JP2004321269A - サイズ調整用ファスニングテープを備えた紙おむつ - Google Patents

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Mitsuo Murooka
三男 室岡
Toyoyuki Kawaguchi
豊之 川口
Koji Fujisaki
浩二 藤崎
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Abstract

【課題】少なくとも2段階に長さを調整できるサイズ調整用ファスニングテープを備えた紙おむつを提供する。
【解決手段】紙おむつ本体の背側側縁部に1端が固定され、使用時には該本体の背側側縁部より他端のファスニング部を繰り出して紙おむつ本体の腹側のフロンタルテープに止着するファスニングテープを備えた紙おむつにおいて、上記のファスニングテープの紙おむつ本体の背側側縁部に固定された1端と他端のファスニング部との間にサイズ調整用延長部を設け、この延長部を折り込み状態で紙おむつ本体の背側側縁部外面に仮留めしたことを特徴とするサイズ調整用ファスニングテープを備えた紙おむつ。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はサイズ調整用ファスニングテープを備えた紙おむつに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特許第2636103公報
【特許文献2】特開平1−56163号公報
【特許文献3】特開平11−28111号公報
【0003】
おむつ着用者の姿勢および体調によりウエストサイズは大きく変動することがある。従来の使い捨ておむつでは、テープの付け直しをするなどして調整を行なっているが、対応できるサイズには限界があった。おむつ本体の背面側両端部に設けられたファスニングテープと腹側中央部に設けられたフロンタルテープ等の締結手段のサイズを大きくしたり、伸縮性を与えるなどが試みられてはいるが、使い勝手が悪い、伸長量が小さいことや伸長させると締め付けがきつくなる、などの問題点があった。
さらに、通常、紙おむつは対象者の体形に応じて数種類のサイズが揃えられてはいるが、統計的にサイズが決定されており、これまでの製品には合わないケースも多々存在した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
少なくとも2段階に長さを調整できるサイズ調整用ファスニングテープを備えた紙おむつを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は紙おむつ本体の背側側縁部に1端が固定され、使用時には該本体の背側側縁部より他端のファスニング部を繰り出して紙おむつ本体の腹側のフロンタルテープに止着する左右対のファスニングテープを備えた紙おむつにおいて、上記のファスニングテープの紙おむつ本体の背側側縁部に固定された1端と他端のファスニング部との間にサイズ調整用延長部を設け、この延長部を折り込み状態で紙おむつ本体の背側側縁部外面に仮留めしたことを特徴とするサイズ調整用ファスニングテープを備えた紙おむつに関する。
【0006】
本発明は上記において折り込み状態で紙おむつ本体の背側側縁部外面に仮留めされたサイズ調整用延長部の仮留めはファスニングテープの展開応力によって開放され、およびファスニングテープの仮留めを開放する展開応力が引張り強度で1kgf/25mm〜5kgf/25mmの範囲であり、およびファスニング部がメカニカルテープまたは粘着材であり、およびサイズ調整用延長部の折り込み状態の仮留めは再接着可能な粘着材又は剥離可能な接着剤で行われている実施態様を包含する。
【0007】
また本発明は紙おむつ本体背側側縁に固定され、使用時には該側縁より繰り出して紙おむつ本体腹側のフロンタルテープに止着するファスニングテープが、3つまたはそれ以上の奇数の仮留めされた折り返しを備えて紙おむつに装着され、通常は1個所の折り返しを展開し、ウエストサイズ変動時には残る2個所以上の折り返しをその仮留めを開放し展開して延ばし、紙おむつを止着することができるサイズ調整用ファスニングテープを備えたことを特徴とする紙おむつに関する。
【0008】
本発明は上記において残る2個所以上の折り返しの仮留めは、1kgf/25mm〜5kgf/25mmの応力で展開されるように再接着可能な粘着材の粘着力ないしは接着材等の剥離力を調整されており、およびファスニングテープの止着手段がメカニカルテープまたは粘着材である実施態様を包含する。
【0009】
更にまた本発明は上記に述べたいずれかの少なくとも2段階に長さを調整できるサイズ調整用ファスニングテープに関する。
【0010】
【作用】
本発明のサイズ調整用ファスニングテープにおける2個所の折り返しないし折り込みは1kgf/25mm〜5kgf/25mmの応力で展開されるように仮留めされるが、この応力は仮留めに用いられる粘着材の粘着力で調整される。
上記の展開応力の測定は次のようにして行われる。
テンシロン型引張り試験機にて、つかみ間隔を150mmとして300mm/minの速さで展開したときの力を25mm幅に換算した値を展開応力とする。
また、この展開応力は接着材等の剥離力で調整することも可能である。
【0011】
上記の仮留めの展開応力が1kgf以上としたのは、ファスニングテープとフロンタルテープの止着力より大きく、これ未満であれば通常の着用時にテープが剥がれやすくなる。また、5kgfより大きいと使用時に容易に剥がしにくく、テープの破断を引き起こす。ファスニングテープは1枚あるいは複数の基材で構成される。
またファスニングテープのフロンタルテープへの止着手段はメカニカルテープによる他粘着材によることもできる。
【0012】
【発明の効果】
(1)おむつ着用者の姿勢および体調によりウエスト周りが変動して従来の締結手段による調整範囲を超えるような時でも使用可能なフィット性の良い使い捨ておむつを提供する。
(2)締結手段に伸縮部材を付与するなどのコストをかけることなく1サイズの使い捨ておむつで幅広いウエストサイズに対応させることができる。これまで既存の紙おむつでの着用が困難な場合でも容易に着用することができる。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、これは例示の目的で掲げたもので、これによって本発明を限定するものではない。
【0014】
[実施例1]
図1はファスニングテープを備えた紙おむつの展開内面を示す外観図で、紙おむつ本体(1)背側側縁部にはファスニングテープ(2)(2)が横方向に張り出すように固定されている。
このファスニングテープ(2)(2)は紙おしめの非使用時には本体(1)の背側内面に折り込まれ止着手段のメカニカルテープないし粘着材の締結面を本体(1)の内面のトップシートに締結しておく。
紙おしめの使用時にはファスニングテープ(2)(2)のトップシートとの締結を開放し図示のように外方に展開しておしめの着用後、ファスニングテープ(2)(2)の締結面をおしめ腹側外面のフロンタルテープに結合して使用する。
図2はファスニングテープの非使用時から使用時に至る道程を(a)(b)(c)と順を追って示したもので図1のX−X断面で表わしてある。
【0015】
図2の(a)はファスニングテープ(2)の非使用時の状態を示すがテープ(2)は先端の締結面(6)に続いて延長部(3)を介設した長尺のものとなっており、テープ(2)の他端はおしめ本体(1)のバックシート面(外面)ないしはバックシート(外面)とトップシート(内面)との間に結合材(4)によって取付け固定されている。
延長部(3)はおしめ本体(1)のバックシート上に2段に折り返され各折り返しは夫々粘着材(5)(5)によって重ね合わせ面と仮留めされている。
テープ先端の締結面(6)は紙おしめ本体(1)のバックシート側からトップシート側へ折り返し前出のように本体(2)内面のトップシートに締結する。
図2の(b)はファスニングテープの通常の使用状態を示したもので、締結面(6)を本体(1)のトップシートより剥離展開し前出のようにこの締結面(6)を本体(1)の腹側フロンタルテープの面に締結する。
図2の(c)は延長部(3)を展開して使用するサイズ長を大きくしたファスニングテープの使用状態を示している。
図示の例では図2の(b)の2段に折り返された延長部(3)が図2の(c)が直線状に延び、延長部(3)の直線長だけファスニングテープのサイズ長が大きくなる。
【0016】
図3は本発明おしめの着用状態を示し、図3の(a)は図2の(b)に対応する通常のファスニングテープの使用状態を示す。
図3の(b)は図2の(c)に対応するサイズ長を大きくしたファスニングテープの使用状態を示している。
(1−1)はおしめ本体(1)の背側を、(1−2)は腹側を示している。(7)はおしめ本体(1)の腹側前面のフロンタルテープである。
【0017】
[実施例2]
図2の場合についてテープ(2)の引張り強度と粘着剤(5)による接着強度を測定した結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
Figure 2004321269

【図面の簡単な説明】
【図1】紙おむつ外観図である。
【図2】ファスニングテープの断面図である。
(a)使用前。
(b)通常使用時(図1 X−X断面)。
(c)展開使用時。
【図3】紙おむつの着用状態図である。
(a)図2(a)の着用状態を示す。
(b)図2(b)の着用状態を示す。
【符号の説明】
1…紙おむつ本体
1−1…おむつの背側
1−2…おむつの腹側
2…ファスニングテープ
3…延長部
4…結合材
5…粘着剤
6…締結面
7…フロンタルテープ

Claims (9)

  1. 紙おむつ本体の背側側縁部に1端が固定され、使用時には該本体の背側側縁部より他端のファスニング部を繰り出して紙おむつ本体の腹側のフロンタルテープに止着する左右対のファスニングテープを備えた紙おむつにおいて、上記のファスニングテープの紙おむつ本体の背側側縁部に固定された1端と他端のファスニング部との間にサイズ調整用延長部を設け、この延長部を折り込み状態で紙おむつ本体の背側側縁部外面に仮留めしたことを特徴とするサイズ調整用ファスニングテープを備えた紙おむつ。
  2. 折り込み状態で紙おむつ本体の背側側縁部外面に仮留めされたサイズ調整用延長部の仮留めはファスニングテープの展開応力によって開放される請求項1記載の紙おむつ。
  3. ファスニングテープの仮留めを開放する展開応力が引張り強度で1kgf/25mm〜5kgf/25mmの範囲である請求項1または2記載の紙おむつ。
  4. ファスニング部がメカニカルテープまたは粘着材である請求項1から3までのいずれか1項記載の紙おむつ。
  5. サイズ調整用延長部の折り込み状態の仮留めは再接着可能な粘着材又は剥離可能な接着剤で行われている請求項1から4までのいずれか1項記載の紙おむつ。
  6. 紙おむつ本体背側側縁に固定され、使用時には該側縁より繰り出して紙おむつ本体腹側のフロンタルテープに止着するファスニングテープが、3つまたはそれ以上の奇数の仮留めされた折り返しを備えて紙おむつに装着され、通常は1個所の折り返しを展開し、ウエストサイズ変動時には残る2個所以上の折り返しをその仮留めを開放し展開して延ばし、紙おむつを止着することができるサイズ調整用ファスニングテープを備えたことを特徴とする紙おむつ。
  7. 残る2個所以上の折り返しの仮留めは、1kgf/25mm〜5kgf/25mmの応力で展開されるように再接着可能な粘着材の粘着力ないしは接着材等の剥離力を調整されている請求項6記載の紙おむつ。
  8. ファスニングテープの止着手段がメカニカルテープまたは粘着材である請求項6または7記載の紙おむつ。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項記載のサイズ調整用ファスニングテープ。
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