以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
〔パチンコ遊技機1の全体構成〕
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。
なお、第1経路と第2経路とは、完全に別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字等および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおい
ては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、第2始動入賞口14上部に電動により開閉動作が可能な左右一対の可動翼片(所謂電動チューリップ)が設けられ、可動翼片が閉鎖状態のときに、遊技球の進入が不可能な遊技者にとって不利な状態となり、可動翼片が開放状態のときに、遊技球の進入が可能な遊技者にとって有利な状態に制御される。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左側方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
演出表示装置9の右側方には、遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示器10での普通図柄を変動表示の実行が可能となるゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
普通図柄表示器10の変動表示の変動表示結果に基づいて、可変入賞球装置15が開放状態となると、遊技球が第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞可能な状態となる。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動
入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報または保留情報と呼ぶ)を示す(特定する)場合にも用いられる。また、以下において、保留記憶情報として記憶することを「保留記憶する」と表現する場合がある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を
開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値(本実施形態では4)に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第1始動入賞口13は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路からの遊技球が入賞可能とされているが、演出表示装置9の右側にある第2経路からの遊技球の入賞が不可能とされている。したがって、遊技者が左打ちをしたときにのみ、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が可能である。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施形態において、第2始動入賞口14は、遊技領域7に設けられた遊技釘の配設態様により、演出表示装置9の左側にある第1経路と、その右側にある第2経路との両方からの遊技球の入賞が可能である。しかし、第2始動入賞口14が開放する条件となる普通図柄の変動表示を実行させる条件として用いられるゲート32が、演出表示装置9の右側にある第2経路に設けられているため、第2始動入賞口14への入賞を狙うときには、遊技球を右打ちしてゲート32への通過を狙う必要がある。したがって、第2始動入賞口14への遊技球の進入は、主に右打ち時における第2経路からなされることとなる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。保留表示エリアでは、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶情報が表示される。たとえば、演出表示装置9において、第1保留記憶数は左側の保留表示エリアに表示され、第2保留記憶数は右側の保留表示エリアに表示される。このように、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別して表示することにより、第1保留記憶情報と、第2保留記憶情報とを容易に区別可能となる。
また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアの中央部に形成される(図示省略)。アクティブ表示エリアにおいては、保留表示エリアにおいて表示されていた保留画像が、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)
される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像が表示される。なお、アクティブ表示エリアは、演出表示装置9における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリアと第2保留表示エリアとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、遊技者にとって有利な開放状態(遊技球が入賞可能なことにより有利)と、遊技者にとって不利な閉鎖状態(遊技球が入賞不可能なことにより有利)とに開閉可能な装置である。第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
〔大当りの種別および遊技状態について〕
図2に当り種別表を示す。図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)
に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確
低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の左側にある第1経路からしか第1始動入賞口13に遊技球が進入できない構成であるため、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態において、遊技者は、左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。この実施の形態によるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9の右側にある第2経路にゲート32が設けられているため、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態において遊技者は、右打ちをしてゲート32および第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うことにより特別図柄の変動表示を実行させるのが一般的である。
したがって、高ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させにくい低ベース状態においては、遊技者が左打ちをして第1始動入賞口13への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第1保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に第1保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。一方、低ベース状態よりも第2始動入賞口14に遊技球を進入させやすい高ベース状態においては、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口14への遊技球の進入を狙うのが一般的であることにより、第2保留記憶のみが発生しやすく、保留表示としては、主に、第2保留記憶に対応する保留画像のみが表示される。
なお、第1始動入賞口13には、第1経路と第2経路との両方から遊技球が進入可能としてもよい。また、第2始動入賞口14には、第2経路のみから遊技球が進入可能としてもよい。また、ゲート32は、演出表示装置9の左側にある第1経路に設けられてよく、演出表示装置9の左側にある第1経路と、演出表示装置9の右側にある第2経路との両方に設けられてもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
〔パチンコ遊技機1の制御基板における回路構成〕
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である
。なお、図3には払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)で作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時を数値データの読出(抽出)時とし、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101が搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およ
びRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101には、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号が、トリガセンサ121から入力ポート(図示省略)を介して入力される。また、演出制御用CPU101には、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号が、プッシュセンサ124から入力ポートを介して入力される。また、演出制御用CPU101には、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号が、傾倒方向センサユニット123から入力ポートを介して入力される。また、演出制御用CPU101は、出力ポート(図示省略)を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
〔各乱数について〕
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。このように、本実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動
パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに大きく種別分けされている。リーチ変動パターン種別は、通常のリーチであるノーマルリーチ変動パターン種別と、大当り決定時に通常のリーチよりも選択されやすいように設定された特別のリーチであるスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
〔大当り判定〕
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
〔変動パターンの決定〕
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時第1判定テーブル、(b)に通常状態はずれ時第2判定テーブル、(c)に通常状態はずれ時第3判定テーブル、(d)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(e)に通常大当り時判定テーブル、(f)に確変大当り時判定テーブルが示されている。通常状態はずれ時第1判定テーブルは、現在の第1保留記憶数が1〜2の場合に用いられる。通常状態はずれ時第2判定テーブルは現在
の第1保留記憶数が3の場合に用いられる。通常状態はずれ時第3判定テーブルは現在の第1保留記憶数が4の場合に用いられる。図6(a)〜(f)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ20秒、スーパーリーチ30秒以上)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第1スーパーリーチ (30秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が30秒で実行される第1スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、および「第2スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜140に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(30秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。通常状態としての非時短状態において、始動入賞後の第1保留記憶数が1〜2となるときには、図6(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルを選択する。非時短状態において、始動入賞後の第1保留記憶数が3となるときには、図6(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルを選択する。非時短状態において、始動入賞後の第1保留記憶数が4となるときには、図6(c)の通常状態はずれ時第3判定テーブルを選択する。時短状態においては、図6(d)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。また、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(d)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。
変動表示の実行条件の成立後、後述する特別図柄通常処理の実行時に(図11参照)、第1保留記憶バッファの保留記憶データに基づいて大当り判定が行なわれる場合、第1保留記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタのデータが1つ減算される。一方、後述するように、変動表示の実行条件の成立時の第1保留記憶数のデータは、第1保留記憶数カウンタとは別に大当り判定後における変動パターン決定時まで記憶され、当該第1保留記憶数のデータが変動パターン設定処理(図12参照)において通常状態はずれ時判定テーブル(図6(a)〜(c)参照)の選択に用いられる。
図6に示すように、「通常変動」の種別に属する変動パターンは、「通常変動(11秒)」、「短縮変動(7秒)」、および「超短縮変動(4秒)」である。非時短状態において「通常」の変動パターン種別とすることが決定されたときは、第1保留記憶数の値に応じて、次のように変動パターンが設定される。第1保留記憶数が1〜2であるときは、変動パターンが「通常変動(11秒)」に設定される(図6(a)参照)。第1保留記憶数が3であるときは、変動パターンが「短縮変動(7秒)」に設定される(図6(b)参照)。第1保留記憶数が4であるときは、変動パターンが「超短縮変動(4秒)」に設定される(図6(c)参照)。時短状態において「通常」の変動パターン種別とすることが決定されたときは、変動パターンが「超短縮変動(4秒)」に設定される(図6(d)参照)。また、はずれ時におけるリーチ変動はいずれの場合においても変動パターンが変動時間が20秒以上の変動パターンに設定される。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(e)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(f)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
非時短状態において、第1保留記憶数が違っても、「通常」の変動パターン種別に決定される割合は同じである。しかし、第1保留記憶数が違うことに応じて、変動パターン種別が「通常」の変動パターン種別に決定された場合の変動時間が異なる。第1保留記憶数が上限値に達している場合は、第1始動入賞口13を遊技球が通過しても、有効始動入賞とは認められず、保留記憶されない。そこで、第1保留記憶数が4のときに、「超短縮変動パターン」を選択可能とすることにより、保留記憶を短時間で消化することができ、第
1始動入賞口13に遊技球が通過しても、保留記憶されないという遊技者にとっての不利益の発生を防ぐことができる。なお、非時短状態において、第1保留記憶数に応じて、通常変動パターン種別、ノーマルリーチ変動パターン種別、およびスーパーリーチ変動パターン種別の選択割合を変えてもよい。たとえば、第1保留記憶数が少ないほど、ノーマルリーチ変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
図6(d)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、通常状態においてはずれとなるときに用いられる図6(a)〜図6(c)に示す判定テーブルと比べて、変動パターン種別が「通常」に決定される割合が高く、リーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。また、変動パターン種別が「通常」に決定された場合に選択される変動パターンが、図6(d)の時短状態はずれ時判定テーブルでは「超短縮変動(4秒)」であって、図6(a)に示す判定テーブルでは「通常変動(11秒)」、図6(b)に示す判定テーブルでは「短縮変動(7秒)」、図6(c)に示す判定テーブルでは「超短縮変動(4秒)」である。
これにより、非時短状態のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターン(超短縮変動パターン)が選択される割合が高い。したがって、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図6(a)〜(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(e)および図6(f)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(f)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(e)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
前述したような、第1保留記憶数が所定数以上であるときに第1保留記憶数が所定数未満であるときと比べて変動時間が短縮されるような制御は、保留数短縮制御と称する場合がある。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、第1保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。なお、第1保留記憶数に基づいて判定テーブルを選択するのではなく、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)に基づい
て判定テーブルを選択してもよい。
〔特殊な演出について〕
パチンコ遊技機1では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
〔演出制御コマンド〕
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演
出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、第1保留記憶数を示すための第1保留記憶数指定コマンドと、第2保留記憶数を示すための第2保留記憶数指定コマンドとを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において保留記憶数を特定可能とするが、これに限らず、変動表示が実行されるごとに、第1保留記憶数または第2保留記憶数を減算するための保留記憶数減算指定コマンドを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、保留記憶数が特定可能となるようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図10のS1215、S1225参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
〔保留記憶バッファについて〕
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(本実施形態では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(本実施形態では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、図10のS1215,S1225の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、第1(第2)保留記憶数指
定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
本実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。
〔パチンコ遊技機1の動作〕
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
〔タイマ割込処理〕
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセ
スフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
〔特別図柄プロセス処理〕
図9は、特別図柄プロセス処理(図8のS26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1
保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
〔始動口スイッチ通過処理〕
図10は、始動口スイッチ通過処理(図9のS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア
乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(図9のS300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の特定演出としての先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドの
セットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、S1215で説明したような入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
〔特別図柄通常処理〕
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(図9のS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第
1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。ここで、CPU56は、第1保留記憶数カウント値が1減算される前の第1保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンド
を送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件とのいずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、後述するS75に進む。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別
を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「通常大当り」に決定されたときには「3」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
〔変動パターン設定処理〕
図12は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6(e)および(f)に示す、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(e)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む
。一方、通常大当りであるときは、図6(f)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、後述するS114に進む。
一方、大当りフラグがセットされていないときは、「はずれ」とすることが決定されているときである。はずれ時は、後述する時短情報と、第1保留記憶数カウンタの値とに応じて、図6(a)〜(d)に示すテーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
具体的には、S91で大当りフラグがセットされていないときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウント値が1減算される前の第1保留記憶数カウンタ値に基づいて通常状態はずれ時第1判定テーブル〜通常状態はずれ時第3判定テーブルのうちいずれかを選択し(S96)、後述するS114に進む。具体的には、前記第1保留記憶数カウンタ値が1または2であるときは、図6(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルを選択する。前記第1保留記憶数カウンタ値が3であるときは、図6(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルを選択する。前記第1保留記憶数カウンタ値が4であるときは、図6(c)の通常状態はずれ時第3判定テーブルを選択する。
一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
次いで、S114において、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラ
グの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
〔特別図柄プロセス処理におけるその他の処理〕
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
〔演出制御用マイクロコンピュータの動作〕
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図13は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラ
グ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、先読み演出実行決定用のSR3、先読み演出態様選択用のSR4、所定表示変化態様選択用のSR5、段階予告実行決定用のSR6、および、段階予告態様選択用のSR7を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR7のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。S707の保留記憶表示制御処理では、アクティブ表示エリアに表示するアクティブ表示(アクティブ表示)の表示制御も実行される。具体的は、以下のような処理において表示制御される。たとえば、S704の処理において、たとえば、変動表示時に、第1保留記憶数指定コマンドまたは第2保留記憶数指定コマンドを受信したとき(保留記憶数減少時)に所定のフラグをセットする。そして、その所定のフラグがセットされていれば、S707の処理において、保留表示エリアにおいて、対応する第1保留表示または第2保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつアクティブ表示エリアの方向に向かってシフトして保留表示エリアの表示を更新するとともに、アクティブ表示エリアに保留表示を移動させ(シフトさせ)、アクティブ表示の表示を更新する処理を行なえばよい。その後、S702に移行する。なお、S704の処理においては、前述した処理内容の他に、始動入賞時に、第1保留記憶数指定コマンドまたは第2保留記憶数指定コマンドを受信したとき(保留記憶数増加時)に、対応する第1保留表示または第2保留表示を1つ増加させる表示を、後述する入賞時演出決定処理(S700)の代わりに実行するようにしてもよい。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
〔演出制御プロセス処理〕
図14は、図13に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行するか否かの決定、先読み演出の種類の選択、および先読み演出の演出態様等を決定する入賞時演出決定処理(S700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
入賞時演出決定処理(S700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、先読み演出の種類の選択、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づ
いた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様またはアクティブ表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。また、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称し、先読み演出の対象とした保留情報に基づいたアクティブ表示を「ターゲットのアクティブ表示」と称する。
前述したように、本実施形態では通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄は数字図柄である。この数字図柄は、四角枠状であって枠内が単一色で塗りつぶされた背景と、当該背景に描かれた数字とからなる(図16(E)参照)。前記背景の色は複数色設けられており、背景の色と数字との組合せの数だけ数字図柄として表示可能である。
先読み演出としては、たとえば、予告の対象となる変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示に亘って、演出表示装置9の図柄表示エリアに予め定められた先読み演出用のチャンス目を構成する飾り図柄が導出表示されることで、後に大当りが発生する可能性のあることを予告する演出も含む。チャンス目としては、たとえば、背景色が同じ数字図柄の組合せからなるものがあげられる。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値に
は、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
〔本実施の形態において実行され得る先読み演出〕
本実施の形態においては、先読み演出として、チャンス目による先読み演出(以下、「所定表示演出」とも称する。)、保留表示またはアクティブ表示による先読み演出(以下、「保留変化演出」とも称する。)、特定の演出ステージに移行する先読み演出(以下、「ステージ演出」とも称する。)をそれぞれ実行可能である。
〔所定表示演出〕
この実施の形態では、先読み演出として、予告の対象(ターゲット)となる変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示に亘って、演出表示装置9の図柄表示領域にチャンス目が表示されることで、後に大当りが発生する可能性のあることを予告する演出が実行される。チャンス目としては、たとえば、演出図柄の背景色が全て同じ色で統一されているものをいう。また、特定の数字図柄の並びをチャンス目としてもよい。チャンス目としては、演出図柄の背景色が異なる複数種類のチャンス目が設けられている。チャンス目が表示されるときには、複数種類のチャンス目のうちいずれかが選択されて表示される。表示チャンス目を構成する演出図柄の背景色が赤色で統一されている場合、「赤チャンス目」と称し、緑色で統一されている場合「緑チャンス目」、青色で統一されている場合「青チャンス目」と称する。また、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度に応じて、演出図柄の背景色が異なる複数種類のチャンス目のうち特定のチャンス目が表示される。たとえば、大当り期待度が「青チャンス目<緑チャンス目<赤チャンス目」という大小関係になるように表示可能である。
〔保留変化演出〕
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みする。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、先読みした保留記憶情報に対応する保留表示またはアクティブ表示をターゲットとして、所定のタイミングで、保留表示またはアクティブ表示の態様を変化させる保留変化演出を実行する。保留変化演出を実行する所定のタイミングは、たとえば、ターゲットの保留記憶情報よりも先に保留記憶された保留記憶情報に基づく変動表示の開始時に保留記憶情報に対応する保留表示の表示位置がシフトするタイミング等である。
保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度、すなわち、これらの画像が表示されたときの大当り表示結果の表示されやすさにより異なる表示態様で表示可能である。たとえば、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、変動表示結果が大当り表示結果となる期待度に応じて異なる画像色で表示可能である。たとえば、保留画像およびアクティブ画像のそれぞれは、通常色(白色)<青色<緑色<赤色というような大当りの期待度の大小関係に基づいて、大当りとなる期待度に応じて画像色の種類が異なる態様で表示可能である。
〔ステージ演出〕
この実施の形態では、保留表示される保留記憶情報の変動表示に関する情報を、当該保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前に先読みし、所定条件が成立したときに、その先読み結果に基づいて、演出態様が特定の演出のステージに移行することができるようにしてもよい。特定の演出のステージにおいては、特定の演出画像を表示するステージ演出が実行される。例えば、先読み判定対象の保留記憶に基づく変動表示が実行されるまで
、特定の演出のステージを示す背景が表示されるようにしてもよい。また、演出のステージを複数種類備え、大当りとなる期待度に応じて選択する演出のステージを変えてもよい。
〔段階予告について〕
この実施の形態において、変動表示の表示結果が導出表示される前に、段階的に表示内容を変化させることによって当該表示結果を示唆する段階予告を実行可能である。段階予告においては、表示結果が大当り表示結果となることを示唆するほかに、表示結果がチャンス目となることも示唆する。また、段階予告においては、変動中に疑似連演出が実行されることや、リーチ演出が実行されることも示唆可能である。段階予告においては、異なる表示結果や演出を示唆する示唆表示を段階的に表示することによって、遊技者に示唆表示で示唆された表示結果のうちいずれの表示結果または演出が実行されるか期待を抱かせることができる。また、この実施の形態においては、表示結果が所定表示(チャンス目)以外となるときに実行される段階予告を第1段階予告と称し、表示結果が所定表示(チャンス目)となるときに実行される段階予告を第2段階予告と称する。また、変動表示結果が大当り表示結果となることを示唆する示唆表示は第1示唆表示であって、所定表示となることを示唆する示唆表示は第2示唆表示である。以下、第2段階予告および第1段階予告について、図15〜図17を用いて詳細に説明する。
〔段階予告のイメージ〕
図15は、段階予告の演出を説明するための図である。段階予告は仮想カメラ96によって撮像された画像が演出表示装置9に表示されることにより実行される。
図15(A)は仮想カメラ96による段階予告のイメージ図である。段階予告の演出においては、カメラが移動しながら複数のパネル94を順番に撮像しているようなイメージの画像が表示される。図15中の仮想カメラ96は段階予告の演出を説明するための仮想的なものであって、演出表示装置9には表示されない。また、図15中の丸付きAは1枚目のパネル94を示す。丸付きBは2枚目のパネル94を示す。丸付きCは3枚目のパネル94を示す。段階予告の演出においては、図15(A)および(B)に示すように、複数枚のパネル94が並行に設置された態様で表示される。段階予告の演出が開始されると、仮想カメラ96が矢印の方向に移動しながら複数(図では3枚)のパネル94を1枚ずつ撮影し、このパネル94を1枚ずつ順番に撮影した画像が段階予告となる。段階予告の演出においては、仮想カメラ96が単に矢印の方向に移動した際に撮像した画像が表示されるだけではなく、パネル94の静止画や、パネル94を拡大した画像が表示される。また、それぞれのパネル94には、当該表示結果(演出図柄の組合せ)を示唆する示唆表示が行なわれる。また、各パネル94の前面にはシャッター95が備えられており、シャッター95が開状態のときは示唆表示が視認可能となった画像が表示され、閉状態のときは示唆表示が視認不可能となった画像が表示される。
〔第2段階予告について〕
図16は、超短縮変動時の第2段階予告の一例を示す図である。図15においては、変動パターンとして超短縮変動パターンが選択されているときであって、先読み演出の一つである所定表示演出(先読み演出の一種であって、複数回の変動表示に亘って図柄表示領域にチャンス目が表示される演出)が実行される場合の演出例が示されている。
図16においては、演出表示装置9での表示画像が、時間経過に従って(A)〜(D)に示されている。図16(A)に示すように、演出表示装置9においては、保留記憶情報に基づいて、左,中,右の演出図柄91,92,93の変動表示が開始される。
図16(B)は、第2段階予告が開始されたときの演出表示装置9での表示画像である。第2段階予告が開始されると、左,中,右の演出図柄91,92,93が縮小されて画
面隅部に移動して表示される。第2段階予告の開始時においては、図5に示す仮想カメラ96が1枚目のパネル94の正面側から3枚のパネル94のすべてを撮像しているようなイメージの画像が表示される。第2段階予告の開始時には、3枚のパネル94の画像のすべてにおいて、シャッター95が閉まっている状態が示される。したがって、このタイミングでは、すべてのパネル94において、示唆表示が視認不可能とされる。
第2段階予告の開始時から所定期間が経過すると、図16(C)に示すように、図15に示す仮想カメラ96が1枚目のパネル94の正面側で1枚目のパネル94のみを撮像しているようなイメージの画像が表示される。その後、図16(C),(D)に示すように、1枚目のパネル94において、図中の白抜き矢印の方向にシャッター95が開放されていく。図16(D)に示すように、シャッター95が全開状態となると、図中の黒矢印の方向に拡大される態様でパネル94がズームイン表示(拡大表示)されていくイメージの画像が表示される。シャッター95が開放されることに応じて、1枚目のパネル94において、第1示唆表示としてのチャンス目示唆表示が視認可能とされる。そして、図16(E)に示すように、演出図柄の変動停止時のタイミングで、演出図柄の1枚目のパネル94が最大サイズに拡大表示され、変動表示結果が確定表示される。
この実施の形態において、図16(D)に示すような、チャンス目が表示された第1示唆表示をチャンス目示唆表示と称する。シャッター95が開放され、チャンス目示唆表示が表示されると、今回の変動表示の表示結果はチャンス目であることが示唆される。つまり、先読み演出が実行され、複数回の変動後に大当りになることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
〔第1段階予告について〕
図17は、短縮変動時の第1段階予告の一例を示す図である。図17においては、変動パターンとして短縮変動パターンが選択されているときであって、所定表示演出以外が実行される場合の演出例が示されている。
短縮変動時の第1段階予告は、図16(A)〜(C)の演出が実行された後、図16(D)に示すようなパネル94が拡大表示されていくイメージの画像ではなく、図17(D)に示すような、シャッター95が全開状態のまま静止しているイメージの画像が表示される。
シャッター95が全開状態のまま静止しているイメージの画像が所定期間表示されると、図17(E)に示すように、図15に示す仮想カメラ96が1枚目のパネル94から2枚目のパネル94に向かう矢印に沿って移動しながら複数枚のパネル94を撮像しているようなイメージ画像が表示される。このタイミングでは、1枚目のパネル94のシャッター95のみが開いている状態であるため、1枚目のパネル94に表示された第1示唆表示のみが視認可能に表示されている。
仮想カメラ96が2枚目のパネル94の正面に移動し、図17(E)に示すような、2枚目のパネル94のみを撮像しているようなイメージの画像が表示されると、2枚目のパネル94において、図中の白抜き矢印の方向にシャッター95が開放されていくイメージ画像が表示される。図17(G)に示すように、シャッター95が全開状態となると、図中の黒矢印の方向に拡大される態様でパネル94が拡大表示されていくイメージの画像が表示される。シャッター95が開放されることに応じて、2枚目のパネル94において、第2示唆表示としての「チャンス?!」の文字が視認可能とされる。そして、図17(G)に示すように、演出図柄の変動停止時のタイミングで、演出図柄の2枚目のパネル94が最大サイズに拡大表示され、図17(H)に示すように、示唆表示からはずれ表示結果
(図中3,5,9)に切替わる表示がされ、はずれの変動表示結果が確定表示される。
図17(G)に表示された「チャンス!?」という示唆表示は、当該変動の表示結果が大当たりとなるか否かに対する期待度を示唆している。当該変動の表示結果が大当たりとなるか否かを示す示唆表示としては、「次回予告」という示唆表示をパネル94に示してもよい。「次回予告」は、一般的なパチンコ遊技機において、大当りとなる期待度が高い演出のうちの1つである「次回予告」の演出が実行されるときに用いられる場合がある表示である。次回予告の演出は、当該演出の実行後に実行されるスーパーリーチの種類(たとえば、第1〜第4スーパーリーチ)を示唆する映像を流す演出である。当該変動がリーチ変動であることを示唆する「リーチ」という示唆表示をパネル94に示してもよい。当該変動中に疑似連演出が実行されることを示唆する「NEXT」という示唆表示をパネル94に示してもよい。「NEXT」は、一般的なパチンコ遊技機において、大当りとなるとき期待度が高い演出のうちの1つである「擬似連」の演出が実行されるときに仮停止図柄として用いられる場合がある表示である。また、当該変動の表示結果が当たりとなるか否かを示す複数種類の示唆表示の中で、いずれの示唆表示が表示されるかによって大当り期待度を変えてもよい。例えば、大当りとすることに決定されているときは、「チャンス!?」よりも「次回予告」が表示される確率を高くすることで、「チャンス!?」が表示されたときと比べて、「次回予告」が表示されたときの方が、大当りに対する期待度が高くなるようにできる。
また、この実施の形態の段階予告は、表示結果が所定表示(チャンス目)となるときに実行される第2段階予告と、表示結果が所定表示(チャンス目)以外となるときに実行される第1段階予告とで、名称を変えてはいるものの、遊技者から見た場合は第2段階予告と第1段階予告とで演出態様の違いはない。たとえば、所定演出の実行がされているとき(チャンス目が連続で導出表示されているとき)において、段階予告中にチャンス目示唆表示が表示された後に、大当り期待度を示す「次回予告」の示唆表示が表示された場合を考える。この場合、チャンス目示唆表示が示されたタイミングでは、先読み演出がまだ続くことが予想されるため先読み判定対象が大当りである可能性に対する期待感を抱かせることができる。さらに、チャンス目示唆表示が表示された後で変動表示中に「次回予告」の示唆表示が表示されると、当該変動の表示結果が大当りになることに対する期待感を抱かせることができる。つまり、段階予告中に、次回以降の変動表示結果に対する期待感と、変動表示中における当該変動の表示結果に対する期待感との両方を抱かせることができる。
また、段階予告中においてチャンス目が導出表示されることを示唆しない場合は、段階予告が実行された時点で所定演出が実行されないこと、または、所定演出の実行中であれば先読み演出の判定対象であることを遊技者に示してしまうこととなる。一方、段階予告中においてチャンス目示唆表示が表示され得る場合は、所定演出を実行する場合と実行しない場合とに演出が分岐するので、段階予告を実行した後の演出分岐が多彩となり、遊技の興趣が向上する。
また、段階予告を初期段階で終了させるパターン(図16に示すような1枚目のパネル94の示唆表示を実行した後、表示結果を導出表示するパターン)も設けることで、4秒という短い変動時間である超短縮変動パターン実行中にあっても、段階予告を実行可能である。これにより、段階予告の実行頻度を高くできる。また、図16と図17とに示すように、短縮変動時と超短縮変動時とで段階予告の終了タイミングを変えることで、これらの変動時のように変動時間が異なる場合であっても、同様に段階予告を実行することができる。また、複数種類の段階予告の演出パターンを備えることで演出分岐が多彩になり、遊技の興趣が向上する。
また、図16に示すように、超短縮変動パターン実行中において、段階予告を実行する
場合に最初の示唆表示をチャンス目示唆表示とすることで、変動時間が極めて短い超短縮変動パターン実行中であってもチャンス目が停止するか否かに対する期待感を遊技者に与えることができる。
〔先読み演出の実行の有無の決定〕
図18は、先読み演出実行決定用テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルは、先読み演出を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。先読み演出実行決定用テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。また、「先読み」とは、始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定等を先読み判定する入賞時演出処理のことをいう。
先読み演出実行決定用テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての先読み演出実行決定用の乱数SR3(0〜49の数値範囲)の合計50個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ時)とに分けて、先読み演出を実行する決定と、先読み演出を実行しない決定とに割振られている。SR3については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3値の個数が示されている。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100に設けられたCPU101は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて送られた図柄指定コマンドに基づいて、先読みの大当り判定結果を判断する。
図18に示すように、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)は、SR3の値によって、「先読み演出を実行する>先読み演出を実行しない」という大小関係となるように設定されている。これにより、先読み演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなる。一方、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ時)は、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって、「先読み演出を実行する<先読み演出を実行しない」という大小関係となるように設定されている。これにより、先読み演出を実行しない決定が選択される割合の方が高くなる。
つまり、先読み演出のターゲットとなる保留記憶情報に基づく変動表示の変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、先読み演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、先読み演出が実行されるときには、実行されないときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
〔先読み演出の演出態様の決定〕
次に、先読み演出を実行するときに、先読み演出を実行するときの演出態様をどのように決定するかについて説明する。図19は、先読み演出態様選択テーブルを示す説明図である。先読み演出態様選択テーブルは、複数種類記憶された先読み演出態様(この例では、保留変化演出、所定表示演出、およびステージ演出)のうち、いずれの先読み演出態様で実行するかを選択決定するための抽選に用いるデータテーブルである。先読み演出態様選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
先読み演出態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての先読み演出態様選択用の乱数SR4(0〜69の数値範囲)の合計70個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ時)とに分けて、複数種類の先読み演出態様に割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4値の個数が示されている。
図19に示すように、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)は、SR4の値によって、「保留変化演出=所定表示演出>ステージ演出」という大小関係となるように、保留変化演出または所定表示演出が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ時)も、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、「保留変化演出=所定表示演出>ステージ演出」という大小関係となるように、保留変化演出または所定表示演出が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。しかし、ステージ演出について大当り時とはずれ時とを比べると、大当り時の方がステージ演出が選択される割合が高くなるように設定されている。
〔所定表示演出の演出態様の決定〕
図20は、所定表示変化態様選択テーブルである。所定表示変化態様選択テーブルは、図19の先読み演出態様選択テーブルを用いて先読み演出の演出態様が所定表示演出に決定されたときに、所定表示演出を実行するときの演出態様を選択決定するための抽選に用いるデータテーブルである。所定表示変化態様選択テーブルには、図20(A)の第1所定表示変化態様選択テーブルと、図20(B)の第2所定表示変化態様選択テーブルと、図20(C)の第3所定表示変化態様選択テーブルとが含まれている。これら所定表示変化態様選択テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図20(A)〜(C)の所定表示変化態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留等変化演出態様選択用の乱数SR5(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)と、先読みの大当り判定結果がはずれとされたとき(図中はずれ時)とに分けて、複数種類の演出パターン(演出態様)に割振られている。SR5については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR5値の個数が示されている。
図20における、演出態様(チャンス目)の欄に記載の「青」、「緑」および「赤」とは、チャンス目を構成する演出図柄の背景色を指すものである。また、複数変動に亘ってチャンス目が表示されるときの各変動時のチャンス目は、一番左に記載された表示態様を1回目の表示結果導出時のチャンス目の表示態様とし、矢印を介して次に記載の表示態様が2回目の表示結果時のチャンス目の表示態様として示されている。そして、最も右側に記載された表示態様が先読み演出のターゲットの保留情報を消化する直前の保留情報の表示結果時のチャンス目の表示態様である。たとえば、「青→緑→赤」という記載がされた所定表示変化態様は、所定表示演出を実行する複数回の変動表示のうち1回目の変動表示結果が青色を背景色とする演出図柄の組合せであるチャンス目であって、2回目の変動表示結果が緑色を背景色とする演出図柄の組合せであるチャンス目であって、3回目の変動表示結果が赤色を背景色とする演出図柄の組合せであるチャンス目が表示される演出パターンである。そして、4回目の変動表示結果は先読み演出のターゲットの表示結果である。
先読み演出の実行が決定されているときであって、ターゲットの保留情報の発生時の第1保留記憶個数が2個のときに、図20(A)の第1所定表示変化態様選択テーブルを用いて、先読み演出として所定表示演出を実行するときの演出態様が選択決定される。
ターゲットの保留情報の発生時の第1保留記憶個数が3個のときに、図20(B)の第2所定表示変化態様選択テーブルを用いて、先読み演出として所定表示演出を実行するときの演出態様が選択決定される。
第1所定表示変化態演出態様選択テーブルでは、図20(A)に示す3種類の演出パターンのうちから実行する所定表示演出の演出パターンが選択決定可能である。第2所定表
示変化態演出態様選択テーブルでは、図20(B)に示す6種類の演出パターンのうちから実行する先読みアクティブ変化演出の演出パターンが選択決定可能である。第3先読みアクティブ変化演出態様選択テーブルでは、図20(C)に示す12種類の演出パターンのうちから実行する現変動アクティブ変化演出の演出パターンが選択決定可能である。
図20に示すテーブルでは、大当り期待度は、青色<緑色<赤色の順に高く設定されている。たとえば、図20(A)において、先読みの大当り判定結果が大当りとされたとき(図中大当り時)は、SR5の値によって、選択割合が「赤>緑>青」という大小関係となるように、赤色のチャンス目が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、図20(C)において、演出パターンJ(赤→赤→赤)は、大当り時は、10%の確率で選択されるが、はずれ時は2%の確率でしか選択されない。つまり、演出パターンJが実行されたときは、はずれである確率に対して大当りである確率の方が高いため、大当りに対する期待を抱かせることができる。また、大当り時は選択割合が「演出パターンJ(赤→赤→赤)<演出パターンK(緑<赤<赤)」という大小関係となるように、データが設定される。これにより、演出パターンKと比べて演出パターンJの希少度が上がり、遊技の興趣が向上する。
〔入賞時演出決定処理〕
図21は、演出制御プロセス処理における入賞時演出設定処理(図14のS700)を示すフローチャートである。図21においては、入賞時演出設定処理に含まれる各種の演出の設定に関する処理のうち、先読み演出の設定に関係する処理が示されている。入賞時演出設定処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なうことによって、先読み演出を実行するか否かの決定、先読み演出の種類の選択、および先読み演出の実行態様の決定をする。また、決定した情報は、図3に示す演出制御基板80に搭載されたRAM103の演出制御バッファ設定部に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファの指定領域に格納される。
始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファは、第1特別図柄用と第2特別図柄用との2種類設けられている。各始動入賞時受信コマンドバッファにおいては、各保留記憶数の最大値(たとえば「4」)に対応した数の各種データの格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。演出用バッファは、各始動入賞時受信コマンドバッファにおける各保留記憶に対応したデータの格納領域に対応付けられた態様で設けられている。
演出制御用CPU101は、主基板31から演出制御基板80へと送信されるコマンドを特定するデータを始動入賞時に受信した順番で始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していく。対応する始動入賞時受信コマンドバッファおよび演出用バッファに格納されている各種データは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものが、変動表示の演出に用いるために読出された後削除され、以降の記憶内容が1つ目の格納領域側にシフトされる。具体的には、バッファ番号がnに対応した領域に格納されているデータが、n+1に対応した領域に格納される。
入賞時演出設定処理においては、まず、先読み演出を実行するか否かについて判定されていない第1保留記憶があるか否かを判定する(S7000)。具体的には、演出用バッファに「先読み演出判定無」のデータが格納されているか否かに基づいて判定される。「先読み演出判定無」のデータは、始動入賞時受信コマンドバッファの格納領域にデータが格納されたときに、当該データが格納された始動入賞時受信コマンドバッファに対応する演出用バッファにおける先読み演出の判定の有無を特定可能なデータを記憶する領域に格納される。「先読み演出判定無」のデータは、後述するS7013において、先読み演出
を実行するか否かについての判定がされたとして「先読み演出判定有」のデータに書換えられる。
未判定の第1保留記憶がないと判定された場合には、処理を終了する。未判定の第1保留記憶があると判定された場合には、先読み演出が制限されているか否かが判定される(S7001)。具体的には、演出用バッファに「先読み演出制限有」のデータが格納されているか否かに基づいて判定される。「先読み演出制限有」のデータは、後述するS7012において設定される。始動入賞時受信コマンドバッファの格納領域にデータが格納されたときに、当該データが格納された始動入賞時受信コマンドバッファの格納領域に対応する演出用バッファにおける先読み演出の制限の有無を特定可能なデータを記憶する領域に「先読み演出制限無」のデータが格納さる。そのデータは、S7012において「先読み演出制限有」のデータに書換えられる。
先読み演出が制限されていると判定された場合には、後述するS7013に進む。先読み演出が制限されていないと判定された場合には、第1保留記憶数が2個以上であるか否かを判定する(S7002)。具体的には、演出用バッファの「先読み演出判定有」が格納された領域に対応する、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された第1保留記憶数指定コマンドを特定可能なデータに基づいて判定される。以下、「先読み演出判定有」のデータが格納された領域に対応する始動入賞時受信コマンドバッファ、および、演出用バッファを「先読み判定対象の始動入賞時受信コマンドバッファ」および「先読み判定対象の演出用コマンドバッファ」と称することとする。また、「先読み判定対象の始動入賞時受信コマンドバッファ」および「先読み判定対象の演出用コマンドバッファ」を総じて「先読み判定対象の保留記憶」とも称することとする。
第1保留記憶数が2個以上ではないと判定された場合には、後述するS7013に進む。第1保留記憶数が2個以上であると判定された場合には、先読み演出実行決定用テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S7003)。具体的には、先読み演出実行決定用のSR3を抽出するとともに、先読み判定対象の始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された図柄指定コマンドを特定可能なデータに基づいて先読み判定対象の変動表示結果が大当りか否かを判定し、当該判定結果に対応する図18の先読み演出実行決定用テーブルを用い、SR3の抽出値に基づいて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
次に、S7003において先読み演出を実行することに決定されたか否かを判定する(S7004)。先読み演出を実行しないことに決定された場合は、先読み判定対象の演出用バッファにおける先読み演出の実行の有無を特定可能なデータを記憶する領域と、先読み演出の演出パターンを特定可能なデータを記憶する領域とに「先読み演出無」のデータが格納され、後述するS7011に進む。先読み演出を実行することに決定された場合は、先読み判定対象の演出用バッファにおける先読み演出の実行の有無を特定可能なデータを記憶する領域に「先読み演出有」のデータを格納し、先読み演出態様選択テーブルを用いて先読み演出態様を決定する(S7005)。具体的には、先読み演出態様選択用のSR4を抽出するとともに、先読み判定対象の始動入賞時受信コマンドバッファの図柄指定コマンドを特定可能なデータに基づいて大当りか否かを確認し、図18の先読み演出実行決定用テーブルを用い、SR4の抽出値および大当りか否かの確認結果に基づいて、先読み演出態様を選択決定する。
いずれの先読み演出態様で実行するかを選択決定した後、S7005で決定した先読み演出態様が所定表示(チャンス目)演出であるか否かを判定する(S7006)。決定した先読み演出態様が所定表示演出であると判定された場合には、図19の第1保留記憶数に応じた所定表示変化演出態様選択テーブルを用いて、所定表示の演出パターンを決定す
る(S7007)。具体的には、所定表示変化演出態様選択用のSR5を抽出するとともに、先読み判定対象の始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された第1保留記憶数指定コマンドを特定可能なデータに基づいて第1保留記憶数を確認し、確認した第1保留記憶数に対応する図20の先読み演出実行決定用テーブルを用い、SR5の抽出値に基づいて、所定表示変化演出態様を選択決定する。
決定した先読み演出態様が所定表示演出ではないと判定された場合には、決定した先読み演出態様に応じて、演出パターンを決定する(S7009)。たとえば、先読み演出として保留変化演出を実行することとした場合には、いつのタイミングの保留シフト時に保留画像の色をどのように変化させるか等を決定する。また、ステージ演出を実行することとした場合には、大当り期待度に応じて複数の演出のステージを設け、いずれの演出のステージを実行するかを決定する。
先読み演出態様に応じた先読み演出の演出パターンを決めた(S7007、S7009)後、決定された演出パターンに基づく先読み実行フラグをセットする(S7010)。具体的には、先読み判定対象の演出用バッファにおける先読み演出の演出パターンを特定可能なデータを記憶する領域にS7007またはS7009で決定された演出パターンを特定可能なデータを格納する。
一方、S7004で先読み演出の実行をしないと決定した場合は、先読み判定対象の保留記憶がリーチ変動パターンであるか否かを判定する(S7011)。具体的には、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された変動種別コマンドを特定可能なデータがリーチ変動(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)パターン種別を示すデータであるか否かを確認する。先読み判定対象の保留記憶がリーチ変動パターンではない場合には、後述するS7013に進む。先読み判定対象の保留記憶がリーチ変動パターンである場合には、S7012に進む。
先読み判定対象の保留記憶がリーチ変動パターンである場合または、先読み演出の演出パターンに基づく先読み実行フラグがセットされた後は、「先読み演出制限有」のデータに書換える(S7012)。より具体的には、先読み判定対象以前の演出用バッファに記憶された「先読み演出制限無」のデータをすべて「先読み演出制限有」に書換える。これにより、S7004で決定された先読み演出の実行と、当該先読み演出の対象とは異なる保留記憶を対象とした先読み演出とが重なって実行されることを防ぐことができる。また、リーチ変動パターンが選択されている場合に、当該リーチ変動パターンによる変動表示中に先読み演出が実行されることを防ぐことができる。
先読み実行フラグがセットされた後、先読み演出制限フラグがセットされていると判定した場合、第1保留記憶数が2以上でないと判定した場合、または、先読み演出を実行しないと決定した場合であって先読み判定対象の保留記憶に基づく変動表示がリーチ変動パターンとならない場合には、「先読み演出判定無」のデータが「先読み演出判定有」のデータに書換えられ(S7013)、処理を終了する。これにより、入賞時演出決定処理において判定した先読み判定対象の保留記憶については、先読み演出を実行するか否かを判定したことを記憶することができる。
以上に説明したような態様で、各保留記憶情報について、入賞時演出決定処理に基づいて、先読み演出を実行するか否か、および、先読み演出の実行態様について決定することにより、変動表示を実行するときに、先読み演出を実行するか否かと、先読み演出の演出態様とを演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出設定処理において変動表示中の演出態様を決定するときに用いることができる。そして、変動表示を実行するときに、先読み演出の演出態様に基づいて、何れの段階予告が実行される可能性があるかと、段階予
告の種類と等を決定する。以下、変動表示を実行するときに使用する各種データテーブルについて説明する。
〔第1段階予告の実行の有無の決定〕
図22は、第1段階予告実行決定用テーブルを示す説明図である。第1段階予告実行決定用テーブルは、第1段階予告を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。第1段階予告実行決定用テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
第1段階予告実行決定用テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての段階予告決定用の乱数SR6(0〜39の数値範囲)の合計40個の数値が、変動パターンの種類ごとに、先読み演出を実行する決定と、先読み演出を実行しない決定とに割振られている。SR6については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR6値の個数が示されている。第1段階予告実行決定用テーブル中の「超短縮変動時」等とは、変動パターンの種類を表すものであって、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる変動パターンコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100はいずれの変動パターンが選択されたかを確認する。
図22に示すように、超短縮変動時は、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、「第1段階予告を実行する<第1段階予告を実行しない」という大小関係となるように、第1段階予告を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。短縮変動時は、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、「第1段階予告を実行する=第1段階予告を実行しない」という関係となるようにデータが設定されている。通常変動時、ノーマルリーチ時、およびスーパーリーチ時は、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、「第1段階予告を実行する>第1段階予告を実行しない」という大小関係となるように、第1段階予告を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このように、変動パターンの種類によって第1段階予告を実行する割合を変えることで、変動時間の短い超短縮変動時(4秒)には第1段階予告の実行頻度を下げ、超短縮変動時(4秒)に比べて変動時間の長い通常変動時(11秒)とリーチ時には第1段階予告の実行頻度を上げることができる。
〔第1段階予告の演出態様の決定〕
図23は、第1段階予告選択テーブルを示す説明図である。図23(A)〜(D)の第1段階予告態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての段階予告態様選択用の乱数SR7(0〜399の数値範囲)の合計200個の数値が、複数種類の演出パターン(演出態様)に割振られている。SR7については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR5値の個数が示されている。
図23における、演出態様の欄に記載の「チャンス目示唆」、「チャンス!?」、「次回予告」、「NEXT」および「リーチ」とは、前述の示唆表示(図15(D)に示すパネル94の表示)を指すものである。「チャンス目示唆」とは、表示結果がチャンス目となることを示唆する表示である。具体的には、パネル94にチャンス目を表示したものをいう(図15(D)参照)。また、複数段階に亘って示唆表示が表示されるときの各段階の示唆表示は、一番左に記載された表示態様を1段階目の示唆表示の表示態様とし、矢印を介して次に記載の表示態様が2段階目の示唆表示の表示態様として示されている。そして、最も右側に記載された表示態様がパネル94の拡大時にパネル94に表示されている示唆表示の表示態様である。たとえば、「チャンス!?→次回予告→チャンス目示唆」という記載がされた第2段階予告態様は、2段階に亘って示唆表示を段階的に表示するもののうち、1段階目の示唆表示として「チャンス!?」が表示されたパネル94が表示され
、2段階目の示唆表示として「次回予告」が表示されたパネル94が表示され、3段階目の示唆表示として「チャンス目」が表示されたパネル94が表示される。そして、表示結果として「チャンス目」以外の表示結果が導出表示される。
変動表示を実行するときの当該変動表示の変動パターンが超短縮変動パターンのときに、図23(A)の第1段階予告態様第1選択テーブルを用いて、示唆演出として第1段階予告を実行するときの演出態様が決定される。
変動表示を実行するときの当該変動表示の変動パターンが短縮変動パターンのときに、図23(B)の第1段階予告態様第2選択テーブルを用いて、示唆演出として第1段階予告を実行するときの演出態様が決定される。
変動表示を実行するときの当該変動表示の変動パターンが通常変動パターンのときに、図23(C)の第1段階予告態様第3選択テーブルを用いて、示唆演出として第1段階予告を実行するときの演出態様が決定される。
変動表示を実行するときの当該変動表示の変動パターンがリーチ変動パターン(ノーマルリーチ変動パターンまたはスーパーリーチ変動パターン)のときに、図23(D)の第1段階予告態様第4選択テーブルを用いて、示唆演出として第1段階予告を実行するときの演出態様が決定される。
超短縮変動時、短縮変動時、および通常変動時は、いずれも「はずれ」の表示結果が導出表示される。そのため、図23(B)および(C)に示すように、示唆表示として「次回予告」が表示される演出パターンについては、他の演出パターンに比べて実行頻度が低くなるように設定されている。また、図23(D)に示すように、リーチ時は大当りになる可能性があるため、示唆表示として「次回予告」が表示される演出パターンについては、他の演出パターンに比べて実行頻度が高くなるように設定されている。これより、「次回予告」が表示された場合に大当りになる信頼度を高めることができる。
〔第2段階予告の実行の有無の決定〕
図24は、第2段階予告実行決定用テーブルを示す説明図である。第2段階予告実行決定用テーブルは、第2段階予告を実行するか否か(有無)を決定するための抽選に用いるデータテーブルである。第2段階予告実行決定用テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
第2段階予告実行決定用テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての段階予告決定用の乱数SR6(0〜39の数値範囲)の合計40個の数値が、変動パターンの種類ごとに、先読み演出を実行する決定と、先読み演出を実行しない決定とに割振られている。SR6については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR6値の個数が示されている。第2段階予告実行決定用テーブル中の「超短縮変動時」等とは、変動パターンの種類を表すものであって、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる変動パターンコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100はいずれの変動パターンが選択されたかを確認する。
図24に示すように、超短縮変動時は、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、「第2段階予告を実行する<第2段階予告を実行しない」という大小関係となるように、第2段階予告を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。短縮変動時は、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、「第2段階予告を実行する=第2段階予告を実行しない」という関係となるようにデータが設定されている。通常変動時は、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、「第2段階
予告を実行する>第2段階予告を実行しない」という大小関係となるように、第2段階予告を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。また、ノーマルリーチ時とスーパーリーチ時についてSR6の値が割振られていない理由は、第2段階予告は先読み演出として所定表示演出が実行されるときに実行される示唆演出であって、変動パターン種別として「通常変動」が設定されている場合に実行されるからである。
このように、変動パターンの種類によって第2段階予告を実行する割合を変えることで、変動時間の短い超短縮変動時(4秒)には第2段階予告の実行頻度を下げ、超短縮変動時(4秒)に比べて変動時間の長い通常変動時(11秒)には第2段階予告の実行頻度を上げることができる。
〔第2段階予告の演出態様の決定〕
図25は、第2段階予告選択テーブルを示す説明図である。図25(A)〜(C)の第2段階予告態様選択テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての段階予告態様選択用の乱数SR7(0〜399の数値範囲)の合計200個の数値が、複数種類の演出パターン(演出態様)に割振られている。SR7については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR5値の個数が示されている。
図25における、演出態様の欄に記載の「チャンス目示唆」、「チャンス!?」、「次回予告」、「NEXT」および「リーチ」とは、図23と同様であって、矢印が示す演出態様も図23と同様である。ただし、第2段階予告が実行される変動表示は、チャンス目の表示結果が導出表示される点で、図23の第1段階予告とは異なる。
変動表示を実行するときの当該変動表示の変動パターンが超短縮変動パターンのときに、図25(A)の第1段階予告態様第1選択テーブルを用いて、示唆演出として第2段階予告を実行するときの演出態様が決定される。
変動表示を実行するときの当該変動表示の変動パターンが短縮変動パターンのときに、図25(B)の第2段階予告態様第2選択テーブルを用いて、示唆演出として第2段階予告を実行するときの演出態様が決定される。
変動表示を実行するときの当該変動表示の変動パターンが通常変動パターンのときに、図25(C)の第2段階予告態様第3選択テーブルを用いて、示唆演出として第2段階予告を実行するときの演出態様が決定される。
図25(A)〜(C)に示すように、第2段階予告の最終段階目の示唆表示はいずれのパターンにおいても「チャンス目示唆」である。なぜならば、第2段階予告が実行される変動表示においては所定表示(チャンス目)が導出表示されるからである。また、超短縮変動時は初期段階目で第2段階予告が終了し、短縮変動時は2段階目で第2段階予告が終了し、通常変動時は3段階目で第2段階予告が終了するように設定されている。このように設定することで、超短縮変動パターンのように変動時間が極めて短いときでも第2段階予告を実行することができるようになる。その結果、演出分岐が多彩になり、遊技の興趣が向上する。
図25(B)および(C)に示すように、示唆表示として「次回予告」が表示される演出パターンについては、他の演出パターンに比べて実行頻度が低くなるように設定されている。第2段階予告が実行される変動表示においては「はずれ」の表示結果が導出表示されるため、「次回予告」が表示された場合の大当り期待度を高めることができる。
〔演出図柄変動開始処理〕
図26は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(図14のS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の
組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、保留等変化の演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図27を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(図14
のS802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
〔演出設定処理〕
図27は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、以下に説明するような処理を行なう。
まず、今回の変動表示が、先読み演出の実行対象であるか否かが判定される(S6161)。具体的には、第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応して「先読み演出無」のデータが記憶されているか否かに基づいて判定される。「先読み演出無」のデータが記憶されている場合は、先読み演出の実行対象ではないと判定される。一方、「先読み演出無」のデータが記憶されていない場合は、先読み演出の実行対象であると判定される。
先読み演出の実行対象ではないと判定された場合、後述するS6168に進む。先読み演出の実行対象であると判定された場合、先読み演出態様が所定表示演出であるか否かが判定される(S6162)。具体的には、第1保留記憶についての演出用バッファにおいて、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応して所定表示演出の演出パターンのデータが記憶されているか否かに基づいて判定される。
先読み演出態様が所定表示演出ではないと判定された場合、後述するS6168に進む。先読み演出態様が所定表示演出であると判定された場合、今回の変動表示が先読み判定対象(ターゲット)の変動表示であるか否かが判定される(S6163)。具体的には、今回の変動表示の次の変動表示を実行する保留記憶情報に「先読み判定対象」のデータがあるか否かに基づいて判定される。
今回の変動表示が先読み判定対象の変動表示であると判定された場合、後述するS6170に進む。今回の変動表示が先読み判定対象の変動表示ではないと判定された場合、所定表示の表示態様が青色か否かが判定される(S6164)。具体的には、今回の変動表示を実行する保留記憶情報に対応して記憶された先読み演出の演出パターンを特定可能なデータに基づいて判定される。
所定表示の表示態様が青色であると判定された場合、後述するS6171に進む。所定表示の表示態様が青色ではないと判定された場合、つまり、所定表示の表示態様が赤色または緑色である場合、今回の変動パターンを確認し、図24の第2段階予告実行決定用テーブルを用いて第2段階予告の実行の有無が決定される(S6165)。具体的には、段階予告実行決定用のSR6が抽出されるとともに、遊技制御用CPU56から送られた変動パターンコマンドから変動パターンが確認され、確認された変動パターンに対応する図24の第2段階予告実行決定用テーブルを用い、SR6の抽出値に基づいて、第2段階予告の実行の有無が決定される。
第2段階予告の実行の有無が決定された後、第2段階予告を実行すると決定されたか否かが判定される(S6166)。第2段階予告を実行しないと決定された場合は、後述するS6171に進む。第2段階予告を実行すると決定された場合は、変動パターンに応じた第2段階予告態様選択テーブルを用いて、第2段階予告の演出態様が決定される(S6167)。具体的には、段階予告態様選択用のSR7が抽出されるとともに、遊技制御用CPU56から送られた変動パターンコマンドに基づいて変動パターンが確認され、確認された変動パターンに対応する図25の第2段階予告実行決定用テーブルを用い、SR7の抽出値に基づいて、第2段階予告の演出パターンが決定される。
S6163で今回の変動表示が先読み判定対象(ターゲット)の変動表示ではないと判定された場合、または、S6162で先読み演出態様が所定表示演出ではないと判定された場合は、S6168に進む。S6168においては、今回の変動パターンを確認し、図22の第1段階予告実行決定用テーブルを用いて、第1段階予告の実行の有無が決定される。具体的には、段階予告実行決定用のSR6が抽出されるとともに、遊技制御用CPU56から送られた変動パターンコマンドに基づいて変動パターンが確認され、確認された変動パターンに対応する図22の第1段階予告実行決定用テーブルを用い、SR6の抽出値に基づいて、第1段階予告の実行の有無が決定され、後述するS6171に進む。
第1段階予告の実行の有無が決定された後、第1段階予告を実行すると決定されたか否かが判定される(S6166)。第1段階予告を実行しないと決定された場合、後述するS6171に進む。第1段階予告を実行すると決定された場合、または、今回変動が先読み対象の変動表示である場合、変動パターンに応じた第1段階予告態様選択テーブルを用いて、第1段階予告の演出態様が決定される(S6170)。具体的には、段階予告態様選択用のSR7が抽出されるとともに、遊技制御用CPU56から送られた変動パターンコマンドに基づいて変動パターンが確認され、確認された変動パターンに対応する図25の第2段階予告実行決定用テーブルを用い、SR7の抽出値に基づいて、第1段階予告の演出パターンが設定され、後述するS6171に進む。
S6171においては、上述の処理で決定した演出以外の演出である他の演出が設定され、処理は終了される。他の演出の一例としては、第2段階予告または第1段階予告を実行する場合において、示唆表示として、チャンス目示唆が表示されることに決定されている場合にチャンス目示唆表示の表示内容を決定したり、段階予告以外の演出について決定をする。たとえば、第2段階予告中のチャンス目示唆表示については、最終表示結果のチャンス目と同じ演出図柄の組合せが表示されるように決定する。また、第1段階予告中のチャンス目示唆表示については、複数種類設けられたチャンス目示唆表示のうちいずれかを選択決定してもよい。
このような演出設定処理におけるS6161〜S6171の処理が実行されることに基づく演出制御の設定に基づいて、図14に示す演出図柄変動中処理(S802)により、S6170またはS6167で設定された実行態様に基づいて、段階予告が実行されることとなる。これにより、たとえば、図15(A)〜(E)または図15(A)〜(C)、図16(D)〜(H)に示したような演出態様での段階予告が実行されることとなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、少なくとも変動表示の実行中に、遊技者による調整動作に応じて演出効果を調整可能な調整手段と、その調整手段による調整に対応する調整画像を所定期間表示する調整画像表示手段とを備え、調整画像表示手段が、所定期間内に変動表示結果が導出表示される場合に、その所定期間のうち、変動表示結果が導出表示される期間で調整画像を視認不可または視認困難とする特定報知手段を備えるパチンコ遊技機を説明する。
図28は、演出表示装置9の画面上に各種画像を表示させる具体的な設定の一例を示している。図28(A)は、複数の表示レイヤにZ値を割当てるZ値設定テーブルの構成例を示している。図28(B)は、Z値設定テーブルによるZ値の設定に基づく各表示レイヤの配置例を示している。この実施の形態において、複数のレイヤには、小図柄表示レイヤと、変化演出表示レイヤと、演出図柄表示レイヤとが含まれている。小図柄表示レイヤには、小図柄表示エリアにて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される。小図柄表示エリアは、所定条件が成立したときに、特別図柄や飾り図柄の変動表示と同期して、
通常の演出図柄より縮小された演出図柄である小図柄の変動表示が行なわれる表示領域である。変化演出表示レイヤには、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられるキャラクタ等を示す演出画像が描画される。演出図柄表示レイヤには、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにて変動表示される演出図柄を示す演出画像が描画される。各表示レイヤに描画される演出画像の画像データには、それぞれの演出画像を重畳して描画するときに用いる奥行き値となるZ値が設定されている。図28(A)に示すようなZ値設定テーブルによるZ値の設定により、小図柄表示レイヤ、変化演出表示レイヤ、演出図柄表示レイヤのそれぞれに描画される演出画像のZ値は、その演出画像が描画される表示レイヤに応じて異なる値となっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、画像処理に用いる構成として、前述したVDP(Video Display Processor)の他に、CGROM(Character Generator ROM)、および、VRAM(Video RAM)が設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ1
00では、たとえば、VDPが、CGROMから読出した画像データをVRAMのフレームバッファ等に書込むときに、Z値の比較演算を行なうことで、優先度の判定を行なえばよい。そして、Z値が小さい値である演出画像の画像データは、Z値が大きい値である演出画像の画像データよりも優先してフレームバッファに書込まれる。これにより、Z値として小さい値が割当てられた表示レイヤに描画する演出画像は、Z値として大きい値が割当てられた表示レイヤに描画する演出画像よりも優先度が高くなり、遊技者からみて前方側に配置することができる。
図28(B)に示すように、小図柄表示エリア(下向き矢印が示された領域)にて変動表示される小図柄を示す演出画像が描画される小図柄表示レイヤは、遊技者からみて最も前方側に配置されるように、Z値が設定される。したがって、演出表示装置9の画面上にて任意の演出画像を表示することによる表示演出が実行される場合でも、小図柄表示エリア5Vにおける小図柄の表示は、常に遊技者が視認可能となる。また、変化演出表示レイヤは、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられる演出画像が表示される演出領域を提供する表示レイヤであり、小図柄表示レイヤよりも後方側であるが、演出図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるように、Z値が設定される。これにより、保留表示変化演出やアクティブ表示変化演出で用いられる演出画像は、演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。このように、変化演出用キャラクタを示す演出画像は、識別情報画像となる演出図柄を示す演出画像よりも前方側の重複する位置に配置することができる。なお、複数のレイヤは、エラー画像表示レイヤを含んでいてもよい。そして、たとえば、エラー画像表示レイヤについて、小図柄表示レイヤよりも前方側に配置されるようにZ値を設定することで、エラー画像(図30(D1)(D2)参照)の優先度を他の演出画像よりも高くするようにしてもよい。
図29は、演出制御用マイクロコンピュータ100にて実行される演出効果設定処理の一例を示すフローチャートである。図30は、演出表示装置9において演出効果設定処理に応じて実行される演出表示の表示画面図である。
演出効果設定処理は、たとえば、図14に示すような演出制御プロセス処理において、一連の演出制御プロセスに関するS800〜S807とは別の処理として、先読み演出処理(S700)の後に実行される。
この実施の形態では、以下に説明する演出効果設定処理を実行することで、遊技中(図30(A))や客待ちデモンストレーション表示中(図30(B))に、遊技者の調整操作により、演出効果としての音量を調整可能となっている。また、音量が調整されると、音量の調整結果を示す調整結果画像Rが、演出表示装置9の所定領域において演出画像やデモ画像と重畳した態様で表示される。調整結果画像Rは、図30(A)(B)(C2)
等に示すように、たとえば、左右方向に増減するバーグラフ表示の態様にて表示される。なお、調整結果画像Rの態様は、遊技者等に現在の音量を認識させることができれば任意であり、音量に対応した数値や文字を表示する態様や、円グラフ態様等であってもよい。
なお、この実施の形態では、メニューモード中においては、メニュー画面(図30(C1))から「音量調整」の項目が選択されて音量調整モード選択中(図30(C2))となったときにのみ音量の調整が可能となっている。音量調整モード選択中には、調整結果画像Rが常に表示される。また、後述するように、客待ちデモ表示中に所定操作を受け付けたことに応じて、客待デモ表示中からメニューモードへと移行する。
図29に示す演出効果設定処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、メニューモード実行中であるか否かを判定する(SA701)。たとえば、演出制御用CPU101は、メニューモード実行中フラグがオン状態であればメニューモード実行中と判定し、オフ状態であればメニューモード実行中でないと判定する。なお、メニューモード実行中フラグは、後述のSA662でオン状態にセットされ、SA661でオフ状態にクリアされる(図31参照)。
メニューモード実行中でない場合(SA701;No)、演出制御用CPU101は、調整結果画像表示中フラグがオン状態であるか否かを判定する(SA702)。なお、調整結果画像表示中フラグは、後述のSA708やSA715でオン状態にセットされ、SA704、SA712でオフ状態にクリアされる。
調整結果画像表示中フラグがオン状態である場合(SA702;Yes)、演出制御用CPU101は、調整操作受付時から予め定められた所定期間T1が経過したか否かを判定する(SA703)。ここで、調整操作(調整動作)は、たとえばスティックコントローラ122等の操作手段を用いて遊技者によってなされる操作であり、この実施の形態では、演出効果としての音量を調整するための操作である。遊技者は、たとえば、スティックコントローラ122を左右に傾倒操作することにより、音量を予め定められた範囲内(たとえば、1〜6の6段階)から調整し、傾倒操作を止めた時点での音量が調整結果としての音量として決定される。
なお、音量の決定操作は、調整操作とは別個にスティックコントローラ122のトリガボタン125を押引操作したり、プッシュボタン120を押下操作したりすることによってなされてもよい。また、音量調整のための操作手段はスティックコントローラ122に限られず、図示しない十字キーやダイヤル式の操作手段等であってもよい。また、操作手段の代わりに、非接触型のセンサ(たとえばフォトセンサ等)を用いて、当該センサによって検出される遊技者の調整動作によって演出効果の調整が可能であってもよい。
所定期間T1は、音量の調整結果を示す調整結果画像Rの表示期間として予め定められている。所定期間T1は、遊技者が調整結果を確認するのに適切な期間であれば任意であり、この実施形態では、数秒程度(たとえば2〜10秒)に設定されている。なお、調整操作受付時から所定期間T1が経過したか否かは、たとえば、後述のSA706で調整操作あり(SA706;Yes)と判定したことに伴って、所定のタイマに所定期間T1に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを判定すればよい。
なお、調整操作(調整動作)は、演出効果としての演出表示装置9や演出効果ランプの表示輝度(光量)を調整するための操作であってもよい。そして、調整結果画像Rは輝度の調整結果を示すものであってもよい。また、調整操作に応じて、音量と輝度との少なくとも一方が調整可能であればよい。また、音量に応じた調整結果画像が表示される所定期間と、輝度に応じた調整結果画像が表示される所定期間とは、同じ長さに設定されていて
もよいし、異なる長さに設定されていてもよい。
ここで、図31を参照して、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の一例を説明する。図31は、所定の演出中に調整結果画像Rが表示される場合の演出表示装置9での表示例を示す図である。
演出図柄の変動表示(変動)が実行され、図31(A)に示すように演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となると、ノーマルリーチにおける所定のリーチ演出が実行され、その後、図31(B)に示すような発展報知画像(図示例では「スーパーリーチ!」)を演出表示装置9に表示することにより、スーパーリーチへの発展報知が行なわれる。変動中において、遊技者による調整操作がなされると、図31(B)に示すように演出表示装置9の右下端に調整結果画像Rが表示される(SA710に相当)。
このような発展報知に続いて、図31(C)に示すようなスーパーリーチにおけるリーチ演出の実行中に操作促進画像Pが表示される。そして、プッシュボタン120による操作がなされると、図31(D)に示すように、所定のカットイン演出が実行される。なお、操作促進画像Pの表示期間中にプッシュボタン120による操作がなされない場合には、カットイン演出は実行されない。その後、図31(E)に示すように、たとえば大当り組み合わせの最終停止図柄が導出表示される。
調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図31(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは演出表示装置9に表示されたままである。この場合、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特定演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、導出表示期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図31(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(SA712に相当)。これにより、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。なお、図31においては、変動表示結果が大当り表示結果となる場合を例として示したが、はずれ表示結果となる場合も同様とする。
〔第2実施形態が備える手段構成〕
第2実施形態については、以下のような手段構成を備えているといえる。
(1)変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(たとえばパチンコ遊技機1等)であって、少なくとも変動表示の実行中に、遊技者による調整動作(調整操作)に応じて演出効果を調整可能な調整手段(たとえば図29のSA706、SA707の処理を実行する演出制御用マイクロコンピュータ100)と、前記調整手段による調整に対応する調整画像(たとえば図31(B)〜(D)に示す調整結果画像R)を所定期間(たとえば所定期間T1)表示する調整画像表示手段(たとえば図29のSA708、SA703、SA704の処理を実行する演出制御用マイクロコンピュータ100)と、を備え、前記調整画像表示手段は、前記所定期間内に表示結果が導出表示される場合に、該所定期間のうち、表示結果が導出表示される期間(たとえば導出表示期間T2)で前記調整画像を視認不可(たとえば演出制御用マイクロコンピュータ100が図29のSA710〜SA712の処理を実行すること等)又は視認困難(たとえば調整画像を半透明表示としたり、点滅表示とすること等)とする。このような構成によれば、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
(2)上記(1)の遊技機において、前記調整画像の表示領域の少なくとも一部が、表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる(たとえば図30(A)参照)、ようにしてもよい。このような構成によれば、変動表示結果の導出表示領域の少なくとも一部と重なる調整画像結果画像を消去するため、変動表示結果の視認性の低下を抑えることがで
きる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、変動表示結果の導出表示中もエラー画像は消去しない(たとえば図30(D2)参照)、ようにしてもよい。このような構成によれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、前記調整画像の表示よりも前記エラー画像の表示を優先する(異常報知コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100が、当該コマンドが示すエラーが解消されるまでは図30(D1)、(D2)に示すようなエラー画像の表示を継続させること等)、ようにしてもよい。このような構成によれば、エラー画像の視認性を確保することができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、前記調整動作が行なわれた場合はデモ表示を視認可能に維持するが(たとえば図30(B)参照)、メニュー表示操作が行なわれた場合はデモ表示を消去するようにしてもよい。このような構成によれば、好適にデモ表示を行なうことができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば大当り遊技状態等)に制御するか否かを決定する決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560の大当り判定処理等)と、前記決定手段の決定結果に応じて、識別情報の変動表示を行い表示結果を導出表示する表示手段(たとえば演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御プロセス処理等)と、前記識別情報の変動表示の実行中に特殊演出画像を表示可能な特殊演出実行手段(たとえば変化演出用キャラクタ表示処理を実行する演出制御用マイクロコンピュータ100の処理等)と、を備え、前記特殊演出画像は、少なくとも前記識別情報の一部よりも前方側の重複する位置に配置可能であり(たとえば図28(B)参照)、前記特殊演出実行手段は、前記識別情報の表示結果が導出される期間において、該識別情報よりも前方側にて重複する位置では前記特殊演出画像の表示態様を静止態様とする(たとえば演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出図柄よりも前方側にて重複する位置で特殊演出画像の表示態様を静止態様とする処理等)、ようにしてもよい。このような構成によれば、表示結果の誤認を防止することができる。
〔主な効果〕
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図16および図17に示すように、演出表示装置9において、変動表示の表示結果が導出表示されるまでに段階予告によって、当該表示結果が、チャンス目のような所定表示となるか否か、および大当り表示結果となるか否か等について示唆される。これにより、表示結果が導出表示されるまでの演出において、演出分岐が多彩になり、遊技の興趣が向上する。
(2) 図20に示すように、変動表示の表示結果を所定表示であるチャンス目として複数種類表示可能であるから、所定表示の表示態様ごとに演出が異なることによって演出が多彩になり、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図16(D)および(E)に示すように、チャンス目示唆表示は導出表示されるチャンス目と同じである。また、遊技者にとっての有利度である大当り期待度が「青チャンス目<緑チャンス目<赤チャンス目」となるように設定されている。さらに、図27のS6164において、所定表示の表示態様が青チャンス目に決定している場合は第2段階予告を実行しないと決定する。これによって、大当り期待度が「青チャンス目」よりも高いときにだけ、第2段階予告によって所定表示が導出表示されることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣が向上する。
(4) 図23および図25に示すように、段階予告として、X−1〜X−42に示す複数種類の演出パターンを備える。そのため、演出が多彩になり、遊技の興趣が向上する
。
(5) 図23および図25に示すように、段階予告として、チャンス目示唆表示が初期段階で表示される演出パターンX−1等と、チャンス目示唆表示が2段階目で表示される演出パターンX−2等とを実行可能である。そのため、2段階目でチャンス目が導出表示されるのか、あるいは1段階目でチャンス目が導出表示されるのか、というように、演出分岐が多彩になり、遊技の興趣が向上する。
(6) 図6(C)に示すように、第1保留記憶数が4のときは、「超短縮変動パターン」を選択可能であって、第1保留記憶数が3のときは、「短縮変動パターン」を選択可能である。そのため、変動表示結果がはずれ表示結果であって、通常変動パターン種別に決定されている場合であっても、保留記憶を消化するときの保留記憶数によって実行される変動パターンが異なるため、演出が多彩になり、遊技の興趣が向上する。
(7) 図23(A)および図25(A)に示すように、超短縮変動時は、段階予告として、初期段階にチャンス目示唆表示が表示される、演出パターンX−1を選択可能である。そのため、変動時間が4秒である超短縮変動パターンに決定された場合であっても、チャンス目が導出表示されるか否かについての期待感を遊技者に与えることができる。
(8) 第2実施形態に示すように、調整操作がなされてから所定期間T1が経過するまでは、図31(B)〜(D)に示すように、調整結果画像Rは演出表示装置9に表示されたままであり、調整結果画像Rは、発展報知画像や操作促進画像P(特殊演出画像の一例)とは重畳しない位置に表示される。しかし、導出表示期間T2においては、所定期間T1が経過していなくとも、図31(E)に示すように調整結果画像Rは消去される(SA712に相当)。これにより、導出表示される変動表示結果の認識性の低下を抑えることができる。
(9) 第1保留記憶数が上限値(本例においては4)に達している場合は、第1始動入賞口13に遊技球が通過しても、有効始動入賞とは認められず、保留記憶されない。そこで、このように構成することで、保留消化時間を短縮することができ、第1始動入賞口13に遊技球が通過しても、保留記憶されないという遊技者にとっての不利益の発生を防ぐことができる。
〔変形例〕
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、チャンス目が同色の背景色からなる演出図柄の組合せからなるものとした例を示した。しかし、これに限らず、チャンス目は予め定められた演出図柄の組合せであればよい。たとえば、数字図柄の図柄の色を同色とするようなものであってもよい。
(2) 前述した実施の形態では、所定表示を演出図柄からなるチャンス目としたが、これに限ったものではない。たとえば、先読み演出の一つとして例示したステージ演出のように、特定の背景画像の表示を前記所定表示としてもよい。このようなときは、段階予告中の所定表示が表示されることを示唆する第2示唆表示として、前記特定の背景をパネル94に表示させるようにしてもよい。また、保留変化演出において、特定のキャラクタ画像が表示されたときに、当該キャラクタ画像から発射されるビーム砲によって保留画像またはアクティブ画像の画像色が変わる演出を実行してもよい。このようなときは、第2示唆表示として、前記キャラクタ画像をパネル94に表示させるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、段階予告中の所定表示が表示されることを示唆する表示(第2示唆表示)として、チャンス目示唆表示のみとしたが、(2)に示したように、第2示唆表示として、特定の背景画像を表示させたり、特定のキャラクタ画像を表示させてもよい。また、段階予告において、異なる種類の第2示唆表示を段階的に表示させてもよい。たとえば、1段階目でキャラクタ画像を表示し、2段階目でチャンス目示唆表示
を表示し、3段階目で特定の背景画像を表示してもよい。
(4) 前述した実施の形態では、段階予告の演出例として、仮想カメラ96が図15(A)に示した実線に沿って移動しながら撮像しているようなイメージ画像が表示される例を示したが、これに限ったものではない。たとえば、1枚目のパネル94の示唆表示が視認可能に表示された後に変動表示結果が確定表示されるときに、示唆した表示結果と異なる表示結果が確定表示されるような場合は、2枚目のパネル94の方向(左斜め前方)ではなく、右斜め前方に仮想カメラ96を移動させながら撮像しているようなイメージ画像が表示されるようにしてもよい。そして、右斜め前方に位置する3枚目のパネル94を停止表示させることなく、仮想カメラ96を右斜め前方に移動させながら撮像しているようなイメージ画像を表示し続け、所定期間が経過すると、演出図柄が変動している様子(図16(A)参照)に切替えた後、表示結果を確定表示させてもよい。また、段階予告の例として、仮想カメラ96が移動しながら複数のパネル94を順番に撮像しているようなイメージの画像が表示されるとしたが、示唆表示を一種類ごとに視認可能に表示させる演出であればよい。たとえば、絵本の各ページに示唆表示が表示されており、ページを捲り1枚ずつページを表示させるようなイメージの画像によって段階的に示唆表示を表示させてもよい。
(5) 前述した段階予告において複数枚のパネル94を表示するときには、パネルのシャッター95の部分を、大当り表示結果となる期待度に応じて異なる色(たとえば、期待度の関係:青<緑<赤)で表示してもよい。また、パネルの枠部分を、大当り表示結果となる期待度に応じて異なる色で表示してもよい。
(6) 前述した段階予告において複数枚のパネル94を表示するときには、図16(D)のような拡大表示中に、チャンス目として表示されている図柄の組合せが、他の図柄の組合せに変更(チャンス目以外の図柄の組合せでもよく、大当り図柄の組合せでもよい)されるようにしてもよい。
(7) 前述した段階予告において表示される複数枚のパネル94には、大当りが確定している状態を特定可能なパネル94(たとえば、大当り確定色である虹色等の特定の色で表示されたパ寝る)を表示可能としてもよい。
(8) 前述した段階予告において表示される複数枚のパネル94としては、シャッター95が設けられていないパネルを表示してもよい。たとえば、チャンス目が視認可能な状態で表示されたパネルを表示可能としてもよい。
(9) 前述した段階予告において表示される複数枚のパネル94としては、複数枚のパネル94としては、シャッター95が設けられていないパネルと、シャッター95が設けられているパネルとを混在した態様で表示してもよい。たとえば、2枚目のパネルまではシャッター95が設けられておらず、チャンス目が視認可能な状態で表示され、3枚目以降のパネルはシャッター95が設けられていてもよい。
(10) 前述した段階予告において表示される複数枚のパネル94としては、パネルの並びが途中で複数の経路に分岐してもよい。その場合には、ランダムに選択されるどちらかの経路のパネル94を用いて段階予告を実行してもよい。
(11) 前述した段階予告において表示される複数枚のパネル94のシャッターは、遊技者の動作(たとえば、特定の操作ボタンの操作等)に応じて、開放される表示を行なうような演出をしてもよい。
(12) 前述した段階予告において表示される複数枚のパネル94は、大当り表示結果となる期待度に応じて異なる色で表示されたパネルが複数列に並び、大当り表示結果となる期待度に応じて、いずれかの列の複数枚のパネル94が選択されて、段階予告が実行されるようにしてもよい。
(13) 前述した段階予告において表示される複数枚のパネル94は、複数列に並び、遊技者の動作(たとえば、特定の操作ボタンの操作等)に応じて選択されたれた列の複数枚のパネル94を用いて、段階予告が実行されるようにしてもよい。
(14) 前述した段階予告において表示されるパネル94に、大当り図柄の組合せ(たとえば、「7・7.7」)を表示させてもよい。これにより、大当り表示結果が導出表示されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(15) 前述した実施の形態では、先読み演出が実行されることの選択決定を演出制御用マイクロコンピュータ100が行なう例を示した。しかし、これに限らず、このような選択決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で行ない、決定結果を特定可能なデータを演出制御コマンドにより演出制御用マイクロコンピュータ100へ送り、演出制御用マイクロコンピュータ100がその演出制御コマンドに従って行なうようにしてもよい。
(16) 前述の実施の形態では、先読み演出を実行するか否かを決定した後、先読み演出を実行する場合にあっては、先読み演出の種類を決定することとした。これに限らず、先読み演出の種類毎に先読み演出を実行するか否かを選択決定してもよく、複数種類の先読み演出を同時に実行してもよい。また、同時に複数種類の先読み演出を実行可能とする場合、図19に示した先読み演出態様選択テーブルにおいて、先読み演出態様として複数種類の先読み演出を組合せた先読み演出態様を加えてテーブルを作成してもよい。そして、複数種類の先読み演出を組合せた先読み演出態様が選択される確率を、大当り時とはずれ時とを比較して大当り時の方が高くなるよう設定してもよい。
(17) 前述の実施の形態では、入賞時演出決定処理において第1保留記憶数が2未満の場合、すなわち、新たな第1保留記憶が発生する前に第1保留記憶数が「0」である場合は、先読み演出を実行しないこととしたが、第1保留記憶数が「0」である状態において、新たに第1保留記憶が発生し、入賞時演出決定処理において第1保留記憶数が1の場合も先読み演出を実行してもよい。具体的には、このような状態で第1保留記憶数が1となったときは保留変化演出を実行可能とし、保留表示エリアに保留画像を表示させてから、当該保留画像をアクティブ表示エリアに移動させる演出を実行してもよい。
(18) 前述の実施の形態では、リーチ中の先読み演出の実行を制限することとしたが、リーチ中であっても先読み演出を実行してもよい。たとえば、先読み時に大当りに決定されているときには、先読み演出の実行を制限してもよい。また、先読み演出の種類によって、先読み演出を制限する条件を変えてもよい。たとえば、保留変化演出とステージ演出とについては先読み判定対象が大当りに決定されていることが当該演出を制限する条件とし、所定表示演出についてはリーチ変動パターンに決定されていることが当該演出を制限する条件としてもよい。なお、所定表示演出についても先読み判定対象が大当りに決定されていることが当該演出を制限する条件としてもよい。
(19) 前述の実施の形態では、先読み演出として所定表示演出が実行される場合と実行されない場合とに分けて、段階予告の演出パターンを選択するテーブルを変える場合分けをしたが(図22、図24参照)、所定表示演出が実行されるか否かに基づく場合分けをせずに、変動パターンごとにSR6値を振分けてもよい。また、所定表示として「青
チャンス目」が導出表示されるときだけ段階予告を実行しないこととし、「青チャンス目」以外が導出表示されるときに、段階予告を実行するか否かを選択決定してもよい。
(20) 前述の実施の形態では、第1段階予告(変動表示結果がチャンス目以外のときに選択される段階予告)の演出パターンとして最終段階が「チャンス目示唆」が表示されるパターン(たとえば、演出パターンX−2)も実行可能とした。第1段階予告において、このようなパターンが選択されたときは、最終段階が「チャンス目示唆」であるにも関わらず、変動表示結果はチャンス目ではない。そこで、変動表示結果ごとに、段階予告の演出パターンの選択テーブルを変えてもよい。たとえば、変動表示結果がチャンス目以外のときに選択される演出パターンとして、最終段階が「チャンス目示唆」となる演出パターンが選択される確率を他の演出パターンと比較して低く設定してもよい。また、リーチ変動パターンが選択されている場合であっても、大当り表示結果となるときと、大当り表示結果以外になるときとで、演出パターンの選択割合を変えてもよい。具体的には、大当り表示結果となるときは、最終段階が「次回予告」となる演出パターンが選択される確率を、最終段階が「チャンス?!」となる演出パターンが選択される確率よりも高く設定してもよい。一方、大当り表示結果以外になるときは、最終段階が「次回予告」となる演出パターンが選択される確率を、最終段階が「チャンス?!」となる演出パターンが選択される確率よりも低く設定してもよい。これにより、段階予告の最終段階として「次回予告」が表示されたときに大当り表示結果となる確率が上がるため、「次回予告」が表示されたときに遊技者に期待を持たせることができる。
また、変動表示中に疑似連演出を実行するか否かを決定し、疑似連演出を実行するか否かに応じて、演出パターンの選択割合を変えてもよい。たとえば、疑似連演出を実行すると決定した場合には、最終段階が「NEXT」となる演出パターンが選択される確率を他の演出パターンと比較して高く設定してもよい。一方、疑似連演出を実行しないと決定した場合には、最終段階が「NEXT」となる演出パターンが選択される確率を他の演出パターンと比較して低く設定してもよい。
また、決定した段階予告の演出パターンに応じて、変動表示中に疑似連演出を実行するか否かを決定してもよい。たとえば、最終段階が「NEXT」となる演出パターンに決定したときは、疑似連演出を実行する確率を高く設定してもよい。一方、最終段階が「NEXT」となる演出パターン以外に決定したときは、疑似連演出を実行する確率を低く設定してもよい。
また、実行する先読み演出の種類によって、演出パターンの選択割合を変えてもよい。たとえば、先読み演出として、特定のキャラクタから発射されるビームによって保留画像またはアクティブ画像の画像色が変化する保留変化演出が実行されるときを考える。このときは、第2示唆表示として、特定のキャラクタをパネル94に表示可能とする。段階予告の演出パターンは、保留変化演出が実行されるときは、段階予告の最終段階が「特定のキャラクタ」となる演出パターンが選択される確率が他の演出パターンが選択される確率よりも高くなるようにしてもよい。一方、先読み演出として所定表示演出が実行されるときは、段階予告の最終段階が「チャンス目示唆」となる演出パターンが選択される確率が他の演出パターンが選択される確率よりも高くなるようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無
等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(23) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(24) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(25) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(26) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(27) 前述した実施の形態では、入賞時演出決定処理を実行する際に先読み演出を実行するか否かを大当り時かはずれ時かで実行割合を変えることとしたが(図18参照)、変動パターンの種類(通常変動、第1スーパーリーチ、第2スーパーリーチ等)ごとに実行割合を変えてもよい。この場合、ランダム3に基づく変動パターンの決定を変動パターン設定処理(図9のS301)を実行する際ではなく始動口通過処理を実行する際に行なうことで、変動パターンの種類を入賞時演出決定処理を実行する際に確認できるようにするとよい。
(28) 前述した実施の形態における各種データテーブルは一例であって、適宜自由に設計してよい。たとえば、図20に示した所定表示(チャンス目)変化態様選択テーブルにおいて、大当り時における先読み演出のターゲットの保留情報を消化する直前の保留情報の表示結果時のチャンス目の表示態様(図20の表中、最も右側に記載された表示態様)が「赤」であるときの実行パターンが選択される実行割合を等しくしてもよい。具体的には、図20の演出パターンD〜Fの実行割合を等しくしたり、演出パターンJ〜Oの実行割合を等しくしてもよい。
(29) 前述した実施の形態では、第1保留記憶が消化される際に段階予告を実行することとしたが、第2保留記憶が消化される際に実行してもよい。また、第1保留記憶と第2保留記憶とが消化されるいずれのタイミングにおいても段階予告を実行してもよい。
(30) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。