JP2004316985A - 溶融スラグの冷却固化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、スラリ溜り部に対応した位置の水冷冷却ドラム内の空気溜りをなくし、冷却水による冷却能力を高めることを課題とする。
【解決手段】内部に冷却水が滞留する中空円筒状冷却部31aと、前記冷却水の供給手段38と、前記中空円筒状冷却部31aよりも拡径された中空円筒形状でかつ前記円筒状冷却部31aと連通し、内部に前記中空円筒状冷却部31aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する冷却水排出手段36を備えた拡径部31bを有する水冷冷却ドラム31を具備したことを特徴とする溶融スラグの冷却固化装置。
【選択図】 図4
【解決手段】内部に冷却水が滞留する中空円筒状冷却部31aと、前記冷却水の供給手段38と、前記中空円筒状冷却部31aよりも拡径された中空円筒形状でかつ前記円筒状冷却部31aと連通し、内部に前記中空円筒状冷却部31aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する冷却水排出手段36を備えた拡径部31bを有する水冷冷却ドラム31を具備したことを特徴とする溶融スラグの冷却固化装置。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は溶融スラグの冷却固化装置に関し、特に鉄鋼精錬、非鉄精錬、合金鉄製造、廃棄物溶融処理プロセスにおけるスラグやマットを冷却し、凝固させるプロセスに使用される溶融スラグの冷却固化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄鋼精錬等で発生する溶融スラグやマットを急冷処理する方法として、間接冷却による試みがなされている。この間接冷却する溶融スラグの冷却固化装置としては、従来、図1及び図2(A),(B)に示すものが知られている(特許文献1)。ここで、図1は同装置の全体図、図2(A)は同装置の一構成である水冷ドラム及びその周辺部分の側面図、図2(B)は図2(A)の上面図を示す。
【0003】
図中の符番1は溶融炉から排出された溶融スラグを滞留させた後に円筒状回転体上に供給するための滞留槽、符番2a,2bは金属製の水冷ドラム、3a,3bは二次冷却装置を示す。
【0004】
前記滞留槽1は、槽底との間に間隔をあけて設けられた区画壁4によって2区画に区分され、一方のA区画が溶融炉から排出された溶融スラグの受け入れ側、他方のB区画が溶融スラグを水冷ドラムへ供給するための排出側になっている。ここで、A区画においては、溶融炉から排出された溶融スラグが滞留している間に、その中に含まれている溶融塩が浮上して溶融塩層5が形成され、溶融メタルが沈降して溶融メタル層6が形成される。符番7は、溶融塩と溶融メタルが分離された溶融スラグ層を示す。
【0005】
前記滞留槽1の外周部には誘導加熱コイル7が設けられており、受け入れた溶融スラグを所定の温度に保つことが可能になっている。前記滞留槽1には、滞留している溶融スラグの温度を測定するための温度計8が配置されている。前記滞留槽1の上部側壁には溶融スラグを受け入れるスラグ樋9が設けられ、滞留槽1の中部側壁には溶融塩の排出口10が設けられ、滞留槽1の下部側壁には溶融メタルの排出口11が設けられている。分離された溶融塩と溶融メタルはそれぞれ間欠的に抜き出され、別途に処理される。
【0006】
前記滞留槽1の下部寄りの側壁には、溶融スラグの排出口12が設けられている。この排出口12には、水冷ドラム2a,2bへ供給する溶融スラグの流量を調節するためのゲート13が設けられている。
【0007】
前記水冷ドラム2a,2bの内部には、該水冷ドラム2a,2bの上面をスプレー冷却するための冷却水の配管が組み込まれている。この配管には、水冷ドラム2a,2bの上面向けて冷却水を噴出するスプレーノズル(図示せず)が多数設けられている。また、内部の下半分の部分にはスプレーノズルから噴射された水が滞留するようになっており、下部においても冷却される構造になっている。前記水冷ドラム2a,2bの回転軸14には、冷却水の供給、排水のための流路が夫々設けられている。水冷ドラム2a,2bは互いに外周面を接して水平に配置されており、図中に矢印で示すように、互いに反対方向に回転し、何れも外周面を接した箇所が上方に向かって上昇する方向に回転する。
【0008】
前記排出口12には、スラグ樋15が接続されている。図中の符番16は、水冷ドラム2a,2bの上に溶融スラグ17を貯えるための堰板であり、水冷ドラム2a,2bの両端部の外周面に接して設けられている。前記水冷ドラム2a,2bには、凝固スラグ18が付着している。一方の水冷ドラム2aの両端側には、図2(A),(B)に示すように、溶融スラグ17が脇からこぼれるのを回避するためのフランジ2’が夫々設けられている。
【0009】
前記溶融スラブ17の真上には、水冷ドラム2a,2bの上に滞留している溶融スラグの液面を計測する超音波液面計19が配置されている。この超音波液面計19による計測は、上記の液面が一定になるようにするために行われるものであって、計測された液面高さの信号が制御器20へ送られ、次いで、この信号に基づいた指示信号が制御器20からスラグ供給槽の流量調節ゲート13の駆動部へ送られて溶融スラグの流量が調節され、上記液面が制御される。
【0010】
前記水冷ドラム2aの水平方向には、水冷ドラム2a,2bに付着したスラグの表面温度を測定するための赤外線温度計21が配置されている。この赤外線温度計21は、離脱点Fの付近におけるスラグの温度測定が可能な位置に配置されている。なお、赤外線温度計21は一方の水冷ドラム2a側しか配置されていないが、2基の水冷ドラム2a,2bに付着するスラグの量は略同じであり、また冷却量も略同じであるので、2基の水冷ドラム2a,2bに付着するスラグの温度は略同じであるものとみなすことができる。
【0011】
前記赤外線温度計21により計測された温度の信号は制御器20へ送られる。そして、この信号に基づいた指示信号が制御器20から水冷ドラム2a,2bの駆動部(図示せず)へ送られ、水冷ドラム2a,2bの回転数が増減される。この回転数の増減によって、水冷ドラム2a,2bによる溶融スラグの冷却量が調節され、水冷ドラム2a,2bに付着したスラグの温度が所定の範囲内に維持される。
【0012】
前記二次冷却装置3a,3bは、水冷ドラム2a,2bから剥離したスラグ22に冷却流体を吹き付けてガラス転移点を下回る温度になるまで冷却し、固化させるものである。冷却流体としては、水、空気等を使用することができる。なお、符番23は流量計、符番24は水を微細化して吹き付けるスプレーノズルを示す。前記二次冷却装置3a,3bにおいては、赤外線温度計21による計測値(二次冷却前の温度)に基づく制御器20からの信号が流量計23へ送られ、吹き付ける水の流量が制御される。なお、図中の符番30a,30bは固化したスラグを破砕する破砕機を示し、破砕されたスラグは破砕機の下部側に配置されたコンベアにより次の工程へ搬送される。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−180987号公報(段落[0026]〜[0037]及び図1)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、図1及び図2に開示した従来の冷却固化装置の場合、水冷ドラム2a,2bの内部に冷却水の配管を配置し、該配管に形成された複数のスプレーノズルより冷却水を噴出させて水冷ドラム2a,2bの上面をスプレー冷却している。しかし、こうした冷却固化装置では、水位が低いので、水冷ドラム2a,2bの上部内壁の冷却が十分でなかった。
【0015】
そこで、図3に示すように水冷ドラム内の水位を上げる工夫が施された冷却固化装置が提案されている。なお、図3では、冷却固化装置の要部である冷却ドラムのみを図示している。図3中の符番25は、水冷ドラム2の一端側に配置されて該水冷ドラム2を回転させるモータを示す。前記水冷ドラム2の他端側には、冷却水の給排水を行うロータリージョイント26がモータ25のモータ軸と同軸上にある。このロータリージョイント26には、冷却水を水冷ドラム2内へ送る給水管27が設けられているとともに、開口部を上方へ向けた排水管28が設けられている。
【0016】
しかし、図3の改良された従来の冷却固化装置では、水冷ドラム2の上部(排水口よりも上の空間)に空気溜り29ができるので、冷却水30による冷却能率が低いという欠点があった。
【0017】
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、内部に冷却水が滞留する中空円筒状冷却部と、前記冷却水の供給手段と、前記円筒状冷却部よりも拡径された中空円筒形状でかつ前記円筒状冷却部と連通し、内部に前記中空円筒状冷却部よりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段を備えた拡径部を有する水冷冷却ドラムを具備した構成にすることにより、水冷冷却ドラム内の空気溜りをスラグ溜り部のない拡径部に移動させ、冷却水による冷却能力を高めることができる溶融スラグの冷却固化装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶融スラグの冷却固化装置は、請求項1記載のように、内部に冷却水が滞留する中空円筒状冷却部と、前記冷却水の供給手段と、前記円筒状冷却部よりも拡径された中空円筒形状でかつ前記円筒状冷却部と連通し、内部に前記中空円筒状冷却部よりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段を備えた拡径部を有する水冷冷却ドラムを具備したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の溶融スラグの冷却固化装置は、請求項2記載のように、前記水冷冷却ドラムを複数、前記中空円筒状冷却部の外周面同士を接して配置したことを特徴とする。
【0020】
本発明において、水冷冷却ドラムは複数個(特に2個)使用する場合と1個使用する場合に分けられる。2個使用する場合は、各水冷冷却ドラムを該中空円筒状冷却部の外周面同士が互いに接するように水平に配置し、この一対の中空円筒状冷却部は何れも外周面を接した箇所が上方に向かう方向(後述する図7を例にとれば、紙面の手前方向)に回転するように構成することが好ましい。なお、この場合、前記拡径部は後述する図7に示すようにお互いに反対側に位置するように設置される。また、この場合、一対の水冷冷却ドラムの各中空円筒状冷却部及び拡径部で囲まれた領域に溶融スラグが溜められる。
【0021】
一方、1個の水冷冷却ドラムを使用する場合、後述する図5に示すように、中空円筒状冷却部の軸方向に沿う外周面に接するように板状部材を配置するとともに、水冷冷却ドラムの拡径部が存在しない側にフランジ(堰板)を配置し、中空円筒状冷却部、板状部材及びフランジで囲まれた領域に溶融スラグを溜める。
【0022】
本発明において、前記拡径部は冷却水を排出する冷却水排出手段を備えているが、冷却水の供給手段も拡径部に配置してもよい(図4参照)。また、拡径部は、上記したように、内部に前記中空円筒状冷却部よりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段を備えている。ここで、冷却水排出手段としては、例えば排水管が挙げられ、この排水管は開口部が拡径部の空気溜り部を向くように曲げて配置する(図4参照)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例で説明する溶融スラグの冷却固化装置は、水冷ドラムを除いて同じであるため、要部のみを説明する。
【0024】
(実施例1)
図4、図5(A)、(B)を参照する。ここで、図4は本発明の実施例1に係る溶融スラグの冷却固化装置の水冷ドラム及びその周辺部材の側面図、図5(A)は同装置において1つの水冷ドラム(円筒状回転体)を用いた場合の側面図、図5(B)は図5(A)の平面図を示す。
【0025】
図中の符番31は、内部に冷却水32が滞留する中空円筒状冷却部31aと、この中空円筒状冷却部31aに連通した拡径部31bとからなる水冷冷却ドラムを示す。前記水冷冷却ドラム31の軸方向に沿う一端側には、モータ軸33を介してモータ34が連結されている。また、水冷冷却ドラム31の他端側には、モータ軸33と同軸上にロータリージョイント35が図示しない軸を介して設けられている。なお、本例のように、水冷冷却ドラムを1個使用する場合は、側面から溶融スラグがあふれないように、拡径部の反対側にフランジ40を設ける。
【0026】
前記拡径部31bは、前記中空円筒状冷却部31aよりも拡径された中空円筒形状をなし、内部に前記中空円筒状冷却部31aよりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段としての排水管36を備えている。この排出管36の一端側は拡径部31bの外周寄りに形成される空気溜り部37に達し、前記モータ軸33と同軸上で曲げられて水冷冷却ドラム31の外方向に延出している。また、前記ロータリージョイント35には、冷却水を水冷冷却ドラム31に供給する給水管(冷却水の供給手段)38が連結されている。
【0027】
前記中空円筒状冷却部31aの軸方向に沿う外周面には、図5(A)に示すように板状部材39が接して配置されている。ここで、板状部材39としては、銅,鉄,アルミニウム等からなる水冷盤、または酸化アルミニウム,炭化珪素等からなる耐火物が使用される。前記中空円筒状水冷部31aの拡径部31bと反対側には、図5(A),(B)に示すように、溶融スラグ17が脇からこぼれるのを回避するためのフランジ40が夫々設けられている。前記中空円筒状冷却部31aと拡径部31bと板状部材39とフランジ40で囲まれた領域に溶融スラグ17が溜められる。
【0028】
実施例1に係る溶融スラグの冷却固化装置によれば、水冷冷却ドラム31の一方の端部に溶融スラグの溜り部が存在する中空円筒状水冷部31aの外径と比べて外径が大きい拡径部31bを備え、且つこの拡径部31bの内部に前記中空円筒状冷却部31aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する排水管36を備えた構成になっているため、従来のように溶融スラブの溜り部に対応した水冷ドラム内に空気溜り部ができることなく、前記拡径部31bに空気溜り部37ができる。従って、前記拡径部31bには溶融スラブ17が溜らないので、従来と比べ、水冷冷却ドラム上部の冷却を強化することができる。
【0029】
事実、従来の冷却固化装置の場合、水冷ドラムの上部の表面温度が800〜900℃と高く、水冷ドラムの下部の表面温度も300〜400℃と高かった。これに対し、実施例1の冷却固化装置によれば、水冷冷却ドラム31の上部の表面温度は約500℃、水冷冷却ドラム31の下部の表面温度は約100℃に下がり、溶融スラグの処理能力が従来と比べ1.3倍に向上した。これにより、本発明装置が従来装置と比べ優れていることが確認できた。
【0030】
(実施例2)
実施例1では、冷却水の給排水を水冷冷却ドラムの同じ側(図4で言えば右側)に設けたが、図6のように水冷冷却ドラムの両端に別々に設けてもよい。
図6中の符番38は、回転軸を兼ねる給水管を示す。前記水冷冷却ドラム31の一端側で給水管38の外側には、該給水管38と同心状にプーリ41が配置されている。このプーリ41と離間した位置には別のプーリ42が配置され、両プーリ41,42にモータ34からの駆動力を水冷ドラム31に伝達する駆動用Vベルト(叉はチェーン)49が懸架されている。
実施例2によれば、実施例1と同様に、冷却水による冷却能力を高めることができる。
【0031】
(実施例3)
図7を参照する。実施例3の冷却固化装置は、2つの水冷冷却ドラムを互いの中空円筒状水冷部の外周面が接触するようにして用いた場合を示す。このように、水冷冷却ドラムを2つ用いる場合は、拡径部の反対側にフランジを設けない(図6参照)。なお、図1、図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
【0032】
図中の符番44,45は、夫々中空円筒状水冷部44a,45aの外周面が互いに接して配置された水冷冷却ドラムを示す。一方の水冷冷却ドラム44は、内部に冷却水32が滞留する中空円筒状冷却部44aと、この中空円筒状冷却部44aよりも拡径された中空円筒形状をなすとともに該中空円筒状冷却部44aに連通し、内部に中空円筒状冷却部44aよりも高い位置から前記冷却水を排出する排水管排水管36を備えた拡径部44bとからなる。
【0033】
他方の水冷冷却ドラム45は、内部に冷却水32が滞留する中空円筒状冷却部45aと、この中空円筒状冷却部45aよりも拡径された中空円筒形状をなすとともに該中空円筒状冷却部45aに連通し、内部に中空円筒状冷却部45aよりも高い位置から前記冷却水を排出する排水管36を備えた拡径部45bとからなる。前記拡径部44b、45bは互いに反対側に位置するように設けられている。
【0034】
一方の水冷冷却ドラム44においては、一方の端部に水冷冷却タンク44に冷却水を供給する給水管38が配置され、他方の端部に水冷冷却タンク44の冷却水を排水する排水管36が一端の開口部を上向きに配置されている。この排水管36の構成は実施例1の排水管と同様な構成となっている。ここで、給水管38と排水管36の出口部とは同軸になっている。前記排水管36の出口部には、第1の歯車46が排水管36と同心円状に設けられている。
【0035】
他方の水冷冷却ドラム45においては、一方の端部の拡径部45bに水冷冷却タンク45の冷却水を排水する排水管36が上向きに配置されている。ここで、排水管36の出口部でかつ拡径部45bの側壁には、プーリ47が設けられている。このプーリ47と、モータ34と連動するプーリ48には駆動用Vベルト49が懸架されている。水冷冷却ドラム45の他方の端部には、水冷冷却ドラム45に冷却水を供給する給水管50が前記排水管36の出口部分と同軸に設けられている。前記給水管50の外周側には該給水管50と同心円状に回転軸51が設けられ、この回転軸51の外周部に前記第1の歯車46と噛合する第2の歯車52が設けられている。
【0036】
こうした構成の冷却固化装置においては、モータ34が回転することによりその駆動力がプーリ48、駆動用Vベルト49、プーリ47を介して水冷冷却ドラム45に伝達され、水冷冷却ドラム45が矢印Aのように回転する。一方、水冷冷却ドラム45の回転により、その回転力が第2の歯車50、第1の歯車46により水冷ドラム44に伝達され、水冷冷却ドラム44が矢印Bのように回転する。
【0037】
実施例3によれば、水冷冷却ドラム44の一端部に溶融スラグ17の溜り部が存在する中空円筒状冷却部44aの外径と比べて外径が大きい拡径部44bが設けられ、且つこの拡径部44bの内部に前記中空円筒状冷却部44aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する排水管36を備え、更に水冷冷却ドラム45の一端部に溶融スラグ17の溜り部が存在する中空円筒状冷却部45aの外径と比べて外径が大きい拡径部45bが設けられ、且つこの拡径部45bの内部に前記中空円筒状冷却部45aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する排水管36を備えた構成になっている。従って、実施例1と同様に、溶融スラグの溜り部に対応した中空円筒状冷却部44a,45a内に空気溜り部ができることなく、前記拡径部44b,45bに空気溜り部ができる。しかるに、前記拡径部44b、45bには溶融スラグが溜らないので、従来と比べ、水冷冷却ドラム44,45上部の冷却を強化することができる。
【0038】
また、水冷冷却ドラム44,45における拡径部44b,45bを夫々反対側の位置するように設定することにより、水冷冷却ドラム44,45への冷却水の供給、排水を簡単に行うことができる。更に、プーリ47,48、駆動用チェーン49、及び互いに噛合する第1の歯車46、第2の歯車52により、水冷冷却ドラム44,45を簡単な構成で同時に回転させることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、中空円筒状冷却部と、冷却水の供給手段と、前記円筒状冷却部よりも拡径された中空円筒形状で内部に中空円筒状冷却部よりも高い位置から冷却水を排出する冷却水排出手段を備えた拡径部を有する水冷冷却ドラムを具備した構成にすることにより、水冷冷却ドラム内の空気溜りをスラグ溜り部のない拡径部に移動させ、冷却水による冷却能力を高めることができる溶融スラグの冷却固化装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の溶融スラグの冷却固化装置の全体図。
【図2】図2は、図1の冷却固化装置の一構成である冷却ドラム及びその周辺の説明図。
【図3】図3は、図1の冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【図4】図4は、本発明の実施例1に係る溶融スラグの冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【図5】図5は、1つの冷却ドラムを用いた場合の説明図。
【図6】図6は、本発明の実施例2に係る溶融スラグの冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【図7】図7は、本発明の実施例3に係る溶融スラグの冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【符号の説明】
1…滞留槽、 3a,3b…二次冷却装置、 4…区画壁、
5…溶融塩層、 6…溶融メタル層、 7…溶融スラブ層、
8…温度計、 9,15…スラグ樋、 10…溶融塩の排出口、
11…溶融メタルの排出口、 12…溶融スラグの排出口、 13…ゲート、
14…回転軸、 16…堰板、 17…溶融スラグ、
18…凝固スラグ、 19…超音波液面計、 20…制御器、
21…赤外線温度計、 22…剥離したスラグ、 23…流量計、
24…スプレーノズル、 30a,30b…破砕機、
31,44,45…水冷冷却ドラム、
31a,44a,45a…中空円筒状冷却部、32…冷却水、34…モータ、
35…ロータリージョイント、 36…排水管(冷却水排出手段)、
37…空気溜り部、 38…給水管(供給手段)、 39…板状部材、
40…フランジ、 41,42,47,48…プーリ、
49…駆動用Vベルト、 46,50…歯車。
【発明の属する技術分野】
本発明は溶融スラグの冷却固化装置に関し、特に鉄鋼精錬、非鉄精錬、合金鉄製造、廃棄物溶融処理プロセスにおけるスラグやマットを冷却し、凝固させるプロセスに使用される溶融スラグの冷却固化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄鋼精錬等で発生する溶融スラグやマットを急冷処理する方法として、間接冷却による試みがなされている。この間接冷却する溶融スラグの冷却固化装置としては、従来、図1及び図2(A),(B)に示すものが知られている(特許文献1)。ここで、図1は同装置の全体図、図2(A)は同装置の一構成である水冷ドラム及びその周辺部分の側面図、図2(B)は図2(A)の上面図を示す。
【0003】
図中の符番1は溶融炉から排出された溶融スラグを滞留させた後に円筒状回転体上に供給するための滞留槽、符番2a,2bは金属製の水冷ドラム、3a,3bは二次冷却装置を示す。
【0004】
前記滞留槽1は、槽底との間に間隔をあけて設けられた区画壁4によって2区画に区分され、一方のA区画が溶融炉から排出された溶融スラグの受け入れ側、他方のB区画が溶融スラグを水冷ドラムへ供給するための排出側になっている。ここで、A区画においては、溶融炉から排出された溶融スラグが滞留している間に、その中に含まれている溶融塩が浮上して溶融塩層5が形成され、溶融メタルが沈降して溶融メタル層6が形成される。符番7は、溶融塩と溶融メタルが分離された溶融スラグ層を示す。
【0005】
前記滞留槽1の外周部には誘導加熱コイル7が設けられており、受け入れた溶融スラグを所定の温度に保つことが可能になっている。前記滞留槽1には、滞留している溶融スラグの温度を測定するための温度計8が配置されている。前記滞留槽1の上部側壁には溶融スラグを受け入れるスラグ樋9が設けられ、滞留槽1の中部側壁には溶融塩の排出口10が設けられ、滞留槽1の下部側壁には溶融メタルの排出口11が設けられている。分離された溶融塩と溶融メタルはそれぞれ間欠的に抜き出され、別途に処理される。
【0006】
前記滞留槽1の下部寄りの側壁には、溶融スラグの排出口12が設けられている。この排出口12には、水冷ドラム2a,2bへ供給する溶融スラグの流量を調節するためのゲート13が設けられている。
【0007】
前記水冷ドラム2a,2bの内部には、該水冷ドラム2a,2bの上面をスプレー冷却するための冷却水の配管が組み込まれている。この配管には、水冷ドラム2a,2bの上面向けて冷却水を噴出するスプレーノズル(図示せず)が多数設けられている。また、内部の下半分の部分にはスプレーノズルから噴射された水が滞留するようになっており、下部においても冷却される構造になっている。前記水冷ドラム2a,2bの回転軸14には、冷却水の供給、排水のための流路が夫々設けられている。水冷ドラム2a,2bは互いに外周面を接して水平に配置されており、図中に矢印で示すように、互いに反対方向に回転し、何れも外周面を接した箇所が上方に向かって上昇する方向に回転する。
【0008】
前記排出口12には、スラグ樋15が接続されている。図中の符番16は、水冷ドラム2a,2bの上に溶融スラグ17を貯えるための堰板であり、水冷ドラム2a,2bの両端部の外周面に接して設けられている。前記水冷ドラム2a,2bには、凝固スラグ18が付着している。一方の水冷ドラム2aの両端側には、図2(A),(B)に示すように、溶融スラグ17が脇からこぼれるのを回避するためのフランジ2’が夫々設けられている。
【0009】
前記溶融スラブ17の真上には、水冷ドラム2a,2bの上に滞留している溶融スラグの液面を計測する超音波液面計19が配置されている。この超音波液面計19による計測は、上記の液面が一定になるようにするために行われるものであって、計測された液面高さの信号が制御器20へ送られ、次いで、この信号に基づいた指示信号が制御器20からスラグ供給槽の流量調節ゲート13の駆動部へ送られて溶融スラグの流量が調節され、上記液面が制御される。
【0010】
前記水冷ドラム2aの水平方向には、水冷ドラム2a,2bに付着したスラグの表面温度を測定するための赤外線温度計21が配置されている。この赤外線温度計21は、離脱点Fの付近におけるスラグの温度測定が可能な位置に配置されている。なお、赤外線温度計21は一方の水冷ドラム2a側しか配置されていないが、2基の水冷ドラム2a,2bに付着するスラグの量は略同じであり、また冷却量も略同じであるので、2基の水冷ドラム2a,2bに付着するスラグの温度は略同じであるものとみなすことができる。
【0011】
前記赤外線温度計21により計測された温度の信号は制御器20へ送られる。そして、この信号に基づいた指示信号が制御器20から水冷ドラム2a,2bの駆動部(図示せず)へ送られ、水冷ドラム2a,2bの回転数が増減される。この回転数の増減によって、水冷ドラム2a,2bによる溶融スラグの冷却量が調節され、水冷ドラム2a,2bに付着したスラグの温度が所定の範囲内に維持される。
【0012】
前記二次冷却装置3a,3bは、水冷ドラム2a,2bから剥離したスラグ22に冷却流体を吹き付けてガラス転移点を下回る温度になるまで冷却し、固化させるものである。冷却流体としては、水、空気等を使用することができる。なお、符番23は流量計、符番24は水を微細化して吹き付けるスプレーノズルを示す。前記二次冷却装置3a,3bにおいては、赤外線温度計21による計測値(二次冷却前の温度)に基づく制御器20からの信号が流量計23へ送られ、吹き付ける水の流量が制御される。なお、図中の符番30a,30bは固化したスラグを破砕する破砕機を示し、破砕されたスラグは破砕機の下部側に配置されたコンベアにより次の工程へ搬送される。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−180987号公報(段落[0026]〜[0037]及び図1)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、図1及び図2に開示した従来の冷却固化装置の場合、水冷ドラム2a,2bの内部に冷却水の配管を配置し、該配管に形成された複数のスプレーノズルより冷却水を噴出させて水冷ドラム2a,2bの上面をスプレー冷却している。しかし、こうした冷却固化装置では、水位が低いので、水冷ドラム2a,2bの上部内壁の冷却が十分でなかった。
【0015】
そこで、図3に示すように水冷ドラム内の水位を上げる工夫が施された冷却固化装置が提案されている。なお、図3では、冷却固化装置の要部である冷却ドラムのみを図示している。図3中の符番25は、水冷ドラム2の一端側に配置されて該水冷ドラム2を回転させるモータを示す。前記水冷ドラム2の他端側には、冷却水の給排水を行うロータリージョイント26がモータ25のモータ軸と同軸上にある。このロータリージョイント26には、冷却水を水冷ドラム2内へ送る給水管27が設けられているとともに、開口部を上方へ向けた排水管28が設けられている。
【0016】
しかし、図3の改良された従来の冷却固化装置では、水冷ドラム2の上部(排水口よりも上の空間)に空気溜り29ができるので、冷却水30による冷却能率が低いという欠点があった。
【0017】
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、内部に冷却水が滞留する中空円筒状冷却部と、前記冷却水の供給手段と、前記円筒状冷却部よりも拡径された中空円筒形状でかつ前記円筒状冷却部と連通し、内部に前記中空円筒状冷却部よりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段を備えた拡径部を有する水冷冷却ドラムを具備した構成にすることにより、水冷冷却ドラム内の空気溜りをスラグ溜り部のない拡径部に移動させ、冷却水による冷却能力を高めることができる溶融スラグの冷却固化装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶融スラグの冷却固化装置は、請求項1記載のように、内部に冷却水が滞留する中空円筒状冷却部と、前記冷却水の供給手段と、前記円筒状冷却部よりも拡径された中空円筒形状でかつ前記円筒状冷却部と連通し、内部に前記中空円筒状冷却部よりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段を備えた拡径部を有する水冷冷却ドラムを具備したことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の溶融スラグの冷却固化装置は、請求項2記載のように、前記水冷冷却ドラムを複数、前記中空円筒状冷却部の外周面同士を接して配置したことを特徴とする。
【0020】
本発明において、水冷冷却ドラムは複数個(特に2個)使用する場合と1個使用する場合に分けられる。2個使用する場合は、各水冷冷却ドラムを該中空円筒状冷却部の外周面同士が互いに接するように水平に配置し、この一対の中空円筒状冷却部は何れも外周面を接した箇所が上方に向かう方向(後述する図7を例にとれば、紙面の手前方向)に回転するように構成することが好ましい。なお、この場合、前記拡径部は後述する図7に示すようにお互いに反対側に位置するように設置される。また、この場合、一対の水冷冷却ドラムの各中空円筒状冷却部及び拡径部で囲まれた領域に溶融スラグが溜められる。
【0021】
一方、1個の水冷冷却ドラムを使用する場合、後述する図5に示すように、中空円筒状冷却部の軸方向に沿う外周面に接するように板状部材を配置するとともに、水冷冷却ドラムの拡径部が存在しない側にフランジ(堰板)を配置し、中空円筒状冷却部、板状部材及びフランジで囲まれた領域に溶融スラグを溜める。
【0022】
本発明において、前記拡径部は冷却水を排出する冷却水排出手段を備えているが、冷却水の供給手段も拡径部に配置してもよい(図4参照)。また、拡径部は、上記したように、内部に前記中空円筒状冷却部よりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段を備えている。ここで、冷却水排出手段としては、例えば排水管が挙げられ、この排水管は開口部が拡径部の空気溜り部を向くように曲げて配置する(図4参照)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例で説明する溶融スラグの冷却固化装置は、水冷ドラムを除いて同じであるため、要部のみを説明する。
【0024】
(実施例1)
図4、図5(A)、(B)を参照する。ここで、図4は本発明の実施例1に係る溶融スラグの冷却固化装置の水冷ドラム及びその周辺部材の側面図、図5(A)は同装置において1つの水冷ドラム(円筒状回転体)を用いた場合の側面図、図5(B)は図5(A)の平面図を示す。
【0025】
図中の符番31は、内部に冷却水32が滞留する中空円筒状冷却部31aと、この中空円筒状冷却部31aに連通した拡径部31bとからなる水冷冷却ドラムを示す。前記水冷冷却ドラム31の軸方向に沿う一端側には、モータ軸33を介してモータ34が連結されている。また、水冷冷却ドラム31の他端側には、モータ軸33と同軸上にロータリージョイント35が図示しない軸を介して設けられている。なお、本例のように、水冷冷却ドラムを1個使用する場合は、側面から溶融スラグがあふれないように、拡径部の反対側にフランジ40を設ける。
【0026】
前記拡径部31bは、前記中空円筒状冷却部31aよりも拡径された中空円筒形状をなし、内部に前記中空円筒状冷却部31aよりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段としての排水管36を備えている。この排出管36の一端側は拡径部31bの外周寄りに形成される空気溜り部37に達し、前記モータ軸33と同軸上で曲げられて水冷冷却ドラム31の外方向に延出している。また、前記ロータリージョイント35には、冷却水を水冷冷却ドラム31に供給する給水管(冷却水の供給手段)38が連結されている。
【0027】
前記中空円筒状冷却部31aの軸方向に沿う外周面には、図5(A)に示すように板状部材39が接して配置されている。ここで、板状部材39としては、銅,鉄,アルミニウム等からなる水冷盤、または酸化アルミニウム,炭化珪素等からなる耐火物が使用される。前記中空円筒状水冷部31aの拡径部31bと反対側には、図5(A),(B)に示すように、溶融スラグ17が脇からこぼれるのを回避するためのフランジ40が夫々設けられている。前記中空円筒状冷却部31aと拡径部31bと板状部材39とフランジ40で囲まれた領域に溶融スラグ17が溜められる。
【0028】
実施例1に係る溶融スラグの冷却固化装置によれば、水冷冷却ドラム31の一方の端部に溶融スラグの溜り部が存在する中空円筒状水冷部31aの外径と比べて外径が大きい拡径部31bを備え、且つこの拡径部31bの内部に前記中空円筒状冷却部31aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する排水管36を備えた構成になっているため、従来のように溶融スラブの溜り部に対応した水冷ドラム内に空気溜り部ができることなく、前記拡径部31bに空気溜り部37ができる。従って、前記拡径部31bには溶融スラブ17が溜らないので、従来と比べ、水冷冷却ドラム上部の冷却を強化することができる。
【0029】
事実、従来の冷却固化装置の場合、水冷ドラムの上部の表面温度が800〜900℃と高く、水冷ドラムの下部の表面温度も300〜400℃と高かった。これに対し、実施例1の冷却固化装置によれば、水冷冷却ドラム31の上部の表面温度は約500℃、水冷冷却ドラム31の下部の表面温度は約100℃に下がり、溶融スラグの処理能力が従来と比べ1.3倍に向上した。これにより、本発明装置が従来装置と比べ優れていることが確認できた。
【0030】
(実施例2)
実施例1では、冷却水の給排水を水冷冷却ドラムの同じ側(図4で言えば右側)に設けたが、図6のように水冷冷却ドラムの両端に別々に設けてもよい。
図6中の符番38は、回転軸を兼ねる給水管を示す。前記水冷冷却ドラム31の一端側で給水管38の外側には、該給水管38と同心状にプーリ41が配置されている。このプーリ41と離間した位置には別のプーリ42が配置され、両プーリ41,42にモータ34からの駆動力を水冷ドラム31に伝達する駆動用Vベルト(叉はチェーン)49が懸架されている。
実施例2によれば、実施例1と同様に、冷却水による冷却能力を高めることができる。
【0031】
(実施例3)
図7を参照する。実施例3の冷却固化装置は、2つの水冷冷却ドラムを互いの中空円筒状水冷部の外周面が接触するようにして用いた場合を示す。このように、水冷冷却ドラムを2つ用いる場合は、拡径部の反対側にフランジを設けない(図6参照)。なお、図1、図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
【0032】
図中の符番44,45は、夫々中空円筒状水冷部44a,45aの外周面が互いに接して配置された水冷冷却ドラムを示す。一方の水冷冷却ドラム44は、内部に冷却水32が滞留する中空円筒状冷却部44aと、この中空円筒状冷却部44aよりも拡径された中空円筒形状をなすとともに該中空円筒状冷却部44aに連通し、内部に中空円筒状冷却部44aよりも高い位置から前記冷却水を排出する排水管排水管36を備えた拡径部44bとからなる。
【0033】
他方の水冷冷却ドラム45は、内部に冷却水32が滞留する中空円筒状冷却部45aと、この中空円筒状冷却部45aよりも拡径された中空円筒形状をなすとともに該中空円筒状冷却部45aに連通し、内部に中空円筒状冷却部45aよりも高い位置から前記冷却水を排出する排水管36を備えた拡径部45bとからなる。前記拡径部44b、45bは互いに反対側に位置するように設けられている。
【0034】
一方の水冷冷却ドラム44においては、一方の端部に水冷冷却タンク44に冷却水を供給する給水管38が配置され、他方の端部に水冷冷却タンク44の冷却水を排水する排水管36が一端の開口部を上向きに配置されている。この排水管36の構成は実施例1の排水管と同様な構成となっている。ここで、給水管38と排水管36の出口部とは同軸になっている。前記排水管36の出口部には、第1の歯車46が排水管36と同心円状に設けられている。
【0035】
他方の水冷冷却ドラム45においては、一方の端部の拡径部45bに水冷冷却タンク45の冷却水を排水する排水管36が上向きに配置されている。ここで、排水管36の出口部でかつ拡径部45bの側壁には、プーリ47が設けられている。このプーリ47と、モータ34と連動するプーリ48には駆動用Vベルト49が懸架されている。水冷冷却ドラム45の他方の端部には、水冷冷却ドラム45に冷却水を供給する給水管50が前記排水管36の出口部分と同軸に設けられている。前記給水管50の外周側には該給水管50と同心円状に回転軸51が設けられ、この回転軸51の外周部に前記第1の歯車46と噛合する第2の歯車52が設けられている。
【0036】
こうした構成の冷却固化装置においては、モータ34が回転することによりその駆動力がプーリ48、駆動用Vベルト49、プーリ47を介して水冷冷却ドラム45に伝達され、水冷冷却ドラム45が矢印Aのように回転する。一方、水冷冷却ドラム45の回転により、その回転力が第2の歯車50、第1の歯車46により水冷ドラム44に伝達され、水冷冷却ドラム44が矢印Bのように回転する。
【0037】
実施例3によれば、水冷冷却ドラム44の一端部に溶融スラグ17の溜り部が存在する中空円筒状冷却部44aの外径と比べて外径が大きい拡径部44bが設けられ、且つこの拡径部44bの内部に前記中空円筒状冷却部44aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する排水管36を備え、更に水冷冷却ドラム45の一端部に溶融スラグ17の溜り部が存在する中空円筒状冷却部45aの外径と比べて外径が大きい拡径部45bが設けられ、且つこの拡径部45bの内部に前記中空円筒状冷却部45aよりも高い位置から前記冷却水32を排出する排水管36を備えた構成になっている。従って、実施例1と同様に、溶融スラグの溜り部に対応した中空円筒状冷却部44a,45a内に空気溜り部ができることなく、前記拡径部44b,45bに空気溜り部ができる。しかるに、前記拡径部44b、45bには溶融スラグが溜らないので、従来と比べ、水冷冷却ドラム44,45上部の冷却を強化することができる。
【0038】
また、水冷冷却ドラム44,45における拡径部44b,45bを夫々反対側の位置するように設定することにより、水冷冷却ドラム44,45への冷却水の供給、排水を簡単に行うことができる。更に、プーリ47,48、駆動用チェーン49、及び互いに噛合する第1の歯車46、第2の歯車52により、水冷冷却ドラム44,45を簡単な構成で同時に回転させることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、中空円筒状冷却部と、冷却水の供給手段と、前記円筒状冷却部よりも拡径された中空円筒形状で内部に中空円筒状冷却部よりも高い位置から冷却水を排出する冷却水排出手段を備えた拡径部を有する水冷冷却ドラムを具備した構成にすることにより、水冷冷却ドラム内の空気溜りをスラグ溜り部のない拡径部に移動させ、冷却水による冷却能力を高めることができる溶融スラグの冷却固化装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の溶融スラグの冷却固化装置の全体図。
【図2】図2は、図1の冷却固化装置の一構成である冷却ドラム及びその周辺の説明図。
【図3】図3は、図1の冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【図4】図4は、本発明の実施例1に係る溶融スラグの冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【図5】図5は、1つの冷却ドラムを用いた場合の説明図。
【図6】図6は、本発明の実施例2に係る溶融スラグの冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【図7】図7は、本発明の実施例3に係る溶融スラグの冷却固化装置の冷却ドラム及びその周辺部材の側面図。
【符号の説明】
1…滞留槽、 3a,3b…二次冷却装置、 4…区画壁、
5…溶融塩層、 6…溶融メタル層、 7…溶融スラブ層、
8…温度計、 9,15…スラグ樋、 10…溶融塩の排出口、
11…溶融メタルの排出口、 12…溶融スラグの排出口、 13…ゲート、
14…回転軸、 16…堰板、 17…溶融スラグ、
18…凝固スラグ、 19…超音波液面計、 20…制御器、
21…赤外線温度計、 22…剥離したスラグ、 23…流量計、
24…スプレーノズル、 30a,30b…破砕機、
31,44,45…水冷冷却ドラム、
31a,44a,45a…中空円筒状冷却部、32…冷却水、34…モータ、
35…ロータリージョイント、 36…排水管(冷却水排出手段)、
37…空気溜り部、 38…給水管(供給手段)、 39…板状部材、
40…フランジ、 41,42,47,48…プーリ、
49…駆動用Vベルト、 46,50…歯車。
Claims (2)
- 内部に冷却水が滞留する中空円筒状冷却部と、前記冷却水の供給手段と、前記円筒状冷却部よりも拡径された中空円筒形状でかつ前記円筒状冷却部と連通し、内部に前記中空円筒状冷却部よりも高い位置から前記冷却水を排出する冷却水排出手段を備えた拡径部を有する水冷冷却ドラムを具備したことを特徴とする溶融スラグの冷却固化装置。
- 前記水冷冷却ドラムを複数、前記中空円筒状冷却部の外周面同士を接して配置したことを特徴とする請求項1記載の溶融スラグの冷却固化装置。
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Cited By (1)
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JP2008534781A (ja) * | 2005-04-01 | 2008-08-28 | テキント コンパニア テクニカ インテルナツィオナレ ソシエタ ペル アチオニ | 二次精錬スラグの再生及び電気アーク炉による製鋼プロセスでのリサイクルのための方法及び装置 |
-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003109376A patent/JP2004316985A/ja active Pending
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