JP2004315424A - 苦味を低減した薬物含有速放性顆粒 - Google Patents

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Kazuyoshi Asada
和由 浅田
Naomi Suda
尚美 須田
Mayumi Nishio
真由美 西尾
Takeshi Sugiura
健 杉浦
Aya Ohira
綾 大平
Michio Mamiya
美知雄 間宮
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Abstract

【課題】エチルセルロースを使用して簡単な操作で製造することができる苦味が低減された速放性薬物含有顆粒を提供する。
【解決手段】賦形成分と混合した苦味を有する薬物を顆粒全体の重量を基準にして2〜40%のエチルセルロースを結合剤として造粒してなる苦味を低減した速放性薬物含有顆粒。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、苦味を低減した薬物含有速放性顆粒に関する。
【0002】
【従来技術及び課題】
製剤技術において苦味を呈する薬物の苦味の低減と速放性とは一般に両立しない。特に顆粒剤、散剤、細粒剤、ドライシロップなどのそのまま服用される造粒製剤においてはそうである。苦味の低減は薬物の結晶粒子又はその造粒物を水に不溶な物質の膜でコーティングすることによって達成可能であるが、しかしその反面薬物の速放性は失われる。しかしながら水不溶性物質の膜であっても不連続すなわち細孔が形成されるような状態でコーティングするならば、口中では苦味をマスキングし、消化管上部において膜が物理的に破れ、あるいは細孔を通って薬物が拡散することによって放出されるように設計することが可能である。エチルセルロースはそのようなコーティング膜材料の一つの候補である。
【0003】
特開平3−130214号は、不快な味を呈する薬物と低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)のような水膨潤性物質を含有する核に、エチルセルロースと水溶性高分子例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースおよびポリビニルピロリドンのような水溶性ポリマーよりなる膜でコーティングしてなる顆粒状の速放性製剤が記載されている。この製剤のコーティング膜が消化管上部において破れ、内部の薬物を放出する原理は、膜を透過した水分により核の水膨潤性物質が膨張し、膜を物理的に破ることによる。従って製剤全体に含まれる水膨潤物質およびエチルセルロースの比率、膜中のエチルセルロースと水溶性ポリマーの割合等を厳密にコントロールすることを必要とし、さらに膜のコーティングはジクロロメタンのような環境および衛生上好ましくない溶剤を使用しなければならない。
【0004】
特開2000−53563号は、苦味を有する薬物を含有した芯部に、場合により水溶性ポリマーの膜をコーティングした後、エチルセルロースと水溶性可塑剤とからなる水性懸濁液をコーティングしてなる苦味の低減と速放性が両立した細粒製剤を記載する。この場合はコーティング膜に含まれる水溶性可塑剤の溶出によって膜が不連続となり、膜の崩壊又は拡散により薬物が消化管上部で放出されることを原理とする。
【0005】
上記いずれの公知技術においても、核の造粒およびエチルセルロースを含む膜のコーティングの工程を必ず必要とし、各成分の比率は厳密にコントロールされなければならない。
【0006】
そこで本発明は、エチルセルロースを使ってもっと簡単な操作によって苦味の低減と速放性が常に両立する顆粒の提供を課題とする。
【0007】
【課題の解決手段】
本発明は、エチルセルロースを膜としてコーティングするのではなく、結合剤として苦味を呈する薬物と賦形剤の混合物を造粒することにより、苦味の低減と速放性を両立させることに成功した。水にも消化液にも不溶なエチルセルロースを結合剤として使用すれば、顆粒全体に占めるエチルセルロースの割合を厳密にコントロールする必要はなく、また膜として核にコーティングするよりも操作が簡単である。
【0008】
本発明の苦味を低減した薬物含有速放性顆粒は、賦形成分と混合した苦味を有する薬物を顆粒全体の重量を基準にして2〜40%のエチルセルロースを結合剤として造粒することにより得られる。
【0009】
エチルセルロースのこのような使い方により、口中での苦味のある薬物の溶出が最低限に抑制される一方で、胃液中30分以内の溶出率は80%以上に保たれる。すなわち苦味の低減と速放性の両方が可能となる。
【0010】
【好ましい実施態様】
苦味を呈する薬物は最初賦形成分と混合される。賦形成分は、デンプン、マンニトール、結晶セルロース、乳糖などの狭義の賦形成分のほか、カルメロースカルシウム、クロスカルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤を併用することができる。エチルセルロース自体が賦形成分であっても良い。苦味を呈する薬物の種類は問わない。またそれらの混合比率も造粒が可能でかつ所定の薬物含量が達成可能である限り任意である。
【0011】
賦形成分と薬物の混合物の造粒方法は、流動層造粒または攪拌造粒のいずれでも良いが、流動層造粒が効率的である。造粒にはエチルセルロースをエタノールまたは含水エタノールに溶解した溶液を用いるのが良い。この溶液はヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなこの溶液にも可溶な水溶性ポリマーを含むことができる。その量はエチルセルロースの造粒能力を補うのには十分であるが、しかし結合成分全体として苦味低減効果を損なうほど多量であってはならない。また水溶性ポリマーに加えてもしくは代えてタルクをエチルセルロース溶液に分散して用いることもできる。
【0012】
本発明においては、造粒後の顆粒に含まれるエチルセルロースの比率が2〜40重量%の範囲であれば賦形剤/薬物混合物とエチルセルロースの比を厳密にコントロールする必要はない。もっともエチルセルロースの高割合は速放性に悪影響し、反対に過度に低い割合は苦味低減効果が充分に発揮されない。
【0013】
このようにして得られた顆粒(一次顆粒)は、薬物およびエチルセルロースを含まない賦形成分および必要に応じ甘味剤、矯味剤などの補助成分を混合して二次顆粒に造粒することができる。また一次顆粒に賦形成分、および/または補助成分と滑沢剤を混合して錠剤に打錠することもできる。
【0014】
上に述べた顆粒中のエチルセルロースの比率は一次顆粒に関し、二次顆粒に造粒するためその後に加えた成分は計算に含めない。一次顆粒および二次顆粒は、その粒径に応じて顆粒剤、散剤、細粒剤、ドライシロップ剤の形で経口投与するのに適している。一次顆粒に賦形剤と共に添加され、二次顆粒に含まれる甘味剤および矯味剤の例は、それぞれ糖特に白糖、糖アルコール特にマンニトール、アスパルテーム、グリチルリチン塩、サッカリン、アセスルファム塩、ステビアなどと、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、グリシン、メントールなどである。甘味剤および矯味剤は一次顆粒に混和し、そのまま投与することもできる。
【0015】
【実施例】
以下の実施例は例証目的であって本発明をこれらの実施例に限定することを意図しない。これら実施例および比較例中「部」および「%」は特記しない限り重量基準による。また実施例および比較例では苦味を呈する薬物としてセフポドキシムプロキセチルとクラリスロマイシンを使用したが、薬物はこれらに限らないことは自明であろう。
【0016】
実施例1
セフポドキシムプロキセチル71.8部、乳糖80部、カルメロースカルシウム4部およびカルメロースナトリウム10部を流動層造粒機に仕込み、混合した。この混合物にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)12部とエチルセルロース(EC)4部を80%エタノールに溶解した溶液を噴霧して造粒し、一次顆粒を得た。得られた一次顆粒の全量に粉砕白糖785.2部を加え、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)3部の水溶液を噴霧して造粒し速放性の二次顆粒を得た。
【0017】
実施例2
セフポドキシムプロキセチル71.8部、乳糖20部およびカルメロースカルシウム10部を流動層造粒機に仕込み、混合した。この混合物にHPMC8部とEC8部を80%エタノールに溶解した溶液を噴霧して造粒し、速放性一次顆粒を得た。
【0018】
実施例3
実施例2の一次顆粒全量に粉砕白糖774.7部と、結晶セルロース・カルメロースナトリウム50部を混合し、水を噴霧して造粒し、速放性二次顆粒を得た。
【0019】
実施例4
実施例2で得た一次顆粒の全量にグルタミン酸ナトリウム10部を均一に混合し、速放性顆粒製剤を得た。
【0020】
実施例5
実施例4においてグルタミン酸ナトリウム10部に代え、アスパルテーム10部を均一に混合し、速放性顆粒製剤を得た。
【0021】
実施例6
実施例4において、グルタミン酸ナトリウム10部に代え、アセスルファムカリウム10部を均一に混合し、速放性顆粒製剤を得た。
【0022】
実施例7
実施例4においてグルタミン酸ナトリウム10部に代え、アスパラギン酸ナトリウム10部に均一に混合し、速放性顆粒製剤を得た。
【0023】
実施例8
セフポドキシムプロキセチル71.8部、乳糖20部、カルメロースカルシウム10部を流動層造粒機に仕込み、混合した。この混合物にHPMC6部とEC10部を80%エタノールに溶解した溶液を噴霧して造粒し、一次顆粒を得た。得られた一次顆粒の全量にマンニトール792.2部と結晶セルロース・カルメロースナトリウム40部を混合し、水を噴霧して造粒し、速放性顆粒を得た。
【0024】
実施例9
セフポドキシムプロキセチル71.8部、乳糖20部、カルメロースカルシウム10部を流動層造粒機に仕込み、混合した。この混合物にEC16部を80%エタノールに溶解した溶液を噴霧し、造粒して一次顆粒を得た。
【0025】
実施例10
実施例9で得た一次顆粒の全量に粉砕白糖792.2部と結晶セルロース・カルメロースナトリウム40部を混合し、水を噴霧して造粒し、速放性顆粒製剤を得た。
【0026】
実施例11
クラリスロマイシン100部、およびEC25部を流動層造粒機械に仕込み、90%エタノールにEC60部を溶解した液にタルク20部を懸濁し、この懸濁液を上の混合物に噴霧して造粒し、一次顆粒を得た。
【0027】
実施例12
実施例11で得た一次顆粒の全量にマンニトール600部、トウモロコシデンプン150部、カルメロースナトリウム20部、ショ糖脂肪酸エステル10部を混合し、HPC15部の水溶液を噴霧して造粒し、速放性顆粒製剤を得た。
【0028】
比較例1
実施例1において一次顆粒の造粒に用いた80%エタノールに溶解したHPMC12部とEC4部に代え、HPC4部の水溶液を噴霧し、一次顆粒を得た。
【0029】
比較例2
クラリスロマイシン100部、結晶セルロース24部、カルメロースナトリウム4部を流動層造粒機に仕込み、混合した。この混合物にHPC2.7部の水溶液を噴霧して造粒し、一次顆粒を得た。
【0030】
上の実施例および比較例で得た顆粒製剤について苦味の官能試験および溶出試験を行った。
【0031】
実験1(官能試験)
実施例及び比較例で得た速放性顆粒をパネラー10人を用いて、薬物の苦味抑制効果の官能試験を行った。製剤適量を口に含み、その苦味を表1の6段階で評価させた。結果を表2に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004315424
【0033】
【表2】
Figure 2004315424
【0034】
実験2(溶出試験)
実施例8,10,12及び比較例1,2の速放性顆粒を、日本薬局方第14版記載の第2法(バトル法)により溶出試験を行った。試験液はpH1.2を用いて回転数は50rpmで行った。
【0035】
その結果、30分後の溶出率は表3のようになった。
【0036】
【表3】
Figure 2004315424

Claims (7)

  1. 賦形成分と混合した苦味を有する薬物を顆粒全体の重量を基準にして2〜40%のエチルセルロースを結合剤として造粒してなる苦味を低減した速放性薬物含有顆粒。
  2. エチルセルロースが顆粒全体の重量の2〜30%である請求項1の顆粒。
  3. エチルセルロースが顆粒全体の重量の2〜20%である請求項1の顆粒。
  4. エチルセルロースはエタノール又は含水エタノール溶液として造粒に使用される請求項1ないし3のいずれかの顆粒。
  5. 前記エチルセルロース溶液はさらに水溶性ポリマーを含んでいる請求項4の顆粒。
  6. 前記エチルセルロース溶液は溶液に分散したタルクを含んでいる請求項4または5の顆粒。
  7. 請求項1ないし6の顆粒を賦形成分と混合し、混合物を水溶性ポリマーを用いまたは用いることなく二次的に造粒してなる苦味を低減した速放性薬物含有顆粒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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