JP2004317078A - 蒸気圧縮式冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気圧縮式冷凍機の製造原価上昇を抑制しつつ、電動モータでの漏電を防止する。
【解決手段】モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量が所定量以上のときには、電動モータ21bを所定回転数以上で所定時間運転する。これにより、モータハウジング21c内に滞留する電気絶縁抵抗値の小さい液相冷媒を速やかにモータハウジング21c外に排出して、モータハウジング21c内を電気絶縁抵抗値の大きい気相冷媒で満たすことができる。延いては、吸湿剤の量を増大させる、又はモータハウジング21c内の電気部分(ステータ21e)に樹脂をコーティングする等の電気絶縁対策を施すことなく、高い電気絶縁性を得ることができるので、蒸気圧縮式冷凍機20の製造原価上昇を抑制しつつ、電動モータ21bでの漏電を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気圧縮式冷凍機に関するもので、車両用空調装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
電動モータにより駆動される圧縮機の制御として、従来は、圧縮機を起動させる時に圧縮機内に溜まった冷媒量を検出し、その検出した冷媒量(寝込み冷媒量)に応じて圧縮機の起動パターンを適宜選択していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許2917683号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両用空調装置では、通常、圧縮機に接続される冷媒配管をゴム製として、走行用の内燃機関(エンジン)の振動や車両振動等に伴って冷媒配管に作用するストレスを吸収しているが、公知のごとく、ゴム製の冷媒配管は金属製の冷媒配管に比べて水分が浸透し易い。
【0005】
また、圧縮機を駆動する電動モータは、通常、モータハウジング内を循環するに冷媒により冷却されるので、蒸気圧縮式冷凍機に水分が浸入すると、冷媒と共にモータハウジング内に水分が流入してモータハウジング内の電気絶縁抵抗が低下し、最悪の場合には漏電してしまうおそれがある。
【0006】
そこで、通常、レシーバ等の気液分離器にゼオラム等の吸湿材を封入して冷媒配管内に浸透した水分が蒸気圧縮式冷凍機内を循環することを防止している。このため、冷媒に溶け込むように混入した水分を完全に吸湿材にて除去するには、吸湿材の量を増やして吸湿力を増大させる必要があるが、この手段では、蒸気圧縮式冷凍機の製造原価上昇を招いてしまう。
【0007】
また、モータハウジング内の電気部分にワニス等の樹脂をコーティングする等して電気絶縁抵抗そのものを高めるといった手段が考えられるが、この手段では、電動モータの製造原価上昇を招いてしまう。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な蒸気圧縮式冷凍機を提供し、第2には、蒸気圧縮式冷凍機の製造原価上昇を抑制しつつ、電動モータでの漏電を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、冷媒吸入圧縮する圧縮機(21a)、及び圧縮機(21a)を駆動するとともに、モータハウジング(21c)内を冷媒が流れる電動モータ(21b)を有する蒸気圧縮式冷凍機であって、モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であるか否かを判定する判定する判定手段(S22)と、判定手段(S22)によりモータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であると判定されたときに、電動モータ(21b)を所定回転数以上で所定時間運転するモータ制御手段(S25)を備えることを特徴とする。
【0010】
ところで、水分が混入した冷媒の電気絶縁抵抗値は、気相状態では十分な電気絶縁性を得ることができる程度の高い値であるものの、液相状態となると、電気絶縁抵抗値が低下することが知られている。
【0011】
したがって、本発明のごとく、モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であるか否かを判定し、モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であると判定されたときに、電動モータ(21b)を所定回転数以上で所定時間運転すれば、モータハウジング(21c)内に滞留する電気絶縁抵抗値の小さい液相冷媒を速やかにモータハウジング(21c)外に排出して、モータハウジング(21c)内を電気絶縁抵抗値の大きい気相冷媒で満たすことができる。
【0012】
延いては、吸湿剤の量を増大させる、又はモータハウジング(21c)内の電気部分(ステータ21e)に樹脂をコーティングする等の電気絶縁対策を施すことなく、高い電気絶縁性を得ることができるので、蒸気圧縮式冷凍機20の製造原価上昇を抑制しつつ、電動モータ21bでの漏電を防止することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、判定手段(S22)は、電動モータ(21b)が停止した時から所定時間経過したときに、モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定することを特徴とするものである。
【0014】
請求項3に記載の発明では、判定手段(S22)は、モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量の液面を検出し、その検出液面が所定高さを超えたときに、モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定することを特徴とするものである。
【0015】
請求項4に記載の発明では、判定手段(S22)は、電動モータ(21b)の温度が所定温度以下となる状態が所定時間継続したときに、モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定することを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に記載の発明では、電動モータ(21b)の温度として、電動モータ(21b)の雰囲気温度を用いることを特徴とするものである。
【0017】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいれか1つに記載の蒸気圧縮式冷凍機にて車室内に吹き出す空気の温度を調節することを特徴とするものである。
【0018】
請求項7に記載の発明では、少なくとも圧縮機(21a)に接続された配管は、ゴム製であることを特徴とするものである。
【0019】
請求項8に記載の発明では、圧縮機(21a)と電動モータ(21b)とは一体化されており、さらに、圧縮機(21a)及び電動モータ(21b)は、内燃機関に組み付けられていることを特徴とするものである。
【0020】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る蒸気圧縮式冷凍機をハイブリッド自動車用の空調装置に適用したものであって、図1はハイブリッド自動車の概要示す図であり、図2は本実施形態に係る空調装置の模式図であり、図3、4は電動圧縮機21の車両への搭載状態を示す説明図である。
【0022】
ハイブリッド自動車は、図1に示すように、ガソリン等の液体燃料を爆発燃焼させて動力を発生させる走行用内燃機関をなすエンジン1、走行補助用電動機機能及び発電機機能を備える電動発電手段としての走行補助用の電動発電機2、エンジン1への燃料供給量や点火時期等を制御するエンジン用電子制御装置3、電動発電機2やエンジン用電子制御装置3等に電力を供給する二次電池であるバッテリ4、電動発電機2の制御及び無断変速機5や電磁クラッチ6の制御を行うと共にエンジン用電子制御装置3に制御信号(例えば、エンジン1の回転数やトルクの目標値等)を出力するハイブリッド電子制御装置(走行用ECU)7を備えている。
【0023】
そして、ハイブリッド用電子制御装置7は、電動発電機2及びエンジン1のいずれの駆動力を駆動輪に伝達するかの駆動切替を制御する機能、及び高電圧バッテリ4aの充放電を制御する機能を備えている。具体的には、以下のような制御を行う。
【0024】
▲1▼車両が停止しているとき、つまり車速が約0km/hのときはエンジン1を停止させる。
【0025】
▲2▼走行中は、減速時を除き、エンジン1で発生した駆動力を駆動輪に伝達する。なお、減速時は、エンジン1を停止させて電動発電機2にて発電してバッテリ4に充電する。
【0026】
▲3▼発進時、加速時、登坂時及び高速走行時等の走行負荷が大きいときには、電動発電機2を電動モータとして機能させてエンジン1で発生した駆動力に加えて、電動発電機2に発生した駆動力を駆動輪に伝達する。なお、本実施形態では、車速及びアクセルペダル踏み込み量から走行負荷を演算する。
【0027】
▲4▼バッテリ4aの充電残量が充電開始目標値以下になったときには、エンジン1の動力を電動発電機2に伝達して電動発電機2を発電機として作動させてバッテリ4の充電を行う。
【0028】
▲5▼車両が停止しているときにバッテリ4の充電残量が充電開始目標値以下になったときには、エンジン用電子制御装置3に対してエンジン1を始動する指令を発するとともに、エンジン1の動力を電動発電機2に伝達する。
【0029】
因みに、充電開始目標値とは、充電を開始する残充電量のしきい値であり、満充電状態を100とした百分率にて示される。
【0030】
また、エンジン用電子制御装置3は、ハイブリッド用電子制御装置7からの制御信号に基づいて、エンジン1の回転数やトルクが目標値となるように、かつ、高い燃焼効率が得られるように、燃料供給量や点火時期等を最適制御する。
【0031】
電動発電機2は、バッテリ4aから電力を供給されたときは動力を発生する電動機として機能し、エンジン1等により駆動されたときは発電を行う発電機として機能するものである。
【0032】
また、本実施形態ではバッテリ4は、ニッケル水素蓄電池からなるもので、高電圧(例えば、約288V)のメインバッテリ4a及び低電圧(例えば、約12V)のサブバッテリ4bの2種類から構成されている。
【0033】
因みに、走行用インバータ8は電動発電機2とメインバッテリ4aとの間で授受される電力の電圧及び電流の周波数を変換する周波数変換器であり、DC/DCコンバータ9はメインバッテリ4aとサブバッテリ4bとの間で授受される電力の電圧を変換する変圧器である。
【0034】
無断変速機5はエンジン1及び電動発電機2に発生した駆動力の減速比を変換する変速機であり、電磁クラッチ6は駆動力を断続可能に伝達するものである。
【0035】
また、空調装置は、車室内に搭載され室内ユニット10、及び蒸気圧縮式冷凍機20、及び室内ユニット10内の機器及び蒸気圧縮式冷凍機20の電動圧縮機21等を制御する空調用電子制御装置11等からなる自動制御方式のものである。
【0036】
室内ユニット10は、図2に示すように、車室内の前方側に配置されて空気通路を形成する空調ケーシング12、この空調ケーシング12内に空気を送風する遠心式の送風機13、空調ケーシング12内を流れる空気を冷却する蒸発器25、エンジン1等の車両で発生する廃熱を熱源として空調ケーシング12内を流れる空気を加熱するヒータ14、及びヒータ14を迂回して下流側に流れる冷風量とヒータ14により加熱されて下流側に流れる温風量とを調節するエアミックスドア15等から構成されたものでる。
【0037】
そして、空調ケーシング12の空気流れの最上流側には、空調ケーシング12内に導入する室内空気量と室外空気量とを調節する内外気切替ユニット16が設けられ、一方、空調ケーシング12の空気流れの最下流側には、室内に吹き出す空気の吹出モードを切り換える吹出モード切替装置17が設けられている。
【0038】
なお、吹出モード切替装置17は、室内の窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ開口部、乗員の上半身側に向けて空気を吹き出すフェイス開口部、及び乗員の下半身側に向けて空気を吹き出すフット開口部等を切り換え開閉することにより、吹出モードを切り換えるものである。
【0039】
蒸気圧縮式冷凍機20は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機21a、圧縮された冷媒と外気とを熱交換して冷媒を冷却する高圧側熱交換器をなす凝縮器22、凝縮された冷媒を気相冷媒液相冷媒とに分離して液相冷媒を余剰冷媒として蓄えるとともに液相冷媒を排出する気液分離器23、冷媒を減圧膨張させる膨張弁24、及び減圧膨張された冷媒と室内に吹き出す空気とを熱交換して室内に吹き出す空気を冷却する低圧側熱交換器をなす蒸発器25等から構成されたものである。
【0040】
なお、膨脹弁24として、本実施形態では、蒸発器25出口側における冷媒過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する、いわゆる温度式膨脹弁を採用しているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、例えばオリフィスやキャピラリーチューブ等の絞り開度が固定された固定絞りを採用してもよい。
【0041】
ところで、本実施形態に係る圧縮機21aは、電動モータ21bにより駆動されるとともに電動モータ21bに一体化されており、電動モータ21bの回転数、つまり圧縮機21aの回転数は、モータハウジング21cに一体化されたインバータ方式の駆動制御回路21dにより制御される。
【0042】
なお、駆動制御回路21dは、高電圧バッテリ4aから供給される直流電流を所定周波数の交流電流に変換して電動モータ21bの回転数を制御する。
【0043】
また、電動モータ21bは、モータハウジング21cの内壁に固定されたステータ21e、及びステータ21e内で回転するロータ21f等からなるもので、本実施形態では、ステータ21eをコイルとし、ロータ21fをマグネットとしたDCブラシレスモータを採用しているとともに、モータハウジング21c内を冷媒通路とすることにより電動モータ21bの冷却を行っている。
【0044】
そして、圧縮機21aと電動モータ21bとが一体となった電動圧縮機21は、図4に示すように、駆動制御回路21dが電動モータ21bを挟んでエンジン11と反対側に位置するようにエンジン1のクランケースに固定されており、圧縮機21aに接続される吸入配管31及び吐出配管32は、図2、3に示すように、ゴムホース等の容易に変形することができる管が採用されている。
【0045】
次に、図5に基づいて制御系について述べる。
【0046】
空調用電子制御装置11、ハイブリッド用電子制御装置7及びエンジン用電子制御装置3は相互に通信可能になっており、本実施形態では、所定のプロトコルに基づいたデータ通信により通信している。
【0047】
そして、空調用電子制御装置11には、ハイブリッド用電子制御装置7から出力される通信信号、車室内前面に設けられたコントロールパネル11aに設けられたスイッチ類からのスイッチ信号、及びセンサ類からのセンサ信号が入力される。
【0048】
ここで、コントロールパネル11aのスイッチとは、蒸気圧縮式冷凍機20、つまり電動圧縮機21aの起動及び停止を指令するためのエアコンスイッチ、吸込口モードを切り替えるための吸込口切替スイッチ、車室内の温度を所望の温度に設定するための温度設定スイッチ、送風量を切り替えるための風量切替スイッチ、及び吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチ等である。
【0049】
また、各センサとは、車室内の空気温度を検出する内気温センサ11b、車室外の空気温度を検出する外気温センサ11c、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ11d、蒸発器25を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器吹出空気温度センサ11e、ヒータ14に流入する冷却水の温度を検出する水温センサ11f、及び車両の走行速度を検出する車速センサ11g等がある。
【0050】
空調用電子制御装置11の内部には、CPU(中央演算装置)、ROM(読込専用記憶装置)及びRAM(読込書込可能記憶装置)等からなるマイクロコンピュータ11hが設けられ、各センサ11b〜11gからのセンサ信号は、空調用電子制御装置11内の入力回路11iによってA/D変換等された後にマイクロコンピュータ11hに入力されるように構成されている。
【0051】
また、マイクロコンピュータ11hから出力された制御信号は空調用電子制御装置11内の出力回路11jによってD/A変換や増幅等された後に、エアミックスドア15等を駆動する各種アクチュエータM1〜M4に駆動信号として出力される。
【0052】
次に、空調用電子制御装置11の制御処理について述べる。
【0053】
図6は空調用電子制御装置11による基本的な制御処理を示したフローチャートであり、イグニッションスイッチが投入されて空調用電子制御装置11に電源が供給されると、各パラメータ等を初期化(イニシャライズ)する(S1)。
【0054】
次に、温度設定スイッチや内気温センサ11b、外気温センサ11c、日射センサ11d、蒸発器吸込空気温度センサ74、蒸発器吹出空気温度センサ11e、水温センサ11f、及び車速センサ11gの信号を読み込んで(S2、S3)、ROMに記憶された下記の数1の式に基づいて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出する(S4)。
【0055】
【数1】
TAO=Kset×Tset−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+Cここで、Tsetは温度設定スイッチにて設定した設定温度、TRは内気温センサ11bにて検出した内気温度、TAMは外気温センサ11cにて検出した外気温度、TSは日射センサ11dにて検出した日射量である。また、Kset、KR、KAM及びKSはゲインで、Cは補正用の定数である。
【0056】
次に、ROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応するブロワ電圧、つまり送風機13のファンモータへの印可電圧)を決定する(S5)。具体的には、ブロワ電圧は、目標吹出温度TAOと所定目標吹出温度TAOとの温度差の絶対値が大きくなるほど高い値に選定され、目標吹出温度TAOと所定目標吹出温度TAOとの温度差の絶対値が小さくなるほど低くい値が選定される。
【0057】
次に、ROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応する吸込口モードを決定する(S6)。具体的には、目標吹出温度TAOが高いときには内気循環モードが選択され、目標吹出温度TAOが低いときには外気導入モードが選択される。
【0058】
次に、ROMに記憶された特性図から、目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを決定する(S7)。具体的には、目標吹出温度TAOが高いときにはフットモードが選択され、目標吹出温度TAOが低くくなるに伴って、バイレベルモード、更にはフェイスモードの順に選択される。
【0059】
次に、目標吹出温度TAO、蒸発器吹出空気温度センサ11eで検出したエバ後温度、水温センサ11fで検出した冷却水温等に応じて、エアミックスドア15の開度を決定する(S8)。
【0060】
次に、図7に示すフローチャートに基づいて電動圧縮機21の回転数を決定した後(S9)、各S4〜S9で算出または決定した各制御状態が得られるように、アクチュエータ、ファンモータ駆動回路及びハイブリッド用電子制御装置7に対して制御信号を出力する(S10)。
【0061】
次に、図7に示すフローチャートについて述べる。
【0062】
空調用電子制御装置11は、エアコンスイッチが投入され、かつ、圧縮機21a、つまり電動モータ21bが停止した時から所定時間(例えば、8時間)以上経過していないときには、モータハウジング21c内に滞留している液相冷媒量が所定量未満であるものとみなして(S21、S22)、各種センサ11b〜11gのセンサ信号に基づいて目標エバ後温度TEOを算出し(S23)、この目標エバ後温度TEOに基づいて目標回転速度IVOを算出する(S24)。
【0063】
一方、電動モータ21bが停止した時から所定時間以上経過しているときには、モータハウジング21c内に滞留している液相冷媒量が所定量以上であるものとみなして(S21、S22)、S23、S24と同様に、各種センサ11b〜11gのセンサ信号に基づいて目標エバ後温度TEOを算出し、この目標エバ後温度TEOに基づいて決定された目標回転速度IVOが所定回転速度(例えば、3000rpm)以上であるか否かを判定し(S25)、目標回転速度IVO未満である場合には、目標回転速度IVOnを所定回転数(例えば、3000rpm)にて所定時間(例えば、5秒)電動モータ21bを運転する(S26)。
【0064】
なお、目標回転速度IVOは、目標エバ後温度TEOとエバ後温度TE、つまり蒸発器吹出空気温度センサ11eの検出温度との偏差En、及び偏差変化率Edotにパラメータとして、下記数式1、数式2に基づいて決定する。
【0065】
【数2】
En=TEO−TE
【0066】
【数3】
Edot=En−En−1
ここで、En−1は偏差Enの前回の値であり、偏差Enは4秒毎に更新されるため、前回の偏差En−1は偏差Enに対して4秒前の値となる。
【0067】
そして、ROMに記憶された所定のメンバーシップ関数及びルールに基づいて、上記で算出した偏差En及び偏差変化率Edotにおける目標増加回転速度Δf(rpm)を算出する。
【0068】
ここで、この目標増加回転速度Δfとは、前回の目標回転速度IVOn−1、すなわち4秒前の目標回転速度IVOn−1に対して増減する圧縮機21aの回転速度のことである。
【0069】
因みに、S21にてエアコンスイッチオフと判定された場合にはステップS27にて目標回転速度IVOを0rpmに設定する。
【0070】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0071】
水分が混入した冷媒の電気絶縁抵抗値は、気相状態では十分な電気絶縁性を得ることができる程度の高い値であるものの、液相状態となると、電気絶縁抵抗値が低下することが知られている。
【0072】
したがって、本実施形態のごとく、モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であるか否かを判定し、モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であると判定されたときに、電動モータ21bを所定回転数以上で所定時間運転すれば、モータハウジング21c内に滞留する電気絶縁抵抗値の小さい液相冷媒を速やかにモータハウジング21c外に排出して、モータハウジング21c内を電気絶縁抵抗値の大きい気相冷媒で満たすことができる。
【0073】
延いては、吸湿剤の量を増大させる、又はモータハウジング21c内の電気部分(ステータ21e)に樹脂をコーティングする等の電気絶縁対策を施すことなく、高い電気絶縁性を得ることができるので、蒸気圧縮式冷凍機20の製造原価上昇を抑制しつつ、電動モータ21bでの漏電を防止することができる。
【0074】
なお、前記した電動モータ21bの所定回転数は、前記した所定時間内でモータハウジング21c内に滞留する電気絶縁抵抗値の小さい液相冷媒を速やかにモータハウジング21c外に排出して、モータハウジング21c内を電気絶縁抵抗値の大きい気相冷媒で満たすことができる程度の回転数である。
【0075】
なお、図8はモータハウジング21c内の液相冷媒の量と電気絶縁抵抗との関係を示すグラフである。
【0076】
(第2実施形態)
第1実施形態では、電動モータ21bが停止した時から所定時間以上経過しているときには、モータハウジング21c内に滞留している液相冷媒量が所定量以上であるものとみなしたが、本実施形態では、モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量の液面を検出し、その検出液面が所定高さを超えたときに、モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定するものである。
【0077】
なお、モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量の液面を検出するにあたっては、液面センサにより直接に液面高さを検出する、又は液相冷媒の量と電気絶縁抵抗とは、図8に示すように、相関関係を有していることから、モータハウジング21c内の電気抵抗を計測することにより間接的に液面高さを検出してもよい。
【0078】
(第3実施形態)
本実施形態は、電動モータ21bの温度が所定温度(例えば、10℃)以下となる状態が所定時間(例えば、4時間)継続したときに、モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定するものである。
【0079】
なお、本実施形態では、電動モータ21bの温度として外気温センサ11cの検出値を用いているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えばステータ21eの電気抵抗から検出してもよい。また、本実施形態の所定時間は、第1実施形態に所定時間より短い時間である。
【0080】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、吸入冷媒がモータハウジング21c内を流れるタイプであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、吐出冷媒がモータハウジング21c内を流れるタイプであってもよい。
【0081】
また、上述の実施形態では、ハイブリッド自動車に発明を適用したが、本発明はこれに限定されものではない。
【0082】
また、上述の実施形態では、駆動制御回路21dが電動モータ21bに一体化されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0083】
また、上述の実施形態では、冷媒をフロン(R134a)としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、二酸化炭素及び窒素等の自然冷媒、又は二種類以上の冷媒が混合された混合冷媒を採用してもよい。
【0084】
また、上述の実施形態では、電動モータ21bが停止しているときには、モータハウジング21c内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものみなして、電動モータ21b起動した時には、必ず、電動モータ21bを所定回転数以上で所定時間運転してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るハイブリッド自動車の概要示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る空調装置の模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電動圧縮機の車両への搭載状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電動圧縮機の車両への搭載状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る空調装置の制御系を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る空調装置の制御フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る空調装置の制御フローを示すフローチャートである。
【図8】モータハウジング内の液相冷媒の量と電気絶縁抵抗との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20…蒸気圧縮式冷凍機、21…電動圧縮機、21a…圧縮機、
21b…電動モータ、21c…モータハウジング、22…凝縮器、
23…気液分離器、24…膨脹弁、25…蒸発器。

Claims (8)

  1. 冷媒吸入圧縮する圧縮機(21a)、及び前記圧縮機(21a)を駆動するとともに、モータハウジング(21c)内を冷媒が流れる電動モータ(21b)を有する蒸気圧縮式冷凍機であって、
    前記モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であるか否かを判定する判定する判定手段(S22)と、
    前記判定手段(S22)により前記モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上であると判定されたときに、前記電動モータ(21b)を所定回転数以上で所定時間運転するモータ制御手段(S25)を備えることを特徴とする蒸気圧縮式冷凍機。
  2. 前記判定手段(S22)は、前記電動モータ(21b)が停止した時から所定時間経過したときに、前記モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍機。
  3. 前記判定手段(S22)は、前記モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量の液面を検出し、その検出液面が所定高さを超えたときに、前記モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍機。
  4. 前記判定手段(S22)は、前記電動モータ(21b)の温度が所定温度以下となる状態が所定時間継続したときに、前記モータハウジング(21c)内に滞留する液相冷媒量が所定量以上となったものと判定することを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍機。
  5. 前記電動モータ(21b)の温度として、前記電動モータ(21b)の雰囲気温度を用いることを特徴とする請求項4に記載の蒸気圧縮式冷凍機。
  6. 請求項1ないし5のいれか1つに記載の蒸気圧縮式冷凍機にて車室内に吹き出す空気の温度を調節することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 少なくとも前記圧縮機(21a)に接続された配管は、ゴム製であることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記圧縮機(21a)と前記電動モータ(21b)とは一体化されており、
    さらに、前記圧縮機(21a)及び前記電動モータ(21b)は、内燃機関に組み付けられていることを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011133142A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Kawasaki Heavy Ind Ltd 電動圧縮機及びそれを用いた蒸気圧縮式冷凍機

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