JP2004319261A - 電池用セパレータ - Google Patents

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俊広 重松
Wakana Aizawa
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Abstract

【課題】親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、耐熱性に優れ、電池製造時の歩留まりが高い電池用セパレータを提供することを課題とする。
【解決手段】2層以上の不織布層から構成された多層不織布からなる電池用セパレータにおいて、不織布層の少なくとも1層がジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成される半芳香族ポリアミド繊維を含有する湿式不織布層であり、かつ他の1層がジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成される半芳香族ポリアミド繊維を含有する繊維径3〜30μmのスパンボンド乾式不織布層であることを特徴とする電池用セパレータ。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、等のアルカリ二次電池に好適に使用できるアルカリ電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、携帯電話、パソコン、オーディオ等の小型電子機器の他に、最近ではハイブリッド自動車、電動自転車等の大型機器にも広く使用されている。小型電子機器用途および大型機器用途のどちらにおいても、アルカリ二次電池の高容量化、小型化、軽量化、使用可能な温度領域の拡大化等が求められている。アルカリ二次電池用セパレータの役割としては、正極と負極の分離、短絡防止、電解液の保持、また、電極反応により生じるガスの透過などが挙げられる。
【0003】
アルカリ二次電池用セパレータとしては、ポリオレフィン繊維の不織布、ポリアミド繊維の不織布が知られている。
【0004】
ポリオレフィン繊維は、耐アルカリ性、耐酸化劣化性には優れているものの、親水性に劣るため、ポリオレフィン繊維に親水性を付与しなければならない。親水性付与方法としては、熱濃硫酸、発煙硫酸、またはクロル硫酸で処理してスルホン化する方法、フッ素を含む反応ガスで処理する方法、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する基をグラフト重合させる方法など多くの方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。しかし、これらの親水性付与方法は高価な上、親水性を長期間維持できない、繊維が劣化するといった問題があった。
【0005】
ポリアミド繊維、特にナイロン6やナイロン66等の脂肪族ポリアミド繊維からなる不織布は、繊維自身が耐アルカリ性および親水性に優れていることから、スルホン化処理、フッ素処理、グラフト重合処理を行わなくても、電解液の保液性が良好であり、放電容量も大きい利点を有している。しかし、高温における耐酸化劣化性に劣り、アルカリ二次電池の充電時に発生する酸素ガスによって酸化劣化するという欠点があるため、60〜80℃といった高温環境でアルカリ二次電池が使用された場合、電池の性能低下が著しいという問題があった。
【0006】
親水性および耐酸化劣化性を併せ持った繊維を使用した電池用セパレータとして、芳香族ポリアミドまたは全芳香族ポリアミドからなる不織布を用いたものも提案されている(例えば、特許文献4〜6)。しかし、芳香族ポリアミドまたは全芳香族ポリアミドは、耐熱性が高いために該繊維のみからなる不織布はそれ自身の接着性が低く、不織布強度に問題があった。また、一般の熱可塑性バインダー繊維との接着性も低く、やはり不織布強度に問題があった。接着性を高めるために樹脂接着を行う方法もあるが、電池用セパレータとして使用すると接着樹脂が電池の電解液に溶出する問題点があった。
【0007】
接着性の問題を改良したポリアミド繊維としては、半芳香族ポリアミド繊維がある。半芳香族ポリアミド繊維である芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるMXD−6繊維で構成される不織布を用いた電池用セパレータは、高温での耐酸化劣化性に劣り、充電時に発生する酸素ガスによって酸化されて劣化する場合があった。
【0008】
これに対し、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とからなる半芳香族ポリアミド繊維が、親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性を併せ持つ繊維として、電池用セパレータに好適に用いることができる(例えば、特許文献7および8)。しかし、該半芳香族ポリアミド繊維は、繊維の機械的強度が脂肪族ポリアミド繊維、全芳香族ポリアミド繊維等と比較して小さいという欠点がある。
【0009】
近年、アルカリ二次電池の小型化、高容量化が進んでおり、電極の活物質量を増やす必要がある。このため、電池内部における電池用セパレータの占有体積を少なくする必要があり、電池用セパレータの薄膜化が進んでいる。また、電極と電池用セパレータの密着性が高い電池構造となっている。薄膜でかつ地合が良好な電池用セパレータとしては、湿式抄造法で製造された不織布が好適に用いられる。しかし、上述の脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とからなる半芳香族ポリアミド繊維を用いた湿式不織布を電池用セパレータとして用いた場合、繊維が短いために、電極板のバリがセパレータを突き抜けて短絡したり、電極板の端部とセパレータが接している部分でセパレータが断裂したりすることがあり、アルカリ二次電池製造の歩留まりが低下するという問題があった。
【0010】
薄膜でかつ高強度の電池用セパレータとしては、多層不織布層からなる不織布を用いた例が報告されている(特許文献9〜11)。しかし、これらの多層不織布層からなる電池用セパレータは、親水化オレフィン繊維や、脂肪族ポリアミド繊維を使用しているため、親水性を長期間保持できない、繊維が劣化するといった問題を解決することができていない。
【0011】
【特許文献1】
特開平56−3973号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開昭58−175256号公報(第1頁)
【特許文献3】
特開平1−132042号公報(第1頁)
【特許文献4】
特開平5−283054号公報(第1頁)
【特許文献5】
特開昭53−58636号公報(第2頁)
【特許文献6】
特開昭58−147956号公報(第1頁)
【特許文献7】
特開平9−259856号公報(第1頁)
【特許文献8】
特開2002−151041号公報(第1頁)
【特許文献9】
特開平6−111847号公報(第2頁)
【特許文献10】
特開平5−314961号公報(第2頁)
【特許文献11】
特開2000−289165号公報(第2頁)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性、耐熱性に優れ、電池製造時の歩留まりが高い電池用セパレータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、2層以上の不織布層から構成された多層不織布からなる電池用セパレータにおいて、不織布層の少なくとも1層がジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成される半芳香族ポリアミド繊維を含有する湿式不織布層であり、かつ他の1層がジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成される半芳香族ポリアミド繊維を含有する繊維径3〜30μmのスパンボンド乾式不織布層であることを特徴とする電池用セパレータを見出した。
【0014】
本発明の電池用セパレータは、親水性、耐熱性、耐酸化性等の化学的安定性に優れた半芳香族ポリアミド繊維を含有してなるので、グラフト処理やスルホン化処理といった工程を経なくても、十分な親水性、耐熱性を有している。また、薄膜でも地合が良好で、かつ高い親水性、保液性を示す湿式不織布層と、長繊維を使用しているために、機械的強度が高い乾式不織布層とからなる多層不織布からなる電池用セパレータなので、セパレータの断裂や電極の短絡といった電池製造時の問題を改善することができ、さらに高容量の小型化電池を得ることが可能となる。
【0015】
また、湿式不織布の半芳香族ポリアミド繊維の50〜95質量%が延伸繊維であり、5〜50質量%が未延伸ポリアミド繊維であることによって、例えば、湿式不織布層と乾式不織布層とを加熱によって接着させる場合に、低融点熱接着性繊維の含有量を少なくすることができる。低融点熱接着性繊維の含有量が増えると、オレフィン繊維が皮膜を形成して繊維が構成する空隙を埋めてしまったり、セパレータの耐熱性が低下して、電池の高温作動特性が悪化したりする。
【0016】
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式不織布層には、さらにバインダー繊維を含有させても良い。特に、湿紙の強度を向上させるために、耐熱性に優れ、少量で融着効果を発現し、かつ電池特性への影響が少ないエチレンビニルアルコール共重合体繊維および/またはポリビニルアルコール繊維を用いることが好ましい。
【0017】
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式不織布層が多層同時抄造不織布層であり、かつ乾式不織布層と接合面の該不織布層のバインダー繊維含有量が5〜40質量%であることが望ましい。例えば、バインダー繊維を含有しない層とバインダー繊維を含有する層とからなる2層同時抄造不織布層と乾式不織布層を接合する場合、バインダー繊維を含有する層と乾式不織布層とを合わせることで、容易に多層不織布層を得ることができる。また、バインダー繊維を含有しない層が電池の電極と接触することになるので、バインダー繊維による電池特性の悪化を防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電池用セパレータについて、詳説する。
【0019】
本発明の電池用セパレータは、半芳香族ポリアミド繊維を含有する不織布からなる。
【0020】
本発明の電池用セパレータに係わる半芳香族ポリアミド繊維のポリアミドは、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンである半芳香族ポリアミドを用いることが好ましい。このポリアミドは、親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れている。
【0021】
芳香族ジカルボン酸成分としては、セパレータの耐熱性、耐薬品性の点でテレフタル酸が最も好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4′−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することもできる。
【0022】
ジカルボン酸として、芳香族ジカルボン酸の含有量は、ジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有率が60モル%未満の場合には、得られる繊維の耐アルカリ性、耐酸化性、強度などの諸物性が低下するため好ましくない。
【0023】
上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類以上用いることができる。なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%の芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。さらにトリメトリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させることもできる。
【0024】
また、ジアミン成分の60モル%以上は炭素数が6〜12の脂肪族アルキレンジアミンで構成され、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げることができる。
【0025】
この脂肪族アルキレンジアミンの含有量は、ジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上であることが、耐熱性の点で好ましい。脂肪族ジアミン成分の含有率が60モル%未満の場合には、得られる繊維の耐酸化性、強度などが低下する。なかでも耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。そして、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が40:60〜99:1であることが好ましく、70:30〜95:5であることがさらに好ましい。
【0026】
本発明の電池用セパレータに係わるポリアミドは、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されている必要があり、末端の40%以上が封止されているのが好ましく、末端の70%以上が封止されているのが更に好ましい。ポリアミドの末端を封止することにより、得られる電池用セパレータの機械的強度、耐アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基または、カルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば、特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性等の点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。
【0027】
本発明の電池用セパレータにおいて未延伸ポリアミド繊維とは、例えば溶融したポリアミド樹脂をノズルから押し出し、冷却固化して、糸条形成し、ローラ等によって引き取ることで製造することができる。この製造工程中に延伸配列が生じないように、結晶化および配向ができるだけ起きないようにすることが必要である。本発明に係わる延伸ポリアミド繊維は、該未延伸ポリアミド繊維を加熱延伸することで製造することができる。未延伸ポリアミド繊維は、延伸ポリアミド繊維よりも30℃以上低い軟化温度を有する。したがって、未延伸ポリアミド繊維は熱溶融性バインダー繊維として使用することができる。
【0028】
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式不織布層は、繊維を水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを円網、長網、傾斜式等のワイヤーの少なくとも1つを有する抄紙機を用いて製造する。湿式不織布層を多層同時抄造不織布層とする場合、上記のワイヤーのコンビネーションで不織布層を製造することができる。
【0029】
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式不織布層に使用される繊維の繊維径は、耐リーク性、吸液性、保液性の点から、1.5dtex以下が好ましく、更に好ましくは1dtex以下が好ましく、通気性と電池セパレータ用不織布の硬さを阻害しない点から0.1dtex以上が好ましい。
【0030】
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式不織布層に使用される繊維の繊維長としては、2〜20mmが好ましい。繊維長が20mmを超えた場合、湿式法では繊維の分散が難しくなり、地合不良等が発生し、良好な繊維ウェブの形成ができなくなるといった問題が生じる。一方、繊維長が2mm未満では、湿式不織布層の機械的強度が小さくなり、多層不織布の製造が困難となる。
【0031】
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式不織布層には、未延伸半芳香族ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、エチレンビニルアルコール共重合体繊維、ポリビニルアルコール繊維等をバインダー繊維として含有させることができる。これらバインダー繊維は、湿式不織布層を製造する際の湿紙強度を上げることができるほか、乾燥後の湿式不織布層の機械的強度を上げることも可能である。また、多層不織布を製造する場合には、湿式不織布層と乾式不織布層との接着性を向上させるのに寄与する。上記、バインダー繊維のうち、耐熱性に優れ、湿紙強度を上げることができるエチレンビニルアルコール共重合体繊維および/またはポリビニルアルコール繊維を好適に使用することができる。
【0032】
本発明の電池用セパレータにおいて、繊維径3〜30μmのスパンボンド乾式不織布層は、熱可塑性樹脂を加熱溶融して紡糸し、さらに延伸して連続長繊維を直接集積する方法で製造することができる。例えば、特公昭37−4993号公報、特公昭49−30861号公報等記載の方法で製造することができる。スパンボンド法で得られた乾式不織布層は、長繊維からなるため、高い引張強度を有する。
【0033】
本発明の電池用セパレータにおいて、多層不織布は、それぞれの不織布層を、バインダー接着法、熱接着法、熱エンボス法、水流交絡法、ニードルパンチ法等で接着させることによって、得ることができる。
【0034】
本発明の電池用セパレータにおいて、さらに親水性を向上させるために、親水化処理を施しても良い。親水化処理としては、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、フッ素化処理、界面活性剤処理等を用いることができる。
【0035】
コロナ放電処理は、高電圧発生機に接続した電極と、シリコンラバーなどでカバーした金属ロール間に適度の間隙を設け、高周波で数千〜数万Vの電圧をかけ、高圧コロナを発生させ、この間隔に上記の方法で得られた原布を適度な速度で走らせ、該原布面にコロナが生成したオゾン、あるいは、酸化窒素を反応させて、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ペルオキシド基を生成させる事により、原布に対する電解液の親和性を向上させる表面改質法である。
【0036】
大気圧プラズマ処理は、対向する電極の少なくとも一方の電極表面にポリイミド、雲母、セラミック、ガラス等の固体誘電体を配設した誘電体被覆電極を有するプラズマ反応装置に、ヘリウムおよびアルゴンと酸素から本質的になる気体組成物を導入し、大気圧下でプラズマ励起を行って、対向する電極の間に位置する原布表面を酸化およびエッチングして電解液親和性を向上させる表面改質法である。
【0037】
フッ素処理は、窒素ガス、あるいはアルゴンガスなどで希釈したフッ素ガスと酸素ガス、二酸化炭素ガス、二酸化硫黄ガス等の一種類のガスとの混合ガスを原布に接触させて、表面にカルボキシル基、カルボニル基、水酸基を生成させて電解液親和性を向上させる表面改質法である。
【0038】
界面活性剤処理としては、ノニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、若しくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなどの溶液中に原布を含浸するか、この溶液を塗布、若しくはスプレーするかした後、乾燥して、原布表面の電解液親和性を向上させる表面改質法である。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における、部、%は断りのない限り、すべて質量によるものである。
【0040】
実施例1
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)75質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度1.6dtex、繊維長5mmの未延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度145℃)25質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。
【0041】
この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量38.1g/m、幅50cmの湿式抄造不織布層W−1を作製した。
【0042】
スパンボンド法によって、平均繊維径13μmで、ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる半芳香族ポリアミド繊維から構成される乾式不織布層S−1(坪量22.3g/m)を作製した。
【0043】
上記湿式不織布層W−1と乾式不織布層S−1を積層して、100メッシュのステンレスワイヤーである多孔質支持体上に搬送し、高圧柱状水流により水流交絡処理を行い、多層不織布L−1を得た。
【0044】
水流交絡処理条件は、ノズルヘッドを3ヘッド用い、第1ヘッドがノズル径120μm、0.6mmピッチのノズルで水圧50kg/cm、第2ヘッドがノズル径100μm、0.6mmピッチのノズルで水圧70kg/cm、第3ヘッドがノズル径100μm、0.6mmピッチのノズルで水圧90kg/cmで、加工速度が15.0m/分である。水流交絡処理は、まず湿式不織布層面に行い、次に同じ条件で乾式不織布層面を行い、この水流交絡不織布を熱風フード式乾燥機から110℃の熱風を吹き付けて乾燥した。
【0045】
次に、ロール温度200℃でカレンダー処理を行い、さらに原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量60.4g/m、厚さ150μmのアルカリ電池用セパレータA−1を得た。
【0046】
実施例2
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)75質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度1.6dtex、繊維長5mmの未延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度145℃)20質量部とを混合し、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.01dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維5質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量39.5g/m、幅50cmの湿式不織布層W−2を得た。
【0047】
上記湿式不織布層W−2と、乾式不織布層S−1を積層して、100メッシュのステンレスワイヤーである多孔質支持体上に搬送し、高圧柱状水流により、実施例1と同様の条件で、水流交絡処理および乾燥処理を行い、多層不織布L−2を得た。
【0048】
次に、ロール温度180℃でカレンダー処理を行い、さらに原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量61.8g/m、厚さ150μmのアルカリ電池用セパレータA−2を得た。
【0049】
実施例3
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)80質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.01dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量38.1g/m、幅50cmの湿式不織布層W−3を得た。
【0050】
上記湿式不織布層W−3と、乾式不織布層S−1を積層して、ロール温度180℃でカレンダー処理を行い、さらに原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量60.4g/m、厚さ150μmのアルカリ電池用セパレータA−3を得た。
【0051】
実施例4
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)80質量部と、エチレン含有量が44モル%、ケン化度99.6%、繊度0.01dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーR−1を調成した。
【0052】
次いで、ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)75質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度1.6dtex、繊維長5mmの未延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度145℃)25質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーR−2を調成した。
【0053】
抄造用スラリーR−1およびR−2から各々得られる不織布層は、約20g/mとなるように調整しながら、円網−円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量40.1g/m、幅50cmの同時抄造湿式不織布層W−4を得た。
【0054】
上記湿式不織布層W−4と乾式不織布層S−1を積層して、ロール温度180℃でカレンダー処理を行った。このとき、抄造用スラリーR−1から得られた不織布層を乾式不織布層S−1と接合させた。さらに、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量62.4g/m、厚さ150μmのアルカリ電池用セパレータA−4を得た。
【0055】
実施例5
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)70質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度1.6dtex、繊維長5mmの未延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度145℃)30質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量38.0g/m、幅50cmの湿式不織布層W−5を得た。
【0056】
上記湿式不織布層W−5と、乾式不織布層S−1を積層して、ロール温度200℃でカレンダー処理を行い、さらに原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施して、坪量60.3g/m、厚さ150μmのアルカリ電池用セパレータA−4を得た。
【0057】
比較例1
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)95質量部と、エチレン含有量が44モル%、繊度0.08dtex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維5質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて、坪量60.0g/m、幅50cmの原布を作製した。次いで、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度160℃でカレンダー処理を行い、厚み調整を行った。坪量60.0g/m、厚さ150μmの不織布a−1を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0058】
比較例2
ジカルボン酸成分の100モル%がアジピン酸、ジアミン成分の100モル%がヘキサメチレンジアミンである繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン66、融点260℃、ガラス転移点50℃、引張強度6.0cN/dtex)95質量部と、エチレン含有量が44モル%、繊度0.08detex、繊維長3mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維5質量部とを一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成する。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて、坪量60.0g/m、幅50cmの原布を作製した。次いで、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度160℃でカレンダー処理を行い、厚み調整を行った。坪量60.0g/m、厚さ150μmの不織布a−2を製造し、アルカリ電池用セパレータとした。
【0059】
実施例および比較例で得られた電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
【0060】
<評価方法>
[電池製造時の不良率の評価]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた焼結式カドミウム負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の上記の実施例の電池用セパレータおよび比較例の電池用セパレータを介在させて、電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が0.7Ahの単3形密閉式ニッケルカドミニウム電池を1万個製造した。その後、正極と負極との間に240Vの電圧を印加し、電気抵抗が1kΩ以下のものを不良とし、電池製造時の不良率[%]を決定した。
【0061】
[急速充放電試験]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた焼結式カドミウム負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の上記の実施例の電池用セパレータおよび比較例の電池用セパレータを介在させて、電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が0.7Ahの単3形密閉式ニッケルカドミニウム電池を20個作製した。電池の化成を行う為に、25℃において、0.1Cで15時間充電し、1Cの電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を4回繰り返した。
【0062】
化成済みの残り10個の電池について、高温90℃において、1Cの電流で1.2時間充電し、1Cの電流で端末電圧が1.0Vになるまで放電するという充放電サイクルを繰り返し、電池の寿命を評価した。500サイクル未満を×、500〜749サイクルを△、750サイクル以上を○で表した。
【0063】
【表1】
Figure 2004319261
【0064】
実施例で得られた本発明の電池用セパレータは、耐熱性、耐酸化劣化性に優れた半芳香族ポリアミド繊維を含有してなる湿式抄造不織布層と、該半芳香族ポリアミド繊維長繊維を含有してなる乾式不織布層とから構成された多層不織布層からなる。
【0065】
比較例1で得られた電池用セパレータは、バインダー繊維以外は半芳香族ポリアミド繊維からなっており、バインダー繊維との接着性は良好であるが、繊維の機械的強度が低いために、不織布の強度が低く、電池製造時の不良率が高い。
実施例で得られた本発明の電池用セパレータは、乾式不織布層が電池用セパレータの機械的強度を向上させているため、本発明の電池用セパレータを用いて製造した電池は、電池製造時の不良率が低減されることを確認した。
【0066】
また、本発明の電池用セパレータを用いて製造した電池は半芳香族ポリアミド繊維を含有しているので、比較例2で製造したバインダー繊維以外は脂肪族ポリアミド繊維からなる電池用セパレータを用いて製造した電池と比較して、90℃での急速充放電試験でも、安定して電池が作動することが確認された。
【0067】
実施例4で得られた電池用セパレータは、湿式抄造層が2層構造になっており、乾式不織布層と接する面にはバインダー繊維が含まれている。実施例3で得られた湿式抄造層全体にバインダー繊維が含まれている電池用セパレータと比較して、実施例4の電池用セパレータは、電極と接する面にバインダー繊維が含まれていないので、高温急速充放電で、より安定して電池が作動することが確認された。
【0068】
また、実施例5の電池用セパレータは、湿式不織布層に未延伸半芳香族ポリアミド繊維を含有しているので、バインダー繊維を含有することなく、熱カレンダー処理で、乾式抄造不織布と一体化することができた。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の電池用セパレータは、耐アルカリ性、耐熱性、耐酸化劣化性、バインダー繊維との接着性に優れた半芳香族ポリアミド繊維を含有し、湿式抄造不織布層と機械的強度に優れた乾式不織布層とを一体化させた多層構造不織布層からなるので、本発明の電池用セパレータを用いたアルカリ二次電池は、製造時の歩留まりが高く、また高温でも安定に作動するという秀逸な効果をもたらす。

Claims (5)

  1. 2層以上の不織布層から構成された多層不織布からなる電池用セパレータにおいて、不織布層の少なくとも1層がジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成される半芳香族ポリアミド繊維を含有する湿式不織布層であり、かつ他の1層がジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族カルボン酸成分であるジカルボン酸成分とジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンであるジアミン成分とから合成される半芳香族ポリアミド繊維を含有する繊維径3〜30μmのスパンボンド乾式不織布層であることを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 湿式不織布の半芳香族ポリアミド繊維の50〜95質量%が延伸繊維であり、5〜50質量%が未延伸ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. 湿式不織布層が、さらにバインダー繊維を含有する請求項1〜3のいずれか記載の電池用セパレータ。
  4. バインダー繊維がエチレンビニルアルコール共重合体繊維および/またはポリビニルアルコール繊維である請求項4記載の電池用セパレータ。
  5. 湿式不織布層が多層同時抄造不織布層であり、かつ乾式不織布層と接合面の該不織布層のバインダー繊維含有量が5〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の電池用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006035614A1 (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Kuraray Co., Ltd. バインダー繊維およびこれを用いたアルカリ電池用セパレータ
JP2014209414A (ja) * 2013-04-16 2014-11-06 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池

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