JP2004321368A - グルコース濃度測定装置 - Google Patents

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守 金子
Tsuguhisa Sasai
嗣久 笹井
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雅也 稗田
Takuya Nakano
琢也 中野
Kohei Sato
弘平 佐藤
Kiyoshi Arifuku
潔 有福
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Abstract

【課題】非侵襲的なグルコース濃度測定装置において、生体の温度変動の影響を抑制して高精度なかつ正確な測定を行うこと。
【解決手段】生体A表面に配置されて、近赤外光を照射光として生体内に照射する光照射部6と、生体内で拡散した拡散光を生体外部において検出する検出器7と、該検出器により検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を求める演算手段18と、前記生体表面の温度を測定する温度センサS1とを備え、前記演算手段が、前記温度センサで測定された温度に応じて前記グルコース濃度を校正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内等のグルコース濃度を非侵襲で測定するグルコース濃度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、糖尿病の判断のために血中グルコース濃度測定が行われており、特に糖尿病患者のインシュリン投与量を決定する血糖値を検査するためにグルコース濃度の測定が行われている。このグルコース濃度の測定は、一般に、指や腕から採取した血液を直接分析することにより行われている。患者の体内における血液中のグルコース濃度は、食事の前後や運動後などの測定条件によって変化するため、正確な血糖値を得るためには、頻繁なグルコース濃度測定が必要である。しかしながら、採血した血液を直接分析する上記方法では、グルコース濃度の測定の度に注射針等を刺して採血しなければならず、患者にかかる負担が大きいという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、指、腕、耳朶などの生体組織に対し、外部から近赤外光を照射して生体内で拡散させ、生体外に出射された光を検出する非侵襲的なグルコース濃度測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の方法は、複数本の発光ファイバと複数本の受光ファイバとを束ねて構成した光ファイババンドルを用意し、該光ファイババンドルを構成する各光ファイバの先端面を生体表面に接触状態に配置する。そして、複数の発光ファイバの先端面から近赤外光を照射することにより、生体内に入射させ、生体内において拡散されて生体表面から生体外に戻る光を複数の受光ファイバにおいて受光するとともに、受光された光のスペクトルを分析することによりグルコースの濃度を算出するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−131322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のグルコース濃度測定技術には、以下の課題が残されている。すなわち、生体から戻る光によりグルコース濃度を求めると、生体の表面温度に応じて値が変動してしまうという不都合がある。例えば、生体の表面温度は、雰囲気温度等により常に変動をしているため、高精度なかつ正確な測定を行うことが困難であった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、生体の温度変動の影響を抑制して高精度なかつ正確な測定を行うことができるグルコース濃度測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のグルコース濃度測定装置は、生体表面に配置されて、近赤外光を照射光として生体内に照射する光照射部と、生体内で拡散した拡散光を生体外部において検出する検出器と、該検出器により検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を求める演算手段と、前記生体表面の温度を測定する温度センサとを備え、前記演算手段が、前記温度センサで測定された温度に基づいて前記グルコース濃度を校正することを特徴とする。
【0008】
このグルコース濃度測定装置では、温度センサにより生体表面の温度を測定し、その温度に基づいてグルコース濃度を校正することができるので、検出時における生体表面温度及びその温度変動の影響を考慮した高精度なかつ正確なグルコース濃度の測定が可能になる。
【0009】
また、本発明のグルコース濃度測定装置は、前記検出器が、前記温度センサで測定された温度の変動が一定の範囲内に収まった際に前記検出を開始することを特徴とする。
すなわち、このグルコース濃度測定装置では、生体表面温度の変動が一定の範囲内に収まった際に検出をスタートするので、温度変動の影響を一定のレベルに抑え、一定の精度が得られる状態でグルコース濃度の測定を行うことができる。
【0010】
また、本発明のグルコース濃度測定装置は、前記生体表面に接触可能とされ前記温度センサで測定された温度に基づいて前記生体表面を加熱冷却してその温度を一定値に調整する温度調整手段を備えていることを特徴とする。
すなわち、このグルコース濃度測定装置では、温度調整手段により、生体表面を加熱冷却することで生体表面温度を所定の値に調整して、温度変動の影響を積極的に抑制することができる。
【0011】
さらに、本発明のグルコース濃度測定装置は、前記温度調整手段が、前記生体表面に接触可能な接触部と、該接触部内に流体を流通させる流体流通機構と、前記流体を加熱冷却して一定の温度に調整する流体温調機構とを備えていることを特徴とする。
すなわち、このグルコース濃度測定装置では、流体流通機構により接触部内に流通される流体を流体温調機構により温度制御するので、熱容量の大きな流体によって生体表面の温度を一定に維持することが容易となる。なお、流体の温度は、温度センサで測定された生体表面の温度に基づいて調整しても良いし、また予め所定の温度になるように設定しても構わない。
【0012】
また、本発明のグルコース濃度測定装置は、前記検出器の温度を調整すると共に放熱部を有する検出器温調機構を備え、前記流体流通機構が、前記放熱部と前記流体とが接触可能に流体を流通させる流体流路を有していることを特徴とする。
すなわち、このグルコース濃度測定装置では、検出器温調機構の放熱部と流体とが接触可能に流体を流通させる流体流路を有しているので、放熱部からの熱も利用して流体の温度調整を図ることができると共に、流体により放熱部の熱を効率的に吸収することができる。
また、放熱部と流体とが直接的に熱的結合されるため、高い熱交換効率を得ることができる。
【0013】
また、本発明のグルコース濃度測定装置は、前記照射光の光路を遮断可能に開閉するシャッターを備え、該シャッターが、前記検出時以外は前記光路を遮蔽するように制御されていることを特徴とする。
すなわち、このグルコース濃度測定装置では、検出時以外はシャッターが光路を遮蔽するので、検出時以外に照射光が生体表面に照射されて生じる生体表面温度の上昇を防ぐことができる。
【0014】
また、本発明のグルコース濃度測定装置は、前記検出器が、複数設けられ、前記演算手段が、複数の前記検出器のうち検出された光のスペクトルの変動が最も小さいものの検出結果から前記グルコース濃度を求めることを特徴とする。
すなわち、このグルコース濃度測定装置では、複数の検出器のうち検出された光のスペクトルの変動が最も小さいものの検出結果からグルコース濃度を求めることにより、検出器が測定している複数の部位のうち、温度が安定している部位を選択して高精度なグルコース濃度を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るグルコース濃度測定装置の第1実施形態を、図1を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態のグルコース濃度測定装置1は、図1に示すように、測定ヘッド2と、該測定ヘッド2に接続される制御本体3と、該制御本体3に接続される表示部4と、測定端面2aの開口部2bに設けられ近赤外光を透過可能な窓部材Wとを備えている。
上記測定ヘッド2は、測定端面2aに開口する開口部2bを有する空洞部5内に、その中央に配置された光照射部6と、該光照射部6の周囲に配置されたPbS(硫化鉛)センサ(検出器)7とを備えている。
また、測定ヘッド2には、生体Aの表面温度を測定する温度センサS1が設けられている。この温度センサS1は熱電対であり、外周面が断熱材8で覆われ、測定ヘッド2に形成された挿入孔2c内に挿入されて測定端面2aに先端が露出した状態で固定されている。
【0017】
上記光照射部6は、円形横断面を有する中空の円筒状部材であって、その内側にアルミ蒸着処理が施され、その先端開口6aが上記測定端面2a近傍に配置されている。これにより、光照射部6内に入射された光は、光照射部6の内面において反射されながら、先端開口6aから出射されるようになっている。
上記PbSセンサ7は、円形横断面を有する円筒状に形成されており、光照射部6の周囲に複数個配置されている。なお、本実施形態では、PbSセンサ7として、例えば、P2532−01(浜松ホトニクス社製)が使用される。また、PbSセンサの代わりにInGaAsPINフォトダイオード(例えば、G5853−103:浜松ホトニクス社製)を使用しても良い。
【0018】
また、測定ヘッド2には、PbSセンサ7を冷却して温度を調整するペルチェ素子等の電子冷却素子(検出器温調機構)がPbSセンサ7内に設けられ、測定ヘッド2の側面にはPbSセンサ7を冷却するヒートシンク(放熱部)9aが設けられている。
なお、上記窓部材Wは、PbSセンサ7への外光の入射を防止する可視光カットフィルタである。
【0019】
上記制御本体3は、ハロゲンランプなどの光源10と、該光源10から発せられた光をコリメートするコリメートレンズ11と、コリメートされた光を一定の偏光方向に偏光するポーラライザ12と、入力された高周波の周波数に応じて、ポーラライザ12で偏光された光を分光して特定の波長を光(近赤外光)のみをさらに偏光して出射する音響光学可変波長フィルタ(AOTF:Acousto−Optic Tunable Filter)13と、該音響光学可変波長フィルタ13に高周波を供給して制御するフィルタ制御部14と、音響光学可変波長フィルタ13において偏光された特定の波長の光のみを通過させるアナライザ15と、該アナライザ15を通過させられた光を集光して上記光照射部6に入射させる集光レンズ16と、PbSセンサ7からの出力信号を増幅するアンプ17と、該アンプ17により増幅された出力信号に基づいてグルコース濃度を算出する演算部(演算手段)18とを備えている。なお、図中、符号19はPbSセンサ7からアンプ17に接続される配線である。
【0020】
また、光照射部6と集光レンズ16との間の照射光光路上に、シャッターSHが進退可能に設けられている。すなわち、このシャッターSHは、進退動作によって照射光の光路を遮断可能であり、グルコース濃度検出時以外は上記光路を遮蔽するように駆動部Mにより制御されている。
上記フィルタ制御部14は、音響光学可変波長フィルタ13に対して特定の周波数の高周波を供給するのと同期して、その周波数に応じて音響光学可変波長フィルタ13から出射されている光の波長信号を演算部18に供給するようになっている。また、フィルタ制御部14は、音響光学可変波長フィルタ13に供給する高周波の周波数を順次変更するようになっている。
【0021】
上記演算部18は、アンプ17から得られた複数の出力信号と、フィルタ制御部14から得られた各出力信号に対応する波長信号とから得られる出力信号のスペクトル分布に基づいて、特定波長、例えば波長1.5μm近傍の領域における出力信号値からグルコース濃度を演算するようになっている。
また、演算部18は、温度センサS1と接続されており、温度センサS1で測定された生体Aの表面温度に基づいて上記グルコース濃度の校正演算処理を行う。例えば、基準とする温度から生体Aの表面温度がずれている場合は、予め求めてある補正係数に基づいてグルコース濃度の校正を行う。また、検出中に生体Aの表面温度が変動した場合、その間の平均温度を求めて校正するように設定しても構わない。また、上記温度変動に応じて変動した検出値を温度変動に合わせて校正するように設定してもよい。
【0022】
上記表示部4は、演算部18に接続されたディスプレイであって、演算部18から出力されたグルコース濃度値を表示するようになっている。また、この表示部4は、温度センサS1で測定された生体Aの表面温度を選択して表示することもできるようになっている。
【0023】
このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1によるグルコース濃度の測定方法について、以下に説明する。
【0024】
本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1を用いて生体A内の体液のグルコース濃度を測定するには、測定ヘッド2の測定端面2aを生体A、例えば、指先の表面に密着させる。これにより、測定端面2aに設けられた窓部材W及び温度センサS1先端が、生体Aの表面に密着及び接触させられる。なお、測定部位は、指先の他、手の掌、前腕でもよい。
この状態で、温度センサS1により生体A表面の温度を測定し、その温度の変動が予め設定してある一定の範囲内に収まるのを待ってPbSセンサ7によりグルコース濃度の検出を開始する。
【0025】
生体A表面の温度変動が一定の範囲内に収まった状態となった後、光源10および音響光学可変波長フィルタ13を作動させ、光源10から発せられた光から近赤外光を分光して光照射部6に入射させる。光照射部6に入射させた近赤外光は、光照射部6の先端面から出射されることにより、窓部材Wを透過し、生体Aの表面から生体A内に入射させられる。なお、シャッターSHにより、グルコース濃度検出のみ上記光路を開き、グルコース濃度検出時以外は上記光路が遮蔽されて、照射光が生体A表面に照射されることを防いでいる。
【0026】
生体A内に入射された近赤外光の照射光は、入射方向に沿って生体A内を進行する間に、生体組織に衝突して拡散される。生体A内の光は、通過する生体組織や体液の成分に応じて、特定の波長領域の光が吸収される。したがって、生体A内で拡散されることにより、生体Aの表面に戻って生体A外に出射された拡散光は、通過した生体組織や体液に応じた特定の波長領域の光量が低下している。
そして、このように生体A外に出射された拡散光をPbSセンサ7により検出し、該PbSセンサ7からの出力信号がアンプ17によって増幅された後に演算部18に入力される。一方、温度センサS1により生体Aの表面温度が同時に測定され、演算部18に入力される。
【0027】
演算部18は、入力されたPbSセンサ7からの出力信号及び生体Aの表面温度に基づいて生体A内のグルコース濃度を計算する。すなわち、PbSセンサ7からの出力信号に基づいて計算されたグルコース濃度を、生体Aの表面温度に応じた補正係数により校正して、正確なグルコース濃度を計算する。そして、計算されたグルコース濃度が、表示部4に表示されることになる。
【0028】
このように本実施形態に係るグルコース濃度測定装置1では、温度センサS1により生体A表面の温度を測定し、その温度に基づいてグルコース濃度を校正することができるので、検出時における生体Aの表面温度及び温度変動の影響を考慮した高精度なかつ正確なグルコース濃度の測定が可能になる。
また、生体A表面温度の変動が一定の範囲内に収まった際に検出をスタートするので、温度変動の影響を一定のレベルに抑え、一定の精度が得られる状態でグルコース濃度の測定を行うことができる。
また、検出時以外はシャッターSHが照射光の光路を遮蔽するので、検出時以外に照射光が生体A表面に照射されて生じる生体Aの表面温度の上昇を防ぐことができる。
【0029】
次に、本発明に係るグルコース濃度測定装置の第2実施形態について、図2を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0030】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、熱電対の温度センサS1により生体Aの表面温度を測定するのに対し、第2実施形態のグルコース濃度測定装置20では、図2に示すように、温度センサとして焦電センサS2により生体Aの表面温度を測定する点である。すなわち、本実施形態では、光照射部6と集光レンズ16との間に光路上に焦電センサS2が進退可能に配設されている。
【0031】
上記焦電センサS2は、モータ等からなる駆動機構(図示略)に接続されており、この駆動機構により上記光路上に進退可能とされている。また、焦電センサS2は、演算部18と電気的に接続されており、生体A表面からの赤外線を光照射部6を介して受光し、電気信号として演算部18へ生体A表面の温度情報として出力するものである。なお、焦電センサS2は、照射光を照射してグルコース濃度を検出する直前又は直後に駆動機構により上記光路上に移動させられて生体A表面の温度を測定し、グルコース濃度の検出時には上記光路上から退避するように設定されている。
【0032】
したがって、本実施形態では、焦電センサS2を温度センサとして用い、生体A表面の温度を赤外線によって測定し、グルコース濃度の校正を行うことができる。
なお、焦電センサS2を上記光路上から外れた位置に配置し、上記光路上にビームスプリッタ等を配設して、生体A表面からの赤外線を上記光路上から分岐して焦電センサS2へ導くように設置しても構わない。
【0033】
次に、本発明に係るグルコース濃度測定装置の第3実施形態について、図3を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では単に温度センサS1で得られた生体Aの表面温度に基づいてグルコース濃度の校正を行っているのに対し、第3実施形態のグルコース濃度測定装置30では、図3に示すように、温度センサS1で生体A表面の温度を測定するだけでなく、生体A表面を加熱冷却してその温度を一定値に調整する温度調整手段31を備えている点である。
【0035】
すなわち、本実施形態の温度調整手段31は、測定ヘッド2に設けられ生体A表面に接触可能な接触部33と、該接触部33内に循環水(流体)Lを流通させる流体流通機構34と、循環水Lを加熱冷却して一定の温度に調整する恒温槽(流体温調機構)35とを備えている。
上記接触部33は、測定ヘッド2の測定端面2a周囲に設けられていると共に内部に循環水Lの内部流路(流体流路)33aを有している。また、接触部33は、内部流路33aに上記ヒートシンク9aが露出状態に形成され、流通する循環水Lと接触可能になっている。
【0036】
上記流体流通機構34は、内部流路33aに接続され循環水Lを流通させる流通管(流体流路)36と、該流通管36に接続され循環水Lの流通を行うポンプPと、流通管36に接続され流通する循環水Lを加熱冷却して温度調整を行う恒温槽35とを有している。該恒温槽35は、内部の循環水Lを加熱するヒータ35aと、該ヒータ35aを制御するヒータ制御部35bとを有している。該ヒータ制御部35bは、制御本体3に接続され、制御本体3を介して温度センサS1から入力される生体A表面の温度に基づいてヒータ35aのオン/オフを行い、制御本体3から予め入力された設定温度になるように循環水Lの温度を調整する機能を有している。なお、本実施形態では、循環水Lの温度調整としてヒータ35aを用いているが、ヒータだけでなく冷却機能を備えたものとしても構わない。
【0037】
次に、このように構成された本実施形態に係るグルコース濃度測定装置30によるグルコース濃度の測定方法について、以下に説明する。
【0038】
まず、生体A表面に測定ヘッド2を当接させると共に温度センサS1により生体A表面の温度を測定する。また、同時に、ポンプPを駆動させて恒温槽35内の循環水Lを、流通管36を介して接触部33の内部流路33aへと流通させる。このとき、ヒータ制御部35bは、温度センサS1で得られた生体Aの表面温度に基づいて予め制御本体3から入力された設定温度となるようにヒータ35aを制御する。これにより、接触部33と恒温槽35との間を循環する循環水Lにより、接触部33全体が循環水Lの設定温度とほぼ同じ温度となる。
【0039】
なお、本実施形態では、循環水Lの設定温度が雰囲気温度と生体Aの内部温度との間の温度になるように設定されている。例えば、雰囲気温度が25℃であって、生体Aの内部温度が36℃である場合、循環水Lの設定温度を25℃から36℃までの間の温度に設定する。本実施形態では、設定温度を30℃に設定している。
このように循環水Lの温度が雰囲気温度と生体Aの内部温度との間になるように設定されているので、循環水Lの温度が生体A表面の温度に近い値に調整されることになり、循環水Lと生体A表面との温度差が小さくなり温度変動をより小さくすることが可能になる。
【0040】
また、接触部33に接触した生体Aの表面温度も、接触部33内への循環水Lの流通により、循環水Lの設定温度近くの安定した温度となる。温度センサS1により測定していた生体Aの表面温度が、設定温度近くでかつ変動が予め設定していた一定範囲内に収まった状態になった際、第1実施形態と同様に制御本体3によりグルコース濃度の検出が開始される。
【0041】
このように本実施形態では、温度調整手段31により、生体A表面を加熱冷却することで生体Aの表面温度を所定の値に調整して、温度変動の影響を積極的に抑制することができる。また、流体流通機構34により接触部33内に循環水Lを流通させるので、熱容量が大きい循環水Lによって生体A表面の温度を一定に維持することが容易となる。
【0042】
さらに、内部流路33aによりヒートシンク9aと循環水Lとが接触させられるので、ヒートシンク9aからの熱も利用して循環水Lの温度調整を図ることができると共に、循環水Lによりヒートシンク9aの熱を効率的に吸収することができる。また、ヒートシンク9aと循環水Lとが直接的に熱的結合されるため、高い熱交換効率を得ることができる。
【0043】
次に、本発明に係るグルコース濃度測定装置の第4実施形態について、図4を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第3実施形態では一つの測定ヘッド2でグルコース濃度の検出を行っているのに対し、第4実施形態のグルコース濃度測定装置40では、図4に示すように、複数の測定ヘッド2を備えた測定ヘッドユニット42により、複数の測定ヘッド2のうち検出された光のスペクトルの変動が最も小さいものの検出結果からグルコース濃度を求める点である。
【0045】
すなわち、本実施形態では、測定ヘッドユニット42に搭載された複数の測定ヘッド2全てが一つの制御本体3に接続されており、制御本体3内の演算部18において全測定ヘッド2の各PbSセンサ7のうち検出された光のスペクトルの変動が最も小さいものを自動検出して、当該検出結果からグルコース濃度を求めている。
【0046】
なお、全測定ヘッド2の各接触部43は、互いに内部流路43aが連結されており、恒温槽35からの循環水Lが全測定ヘッド2の接触部43を循環するようになっている。
また、第3実施形態では、集光レンズ16から直接的に照射光を光照射部6に導入しているのに対し、本実施形態では、集光レンズ16からの照射光を複数の光ファイバFに分岐入射して各光ファイバFから各測定ヘッド2の光照射部6に照射光を導入するようになっている。
【0047】
このように本実施形態では、複数の測定ヘッド2のうち検出された光のスペクトルの変動が最も小さいものの検出結果からグルコース濃度を求めることにより、測定ヘッド2が測定している複数の部位のうち、温度が安定している部位を自動的に選択して高精度なグルコース濃度を得ることができる。
なお、測定ヘッドユニット42としては、例えば便座等に適用し、各測定ヘッド2の測定端面2aを便座上面に配設してもよい。
【0048】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0049】
例えば、上記各実施形態では、光照射部6として中空の円筒状部材を採用したが、これに代えて、無水石英からなる光ロッドを採用してもよい。
また、光源10から入力する光の光量を矩形波状にオンオフ変化させることや音響光学可変波長フィルタ13に印加する高周波を断続的にすることで、PbSセンサ7によって検出されアンプ17からの出力信号に、照射時の信号成分と非照射部の信号成分とを交互に発生させ、これらの信号成分どうしを差し引きすることで、暗電流によるノイズ成分や0次光のもれを除去して、S/N比を向上させるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るグルコース濃度測定装置によれば、温度センサにより生体表面の温度を測定し、その温度に基づいてグルコース濃度を校正することができるので、検出時における生体表面温度及びその温度変動の影響を考慮したグルコース濃度の測定が可能になる。したがって、体温の変化や雰囲気温度の影響等によって生体表面の温度が変化しても安定して高精度なグルコース濃度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概要図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態のグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概要図である。
【図3】本発明に係る第3実施形態のグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概要図である。
【図4】本発明に係る第4実施形態のグルコース濃度測定装置の全体構成を示す概要図である。
【符号の説明】
1、20、30、40 グルコース濃度測定装置
6 光照射部
7 PbSセンサ(検出器)
18 演算部(演算手段)
9a ヒートシンク(放熱部)
34 流体流通機構
L 循環水(流体)
33a、43a 内部流路(流体流路)
31 温度調整手段
33、43 接触部
35 恒温槽(流体温調機構)
36 流通管(流体流路)
A 生体
S1 温度センサ
S2 焦電センサ(温度センサ)
SH シャッター
W 窓部材

Claims (7)

  1. 生体表面に配置されて、近赤外光を照射光として生体内に照射する光照射部と、生体内で拡散した拡散光を生体外部において検出する検出器と、該検出器により検出された光のスペクトルに基づいて生体内のグルコース濃度を求める演算手段と、
    前記生体表面の温度を測定する温度センサとを備え、
    前記演算手段が、前記温度センサで測定された温度に応じて前記グルコース濃度を校正することを特徴とするグルコース濃度測定装置。
  2. 前記検出器が、前記温度センサで測定された温度の変動が一定の範囲内に収まった際に前記検出を開始することを特徴とする請求項1に記載のグルコース濃度測定装置。
  3. 前記生体表面に接触可能とされ前記温度センサで測定された温度に基づいて前記生体表面を加熱冷却してその温度を一定値に調整する温度調整手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のグルコース濃度測定装置。
  4. 前記温度調整手段が、前記生体表面に接触可能な接触部と、
    該接触部内に流体を流通させる流体流通機構と、
    前記流体を加熱冷却して一定の温度に調整する流体温調機構とを備えていることを特徴とする請求項3に記載のグルコース濃度測定装置。
  5. 前記検出器の温度を調整すると共に放熱部を有する検出器温調機構を備え、
    前記流体流通機構が、前記放熱部と前記流体とが接触可能に流体を流通させる流体流路を有していることを特徴とする請求項4に記載のグルコース濃度測定装置。
  6. 前記照射光の光路を遮断可能に開閉するシャッターを備え、
    該シャッターが、前記検出時以外は前記光路を遮蔽するように制御されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のグルコース濃度測定装置。
  7. 前記検出器が、複数設けられ、
    前記演算手段が、複数の前記検出器のうち検出された光のスペクトルの変動が最も小さいものの検出結果から前記グルコース濃度を求めることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のグルコース濃度測定装置。
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