[0035]
In Examples 1 to 9 and Comparative Examples 1 to 5, conventionally known methods were used for the dispersion method, defoaming method, filtration, and the like.
[0036]
[Table 1]
Figure 0003922943
[0037]
In the table, each raw material composition is as follows.
(Deodorants)
I Phthalocyanine derivative: Trade name “DEORASE CPC-4” (central metal: Co, R1 to R4 are carboxylic acids), manufactured by Orient Chemical Co., Ltd.
II Phthalocyanine derivative: Trade name “DEORASE FPC-4” (center metal: Fe, R1 to R4 are carboxylic acids), manufactured by Orient Chemical Co., Ltd.
III Phthalocyanine derivative: Trade name “DEORASE CPS-N” (central metal: Co, at least one of R1 to R4 is carboxylic acid), manufactured by Orient Chemical Industries, Ltd.
IV Phthalocyanine derivative: Trade name “DEORASE CPAC-13” (central metal: Co, the introduced functional group is a carboxylic acid group and an amino group, and 1 to 3 functional groups of R1 to R4 are amino groups), Made by Orient Chemical Industry Co., Ltd.
V Functional titanium oxide: Trade name “STS-21”, manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd. (colorant)
I Water-soluble dye: Trade name “Water Blue No. 9”, manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.
II Alcohol-soluble dye: Trade name "Spiron Blue CR-H", manufactured by Orient Chemical Industries Co., Ltd.
III Alcohol-soluble dyes: Trade name “Varifast Black 3810”, Orient Chemical Industries, Ltd.
IV Alcohol-soluble dye: Trade name “Spiron Red CGH”, manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.
V Alcohol-soluble dye: Trade name “Vari First Yellow 4120”, manufactured by Orient Chemical Industries Ltd. (resin)
I Alkylphenol resin: Trade name “Tamanol # 510”, manufactured by Arakawa Chemical Industries, Ltd.
II Xylene resin: Trade name “Nicanol HP-100”, manufactured by Mitsubishi Gas Co., Ltd.
III Styrene-acrylic acid polymer: Trade name “Johncrill J-62”, manufactured by Johnson Polymer (solvent)
I Propylene glycol monomethyl ether: Trade name “Dauanol PM”, manufactured by Dow Chemical
II Dipropylene glycol monomethyl ether: Trade name “Dauanol DPM”, manufactured by Dow Chemical
III Ethanol: Reagent (Other components)
Leveling agent: trade name “Sanmorin OT-70”, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.
(Creation of test sample)
Next, using a marker with a known structure containing the ink compositions and liquid compositions of Examples and Comparative Examples shown in Table 1, 100 mm × 100 mm high quality paper was face coated to obtain a test sample.
[0039]
(Evaluation test)
Using the test samples prepared as described above, the following evaluation tests were performed. The results are shown in Table 1.
(Colorability test)
The color of the test sample prepared as described above was visually evaluated according to the following evaluation criteria.
○: The desired coloring effect is obtained.
X: The target coloring effect is not acquired.
(Deodorization test)
The test sample prepared as described above was allowed to stand in a desiccator sealed with 2 g of formaldehyde for 48 hours, and then the odor in the desiccator was evaluated according to the following evaluation criteria.
A: There is no formaldehyde odor.
○: There is no formaldehyde odor.
Δ: Slight formaldehyde odor.
X: Formaldehyde smells.
(Writing)
◯: No clogging occurred.
×: Clogging occurs and writing is impossible.
From Table 1, in the ink compositions according to Examples 1 to 8, the handwriting or the coating film had the intended coloring effect. There was no formaldehyde odor, and a remarkable deodorizing or deodorizing function was observed. The liquid composition according to Example 9 also had no formaldehyde odor, and a remarkable deodorizing or deodorizing function was observed.
[0041]
From Table 1, in the ink composition which concerns on Comparative Examples 1-3, formaldehyde odor was strong and the deodorizing or deodorizing function was not recognized at all. In the ink composition of Comparative Example 4, the color of the handwriting or coating film is whitish, and the target color is not obtained. In the deodorization test, a slight aldehyde odor remains, and the deodorizing effect is not sufficient. The ink composition of Comparative Example 5 was clogged immediately after starting writing because of the large amount of deodorant.
[0042]
【The invention's effect】
The present invention includes at least a deodorant, a colorant, a resin, and an organic solvent, and the deodorizer is a metal phthalocyanine, and particularly a basic functional group, an acidic functional group, or an alkali metal salt thereof in a phthalocyanine derivative. In addition to the function as a conventional liquid composition, the handwriting and the liquid composition which is a metal phthalocyanine into which is introduced, and the phthalocyanine is a liquid composition which is a metal phthalocyanine represented by the general formula (1) The coating film has a deodorizing or deodorizing function against bad odors in the living area. Moreover, metal phthalocyanine can color a handwriting or a coating film in various colors, without inhibiting the coloring of a coloring agent. Moreover, it can be easily dispersed in the liquid composition, and the workability is also good. Moreover, the writing instrument used as an ink composition by mix | blending a coloring agent in the above liquid compositions has the basic function as a writing instrument and the function as a deodorizing or deodorizing agent simultaneously. Also, by using a writing instrument or pen-shaped applicator (deodorant pen), it can be easily carried, is inexpensive, can be easily applied to paper or simple adhesive paper, and can be applied anywhere. It can make odor materials. Moreover, the deodorizing or deodorizing effect can be maintained by a simple means of writing.
[Chemical formula 5]
Figure 0003922943
(In the formula, at least one of the functional groups R 1 to R 4 represents a basic group, an acidic group or an alkali metal salt thereof, and Met represents a polyvalent central metal.)

Claims (8)

消臭剤、着色剤、樹脂、及び溶剤を含み、前記消臭剤が金属フタロシアニンであり、さらに、前記金属フタロシアニンがインキ組成物全量に対して0.05〜20重量%含まれているインキ組成物を用いた筆記具An ink composition comprising a deodorant, a colorant, a resin, and a solvent, wherein the deodorant is a metal phthalocyanine, and the metal phthalocyanine is contained in an amount of 0.05 to 20% by weight based on the total amount of the ink composition Writing instruments using objects. 前記金属フタロシアニンが、フタロシアニン誘導体に塩基性官能基、酸性官能基、又はそのアルカリ金属塩が導入されたものである請求項1記載の筆記具The writing instrument according to claim 1, wherein the metal phthalocyanine is obtained by introducing a basic functional group, an acidic functional group, or an alkali metal salt thereof into a phthalocyanine derivative. 前記金属フタロシアニンが一般式(1)で示されるものである請求項1又は2記載の筆記具
Figure 0003922943
(式中、官能基R〜Rのうち少なくとも1つは、塩基性基、酸性基またはそのアルカリ金属塩を示し、Metは多価中心金属をあらわす。)
The writing instrument according to claim 1 or 2, wherein the metal phthalocyanine is represented by the general formula (1).
Figure 0003922943
(In the formula, at least one of the functional groups R 1 to R 4 represents a basic group, an acidic group or an alkali metal salt thereof, and Met represents a polyvalent central metal.)
一般式(1)に示すフタロシアニン誘導体の官能基R〜Rのうち少なくとも1つに、アミノ基が導入された金属フタロシアニンを含む請求項1乃至3のいずれかの項に記載の筆記具The writing instrument according to any one of claims 1 to 3, comprising a metal phthalocyanine having an amino group introduced into at least one of the functional groups R 1 to R 4 of the phthalocyanine derivative represented by the general formula (1). 前記金属フタロシアニンがアルデヒド臭気に対して消臭機能を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の筆記具The writing instrument according to any one of claims 1 to 4, wherein the metal phthalocyanine has a deodorizing function with respect to an aldehyde odor. 前記金属フタロシアニンのフタロシアニン誘導体の多価中心金属が銅、マンガン、コバルト、ニッケル、及び鉄(II又はIII)の群から選択されるいずれかの金属である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の筆記具6. The metal phthalocyanine derivative according to claim 1, wherein the polyvalent central metal of the phthalocyanine derivative is any metal selected from the group consisting of copper, manganese, cobalt, nickel, and iron (II or III). Writing instrument as described. 前記着色剤が染料であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の筆記具The writing instrument according to claim 1, wherein the colorant is a dye. ペン先に繊維束のチップを備えた請求項1乃至7に記載の筆記具。The writing instrument according to claim 1, wherein a tip of a fiber bundle is provided at the nib.
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