JP2004321795A - 整形外科および歯科用途での使用のための生分解性ポリマーネットワーク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 生分解性ポリマーネットワークの作成方法であって、以下を包含する、方法:a)無水物プレポリマーを提供する工程であって、ここで該無水物プレポリマーがi)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、およびii)架橋性基を含むカルボン酸分子、の混合無水物を含み、ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、工程;ならびにb)該無水物プレポリマーを架橋して、架橋した生分解性ポリマーネットワークを形成する工程。
【選択図】 なし
Description
様々な歯科および整形外科用途において有用な生分解性ポリマーネットワークが提供される。生分解性ポリマーネットワークは、1つの実施態様において、架橋性基(例えば、不飽和部分)を含む無水物プレポリマーを重合することにより形成され得る。無水物プレポリマーは、例えば、フリーラジカル開始剤の存在下におけるプレポリマーへの光の照射による光重合反応により架橋され得る。適切な無水物プレポリマーは、ジカルボン酸と、架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物が挙げられる。例えば、二酸(例えば、セバシン酸もしくは1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサン)のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物が使用され得る。1つの実施態様において、無水物プレポリマーは、インビボで、整形外科インプラントが必要とされる部位に適用され得、次いで、例えば、紫外光の照射により架橋され得、生分解性インプラントを形成し得る。インプラントは、有利に、機械的なサポートを提供し、そしてまた緩やかな表面分解が可能であって骨の成長を可能にする。
a)無水物プレポリマーを提供する工程であって、ここで該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、工程;ならびに
b)該無水物プレポリマーを架橋して、架橋した生分解性ポリマーネットワークを形成する工程。
項目2.前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和部分を含む、項目1に記載の方法。
項目3.前記工程b)において、前記無水物プレポリマーが光重合により架橋される、項目2に記載の方法。
項目4.前記光重合が、開始剤の存在下における前記プレポリマーへの光の照射により開始される、項目3に記載の方法。
項目5.前記プレポリマーに紫外光が照射される、項目4に記載の方法。
項目6.前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目4に記載の方法。
項目7.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目1に記載の方法。
項目8.前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和基を含む、項目7に記載の方法。
項目9.前記ジカルボン酸が、ジカルボン酸混合物を含む、項目7に記載の方法。
項目10.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目7に記載の方法。
項目11.生分解性インプラントをインビボで形成する方法であって、以下を包含する、方法:
a)インプラントが必要とされる哺乳類の体内の部位に、インビボで無水物プレポリマーを適用する工程であって、ここで、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、工程;ならびに
b)該無水物プレポリマーを架橋して、架橋した生分解性ポリマーネットワークを、インプラントの形態で、該部位に形成する工程。
項目12.前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和部分を含む、項目11に記載の方法。
項目13.前記工程b)において、前記無水物プレポリマーが光重合により架橋される、項目12に記載の方法。
項目14.前記光重合が、開始剤の存在下での前記プレポリマーへの光の照射により開始される、項目13に記載の方法。
項目15.前記開始剤が、前記工程a)において、前記プレポリマーと組み合わせて適用される、項目14に記載の方法。
項目16.前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目15に記載の方法。
項目17.前記プレポリマーに紫外光が照射される、項目14に記載の方法。
項目18.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目11に記載の方法。
項目19.前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和基を含む、項目18に記載の方法。
項目20.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目11に記載の方法。
項目21.前記インプラントが、整形外科および歯科インプラントからなる群から選択される、項目11に記載の方法。
項目22.前記インプラントが、ロッド、ピン、スクリュー、およびプレートからなる群から選択される整形外科インプラントを含む、項目11に記載の方法。
項目23.生分解性インプラントを形成する方法であって、無水物プレポリマーを光重合してインプラントの形態の、架橋した生分解性ポリマーネットワークを形成する工程であって、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、工程を包含する、方法。
項目24.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性不飽和部分を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目23に記載の方法。
項目25.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目23に記載の方法。
項目26.生体適合性で、生分解性のポリマー性インプラントを形成するための組成物であって、無水物プレポリマーを、薬学的に受容可能なキャリアーと組み合わせて含み、ここで、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、組成物。
項目27.前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和部分を含む、項目26に記載の組成物。
項目28.前記組成物が、フリーラジカル開始剤およびイオン開始剤からなる群から選択される開始剤をさらに含む、項目27に記載の組成物。
項目29.前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目28に記載の組成物。
項目30.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸モノマーまたはオリゴマーと不飽和部分を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目26に記載の組成物。
項目31.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目30に記載の組成物。
項目32.治療剤または診断剤をさらに含む、項目26に記載の組成物。
項目33.無水物プレポリマーを架橋することにより形成された、架橋した生分解性ポリマーネットワークを含み、ここで、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、生分解性インプラント。
項目34.前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和部分を含む、項目33に記載の生分解性インプラント。
項目35.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸モノマーまたはオリゴマーと架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目33に記載の生分解性インプラント。
項目36.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目33に記載の生分解性インプラント。
項目37.前記ジカルボン酸が、セバシン酸、ドデカン二酸、フマル酸、ビス(p−カルボキシフェノキシ)メタン、1,3−ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン、テレフタル酸、イソフタル酸、p−カルボキシフェノキシ酢酸、p−カルボキシフェノキシ吉草酸、p−カルボキシフェノキシオクタン酸、およびクエン酸からなる群から選択される、項目7に記載の方法。
項目38.生分解性ポリマーネットワークの作成方法であって、以下を包含する、方法:
a)無水物プレポリマーを提供する工程であって、ここで該無水物プレポリマーが、架橋性基を含む、工程;および
b)該無水物プレポリマーを架橋して、架橋した生分解性ポリマーネットワークを形成する工程。
項目39.前記架橋性基が、不飽和部分を含む、項目38に記載の方法。
項目40.前記工程b)において、前記無水物プレポリマーが光重合により架橋される、項39に記載の方法。
項目41.前記光重合が、開始剤の存在下における前記プレポリマーへの光の照射により開始される、項目40に記載の方法。
項目42.前記プレポリマーに紫外光が照射される、項目41に記載の方法。
項目43.前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目41に記載の方法。
項目44.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目38に記載の方法。
項目45.前記架橋性基が、不飽和基を含む、項目44に記載の方法。
項目46.前記ジカルボン酸が、ジカルボン酸混合物を含む、項目44に記載の方法。
項目47.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,3−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンから成る群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目44に記載の方法。
項目48.生分解性インプラントをインビボで形成する方法であって、以下を包含する、方法:
a)インプラントが必要とされる哺乳類の体内の部位に、インビボで無水物プレポリマーを適用する工程であって、ここで、該無水物プレポリマーが、架橋性基を含む、工程;
b)該無水物プレポリマーを架橋して、架橋した生分解性ポリマーネットワークを、インプラントの形態で、該部位に形成する工程。
項目49.前記架橋性基が、不飽和部分を含む、項目48に記載の方法。
項目50.前記工程b)において、前記無水物プレポリマーが光重合により架橋される、項目49に記載の方法。
項目51.前記光重合が、開始剤の存在下での前記プレポリマーへの光の照射により開始される、項目50に記載の方法。
項目52.前記開始剤が、前記工程a)において、前記プレポリマーと組み合わせて適用される、項目51に記載の方法。
項目53.前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目52に記載の方法。
項目54.前記プレポリマーに紫外光が照射される、項目50に記載の方法。
項目55.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目48に記載の方法。
項目56.前記架橋性基が、不飽和基を含む、項目55に記載の方法。
項目57.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目47に記載の方法
項目58.前記インプラントが、整形外科および歯科インプラントからなる群から選択される、項目47に記載の方法。
項目59.前記インプラントが、ロッド、ピン、スクリュー、およびプレートからなる群から選択される整形外科インプラントを含む、項目47に記載の方法。
項目60.生分解性インプラントを形成する方法であって、架橋性基を含む無水物プレポリマーを光重合してインプラントの形態の、架橋した生分解性ポリマーネットワークを形成する工程を包含する、方法。
項目61.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性不飽和部分を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目60に記載の方法。
項目62.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目60に記載の方法。
項目63.生体適合性で、生分解性のポリマー性インプラントを形成するための組成物であって、無水物プレポリマーを、薬学的に受容可能なキャリアーと組み合わせて含み、ここで、該無水物プレポリマーが、架橋性基を含む、組成物。
項目64.前記架橋性基が、不飽和部分を含む、項目63に記載の組成物。
項目65.前記組成物が、フリーラジカル開始剤およびイオン開始剤からなる群から選択される開始剤をさらに含む、項目64に記載の組成物。
項目66.前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目65に記載の組成物。
項目67.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸モノマーまたはオリゴマーと不飽和部分を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目63に記載の組成物。
項目68.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目67に記載の組成物。
項目69.治療剤または診断剤をさらに含む、項目63に記載の組成物。
項目70.無水物プレポリマーを架橋することにより形成された、架橋した生分解性ポリマーネットワークを含む、生分解性インプラントであって、ここで、該無水物プレポリマーが、架橋性基を含む、生分解性インプラント。
項目71.前記架橋性基が、不飽和部分を含む、項目70に記載の生分解性インプラント。
項目72.前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸モノマーまたはオリゴマーと架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、項目70に記載の生分解性インプラント。
項目73.前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、項目70に記載の生分解性インプラント。
反応して高度に架橋した生分解性ポリ無水物ネットワークを形成し得る架橋可能な無水物モノマーまたはオリゴマーが提供され、これは様々な異なる生物医学用途において有用である。1つの実施態様において、無水物モノマーまたはオリゴマーは、照射誘導された重合(例えば、光重合)により架橋され得る。高度の架橋は、増強された機械的特性を有するポリマーを生成する。架橋されたポリマーは、インビボ下で表面制御分解が可能である。分解の速度は、ポリマーネットワーク組成およびポリマーネットワーク内の架橋密度の選択により制御され得る。1つの実施態様において、架橋したポリマーは、インビボで無水物モノマーまたはオリゴマーの光重合により形成され得、そして必要に応じて様々な異なる整形外科および歯科用途用に、設計され得そして成形され得る。
生分解性架橋ポリマーネットワークは、官能性化された無水物モノマーまたはオリゴマーを架橋することにより形成される。有用な官能性化モノマーまたはオリゴマーとしては、二酸と、不飽和部分のような架橋性基を含むカルボン酸分子との混合無水物が挙げられる。例示的な無水物モノマーまたはオリゴマーとしては、二酸(例えばセバシン酸または1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサン(MCPH))、および不飽和部分を含むカルボン酸(例えば、メタクリル酸)の混合無水物が挙げられる。官能性化無水物モノマーおよびオリゴマーは、例えば、二酸を活性化形態の酸(例えば、その無水物)と反応させて混合無水物を形成することにより形成される。
混合無水物官能性化モノマーの合成、およびその後の架橋ポリマーネットワークを形成するためのモノマーの架橋の例をスキームIに示す。この実施態様において、セバシン酸(MSA)および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサン(MCPH))の官能性化モノマー(およびオリゴマー)は、合成され、そして重合された。最初に、ジカルボン酸モノマーが、加熱還流によりメタクリル酸無水物を有するその混合無水物に転化された。
好ましい実施態様では、架橋基は、放射線重合(例えば、光を用いた照射により)により架橋される。1つの実施態様では、架橋基は、約250nm〜700nmの波長における紫外光または可視光を照射することにより架橋され得る。例えば、約365nmの波長における紫外光、または約642nmの波長における赤色可視光、または470nmと490nmとの間の波長における青色可視光が用いられ得る。470nmと490nmとの間の波長における青色光の使用は、歯科適用に有用である。さらに、電子線、X線、γ線、および放射の他の形態が、プレポリマーの重合を開始するのに用いられ得る。
生分解性架橋ポリマーは、種々の生医学的適用(筋骨格および歯科への適用が挙げられる)において用いられ得る。生分解性ポリマーは、生体適合性であり、強固であり、容易に成型(fashion)され、かつ分解性であり、そしてインビボで重合して設置および製造を容易にすることができる。このポリマーは、回収を必要とすることなく、ポリマーの組成および架橋に依存して、制御された速度で分解する。
重合性官能基化無水モノマーおよび/またはオリゴマーは、必要に応じて、重合の前または重合後のいずれかに、他の分解性または非分解性のポリマー、充填剤、および/または薬剤と組み合わせて提供され得る。
Aldrichから入手したセバシン酸(SA)および無水メタクリル酸(MA)を用いた。そして、1,6−ビス(カルボキシフェノキシ)ヘキサン(CPH)を、Conix,Macromol.Synth.,2:95(1966)に記載の通りに合成した。光重合は、0.1重量% Irgacure(登録商標)651(I651,Ciba Geigy)を用いて開始した。
赤外線分光光度計(Nicolet Magna 550 FTIR)、1H NMR(Nicolet 360 MHz)、およびゲル濾過クロマトグラフィー(Perkin−Elmer,アイソクラチックLCポンプ250、オーブン101、およびLC−30 RI検出器(254nm))を用いて、二酸モノマーの官能基化の間における反応生成物をキャラクタライズした。示差走査光熱量計(Perkin−Elmer DSC7)および赤外線分光光度計を用いて、官能基化したモノマーの硬化挙動をモニターした。サンプルを、種々の光強度において、紫外光−可視光硬化系(EFOS、Ultracure(1OOSS))を用いて重合した。得られたポリマーの機械的特性を、動態力学分析器(dynamic mechanical analyzer)(Perkin−Elmer,DMA7)を用いて測定し、そして、分解速度は、損失質量により特徴付けられた。
セバシン酸の官能基化モノマー(およびオリゴマー)(MSA)および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサン(MCPH)を合成し、そして続いてスキームIに例示するように重合させた。まず、ジカルボン酸モノマーを還流下で加熱することにより、その無水メタクリル酸との混合無水物に転化させた。官能基化したモノマーを単離し、そして真空蒸留により精製するか、あるいは塩化メチレンに溶解させてジエチルエーテルから沈澱させることにより精製した。光重合を、それぞれのモノマーに溶解させた0.1%のI651および種々の強度の紫外光(0.1mW/cm2〜1000mW/cm2)を用いて開始した。この系中の二重結合の濃度が高いことおよびモノマーの多官能性(1個のモノマー分子あたり2個の二重結合を有する)により、開始速度に依存して、2〜3秒の期間中に、高度に架橋したポリマー系の形成がもたらされた。
実施例1に記載の通りに作製した、高度に架橋した材料は、現存する分解性材料と比較して、引張強度が顕著に改善された。表1は、骨の機械的特性(Yaszemski, 博士論文, Massachusetts Institute of Technology, 1995)と、架橋ポリ無水物の機械的特性との比較を提供する。
Claims (26)
- 生分解性インプラントをインビボで形成する方法であって、以下を包含する、方法:
a)インプラントが必要とされる哺乳類の体内の部位に、インビボで無水物プレポリマーを適用する工程であって、ここで、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、工程;ならびに
b)該無水物プレポリマーを架橋して、架橋した生分解性ポリマーネットワークを、インプラントの形態で、該部位に形成する工程。 - 前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和部分を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記工程b)において、前記無水物プレポリマーが光重合により架橋される、請求項2に記載の方法。
- 前記光重合が、開始剤の存在下での前記プレポリマーへの光の照射により開始される、請求項3に記載の方法。
- 前記開始剤が、前記工程a)において、前記プレポリマーと組み合わせて適用される、請求項4に記載の方法。
- 前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
- 前記プレポリマーに紫外光が照射される、請求項4に記載の方法。
- 前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和基を含む、請求項8に記載の方法。
- 前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記インプラントが、整形外科および歯科インプラントからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記インプラントが、ロッド、ピン、スクリュー、およびプレートからなる群から選択される整形外科インプラントを含む、請求項1に記載の方法。
- 生分解性インプラントを形成する方法であって、無水物プレポリマーを光重合してインプラントの形態の、架橋した生分解性ポリマーネットワークを形成する工程であって、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、工程を包含する、方法。 - 前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸と、架橋性不飽和部分を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、請求項13に記載の方法。
- 前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、請求項13に記載の方法。
- 生体適合性で、生分解性のポリマー性インプラントを形成するための組成物であって、無水物プレポリマーを、薬学的に受容可能なキャリアーと組み合わせて含み、ここで、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、該架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、組成物。 - 前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和部分を含む、請求項16に記載の組成物。
- 前記組成物が、フリーラジカル開始剤およびイオン開始剤からなる群から選択される開始剤をさらに含む、請求項17に記載の組成物。
- 前記開始剤が、α−ジケトン、第三級アミン、第三級ホスフィン、有機過酸化物、還元剤と組み合わせた過酸化物、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジル、ベンジルケタール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
- 前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸モノマーまたはオリゴマーと不飽和部分を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、請求項16に記載の組成物。
- 前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、請求項20に記載の組成物。
- 治療剤または診断剤をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
- 無水物プレポリマーを架橋することにより形成された、架橋した生分解性ポリマーネットワークを含み、ここで、該無水物プレポリマーが、
i)二酸または多官能性酸のモノマーまたはオリゴマー、および
ii)架橋性基を含むカルボン酸分子、
の混合無水物を含み、
ここで、架橋性基は、不飽和部分であり、そしてここで該プレポリマーは、直線状であって各末端に架橋性基を有する、生分解性インプラント。 - 前記架橋性基が、アクリル、メタクリル、ビニルおよびスチリルからなる群から選択される不飽和部分を含む、請求項23に記載の生分解性インプラント。
- 前記無水物プレポリマーが、ジカルボン酸モノマーまたはオリゴマーと架橋性基を含むカルボン酸分子との二無水物を含む、請求項23に記載の生分解性インプラント。
- 前記無水物プレポリマーが、セバシン酸および1,6−ビス(p−カルボキシフェノキシ)−ヘキサンからなる群から選択される二酸のモノマーまたはオリゴマーのメタクリル酸二無水物を含む、請求項23に記載の生分解性インプラント。
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