JP2004318697A - 磁気パターンの読取システム、読取方法、および、情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気パターンの認識システム、認識方法、および、情報記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明の磁気パターンの読取システムは、読取装置と認識装置から構成される。読取装置の測定部は磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、前記磁気パターンの磁気信号を出力し、信号送信部は測定部が出力した磁気信号を認識装置に送信する。また、認識装置の信号受信部は信号送信部が送信した磁気信号を受信し、磁気パターン認識部は受信した磁気信号を磁気パターンとして特定する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の磁気パターンの読取システムは、読取装置と認識装置から構成される。読取装置の測定部は磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、前記磁気パターンの磁気信号を出力し、信号送信部は測定部が出力した磁気信号を認識装置に送信する。また、認識装置の信号受信部は信号送信部が送信した磁気信号を受信し、磁気パターン認識部は受信した磁気信号を磁気パターンとして特定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。
【0002】
特に、MICR(Magnetic Ink Character Recognition)文字やMICR記号(以下適宜まとめて「MICR文字」という。)を読み取って、その読取信号を磁気波形データとしてホストPCへ送信し、ホストPCにてその磁気波形データの認識を行うことを特徴とする磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来からたとえば、パーソナルチェックなどにMICR文字を印刷し、これを認識するような磁気認識装置が用いられている。図1に、MICR文字が印刷されたパーソナルチェックの印刷例を示す。図中の下部に印刷された「記号 012345678 記号 空白 9012 記号 3456789 記号 空白 0123 空白 記号 4567890123 記号」の列がMICR文字で印刷された部分である。
【0004】
MICR文字については、ANSI X9.27 − 1995、ISO 1004 Information processing − Magnetic ink character recognition − Print Specifications、JIS X9002−1980 磁気インキ文字読取用字体及び印字仕様(E13B)などによって規格が定められている。MICR文字の形状や、その磁気特性、特に、MICR文字を磁気ヘッドで読み取った場合の磁気の波形の形状は、CMC7規格もしくはE13B規格などによって定められている。
【0005】
一方、レーザプリンタ用に、MICR文字用の磁気インクを含むトナーが提供されている。また、インクジェットプリンタや熱転写型プリンタでも同様のインクが提供されている。このようなトナーやインクを利用すれば、ユーザは、安価な民生用プリンタを用いてMICR文字をパーソナルチェックなどの用紙に印刷することができる。
【0006】
かつては、所定の規格に合わせた専用印刷装置によってMICR文字が印刷されていたが、今日では、さまざまなDPI(dot per inch)の安価な民生用プリンタによってもMICR文字が印刷されるようになってきている。
【0007】
従来の読取装置においては、例えば、特開平8−171470のように、読取装置と接続されたホストPCから送信される読取コマンドを解釈して、磁気パターンの読取および認識を読取装置内にて実行し、その認識結果をホストPCへ送信するのが一般的である(たとえば、特許文献1 参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−171470号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
市場におけるパーソナルチェックなどのMICR文字の付された用紙の中には、その印刷の品質が悪いものがある。ここで印刷の品質が悪いとは、ANSIなどによって定められた印刷規格から大きく外れていることを言う。
【0010】
また、パーソナルチェックの印刷方法によっても印刷された文字の字形が異なるため、読取時の磁気信号も異なったものとなる。たとえば、オフセット印刷では文字を縁取る線の曲がり角が印刷規格通りに滑らかに曲率を持たせることができるが、レーザプリンタで印刷されたものなどは解像度によっては規格通りの線縁になっていないこともある。
【0011】
従来の読取装置において、このようなパーソナルチェックを読み取って認識を行うと、認識処理に多大な時間がかかってしまうことがある。なぜならば、認識処理においては1種類の認識方法のみならず、何とか認識できるように予め用意された何種類かの認識方法を試みるためである。そして、予め用意されたどの認識方法でも認識できない場合にはその文字を認識不可能文字として、認識不可能文字を含めて認識結果をホストPCへ送信する。ところが、認識方法を複数用意しすぎると、認識処理時間が10秒以上かかってしまうこともあり、読取の作業効率が非常に悪くなってしまい、実使用に耐えかねるという問題が生じていた。
【0012】
また、新たな認識方法を追加したい場合には、読取装置内のプログラムを置き換えなければならない。そのためには、一般的には、読取装置のプログラムが格納されているROMを差し換えなければならない。または、プログラムが書き換え可能な読取装置においては、ホストPCから読取装置へプログラムデータを送信し、読取装置内のプログラムを書き換えなければならない。前者のROM差し換えは、ROMカバーを外してROMを差し換え、またROMカバーを元に戻す、というように多くの作業を要する。また、後者の読取装置内のプログラム書き換えは、書き換え用のホストPCも合わせて準備する必要があり手間がかかるという問題も生じていた。
【0013】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
特に、MICR文字などの磁気パターンを読み取って、その読取信号を磁気波形データとしてホストPCへ送信し、ホストPCにてその磁気波形データを受信して認識を行うことを特徴とする磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0016】
本発明の磁気パターンの読取システムは、測定部と、信号送信部と、信号受信部と、磁気パターン認識部と、を備える。
【0017】
測定部は、磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、磁気パターンの磁気信号を出力する。
【0018】
信号送信部は、測定部が出力する磁気信号を認識装置に送信する。
【0019】
ここで、測定部と、信号送信部と、は読取装置の構成要素となる。
【0020】
信号受信部は、信号送信部が送信した磁気信号を受信する。
【0021】
磁気パターン認識部は、信号受信部が受信した磁気信号を磁気パターンとして特定する。
【0022】
ここで、信号受信部と、磁気パターン認識部と、は認識装置の構成要素となる。
【0023】
また、本発明の磁気パターンの読取装置において、当該磁気パターンは、MICR文字またはMICR記号であるように構成することができる。
【0024】
本発明の磁気パターンの読取方法は、測定工程と、信号送信工程と、信号受信工程と、磁気パターン認識工程と、を備える。
【0025】
測定工程では、磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、磁気パターンの磁気信号を出力する。
【0026】
信号送信工程では、測定工程にて出力された磁気信号を認識装置に送信する。
【0027】
ここで、測定工程と、信号送信工程と、は読取工程の構成要素となる。
【0028】
信号受信工程では、信号送信工程にて送信された磁気信号を受信する。
【0029】
磁気パターン認識工程では、信号受信工程にて受信された磁気信号を磁気パターンとして特定する。
【0030】
ここで、信号受信工程と、磁気パターン認識工程と、は認識工程の構成要素となる。
【0031】
また、本発明の磁気パターンの読取方法において、当該磁気パターンは、MICR文字またはMICR記号であるように構成することができる。
【0032】
本発明の磁気パターンの読取装置、および、読取方法を実現するプログラムをコンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリなどの情報記録媒体に記録することができる。
【0033】
本発明の情報記録媒体に記録されたプログラムを、読取装置や認識装置が備えるCPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)などの制御装置で実行することにより、上記の磁気パターンの読取システム、および、読取方法を実現することができる。
【0034】
また、これらの装置とは独立して、本発明のプログラムを記録した情報記録媒体を配布、販売することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0036】
図2は、本発明の磁気パターンの読取システムの実施形態の概要構成を示す説明図である。以下、図2を参照して、本発明の磁気パターンの読取システムの実施形態の概要構成について説明する。
【0037】
本発明の読取システム100は、読取装置110と、ホストPC120と、を備える。ホストPC120は解析装置の役割を持つ。
読取装置110は、測定部111と、信号送信部112と、読取装置外部インタフェース113と、を備える。
【0038】
測定部111は、磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、磁気パターンの磁気信号を出力する。信号送信部112は、測定部111が測定した磁気信号を読取装置外部インタフェースを介してホストPC120に送信する。
【0039】
ホストPC120は、磁気文字読取アプリケーション121と、コマンド解析部122と、読取指令部123と、ホストPC外部インタフェース124と、信号受信部125と、磁気パターン認識部126と、を備える。
【0040】
磁気文字読取アプリケーション121は、パーソナルチェックの読取コマンドを発行し、認識結果を取得する。コマンド解析部122は、磁気文字読取アプリケーション121から発行されるコマンドを解析する。また、後述する磁気パターン認識部126から認識文字列を取得し、読取結果が正常だったか等のステータスを付加して認識結果を作成する。読取指令部123は、コマンド解析部122がコマンドを解析した結果、読取装置110に対して磁気文字の読取の要求が発生した場合に、ホストPC外部インタフェース124を介して読取を指令する。信号受信部125は、読取装置110から出力された磁気信号を受信する。磁気パターン認識部126は、信号受信部125が受信した磁気信号を磁気文字として確定させるための認識処理を行う。
【0041】
図3は、図2に示すブロック構成図を概要構成とする磁気パターンの読取装置を現実のハードウェアで実現する場合の概要構成を示すブロック構成図である。
【0042】
読取装置110のCPU 301は、読取装置の各部を制御する。
【0043】
紙送り装置302は、MICR文字が印刷された用紙、たとえばパーソナルチェックを磁気ヘッド303に対して相対的に移動させる。
【0044】
磁気ヘッド303が読み取った磁気パターンの残留磁束密度または相互誘導変化(以下磁束)は増幅回路304で増幅され、フィルタ回路305は不要な信号を除去する。さらにA/D(Analog/Digital;アナログ/ディジタル)変換器306により、磁束はディジタル信号に変換され、CPU 301に送られる。
【0045】
CPU 301が受け取った磁束の強さのディジタル信号は、磁気波形データとして外部インタフェース307を介してホストPC120へ送信される。
【0046】
なお、磁気ヘッド303、および、増幅器304、および、フィルタ305、および、A/D変換器306は、測定部として機能する。また、CPU 301および、外部インタフェース307は、信号送信部として機能する。
【0047】
また、ROM 308には、CPU 301が実行するプログラムを記憶することができ、この場合は、ROM 308は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0048】
さらに、ROM 308の内容を外部から更新できる場合には、当該更新するためのプログラムを記録したCD−ROM(Compact Disc ROM)などの情報記録媒体は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0049】
一方、図6は、図2に示すブロック構成図を概要構成とするホストPC120を現実のハードウェアで実現する場合の概要構成を示すブロック構成図である。
【0050】
ホストPC120のCPU 601は、ホストPCの各部を制御する。
【0051】
外部インタフェース602は、ホストPC120の外部インタフェース307から送信された磁気波形データを受信し、RAM 603に記憶する。
【0052】
HDD(Hard Disk Drive;ハードディスクドライブ)610内に格納された認識プログラム611は、RAM 603の磁気波形データとHDD 610内に格納された基準磁気パターン612とを比較して文字または記号を認識する。認識された文字や記号は、HDD 610内の磁気文字読取アプリケーション613へ引き渡され、他の処理の対象となる。たとえば、認識された文字や記号を銀行の口座番号と金額として解釈し、当該金額の引き落とし処理のトランザクションを行う、などの処理である。この処理については、公知の技法を利用することができる。
【0053】
なお、CPU 601は、磁気パターン認識部、および、信号受信部として、RAM 603は、信号受信部として、それぞれ機能する。
【0054】
また、HDD 610には、CPU 601が実行するプログラムを記憶することができ、この場合は、HDD 610は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0055】
さらに、HDD 610の内容を外部から更新できる場合には、当該更新するためのプログラムを記録したCD−ROM(Compact Disc ROM)などの情報記録媒体は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0056】
図4は、本実施形態に係る読取装置の実施形態とプリンタとを組み込んだ複合処理装置の概形を示す説明図である。
【0057】
複合処理処置401のプリンタ部は、文字や記号を印刷するプリンタヘッド402と、これが移動する移動軸403と、印刷の際に紙をおさえるプラテン404とを備え、印刷はロール紙405に対して行われる。
【0058】
一方、MICR文字が印刷されたパーソナルチェック411は、挿入口412から挿入され、複合処理装置401の内部に配置された認識装置110により処理される。
【0059】
図7は、本実施形態の読取システムにおいて実行される読取処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
まず、磁気文字読取アプリケーション121にてコマンド解析を実行する(ステップS701)。コマンド解析の結果、磁気文字読取コマンドでなかった場合(ステップS701;磁気文字読取コマンドでない)、そのコマンドに応じた処理を実行し(ステップS702)、コマンド解析(ステップS701)へ戻る。一方、コマンド解析の結果、磁気文字読取コマンドであった場合(ステップS701;磁気文字読取コマンドである)、読取装置110に対して読取指令を発行する(ステップS703)。
【0061】
次に、読取装置110は、ホストPC120からの読取指令を受信する(ステップS704)。
【0062】
次に、読取装置110において磁気パターン読取を実行する(ステップS705)。
【0063】
ここで、磁気パターン読取動作の一例を説明する(図示せず)。まず、読取装置110が読取指令を受けると、パーソナルチェックの挿入待ち処理を実行する。パーソナルチェックが挿入されたかの判断には、挿入されたことを光センサーなどにより検知する実施形態を採用することができる。パーソナルチェックの挿入が確認された後に磁気パターンの読取を行う。CPU 301は、紙送り機構302を駆動するとともに、磁気ヘッド303を動作させて、用紙に印刷された磁気パターンを読み取り、読み取った結果の信号を所定の増幅率に設定した増幅器304で増幅し、さらに、増幅した信号からフィルタ回路305によりノイズを除去し、A/D変換器306によりA/D変換する。
【0064】
データの読取は、たとえば、以下のような手法により行うことができる。紙送り機構302は、1/144インチ単位のステップで紙を送る。磁気ヘッド303は、1ステップあたり15回磁束を測定する。測定した値は4回ごとに平均をとる。このようにして読み取った磁気波形データは、1データ当たり1バイトの値として処理し、パーソナルチェック1枚当たりでは約3キロバイト程度となる。
【0065】
MICR文字は、E13B規格では、MICR文字の幅は1.321mmから2.311mmの4グループに分類される。この場合、約49データでMICR文字1文字幅分となるが、印字間隔は3.175mmあり、文字間スペースを含め約70データを1文字分のデータとすることができる。
【0066】
次に、読取装置110にて読み取った磁気波形データをホストPC120へ送信する(ステップS706)。そして、ホストPC120にて磁気波形データを取得し(ステップS707)、RAM 603などに記憶する。このときのデータ送信にUSB等の高速通信を使用する場合には、数十マイクロ秒程度を見込めば良い。RAM 603などに記憶されるディジタル信号は、1データ当たり1バイトの値として記憶するが、この信号の一部を図示すると、たとえば図5のようになる。図5は、MICR文字「0」の磁気波形データをプロットしたものである。 次に、ホストPC120にて、読み取った波形データからMICR文字の認識処理を行う(ステップS708)。MICR文字の認識処理については、たとえば、特開平9−311906号公報に開示されている手法などにより、まず、読み取ったデータから各文字と考えられる区間に対応するデータを切り出す。
【0067】
次に、切り出した区間のそれぞれについて、磁束の値が正となる場合については記憶される値の分布が129〜254となるように、磁束の値が負となる場合については記憶される値の分布が1〜127となるようにそれぞれ磁束の値を1次式で変換してRAM 603に記憶する。
【0068】
ついで、CPU 601は、区間のそれぞれについて、HDD 610内に記憶された基準磁気パターン612のそれぞれと、当該区間のデータと、を比較して、MICR文字を認識する。
【0069】
従来の技術においては、読取装置でMICR文字の認識処理を行うと、最短でも数百ミリ秒の処理時間がかかっていたが、ホストPCで認識処理を行った場合には、その演算装置の性能にもよるが、数十倍以上は高速化が可能である。したがって、前述した磁気データの送信時間を合わせても、ホストPCで認識処理を行ったほうが、読取システムトータルとしては処理時間を短縮することができる。
【0070】
次に、認識結果を磁気文字読取アプリケーション121へ引き渡す(ステップS709)。この場合、認識したMICR文字を磁気文字読取アプリケーション121へ引き渡すのはもちろん、認識不可能文字がなかったか、などの情報も付加することができる。
【0071】
以上の一連の処理が終了したら、再びコマンド解析の実行(ステップS701)に戻る。
【0072】
以上の説明は、パーソナルチェックを用いたが、チェックの種類や、チェックのみによらずMICR印刷された器物に対し有効であることは、いうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気波形データの認識処理をホストPC側の演算装置を用いて行うため、読取装置の演算装置にコストを掛けて高速化しなくても、数倍から数十倍以上高速なホストPC側の演算装置を使用することができるため、認識処理時間を短縮することができる。これは、磁気波形データの送信に要する時間も含めてホストPCで認識処理を行ったほうが、読取システムとしての処理時間が短縮できることを意味する。
【0074】
また、ホストPCにて認識処理を行うため、認識処理時間が短縮できるので、許された一定時間内でより複数の認識処理を行うことができる。
【0075】
また、認識処理プログラムをバージョンアップする際には、認識処理プログラムがホストPC側にあるため、ホストPC側のプログラムのみを書き換えれば良く、読取装置側のプログラムを変更する必要はないので、バージョンアップ作業が容易となる。
【0076】
したがって、前述の効果を奏する磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MICR文字が印刷されたパーソナルチェックの例を示す説明図である。
【図2】本発明の磁気パターンの読取システムの実施形態の概要構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の磁気パターンの読取装置のハードウェア構成を示すブロック構成図である。
【図4】本発明の磁気パターンの読取装置とプリンタとを組み込んだ複合処理装置の概形を示す説明図である。
【図5】本発明の磁気波形データの一例をプロットした図である。
【図6】本発明のホストPCのハードウェア構成を示すブロック構成図である。
【図7】本発明の磁気パターンの読取システムにおいて実行される読取および認識処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 読取システム
110 読取装置
111 測定部
112 信号送信部
113 読取装置外部インタフェース
120 ホストPC
121 磁気文字読取アプリケーション
122 コマンド解析部
123 読取指令部
124 ホストPC外部インタフェース
125 信号受信部
126 磁気パターン認識部
301 CPU
302 紙送り機構
303 磁気ヘッド
304 増幅回路
305 フィルタ回路
306 A/D変換器
307 外部インタフェース
308 ROM
401 複合処理装置
402 プリンタヘッド
403 移動軸
404 プラテン
405 ロール紙
411 パーソナルチェック
412 挿入口
601 CPU
602 外部インタフェース
603 RAM
610 HDD
611 認識プログラム
612 基準磁気パターン
613 磁気文字読取アプリケーション
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。
【0002】
特に、MICR(Magnetic Ink Character Recognition)文字やMICR記号(以下適宜まとめて「MICR文字」という。)を読み取って、その読取信号を磁気波形データとしてホストPCへ送信し、ホストPCにてその磁気波形データの認識を行うことを特徴とする磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来からたとえば、パーソナルチェックなどにMICR文字を印刷し、これを認識するような磁気認識装置が用いられている。図1に、MICR文字が印刷されたパーソナルチェックの印刷例を示す。図中の下部に印刷された「記号 012345678 記号 空白 9012 記号 3456789 記号 空白 0123 空白 記号 4567890123 記号」の列がMICR文字で印刷された部分である。
【0004】
MICR文字については、ANSI X9.27 − 1995、ISO 1004 Information processing − Magnetic ink character recognition − Print Specifications、JIS X9002−1980 磁気インキ文字読取用字体及び印字仕様(E13B)などによって規格が定められている。MICR文字の形状や、その磁気特性、特に、MICR文字を磁気ヘッドで読み取った場合の磁気の波形の形状は、CMC7規格もしくはE13B規格などによって定められている。
【0005】
一方、レーザプリンタ用に、MICR文字用の磁気インクを含むトナーが提供されている。また、インクジェットプリンタや熱転写型プリンタでも同様のインクが提供されている。このようなトナーやインクを利用すれば、ユーザは、安価な民生用プリンタを用いてMICR文字をパーソナルチェックなどの用紙に印刷することができる。
【0006】
かつては、所定の規格に合わせた専用印刷装置によってMICR文字が印刷されていたが、今日では、さまざまなDPI(dot per inch)の安価な民生用プリンタによってもMICR文字が印刷されるようになってきている。
【0007】
従来の読取装置においては、例えば、特開平8−171470のように、読取装置と接続されたホストPCから送信される読取コマンドを解釈して、磁気パターンの読取および認識を読取装置内にて実行し、その認識結果をホストPCへ送信するのが一般的である(たとえば、特許文献1 参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−171470号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
市場におけるパーソナルチェックなどのMICR文字の付された用紙の中には、その印刷の品質が悪いものがある。ここで印刷の品質が悪いとは、ANSIなどによって定められた印刷規格から大きく外れていることを言う。
【0010】
また、パーソナルチェックの印刷方法によっても印刷された文字の字形が異なるため、読取時の磁気信号も異なったものとなる。たとえば、オフセット印刷では文字を縁取る線の曲がり角が印刷規格通りに滑らかに曲率を持たせることができるが、レーザプリンタで印刷されたものなどは解像度によっては規格通りの線縁になっていないこともある。
【0011】
従来の読取装置において、このようなパーソナルチェックを読み取って認識を行うと、認識処理に多大な時間がかかってしまうことがある。なぜならば、認識処理においては1種類の認識方法のみならず、何とか認識できるように予め用意された何種類かの認識方法を試みるためである。そして、予め用意されたどの認識方法でも認識できない場合にはその文字を認識不可能文字として、認識不可能文字を含めて認識結果をホストPCへ送信する。ところが、認識方法を複数用意しすぎると、認識処理時間が10秒以上かかってしまうこともあり、読取の作業効率が非常に悪くなってしまい、実使用に耐えかねるという問題が生じていた。
【0012】
また、新たな認識方法を追加したい場合には、読取装置内のプログラムを置き換えなければならない。そのためには、一般的には、読取装置のプログラムが格納されているROMを差し換えなければならない。または、プログラムが書き換え可能な読取装置においては、ホストPCから読取装置へプログラムデータを送信し、読取装置内のプログラムを書き換えなければならない。前者のROM差し換えは、ROMカバーを外してROMを差し換え、またROMカバーを元に戻す、というように多くの作業を要する。また、後者の読取装置内のプログラム書き換えは、書き換え用のホストPCも合わせて準備する必要があり手間がかかるという問題も生じていた。
【0013】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
特に、MICR文字などの磁気パターンを読み取って、その読取信号を磁気波形データとしてホストPCへ送信し、ホストPCにてその磁気波形データを受信して認識を行うことを特徴とする磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0016】
本発明の磁気パターンの読取システムは、測定部と、信号送信部と、信号受信部と、磁気パターン認識部と、を備える。
【0017】
測定部は、磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、磁気パターンの磁気信号を出力する。
【0018】
信号送信部は、測定部が出力する磁気信号を認識装置に送信する。
【0019】
ここで、測定部と、信号送信部と、は読取装置の構成要素となる。
【0020】
信号受信部は、信号送信部が送信した磁気信号を受信する。
【0021】
磁気パターン認識部は、信号受信部が受信した磁気信号を磁気パターンとして特定する。
【0022】
ここで、信号受信部と、磁気パターン認識部と、は認識装置の構成要素となる。
【0023】
また、本発明の磁気パターンの読取装置において、当該磁気パターンは、MICR文字またはMICR記号であるように構成することができる。
【0024】
本発明の磁気パターンの読取方法は、測定工程と、信号送信工程と、信号受信工程と、磁気パターン認識工程と、を備える。
【0025】
測定工程では、磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、磁気パターンの磁気信号を出力する。
【0026】
信号送信工程では、測定工程にて出力された磁気信号を認識装置に送信する。
【0027】
ここで、測定工程と、信号送信工程と、は読取工程の構成要素となる。
【0028】
信号受信工程では、信号送信工程にて送信された磁気信号を受信する。
【0029】
磁気パターン認識工程では、信号受信工程にて受信された磁気信号を磁気パターンとして特定する。
【0030】
ここで、信号受信工程と、磁気パターン認識工程と、は認識工程の構成要素となる。
【0031】
また、本発明の磁気パターンの読取方法において、当該磁気パターンは、MICR文字またはMICR記号であるように構成することができる。
【0032】
本発明の磁気パターンの読取装置、および、読取方法を実現するプログラムをコンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリなどの情報記録媒体に記録することができる。
【0033】
本発明の情報記録媒体に記録されたプログラムを、読取装置や認識装置が備えるCPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)などの制御装置で実行することにより、上記の磁気パターンの読取システム、および、読取方法を実現することができる。
【0034】
また、これらの装置とは独立して、本発明のプログラムを記録した情報記録媒体を配布、販売することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0036】
図2は、本発明の磁気パターンの読取システムの実施形態の概要構成を示す説明図である。以下、図2を参照して、本発明の磁気パターンの読取システムの実施形態の概要構成について説明する。
【0037】
本発明の読取システム100は、読取装置110と、ホストPC120と、を備える。ホストPC120は解析装置の役割を持つ。
読取装置110は、測定部111と、信号送信部112と、読取装置外部インタフェース113と、を備える。
【0038】
測定部111は、磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、磁気パターンの磁気信号を出力する。信号送信部112は、測定部111が測定した磁気信号を読取装置外部インタフェースを介してホストPC120に送信する。
【0039】
ホストPC120は、磁気文字読取アプリケーション121と、コマンド解析部122と、読取指令部123と、ホストPC外部インタフェース124と、信号受信部125と、磁気パターン認識部126と、を備える。
【0040】
磁気文字読取アプリケーション121は、パーソナルチェックの読取コマンドを発行し、認識結果を取得する。コマンド解析部122は、磁気文字読取アプリケーション121から発行されるコマンドを解析する。また、後述する磁気パターン認識部126から認識文字列を取得し、読取結果が正常だったか等のステータスを付加して認識結果を作成する。読取指令部123は、コマンド解析部122がコマンドを解析した結果、読取装置110に対して磁気文字の読取の要求が発生した場合に、ホストPC外部インタフェース124を介して読取を指令する。信号受信部125は、読取装置110から出力された磁気信号を受信する。磁気パターン認識部126は、信号受信部125が受信した磁気信号を磁気文字として確定させるための認識処理を行う。
【0041】
図3は、図2に示すブロック構成図を概要構成とする磁気パターンの読取装置を現実のハードウェアで実現する場合の概要構成を示すブロック構成図である。
【0042】
読取装置110のCPU 301は、読取装置の各部を制御する。
【0043】
紙送り装置302は、MICR文字が印刷された用紙、たとえばパーソナルチェックを磁気ヘッド303に対して相対的に移動させる。
【0044】
磁気ヘッド303が読み取った磁気パターンの残留磁束密度または相互誘導変化(以下磁束)は増幅回路304で増幅され、フィルタ回路305は不要な信号を除去する。さらにA/D(Analog/Digital;アナログ/ディジタル)変換器306により、磁束はディジタル信号に変換され、CPU 301に送られる。
【0045】
CPU 301が受け取った磁束の強さのディジタル信号は、磁気波形データとして外部インタフェース307を介してホストPC120へ送信される。
【0046】
なお、磁気ヘッド303、および、増幅器304、および、フィルタ305、および、A/D変換器306は、測定部として機能する。また、CPU 301および、外部インタフェース307は、信号送信部として機能する。
【0047】
また、ROM 308には、CPU 301が実行するプログラムを記憶することができ、この場合は、ROM 308は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0048】
さらに、ROM 308の内容を外部から更新できる場合には、当該更新するためのプログラムを記録したCD−ROM(Compact Disc ROM)などの情報記録媒体は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0049】
一方、図6は、図2に示すブロック構成図を概要構成とするホストPC120を現実のハードウェアで実現する場合の概要構成を示すブロック構成図である。
【0050】
ホストPC120のCPU 601は、ホストPCの各部を制御する。
【0051】
外部インタフェース602は、ホストPC120の外部インタフェース307から送信された磁気波形データを受信し、RAM 603に記憶する。
【0052】
HDD(Hard Disk Drive;ハードディスクドライブ)610内に格納された認識プログラム611は、RAM 603の磁気波形データとHDD 610内に格納された基準磁気パターン612とを比較して文字または記号を認識する。認識された文字や記号は、HDD 610内の磁気文字読取アプリケーション613へ引き渡され、他の処理の対象となる。たとえば、認識された文字や記号を銀行の口座番号と金額として解釈し、当該金額の引き落とし処理のトランザクションを行う、などの処理である。この処理については、公知の技法を利用することができる。
【0053】
なお、CPU 601は、磁気パターン認識部、および、信号受信部として、RAM 603は、信号受信部として、それぞれ機能する。
【0054】
また、HDD 610には、CPU 601が実行するプログラムを記憶することができ、この場合は、HDD 610は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0055】
さらに、HDD 610の内容を外部から更新できる場合には、当該更新するためのプログラムを記録したCD−ROM(Compact Disc ROM)などの情報記録媒体は、本発明の情報記録媒体として機能する。
【0056】
図4は、本実施形態に係る読取装置の実施形態とプリンタとを組み込んだ複合処理装置の概形を示す説明図である。
【0057】
複合処理処置401のプリンタ部は、文字や記号を印刷するプリンタヘッド402と、これが移動する移動軸403と、印刷の際に紙をおさえるプラテン404とを備え、印刷はロール紙405に対して行われる。
【0058】
一方、MICR文字が印刷されたパーソナルチェック411は、挿入口412から挿入され、複合処理装置401の内部に配置された認識装置110により処理される。
【0059】
図7は、本実施形態の読取システムにおいて実行される読取処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
まず、磁気文字読取アプリケーション121にてコマンド解析を実行する(ステップS701)。コマンド解析の結果、磁気文字読取コマンドでなかった場合(ステップS701;磁気文字読取コマンドでない)、そのコマンドに応じた処理を実行し(ステップS702)、コマンド解析(ステップS701)へ戻る。一方、コマンド解析の結果、磁気文字読取コマンドであった場合(ステップS701;磁気文字読取コマンドである)、読取装置110に対して読取指令を発行する(ステップS703)。
【0061】
次に、読取装置110は、ホストPC120からの読取指令を受信する(ステップS704)。
【0062】
次に、読取装置110において磁気パターン読取を実行する(ステップS705)。
【0063】
ここで、磁気パターン読取動作の一例を説明する(図示せず)。まず、読取装置110が読取指令を受けると、パーソナルチェックの挿入待ち処理を実行する。パーソナルチェックが挿入されたかの判断には、挿入されたことを光センサーなどにより検知する実施形態を採用することができる。パーソナルチェックの挿入が確認された後に磁気パターンの読取を行う。CPU 301は、紙送り機構302を駆動するとともに、磁気ヘッド303を動作させて、用紙に印刷された磁気パターンを読み取り、読み取った結果の信号を所定の増幅率に設定した増幅器304で増幅し、さらに、増幅した信号からフィルタ回路305によりノイズを除去し、A/D変換器306によりA/D変換する。
【0064】
データの読取は、たとえば、以下のような手法により行うことができる。紙送り機構302は、1/144インチ単位のステップで紙を送る。磁気ヘッド303は、1ステップあたり15回磁束を測定する。測定した値は4回ごとに平均をとる。このようにして読み取った磁気波形データは、1データ当たり1バイトの値として処理し、パーソナルチェック1枚当たりでは約3キロバイト程度となる。
【0065】
MICR文字は、E13B規格では、MICR文字の幅は1.321mmから2.311mmの4グループに分類される。この場合、約49データでMICR文字1文字幅分となるが、印字間隔は3.175mmあり、文字間スペースを含め約70データを1文字分のデータとすることができる。
【0066】
次に、読取装置110にて読み取った磁気波形データをホストPC120へ送信する(ステップS706)。そして、ホストPC120にて磁気波形データを取得し(ステップS707)、RAM 603などに記憶する。このときのデータ送信にUSB等の高速通信を使用する場合には、数十マイクロ秒程度を見込めば良い。RAM 603などに記憶されるディジタル信号は、1データ当たり1バイトの値として記憶するが、この信号の一部を図示すると、たとえば図5のようになる。図5は、MICR文字「0」の磁気波形データをプロットしたものである。 次に、ホストPC120にて、読み取った波形データからMICR文字の認識処理を行う(ステップS708)。MICR文字の認識処理については、たとえば、特開平9−311906号公報に開示されている手法などにより、まず、読み取ったデータから各文字と考えられる区間に対応するデータを切り出す。
【0067】
次に、切り出した区間のそれぞれについて、磁束の値が正となる場合については記憶される値の分布が129〜254となるように、磁束の値が負となる場合については記憶される値の分布が1〜127となるようにそれぞれ磁束の値を1次式で変換してRAM 603に記憶する。
【0068】
ついで、CPU 601は、区間のそれぞれについて、HDD 610内に記憶された基準磁気パターン612のそれぞれと、当該区間のデータと、を比較して、MICR文字を認識する。
【0069】
従来の技術においては、読取装置でMICR文字の認識処理を行うと、最短でも数百ミリ秒の処理時間がかかっていたが、ホストPCで認識処理を行った場合には、その演算装置の性能にもよるが、数十倍以上は高速化が可能である。したがって、前述した磁気データの送信時間を合わせても、ホストPCで認識処理を行ったほうが、読取システムトータルとしては処理時間を短縮することができる。
【0070】
次に、認識結果を磁気文字読取アプリケーション121へ引き渡す(ステップS709)。この場合、認識したMICR文字を磁気文字読取アプリケーション121へ引き渡すのはもちろん、認識不可能文字がなかったか、などの情報も付加することができる。
【0071】
以上の一連の処理が終了したら、再びコマンド解析の実行(ステップS701)に戻る。
【0072】
以上の説明は、パーソナルチェックを用いたが、チェックの種類や、チェックのみによらずMICR印刷された器物に対し有効であることは、いうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気波形データの認識処理をホストPC側の演算装置を用いて行うため、読取装置の演算装置にコストを掛けて高速化しなくても、数倍から数十倍以上高速なホストPC側の演算装置を使用することができるため、認識処理時間を短縮することができる。これは、磁気波形データの送信に要する時間も含めてホストPCで認識処理を行ったほうが、読取システムとしての処理時間が短縮できることを意味する。
【0074】
また、ホストPCにて認識処理を行うため、認識処理時間が短縮できるので、許された一定時間内でより複数の認識処理を行うことができる。
【0075】
また、認識処理プログラムをバージョンアップする際には、認識処理プログラムがホストPC側にあるため、ホストPC側のプログラムのみを書き換えれば良く、読取装置側のプログラムを変更する必要はないので、バージョンアップ作業が容易となる。
【0076】
したがって、前述の効果を奏する磁気パターンの読取システム、読取方法、および、これらを実現するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MICR文字が印刷されたパーソナルチェックの例を示す説明図である。
【図2】本発明の磁気パターンの読取システムの実施形態の概要構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の磁気パターンの読取装置のハードウェア構成を示すブロック構成図である。
【図4】本発明の磁気パターンの読取装置とプリンタとを組み込んだ複合処理装置の概形を示す説明図である。
【図5】本発明の磁気波形データの一例をプロットした図である。
【図6】本発明のホストPCのハードウェア構成を示すブロック構成図である。
【図7】本発明の磁気パターンの読取システムにおいて実行される読取および認識処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 読取システム
110 読取装置
111 測定部
112 信号送信部
113 読取装置外部インタフェース
120 ホストPC
121 磁気文字読取アプリケーション
122 コマンド解析部
123 読取指令部
124 ホストPC外部インタフェース
125 信号受信部
126 磁気パターン認識部
301 CPU
302 紙送り機構
303 磁気ヘッド
304 増幅回路
305 フィルタ回路
306 A/D変換器
307 外部インタフェース
308 ROM
401 複合処理装置
402 プリンタヘッド
403 移動軸
404 プラテン
405 ロール紙
411 パーソナルチェック
412 挿入口
601 CPU
602 外部インタフェース
603 RAM
610 HDD
611 認識プログラム
612 基準磁気パターン
613 磁気文字読取アプリケーション
Claims (7)
- 磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、前記磁気パターンの磁気信号を出力する測定部と、
前記測定部が出力した磁気信号を認識装置に送信する信号送信部と、
を備える読取装置と、
前記信号送信部が送信した磁気信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した磁気信号を磁気パターンとして特定する磁気パターン認識部と、
を備える認識装置と、
を備えることを特徴とする磁気パターンの読取システム。 - 当該磁気パターンは、MICR文字またはMICR記号である
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気パターンの読取システム。 - 磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、前記磁気パターンの磁気信号を出力する測定工程と、
前記測定工程にて出力された磁気信号を認識装置に送信する信号送信工程と、
を備える読取工程と、
前記信号送信工程にて送信された磁気信号を受信する信号受信工程と、
前記信号受信工程にて受信された磁気信号を磁気パターンとして特定する磁気パターン認識工程と、
を備える認識工程と、
を備えることを特徴とする磁気パターンの読取方法。 - 当該磁気パターンは、MICR文字またはMICR記号である
ことを特徴とする請求項3に記載の磁気パターンの読取方法。 - 磁気インクにより印刷された磁気パターンの付された領域に対して磁気ヘッドを相対的に移動させながら、前記磁気パターンの磁気信号を出力する測定手順と、
前記測定手順にて出力された磁気信号を認識装置に送信する信号送信手順と、
を備える読取手順と、
前記信号送信手順にて送信された磁気信号を受信する信号受信手順と、
前記信号受信手順にて受信された磁気信号を磁気パターンとして特定する認識手順と、
を備える認識手順と、
を含む処理を実行するプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体。 - 当該磁気パターンは、MICR文字またはMICR記号である
ことを特徴とする請求項5に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体。 - 前記情報記録媒体は、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、または、半導体メモリであることを特徴とする請求項5または6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な情報記録媒体。
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