JP2004321386A - 医療用物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器2と、容器2内に封入された医療用具3とを有し、医療用具3はつまみ手段4により部分的に挟まれた状態で容器2内に封入され、容器2を開封することにより医療用具3はつまみ手段4を持って容器内から容器外へ取出し得るようになっており、つまみ手段4は取り出された医療用具3から分離可能である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に清潔を要する場合に使用される、医療用具を容器内に一体的に封入した医療用物品に関する。特に、滅菌、殺菌、消毒、除菌等(以下、滅菌等)の処置がなされたガーゼ、絆創膏、創傷用包帯、吸収用当て材等の医療用パッドを容器内に一体的に封入するような場合に適する医療用物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛生管理が求められる医療用具において、従来から種々の方法によりその管理が行われている。その方法の1つとして、医療用具の汚染による2次感染を防ぐために、医療用具を滅菌等して、医療用具に付着した菌を減少させる処置が行われている。特に病院では、一度に多くの医療用具を滅菌するために、カストと呼ばれる開閉可能な通気孔を有するステンレス製又は樹脂製の蓋付き容器を使用して滅菌を行っている。具体的には、カスト内に滅菌する医療用具を入れて蓋を閉め、通気孔から滅菌可能なガス又は蒸気を導入することで滅菌し、その後この通気孔を閉じるというものである。この種の容器は、滅菌処理時には容器内部は滅菌されるが、容器本体と蓋が密閉状態に取り付けられていないので、滅菌後の内部滅菌保存期間が短く、又、滅菌物を使用するたびに蓋を開閉する構造を有するため、容器内部の医療用具が汚染される可能性が高い。そのため、使用量や使用回数が比較的ばらつくガーゼや脱脂綿のような使い捨て医療用具は、蓋の開閉回数も多く、使い切るまでの時間も一定しないため、汚染される可能性が一層高くなる。
【0003】
又、病院内では、カストからガーゼや脱脂綿のような使い捨て医療用具を取り出すのに、滅菌した鑷子や鉗子等が使用されている。さらに、感染防止の観点から、この取り出した医療用具を患部へ適用するのに、容器から取り出したのとは別の鑷子や鉗子を使用することがしばしば行われている。又、使用する医療用具の大きさや形状によっては、一度に2本の鑷子や鉗子を使用する場合もあり、病院全体ではかなりの数の鑷子や鉗子が使用され、これらを再滅菌している現状がある。実際、このような鑷子や鉗子の再滅菌に要する手間や滅菌時間は、病院側にとって大きなコスト負担となっており、近年の医療費削減に向けた環境変化の中で、滅菌にかかる人件費、設備費等が問題視されている。
【0004】
このような状況の中で、従来のカストのような容器による医療用具の保管から、滅菌用包装材料で作成される容器(一般に滅菌バッグと呼ばれる)により医療用具を個別保管する方法が多く採用されてきている。というのも、このような個別保管の方法であれば、医療用具の使用直前まで無菌性を保つことができ、滅菌保存期間を長くすることが可能であり、又、作業に用いる鑷子等が、容器から医療用具を取り出す時と、それを患部に適用する時とで、同一のものを用いることが可能で、鑷子等の滅菌費用を抑えることができるためである。
【0005】
しかしながら、このような滅菌用包装材料で作成される滅菌バッグであっても、依然として容器から医療用具を取り出す際には滅菌済みの鑷子や鉗子等を用意する必要があり、又、そのような滅菌バッグを開封する際には、医療用具に直接触れないよう配慮する必要があった。これらの問題を解決する技術として、例えば、滅菌された扁平な使い捨て品をホース状の保護シートに収容し、断続的な引き剥がし機能により、保護シートから使い捨て品を開放するディスペンサの提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このような大掛かりな装置は、製作コストが高く、これを設置する場所を確保する必要があるし、又、中の使い捨て品を使い切った時は、一々その装置に新しい使い捨て品をセットする必要があり、極めて煩雑である。
【0006】
又、アルコールガーゼのような液体保持パッドを流体不透過性のパッケージに封入した製品で、パッケージの開封時にパッケージを引き裂くことなく、又、パッドの表面に触れることなくパッドを露出するように開放できる方法が示されている(例えば、特許文献2参照。)。このパッケージは、開封時に手でつかむためのフランジ部分を有し、さらに、パッドがパッケージの内側層に付着されているため、開封後はそのフランジ部分を持ちながらパッドの片面をパッケージ上に露出した状態をつくることができる。そのため、使用者はこのパッケージのフランジを持ちながら液体保持パッドを皮膚の洗浄などにそのまま使用でき、使用後はパッケージごと液体保持パッドを廃棄することができる。確かに、このような液体保持パッドとパッケージを一体的に付着させる加工をすることで、鑷子や鉗子を使わずに液体保持パッドを取り扱うことは可能になるが、その一方で、液体保持パッドの特定の面だけしか露出されないので、液体保持パッドを部分的にしか使用しないことになり、非効率的な材料の使い方になる。又、液体保持パッドを単独で使いたい場合には、このような一体的な構造物は使い勝手が悪く、使用用途が限定されることになる。
【0007】
他にも、医療用器具のパッケージに関するもので、外側容器と、外側容器内に設けられる長手方向に開放部を備えた内側封筒体とから成る2重構造のパッケージが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この内側封筒体は、外側容器を開けた後も中の医療用器具が汚染されないように設けられたものであり、長手方向に設置された開放部があることで、従来のものより容易に医療用器具から剥がすことができる。しかし、このような医療用器具全体を包み込んでいる内側封筒体構造であれば、医療用器具からの取り外しの便利さにも限界がある。実際、このような構造であれば、開封には両手での作業が必要であり、種々の作業を一度にこなさなければならない医師や看護婦にとっては、煩雑さが増す原因となり、好ましくない。
【0008】
さらに、ガーゼと、それをつかむためのピンセットとをトレー内に収納し、ガス透過性の滅菌シートでトレーの開口部を密封し、滅菌処理された医療補助品キットが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。ここでは、ピンセットの把持部をつかむ時やトレーを開封する時に、ガーゼに指が触れないよう、ピンセットの把持部がトレーの開口開始箇所に配置されることが提案されている。しかし、このようなキット品は、トレーを開封し、その後に中の医療用具をつかむという2つの工程をとるため、例えば高齢者のような手先や目が不自由な人が家庭で使う場合は、上手く操作ができない可能性があり、場合によっては医療用具をつまみ損ねて落とすことも考えられる。
【0009】
【特許文献1】
特開昭58−30954号公報(第3〜5頁、図2)
【特許文献2】
特表昭61−501019号公報(第6〜7頁、図2)
【特許文献3】
実開昭59−112771号公報(第6〜9頁、図1)
【特許文献4】
特開平9−84806号公報(第2〜3頁、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、容器内に封入された滅菌等の処置をした医療用具を取り出す際に、医療用具を汚染することなく、しかも特殊な器具を使用することなく簡単に医療用具を容器から取出し、患部に適用し得る医療用物品を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、上述の課題を解決するために、本発明によれば、容器と、前記容器内に封入された医療用具とを有し、医療用具はつまみ手段により部分的に挟まれた状態で容器内に封入され、容器を開封することにより医療用具はつまみ手段を持って容器内から容器外へ取出し得るようになっており、つまみ手段は取り出された医療用具から分離可能としたものである。
【0012】
本発明に使用される容器としては、医療用具を中に封入できるものであれば特に限定されないが、滅菌用包装材料から形成される袋状またはトレー状の容器(一般に滅菌バッグと呼ばれるもの)が好ましい。この滅菌バッグの包装材料、包装方法は、滅菌の方法や使用までの保管期間などにより公知のものを適宜選択できる。例えば、高圧蒸気滅菌、短期の保存では、一般に綿布、不織布のようなもの、少し長く保管する場合は、紙、セロファン等のプラスチックフィルムの滅菌バッグを用いることが好ましい。又、エチレンオキシドガス滅菌、放射線滅菌の場合は、プラスチック製の材質を用いて完全に密封包装したのち滅菌を行うことで、長期の有効期限を保つことが可能である。包装方法については、開封時に、中の医療用具に触れないよう開封できる構造が好ましく、従来から使用されている包装方法を採用できる。中でも、2つの部材を対向シールさせた構造で、2つの部材を互いに反対の方向に引き剥がすように開封させる包装容器が好ましい。
【0013】
容器内に封入される医療用具としては、特に限定されないが、一般に使用回数が多く、鑷子や鉗子等を頻繁に使うことになるディスポーザブル製品(使い捨て製品)が適しており、その中でも、製品の主たる部分が人体に直接触れるようなガーゼ、絆創膏、創傷用包帯、吸収用当て材等の医療用パッドが、本発明の効果が十分発揮される観点から特に適している。
【0014】
本発明におけるつまみ手段は、容器の開封前に医療用具を部分的に挟んだ状態で設置されていて、容器の開封後に、使用者がそのつまみ手段をつまんで引き出すことで、医療用具表面に直接触れることなく医療用具の主たる部分を容器から露出できるようになっている。このように、つまみ手段が予め医療用具を挟んだ状態にあるため、新たに医療用具を挟みこむ作業がいらず、容器の開封後は直ぐに医療用具をつまみ出すことが可能である。つまみ手段の形状は、ピンセット状又は筒状にすると有利である。大きさとしては、少なくとも指でつまんで操作できるだけの大きさを持つことが望ましい。このつまみ手段は、医療用具を部分的に挟んだ状態で設置されているため、医療用具から容易に分離可能であり、医療用具をつまんで所与の作業をした後は、単独で医療用具を患部に適用することができる。つまみ手段を設置する位置は、特に限定されないが、容器の開封開始箇所近傍に位置する医療用具表面に取り付けるのが好ましい。このようにすることで、容器の開封後すぐに医療用具をつまめるし、開封時に誤って医療用具表面に触れてしまうことも防止できる。又、つまみ手段は容器内に封入する医療用具の大きさや形に応じて、適当な場所に複数個設けると、より簡便に医療用具をつまめるようになる。つまみ手段を構成する材料としては、数回の滅菌等の処理に耐え、指先に付着する液体及び細菌等を医療用具へ透過させないものが望ましい。具体的には、プラスチック、紙が好ましく、材料費や加工の手間等の問題から金属はあまり好ましくない。特に、光透過性がある材料は、医療用具製造時につまみ手段と医療用具の間に異物が混入しても一目で検査可能であるため、より好ましい。
【0015】
容器内に封入する医療用具にガーゼ、絆創膏、創傷用包帯、吸収用当て材等の比較的柔らかく、つまんだ際にその形状が撓み易い医療用パッドを用いる時には、医療用パッドが撓み難くなるようなつまみ方ができるつまみ手段が好ましい。具体的には、つまみ手段をつまんだ時に、つまみ手段が医療用パッドの断面形状を変形させ、その断面2次モーメントを上昇させることが好ましい。尚、ここでいう断面とは、医療用パッドの撓む方向(力がかかり曲がる方向)に対して直交する断面である。断面2次モーメントを上昇させる断面形状としては、弓形、V字形、U字形、またはそれらの形状を連続させた波形等の形状が利用できる。このように、医療用パッドの断面形状を変化させ、断面2次モーメントを上昇させることで、医療用パッドをつまんだ時に、医療用パッドが撓まずにできるだけ真っ直ぐな状態を維持させることができる。これにより、医療用パッドを適用する際は、医療用パッドを衣服や寝具もしくは医療機器等に触れないようほぼ水平に移動させることができるので、医療用パッドの汚染を防ぎ、患部への位置合わせも簡単にできるようになる。
【0016】
つまみ手段により医療用パッドの断面2次モーメントを上昇させる方法としては、例えば、使用者が断面2次モーメントを上昇させるつまみ方ができるように、つまみ手段の大きさと材料の硬さを選択する方法がある。この方法で使用されるつまみ手段の大きさとしては、使用者が3本以上の指でつまみ手段をつまむことができる程度の大きさ、もしくは2本の指でも指先以外の部分でつまみ手段をつまむことができる程度の大きさがあればよい(つまみ手段のつまみ方は後述する実施例に示す)。又、つまみ手段の硬さとしては、自重では変形しないが、つまんだ時には変形する程度の硬さが好ましく、例えば紙、プラスチックシート、繊維布、又はそれらを適宜組み合わせたものを利用できる。又、別の方法として、つまみ手段に、医療用パッドの断面2次モーメントが上昇するように、医療用パッドを変形させる作用点を設ける方法がある。具体的には、つまみ手段の医療用パッドを上下から挟み込む噛み合わせ部分を、弓形、V字形、U字形等のあらかじめ決められた形状に噛み合わされるよう加工しておく方法があり、公知の成形プラスチック技術を使用することが好ましい。さらに別の方法として、2つの部材からなるピンセット状のつまみ手段において、その部材の一方に硬く変形し難い材料を、他方にその部材より柔らかく変形し易い材料を用いてつまみ手段を成形する方法がある。2つの部材の組み合わせとしては、紙、プラスチックシート、繊維布、フォーム材料等の硬さの異なるものを適宜選択して使用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を、図面に示す実施例について説明する。尚、図中の参照符号において同じ部分には同じ符号を用いる。
【0018】
図1は本発明の実施例を示し、aはその平面図、bはaのb−b線における側面断面図、図2はその使用方法を示し、aは医療用物品の開封作業を示す斜視図、b、cはその医療用具をつまんでいる状態の斜視図である。1は本発明の医療用物品で、容器2の中に医療用具3と、つまみ手段4を封入し、それを滅菌したものである。尚、この実施例では、医療用具3としてガーゼを用いている。容器2は、2つの容器形成部材2a、2bをシール部5に沿って互いに剥離可能にシールすることで形成されており、シール部5の外側に設けられているシールされていない端部が開封開始箇所6として作用する。2a、2bに使用する材料としては、滅菌効率と接着性の点から、一方に透明のプラスチックシート、他方にガス透過性の紙又は不織布を使用する(図の実施例では2aにプラスチック、2bに紙を使用)。つまみ手段4は幅広のピンセット状に形成され、開封開始箇所6近傍の医療用具端部に、医療用具3を上下から挟んだ状態で設置されている。又、この実施例では、医療用具3を患部等に適用する際に、医療用具3が撓まずにできるだけ真っ直ぐな状態で適用できるよう、医療用具の断面2次モーメントを上昇させるようなつまみ方を可能にしている。具体的には、医療用具3の表面に触れずに、つまみ手段近傍の医療用パッドの断面形状を弓形に変形させるつまみ方(図2に示す)ができるように、つまみ手段4の大きさ、硬さを選択している。つまみ手段4は、光透過性で、且つ、指でつまんだ時に変形可能である液体不透過性のプラスチック材料を使用している。
【0019】
次に図1に示す医療用物品1の使用方法を図2a、b、cを利用して説明する。まず、図2aに示すように、開封開始箇所6を形成する容器形成部材2a、2bの端部をつかみ、そこから容器形成部材2a、2bを互いに反対の方向に引き剥がすように開封し、医療用具3を容器2から露出させる。次いで、つまみ手段4を持って医療用具3を容器内から容器外へ取り出す。その後、図2bに示すように親指と人差し指を用いて、又は図2cに示すように親指と人差し指、中指を用いて、医療用具3の断面が弓形に変形するように医療用具3をつまみ、医療用具3が真っ直ぐな状態になるようにして患部等へ適用する。
【0020】
図3は本発明の別の実施例を示し、aはその平面図、bはaのb−b線における側面断面図で、図1と同等部分には同符号を付してある。図3の実施例は図1の実施例に対し、つまみ手段4が筒状に形成され、医療用具3の端部を囲むように覆っている点が異なっている。つまみ手段をこのように筒状にすることで、開封時に医療用具表面に触れてしまうことをより確実に防ぐことができる。図3の実施例の使用方法については、図1の実施例で説明した使用方法(図2)と同様である。
【0021】
図4は本発明のさらに別の実施例を示し、aはその平面図、bはaのb−b線における側面断面図、c、dは医療用物品の開封作業を示す斜視図で、図1と同等部分には同符号を付してある。図4の実施例は図1の実施例に対し、つまみ手段4が容器2に接合されている点が異なっている。つまり、図4の実施例では、つまみ手段4の片面に接着剤による接合層7を設け、つまみ手段4を容器2の一方の容器形成部材2bに接合させている。この実施例では、図4c、dに示すように、開封作業の際に容器2を持ったまま医療用具3を容器内から露出させ、医療用具の適用後は、容器2とつまみ手段4を同時に廃棄することができる。図4の実施例の開封後の使用方法については、図1の実施例で説明した使用方法と同様な方法で適用する。
【0022】
図5は本発明のさらに別の実施例を示し、aはその平面図、bはaのb−b線における側面断面図、c、dは患部への適用方法を示す斜視図、eは図5の実施例の変形例を示す斜視図で、図1と同等部分には同符号を付してある。図5の実施例は図1の実施例に対し、剥離可能部材8を医療用具3の表面に付着させている点が異なっている。すなわち、剥離可能部材8は、指でつまむためのタブ9を備えたシート状の部材であり、その片面に設けられた剥離可能な粘着層10により、医療用具3の片側表面に仮着されている。尚、図5の実施例に示す医療用具3は、傷に対して非固着性のプラスチックネット11を表面に備えたガーゼである。このような表面にネットを被覆しているガーゼは、剥離可能部材8をガーゼから剥離する際にガーゼの毛羽立ちがなく、簡単に剥離することができるので、図5の実施例に用いるのに好適である。剥離可能部材8に使用する材料は、医療用具3に付着させたときに、医療用具3が撓まずに真っ直ぐな状態を保持することができる程度の硬さを持った材料が好ましく、この実施例では透明なプラスチック材料を使用している。
【0023】
次に図5の使用方法を図5c、dを利用して説明する。尚、図5の開封作業については、図1の実施例と同様である。容器2から取り出した医療用具3を患部へ適用させる際、図5の実施例では、剥離可能部材8が適度な硬さを備えているため、図5cに示すように、医療用具3が撓まずに真っ直ぐな状態を保持することができ、適用すべき場所51への位置決めも容易にできる。その後、図5dに示すように、患部52に医療用具3を載置し、剥離可能部材8のタブ9をつまんで引き剥がし、最後につまみ手段4を除去し医療用具3を適用する。尚、適用する医療用具のサイズが大きい場合には、剥離可能部材の大きさも増え、経済的に不利になることもあるので、そのような場合には、図5eに示すように、医療用具3が真っ直ぐな状態でバランスをとることができる位置、例えば医療用具3のつまみ手段4の取り付け位置と反対側の端部近傍に剥離可能部材8を設ける。即ち、つまみ手段4と剥離可能部材8の2箇所をつまんで、医療用具が患部に対して平行な状態を保つようにする。
【0024】
図6は本発明のさらに別の実施例を示し、aはその平面図、bはaのb−b線における側面断面図、c、dは患部への適用方法を示す斜視図で、図1と同等部分には同符号を付してある。図6の実施例は図5の実施例の変形例で、剥離可能部材の役割を容器の一方の容器形成部材で代替している点を除いて、図5の実施例と同様の構成を備える。すなわち、容器形成部材2aは、その容器の内側面に部分的に設けられた剥離可能な粘着層12により、医療用具3の片側表面に仮着されている。図6の実施例の使用方法については、図6c、dに示すように、本質的には図5の実施例と同様な方法を用いる。尚、図6の実施例では、接着層12は2aの側に設けた例を示したが、勿論、2bの側に設けても良く、その選択は容器形成部材の硬さや加工性等を考慮して行うことが好ましい。
【0025】
図7は、医療用具としてガーゼ、絆創膏、創傷用包帯、吸収用当て材等の比較的柔らかく、つまんだ際にその形状が撓み易い医療用パッドを用いる時に好適なつまみ手段を示す。即ち、つまみ手段近傍の医療用パッドの断面形状を変形させ、その断面2次モーメントを上昇させることができるつまみ手段である。図7a、b、cはそれぞれプラスチックを成形したつまみ手段で、あらかじめ定められた形状に医療用パッドの断面形状を誘導することができる。図7aは弾性を有する透明なプラスチック材料から成形されるピンセット状のつまみ手段で、その上側の部材は中央に突出部71を有し、上側の部材と連結された下側の部材は上側の突出部71の両側に並ぶように2つの突出部72、73を有し、突出部71と両突出部72、73との間に挟まれた医療用パッドに、突出部71により下方向へ、両突出部72、73により上方向へ力を作用させることにより、断面形状を弓形に誘導することができる。又、図7b、cは比較的硬質なプラスチック材料を成形したつまみ手段で、図7bは上下の部材74、75が断面U字状、図7cは上下の部材77、78が断面波状に形成され、上下の部材はそれぞれ76、79で連結され、上下の部材間に医療パッドを挟んで力を加えると、医療用パッドの断面形状はそれぞれU字形、波形に誘導することができる。図7dは2つの異なる硬さを有する部材で幅広のピンセット状に構成されたつまみ手段で、一方の部材710に硬質のプラスチックシート、他方の部材711にそれよりも薄くて柔軟なプラスチックシートが使用され、その2つの部材を連結具712で連結している。また部材711は部材710より大きく、部材710より少なくとも左右にはみ出すように形成されているので、大きいほうの部材711を部材710の形状に沿うように変形させ、医療パッドを変形させる時に、指が医療パッドに触れることを防止できる。部材710の医療パッド側、即ち内側には図7b、cに示すような断面を持たせることもできる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、滅菌等の処置をされた医療用具が容器内に封入された状態ではつまみ手段により部分的に挟まれた状態にあるから、開封時にはそのつまみ手段を持って医療用具に全く触れることなく容器外へ取り出すことができ、しかもそのまま患部に適用してつまみ手段を簡単に医療用具から取り外すことができるから、医療用具を製造時の滅菌等の処置状態をそのまま保持しながら、特別の操作技術、器具を要することなく患部に当てることが可能となり、従来医療用具の治療処置に際して必要とした複雑で極めて高度の技術を必要とせず、しかも極めて安全な処置が可能となり、医療処置に要する費用を低減でき、また医療用具は容器内に封入されて保管され、必要に応じ調達できるから、医療用具の保管、準備に要する費用、設備も著しく減ずることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の、aは平面図、bはaのb−b線における側面断面図である。
【図2】図1に示す実施例の使用方法を説明するための図で、aは開封作業を示す斜視図、b、cは医療用具をつまんでいる状態の斜視図である。
【図3】本発明の異なる実施例の、aは平面図、bはaのb−b線における側面断面図、cは開封作業を示す斜視図である。
【図4】本発明のさらに異なる実施例の、aは平面図、bはaのb−b線における側面断面図、c、dは開封作業を示す斜視図である。
【図5】本発明のさらに異なる実施例の、aは平面図、bはaのb−b線における側面断面図、c、dは患部への適用方法を示す斜視図、eはその一部変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明のさらに異なる実施例の、aは平面図、bはaのb−b線における側面断面図、c、dは患部への適用方法を示す斜視図である。
【図7】a〜dは、本発明のつまみ手段の異なる例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 医療用物品
2 容器
2a 容器形成部材
2b 容器形成部材
3 医療用具
4 つまみ手段
5 シール部
6 開封開始箇所
7 接合層
8 剥離可能部材
9 タブ
10 粘着層
11 ネット
12 粘着層
71〜78、710、711 つまみ手段の部材
76、79、712 つまみ手段の連結具
Claims (9)
- 容器と、前記容器内に封入された医療用具とを有し、前記医療用具はつまみ手段により部分的に挟まれた状態で前記容器内に封入され、前記容器を開封することにより前記医療用具は前記つまみ手段を持って容器内から容器外へ取出し得るようになっており、前記つまみ手段は取り出された前記医療用具から分離可能であることを特徴とする医療用物品。
- つまみ手段が容器内に封入されたピンセット状のつまみ手段であることを特徴とする請求項1記載の医療用物品。
- つまみ手段が容器内に封入された筒状のつまみ手段であることを特徴とする請求項1記載の医療用物品。
- つまみ手段の少なくとも一部が容器に接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の医療用物品。
- 容器を構成する材料の一部を容器内側に延設し、その延設部分がつまみ手段として機能することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の医療用物品。
- 医療用具表面の少なくとも一部に付着した剥離可能部材を含み、前記剥離可能部材は医療用具表面に直接触れることなくつまむためのタブを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の医療用物品。
- 医療用具表面の少なくとも一部が容器内面に剥離可能に付着していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の医療用物品。
- 医療用具が扁平なパッドであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の医療用物品。
- 医療用具が扁平なパッドであり、つまみ手段をつまむことによりパッドの断面形状を変形させ、その断面2次モーメントを上昇させることを特徴とする請求項1記載の医療用物品。
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