JP2004321401A - 光照射型美容機の光照射口用スペーサ - Google Patents

光照射型美容機の光照射口用スペーサ Download PDF

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Abstract

【課題】光照射面と皮膚との間に形成する微小寸法の隙間が、光照射面と対峙する皮膚の全域にわたり均一な寸法をもって確保され、その隙間を従来よりもさらに微小な寸法にすることが可能な新規な光照射型美容機の光照射口用スペーサを提供する。
【解決手段】スペーサAで囲まれる部分の皮膚301は複数に区画された小面積開口部4で覆われ、光照射口201を押し当てた際の皮膚301の盛り上がり度合いが光照射面206に触れない程度に規制されると共に、その盛り上がりのバラツキが規制されて皮膚301に対しほぼ均一に光エネルギーが与えられる。光照射面206と皮膚301の間の隙間Sを1mm程度として光を効率良く照射し得、小出力の光源202を用いて従来と同等若しくはそれ以上の脱毛効果が得られる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光脱毛機や光美顔機等の光照射型美容機の光照射口に取り付けて、光照射面と脱毛する部分(皮膚)との間に微小寸法の隙間を形成するスペーサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光照射口内に設置したアークランプやキセノンランプ等の光源が発する光を、フィルタを通すことで特定の波長の光のみに変え、その光をガラス製ガイド部材の先端面(光照射面)から皮膚に向けて照射して脱毛を行う光脱毛機や、皮膚の赤み,色素沈着等を改善する光美顔機等の光照射型美容機が知られている。また、この種光照射型美容機においては、光照射面が直接皮膚に接することによる火傷等を防止するために、カプラとも呼ばれるスペーサを光照射口に取り付け、光照射面と皮膚との間に2〜3mm程度の微小寸法の隙間を形成するようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−215695号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1に記載されたスペーサ(カプラ)は、アクリル樹脂等の耐熱性を有する透明材で成形されたもので、側周壁で囲まれる部分の下端に透明窓(透明板)を備え、該透明窓を皮膚に押し当てて使用するようになっているが、光照射面から発せられる光が透明窓を通過して皮膚に照射されるので光の透過率が落ち、よって、大きな出力の光源が必要になるという問題があった。
【0005】
光の透過率の低下を防ぐために、例えば図9に示すように、前記透明窓を備えず、左右の側板101,101で囲まれる部分の下端を開口部102とすると共に、その開口部102を囲む縁部103を、前記光照射面と皮膚との間に微小寸法の隙間S’を確保可能な厚みをもって形成してなるスペーサ100も提案されている。
しかしながら、このようなスペーサは図10に示すように、光照射口201を皮膚300に押し当てると、縁部103で囲まれる部分の皮膚301が開口部102内で盛り上がり、その盛り上がった皮膚301が光照射面206に触れて火傷を起こす虞れがあるので、前記隙間S’は2〜3mm程度確保する必要があり、結果として大きな出力の光源202が必要になってしまう。
また、光照射口201を皮膚300に押し当てる力がスペーサ100の長手方向に対し均等でない場合、縁部103で囲まれる部分の皮膚301の盛り上がり度合いにバラツキが生じ、その結果、光照射面206と皮膚301との離間寸法にバラツキが出て、均一な脱毛効果が得られなくなる虞れがあった。
【0006】
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、光照射面と皮膚との間に微小寸法の隙間を形成すると共に、その隙間が、光照射面と対峙する皮膚の全域にわたりほぼ均一な寸法をもって確保され、且つ、その隙間を従来よりもさらに微小な寸法(2mm以下)にすることが可能な、新規な光照射型美容機の光照射口用スペーサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明の光照射型美容機の光照射口用スペーサは請求項1記載のように、光照射面から発せられる光を皮膚に照射するための開口と、該開口を囲む縁部を有し、該縁部が前記隙間を確保可能な厚みをもって形成されると共に、前記開口が複数の小面積開口部に区画されていることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、スペーサで囲まれる部分の皮膚は複数に区画された小面積開口部で覆われるようになり、光照射口を皮膚に押し当ててスペーサで囲まれる部分の皮膚が盛り上がったとしても、その盛り上がり度合いは夫々の小面積開口部により、皮膚が光照射面に触れない程度に規制される。
また、光照射口を皮膚に押し当てる力がスペーサの長手方向に対し均等でなかったとしても、皮膚の盛り上がり度合いが夫々の小面積開口部により前記の如く規制されるので、光照射面と皮膚との離間寸法にバラツキが生じることがなく、皮膚に対しほぼ均一に光エネルギーを与えて所望の脱毛効果や美顔効果等を得ることができる。
また、前記の如く皮膚の盛り上がり度合いを規制し得るので、光照射面と皮膚との間の隙間を従来より小さくして光を効率良く照射することができ、小出力の光源を用いて従来と同等の脱毛効果や美顔効果等を得ることができる。
【0009】
前記開口を複数の小面積開口部に区画する具体的態様としては、複数のスリットが並設された形状(図4参照)、多孔形状(図5参照)、ハニカム形状(図6参照)など各種の態様が考えられる。
ところで、この種スペーサは皮膚に直接押し当てて使うものであり、また使用に際しては皮膚に冷却用のジェルを塗ってその上から押し当てるので、通常、一回の脱毛治療毎に廃棄する使い捨てタイプとして用いられている。
【0010】
よって、請求項1による前述の作用効果を確実に得られ、且つスペーサの作製コスト等を考慮すると、請求項2記載のように、前記複数の小面積開口部が格子状に区画されていることが好ましい(図3参照)。
このような構成とした場合、格子状に区画形成された複数の小面積開口部により、請求項1による前述の作用効果を確実に得られると共に、多孔形状、ハニカム形状とする場合に比べ低コストで提供可能なスペーサとすることができる。
【0011】
また本発明の光照射型美容機の光照射口用スペーサは、請求項3記載のように、前記開口を複数の小面積開口部に区画することで、前記光照射面と皮膚との間の隙間を2mm以下、好ましく1mm程度の極微小寸法にすることが可能である。
【0012】
このような構成によれば、光照射面と皮膚との間の隙間が従来の半分以下の寸法になるので、光の照射効率が大幅に向上し、小出力の光源を用いて従来と同等若しくはそれ以上の脱毛効果や美顔効果等を得ることができる。
【0013】
また本発明の光照射型美容機の光照射口用スペーサは、請求項4記載のように、光透過性と耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、耐久性及び光の照射効率により優れたスペーサを低コストで作製することができ、前述した夫々の作用効果をより実効あるものとし得る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の例を図1から図8を参照して説明する。
図1には、本発明のスペーサAを装着する光照射口201を備えた光照射型美容機のハンドピース200を示し、該ハンドピース200は従来同様、光照射口201内に設置したアークランプやキセノンランプ等の光源202が発する光をリフレクタ203で反射すると共に、その反射光をフィルタ204に通すことで特定の波長の光のみに変え、その光をガラス製ガイド部材205の先端面(光照射面206)から皮膚300に向けて照射して脱毛又は美顔処置等を行うよう構成されている。
【0016】
スペーサAは、光透過性と耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂で一体成形されたもので、図2,図3,図7,図8に示すように、左右の側板1,1で囲まれる部分の下端の開口2を縁部3で囲み、その縁部3を、前記光照射面206と皮膚300との間に極微小寸法(1mm程度)の隙間Sを確保可能な厚みをもって形成すると共に、前記開口2が複数の小面積開口部4,4・・・に区画してなる。
【0017】
開口2は、縁部3にわたる縦杆5aと横杆5bにより格子状に区画されて前記複数の小面積開口部4,4に分割されており、夫々の小面積開口部4により、スペーサAで囲まれる部分の皮膚300の盛り上がり度合いを、光照射面206に触れない程度に規制し得るよう構成されている。
【0018】
左右の側板1,1の上端内側には、光照射口201に突設された左右のガード板207,207の外側に凹設したガイド溝208に係脱自在に係合する突条6を設けて、スペーサAを光照射口201に対し容易に着脱し得るよう構成されている。
【0019】
左右の側板1,1の下端近傍には、光照射面206から発せられる皮膚301に照射される光の熱を逃がすための放熱窓7が形成されている。
【0020】
以上の構成になる本例のスペーサAを用いた場合、該スペーサAで囲まれる部分、すなわち、光源202から発せられフィルター204、ガイド部材205を通過した特定の波長の白色光が照射される部分の皮膚301は、複数に区画された小面積開口部4,4・・・で覆われる。よって、ハンドピース200の光照射口201を皮膚301に押し当てて脱毛治療を行う際、スペーサAで囲まれる部分の皮膚301が盛り上がったとしても、その盛り上がり度合いは夫々の小面積開口部4,4・・・により、光照射面206に触れない程度に規制される(図7,図8参照)。
【0021】
また、使用者(施術者)が熟練でない等の事情から、光照射口201を皮膚301に押し当てる力がスペーサAの長手方向に対し均等でなかったとしても、前記の如く皮膚301の盛り上がり度合いが夫々の小面積開口部4,4・・・により規制されるので、光照射面206と皮膚301との離間寸法にバラツキが生じることがなく、皮膚301に対しほぼ均一に光エネルギーを与えて所望の脱毛効果を得ることができる。
また、前記の如く皮膚301の盛り上がり度合いを規制し得るので、光照射面206と皮膚301との間の隙間Sを従来より小さくして光を効率良く照射することができ、小出力の光源202を用いて従来と同等の脱毛効果や美顔効果等を得ることができる。
【0022】
因みに、本例のスペーサAの寸法の一例を挙げれば、スペーサAの長手方向は20〜30mm程度、短手方向の寸法は10〜15mm程度、左右側板1及び縁部3の厚みは1〜2mm程度、夫々の小面積開口部4を区画形成する縦杆5a,5a同士、横杆5b,5b同士の離間寸法は0.2〜0.5mm程度とすることが好ましい。
【0023】
前記縦杆5a,5a同士、横杆5b,5b同士の離間寸法は、小さくするほど小面積開口部4の開口面積が小さくなり、且つ多数の小面積開口部4が形成されるので、各小面積開口部4による皮膚301の盛り上がり規制効果が向上するが、この場合、縦杆5a,横杆5bで覆われる面積も増え、光の透過効率が低下する懸念が残る。よって、本例では前記したように、スペーサAを光透過性と耐熱性に優れた合成樹脂材料、例えばポリカーボネート樹脂で一体成形することで、光の透過効率の低下を防止し、初期の効果を確実に得られるものとしている。
【0024】
図4から図6には、スペーサAにおける小面積開口部4の別の態様を示す。
すなわち、図4では、開口2を、縁部3にわたる縦杆5a,5aにより区画してスリット状の複数の小面積開口部4’,4’に分割した例を示し、図5では、開口2を底板8で塞ぐと共にその底板8に小径の孔を多数穿設して多孔状の複数の小面積開口部4’,4’に分割した例を示し、図6では、開口2を、縁部3にわたる斜め杆5c,5cにより区画してハニカム状の複数の小面積開口部4’,4’に分割した例を示す。
それ以外の構成要素は前記したスペーサAと同様のため、図中に同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0025】
なお、図4から図6に示す態様においても、前記同様の効果が得られることは言うまでもない。
但し、この種スペーサAが通常一回限りの使い捨てタイプとして用いられることを考慮すれば、スペーサの作製コスト等を考慮すると、図2,図3等に示す格子状の小面積開口部4とすることが好ましい。
【0026】
以上、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明したが、本発明に係る光照射型美容機の光照射口用スペーサは図示例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に記載された技術的思想の範疇において種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係る光照射型美容機の光照射口用スペーサは以上説明したように構成したので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0028】
(請求項1)
スペーサで囲まれる部分の皮膚を複数に区画された小面積開口部で覆って皮膚の盛り上がり度合いを規制し、光照射面と皮膚との間の隙間を従来よりも微小な寸法とすることができる。また、複数の小面積開口部により、スペーサで囲まれる部分の皮膚と光照射面との間の離間寸法を均一に維持して、皮膚に対しほぼ均一に光エネルギーを与えることができる。
よって、従来よりも小出力の光源を用いながら、火傷等を起こすような心配なく、従来と同等若しくはそれ以上の脱毛効果や美顔効果等を得ることが可能になる。
【0029】
(請求項2)
格子状に区画形成された複数の小面積開口部により、前述の効果を確実に得られると共に、多孔形状、ハニカム形状等に作製する場合に比べ、低コストで作製可能な、使い捨てタイプに好適なスペーサを提供することができる。
【0030】
(請求項3)
光照射面と皮膚との間の隙間を従来の半分以下の極微小寸法とすることができるので、光の照射効率が大幅に向上し、前述の効果をより実効あるものとし得る。
【0031】
(請求項4)
耐久性及び光の照射効率により優れたスペーサを低コストで作製することができ、前述の効果をより実効あるものとし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスペーサを装着する光照射型美容機のハンドピースの一例を示す斜視図。
【図2】本発明に係るスペーサを装着する光照射型美容機の要部の一例を示す分解斜視図。
【図3】本発明に係るスペーサの実施形態の一例を示し、(イ)は平面図、(ロ)は縦断側面図を表す。
【図4】本発明に係るスペーサの実施形態の一例を示し、(イ)は平面図、(ロ)は縦断側面図を表す。
【図5】本発明に係るスペーサの実施形態の一例を示し、(イ)は平面図、(ロ)は縦断側面図を表す。
【図6】本発明に係るスペーサの実施形態の一例を示し、(イ)は平面図、(ロ)は縦断側面図を表す。
【図7】本発明に係るスペーサの使用状態を示す縦断正面図。
【図8】(イ)本発明に係るスペーサの使用状態を示す縦断側面図、(ロ)その要部拡大図。
【図9】従来のスペーサの斜視図。
【図10】従来のスペーサの使用状態を示す縦断正面図。
【符号の説明】
A:スペーサ
1:側板
2:開口
3:縁部
4,4’:小面積開口部
200:ハンドピース
201:光照射口
202:光源
203:リフレクタ
204:フィルタ
205:ガイド部材
206:光照射面
300,301:皮膚

Claims (4)

  1. 光脱毛機や光美顔機等の光照射型美容機の光照射口に取り付けて光照射面と皮膚との間に微小寸法の隙間を形成するスペーサであって、
    前記光照射面から発せられる光を皮膚に照射するための開口と、該開口を囲む縁部を有し、該縁部が前記隙間を確保可能な厚みをもって形成されると共に、前記開口が複数の小面積開口部に区画されていることを特徴とする光照射型美容機の光照射口用スペーサ。
  2. 前記複数の小面積開口部が格子状に区画されていることを特徴とする請求項1記載の光照射型美容機の光照射口用スペーサ。
  3. 前記開口を複数の小面積開口部に区画することで、前記光照射面と皮膚との間の隙間を2mm以下とした請求項1又は2記載の光照射型美容機の光照射口用スペーサ。
  4. 光透過性と耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の光照射型美容機の光照射口用スペーサ。
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