JP2004321356A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】全てのコモン線を有効利用することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の遊技機によれば、電飾制御基板55に備えた全てのコモン線1〜8を表示枠体23に備えた各種ランプ201〜205のLED1A〜LED13の何れかに接続したので、空いたコモン線をなくすことができる。また、空いたコモン線から不正な信号が入力されるのを規制することができる。また、電飾制御基板55に備えられた8つのコモン線1〜8のうち、コモン線1,6と、コモン線2,7とコモン線3,8は、同時に通電されるので、8つのコモン線1〜8を1つずつ順番に通電した場合と比較して、各コモン線1〜8への通電頻度が高くなって、コモン線1〜8に接続されたLED1A〜LED13の光度を高めることができる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コモン線及びセグメント線の間に発光素子を接続して点灯制御する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として、複数のコモン線と複数のセグメント線のうち何れかのコモン線とセグメント線との間に発光素子を割り付けておき、複数のコモン線を順次に選択すると共に選択されたコモン線に対応するセグメント線を指定することによってコモン線及びセグメント線の間を通電して電飾体に備えた発光素子を点灯する遊技機が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−219217号公報(請求項1、段落[0027]〜[0031]、[0038]〜[0044]、第6図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の遊技機では、コモン線とセグメント線との系統数を増やすために、コモン線の数を増やしていたが、コモン線の数が増えるとソフト制御にてコモン線の選択数が増加して、1つのコモン線あたりの通電頻度が少なくなり、発光素子の光度が低くなるという問題があった。
【0005】
また、複数の発光素子を同時に点灯制御する場合には、それら発光素子を共通したコモン線に接続していた。そして、複数のコモン線のうち、使用するコモン線の数を少なくする場合には、制御基板に実装されたコモン線の接続端子部の一部を未使用として、空き状態にする可能性があった。その理由としては、遊技機の各機種毎にコモン線の数を変更すると設計コストがかかるので、汎用性を持たせるためにコモン線の数に余裕を持たせたためである。しかしながら、空きのコモン線の接続端子部から不正な信号が入力される虞があるので、空きの接続端子部が存在することは好ましくはない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、全てのコモン線を有効利用することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、複数のコモン線と複数のセグメント線とを設け、それらコモン線及びセグメント線のうち選択されたコモン線とセグメント線との間を通電可能とすると共に、複数の発光素子を何れかのコモン線とセグメント線との間に割り付けて接続し、コモン線とセグメント線との間を通電することにより発光素子が点灯可能に構成され、複数のコモン線を順次に選択すると共に選択されたコモン線に対応するセグメント線を指定することによって複数の発光素子を点灯制御する遊技機において、全てのコモン線及びセグメント線は、何れかの発光素子に接続され、複数のコモン線及び複数のセグメント線は、全て選択可能に構成されると共に、少なくとも2つ以上のコモン線と少なくとも1つのセグメント線とを同じタイミングで選択する複数コモン選択手段を備えたところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機において、コモン線とセグメント線との間に、複数の発光素子を直列接続したところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、同じタイミングで通電される複数のコモン線に接続された複数の発光素子を1つのセグメント線に並列接続したところに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機において、全てのコモン線及びセグメント線が複数コモン選択手段によって、少なくとも2つ以上のコモン線と少なくとも1つのセグメント線とが同じタイミングで選択されるように構成したところに特徴を有する。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の遊技機において、同じタイミングで通電される複数のコモン線にそれぞれ接続された複数の発光素子を、共通の電飾部品に組み付けて備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の遊技機において、同じタイミングで通電される複数のコモン線にそれぞれ接続された複数の発光素子を、異なる電飾部品に組み付けて備えたところに特徴を有する。
【0013】
請求項7の発明は、請求項4乃至6の何れかに記載の遊技機において、各電飾部品に設けられて、発光素子が実装された電飾基板と、複数コモン選択手段を有する電飾制御装置と、電飾制御装置と電飾基板との間にコネクタ接続されると共に、所定のセグメント線同士の接続部を有した中継基板とを備えたところに特徴を有する。
【0014】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の遊技機では、全てのコモン線及びセグメント線を、何れかの発光素子に接続することで空いたコモン線及びセグメント線をなくすことができる。これにより、従来の遊技機のように空いたコモン線及びセグメント線の接続端子部からの不正な信号の入力を規制することが可能になる。また、コモン線及びセグメント線は、全て選択可能に構成されたので、全てのコモン線及びセグメント線が有効利用される。そして、複数コモン選択手段により少なくとも2つ以上のコモン線が同じタイミングで通電されるので、複数のコモン線を順次に1つずつ通電する場合より、各コモン線の通電頻度が高まり、各コモン線に接続された発光素子の光度を上げることが可能になる。
【0015】
<請求項2の発明>
請求項2の遊技機では、コモン線とセグメント線との間に複数の発光素子を直列接続したので、少ない系統数、即ち、コモン線及びセグメント線の少ない組み合わせ数で、複数の発光素子を点灯することが可能になる。
【0016】
<請求項3の発明>
請求項3の遊技機では、同じタイミングで通電される複数のコモン線に接続された複数の発光素子を、共通の1つのセグメント線に並列接続したので、1つのセグメント線の選択によって同時に複数の発光素子を点灯制御が可能となる。また、従来の遊技機において未使用であったコモン線を使用することで、空き状態のコモン線の接続端子部をなくすことができるので、空きの接続端子部からの不正な信号の入力を規制することができる。
【0017】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、全てのコモン線が2つ以上ずつ同じタイミングで選択されるので、各コモン線への通電頻度をより高めることが可能となる。
【0018】
<請求項5の発明>
請求項5の遊技機によれば、同じ電飾部品に備えた複数の発光素子を同時に点灯することで、その電飾体の光度を上げることができる。
【0019】
<請求項6の発明>
請求項6の遊技機によれば、異なる電飾部品に分散配置された複数の発光素子を同時に点灯することが可能となる。また、発光素子を異なる電飾部品に組み付けたことで、発光素子の配置の自由度が向上する。
【0020】
<請求項7の発明>
請求項7の遊技機では、中継基板を変更することで容易にセグメント線同士の接続構造を変更することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機に係る一実施形態を、図1〜図12に基づいて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機は、図1に示した前面枠90の後面側に図2に示した遊技機本体91を組み付けてなる。図1に示すように、前面枠90の前面には、ガラス枠92が開閉可能に取り付けられており、そのガラス枠92に形成したガラス窓93を通して、遊技機本体91に備えた遊技盤40を見ることができる。遊技盤40には、ガイドレール25で囲まれたほぼ円形の遊技領域R1が形成され、中央部には、表示装置26が備えられている。遊技領域R1のうち表示装置26の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域R1のうち表示装置26を挟んだ左右の両側には、上から順に、ランプ風車17、始動ゲート18、風車19、一般入賞口20,21が設けられ、遊技領域R1全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。また、ガイドレール25に沿った両側端部には、サイドランプ22,22が設けられている。
【0022】
ガラス枠92のうち、ガラス窓93よりも上側の部分には、遊技領域R1の上縁部に沿って円弧状をなしたガラス枠上部ランプ35が設けられ、ガラス枠92の両角部にはガラス枠コーナーランプ116が設けられている。また、ガラス枠92の両側部には、ガラス枠サイドランプ115が備えられている。
【0023】
ガラス枠92のうちガラス窓93より下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。そして、下皿27Bの右端部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技盤40に向けて弾き出される。また、上皿27Aに設けたボタン29を押せば、上皿27Aから下皿27Bに遊技球が移動して収容される。そして、上皿27Aの両側にはスピーカ59Sが備えられている。
【0024】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵したゲートスイッチ30(図4参照)によって検出される。そして、その検出信号に基づいて、後述する普通図柄表示領域24の図柄が変動表示される。
【0025】
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が約1つ入る大きさになっている。そして、ゲートスイッチ30への遊技球の通過を起因に遊技盤40の裏に設けたソレノイドが駆動されると、可動翼片14C,14Cが横に倒され、遊技球が可動翼片14Cに案内されて始動入賞口14に入り得る状態になる。
【0026】
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた始動口センサ31(図4参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて表示装置26が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置26が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14に入賞した入賞球は、4個まで保留記憶される。そして、表示装置26に備えられた保留ランプ204(図3参照)の点灯数でもって保留記憶数が遊技者に報知される。
【0027】
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、後述する所定条件の成立によって、パチンコ遊技機が「大当たり状態」になると、遊技盤40の裏に設けたソレノイド15S(図4参照)が駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能になる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が29秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。
【0028】
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられており、大当たり状態となると、これら継続入賞口及び計数入賞口が開放される。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイド15S(図4を参照)が駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサ32(図4を参照)が遊技球の入賞を検出すると継続権利が発生して、前述した終了条件(可動扉15Tの開放時間が29秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか)を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ33(図4参照)が遊技球の入賞を検出すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。
【0029】
表示装置26は、全体として枠形構造をなした表示枠体23の後端面に、図示しない液晶モジュール(詳細には、TFT−LCDモジュール)を組み付けてなる。液晶モジュールのうち表示枠体23によって取り囲まれた前面部分は、表示部13Aとなっており、遊技者は、表示枠体23を通して表示部13Aに表示された画像を見ることができる。
【0030】
表示部13Aには、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄80,81,82が、横並びに表示されている。これら各特別図柄80,81,82は、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄80,81,82ごと、所定の種類のものが、表示部13Aに停止表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに当否判定し、各特別図柄80,81,82が、上下方向にスクロールして変動表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄80,81,82が停止表示される。このとき、例えば、当否判定の結果が当たりで全ての特別図柄80,81,82が同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になり、可動扉15Tが開かれる。
【0031】
表示部13Aのうち、特別図柄80,81,82の表示領域の左下隅には、普通図柄表示領域24が設けられている。この普通図柄表示領域24は、始動ゲート18内に設けたゲートスイッチ30(図4参照)が遊技球の通過を検出したときに当否判定して、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、前記始動入賞口14に設けた前記可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。なお、普通図柄表示領域24で表示する図柄は、数字に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
【0032】
一方、表示枠体23は、上辺から両側部の途中に亘った部分が遊技盤40から突出している。また、表示枠体23の下辺には、ステージ77が設けられ遊技球が転動可能となっている。
【0033】
図2に示すように、パチンコ遊技機の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50に重なるようにして、電飾制御基板55、音声制御基板59及び表示制御基板57が設けられている。また、これら各基板50,55,57,59の下方には、電源基板70や払出制御基板58、発射制御基板56等の種々の制御基板が設けられている。
【0034】
次いで、図4を参照しつつ本実施形態のパチンコ遊技機の電気的な構成について説明する。主制御基板50は、CPU51AとROM51B及びRAM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備える。
【0035】
主制御基板50には、定期リセット回路が備えられ(図示せず)、周期的(例えば、2msecごと)に割り込みパルスをワンチップマイコン51に出力する。ワンチップマイコン51は、割り込みパルスを受ける度に、ROM51Bに記憶した種々のプログラムをランする。
【0036】
ワンチップマイコン51は、入出力回路54を介して、前述した入賞球を検出するためのスイッチ30及びセンサ31,32,33等から信号を受けると共に、ランした種々のプログラムに従って、電飾制御基板55、音声制御基板59、表示制御基板57、払出制御基板58等に制御信号を出力して各部位を制御する。
【0037】
表示制御基板57は、主制御基板50から受けた信号を表示用CPU61で処理すると共に、表示用CPU61の処理結果に基づき、VDP(図示せず)が画像データを生成して、これを表示部13Aへと出力する。
【0038】
払出制御基板58は、主制御基板50のワンチップマイコン51から受けた信号に基づき、所定数の遊技球を賞球として、前記上皿27Aに払い出す。
【0039】
発射制御基板56は、操作ノブ29に備えたタッチスイッチ60からの信号に基づき、発射モータ62を駆動して遊技領域R1に向けて遊技球を発射する。
【0040】
電源基板70は、パチンコホールに備えられたAC24V設備電源から受電している。具体的には、各パチンコ遊技機の電力ケーブル83(図2を参照)が、AC24V設備電源に接続されている。そして、この電源基板70から、各基板50,55〜59に電力が給電される。
【0041】
音声制御基板59は、主制御基板50のワンチップマイコン51から受けた信号に基づき、スピーカ59Sから音声を出力する。
【0042】
さて、電飾制御基板55は、8つのコモン線1〜8と8つのセグメント線a〜hとを少なくとも備え、電飾制御基板55に備えた図示しない電飾用CPUがワンチップマイコン51から受けた信号に基づいて後に詳説する所定のパターンで、順次に何れかのコモン線及びセグメント線を選択する構成になっている。そして、選択されたコモン線とセグメント線との間が通電することで、それらコモン線とセグメント線との間に接続された電飾部品が駆動される。
【0043】
本実施形態のパチンコ遊技機では、本発明の「電飾部品」として図3に示すように、ステージランプ201、枠左側ランプ202、枠右側ランプ203、枠中央ランプ205、及び保留ランプ204が備えられており、これらランプ201〜205に内蔵された本発明の「発光素子」としてのLED1A〜LED13が上記した電飾制御基板55によって点灯される。そして、これら各種ランプ201〜205は、例えば、客待ち待機中、特別図柄80,81,82の変動表示中、大当たり遊技中、始動入賞口14への入球に基づく保留記憶がある場合等に点灯する。
【0044】
ステージランプ201は、図3に示すように、表示枠体23のうちステージ77の奥側に配置されている。ステージランプ201の内部には、図6(A)に示すように、LED1A,1Bを実装した電飾基板101が設けられている。そして、表示枠体23のうち、これらLED1A,1Bに対向した部分が透光部材で構成されている。電飾基板101には、コネクタCN1が備えられ、このコネクタCN1には、電飾制御基板55に備えられたコモン線1,6に接続される2つのコモン端子T1,T6と、電飾制御基板55のセグメント線hに接続される1つのセグメント端子Thとが設けられている。そして、LED1Aのアノードがコモン端子T1に接続されると共に、LED1Bのアノードがコモン端子T6に接続され、それら両LED1A,1Bのカソードがセグメント端子Thに並列接続されている。
【0045】
ここで、LED1A,1Bは、コモン線1とコモン線6の2つのコモン線にそれぞれ接続され、共に1つのセグメント線hに接続されている(図11を参照)。即ち、2つのコモン線と1つのセグメント線とを、後述する電飾制御プログラムM(本発明の「複数コモン選択手段」に相当する)によって同時タイミングで選択して通電すると、LED1A,1Bを同じタイミングで点灯することができる。また、従来のパチンコ遊技機のように、LED1A,1Bの両方をコモン線1に接続した構成も考えられるが、本実施形態のように、これらLED1A,1Bを2つのコモン線1とコモン線6とに分けて接続することで、従来のパチンコ遊技機では未使用であったコモン線6を有効利用することができる。
【0046】
枠左側ランプ202は、図3に示すように、表示枠体23の上辺の左寄り位置に配設されている。枠左側ランプ202の内部には、図6(B)に示すように、LED2A,2B,3A,3Bを実装した電飾基板102が設けられている。そして、表示枠体23のうちこれらLED2A,2B,3A,3Bに対向した部分が透光部材で構成されている。電飾基板102には、コネクタCN2が備えられ、このコネクタCN2には、電飾制御基板55のコモン線2,7に接続される2つのコモン端子T2,T7と、電飾制御基板55のセグメント線f,eに接続される2つのセグメント端子Tf,Teが設けられている。そして、LED2A,3Aのアノードがコモン端子T2に並列接続されると共に、LED2B,3Bのアノードがコモン端子T7に並列接続されている。また、LED2A,2Bのカソードが、セグメント端子Tfに並列接続されると共に、LED3B,3Bのカソードがセグメント端子Teに並列接続されている。
【0047】
ここで、LED2A,3AとLED2B,3Bは、それぞれコモン線2とコモン線7とに接続され、LED2AとLED2Bがセグメント線fに接続され、LED3AとLED3Bがセグメント線eに接続されている(図11を参照)。即ち、2つのコモン線と2つのセグメント線とを、電飾制御プログラムMにより同時タイミングで選択して通電すると、LED2A,3AとLED2B,3Bとを同じタイミングで点灯することが可能となる。そして、本実施形態のような構成とすることで、従来のパチンコ遊技機では未使用であったコモン線7を有効利用することができる。
【0048】
枠右側ランプ203は、図3に示すように、表示枠体23の上辺の右寄り位置に配設されている。枠右側ランプ203の内部には、図6(C)に示すように、LED4A,4B,5A,5Bを実装した電飾基板103が設けられている。そして、表示枠体23のうち、これらLED4A,4B,5A,5Bに対向した部分、即ち、表示枠体23が透光部材で構成されている。電飾基板103には、コネクタCN3が備えられ、このコネクタCN3には、電飾制御基板55のコモン線3,8に接続される2つのコモン端子T3,T8と、電飾制御基板55のセグメント線e,dに接続される2つのセグメント端子Te,Tdが設けられている。そして、LED4A,5Aのアノードがコモン端子T3に並列接続されると共に、LED4B,5Bのアノードがコモン端子T8に並列接続されている。また、LED4A,4Bのカソードが、セグメント端子Teに並列接続されると共に、LED5B,5Bのカソードがセグメント端子Tdに並列接続されている。
【0049】
ここで、LED4A,5AとLED4B,5Bは、それぞれコモン線3とコモン線8とに接続され、LED4AとLED4Bがセグメント線eに接続され、LED5AとLED5Bがセグメント線dに接続されている(図11を参照)。即ち、2つのコモン線と2つのセグメント線とを、電飾制御プログラムMにより同時タイミングで選択して通電すると、LED4A,5AとLED5B,5Bとを同じタイミングで点灯することが可能となる。そして、本実施形態のような構成とすることで、従来のパチンコ遊技機では未使用であったコモン線8を有効利用することができる。
【0050】
保留ランプ204は、図3に示すように、表示枠体23の両側部に配設されている。保留ランプ204の内部には、図7(A)に示すように、LED6,7,12,13を実装した電飾基板104が設けられている。そして、表示枠体23のうち、これらLED6,7,12,13に対向した部分が透光部材で構成されている。電飾基板104には、コネクタCN4が備えられ、このコネクタCN4には、電飾制御基板55のコモン線4に接続される1つのコモン端子T4と、電飾制御基板55のセグメント線d,e,f,gに接続される4つのセグメント端子Td,Te,Tf,Tgが設けられている。そして、LED6,7,12,13のカソードがそれぞれセグメント端子Td,Te,Tf,Tgに接続されると共に、LED6,7,12,13の全てのアノードがコモン端子T4に並列接続されている。
【0051】
ここで、LED6,7,12,13は、1つのコモン線4に対してそれぞれセグメント線g,f,e,dと接続されている。即ち、1つのコモン線と複数のセグメント線を同時タイミングで選択して通電すると、LED6,7,12,13を同じタイミングで点灯することができる。
【0052】
枠中央ランプ205は、図3に示すように表示枠体23の上辺の中央部分に配設されている。枠中央ランプ205の内部には、図7(B)に示すように、LED8,9A,9B,10A,10B,11を実装した電飾基板105が設けられている。そして、表示枠体23のうち、これらLED8,9A,9B,10A,10B,11に対向した部分が透光部材で構成されている。電飾基板105には、コネクタCN5が備えられ、このコネクタCN5には、電飾制御基板55のコモン線5に接続される1つのコモン端子T5と、電飾制御基板55のセグメント線a,b,c,hに接続される4つのセグメント端子Ta,Tb,Tc,Thが設けられている。LED9A,9Bは、コモン端子T5とセグメント端子Tcとの間に直列接続されている。LED10A,10Bは、コモン端子T5とセグメント端子Tbとの間に直列接続されている。また、LED8は、コモン端子T5とセグメント端子Thとの間に接続され、LED11は、コモン端子T5とセグメント端子Taとの間に接続されている。
【0053】
ここで、LED9A,9BとLED10A,10Bは、それぞれ1つのコモン線と1つのセグメント線との間(1つの系統)に接続されている。即ち、1つのコモン線5と1つのセグメント線cとの間に通電すれば、2つのLED9A,9Bの両方を点灯することができ、1つのコモン線5と1つのセグメント線bとの間に通電すれば、2つのLED10A,10Bの両方を点灯することができる。
【0054】
上記した電飾部品としてのステージランプ201、枠左側ランプ202、枠右側ランプ203、枠中央ランプ205、及び保留ランプ204と電飾制御基板55との間には、図5に示した電飾中継基板100が設けられている。電飾中継基板100は電飾制御基板55及び各電飾基板101〜105とコネクタ接続されている。電飾中継基板100の入力側のコネクタには、16個の入力端子が備えられ、電飾制御基板55に備えられた8つのコモン線1〜8と8つのセグメント線a〜hの全てが、それら入力端子の何れかにそれぞれ接続されている。また電飾中継基板100の出力側のコネクタCN1’〜CN5’には、全部で21個の出力端子が備えられ、このコネクタCN1’〜CN5’と各電飾基板101〜105に備えたコネクタCN1〜CN5とが接続され、コモン線1〜8及びセグメント線a〜hが、コネクタCN1〜CN5のコモン端子T1〜T8及びセグメント端子Ta〜Thの何れかにコネクタ配線により接続されている。また、電飾中継基板100の入力端子と出力端子との間では、セグメント線d,e,f,hの途中に分岐部100Yが備えられており、これにより、入力端子より多い出力端子(21個)の全てがセグメント線又はコモン線の何れかに接続されている。なお、コモン線1〜8は、電飾制御基板55の制御において、周期的にLED1A〜13に電力を流下する配線であり、セグメント線a〜hは、周期的に選択されるコモン線1〜8に合わせてLED1A〜13を点灯する起因をセットする配線となっている。
【0055】
なお、電飾制御基板55と各電飾基板101〜105との間に電飾中継基板100を備えたことで、容易に電飾制御基板55と各電飾基板101〜105との間のセグメント線a〜hの接続構造を変更することが可能となっている。
【0056】
次に、上記構成からなるパチンコ遊技機の動作を、図8〜図10に示したフローチャートを参照しつつ説明する。パチンコ遊技機の電源をオンすると、電飾制御基板55に備えた電飾用CPU(図示せず)が、所定の周期で(例えば、2.000msecごとに)、図8に示した電飾制御プログラムM(本発明の「複数コモン選択手段」に相当する)を電飾用ROM(図示せず)から取り出してランする。
【0057】
電飾制御プログラムMがランされると、初期設定が行われ(S1)、例えば、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等を行う。なお、初期設定(S1)は電飾制御プログラムMが、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0058】
初期設定(S1)が終了すると、電飾制御プログラムMではコマンド解析処理(S2)、電飾データ作成処理(S3)及び出力処理(S4)がループ処理されるが、このループ処理中にINT割り込み処理(S30)が実行される。
【0059】
INT割り込み処理(S30)は、図9に示されており、まず、コマンド受信処理(S31)を行って、主制御基板50から出力された各種コマンドデータを電飾制御基板55に備えたRAM(図示せず)のコマンドバッファに記憶する。そして、コマンド受信フラグF1を「1」にセットする(S32)。
【0060】
電飾制御プログラムMのコマンド解析処理(S2)では、図10に示すように、まずコマンド受信フラグF1が「1」か否かがチェックされる(S10)。コマンド受信フラグF1が「1」ではない場合(S10でNo)、即ち、主制御基板からのコマンドデータがRAMに記憶されていない場合には、直ちにこの処理(S2)を抜ける。
【0061】
一方、コマンド受信フラグF1が「1」の場合(S10でYes)、即ち、主制御基板50からのコマンドデータが、RAMに記憶されている場合には、それがランプパターンのコマンドであるか否かがチェックされる(S11)。ランプパターン以外のコマンド(例えば、エラー時のコマンドや保留記憶のコマンド)であった場合(S11でNo)には、そのコマンドに対応した点灯データをRAMのバッファに格納する(S12)。
【0062】
一方、ランプパターンのコマンドであった場合(S11でYes)には、電飾制御基板55の電飾用ROMからランプパターン用の点灯データを読み出してRAMのバッファに格納する(S13)。そして、点灯データを格納(S12又はS13)したら、コマンド受信フラグF1を「0」にリセットして(S14)、この処理(S2)を抜ける。
【0063】
コマンド解析処理(S2)に次いで、電飾データ作成処理(S3)が行われ、RAMのバッファに記憶された全ての点灯データに基づいて、電飾基板101〜105に出力する電飾演出データを作成する。即ち、RAMのバッファに、例えばランプパターンの点灯データと保留記憶の点灯データ(保留ランプ点灯データ)とが格納されていた場合は、これら2つの点灯データを合成して1つの電飾演出データを作成する。そして、作成された電飾演出データが、各電飾基板101〜105に出力される(S4)。
【0064】
表1には、電飾制御基板55が出力する電飾演出データの一例が示されている。
【0065】
【表1】
Figure 2004321356
【0066】
表1に示すように、電飾演出データは、通電するコモン線とセグメント線の組合せを特定した複数の組合せデータD1〜D15から構成されており、全体が例えば、3つのデータ群P1〜P3に分割されている。そして、所定時間毎(例えば、100ms毎)に出力可能なデータ群が切り替えられる。また、1つのデータ群はコモン線1〜8を全て使用した5つの組合せデータから構成されており、所定時間に亘って、出力可能となったデータ群の5つの組合せデータが順次各電飾基板101〜105に出力される。即ち、通電するコモン線とセグメント線の組合せが順次に変更される。ここで、組合せデータは、各コモン線1〜8に固有のコモンデータ(図11を参照)と各セグメント線a〜hに固有のセグメントデータ(図11を参照)とから構成されている。
【0067】
例えば、組合せデータのうちのコモンデータが「21H」(=「01H」+「20H」)でセグメントデータが「80H」(表1における組合せデータD1)の場合には、コモン線1とコモン線6とが同時に選択されると共にセグメント線hが選択されて、LED1A,1Bが同時に点灯される(図11を参照)。
【0068】
コモンデータが「84H」(=「04H」+「80H」)で、セグメントデータが「18H」(=「08H」+「10H」)の場合(表1における組合せデータD3)には、コモン線3とコモン線8とが同時に選択されると共に、セグメント線d,eが同時に選択されて、LED4A,4B,5A,5Bが同時に点灯される(図11を参照)。
【0069】
また、コモンデータが「08H」で、セグメントデータが「00H」の場合(表1における組合せデータD4)には、コモン線4が選択されるが、セグメント線が選択されていないので、何れのLEDも点灯しない。
【0070】
さて、主制御基板50からのコマンドデータによって、表1に示した電飾演出データが設定された場合には、図12に示すように、最初の100msec間、表1におけるデータ群P1の組合せデータD1〜D5が順次繰り返し出力され、次の100msec間、データ群P2の組合せデータD6〜D10が順次繰り返し出力され、さらに次の100msec間、データ群P3の組合せデータD11〜D15が順次繰り返し出力される。詳細には以下のようである(図12を参照)。
【0071】
Z1:電飾演出データが出力された直後の最初の2msec間は、コモンデータ「21H」とセグメントデータ「80H」からなる組合せデータD1に基づいて、ステージランプ201に備えたLED1A,1Bが同時に点灯される。
Z2:次の2msec間は、コモンデータ「42H」(=「02H」+「40H」)とセグメントデータ「30H」(=「10H」+「20H」)からなる組合せデータD2に基づいて、コモン線2,7が同時に選択されると共に、セグメント線f,eが同時に選択され、枠左側ランプ202に備えられたLED2A,2B,3A,3Bが同時に点灯される。
Z3:次の2msec間は、コモンデータ「84H」(=「04H」+「80H」)とセグメントデータ「18H」(=「08H」+「10H」)からなる組合せデータD3に基づいて、コモン線3,8が同時に選択されると共に、セグメント線d,eが同時に選択されて、枠右側ランプ203に備えられたLED4A,4B,5A,5Bが同時に点灯される。
Z4:次の2msec間は、組合せデータD4に基づいてコモン線4が選択されるがセグメント線が選択されないので、何れのLEDも点灯されない。
Z5:さらに次の2msec間は、コモンデータ「10H」とセグメントデータ「87H」(=「01H」+「02H」+「04H」+「80H」)からなる組合せデータD5に基づいて、コモン線5が選択されると共に、セグメント線d,e,f,gが同時に選択されて、枠中央ランプ205に備えられたLED8,9A,9B,10A,10B,11が同時に点灯される。
【0072】
上述したZ1〜Z5の点灯態様が100msec間に亘って繰り返されると、次のデータ群P2の組合せデータD6〜D10に基づいてLEDが点灯される。即ち、
Z6:最初の2msec間は、組合せデータD6に基づいて、ステージランプ201のLED1A,1Bが点灯される。
Z7:次の2msec間は、コモンデータ「42H」とセグメントデータ「20H」からなる組合せデータD7に基づいて、コモン線2,7が選択されると共に、セグメント線fのみが選択されて、枠左側ランプ202のうちのLED2A,2Bのみが点灯される。
Z8:次の2msec間は、コモンデータ「84H」とセグメントデータ「10H」からなる組合せデータD8に基づいて、コモン線3,8が選択されると共に、セグメント線eのみが選択されて、枠右側ランプ203のうちのLED4A,4Bのみが点灯される。
Z9:次の2msec間は、組合せデータD9に基づいて何れのLEDも点灯されない。
Z10:さらに次の2msec間は、組合せデータD10に基づいて枠中央ランプ205のLED8,9A,9B,10A,10B,11が点灯される。
【0073】
そして上述したZ6〜Z10の点灯態様が100msec間に亘って繰り返し行なわれると、次のデータ群P3の組合せデータD11〜D15に基づいてLEDが点灯される。即ち、
Z11:最初の2msec間は、組合せデータD11に基づいてLED1A,1Bが点灯される。
Z12:次の2msecの間は、コモンデータ「42H」とセグメントデータ「10H」からなる組合せデータD12に基づいて、コモン線2,7が選択されると共に、セグメント線eのみが選択されて、枠左側ランプ202のうちのLED3A,3Bのみが点灯される。
Z13:次の2msec間は、コモンデータ「84H」とセグメントデータ「08H」からなる組合せデータD13に基づいて、コモン線3,8が選択されると共に、セグメント線dのみが選択されて、枠右側ランプ203のうちのLED5A,5Bのみが点灯される。
Z14:次の2msec間は、組合せデータD14に基づいて何れのLEDも点灯されない。
Z15:さらに次の2msec間は、組合せデータD15に基づいて枠中央ランプ205のLED8,9A,9B,10A,10B,11が点灯される。
【0074】
そして上述したZ11〜Z15の点灯態様が100msec間に亘って繰り返し行われると、再びデータ群P1の組合せデータD1〜D5に基づいてLEDが点灯される。つまり、Z1〜Z5の点灯態様が繰り返される。この電飾演出データは、特別図柄80,81,82の変動パターンに応じて設定されており、必ずしも組合せデータD1からD15までの15個のデータによって構成されるものではない。つまり、組合せデータD15以降に別の組合せデータ(データ群)が設定されている場合もある。なお、電飾演出データに基づいて選択されたコモン線とセグメント線との間に接続されたLEDは、2msec間の点灯と8msec間の消灯とを100msecの間繰り返しているが、これを遊技者側から見ると、LEDは、100msec間点灯しているように見える。
【0075】
ここで、上記ステップZ1〜Z3,Z6〜Z8,Z11〜Z13では、2つのコモン線と1つのセグメント線との間に2つのLEDが並列接続された電飾基板101,102,103において、各電飾基板101〜103に接続された2つのコモン線に同時に通電しており、1つのセグメント線を選択することで2つのLEDを同時に点灯可能となっている。よって、2つのコモン線を同時に選択することで、従来のように8つあるコモン線を順次に1つずつ選択する場合に比べて、全てのコモン線を一通り選択するときの選択回数が減少するために、少ない時間で全てのコモン線を選択することができる。そして、一のコモン線を選択後、再びこのコモン線が選択されるまでの間隔が短くなるので消灯時間が減り、LEDの光度を上げることが可能となる。また全てのコモン線を使用しているので、空き状態のコモン端子がなくなり、空きコモン端子からの不正な信号の入力を防止することが可能となる。
【0076】
表2には、別の電飾演出データの一例が示されている。
【0077】
【表2】
Figure 2004321356
【0078】
この電飾演出データが設定された場合には、以下のようである。
Z1:最初の2msec間は、組合せデータD1に基づいて、LED1A,1Bが同時に点灯される。
Z2:次の2msec間は、組合せデータD2に基づいて、LED2A,2Bが同時に点灯される。
Z3:次の2msec間は、組合せデータD3に基づいて、LED4A,4Bが同時に点灯される。
Z4:次の2msec間は、何れのLEDも点灯されない。
Z5:さらに次の2msec間は、コモンデータ「10H」とセグメントデータ「04H」からなる組合せデータD5に基づいて、コモン線5が選択されると共にセグメント線cのみが選択されて、LED9A,9Bのみが同時に点灯される。
【0079】
次の100msec間は、以下のようである。即ち、
Z6:最初の2msec間は、組合せデータD6に基づいて、コモン線1,6が選択されるがセグメント線が選択されないので、何れのLEDも点灯されない。
Z7:次の2msec間は、組合せデータD7に基づいて、LED3A,3Bが同時に点灯される。
Z8:次の2msec間は、組合せデータD8に基づいて、LED5A,5Bが同時に点灯される。
Z9:次の2msec間は、何れのLEDも点灯されない。
Z10:さらに次の2msec間は、コモンデータ「10H」とセグメントデータ「81H」からなる組合せデータD10に基づいて、コモン線5が選択されると共にセグメント線a、hが同時に選択されて、LED8,11が同時に点灯される。
【0080】
さらに、次の100msec間は、以下のようである。
Z11:最初の2msecは、組合せデータD11に基づいて、LED1A,1Bが同時に点灯される。
Z12:次の2msec間は、組合せデータD12に基づいて、LED2A,2Bが同時に点灯される。
Z13:次の2msecでは、組合せデータD13に基づいて、LED4A,4Bが同時に点灯される。
Z14:次の2msecでは、何れのLEDも点灯されない。
Z15:さらに次の2msecでは、コモンデータ「10H」とセグメントデータ「02H」からなる組合せデータD15に基づいて、コモン線5が選択されると共にセグメント線bのみが選択されて、LED10A,10Bが同時に点灯される。
【0081】
ここで、表1及び表2に示した電飾演出データでは、組合せデータD1,D6,D11においてコモン線1とコモン線6が、組合せデータD2,D7,D12においてコモン線2とコモン線7が、組合せデータD3,D8,D13においてコモン線3とコモン線8とがそれぞれ同時に選択(通電)されるようになっている。つまり、全てのコモン線1〜8を1回ずつ一通り選択するときの選択回数が5回となるので、8つのコモン線1〜8を1つずつ選択した場合(選択回数8回)に比較して選択回数が減少する。これにより、コモン線1〜8が順次に1つずつ選択された場合に比べて、各ランプ201〜203,205への通電頻度が高くなっている。
【0082】
また、例えばコモン線1,6に接続されたLED1A,1Bや、コモン線2,7に接続されたLED2A,2B,3A,3Bのように、同時に通電される2つのコモン線に接続された複数のLEDが、同じ電飾基板に備えられている。これにより、これら複数のLEDを同時に点灯することで、その電飾基板を備えたランプの光量を大きくすることが可能となっている。
【0083】
ところで、表2に示した電飾演出データに基づいて表示枠体23の各ランプ201〜203,205がランプ演出を行っているときに、始動入賞口14へ遊技球が入賞し、図柄変動の保留が発生した場合には、この電飾演出データに保留ランプ点灯データが追加される。ここで、例えば、保留個数が1つの場合には、追加される保留ランプ点灯データは表3のようになる。
【0084】
【表3】
Figure 2004321356
【0085】
表3に示すように、保留ランプ点灯データは、コモンデータ「21H」,「42H」,「84H」,「10H」に組み合わされるセグメントデータが全て「00H」で、コモンデータ「08H」に対するセグメントデータのみが「40H」となっている。そして、この保留ランプ点灯データの追加によって、表2におけるコモンデータ「08H」に対応するセグメントデータが「00H」から「40H」となる。これにより、ステージランプ201、枠左側ランプ202、枠右側ランプ203、枠中央ランプ205については、上記表2の電飾演出データに対応した点灯態様で点灯が行われ、保留ランプ204については、表3に示した保留ランプ点灯データに対応して、LED6のみが点灯される。
【0086】
なお、保留個数が2個のときには、保留ランプ点灯データにおけるコモンデータ「08H」に対するセグメントデータが「60H」に設定されて、LED6,7が点灯し、保留個数が3個のときには、セグメントデータが「70H」に設定されて、LED6,7,12が点灯し、保留個数が4個のときには、セグメントデータが「78H」に設定されて全てのLED6,7,12,13が点灯する。
【0087】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
操作ノブ28を操作することで、遊技領域R1に打ち出された遊技球は、図示しない釘やランプ風車17、風車19等に接触しながら下方に向かって流下し、そのうちの幾つかが、始動ゲート18を通過する。
【0088】
始動ゲート18を遊技球が通過すると普通図柄が変動表示され、所定時間経過後に停止表示される。普通図柄が、例えば「7」で停止表示(図3の状態)されると、始動入賞口14が開放状態となる。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞すると、表示部13Aにおいて特別図柄80,81,82のスクロール表示が開始されると共に、表示枠体23において図柄変動中のランプ演出が行われる。
【0089】
具体的には、上記表1のような電飾演出データに基づいて表示枠体23が点灯される。即ち、ステージランプ201と枠中央ランプ205が連続して点灯され、枠左側ランプ202のLED2A,2Bと枠右側ランプ203の4A,4Bがほぼ同時に点滅すると共に、枠左側ランプ202のLED3A,3Bと枠右側ランプ203のLED5A,5Bがほぼ同時に点滅する。また、この状態では、図柄変動の保留が行われていないので、保留ランプ204は消灯したままとなっている。
【0090】
特別図柄80,81,82が所定時間スクロール表示した後で、例えば「7 7 7」で停止表示すると、大当たり遊技が開始される。すると、表示部13Aにおいて、大当たり遊技用の演出画像が表示されると共に、表示枠体23において大当たり遊技中のランプ演出が行われる。
【0091】
具体的には、上記表2のような電飾演出データに基づいて表示枠体23が点灯される即ち、ステージランプ201が点滅されると共に、枠左側ランプ202のLED2A,2Bと枠右側ランプ203の4A,4Bがほぼ同時に点滅すると共に、枠左側ランプ202のLED3A,3Bと枠右側ランプ203のLED5A,5Bがほぼ同時に点滅する。さらに、枠中央ランプ205において、あたかも光が右側から左側へ移動するように、LED9A,9Bの点灯後、LED8,11が点灯し、さらにその後でLED10A,10Bが点灯するという点灯態様が繰り返される。これにより、大当たり遊技中は図柄変動中に比較して、表示枠体23のランプの点滅が激しくなり、遊技状態に応じたランプ演出が行われている。
【0092】
さて、大当たり遊技中に始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、その入賞球については、図柄の変動表示が直ちに行われず、一端保留される。すると、上述した各種ランプ201〜203,205による大当たり遊技中のランプ演出に加えて、保留ランプ204が点灯される。そして保留数が増加する場合には、保留ランプがLED6,7,12,13の順で点灯され、保留数が減少する場合には、この逆の順番で消灯される。
【0093】
このように本実施形態によれば、電飾制御基板55に備えた全てのコモン線1〜8を表示枠体23に備えた各種ランプ201〜205のLED1A〜LED13の何れかに接続したので、空いたコモン線をなくすことができる。また、これにより、空いたコモン線から不正な信号が入力されるのを規制することができる。また、電飾制御基板55に備えられた8つのコモン線1〜8のうち、コモン線1,6と、コモン線2,7とコモン線3,8は、電飾演出データに基づいて同時に通電されるので、8つのコモン線1〜8を1つずつ順番に通電した場合と比較して、全てのコモン線を一通り選択するときの選択回数が少なくなる。これにより、各コモン線1〜8への通電頻度が高くなって、コモン線1〜8に接続されたLED1A〜LED13の光量を大きくすることができる。また、表示枠体23に備えた各ランプ201〜203,205では、少なくとも2つのLEDが同時に点灯するように構成されているので、1つのLEDのみを点灯させた場合に比較して、各ランプ201〜203,205の光量を大きくすることができる。
【0094】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記一実施形態ではパチンコ遊技機に本発明を適用していたが、コモン線とセグメント線との間に発光素子を備えた遊技機であれば、コイン遊技機やスロットマシン等に備えてもよい。
【0095】
(2)前記実施形態では、表示枠体23のステージランプ201、枠左側ランプ202、枠右側ランプ203、枠中央ランプ205、及び保留ランプ204が本発明の「電飾部品」として備えられていたが、ガラス枠上部ランプ35、ガラス枠サイドランプ115、サイドランプ22、ランプ風車17等を本発明の「電飾部品」として備えていてもよい。
【0096】
(3)上記実施形態では、例えば、コモン線1とコモン線6に接続されたLED1A,1Bのように、同じタイミングで通電される2つのコモン線に接続されたLEDが、同一の電飾部品(電飾基板)に備えられていたが、異なる電飾部品に備えていてもよい。このようにすれば、分散配置された異なる電飾部品において同じタイミングでLEDを点灯させることができる。
【0097】
(4)上記実施形態では、電飾演出データは、1つのコモン線のみを選択した組合せデータ(例えば、表1における組合せデータD5)と2つのコモン線を同時に選択した組合せデータ(例えば、表1における組合せデータD1)とから構成されていたが、全ての組合せデータが複数のコモン線を同時に選択した組合せデータであってもよい。このような構成とすれば、全てのコモン線を一通り選択するときの選択回数をより減少させることができ、各コモン線の通電頻度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図
【図2】パチンコ遊技機の背面図
【図3】表示装置の正面図
【図4】パチンコ遊技機の電気的構成を表すブロック図
【図5】電飾制御基板、電飾中継基板及び電飾基板の配線図
【図6】(A)ステージランプに備えた電飾基板の配線図
(B)枠右側ランプに備えた電飾基板の配線図
(C)枠左側ランプに備えた電飾基板の配線図
【図7】(A)保留ランプに備えた電飾基板の配線図
(B)枠中央ランプに備えた電飾基板の配線図
【図8】電飾制御プログラムMのフローチャート
【図9】INT割り込み処理のフローチャート
【図10】コマンド解析処理のフローチャート
【図11】LEDの系統図
【図12】各ランプの点灯タイミングチャート
【符号の説明】
55…電飾制御基板(電飾制御装置)
100…電飾中継基板(中継基板)
101〜105…電飾基板
201…ステージランプ(電飾部品)
202…枠左側ランプ(電飾部品)
203…枠右側ランプ(電飾部品)
204…保留ランプ(電飾部品)
205…枠中央ランプ(電飾部品)

Claims (7)

  1. 複数のコモン線と複数のセグメント線とを設け、それらコモン線及びセグメント線のうち選択された前記コモン線と前記セグメント線との間を通電可能とすると共に、複数の発光素子を何れかの前記コモン線と前記セグメント線との間に割り付けて接続し、
    前記コモン線と前記セグメント線との間を通電することにより前記発光素子が点灯可能に構成され、
    前記複数のコモン線を順次に選択すると共に選択された前記コモン線に対応する前記セグメント線を指定することによって前記複数の発光素子を点灯制御する遊技機において、
    全ての前記コモン線及び前記セグメント線は、何れかの前記発光素子に接続され、
    前記複数のコモン線及び前記複数のセグメント線は、全て選択可能に構成されると共に、
    少なくとも2つ以上の前記コモン線と少なくとも1つの前記セグメント線とを同じタイミングで選択する複数コモン選択手段を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記コモン線と前記セグメント線との間に、複数の前記発光素子を直列接続したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 同じタイミングで通電される複数の前記コモン線に接続された複数の前記発光素子を少なくとも1つの前記セグメント線に並列接続したことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 全ての前記コモン線及び前記セグメント線が前記複数コモン選択手段によって、少なくとも2つ以上の前記コモン線と少なくとも1つの前記セグメント線とが同じタイミングで選択されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の遊技機。
  5. 同じタイミングで通電される複数の前記コモン線にそれぞれ接続された複数の前記発光素子を、共通の電飾部品に組み付けて備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遊技機。
  6. 同じタイミングで通電される複数の前記コモン線にそれぞれ接続された複数の前記発光素子を、異なる電飾部品に組み付けて備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の遊技機。
  7. 前記各電飾部品に設けられて、前記発光素子が実装された電飾基板と、
    前記複数コモン選択手段を有する電飾制御装置と、
    前記電飾制御装置と前記電飾基板との間にコネクタ接続されると共に、所定の前記セグメント線同士の接続部を有した中継基板とを備えたことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の遊技機。
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