JP2004318023A - 楽音発生・表示制御装置、ネットセッション演奏装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ネットセッションに参加するクライアント端末は、該ネットセッションに参加する他のクライアント端末によって作成された演奏情報を、サーバ装置から通信ネットワーク等を介して受信すると、演奏情報に対応する可視画像(玉m1’〜m3’参照)の表示を開始する。この可視画像は、所定時間間隔で上端ラインL2から発音ラインL1に向かって動いていくように表示され、発音ラインL1に到達すると同時に対応する楽音が発音される。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽曲データ等を編集する際に好適な標準楽曲データを生成する楽音発生・表示制御装置、ネットセッション演奏装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、音楽分野においては、楽器演奏によって奏でられる楽音に映像を融合させるといった試みがなされている。
ここで、図22は、いわゆる“映像装置としてのピアノ”の構成を示した図である。このピアノ10においては、鍵盤11から載置台30までスクリーン40が張られている。このスクリーン40には、映像のグリッドがプロジェクタ50によって投影され、この映像が鍵盤11に向かってゆっくりとスクロールしている。かかるピアノ10を利用して演奏を行うユーザは、載置台30に載置されているトラックボール60を操作して該グリッドの上に光る点Pを描く。ユーザによって描かれた点Pは、鍵盤11に向かってゆっくりと移動し、鍵盤11に到達した瞬間、コンピュータ(図示略)等の制御によって点Pに対応する鍵が押下され、この鍵に対応する音が発音される。と同時に、今度はプロジェクタ51により鍵盤11から垂直方向に延びるスクリーン41に対して、幾何学的な形の光LIが天井に向かって飛んでいくかのように投影される(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
岩井俊雄著「岩井俊雄の仕事と周辺」株式会社 六曜社、2000年
11月1日、p.72−75
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる“映像装置としてのピアノ”によれば、単に音によって演奏を表現するのみならず、音と映像を融合した形で演奏を表現することができる。
しかしながら、この“映像装置としてのピアノ”は、あくまで該ピアノを利用して演奏するユーザの演奏情報のみを可視化するものである。よって、例えば複数のユーザがそれぞれ該ピアノを利用して合奏等したとしても、各ユーザのピアノには自身の演奏情報に対応した画像(光)が投影されるのみであり、合奏相手がどのように演奏しているかについては、実際に合奏相手の演奏音を聞くことでしか把握することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、相手の演奏情報を受信した場合、該演奏情報に対応した楽音を発音するまでの間、該演奏情報に対応した画像を表示することができる楽音発生・表示制御装置、ネットセッション演奏装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した問題を解決するため、本発明に係る楽音発生・表示制御装置は、外部から発音すべき楽音に対応する演奏データと該楽音の発音タイミングを示す発音タイミング情報を含む演奏情報を受信する受信手段と、前記演奏情報を受信してから前記発音タイミング情報に示される前記発音タイミングが到来するまでの間のうちの所定時間、前記演奏情報を可視画像として表示するための制御を行う表示制御手段と、前記発音タイミングが到来したとき、前記演奏データに従って楽音を発生させる楽音発生制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記発音タイミングが到来するまでの時間の経過状態がわかるように前記可視画像の表示を制御することを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、外部から前記演奏情報を受信した場合、この演奏情報に対応する楽音が前記楽音発生制御手段によって発生される前に、前記演奏情報を可視画像として表示させる。この可視画像は、前記表示制御手段によって前記楽音の発音タイミングが到来するまでの時間の経過状態がわかるように表示されるため(図5に示す玉m1’〜m3’等参照)、ユーザは表示される可視画像を参照することで、外部からどのような演奏情報(例えば、音高等)を受信したのかを該楽音が発音される前に把握することが可能となる。
【0008】
また、本発明に係るネットセッション演奏装置は、自装置において生成される自演奏情報をネットワークを介して他の演奏装置に送信する一方、他の演奏装置において生成される他演奏情報を前記ネットワークを介して受信するネットセッション演奏装置であって、前記自演奏情報には、発音すべき楽音に対応する演奏データが含まれ、前記自演奏情報に含まれる前記演奏データに従って楽音の発生を制御する第1の楽音発生制御手段と、前記自演奏情報に前記楽音の発音タイミングを示す発音タイミング情報を付加する付加手段と、前記付加手段によって発音タイミング情報が付加された前記自演奏情報をネットワークを介して他の演奏装置に送信する送信手段と、前記他の演奏装置からネットワークを介して前記他演奏情報を受信する受信手段と、前記他演奏情報を受信してから当該他演奏情報に付加されている発音タイミング情報に示される前記発音タイミングが到来するまでの間のうちの所定時間、前記他演奏情報を可視画像として表示するための制御を行う他演奏表示制御手段と、前記発音タイミングが到来したとき、前記他演奏情報に含まれる演奏データに従って楽音を発生させる第2の楽音発生制御手段とを備え、前記他演奏表示制御手段は、前記発音タイミングが到来するまでの時間の経過状態がわかるように前記可視画像の表示を制御することを特徴とする。
【0009】
かかる構成によれば、ネットセッションに参加する他の演奏装置において生成された他演奏情報を受信した場合、この他演奏情報に対応する楽音が前記第2の楽音発生制御手段によって発生される前に、前記他演奏情報を可視画像として表示させる。この可視画像は、前記他演奏表示制御手段によって前記楽音の発音タイミングが到来するまでの時間の経過状態がわかるように表示されるため(図7に示す玉m1’〜m3’等参照)、ユーザは表示される可視画像を参照することで、外部からどのような演奏情報(例えば、音高等)を受信したのかを該楽音が発音される前に把握することが可能となる。
【0010】
ここで、上記構成にあっては、前記他演奏情報に含まれる演奏データを解析することにより、コード情報の検出を行うコード情報検出手段をさらに具備し、前記他演奏表示制御手段は、前記可視画像を表示させる際、前記コード情報検出手段によって検出される前記コード情報も表示させる態様が好ましい。
【0011】
また、前記コード情報からお勧めコード情報を生成するお勧めコード情報生成手段をさらに具備し、前記他演奏表示制御手段は、前記コード情報に併せてお勧めコード情報も表示させる態様も好ましい。
さらに、前記演奏データには、少なくとも発音すべき楽音の音高を示す音高情報が含まれ、前記他演奏表示制御手段は、前記他演奏情報を可視画像として表示させる際、該楽音の音高がわかるように表示させる態様も好ましい。
【0012】
また、前記演奏データには、少なくとも発音すべき楽音の音量を示す音量情報が含まれ、前記他演奏表示制御手段は、前記他演奏情報を可視画像として表示させる際、該楽音の音量に応じて前記可視画像の表示濃度を制御する態様が好ましい。
さらに、前記第1の楽音発生制御手段によって楽音を発生させるための制御が行われたとき、前記自演奏情報を可視画像として表示するための制御を行う自演奏表示制御手段をさらに具備するようにしても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
<本実施形態>
(1)実施形態の構成
図1は、本実施形態に係るネットセッションシステム100の構成を示す図である。
ネットセッションシステム100は、2台のクライアント端末(ネットセッション演奏装置)300−1、300−2が通信媒体(例えば、有線ケーブルや無線等)を介して接続された構成を有している。
【0015】
ここで、ネットセッションとは、複数人のユーザが通信媒体等を介して離れた場所において自己のクライアント端末300を利用して演奏し合う(セッションする)ことにより、1つの楽曲を作り上げていくといったものであり、本発明に係るネットセッションシステムは、かかるネットセッションを実現するためのシステムである(なお、特許請求の範囲等に記載されたネットセッションの意味内容を解釈する際には、上記定義を参照されたい)。
【0016】
なお、以下の説明では、各クライアント端末300−1、300−2について特に区別する必要がない場合には、単にクライアント端末300と呼ぶ。また、本実施形態では、説明の理解を容易にするため、クライアント端末300が2台の場合を例に説明するが、クライアント端末300が3台以上である場合にも適用可能である(詳細は後述)。
【0017】
(クライアント端末300の構成)
図2は、クライアント端末300のハードウェア構成を示す図である。
コントローラ310は、CPU、ROM、RAM等により構成され、ROMやハードディスク等の記憶装置(図示略)に格納されている各種制御プログラム等を実行することにより、クライアント端末300の各部を中枢的に制御する。
タイマ320は、現在発音位置(後述)を検出する際等に利用される計時手段である。
操作部330は、キーボード等により構成され、ネットセッションに参加するユーザ(メンバ)による操作内容を受け付ける手段である。
【0018】
通信部335は、様々な通信インタフェース等により構成され、自端末(例えば、クライアント端末300−1)において生成される演奏情報(以下、「自演奏情報」という)を通信媒体を介して他端末(例えば、クライアント端末300−2)に送信する一方、他端末において生成される演奏情報(以下、「他演奏情報」という)を通信媒体(ネットワーク)を介して受信する。
演奏再生装置(楽音発生装置)340は、種々の音源(MIDI音源等)、スピーカ等により構成され、コントローラ310による制御の下、種々の楽音を発生させる。
【0019】
表示装置350は、液晶ディスプレイ等により構成され、コントローラ310による制御の下、演奏再生装置340から発生される楽音及び発生される予定の楽音を可視画像として表示する(詳細は後述)。なお、本実施形態では、演奏再生装置340、表示装置350がクライアント端末300に組み込まれている場合を想定するが、これら演奏再生装置340、表示装置350等をクライアント端末300に組み込むことなく、別体構成としても良いのはもちろんである。
【0020】
ここで、図3〜図5は表示装置350に表示される画面Pを例示した図である。
図3に示すように、画面Pの下欄には複数の鍵からなる鍵盤KBが表示される。この状態において、ネットセッションに参加するメンバが自端末(例えば、クライアント端末300−1)の操作部330を操作し、所定の楽音を所定の順番(例えば、C2(ド)→A2(ミ)→G2(ソ))で発音すべき指示が入力されると、コントローラ310は該指示に従って所定の演奏情報を生成する。コントローラ310は、このようにして生成した演奏情報を演奏再生装置340にリアルタイムで転送し、この結果、該演奏情報に対応する各楽音が演奏再生装置340から順次発音される。
【0021】
と同時に、表示装置350には該演奏情報に対応する可視画像が表示される(図4参照)。具体的には、まず楽音C2(ド)が発音されると、この楽音C2(ド)に対応する鍵K1の発音ラインL1から第1の色の玉m1が現れ、楽音A2(ミ)が発音されると、この楽音A2(ミ)に対応する鍵K2の発音ラインL1から第1の色の玉m2が現れ、G2(ソ)が発音されると、この楽音G2(ソ)に対応する鍵K3の発音ラインL1から第1の色の玉m3が現れる。このようにして各楽音に対応する鍵K1、K2、K3の発音ラインL1から現れた第1の色の玉m1、m2、m3は、所定の速度で画面Pの上端ラインL2に向かって動いていく。
【0022】
一方、他端末(例えば、クライアント端末300−2)において生成された他演奏情報は、通信媒体を介して通信部335によって受信される。コントローラ310は、通信部335から他演奏情報を受け取ると、この他演奏情報に対応する楽音を発音すべきタイミングが到来するまでの間、該他演奏情報に対応する可視画像を表示装置350に表示する制御を行う。なお、かかる表示を行うための制御等(表示タイミング等)については後述するため、以下においてはその概略のみを説明する。
【0023】
例えば、クライアント端末300−1がクライアント端末300−2から所定の楽音を所定の順番(例えば、D1(レ)→F3(ファ)→C3(ド))で発生すべき演奏情報を受信した場合には、図5に示すようにD1(レ)に対応する鍵K1’の上端ラインL2から第2の色の玉m1’が現れ、F3(ファ)に対応する鍵K2’の上端ラインL2から第2の色の玉m2’が現れ、C3(ド)に対応する鍵K3’の上端ラインL2から第2の色の玉m3’が現れる。このようにして各楽音に対応する鍵K1’、K2’、K3’の上端ラインL2から現れた第2の色の玉m1’、m2’、m3’は、所定の速度で画面Pの発音ラインL1に向かって動いていく。
【0024】
ここで、上記のように、自端末(クライアント端末300−1)において生成される自演奏情報に対応する玉の色と、他端末(クライアント端末300−2)から受信した他演奏情報に対応する玉の色とを変えているのは、自端末を利用してネットセッションを行うメンバの自演奏情報と、他端末を利用してネットセッションを行うメンバの他演奏情報とを明確に区別させるためである。例えば、上記第1の色として青色に設定し、上記第2の色として赤色に設定する。この結果、クライアント端末300を利用してネットセッションを行うメンバは、表示装置350に表示される玉の色を参照することで、自身に対応する自演奏情報とネットセッションに参加する他のメンバに対応する他演奏情報とを明確に区別することが可能となる。
【0025】
さて、上記のようにして上端ラインL2から現れた第2の色の玉は、やがて各楽音に対応する鍵K1’、K2’、K3’の発音ラインL1に到達する。と同時に、これら各鍵に対応する楽音が演奏再生装置340から順次発音される。
このように、本実施形態によれば、ネットセッションに参加する他のメンバの他演奏情報を受信してから、この他演奏情報に基づく楽音が実際に発音されるまでの間、該他演奏情報が可視画像として表示装置350に表示される。
【0026】
クライアント端末300を利用してネットセッションに参加するメンバは、この表示装置350に表示される可視画像を参照することで、ネットセッションに参加する他のメンバがどのような演奏を行っているのかを該楽音が発音される前に把握することができる。
以下、かかるクライアント端末300によって実現される各種機能について説明する。
【0027】
図6は、クライアント端末300の機能構成を示すブロック図である。
演奏情報入力部411は、図2に示す操作部330の操作内容や当該クライアント端末300に有線接続若しくは無線接続される電子楽器(図示略)等の操作内容を入力する。なお、かかる電子楽器等の操作内容には、ユーザによる電子楽器等の操作内容のみならず自動演奏による操作内容を含むようにしても良い。
【0028】
演奏情報作成部412は、演奏情報入力部411を介して入力される操作内容を解析することにより、例えばMIDI規格に準拠した演奏情報(演奏データ)を作成する。詳述すると、この演奏情報は、演奏制御等を指示するMIDIイベントと、先行するイベントと後発のイベントとの発生時間間隔を示すデルタタイムから構成される。
【0029】
この演奏情報を構成するMIDIイベントは、例えば発音すべき音の高さを示すノートナンバ情報と、発音の強弱を示すベロシティ情報等から構成されている。一例を挙げて説明すると、演奏情報作成部412は、上記操作内容を解析することにより、例えば「C3(ド)の音(ノートナンバ)を強さ10(ベロシティ)で発音(ノートオン)せよ」といった演奏制御を指示するMIDIデータ等を作成する。
【0030】
現在発音位置検出部413は、図2に示すタイマ320を利用することにより、現在の発音位置が「1小節」〜「4小節」のうちのどの小節に位置するかを検出する。
具体的には、1小節当たりの時間(例えば、4分音符4つで2秒)を決定した後、4小節分の時間(例えば、8秒)を予め決められた間隔(例えば、16分音符の間隔)繰り返し計測することにより、現在の発音位置が「1小節」〜「4小節」のうちのどの小節に位置するかを検出する(図7参照)。現在発音位置検出部413は、このようにして順次検出する現在の発音位置を、現在発音位置データ(発音タイミング情報)として発音位置データ付加部414等に供給する。
【0031】
ここで、1小節当たりの時間の設定については、例えばサーバ装置200がセッション内容等に応じて任意に設定しても良いが、どのように設定するかはネットセッションシステム100の運用等に応じて種々変更可能である。また、本実施形態では4小節を1タームとして繰り返し計測する態様を想定するが、どのような範囲を1タームとするかは適宜変更可能である。
【0032】
発音位置データ付加部414は、演奏情報作成部412から順次供給される自演奏情報に、現在発音位置検出部413から取得した現在発音位置データ(及び必要であれば自端末を識別するための端末識別情報)を順次付加し、これを送信部415に順次転送する。
送信部415は、演奏情報作成部414から順次供給される現在発音位置データを含む自演奏情報を通信媒体を介して接続されている他のクライアント端末300に送信する。
【0033】
受信部416は、ネットセッションに参加する他のクライアント端末300によって作成された他演奏情報を通信媒体を介して受信する。
受信演奏情報解析部417は、受信部416によって受信された他演奏情報を解析し、解析結果を再生制御部418、表示制御部419、コード解析部420に供給する。なお、この受信演奏情報解析部417の具体的な動作等については、実施形態の動作説明の項においてその詳細を明らかにする。
【0034】
再生制御部418は、1ターム(上記例では、4小節)を単位として格納する2つ以上の再生バッファ等を備え、演奏情報作成部412から供給される自演奏情報及び受信演奏情報解析部417から供給される他演奏情報の演奏再生を制御する。なお、詳細は後述するが、この再生制御部418は、演奏情報作成部412から自演奏情報が供給された場合、該自演奏情報を演奏再生装置340にリアルタイムで転送する一方、受信演奏情報解析部417から他演奏情報が供給された場合には、該受信演奏情報解析部417による解析結果に従って、該他演奏情報を演奏再生装置340に所定のタイミングで転送する。
【0035】
表示制御部419は、あるタイミング(例えば100ms)を測定する表示タイマを有し、演奏情報作成部412から供給される自演奏情報及び受信演奏情報解析部417から供給される他演奏情報を表示装置350に表示するための制御を行う。なお、詳細は後述するが、かかる表示制御部419による制御の結果、表示装置350の表示画面Pには自演奏情報が図4に示すように表示される一方、他演奏情報が図5に示すように表示される。
【0036】
コード解析部420は、受信演奏情報解析部417から供給される他演奏情報からコード構成を解析する。具体的には、1つ若しくは複数の他演奏情報に含まれるノートナンバ情報を解析することにより、“Cメジャー”、“Cマイナー”等のコード情報を取得し、取得したコード情報を表示制御部419に送る。表示制御部419は、コード解析部420からコード情報を受けとると、対応する他演奏情報と共に該コード情報を表示装置350に表示するための制御を行う(詳細は後述)。一方、コード解析部420は、上記解析の結果、コード情報が得られなかった場合には表示制御部419に何も送らない。
【0037】
以上がクライアント端末300に係る機能の詳細構成である。
以下、クライアント端末300の動作について説明する。なお、以下においては、自端末としてクライアント端末300−1を想定し、他端末としてクライアント端末300−2を想定する。
【0038】
(2)実施形態の動作
a.演奏情報送信時の動作
図8は、演奏情報送信時におけるクライアント端末300の動作を示すフローチャートである。
クライアント端末300−1は、図示せぬ電子楽器や操作部330等から所定の楽音等を発生すべき旨の入力を受け付けると、かかる入力内容を解析することにより、自演奏情報を作成し(ステップS1→ステップS2)、以下に示す送信処理(ステップS3)及び再生・表示処理(ステップS4)を並行して実行する。
【0039】
a−1.送信処理
図9は、送信処理を説明するためのフローチャートである。
クライアント端末300−1は、自演奏情報を作成すると、当該時点における現在発音位置を検出する(ステップSa1)。そして、クライアント端末300−1は、ステップSa2に進むと、作成した自演奏情報に現在発音位置を示す現在発音位置データを発音予定位置データとして付加し(必要とあらば自端末を識別するための端末識別情報を付加し)、これを通信媒体経由でクライアント端末300−2に送信する(ステップSa3)。
【0040】
a−2.再生・表示処理
また、クライアント端末300−1は、上記送信処理と並行し、図10に示す再生・表示処理を実行する。
クライアント端末300−1は、上記のようにして作成した自演奏情報をリアルタイムで演奏再生装置340に転送し、自演奏情報に対応する楽音を発音させると共に、自演奏情報に対応する可視画像の表示を開始する(ステップSb1)。詳述すると、クライアント端末300−1は、自演奏情報に含まれるノートナンバ情報を解析することにより、演奏再生装置340からリアルタイムで発音される楽音に対応する鍵K1(図11参照)を特定すると共に、可視画像(図11では玉m1)を表示すべきX軸座標を特定する。そして、クライアント端末300−1は、この玉m1を鍵K1の発音ラインL1上に表示する(図11に黒丸で示す玉m1参照)。
【0041】
クライアント端末300−1は、ステップSb2に進むと、上記表示タイマが更新されたか否かを検出し、更新されていない場合には(ステップSb2;No)、かかるステップを繰り返し実行する。一方、クライアント端末300−1は、上記表示タイマが更新されたことを検出すると(ステップSb2;Yes)、玉m1が発音ラインL1から上端ラインL2に向けて動いていくように玉m1のY軸座標を修正する(ステップSb3;図11に白丸で示す玉m1参照)。クライアント端末300−1は、ステップSb4に進むと、玉m1が上端ラインL2に到達したか否かを判断する。クライアント端末300−1は、未だ到達していないと判断すると(ステップSb4;No)、ステップSb2に戻り、上記処理を繰り返し実行する。
【0042】
その後、クライアント端末300−1は、ステップSb4において玉m1が上端ラインL2に到達したと判断すると(ステップSb4;Yes)、処理を終了する。
以上説明した処理が行われることにより、自演奏情報に対応する楽音が演奏再生装置340からリアルタイムで発音されると同時に、該自演奏情報に対応する可視画像(玉)が表示装置350に表示される。この可視画像は、上端ラインL2に到達するまでの間、所定時間間隔で発音ラインL1から上端ラインL2に向かって動いていくように表示される。
【0043】
なお、以上の説明においては、自演奏情報に含まれるノートナンバ情報を利用して自演奏情報に対応する可視画像を表示する場合について説明したが、該ノートナンバ情報のみならず、自演奏情報に含まれるベロシティ情報をも利用して上記可視画像を表示するようにしても良い。一例を挙げて説明すると、リアルタイムで発音される楽音の音量が大きいもの(ベロシティの値が大きいもの)については、表示濃度が濃くなるように制御し、該楽音の音量が小さいもの(ベロシティの値が小さいもの)については、表示濃度が薄くなるように制御する。このように、発音される楽音の音量に応じて表示濃度を制御することにより、クライアント端末300を利用してネットセッションを行うユーザは、自己の演奏状態を聴覚のみならず視覚を通じて認識することが可能となる。
【0044】
b.演奏情報受信時の動作
b−1.受信処理
図12〜図15は、受信処理を説明するための図である。
クライアント端末300−1は、他のクライアント端末300−2によって作成された他演奏情報を、通信媒体経由で受信すると、受信した他演奏情報から発音予定位置データを取り出す。そして、クライアント端末300−1は、当該時点における現在発音位置を検出し、発音予定位置データに示される発音予定位置とを比較する。詳述すると、クライアント端末300−1は、発音予定位置から現在発音位置を減算し、減算結果がある閾値(例えば2小節分)以上であるか否かを検出する。なお、この閾値は、本システムの運用形態等に応じて適宜設定可能だが、各ユーザが自身のクライアント端末300を適宜操作して演奏する点を鑑みれば、「2(2小節分)」以上であることが望ましい。すなわち、本実施形態においては、この閾値に相当する時間だけ可視画像として表示された後に、該他演奏情報に基づく楽音が発音されるため、この閾値に相当する時間が2小節分程度あれば(すなわち、2小節分程度の時間的余裕があれば)、他演奏情報に合わせてどのような演奏をすべきかといった検討を十分に行うことができると考えられる。よって、本実施形態においては、当該閾値を「2(2小節分)」に設定している。
【0045】
さて、クライアント端末300−1は、減算結果がある閾値以上であると判断した場合には、受信した他演奏情報を再生制御部418によって現在再生されている再生バッファに書き込みを行う。一方、クライアント端末300−1は、減算結果がある閾値を下回っていると判断した場合(減算結果が負の値の場合も含む)には、受信した他演奏情報を再生制御部418によって現在再生されている再生バッファの次の再生バッファに書き込む。
【0046】
ここで、上述したように、再生制御部418は、1ターム(以下の説明では4小節とする)を単位として格納する2つ以上の再生バッファ等を備えている。かかる再生制御部418が、例えば2つの再生バッファを備える場合、当該再生制御部418は、図12に示すように再生バッファ1及び再生バッファ2を繰り返し再生するといった制御を実行する。
【0047】
ここで、上記閾値が「2(2小節分)」である場合を想定して説明すると、例えば現在発音位置が「2」であるときに(図13参照)、発音予定位置が「3」である他演奏情報を受信した場合、上記減算結果は「1」((発音予定位置)−(現在発音位置)))であり、閾値を下回っているため、現在再生している再生バッファ1ではなく、次の再生バッファ2に他演奏情報が書き込まれる。
【0048】
この書き込みに際しては、該再生バッファ(ここでは再生バッファ2)における受信した他演奏情報に含まれる発音予定位置(ここでは「3」)に対応する位置に書き込みが行われる。上記例では、受信した他演奏情報に含まれる発音予定位置が「3」であるため、次の再生バッファ2の「3」の位置に、受信した他演奏情報が書き込まれる(図14参照)。このようにして書き込まれた他演奏情報は、現時点(すなわち現在発音位置)から「5」つ分だけ時間が進んだときに発音される。
【0049】
一方、例えば現在発音位置が「1」であるときに、発音予定位置が「3」である他演奏情報を受信した場合、上記減算結果は「2」となる。この減算結果は閾値「2」以上であるため、現在再生している再生バッファ1に他演奏情報が書き込まれる。この書き込みに際しては、上記と同様、該再生バッファ(ここでは再生バッファ1)における受信した他演奏情報に含まれる発音予定位置(ここでは「3」)に対応する位置に書き込みが行われる(図15参照)。このようにして書き込まれた他演奏情報は、現時点(すなわち現在発音位置)から「2」つ分だけ時間が進んだときに発音される。
【0050】
なお、以上の説明では、再生バッファ1を再生している間(すなわち現在発音位置が再生バッファ1の範囲内にある場合)に、他演奏情報を受信した場合について説明したが、再生バッファ2を再生している間に、他演奏情報を受信した場合にも同様に説明することができる。具体的には、現在再生している再生バッファを“再生バッファ2”とし、次のバッファを“再生バッファ1”とすれば同様に説明することができるため、これ以上の説明は割愛する。
【0051】
b−2.再生・表示処理
クライアント端末300−1は、上記受信処理行うと、現在発音予定位置と発音予定位置との間隔が「2(2小節分)」になったか否かを検出する。クライアント端末300−1は、現在発音位置と発音予定位置との間隔が「2小節」になったことを検出すると、図16に示す再生・表示処理を実行する。
【0052】
クライアント端末300−1は、受信した他演奏情報に含まれるノートナンバ情報を解析することにより、他演奏情報に対応する可視画像の表示を開始する(ステップSd1)。詳述すると、クライアント端末300−1は、他演奏情報に含まれるノートナンバ情報を解析することにより、発音予定の楽音に対応する鍵K1’(図17参照)を特定した後、可視画像(図17では玉m1’)を表示すべきX軸座標を特定する。そして、クライアント端末300−1は、この玉m1’を鍵K1’の上端ラインL2上に表示する(図17に黒丸で示す玉m1’参照)。
【0053】
また、クライアント端末300−1は、かかるノートナンバ情報を解析することにより、“Cメジャー”、“Cマイナー”等のコード情報が得られるか否かを検出し、得られた場合には玉m1’の右隣等に“Cメジャー”等のコード情報を表示する。一方、かかるコード情報が得られなかった場合には図17に示すように玉m1’のみを表示する。なお、クライアント端末300−1は、表示すべき玉m1’が他のクライアント端末300−2において作成された他演奏情報を表す可視画像であることをユーザに認識させるべく、自演奏情報に対応する玉m1とは異なる色で玉m1’を表示する(例えば、自演奏情報に対応する玉m1の色が赤色であれば、玉m1’の色を青色にする等)。
【0054】
クライアント端末300−1は、ステップSd2に進むと、上記表示タイマが更新されたか否かを検出し、更新されていない場合にはステップSd2を繰り返し実行する(ステップSd2;No)。一方、クライアント端末300−1は、上記表示タイマが更新されたことを検出すると(ステップSd2;Yes)、玉m1’が上端ラインL2から発音ラインL1に向けて動いていくように玉m1’のY軸座標を修正する(ステップSd3;図17に白丸で示す玉m1’参照)。クライアント端末300−1は、ステップSd4に進むと、玉m1’が発音ラインL1に到達したか否かを判断する。クライアント端末300−1は、未だ到達していないと判断すると(ステップSd4;No)、以上説明した処理を繰り返し実行する。
【0055】
その後、クライアント端末300−1は、ステップSd4において玉m1’が発音ラインL1に到達したと判断すると(ステップSd4;Yes)、すなわち現在発音位置が発音予定位置に到達したと判断すると、他演奏情報を演奏再生装置340に転送し、他演奏情報に対応する楽音を発音させた後(ステップSd5)、処理を終了する。
【0056】
以上説明した処理が行われることにより、他演奏情報に対応する楽音が演奏再生装置340から発音されるよりも所定時間(例えば、2小節)だけ前に、該他演奏情報に対応する可視画像(玉)が表示装置350に表示される。この可視画像は、上端ラインL2から発音ラインL1に向かって動いていくように表示され、発音ラインL1に到達すると同時に対応する楽音が発音される。
【0057】
なお、演奏情報受信時に表示装置350に表示される可視画像についても、上記演奏情報送信時に表示装置350に表示される可視画像とほぼ同様、発生すべき楽音の音量が大きいもの(ベロシティの値が大きいもの)については、表示濃度が濃くなるように制御され、該楽音の音量が小さいもの(ベロシティの値が小さいもの)については、表示濃度が薄くなるように制御される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、ネットセッションに参加する他のメンバの他演奏情報を受信してから、この他演奏情報に基づく楽音が実際に発音されるまでの間、他演奏情報が可視画像として表示装置350に表示される。
よって、クライアント端末300を利用してネットセッションに参加するメンバは、この表示装置350に表示される可視画像を参照することで、ネットセッションに参加する他のメンバがどのような演奏を行っているのかを上記楽音が発音される前に把握することができる。
【0059】
また、自端末において生成される自演奏情報についても可視画像として表示装置350に表示される。従って、自端末を利用して演奏を行うユーザは聴覚のみならず視覚を通じて演奏を楽しむことができる。
また、自演奏情報に対応する可視画像と他演奏情報に対応する可視画像とは、異なる色に設定される。従って、ユーザは表示装置350に表示される可視画像の色を参照することで自演奏情報と他演奏情報とを明確に区別することが可能となる。
【0060】
また、上記各演奏情報に対応する可視画像の表示濃度は、それぞれ各演奏情報に基づいて発音される楽音若しくは発音される予定の楽音の音量(ベロシティの値)に応じて制御される。従って、ユーザは表示装置350に表示される可視画像の濃度を参照することにより、臨場感ある演奏を行うことが可能となる。
【0061】
また、他演奏情報についてはコード解析が行われ、“Cメジャー”等のコード情報が得られた場合には他演奏情報に対応する可視画像と共に該コード情報が表示装置350に表示される。かかるコード情報が表示装置350に表示されている場合には、ユーザは、このコードに併せて次に自分が演奏すべきコード等を把握することが可能となる。
【0062】
(3)変形例
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0063】
(変形例1)
上述した本実施形態では、2台のクライアント端末300が1対1で接続されている場合について説明したが、3台以上のクライアント端末300についても適用可能である。なお、かかる場合には、自端末宛に送信される他演奏情報がネットセッションに参加するいずれの他端末によって作成されたものであるかを特定する必要がある。よって、このような場合には、例えば上記セッションを行う前に各クライアント端末300がネゴシエーション等を行って各クライアント端末300の端末識別情報等を交換する。そして、各クライアント端末300は、自演奏情報を作成した場合、自身の端末識別情報等を付加して他端末宛に送信する。このような方法を採用することで、3台以上のクライアント端末300を利用して上記セッションを行うことも可能である。
【0064】
(変形例2)
また、他の変形例として、サーバを設けてセッションに参加する複数のクライアント端末300を管理する方法を採用しても良い。
図18は、変形例2に係るネットセッションシステム100’の構成を示す図である。このネットセッションシステム100’は、通信ネットワーク(例えば、インターネット等)250に接続されたサーバ装置200と、該通信ネットワーク250に接続された複数のクライアント端末300−k(1≦k≦n)とを備えている。
【0065】
サーバ装置200は、CPU、ROM、RAM、通信装置などにより構成され、ネットセッションシステム100’に参加するメンバ(すなわち、クライアント端末300)の参加状態等を管理する機能を備えている。
【0066】
ここで、図19は、サーバ装置200の機能構成を示すブロック図であり、図20は、サーバ装置200に格納されているセッションメンバ管理テーブルTAを例示した図である。
制御手段210は、記憶手段230に格納されている各種アプリケーションを実行することにより、サーバ装置200の各部を中枢的に制御する。
【0067】
通信手段220は、制御手段210による制御の下、クライアント端末300から送信される特定のネットセッションに対する参加要求、該ネットセッションの変更要求、切断要求等受信する一方、これらの要求に応じてネットセッション参加の状態が変更された場合には参加の状態が変更されたことを、他のクライアント端末300に送信する役割を担っている。
記憶手段230は、制御手段210によって実行される各種アプリケーションを記憶するほか、図20に示すセッションメンバ管理テーブルTAを記憶する。
【0068】
セッションメンバ管理テーブルTAには、当該セッションに参加する各メンバのニックネーム、各メンバが利用するクライアント端末300を特定するための端末識別情報(IPアドレス等)、各メンバが担当するパートを識別するパート識別情報など、該セッションに参加する各メンバに関する詳細情報(以下、総称して「参加情報」という)が対応づけられて登録されている。なお、このセッションメンバ管理テーブルTAは、各セッション毎に設けられるが、図20では図面が煩雑になるのを防ぐため、1つのセッションメンバ管理テーブルTAのみを例示している。
【0069】
このようなセッションメンバ管理テーブルTAは次のようにして利用される。まず、各クライアント端末300は、ネットセッション参加時に、該サーバ装置200へ接続し、どのようなクライアント端末300が参加しているかといったことを表す参加情報を取得する。
【0070】
そして、実際にネットセッションを行う際には、各クライアント端末300は、サーバ装置200へ接続することなく、通信ネットワーク250を介して直接他のクライアント端末300と演奏情報の授受を行う。そして、各クライアント端末300は、他のクライアント端末300において生成された演奏情報(他演奏情報)を受信すると、上記参加情報をもとに、受信した演奏情報がネットセッションに参加するいずれのクライアント端末300によって作成されたものであるか等を特定する。
【0071】
一方、各クライアント端末300は、自端末において演奏情報(自演奏情報)を作成すると、上記参加情報をもとに、同一セッションに参加する他の全てのクライアント端末300に送信する。この結果、あるクライアント端末300において作成された演奏情報が、同一セッションに参加する全ての他のクライアント端末300に受信されることになる。
【0072】
以上説明したように、各ネットセッションの参加状態を統括管理するサーバ装置を設けることによって複数台のクライアント端末300を備えたネットセッションシステムを構築するようにしても良い。
【0073】
なお、各クライアント端末300は、他のメンバが複数存在する場合には、各メンバにそれぞれ異なる色を割り当てるなどして、いずれのメンバの演奏情報が表示装置350に表示されているのか等を区別できるようにすればよい。
また、本変形例に係るサーバ装置200の機能をいずれかのクライアント端末300(例えば、クライアント端末300−1)に搭載し、クライアント端末300によって構成されたネットセッションシステムを構築するようにしても良いのはもちろんである。
【0074】
(変形例3)
また、上述した本実施形態では、ユーザに対し自演奏情報と他演奏情報とを明確に区別させるべく、自演奏情報に対応する可視画像と他演奏情報に対応する可視画像とを異なる色に設定したが、例えば自演奏情報に対応する可視画像の形状と他演奏情報に対応する可視画像の形状とを異なるようにしても良い。例えば、自演奏情報に対応する可視画像については玉形とする一方、第1の他演奏情報(第1の他のメンバによって作成された演奏情報)に対応する可視画像については星形とし、・・・第nの他演奏情報(第nの他のメンバによって作成された演奏情報)に対応する可視画像については5角形とする。このように、本発明においては、表示装置350に表示される可視画像がネットセッションに参加するいずれのユーザに対応しているのかを区別することができるあらゆる態様に適用可能である。
【0075】
(変形例4)
また、上述した本実施形態では、各演奏情報にノートナンバ情報、ベロシティ情報等が含まれる場合を想定して説明したが、かかる演奏情報の中にはノートナンバ情報等の発音情報を含まない演奏情報も存在する。かかる場合を想定し、発音情報が含まれているか否かを事前に判別し、発音情報が含まれているものについてのみ、本実施形態において説明した各処理を実行するようにしても良い。
【0076】
(変形例5)
図21は、変形例5に係るクライアント端末300の機能構成を示すブロック図であり、前掲図6に対応する図である。なお、図21に示すクライアント端末300は、演奏情報作成部412にコード生成部412aが設けられている点を除けば前掲図6に示すクライアント端末300と同様である。よって、以下ではかかる相違点についてのみ説明する。
【0077】
コード生成部412aは、単音から和音を生成する手段であり、操作部330等を介してコード生成モードが入力された後、ある楽音(例えば、「C」)に対応する操作子が操作されたことを検知すると、この操作内容に従って和音コード(例えば、「Cメジャー」)を生成し、該和音を発音するための演奏情報を作成する(以下、演奏アシスト機能という)。このように、演奏アシスト機能を搭載したクライアント端末300にも適用可能である。
【0078】
(変形例6)
また、上述した本実施形態では、コード解析部420によって“Cメジャー”等のコード情報が得られた場合、該コード情報を表示装置350に表示する場合について説明したが、かかるコード情報のみならず、このコードに併せて演奏するのが良いと考えられる「お勧めコード(例えば、Dマイナー等)」を示すお勧めコード情報を表示装置350に表示するようにしても良い。なお、お勧めコード情報については1つに限らず、複数あっても良いのはもちろんである。また、複数ある場合には、最も好ましいものから順番に表示すれば良い。
【0079】
さらに、お勧めコード情報を表示するのみならず、表示画面Pに表示されている複数の鍵の中からこのお勧めコードを演奏するために操作すべき鍵を特定し、この鍵を点滅表示するようにしても良い。かかる構成を採用することにより、コードに関する知識のないユーザであっても、自分が操作すべき内容を事前に把握することができ、心地よいハーモニーを奏でることが可能となる。
なお、クライアント端末300に電子楽器等が接続されている場合には、表示画面Pに表示されている鍵ではなく、この電子楽器の操作子(例えば、電子鍵盤楽器であれば鍵)を直接点滅させることにより、お勧めコードを演奏するために必要な操作を事前に教示するようにしても良い。
【0080】
(変形例7)
以上説明した本実施形態及び各変形例に係るクライアント端末300の諸機能は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによっても実現可能である。例えば、前掲図9に示す送信処理を実行するためのソフトウェアを記録媒体(例えばCD−ROM等)を介してインストールする、あるいは該ソフトウェアを備えたサーバからインターネット等を介してインストールする。このように、クライアント端末300の諸機能をソフトウェアによって実現することも可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、相手の演奏情報を受信した場合、該演奏情報に対応した楽音を発音するまでの間、該演奏情報に対応した画像が表示されるため、相手がどのような演奏を行っているのかを該演奏情報に対応する楽音が発音される前に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るネットセッションシステムの構成を示す図である。
【図2】同実施形態に係るクライアント端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】同実施形態に係る表示装置に表示される画面Pを例示した図である。
【図4】同実施形態に係る表示装置に表示される画面Pを例示した図である。
【図5】同実施形態に係る表示装置に表示される画面Pを例示した図である。
【図6】同実施形態に係るクライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
【図7】同実施形態に係る現在発音位置の検出動作を説明するための図である。
【図8】同実施形態に係る演奏情報送信時におけるクライアント端末の動作を示すフローチャートである。
【図9】同実施形態に係る送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】同実施形態に係る演奏情報送信時における再生・表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】同実施形態に係る表示装置に表示される可視画像を説明するための図である。
【図12】同実施形態に係る受信処理を説明するための図である。
【図13】同実施形態に係る受信処理を説明するための図である。
【図14】同実施形態に係る受信処理を説明するための図である。
【図15】同実施形態に係る受信処理を説明するための図である。
【図16】同実施形態に係る演奏情報受信時における再生・表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】同実施形態に係る表示装置に表示される可視画像を説明するための図である。
【図18】変形例2に係るネットセッションシステムの構成を示す図である。
【図19】同変形例に係るサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図20】同変形例に係るセッションメンバ管理テーブルTAを例示した図である。
【図21】変形例5に係るクライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
【図22】従来における映像装置としてのピアノの構成を示した図である。
【符号の説明】
100、100’・・・ネットセッションシステム、300・・・クライアント端末、310・・・コントローラ、320・・・タイマ、330・・・操作部、335・・・通信部、340・・・演奏再生装置、350・・・表示装置、411・・・演奏情報入力部、412・・・演奏情報作成部、413・・・現在発音位置検出部、414・・・発音位置データ付加部、415・・・送信部、416・・・受信部、417・・・受信演奏情報解析部、418・・・再生制御部、419・・・表示制御部、420・・・コード解析部。
Claims (8)
- 外部から発音すべき楽音に対応する演奏データと該楽音の発音タイミングを示す発音タイミング情報を含む演奏情報を受信する受信手段と、
前記演奏情報を受信してから前記発音タイミング情報に示される前記発音タイミングが到来するまでの間のうちの所定時間、前記演奏情報を可視画像として表示するための制御を行う表示制御手段と、
前記発音タイミングが到来したとき、前記演奏データに従って楽音を発生させる楽音発生制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記発音タイミングが到来するまでの時間の経過状態がわかるように前記可視画像の表示を制御することを特徴とする楽音発生・表示制御装置。 - 自装置において生成される演奏情報(以下、自演奏情報という)をネットワークを介して他の演奏装置に送信する一方、他の演奏装置において生成される演奏情報(以下、他演奏情報という)を前記ネットワークを介して受信するネットセッション演奏装置であって、
前記自演奏情報には、発音すべき楽音に対応する演奏データが含まれ、
前記自演奏情報に含まれる前記演奏データに従って楽音の発生を制御する第1の楽音発生制御手段と、
前記自演奏情報に前記楽音の発音タイミングを示す発音タイミング情報を付加する付加手段と、
前記付加手段によって発音タイミング情報が付加された前記自演奏情報をネットワークを介して他の演奏装置に送信する送信手段と、
前記他の演奏装置からネットワークを介して前記他演奏情報を受信する受信手段と、
前記他演奏情報を受信してから当該他演奏情報に付加されている発音タイミング情報に示される前記発音タイミングが到来するまでの間のうちの所定時間、前記他演奏情報を可視画像として表示するための制御を行う他演奏表示制御手段と、
前記発音タイミングが到来したとき、前記他演奏情報に含まれる演奏データに従って楽音を発生させる第2の楽音発生制御手段とを備え、
前記他演奏表示制御手段は、前記発音タイミングが到来するまでの時間の経過状態がわかるように前記可視画像の表示を制御することを特徴とするネットセッション演奏装置。 - 前記他演奏情報に含まれる演奏データを解析することにより、コード情報の検出を行うコード情報検出手段をさらに具備し、
前記他演奏表示制御手段は、前記可視画像を表示させる際、前記コード情報検出手段によって検出される前記コード情報も表示させることを特徴とする請求項2に記載のネットセッション演奏装置。 - 前記コード情報からお勧めコード情報を生成するお勧めコード情報生成手段をさらに具備し、前記他演奏表示制御手段は、前記コード情報に併せてお勧めコード情報も表示させることを特徴とする請求項3に記載のネットセッション演奏装置。
- 前記演奏データには、少なくとも発音すべき楽音の音高を示す音高情報が含まれ、前記他演奏表示制御手段は、前記他演奏情報を可視画像として表示させる際、該楽音の音高がわかるように表示させることを特徴とする請求項2〜4に記載のネットセッション演奏装置。
- 前記演奏データには、少なくとも発音すべき楽音の音量を示す音量情報が含まれ、前記他演奏表示制御手段は、前記他演奏情報を可視画像として表示させる際、該楽音の音量に応じて前記可視画像の表示濃度を制御することを特徴とする請求項2〜5に記載のネットセッション演奏装置。
- 前記第1の楽音発生制御手段によって楽音を発生させるための制御が行われたとき、前記自演奏情報を可視画像として表示するための制御を行う自演奏表示制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項2〜6に記載のネットセッション演奏装置。
- 自装置において生成される自演奏情報には、発音すべき楽音に対応する演奏データが含まれ、前記自演奏情報をネットワークを介して他の演奏装置に送信する一方、前記他の演奏装置において生成される他演奏情報を前記ネットワークを介して受信するネットセッション演奏装置のコンピュータに、
前記自演奏情報に含まれる前記演奏データに従って楽音の発生を制御する第1の楽音発生制御機能と、
前記自演奏情報に前記楽音の発音タイミングを示す発音タイミング情報を付加する付加機能と、
前記付加機能によって発音タイミング情報が付加された前記自演奏情報をネットワークを介して他の演奏装置に送信する送信機能と、
前記他の演奏装置からネットワークを介して前記他演奏情報を受信する受信機能と、
前記他演奏情報を受信してから当該他演奏情報に付加されている発音タイミング情報に示される前記発音タイミングが到来するまでの間のうちの所定時間、前記発音タイミングが到来するまでの時間の経過状態がわかるように前記他演奏情報を可視画像として表示するための制御を行う他演奏表示制御機能と、
前記発音タイミングが到来したとき、前記他演奏情報に含まれる演奏データに従って楽音を発生させる第2の楽音発生制御機能と
を実現させるためのプログラム。
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