JP2004321471A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変表示ゲームの実行中に特定入賞口に入球して保留状態にある遊技球のストック状態を表示させ、図柄変動時間の短縮化を図ると共に、ゲームが中断されるのを抑制してその稼働効率を向上しうる遊技機を提供する。
【解決手段】抽選結果に基づいて可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、始動領域を遊技球が通過して当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留する可変表示ゲーム保留手段と、可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウント手段と、保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に減算して、減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段を備えた遊技機を構成する。
【選択図】 図6
【解決手段】抽選結果に基づいて可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、始動領域を遊技球が通過して当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留する可変表示ゲーム保留手段と、可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウント手段と、保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に減算して、減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段を備えた遊技機を構成する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技装置やパチスロ遊技装置などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機としては、遊技盤上に液晶画面等からなる可変ゲーム実行手段を備え、特定の始動口などに遊技球が入賞すると可変表示ゲーム実行手段に各種図柄がスクロール表示され、この変動停止後の図柄の組合せが所定の大当り態様になると、大入賞口が所定回数開閉して大当たり状態となるようなフィーバー機が知られている。また、遊技盤上の始動チャッカーに遊技球が入賞すると、ケース状の中央役物にある羽根が左右に開いて中央役物内部のVゾーンと呼ばれる入賞口に遊技球が入って大当たりとなり、羽根の開閉が所定回数まで繰り返されその動作中に再び大当りすると、開閉動作が所定回数を上限として継続される役物機などが知られている。
このような入賞口に遊技球が連続して多数入球した場合に、その入球後の表示実行処理を保留するようにしたな遊技機が知られている。
例えば、特許文献1には、特定入賞口への遊技球の入賞に応じて権利が発生し、その権利に基づいて動作する役物を備え、当該役物の動作中に上記特定入賞口に遊技球が入賞したときは発生した権利を所定の上限数まで保留すると共に、保留している権利数を示す保留玉数信号を出力する出力手段を備えたパチンコ台が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−198327号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の遊技機は、表示結果を導出するまでに時間をかけて演出を行って期待感を高めるようにしているため、多数の遊技球が入賞口に連続して入球すると、保留数が大きくなって全てこれを表示実行させるのに時間が掛かり保留球の消化効率が低下し易いという課題があった。すなわち、従来の遊技機では、大当りとならない場合でも全ての可変表示ゲームが実行され遊技者にとっては図柄変動時間が長く感じられることが多く、遊技効率が悪かった。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、可変表示ゲームの実行中に特定入賞口に入球して保留状態にある可変表示ゲームを効果的に表示させ、図柄変動時間の短縮化を図ることにより稼働効率を向上しうる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の遊技機は、遊技盤上に遊技球を発射させる発射手段と、表示状態が変化可能な可変表示装置と、前記発射手段により発射された遊技球が始動領域を通過したことを受けて、当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、同抽選手段による抽選結果に基づいて、前記可変表示装置の表示領域上に表示された識別情報を可変表示させる可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、前記始動領域を遊技球が通過したが、当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留する可変表示ゲーム保留手段と、同可変表示ゲーム保留手段によって保留されている可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウント手段と、前記抽選手段によって当選して前記可変表示ゲームで前記識別情報が可変表示され、所定の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、前記保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームの実行に代えて前記抽選手段による抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段と、を備えて構成されている。
(2)本発明の遊技機は、前記(1)において、前記抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては前記抽選結果報知制御手段による制御を解除して前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームを実行させる制御解除手段を設けたことにも特徴を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技装置として説明する。本実施の形態の遊技機は、遊技盤上に遊技球を発射させる発射手段と、表示状態が変化可能な可変表示装置と、前記発射手段により発射された遊技球が始動領域を通過したことを受けて、当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、同抽選手段による抽選結果に基づいて、前記可変表示装置の表示領域上に表示された識別情報を可変表示させる可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、前記始動領域を遊技球が通過したが、当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留する可変表示ゲーム保留手段と、同可変表示ゲーム保留手段によって保留されている可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウント手段と、前記抽選手段によって当選して前記可変表示ゲームで前記識別情報が可変表示され、所定の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、前記保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームの実行に代えて前記抽選手段による抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段と、を備えて構成されている。
すなわち、本実施の形態の遊技機は、始動領域を遊技球が通過したのをうけて識別情報を変動表示させて可変表示ゲームを実行して、この実行中に入球した遊技球に対応する可変表示ゲームの実行を保留して、前記可変表示ゲーム保留の累計数をカウントする。
そして、前記可変表示ゲームの保留累計数が所定数に達した場合には、抽選結果報知制御手段によって前記所定数を超えた分については可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果の表示のみを行って保留された可変表示ゲームを消化するようにしている。
こうして、可変表示ゲームの保留累計数が所定数を超えたときに可変表示ゲームの抽選結果を遊技盤に設けた保留ランプなどで表示するだけにして、その図柄変動時間の短縮化を図ることにより、ゲームが中断されるのを抑制してその稼働効率を向上させることができる。
【0008】
また、本実施の形態の遊技機は、前記抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては前記抽選結果報知制御手段による制御を解除して実行する制御解除手段を設けることによって、前記抽選手段による抽選結果が当選に引き当てられた可変表示ゲームが保留されている場合、当該当選に引き当てられた当該可変表示ゲームについては実行するようにしてもよい。この制御解除手段によって、当選に引き当てられた可変表示ゲームが常時実行されるので、遊技者は的確にゲームの進行状況を把握しながらゲームを楽しむことができる。
なお、本実施の形態の遊技機はパチンコ遊技装置のみならず、パチンコ遊技プログラム、及びサーバにも適用して実施できる。
【0009】
発射手段は、遊技盤に設けられた発射ハンドルとこれによって駆動され遊技球を弾くための発射モータなどからなり、発射ハンドルは遊技盤の本体枠に対して回動自在に設けており、遊技者は発射ハンドルを操作して遊技球を遊技盤上に発射してパチンコ遊技を進めることができる。
【0010】
可変表示ゲーム実行手段は、可変表示ゲームを表示させる液晶表示部や識別情報を液晶表示部に表示させる制御部などが含まれ、この制御部に記憶された可変表示ゲーム処理ルーチンによって実行される。
【0011】
可変表示ゲーム保留手段の機能は、後述する可変表示ゲーム保留調整処理ルーチンのロードされた制御部が担っており、始動口などの始動領域に入球する遊技球やその保留球数の情報を判定して可変表示ゲームの保留処理が実行される。これによって、前記始動領域を遊技球が通過したが可変表示ゲームの実行中等により当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留させることができる。
【0012】
保留累計数カウント手段は、前記可変表示ゲーム保留処理ルーチンを実行する制御部の記憶部であって、前記可変表示ゲーム保留手段で保留された可変表示ゲームの保留累計数をカウントして、このカウント数を記憶保持する。
【0013】
抽選結果報知制御手段は、前記保留累計数カウント手段によりカウントされたゲーム保留累計数が設定数に達した場合、設定数を超えた分については可変表示ゲームの実行に代えて、前記抽選手段による抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する。これによって、冗長になりがちな可変表示ゲームの実行を抑制調整して、ゲームを効率的に進行させることができる。
【0014】
抽選結果報知制御手段による可変表示ゲームの制御を解除する制御解除手段は、前記抽選手段による抽選結果が当選に引き当てられた可変表示ゲームが保留されている場合、当該当選に引き当てられた当該可変表示ゲームについては、当選に引き当てられた可変表示ゲームが常時実行されるようにする。
【0015】
大当たり実行手段は、抽選処理によって始動領域を通過した遊技球が当選となった場合に、遊技者に有利な状態や利益を提供できる状態に移行させる大当たり実行ルーチンを備えた制御部の一部である。このルーチンが実行される大当たり遊技状態では、可変表示ゲーム実行手段における液晶画面などに当選組み合わせとなる図柄で停止表示されると共に、閉鎖状態と開放状態とに開閉自在とした大入賞口が所定時間開放されてその後閉鎖されるという動作(この一連の動作を1ラウンドとする)を所定ラウンド回数(15ラウンド程度)を上積みして繰り返し、開放状態において遊技球の入賞が通常よりも容易な状態を提供する。
【0016】
抽選手段は、始動領域に遊技球が通過したのを契機として抽選処理ルーチンを実行する制御部がその機能を担っており、当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する。例えば、遊技球が始動口に入球したことを受けて、抽選処理ルーチンによる内部抽選を行い、当選かはずれかを決定するのものである。このとき、当選する抽選確率は例えば1/320というように一定である。また、当選組み合わせの際に表示される停止図柄は、大当たり遊技状態終了後に通常遊技状態へ復帰する通常大当たりに対応する第1当選図柄と、大当たり遊技状態終了後に、抽選手段による抽選結果の当選確率を高めた特別遊技状態に移行する特別(確変)大当たりに対応する第2当選図柄とを含む複数の当選図柄からなるものとしている。なお、特別(確変)大当たりによる大当たり遊技状態終了後は、次の大当たり遊技状態(通常大当たり、特別大当たりいずれでもよい)が発生するまで、内部抽選による大当たりへの当選確率が1/60と高確率となる。
なお、以下の説明において、変動図柄とは表示部に表示される識別情報のうちで変動表示中の図柄をいうものとして定義し、停止図柄はこの変動表示される変動図柄が最終的に停止したときに表示される図柄、すなわち、当選組合わせなどの状態に対応して表示される図柄をいうものとする。
【0017】
上記発射手段、可変表示ゲーム実行手段、可変表示ゲーム保留手段、保留累計数カウント手段、大当たり実行手段、抽選手段、抽選結果報知制御手段、制御解除手段は実質的には遊技機内や遊技機を端末機とするサーバ内に設けられた制御部によって制御される。
なお、識別情報を変動停止表示する可変表示ゲーム実行手段の表示装置としては、液晶若しくはCRTからなるディスプレイとすることができる。
また、7セグメント表示器、ドットマトリックスLED、プラズマ、ELドラムベルト等の識別情報を可変表示可能なものであれば、適宜使用できる。
【0018】
遊技機はこのような制御部にロードされたパチンコ遊技プログラムによって制御される。このパチンコ遊技プログラムは、遊技球が始動領域を通過したのを契機として当選かはずれかを抽選処理して識別情報を変動停止させて表示すると共に、その抽選結果に応じた所定の遊技状態へ移行させる遊技プログラムであって、遊技球が始動領域である始動口に入球するのを検出して抽選を行う内部抽選実行処理ルーチンと、識別情報を変動・停止表示させる可変表示ゲーム実行ルーチンと、可変表示ゲーム実行中における始動口への遊技球の入球を検知して対応する可変表示ゲームの実行を保留させる可変表示ゲーム保留ルーチンと、可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウントルーチンと、カウントされた可変表示ゲームの保留累計数が所定数に達した場合に前記所定数を超えた分については抽選処理ルーチンによる抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する保留ゲーム消化ルーチンとを有している。
【0019】
遊技機において行われる抽選処理は、例えば、遊技機内に設けられた制御部のROM等に「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つに決定するための確率テーブルを記憶させておき、制御部のRAM等に必要な確率テーブルを設定し、その後、制御部のCPUからなる主制御部により乱数のサンプリングを行い、設定した確率テーブルを参照することで抽選処理を行うことができる。即ち、主制御部が抽選手段として機能する。
また、複数の識別情報を制御部のROM等に記憶しておき、主制御部における内部抽選結果に基づいて「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」に応じた識別情報の組み合せからなる停止図柄、さらには演出画像のパターンを決定して、副制御部へ指令信号を出力する。副制御部では、必要な識別情報やその他画面画像データをRAM等に書き込み、指令信号に基づいて当選組み合わせを含む識別情報とその演出パターンを生成し、表示手段に出力する。
【0020】
そして、本発明に係る遊技機は、前記保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームの実行に代えて前記抽選手段による抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段と、を備えている。
また、本発明の遊技機は、前記抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては前記抽選結果報知制御手段による制御を解除して前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームを実行させる制御解除手段を設けたことにも特徴を有している。
【0021】
すなわち、本実施の形態の遊技機は、始動口などの始動領域への遊技球の通過をうけて識別情報を可変表示装置に変動表示させて可変表示ゲーム実行すると共に、この実行中に入球した遊技球に対応する可変表示ゲームの実行を保留する。そして、ゲームの保留累計数が所定数に達した場合に前記所定数を超えた分については抽選手段による抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化するようにした抽選結果報知制御手段や制御解除手段を有しており、可変表示ゲームの図柄変動時間の短縮を図ると共に、保留ゲームの状態を的確に表示させてゲームが中断されるのを抑制してその稼働効率を向上させることができる。
【0022】
上記した遊技機は、パチンコホールなどに設置されたパチンコ遊技装置、即ち、所謂パチンコ玉と呼ばれる鋼球を遊技球として用いて遊技盤上に打ち出すと共に、前記遊技盤上に各種の表示を行う表示部を備え、さらに各種の制御を行う制御部をケーシング内に収容した遊技機に好適に適用できる。また、かかるパチンコ遊技装置は、必ずしも実際の遊技球を用いる必要はなく、パチンコ遊技盤を遊技画面として画像表示するディスプレイと、同ディスプレイ上に仮想遊技球を前記映像として打出し可能な遊技ハンドル、パチンコ遊技プログラムを実行する制御部とを備えた映像パチンコ遊技装置であっても構わない。
【0023】
さらには、汎用のコンピュータや携帯端末装置等に各種の制御を行うソフトウェアをインストールしたものにも適用できる。この場合、上述した遊技盤を含む遊技機画像を表示させるパチンコ遊技プログラムを用いて遊技を行うことができる。あるいは、インターネットを介して前記パチンコ遊技プログラムをダウンロードして遊技することができる。つまり、遊技機としては、サーバと端末装置(クライアント)とに分割して構成したものであってもよい。こうしてインターネットなどを介して、可変表示ゲームの保留状態を調整でき稼働効率に優れた遊技機を提供することが可能となる。
【0024】
ここで、本発明の一実施の形態に係る遊技機を図面に基づいてより具体的に説明する。図1は本実施の形態に係る遊技機の正面図であり、図2はその遊技盤の拡大図である。
図1に示すように遊技機10は、矩形枠状の本体枠12に矩形板状の遊技盤14が組込まれ、同遊技盤14の前面には前記本体枠12の窓枠16が設けられている。さらに、同窓枠16の下側で本体枠12の前面には上皿20及び下皿22を設けると共に、同下皿22の右側に発射ハンドル26(発射手段)を配設している。なお、20aは上皿20内の遊技球を下皿22へ送るバイパス路開閉ボタン、46はスピーカである。
遊技盤14の前面には複数の障害釘(図1では入賞口の直上方に略平行に設けた一対の障害釘を除いて省略している)を打ち込んでいる。なお、釘を打ち込む構成とせず遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するようにしてもよい。発射ハンドル26の裏側には発射モータ28を、周縁部にはタッチセンサ29を設けている。26aは発射モータ一時停止ボタンである。
遊技盤上14に発射された遊技球は、遊技盤14のガイドレール30に案内されて上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下し、後述する各種入賞口に入らなかった遊技球は、遊技盤14の中央最下部に位置する排出口から回収される。
【0025】
なお、図2の遊技盤の拡大正面図においても図1同様に障害釘の大部分を省略している。遊技盤14の前面の略中央には、液晶からなる表示装置32を設けている。なお、表示装置32は、遊技者が見得るような位置であればパチンコ遊技装置10の何処の位置に設けても構わない。
52は小型の副表示装置であり、表示情報である数字や記号等からなる普通図柄を、変動と停止とを繰り返すように可変表示する。
表示装置32の左右側部には、球通過検出器55(55a,55b)が設けられている。この球通過検出器55が遊技球の通過を検出したときには、前記普通図柄が変動し、所定の図柄で停止表示されると、可動片58(58a,58b)を駆動し、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにする。
副表示装置52の左右両側には、可変表示ゲーム実行中や大当たり遊技状態中に始動口44に入球し可変表示ゲームの実行が保留された保留球数を表示するための4つの保留ランプ34(34a〜34d)を設けている。これによって、遊技者はその遊技時点で始動口44への入球に基づく可変表示ゲームの保留状態を確認しながらゲームを行うことができる。
【0026】
遊技盤14の下部には、大当たり入賞装置Mを設けている。かかる大当たり入賞装置Mは、後述する可変表示ゲームによって大当たり遊技状態になった場合に大入賞口38を開放状態とするシャッタ40を備えており、同シャッタ40の開放時に、そのうちの1球が特定領域に入球すると、シャッタ40は所定時間経過或いは所定数入球後においても次のシャッタ40の開放が約束され、これが所定限度回数(例えば、15回)まで繰り返されて遊技者にとって有利な大当たり遊技状態を実現するようにしている。さらに、遊技盤14には一般入賞口50,54(54a,54b,54c,54d)及び第2の一般入賞口56(56a,56b,56c,56d)を設けている。
表示装置32の下部には、可変表示ゲームが開始される契機となる始動口44を始動領域として設けている。さらに、表示装置32の左右両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための風車状の転動誘導部材60(60a,60b)を設けると共に、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36(36a及び36b)を設けている。
始動領域は入賞口に限らず通過ゲートとして構成してもよい。
【0027】
(遊技機の制御)
本実施の形態に係る遊技装置10の制御回路を示すブロック図を図3に示す。図示するように、制御部61は、中央処理回路(以下、CPUと称する)66と、インターフェイス回路群62,72と、ROM68、RAM70と、これらに接続し、CPU66にデータ信号又はアドレス信号を入出力するた入出力バス64とを備えている。
上記インターフェイス回路群62には、発射ハンドル26と、タッチセンサ29が接続され、これらからの信号がインターフェイス回路群62を介して入出力バス64に供給される。
また、インターフェイス回路群62には、各入賞口に設けた球検知センサ42、43を接続しており、球検知センサ42は遊技球が前記始動口44を通過したときに、球検知センサ43は遊技球が大入賞口38、一般入賞口54、一般入賞口56、さらには排出口53を通過したときに、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55(左側球通過検出器55a,右側球通過検出器55b)を接続しており、同球通過検出器55は遊技球が通過したことを検出したときに検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
ROM68は、遊技機10の遊技全体の流れを制御するパチンコ遊技プログラムを含む各制御プログラムや、個々の識別情報やそれらの組み合わせ等を記憶している。
【0028】
遊技機10は制御部にロードされたパチンコ遊技プログラムによって制御される。このパチンコ遊技プログラムは、遊技球が始動口44に入球するのを検出して抽選を行う抽選処理ルーチンと、識別情報を変動・停止表示させる可変表示ゲーム実行ルーチンと、可変表示ゲーム実行中に始動口44へ入球した遊技球を検知してこれに対応する可変表示ゲームの実行を保留させる可変表示ゲーム保留ルーチンと、抽選処理ルーチンの抽選結果に応じて識別情報を所定の組み合わせで停止表示させ大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行ルーチンと、可変表示ゲーム保留の累計数をカウントしてゲーム保留累計数が設定数に達した場合に前記設定数を超えた分については抽選処理ルーチンによる抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する保留ゲーム消化ルーチンとを有している。
このようなパチンコ遊技プログラムを実行することにより、可変表示ゲームの保留累計数が所定数に達した場合に保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知して可変表示ゲームの図柄変動時間の短縮化を図り、ゲームが中断されるのを抑制して稼働効率を向上させ、遊技者を飽きさせることなく楽しませることができる。
【0029】
なお、ROM68は、表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される識別情報の画像データ、演出画面として表示される画面画像としてのキャラクタを示すキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ、及び動画映像画像データ、並びに遊技に用いる音データ、前記制御プログラムを実行するための初期データや、可変表示ゲーム保留ルーチンの結果を受けて保留ランプ34の点滅動作パターンを制御するプログラム等を記憶している。
さらに、ROM68は、通常大当たりと特別大当たりとを発生させる抽選を行うために必要な確率テーブルや当該確率テーブルを用いて抽選を行うためのプログラムなどを記憶する。一方、RAM70は、上述した各プログラムで使用するフラグや変数の値や、CPU66による演算結果、遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数及び累積大当たり回数などを記憶している。
【0030】
そして、制御部61内のCPU66は、ROM68から所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行う。この演算処理の結果に基づいて各種画像データ並びに音データを、電子データとして伝送に関する制御やその他の制御を行う。また、CPU66は、表示装置32において同図柄が変動表示されるように制御したり、複数の識別情報の図柄の相互の組み合わせ状態が表示装置32において所定のタイミングで停止表示されるように制御している。
インターフェイス回路群72には、表示装置32,副表示装置52、スピーカ46、発射モータ28、保留ランプ34及び装飾ランプ36、可動片58(58a,58b)やシャッタ40を駆動するソレノイド48,57,205、並びに払出装置59を接続している。そして、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて各装置類をそれぞれ制御するための駆動信号や駆動電力を供給する。
【0031】
表示装置32は、変動図柄表示部と演出画面表示部とからなり、CPU66の制御によりこれら2つの表示部に表示される画面の双方を合成して表示する。
また、保留ランプ34は、始動口44に入った遊技球のうち、図柄を変動表示させるに有効な回数を示すものであり、払出装置59は遊技球の入賞に応じて、上皿20又は下皿22に、予め定められた数の遊技球を払い出すものである。
制御部61は上述したCPU66などからなる演算処理装置により構成され、表示装置32から表示部が構成されている。なお、本実施の形態ではCPU66などからなる演算処理装置が1つとしているが、必ずしも1つである必要はない。メインの演算処理装置としての主制御部と、画像表示を司るサブの演算処理装置としての副制御部を含む構成とすることもできる。また、上記したROM68やRAM70も複数個備える構成であっても構わない。
【0032】
(遊技機の動作)
本実施の形態に係る遊技機10は上述してきた構成となっており、その動作を以下に説明する。なお、遊技機10は起動時において各プログラム中の変数は所定の値に初期化されるものとする。
まず、遊技機10の制御部において、パチンコ遊技の全体を制御するパチンコ遊技プログラムが実行される。このパチンコ遊技プログラムのメインルーチンは電源投入時に起動されるルーチンであり、図8に示すように遊技機の稼働中は基本的にはこのルーチンのうちの可変表示ゲーム実行処理と大当たり実行処理を繰り返し実行するようになっている。
このパチンコ遊技プログラムから所定のタイミングで図4に示す遊技球検出ルーチンが実行されると共に、この遊技球検出ルーチンにおいて図5に示す内部抽選実行処理ルーチンが呼び出される。そして、この内部抽選実行処理ルーチンの抽選結果を受けて、図6に示す可変表示ゲーム実行ルーチン及びそのサブルーチンとなる可変表示ゲーム保留ルーチンや保留累計数カウントルーチン、保留ゲーム消化ルーチンが実行されるようにしている。
図8に示すメインルーチンは、パチンコ遊技プログラムを正確に実行できるようにするための初期設定と、初期設定後に実行される可変表示ゲーム実行処理と大当たり実行処理とからなるループルーチンを備えている。
【0033】
図4に示す遊技球検出ルーチンでは、最初に、入賞口(始動口44、一般入賞口50及び54a〜54d並びに第2の一般入賞口56a〜56d)に遊技球が入ったか否かを検出する(ステップS11)。
ステップS11において、上記入賞口への遊技球の入球を判別したときには、入賞口の種類に応じて予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS12)。
次に、始動口44に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS13)。このステップS13において、始動口44に遊技球が入ったと判別したときには後述する内部抽選実行処理(ステップS14)を実行し、次いで可変表示ゲームを実行する。すなわち、ステップS14における内部抽選実行処理では、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つの結果を発生させる処理を行う。
さらに、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS16)。球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したと判別したときには、普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS17)。
ステップS14において呼び出されて実行される内部抽選実行処理を行うサブルーチンを図5に示す。
【0034】
図5の内部抽選実行処理ルーチンにおいては、上述した抽選実行処理が開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS100)。すなわち、CPU66は、ROM68に記憶された内部抽選に用いられる確率テーブルをRAM70に設定すると共に、乱数のサンプリングを行う。なお、確率テーブルをRAM70に設定する処理は、ステップS100を実行するたびに行う必要はなく、常にRAM70に設定しておいてもよい。また、ROM68に内部抽選に用いられる確率テーブルを複数記憶させておき、必要に応じて異なる確率テーブルをRAM70に設定することとして、通常大当たりを発生させる確率、特別大当たりを発生させる確率、及び、はずれを発生させる確率を変更させることもできる。
【0035】
次に、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のうち、どの結果が得られたかについて判断する(ステップS101)。ステップS101において、はずれの抽選結果が得られたと判断した場合、CPU66は、はずれに対応する抽選データをRAM70に記憶する(ステップS102)。これに基づいて可変表示ゲーム実行ルーチンによってはずれとなる可変表示ゲームが実行される。なお、この抽選データは、後述する可変表示ゲームを実行する際に用いられるデータであり、CPU66は、当該抽選データに基づき、後述する可変表示ゲーム実行ルーチンで処理され、変動図柄を所定の組み合わせで停止表示させる。
【0036】
ステップS101において、通常大当たりの結果が得られた場合、CPU66は、通常大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS103)、さらに、通常大当たり情報を記憶する(ステップS104)。これに基づいて、可変表示ゲーム実行ルーチンによって通常大当たりとなる可変表示ゲームが実行される。
また、ステップS101において、特別大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、特別大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS107)、さらに、特別大当たり情報を記憶する(ステップS108)。これに基づいて、可変表示ゲーム実行ルーチンによって特別大当たりとなる可変表示ゲームが実行される。
【0037】
図8のメインルーチンにおける初期設定ルーチン(S109)に続く可変表示ゲーム実行処理のステップS110では、進行中の可変表示ゲームの有無を判断して可変表示ゲームを実行させる保留ゲーム消化処理などがなされて、ステップS111の大当たり実行処理ルーチンに移行する。大当たり実行処理のルーチンでは大当たり遊技状態か否かが判定されて大当たり実行処理が実行されて、可変表示ゲーム実行処理と、大当たり実行処理とが繰り返し実行される。
なお、ステップS110では、図6に示す可変表示ゲーム実行ルーチンが呼び出されてそのサブルーチンとなる保留累計数カウントルーチン、保留ゲーム消化ルーチンが実行される。
ステップS110において進行(表示)中の可変表示ゲームとは、表示装置に図柄が変動表示され、変動図柄が停止される前のゲーム状態にあることを意味している。
【0038】
以下、図6に示す可変表示ゲーム実行ルーチンについて説明する。
ステップS1の可変表示ゲーム判定処理においては、進行中の可変表示ゲームの有無を判定して、可変表示ゲームが実行中の場合においては、始動口へ遊技球が入球したか否か、すなわち、図4のS13において始動口へ遊技球が入球したと判定されていたか否かを判定し(S1a)、入球したと判定されていた場合には可変表示ゲーム保留処理のステップS3に、入球したと判定されていなかった場合にはメインルーチンヘリターンする。一方、S1において可変表示ゲームが非実行中の場合は可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行処理のステップS2に分岐させる。
なお、可変表示ゲームも行われておらず、保留された可変表示ゲームもない場合は、後述する固定画面を表示する処理が行なわれる。
【0039】
ステップS2では、識別情報などの図柄を表示装置に変動表示させ、最終的に内部抽選処理により定められた組合わせとなる停止図柄を表示させる可変表示ゲーム処理のルーチンを呼び出して実行し、ステップS4に移行する。このとき、RAMなどのメモリに記憶保持された可変表示ゲームの保留累計数Nをデクリメント処理してカウントし、すなわちN=N−1として更新する。
ステップS3では保留累計数Nをインクリメント処理して、すなわちN=N+1として更新する。
保留累計数Nは、例えば20まで計数可能である。すなわち、可変表示ゲームを最大20回保留できる。なお、保留累計数Nはの最大値は20に限定されず無制限でもよい。
こうしてステップS1〜S3からなる保留累計数カウントルーチンが実行され、ステップS4、S5からなる保留ゲーム消化ルーチンに移行させる。
【0040】
ステップS4では可変表示ゲームの保留累計数Nを判定評価する。すなわち、予め定めた保留判定値(所定値)mと比較して保留累計数Nが保留判定値mを越えている場合に、ステップS5の保留消化処理に移行させ、そうでない場合には保留消化処理をスキップしてメインルーチンにリターンさせる。
なお、保留判定値mは、遊技盤上の保留ランプ34の設置数4に等しく設定するが、これに限定されるものではない。例えば、表示装置の画面上に保留累計数Nを数値で表示したり、伸縮する棒グラフ状に表示させたりすることもできる。また、保留判定値mを可変させてもよい。
【0041】
ステップS5ではこの時点で保留されていた可変表示ゲームを消化する保留消化処理がなされ、少なくとも保留判定値mを超えた分については可変表示ゲームの実行に代えて、抽選手段による抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する。すなわち、記憶された保留累計数Nから予め定めた保留消去数kを減算して、保留累計数NをN=N−kとして更新して、必要に応じて、この保留累計数Nに対応した数の保留ランプ34を点灯させて表示する。
図9は遊技盤上に配置された4個の保留ランプ34の表示状態を示す説明図である。ここでは図9(a)に示すように、保留累計数Nが4の場合、全保留ランプ34が点灯している。この状態でつぎに始動口44に遊技球が入球して、保留累計数NがN=5となると、図9(b)に示すように4個分の保留ランプが点滅して保留状態の可変表示ゲームが消化されることが表示される。こうして、保留状態の可変表示ゲームのうちk個分が消化される保留消化処理がなされた後には、図9(c)に示すように、N(5)−k(1)=1に相当する保留ランプ32を点灯させることになる。
なお、この更新されたNが負数となる場合は、N=0となるようにしている。保留消去数kは例えば1〜10などの範囲で設定できる。この保留消去数kを、例えば保留ランプ34の設置数と等しいk=4とすれば、内部処理の結果を保留ランプ34や表示装置32などに表示させて遊技者へストレスなく遊技情報を伝達できるので好ましい。
また、保留ゲームの消化を保留判定値を超えた分だけ実行してもよい。
【0042】
ここで、図7は、前述した図6の可変表示ゲーム実行ルーチンに係る変容例のフローチャートである。以下、図7に示す可変表示ゲーム実行ルーチンについて説明する。なお、図7のフローチャートは、図6におけるステップS4以降の部分で異なっているが、ステップS1〜S3については同様であるので同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7に示すようにステップS1〜S3の累計数カウントルーチンに続いて実行されるステップS6の抽選結果判定処理においては、入球した遊技球が当選したか否かが判定される。こうして、当選の場合にステップS7に移行し、はずれの場合にステップS7をスキップしてステップS8以降の保留累計数カウンルーチンに移行させる。
【0043】
ステップS7では、当選した遊技球の当選遊技回数Tに1を加算するカウント処理を行って、変数Tに当選遊技回数を記憶させる。なお、当選遊技回数Tは、大当たり実行ルーチンが実行処理される都度、1が減算されてT=T−1として更新されるようになっている。
【0044】
ステップS8では、可変表示ゲームの保留累計数Nを判定評価する。すなわち、予め設定した保留判定値(所定値)mと比較して保留累計数Nが保留判定値mを越えている場合に、ステップS9の時点で保留されていた可変表示ゲームを消化する保留消化処理に移行させ、そうでない場合にはこの保留消化処理をスキップしてメインルーチンにリターンさせる。
【0045】
ステップS9の消化処理においては、抽選手段による抽選結果が当選に引き当てられた可変表示ゲームの当選遊技回数Tが1以上の場合に、当該当選遊技回数T分の可変表示ゲームが実行されるまでは保留消化又は処理実行を保留するようにしている。すなわち、当選回数T分の通常大当たり又は特別大当たりとなる可変表示ゲームを確保するような処理がなされる。
【0046】
こうして、カウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知するようにしている。
【0047】
つぎに、保留累計数Nや当選遊技回数Tを保留ランプ34や表示装置32などに表示するだけに止めて、当選遊技回数Tや保留累計数Nが保持されるようにして可変表示ゲーム実行ルーチンを親ルーチンにリターンさせる。
こうして、当選又は外れを所定の抽選確率で抽選し、当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては、カウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知する制御を解除して可変表示ゲームを実行させる。こうして、当選に引き当てられた可変表示ゲームが実行されると共にその当選遊技回数Tや保留累計数Nが表示されるので、遊技者は的確にゲームの進行状況を把握しながらゲームを楽しむことができる。
【0048】
次に、図6又は図7に示すステップS2において呼び出される可変表示ゲーム処理について説明する。
本可変表示ゲーム処理ルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始する。なお、固定画面とは、表示装置32において実行される可変表示ゲームは実行されておらず、遊技機10においてパチンコ遊技のみが進行している際に表示装置32に表示される画面をいう。
また、通常画面とは、表示装置32において可変表示ゲームが開始され表示装置32に表示される図柄が変動表示されてから、可変表示ゲームがリーチとなったり大当たりとなったりしたときの状態に至るまでのあいだに、表示装置32に表示される演出画面をいう。
【0049】
可変表示ゲームは、複数の識別情報の変動表示が開始されてから停止表示されるまでを1回とするゲームである。遊技機10において予め設定されている識別情報は、「1」、「2」、…、「12」からなる12個の算用数字からなる図柄を1つの組として、これらの12個の図柄を表示装置32に順次表示し、その図柄が移動するように表示しつつ、図柄自身が変化するように表示する。
以下、図10を例として説明すると、表示装置32において、左方図柄の「3」を表示装置32の上から下へスクロール表示させた後、中央図柄の「2」をスクロールさせ、続いて右方図柄の「4」を同様に上下にスクロールさせる。そして、左方図柄〜右方図柄までこのような態様で順次スクロール表示させることにより、表示装置32において、図柄が順次変化して表示される。
【0050】
さらに、可変表示ゲームが表示装置32において実行されるときには、複数の組の各々に属する図柄を表示する。例えば、3つの組に属する図柄の各々を横方向に配列させて表示することとした場合には、1つの組に属する図柄は表示装置32の左側に表示され、他の組に属する図柄は表示装置32の中央に表示され、残りの組に属する図柄は表示装置32の右側に表示される。このように識別情報である図柄が表示部である表示装置32に複数表示されることとなる。
そして、複数の組に属する図柄を変動表示した後、変動表示されていた全ての図柄を所定のタイミングで停止表示した際に、これらの図柄の組み合わせが所定の組み合わせに合致して停止表示されたときには、遊技者から見れば可変表示ゲームが大当たり(通常大当たり又は特別大当たり)に当選したことになり、通常大当たり又は特別大当たり状態が発生し、遊技者に対して有利な状態の提供が行われるようになっている。
例えば、図10に示すようにタイトルを表示する等の固定画面(a)が表示されているときに可変表示ゲームが開始されると、全ての図柄をスクロールさせる変動画面(b)が表示される。つぎに、左方図柄と右方図柄とが「7」などとなって一致するリーチ状態(c)若しくはハズレ状態(d)となる。さらにリーチ状態(c)の場合は、中央図柄がさらにスクロール表示されて停止し、左方図柄、中央図柄、右方図柄の全てが一致した大当たり状態(e)もしくはリーチハズレ状態(f)に対応した表示がなされるようになっている。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、カウントされた可変表示ゲームの保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも所定数となるまで保留累計数の減算処理を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知することで、可変表示ゲームを効果的に表示させ、図柄変動時間の短縮化が図れるので、稼動効率を向上させることができる。
【0052】
請求項2記載の発明によれば、抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては抽選結果報知制御手段による制御を解除して、当該可変表示ゲームを実行するようにして、当選に引き当てられた可変表示ゲームが常時実行されるので、遊技者は的確にゲームの進行状況を把握しながらゲームを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遊技機の正面図である。
【図2】同遊技機の遊技盤面の拡大正面図である。
【図3】同遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図4】パチンコ遊技プログラムの遊技球検出ルーチンのフローチャートである。
【図5】内部抽選実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】可変表示ゲーム実行ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】同可変表示ゲーム実行ルーチンの変容例のフローチャートである。
【図8】同パチンコ遊技プログラムのメインルーチンのフローチャートである。
【図9】遊技盤上に配置された保留ランプの表示状態を示す説明図である。
【図10】表示装置上に表示される可変表示ゲームの実行状態を示す説明図である
【符号の説明】
10 遊技機
26 発射ハンドル(発射手段)
32 表示装置
38 大入賞口
40 シャッタ
61 制御部
66 CPU
64 入出力バス
68 ROM
70 RAM
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技装置やパチスロ遊技装置などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機としては、遊技盤上に液晶画面等からなる可変ゲーム実行手段を備え、特定の始動口などに遊技球が入賞すると可変表示ゲーム実行手段に各種図柄がスクロール表示され、この変動停止後の図柄の組合せが所定の大当り態様になると、大入賞口が所定回数開閉して大当たり状態となるようなフィーバー機が知られている。また、遊技盤上の始動チャッカーに遊技球が入賞すると、ケース状の中央役物にある羽根が左右に開いて中央役物内部のVゾーンと呼ばれる入賞口に遊技球が入って大当たりとなり、羽根の開閉が所定回数まで繰り返されその動作中に再び大当りすると、開閉動作が所定回数を上限として継続される役物機などが知られている。
このような入賞口に遊技球が連続して多数入球した場合に、その入球後の表示実行処理を保留するようにしたな遊技機が知られている。
例えば、特許文献1には、特定入賞口への遊技球の入賞に応じて権利が発生し、その権利に基づいて動作する役物を備え、当該役物の動作中に上記特定入賞口に遊技球が入賞したときは発生した権利を所定の上限数まで保留すると共に、保留している権利数を示す保留玉数信号を出力する出力手段を備えたパチンコ台が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−198327号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の遊技機は、表示結果を導出するまでに時間をかけて演出を行って期待感を高めるようにしているため、多数の遊技球が入賞口に連続して入球すると、保留数が大きくなって全てこれを表示実行させるのに時間が掛かり保留球の消化効率が低下し易いという課題があった。すなわち、従来の遊技機では、大当りとならない場合でも全ての可変表示ゲームが実行され遊技者にとっては図柄変動時間が長く感じられることが多く、遊技効率が悪かった。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、可変表示ゲームの実行中に特定入賞口に入球して保留状態にある可変表示ゲームを効果的に表示させ、図柄変動時間の短縮化を図ることにより稼働効率を向上しうる遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の遊技機は、遊技盤上に遊技球を発射させる発射手段と、表示状態が変化可能な可変表示装置と、前記発射手段により発射された遊技球が始動領域を通過したことを受けて、当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、同抽選手段による抽選結果に基づいて、前記可変表示装置の表示領域上に表示された識別情報を可変表示させる可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、前記始動領域を遊技球が通過したが、当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留する可変表示ゲーム保留手段と、同可変表示ゲーム保留手段によって保留されている可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウント手段と、前記抽選手段によって当選して前記可変表示ゲームで前記識別情報が可変表示され、所定の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、前記保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームの実行に代えて前記抽選手段による抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段と、を備えて構成されている。
(2)本発明の遊技機は、前記(1)において、前記抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては前記抽選結果報知制御手段による制御を解除して前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームを実行させる制御解除手段を設けたことにも特徴を有している。
【0007】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ遊技装置として説明する。本実施の形態の遊技機は、遊技盤上に遊技球を発射させる発射手段と、表示状態が変化可能な可変表示装置と、前記発射手段により発射された遊技球が始動領域を通過したことを受けて、当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、同抽選手段による抽選結果に基づいて、前記可変表示装置の表示領域上に表示された識別情報を可変表示させる可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、前記始動領域を遊技球が通過したが、当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留する可変表示ゲーム保留手段と、同可変表示ゲーム保留手段によって保留されている可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウント手段と、前記抽選手段によって当選して前記可変表示ゲームで前記識別情報が可変表示され、所定の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、前記保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームの実行に代えて前記抽選手段による抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段と、を備えて構成されている。
すなわち、本実施の形態の遊技機は、始動領域を遊技球が通過したのをうけて識別情報を変動表示させて可変表示ゲームを実行して、この実行中に入球した遊技球に対応する可変表示ゲームの実行を保留して、前記可変表示ゲーム保留の累計数をカウントする。
そして、前記可変表示ゲームの保留累計数が所定数に達した場合には、抽選結果報知制御手段によって前記所定数を超えた分については可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果の表示のみを行って保留された可変表示ゲームを消化するようにしている。
こうして、可変表示ゲームの保留累計数が所定数を超えたときに可変表示ゲームの抽選結果を遊技盤に設けた保留ランプなどで表示するだけにして、その図柄変動時間の短縮化を図ることにより、ゲームが中断されるのを抑制してその稼働効率を向上させることができる。
【0008】
また、本実施の形態の遊技機は、前記抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては前記抽選結果報知制御手段による制御を解除して実行する制御解除手段を設けることによって、前記抽選手段による抽選結果が当選に引き当てられた可変表示ゲームが保留されている場合、当該当選に引き当てられた当該可変表示ゲームについては実行するようにしてもよい。この制御解除手段によって、当選に引き当てられた可変表示ゲームが常時実行されるので、遊技者は的確にゲームの進行状況を把握しながらゲームを楽しむことができる。
なお、本実施の形態の遊技機はパチンコ遊技装置のみならず、パチンコ遊技プログラム、及びサーバにも適用して実施できる。
【0009】
発射手段は、遊技盤に設けられた発射ハンドルとこれによって駆動され遊技球を弾くための発射モータなどからなり、発射ハンドルは遊技盤の本体枠に対して回動自在に設けており、遊技者は発射ハンドルを操作して遊技球を遊技盤上に発射してパチンコ遊技を進めることができる。
【0010】
可変表示ゲーム実行手段は、可変表示ゲームを表示させる液晶表示部や識別情報を液晶表示部に表示させる制御部などが含まれ、この制御部に記憶された可変表示ゲーム処理ルーチンによって実行される。
【0011】
可変表示ゲーム保留手段の機能は、後述する可変表示ゲーム保留調整処理ルーチンのロードされた制御部が担っており、始動口などの始動領域に入球する遊技球やその保留球数の情報を判定して可変表示ゲームの保留処理が実行される。これによって、前記始動領域を遊技球が通過したが可変表示ゲームの実行中等により当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留させることができる。
【0012】
保留累計数カウント手段は、前記可変表示ゲーム保留処理ルーチンを実行する制御部の記憶部であって、前記可変表示ゲーム保留手段で保留された可変表示ゲームの保留累計数をカウントして、このカウント数を記憶保持する。
【0013】
抽選結果報知制御手段は、前記保留累計数カウント手段によりカウントされたゲーム保留累計数が設定数に達した場合、設定数を超えた分については可変表示ゲームの実行に代えて、前記抽選手段による抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する。これによって、冗長になりがちな可変表示ゲームの実行を抑制調整して、ゲームを効率的に進行させることができる。
【0014】
抽選結果報知制御手段による可変表示ゲームの制御を解除する制御解除手段は、前記抽選手段による抽選結果が当選に引き当てられた可変表示ゲームが保留されている場合、当該当選に引き当てられた当該可変表示ゲームについては、当選に引き当てられた可変表示ゲームが常時実行されるようにする。
【0015】
大当たり実行手段は、抽選処理によって始動領域を通過した遊技球が当選となった場合に、遊技者に有利な状態や利益を提供できる状態に移行させる大当たり実行ルーチンを備えた制御部の一部である。このルーチンが実行される大当たり遊技状態では、可変表示ゲーム実行手段における液晶画面などに当選組み合わせとなる図柄で停止表示されると共に、閉鎖状態と開放状態とに開閉自在とした大入賞口が所定時間開放されてその後閉鎖されるという動作(この一連の動作を1ラウンドとする)を所定ラウンド回数(15ラウンド程度)を上積みして繰り返し、開放状態において遊技球の入賞が通常よりも容易な状態を提供する。
【0016】
抽選手段は、始動領域に遊技球が通過したのを契機として抽選処理ルーチンを実行する制御部がその機能を担っており、当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する。例えば、遊技球が始動口に入球したことを受けて、抽選処理ルーチンによる内部抽選を行い、当選かはずれかを決定するのものである。このとき、当選する抽選確率は例えば1/320というように一定である。また、当選組み合わせの際に表示される停止図柄は、大当たり遊技状態終了後に通常遊技状態へ復帰する通常大当たりに対応する第1当選図柄と、大当たり遊技状態終了後に、抽選手段による抽選結果の当選確率を高めた特別遊技状態に移行する特別(確変)大当たりに対応する第2当選図柄とを含む複数の当選図柄からなるものとしている。なお、特別(確変)大当たりによる大当たり遊技状態終了後は、次の大当たり遊技状態(通常大当たり、特別大当たりいずれでもよい)が発生するまで、内部抽選による大当たりへの当選確率が1/60と高確率となる。
なお、以下の説明において、変動図柄とは表示部に表示される識別情報のうちで変動表示中の図柄をいうものとして定義し、停止図柄はこの変動表示される変動図柄が最終的に停止したときに表示される図柄、すなわち、当選組合わせなどの状態に対応して表示される図柄をいうものとする。
【0017】
上記発射手段、可変表示ゲーム実行手段、可変表示ゲーム保留手段、保留累計数カウント手段、大当たり実行手段、抽選手段、抽選結果報知制御手段、制御解除手段は実質的には遊技機内や遊技機を端末機とするサーバ内に設けられた制御部によって制御される。
なお、識別情報を変動停止表示する可変表示ゲーム実行手段の表示装置としては、液晶若しくはCRTからなるディスプレイとすることができる。
また、7セグメント表示器、ドットマトリックスLED、プラズマ、ELドラムベルト等の識別情報を可変表示可能なものであれば、適宜使用できる。
【0018】
遊技機はこのような制御部にロードされたパチンコ遊技プログラムによって制御される。このパチンコ遊技プログラムは、遊技球が始動領域を通過したのを契機として当選かはずれかを抽選処理して識別情報を変動停止させて表示すると共に、その抽選結果に応じた所定の遊技状態へ移行させる遊技プログラムであって、遊技球が始動領域である始動口に入球するのを検出して抽選を行う内部抽選実行処理ルーチンと、識別情報を変動・停止表示させる可変表示ゲーム実行ルーチンと、可変表示ゲーム実行中における始動口への遊技球の入球を検知して対応する可変表示ゲームの実行を保留させる可変表示ゲーム保留ルーチンと、可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウントルーチンと、カウントされた可変表示ゲームの保留累計数が所定数に達した場合に前記所定数を超えた分については抽選処理ルーチンによる抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する保留ゲーム消化ルーチンとを有している。
【0019】
遊技機において行われる抽選処理は、例えば、遊技機内に設けられた制御部のROM等に「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つに決定するための確率テーブルを記憶させておき、制御部のRAM等に必要な確率テーブルを設定し、その後、制御部のCPUからなる主制御部により乱数のサンプリングを行い、設定した確率テーブルを参照することで抽選処理を行うことができる。即ち、主制御部が抽選手段として機能する。
また、複数の識別情報を制御部のROM等に記憶しておき、主制御部における内部抽選結果に基づいて「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」に応じた識別情報の組み合せからなる停止図柄、さらには演出画像のパターンを決定して、副制御部へ指令信号を出力する。副制御部では、必要な識別情報やその他画面画像データをRAM等に書き込み、指令信号に基づいて当選組み合わせを含む識別情報とその演出パターンを生成し、表示手段に出力する。
【0020】
そして、本発明に係る遊技機は、前記保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームの実行に代えて前記抽選手段による抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段と、を備えている。
また、本発明の遊技機は、前記抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては前記抽選結果報知制御手段による制御を解除して前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームを実行させる制御解除手段を設けたことにも特徴を有している。
【0021】
すなわち、本実施の形態の遊技機は、始動口などの始動領域への遊技球の通過をうけて識別情報を可変表示装置に変動表示させて可変表示ゲーム実行すると共に、この実行中に入球した遊技球に対応する可変表示ゲームの実行を保留する。そして、ゲームの保留累計数が所定数に達した場合に前記所定数を超えた分については抽選手段による抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化するようにした抽選結果報知制御手段や制御解除手段を有しており、可変表示ゲームの図柄変動時間の短縮を図ると共に、保留ゲームの状態を的確に表示させてゲームが中断されるのを抑制してその稼働効率を向上させることができる。
【0022】
上記した遊技機は、パチンコホールなどに設置されたパチンコ遊技装置、即ち、所謂パチンコ玉と呼ばれる鋼球を遊技球として用いて遊技盤上に打ち出すと共に、前記遊技盤上に各種の表示を行う表示部を備え、さらに各種の制御を行う制御部をケーシング内に収容した遊技機に好適に適用できる。また、かかるパチンコ遊技装置は、必ずしも実際の遊技球を用いる必要はなく、パチンコ遊技盤を遊技画面として画像表示するディスプレイと、同ディスプレイ上に仮想遊技球を前記映像として打出し可能な遊技ハンドル、パチンコ遊技プログラムを実行する制御部とを備えた映像パチンコ遊技装置であっても構わない。
【0023】
さらには、汎用のコンピュータや携帯端末装置等に各種の制御を行うソフトウェアをインストールしたものにも適用できる。この場合、上述した遊技盤を含む遊技機画像を表示させるパチンコ遊技プログラムを用いて遊技を行うことができる。あるいは、インターネットを介して前記パチンコ遊技プログラムをダウンロードして遊技することができる。つまり、遊技機としては、サーバと端末装置(クライアント)とに分割して構成したものであってもよい。こうしてインターネットなどを介して、可変表示ゲームの保留状態を調整でき稼働効率に優れた遊技機を提供することが可能となる。
【0024】
ここで、本発明の一実施の形態に係る遊技機を図面に基づいてより具体的に説明する。図1は本実施の形態に係る遊技機の正面図であり、図2はその遊技盤の拡大図である。
図1に示すように遊技機10は、矩形枠状の本体枠12に矩形板状の遊技盤14が組込まれ、同遊技盤14の前面には前記本体枠12の窓枠16が設けられている。さらに、同窓枠16の下側で本体枠12の前面には上皿20及び下皿22を設けると共に、同下皿22の右側に発射ハンドル26(発射手段)を配設している。なお、20aは上皿20内の遊技球を下皿22へ送るバイパス路開閉ボタン、46はスピーカである。
遊技盤14の前面には複数の障害釘(図1では入賞口の直上方に略平行に設けた一対の障害釘を除いて省略している)を打ち込んでいる。なお、釘を打ち込む構成とせず遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に金属製の棒状体を遊技盤14の前方向に突出するようにしてもよい。発射ハンドル26の裏側には発射モータ28を、周縁部にはタッチセンサ29を設けている。26aは発射モータ一時停止ボタンである。
遊技盤上14に発射された遊技球は、遊技盤14のガイドレール30に案内されて上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下し、後述する各種入賞口に入らなかった遊技球は、遊技盤14の中央最下部に位置する排出口から回収される。
【0025】
なお、図2の遊技盤の拡大正面図においても図1同様に障害釘の大部分を省略している。遊技盤14の前面の略中央には、液晶からなる表示装置32を設けている。なお、表示装置32は、遊技者が見得るような位置であればパチンコ遊技装置10の何処の位置に設けても構わない。
52は小型の副表示装置であり、表示情報である数字や記号等からなる普通図柄を、変動と停止とを繰り返すように可変表示する。
表示装置32の左右側部には、球通過検出器55(55a,55b)が設けられている。この球通過検出器55が遊技球の通過を検出したときには、前記普通図柄が変動し、所定の図柄で停止表示されると、可動片58(58a,58b)を駆動し、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにする。
副表示装置52の左右両側には、可変表示ゲーム実行中や大当たり遊技状態中に始動口44に入球し可変表示ゲームの実行が保留された保留球数を表示するための4つの保留ランプ34(34a〜34d)を設けている。これによって、遊技者はその遊技時点で始動口44への入球に基づく可変表示ゲームの保留状態を確認しながらゲームを行うことができる。
【0026】
遊技盤14の下部には、大当たり入賞装置Mを設けている。かかる大当たり入賞装置Mは、後述する可変表示ゲームによって大当たり遊技状態になった場合に大入賞口38を開放状態とするシャッタ40を備えており、同シャッタ40の開放時に、そのうちの1球が特定領域に入球すると、シャッタ40は所定時間経過或いは所定数入球後においても次のシャッタ40の開放が約束され、これが所定限度回数(例えば、15回)まで繰り返されて遊技者にとって有利な大当たり遊技状態を実現するようにしている。さらに、遊技盤14には一般入賞口50,54(54a,54b,54c,54d)及び第2の一般入賞口56(56a,56b,56c,56d)を設けている。
表示装置32の下部には、可変表示ゲームが開始される契機となる始動口44を始動領域として設けている。さらに、表示装置32の左右両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための風車状の転動誘導部材60(60a,60b)を設けると共に、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには装飾ランプ36(36a及び36b)を設けている。
始動領域は入賞口に限らず通過ゲートとして構成してもよい。
【0027】
(遊技機の制御)
本実施の形態に係る遊技装置10の制御回路を示すブロック図を図3に示す。図示するように、制御部61は、中央処理回路(以下、CPUと称する)66と、インターフェイス回路群62,72と、ROM68、RAM70と、これらに接続し、CPU66にデータ信号又はアドレス信号を入出力するた入出力バス64とを備えている。
上記インターフェイス回路群62には、発射ハンドル26と、タッチセンサ29が接続され、これらからの信号がインターフェイス回路群62を介して入出力バス64に供給される。
また、インターフェイス回路群62には、各入賞口に設けた球検知センサ42、43を接続しており、球検知センサ42は遊技球が前記始動口44を通過したときに、球検知センサ43は遊技球が大入賞口38、一般入賞口54、一般入賞口56、さらには排出口53を通過したときに、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55(左側球通過検出器55a,右側球通過検出器55b)を接続しており、同球通過検出器55は遊技球が通過したことを検出したときに検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
ROM68は、遊技機10の遊技全体の流れを制御するパチンコ遊技プログラムを含む各制御プログラムや、個々の識別情報やそれらの組み合わせ等を記憶している。
【0028】
遊技機10は制御部にロードされたパチンコ遊技プログラムによって制御される。このパチンコ遊技プログラムは、遊技球が始動口44に入球するのを検出して抽選を行う抽選処理ルーチンと、識別情報を変動・停止表示させる可変表示ゲーム実行ルーチンと、可変表示ゲーム実行中に始動口44へ入球した遊技球を検知してこれに対応する可変表示ゲームの実行を保留させる可変表示ゲーム保留ルーチンと、抽選処理ルーチンの抽選結果に応じて識別情報を所定の組み合わせで停止表示させ大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行ルーチンと、可変表示ゲーム保留の累計数をカウントしてゲーム保留累計数が設定数に達した場合に前記設定数を超えた分については抽選処理ルーチンによる抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する保留ゲーム消化ルーチンとを有している。
このようなパチンコ遊技プログラムを実行することにより、可変表示ゲームの保留累計数が所定数に達した場合に保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知して可変表示ゲームの図柄変動時間の短縮化を図り、ゲームが中断されるのを抑制して稼働効率を向上させ、遊技者を飽きさせることなく楽しませることができる。
【0029】
なお、ROM68は、表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される識別情報の画像データ、演出画面として表示される画面画像としてのキャラクタを示すキャラクタ画像データ、表示装置32の背景を構成する背景画像データ、及び動画映像画像データ、並びに遊技に用いる音データ、前記制御プログラムを実行するための初期データや、可変表示ゲーム保留ルーチンの結果を受けて保留ランプ34の点滅動作パターンを制御するプログラム等を記憶している。
さらに、ROM68は、通常大当たりと特別大当たりとを発生させる抽選を行うために必要な確率テーブルや当該確率テーブルを用いて抽選を行うためのプログラムなどを記憶する。一方、RAM70は、上述した各プログラムで使用するフラグや変数の値や、CPU66による演算結果、遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数及び累積大当たり回数などを記憶している。
【0030】
そして、制御部61内のCPU66は、ROM68から所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行う。この演算処理の結果に基づいて各種画像データ並びに音データを、電子データとして伝送に関する制御やその他の制御を行う。また、CPU66は、表示装置32において同図柄が変動表示されるように制御したり、複数の識別情報の図柄の相互の組み合わせ状態が表示装置32において所定のタイミングで停止表示されるように制御している。
インターフェイス回路群72には、表示装置32,副表示装置52、スピーカ46、発射モータ28、保留ランプ34及び装飾ランプ36、可動片58(58a,58b)やシャッタ40を駆動するソレノイド48,57,205、並びに払出装置59を接続している。そして、インターフェイス回路群72は、CPU66における演算処理の結果に応じて各装置類をそれぞれ制御するための駆動信号や駆動電力を供給する。
【0031】
表示装置32は、変動図柄表示部と演出画面表示部とからなり、CPU66の制御によりこれら2つの表示部に表示される画面の双方を合成して表示する。
また、保留ランプ34は、始動口44に入った遊技球のうち、図柄を変動表示させるに有効な回数を示すものであり、払出装置59は遊技球の入賞に応じて、上皿20又は下皿22に、予め定められた数の遊技球を払い出すものである。
制御部61は上述したCPU66などからなる演算処理装置により構成され、表示装置32から表示部が構成されている。なお、本実施の形態ではCPU66などからなる演算処理装置が1つとしているが、必ずしも1つである必要はない。メインの演算処理装置としての主制御部と、画像表示を司るサブの演算処理装置としての副制御部を含む構成とすることもできる。また、上記したROM68やRAM70も複数個備える構成であっても構わない。
【0032】
(遊技機の動作)
本実施の形態に係る遊技機10は上述してきた構成となっており、その動作を以下に説明する。なお、遊技機10は起動時において各プログラム中の変数は所定の値に初期化されるものとする。
まず、遊技機10の制御部において、パチンコ遊技の全体を制御するパチンコ遊技プログラムが実行される。このパチンコ遊技プログラムのメインルーチンは電源投入時に起動されるルーチンであり、図8に示すように遊技機の稼働中は基本的にはこのルーチンのうちの可変表示ゲーム実行処理と大当たり実行処理を繰り返し実行するようになっている。
このパチンコ遊技プログラムから所定のタイミングで図4に示す遊技球検出ルーチンが実行されると共に、この遊技球検出ルーチンにおいて図5に示す内部抽選実行処理ルーチンが呼び出される。そして、この内部抽選実行処理ルーチンの抽選結果を受けて、図6に示す可変表示ゲーム実行ルーチン及びそのサブルーチンとなる可変表示ゲーム保留ルーチンや保留累計数カウントルーチン、保留ゲーム消化ルーチンが実行されるようにしている。
図8に示すメインルーチンは、パチンコ遊技プログラムを正確に実行できるようにするための初期設定と、初期設定後に実行される可変表示ゲーム実行処理と大当たり実行処理とからなるループルーチンを備えている。
【0033】
図4に示す遊技球検出ルーチンでは、最初に、入賞口(始動口44、一般入賞口50及び54a〜54d並びに第2の一般入賞口56a〜56d)に遊技球が入ったか否かを検出する(ステップS11)。
ステップS11において、上記入賞口への遊技球の入球を判別したときには、入賞口の種類に応じて予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS12)。
次に、始動口44に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS13)。このステップS13において、始動口44に遊技球が入ったと判別したときには後述する内部抽選実行処理(ステップS14)を実行し、次いで可変表示ゲームを実行する。すなわち、ステップS14における内部抽選実行処理では、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つの結果を発生させる処理を行う。
さらに、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS16)。球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したと判別したときには、普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS17)。
ステップS14において呼び出されて実行される内部抽選実行処理を行うサブルーチンを図5に示す。
【0034】
図5の内部抽選実行処理ルーチンにおいては、上述した抽選実行処理が開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS100)。すなわち、CPU66は、ROM68に記憶された内部抽選に用いられる確率テーブルをRAM70に設定すると共に、乱数のサンプリングを行う。なお、確率テーブルをRAM70に設定する処理は、ステップS100を実行するたびに行う必要はなく、常にRAM70に設定しておいてもよい。また、ROM68に内部抽選に用いられる確率テーブルを複数記憶させておき、必要に応じて異なる確率テーブルをRAM70に設定することとして、通常大当たりを発生させる確率、特別大当たりを発生させる確率、及び、はずれを発生させる確率を変更させることもできる。
【0035】
次に、「通常大当たり」、「特別大当たり」及び「はずれ」のうち、どの結果が得られたかについて判断する(ステップS101)。ステップS101において、はずれの抽選結果が得られたと判断した場合、CPU66は、はずれに対応する抽選データをRAM70に記憶する(ステップS102)。これに基づいて可変表示ゲーム実行ルーチンによってはずれとなる可変表示ゲームが実行される。なお、この抽選データは、後述する可変表示ゲームを実行する際に用いられるデータであり、CPU66は、当該抽選データに基づき、後述する可変表示ゲーム実行ルーチンで処理され、変動図柄を所定の組み合わせで停止表示させる。
【0036】
ステップS101において、通常大当たりの結果が得られた場合、CPU66は、通常大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS103)、さらに、通常大当たり情報を記憶する(ステップS104)。これに基づいて、可変表示ゲーム実行ルーチンによって通常大当たりとなる可変表示ゲームが実行される。
また、ステップS101において、特別大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、特別大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS107)、さらに、特別大当たり情報を記憶する(ステップS108)。これに基づいて、可変表示ゲーム実行ルーチンによって特別大当たりとなる可変表示ゲームが実行される。
【0037】
図8のメインルーチンにおける初期設定ルーチン(S109)に続く可変表示ゲーム実行処理のステップS110では、進行中の可変表示ゲームの有無を判断して可変表示ゲームを実行させる保留ゲーム消化処理などがなされて、ステップS111の大当たり実行処理ルーチンに移行する。大当たり実行処理のルーチンでは大当たり遊技状態か否かが判定されて大当たり実行処理が実行されて、可変表示ゲーム実行処理と、大当たり実行処理とが繰り返し実行される。
なお、ステップS110では、図6に示す可変表示ゲーム実行ルーチンが呼び出されてそのサブルーチンとなる保留累計数カウントルーチン、保留ゲーム消化ルーチンが実行される。
ステップS110において進行(表示)中の可変表示ゲームとは、表示装置に図柄が変動表示され、変動図柄が停止される前のゲーム状態にあることを意味している。
【0038】
以下、図6に示す可変表示ゲーム実行ルーチンについて説明する。
ステップS1の可変表示ゲーム判定処理においては、進行中の可変表示ゲームの有無を判定して、可変表示ゲームが実行中の場合においては、始動口へ遊技球が入球したか否か、すなわち、図4のS13において始動口へ遊技球が入球したと判定されていたか否かを判定し(S1a)、入球したと判定されていた場合には可変表示ゲーム保留処理のステップS3に、入球したと判定されていなかった場合にはメインルーチンヘリターンする。一方、S1において可変表示ゲームが非実行中の場合は可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行処理のステップS2に分岐させる。
なお、可変表示ゲームも行われておらず、保留された可変表示ゲームもない場合は、後述する固定画面を表示する処理が行なわれる。
【0039】
ステップS2では、識別情報などの図柄を表示装置に変動表示させ、最終的に内部抽選処理により定められた組合わせとなる停止図柄を表示させる可変表示ゲーム処理のルーチンを呼び出して実行し、ステップS4に移行する。このとき、RAMなどのメモリに記憶保持された可変表示ゲームの保留累計数Nをデクリメント処理してカウントし、すなわちN=N−1として更新する。
ステップS3では保留累計数Nをインクリメント処理して、すなわちN=N+1として更新する。
保留累計数Nは、例えば20まで計数可能である。すなわち、可変表示ゲームを最大20回保留できる。なお、保留累計数Nはの最大値は20に限定されず無制限でもよい。
こうしてステップS1〜S3からなる保留累計数カウントルーチンが実行され、ステップS4、S5からなる保留ゲーム消化ルーチンに移行させる。
【0040】
ステップS4では可変表示ゲームの保留累計数Nを判定評価する。すなわち、予め定めた保留判定値(所定値)mと比較して保留累計数Nが保留判定値mを越えている場合に、ステップS5の保留消化処理に移行させ、そうでない場合には保留消化処理をスキップしてメインルーチンにリターンさせる。
なお、保留判定値mは、遊技盤上の保留ランプ34の設置数4に等しく設定するが、これに限定されるものではない。例えば、表示装置の画面上に保留累計数Nを数値で表示したり、伸縮する棒グラフ状に表示させたりすることもできる。また、保留判定値mを可変させてもよい。
【0041】
ステップS5ではこの時点で保留されていた可変表示ゲームを消化する保留消化処理がなされ、少なくとも保留判定値mを超えた分については可変表示ゲームの実行に代えて、抽選手段による抽選結果の表示のみを行って保留ゲームを消化する。すなわち、記憶された保留累計数Nから予め定めた保留消去数kを減算して、保留累計数NをN=N−kとして更新して、必要に応じて、この保留累計数Nに対応した数の保留ランプ34を点灯させて表示する。
図9は遊技盤上に配置された4個の保留ランプ34の表示状態を示す説明図である。ここでは図9(a)に示すように、保留累計数Nが4の場合、全保留ランプ34が点灯している。この状態でつぎに始動口44に遊技球が入球して、保留累計数NがN=5となると、図9(b)に示すように4個分の保留ランプが点滅して保留状態の可変表示ゲームが消化されることが表示される。こうして、保留状態の可変表示ゲームのうちk個分が消化される保留消化処理がなされた後には、図9(c)に示すように、N(5)−k(1)=1に相当する保留ランプ32を点灯させることになる。
なお、この更新されたNが負数となる場合は、N=0となるようにしている。保留消去数kは例えば1〜10などの範囲で設定できる。この保留消去数kを、例えば保留ランプ34の設置数と等しいk=4とすれば、内部処理の結果を保留ランプ34や表示装置32などに表示させて遊技者へストレスなく遊技情報を伝達できるので好ましい。
また、保留ゲームの消化を保留判定値を超えた分だけ実行してもよい。
【0042】
ここで、図7は、前述した図6の可変表示ゲーム実行ルーチンに係る変容例のフローチャートである。以下、図7に示す可変表示ゲーム実行ルーチンについて説明する。なお、図7のフローチャートは、図6におけるステップS4以降の部分で異なっているが、ステップS1〜S3については同様であるので同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7に示すようにステップS1〜S3の累計数カウントルーチンに続いて実行されるステップS6の抽選結果判定処理においては、入球した遊技球が当選したか否かが判定される。こうして、当選の場合にステップS7に移行し、はずれの場合にステップS7をスキップしてステップS8以降の保留累計数カウンルーチンに移行させる。
【0043】
ステップS7では、当選した遊技球の当選遊技回数Tに1を加算するカウント処理を行って、変数Tに当選遊技回数を記憶させる。なお、当選遊技回数Tは、大当たり実行ルーチンが実行処理される都度、1が減算されてT=T−1として更新されるようになっている。
【0044】
ステップS8では、可変表示ゲームの保留累計数Nを判定評価する。すなわち、予め設定した保留判定値(所定値)mと比較して保留累計数Nが保留判定値mを越えている場合に、ステップS9の時点で保留されていた可変表示ゲームを消化する保留消化処理に移行させ、そうでない場合にはこの保留消化処理をスキップしてメインルーチンにリターンさせる。
【0045】
ステップS9の消化処理においては、抽選手段による抽選結果が当選に引き当てられた可変表示ゲームの当選遊技回数Tが1以上の場合に、当該当選遊技回数T分の可変表示ゲームが実行されるまでは保留消化又は処理実行を保留するようにしている。すなわち、当選回数T分の通常大当たり又は特別大当たりとなる可変表示ゲームを確保するような処理がなされる。
【0046】
こうして、カウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知するようにしている。
【0047】
つぎに、保留累計数Nや当選遊技回数Tを保留ランプ34や表示装置32などに表示するだけに止めて、当選遊技回数Tや保留累計数Nが保持されるようにして可変表示ゲーム実行ルーチンを親ルーチンにリターンさせる。
こうして、当選又は外れを所定の抽選確率で抽選し、当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては、カウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知する制御を解除して可変表示ゲームを実行させる。こうして、当選に引き当てられた可変表示ゲームが実行されると共にその当選遊技回数Tや保留累計数Nが表示されるので、遊技者は的確にゲームの進行状況を把握しながらゲームを楽しむことができる。
【0048】
次に、図6又は図7に示すステップS2において呼び出される可変表示ゲーム処理について説明する。
本可変表示ゲーム処理ルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始する。なお、固定画面とは、表示装置32において実行される可変表示ゲームは実行されておらず、遊技機10においてパチンコ遊技のみが進行している際に表示装置32に表示される画面をいう。
また、通常画面とは、表示装置32において可変表示ゲームが開始され表示装置32に表示される図柄が変動表示されてから、可変表示ゲームがリーチとなったり大当たりとなったりしたときの状態に至るまでのあいだに、表示装置32に表示される演出画面をいう。
【0049】
可変表示ゲームは、複数の識別情報の変動表示が開始されてから停止表示されるまでを1回とするゲームである。遊技機10において予め設定されている識別情報は、「1」、「2」、…、「12」からなる12個の算用数字からなる図柄を1つの組として、これらの12個の図柄を表示装置32に順次表示し、その図柄が移動するように表示しつつ、図柄自身が変化するように表示する。
以下、図10を例として説明すると、表示装置32において、左方図柄の「3」を表示装置32の上から下へスクロール表示させた後、中央図柄の「2」をスクロールさせ、続いて右方図柄の「4」を同様に上下にスクロールさせる。そして、左方図柄〜右方図柄までこのような態様で順次スクロール表示させることにより、表示装置32において、図柄が順次変化して表示される。
【0050】
さらに、可変表示ゲームが表示装置32において実行されるときには、複数の組の各々に属する図柄を表示する。例えば、3つの組に属する図柄の各々を横方向に配列させて表示することとした場合には、1つの組に属する図柄は表示装置32の左側に表示され、他の組に属する図柄は表示装置32の中央に表示され、残りの組に属する図柄は表示装置32の右側に表示される。このように識別情報である図柄が表示部である表示装置32に複数表示されることとなる。
そして、複数の組に属する図柄を変動表示した後、変動表示されていた全ての図柄を所定のタイミングで停止表示した際に、これらの図柄の組み合わせが所定の組み合わせに合致して停止表示されたときには、遊技者から見れば可変表示ゲームが大当たり(通常大当たり又は特別大当たり)に当選したことになり、通常大当たり又は特別大当たり状態が発生し、遊技者に対して有利な状態の提供が行われるようになっている。
例えば、図10に示すようにタイトルを表示する等の固定画面(a)が表示されているときに可変表示ゲームが開始されると、全ての図柄をスクロールさせる変動画面(b)が表示される。つぎに、左方図柄と右方図柄とが「7」などとなって一致するリーチ状態(c)若しくはハズレ状態(d)となる。さらにリーチ状態(c)の場合は、中央図柄がさらにスクロール表示されて停止し、左方図柄、中央図柄、右方図柄の全てが一致した大当たり状態(e)もしくはリーチハズレ状態(f)に対応した表示がなされるようになっている。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、カウントされた可変表示ゲームの保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも所定数となるまで保留累計数の減算処理を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ可変表示ゲームの実行に代えて抽選結果のみを報知することで、可変表示ゲームを効果的に表示させ、図柄変動時間の短縮化が図れるので、稼動効率を向上させることができる。
【0052】
請求項2記載の発明によれば、抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては抽選結果報知制御手段による制御を解除して、当該可変表示ゲームを実行するようにして、当選に引き当てられた可変表示ゲームが常時実行されるので、遊技者は的確にゲームの進行状況を把握しながらゲームを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遊技機の正面図である。
【図2】同遊技機の遊技盤面の拡大正面図である。
【図3】同遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図4】パチンコ遊技プログラムの遊技球検出ルーチンのフローチャートである。
【図5】内部抽選実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】可変表示ゲーム実行ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】同可変表示ゲーム実行ルーチンの変容例のフローチャートである。
【図8】同パチンコ遊技プログラムのメインルーチンのフローチャートである。
【図9】遊技盤上に配置された保留ランプの表示状態を示す説明図である。
【図10】表示装置上に表示される可変表示ゲームの実行状態を示す説明図である
【符号の説明】
10 遊技機
26 発射ハンドル(発射手段)
32 表示装置
38 大入賞口
40 シャッタ
61 制御部
66 CPU
64 入出力バス
68 ROM
70 RAM
Claims (2)
- 遊技盤上に遊技球を発射させる発射手段と、
表示状態が変化可能な可変表示装置と、
前記発射手段により発射された遊技球が始動領域を通過したことを受けて、当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する抽選手段と、
同抽選手段による抽選結果に基づいて、前記可変表示装置の表示領域上に表示された識別情報を可変表示させる可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、
前記始動領域を遊技球が通過したが、当該始動領域への遊技球の通過に対応する可変表示ゲームの実行ができないときに当該可変表示ゲームを実行できる条件が成立するまで保留する可変表示ゲーム保留手段と、
同可変表示ゲーム保留手段によって保留されている可変表示ゲームの保留累計数をカウントする保留累計数カウント手段と、
前記抽選手段によって当選して前記可変表示ゲームで前記識別情報が可変表示され、所定の表示態様で停止表示された場合に、遊技者に有利な大当たり遊技状態へ移行させる大当たり実行手段と、
前記保留累計数カウント手段によりカウントされた保留累計数が所定数を超えた場合に、保留累計数が少なくとも前記所定数となるまで保留累計数の減算を行うとともに、当該減算した保留累計数に対応する回数だけ前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームの実行に代えて前記抽選手段による抽選結果のみを報知する抽選結果報知制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記抽選手段によって当選となったことに基づいて実行される可変表示ゲームについては前記抽選結果報知制御手段による制御を解除して前記可変表示ゲーム実行手段による可変表示ゲームを実行させる制御解除手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003120134A JP2004321471A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003120134A JP2004321471A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004321471A true JP2004321471A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33499149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003120134A Withdrawn JP2004321471A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004321471A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009077997A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Sammy Corp | 弾球遊技機 |
JP2010162202A (ja) * | 2009-01-16 | 2010-07-29 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
JP2014155632A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-08-28 | Kyoraku Sangyo Co Ltd | 遊技機 |
-
2003
- 2003-04-24 JP JP2003120134A patent/JP2004321471A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009077997A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Sammy Corp | 弾球遊技機 |
JP2010162202A (ja) * | 2009-01-16 | 2010-07-29 | Kyoraku Sangyo Kk | 遊技機 |
JP2014155632A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-08-28 | Kyoraku Sangyo Co Ltd | 遊技機 |
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Legal Events
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040825 |
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A621 | Written request for application examination |
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