JP2004317271A - Pcd測定ゲージ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材部4と、基材部4の一の位置4a及び他の位置4bから、一の位置4aと他の位置4bとを結ぶ方向に直交してそれぞれ同一方向に突出する突出部6、6aとを含んで成り、突出部6、6aの各々が、ホイールのボルト穴10から選択される一対の特定ボルト穴の各々に同時に挿入可能であることとしたPCD測定ゲージ2である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のタイヤホイールに設けられたボルト穴のPCD(Pitch Circle Diameter)、つまりボルト穴の配列円の直径を測定するための測定ゲージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のタイヤホイールは、図9に示すように、ホイール70に予め設けられているボルト穴10に、車体側のハブボルト72が挿通され、ハブナット74により締結されている。一般の乗用車の場合、ハブボルト72の本数は車種によって4〜6本と異なるため、ハブボルト72の本数に適合するようにホイールには4〜6穴のボルト穴が設けられている。しかし、例えば、図2(b)に示すように、ボルト穴10の配列円14aの直径Aを示すPCDも自動車メーカーや車種によって数mmの範囲で異なり、ボルト穴10が同数であってもPCDが異なると、ホイールを車体側に装着することは出来ない。つまり、タイヤ交換時において、複数のホイールから各車種に適合するホイールを選択する際には、PCDの確認作業が必要となるが、数mmの違いを一見して判別するのは困難である。従って、選択したホイールが車体に適合するか否かを判断するにあたっては、直接、ボルト穴10に車体側のハブボルト72を嵌合させてみる、若しくは、ホイール70のフランジ76等に予め表示されているPCDを確認する、といった作業を必要とする。
【0003】
また、図10に示すようなボルト孔等のピッチ測定器80が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。測定器80は、ダイヤルゲージ82を取り付けた中間部83と、丸孔84を形成した後部85及び薄い平板状の前部86とによって形成されており、別体のピッチマスター89と併用して、トラックの車輪に適用されるアルミホイールのボルト孔球面座のピッチ測定を、簡便且つ精度よく行うことが出来る。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2518576号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般の乗用車においては、上述の通り、自動車メーカーや車種によるPCDの違いは数mmであるため、一見してPCDの判別を行うことは非常に困難であり、フランジ76等に小さく表示されているPCDを確認しなければならない。また、ホイールによってもPCDの表示位置が異なるため、PCDを確認するためにフランジ76やリムの内側等を注意深く観察する必要がある。
【0006】
更に、近年では、一般家庭においても複数台の乗用車を所有するケースが多くなっており、降雪地域に在住の所有者は、所有台数分の冬用タイヤを常備している場合が殆どである。つまり、季節変化に伴ってタイヤ交換が必要となるが、所有車のPCDを把握している場合は少なく、また、PCDが表示されていることを知らない場合も多い。従って、所有車の車種によってPCDが異なる場合には、直接、ホイール穴10にハブボルト72を嵌合して、選択されたホイールが適合するか否かを判断している場合が多く、選択されたホイールが適合しなかった場合には余分な労力となるだけでなく、ハブボルト72やボルト穴10を損傷してしまう恐れがある。
【0007】
また、測定器80は、ピッチ測定を精度よく行うことができ、測定値をダイヤルゲージ82に表示することが可能であるが、別体のピッチマスター89を併用しなければならず、必ずしも簡便とは言えない。更に、構造が複雑であるため製造コストも高くつく。
【0008】
更にまた、PCDはボルト穴数との関係でほぼ規格化されており、PCDの正確な値を測定出来れば十分ではあるが、必ずしも一般家庭等においては正確なPCDを得ることは必要とされず、それ以上に、PCDを簡単に判別出来ることが要求されている。
【0009】
そこで、本発明は、タイヤホイールに設けられたボルト穴のPCDを簡単且つ容易に測定することが可能なPCD測定ゲージを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨とするところは、タイヤホイールに設けられたボルト穴のPCDを測定するゲージであって、
基材部と、
該基材部の一の位置及び他の位置から、該一の位置と該他の位置とを結ぶ方向に直交してそれぞれ同一方向に突出する一対の突出部と
を含んで成り、
該一対の突出部の各々が、前記ボルト穴から選択される一対の特定ボルト穴の各々に同時に挿入可能であるPCD測定ゲージであることにある。
【0011】
また、前記基材部が帯状であり、該基材部の一の面から突出して前記一対の突出部が設けられ得る。
【0012】
また、前記一対の突出部のそれぞれの横断面図心を結ぶ距離を110mmとし得る。
【0013】
更に、前記基材部が互いに一の直線方向に摺動自在な一の摺動部材と他の摺動部材とから成り、
該一の摺動部材に測定用の基準位置が設定され、
該他の摺動部材に、該基準位置の移動軌跡に沿って目盛が設けられ、
該目盛に、前記特定ボルト穴に前記突出部が各々挿入されたときの該基準位置に対応する前記ボルト穴のPCDを表す標示がなされ得る。
【0014】
また、本発明の要旨とするところは、タイヤホイールに設けられたボルト穴のPCDを測定するゲージであって、
基材部と、
該基材部の一の位置、二の位置及び三の位置から、該一の位置と該二の位置とを結ぶ方向に直交してそれぞれ同一方向に突出し、前記特定ボルト穴に挿入可能な一組の突出部と
を含んで成り、
該一組の突出部の各々が、前記ボルト穴から選択される3個の特定ボルト穴の各々に同時に挿入可能であるPCD測定ゲージであることにある。
【0015】
更に、本発明の要旨とするところは、タイヤホイールに設けられたボルト穴のPCDを測定するゲージであって、
互いに一の直線方向に摺動自在な一の摺動部材及び他の摺動部材と、該一の摺動部材の軸着部を軸心として回動自在に連結された一の回動部材及び他の回動部材とを備える基材部と、
該一の摺動部材、該一の回動部材及び該他の回動部材のそれぞれから、該軸心に平行であって、且つ同一方向に突出する一組の突出部と
を含んで成り、
該一の摺動部材に測定用の基準位置が設定され、且つ該他の摺動部材に、該一の摺動部材の移動軌跡に沿って目盛が設けられ、
又は、該他の摺動部材に測定用の基準位置が設定され、且つ該一の摺動部材に、該他の摺動部材の移動軌跡に沿って目盛が設けられ、
該目盛に、前記特定ボルト穴に前記突出部が各々挿入されたときの該基準位置に対応する前記ボルト穴のPCDを表す標示がなされたPCD測定ゲージであることにある。
【0016】
また、前記突出部に、該突出部の長手方向にハブナットが螺入可能なネジ山が形成され得る。
【0017】
更にまた、ピッチの異なる前記ネジ山が形成された前記突出部を含み得る。
【0018】
また、前記基材部に、前記ハブナットの二面幅に適合する幅を有する凹溝が設けられ得る。
【0019】
更に、複数種の前記ハブナットの二面幅に各々適合する複数の前記凹溝が設けられ得る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のPCD測定ゲージについて、図面に基づいて説明するが、本発明の態様は以下に示したものに限定されない。
【0021】
図1(a)〜(d)に、本発明のPCD測定ゲージの一態様を示す。PCD測定ゲージ2は、基材部4と、直径12mmの円筒状の突出部6、6aとから構成されている。突出部6、6aは、基材部4の一の位置4a及び他の位置4bから、一の位置4aと他の位置4bとを結ぶ方向に直交してそれぞれ同一方向に突出し、一対を成している。なお、突出部6、6aの直径は、車体側のハブボルト72の径が、一部で10mmのものもあるが、その殆どが12mmであり、ホイールのボルト穴10もハブボルト72に適合するように設けられているため、突出部6、6aも直径を12mmとするのが好ましい。
【0022】
PCDを測定する際には、例えば、図2(a)に示すようにホイール8のボルト穴が4穴の場合、PCD測定ゲージ2に設けられた突出部6、6aを、特定ボルト穴10a、10b(図2(b))へ同時に挿入可能であるか否かを試みる。ここで、ボルト穴10が4穴の場合、国産車の殆どはPCDが100mm、110mm及び114.3mmの3水準であるため、突出部6、6aの横断面図心(以下、単に「図心」といい、円筒状の突出部の場合、横断面における円心を意味する。)7、7aの図心間距離Lを110mmに設定しておくことによって、PCDの上記3水準を判別することが出来る。つまり、突出部6、6aが、特定ボルト穴10a、10bに同時に挿入可能である場合にはPCD=110mmということになる。また、突出部6を特定ボルト穴10aに挿入して基準とし、突出部6aが特定ボルト穴10bの外側に位置する場合にはPCD=100mm、突出部6aが特定ボルト穴10bの内側に位置する場合にはPCD=114.3mmであることが判別可能である。
【0023】
図3(a)に示すように、ホイール12のボルト穴10が5穴の場合、国産車におけるPCDは100mm及び114.3mmの2水準が殆どであるが、図3(b)に示すとおり、特定ボルト穴10cを基準とした場合におけるPCD=100mm又は114.3mmとなる配列円14b上の位置にはボルト穴10がないため、PCD測定ゲージ2のような態様ではPCDを測定することが出来ない。しかし、特定ボルト穴10dを利用することによって間接的にホイール12のPCDを把握することは可能である。つまり、特定ボルト穴10c、10dの図心間距離MはPCDから導き出すことができ、PCD=100mmの場合、図心間距離Mは約95.1mmであり、PCD=114.3mmの場合、図心間距離Mは約108.7mmである。従って、PCD測定ゲージ2を使用してボルト穴10が5穴のホイール12のPCDを測定する際には、突出部6を特定ボルト穴10cに挿入して基準とし、突出部6aが特定ボルト穴10dから1mm程外側にはみ出す場合にはPCD=114.3mm、突出部6aが特定ボルト穴10dから大きく外側に位置する場合にはPCD=100mmであることを把握することができる。
【0024】
本発明のPCD測定ゲージの他の態様として、図4(a)〜(d)に示すように、基材部5が一の直線方向に摺動自在な一の摺動部材5aと他の摺動部材5bとから成り、摺動部材5a、5bのそれぞれに突出部6b、6cが設けられたPCD測定ゲージ20であってもよい。他の摺動部材5bには、図5(a)及び(b)に示すように、予め目盛22が設けられている。目盛22は、一の摺動部材5aの突出部6bの図心7bを基準として、突出部6cの図心7cまでの図心間距離L2を表すものであって、一の摺動部材5aの端部21と他の摺動部材5bとが重合する位置の目盛22を読むことによって、図心間距離L2を把握することが出来る。
【0025】
ボルト穴10が4穴のホイール8(図2)のPCDを測定する場合には、突出部6bを特定ボルト穴10aに挿入して基準位置とし、突出部6cが特定ボルト穴10bに挿入可能となるまで他の摺動部材5bを摺動させ、突出部6cを特定ボルト穴10bに挿入する。突出部6b、6cがそれぞれ特定ボルト穴10a、10bに挿入された状態で、一の摺動部材5aの端部21と他の摺動部材5bとが重合する位置の目盛22を読むことによって、突出部6b、6cの図心間距離L2、つまりホイール8のPCDを測定することが出来る。ここで、目盛22については、通常の定規等に設けられるミリメートル単位以上を読み取り可能な目盛であってもよいが、PCDは予め決まった値であるため、例えば、図心間距離L2の最小値を100mmとすると、110mm及び114.3mmとなる位置にのみ4穴のホイール8専用の目盛42が設けられてもよい。更に、各目盛に応じて色分け等を施すことによって、PCDを簡単に把握することが出来る。
【0026】
また、PCD測定ゲージ20は、ボルト穴10が5穴のホイール12(図3)のPCDを測定する場合にも使用することが可能である。但し、ボルト穴10が5穴の場合は、上述の通り、PCDを測定可能な位置にボルト穴10がないため、突出部6b、6cを特定ボルト穴10c、10dに挿入した状態における図心間距離Mから間接的にPCDを把握することとなる。そこで、突出部6b、6cの図心間距離L2が、PCDが100mm又は114.3mmの場合における特定ボルト穴10c、10dの図心間距離Mとなるときの一の摺動部材5aの端部21と他の摺動部材の重合する位置に、5穴のホイール12専用の目盛52を設けることによって、PCD測定ゲージ20をホイール12のPCDを測定する際にも使用することが出来る。更に、目盛42と目盛52を関連付けた表示態様とし、更には色分け等を施すことによって、よりPCDの測定を容易に行うことが出来る。
【0027】
なお、ボルト穴が6穴の場合、PCD=139.7mmの1水準しかないため、PCDは測定するまでもなく把握出来るが、PCDの確認用として6穴用の目盛62が設けられてもよい。
【0028】
以上、PCD測定ゲージ2、20の態様、及びPCDの測定方法について詳述したが、突出部6、6a、6b、6cの長手方向には、それぞれネジ山24が形成されてもよい。ホイール70は、ボルト穴10に車体側のハブボルト72を挿通し、ハブナット74により締結されるが(図9参照)、ハブボルト72の径、及びピッチ(P)は自動車のメーカーや車種によって異なる。ハブボルト72の径については、上述の通り、その殆どは12mmであるが、ピッチについては、P=1.25mm及び1.5mmの2水準がある。タイヤ交換の際、ハブボルト72のピッチに適合するハブナット74を使用しなければ、ハブナット74が螺入不可能であることは勿論、ハブボルト72のネジ山やハブナット74のネジ溝を損傷する恐れがある。そこで、突出部6等の長手方向に、P=1.25mm及び/又はP=1.5mmのネジ山24を予め形成しておき、ハブボルト72に螺入されていたハブナット74を突出部6等に螺入することによって、ハブボルト72のピッチを把握することが出来る。また、把握したピッチに基づいて、他のハブナット74に交換する際、選択された他のハブナット74がハブボルト72に螺入可能であるか否かを判別することが出来る。
【0029】
更に、PCD測定ゲージ2、20には、ハブナット74の二面幅を測定するための凹溝26が設けられてもよい。ハブナット74の二面幅には、17mm、19mm及び21mmの3水準があり、ハブナット74をハブボルト72に螺入する際には、ハブナット74の二面幅に適合する六角レンチを使用する必要がある。そこで、例えば、基材部4、5における突出部6等が設けられた面の裏側の面4c、5cに、幅Wを17、19及び21mmとした凹溝26を設けておくことによって、ハブナット74の二面幅を簡単、且つ容易に測定することが出来る。なお、凹溝26は、必ずしも上記3水準の全ての幅Wを備えておく必要はなく、例えば、幅W=19mmとすることによって、ハブナット74の二面幅が3水準のうちの何れであるかを判別することは可能である。
【0030】
図6に、本発明のPCD測定ゲージの更に他の態様を示す。PCD測定ゲージ30は、平面形状がY字状の基材部32と、基材部32の一の位置32a、二の位置32b及び三の位置32cから、それぞれ同一方向に突出する直径12mmの円筒状の突出部6d、6e及び6fから構成されている。また、突出部6d、6e及び6fは、これらの図心7d、7e及び7fを結んで成る配列円14cの円周上に配置され、突出部6d、6eのなす角α及び突出部6d、6fのなす角βは、共に144度である。つまり、配列円14cの直径Aは、5穴のホイールにおけるPCDを表し、例えば、配列円14cの直径Aを予め114.3mmに設定しておく。ここで、図5に示す5穴のホイール12のPCDを測定する場合、ホイール12のPCDが114.3mmの場合には、突出部6d、6e及び6fが、ホイール12の特定ボルト穴10c、10d及び10eに同時に挿入可能となる。上述の通り、5穴の場合、国産車におけるPCDは100mm及び114.3mmの2水準であるため、突出部6d、6e及び6fが特定ボルト穴10c、10d及び10eに同時に挿入出来ない場合にはPCD=100mmであることが判別出来る。更に、突出部6d及び6eの図心間距離L3は約108.7mmであるため、図2に示す4穴のホイール8における特定ボルト穴10a、10bを利用して、突出部6d、6eとの位置関係によりホイール8のPCDも判別することが出来る。
【0031】
PCD測定ゲージ30の他の態様としては、図7(a)及び(b)に示すように、基材部41が互いに一の直線方向に摺動自在な一の摺動部材41a及び他の摺動部材41dと、一の摺動部材41aの軸着部44を軸心として回動自在に連結された一の回動部材41b及び他の回動部材41cとから成り、一の摺動部材41a及び回動部材41b、41cのそれぞれに、軸着部44に平行であって、且つ同一方向に突出する突出部6g、6h及び6iが設けられたPCD測定ゲージ40であってもよい。一の摺動部材41aには、図8に示すように、予め目盛23が設けられている。目盛23は、突出部6g、6h及び6iの図心7g、7h及び7iを結んで成る配列円14dの直径Bを表すものであって、一の摺動部材41aと、一の摺動部材41aが挿通されるガイドスリーブ46の端部47とが重合する位置の目盛23を読むことによって、配列円14dの直径Bを測定することが出来る。
【0032】
5穴のホイール12(図3)のPCDを測定する場合には、突出部6h、6iを特定ボルト穴10d、10eに挿入して基準とし、突出部6gが特定ボルト穴10cに挿入可能となるまで一の摺動部材42aを摺動させ、突出部6gを特定ボルト穴10cに挿入する。突出部6g、6h及び6iがそれぞれ特定ボルト穴10c、10d及び10eに挿入された状態で、一の摺動部材41aとガイドスリーブ46の端部47とが重合する位置の目盛を読むことによって、配列円14dの直径B、つまりホイール12のPCDを測定することが出来る。なお、目盛23については、上述したPCD測定ゲージ20に設けられる目盛22のように、5穴専用の目盛53が予め設けられてもよい。また、4穴専用の目盛43も設けておくことによって、4穴のホイール8(図2)のPCDを測定することも可能である。測定方法としては、例えば、突出部6hを特定ボルト穴10bに挿入して基準とし、突出部6gが特定ボルト穴10aに挿入可能となるまで一の摺動部材41aを摺動させる。突出部6g、6hが特定のボルト穴10a、10bに挿入され、且つ一の摺動部材41aと一の回動部材41bとが一直線上となるときの目盛43を読むことによって、ホイール8のPCDを測定することが出来る。
【0033】
更に、PCD測定ゲージ40は、外車のPCDを測定する場合にも好適に用いられ得る。外車メーカーでは、各メーカーによって独自のPCDが設定されている場合が多く、例えば、5穴ホイールの場合、出願人が把握しているだけでも10水準ある。しかし、これらは約3cmの範囲内で微妙に異なるものであるため、PCD測定ゲージ2、30のような態様では、全てのPCDを判別することは困難である。そこで、PCD測定ゲージ40を使用することにより、これら全てのPCDを測定することが可能となる。
【0034】
なお、PCD測定ゲージ40における基準位置は、一の摺動部材41a及び他の摺動部材41dの何れに設定されてもよく、目盛23についても、他の摺動部材41dに設けられてもよい。また、PCD測定ゲージ40を構成する各部材の連結態様も、図示したものに限定されるものではない。
【0035】
以上、PCD測定ゲージ30、40の態様について詳述したが、PCD測定ゲージ30、40における突出部6d乃至6iには、ネジ山24が設けられてもよく、また、基材部32、41に凹溝26が設けられてもよい。
【0036】
なお、本明細書において、各図にわたって記される同じ符号は、同一又は同様の部材やものを示す。
【0037】
以上、本発明のPCD測定ゲージの態様について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものであり、これらの態様はいずれも本発明の範囲に属するものである。
【0038】
例えば、基材部及び突出部の材質については、金属、樹脂等、特に限定されるものではない。
【0039】
また、ハブボルト72の径が一部の車種で10mmのものもあるため、本発明のPCD測定ゲージに係る突出部6等の直径を10mmとした態様であってもよい。更に、直径を10mmとした円筒状の突出部に、ピッチの異なるネジ山24が設けられてもよい。
【0040】
その他、突出部6等の上端部には、蓄光性塗料等が塗布された態様であってもよく、突出部6等の形状も、ホイールのボルト穴に挿入可能であれば、各図に示した円筒状に限定されるものでもない。
【0041】
【発明の効果】
本発明のPCD測定ゲージは、ホイールに設けられたボルト穴のPCDを簡単且つ容易に測定及び判別することが出来る。
【0042】
また、本発明のPCD測定ゲージに係る突出部は、ハブナットのピッチ測定用としても用いることができ、更に、ハブナットの二面幅の測定用としても使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPCD測定ゲージの一態様を示したものであって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図2】(a)は4穴ホイールの正面図であり、(b)は、(a)に示すホイールの中央部拡大図である。
【図3】(a)は4穴ホイールの正面図であり、(b)は、(a)に示すホイールの中央部拡大図である。
【図4】本発明のPCD測定ゲージの他の態様を示したものであって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図5】図4に示したPCD測定ゲージの摺動後の状態を示したものであって、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は(b)の中央部拡大図である。
【図6】本発明のPCD測定ゲージの更に他の態様を示したものであって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図7】本発明のPCD測定ゲージの又更に他の態様を示したものであって、(a)は平面図、(b)は(a)に示すX方向から見た矢視図である。
【図8】図7に示したPCD測定ゲージの背面図である。
【図9】タイヤホイールの取り付け構造を示した一部断面模式図である。
【図10】従来のボルト孔等のピッチ測定器を示した正面図である。
【符号の説明】
2、20、30、40:PCD測定ゲージ
4、5、32、41:基材部
4a、32a:一の位置
4b:他の位置
5a、41a:一の摺動部材
5b、41d:他の摺動部材
6、6a〜6i:突出部
7、7a〜7i:図心
8、12、70:ホイール
10:ボルト穴
10a〜10e:特定ボルト穴
14a、14b、14c、14d:配列円
21、47:端部
22、23、42、43、52、53、62、63:目盛
24:ネジ山
26:凹溝
32b:二の位置
32c:三の位置
41b:一の回動部材
41c:他の回動部材
44:軸着部
Claims (10)
- タイヤホイールに設けられたボルト穴のPCD(Pitch Circle Diameter)を測定するゲージであって、
基材部と、
該基材部の一の位置及び他の位置から、該一の位置と該他の位置とを結ぶ方向に直交してそれぞれ同一方向に突出する一対の突出部と
を含んで成り、
該一対の突出部の各々が、前記ボルト穴から選択される一対の特定ボルト穴の各々に同時に挿入可能であることを特徴とするPCD測定ゲージ。 - 前記基材部が帯状であり、該基材部の一の面から突出して前記一対の突出部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のPCD測定ゲージ。
- 前記一対の突出部のそれぞれの横断面図心を結ぶ距離が110mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のPCD測定ゲージ。
- 前記基材部が互いに一の直線方向に摺動自在な一の摺動部材と他の摺動部材とから成り、
該一の摺動部材に測定用の基準位置が設定され、
該他の摺動部材に、該基準位置の移動軌跡に沿って目盛が設けられ、
該目盛に、前記特定ボルト穴に前記突出部が各々挿入されたときの該基準位置に対応する前記ボルト穴のPCDを表す標示がなされたことを特徴とする請求項1又は2に記載のPCD測定ゲージ。 - タイヤホイールに設けられたボルト穴のPCDを測定するゲージであって、
基材部と、
該基材部の一の位置、二の位置及び三の位置から、該一の位置と該二の位置とを結ぶ方向に直交してそれぞれ同一方向に突出する一組の突出部と
を含んで成り、
該一組の突出部の各々が、前記ボルト穴から選択される3個の特定ボルト穴の各々に同時に挿入可能であることを特徴とするPCD測定ゲージ。 - タイヤホイールに設けられたボルト穴のPCDを測定するゲージであって、
互いに一の直線方向に摺動自在な一の摺動部材及び他の摺動部材と、該一の摺動部材の軸着部を軸心として回動自在に連結された一の回動部材及び他の回動部材とを備える基材部と、
該一の摺動部材、該一の回動部材及び該他の回動部材のそれぞれから、該軸心に平行であって、且つ同一方向に突出する一組の突出部と
を含んで成り、
該一の摺動部材に測定用の基準位置が設定され、且つ該他の摺動部材に、該一の摺動部材の移動軌跡に沿って目盛が設けられ、
又は、該他の摺動部材に測定用の基準位置が設定され、且つ該一の摺動部材に、該他の摺動部材の移動軌跡に沿って目盛が設けられ、
該目盛に、前記特定ボルト穴に前記突出部が各々挿入されたときの該基準位置に対応する前記ボルト穴のPCDを表す標示がなされたことを特徴とするPCD測定ゲージ。 - 前記突出部に、該突出部の長手方向にハブナットが螺入可能なネジ山が形成されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のPCD測定ゲージ。
- ピッチの異なる前記ネジ山が形成された前記突出部を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のPCD測定ゲージ。
- 前記基材部に、前記ハブナットの二面幅に適合する幅を有する凹溝が設けられたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のPCD測定ゲージ。
- 複数種の前記ハブナットの二面幅に各々適合する複数の前記凹溝が設けられたことを特徴とする請求項9に記載のPCD測定ゲージ。
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