JP2004316804A - すべり軸受装置 - Google Patents

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Daisuke Nakahara
大輔 中原
Atsushi Okado
篤 岡戸
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Daido Metal Co Ltd
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Abstract

【課題】面倒な機械加工を行うことなく、また、負荷能力を低下させることなく、軸とすべり軸受との間での強当たりによる損傷の発生を防止する。
【解決手段】すべり軸受1の背面(半割軸受2の背面2b)とハウジング3の内面3aとの間に、熱可塑性エラストマーからなるエラストマー層10を設ける。エラストマー層10は、ビカット軟化温度が100〜180℃で、かつ熱変形温度(0.45MPa)が60〜140℃の温度特性を有し、厚さは5〜20μmとする。軸4とすべり軸受1の内面との間で強当たりが発生した場合、そのとき発生する熱によりエラストマー層10が軟化し、すべり軸受1のハウジング3側への弾性変形が許容されるようになる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウジングに取り付けられたすべり軸受の内面で軸を回転自在に支持する構成のすべり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のすべり軸受装置においては、軸やハウジング、すべり軸受の製作誤差や変形などにより、すべり軸受の内面における特に軸線方向端部と軸とが部分的に強く当たる強当たりが発生することがある。このような強当たりが発生すると、その部分から疲労や焼付きによる損傷に至ることがある。
【0003】
このような強当たりに対処するために、例えば次のようなことが行われている。
(1)すべり軸受の背面における軸線方向両端部に切削部を形成し、すべり軸受の背面における軸線方向両端部とハウジングの内面との間に隙間を形成する構成とする。これにより、上記強当たりが発生した場合に、すべり軸受の軸線方向端部が隙間側へ逃げるように弾性変形することで、その強当たりによる損傷の発生を防止するようにする。
(2)すべり軸受の内面における軸線方向両端部に、軸から逃げるように切削部を形成しておき、予め強当たりを発生し難くした構成とする。
【0004】
(3)ハウジングの軸線方向の幅を、すべり軸受の幅よりも小さく設定し、すべり軸受の軸線方向両端部がハウジングから軸線方向両側へ突出した構成とする。これにより、上記強当たりが発生した場合に、(1)と同様に、すべり軸受の軸線方向端部がハウジング側(外側)へ逃げるように弾性変形することで、その強当たりによる損傷を防止するようにする。
【0005】
一方、課題は違うが、すべり軸受の背面とハウジングの内面との間に、ポリアミドイミド樹脂をベースとした被覆層を設ける構成としたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。このものは、すべり軸受の背面とハウジングの内面との間に発生するフレッチングによる損傷を防止するためのものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−236125号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来構成のものでは、次のような欠点がある。
上記(1)、(2)の場合には、すべり軸受を機械加工(切削加工)する必要があり、その加工が面倒である。また、(1)、(2)の場合はすべり軸受の軸線方向両端部を切削加工し、(3)の場合は、すべり軸受の軸線方向両端部はハウジングの支持がないため、いずれの場合も、強当たりが発生しない通常の状態でも軸の荷重を受ける部分が部分的になり、すべり軸受としては負荷能力が低下し、軸とすべり軸受との間で焼付きが発生しやすくなるという問題がある。
【0008】
一方、上記特許文献1の場合には、すべり軸受の背面とハウジングの内面との間にポリアミドイミド樹脂をベースとした被覆層を設ける構成としているが、強当たりが発生した場合にそれを解消することができず、やはり軸とすべり軸受との間で焼付きが発生しやすくなるという問題がある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、面倒な機械加工を行うことなく、また、負荷能力を低下させることなく、軸とすべり軸受との間での強当たりによる損傷の発生を防止できるすべり軸受装置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明のすべり軸受装置は、ハウジングに取り付けられたすべり軸受の内面で軸を回転自在に支持する構成のすべり軸受装置において、前記すべり軸受の背面と前記ハウジングの内面との間に、ビカット軟化温度が100〜180℃で、かつ熱変形温度(測定応力が0.45MPaのとき)が60〜140℃の特性を有する熱可塑性エラストマーからなるエラストマー層を設けたことを特徴とする。
【0011】
上記した手段によれば、軸とすべり軸受の内面との間で強当たりが発生した場合、そのとき発生する熱により、すべり軸受の背面とハウジングの内面との間に設けられたエラストマー層が軟化し、すべり軸受のハウジング側への弾性変形が許容されるようになる。これにより、強当たりによる損傷の発生を防止できる。
【0012】
また、上記した構成においては、すべり軸受の背面とハウジングの内面との間にエラストマー層を設ける構成であるから、すべり軸受を機械加工する場合に比べて加工が容易である。さらに、強当たりが発生しない通常の状態では、すべり軸受は弾性変形せず、軸の荷重を広い範囲で受けることができ、負荷能力が低下することもない。
エラストマー層を構成する熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリエステル系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0013】
この場合、上記エラストマー層の厚さは、5〜20μmとすることが好ましい。エラストマー層の厚さが5μm以上では、エラストマー層の軟化によって、すべり軸受のハウジング側への十分な弾性変形が生じ、強当たりを解消する効果が大きくなる。また、エラストマー層の厚さが20μm以下では、すべり軸受からハウジングへの熱伝達性の向上によって、摺動面温度の上昇を抑える効果が大きくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1には、すべり軸受の要部の断面図が示されている。この図1において、すべり軸受1は、半円筒状の半割軸受2を2個突き合わせて円筒状に構成され、ハウジング3の内側に取り付けられていて、その内面(半割軸受2の内面2a)で軸4を回転自在に支持する構成となっている。上記半割軸受2は、鋼板製の裏金上にCu系或いはAl系の軸受合金層を設けて構成されている。図2は、1個の半割軸受2の内面2aを上から見た平面図である。一般に、このような半割軸受2においては、その内面2aにおける軸線方向の両端部5(図2の斜線で示した部分)において、軸4との間で強当たりが発生し易いという事情がある。
【0015】
そこで、本発明においては、すべり軸受1の背面(半割軸受2の背面2b)に、熱可塑性エラストマーからなるエラストマー層10を設けている。この場合、エラストマー層10は、シートとして半割軸受2の背面2bに貼り付けることによって設けられている。従って、エラストマー層10は、すべり軸受1における各半割軸受2の背面2bとハウジング3の内面3aとの間に設けられている。
【0016】
本実施例では、上記エラストマー層10としては、ポリエステル系熱可塑性エラストマーであるハイトレル(商品名)を用いた。そして、このエラストマー層10を用いて焼付試験を行った。表1には、実施例1〜4および比較例2〜5の各エラストマー層10の材質と、厚さと、温度特性として、測定応力が0.45MPaとした場合における熱変形温度と、ビカット軟化温度と、焼付試験を行った結果とが示されている。この場合、上記熱変形温度は、ASTM規格D648に従った試験でのデータである。
【0017】
なお、比較例1は、エラストマー層を用いない例である。焼付試験の試験条件は、表2に示している。焼付試験は、5MPaずつ面圧を増加していき、焼付かない最大の面圧を焼付かない最大面圧として測定した。
【0018】
【表1】
Figure 2004316804
【0019】
【表2】
Figure 2004316804
【0020】
ここで、試験結果について検討してみる。まず、エラストマー層を設けない比較例1は、焼付かない最大面圧が90MPaとなっている。これに対して、実施例1,2では、焼付かない最大面圧は110MPa以上となっていて、非焼付性が良くなっていることがわかる。このことは、強当たりによる損傷の発生に対する防止能が高いことを示している。これは、軸4とすべり軸受1の内面との間で強当たりが発生した場合、そのとき発生する熱によりエラストマー層10が軟化し、すべり軸受1のハウジング3側への弾性変形が許容されるようになるためであると考えられる。
【0021】
次に、エラストマー層10の厚さが10μmの実施例1,2と比較例2〜5とを比較してみる。比較例2〜5は、エラストマー層10を設けているにもかかわらず、焼付かない最大面圧が、エラストマー層を設けない場合と同等またはそれよりも低くなっている。これは、エラストマー層の温度特性が関係していると思われる。比較例2は、ビカット軟化温度、熱変形温度とも低いために、低面圧下で発生した摩擦熱により、エラストマー層10を構成する熱可塑性エラストマーが軟化する。そして、面圧が上昇すると、熱可塑性エラストマーが溶融して、背面2bからの熱可塑性エラストマーの流出によりエラストマー層10の厚さが必要以上に変化してしまう。その厚いところで強当たりが発生し、焼付かない最大面圧が低くなる。そのため、非焼付性が低下すると考えられる。
【0022】
また、比較例3〜5は、ビカット軟化温度および熱変形温度のうち特にビカット軟化温度が高すぎるため、弾性変形し難い。このような場合、強当たりの解消が行われないので、焼付かない最大面圧が低くなる。そのため、非焼付性が低下すると考えられる。本発明者らが検討した結果、エラストマー層10としては、ビカット軟化温度が100〜180℃で、かつ熱変形温度(測定応力が0.45MPaのとき)が60〜140℃の温度特性を有するものが好ましいことがわかった。
【0023】
実施例3,4は、エラストマー層10の材質は実施例2と同じものであるが、実施例2とは厚さが異なっている。すなわち、実施例3は、厚さが3μmと薄く、この場合には、非焼付性が100MPaとなっている。また、実施例4は、厚さが30μmと厚く、この場合には非焼付性が100MPaとなっている。これらの結果から、エラストマー層10の厚さとしては、3〜30μmが好ましく、5〜20μmがさらに好ましいことがわかった。
【0024】
本発明は、上記した実施の形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
エラストマー層10は、ハウジング3の内面側に設けるようにしても良い。また、そのエラストマー層10は、シートを貼り付けることに代えて、塗布によって設けるようにしても良い。
エラストマー層10としては、熱可塑性エラストマーで、上記の温度特性(ビカット軟化温度が100〜180℃で、かつ熱変形温度が60〜140℃)を有するものであれば、ハイトレル以外のものであっても良い。
すべり軸受1としては、1個で円筒状をなすブッシュでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す要部の断面図
【図2】半割軸受の内面側を見た平面図
【符号の説明】
1はすべり軸受、2は半割軸受、2aは内面、2bは背面、3はハウジング、3aは内面、4は軸、10はエラストマー層を示す。

Claims (2)

  1. ハウジングに取り付けられたすべり軸受の内面で軸を回転自在に支持する構成のすべり軸受装置において、
    前記すべり軸受の背面と前記ハウジングの内面との間に、ビカット軟化温度が100〜180℃で、かつ熱変形温度(測定応力が0.45MPaのとき)が60〜140℃の特性を有する熱可塑性エラストマーからなるエラストマー層を設けたことを特徴とするすべり軸受装置。
  2. 前記エラストマー層の厚さが5〜20μmであることを特徴とする請求項1記載のすべり軸受装置。
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